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片頭痛と認知症との関連

 片頭痛と認知症との関連に焦点を当てたこれまでの研究の多くは、一般的な併存疾患を調整することがうまくいっていなかった。ドイツ・IQVIAのKarel Kostev氏らは、英国の一般診療における片頭痛と認知症との関連を調査するため、レトロスペクティブコホート研究を実施した。Journal of Alzheimer's Disease誌オンライン版2019年8月6日号の報告。 1997~2016年に英国の一般診療施設67件で片頭痛と診断された患者と年齢、性別、インデックス年、診断がマッチした非片頭痛患者を対象に含めた。主要アウトカムは、インデックス日から10年間の認知症発症との関連とした。 主な結果は以下のとおり。・対象として、片頭痛診断の有無にかかわらず7,454例の患者が抽出された。・平均年齢は、67.7±5.8歳、女性の割合は72.9%であった。・インデックス日から10年間で認知症と診断された患者は、片頭痛患者で5.2%、非片頭痛患者で3.7%であった(log-rank p<0.001)。・男女別にみると、女性の片頭痛患者5.8%、女性の非片頭痛患者3.6%(log-rank p<0.001)、男性の片頭痛患者4.5%、男性の非片頭痛患者3.4%(log-rank p=0.722)であった。・片頭痛診断とすべての認知症(HR:1.43)およびアルツハイマー病(HR:1.87)との間に正の関連が認められた。・感度分析では、これらの関連性は、女性のみで有意であった(すべての認知症HR:1.65、アルツハイマー病HR:2.27)。 著者らは「女性において、片頭痛診断と認知症との関連が明らかとなった」としている。

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ゾフルーザに低感受性の変異株に関する調査結果

 昨年発売された抗インフルエンザウイルス薬のバロキサビル(商品名:ゾフルーザ)は、臨床試験において、本剤に対する感受性が低下したPA/I38アミノ酸変異株の発現が報告されたことから、各国でその影響について検証が進められている。 2019年9月2日、塩野義製薬は、バロキサビルの特定使用成績調査におけるPA/I38アミノ酸変異株に関する結果を公表した。この内容は8月28日~9月1日にシンガポールで開催されたOptions X for the Control of Influenza(OPTIONS X)にて発表された。同学会では、1 歳以上12 歳未満の小児インフルエンザ患者に対するグローバル第III相試験、インフルエンザ発症抑制効果を検証した国内第III相試験の結果も報告された。わが国の特定使用成績調査におけるPA/I38アミノ酸変異株 OPTIONS Xでは、2018-2019シーズンに実施されたバロキサビルの特定使用成績調査における、PA/I38アミノ酸変異株に関する結果を、齋藤 玲子氏(新潟大学大学院 医歯学総合研究科 教授)が発表した。本調査の対象は、国内6医療施設を受診しバロキサビルの投与を受けた20歳以下のA型インフルエンザ患者96例で、A/H1N1pdm型が32例、A/H3N2型が64例だった。 主な結果は以下のとおり。・バロキサビル投与3~6日後(再診時)におけるPA/I38Tアミノ酸変異株は、A/H1N1pdm型感染患者の6.3%(2/32例)、A/H3N2型感染患者の10.9%(7/64例)で検出された。同様に、PAタンパク質のどこかに変異の入った株の出現頻度は、それぞれ12.5%(4/32例)および14.1%(9/64例)だった。・解熱までの平均時間は、再診時にPA/I38Tアミノ酸変異株が検出された患者(9例)では0.99±1.21日、変異のないウイルス株が検出された患者(21例)では1.02±1.06日、インフルエンザウイルスが検出限界以下であった患者(62例)では0.76±0.86日で、PA/I38Tの変異による差は認められなかった。・患者より単離したPA/I38変異株は、バロキサビルに対する感受性がおよそ1/50~1/250に低下していたが、これらの患者個別の解熱までの時間はいずれも1日程度だった。小児における有害事象と有効性 同学会では、適応追加に向けた第III相試験の結果も報告された。1つは、1歳以上12歳未満の小児インフルエンザ患者を対象とするMINISTONE-2試験で、本試験はRocheグループによる多施設共同、無作為化、二重盲検比較のグローバル第III相試験である。 主要評価項目として、被験薬投与後29日目までに有害事象(重篤な有害事象を含む)を示した被験者の割合が検討された。その結果、1つ以上の有害事象を示した被験者の割合は、バロキサビル群で46.1%、オセルタミビル群で53.4%だった。本試験で示された小児における安全性プロファイルに、これまでに実施された成人・青少年における試験結果との矛盾はなかった。 さらに、副次評価項目としてバロキサビルの有効性をオセルタミビルと比較した結果、インフルエンザ罹病期間の中央値は、バロキサビル群で138.1時間、オセルタミビル群で 150.0時間だった。一方、体内からのウイルス排出期間の中央値は、バロキサビル群24.2時間、オセルタミビル群75.8時間で、バロキサビルはウイルス排出期間を短縮した。国内予防投与試験の結果、インフルエンザ発症が86%減少 日本でバロキサビルの予防効果を検討したBLOCKSTONE試験の結果も報告された。本試験は、インフルエンザ患者(初発)の同居家族または共同生活者750例を対象に実施した、多施設共同、無作為化、プラセボ対照二重盲検比較の第III相試験である。 主要評価項目として、被験薬を予防投与後10日間でインフルエンザを発症した被験者の割合が検討された。その結果、インフルエンザウイルスに感染し、発熱かつ呼吸器症状を発現した被験者の割合は、バロキサビル群1.9%(7/374例)、プラセボ群13.6%(51/375例)であり、バロキサビルの投与により、インフルエンザの発症割合はプラセボ群に対し86%減少した(p<0.0001)。 また、サブグループ解析により、重症化および合併症を起こしやすいリスク要因を持つ被験者および12歳未満の小児においても、バロキサビルはプラセボに対し発症抑制効果を示し、ウイルスの亜型やワクチン接種の有無にかかわらず有効だった。 有害事象の発現率は、バロキサビル群22.2%、プラセボ群20.5%で、バロキサビル群において重篤な有害事象の発現は認められなかった。

