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AFIRE試験を複数形で祝福しよう!【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第17回

第17回 AFIRE試験を複数形で祝福しよう!この日がやってきました。夢ではなく現実の出来事として、夢のような吉報がもたらされました。世界中の医学雑誌の中でも頂点に位置するNEJM誌に、日本からの臨床研究が紹介されたのです。その名も「AFIRE試験」です。2019年9月2日、フランスのパリで開催されたヨーロッパ心臓病学会(ESC)の満員のHot Line Session会場で、国立循環器病研究センター病院の安田 聡先生により発表され、同時にエンバーゴが解除されてNEJM誌掲載となりました(N Engl J Med 2019; 381:1103-1113)。エンバーゴの意味を知りたい方は、「第3回 エンバーゴ・ポリシーで言えませんと言ってみたい!」を参考にしてください。心房細動を合併した安定冠動脈疾患では、これまでは複数の抗血栓薬が必要と考えられてきました。この研究は、むしろ薬剤を減らして単剤とする治療のほうが、心血管イベントの発生を増加させることなく、出血性イベントを有意に減らすことを明らかにしました。病態に応じて複数の薬剤を組み合わせることで濃厚な治療になりがちな中で、"薬剤を減らす"という選択肢の意義を証明したのです。数多くの医療機関によるAll Japan体制の結果として成果が得られたことも、特筆すべきことです。発表会場では、満場の拍手が贈られました。私自身も、パリの会場で快挙の場に立ち会った瞬間の高揚感と、日本人としての誇らしい気持ちを忘れることができません。座長の先生の第一声は「Congratulations!」で、その後のディスカッションでも「Congratulations!」が飛び交っておりました。ここで注意すべきは、Congratulationは複数形であることです。「コングラッチュレーション!」と叫びたくなりますが、コングラッチュレーション”ズ”が正解です。単数形では単に「祝い」という意味になり、複数形にすることではじめて、「おめでとう!」と祝福の気持ちを伝える言葉になるそうです。正しい英語を使いたいものです。さらには、「Congratulations!」は、同じ「おめでとう!」でも、努力の対価として得られた成果を祝福する際に用いる言葉で、大学受験合格・就職・昇進などの場面で使うのが適切な言葉です。この「AFIRE試験」は、研究の立案から遂行、そしてNEJM誌編集部の厳しい査読、これらすべての難題を克服した成果ですから、まさに「Congratulations!」が相応しいといえます。「新年おめでとう!」「誕生日おめでとう!」などは季節が巡れば自然とやってくる事象ですから、「Congratulations」は使わないようです。この場合は「Happy」が使われます。「Happy New Year!」、「Happy Birthday!」です。この世で、最も努力や苦労という言葉とは無縁の世界にいるのが、ノウノウと暮らす家猫です。猫は気まぐれで気難しく、風来坊で横着です。我が家の愛すべき猫様も勤勉とは無縁の生き物です。「びよーん」と尻尾を伸ばしたまま、日当たりの良い場所で寝て過ごします。野生ネコのように身体に尻尾を巻き付ける緊張感はありません。思わず尻尾を踏みつけそうになります。一度だけ思い切り踏んでしまったことがあるのですが、悲鳴を上げて1m以上も猫が飛び上がった姿は忘れられません。「足元に注意」です。これは「Watch your step.」です。日本人的にはなぜstepがstepsではないのか気になるところです。本当に英語は難しいですね。最後に改めて「AFIRE試験」に関与した皆様に心から祝福と敬意を表します。「Congratulations!」

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深刻度高い膵がんの悪液質 シリーズがん悪液質(6)【Oncologyインタビュー】第13回

固形がんの中でも予後が悪いとされる膵臓がん。この膵臓がんと悪液質の関係について、国立がん研究センター東病院 肝胆膵内科医長 兼 先端医療開発センター バイオマーカー探索トランスレーショナルリサーチ分野に所属する光永 修一氏に話を聞いた。膵臓がんでの悪液質の特徴を教えていただけますか。膵臓がんでの悪液質の特徴としてまずあげられるのは、合併頻度の高さです。初診時、つまり新たに膵臓がんと診断された時点ですでに5~6割の患者さんが悪液質を合併しているとの報告があります。アメリカでの観察研究では膵臓がん患者は、診断前から悪液質の兆候が認められると報告されていますし、治療経過中に膵臓がんの全体の8割に悪液質が合併するという報告もあります。悪液質が発症すると、患者さんのQOLは著しく低下するといわれています。従来から膵臓がんは予後がきわめて不良ながんとして知られていますので悪液質の合併による深刻度は、ほかのがん種に比べても、さらに高いといえます。膵臓がんでの悪液質の原因や病態進行との関係については現在どのようなことがわかっているのでしょうか。悪液質の原因としては、炎症性サイトカインの活性化やホルモンの異常が指摘されています。炎症性サイトカインにはインターロイキン-1(IL-1)、インターロイキン-6(IL-6)、腫瘍壊死因子(TNF-α)があります。これら炎症性サイトカインを阻害する治療に関する研究も行われていますが、その結果は必ずしも良好だとはいえません。たとえばIL-1を阻害する治療に関する研究報告は非常に解釈がむずかしい結果でした。また、ホルモンの分泌異常についてもいくつかの研究報告はありますが、やはり確定的な結果とはいえません。結局、実験的なレベルで認められる悪液質の原因が治療応用に結びつく形にはなっていないのが現状なのです。そうした中、われわれが行った研究では、食欲を促進するホルモンである活性化グレリンの比率が低下している膵臓がん患者さんでは、食欲不振が著しいという結果がわかりました。この結果から、グレリンの活性化の低下、グレリンの分泌量低下が悪液質に関わっているのかもしれないとも推察しています。膵臓がんでは悪液質の合併が実際の治療にどのような影響を及ぼすのでしょうか。悪液質では全身状態が低下しています。具体的な研究報告はありませんが、一般的に全身状態が低下している患者さんでは、抗がん治療の毒性が強く出やすく、またその頻度が高いことが知られています。その観点からは膵臓がんでも抗がん治療による毒性が強く出やすいと考えられます。その毒性の中でも抗がん剤による消化器毒性と全身状態の低下には相関関係があることがわかっています。膵臓がんでも悪液質を合併している患者さんでは抗がん剤による消化器毒性が強く出る可能性が高いと考えられます。膵臓がんで悪液質を合併しているかを見分けるポイントはあるのでしょうか。悪液質以外で膵臓がんの患者さんに体重減少が起こる原因は、主に3つあります。1つは外分泌機能の異常、簡単に言えば消化吸収の能力が落ちてしまうことで体重が減少してしまうというものです。2つ目は膵臓がんそのものの増大による、とくに十二指腸などの上部消化管の閉塞、3つ目は膵臓がんの増大で上部消化管の動きが悪くなるというものです。基本的にこれら3つの原因による体重減少と悪液質による体重減少は合併していることが多く、どちらが体重減少の原因かを見分けることはきわめてむずかしいのが現状です。悪液質が優勢で体重減少が起きているか否かを見極める手段としては、炎症反応、具体的にはCRP値を測定することだと思います。実際、悪液質を合併している膵臓がん患者さんではCRP値の上昇が認められます。しかし、具体的なCRP値の基準はありません。膵臓がんでは胆管炎が起こりやすく、その場合もCRP値が上昇しますので、胆管炎の治療をしてもCRP値が改善しない場合は悪液質と診断するという流れになります。そもそも悪液質では炎症性サイトカイン活性化と同様に代謝異常が起こっています。この悪液質による代謝異常を見分けられるバイオマーカーがあれば、診断は容易になるでしょうが、現時点では代謝異常の適切なバイオマーカーはありません。さまざまな除外診断をして、悪液質か否かを判断するのが臨床現場での方策だと考えています。最近では高齢進行非小細胞肺がん/膵臓がんに対する早期栄養・運動介入の前向き単群の第I相試験(NEXTAC-ONE試験)が行われましたが、この結果についてはどのように受け止めていますか。NEXTAC-ONE試験では非小細胞肺がんと膵臓がんを分けた解析は行っていませんが、全体で見た場合に早期の栄養・運動介入で体組成や筋力は維持されているという結果が得られました。ただ、同試験は2つのがん種を併せて30例と症例数が少なく、膵臓がんのみで何らかの有用な示唆を得られる状況にはないと考えています。現在、目標症例数を130例に設定した多施設無作為化比較試験である第II相試験「NEXTAC-TWO試験」が行われていますので、この結果で非小細胞肺がんと膵臓がんで層別解析した際に膵臓がんでの栄養・運動介入の意義がわかるでしょう。悪液質に関する臨床研究はどのような方向に進むでしょうか。現在、悪液質に関する臨床研究の流れは、原因に対する治療法の研究と悪液質の症状に対する支持療法の研究の2つに大別されます。支持療法についてはNEXTAC試験に代表されるような栄養療法、運動療法で、現時点ではこの2つが最も効果が高いと考えられていますので、日本では前述したNEXTAC-TWO試験を適切に実施しながら今後の方向性を検討していくことになります。一方、原因に対する治療としては炎症性サイトカインの活性化や骨格筋の減少を抑制する薬剤が開発されています。現時点では良好な成績が認められているものはありませんが、徐々に開発が進みつつある状況です。こうした薬剤で臨床試験に至っているものはまだ年間数件ですが、世界中で開発が模索されています。がん治療に関わる医療従事者へのメッセージがあればお願いします。がんでは、がんそのものが原因で悪液質以外にもさまざまな症状が発現するため、症状が悪液質によるものなのか、判断が難しいことが少なくありません。これまでわかっていることを総合すれば、なるべく早めに悪液質の傾向が強いかどうかを判断し、悪液質の優勢が疑われれば、早期に筋力の維持に有効な運動・食事療法を提案するといった介入を検討することで望ましい結果を生む可能性があると思います。がん悪液質の診断基準では、過去6ヵ月間の体重減少が5%以上を1つの基準としていますが、海外で医療従事者を対象にしたアンケートでは、多くの回答者が体重減少15%程度で悪液質と判断するという結果が明らかになっています。その意味ではもう少し早めの介入を検討してほしいと思います。こうした認識の違いは、早期に診断をしても現時点では決定的な治療法がない、あるいは悪液質を改善した時にどんなベネフィットがあるかが明確ではないことに起因しているのだとも考えられます。一方で運動療法や栄養療法への信頼性が高まってきています。海外の取り組みや国内でのNEXTAC試験の取り組みで、早期介入がどのような良い結果をもたらすのか…介入による臨床的意義を示すための努力が、われわれスペシャリストに求められていると思います。本試験は2019年3月に全予定症例の登録が完了しました。現在は追跡期間中であり、2021年に主要評価項目に関する解析を予定しています。参考わが国の膵臓がん悪液質、7割に発症、有害事象発現も高く/日本治療学会がん悪液質に対する早期の栄養・運動介入…NEXTAC試験 シリーズがん悪液質(5)高齢者進行非小細胞肺がん、膵がん患者に対する早期運動・栄養介入の多施設共同ランダム化第II相試験(NEXTAC-TWO)

