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FoundationOne CDx、エヌトレクチニブのROS1肺がんコンパニオン診断として承認/中外

 中外製薬は、2019年12月26日、遺伝子変異解析プログラム「FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル」に関し、現在承認申請中であるエヌトレクチニブ(商品名:ロズリートレク)のROS1融合遺伝子陽性の局所進行又は転移性非小細胞肺に対するコンパニオン診断としての使用目的の追加について、厚生労働省より承認を取得したと発表。本プログラムは、ROS1融合遺伝子を検出することにより、ロズリートレクの非小細胞肺がんにおける適応判定を補助する。なお、ロズリートレクのROS1融合遺伝子陽性の局所進行又は転移性非小細胞肺の適応拡大については、2019年3月15日に承認申請を行っている。 本プログラムは、米国のFoundation Medicine, Inc.により開発された、次世代シークエンサーを用いた包括的ながん関連遺伝子解析システム。患者の固形がん組織から得られたDNAを用いて、324の遺伝子における置換、挿入、欠失、コピー数異常および再編成などの変異等の検出および解析、ならびにバイオマーカーとして、マイクロサテライト不安定性の判定や腫瘍の遺伝子変異量の算出を行う。また、国内既承認の複数の分子標的薬のコンパニオン診断として、適応判定の補助に用いることが可能である。

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万引き家族(後編)【年金の財源を食いつぶす!?「障害年金ビジネス」とは?どうすればいいの?】Part 1

今回のキーワード等級のイメージ等級判定ガイドライン「障害年金認定医」監査機能虚偽診断書等作成罪認定調査前回では、精神障害年金の不正受給が起きる原因を、患者、社会保険労務士(以下、社労士)、精神科医の3つの立ち位置に分けて、ぞれぞれの「ブラックボックス」を明らかにしました。そして、「障害年金ビジネス」の問題点を整理しました。それでは、一体どうすれば良いでしょうか? 今度は、精神科医、年金制度、社会の3つの立ち位置に分けて、それぞれの対策を一緒に考えてみましょう。 精神科医はどうすれば良いの?まず、年金の等級判定に責任を持つ精神科医は、どうすれば良いでしょうか? その対策を大きく3つ挙げてみましょう。(1)年金の等級判定の根拠を増やす1つ目は、年金の等級判定の根拠を増やすことです。等級判定の根拠は、患者が訴える日常生活能力についての「出来ないこと」だけではありません。ここで、根拠を増やす具体的な方法を3つ挙げてみましょう。a. ポジティブな発言も1つ目は、毎回の診察の中で、患者のネガティブな訴えだけでなく、ポジティブな発言も聞き出しておくことです。これは、ストレートに質問すると、なかなか出てきません。あくまで雑談の体裁で引き出すのです。たとえば、最近出来るようになったこと、好きでやっていること、やっていて楽しいこと、大事にしていること、最近感じた小さな幸せ、将来の目標や夢などです。これらは、プラス思考を促す認知行動療法的なかかわりです。と同時に、年金診断書を作る際の「出来ること」の根拠にもなります。これらの情報をきっちりカルテに記載しておくことが重要です。すると、等級判定は、「出来ないこと」だけでなく、「出来ること」も含めたそのバランスを見極めることで、ブレなくなります。b. 発言の様子や行動も2つ目は、発言内容だけでなく、発言の様子や行動もカルテに記載することです。たとえば、話し方や表情、服装、化粧、ヘアスタイル、ヘア染めなどの変化、げっそりしているかふっくらしているかの変化、場合によってはタバコ臭、香水臭、体臭などの特徴です。また、毎回の通院で、1人で交通機関を利用して来院するか、医療費の支払いが出来ているか、診察が終わった後に何をする予定かなどをさりげなく確認するのも重要です。c. 長期的で総合的な評価を3つ目は、短期的でエピソード的な評価ではなく、長期的で総合的な評価をすることです。たとえば、社労士が作成する「病状報告書」にありがちなのが、「○○が出来なくなることがあります」という言い回しの羅列です。これには、期間や頻度が記載されていません。障害がない人でも、風邪をひくなどの体調不良や心理的なストレスでエピソード的に「○○が出来なくなる」ことはあります。それなのに、期間や頻度に触れていないために、あたかも長期的に「出来ないこと」があるように印象付けられ、惑わされるわけです。つまり、訴えに一貫性は確認出来ないです。また、既往の身体障害や好き嫌いや甘え(依存)などの性格(パーソナリティ特性)による「出来ないこと」は除外することです。あくまで、その精神障害によって、言い換えれば、その精神障害ならではの典型症状によって「出来ないこと」を評価します。一方、社労士は、とにかく「出来ないこと」なら何でもカウントして、病状が重い内容の「病状報告書」を作ります。つまり、典型性が不明です。さらに、患者が毎回不調を訴えるわりに薬の調整をまったく望まないのは、合理性がないです。入院レベルの訴えをするわりに入院に抵抗する場合、その理由が合理的かを確認する必要があります。このように、病状に一貫性、典型性、合理性があるかを見極め、日常生活能力を総合的に判定します。(2)年金の等級判定をあらかじめ出しておく2つ目は、年金の等級判定をあらかじめ出しておくことです。つまり、患者が1級、2級、3級、等級なしのどのレベルなのかあらかじめ見極めておくことです。そうすると、更新前の本人の急な訴えや社労士からの「病状報告書」などの「後出しじゃんけん」の情報で、揺さぶられてもブレなくなります。逆に言えば、社労士が介入していることが分かった時点で、転医が年金目当てだと分かった時点で、より慎重にそしてより厳正に診断書を書く必要があるでしょう。なぜなら、それだけ患者があおられている可能性があるからです。ここで、それぞれの等級のイメージを押さえましょう。a. 1級表1のように、1級は、日常生活で出来ないことがほとんど(=×)、つまり身辺自立が出来ない(=×)、ほぼ寝たきりのイメージです。活動範囲は室内かベッド上で、外出には付き添いが必要です。知的障害なら、最重度から重度の知的障害に該当します。つまり、日常生活能力は、乳幼児のレベルです。日常生活能力の程度については、「常時(ほぼ100%)の援助」が必要になります。これは、年金診断書の(5)を○で囲むことになります。