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家族性高コレステロール血症の基礎知識

 8月27日、日本動脈硬化学会は、疾患啓発を目的に「家族性高コレステロール血症」(以下「FH」と略す)に関するプレスセミナーを開催した。 FHは、単一遺伝子疾患であり、若年から冠動脈などの狭窄がみられ、循環器疾患を合併し、予後不良の疾患であるが、診療が放置されている例も多いという。 わが国では、世界的にみてFHの研究が進んでおり、社会啓発も広く行われている。今回のセミナーでは、成人と小児に分け、本症の概要と課題が解説された。意外に多いFHの患者数は50万人超 はじめに斯波 真理子氏(国立循環器病研究センター研究所 病態代謝部)を講師に迎え、成人FHについて疾患の概要、課題について説明が行われた。FHは大きくヘテロ結合体とホモ結合体に分類できる。 FHのヘテロ結合体は、LDL受容体遺伝子変異により起こり、200~500例に1例の頻度で患者が推定され、わが国では50万人以上とされている。生来LDL-C値が高い(230~500mg/dL)のが特徴で、40代(男性平均46.5歳、女性平均58.7歳)で冠動脈疾患などを発症し、患者の半数以上がこれが原因で死亡する。 診断では、(1)高LDL-C血症(未治療で180mg/dL以上)、(2)腱黄色腫あるいは皮膚結節性黄色腫、(3)FHあるいは早発性冠動脈疾患の家族歴(2親等以内)の3項目中2項目が確認された場合にFHと診断する。 また、診断では、LDL-C値に加えて、臨床所見ではアキレス腱のX線画像が特徴的なこと(アキレス腱厚をエコーで測定することも有用)、角膜輪所見が若年からみられること、家族に高コレステロール血症や冠動脈疾患患者がみられることなど、詳細なポイントを説明するとともに、診断のコツとして「『目を見つめ よく聴き、話し 足触る』ことが大切」と同氏は強調した。 FH患者は、健康な人と比較すると、約15年~20年早く冠動脈疾患を発症することから、早期より厳格な脂質コントロールが必要となる。 本症の治療フローチャートでは、生活習慣改善・適正体重の指導と同時に脂質降下療法を開始し、LDL-C管理目標値を一次予防で100mg/dL未満あるいは治療前の50%未満(二次予防70mg/dL未満)にする。次に、スタチンの最大耐用量かつ/またはエゼチミブ併用し、効果が不十分であればPCSK9阻害薬エボロクマブかつ/またはレジンかつ/またはプロブコール、さらに効果が不十分であればLDL除去療法であるLDLアファレシスを行うとしている。医療者も社会も理解しておくべきFHの病態 次に指定難病であるホモ結合体について触れ、本症の患者数は100万例に1例以上と推定され、本症の所見としてコレステロール値が500~1,000mg/dL、著明な皮膚および腱黄色腫があると説明を行った。確定診断では、LDL受容体活性測定、LDL受容体遺伝子解析で診断される。 治療フローチャートでは、ヘテロ受容体と同じように生活習慣改善・適正体重の指導と同時に脂質降下療法を開始し、LDL-C管理目標値を一次予防で100mg/dL未満(二次予防70mg/dL未満)にする。次に、第1選択薬としてスタチンを速やかに最大耐用量まで増量し、つぎの段階ではエゼチミブ、PCSK9阻害薬エボロクマブ、MTP阻害薬ロミタピド、レジン、プロブコールの処方、または可及的速やかなるLDLアファレシスの実施が記載されている。ただ、ホモ結合体では、スタチンで細胞内コレステロール合成を阻害してもLDL受容体の発現を増加させることができず、薬剤治療が難しい疾患だという。その他、本症では冠動脈疾患に加え、大動脈弁疾患も好発するので、さらに注意する必要があると同氏は指摘する。 最後に同氏は「FHは、なるべく早く診断し、適切な治療を行うことで、確実に予後を良くすることができる。そのためには、本症を医療者だけでなく、社会もよく知る必要がある。とくにFHでPCSK9阻害薬の効果がみられない場合は、LDL受容体遺伝子解析を行いホモ接合体を見つける必要がある。しかし、このLDL受容体遺伝子解析が現在保険適応されていないなど課題も残されているので、学会としても厚生労働省などに働きかけを行っていく」と展望を語り、説明を終えた。小児の治療では成長も加味して指導が必要 続いて土橋 一重氏(山梨大学小児科、昭和大学小児科)が、次のように小児のFHについて解説を行った。 小児のヘテロ接合体の診断では、「(1)高LDL-C血症(未治療で140mg/dL以上、総コレステロール値が220mg/dL以上の場合はLDL-Cを測定する)、(2)FHあるいは早発性冠動脈疾患の家族歴(2親等以内)の2項目でFHと診断する(小児の黄色腫所見はまれ)」と説明した。また、「小児では、血液検査が行われるケースが少なく、本症の発見になかなかつながらない。採血の機会があれば、脂質検査も併用して行い、早期発見につなげてほしい」と同氏は課題を指摘した。 治療では、確定診断後に早期に生活習慣指導を行い、LDL-C値低下を含めた動脈硬化リスクの低減に努め、効果不十分な場合は10歳を目安に薬物療法を開始する。 とくに生活習慣の改善は、今後の患児の成長も考慮に入れ、できるだけ早期に食事を含めた生活習慣について指導し、薬物療法開始後も指導は継続する必要がある。食事療法について、総摂取量は各年齢、体格に応じた量とし、エネルギー比率も考慮。具体的には、日本食を中心とし、野菜を十分に摂るようにする。また、適正体重を維持し、正しい食事習慣と同時に運動習慣もつける。そして、生涯にわたる禁煙と周囲の受動喫煙も防止することが必要としている。 薬物療法を考慮する基準として、10歳以上でLDL-C値180mg/dL以上が持続する場合とし、糖尿病、高血圧、家族歴などのリスクも考える。第1選択薬はスタチンであり、最小用量より開始し、肝機能、CK、血清脂質などをモニターし、成長、二次性徴についても観察する。 管理目標としては、LDL-C値140mg/dLとガイドラインでは記載されているが、とくにリスク因子がある場合は、しっかりと下げる必要があるとされているとレクチャーを行った。

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中高年の早期死亡リスクに座位時間が影響/BMJ

 若年死亡のリスクは、強度を問わず身体活動度が高いほど低く、また、座位時間が短いほど低いことが、ノルウェー・Norwegian School of Sport SciencesのUlf Ekelund氏らによるシステマティック・レビューとメタ解析で明らかにされた。いずれも、中高年成人では、非線形の用量反応の関連パターンが認められたという。身体活動度は、多くの慢性疾患や若年死亡と関連しており、座位時間が長いほどそのリスクが増す可能性を示すエビデンスが増えつつある。しかし、現行の身体活動ガイドラインは、妥当性に乏しい自己報告の試験に基づいているため、報告されている関連性の大きさは、過小評価されている可能性があり、また、用量反応の形状、特に軽強度身体活動は明らかになっていなかった。BMJ誌2019年8月21日号掲載の報告。2018年7月までに公表の試験をレビューし解析 研究グループは、PubMed、PsycINFO、Embase、Web of Science、Sport Discusのデータベースを基に、2018年7月までに発表された試験について、システマティック・レビューとメタ解析を行った。対象は、身体活動度や座位時間について加速度測定法で評価し、全死因死亡率との関連を評価した前向きコホート試験で、ハザード比やオッズ比、相対リスクを95%信頼区間(CI)とともに求めたものとした。解析の手法は、システマティック・レビューとメタ解析に関するガイドラインや、PRISMAガイドラインにのっとった。執筆者2人がそれぞれタイトルと要約をスクリーニングし、1人が全文のレビューを、もう1人がデータを抽出した。バイアスリスクは2人がそれぞれ評価した。 参加者個人レベルのデータを、複数の補正後モデルを用いた試験で集約・解析した。身体活動のデータは4つに分類し、全死因死亡率(主要評価項目)との関連についてCox比例ハザード回帰分析を用いて解析。ランダム効果メタ解析により試験に特異的な結果を要約した。軽強度身体活動でも、死亡率は約0.4倍まで低下 検索により全文レビューとなった39試験のうち、包含基準を満たしたのは10試験だった。うち3試験はデータの集約が困難(加速度計が手首タイプなど)のため、さらに1件は非参加のため除外された。代わりに、死亡率未公表のデータを含む2試験を包含し、計8試験の個人データを解析した。被験者総数は3万6,383例、平均年齢62.6歳、女性は72.8%だった。追跡期間の中央値は5.8年(範囲:3.0~14.5)で、死亡は2,149例(5.9%)だった。 身体活動はその強度にかかわらず死亡率の低下に関連しており、非線形用量反応が認められた。死亡に関するハザード比は、身体活動度の最も低い第1四分位群(参照群、1.00)に比べ、第2四分位群0.48(95%CI:0.43~0.54)、第3四分位群0.34(0.26~0.45)、身体活動度が最も高い第4四分位群は0.27(0.23~0.32)だった。 同様に軽強度身体活動では、第1四分位群に比べ、第2四分位群0.60(95%CI:0.54~0.68)、第3四分位群0.44(0.38~0.51)、第4四分位群0.38(0.28~0.51)だった。中強度~高強度身体活動では、それぞれ0.64(0.55~0.74)、0.55(0.40~0.74)、0.52(0.43~0.61)だった。 座位時間と死亡に関するハザード比についてみると、第1四分位群(参照群、1.00)に比べ、第2四分位群1.28(95%CI:1.09~1.51)、第3四分位群1.71(1.36~2.15)、第4四分位群2.63(1.94~3.56)だった。