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甘草の重複から偽アルドステロン症を疑い、ただちに医師に電話【うまくいく!処方提案プラクティス】第9回

 今回は、整形外科領域で処方頻度の高い芍薬甘草湯による副作用の初期徴候と経過を把握することがキーとなった症例を紹介します。普段から症状や併用薬を確認することが副作用の早期発見に功を奏しました。処方提案後には、副作用が軽減したかモニタリングすることも重要です。患者情報80歳、女性(外来)、体重:70kg基礎疾患:腰部脊柱管狭窄症、高血圧症、脂質異常症血  圧:おおよそ130/70台を推移月1回整形外科を受診しており、薬剤は薬袋で自己管理している。処方内容(すべて継続処方薬)1.アムロジピン錠5mg 1錠 分1 朝食後2.フロセミド錠20mg 1錠 分1 朝食後3.リマプロストアルファデクス錠5μg 3錠 分3 毎食後4.メコバラミン錠500μg 3錠 分3 毎食後5.芍薬甘草湯7.5g 分3 毎食後6.ロスバスタチン錠5mg 1錠 分1 夕食後7.酸化マグネシウム錠500mg 2錠 分2 朝夕食後本症例のポイントこの患者さんは、腰部脊柱管狭窄症による下肢の痛みや冷えのため芍薬甘草湯が処方されていました。投薬対応中に普段と何か変わったことはないか確認したところ、「最近、手足がだるくて、筋肉痛やこむら返りが起きる。市販薬を購入して服用しているけれど、むしろひどくなっている気がする」と聴取しました。市販薬の内容を確認すると、こむら返りや筋肉の痙攣に良いと聞いて購入した芍薬甘草湯エキス2.4g(商品名:コムレケア)であり、処方されている芍薬甘草湯と重複(甘草として12.0g/日)していました。市販薬の名称からは同じ漢方薬であるとは思わなかったようです。処方薬の芍薬甘草湯を服用中に手足のだるさや筋肉痛、こむら返りなどの症状が生じていることから偽アルドステロン症の可能性が疑われ、さらに市販薬を追加服用したことで症状の増悪に至ったと考察しました。さらに、双方の芍薬甘草湯によって降圧コントロールで服用しているフロセミドによる低カリウム血症が生じて、筋力低下や筋肉痛が生じている可能性もあると考え、医師への連絡が必要と考えました。<偽アルドステロンの注意点>偽アルドステロン症は甘草に含まれるグリチルリチンの活性代謝物であるグリチルリチン酸が、ナトリウム貯留や血圧上昇などのミネラルコルチコイド様作用を発揮することにより生じる。主な初期徴候は、手足のだるさ、しびれ、ツッパリ感、こわばり、筋肉痛、四肢脱力など。甘草2.5g/日以上、グリチルリチン100mg以上で発生リスクが高まるが、それ未満でもリスクはあるので注意が必要。利尿薬(とくにカリウム排泄型)が投与されている場合には、低カリウム血症を生じやすく、重篤化しやすい。処方提案とその後の経過患者さんに事情を話して投薬対応を一旦待っていただき、医師へ電話連絡することにしました。継続処方されている芍薬甘草湯による偽アルドステロン症の可能性があり、市販薬の芍薬甘草湯を購入して服用したことでさらに症状を助長させている可能性について報告し、今後の対応を相談しました。また、フロセミド服用で低カリウム血症が生じている可能性も考えられるため、血清カリウムの採血も提案しました。その結果、医師より処方薬と市販薬の芍薬甘草湯を中止するよう指示があったうえで、患者さんはすぐに再診となり、血清カリウムの評価のため採血検査が行われました。その2週間後に診察フォローがありましたが、予想どおり血清カリウム値が2.6mEq/Lと低カリウム血症でした。血圧推移は安定しており、浮腫もないことからフロセミドも中止となりました。今回問題となった手足のだるさや筋肉痛、こむら返りについては、芍薬甘草湯を中止して症状は改善し、再燃なく経過しています。ポケット医薬品集2019年版重篤副作用疾患別対応マニュアル 偽アルドステロン症

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「代謝的に健康な肥満者」の特徴と予想されるリスク

 「代謝的に健康な肥満者」については不明な点が多く、意見が分かれている。今回、スウェーデン・スコーネ大学のJohan Korduner氏らが調査したところ、「代謝的に健康な肥満者」は「代謝的に不健康な肥満者」に比べて身体活動度が高く、脂質および血糖プロファイルが良好で、約20年の追跡調査での全死亡および心血管(CV)リスクが低かった。また、非肥満者と比べると全死亡およびCVリスクに有意差がみられなかった。Obesity Research & Clinical Practice誌オンライン版2019年11月8日号に掲載。 本研究は、スウェーデンのMalmo diet cancer study(2万8,403人)の参加者から選択した肥満者3,812人の横断分析。ベースライン前に身体的疾患のための入院記録がない肥満者(1,182人)を「代謝的に健康な肥満者」(metabolically healthy obesity:MHO)、1回以上入院したことのある肥満者(2,630人)を「代謝的に不健康な肥満者」(metabolically unhealthy obesity:MUO)として比較し、さらに非肥満者(non-obese cohort control:NOC、2万4,591人)と比較した。また、全死亡リスク、CVリスクも予測した。 主な結果は以下のとおり。・MHOはMUOと比較して、座りがちな生活様式の割合が有意に低く(p=0.009)、HbA1c(p=0.012)、空腹時血糖(p=0.001)、トリグリセライド(p=0.011)も有意に低かった。・Cox回帰分析(追跡期間:20±6年)の結果、MHOはMUOと比較して全死亡リスク(p=0.001)、CVリスク(p=0.001)とも有意に低かった。・MHOとNOCとを比較すると、全死亡リスクもCVリスクも有意な差はなかった。

