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ADHDと食事パターンとの関連~メタ解析

 注意欠如・多動症(ADHD)は、不注意、衝動性、多動の持続的な症状を特徴とする神経生物学的障害である。これまでも、小児期の食事と潜在的なADHDの病因との関連について調査されている。ブラジル・ペロタス連邦大学のBianca Del-Ponte氏らは、ADHDと食事パターンとの関連についてのエビデンスをシステマティックにレビューした。Journal of Affective Disorders誌2019年6月1日号の報告。 PubMed、LILACS、PsycINFOのデータベースより、独立した2人のレビューアーが文献検索を行った。対象は、小児および青年における食事パターンとADHDについて評価した研究とした。研究間の異質性は、推定値をプールしたランダム効果モデルを用いて評価した。ADHDリスクを不健康な食事パターンが増大させる可能性 ADHDと食事パターンとの関連についてのレビューの主な結果は以下のとおり。・14件の観察研究(コホート:4件、ケースコントロール:5件、横断研究:5件)が抽出された。・プール分析では、健康的な食事パターンがADHDに保護的であったのに対し(OR:0.65、95%CI:0.44~0.97)、不健康な食事パターンはADHDリスクとしてみなされた(OR:1.41、95%CI:1.15~1.74)。・デザイン(コホート、ケースコントロールまたは横断研究)、大陸(ヨーロッパまたはアジア、オセアニア)、サンプルサイズ(1,000例以上または1,000例未満)により研究を層別化した後でも、その効果は認められた。 著者らは「甘味料や飽和脂肪酸を多く含む食事は、ADHDリスクを増大させる可能性があり、果物や野菜を多く取るような健康的な食事は、ADHDに対し保護的に働く。しかし、利用可能な研究データは少なく、現時点でのエビデンスは強くないため、今後は縦断的なデザインを用いた研究を実施する必要がある」としている。

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宇宙医学研究の成果を高齢者医療に役立てる

 骨密度低下と聞けば高齢者をイメージするが、無重力空間に滞在する宇宙飛行士もそれが問題視されている。しかし、宇宙飛行士と高齢者の骨密度減少の原因と程度にはどのような違いがあるのだろうか? 2019年6月14日、大島 博氏(宇宙航空研究開発機構、整形外科医)が「非荷重環境における骨・筋肉の減少と対策」において、宇宙飛行士に対する骨量減少と筋萎縮の実態と対策について講演した(第19回日本抗加齢医学会総会 シンポジウム2)。高齢者と宇宙飛行士の骨量減少の違いは? 高齢者の骨粗鬆症と30~60歳の宇宙飛行士の骨量減少の原因は異なる。高齢者では加齢によるCa吸収の低下や女性ホルモン減少により骨吸収亢進と骨形成低下から、骨量は年間1~2%ずつ低下する。一方で、宇宙飛行や長期臥床では骨への荷重負荷が減少し、著しい骨吸収亢進と骨形成低下が生じる。そのため、骨粗鬆症とともに尿路結石のリスクも高まる。 宇宙飛行士の大腿骨頚部の骨量を1ヵ月単位でみると、骨密度(DXA法で測定)は1.5%、骨強度(QCT法で測定)は2.5%も減少していた。大島氏は「宇宙飛行士の骨量は骨粗鬆症患者の約10倍の速さで減少する。骨量減少は荷重骨(大腿骨転子部や骨盤など)で高く、非荷重骨(前腕骨など)では少ない」とし、「体力ある宇宙飛行士でも半年間の地球飛行を行うと、帰還後の回復に3~4年も要し、次の飛行前までに回復しないケースもある」と、報告した。宇宙飛行士×ビスフォスフォネート薬 宇宙飛行士の骨量減少を地上で模擬し医学的な対策法の妥当性を検証するため、JAXAは欧州宇宙機関などと共同で“90日間ベッドレスト研究”を実施。この地上での検証結果をもとに、宇宙飛行における骨量減少予防対策としてJAXAとNASA共同による“ビスフォスフォネート剤を用いた骨量減少予防研究”を行った。長期宇宙滞在の宇宙飛行士から被験者を募りアレンドロネートの週1回製剤(70mg)服用群と非服用群に割り付けた。それぞれ、食事療法(宇宙食として2,500kcal、Ca:1,000mg/日と、ビタミンD:800IU/日含む)と運動療法(筋トレと有酸素運動を2時間、週6日)は共通とした。その結果、ビスフォスフォネート剤を予防的に服用すれば、骨吸収亢進・骨量減少・尿中Ca排泄は抑制され、宇宙飛行の骨量減少と尿路結石のリスクは軽減できることが確認された1)。宇宙で1日分の筋萎縮変化は高齢者の半年分 加齢に伴い、60歳以降では2%/年の筋萎縮が生じる。宇宙飛行では、背筋や下腿三頭筋などの抗重力筋が萎縮しやすく、約10日間の短期飛行で下腿三頭筋は1%/日筋肉は萎縮した。同氏は「宇宙で1日分の筋萎縮変化は、臥床2日分、高齢者の半年分に相当する。宇宙飛行士には、専属のトレーナーから飛行前から運動プログラムが処方され、飛行中も週6回、1日2時間、有酸素トレーニングと筋力トレーニングからなる軌道上運動プログラムを実施し、筋萎縮や体力低下のリスクを軽減している。」という2)。宇宙医学は究極の予防医学を実践 「宇宙飛行は加齢変化の加速モデル。予防的対策をきちんと実践すれば、骨量減少や筋萎縮のリスクは軽減できる」とコメント。「骨・筋肉・体内リズムなどは、宇宙飛行士と高齢者に共通する医学的課題であり、宇宙医学は地上の医学を活用して宇宙飛行の医学リスクを軽減している。宇宙医学の成果は、中高年者の健康増進の啓発に活用できる」と地上の医学と宇宙医学の相互性を強調した。「宇宙医学は、ガガーリン時代にサバイバル技術として始まったが、現在は究極の予防医学を実践している。地上の一般市民に対しては、病気を俯瞰して理解し、予防対策の重要性の啓発に利用できる」と締めくくった。

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AT(N)測定、非認知症高齢者の記憶力の予後予測に有効/JAMA