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高用量ビタミンD、骨強度に影響せず/JAMA

 健康な成人において3年間毎日高用量(4,000または1万IU/日)のビタミンD3を服用しても、400 IU/日服用との比較において、橈骨の骨密度(BMD)が統計的に有意に低いという結果が認められたという。骨強度は、橈骨および脛骨ともに有意差は認められなかった。カナダ・カルガリー大学のLauren A. Burt氏らが、健康な55~70歳311例を対象に行った無作為化二重盲検試験の結果で、「所見は、高用量ビタミンD補給は骨の健康にベネフィットがあるとの見解を支持しないものであった。さらなる研究を行い、有害性がないかを確認する必要があるだろう」とまとめている。JAMA誌2019年8月27日号掲載の報告。ビタミンD3を毎日3年間400IU、4,000IU、1万IU投与し比較 研究グループは2013年8月~2017年12月にかけて、カナダ・カルガリーの1医療機関で、地域で暮らす健康で骨粗鬆症のない55~70歳311例を対象に、3年間の試験を行った。ベースラインの25-ヒドロキシビタミンD(25[OH]D)値は、30~125nmol/Lだった。 被験者を無作為に3群に分け、ビタミンD3を1日400IU(109例)、4,000IU(100例)、1万IU(102例)、それぞれ3年間投与した。また、全員に食事で1,200mg/日未満のカルシウム補給をしてもらった。 主要アウトカムは2つで、高精細末梢骨定量的CT(HR-pQCT)で評価した橈骨および脛骨の総volumetric BMD値と、有限要素分析で推算した橈骨および脛骨の骨強度(破壊荷重)だった。3年後BMDは、高用量服用群ほど低下 被験者311例は、平均年齢62.2歳、男性53%で、287例(92%)が試験を完了した。 ベースライン、3ヵ月後、3年後の25(OH)D値は、400IU群がそれぞれ76.3、76.7、77.4nmol/L、4,000IU群が81.3、115.3、132.2nmol/L、1万IU群が78.4、188.0、144.4nmol/Lだった。 volumetric BMDについて、群×時間の有意な相互作用が確認された。 橈骨のvolumetric BMDは、400IU群と比べて、4,000IU群(-3.9mgHA/cm3[95%信頼区間[CI]:-6.5~-1.3])、1万IU群(-7.5mgHA/cm3[-10.1~-5.0])とも低下した。各群の橈骨volumetric BMDのベースラインからの平均変化率(%)は、400IU群-1.2%、4,000IU群-2.4%、1万IU群-3.5%だった。 脛骨のvolumetric BMDについては、400IU群と比べて、4,000IU群が-1.8mgHA/cm3(95%CI:-3.7~0.1)、1万IU群が-4.1mgHA/cm3(-6.0~-2.2)であった。各群の脛骨volumetric BMDのベースラインからの平均変化率(%)は、400IU群-0.4%、4,000IU群-1.0%、1万IU群-1.7%だった。 骨強度については、両部位ともに有意な変化差はみられなかった(橈骨p=0.06、脛骨p=0.12)。

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心房細動アブレーションは患者の予後を改善するのか(解説:今井靖氏)-1110

 本邦においても100万人近い心房細動患者が存在し、動悸、胸部不快感などの自覚症状をもたらすのみならず、脳塞栓、心不全の原因としても重要な疾患である。DOACの普及に伴い抗凝固療法の導入率が増加したが、その時流と並行して心房細動に対するカテーテルアブレーションも増加の途にある。リズムコントロールの手段として薬物療法に比して顕著に有効性が高く、薬物治療抵抗性、有症候性心房細動患者のQOL改善の手段として非常に優れた治療と考えられる。 一方、心房細動カテーテルアブレーションの長期生存率あるいは脳梗塞リスクに与える効果については今まで前向き試験として明らかにされたものはなく、CABANA試験において心房細動症例をカテーテルアブレーションあるいは薬物療法に割り付け、前者が後者に比較して予後に優れるか否かが検証された。医師主導・オープンラベルの10ヵ国にまたがる多施設国際共同研究であるが、対象として65歳以上、あるいは脳梗塞に対するリスク因子を1つ以上有する65歳未満の症候性心房細動2,204例を登録(2009年11月~2016年4月)、2017年末まで追跡がなされた。主要エンドポイントは死亡、後遺症を残す脳卒中、重症の出血あるいは心停止の複合とされ、副次エンドポイントとしては全死亡、死亡+心臓血管系入院、心房細動再発などである。2,204例(中央値68歳、女性37.2%、42.9%が発作性)が組み入れられ、カテーテルアブレーション群のうち1,006例(90.8%)が手技を受けた。一方、薬物療法群のうち301例(27.5%)が結果的にカテーテルアブレーションを受けていた。 intention-to-treat(ITT)解析では、追跡期間中央値48.5ヵ月において主要エンドポイントは、カテーテルアブレーション群89例(8.0%)、薬物療法群101例(9.2%)で、統計的有意差を認めなかった(ハザード比[HR]:0.86、95%信頼区間[CI]:0.65~1.15、p=0.30)。副次エンドポイントの全死亡では差がなかったが(5.2% vs.6.1%、HR:0.85、95%CI:0.60~1.21、p=0.38)、死亡または心臓血管系入院(51.7% vs.58.1%、HR:0.83、95%CI:0.74~0.93、p=0.001)、および心房細動の再発(49.9% vs.69.5%、HR:0.52、95%CI:0.45~0.60、p<0.001)は統計的有意差をもってカテーテルアブレーション群で低率であった。残念ながらカテーテルアブレーションによる主要エンドポイント減少効果が認められなかった。 実際に治療を受けたか否かという観点でper protocol解析を行うと、主要エンドポイントにおいてカテーテルアブレーションのHRは0.74(95%CI:0.54~1.01)、12ヵ月で見た場合、0.73(95%CI:0.54~0.99)と差を認めないか僅差であった。副次エンドポイントの1つである全死亡で見ると、6ヵ月で0.69(95%CI:0.47~1.10)、12ヵ月で0.68(95%CI:0.47~0.99)であった。この試験における限界として、クロスオーバーが相当数あること、イベント発生数が期待されたよりも低率に抑えられていたことなどがあり、研究デザインなどについても検討すべき点が含まれると考えられた。しかしこの研究からの日常臨床における解釈としては、長期予後改善効果は証明されていないが、症状が強い薬物治療抵抗性の心房細動アブレーションに対する適応の妥当性は堅持されるものと考えられる。 心不全合併心房細動については、昨年報告されたCASTLE-AF試験において、カテーテルアブレーション群が薬物療法群に比較して予後を改善することが報告され注目された。心房細動が心不全の惹起因子となっている場合、心房細動の抑制が心不全改善に寄与することが期待されるが、一方、心不全・心機能悪化の結果として心房細動が生じた場合、心房細動は予後不良のマーカーであってそれをカテーテル治療で抑制しても効果が得られないという可能性もあるため、心不全合併心房細動についても症例ごとに治療適応を判断する必要性があると思われる。今回のCABANA試験、またCASTLE-AF試験においてもカテーテルアブレーション手技は5~10年前あたりからの登録症例を最近まとめた研究であり、カテーテルアブレーション技術自体は高周波アブレーションにおいても3-Dガイド、コンタクトフォースなどのさらなる技術革新、クライオ、ホット、レーザーなどのバルーン技術の積極的導入など目覚ましい進歩があり、現在の日々の診療データ集積から心房細動アブレーションの有効性・問題点について検討を続ける必要性がある。

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第18回 コンビニでバランスUP! 目的別カップスープ活用法【実践型!食事指導スライド】