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アトピー児の皮膚生検にテープストリッピング法が有用

 早発性アトピー性皮膚炎(AD)児の皮膚生検を低侵襲で行える再現性ある手法として、テープストリッピング法が有用であることが示された。米国・マウントサイナイ医科大学のEmma Guttman-Yassky氏らによる検討で、小児ADの病変もしくは非病変の皮膚バイオマーカーとなり、治療反応の追跡や将来的な経過、並存疾患の予測に有用である可能性が示された。AD表現型の評価には皮膚生検の分子プロファイリングが標準であるが、皮膚生検は小児にとって常に適しているとは限らない。縦断研究や臨床試験で皮膚疾患を追跡評価できる、再現性ある低侵襲のアプローチが不足していた。JAMA Dermatology誌オンライン版2019年10月9日号掲載の報告。 研究グループは、テープストリッピング法により特定した皮膚バイオマーカーが、全組織生検によって特定したバイオマーカーの代替となり得るかを断面調査にて評価した。 2016年1月22日~2018年4月20日の間、シカゴのAnn & Robert H. Lurie小児病院の皮膚科外来で計51例の5歳未満児を登録。このうち21例は早期発症(罹病期間6ヵ月未満)の中等度~重度AD児であり(AD児群)、30例は非AD児または本人・家族のAD歴がない児であった(非AD児群)。 AD児においては、可能な限り、16枚のD-Squameテープストリップで連続的に肘前窩の病変皮膚を集めた。また、同じ腕の近接皮膚から非病変皮膚を集めた。非AD児の皮膚検体も同一期間に同一部位から集めた。 テープストリップは連続的にラベリングをし、最初の2枚は破棄。定量リアルタイムPCR法および免疫組織化学法で、遺伝子およびタンパク質を評価した。 主な結果は以下のとおり。・AD児21例は、平均(SD)年齢1.7(1.7)歳で、大半が男児(15例、71.4%)・白人(15例、71.4%)であった。非AD児30例は、1.8(2.0)歳で、大半が女児(20例、66.7%)、白人(22例、73.3%)であった。・評価した79種の免疫およびバリア遺伝子産物のうち77種が検出された(遺伝子検出率97%)。・それらはテープストリップ71枚のうち70枚で検出された(サンプル検出率99%)。・79種のうち53種について、AD児の病変および/または非病変でマーカーとして識別ができ、また非AD児においても識別ができた。・T細胞(CD3)、AD関連の樹状細胞(FcεRIとOX40リガンド受容体)、炎症性のキー細胞(マトリックス金属ペプチダーゼ12)、自然免疫細胞(IL-8、IL-6)、ヘルパーT細胞2(TH2[IL-4、IL-13]、ケモカインCCL17とCCL26)、TH17/TH22(IL-19、IL-36G、S100Aタンパク質)といった多くの細胞マーカー遺伝子が、正常皮膚からのテープストリップ検体と比べて、AD児の病変および非病変では有意に増大していた。たとえば、IL-4は病変皮膚では平均(SE)-15.2(0.91)であり、正常皮膚では-19.5(0.48)であった(p<0.001)。・表皮性バリア遺伝子産物(FLG、CLDN23、FA2H)と負の免疫レギュレータ(IL-34、IL-37)では、平行して低下が発生していた。たとえば、FLGは皮膚病変では平均(SE)-2.9(0.42)と低下していたが、正常皮膚では2.2(0.45)であった(p<0.001)。・重症度や経表皮水分蒸散量と、AD病変および非病変皮膚(SCORing Atopic Dermatitis[SCORAD]、Eczema Area and Severity Index[EASI]、Pruritus Atopic Dermatitis Quickscore[ADQ]ツールで評価)のTH2(IL-33、IL-4R)やTH17/TH22(IL-36G、S100As)産生との間で、関連性が認められた。

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小児・若年AMLの真菌症予防に至適な抗真菌薬は?/JAMA

 米国・フィラデルフィア小児病院のBrian T. Fisher氏らは、小児~若年成人の急性骨髄性白血病(AML)患者を対象に、侵襲性真菌症(IFD)の予防におけるカスポファンギンとフルコナゾールの有効性を比較検討した。予定されていなかった中間解析で無益性(futility)が示唆されたため、それ以上の患者登録を中止し、登録済みの患者で試験を継続したところ、カスポファンギンのIFD予防効果が優れることが示された。AMLの小児~若年成人患者では、酵母菌および糸状菌の双方による生命を脅かすIFDのリスクが高いとされる。フルコナゾールが酵母菌に対してのみ活性を示すのに対し、カスポファンギンは酵母菌および糸状菌の双方に活性を有することから、カスポファンギンのほうがIFDの予防効果が高い可能性が示唆されている。JAMA誌2019年11月5日号掲載の報告。IFDとIAの予防効果を比較する北米の無作為化試験 本研究は、化学療法施行後の好中球減少発症期のAML患者における、カスポファンギンとフルコナゾールによるIFDの予防効果を比較する多施設共同非盲検無作為化試験。2011年4月~2016年11月の期間に、カナダと米国の115施設で患者登録が行われた(米国国立がん研究所[NCI]の助成による)。 対象は、年齢3ヵ月~30歳、新たに診断された初発(de novo)、再発、2次性のAML、または混合表現型急性白血病など他の診断により、AMLの標準的化学療法が予定されている患者であった。 被験者は、初回化学療法中に、カスポファンギンまたはフルコナゾールを予防投与する群に無作為に割り付けられた。予防投与は、個々のサイクルの全身化学療法施行後24~72時間に開始され、絶対好中球数が最低値から100~500/μLに達するか、または次回の化学療法が開始されるまで行われた。 主要アウトカムは推定診断または確定診断されたIFDとし、盲検下に中央判定が行われた。副次アウトカムは、推定/確定診断された侵襲性アスペルギルス症(IA)、経験的抗真菌薬治療(empirical antifungal therapy)、全生存(OS)であった。 394例(予定登録患者数の72%)に関して、事前に予定されていた2回目の有効性の中間解析と、予定外の無益性解析を行ったところ、無益性が明らかとなったため、2016年11月11日、本試験の患者登録は終了となった。登録済みの患者は、プロトコルに従って試験を完遂した。IFDとIAの予防効果は優れる、経験的治療とOSに差はない 517例(年齢中央値9歳[範囲0~26歳]、女性44%)が登録され、508例(98%、カスポファンギン群253例、フルコナゾール群255例)が試験を完遂した。 23例でIFD(カスポファンギン群6例、フルコナゾール群17例)が認められ、7例が酵母菌、14例が糸状菌であり、2例は特定不能であった。 5ヵ月時の推定/確定診断されたIFDの累積発生率は、カスポファンギン群が3.1%(95%信頼区間[CI]:1.3~7.0)、フルコナゾール群は7.2%(4.4~11.8)であった(p=0.03、log-rank検定)。 また、糸状菌に起因する14例のIFDのうち、8例(57%)が推定/確定診断されたIAであった。5ヵ月時の推定/確定診断されたIAの累積発生率は、カスポファンギン群が0.5%(95%CI:0.1~3.5)、フルコナゾール群は3.1%(1.4~6.9)であった(p=0.046、log-rank検定)。 経験的抗真菌薬治療(カスポファンギン群71.9% vs.フルコナゾール群69.5%、p=0.78、log-rank検定)および2年OS率(68.8% vs.70.8%、p=0.66、log-rank検定)には、両群間に差はみられなかった。 有害事象は、カスポファンギン群が32.8%、フルコナゾール群は38.4%で認められた。最も頻度の高い有害事象は、低カリウム血症(カスポファンギン群22例vs.フルコナゾール群13例)、呼吸器不全(6例vs.9例)、アラニントランスアミナーゼ(ALT)上昇(4例vs.8例)であった。 著者は、「カスポファンギンは、IFDの予防法とみなされる可能性が示唆されるが、予定外の中間解析で無益性が明らかとなり、試験は早期終了となったため、研究結果の解釈は限定的となる」としている。