 アミロイドPET、タウPET、MRI皮質厚による予測モデルは、より簡単に入手可能な臨床的/遺伝的情報とともに使用すると、認知症のない高齢者における記憶力低下の予測能が、臨床的/遺伝的情報だけの場合に比べて改善されることが、米国・メイヨー・クリニックのClifford R. Jack Jr氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌2019年6月18日号に掲載された。米国国立老化研究所とアルツハイマー病協会(NIA-AA)の作業部会は、アルツハイマー病の研究枠組みにおいて、参加者のバイオマーカーをアミロイド、タウ、神経変性(ニューロンの損傷)の状態に基づき、AT(N)プロファイルとして分類するよう提唱している。8つのAT(N)プロファイルを比較するコホート研究 研究グループは、AT(N)バイオマーカープロファイルと記憶力低下の関連を検討し、このバイオマーカーが、より簡単に入手可能な臨床的/遺伝的情報に、予後予測因子としての有用性の増大をもたらすかを評価するために、人口ベースのコホート研究を行った(米国国立衛生研究所[NIH]などの助成による)。 対象は、Mayo Clinic Study of Agingの参加者のうち、年齢60歳以上、認知症がみられず、臨床評価とともにアミロイドPET(A)、タウPET(T)、MRIによる皮質厚(N)の測定が行われた集団(480例)であった。参加者の登録期間は2015年4月~2017年11月で、2018年11月までフォローアップが行われた。 A、T、(N)は、異常の場合は+、正常の場合は-とし、8通りのAT(N)プロファイルに分類した(A-T-[N]-、A-T+[N]-、A-T-[N]+、A-T+[N]+、A+T-[N]-、A+T+[N]-、A+T-[N]+、A+T+[N]+)。 主要アウトカムは、15ヵ月間隔で測定した複合記憶スコアとした。予測変数と記憶スコアの関連を評価し、AT(N)バイオマーカープロファイルが、臨床的/遺伝的変数のみのモデルと比較して、記憶力のzスコアの変化の予測能を改善するかを検討した。A異常かつTと(N)の双方または一方が異常な3群で急速に低下 フォローアップ期間中央値は4.8年(IQR:3.8~5.1)であり、44%(211/480例)が女性であった。AT(N)バイオマーカープロファイル別の年齢中央値は、A-T-(N)-群の67歳(65~73)からA+T+(N)+群の83歳(76~87)までの幅が認められた。 ベースライン時に、全体の92%(441/480例)には認知機能の障害はみられなかったが、A+T+(N)+群で軽度認知機能障害(MCI)の割合が最も高く、30%に認められた。 決定係数R2は、臨床モデルの0.26から、AT(N)モデルでは0.31へと上昇し、AT(N)バイオマーカーにより記憶力低下の予測能が有意に改善した(p<0.001)。AT(N)バイオマーカーは、記憶力低下の割合(p<0.001)および指標となる時点での記憶力のzスコア(p=0.008)の双方と有意な関連を示した。 A+T+(N)+群、A+T+(N)-群、A+T-(N)+群では、他の5つの群と比較して記憶力の低下が急速であった(p=0.002)。この急速に記憶力が低下した3つの群の85歳のAPOEε4非保因者における記憶力zスコアの年間低下率は、A+T+(N)+群が-0.13(95%信頼区間[CI]:-0.17~-0.09)、A+T+(N)-群が-0.10(-0.16~-0.05)、A+T-(N)+群が-0.10(-0.13~-0.06)であったのに対し、他の5群は-0.02~-0.06と小さかった。 著者は、「これらの差の臨床的意義については不明である」としている。

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非扁平上皮NSCLCへの維持療法、Bev対Pem対Bev+Pem(ECOG-ACRIN 5508)/ASCO2019

 進行非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)患者における維持療法として、ベバシズマブ、ペメトレキセド、およびその併用の3群を比較した第III相ECOG-ACRIN 5508試験の結果を、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)で、米国・Winship Cancer Institute of Emory UniversityのSuresh Ramalingam氏が発表した。・対象:全身療法歴のない、ECOG PS 0~1の進行非扁平上皮NSCLC患者(カルボプラチン・パクリタキセル・ベバシズマブ併用3週ごと4サイクルの導入療法実施後、CR/PR/ SDとなった患者が、維持療法として、ベバシズマブ群とペメトレキセド群、ベバシズマブ・ペメトレキセド併用群に1:1:1の割合で無作為に割り付けられた)・試験群:ペメトレキセド3週ごとPDまで(Pem群)ベバシズマブ+ペメトレキセド3週ごとPDまで(Bev+Pem群)・対照群:ベバシズマブ3週ごとPDまで(Bev群)・評価項目:[主要評価項目]無作為化後の全生存期間(OS)[副次評価項目]無作為化後の無増悪生存期間(PFS)、RECIST1.1による奏効率(RR)、安全性 主な結果は以下のとおり。・導入療法後、874例が3群に無作為化された(Bev群287例、Pem群294例、Bev+Pem群293例)。年齢中央値:64歳、男性:49%、ECOG PS1:55%。ベースライン特性は、3群でバランスがとれていた。・治療サイクル数の中央値はBev群およびPem群で6サイクル、Bev+Pem群8サイクルであった。無作為化後の追跡期間中央値は50.6ヵ月。・無作為化後のOS中央値はBev群14.4ヵ月に対し、Pem群15.9ヵ月(ハザード比[HR]:0.86、95%信頼区間[CI]:0.70~1.07、p=0.12)、Bev+Pem群16.4ヵ月(HR:0.90、95%CI:0.73~1.12、p=0.28)。・無作為化後のPFS中央値はBev群4.2ヵ月に対し、Pem群5.1ヵ月(HR:0.85、95%CI:0.69~1.03、p=0.06)、Bev+Pem群7.5ヵ月(HR:0.67、95%CI:0.55~0.82、p<0.001)。・維持療法のRRはBev群13%、Pem群19%、Bev+Pem群21%であった。・維持療法におけるGrade3以上の有害事象は、Bev群29%、Pem群37%、Bev+Pem群50%と併用群で多い傾向がみられた。Pem群およびBev+Pem群で多くみられたのはリンパ球減少症(1%、5%、8%)、好中球減少症(1%、7%、11%)、血小板減少症(0%、3%、4%)など。Bev群で多くみられたのはタンパク尿(4%、1%、3%)、高血圧(16%、5%、19%)であった。 これらの結果を受けてRamalingam氏は、併用群では、Bev群と比較してPFS中央値を延長したものの、OS中央値は有意な差が認められなかったと結論付けている。