また、日常生活能力の判定については、表2のように、「食事管理」「清潔管理」「金銭管理」「病状管理」「対人関係」「安全管理」「社会生活」として個別に7項目あります。「出来る」(1点)、「出来るが時に援助」(2点)、「援助があれば出来る」(3点)、「援助があっても出来ない」(4点)として、それぞれ○で囲みます。なお、これらは、「単身で生活をするとしたら」という前提で判定します。ここが、社労士の「攻め所」です。診断書に「独り暮らしを想定していない」と患者に吹き込み、「出来ないこと」を上乗せして、等級判定を上げようともくろむのです。だからこそ、精神科医は、最初から着地点を見据えることが重要と言えるでしょう。表3の障害等級の目安に従うと、その合計した平均点は、3.5点以上で、4点に近くなります。なお、この障害等級の目安については、厚生労働省から公表されている「精神の障害に係わる等級判定ガイドライン」を基にしています(資料1)。このように、1級は、障害レベルがとても重く、判定は明らかで分かりやすいです。b. 2級表1のように、2級は、日常生活で出来ないことが多い(=△)イメージです。活動範囲は基本的に自宅内です。知的障害なら、中等度知的障害に該当します。つまり、日常生活能力は、小学1年生~3年生のレベルです。日常生活能力の程度については、「多く(50%以上)の援助」が必要になります。これは、年金診断書の(4)を○で囲むことになります。また、日常生活能力の判定については、先ほどと同じように、表2の個別7項目のそれぞれのレベルを○で囲みます。表3の障害等級の目安に従うと、その合計した平均点は、2.0点以上で、3点前後になります。c. 3級表1のように、3級は、日常生活で出来ないことが少ない(=△~○)イメージです。活動範囲は習慣化された外出なら可能です。知的障害なら、軽度知的障害に該当します。つまり、日常生活能力は、小学4年生~6年生のレベルです。日常生活能力の程度については、「時に(50%未満)援助」が必要になります。これは、年金診断書の(3)を○で囲むことになります。また、日常生活能力の判定については、先ほどと同じように、表2の個別7項目のそれぞれのレベルを○で囲みます。表3の障害等級の目安に従うと、その合計した平均点は、1.5点以上で、2点前後になります。3級は、2級との線引きが難しいことがあります。ここが、社労士の狙い目です。社労士は、この3級レベルを2級に仕立てようと働きかけてきます。と言うのも、正社員が加入出来る厚生年金の場合は、3級がありますが、基礎年金だけの場合は、3級がなく、社労士にとってビジネスにならないからです。d. 等級なし表1のように、等級なしは、日常生活で出来ないことがほぼない、つまり普通に出来るイメージです。活動範囲は問題ないです。知的レベルは、境界域知能から正常知能に該当します。つまり、日常生活能力は、中学生~大人のレベルです。日常生活能力の程度については、「普通に出来る」になります。ただ、就労などの社会生活には援助が必要な場合があります。これは、年金診断書の(2)を○で囲むことになります。また、日常生活能力の判定については、先ほどと同じように、表2の個別7項目のそれぞれのレベルを○で囲みます。表3の障害等級の目安に従うと、その合計した平均点は、1.5未満点で、1点に近くなります。等級なしは、3級との線引きが難しいことがあります。しかし、2級とはさすがにレベルが違います。それでも、社労士は、この等級なしのレベルでも何とか2級に仕立てようと働きかけてきます。なぜなら、先ほどと同じように、等級なしのレベルを3級に仕立て上げたとしても、基礎年金だけの場合は、そもそも3級がなく、社労士にとってビジネスにならないからです。これが、前回ご紹介した「万引き家族」の治と信代に指南する社労士の描くシナリオです。(3)年金の等級判定について患者にオープンにする3つ目は、年金の等級判定について患者にオープンにすることです。精神科医がオープンにして説明していないからこそ、患者に不信感を抱かれ、社労士につけ込まれるのです。ここで、オープンにすべきポイントを3つ挙げてみましょう。a. 等級レベル1つ目は、等級レベルです。これは、患者から障害年金の話が出た時点で、何級レベルか、または等級なしのレベルかをあらかじめ伝えることです。そして、その等級レベルの具体的なイメージを説明し、患者に納得してもらうことです。たとえば、2級だと主張する患者に、「一人暮らしで助けてもらうことが日常生活の半分以上ですか?」「数ヵ月にわたってほぼ外出していないと言えますか?」「日常生活で出来ることは小学校低学年並だと思いますか?」と尋ね、まず考えてもらうことです。また、病状が良くなれば障害年金が得られにくくなるのは制度として当然のこと、その一方でそれはリハビリや就労に積極性を生み出すきっかけになり、長期的には患者のためになることも伝える必要があります(心理教育)。さらには、キーパーソンとなる家族に同席してもらい、理解を得るのも良いでしょう。b. 等級判定の根拠2つ目は、判定の根拠です。とくに患者がなかなか納得しない場合、その根拠として、カルテに記載された「出来ること」の発言内容やその時々の患者の様子を伝えることが出来ます。そして、カルテに書かれていることがすべてであり、もともと3級レベルの記載内容のカルテなのに、2級レベルの病状を年金診断書に書くのは虚偽記載になる可能性を説明することです。c. 3級3つ目は、判定の妥当性です。これは、判定には根拠があり、妥当だからこそ、社労士が作成した「病状報告書」「診断書原案・訂正案」に影響を受けないことを先に患者に説明することが出来ます。もっと言えば、診断書について社労士に取り合うことは最初からないと伝えることも出来ます。これは、持久戦の罠に引っかからないためです。さらに、そもそも等級判定が覆らないので、最初からインターネットなどでの障害年金の相談先(社労士)にかかわらないこと、またはすでに相談していたとしても着手のステップに進まないことを推奨することが出来ます。なぜなら、相談費用は0円ですが、着手されたら、等級は変わらなくても、「成功報酬」が発生するからです。この分が年金受給金額から引かれることで、患者が損することを説明することが出来ます。そして、このようなビジネスのあり方は、年金制度のあり方として不適切であると説明することも出来ます。もちろん、セカンドオピニオンを推奨することも出来ます。ビジネスに染まった社労士ではなく、ほかの精神科医が見ても妥当か判断してもらえれば、より客観性が生まれるでしょう。 次のページへ >>