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統合失調症、双極性障害、うつ病患者における抗精神病薬切り替え治療の影響

 米国・Analysis GroupのRajeev Ayyagari氏らは、統合失調症、双極性障害、うつ病患者における、抗精神病薬の切り替えと再発および医療資源利用との関連について評価を行った。Journal of Medical Economics誌オンライン版2019年10月30日号の報告。 6年にわたる米国6州のメディケイド請求データより、抗精神病薬の切り替えと非切り替えの比較について、レトロスペクティブに分析を行った。ベースライン時に統合失調症、双極性障害、うつ病と診断されたすべての患者および1つ以上の錐体外路症状(EPS)が認められた患者について、現疾患の再発、他の精神疾患の再発、すべての原因による救急受診、すべての原因による入院、EPS診断までの期間を分析した。 主な結果は以下のとおり。・切り替え群(1万548例)は、非切り替え群(3万1,644例)よりも、現疾患の再発、他の精神疾患の再発、入院、救急受診、EPS診断までの期間が短かった(各々、log-rank p<0.001)。・切り替え群では、入院までの期間中央値は21.50ヵ月、救急受診までの期間中央値は9.07ヵ月(非切り替え群13.35ヵ月)であった。・現疾患の再発、他の精神疾患の再発、EPS診断については、2年間の研究期間中に、50%未満の患者で認められた。・1つ以上のEPSが認められた患者のサブグループ解析では、同様の関連性が認められた。・本研究の限界として、因果関係ではなく関連性のみが推測されている可能性があり、未評価のパラメータが群間で異なる可能性がある。 著者らは「抗精神病薬の切り替えは、再発リスクと関連している可能性が示唆された。これは、重度の患者では軽度の患者よりも治療反応が不良であり、多くの切り替えエピソードを必要とするためであると考えられる」としている。

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コマーシャルペーパーといわれても致し方がないのではないか(解説:野間重孝氏)-1136

 チカグレロルとプラスグレルは、世界の薬剤市場でクロピドグレルの後継を巡って、いわばライバル薬品として扱われているといってよい。両剤ともに作用の発現が早く、また投与中止後、薬効の消失が速やかであることが期待できるという点で共通している。しかしプラスグレルはいわゆるチエノピリジン系に属し、そのものは活性を有しないのに対し、チカグレロルはそのものが活性を持つという点が大きく異なる。ただし、プラスグレルはクロピドグレルと異なり、複数のCYPにより代謝されるため、チカグレロルに劣らない速度で活性を発揮することが可能になっている。 チカグレロルの有用性を検討した主な試験は2つあり、1つがPLATO試験(2009年)、もう1つがPEGASUS試験(PEGASUS-TIMI 54、2015年)である。これらの試験により、出血性合併症がやや多いものの、心血管イベントの発症抑制のためのDAPTの構成薬品として有用なだけでなく、クロピドグレルよりも成績が良いことが示された。しかしこれらの試験では日本人を中心とする東洋人の参加が少なかったことを受け、PHILO試験(2015年)が日本、台湾、韓国の急性冠症候群(ACS)患者を対象として施行された。いわばブリッジ試験であったが、この試験は規模が十分でないとされたものの、結果においてクロピドグレルに対する優位性を示すことができない一方で、それまでも問題視されていた出血イベントが増加してしまった。このことから、同剤はわが国でもPCI後の抗血小板剤として2016年9月に認可されたものの、「アスピリンを含む抗血小板剤2剤併用療法が適切である場合で、かつ、アスピリンと併用する他の抗血小板剤の投与が困難な場合に限る」というただし書きが付けられてしまった。 プラスグレルとの直接比較はPRAGUE-18試験(2016年)で行われたが、この試験は安全性を確かめることに重点が置かれていたことから、両剤の優劣を確かめることなく、一応の安全性が確認された段階で早期中止になってしまった。この後両者の直接比較は行われていなかったが、Schupke Sらが本年に発表したISAR-REACT 5試験で、両者でACSに対する効果に差がないにもかかわらず、以前から問題にされていた出血性イベントにはっきり差があることが示された。このCLEAR!ジャーナル四天王でも東海大学の後藤 信哉氏が同研究の論文評で、「日本の宇部興産と第一三共が開発したプラスグレルこそがクロピドグレルの後継となれるポテンシャルのあった薬なのかもしれない。いいものを持ちながら戦略性にて欧米に負ける日本の現状の問題を提起する試験であった」と、強い調子で書かれた気持ちがよくわかる。つまり世界的な薬剤シェアでは、プラスグレルはクロピドグレルの後継を巡ってチカグレロルに負け越しているのが現状なのである(ちなみに現在でもシェアトップはクロピドグレル)。 本試験は6ヵ月以上の血糖降下薬の投与を受けた2型糖尿病を持つ安定冠動脈疾患患者から、PCI・冠動脈バイパスの既往の有無、冠動脈造影で50%以上の狭窄を指摘されているかのいずれかの因子を持つ患者を選び、これをアスピリン+プラセボ群とアスピリン+チカグレロル群に無作為に分け、中央値で3.3年間フォローし、心血管死、心筋梗塞、脳卒中の複合エンドポイントの発生率をintention to treat解析により検討したものである。結果はチカグレロル群がプラセボ群に比し有意に良好であったが、出血性イベントではチカグレロル群で有意に多かった。 本研究はAstraZeneca社の助成によって行われたとあるが、一体何の目的で行われたものなのか疑問である。プラセボを相手に行えば、差が出ることも、出血性合併症が多いことも、上記のPEGASUS試験ですでにわかっていたことではないのか。著者らは「大出血の発生率は有意に高かったが、致死的出血および頭蓋内出血では有意差がなかった」というが、一体何が言いたいのだろうか。大出血で有意差が出ればそれで十分ではないか。 さらに事前に規定された探索的エンドポイントである総合的臨床ベネフィットにおいて有意に優れていたものの、非PCI群では差が出なかったというが、これも糖尿病患者の冠動脈内に治療のためとはいえ異物を残すわけだから、PCIを振り分け因子として振り分ければ当たり前なのではないかと考えられる。つまり第1に、糖尿病は当然のように心血管イベントの危険因子である。第2に、PCIや冠動脈バイパスなどのインターベンションの成績は非糖尿病患者に比べて糖尿病患者では劣る。そして第3として、その心血管イベントの予防に対してDAPTは有効である。以上、考えていただければ容易におわかりいただけるように、本研究はチカグレロルの特別の優位性を示す研究とはいえない。なお蛇足ながら付け加えさせていただくと、糖尿病は薬物療法に対して種々の影響を持ちそうに思われるだろうが、少なくともDAPTの長期vs.短期の検討を行う際に糖尿病の存在は独立した影響因子にはならないことが現在では定説になっている(Gargiulo G, et al. BMJ. 2016;355:i5483.)。 以上、糖尿病という因子を持ち込むことによっていかにも説得力を持つように見せているが、本試験は要するにSAPT vs.DAPTの試験にすぎない。企業助成によるコマーシャルペーパーといわれても致し方がないのではないかと思う。

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外来診療中のサージカルマスク着用とN95マスク着用の呼吸器感染症予防効果の比較(解説:吉田敦氏)-1139