第18回 コンビニでバランスUP! 目的別カップスープ活用法医療者向けワンポイント解説小腹が空いている時、中途半端な時間に食事をしたい時、食欲がない時など、コンビニに入っても何を買おうか悩むことが多いはずです。夜遅くにコンビニでお弁当を買うのは量が多すぎるし、重たい。でも、ヨーグルトでは物足りない。カップラーメンでは後ろめたさを感じる。そんな葛藤の際にオススメなのが、即席スープ類です。「湯を入れるだけの手軽さ」「カロリーが比較的低い」「買い置きができる」などの利点があります。また、温かい汁物、油脂や塩の味わいは、満足度を高める効果があり、食べ過ぎを抑える効果もあります。しかし、スープだけでは物足りなさも残る、バランスも良くないと感じる方のために、目的別カップスープ活用法をご紹介します。1)タンパク質を増やしたい食事がご飯やパンなどに偏りがちな場合、タンパク質を増やす意識は大切です。タンパク質にはバランスを整え、筋肉維持の働きがあり、また食欲を抑える働きもあります。スープに合うおすすめの「タンパク質食品」として、温泉卵、ゆで卵、豆腐、納豆、豆乳などがあります。温泉卵はスープにコクを出し、ゆで卵は入れることでボリュームを増やします。豆腐や納豆は低カロリーで良質なタンパク質です。お好みのスープを選び、蓋を開け、湯を注ぎ入れる前に食材を入れることで、食べるときに程よい温度にできます。豆乳を温め、湯の代わりに入れることもオススメです。2)野菜を増やしたい野菜を増やすことで、食物繊維やビタミン、ミネラルの摂取ができるほか、血糖値の急上昇を抑える働きもあります。また、噛みごたえが増し、食べた満足度が上がります。コンビニで野菜を入れるならカット野菜が便利です。 オススメの組み合わせとして、濃厚なスープには、大根系のミックス、緑黄色野菜ミックスポタージュスープやあっさりとしただしスープには、レタスやキャベツなどのカット野菜がオススメです。カット野菜は、生のままでは入りきりません。袋の口を開け(破裂の予防)、電子レンジで600w 50〜60秒加熱します。かさが減った野菜は、1袋分をカップに入れることができ、ボリューム満点のスープが出来上がります。3)体調が悪い/食欲がない体調が悪い時や食欲がない時にも、スープは比較的喉を通りやすい食品です。湯を入れたスープに海苔の付いたおにぎりを入れると、海苔の風味で食欲をそそるリゾットが出来上がります。オススメとして和風だしスープ:梅干しや昆布、雑穀系のおにぎりポタージュスープ:昆布、サケ、ツナ中華スープ、濃厚スープ:辛子高菜、おかか、鶏五目などの相性が良いです。コンビニでスープを買う際には、『そのままで食べるよりも1品プラスする意識を持つ』と栄養バランスが整いやすくなります。

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転倒前に調整できなかったベンゾジアゼピン系薬の減量提案【うまくいく!処方提案プラクティス】第4回

 今回は、残念ながら転倒を起こす前にベンゾジアゼピン系睡眠薬の調整ができなかった反省症例です。高齢者では転倒・骨折がその後の生活に大きな影響を与えるため、転倒を予測した用量の検討や、家の動線など生活背景を読み解く力が必要だとあらためて実感しました。患者情報80歳、男性、独居、要介護3現 病 歴:アルツハイマー型認知症、高血圧、不眠症短期記憶が乏しく、物忘れや受診忘れなどの認知機能低下あり。原因は不明だが、訪問当初から左下肢の動きがやや悪い(脳梗塞や脳出血などの既往はなし)。服薬状況:服薬カレンダーで薬を管理している。用法は就寝前で統一しているが、週2~3回内服を忘れる。介護状況:訪問看護師が毎週金曜日に訪問している。それ以外の通所介護、通院介助などはなし。処方内容1.アムロジピン錠5mg 1錠 分1 就寝前2.ドネペジル錠5mg 1錠 分1 就寝前3.トリアゾラム錠0.25mg 1錠 分1 就寝前本症例のポイントこの患者さんは高齢にもかかわらず、トリアゾラムを0.25mgという高用量で服用していました。高齢者でのベンゾジアゼピン系睡眠薬の懸念事項は、過鎮静と筋弛緩作用による転倒リスクです。服用忘れがある日も含めて入眠は良好で、日中の眠気やふらつきがないことは訪問看護師とも情報共有していました。しかし、この患者さんは左下肢を引きずって歩くなど、より転倒リスクが高いと考えられます。<高齢者におけるベンゾジアゼピン系睡眠薬の注意点>ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、過鎮静、身体機能低下、認知機能低下、筋弛緩作用による転倒・骨折、CYP活性低下による血中濃度上昇などのリスクがあるため、高齢者では成人と同等量用いることのリスクを検討しなければならない。また、トリアゾラムがCYP3A4で代謝された活性代謝物であるα-ヒドロキシトリアゾラムには、トリアゾラムと同等か1/2程度の活性があるといわれており、とりわけ高齢者(肝機能低下、CYP活性低下)では薬理作用が遷延しやすいという懸念がある。そのため、高齢者では筋弛緩作用の比較的弱いゾルピデムやエスゾピクロンのほうが、安全性が高いと考えられる。転倒によるトリアゾラムの減量提案この患者さんは、週2~3回服用忘れがあっても入眠は良好でした。一方で、独居のため家の片付けが不十分で寝室からトイレまでの動線に不安がありました。高齢者は転倒すると、ADL(日常生活動作)や認知機能の低下が加速することが多いとされています。これらの理由を示し、医師にトリアゾラムの減量を提案しましたが、現状は状態が安定しているということを理由に採用はされず、継続となりました。ところがある日、患者さんが背中をさすりながら布団で横になっているのを発見しました。転倒して背中を打ったとのことです。整形外科を受診したところ、腰椎圧迫骨折の診断でした。この転倒を機に再度トリアゾラムの減量を医師に提案し、半量の0.125mgに減量する承認を得ることができました。その後は訪問の都度、医師に腰椎圧迫骨折の疼痛管理とトリアゾラム減量後の状況を報告することで安心していただくことができました。アドヒアランス不良によるトリアゾラムの中止提案一方、この患者さんに関してアドヒアランス不良という問題も徐々に顕在化してきました。訪問開始当初から服薬カレンダーで薬の管理を行っていましたが、週2回程度であった服用忘れが4~5回と増加してきたのです。ケアマネジャーに状況を話し、ヘルパーさんの訪問介護で服薬確認ができないか相談したところ、就寝前の薬を朝に変更できれば可能との返答でした。しばらく様子を見ていると、服用忘れがあっても入眠は依然として良好で、中途覚醒などの問題がないことが確認できました。これらをレポートでまとめて再再度医師へ報告したところ、トリアゾラム中止の承認を得ることができました。また、服薬確認のための朝のヘルパー訪問についても相談して、すべての薬を朝食後にまとめてもらうことができました。処方変更のタイミングでヘルパーさんによる毎朝の服薬確認とともに、食事の準備、入浴介助も開始となり、その後の服用忘れはなくなりました。また、トリアゾラム中止後の睡眠トラブルもなく、現在の経過は安定しています。

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抗精神病薬持効性注射剤の治療継続に影響を及ぼす因子の検討

 抗精神病薬持効性注射剤(LAI)は、統合失調症患者の症状を軽減し、再発・再燃を防ぐための薬物治療として用いられる。藤田医科大学の谷口 美紘氏らは、LAIの治療継続に影響を及ぼす因子について検討を行った。Biological & Pharmaceutical Bulletin誌2019年第7号の報告。 対象は、2009年10月~2017年6月までに藤田保健衛生大学(現、藤田医科大学)においてリスペリドン、パリペリドン、アリピプラゾールを含むLAI治療を受けている統合失調症患者。6ヵ月間のLAI治療継続率を評価し、患者背景や投薬歴などの特徴を収集した。さらに、これまでの研究に基づき、LAI導入理由により、対象患者を2つのクラスターに分類した。クラスターIは、コンプライアンス不良や前治療無効患者で構成され、クラスターIIは、病識、教育レベルの高さ、抗精神病薬治療に対する前向きさ、洞察力の高さ、治療関係の良さなどを有する患者で構成されていた。 主な結果は以下のとおり。・対象患者は、82例(平均年齢44.9±15.0歳)であった。・クラスター別の内訳は、Iが54例、IIが28例であった。薬剤別の内訳は、リスペリドン36例、パリペリドン15例、アリピプラゾール31例であった。・6ヵ月後のLAI治療継続率は、63.4%(52例)であった。・薬剤ごとの治療継続患者は、リスペリドン17例(47.2%)、パリペリドン8例(53.3%)、アリピプラゾール27例(87.1%)であり、リスペリドンと比較した治療継続率では、アリピプラゾールにおいて有意な差が認められた(p=0.001)。・LAI治療継続に影響を及ぼす因子は、クラスターII(調整オッズ比[aOR]:5.74、p=0.017)、同成分からの切り替え(aOR:7.13、p<0.001)、ジアゼパム換算率(aOR:0.88、p<0.001)であった。・6ヵ月以内にLAI治療を中止した理由のうち、最も多かったのは効果不十分(14例、47%)であり、次いで忍容性不良(6例、20%)、中断(3例、10%)であった。 著者らは「LAI治療は、クラスターIIの患者において治療継続率の有意な改善を示した。 さらに、他の因子や中止理由を考慮すると、LAIは、より安定している患者に対して開始することが望ましい」としている。