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万引き家族(後編)【年金の財源を食いつぶす!?「障害年金ビジネス」とは?どうすればいいの?】Part 2

年金制度はどうすれば良いの?これまで、「障害年金ビジネス」への精神科医の取り組みをまとめました。しかし、これだけでは限界があります。なぜなら、言いなりになる精神科医がどうしてもいるからです。それでは、年金制度そのものは、どうすれば良いでしょうか? その対策を3つ挙げてみましょう。(1)診断書を手渡しから郵送にする社労士が、精神科医の書いた年金診断書を見る方法は、患者が医療機関から手渡しで受け取った厳封の診断書を、年金事務所に提出する前に、患者に開封させることであると前回説明しました。そして、これは、信書開封罪に当たると説明しました。それにしても、ずいぶん強引です。実は、これが唯一の方法だからです。そうしないと、彼らのビジネスが成り立たなくなってしまうからです。それでは、年金制度として、どうすれば良いでしょうか?1つ目は、診断書を医療機関から年金事務所へ直接郵送して提出する手続きに変更することです。これだけで、社労士は診断書を見ることが出来なくなります。そして、診断書が一度年金事務所に郵送されてしまえば、その時点で、転医して思い通りの診断書を別の精神科医に書いてもらうというこれまでの手口が使えなくなります。これで、社労士の診断書への介入は実質的になくなります。診断書の内容について裁量があるのは、社労士ではなく、精神科医です。そして、繰り返しになりますが、その診断書の作成の責任を負っているのは、社労士ではなく、精神科医です。社労士の本来の役目は、診断書への介入ではなく、患者が必要な書類を準備するサポートです。これまでの年金制度は、厳封された診断書が社労士の指示によって開封されたり破棄されることを想定していませんでした。よって、郵送への手続きの変更は当然であると言えるでしょう。そして、これからのITの時代、年金診断書を年金事務所のウェブサイト上で提出することが可能になることが期待されます。 (2)「障害年金認定医」を作る精神科医のための年金診断書の書き方については、厚労省が「障害年金の診断書(精神の障害用)記載要領」を公表しています(資料2)。このマニュアルに忠実に従って診断書を書いている精神科医がいる一方、マニュアルに重きを置いていない精神科医が一部いるのも現実です。彼らは、診断書の書き方が自己流になり、恣意的に独自判断をするため、等級判定が不安定になってしまうのも現実です。この状況は、社労士の診断書への介入を正当化する根拠になってしまっています。それでは、年金制度として、どうすれば良いでしょうか?2つ目は、障害年金の診断書を書くための認定医制度、つまり「障害年金認定医」を作ることです。この制度の目的は、等級判定の安定化、診断書の書き方の標準化、患者への対応の統一化です。そのために必要な規定を主に3つ挙げてみましょう。1つ目は、この「障害年金認定医」でなければ、障害年金の診断書を書けないことです。2つ目は、この「障害年金認定医」になるためには、研修を受けることです。研修と言っても、eラーニングによる講義1時間と等級判定の小テストで十分でしょう。ちょうど、精神神経学会の「精神科薬物療法研修会」や「認知症診療医」と同じイメージです。ハードルが高すぎると、「障害年金認定医」になれない精神科医が現れ、混乱を招くからです。3つ目は、年金診断書への怠慢行為や不正行為に対して、注意、警告、罰則を設けることです。悪質な場合には、認定停止や認定取り消しを可能にします。ここが一番大事なポイントになります。なぜなら、精神科医に診断書の作成に責任があるとは言いながらも、現時点では怠慢行為や不正行為の罰則が明確ではないからです。これまでの年金制度は、患者や社労士に精神科医が言いなりになることを想定していませんでした。よって、「障害年金認定医」を作ることは必要であると言えるでしょう。(3)年金診断書への監査機能を強化する「障害年金認定医」の制度により、精神科医が診断書を適切に書く意識は、高まるでしょう。ただし、いくら罰則があっても、その監視の目がないと、見透かされてしまい、この「障害年金認定医」が形骸化してしまうおそれがあります。それでは、年金制度として、どうすれば良いでしょうか?3つ目は、年金診断書への監査機能を強化することです。ちょうど、保険診療の監査と同じです。もともと精神科医に障害年金の判定の権限が集中している危うさがあるのは確かです。すでに2級を連発している精神科クリニックには、年金事務所からカルテ開示請求が行われているという話もあります。具体的には、このようなカルテ開示請求を増やして、抜き打ちでランダムに定期的に行うことです。とくに、5年前までさかのぼった年金の請求(遡及請求)をする場合は、100万円単位のお金が動きますので、より厳しいチェックを行う必要があります。カルテとの整合性がない場合は、虚偽記載、つまり虚偽診断書等作成罪(刑法第160条)にあたります。これは、社労士ではなく、精神科医がかぶることになります。この取り締まりは、精神科医だけでなく、患者にもすることが必要だと考える人もいるでしょう。確かに、就労状況や給与の有無を所得税などから確認することは可能です。しかし、たとえば、調査員が日常生活能力を確認するために自宅に尋ねる認定調査は、実際には現実的ではないでしょう。その理由は、大きく3つあります。1つ目は、精神障害による日常生活能力の低下は分かりにくく、精神科医ではない調査員が一時的に見ただけでは、その程度を見極めるのは難しいからです。2つ目は、本当に「障害がある」場合、調査員の訪問が精神的な負担になり、病状が不安定になるおそれがあるからです。抜き打ちならなおさらです。3つ目は、「障害がある」ふりをしている場合、その時だけ出来ないふりをすることは出来るからです。抜き打ちなら、居留守を使われる可能性もあります。ちなみに、介護保険の認定調査の場合は、患者は認知症であり、逆に「出来るふり」(取り繕い反応)はしますが、「出来ないふり」はしないです。また、認定されることで得られるのは、お金ではなく、必要なサービスなので、家族も「出来ないふり」を推し進めることはありません。社会はどうすれば良いの?これまで、「障害年金ビジネス」に対しての年金制度の改善点をまとめました。しかし、これでも、最初から障害年金を得ることを目的に医療機関を受診する人に対しては限界があります。なぜなら、彼らは、精神障害について「勉強」して来院するからです。社労士の指南を受けていれば、なおさらです前回の「障害年金ビジネス」の説明で触れたひきこもりの症例のように、その「患者」の訴えは、無駄がなく、教科書的な「うつ病」の典型例になるからです。逆に病状がきれいすぎて、違和感を抱くくらいです。ちょうど、休職診断書を手に入れたい「患者」が、医療機関を渡り歩くうちに、訴えが洗練されていくのと同じです。そして、実際には内服しているか分からない抗うつ薬の処方を希望し続けるのです。さすがに、ここまで「患者」に徹底的にやられると、精神科医は年金診断書を書かないわけにはいかなくなります。これは、医療の限界です。いえ、もはや医療ではないです。このような状況に、社会はどうすれば良いでしょうか?それは、この「障害年金ビジネス」の社会的な認知を高めることでしょう。つまり、不正に年金を手に入れたい患者、それを指南する社労士、それに言いなりになる精神科医の存在をより多くの人が知ることです。そして、たとえば、「受給成功率を上げる」「完全成功報酬制」などの文句が踊るネット広告を見て、まずは違和感を抱くことでしょう。 「本当の社会」とは?「万引き家族」の登場人物の刑事が祥太に「あの人たち(治と信代)ねえ、私たちが家に着いた時、荷物まとめて逃げようとしてるところだったんだよ。あなたを置いて。本当の家族だったらそういうことしないでしょ」と言うシーンがありました。祥太は「本当の家族」ではなかったと気付かされ、はっとします。と同時に、私たちもはっとします。同じように考えれば、「本当の社労士」だったら、「障害年金ビジネス」に手を染めないでしょう。「本当の精神科医」だったら、「障害年金ビジネス」に巻き込まれないようにするでしょう。なぜなら、患者の病状がより良くなってほしいと願うからです。そして「本当の社会」だったら、「障害年金ビジネス」に厳しい目を向けるでしょう。なぜなら、社会がより良くなってほしいと願うからです。 << 前のページへ■関連記事こうして私は追いつめられた【新型うつ病】サイレント・プア【ひきこもり】ツレがうつになりまして。【うつ病】■参考スライド【精神障害の年金診断書の作成のポイント】2019年1)障害年金請求に必要な精神障害の知識と具体的対応:宇佐見和哉、日本法令、20142)精神疾患にかかる障害年金請求手続完全実務マニュアル:塚越良也、日本法令、20163)あなたの障害年金は診断書で決まる!:白石美佐子、中川洋子、中央法規、20194)資格を取ると貧乏になります:佐藤留美、新潮新書、20145)「精神の障害に係わる等級判定ガイドライン」: 国民年金・厚生年金保険6)「障害年金の診断書(精神の障害用)記載要領」 : 厚生労働省、日本年金機構

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新型タバコを吸っている患者に伝えたいこと(3)【新型タバコの基礎知識】第14回