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脳卒中治療の進歩により死亡率はどこまで減少したか?(解説:有馬久富氏)-1067

 イングランド全域における脳卒中による死亡率の推移がBMJに掲載された1)。その結果によると、2001~10年までの10年間に脳卒中による年齢調整死亡率は半減した。その多く(7割程度)は致死率の低下によりもたらされており、神経画像診断の進歩・脳梗塞に対する血栓溶解療法の適応拡大・血管内治療の出現など脳卒中治療の改善が大きく寄与したものと考えられる。 一方、脳卒中発症率の推移をみると、10年間に約2割程度しか減少していない。さらに悪いことに、55歳未満では脳卒中発症率が増加していた。INTERSTROKE研究2)で示唆されたように脳卒中発症の9割が予防できるにもかかわらず、十分に予防できていないのは非常に残念である。 日本のデータをみると、2001~10年までの10年間における脳卒中の年齢調整死亡率の減少は、イングランドよりも緩やかである。日本においてもこの10年間に血栓溶解療法の承認・血管内治療の出現など脳卒中治療の劇的な改善がみられたことを考えると、わが国における脳卒中発症も十分に予防できていないのではないかと推測される。わが国の脳卒中発症を最大限に予防するため、高血圧など管理可能な危険因子のコントロールに最大限の努力を注ぐべきであると考える。

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第44回 川添流!すぐできる上手なスピーチのコツ【週刊・川添ラヂオ】

動画解説勉強会や学会での研究発表など、人前でのスピーチは得意ですか?全国各地で講演を行う川添先生にはその20年のキャリアでつかんだ「上手なスピーチができる8つの方法」があるそうです。今回はスピーチのコツ第1弾として、声の出し方や目線など、意識すればすぐにできる基本的な3つを紹介します。川添先生が中森明菜や哀川翔になりきる!?

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加熱式タバコには、ニコチンは含まれない?【新型タバコの基礎知識】第3回

第3回 加熱式タバコには、ニコチンは含まれない?Key Points加熱式タバコには、紙巻タバコとほとんど変わらないレベルのニコチンが含まれている。紙巻タバコと同じように、加熱式タバコによってニコチン依存症が維持される。加熱式タバコは、従来からの紙巻タバコのようにタバコの葉に直接火をつけるのではなく、タバコの葉を加熱してニコチン等を含んだエアロゾルを発生させる方式のタバコです。ニコチンはタバコをやめられなくする依存性物質で、タバコを吸うとおよそ5分で血液中のニコチン濃度が最大になりますが、吸っていないとすぐに濃度は低下していきます(ニコチンの体内半減期は1~2 時間)。喫煙者はニコチン依存症となり、ニコチン濃度を維持するために断続的にタバコを吸うようになります。ニコチンは血管収縮などを介して循環器系疾患のリスクを高めるとともに、脳の発達に害を及ぼすことも知られています。加熱式タバコに含まれるニコチンの量は製品による違いがあり、紙巻タバコのニコチン量を100%とすると、プルーム・テックでは13%、グローでは23~27%、アイコスでは57~84%と報告されています(表)。製品による程度の違いはあるものの、すべての加熱式タバコにニコチンが含まれています。画像を拡大する加熱式タバコ(アイコス)を吸った場合に、体内のニコチン濃度がどうなるのか、図のとおり、フィリップモリス社による研究の結果が報告されています。縦軸がニコチンの血中濃度であり、横軸はタバコを吸ってからの時間が分を単位として示されています。グラフの形を見てください。加熱式タバコ(アイコス)と紙巻タバコで、ほとんど同じ形をしています。要するに、加熱式タバコ(アイコス)でも紙巻タバコと同じようにニコチンが体に吸収されるということです。これは、紙巻タバコと同じように、加熱式タバコ(アイコス)によってニコチン依存症が維持されるということを意味しています。画像を拡大するこのニコチン依存症がいかに恐ろしい病態なのかについては、拙著「新型タバコの本当のリスク」の第5章第4節で詳細に説明しておりますので、興味のある方はぜひご覧ください。 第4回は、「新型タバコも禁煙外来でやめられる?」です。1)Simonavicius E et al. Tob Control. 2018 Sep 4. [Epub ahead of print]2)Uchiyama S et al. Chem Res Toxicol. 2018;31:585-593.3)Bekki K et al. J UOEH. 2017;39:201-207.4)Picavet P et al. Nicotine Tob Res. 2016;18:557-563.

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会員医師の約60%が現在の年収に満足

 ケアネットでは、5月30日(木)~6月3日(月)に会員医師1,000人(各年代200人ずつ)を対象に、インターネットによる「年収に関するアンケート」を行った。その中で、ご自身の年収額が妥当と思うかと尋ねたところ、25%が「そう思う」、34%が「ややそう思う」と回答し、約6割の医師が、現在の年収におおむね満足していることがわかった。 年収額の妥当性について年収帯別にみると、600万円未満のうち50%が、600~800万円のうち33%が、800~1,000万円の51%が「そう思う」または「ややそう思う」と回答していた。同様に、1,000~1,200万円の年収帯でも50%、800~1,000万円で51%と大きく変わることがなく、1,600~1,800万円でようやく60%を超えるなど、満足感の差はフラット化している傾向だった。 年収額の妥当性について年代別では、どの年代でも半数以上が「そう思う」「ややそう思う」のいずれかを回答しており、年代が上がるごとに上昇していた(35歳以下:51%、36~45歳:54%、46~55歳:54%、56~65歳:63%、66歳以上:76%)。 上記のほか、男女別、病床数別、勤務先別、診療科別の集計についても、以下のページで発表している。■参考医師の年収に関するアンケート2019【第3回】年収額の妥当性会員医師の最多年収帯は1,600~1,800万円

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中間~高リスク前立腺がんの放射線治療、超寡分割照射は有効か/Lancet

