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閉経後ホルモン療法、5年以上で乳がんリスク増大/Lancet

 先進国の平均体重の女性では、閉経後ホルモン療法(MHT)を50歳から5年間受けた場合の50~69歳における乳がんリスクの増加は、エストロゲン+プロゲスターゲン毎日投与では約50人に1人であり、エストロゲン+プロゲスターゲンの月に10~14日投与では70人に1人、エストロゲン単独では200人に1人であるとの調査結果が、英国・オックスフォード大学のValerie Beral氏らCollaborative Group on Hormonal Factors in Breast Cancerによって示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2019年8月29日号に掲載された。MHTの種類別の乳がんリスクに関する既報の知見には一貫性がなく、長期的な影響に関する情報は限定的だという。MHTの種類別の乳がんリスク増加のメタ解析 研究グループは、MHTの種類別の乳がんリスクに関するエビデンスを、公表・未公表を問わず収集し、関連する無作為化試験のエビデンスをレビューするとともに、メタ解析を行った(Cancer Research UKと英国医学研究会議[MRC]の助成による)。 主解析には、MHTの種類と使用のタイミングを検討した前向き研究の個々の参加者のデータを用いた。この種類と使用時期に関する完全な情報のある参加者を中心に解析を行った。研究の特定は、1992年1月1日~2018年1月1日の期間に、公式・非公式の情報源を定期的に検索することで行った。 現MHT使用者では、MHT使用の最終報告から最長5年(平均1.4年)までのデータを解析に含めた。ロジスティック回帰を用いて、特定のMHTの使用者の非使用者との比較における補正リスク比(RR)を算出した。中止後も、ある程度の過度のリスクが10年以上持続 フォローアップ期間中に10万8,647例の閉経後女性が乳がんを発症し、発症時の平均年齢は65歳(SD 7)であり、このうち5万5,575例(51%)がMHTを使用していた。完全な情報のある患者では、平均MHT使用期間は、現使用者が10年(6)、元使用者は7年(6)であり、閉経時の平均年齢は50歳(5)、MHT開始時の平均年齢は50歳(6)だった。 MHTは、膣エストロゲンを除き、乳がんリスクの増加と関連しており、使用期間が長くなるほどリスクが増加し、エストロゲン/プロゲスターゲンはエストロゲン単独に比べリスクが高かった。 現使用者では、このような過度の乳がんリスクは使用期間が1~4年と短くても明確に認められた(エストロゲン/プロゲスターゲンのRR:1.60、95%信頼区間[CI]:1.52~1.69、エストロゲン単独のRR:1.17、95%CI:1.10~1.26)。 エストロゲン/プロゲスターゲンの使用期間5~14年の乳がんリスクは、エストロゲン+プロゲスターゲンの毎日使用が、エストロゲン+プロゲスターゲンの月に10~14日の使用よりも高かった(それぞれRR:2.30[95%CI:2.21~2.40]、1.93[1.84~2.01]、異質性のp<0.0001)。 現使用者の使用期間5~14年における乳がんのRRは、エストロゲン受容体陽性腫瘍が陰性腫瘍よりも高く、MHT開始年齢が40~44歳、45~49歳、50~54歳、55~59歳の女性でほぼ同じであり、60歳以降に開始した女性や肥満の女性では低下した(肥満女性では、エストロゲン単独のMHTによる乳がんリスクの増加はほとんどなかった)。 MHT中止後も、ある程度の過度のリスクが10年以上持続し、その強度は使用期間の長さに依存しており、使用期間が1年未満の場合はリスクがほとんど増加しなかった。 著者は「MHTを10年間使用した場合の乳がんリスクの増加は、今回の5年使用のリスクの約2倍に達すると考えられる」としている。

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高用量ビタミンD補充に関する検討:わが国の現状には参考にならない(解説:細井 孝之 氏)-1112

 ビタミンDは骨代謝のみならず、免疫系などにも作用する重要なビタミンである。血中25水酸化ビタミンD濃度はビタミンDの充足度を反映する指標であり、日本内分泌学会が基準値を定め、その測定は最近骨粗鬆症にも保険適用となった。一方で、いまだにビタミンD不足(血中濃度30ng/mL以下)の方は非常に多く、少なくとも成人の食事摂取基準における1日摂取量の目安である5.5μgを確保したいところである。なお、骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版では1日10~20μgの摂取を推奨している。 この論文で報告されている研究では55~70歳の男女を3群に分け、ビタミンD 1日10μg、100μg、または250μgを3年間摂取させ、「体積骨密度」の変化を比較している。ベースラインの25水酸化ビタミンD濃度は、12~50ng/mLと幅広い。このような高用量ビタミンDの介入研究は欧米ではこれまでも報告されてきたが、本研究の新規性は「面積骨密度」(通常のDXA)ではなく、「体積骨密度」で評価したことにある。結果としては、より高用量のビタミンDによるbenefitはなかったことが示唆されている。わが国でのビタミンD摂取許容上限値は成人で100μgであり、100μgをサプリメントで摂取することはまずないことを考えると、研究結果はわが国の現状に対しては直接的に参考になるものではない。高用量のビタミンD摂取時に脱水などの体調変化が加わると、高カルシウム血症のリスクが高まることは注意すべきである。また、ビタミンDを含む脂溶性ビタミンの体内分布を考えると、脂肪組織への蓄積なども考慮しなければならない用量のレベルもあろう。

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第28回 空飛ぶ心電図~患者さんの命を乗せて~(後編)【Dr.ヒロのドキドキ心電図マスター】