第14回 新型タバコを吸っている患者に伝えたいこと(3)Key Points加熱式タバコを吸っている人には、「加熱式タバコを吸っている理由」を聞くことから始める。タバコ問題に関する情報共有を進め、信頼関係を築いてから、加熱式タバコの害についても伝える(「加熱式タバコもダメ」だけではダメ!)。多くの人は、タバコに関する正しい理解を得るとともに禁煙することに意欲を持つようになります。今回は、「加熱式タバコにスイッチした人」や「紙巻タバコと加熱式タバコの両方を吸っている人」に対して医師や医療者はどう向き合って、どのように対応していけばよいのか、私が伝えたいと思っていることを書きます。もちろん完全な答えはありませんから、単なる1つの例ですが、参考にしていただければ幸いです。「加熱式タバコにスイッチした人へ伝えたいこと」なぜ加熱式タバコにスイッチしたのでしょうか?自分の健康のために紙巻タバコよりマシだと考えたからかもしれませんし、家族や同僚の受動喫煙を減らす目的かもしれません。もし、そうだとすると、紙巻タバコを止められたこと、本当によかったですね、とまずは伝えてほしいと思います。また、受動喫煙を減らそうと配慮して加熱式タバコに変えたのであれば、「配慮していただき本当にありがとうございます」と伝え、その気持ちを尊重したいです。日本では、こういった他人に配慮する気持ちや空気を読む国民性がうまく機能しています。タバコ対策にとっても、この国民性が対策を進める良い方向に働いているのではないでしょうか。加熱式タバコには、使用する本人に対して紙巻タバコとほとんど変わらない害があるのではないかと予測しています(第7回参照)。使用者自身が、この新しいタバコのリスクについてよく知ってほしいと思います。多くの人が現在考えているよりも、加熱式タバコには大きな健康リスクがあるかもしれません。こういった私の話を聞いて、「タバコ会社にだまされた」と言って怒っていた人もいました。客観的な事実を知ることがどうするべきか、どうしたいかを考えるために重要です。タバコ会社が伝えている情報ではなく、今の段階で客観的に分かっていることを十分に知ってもらって、これからも加熱式タバコを吸い続けるかどうか考えてほしいと思います。「紙巻タバコと加熱式タバコの両方を吸っている人に伝えたいこと」実は、加熱式タバコを吸っている人の多くが、紙巻タバコをやめられないままでいます。加熱式タバコを吸うようになったきっかけはさまざまですが、下記のような理由の人が多くいます:(1)禁煙しようと思って(2)紙巻タバコよりも害が少ないと思って(3)誰かと一緒にいるときは受動喫煙が減るようにと配慮してこういった害を減らそうという意図から新型タバコを吸っている人が多くいます。しかしその一方で、(4)タバコを吸いにくい場所でも吸うために、新型タバコを購入したという人もいます。(4)の理由で吸っている人は、どうしてもタバコをやめられないと諦めているのかもしれません。本人がやめる気にならなければ、当然やめることは難しくなります。こういった場合に私がいつも話すのは、「何かを少し伝えて、あなたがタバコをやめるようにできるとは全く考えていません。いつかタバコをやめたいと思ってもらえるように、タバコ問題に関する本人の理解や、環境の整備が進むように少しずつでも支援していきたいと思っています」ということです。タバコが値上げされたり、職場や家庭が禁煙化されるなどタバコを取り巻く環境を変えることができれば、タバコをやめる動機とできるかもしれません。すぐに行動を変えてもらうのは難しいと理解していますが、こういった人にぜひ伝えてほしいのは、ニコチン依存症についてです(第9回参照)。なぜなら、ニコチンへの依存をより強化してしまう行動をとっている状況だと言えるからです。繰り返しになりますが、ニコチン依存症は本当にこわい病気です。ニコチンは、うれしい気持ちや楽しい、おいしいといったことを感じなくさせて、幸せを奪っています。人は、タバコに関する正しい理解を得るとともに禁煙することに意欲を持つようになります。それを阻んでいる代表的要因がニコチン依存といえるでしょう。ニコチン依存等についても詳しく書かれた、禁煙するために役立つ良書*1が多くあります。本人に禁煙する意欲が出た場合には、ぜひこれらの本も参考にしていただければと思います。タバコについてしっかりと理解することで、禁煙の意欲が湧き、タバコを再び吸うことからも自分を守れるようになります。*1:川井治之『頑張らずにスッパリやめられる禁煙』サンマーク出版、磯村毅『「吸いたい気持ち」がスッキリ消える リセット禁煙』PHP文庫、アレン・カー『禁煙セラピー』KKロングセラーズ社、など前述の(1)~(3)の理由で加熱式タバコを吸っていて、紙巻タバコをやめられないという方に、最も理解してほしいことは、紙巻タバコは1日1本でも吸っていたら大きな健康被害が出てしまうということです。1本など少数であっても、長期間タバコを吸うということが非常に有害なのです。ですから、もし加熱式タバコの健康被害の程度が紙巻タバコよりも低いとしても、紙巻タバコを併用して吸っていると健康被害を減らせないものと予測されます。できれば、タバコは全部やめてほしいところですが、まずは紙巻タバコを完全にやめてほしいと思います。第15回は、「医師団体・政治家・行政担当者のための新型タバコに対処する方法」です。

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日本人2型糖尿病患者における経口血糖降下薬使用とうつ病リスク~コホート研究

 2型糖尿病(T2DM)は、うつ病のリスク因子だといわれている。脳内のインスリン抵抗性は、うつ病の潜在的な役目を果たすため、T2DM患者の将来のうつ病リスクは、T2DM治療に使用される経口血糖降下薬(OHA)の種類によって変わる可能性がある。日本大学の秋元 勇人氏らは、特定の種類のOHAがT2DMに併存するうつ病リスクと関連しているかについて、検討を行った。Pharmacology Research & Perspectives誌2019年11月21日号の報告。 主な結果は以下のとおり。・日本人T2DM患者4万214例、うつ病群1,979例と非うつ病群3万8,235例に分類した。・うつ病発症のオッズ比(OR)は、以下においてDPP-4阻害薬のほうが有意に低かった。 ●年齢(10年間の調整OR[AOR]:1.03、95%信頼区間[CI]:0.99~1.07、p=0.1211) ●性別(女性のAOR:1.39、95%CI:1.26~1.53、p<0.0001) ●HbA1c(1.0%のAOR:1.18、95%CI:1.11~1.26、p<0.0001) ●T2DMの罹病期間(1年間のAOR:1.00、95%CI:0.99~1.01、p=0.4089) ●7つの症状歴(AOR:0.31、95%CI:0.24~0.42、p<0.0001)・他の種類のOHAでは、有意な関連は認められなかった。 著者らは「T2DM治療に対しDPP-4阻害薬を使用することは、うつ病リスクの低さと関連している」としている。

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閉経後ルミナールB乳がんへの術前療法、ribociclib+レトロゾール併用が有望(CORALLEEN)/SABCS2019