 中間~高リスクの前立腺がんの治療において、超寡分割放射線治療は通常分割放射線治療に対し、治療奏効維持生存(failure-free survival:FFS)率に関して非劣性であり、早期の副作用の頻度は高いものの晩期の副作用の割合は同等であることが、スウェーデン・ウメオ大学のAnders Widmark氏らが行ったHYPO-RT-PC試験で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2019年6月18日号に掲載された。中程度寡分割照射は、従来の通常分割照射に比べ臨床アウトカムが良好であることが示されているが、超寡分割照射に関する無作為化試験の報告はなかったという。北欧の12施設が参加した超寡分割照射の無作為化非劣性試験 HYPO-RT-PC試験は、超寡分割照射の通常分割照射に対する非劣性を検証する第III相非盲検無作為化試験であり、2005年7月~2015年11月の期間にスウェーデンとデンマークの12施設で患者登録が行われた(Nordic Cancer Unionなどの助成による)。 対象は、年齢75歳までの男性で、中間~高リスクの前立腺がんを有し、全身状態(WHO PS)が0~2の患者であった。被験者は、超寡分割照射(総線量42.7Gy、7分割、3日/週、2.5週)または通常分割照射(78.0Gy、39分割、5日/週、8週)を施行する群に無作為に割り付けられた。アンドロゲン遮断療法は許容されなかった。 主要評価項目は、per-protocol集団におけるFFS(無作為化から生化学的または臨床的な治療不成功までの期間)とした。事前に規定された非劣性マージンは5年時に4%とし、ハザード比(HR)の限界値は1.338であった。担当医による毒性の評価は、米国腫瘍放射線治療グループ(Radiation Therapy Oncology Group:RTOG)の合併症スケールに準拠し、患者報告アウトカムの評価には、前立腺がん症状スケール(PCSS)質問票を用いた。超寡分割照射群は急性期合併症が多いが、1年時を除きほかは同等 1,200例が登録され、超寡分割照射群に598例、通常分割照射群には602例が割り付けられた。このうち1,180例がper-protocol集団で、超寡分割照射群が589例(年齢中央値68歳[IQR:64~72]、PSA中央値8.7ng/mL[6.0~12.2])、通常分割照射群は591例(69歳[65~72]、8.6ng/mL[5.7~12.0])であった。全体の89%が中間リスク例であり、高リスク例は11%と少なかった。フォローアップ期間中央値は5.0年(IQR:3.1~7.0)だった。 5年時のFFS率は、両群とも84%(95%信頼区間[CI]:80~87)で、補正後HRは1.002(0.758~1.325、log-rank検定のp=0.99)であり、超寡分割照射群は通常分割照射群に対し非劣性であった。 5年全生存率は、超寡分割照射群が94%、通常分割照射群は96%と、両群間に有意な差は認めなかった(HR:1.11、95%CI:0.73~1.69)。前立腺がんによる死亡率は、それぞれ2%、<1%であった(Gray検定のp=0.46)。 放射線治療終了時の担当医報告によるRTOG Grade2以上の尿路の急性期毒性の割合は、超寡分割照射群のほうが高い傾向が認められた(28%[158/569例]vs.23%[132/578例]、p=0.057)。 放射線治療終了後10年間のGrade2以上の尿路または腸管の晩期毒性は、1年時の尿路毒性の割合が超寡分割照射群で高かったこと(6%[32/528例]vs.2%[13/529例]、p=0.0037)を除き、両群間に差はなかった。 放射線治療終了後5年時のRTOG Grade2以上の尿路毒性(超寡分割照射群5%[11/243例]vs.通常分割照射群5%[12/249例]、p=1.00)および腸管毒性(1%[3/244例]vs.4%[9/249例]、p=0.14)に差はみられなかった。 患者報告アウトカムは、放射線治療終了時の急性期では、尿路(p=0.0066)および腸管(排便)(p<0.0001)とも超寡分割照射群で有意に不良であったが、晩期症状は、1年時の尿路毒性が超寡分割照射群で高かったこと(p=0.0036、担当医判定と一致)を除き、有意な差はなかった。 全体の勃起機能の保持は、治療開始時の約70%から5年時には約35%に低下したが、両群の比較では、担当医判定および患者報告のいずれにおいても、治療終了時から終了後10年間で差は認めなかった。 著者は、「この結果は、前立腺がんにおける超寡分割照射の使用を支持する。高リスク例が少なかったことから、この集団での超寡分割照射の検討を新たに行う必要がある」としている。

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日本における認知障害から認知症までの診断経路

 米国・メルクアンドカンパニーのChristopher M. Black氏らは、日本における認知障害から認知症までの診断経路を定量化するため、検討を行った。Alzheimer Disease and Associated Disorders誌オンライン版2019年5月22日号の報告。 認知障害患者とその担当医を対象とした、実臨床の横断的調査を実施した。 主な結果は以下のとおり。・医師106人より1,107例の患者データが提供された。・最初の症状発現から診察に訪れるまでの平均期間は、7.4±6.9ヵ月であり、診察時に中等度または重度の認知障害が認められた患者の割合は、42%であった。・最初の診察から正式に診断されるまでの平均期間は、2.9±11.0ヵ月(別の医師へ紹介しなかった場合:1.9±8.8ヵ月、紹介した場合:5.1±14.6ヵ月)であった。・最初の診察から診断までの時間は、最初の診察時で、より重度の認知障害が認められた患者において、より短縮された(p=0.0072)。・神経内科医によって診断された割合が最も高かった(45.8%)。・患者の81.2%は、テストや尺度を用いた診断が行われていた。・疾患の重症度と別の医師への紹介との関連は認められなかった。患者の30.9%が紹介を受け、その多く(57.7%)は神経内科医であった。 著者らは「日本の認知症患者の多くは、認知障害が発現してからしばらくの間、医師に相談していなかった。認知症に対する国民の理解や認識を高めるための政府の政策および認知症スクリーニングシステムは、疾患が進行する前に医師へ相談する患者を増やすよう努めるべきである」としている。

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狭心症の冠動脈血行再建の適応判定、MRIはFFRに非劣性/NEJM