第28回:空飛ぶ心電図~患者さんの命を乗せて~(後編)前回に引き続き、クラウドを利用した12誘導心電図伝送システムの救急現場での活用について、谷口先生にお話を伺います。2回シリーズの後編は、やや非典型例も扱いつつ、プロジェクト成功の秘訣や苦労した点、課題、さらには今後の展望までDr.ヒロがズバッとインタビューします!◆聞き手:Dr.ヒロ(以下、ヒロ)◆ゲスト:谷口 琢也先生(以下、谷口)谷口 琢也氏京都府立医科大学医学部卒業。松下記念病院で心筋虚血(核医学)に関する薫陶を受け、2007年より国立循環器病センター心臓血管内科CCUに所属、モバイルテレメディシンシステムに触れる。2013年からは京都府立医科大学附属北部医療センターで心不全レジストリなどの臨床研究を主導すると共に、クラウド型12誘導心電図伝送システムを導入。2018年に京都大学大学院で臨床疫学の方法論を系統的に学び、現在、母校にて社会に還元できる臨床研究の推進に取り組む。医学博士、社会健康医学修士、総合内科専門医、循環器専門医、心血管カテーテル治療専門医を取得。趣味は美食探訪、得意な家事は皿洗い。(ヒロ)今回も谷口 琢也先生を迎え、京都府立医科大学附属北部医療センターで取り組まれた、救急現場におけるクラウド型心電図伝送システムについて教えていただきます。<質問内容>【質問1】心電図伝送の試みを開始しようと思ったキッカケはありますか?【質問2】この心電図伝送システムが適応された症例の原因疾患の内訳はどうでしょうか?【質問3】実際に伝送された心電図所見の内訳はどのようになっていますか?【質問4】急性冠症候群(ACS)/STEMI以外で有用と思われる病態はありますか?【質問5】心電図伝送システムが適用された症例のうち、急性冠症候群など「ではなかった」印象的な症例はありますか?【質問6】心電図はどこに保存しますか?カルテに取り込むのですか?【質問7】心電図伝送システムと電子カルテを紐付けしていますか?【質問8】伝送された心電図データの保存期間はありますか?【質問9】心電図伝送システムのハード面、ランニングコストや通信費用はどれくらいですか?【質問10】実際に病院が払うコストはどれくらいですか?【質問11】心電図伝送システムの長所は何ですか?【質問12】この心電図伝送システムが成果を上げることができた要因はなんですか?【質問13】実際の成果で学術論文になったものはありますか?【質問14】このシステム上で「正しい心電図をとる」ために救急スタッフ(救急隊)への指導や教育、啓蒙活動などの運用についての取り組みはありますか?【質問15】市町村や地域住民に向けた広報活動、そのほかメディアへの拡散はどのように行っていますか?【質問16】今後の方向性や新しい取り組みに関して、将来ビジョンを教えて下さい。【質問1】心電図伝送の試みを開始しようと思ったキッカケはありますか?(谷口)以前から病院前心電図の重要性を認識していました。この心電図伝送の試みは、地域の消防組合とタイアップして行っています。宮津与謝消防組合が管轄するエリアから北部医療センターへの救急搬送率は、ほぼ100%。病院派遣型救急ワークステーションが院内にあり救命救急士とも顔の見える関係なので、心電図伝送を用いた救急医療に地域として取り組みましょうということになったんです。(ヒロ)病院と地域の消防との間に普段から良好な関係があったからこそ、機運が高まったのですね。救急隊と病院の“1:1対応”というのも、心電図や患者をどこに送るか悩む必要がなく、プレホスピタル心電図伝送に適した状況ですよね。(谷口)2016年にトライアルを行い運用するメリットが確認できたため、2017年12月1日から本稼働することになりました。宮津与謝消防組合が有する救急車4台すべてにシステムを搭載して運用を開始しました。【質問2】この心電図伝送システムが適応された症例の原因疾患の内訳はどうでしょうか?(谷口)約半数が循環器疾患です(図1)。(図1)心電図伝送システムの適応疾患と詳細画像を拡大する(ヒロ)心電図をとる範囲を広く設定しても、やはり半数は心疾患なのですね。胸と“みぞおち”(心窩部)を含むので肺とか胃腸疾患が入ってくるのも納得です。【質問3】実際に伝送された心電図所見の内訳はどのようになっていますか?(谷口)円グラフで示しました(図2)。これも前回お話した2017年の152例のデータです。STEMI(ST上昇型急性心筋梗塞)は11例、類縁疾患を含むST上昇が14例(9%)、ST低下が13例(9%)です。(図2)伝送された心電図所見の内訳画像を拡大する(ヒロ)これも貴重なデータですね。心房細動も24例(16%)と多いですね。正常心電図が約3分の1(33%)な点も興味深いです。約半数を占める心外疾患の多くはここでしょうしね。【質問4】急性冠症候群(ACS)/STEMI以外で有用と思われる病態はありますか?(谷口)この疾患(病態)というのは明確に言えない面もありますが、もしかしたら心室頻拍(VT)や心室細動(VF)も検出できるかもしれないですね。(ヒロ)不整脈ですね。心房細動・粗動や発作性上室性頻拍などは、救急要請がなされても病院に到着する前に停止してしまっていることも、しばしばです。現着後間もない心電図を記録することで、動悸などの“原因”が分からずじまいという、もどかしい状況が減るかも知れませんね。【質問5】心電図伝送システムが適用された症例のうち、急性冠症候群など「ではなかった」印象的な症例はありますか?【症例】84歳、男性。【主訴】胸部絞扼感、倦怠感、呼吸苦【現病歴】高血圧症で内服中。COPDによる入院歴あり。ADLは自立。2017年12月X日、昼食時にお茶を飲むときにむせて、その直後から強い喘鳴を伴う呼吸苦と胸部絞扼感が出現したため、救急搬送となった。【身体所見】脈拍数:91/分・整、呼吸数25/分、血圧220/93mmHg、酸素飽和度89%(マスク8L/分)(ヒロ)なるほど。食事中に出現した呼吸苦と胸部しめつけ感ですね。この方の伝送心電図はどのような波形を示していたのでしょうか?(谷口)以下に示します(図3)。心拍数は100弱/分で右軸偏位、不完全右脚ブロック、一部にST変化もあります。(図3)伝送された12誘導心電図画像を拡大する(ヒロ)これも同時相、5秒間の心電図ですね。前回のSTEMI症例よりはノイズが目立ちますが、十分に評価できるレベルですね。5拍目に心房期外収縮(PAC)もありますね。ほかには時計回転の所見も指摘したいですね。先生ご指摘の所見も含めて右心系負荷を考えたくなります。酸素飽和度も低いようですが、原因は何だったのですか?(谷口)気胸でした。痛みで著明な高血圧と心不全も呈していました。(ヒロ)確かに、そう言われると、胸部誘導は上から下までR波がほとんど増高していませんね。そうか!よく心電図の教科書でも取り上げられている「左」の気胸ですか、これは?(谷口)いえ、実際は「右」気胸でした。(ヒロ)なるほど。勉強になります。COPDもあるようですから、自然気胸以外にお茶でむせた時にブラが破裂した可能性なんかもあるんですかね。病院に以前の記録があったら比べたいですが…。図3のような心電図では、このほかに肺塞栓症や肺炎も大事な鑑別疾患ですね。(谷口)もちろん、気胸は伝送心電図だけで診断するものではないですが、ACS以外でも有用な情報を与えてくれることがある、という一例でした。【質問6】心電図はどこに保存しますか?カルテに取り込むのですか?(谷口)本システムでは、心電図はクラウドに保存され、電子カルテには取り込まれません。しかし、電子カルテにプレホスピタルの情報として入れている施設があると聞いています。【質問7】心電図伝送システムと電子カルテを紐付けしていますか?(谷口)心電図データは電子カルテに紐付けされないので、管理はわれわれ医師がしています。(ヒロ)場合によっては、紙ベースで印刷した物を残したり、スキャンしたりでしょうかね。【質問8】伝送された心電図データの保存期間はありますか?(谷口)受信側の病院は1週間、送信側の救急隊は1ヵ月(30日間)、データを見ることができます。【質問9】心電図伝送システムのハード面、ランニングコストや通信費用はどれくらいですか?(谷口)費用は施設ごとに異なる可能性もありますが、初期費用として心電計、伝送用のタブレット端末やスマートフォンの購入費用が必要です。メンテナンス費用には各機材の保証も含まれているので、タブレットが割れても大丈夫です。レンタルプランもあるようです。【質問10】実際に病院が払うコストはどれくらいですか?(谷口)救急車4台すべてに心電計を搭載し、この費用は市町と病院が半分ずつ負担して運用しています。【質問11】心電図伝送システムの長所は何ですか?(谷口)このシステムの長所は、何よりもDoor To Balloon Time(DTBT)を短縮し、予後改善できるということだと思います。(ヒロ)前回提示いただいた症例もそうでしたね。どのプロセス・時間が短縮できているのでしょうか?(谷口)ACSが疑われたらカテラボを立ち上げる1)のが重要ですが、そこに時間がかかります。その準備時間を短縮できることが重要だと思います。peak CK、壊死心筋量を少なくするとよく言われますが、VT/VFのリスクにさらされる時間が減ることも予後改善につながっているのではと考えています。(ヒロ)DTBT短縮は、保険診療上のメリットもあると聞きますが…。(谷口)はい。平成26年度の診療報酬改定から、急性心筋梗塞に対して冠動脈インターベンション(PCI)を行った場合、DTBTが90分以内では10,000点が加点できます(症状発現後12時間以内の来院症例)。1)カテ室のセットアップと各部署(看護師、放射線技師、臨床工学技士など)への連絡や人員確保のこと【質問12】この心電図伝送システムが成果を上げることができた要因はなんですか?(谷口)いくつかあると思いますが、北部医療センターは丹後医療圏で唯一、救急の受け入れを断らない病院であり、競合病院も少ないため救急隊が搬送先に悩む必要がない点です。(ヒロ)救急応需率100%は素晴らしいですね。しかも“1:1対応”というか、行く先が決まっている点も好都合ですね。これは都心部ではなかなか難しい点ですかね。消防組合との関係性も良好だったのですね。(谷口)ええ。また、院長の働きかけにより市町から援助・協力をいただけ、そして何より院内の風通しが良く、救急科やコメディカル・スタッフのおかげでシステム導入にあたってのハードルが低かった点でしょうか。【質問13】実際の成果で学術論文になったものはありますか?(谷口)われわれの成果は、まだ論文として報告していないのですが、12誘導心電図伝送の“SCUNA”(スクナ)というシステムからは論文が3報出ていると聞いています2)、3)、4)。(ヒロ)ぜひとも谷口先生グループの成果も、論文で読んでみたいです。2:Takeuchi I, et al. Int Heart J. 2013;54:45-47.3:Takeuchi I, et al. Int Heart J. 2015;56:170-173.4:Yufu K, et al. Circ Rep. 2019;1:241-247.【質問14】このシステム上で「正しい心電図をとる」ために救急スタッフ(救急隊)への指導や教育、啓蒙活動などの運用についての取り組みはありますか?(谷口)本システムでは、救急隊員が現場で患者に接触、心電図を取る必要があるかを判断して、はじめて伝送が行われるシステムです。ですから、救急隊員の意識を高めることはとても重要です。北部医療センターでは、月に1回、救急隊員と救急室ナース、われわれ循環器医などが集まって「心電図伝送症例を見直す会」というのを開催しています。(ヒロ)ブラボー! 関係スタッフみんなで良い意味での「反省会」をしているのですね。年150症例とのことでしたから、毎月12~13件ですかね。(谷口)ええ。心電図伝送がどれだけ有効であったのかを現場にフィードバックすることで、救急隊の方々も自分のしている行為がどれだけ現場に還元できているのかを、身を持って感じることができるはずです。その結果、12誘導心電図をもっと知りたい、講義をして欲しいという意識が高まり地域としても非常に良いと思います。【質問15】市町村や地域住民に向けた広報活動、そのほかメディアへの拡散はどのように行っていますか?(谷口)本システムの導入にあたり、新聞社などから取材を受けました。また、NHK京都放送局が取り組みに対する特集を組んでくれたおかげで、それがメディアに流れ非常に反響が大きかったというのがあります。【質問16】今後の方向性や新しい取り組みに関して、将来ビジョンを教えて下さい。(谷口)今実施している地域のみならず、近隣にも範囲を拡充し、もう少し広いエリアで本システムを導入したいと考えています。具体的には京丹後市の隣接地域がすべて網羅できれば、丹後医療圏という二次医療圏すべてにおいて包括的にこのシステムを導入できるので、それができれば理想かなと考えています。(ヒロ)まずは二次医療圏の制覇ですね。都市部への展開も魅力的ですが、要請数や医療施設数も多く、一筋縄ではいかなそうです。(谷口)もう一つの可能性として、このシステムは心電図のみならず、動画情報も送ることができます。身体所見、外表面の状況という現場の緊迫感も含めて伝送することで、病院にいる医師の受け入れ体勢の改善や準備、診断への時間短縮にもつながるので、そのような方向での応用も考えています。(ヒロ)心臓病以外の疾患にも使っていく方向性はどうですかね。具体的には、時間との戦いである脳卒中とか、交通外傷や災害医療トリアージなどにも使えそうですね。前編・後編の2回に分けて、救急現場でのクラウド型12誘導心電図伝送システムの有用性についてお話いただき、非常に魅力的なインタビューとなりました。国内の救急医療において、こうしたシステムが都心・地方を問わず“どこでも”、そして“当たり前”に使われる日は意外にそう遠くはないのかもしれません。谷口先生、どうもありがとうございました!1)The firefighter. 近代消防社;2018.p.100-105.【古都のこと~松花堂弁当のルーツ~】皆さんは「松花堂弁当」を聞いたこと、あるいは食したことがありますか? ご推察の通り、前回紹介した松花堂にルーツがあるそうです。松花堂(八幡市)で隠居していた僧昭乗は、内側を十字型に区切った「四つ切り箱」を煙草盆や絵具箱として用いていました。もとは農家の種入れ器だったようで、斬新なセンスの光る自己流アレンジでしょうか。そして時は流れ昭和初期、茶会に登場した“昭乗箱”にピンときた主が湯木貞一*に同器を用いた茶懐石弁当の創作を命じたそうです(西田幾多郎ら)。それはいつしか「松花堂弁当」と呼ばれるようになり、今ではちょっと高級な和食弁当の代名詞にもなっています。洗練された見た目の美しさに加えて、パーテーションの存在が各料理の味・香り・温度を別々に供する実用性を提供しています。京都吉兆はボクお気に入りの市外おもてなしスポットですが、至高の景観を前に由縁を知って松花堂店で食す弁当は格別でした。*:のちに料亭「(京都)吉兆」の創始者となった。