 ホルモン受容体陽性/HER2陰性(HR+/HER2-)の閉経後乳がんに対する術前療法として、ribociclibとレトロゾールの併用投与が、術前化学療法と同様の効果を示す可能性があるとの試験結果が、サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2019)で、スペインInstituto Valenciano de OncologiaのJoaquin Gavila氏より発表された。この結果はLancet Oncology誌オンライン版2019年12月11日号に同時掲載された。 本試験(CORELLEEN試験)は、2017年7月~2018年12月にスペイン国内(21施設)で実施された、オープンラベル無作為化比較の第II相試験である。・対象:Stage I~IIIAのHR+/HER2-ルミナールBタイプの閉経後乳がん患者(ルミナールBタイプは遺伝子発現プロファイル検査法PAM50で判定)・試験群:ribociclib+レトロゾール群(R群) 52例・対照群:ドキソルビシン+シクロホスファミド後にパクリタキセル逐次投与群(CT群) 54例・評価項目:[主要評価項目]手術時にPAM50によりROR(Risk Of Recurrence)-lowと判定される割合[副次評価項目]組織学奏効率(pCR)、残存腫瘍量(RCB)とPEPI(Preoperative Endocrine Prognostic Index)スコア、PAM50によるサブタイプ変化、奏効率、QOL、安全性、バイオマーカー検索など 両群共に6ヵ月の投薬期間後に手術を施行。ROR-Lowの判定は、リンパ節転移陰性(n0)の場合、RORスコア40以下、リンパ節転移1~3個(n1-3)の場合、15以下とした。同様にn0でRORスコアが41~60、n1~3で16~40をIntermediateとした。 主な結果は以下のとおり。・遺伝子検査の解析対象はR群49例、CT群51例であった。・手術時のROR-lowの割合は、R群46.9%(95%信頼区間[CI]:32.5~61.7)、CT群:46.1%(95%CI:32.9~61.5)であった。・RORスコアの中央値は、R群18、CT群25であった。中央判定によるKi67の中央値は、R群3、CT群10であった。・pCR率はR群0%(95%CI:0~7.2)、CT群5.8%(95%CI:1.4~16.6)、PEPIスコア0はR群22.4%(95%CI:11.7~36.6)、CT群17.3%(95%CI:8.6~31.4)であった。・手術時におけるサブタイプ変化は、R群の87.8%、CT群の82.7%がルミナールAとなっており、ルミナールBはR群で8.2%、CT群で15.4%であった。・ベースラインと薬剤投与15日目のRORの変化を見たところ、R群の1例以外はすべて減少しており、CT群に比べ大きなRORの低下がみられた。・Grade3以上の有害事象(AE)の発現率は、R群で56.9%、CT群で69.2%、重篤なAEはR群で3.9%、CT群で15.4%であった。また、AEによる投与中止はR群で15.7%、CT群で19.2%であった。Gavila氏はSABCSのプレスリリースで、「ハイリスクのルミナールB乳がん患者に対するribociclibとレトロゾールの併用による術前内分泌療法は有害事象も少なく、術前化学療法と同等の臨床的効果があり、今後は術前化学療法にとって代わる可能性がある」と述べている。

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乳房温存手術後の同側再発の抑制に、加速乳房部分照射は有効か/Lancet

 乳房温存手術後の放射線療法において、温存乳房内再発(IBTR)の予防に関して、加速乳房部分照射(APBI)の全乳房照射(WBI)に対する非劣性が示された。ただし、APBIでは急性毒性の発現は少ないものの、中等度の晩期有害事象の増加と整容性不良が認められた。カナダ・マックマスター大学およびJuravinski Cancer CenterのTimothy J. Whelan氏らが、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドのがんセンター33施設で実施した多施設共同無作為化非劣性試験「RAPID試験」の結果を報告した。WBIは、整容性が良好で局所再発を低下させるものの、乳房温存手術後3~5週間にわたり1日1回照射が必要であることから、より簡便な方法として腫瘍床に1週間照射するAPBIが開発された。Lancet誌2019年12月14日号掲載の報告。乳がん患者2,135例をAPBI群とWBI群に無作為化、IBTR率を評価 研究グループは、乳房温存手術を受けた非浸潤性乳管がんまたはリンパ節転移陰性の40歳以上の乳がん患者を、APBI群(38.5Gy/10回、1日2回で5~8日間)またはWBI群(42.5Gy/16回、1日1回21日間、または50Gy/25回、1日1回35日間)に1対1の割合で無作為に割り付けた(非盲検)。 主要評価項目はIBTRで、APBIのWBIに対する非劣性マージンは、IBTRハザード比(HR)の両側90%信頼区間(CI)上限値が2.02未満とした。 2006年2月7日~2011年7月15日に2,135例が登録され、APBI群1,070例、WBI群1,065例に無作為化された。APBI群のうち6例は治療前に同意撤回、4例は放射線治療を受けず、16例はWBIを受け、WBI群では16例が同意撤回、2例が放射線治療を受けなかった。また、追跡不能および追跡期間中の撤回が、APBI群で14例および9例、WBI群でそれぞれ20例および35例であった。APBIはWBIに対して非劣性 追跡期間中央値8.6年(IQR:7.3~9.9)において、8年累積IBTR率はAPBI群で3.0%(95%CI:1.9~4.0)、WBI群で2.8%(95%CI:1.8~3.9)であった。WBIに対するAPBIのHRは1.27(90%CI:0.84~1.91)であり、非劣性が認められた。 急性放射線毒性(放射線療法開始後3ヵ月以内、Grade2以上)の発現率は、APBI群(28%、300/1,070例)がWBI群(45%、484/1,065例)より有意に低かった(p<0.0001)。 一方、晩期放射線毒性(3ヵ月以降、Grade2以上)の発現率は、APBI群(32%、346/1,070例)がWBI群(13%、142/1,065例)より有意に高かった(p<0.0001)。 また、整容性不良(fairまたはpoor)の患者の割合も、APBI群がWBI群より3年時(絶対群間差:11.3%、95%CI:7.5~15.0)、5年時(16.5%、12.5~20.4)および7年時(17.7%、12.9~22.3)のいずれにおいても高率であった。

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年1~2回の芸術活動が寿命に好影響/BMJ

 美術館やコンサートに行くといった受容的芸術活動(receptive arts engagement)は、高齢者の寿命に保護的作用をもたらす可能性が示された。同活動を1年に1~2回行う人は、まったく行わない人に比べて死亡リスクが約14%低く、2~3ヵ月に1回行う人では31%も低かったという。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのDaisy Fancourt氏らが、50歳以上の住民6,710例を約14年間追跡したデータを解析して明らかにした。なお示された関連性について著者は、「芸術活動をする人としない人における認知レベル、メンタルヘルス、身体活動度の違いによって部分的に説明はできそうだが、それらの因子を補正したモデルでも関連性は維持されていた」と検証結果を報告し、今回の観察的試験では要因を仮定するには至らなかったと述べている。BMJ誌2019年12月18日号のクリスマス特集「EXPRESS YOURSELF」より。美術館やコンサートに行く「受容的芸術活動」頻度と死亡率を検証 研究グループは、地域で暮らす50歳以上を対象に行った「English Longitudinal Study of Ageing:ELSA」の被験者のうち、2004~05年にベースラインの質問に回答した6,710例を対象に前向きコホート試験を行い、被験者の自己報告による受容的芸術活動(美術館、アートギャラリー、展覧会、劇場、コンサートやオペラに行く)と死亡率との関連を調査した(死亡の最終データ取得は2018年3月)。 被験者のうち女性は53.6%、平均年齢は65.9歳(標準偏差:9.4)だった。死亡率との関連はNHSの中央レジスタデータを利用して評価した。年1~2回活動で死亡リスク14%低下、2~3ヵ月に1回は31%低下 平均追跡期間は12年2ヵ月で、最長は13.8年だった。その間に2,001例(29.8%)が死亡していた。死亡者は、女性よりも男性で多く、また高齢、独居、学歴がなく、現在無職で、財産・職業ステータスは低い傾向がみられた。さらに死亡率は、抑うつ症状が高く、視力・聴力が弱く、がん・肺疾患・心血管疾患と診断されていた人・その他慢性症状がある人、運動をあまりしない人、飲酒はきわめてまれな人、および喫煙をしていた人で高かった。また、認知レベルは低く、孤立しており、親密な友人がおらず、独居、無趣味、社会的活動への参加はまれ、地域のグループとの関わりがない人でも高かった。 死亡数は、受容的芸術的活動をまったく行わない人(1,762例)では837例(47.5%)だったのに対し、まれ(1年に1~2回)でも同活動を行っていた人(3,042例)は809例(26.6%)で、追跡期間中どの時点でも死亡リスクは約14%低かった(ハザード比[HR]:0.86、95%信頼区間[CI]:0.77~0.96)。 同活動を頻繁(2~3ヵ月に1回)に行っていた人(1,906例)の死亡は355例で、まったく行わない人に比べて死亡リスクは約31%低かった(HR:0.69、95%CI:0.59~0.80)。 同活動は、人口統計学的・社会経済的要因、健康関連・行動学的要因、社会的要因とは独立した要因であることが認められ、感度分析の結果、性別、社会経済学的状態、社会的要因による影響は受けないことが確認された。