 冠動脈疾患のリスク因子を有する安定狭心症患者における冠動脈血行再建の適応の判定法として、心筋灌流心血管磁気共鳴画像(MRI)は冠血流予備量比(FFR)と比較して血行再建の施行率が低く、1年後の主要有害心イベント(MACE)に関して心血管MRIはFFRに対し非劣性であることが、ドイツ・フランクフルト大学病院のEike Nagel氏らが実施した「MR-INFORM試験」で示された。研究の詳細は、NEJM誌オンライン版2019年6月20日号に掲載された。安定狭心症患者では、血行再建の適応の判定にこれら2つの戦略が用いられることが多いが、MACEとの関連におけるこれらの非劣性は確立されていないという。4ヵ国16施設が参加した非劣性試験で心血管MRI群とFFR群に割り付け MR-INFORM試験は、英国、ポルトガル、ドイツ、オーストラリアの16施設が参加した非盲検多施設共同相対的有効性非劣性試験であり、2010年12月~2015年8月の期間に患者登録が行われた(英国国立衛生研究所Guy's and St. Thomas生物医学研究センターなどの助成による)。 対象は、定型的狭心症を有し、心血管リスク因子を2つ以上有するか、またはトレッドミル運動負荷試験が陽性の患者であった。被験者は、心血管MRIに基づく戦略またはFFRに基づく戦略(侵襲的冠動脈造影とFFR測定)を行う群に無作為に割り付けられた。 血行再建は、心血管MRI群では心筋の6%以上が虚血の場合、FFR群ではFFRが0.8以下の場合に推奨された。 主要複合アウトカムは、1年以内のMACE(死亡、非致死的心筋梗塞、標的血管の血行再建)であった。非劣性マージンは、リスク差6ポイントとした。血行再建を受けた患者の割合:心血管MRI群35.7% vs. FFR群45.0% 918例が登録され、心血管MRI群に454例(平均年齢62±10歳、男性72.5%)、FFR群には464例(62±9歳、72.2%)が割り付けられた。 血行再建を推奨する基準を満たしたのは、心血管MRI群が40.5%(184/454例)、FFR群は45.9%(213/464例)であった(p=0.11)。指標となる血行再建を受けた患者の割合は、心血管MRI群がFFR群よりも低かった(35.7%[162例]vs.45.0%[209例]、p=0.005)。 主要複合アウトカムの発生率は、心血管MRI群が3.6%(15/421例)、FFR群は3.7%(16/430例)であり(リスク差:-0.2ポイント、95%信頼区間[CI]:-2.7~2.4)、非劣性の閾値を満たした。無MACE生存(HR:0.96、95%CI:0.47~1.94、p=0.91)は両群間に差はなかった。 全死因死亡(HR:2.05、95%CI:0.38~11.21)、心臓死(1.03、0.15~7.29)、非致死的心筋梗塞(0.84、0.35~2.02)、標的血管の血行再建(0.34、0.09~1.26)には、心血管MRI群とFFR群の間に有意な差はみられなかった。 また、12ヵ月時に、狭心症の発作を認めなかった患者の割合にも、両群間で有意な差はなかった(心血管MRI群49.2% vs.FFR群43.8%、p=0.21)。 重篤な有害事象の発現は、心血管MRI群とFFR群でほぼ同等だった。 著者は、「検査前に予測された冠動脈疾患の確率は75%であるが、侵襲的冠動脈造影の施行率はFFR群が96.8%であったのに対し、心血管MRI群は48.2%だった」とし、「冠動脈疾患疑い例のマネジメントに関する現行のNICEガイドラインでは、診断戦略と治療戦略を合わせた方法のエビデンスがないため、これらは別個に扱われているが、本試験の知見はこの知識の乖離を埋めるものである」と指摘している。

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局所進行非小細胞肺がん、予防的全脳照射のメリットは?/JAMA Oncol

 非小細胞肺がん(NSCLC)患者への予防的全脳照射(PCI)は有益か無益か。カナダ・プリンセスマーガレットがんセンターのAlexander Sun氏らは、RTOG 0214試験の最新の長期追跡結果より、治療後の病勢進行を認めないStageIIIの局所進行NSCLC(LA-NSCLC)患者において、PCIは5年および10年脳転移率を低下し、5年および10年無病生存期間(DFS)を改善したが、全生存期間(OS)は改善しなかったことを報告した。ただし、結果を踏まえて著者は、「主要評価項目を達成できなかったが、今回の長期結果は将来の研究に役立つ多くの重要な知見をもたらした。PCIが適切な患者集団と安全な介入を特定することが重要である」とまとめている。LA-NSCLCは脳転移率が高く、PCIは脳転移率を低下することは示されているが、OSを改善するかは不明であった。JAMA Oncology誌オンライン版2019年3月14日号掲載の報告。 RTOG 0214試験は、米国、カナダ等の291施設で実施された国際共同無作為化第III相臨床試験。 StageIIIのLA-NSCLC患者340例を、Stage(IIIA vs.IIIB)、組織型(非扁平上皮がん vs.扁平上皮がん)および手術の有無(手術なし vs.手術あり)で層別化してPCI群と経過観察群に無作為に割り付けた。 主要評価項目はOS、副次評価項目はDFSおよび脳転移率であった。 主な結果は以下のとおり。・340例の患者背景は平均年齢61歳、男性213例、女性127例、追跡期間中央値は全例で2.1年、生存例で9.2年であった。・PCI群のOSは、経過観察群と比較して有意な改善は認められなかった(5年生存率:24.7% vs.26.0%、10年生存率:17.6% vs.13.3%、HR:0.82、95%CI:0.63~1.06、p=0.12)。・DFSは、PCI群が経過観察群より有意に良好であった(5年DFS:19.0% vs.16.1%、10年DFS:12.6% vs.7.5%、HR:0.76、95%CI:0.59~0.97、p=0.03)。・脳転移率はPCI群が経過観察群より有意に低く、PCIは脳転移リスクを57%減少させた(16.7% vs.28.3%、HR:0.43、95%CI:0.24~0.77、p=0.003)。・若年者(<60歳)および非扁平上皮がん患者で、脳転移率が高かった。・多変量解析の結果、PCIは脳転移およびDFSの改善と関連していたが、OSの改善は示されなかった。

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メタゲノム解析による中枢神経感染症の原因診断(解説:吉田敦氏)-1068