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NT-proBNP高いと認知症リスクが2.5倍~久山町研究

 心疾患と認知症の関連が疫学研究で示唆されているが、血清NT-proBNP(N末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド)値と認知症の関連を評価した前向き研究はほとんどない。今回、九州大学の永田 拓也氏らが久山町研究で調べたところ、血清NT-proBNPが300pg/mL以上では54pg/mL以下に比べて認知症リスクが2.5倍高いことが示された。Journal of the American Heart Association誌2019年9月3日号に掲載。 本研究の対象は、地域在住の認知症ではない60歳以上の日本人高齢者1,635人(女性57%、平均年齢±SD:70.8±7.7歳)で、10年間追跡調査した。血清NT-proBNP値を4つのカテゴリー(54pg/mL以下、55~124pg/mL、125~299pg/mL、300pg/mL以上)に分けて評価した。Cox比例ハザードモデルを用いてハザード比を推定した。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中、認知症全体の発症が377人、アルツハイマー病が247人、血管性認知症が102人に認められた。・年齢・性別の調整後、認知症全体の発症率は1,000人年当たり31.5で、血清NT-proBNP値の低いカテゴリーから順に16.4、32.0、35.7、45.5と有意に増加した(傾向のp<0.01)。・交絡因子の調整後、血清NT-proBNPが300pg/mL以上では54pg/mL以下より、認知症全体のリスクが有意に高かった(ハザード比:2.46、95%CI:1.63~3.71)。・アルツハイマー病や血管性認知症においても同様のリスクが認められた。・既知の危険因子による認知症予測モデルに血清NT-proBNPを組み込むことによって、予測能力が有意に改善した(c統計量:0.780~0.787、p=0.02、NRI:0.189、p=0.001、IDI:0.011、p=0.003)。

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既治療の非小細胞肺がんにおけるニボルマブの4年生存/Lancet Oncol

 ニボルマブの既治療の進行期非小細胞肺がん(NSCLC)患者における長期的な利益および奏効状態とその後の生存に対する影響を評価することを目的としたプール解析が行われた。Lancet Oncology誌2019年8月14日号オンライン版掲載の報告。 既治療のNSCLC患者におけるニボルマブの 生存転帰を評価するために、4つの臨床研究 (CheckMate 017、057、063、003) からデータを蓄積した。生存結果の決定にあたっては、 6ヵ月の奏効状態によるランドマーク解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・4つの研究を通し、ニボルマブの4年全生存(OS)率は全患者(n=664)では14%、PD-L1発現1%以上の患者では19%、PD-L1発現1%未満の患者では11%であった。・CheckMate 017および057試験におけるニボルマブ治療患者の4年OS率は14%、ドセタキセル治療患者では5%であった。・ニボルマブ、ドセタキセル治療群とも、6ヵ月時点で奏効していた患者の生存は 6ヵ月時点でPDだった患者よりも長かった。・ニボルマブ治療群において6ヵ月時点で奏効していた患者とPDだった患者のハザード比(HR)は0.18(0.12~0.27)、ドセタキセル治療群における同比較のHRは0.43(0.29~0.65)であった。・ニボルマブ治療群において6ヵ月時点でSDだった患者とPDだった患者のHRは0.52(0.37~0.71)、ドセタキセル治療群における同比較のHRは0.80(0.61~1.04)であった。・長期データにおいても新たな安全性の問題はみられなかった。

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fremanezumab、4クラス抵抗性の片頭痛に有効/Lancet

 最大4クラスの予防薬が奏効せず、治療困難な片頭痛患者において、fremanezumabはプラセボに比べ片頭痛の発現を抑制し、忍容性も良好であることが、オランダ・ライデン大学医療センターのMichel D. Ferrari氏らが行ったFOCUS試験で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2019年8月16日号に掲載された。カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)またはその受容体を標的とする抗体は、片頭痛発作の予防において有効性が確認されている。fremanezumabは、CGRPの2つのアイソフォームに選択的かつ強力に結合する完全ヒト化モノクローナル抗体である。2種の投与法とプラセボを比較する無作為化試験 本研究は、14ヵ国(ベルギー、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ポーランド、スペイン、スウェーデン、スイス、英国、米国)の104施設が参加した二重盲検プラセボ対照無作為化第IIIb相試験であり、2017年11月10日~2018年7月6日に患者登録が行われた(Teva Pharmaceuticalsの助成による)。 対象は、年齢18~70歳、50歳またはそれ以前に片頭痛の診断を受け、12ヵ月以上の片頭痛の既往歴があり、試験登録時に反復性または慢性の片頭痛がみられ、過去10年間に2~4種のクラスの片頭痛予防薬(β遮断薬、抗けいれん薬、三環系抗うつ薬、Ca拮抗薬など)の投与を受けたが、治療に失敗した患者であった。 被験者は、fremanezumabを3ヵ月に1回皮下投与する群(1ヵ月目:675mg投与、2および3ヵ月目:プラセボ投与)、同薬を毎月1回皮下投与する群(1ヵ月目:反復性は225mg、慢性は675mg投与、2および3ヵ月目:反復性、慢性とも225mg投与)またはプラセボ群に無作為に割り付けられ、12週の治療が行われた。 有効性の主要アウトカムは、12週の治療期間における、1ヵ月間に片頭痛が発現した平均日数のベースラインからの変化とした。中等度以上の頭痛や急性期治療薬の使用も少ない 838例が登録され、3ヵ月投与群に276例、毎月投与群に283例、プラセボ群には279例が割り付けられた。全体の平均年齢は46.2歳(SD 11.0)、700例(84%)が女性、786例(94%)が白人であった。 片頭痛の診断からの平均経過期間は24.2年(SD 13.4)であり、慢性片頭痛(509例[61%])が反復性片頭痛(329例[39%])よりも多かった。無効であった片頭痛予防薬のクラスは、β遮断薬、抗けいれん薬、三環系抗うつ薬の割合が高かった。 12週の治療期間における、1ヵ月間に片頭痛が発現した平均日数のベースラインからの変化は、プラセボ群(最小二乗平均[LSM]:-0.6[SE 0.3])と比較して、3ヵ月投与群(LSM:-3.7[0.3]、プラセボ群とのLSMの差:-3.1、95%信頼区間[CI]:-3.8~-2.4、p<0.0001)および毎月投与群(LSM:-4.1[0.34]、プラセボ群とのLSMの差:-3.5、95%CI:-4.2~-2.8、p<0.0001)が、いずれも有意に低下した。 12週における、1ヵ月間に中等度以上の頭痛が発現した平均日数のベースラインからの変化についても、プラセボ群に比べ3ヵ月投与群(プラセボ群とのLSMの差:-3.2、95%CI:-3.9~-2.5、p<0.0001)および毎月投与群(プラセボ群とのLSMの差:-3.6、95%CI:-4.3~-2.9、p<0.0001)が、いずれも有意に低下した。 また、fremanezumabの両投与群はプラセボ群との比較において、あらゆる急性期治療薬の1ヵ月間の平均使用日数がベースラインから有意に短縮し(3ヵ月群:プラセボ群とのLSMの差:-3.1、95%CI:-3.8~-2.4、p<0.0001、毎月群:-3.4、-4.0~-2.7、p<0.0001)、同様に片頭痛に特異的な急性期治療薬(トリプタン、エルゴット化合物)についても有意な短縮が認められた(3ヵ月群、毎月群とも、p<0.0001)。 1件以上の有害事象(3ヵ月群55%、毎月群45%、プラセボ群48%)、1件以上の重篤な有害事象(<1%、1%、1%)、投与中止の原因となった有害事象(<1%、1%、1%)の頻度は、3群でほぼ同等であった。頻度の高い有害事象は、注射部位紅斑(7%、6%、5%)、注射部位硬結(4%、5%、4%)、注射部位疼痛(4%、3%、3%)、鼻咽頭炎(5%、2%、4%)などであった。 著者は、「プラセボと比較した治療効果は、患者の重症度が高かったにもかかわらず、あるいはおそらくその結果として、これまでに行われたfremanezumabや他の片頭痛予防薬の研究に比べて高かった」としている。