 インフルエンザウイルスをはじめとする呼吸器ウイルス感染の予防に、外来診療で日常的に着用されるサージカルマスクが、N95マスクとどの程度予防効果が異なるのか、今回ランダム化比較試験が行われた。小児を含む米国7医療機関において、外来診療に当たる医療従事者を小集団(クラスター)に分割、小集団ごとにサージカルマスク、N95マスクのいずれかにランダムに割り付けし、H1N1 pandemicを含む4シーズン以上を観察期間とした。医療従事者には毎日呼吸器症状を含む体調の変化について日記をつけさせ、発症した際には遺伝子検査を行い、さらに無症状であっても遺伝子検査と血清抗体検査を行うことで、不顕性感染の有無まで把握を試みたものである。 結果的に、プライマリーアウトカムであるインフルエンザ(検査確定)罹患率(両群で7~8%)、セカンダリーアウトカムである急性呼吸器症状発症率や呼吸器ウイルス*感染症罹患率に差はなかった。のみならず、マスク着用のアドヒアランスについて「常に」「時に」「まったく着用しない」「思い出せない」と回答した医療従事者は、それぞれ65%、24%、10%、0.4%程度と有意な違いはなかった。*コクサッキー/エコー、コロナ、メタニューモ、ライノ、パラインフルエンザ、RSの各ウイルスを含む。 N95マスクは、飛沫核を形成するウイルスの感染予防に適する一方、密着させる必要性がある。このため呼吸しにくくなり、アドヒアランスの低下が懸念される。一方でサージカルマスクは、より粒子の大きい飛沫による感染や、手から鼻・口への接触による感染を予防すること、ならびに有症者から健常者への伝播予防に重点が置かれる。本検討ではサージカルマスクに比してN95マスクでアドヒアランスが明らかに下がったという結果は得られなかったが、その反面、両者でアドヒアランスは低めで、さらにアドヒアランスに関する回答の内訳(カテゴリーごとの割合)はかなり似通っていた。なおアドヒアランスとインフルエンザ罹患率との関連や、アドヒアランスと不顕性感染の関係、さらには不顕性感染と各ウイルスとの相関については明らかにされなかった。 これまでにもインフルエンザシーズンでのサージカルマスクないしN95マスクの着用が、医療従事者のインフルエンザ罹患に差があるか検討した報告は存在する。Loebらの報告1)は救急外来、内科、小児科病棟勤務者が対象であったが、インフルエンザ罹患率は両群で22%程度と高かったものの、差はなかった。ほかの報告の中にはN95マスクの優位を示すものがあったが、研究自体のエンドポイントの設定に議論があった。実際には、呼吸器ウイルスの流行状況や、患者からのウイルスの排出量、医療従事者との接触の程度、マスク着用率と確実さ、ほかに併用した感染予防策といった要因にも予防効果は影響されているとみてよく、さらに飛沫感染・接触感染が実際にどの程度生じているかにも左右されている。このため複雑な事象をマスクの違いのみで分別して解析することの限界をみているのかもしれない。このことは逆に、実際のさまざまな状況を私たちが想像して、有効な対策を適切に組み合わせて使い、解釈し、柔軟に調整していくことの重要性を示唆していると思われる。報告された内容と現実との間を十分斟酌し、解釈することが、より求められる論文といえよう。

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COPDの3成分配合吸入エアゾール薬「ビレーズトリエアロスフィア56吸入」【下平博士のDIノート】第37回

COPDの3成分配合吸入エアゾール薬「ビレーズトリエアロスフィア56吸入」今回は、COPD治療薬「ブデソニド/グリコピロニウム臭化物/ホルモテロールフマル酸塩水和物製剤(商品名:ビレーズトリエアロスフィア56吸入)」を紹介します。本剤は、吸入薬を複数使用してもコントロールが不十分なCOPD患者に対し、治療効果とアドヒアランス双方の改善が期待されています。<効能・効果>本剤は、慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の諸症状の緩解(吸入ステロイド薬、長時間作用性吸入抗コリン薬および長時間作用性吸入β2刺激薬の併用が必要な場合)の適応で、2019年6月18日に承認され、2019年9月4日より発売されています。<用法・用量>通常、成人には、1回2吸入(ブデソニドとして320μg、グリコピロニウムとして14.4μg、ホルモテロールフマル酸塩として9.6μg)を1日2回吸入投与します。<副作用>第III相試験(KRONOS試験、PT010007試験、PT010008試験)の併合成績において、本剤が投与された639例のうち、臨床検査値異常を含む副作用が126例(19.7%)において認められました。主な副作用は、発声障害(3.1%)、筋痙縮、口腔カンジダ症(各1.4%)、上気道感染(1.3%)などでした。なお、重大な副作用として、心房細動(0.2%)、重篤な血清カリウム値の低下(頻度不明)が報告されています。<患者さんへの指導例>1.本剤は、気管支を広げるとともに炎症を抑えることで、呼吸を楽にして身体の活動性を改善するCOPDの治療薬です。2.1日2回、1回2吸入を、毎日なるべく同じ時間帯に、よく振ってから吸入してください。3.声枯れや感染症を予防するため、吸入後は必ず数回うがいをしてください。4.吸入器の小窓には、20きざみでおおよその残り回数が示されています。小窓の中央に「0」が表示され、それ以上進まなくなったら使用を中止して、新しいものに交換してください。開封するときは、キャップを外し、よく振って1度空噴霧する、という一連の操作を4回繰り返してください。5.口の渇き、目のピントが合いにくい、尿が出にくい、動悸、手足の震えなどの症状が現れた場合は、すぐに受診してください。6.COPDの治療では禁煙が大切なので、薬物治療とともに禁煙を徹底しましょう。7.週1回、本体から薬剤の入った缶と吸入口のキャップを外してプラスチック部分(アクチュエーター)をぬるま湯で洗浄し、洗った後はよく乾かしてください。<Shimo's eyes>本剤は、吸入ステロイド薬(ICS)、長時間作用性抗コリン薬(LAMA)、長時間作用性β2刺激薬(LABA)の3成分が配合されたCOPD治療薬です。3成分配合のCOPD治療薬として、フルチカゾンフランカルボン酸エステル/ウメクリジニウム臭化物/ビランテロールトリフェニル酢酸塩ドライパウダーインヘラー(商品名:テリルジー100エリプタ)に続く2剤目となります。COPDの15~20%は喘息が合併していると見込まれているため、LAMAやLABAなどの気管支拡張薬だけでは症状のコントロールが難しい患者さんが少なくありません。本剤は、ICS/LABAやLAMA/LABAで治療していても症状が残存している患者さん、時折抗菌薬や経口ステロイド薬が必要となる患者さんなどで切り替えて使用することが想定されます。本剤はLAMA+LABA+ICSのトリプルセラピーを1剤で行うことができますが、3成分それぞれの薬剤に関する副作用には注意する必要があります。患者さんへ確認するポイントとしては、LAMAによる口渇、視調節障害、排尿困難、LABAによる不整脈、頭痛、手足の震え、ICSによる口腔カンジダ症などが挙げられます。本剤は、デバイスに世界で初めて「エアロスフィア」というpMDI(加圧噴霧式定量吸入器)が採用され、薬剤送達技術を駆使して調製された多孔性粒子が3種の薬剤を肺の末梢まで届けることが期待されています。pMDIなので、吸気力が低下している場合でも少ない負荷で吸入できますが、ボンベを押す力が弱い患者さんには吸入補助器具(プッシュサポーター)、ボンベを押すタイミングと吸入の同調が難しい患者さんにはスペーサー(エアロチャンバープラスなど)の使用を勧めましょう。COPD患者さんは、喫煙や加齢に伴う併存疾患の治療を並行していることが多く、アドヒアランスを向上させて治療を継続させることが重要です。COPD治療に、本剤のような3成分配合吸入薬を選択することで、患者さんの負担を増やさずに症状の改善およびアドヒアランスの向上を目指すことができるでしょう。