 髄膜炎・脳炎といった中枢神経感染症では、速やかな原因微生物の決定と、適切な治療の開始が予後に大きな影響を及ぼす。ただし現実として、原因微生物が決定できない例のみならず、感染症と判断することに迷う例にも遭遇する。抗菌薬の前投与があれば、脳脊髄液(CSF)の培養は高率に偽陰性となるし、CSFから核酸ないし抗原検査で決定できる微生物の種類も限られている。このような例について、病原微生物の種類によらず遺伝子を検出できる次世代シークエンサー(NGS)によるメタゲノム解析を用いれば、原因微生物を決定でき、マネジメントも向上するのではないか―という疑問と期待はかねてから存在していた。 今回の検討では、1年余りの間に集積された中枢神経感染症疑い204例(うち23%が18歳以下、41%が免疫不全者、64%が脳炎、49%がICU入室)についてCSFのメタゲノム解析が行われ、その結果と、従来法(微生物検出と血清抗体)を合わせた臨床的最終診断に照らし合わせて、メタゲノム解析の有用性が評価された。結果として、微生物決定を伴った感染症と明らかにできたのは28%であり、8%は自己免疫疾患、3%は腫瘍性で、不明は50%に上った。微生物が決定された57例の中では、メタゲノム解析によって初めて原因微生物が決定できたのは13例(うち7例は結果を受けて治療を適正化できた)であり、メタゲノム解析で陽性にならなかった26例中、11例は血清抗体のみで診断、8例(*)はCSF中の微生物遺伝子量が少なかったため、メタゲノム解析で陰性と判断されていた。 本検討では、いわゆるgold standardが存在しない中で、従来法とNGSによるメタゲノム解析の結果を合わせ、その結果について臨床側と詳しく議論したうえで、メタゲノム解析の有用性を評価するという手法を採用している。この点が1つの限界になっているが、さらに著者らも述べているように、CSF採取のタイミングが遅い例も少なからず含まれている点も、微生物同定例を少なくさせた可能性はあるであろう。一方、NGSを使用した場合の感度であるが、微生物特異的な遺伝子の検出を上回るほど高くはないというのが一般的な印象である。そして本検討のように検出されたデータの中から、(バックグラウンドノイズとなる)ヒトゲノム分を差し引かねばならない(つまり白血球数の増加が大きくなるとバックグラウンドも大きくなる)となると、少量検出された微生物データを有意と取るべきかという問題が生じる。この閾値の設定と解釈が問題となり、上記の8例(*印)はこれに影響を受けたと思われる。したがってNGSのデータは、陽性、陰性では判定できず、臨床的妥当性に照合して判断することになってくる。 しかし一方で、微生物遺伝子が何も検出できなかったために、非感染性疾患の可能性が高くなり、感染性/非感染性の鑑別に役立ったという例も存在した。またこれまで病的意義が明らかでなかった微生物が検出されれば、その意義を議論する機会も増え、新規の神経感染症の病原微生物の提唱につながる可能性もある。メタゲノム解析は今後も続行されるべきであろうし、その結果と臨床的背景を詳細に照合し、意義をさらに深く追究する努力も怠ってはいけないと考える。

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オンコマインは4つのドライバー遺伝子を同時測定するコンパニオン診断システム

 肺がん治療においては、現在、4つのドライバー遺伝子(EGFR、ALK、ROS1、BRAF)に対して分子標的薬が承認されている。6月1日、これら4つのドライバー遺伝子を少量の検体で同時に測定できるコンパニオン診断システム「オンコマイン Dx Target Test マルチCDxシステム」(以下オンコマイン)が保険収載された。6月10日に開催されたメディアセミナー(サーモフィッシャーサイエンティフィック/ノバルティス ファーマ共催)で、後藤 功一氏(国立がん研究センター東病院呼吸器内科長/サポーティブケアセンター長)が有効な治療薬を患者さんに届けることの重要性を強調した。ゲノム医療=遺伝子解析ではない! オンコマインの保険収載と同じ日に、がん遺伝子パネル検査であるFoundationOne CDxがんゲノムプロファイル(中外製薬)およびOncoGuide NCCオンコパネルシステム(シスメックス)も保険収載された。後藤氏は、一部のマスメディアがこれらの保険収載を報道する際に、遺伝子解析をすることがゲノム医療であるように報道していることについて、「ゲノム医療(「個別化医療」「Precision Medicine」とほぼ同義)とは、遺伝子解析に基づいて有効な治療薬を患者に届けることであり、遺伝子解析=ゲノム医療ではない。遺伝子検査ができても有効な治療薬が届かなければ、ゲノム医療とは言えない」と指摘した。オンコマインはコンパニオン検査、プロファイリング検査との違いは? 次に、遺伝子検査を理解するうえで知っておくべき重要なキーワードとして、後藤氏はコンパニオン検査とプロファイリング検査の2つを説明した。 コンパニオン検査は、治療薬と1対1対応になっており、陽性になれば承認された有効な治療薬が投与可能になる検査である。一方、プロファイリング検査とは、標準治療の完了後にさらなる治療の可能性を求めて行う検査で、治療は主に未承認薬である(臨床試験)。オンコマインは前者であり、がん遺伝子パネル検査であるFoundationOne CDxがんゲノムプロファイルおよびOncoGuide NCCオンコパネルシステムは後者である。後藤氏は「後者がゲノム医療の主体であるかのような報道があるがそうではなく、主体はコンパニオン検査であることを認識してほしい」と訴えた。 なお、オンコマインはがん遺伝子パネル検査とは異なり、がん診療を実施しているすべての医療施設で使用できる。 検査費用は、オンコマインは11万7,000円、がん遺伝子パネル検査はいずれも56万円(検査実施料8000点、検査判断・説明料4万8000点)である。後藤氏は、がん遺伝子パネル検査で遺伝子変異が判明しても、臨床試験に登録されていて治療が可能になるのは約5%しかないことを指摘し、「5%しか治療に結び付かない検査を国民皆保険制度の中で保険収載して、税金で賄っていくことについて、もっと検討すべきではないか」と見解を述べた。オンコマインは46種類の遺伝子検査が可能だが、4つのドライバー遺伝子のコンパニオン検査として承認 オンコマインは次世代シーケンスを用いた遺伝子パネル検査で、46種類の遺伝子検査が可能である。そのうち4つのドライバー遺伝子(EGFR、ALK、ROS1、BRAF)の薬剤適応判定補助の目的で承認された。原則、この4種類の遺伝子の測定結果のみがレポートされ、残りの42種類については、医師から申し出があった場合に限り、例外的に参考情報として返却されるという。 現在、進行肺がんの治療開始前には、これらの4つのドライバー遺伝子を診断することが必須となっている。従来は別々に検査しなければならなかったが、オンコマインにより1回でまとめて検査できるようになり、短期間で検査できる。また、個々に遺伝子検査をすると最大33枚の標本スライドが必要であるが、オンコマインでは2~9枚で解析できる。後藤氏らの施設では、標本スライドをわずか2枚用いるだけでも約50%が解析可能であったという。 講演中、後藤氏はたびたび、患者さんに有効な治療薬を届けることの重要性を強調した。現在、治療薬が承認されている遺伝子変化を、少ない検体量と短い期間で、どの医療施設でも検査できるオンコマインによって、より早く、有効な治療薬が届くことが期待される。

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骨粗鬆症治療薬が筋力を左右する?