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インフルエンザ増加傾向、例年比較で「かなり多い」~感染研

 国立感染症研究所が8月30日付でまとめた感染症週報(8月12~18日)によると、全国の指定された医療機関(定点)約5,000ヵ所から報告されたインフルエンザの報告数が3週連続で増加しており、過去5年の同時期(前週、当該週、後週)と比較して「かなり多い」数値だった。 全国総数では定点当たりで0.23(報告数:1,075)となり、都道府県別に見ると、沖縄県で突出して多く(定点当たり:12.26)、次いで愛媛県(同:0.38)、福島県(同:0.28)となっている。 このほか、今夏各地で流行した手足口病やRSウイルスなどの主な小児科定点報告疾患については、軒並み減少傾向。一方で、マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数が2週連続で増加している。都道府県別では、北海道(定点当たり:0.65)、大阪府(同:0.50)、栃木県(0.43)で報告数が多かった。

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日本糖尿病学会「女性糖尿病医サポートの取り組み」Webサイトに糖尿病専門医の働き方と生活現状調査の結果を公開

 日本糖尿病学会「女性糖尿病医サポートの取り組み」Webサイトでは、同学会[女性糖尿病医をpromoteする委員会]が2017年に実施した「糖尿病医のキャリアにおける現状調査と今後の展望に向けたアンケート」の結果として、糖尿病専門医の働き方と生活現状について公開した。 同調査はWebアンケートにより糖尿病専門医1,566名から回答を得たもので、同学会 会誌「糖尿病」 62巻5号(2019)に委員会報告として掲載された。 内容については、以下関連リンクより閲覧可能。 関連リンク 「糖尿病専門医の働き方と生活現状調査,学会に求められる取り組みについて」 ~2017年度「糖尿病医のキャリアにおける現状調査と今後の展望に向けたアンケート」結果より~ (日本糖尿病学会 「女性糖尿病医サポートの取り組み」)

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「ZOOM」「RE-ZOOM」【どうキレキレに冴え渡る?(マインドフルネス)】Part 1

今回のキーワード体感五感俯瞰集中力(注意の集中)注意力(複雑性注意)マインドレスデフォルトモード「禅病」皆さんは、なんとなくどんよりともやもやしたり、いらいらして、仕事が進まなくて困ったことはありませんか? どうしたらキレキレに冴え渡ることができるでしょうか? なぜ冴えないのでしょうか? そもそも、なぜ冴えは「ある」のでしょうか? 逆に、冴えて困ることはないでしょうか?これらの答えを探るために、今回は、子どもの絵本「ZOOM」とその続編「RE-ZOOM」をまとめて取り上げます。「シネマセラピー」のスピンオフバージョン、「絵本セラピー」としてお送りします。この絵本の1ページ目には、いきなりどアップの赤い模様が目に入ってきます。何かと次のページをめくると、ニワトリを見ている子どもたちが目に入ってきます。ここで、赤い模様はニワトリのとさかであることが判明します。さらに次のページをめくると、人形セットで遊ぶ女の子が目に入ります。ここで、さっきの子どもたちは人形セットの一部であることが判明します。こうして、ページをめくるたびにズームアウトしていくという構成です。「ZOOM」は、子どもの絵本と言えども侮れません。この本からメンタルヘルスの、あるエッセンスを学ぶことができます。それは、マインドフルネスです。マインドフルネスは、今や、メンタルヘルスの分野だけでなく、職場や教育現場にも広く取り入れられている最新のセルフセラピーです。それでは、「ZOOM」を通して、マインドフルネスの理解を深めましょう。そして、冴えるスキルを手に入れましょう。どうしたら冴えるの? -マインドフルネスまず、どうしたら冴えるでしょうか? その答えが、マインドフルネスです。マインドフルネスとは、ざっくり言えば、意識(マインド)が研ぎ澄まされて満たされた状態(フル)にあるという意味です。それでは、そうなるために、具体的にどうすれば良いでしょうか?ここから、「ZOOM」に絡めて、マインドフルネスを、3つのステップに分けてご紹介しましょう。(1)体感でズームイン-体感に注意を向ける「ZOOM」は、ページを後ろから逆にめくっていくと、ズームインしていくことに気付きます。すると、最後に、1ページ目のニワトリのとさかをズームインして間近で見ることになります。1つ目は、体感でズームイン、つまり体感に注意を向けることです。まず自分の呼吸に注意を向けます。息を吸うとお腹が膨らみ、息を吐くとお腹がへこむ感覚に気付くでしょう。ちなみに、マインドフルネスを行うタイミングは、いつでも良いです。座っている時でも歩いている時でも良いです。もっと言えば、通勤途中、仕事の最中、歯を磨いている時、今この記事を読んでいる時でももちろん良いです。スーパーのレジ待ちの時や、上司から説教されている時はなお良いでしょう。マインドフルネスの良さは、特別な時間と場所が必ずしも必要ではないことです。今この瞬間、この場所で行うことができます。さらに、足先にも注意を向けます。すると、足がソックスに触れている感覚に気付くでしょう。歩いているなら、足の裏が床や地面に吸い付いていく感覚に気付くでしょう。そして、足先から、足の付け根、さらには手先、肩、体幹、さらには心臓の鼓動へと注意を向ける部位を増やしていきます。このように、体のそれぞれの部分の体感への注意を繰り返し向けることで、意識を研ぎ澄ましていきます。CTスキャンならぬ「ボディスキャン」です。(2)五感でズームアウト-五感に注意を向ける「ZOOM」は、最後のページまでめくると、暗黒の宇宙にぽつんと小さく浮かぶ地球が目に入ります。子どもの絵本にしては、壮大な結末です。2つ目は、五感でズームアウト、つまり五感に注意を向けることです。まず、聞こえてくる音や声に耳を澄まします。たとえ目の前の上司の怒鳴り声や金切り声が聞こえていたとしても、同時にそれ以外の音にも注意を向けます。すると、エアコンや換気扇の音に気付くでしょう。遠くの話し声や車の走り去る音にも気付くかもしれないです。なお、まず聴覚に集中するために、いったん目を閉じても良いでしょう。次に、周りにゆっくり目を向けます。目の前だけでなく、視界いっぱい、天井の四隅を見る感覚です。すると、近くにいる人の表情や天井や壁の模様までも気付くでしょう。外を歩いている時なら、日の光、木の葉のゆれ、風の通りに気付くでしょう。五感の中で、視覚よりも聴覚を先にするのは、視覚刺激のほうが強いだけに、その刺激で心が乱れるのを避けるためです。さらに、体を動かしている時は、その動きに注意を向けます。すると、空気や重力などの身体感覚に気付くでしょう。食べたり飲んだりしている時は、なめるように味わうと、普段気付かなかった何気ない味にも気付くでしょう。このように、聴覚、視覚、触覚、味覚、嗅覚などの五感へ複数の注意を繰り返し向けることで、意識を研ぎ澄ましていきます。なお、触覚については、体感との連続性があるため、前章の「体感でズームイン」にも登場させています。(3)俯瞰で「リ・ズーム」-俯瞰して視点を増やす「ZOOM」「RE-ZOOM」は、ページをめくるたびに、前提(フレーム)が変わります。絵本の枠(フレーム)を俯瞰しているはずの私たちの思い込みを裏切り続けます。そうすることで、私たちに気付きを与えてくれます。3つ目は、俯瞰で「リ・ズーム」、つまり俯瞰して視点を増やすことです。たとえば、「こいつ(上司)、むかつく!」とふと思い浮かんだとしても、その後に「と思った」「と考えた」と頭の中で付け加えることです。すると、「むかつく」という感情から少し距離が置かれることに気付くでしょう。さらに、主語を「自分」「私」ではなく、自分の憧れる人の名前を拝借したり、自分で気に入ったキャラクターネームを作ることです。たとえば、「ズーム・マスター」と名乗って、「と、ズーム・マスターは考えた」と付け加えます。すると、当事者ではなく、第三者の視点として俯瞰している感覚に気付くでしょう。一方、相手の上司は、「こいつ」ではなく、たとえば「かぼちゃさん」とニックネームを付けることです。ネーミングのポイントは、野菜やフルーツなど、本人に似ていて、ヘルシーでコミカルな響きやイメージがあることです。逆に言えば、怖かったりネガティブな名前は、感情的になりやすいため、避けたほうが良いです。このように、現実を、まるでロールプレイングゲームのキャラクターたちの世界観に仕立て上げることです。その瞬間に、好きなテーマソングを頭の中に流しても良いでしょう。思っている言葉は、ロールプレイングゲームのナレーション風にアレンジしても良いでしょう。すると、その世界をそのまま冷静に受け止めていることに気付くでしょう。さらに、これまでの取り組みにより、ネガティブな感情が不活性化し、心がニュートラルになっているなら、次のステップに進みます。それは、ネガティブな言葉の後に、「にもかかわらず」「だとしても」「逆に」という接続詞をあえて入れることです。すると、その後には、「がんばれている」「大丈夫」「それだけ勉強になった」などのポジティブな言葉が浮かんでくるでしょう。最終的には、「幸せでありますように」という思いを唱えます。その対象は、まず自分、それから家族、友人、同僚、そして通りすがりの知らない人、最終的には、憎んでいる人にもです。「許さない」「一生、恨んでやる」などの激しい怨念を抱く相手にさえ、「ありがとうございました」「あなたも幸せでありますように」とあえて丁寧に唱えて、そのまま俯瞰することです。すると、その相手を許す気持ちが出てくればくるほど、寒々とした気持ちが温かい気持ちに変わり、自分の心の平安が得られることに気付きます。この取り組みは、相手のためではなく、自分のために行うものであることに気付きます。このように、あえてポジティブな複数の視点を繰り返し発想することで、感謝や思いやりの心の脳内シェアを最大化し、意識を満たしていきます。相対的に、悲しみや恐怖、そして怒りの脳内シェアは最小化されていくというわけです。なお、マインドフルネスは、セラピーの1つである認知行動療法の最新バージョンと呼ばれています。さらに、そのまま受け止める点で、森田療法の「あるがまま」にも通じています。自分に語りかける点で、自律訓練法の自己暗示にも通じます。神経を研ぎ澄ます点で、ヨガにも通じています。そして、感謝や思いやりを扱う点で、仏教の慈悲やキリスト教の隣人愛に通じています。つまり、マインドフルネスは、統合的なセラピーとも言えそうです。次のページへ >>