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若い女性の座っている時間とうつ病との関連

 身体活動(PA)の不足や長時間の座りっ放し(sitting time:ST)は、死亡率やうつ病などの慢性疾患リスクの増加と関連している。2つのリスクは独立しているともいわれているが、それらの連合効果や層別効果はよくわかっていない。オーストラリア・クイーンズランド工科大学のT. G. Pavey氏らは、若年女性におけるうつ症状のリスクと12年間に及ぶPAやSTの複合効果について調査を行った。Journal of Science and Medicine in Sport誌2019年10月号の報告。 対象は、2000~12年にオーストラリアの女性の健康に関する縦断的コホート研究に参加した22~27歳の女性。うつ症状に対するPAとSTの連合効果は、一般化推定方程式モデルを用いて算出した。対照群は、STが4時間/日未満およびPA四分位の第一位とした。うつ症状とPAおよびSTとの関連は、ST、PAそれぞれの層別化後に調査した。 主な結果は以下のとおり。・調整された連合効果モデルでは、対照群(低ST、高PA)と比較し、うつ症状のオッズ比は、STが4時間/日超、6時間/日超、8時間/日超およびPAなしの女性で有意に高かった。・すべてのPAカテゴリにおいて、STが10時間/日以上の女性のうつ症状リスクが最も高かった(PA四分位第四位:1.72[95%CI:1.38~2.14]、PA四分位第一位:1.49[95%CI:1.16~1.91])。・STによる層別解析では、STが10時間/日超の女性を除き、PAを報告した女性において、PAなしと比較し、うつ症状の割合が低下していた。・PAによる層別解析では、STが8~10時間/日によるリスク増加は、PAにより軽減していたが、STが10時間/日以上では、PAレベルが上昇しても、抑うつ症状リスクの低下は認められなかった。 著者らは「若年女性の抑うつ症状リスクに対し、低PAと高STの連合効果および層別効果があることが示唆された。高レベルのPAは、高STの保護効果があるものの、STが10時間/日以上の女性では、その効果が期待できない」としている。■「うつ病軽減」関連記事うつ病患者、入浴がうつ症状を軽減

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世界の末期腎不全医療の現状が明らかに/BMJ

 低所得国も含めた世界の末期腎不全(ESKD)医療の現状には大きなばらつきがあることが、カナダ・アルバータ大学のAminu K. Bello氏らによる国際断面調査の結果、明らかにされた。ESKD有病率は800倍以上の差がみられ、腎代替療法(透析、移植)に公的資金が投じられている国は64%、透析が利用可能な国は100%であったが腹膜透析は76%であり、保存療法が利用可能な国は81%であることなどが示された(割合はそれぞれ各データが入手できた国を分母としたもの)。過去10年間で、腎疾患の世界的な疫学や経済的側面について大きく理解が進んでいる。とくに低・中所得国の急性腎障害(AKI)、慢性腎臓病(CKD)およびESKDの負荷に関するデータがより多く入手できるようになっているが、それらの疾患が人々の健康に大きな影響を及ぼすにもかかわらず、AKI、CKDは概して、国際・地域あるいは各国の慢性疾患コントロール戦略には含まれていないという。BMJ誌2019年10月31日号掲載の報告。182ヵ国対象に腎代替療法(透析、移植)と保存療法の供給能を調査 研究グループは、腎代替療法(透析、移植)と保存療法の世界的な供給能(利用可能性、アクセスのしやすさ、質、価格の手頃さ)を明らかにするため、2018年7月~9月に国際腎臓学会(ISN)を通じて182ヵ国の人々を対象とするサーベイを行った。サーベイの参加者は、ISNの10地域のボード(アフリカ、中央・東欧州、中南米、中東、北米、北東アジア、オセアニア・東南アジア、ロシアと旧ソ連諸国、南アジア、西欧州)を通じて、各国および地域のリーダーによって選定された主要なステークホルダー(各国の腎臓学会の代表、政策立案者、患者団体、基金、その他アドボカシーグループなど)であった。それぞれに、オンラインアンケートのポータルサイトアドレスを含む招待状を送付し、完全かつタイムリーな回答を確実なものとするため、サーベイ期間中にISNの各国・地域のリーダーが、eメールや電話で集中的フォローアップを行った。 主要評価項目は、腎代替療法と保存療法を構成する主要項目の、国家的な供給能の指標とした。資金提供、医療従事者、サービス供給、利用可能なテクノロジーに大きなばらつき 回答は、182ヵ国中160ヵ国(87.9%)から得られ、世界の人口の97.8%(75億130万人のうち73億3,850万人)が包含された。 腎代替療法と保存療法の供給能および構成項目(すなわち資金提供の仕組み、医療従事者、サービスの供給、利用可能なテクノロジー)には、大きなばらつきがみられた。 治療が行われているESKDの有病率に関する情報は、世界218ヵ国中91ヵ国(42%)について得られた。推定有病率は4~3,392例/100万人と800倍以上の差異があった。また、データを報告した国の中で、ルワンダのみが低所得国であった。アフリカ諸国でデータを報告したのは53ヵ国中5ヵ国(<10%)であった。 159ヵ国中102ヵ国(64%)で、腎代替療法に公的資金が投じられていた。また、159ヵ国中68ヵ国(43%)はポイントオブケアの提供が無料だったが、34ヵ国(21%)は有料であった。 156ヵ国中、血液透析が利用可能と報告した国は156ヵ国(100%)であったが、腹膜透析は119ヵ国(76%)だった。また、腎移植は155ヵ国中114ヵ国(74%)が利用可能と報告した。一方で、保存療法は、154ヵ国中124ヵ国(81%)で利用可能だった。 世界の腎臓専門医数は、中央値9.96人/100万人で、国の所得レベルによってばらつきがみられた。100万人当たりで、最低所得国は0.04人、低・中所得国は5.0人、高・中所得国は13.5人、高所得国は26.5人などであった。 著者は、「これらの総合データは、低所得国を含む各国のESKD患者への最適なケアについて、供給能の現状を示すものである」と述べ、「ESKDの疾患負荷と腎代替療法および保存療法の供給能には大きなばらつきがあることが示された。また、それらが政策の影響を受けていることも判明した」とまとめている。

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全国でインフルエンザ流行期入り、昨年より1ヵ月早く

 厚生労働省は15日、全国的なインフルエンザの流行シーズンに入ったと発表した。前年比で4週間早いシーズン入りで、現在の統計法で調査を始めた1999年以降では2番目に早い。 国立感染症研究所が15日付でまとめた、2019年第45週(11月4~10日)の感染症発生動向調査において、インフルエンザの定点当たり報告数が1.03(定点数:全国約5,000 ヵ所、報告数:5,084)となり、流行開始の目安となる1.00を上回った。 都道府県別では、報告数が多い順に、沖縄県(4.45)、鹿児島県(2.66)、青森県(2.48)、長崎県(2.31)、福岡県(2.03)、北海道(2.00)、熊本県(1.80)、広島県(1.73)、新潟県(1.61)、佐賀県(1.33)、岩手県(1.32)、宮崎県(1.31)、福島県(1.16)、茨城県(1.13)、東京都・神奈川県・静岡県(1.11)、石川県(1.00)。 ウイルスの検出状況をみると、直近5週間(2019年第41~45週)では、AH1pdm09(98%)、AH3亜型(1%)、 B型(1%)の順で、09年に流行した新型インフルエンザと同型が大半を占めている。

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潰瘍性大腸炎に対するベドリズマブとアダリムマブの臨床的寛解効果は?(解説:上村直実氏)-1135