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デキサメタゾン1日投与の制吐効果は?/Oncologist

 化学療法誘発性悪心・嘔吐(CINV)の予防に用いられるデキサメタゾンについて、投与日短縮法の制吐効果が明らかにされた。松下記念病院の岡田優基氏らは、パロノセトロン併用下でのデキサメタゾンの適切な投与期間について、個々の患者データに基づいたメタ解析を行った。Oncologist誌オンライン版2019年6月19日掲載の報告。 研究グループは、中等度催吐性リスク化学療法またはアントラサイクリン+シクロホスファミドを含む化学療法を受ける化学療法未治療の成人患者を対象に、パロノセトロン+デキサメタゾンday1(d1群)とパロノセトロン+デキサメタゾンday1~3(d3群)のCINVに対する効果を比較検討した無作為化臨床試験について、PubMedおよびMEDLINEを用いて検索するとともに手作業でも検索し、システマティックレビューを行った。 主要評価項目は、全期間(化学療法開始後5日間)における嘔吐なし・救済治療なしの嘔吐完全抑制率(CR率)で、非劣性マージンは-8.0%(d1群-d3群)とした。 主な結果は以下のとおり。・無作為化臨床試験5件(計1,194例)が解析に組み込まれ、個々の患者データが収集された。・d1群のCR率は、d3群に対して非劣性であることが示された(リスク差:-1.5%、95%CI:-7.0~4.0%、I2=0%)。・デキサメタゾンのレジメンと、リスク因子(化学療法の種類、性別、年齢、アルコール消費)との間に有意な相互作用はなかった。

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不眠症患者の疲労に関連する因子

 不眠症患者では一般的に疲労が認められるが、臨床症状との関連についてはあまり知られていない。韓国・成均館大学校のSeog Ju Kim氏らは、不眠症患者の疲労と臨床症状との関連について調査を行った。Journal of Psychiatric Research誌2019年10月号の報告。 スタンフォード大学睡眠医学センターを受診した患者を対象に、不眠重症度指数(ISI)、不眠症状アンケート(ISQ)、疲労重症度尺度(FSS)、エプワース眠気尺度(ESS)、こころとからだの質問票(PHQ-9)を実施した。 主な結果は以下のとおり。・ISIおよびISQにより、6,367例中2,024例が不眠症と診断された(年齢:43.06±15.19、女性:1,110例、男性:914例)。・重度の疲労を伴う不眠症患者(1,306例)では、そうでない不眠症患者(718例)と比較し、不眠症状、日中の眠気、抑うつ症状の重症度が高く、習慣的な睡眠時間が長かった。これらは、高い疲労スコアの独立した予測因子であった。・日中の眠気(ESS≧10)を有する不眠症患者では、抑うつ症状と習慣的な睡眠時間のみが疲労スコアを予測した。・不眠症の重症度と日中の眠気との相互関係は、疲労の重症度を有意に予測した。・抑うつ症状は、不眠症と疲労の有意なメディエーターであった。・終夜の睡眠ポリグラフ検査(PSG)を受けている不眠症患者(598例)では、疲労とPSGパラメーターとの間に有意な関連は認められなかった。 著者らは「不眠症または抑うつ症状のマネジメントは、不眠症患者の疲労を軽減させる可能性がある。その一方で、睡眠時間を延長させる任意の介入は、疲労を悪化させる可能性がある」としている。