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今もしも自分がブラック・ジャックの患者だったら

 2019年9月、神奈川県横浜市は、医療現場で生じるコミュニケーションギャップの改善を目的に、医療現場における“視点の違い”を描く「医療マンガ大賞」を募集した。同年12月、その受賞作決定を記念したアフタートークイベントでは、「SNS医療のカタチ」所属医師4人と写真家の幡野 広志氏が、それぞれの視点で医療漫画について語った。 中学時代から『ブラック・ジャック』を何度も読んだという写真家・幡野 広志氏は、「病気になってからブラック・ジャックを読んだら、結構つらかった」という。その真意とは?第2回 患者になって『ブラック・ジャック』を読んだらつらかった話https://www.carenet.com/useful/medmanga/cg002553_002.html 患者と医療従事者の間に生じるコミュニケーションギャップは、誰もが少なからず感じたことがあるだろう。「医療マンガ大賞」では、患者・医療従事者の実体験に基づくエピソードが、患者視点・医療従事者視点のそれぞれで漫画化されている。 本イベントでは、今日診た患者さんの話から終末期の対応まで、日々患者と向き合う医師の本音が語られた。医療マンガ大賞受賞記念イベントレポートhttps://www.carenet.com/useful/medmanga/cg002553_index.html

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ニボルマブ・イピリムマブ併用、非小細胞肺がんに対する国内承認申請/小野・BMS

 小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブは、2019年12月25日、PD-1モノクローナル抗体ニボルマブ(商品名:オプジーボ)とCTLA-4モノクローナル抗体イピリムマブ(商品名:ヤーボイ)について、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに対する両剤の併用療法に係る国内製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったと発表。 今回の承認申請は、小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブ社が、化学療法未治療のStageⅣまたは再発の非小細胞肺がん患者を対象に実施した国際共同非盲検無作為化第III相臨床試験(CheckMate-227試験)の Part1の結果などに基づいている。本結果において、ニボルマブとイピリムマブの併用療法は、化学療法と比較して、主要評価項目の1つであるPD-L1発現レベルが1%以上の患者における全生存期間の有意な延長を達成している。

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TAVRのデバイス性能は製品によって差がある(解説:上妻謙氏)-1160

 経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)は、重症大動脈弁狭窄症に対する治療として数々の外科手術との無作為化比較臨床試験が行われてきて、すでに手術リスクの程度にかかわらず外科手術よりも安全であることが証明され、世界中で適応が拡大されてきている。しかし今までTAVRのデバイス同士の比較が行われた大規模研究は少なく、デバイスごとの成績の差違は明らかではなかった。 本SCOPE I試験は、現在のスタンダードデバイスであるSAPIEN 3と自己拡張型デバイスであるACURATE neoを1対1にランダマイズして比較したもので、75歳以上のSTSスコアの平均が3.5と中等度から低リスク患者を中心に739例がエントリーされた。プライマリーエンドポイントはVARC-2という弁膜症治療における有効性と安全性の30日成績で、具体的には全死亡、脳卒中、生命を脅かす出血、重大な血管合併症、PCIを要する冠動脈閉塞、急性腎障害、弁膜症症状または心不全による再入院、再治療を要する人工弁不全、中等度以上の弁逆流、あるいは狭窄の複合エンドポイントである。 結果はACURATE neo群24%、SAPIEN 3群16%で、非劣性は証明されず、SAPIEN 3のほうが有意に良好な成績であった。ただし死亡、脳卒中は差がなく、主に差があったのは急性腎障害と人工弁逆流の割合であった。人工弁逆流の差はSAPIEN 3に逆流防止のスカートが付いている効果と考えられ、腎障害の頻度の差はACURATE neo群で手技時間が長く造影剤使用量が多かったことによると考察されている。代わりにSAPIEN 3はACURATE neoに比べ残存圧較差が大きく、有効弁口面積が小さくなった。ACURATE neoは弁輪を拡張する力が弱く、ペースメーカーが必要になる症例が少ないといわれているが、ペースメーカー植え込み率も10%対9%と違いがなかった。 複合エンドポイントでの差で、ハードエンドポイントには差がなかったが、このようなデバイスによる成績の差がはっきりと示された臨床試験は近年では珍しい。実際に本研究も非劣性を検証するデザインであり、同等になるとの仮説であった。冠動脈の薬剤溶出ステント同士の比較試験で同等の成績ばかりが続いており、薬剤溶出ステントは成熟したデバイス市場であることが示されてきたが、TAVRのデバイスに関してはその製品差が大きいことをうかがわせる。しかしACURATE neoのシステムも今後逆流防止のスカートが付く予定で、手技時間が短縮するようなデバイスの改良が進めば、性能が追いつき、むしろ有効弁口面積を大きくとれるメリットも活かせる可能性があり、今後のデバイス進歩に有用な情報が得られたといえる。

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最近の話題:アテゾリズマブ+Chemoの肺がん1次治療、FDAで承認【侍オンコロジスト奮闘記】第85回

第85回:最近の話題:アテゾリズマブ+Chemoの肺がん1次治療、FDAで承認West H, et al. Atezolizumab in combination with carboplatin plus nab-paclitaxel chemotherapy compared with chemotherapy alone as first-line treatment for metastatic non-squamous non-small-cell lung cancer (IMpower130): a multicentre, randomised, open-label, phase 3 trial.Lancet Oncol. 2019;20:924-937.FDA、非扁平上皮NSCLCの初期治療にアテゾリズマブ+化学療法を承認/Roche

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第32回 血管拡張薬による頭痛、潰瘍はどれくらいの頻度で生じるのか【論文で探る服薬指導のエビデンス】