 潰瘍性大腸炎(UC)は国の特定疾患に指定されている原因不明の炎症性腸疾患(IBD)であり、現在、国内に16万人以上の患者が存在している。UCの治療に関しては、最近、腸内フローラの調整を目的とした抗生物質や糞便移植の有用性が報告されつつあるが、通常の診療現場で多く使用されているのは薬物療法である。寛解導入および寛解維持を目的とした基本的な薬剤である5-アミノサリチル酸(5-ASA)製剤、初発や再燃時など活動期に寛解導入を目的として用いるステロイド製剤、ステロイド抵抗性および依存性など難治性UCに使用する免疫調節薬(アザチオプリン、シクロスポリンAなど)と生物学的製剤が使用されているのが現状である。 分子生物分野の進歩とともに、患者数が増加しているIBD(クローン病とUC)に対する生物学的製剤が次々と開発されている。日本の保険診療で最初に承認された薬剤は抗TNF-α抗体製剤(インフリキシマブ、アダリムマブ、ゴリムマブ)であるが、その後、作用機序の異なる抗α4β7インテグリン抗体製剤(ベドリズマブ)、JAK阻害薬(トファシチニブ)、ヒト型抗ヒトIL-12/23p40モノクローナル抗体製剤(ウステキヌマブ)が開発され多くの臨床研究結果が報告されている。今回、中等症から重症の活動期UCの治療において、ベドリズマブはアダリムマブに比べて、臨床的寛解導入および内視鏡的改善の達成に関して優れた効果を示した国際共同第III相臨床試験(VARSITY試験)の結果がNEJM誌に発表された。 活動期UCに対する寛解導入および寛解維持効果を検証する目的で投与開始から52週後の臨床的寛解を主要アウトカムとした抗α4β7インテグリン抗体製剤と抗TNF-α抗体製剤とのガチンコ勝負の直接比較で注目されていた試験である。試験の結果、ベドリズマブ群とアダリムマブ群の52週時の臨床的寛解はそれぞれ31.3%と22.5%であり、前者の寛解率が統計学的に有意に高かった。しかし、ステロイドなしの症例では逆に12.6%と21.8%とアダリムマブ群の臨床的寛解率の方が高率であった。筆者らが記述しているように、2つの薬剤を比較するためにはこのような直接比較試験が必要であるという意見に大賛成で、日本人を対象として市販されている2つの薬剤の直接比較試験が行われることが期待される。

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最近の話題:小細胞肺がん【侍オンコロジスト奮闘記】第83回

第83回:最近の話題:小細胞肺がんPaz-Ares L, et al. Durvalumab plus platinum-etoposide versus platinum-etoposide in first-line treatment of extensive-stage small-cell lung cancer (CASPIAN): a randomised, controlled, open-label, phase 3 trial.Lancet. 2019 Oct 4.[Epub ahead of print]小細胞肺がんに対するデュルバルマブ+化学療法の成績(CASPIAN)/ESMO2019

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新型タバコを吸っている患者に伝えたいこと(1)【新型タバコの基礎知識】第12回

第12回 新型タバコを吸っている患者に伝えたいこと(1)Key Points第一に伝えたいことは、タバコを吸っている人が1番のタバコの被害者だということ。タバコ問題を正しく伝え、自主的な禁煙を促すことがポイント。タバコ問題の新たな局面、新型タバコ時代を迎えた日本において、タバコ問題および新型タバコ問題とどう向き合い、従来からのタバコおよび新型タバコを吸っている患者にどう対処していけばよいのか? 皆さんとともに考えていきたいと思っています。まず、どうやったら禁煙支援がうまくいくのか、について簡単に話しておきたいと思います*1。禁煙を成功させる秘訣の1つは、“急がば回れ”のようですが、タバコ問題に関するしっかりとした理解を進めることだと思います。喫煙者がタバコ産業から搾取されている実態や、タバコがいかに残酷な製品かを知ってもらうことが禁煙につながり、喫煙の再開防止に役立ちます。ポスターの掲示やチラシの配布など(図)簡単にできることからでも取り組んでいただければと思います。画像を拡大する科学的根拠に基づき推奨される禁煙方法はさまざまありますが、代表的な方法は(1)禁煙外来を受診して禁煙治療薬の処方を受ける(2)禁煙外来もしくは薬局等で得たニコチンパッチやニコチンガムを使うの2つです。しかし、多くの喫煙者は禁煙を勧める本*2を読むなどして自力で止めることができています。本からタバコ問題に関する情報が得られ、それを知ることにより禁煙することの重要性がよりよく理解できるようになります。*1:なぜ禁煙支援が必要なのかについては日本における健康増進計画、健康日本21等にも理由が明記されており、本稿では触れていません。詳しくはこれらをご参照ください。*2:川井治之『頑張らずにスッパリやめられる禁煙』サンマーク出版、磯村毅『「吸いたい気持ち」がスッキリ消える リセット禁煙』PHP文庫、アレン・カー『禁煙セラピー』KKロングセラーズ社、など紙巻タバコを吸っている人へ伝えたいこと、伝えてほしいこと新型タバコの話題の前に、紙巻タバコを吸っている人全員に伝えたいことがあります。タバコを吸っている人に第一に伝えたいことは、タバコを吸っている人が1番のタバコの被害者だということです。タバコを吸っている人は、当然ですが、悪者ではありません。むしろ、タバコを吸っている魅力的な人が沢山います*3。タバコを吸っているという理由で、頭ごなしに否定するようなことは、もちろん良い結果にはつながりません。タバコを吸っているのは、好奇心が旺盛な証拠かもしれない。もしかしたら、反骨精神のためかもしれない。反骨精神があったり、好奇心旺盛であったりしたが故に、たまたまタバコを吸うという方向に興味が向き、ニコチン依存症になって、やめられなくなった。よくある話です。そんな魅力的な人がずっとタバコを吸っていたら、タバコのせいで寿命がおおよそ5~15 年短くなり、男性であれば50 代後半~60 代という年齢で亡くなってしまう可能性が高くなります。タバコを吸っていると何歳で死ぬのか、これまでの研究のデータから分かっている通りに、若くして亡くなってしまうことが多いのです。たとえば、2012年に、とても魅力的な歌舞伎役者の十八代目中村勘三郎さんが57歳で亡くなられたことは本当に残念な出来事です。原因は食道がんでした。しかし、それは意外な出来事ではありませんでした。タバコもお酒も豪快だったとのことですから、中村さんが50代後半で亡くなってしまったことは、まさしくデータの通りともいえるのです。魅力的な人が早くに亡くなってしまうのは本当につらいことです。長く生きて活躍し続けてほしい、だからこそ絶対に禁煙してほしいと願っています*4。できるだけ早くにやめた方がいいのですが、何歳からでも禁煙すれば、良い効果があると分かっています。“自主的に”禁煙できるよう促すには?今タバコを吸っている人は、自身の意志により吸っているのでしょうか? ほとんどの人がそうだと思っているかもしれません。しかし、実はニコチン依存症のためにそう思い込まされていると分かっています。タバコには大きな害があります。タバコを吸っていると病気になって早くに死亡する可能性が高くなります。タバコは人をニコチン依存症にして、その他のことから本来得られるはずの幸せを奪っているのです(第9回参照)。このように禁煙してほしいと伝えたとしても、必ずしも禁煙してくれるわけではないと理解しています。「勉強しなさい」と子どもに怒鳴っても、子どもは勉強するようになってくれないのと同じです。どんなことでも自分からやる気にならなければ、何かを成し遂げることはできないのです。タバコを吸い続けるということは、タバコ会社に搾取され続けるということです。タバコ会社の役員は巨額の報酬を得て、自分はタバコを吸わず、社会的に不利な状況な人がタバコを吸うように仕向けている、というのはとても有名な話です。英BBC放送のドキュメンタリーによると、1980年代初め、米国のタバコ会社はある有名人を広告のイメージキャラクターにしました。彼がタバコを吸っていると、タバコ会社の幹部が「何だ、君、タバコなんて吸うのか」と言います。「吸わないんですか」と聞くと、幹部は「冗談じゃない」と首を振り、「“喫煙権”なんざ、ガキや貧乏人、黒人やバカにくれてやるよ」と言い放った後、「1日当たり数千人の子どもを喫煙に引きずり込むことが君の仕事だ。肺がんで死ぬ喫煙者の欠員補充だ。中学生ぐらいを狙え」と語ったというのです。本当にひどい話です。タバコ会社は表向きは子どもにタバコを売らないとしながら、子どもに喫煙させることを仕事にしているのです。なお、タバコ会社の子ども向け喫煙防止キャンペーンは、ほとんど効果がないということが分かっています。ぜひ、タバコ問題について詳しく知って、禁煙の動機にしてほしいと思います。*3:当然ですが、タバコを吸っていない魅力的な人も沢山います。*4:もちろん禁煙するとともに、多量飲酒も控えてほしいです。補足コラム:週末禁煙法と医療者にできる励まし禁煙外来に行ける人には是非行ってほしいのですが、タバコをやめる方法は禁煙外来だけではありません。実際に禁煙した方の約80%は、自力でやめることができた人です。禁煙外来には行けない場合や行けない事情がある場合もあるでしょう。自力で禁煙するというのもいい方法だと思います。次のようなタイミングに禁煙を始めるといいかもしれません。人によって、ちょうどいいタイミングがあると思います。たとえば、金曜の夕方に仕事を終え、土日に家族と一緒に過ごして月曜の朝まで禁煙すれば、ほぼ3 日間はタバコをやめられます。3 日間禁煙すれば、平均的にはニコチンの離脱症状もおさまる頃です。そのままずっとやめてみるよう勧めてみてください。それで、いつの間にかやめられたという人が結構います。タバコを吸いたくなったら、水を飲んだり、ガムをかんだり、走ったり、うまく紛らわせられるといいですね。もちろん、禁煙が1回でうまくいくとは限りません。金曜夜からの禁煙に毎週チャレンジしてもらってもいいと思います。いつか禁煙に成功できると思います。もっと極端なことをいえば、毎日、朝起きたときには、もうすでに7~8時間は禁煙に成功しています。当たり前ですが、人間の体はタバコを吸わなくても大丈夫なようにできています。毎日でも禁煙にチャレンジしてほしいと思っています。毎週でも毎日でも、失敗を恐れず、何度でもチャレンジしてほしいです。1回で禁煙できなかったとしても、それは意志が弱いからではありません。タバコ会社によって意図的に誘導されたニコチン依存の結果なのです。タバコ製品そのものが悪いのであって、喫煙者は被害者です。何度でも禁煙にチャレンジすれば、いつか必ず禁煙できます。いろいろな方法で禁煙すればいいのです。1回や2回禁煙に失敗しても、10 回、20 回とチャレンジして、最終的に禁煙できたら必ずいいことがあると励まし続けていただきたいと思います。第13回は、「新型タバコを吸っている患者に伝えたいこと(2)」です。