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外傷医学的に一番危ない球技はどれか?【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第146回

外傷医学的に一番危ない球技はどれか?いらすとやより使用球技って、球そのものが凶器と化すので、スポーツの中ではリスクの高い部類に属します。もちろん、ハンマー投げのハンマーのほうが破壊力は高いですが…。2017年に男子高校生が投げたハンマーが、女性生徒の頭に直撃して、搬送先の病院で亡くなったという痛ましい事故もありました。Fraser MA, et al.Ball-Contact Injuries in 11 National Collegiate Athletic Association Sports: The Injury Surveillance Program, 2009-2010 Through 2014-2015.J Athl Train. 2017;52:698-707.これは、2009~2010年および2014~2015年における11の国立大学体育協会(NCAA)スポーツにおけるボール外傷のデータをまとめた疫学研究です。対象となったスポーツは、男子サッカー、女子フィールドホッケー、女子バレーボール、男子野球、女子バスケットボール、男子ラクロス、女子ラクロス、女子サッカーです。なんとなくですが、ホッケーが一番怖そうです。ものすごいスピードで飛んできますもんね、ボールが。顔面に当たったらもうトラウマになりそう…。さて、球技によるボール外傷の頻度を調査したところ、1,123のボール外傷がありました。アスリート曝露(AE)という単位ごとにその頻度を評価しました。AEというのは1人のアスリートが1回の競技に参加した場合に1と定めたものです。「人年」みたいな感覚でよいですね。これに基づくと、最も頻度が高かったのは女子ソフトボールで、1万AEあたり8.82という結果でした。私が高いかなと予測していた女子フィールドホッケーは7.71、その次は男子野球で7.20でした。また、女子のほうが男子よりも脳震盪と診断されたボール外傷の頻度が高いことが分かりました。アメリカの女子ソフトボールは、ヘルメットの大きさや保護部位などに、厳密な規定がないそうで、それが外傷を増加させた可能性があります。

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加熱式タバコによる受動喫煙の害は?【新型タバコの基礎知識】第8回

第8回 加熱式タバコによる受動喫煙の害は?Key Points加熱式タバコによる受動喫煙のリスクは、あるかないかで言えば、ある。ただし、紙巻タバコと比べると程度は低いと考えられる。すでに禁煙になっている場所を加熱式タバコはOKとすべきではない。加熱式タバコによる受動喫煙はどれぐらい発生するのでしょうか?屋内空間で加熱式タバコを使用したときにどれぐらいの濃度で、粒子状物質や有害物質が検出されるのか、調べた研究がこれまでに3つあります。その3つの文献の結果をまとめたのが表です。画像を拡大する一番左の文献を例として表の見かたを説明します。Ruprechtらによる2017年の研究は、イタリア国立がんセンターの研究者らが実施した研究です。アイコス・スティックと紙巻タバコのそれぞれを用いた場合に、屋内空間に充満する有害物質の濃度を1時間に1.5回換気するという設定で測定しています。基準となる紙巻タバコの場合の有害物質の濃度を100%とした場合に、アイコス・スティックの場合の有害物質濃度が何%に相当するのか、が表されています。たとえば、PM2.5の濃度は1.3~1.5%であり、アセトアルデヒドは5.0~5.9%、ホルムアルデヒドは6.9~7.1%でした。100%より小さな値=加熱式タバコの場合の濃度が低いことを表しています。3つの文献の結果をみると、右2つのタバコ会社からの報告では、粒子状物質(PM:particulate matter)が検出されていないのに対して、タバコ会社から資金提供のない研究機関からの報告では検出されていると分かります。しかも、タバコ会社による研究では測定されていなかったPM nmという10~1,000nmの大きさの粒子状物質が比較的多く出ていると分かりました。ただし、比較的多いといっても紙巻タバコと比べると4分の1から5分の1というレベルであり、他の大きさの粒子状物質の濃度は紙巻タバコに比べてかなり低く、PM2.5で100分の1から50分の1というレベルでした。3種のアルデヒド類の濃度を比較すると、タバコ会社による研究ではアクロレインが検出されていませんが、イタリア国立がんセンターの研究では検出されています。アセトアルデヒドおよびホルムアルデヒドについては3つの研究すべてで検出されており、紙巻タバコの場合と比較して、おおよそ10分の1から20分の1の濃度でした。それでは、加熱式タバコによる受動喫煙の被害はあるといえるのでしょうか? あるかないかで言えば、あるが答えだといえるでしょう。ただし、程度が問題でもあります。加熱式タバコでは副流煙(吸っていない時にタバコの先端から出る煙のこと)がないため、受動喫煙は紙巻タバコと比べれば、かなり少なくなります。加熱式タバコであれば、屋内に発生する粒子状物質の濃度は紙巻タバコの数%というレベルに減らすことができるのです。とはいえ、受動喫煙がまったくないわけではなく、加熱式タバコからもホルムアルデヒドなどの有害物質が放出されています。加熱式タバコによる受動喫煙の被害については、それぞれケースバイケースで考える必要があるといえるでしょう。もともと屋内で紙巻タバコを吸っていた人が加熱式タバコに完全にスイッチできれば、受動喫煙の害は減らせるかもしれません。屋内での紙巻タバコの喫煙は、皆が考えているよりもはるかに危険といえます。屋内で喫煙すると、すぐに大気汚染の緊急事態レベルとなっているのです。たとえば、屋内で3人が喫煙するレストランではPM2.5濃度が600μg/m3となり、この値は大気汚染の緊急事態レベル濃度500μg/m3よりも高いものです*。また、喫煙する自動車内では、PM2.5の1時間平均値は750μg/m3と非常に高い値となります。紙巻タバコを加熱式タバコに置き換えることができれば、PM2.5を減らすことができるでしょう。一方、もともと禁煙だった場所なのに、加熱式タバコが使われるようになるケースもあることに、注意が必要です。自宅内ではタバコを吸わないルールだったのに、加熱式タバコならいいだろうと言って、禁煙から加熱式OKへと後退してしまうケースなどです。そういったケースが続出しているのです。その場合には、いままでなかった受動喫煙の被害が発生してしまうこととなります。家庭では、子どもや家族が受動喫煙の危険にさらされてしまうのです。また、世の中には、タバコの煙やエアロゾルから被害を受けやすい人もいます。狭心症などの虚血性心疾患、気管支喘息や化学物質過敏症の患者さんが代表例です。少量の曝露でも、発作を起こしたり、体調を崩したりするなどの健康被害が起きてしまう可能性があります。受動喫煙に関しては、加熱式タバコの方がましかもしれないからといって、単純に加熱式タバコならOK、とは考えるべきではないのです。第9回は、「新型タバコにおけるハーム・リダクションってなに?」です。*微小粒子状物質(PM2.5):大気中に浮遊する小さな粒子のうち、粒子の大きさが2.5µm以下の非常に小さな粒子のこと。PM2.5の健康影響について、米国の研究では、大気中のPM2.5値が10μg/m3増えると、心臓や肺の疾患による死亡率が9%、肺がん死亡率が14%、全死亡率が6%増えると報告された。2013年、日本の環境省は「健康影響が出現する可能性が高くなる濃度水準」をPM2.5日平均値で70μg/m3と定め、それを超えた場合には、不要不急の外出や屋外での長時間の激しい運動をできるだけ減らすこと、呼吸器系や循環器系疾患のある者・小児・高齢者などにおいては体調に応じてより慎重に行動することが望まれるとしている。