 骨粗鬆症治療を受けている患者は骨折リスクだけではなく、筋力の低下も問題である。そんな患者を抱える医師へ期待できる治療法の研究結果を紹介すべく、2019年6月14日、第19回日本抗加齢医学会総会にて宮腰 尚久氏(秋田大学大学院整形外科学講座 准教授)が「骨粗鬆症治療薬による筋力とバランスの変化」について講演した。骨粗鬆症治療薬が筋にも影響? 近年、骨粗鬆症治療薬である活性型ビタミンD3薬において、筋やバランスに対する効果が報告されている。骨粗鬆症治療には、骨折の予防だけではなく、転倒リスクの軽減も求められる。そのため、転倒予防として筋力の低下やバランス障害の改善も視野に入れなければならない。既存の骨粗鬆症治療薬においては、間接的作用として、骨折抑制による廃用予防や鎮痛作用による身体活動の維持が検証されてきた。宮腰氏は、「直接作用である筋・バランスに対する何らかの効果を検証する必要がある」とし、それらの臨床試験が実施された薬物(活性型ビタミンD3、アレンドロネート、ラロキシフェン)を提示した。 ラロキシフェンの場合、閉経後女性に対する投与後の体組成と筋力の変化をみた研究によると、Fat-free massと水分量でプラセボ群と有意な差がみられたが、膝の伸展筋力や握力には有意差がみられなかった。一方で、アレンドロネートを投与すると握力が増える、あるいはサルコペニアのバイオマーカーであるIL-6の減少が報告されているが、この効果を発揮させるためにビタミンDを併用する場合がある。同氏が今回引用した研究1)でも、アレンドロネートにカルシトリオールが併用されており、「筋力とIL-6の変化はビタミンDによる影響が大きい」とコメント。また、海外文献のメタアナリシスより天然型ビタミンD、活性型ビタミンD3で有意な転倒抑制効果があると報告した。日本人の骨粗鬆症患者にもビタミンD併用は有用か? このような海外データを踏まえ、同氏らは活性型ビタミンD3による影響を国内でも検証するために、『多施設共同研究による活性型ビタミンD3薬の転倒関連運動機能に対する効果の検討』を実施。75歳以上の閉経後骨粗鬆症患者のうち、易転倒性を有すると考えられる利き手の握力が18kg未満の患者を対象とし、転倒回数と転倒関連運動機能について6ヵ月間の活性型ビタミンD3製剤(カルシトリオール、アルファカルシドールのみ)投与の介入前後で比較した試験2)を行った。その結果、観察期間から最終評価時において握力と5m歩行速度、Timed up&goテストにおいて有意な改善が得られた。エルデカルシトールではどうか ビタミンDの筋に対する基礎研究から、ビタミンD受容体に作用して筋の同化に関わるジェノミック作用、カルシウム代謝などのさまざまな経路を介するラピッドエフェクト(ノンジェノミック作用)があり、それらをもって筋肉に作用することが明らかになっている。 しかし、エルデカルシトール(ELD)を用いた研究が世界的になされていないことから、同氏らはELDが筋力や動的バランスに有効性を発揮するか否かについて、ラットによる動物実験ののち、臨床試験にて検証。閉経後女性をアレンドロネート35mg/週単独群14例とELD0.75μg/日併用群17例に割り付け、握力、背筋力、腸腰筋力、動的座位バランスなどを測定した。その結果、動的バランス能力、外乱負荷応答の各指標であるTUGテスト、動的座位バランスが改善した。このことから同氏は「ELDは動的バランス能力の改善に寄与している可能性がある」と示唆した。 同氏はビタミンDと運動を併せた動物実験なども行ったうえで、骨粗鬆症治療薬における「ビタミンDの筋に対する効果を期待するためには“運動療法との併用”が実践的かもしれない」と締めくくった。

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終末期患者における口腔ケアの必要性

 「最期まで口から食べたい」の思いに応えようと、終末期の口腔ケアは最近のトピックの1つになっている。イタリア・Antea Palliative Care UnitのCaterina Magnani氏らは、ホスピスの入院患者を対象に口腔ケアの影響を調査し、患者は口腔内の変化が多く、その機能が部分的に障害され生活の質が低下していること、そして標準的な口腔ケアは手短に実施可能で、口腔の状態、症状および患者の快適さが改善したことを明らかにした。検討が行われた背景には、「緩和ケアでは口腔の問題がしばしばみられ、口腔顔面痛、味覚障害および口内乾燥など日常生活に支障を来す症状が引き起こされており、口腔ケアが不可欠だが、さまざまな複雑な患者のニーズを管理しなければならないときは優先事項と見なされないことが少なくない」との問題意識があったという。American Journal of Hospice and Palliative Medicine誌オンライン版2019年2月12日号掲載の報告。終末期患者への標準的な口腔ケアで味覚障害および口内乾燥が有意に減少  研究グループは、終末期患者における口腔の状態を明らかにし、症状の管理に対する標準的な口腔ケアの影響と患者が感じている快適さを評価する目的で、前向きコホート研究を行った。 対象はホスピスの入院患者で、研究への参加に同意した患者に看護師が標準的な口腔ケアを行い、登録時およびケア実施3日後に口腔の状態、症状および快適さについて評価した。 終末期患者における口腔ケアの影響を評価した主な結果は以下のとおり。・解析対象は適格患者75例であった。・口腔アセスメントガイドスコアは標準的な口腔ケア後に有意に低下した(p<0.0001)。・看護師が口腔ケアに費やした時間は平均5.3分であった。・味覚障害および口内乾燥も標準的な口腔ケア後に有意に減少した(それぞれp=0.02およびp=0.03)。・口腔ケアを受けた後は、快適と感じた患者が多かった(86.6%)。