 血管拡張薬による薬剤誘発性頭痛は比較的よく知られている副作用で、私も患者さんから強度の頭痛について相談されたことが何度もあります。NSAIDsを併用することもありますが、効果が不十分なケースもあるため対応に困ることがありました。今回は、血管拡張薬の中でも特徴的な作用を持つニコランジルについて紹介します。頭痛のため9人中1人は脱落ニコランジルを用いた長期のプラセボ対照二重盲検ランダム化比較試験として、5,126例(平均年齢67歳)を組み入れて、平均1.6年追跡したIONA試験があります1)。これはニコランジル唯一の大規模ランダム化試験で、組み入れ基準は、男性は45歳以上、女性は55歳以上、心筋梗塞、冠動脈バイパス術の既往または過去2年間の運動負荷試験陽性例で、次のリスク因子のうち少なくとも1つを有する被験者でした。条件:心電図による左室肥大、EF≦45%、拡張終期径>55mm、糖尿病、高血圧、その他の血管疾患薬局では、心臓カテーテル治療によりステントを留置している患者さんの対応も多いと思いますが、この試験の対象ではないことに注意が必要です。介入群はニコランジル10mg×2回/日を2週間服用後、20mg×2回/日に増量した2,565例で、比較対象はプラセボ服用の2,561例でした。いずれの群もベースラインで他の標準療法(抗血小板薬、β遮断薬、Ca拮抗薬、スタチンおよびACE阻害薬)を受けています。主解析項目は、冠動脈心疾患死、非致死性心筋梗塞、胸痛による緊急入院の複合エンドポイントで、ニコランジル群337例(13.1%)、プラセボ群398例(15.5%)で、ハザード比:0.83、95%信頼区間[CI]:0.72~0.97、p=0.014でした。NNTは100/(15.5-13.1)≒42ですので、複合エンドポイントでは有意差が出ています。しかし、中に入っている各イベント自体は同列に扱えるものではないことに留意が必要です。二次解析項目では、冠動脈性心疾患死および非致死性心筋梗塞を見ています。こちらはニコランジル群107例(4.2%)に対してプラセボ群134例(5.2%)で、ハザード比:0.79、95%CI:0.61~1.02、p=0.068と有意差はありませんでした。総死亡はハザード比:0.85、95%CI:0.66~1.10と減少傾向であるものの、こちらも有意差はありませんでした。頭痛による脱落は、プラセボ群の81例(3.1%)に対して、ニコランジル群では364例(14.2%)ですので、9人服用すれば1人が頭痛で脱落するという計算になります。本研究に限った話ではないのですが、このように副作用の頻度に偏りが大きいと事実上盲検化が維持できないケースもあります。高用量であるほど潰瘍が早期にできて治りにくい添付文書に頻度不明の副作用として記載がある潰瘍の頻度については、IONA試験の各種コホート研究およびIONA試験の著者から収集した未公表データを含めたシステマティックレビューが2016年に発表されています2)。ここでは、Kチャネル開口作用を持つニコランジルに特徴的な潰瘍について紹介されています。同文献によれば、口腔潰瘍は被験者の0.2%で発症し、肛門潰瘍は0.07~0.37%で発症するとされています。口腔潰瘍を発症するまでの期間は、30mg/日未満群では74週間であるのに対し、高用量群では7.5週間(p=0.47)と用量依存性がありました。また、用量と潰瘍治癒時間にも有意な相関関係がみられています。重症の場合は医師と相談のうえで中止されることがあるため、口内炎が悪化するようなら報告を求めるよう伝える必要があります。実際に口腔内や舌に生じた潰瘍の症例報告の文献がありますが3)、ニコランジルを中止後4週間前後で治癒しています。まれな副作用ではありますが、同文献内に症例写真が掲載されていますので、ご覧いただきイメージをつかむとよいと思います。1)IONA Study Group. Lancet. 2002;359:1269-1275.2)Pisano U, et al. Adv Ther. 2016;33:320-344.3)Webster K, et al. Br Dent J. 2005;198:619-621.

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カワイイかふぇ【Dr. 中島の 新・徒然草】(304)

三百四の段 カワイイかふぇ中島「昨日はどこに泊まったのですか?」チャットフィールド姉妹「ナンバ。オオサカの」中島「またディープなところでんな。それでどっかに行きました?」姉妹「 “カワイイかふぇ” に行った」中島「何それ、マニアックすぎる!」“カワイイかふぇ” のところだけ日本語でした。チャットフィールド姉妹はイギリスの家庭医です。第14回医療の質・安全学会学術集会の招請講演者として来日されました。「日本は初めて」と言いながら、日本人のわれわれも知らないところを探検してきたようです。学会で隣の席になったのは、ノルウェーから来日した訪問看護師のリネさん。中島「リネさん、京都に来るまでにはどこか寄りましたか?」リネ「ええ、横浜と仙台と高知です。看護の集まりで講演してきました」中島「ちょっとちょっとちょっと! それ、訪問しすぎや」リネ「ノルウェーの人も魚を食べるけど、日本にはいろいろな料理法があるのね」中島「日本にいる間にぜひ魚を楽しんでください」外国から来た人と調子良く話すには、その国を誉めるに限ります。スウェーデンから来たヨハン先生には「誉める作戦」でいきました。中島「ヨハン先生、日本は初めてですか?」ヨハン「そうなんだ。昨日はラーメンを食べたよ」中島「ええーっ、いきなりラーメンすか!」ヨハン「俺が食べたラーメンの写真を見てくれ」中島「な、なるほど」ヨハン「何を食べても美味しいし、いい国だなあ日本は」中島「いやいやいや、スウェーデンも偉大な国ですよ」ヨハン「来てくれたことがあるのか!」中島「行ったことはないんですけど」ヨハン「なんじゃ、そら」中島「私は卓球をしていましたからね、私にとってスウェーデンは特別な国です」あまり知られていませんが、卓球王国の中国に何度も煮え湯を飲ませたのがスウェーデンです。中島「ちょうどベンクソンが世界チャンピオンになった年に、私は卓球を始めました」ヨハン「おお、ベンクソンか!」中島「ベンクソンは僕のヒーローです」ステラン・ベンクソンは1971年、名古屋で行われた世界卓球選手権で優勝しました。18歳のベンクソンが、決勝で前回チャンピオンの伊藤繁雄に勝ったのをテレビで見て、「卓球だ、俺も卓球をやるしかない!」と中学生になったばかりの私は心に誓ったのでした。中島「そしてワルドナーですね」ヨハン「ワルドナーか、彼もスウェーデンの英雄だよ」100年に1人の天才と称されたヤン=オベ・ワルドナーは、同僚のヨルゲン・パーソンと共に、何年にも渡って中国の前に立ちはだかり、その優勝を阻んできました。全く無駄のないワルドナーのプレーは、もしAIに卓球をやらせたらこうするんじゃないか、と思わせるようなものでした。ヨハン「知ってるか? ワルドナーは中国でもすごく尊敬されているんだ。なんせ人民元に顔が印刷されたことのある外国人は、彼ともう1人しかいないからな」中島「すごいですね! ちなみにもう1人というのは?」ヨハン「スターリンだよ」中島「スターリンに匹敵するインパクトがあるのか、ワルドナーは!」ヨハン先生は、学会が終わったら大阪でお好み焼きを食べ、広島に向かって出発しました。なんちゅう行動力、初めての日本とは思えん!それにしても皆さん、「地球の裏側にこんな楽しい国があるとは、知らんかった」と御満悦でした。私も外国の人としゃべると、視野が広まるような気がします。どの国の人に対しても「誉める作戦」で話が弾むよう、普段から知識を蓄えておくといいですね。それでは今年最後の1句外国は とにかく誉めよ 誉め倒せ2019年、私にとっては激動の1年でしたが、何とか乗り切ることができそうです。読者の皆様もよい年をお迎えください。