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2004年新潟県中越地震後の心理的苦痛と認知症リスクとの関連

 大地震は極度のストレスを引き起こし、認知機能に悪影響を及ぼす可能性がある。新潟大学の中村 和利氏らは、2004年新潟県中越地震後の心理的苦痛と認知症との関連について検討を行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2019年8月19日号の報告。 本研究は、10~12年フォローアップを行ったレトロスペクティブコホート研究である。対象者は、2004年新潟県中越地震後に年次健康診断を行った40歳以上の小千谷市民(2005年6,012人、2006年5,424人、2007年5,687人)。Kessler Psychological Distress Scale(K10)を用いて心理的苦痛を評価し、K10スコアが10以上を心理的苦痛ありと定義した。フォローアップ期間中の地方自治体からの介護保険データベースより、認知症発症を特定した。毎年の認知症発症に対する心理的苦痛のハザード比(HR)は、性別、年齢、職業、BMI、住居の物理的破損などの共変量について未調整および調整後に評価した。 主な結果は以下のとおり。・平均年齢は、2005年64.6歳、2006年64.6歳、2007年65.2歳であった。・心理的苦痛を有する人は、対照群と比較し、調整HRが有意に高かった(HR:1.20~1.66)。・とくに、2005~07年のすべての年において、心理的苦痛を有する人は、調整HRが高かった(HR:2.89)。 著者らは「心理的苦痛、とくに持続的な苦痛は、大災害の犠牲者において認知症発症のリスク因子である」としている。

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化学療法誘発性悪心嘔吐に対するオランザピン5mgの追加効果(J-FORCE)/日本がんサポーティブケア学会

 オランザピンは化学療法誘発性悪心嘔吐(CINV)に対して有効であるが、国際的に使用されている用量10mgでは過度の鎮静が懸念されている。NCCNやMASCC/ESMOの制吐療法ガイドラインでは、5mgへの減量について言及しているもののエビデンスはない。わが国では、標準制吐療法へのオランザピン5mgの上乗せ効果を検証した3つの第II相試験が行われ、その有効性が示唆されている。そこで、シスプラチン(CDDP)を含む化学療法に対する標準制吐療法へのオランザピン5mg上乗せの有用性の検証を目的としたプラセボ対照二重盲検無作為化第III相J-FORCE試験が行われた。その結果を第4回日本がんサポーティブケア学会学術集会において、静岡県立静岡がんセンターの安部 正和氏が発表した。・対象:CDDP50mg/m2以上を含む高度催吐性化学療法(HEC)を受ける固形がん患者・試験群:オランザピン5mg(day1~4)+標準制吐療法(パロノセトロン0.75mg[day1]+アプレピタント125mg[day1]、80mg[day2~3]+デキサメタゾン12mg[day1]、8mg[day2~4])・対照群:プラセボ(day1~4)+標準制吐療法(同上)・評価項目:[主要評価項目]遅発期CR(Complete Response=嘔吐なし、救済治療なし)割合。[副次評価項目]急性期(CDDP開始~24時間)および全期間(CDDP開始~120時間)のCR割合、各期間のCC(Complete Control=CRかつ悪心なしまたは軽度)割合とTC(Total Control=CRかつ悪心なし)割合、治療成功期間、眠気と食欲不振割合、患者満足度など 主な結果は以下のとおり。・710例の患者が登録され、オランザピン群356例、プラセボ群354例に無作為に割り付けられた。安全性解析は706例、有効性解析は705例で行われた。・遅発期CR割合はオランザピン群79%、プラセボ群66%とオランザピン群で有意に良好であった(p<0.001)。また、その差は13.5%と国際的コンセンサスで有効とされる10%を満たした。・副次評価項目である急性期および全期間のCR割合、各期間のCC割合はいずれも有意にオランザピン群で良好であった。各期間のTC割合は、急性期を除き有意にオランザピン群で良好であった。・治療関連有害事象である眠気、口喝、浮遊性めまいはオランザピン群で多くみられた。・「日中の眠気あり」の頻度は両群で大きな差はなく、「不眠なし」と「食欲低下あり」の頻度はオランザピン群で良好であった。・患者満足度は、「とても満足・満足」の割合は有意にオランザピン群で良好であった(p<0.001)。

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PD-1阻害薬による免疫関連肺臓炎はNSCLC患者の予後を悪化させる

 PD-1阻害薬の免疫関連有害事象の1つである肺臓炎は、時に致命的となることが知られるが、予後にどの程度影響するのかは明らかになっていない。名古屋大学大学院医学部の富貴原 淳氏らは、PD-1阻害薬の投与を受けた非小細胞肺がん(NSCLC)患者を後ろ向きに解析し、免疫関連肺臓炎(IRP)の発症と予後の関係を検討した。Clinical Lung Cancer誌オンライン版2019年8月1日号掲載の報告。 研究グループは、2016年1月~2018年3月の間に、PD-1阻害薬(ニボルマブまたはペムブロリズマブ単剤療法)を用いた再発/進行NSCLC患者について、後ろ向きに解析した。 胸部X線画像上の片側浸潤陰影も、PD-1阻害薬に関連すると考えられる場合はIRPとした。 主な結果は以下のとおり。・170例中27例(16%)がIRPを発症した。・IRPを発症した27例中22例(81%)が、副腎皮質ステロイドの有無にかかわらずPD-1阻害薬の投与中止で回復した。・8週間のランドマーク解析の結果、PD-1阻害薬投与後の全生存期間は、IRP発症群が非発症群より有意に短かった(8.7ヵ月vs.23.0ヵ月、p=0.015)。・IRP発症群は、PD-1阻害薬中止後は後方治療を受けずに支持療法(BSC)を選択する傾向がみられた。・多変量解析では、ペムブロリズマブ(対ニボルマブ)および血清アルブミン低値が、IRPの独立したリスク因子であることが示された。