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軽症脳卒中/TIA患者への血小板反応性が低い薬物療法は?/BMJ

 チカグレロル+アスピリン併用療法を受けた軽症脳卒中または一過性脳虚血発作(TIA)患者、とくにCYP2C19機能喪失型変異保有者では、クロピドグレル+アスピリン併用療法を受けた患者と比較して、高い血小板反応性を示す患者の割合が低いことが示された。中国・首都医科大学のYilong Wang氏らが、軽症脳卒中/TIA患者を対象にチカグレロル+アスピリンのクロピドグレル+アスピリンに対する優越性を検証する第II相非盲検(評価者盲検)無作為化比較試験「Platelet Reactivity in Acute Stroke or Transient Ischaemic Attack trial:PRINCE試験」の結果を報告した。急性冠症候群においては、チカグレロル+アスピリン併用はクロピドグレル+アスピリン併用と比較し、CYP2C19の変異の有無にかかわらず有効であることが示されているが、軽症脳卒中/TIA患者では検証されていなかった。BMJ誌2019年6月6日号掲載の報告。675例を対象に、アスピリンへのチカグレロル併用vs.クロピドグレル併用を比較 PRINCE試験は、2015年8月~2017年3月の期間に、中国の26施設で実施された。対象は、軽症の急性脳卒中またはTIA患者675例で、発症24時間以内にチカグレロル(負荷投与量180mg、維持量90mg 1日2回)、またはクロピドグレル(負荷投与量300mg、維持量75mg/日)のいずれかと、アスピリン(100mg/日を最初の21日間)を併用する群(それぞれチカグレロル併用群、クロピドグレル併用群)に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要評価項目は、90日時点で高い血小板反応性を示す患者の割合であった。血小板反応性の高さは、VerifyNow P2Y12 reaction units(PRU)>208と定義した。 副次評価項目は、クロピドグレルの代謝に影響を及ぼす遺伝子変異を有する患者における、90日時点の高い血小板反応性と、90日・6ヵ月・1年時点でのあらゆる脳卒中(虚血性/出血性)の再発などであった。チカグレロル併用群で高い血小板反応性の患者が少なく、脳卒中再発率も低下 90日時点で高い血小板反応性を示したのは、チカグレロル併用群280例中35例(12.5%)、クロピドグレル併用群290例中86例(29.7%)であった(リスク比[RR]:0.40、95%信頼区間[CI]:0.28~0.56、p<0.001)。CYP2C19機能喪失型変異保有者では、10.8% vs.35.4%であった(RR:0.31、95%CI:0.18~0.49、p<0.001)。 脳卒中の発現率は、チカグレロル併用群6.3%(21/336例)、クロピドグレル併用群8.8%(30/339例)であった(ハザード比[HR]:0.70、95%CI:0.40~1.22、p=0.20)。大動脈アテローム性硬化症患者では、チカグレロル併用群はクロピドグレル併用群と比較して、90日時点の脳卒中再発が減少した(6.0% vs.13.1%、HR:0.45、95%CI:0.20~0.98、p=0.04)。 大出血または小出血の発生頻度に、チカグレロル併用群とクロピドグレル併用群とで有意差はなかった(4.8% vs.3.5%、p=0.42)。

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薬剤コーティングバルーンが高出血リスク患者へのPCIに有効/Lancet

 出血リスクが高い患者に対する経皮的冠動脈インターベンション(PCI)において、薬剤コーティングバルーンはベアメタルステントに比べ優れていることが示された。フィンランド・North Karelia Central HospitalのTuomas T. Rissanen氏らが、同国内5施設で実施した単盲検無作為化非劣性試験「Drug-Eluting Balloon in stable and Unstable angina Trial:DEBUT試験」の結果を報告した。抗血小板療法や抗凝固療法の進歩、あるいは新世代薬剤溶出ステント(DES)の導入にもかかわらず、現状では、高出血リスク患者におけるPCIの最適な技術はわかっていない。Lancet誌オンライン版2019年6月13日号掲載の報告。薬剤コーティングバルーンで治療可能な出血リスク因子1つ以上、対象血管径2.5~4.0mmの新規患者が対象 DEBUT試験の対象は、薬剤コーティングバルーンで治療可能な、対象血管径が2.5~4.0mmの新規冠動脈虚血性病変のある、1つ以上の出血リスク因子(経口抗凝固薬内服中、80歳以上、貧血または血小板減少症、活動性悪性腫瘍、脳梗塞または頭蓋内出血の既往、重度の腎機能障害または肝不全、BMI<20、治療を要する重大な出血など)を有する患者である。ST上昇型心筋梗塞患者、2つのステントを要する分岐部病変、ステント内再狭窄、前拡張後の標的血管の重度血管解離または高度再狭窄(>30%)を有する患者は除外された。 標的病変の前拡張成功後、対象患者を、パクリタキセルとイオプロミドでコーティングされたバルーンを用いるPCI(バルーン群)、またはベアメタルを用いるPCI(ベアメタル群)のいずれかに1対1の割合で無作為に割り付けた。 主要評価項目は、9ヵ月時点での主要心血管イベント(MACE;心血管死、非致死性心筋梗塞、虚血による標的血管再血行再建の複合)である。絶対リスク差が3%未満の場合に非劣性とし、非劣性が検証された場合は優越性の検定を行った。intention-to-treat集団を対象に解析を行った。薬剤コーティングバルーンの優越性をMACEに関して確認 2013年5月22日~2017年1月16日の期間で、220例が募集され、そのうち208例がバルーン群(102例)とベアメタル群(106例)に無作為に割り付けられた。9ヵ月時点のMACEはバルーン群で1例(1%)、ベアメタル群で15例(14%)に発生した(絶対リスク比:-13.2ポイント[95%信頼区間[CI]:-6.2~-21.1]、リスク比:0.07[95%CI:0.01~0.52]、非劣性のp<0.00001、優越性のp=0.00034)。ベアメタル群ではステント血栓症(definite)が2例発生したが、バルーン群では急性の血管閉塞は確認されなかった。 著者は、予定より症例数が少なく、MACEの発生も予想より低かったことなどを研究の限界として挙げたうえで、「薬剤コーティングバルーンは出血リスクが高い患者に対する新しい治療戦略であり、今後、新世代DESを用いたPCIとの無作為化比較試験が必要である」とまとめている。

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