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「ZOOM」「RE-ZOOM」【どうキレキレに冴え渡る?(マインドフルネス)】Part 2

なぜ冴えないの? -マインドレス冴えるには、体感、五感、俯瞰という3つのステップを経るマインドフルネスを行うことが分かりました。それでは、逆に、なぜ冴えないのでしょうか? その答えは、私たちはマインドレスに陥りやすいからです。ここから、意識のレベルを、通常の意識、マインドレス、マインドフルの3つに分けて理解を深めましょう。(1)通常の意識―意識清明みなさんは、今まさにこの記事を読み進めています。言い換えれば、この記事を認識し、同時に、それを認識する自分を認識しています。1つ目の意識レベルは、このような通常の意識レベルです。医学的に言えば、意識清明です。意識とは、自分と周りを認識することです。それが、社会生活を送る通常のレベルであることです。私たちは、周りの世界と自分の関係を認識し、次の行動を起こす心の準備をしています。これは、「すること」モードと呼ばれます。ここで、集中力と注意力という指標で意識を測ってみましょう。集中力とは、1つの物事への注意の高まり具合です(注意の集中)。それに対して、注意力とは、複数の物事への気付きの広がり具合です(複雑性注意)。通常の意識レベルでは、集中力と注意力は、ともに通常のレベルです。しかし、没頭して集中力が高まったら、その分、注意力が落ちて周りの変化に気付きにくいでしょう。一方、危険を察知して注意力が高まったら、その分、集中力が落ちて没頭しにくくなるでしょう。(2)マインドレス-意識狭窄みなさんの中で、今疲れて眠気が襲ってきている人はいませんか? すると、ぼんやりとして、この記事の内容が頭に入ってきません。周りが見えなくもなるでしょう。2つ目の意識レベルは、このような下がった意識レベル、つまりマインドレスです。医学的に言えば、意識狭窄です。見ている世界が狭くなり、周りが見えなくなることです。「心ここにあらず」で無意識に思ったり行動している状態です。このレベルでは、集中力も注意力も落ちています。これは、脳科学でデフォルトモードと呼ばれています。飛行機の操縦に例えると、通常の意識レベルが「手動操縦」なら、マインドレスは「自動操縦」です。例えば、その時に「心の揺れ」がひどければ、後ろを振り返って「なんでこうなっちゃったんだろう」と落ち込みます。前を見ると「これからどうなるんだろう」と不安に駆られます。「自動操縦」は、油断すると「暴走」してしまうというわけです。(3)マインドフル-「意識拡張」みなさんの中で、今、この記事の内容を理解して認識し、同時にそうしている自分を認識し、さらに周りの状態も認識しているという人はいますか?3つ目の意識レベルは、このようなさらに上がった覚醒レベル(意識レベル)、つまりマインドフルです。名付けるとしたら「意識拡張」でしょう。マインドレスのように意識が狭まるのとは逆に、広がるのです。「心ここにあらず」ではなく、「今ここに」「心を込めて」という心のあり方です。無意識を意識化することでもあります。それは、世界を見渡し、過去から未来を見通して、さまざまなことに深いレベルで気付き、世界を包み込んでいる状態です。このレベルでは、集中力も注意力も高まっています。気付きを高め、受け止めていれば、驚くこともないでしょう。例えば、それは、最高のシナリオと最悪のシナリオです。もはや予期不安はなく、あるのは「予期受容」です。これは、「あること」モードと呼ばれます。先ほどの飛行機の操縦に例えると、マインドフルは、「手動操縦+点検」と言えるでしょう。「自動操縦」で快適ならそのままでも良いですが、「揺れ」がひどいなら、「手動操縦」に切り替え、「点検」をすることが必要です。「点検」によって「揺れ」が起きないように適宜の微調整をすることで、「自動操縦」の機能を修正することができるというわけです。なぜ冴えは「ある」の? -意識の起源冴えないのは、マインドレスに陥りやすいからであるということが分かりました。それでは、そもそもなぜ冴えは「ある」のでしょうか? 先ほどの意識レベルの違いに絡めつつ、意識の進化の歴史から探ってみましょう。意識の進化は、3つの段階に分けられます。(1)デフォルトモード約5億年前に魚類が誕生し、周りの環境に対して素早く反応して、動き回るような初期の脳が進化しました。1つ目の意識の起源は、先ほどにも紹介したデフォルトモードです。習性(遺伝的行動パターン)をもとに、生き残り子孫を残すために、その瞬間その場所で反射的に本能的に行動することです。つまり、デフォルトモードになっているマインドレスとは、より動物的で原始的な無意識の精神状態であるということです。(2)社会脳約700万年前に人類が誕生し、約300~400万年前に集団生活を始めてから、相手の気持ちをくむ脳が進化しました。2つ目の意識の起源は、このように周りの人とうまくやっていく社会脳です。相手の心を読んで、先を読んで、より意識的に行動することです。これは、通常の意識に近いでしょう。(3)概念化約20万年前に人類が言葉を発するように喉の構造が進化し、約10万年前に貝の首飾りを信頼の証と認識できるように脳が進化しました。3つ目の意識の起源は、このようにものごとをシンボルとして理解する概念化です。相手の心を見通すだけでなく、自分の心も見通し、複数の視点(概念)を持つことです。これが、マインドフルに通じます。ちなみに、紀元前5世紀頃に仏教が始まりました。仏教の禅の瞑想は、マインドフルネスの起源になっています。冴えて困ることは? -マインドフルネスのデメリットマインドフルネスは、良いことばかりのようです。逆に、冴えて困ることはないでしょうか? ここで、マインドフルネスのデメリットを3つ挙げてみましょう。ちなみに、このデメリットは、先ほどの仏教では「禅病」と呼ばれてきました。(1)社会生活をがんばらなくなる1つ目は、気付きすぎてしまい、社会生活をがんばらなくなることです。マインドフルネスによって、満たされるということは、逆に言えば、不足感がなくなり、現状を受け入れやすくなります。俯瞰しすぎて、達観するというわけです。人生の一大局面で、ハングリー精神がないため、粘らずに、あきらめが早くなってしまうリスクがあります。そうならないためには、このリスクを評価することを含めたマインドフルネスの実践が必要になります。(2)マインドフルネスにのめり込む2つ目は、研ぎ澄ますこと自体を研ぎ澄ます、つまりマインドフルネスにのめり込むことです。マインドフルネスによって、満たされて気分が良くなるので、これをやり続けてしまうことです。逆に、やるべきことをおろそかにしてしまい、社会生活で差しつかえるリスクがあります。そうならないためには、マインドフルネスをする時間をあらかじめ区切ることが良いでしょう。例えば、目安は、多くても1日2時間以内とすることです。(3)逆に精神不安定になることもある3つ目は、研ぎ澄ますことで、逆に不安定になることもあることです。例えば、もともと過敏な人が、マインドフルネスによってさらに研ぎ澄まされてしまったら、神経過敏や被害妄想が出てくるでしょう(統合失調症)。また、もともと自我が弱い人、つまり自分が自分であるという感覚が弱い人が、マインドフルネスによってさらに周りへの気付きを高めてしまったら、周りを包み込むのではなく、周りに飲み込まれるという侵入体験が出てくるでしょう(自我障害)。そうならないためには、マインドフルネスを実践して体調不良になった場合に、無理せず中断して、メンタルへルスの専門家に相談することが必要です。キレキレに冴え渡るとは?「ZOOM」の最後のページは、暗黒の宇宙にぽつんと小さく浮かぶ地球でした。それを見ている私たちは、もはや神の目になった気分です。マインドフルネスによる集中力と注意力のトレーニングによって、私たち自身が、その神の視点に立った時、もっと大きな存在の中のほんの一部分に、そして永遠の中の一瞬に自分がいることに気付かされます。その時には、今そこにある困難も、宇宙レベルで、そして光年レベルで受け止め、冷静に対処することができるのではないでしょうか? それこそが、キレキレに冴え渡っていると言えるのではないでしょうか?<< 前のページへ■関連記事東京タラレバ娘【ブリーフセラピーとは?】逃げるは恥だが役に立つ【アサーション】パプリカ【夢と精神症状の違いは?】ペコロスの母に会いに行く【認知症】■参考スライド【マインドフルネス】2019年「どう集中力を高める?」1)はじめてのマインドフルネス:熊野宏昭、NHKテキスト、20172)自分でできるマインドフルネス:マーク・ウィリアムズほか、創元社、2016