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痛くなってからでは遅い帯状疱疹

 帯状疱疹は、60歳以降が好発年齢といわれており、強い痛みと残存する神経痛が患者のQOLに大きな影響を及ぼす。水痘として感染したウイルスによるが、一度感染してしまったウイルスを排除する術は今のところなく、ワクチンで予防することが高齢での発症・重症化を防ぐ唯一の手段となる。 2019年8月27日、武田薬品工業が「帯状疱疹の診療・予防の最新動向」をテーマに、都内にてセミナーを開催した。最新の帯状疱疹診療にはどのようなポイントがあるのだろうか。今後も増え続ける? 高齢者の帯状疱疹 はじめに、川島 眞氏(医療法人社団ウェルエイジング Dクリニック東京 総院長/東京女子医科大学 名誉教授)が「高齢化社会における帯状疱疹診療の方向性」について講演を行った。わが国では年間約60万人が帯状疱疹を発症すると推定されており、そのうち50歳以上が約7割を占める。80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を経験するという報告もあり、近年、50歳以上の発症率は増加傾向にある1)。 原因として、小児の水痘ワクチンが2014年に定期接種化されて以降、水痘患者の減少により免疫のブースター効果を受ける機会が減っていることが考えられる。帯状疱疹の発症数と水痘の流行は逆相関することが以前から知られており、帯状疱疹患者は今後も増加していくと予想される。発症予防には細胞性免疫の強化が必須 小豆島における前向き疫学研究(SHEZ study2))において、帯状疱疹の発症率や、発症リスク・重症度と免疫の関連などについて調査が行われた。その結果、発症リスクは水痘皮内反応(細胞性免疫)が強い人ほど低く、一方で、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)に対する抗体価は発症リスクに影響しないことが明らかになった。帯状疱疹および帯状疱疹後神経痛(PHN)の発症予防には、細胞性免疫が重要だ。 水痘・帯状疱疹ワクチンの接種で、VZV特異的細胞性免疫の強化が期待されている。海外の臨床試験では、水痘・帯状疱疹ワクチンにより、プラセボと比較して帯状疱疹の発症が51.3%、PHNの発症が66.5%減少したという報告3)がある。 川島氏は「帯状疱疹診療は、高齢化に伴い治療から予防へ方針が移ってきている。帯状疱疹を予防するワクチンは50歳以上が対象なので、免疫が低下してワクチンが打てなくなる前に接種勧奨することが重要」と強調した。発症後の経過で、痛みは変化していく 続いて、山口 重樹氏(獨協医科大学 医学部 麻酔科学講座 教授)が「帯状疱疹にまつわる痛みについて」をテーマに語った。帯状疱疹の痛みは、「焼けつくよう」「電気が走るよう」などと表現され、病期に伴い侵害受容性疼痛から神経障害性疼痛へ変化していくことが特徴だ。 山口氏は「痛みとは心身共に影響があるもので、痛みの続く期間が長いほど正常な生活が妨げられ、生命予後にも影響を及ぼすことがわかっている。よって、治療では痛みをできる限り早く改善することが非常に大切だ」と示した。皮膚症状が改善しても、患者の痛みは続いている 帯状疱疹患者の半数以上が、発症時(初診時)から中等度以上の強い痛みを自覚している。皮膚症状は、抗ウイルス薬の投与によって2週間程度で軽減し、4週間程度で消失に至るが、疼痛残存率は21日後で50%、90日後で12.4%、1年後で4.0%という報告4)がある。皮膚症状が重篤であるほど、また高齢であるほど痛みが遷延する可能性が高くなる。 「帯状疱疹は皮膚の病気と思われがちだが、神経の病気でもある。皮膚症状が治まった後も残る疼痛のつらさは、家族や周りの人から理解されにくい面がある」と指摘した。 PHNを疑う兆候として「針で刺されるような痛み」「電気が走るような痛み」など、「しびれ」を連想させる表現がよく用いられるという。とくに、衣服がこすれたり冷風にあたったりするだけで痛む「アロディニア(異痛症)」がある場合は注意しなければならない。「神経障害性疼痛を感じている患者さんは、着替えや入浴を嫌がったり、罹患部にガーゼを当てたり保湿剤を塗ったりする様子が見受けられることがある」と診断のポイントを示した。強い痛みが改善したあとは、休薬を目指す 長期間強い痛みを感じている患者は、抑うつや不安、不眠、自己肯定感の低下、痛みの破局化(死んだほうがまし、生きている意味がないと感じるなど)など、生活でのさまざまな苦痛を感じている。医療者は、患者の感じている痛みの強弱だけでなく、種々の尺度で痛みを多面的に評価し、治療を進めていくことが求められる。 「私が考える痛み治療の目安は半年間。ピークを超えたら徐々に減薬し、休薬を目指す。神経が損傷している場合、痛みが完全になくなることはないので、元の生活に戻すことを意識して、痛みから気を逸らせる環境(趣味など)を作ることも大切」とまとめた。 帯状疱疹やPHNの予防にはワクチンが有効だが、発症後の早期介入も予後に大きく関わる。院内の待合室などに帯状疱疹のポスターを貼っておくと、患者だけでなく家族の目にも止まり、疾患・ワクチンの啓発につながるかもしれない。

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静脈瘤治療、5年後のQOLと費用対効果を比較/NEJM

 静脈瘤治療5年後の疾患特異的QOLは、フォーム硬化療法に比べ血管内レーザー焼灼術あるいは手術のほうが良好であり、費用対効果の確率的モデルで1QALY獲得の支払い意思額(willingness-to-pay)の閾値を調べたところ、2万ポンド(2万8,433ドル)でレーザー焼灼術の支持する割合が最多となることが示されたという。英国・グラスゴー大学のJulie Brittenden氏らが、静脈瘤治療とQOLおよび費用対効果との関連を評価した多施設共同無作為化比較試験「Comparison of Laser, Surgery, and Foam Sclerotherapy trial:CLASS試験」の5年時における主要解析の結果を報告した。血管内レーザー焼灼術と超音波ガイド下フォーム硬化療法は、一次性静脈瘤の治療に対する外科手術の代替療法として推奨されてきたが、長期的な相対的有効性についてはこれまで不明であった。NEJM誌2019年9月5日号掲載の報告。3つの治療法で5年後のQOLと費用対効果を比較 研究グループは2008年11月~2012年10月に英国の11施設において、一次性静脈瘤患者798例を、レーザー焼灼術群、フォーム硬化療法群、手術群に無作為に割り付けアウトカムを比較した。 5年時主要評価項目は、疾患特異的QOL、包括的QOL、および費用対効果であった。費用対効果は、患者の治療費と健康関連の包括的なQOL評価尺度(EuroQol:EQ-5D質問票)のデータを用いた予測費用と獲得質調整生存年(QALYs)のモデルに基づいた。 5年時に、798例中595例(75%)からQOL質問票の回答を得た。疾患特異的QOLは、レーザー焼灼術や手術のほうが良好 ベースラインのスコアと他の共変量で補正後、5年時の下肢静脈瘤QOL評価尺度(Aberdeen Varicose Vein Questionnaire:AVVQ、範囲:0~100、スコアが低いほどQOLが良好)は、フォーム硬化療法群よりレーザー焼灼術群あるいは手術群で低かった。効果量(補正後群間差)は、レーザー焼灼術vs.フォーム硬化療法で-2.86(95%信頼区間[CI]:-4.49~-1.22、p<0.001)、手術vs.フォーム硬化療法で-2.60(95%CI:-3.99~-1.22、p<0.001)であった。 包括的QOLについては、群間で有意差は確認されなかった。 1QALY獲得についての支払い意思額の閾値が2万ポンド(2万8,433ドル)で、費用対効果モデル反復相の77.2%がレーザー焼灼術を支持することが示された。また、フォーム硬化療法と手術の2治療の比較においては、同じ2万ポンド(2万8,433ドル)の閾値で54.5%が手術を支持することが示された。

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GABAA受容体を標的とした新規抗うつ薬の展望/NEJM