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利益相反の開示は論文査読に影響するのか/BMJ

 現行の倫理規定では、すべての科学論文について利益相反(conflicts of interest:COI)の開示が求められているが、米国・ハーバード・ビジネス・スクールのLeslie K. John氏らによる無作為化試験の結果、論文の査読にCOI開示は影響しないことが示された。著者は、「査読者が出版を評価する論文のあらゆる質の評価に、COI開示が影響していることを確認できなかった」としている。科学雑誌やアカデミックな倫理基準において、査読者、エディターおよび読者が、可能性があるバイアスを検出・補正できるように、著者に対してCOI開示が命じられている。しかし、これまでその行為が目的を達しているかを確認する検討は行われていなかったという。BMJ誌2019年11月6日号掲載の報告。Annals of Emergency Medicineの論文レビュープロセスで無作為化試験 研究グループは、医学専門誌において、査読者に対する著者のCOI開示の影響を評価するため、Annals of Emergency Medicineの論文レビュープロセスにて無作為化試験を行った。 2014年6月2日~2018年1月23日に、論文を評価するレビュワーを2群に無作為に割り付け、論文を評価する前に、一方には著者による完全なInternational Committee of Medical Journal Editors(ICMJE)のCOI開示文書を提供し(介入群)、もう一方には提供しなかった(対照群)。両群のレビュワーは、通常どおり8つの質の格付けで論文を評価。その後に、反事実的スコア(counterfactual score)―もしCOI開示を受けていたら与えたと考えるスコアについてサーベイを受けた。介入群のレビュワーには、どのようにスコアを付けたのか、開示を受けていなかったら与えたであろうスコアを思い出してもらった。また、レビュワーのCOI開示に対する姿勢および人口統計学的特性の評価も行った。 主要評価項目は、レビュワーがレビューの提出時に論文に割り当てた全体的な質(Annals of Emergency Medicineでの出版についての全体的な好ましさ)のスコア(1~5段階で評価)。副次評価項目は、レビュワーが7つの特定の質の評価で与えたスコアと、フォローアップサーベイで示された反事実的スコアであった。 試験期間中にレビューを行ったレビュワーは838人、論文は1,480本であった。開示の有無による論文の質の評価への影響見られず 1,480本のうち525本(35%)が、COIがあることを報告していた(955本[65%]はないことを報告)。525本のうち、資金提供が商業者であると報告していたのは115本(22%)、非営利組織は118本(23%)、政府140本(27%)、大学41本(8%)などであった。研究グループは、レビュワー838人による3,041例のレビューを入手。各論文は平均2.1例(SD 0.9)のレビューを受けていた。人口統計学的特性が入手できたレビュワーは、介入群361人、対照群368人で、男性がそれぞれ76%、75%、平均年齢45.74歳、45.72歳などであった。 解析の結果、著者のCOI開示の提供は、レビュワーによる論文の質の評価に影響を及ぼさないことが示された。全論文における質の評価の平均スコア(SD)は5段階評価で、対照群2.70(1.11)、介入群は2.74(1.13)であった(平均群間差:0.04、95%信頼区間[CI]:-0.05~0.14)。COIがあったと報告していた論文においてさえも、対照群2.85(1.12)、介入群2.96(1.16)であった(平均群間差:0.11、95%CI:-0.05~0.26)。同様に、その他7つの質の評価においても、COI開示の影響はみられなかった。 レビュワーは、COIを重要であると認識しており、それらが開示された場合は、評価を修正する可能性があると考えていた。しかしながら、反事実的スコア(平均2.69)と実際のスコア(同2.67)に差はみられなかった(平均群間差:0.02、95%CI:0.01~0.02)。利益相反があると報告していた場合でも、資金提供元のタイプ(政府、非営利会社など)による影響の違いはみられなかった。

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双極性障害患者の自殺企図有病率~メタ解析

 双極性障害(BD)は、自殺リスクの高い重度の精神疾患である。中国・Guangdong Academy of Medical SciencesのMin Dong氏らは、BD患者の自殺企図の有病率および関連因子についてメタ解析を実施した。Epidemiology and Psychiatric Sciences誌オンライン版2019年10月25日号の報告。 PubMed、PsycINFO、EMBASE、Web of Scienceより、2018年6月11日までの文献をシステマティックに検索した。BD患者の自殺企図有病率は、変量効果モデルを用いて算出した。 主な結果は以下のとおり。・検索により3,451件中79件(3万3,719例)が適合基準を満たしていた。・自殺企図の生涯有病率は、33.9%(95%CI:31.3~36.6%、I2=96.4%)であった。・サブグループおよびメタ回帰分析では、自殺企図の生涯有病率と関連する因子は以下のとおりであった。 ●女性 ●双極I型障害 ●特定不能のBD ●ラピッドサイクラー ●収入レベル ●地理的特性 著者らは「BDでは、自殺企図が一般的に認められ、多くの因子が関連している。BD患者の自殺企図の発見や予防を促進するためには、さらなる努力が必要であり、心理社会的介入と併せて気分安定薬の長期使用の可能性を検討すべきである」としている。

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医師300人に聞いた!今季のインフルエンザ診療

 ここ数年、過去最大規模の流行を繰り返すインフルエンザだが、今年は早くも流行が始まっている。現場での診療方針はどのような傾向にあるのだろうか。ケアネットでは先月、会員医師を対象に「今シーズンのインフルエンザ診療について」のアンケートを行い、325人から回答を得た。 アンケートでは、早期流行の実感、迅速診断キットの使用頻度、抗インフルエンザウイルス薬の処方頻度、外来での抗インフルエンザ薬の選択について答えていただいた。 主な結果は以下のとおり。・6割超の医師が、インフルエンザの早期流行を実感している・約8割の医師が、迅速診断キットと抗インフルエンザ薬をほぼ全例に使用・最も処方頻度が高い抗インフルエンザ薬はオセルタミビル、次いでザナミビル アンケート結果の詳細や自由記述で挙げられた意見などは、以下のページに掲載。今シーズンのインフルエンザ診療の動向は?https://www.carenet.com/enquete/drsvoice/cg002529_index.html

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