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添付文書改訂:ベージニオ錠に安全性速報発出/抗コリン薬の禁忌が閉塞隅角緑内障に限定/トリプタンに薬物乱用頭痛に関する注意追加 ほか【下平博士のDIノート】第32回

ベージニオ錠に間質性肺疾患に関する安全性速報が発出画像を拡大する<Shimo's eyes>本剤は、これまでも重大な副作用として間質性肺疾患が報告されていましたが、市販直後調査中の2018年11月~2019年5月に本剤を使用した患者において、間質性肺疾患の重篤な症例が14例報告され、このうち3例が死亡に至ったことから、安全性速報(ブルーレター)1)が発出されました。今回、「警告」に下記の注意喚起が追加され、それに伴い「慎重投与」、「重要な基本的注意」、「重大な副作用」が改訂されました。【警告】間質性肺疾患があらわれ、死亡に至った症例も報告されているので、初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び胸部X線検査の実施等、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には、本剤の投与を中止し、必要に応じて、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施するとともに、適切な処置を行うこと。本剤を服用する患者さんやご家族に対して、もし間質性肺疾患の初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱など)が発現した場合には、速やかに医師・薬剤師に連絡するようしっかりと伝える必要があります。抗コリン薬の禁忌が閉塞隅角緑内障に限定画像を拡大する<Shimo's eyes>これまで、多くの抗コリン作用を有する薬剤(抗コリン薬)は「緑内障」が禁忌であったため、本来安全性に懸念のある閉塞隅角緑内障患者のみならず、緑内障の95%を占める開放隅角緑内障患者にも使用できませんでした。そのため、開放隅角緑内障患者では、大きな影響がなくても使用できないという不利益や、疑義照会によって医療者の時間がとられることなどが問題となっていました。今回、薬事・食品衛生審議会で、抗コリン薬の添付文書の「禁忌」に記載されている緑内障にかかわる記載の変更が了承され、閉塞隅角緑内障のみが禁忌となりました2)。しかし、実際には患者自身が自身の緑内障のタイプを正確に把握していない場合も多く、今後の疑義照会の是非については、薬剤師側が難しい判断を迫られることになるかもしれません。今回の改訂の対象薬剤は、感冒薬、鎮痙薬、抗アレルギー薬、向精神薬、抗不整脈薬、パーキンソン病治療薬、AD/HD治療薬など多岐にわたりますが、眼科用製剤は含まれないことに留意しましょう。トリプタン系薬剤に薬物乱用頭痛に関する注意追加画像を拡大する<重要な基本的注意>トリプタン系薬剤により、頭痛が悪化することがあるので、頭痛の改善を認めない場合には、「薬剤の使用過多による頭痛」の可能性を考慮し、投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。<Shimo's eyes>薬剤を過剰に使用することで起こる薬物乱用頭痛(MOH)は、緊張型頭痛、片頭痛に次いで3番目に多い頭痛といわれています。MOHの原因となる薬物には、トリプタン系薬剤以外にも、NSAIDsやエルゴタミン製剤などがありますが、トリプタン系薬剤は少ない服薬回数でMOHを発症する傾向があるとの報告があるため、今回の改訂3)に至ったと考えられます。片頭痛治療中の患者さんがMOHに陥らないために、頭痛治療薬の正しい服用タイミングや生活指導を含めた適切な服薬指導を心掛けましょう。メトホルミン含有製剤、重度の腎機能障害患者のみを禁忌へ画像を拡大する<Shimo's eyes>これまで、メトホルミン含有製剤について、乳酸アシドーシスに対するリスク回避の観点などから、1日最高投与量が2,250mgの製剤では「中等度以上」、1日最高投与量が750mgの製剤では「軽度~重度」の腎機能障害の患者に対して禁忌となっていました。今回の改訂4)では、海外の最新の科学的知見に基づいて使用制限が見直され、禁忌がeGFR30mL/min/1.73m2未満の重度腎機能障害の患者に限定されることとなりました。軽度~中等度の腎機能障害患者は「慎重投与」となり、eGFR値に応じた1日最高投与量の目安が添付文書に記載されています。製剤ごとに内容が異なるため、それぞれの薬剤の添付文書をしっかり確認しましょう。参考1)独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 ベージニオ錠50mg/100mg/150mgによる重篤な間質性肺疾患について(安全性速報)2)独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 抗コリン作用を有する薬剤における禁忌「緑内障」等に係る添付文書の「使用上の注意」改訂について(薬生安発0618)3)独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 トリプタン系薬剤の「使用上の注意」の改訂について4)独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 使用上の注意改訂情報(令和元年6月18日指示分)

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