 GABAA受容体に対する選択的ポジティブアロステリックモジュレーターのSAGE-217を14日間連日経口投与した結果、プラセボと比較して15日目のうつ症状が改善したが、有害事象の頻度はSAGE-217群で多かった。米国・Sage TherapeuticsのHandan Gunduz-Bruce氏らが、大うつ病性障害(うつ病)患者を対象とした第II相二重盲検比較試験の結果を報告した。うつ病の発症にGABAの神経伝達障害が関与していることが示唆されているが、大うつ病治療におけるSAGE-217の有効性および安全性は不明であった。NEJM誌2019年9月5日号掲載の報告。大うつ病患者89例を対象にSAGE-217の有効性と安全性を検討 研究グループは2017年4月~10月に米国内8施設において、大うつ病患者89例を登録し、SAGE-217群(1日1回30mg)およびプラセボ群に、1対1の割合で無作為に割り付けた。 主要評価項目は、ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)17項目の総スコア(範囲:0~52、スコアが高いほどうつ病が重度)の15日目におけるベースラインからの変化量であった。 副次評価項目は、その他のうつ病と不安に関する評価スコア(MADRS、Bech-6、HAM-A)のベースラインからの変化量、HAM-Dスコアがベースラインから50%超低下した患者の割合、HAM-Dスコアが7以下の患者の割合などで、2~8日目、および15・21・28・35・42日目に評価した。14日間のSAGE-217投与でうつ症状が改善、重篤な有害事象なし ベースラインの平均HAM-Dスコアは、SAGE-217群(45例)25.2、プラセボ群(44例)25.7であった。HAM-Dスコアの15日目におけるベースラインからの変化量の最小二乗平均(±SE)は、SAGE-217群が-17.4±1.3、プラセボ群が-10.3±1.3であった(変化量の最小二乗平均の群間差:-7.0、95%信頼区間[CI]:-10.2~-3.9、p<0.001)。 副次評価項目の群間差は、概して主要評価項目と同様の傾向にあった。 重篤な有害事象は確認されなかった。SAGE-217群において発現率が高かった有害事象は、頭痛、めまい、悪心、傾眠であった。 著者は研究の限界として、症例数の少なさ、副次評価項目の多変量の補正不足、対象患者の人種が限られていたことなどを挙げたうえで、「今後、うつ病に対するSAGE-217の効果の持続性や安全性を明らかにし、SAGE-217と既存の治療薬を比較検証するさらなる研究が必要である」とまとめている。

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異常値のわけ【Dr. 中島の 新・徒然草】(289)

二百八十九の段 異常値のわけ世の中にはいろいろな仕事があるもんだ、と外来をしていると思うことがあります。先日のこと。外来で診ている患者さん(50歳代、男性)のCK(クレアチンキナーゼ)が300台(基準値は59~248)と微妙に高かったのです。この方は、スタチンも服用していたので、「まさか横紋筋融解症とかではないよな。でも、もしそうだったら嫌だし、ちょっと中止してみよう」と思って止めることにしました。そして3ヵ月後に再検してみると、さらにCKが増加して500台になっているのです。ちなみに、LDLも91から137(基準値は65~163)と増加していましたが、そちらは何とか基準値内におさまっていました。スタチンを止めたのにCKが増加しているということは、ほかの薬剤が原因なのでしょうか。とはいえ、ほかにめぼしい薬を服用しておられる様子もありません。まさかマラソンをしているとか、きつい肉体労働をしているでしょうか? それにしてはスポーツマン体形でもなく、日焼けしているわけでもないし。中島「ところで〇〇さん。なにか肉体労働をしているとか、激しい運動をしているとか、そういうことはありませんか?」患者「仕事は無茶苦茶きついです」中島「は?」患者「ホテルの仕事なんですけどね」ホテルの無茶苦茶きつい仕事というと、うるさい人ばかり相手の接客とか、つい、そういうことを想像してしまうのですが、この方は違っていました。患者「夏休みなんで、外国人労働者が皆、国に帰ってしまいよるんですわ」中島「国に?」患者「『お盆なんで帰りま~す』って言われてもね。フィリピンやったらクリスチャンやろ、と言いたくなりますよ」中島「ますます話が見えないんですけど」どうやら、大勢の外国人が一時帰国したので、彼らが行っていた仕事を少数の日本人でする羽目になった、ということのようです。中島「あの、ホテルを建築しているとかでしょうか?」患者「そやなくてバス・トイレの清掃をしているんですよ」中島「ああ、そっちでしたか!」患者「それと洗面台ですね」ようやく光景が目に浮かんできました。中島「じゃあハウスキーピングになるんですか?」患者「それはメイクの仕事ですね。自分らが浴槽や洗面台の清掃を終わらせると、メイクがやってきてベッドメイキングをするんですよ。その後にチェッカーが来て点検するんです」つまり、お客さんがチェックアウトすると、清掃、メイク、チェッカーという人たちが順にやってきて、部屋の掃除をするのだそうです。そういえば学生時代に、友達がホテル清掃のアルバイトをしていたことを思い出しました。眉を吊り上げたオバチャンに「髪の毛1本、水1滴!」と厳しく指導されながら働いていたのだとか。中島「バスタブの清掃なんかは、かなりきつそうですね」患者「重労働ですよ。しかも10分で終わらせないと、すぐにメイクが来ますからね」それで、夏になって急にCKが増えていたのかも。中島「すると、フィリピンの人たちが戻ってきたら、少しは楽になりそうですか?」患者「ぜひそう願いたいです!」これは興味あるところなので、3ヵ月後にCKを再検することにしました。果たして、ホテルのバス・トイレ清掃は、CKを上昇させるほどの大変な仕事なのか? しかし、興味本位で患者さんの採血をたびたび行うのも申し訳ないような気が……患者「いやいや先生、ぜひ調べて下さい。自分も、原因を突き止めて安心したいです」つい思ったことが、そのまま口から出てしまった私に対し、患者さんが賛同してくれたのでホッとしました。ということで、肉体労働から解放されたら、果たしてCKは下がるのか否か?それにしてもいろんな仕事があるもんですなあ、世の中には。最後に1句検査値が 教えてくれた 世の仕組み

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第28回 生菌製剤は本当に抗菌薬関連下痢症に効果があるのか【論文で探る服薬指導のエビデンス】

 抗菌薬(antibiotics)と生菌製剤(probiotics)の併用は日常的に見掛ける定番処方だと思います。双方の英語の語源からも対になっているイメージがあります。抗菌薬は腸内細菌叢を障害し、Clostridium difficile(以下、CD)感染症を含む抗菌薬関連下痢症を引き起こすことがありますので、生菌製剤によって腸内細菌叢のバランスを改善し、下痢症を予防することを期待した処方です。健康成人ではとくに併用しなくても問題ないことが多いですが、安価ですのでよく用いられています。今回は、抗菌薬とよく併用される生菌製剤の効果について紹介します。まず代表的な生菌製剤として、耐性乳酸菌製剤(商品名:ビオフェルミンR、ラックビーR)があります。「耐性」とあるように、商品名の「R」はresistanceの頭文字で、普通錠にはない抗菌薬への耐性が付加されています。これらはとにかく多用されていますので、適応のないニューキノロン系やペネム系などとの誤併用に対して疑義照会をした経験がある方は多いのではないかと思います。そのような場合、代替薬として何を提案すべきか迷いますよね。「R」の製剤ではなく普通錠を提案しがちですが、普通錠で抗菌薬投与時の下痢を予防できるのでしょうか?この疑問に関するエビデンスとして、PLACIDEという多施設共同ランダム化二重盲検プラセボ対照比較試験を紹介します。生菌製剤の抗菌薬関連下痢症の予防効果を検証した、それまでになかった大規模な試験です1)。対象は1剤以上の抗菌薬を投与された65歳以上の入院患者2,941例(99.9%が白人)です。対象患者は、乳酸菌2株とビフィズス菌2株を含む生菌製剤(総菌数6×1010)群またはプラセボ群に1:1で無作為に割り付けられ、1日1回21日間服用しました。主要評価項目は、8週以内の抗菌薬関連下痢症または12週以内のCD関連下痢症でした。8週以内の抗菌薬関連下痢症の発現率は、生菌製剤群10.8%(159例)、プラセボ群10.4%(153例)であり、有意差はありませんでした(RR:1.04、95%信頼区間[CI]:0.84~1.28、p=0.71)。また、CD関連下痢症の発現率はそれぞれ0.8%(12例)、1.2%(17例)であり、こちらも有意差はありませんでした(RR:0.71、95%CI:0.34~1.47、p=0.35)。抗菌薬の内訳はペニシリン72%、セファロスポリン24%、カルバペネムまたは他のβラクタム2%、クリンダマイシン1%、キノロン13%でした。ただし、検出力を考慮すると、本当は有意差があるのに有意差なしとなるβエラーが生じている可能性があり、実際には生菌製剤の効果があるのに無効と判断されているケースも除外できないので、乳酸菌とビフィズス菌には抗菌薬関連下痢症の予防効果がないと判断するのは注意が必要かもしれません。酪酸菌には抗菌薬関連下痢症を減少させるエビデンスありでは、他の菌株ではどうなのでしょうか? 酪酸菌(宮入菌)製剤(商品名:ミヤBM)を用いた研究がありますので紹介します。上気道感染症または胃腸炎の小児110例を、(1)抗菌薬のみ服用する群27例、(2)抗菌薬治療の中間時点から酪酸菌製剤を併用する群38例、(3)抗菌薬治療の開始と同時に酪酸菌製剤を併用する群45例の3グループに分けて腸内細菌叢の変化を調査しています2)。抗菌薬のみを服用した群では下痢が59%で観察され、総糞便嫌気性菌とくにビフィズス菌が減少していました。一方で、抗菌薬治療の中間時点または開始時から酪酸菌製剤を併用した群では、酪酸菌製剤が嫌気性菌を増加させるとともにビフィズス菌の減少を防ぎ、下痢の発現率はそれぞれ5%および9%に減少しました。本剤は酪酸菌の芽胞製剤で、胃酸によって死滅せず、腸で発芽して効果を発揮するため効果が期待できるというのは製剤特性からも説明できます。酪酸菌に加えて、糖化菌とラクトミンを配合した酪酸菌配合剤(商品名:ビオスリー配合錠)も同様に有効であるものと推察されます。薬局にいたときは、これらの生菌製剤を併用処方される患者さんもよく見掛けました。もしこれらの生菌製剤が無効の場合は、ラクトミン+ガゼイ菌で抗菌薬関連下痢症およびCD関連下痢症の頻度が減ることを示唆した研究も参考になります3)。抗菌薬関連下痢症は頻度が高く、治療継続への影響も大きいので、より適切な生菌製剤を提案できるようにしておくとよいかと思います。1)Allen SJ, et al. Lancet. 2013;382:1249-1257.2)Seki H, et al. Pediatr Int. 2003;45:86-90.3)Gao XW, et al. Am J Gastroenterol. 2010;105:1636-1641.

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日本糖尿病学会「女性糖尿病医サポートの取り組み」Webサイト に「ジェンダーフリーな職場づくり推進室」を公開中

 日本糖尿病学会「女性糖尿病医サポートの取り組み」Webサイトでは、男女共同参画について各施設でどのような取り組みが行われているかを紹介するコーナーとして「ジェンダーフリーな職場づくり推進室」を公開している。 同コーナーでは第1回として「京都大学医学部附属病院における取組(稲垣 暢也 氏)」、第2回として「北海道大学病院における取組(渥美 達也 氏)」 の記事を掲載しており、以下関連リンクより閲覧可能。 関連リンク 「ジェンダーフリーな職場づくり推進室」 (日本糖尿病学会 「女性糖尿病医サポートの取り組み」)

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統合失調症患者の洞察力がうつ、QOL、自殺に及ぼす影響

 統合失調症患者の半数以上が、生涯に自殺を試みる。より良い洞察力は、機能により良い影響をもたらすが、自殺企図の増加とも関連している。洞察力と自殺企図との関連を明確にするため、フランス・ベルサイユ大学のMickael Ehrminger氏らは、構造方程式モデリングを用いて検討を行った。Journal of Clinical Medicine誌2019年8月10日号の報告。 統合失調症スペクトラム障害患者の洞察力、QOL、うつ、自殺企図を、ベースラインおよび12ヵ月後の時点で測定を行った。これらの関連は、クロルプロマジン換算量、陽性症状、陰性症状、一般精神病理によりコントロールした潜在差スコアモデルを用いて調査した。 主な結果は以下のとおり。・対象患者738例中、370例が試験を完了した。・洞察力のベースラインレベルは、自殺企図の変化を予測した。しかし、自殺企図のベースラインレベルは、洞察力の変化を予測しなかった。より良い洞察力は、自殺企図の根底にあり、その悪化を予測することが示唆された。・より良い洞察力→QOL不良→うつの増加→自殺企図の増加という時系列が示唆された。 著者らは「より良い洞察力は、統合失調症患者のQOL、うつ、自殺企図の悪化を予測した。本知見は、自殺企図に対する洞察力の長期的な影響を理解するうえで重要である。うつや自殺予防のモニタリングなしで、洞察力をターゲットとした介入を提案すべきではないと考えられる」としている。

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D-Indexに基づくFNの抗真菌治療/日本がんサポーティブケア学会

 好中球減少期間の長い高リスク治療では、広域抗菌薬不応患者の発熱性好中球減少症(FN)に経験的抗真菌治療(EAT:empiric antifungal therapy)が推奨されるものの、過剰治療の問題が残る。そのため、バイオマーカーや画像所見に基づく抗真菌薬の先制治療が試みられるようになった。しかし、先制治療では深在性真菌症の増加が懸念されている。そこで好中球減少の深さと持続期間を面積で評価するD-Indexによる早期抗真菌治療(DET:D-index guided early antifungal therapy)を考案し、EATとの無作為比較試験(CEDMIC試験)を実施した。その結果を第4回日本がんサポーティブケア学会学術集会において自治医科大学附属さいたま医療センターの木村 俊一氏が発表した。D-Indexに基づく早期抗真菌治療は経験的治療と比べて抗真菌薬の使用を減少 対象:好中球減少期間(500/μL未満)が7日以上と予想される化学療法や造血幹細胞移植を受ける造血器腫瘍患者・試験群(DET):累積のD-Index(C-Index)5500未満の場合、真菌バイオマーカーで異常がみられたらミカファンギン150mg/日開始。C-Index5500以上の場合、FNが持続または再燃した時点で検査結果に関わらずミカファンギン150mg/日を開始・対照群(EAT):広域抗菌薬開始から4日目以降にFNが持続・再発した時点でミカファンギン150mg/日を開始・評価項目:[主要評価項目]Proven/Probable真菌感染症の発症、[副次評価項目]42、84日時点での全生存率、ミカファンギンの投与頻度、ミカファンギンの有効性評価 D-Indexによる早期抗真菌治療と経験的抗真菌治療を比較した主な結果は以下のとおり。・423例が登録され413例がITT解析対象となった(DET群212例、EAT群201例)。・Proven/Probable真菌感染症の発症はDET群0.5%(1/212例)、EAT群2.5%(5/201例)とDET群のEAT群に対する非劣性が証明された。・DET群とEAT群の全生存率は、42日目で98.6%対98.0%、84日目で96.2%対96.4%と両群間で差と認めなかった。・ミカファンギン投与症例はDET群で32.5%、EAT群では60.2%とDET群で有意に少なかった(p<0.001)。・ミカファンギンの有効性はDET群で68.7%、EAT群では79.6%とEAT群で良好な傾向がみられた。高リスク群に限定すると69.1%対78%で統計的な有意差は認めなかった(p=0.30)。 D-Indexに基づく早期抗真菌治療(DET)は経験的治療(EAT)と比べ、死亡や真菌症発症を増やすことなく、抗真菌薬の使用を減少させた。

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