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乳がん病期分類と微量栄養素の関係

 乳がん治療は、治療法の種類によって酸化ストレスレベル増加や抗酸化物質の枯渇を招く可能性がある。乳がんの病期分類が進行するにつれて、血清の微量栄養素濃度の有意な低下がみられることが、ブラジル・リオデジャネイロ連邦大学のCintia Rosa氏らの調査で明らかとなった。「微量栄養素間の相乗効果は、利益を最大化し、正常細胞への照射の悪影響を最小化するために考慮されなければならない」と報告している。Nutrients誌オンライン版2019年12月4日号掲載の報告。 研究グループは放射線治療前の乳がん患者を対象とした横断観察研究を行い、乳がんの病期分類(TNM分類)と微量栄養素(レチノール、β-カロテン、亜鉛)の血清濃度の相関関係を調査、放射線治療前に行われるさまざまな治療法とこれらの微量栄養素間の相乗効果について検討した。患者は、グループ1:乳房温存手術、グループ2:化学療法のみ、グループ3:乳房温存手術と化学療法の3グループに割り付けられ、それぞれのグループにおいて、レチノール、β-カロテン、および亜鉛の血清濃度を定量化した。 主な結果は以下のとおり。・230例の患者を評価した。・疾患の病期分類が進行するにつれ、微量栄養素の血清濃度が低下した。・手術のみの場合でも、レチノールは血清濃度に大きな悪影響を及ぼした。・放射線治療前の治療を考慮すると、手術のみと術後化学療法を受けている患者では、β-カロテンとレチノールの欠乏率が高かった。・亜鉛、レチノール、およびβ-カロテンの濃度間に正の相関があり、これらの微量栄養素間の相乗効果が示された。

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統合失調症に対する長時間作用型持効性注射剤の無作為化試験のレビュー

 ドイツ・シャリテ医科大学のLuisa Peters氏らは、統合失調症に対する長時間作用型持効性注射剤抗精神病薬(LAI)について、2016年1月~2019年3月に公表されたランダム化比較試験(RCT)データのレビューを行った。Current Psychiatry Reports誌2019年11月19日号の報告。 主な結果は以下のとおり。・RCT 31件(1次研究:7件、事後解析:24件)、4,738例が抽出された。内訳は、プラセボ対照研究は11件(1,875例)、経口抗精神病薬(OAP)との比較試験7件(658例)、LAI同士の比較試験13件(2,205例)であった。・LAIには、aripiprazole lauroxil nanocrystal dispersion、皮下注射可能なリスペリドン製剤、aripiprazole lauroxil、アリピプラゾール1ヵ月製剤、パリペリドン1ヵ月製剤、paliperidone 3ヵ月製剤、リスペリドンLAIが含まれていた。・再発および入院の予防に関して、LAIは、プラセボよりも有用であり、OAPより部分的に優れていた。また、LAI間で違いは認められなかった。・LAIは、すべての原因による中止、機能、QOL、忍容性に関して、OAPと同等であり、患者満足度およびサービスへの関与が高かった。 著者らは「最近のメタ解析では、さまざまな結果が得られていたが、LAIよりもOAPを優先すべきとの結果には至らなかった。RCTでは、LAIは、プラセボより優れ、OAPよりも部分的に優れていた。LAIとOAPの有効性比較については、さらなる研究が求められる」としている。

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大幅なスピード違反、高級車が多い診療科は?/BMJ

 医師の運転時のスピードや高級車の所有率は、診療科によって異なるのだろうか。米国・ハーバード大学メディカルスクールのAndre Zimerman氏らがスピード違反の切符を切られた医師を対象とした観察研究で、大幅なスピード超過で切符を切られる可能性が高い診療科や、高級車の所有率が高い診療科を調査した。BMJ誌2019年12月18日号(クリスマス特集号)に掲載。 本観察研究の対象は、2004~17年に米国フロリダ州でスピード違反のチケットを切られた医師5,372人と医師以外の1万9,639人。年齢および性別を調整後、制限速度より20mile/時(32.19km/時)を超える大幅なスピード違反、高級車の所有、警察官による違反切符の減免割合を診療科ごとに調査した。 主な結果は以下のとおり。・20mile/時を超える大幅なスピード違反で運転していたドライバーの割合は、違反切符を切られた医師および医師以外で同じだった(26.4% vs.26.8%)。・違反切符を切られた医師の中では、精神科医が大幅なスピード違反で罰金を科される可能性が最も高かった(基準とした麻酔科医に対する調整オッズ比は1.51、95%信頼区間[CI]:1.07〜2.14)。・違反切符を切られたドライバーの中で、循環器科医が最も高級車の所有が多く(違反切符を切られた循環器科医で高級車を所有する割合は40.9%、95%CI:35.9~45.9%)、救急科、家庭医療、小児科、一般外科、精神科の医師では少なかった(例として、家庭医で高級車を所有する割合は20.6%、95%CI:18.2〜23.0%)。・警察官が違反切符を切る際に速度の数字を減らして、罰金額が上がる値のすぐ下の速度を記録することは多くみられたが、その割合は診療科ごと、また医師と医師以外で差はなかった。 今回の観察研究では、スピード違反切符を切られた医師の中で、精神科医が大幅なスピード違反の割合が最も高く、循環器科医が高級車を運転している割合が最も高かった。

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アナストロゾール5年投与の乳がん予防効果、11年後も(IBIS-II)/Lancet

 乳がん発症リスクが高い閉経後女性において、アナストロゾールの予防効果は投与終了後も長期にわたり維持されており、新たな遅発性の副作用は報告されなかったことが、英国・ロンドン大学クイーン・メアリー校のJack Cuzick氏らによる長期追跡試験「IBIS-II試験」で示された。「MAP.3」および「IBIS-II」の2件の大規模臨床試験において、アロマターゼ阻害薬投与後最初の5年間で高リスク女性の乳がん発症率が低下することが報告されていたが、アナストロゾール投与終了後の長期的な乳がん発症率についてはこれまで不明であった。Lancet誌オンライン版2019年12月12日号掲載の報告。また同日、サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2019)にて発表された。アナストロゾール5年投与による乳がん発症率をプラセボと比較 IBIS-II試験(International Breast Cancer Intervention Study II)は、乳がん高リスク閉経後女性におけるアナストロゾールの乳がん(浸潤性乳がんまたは非浸潤性乳管がん)に対する発症予防効果および安全性を評価する、国際多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験である。 研究グループは、2003年2月2日~2012年1月31日の間に、40~70歳の乳がん発症高リスク閉経後女性(一般女性に対する乳がん相対リスクが40~44歳は4倍以上、45~60歳は2倍以上、60~70歳は1.5倍以上)3,864例を、アナストロゾール(1mgを1日1回経口投与)群(1,920例)またはプラセボ群(1,944例)に1対1の割合で無作為に割り付け、それぞれ5年間投与した。 治療完遂後、年1回追跡調査を行い、乳がん発症、死亡、その他のがんの発症、主要有害事象(心血管イベントおよび骨折)に関するデータを収集した。主要評価項目は、すべての乳がん発症で、Cox比例ハザードモデルを用いてintention-to-treat解析を行った。アナストロゾール群で追跡期間約11年の乳がん発症率が49%低下 追跡期間中央値131ヵ月(IQR:105~156)において、乳がん発症率はアナストロゾール群で49%減少した(85例vs.165例、ハザード比[HR]:0.51、95%信頼区間[CI]:0.39~0.66、p<0.0001)。 アナストロゾール群の乳がん発症率の低下は、最初の5年間が大きかったが(35例vs.89例、HR:0.39、95%CI:0.27~0.58、p<0.0001)、5年以降も有意であり(新規発症例:50例vs.76例、HR:0.64、95%CI:0.45~0.91、p=0.014)、最初の5年間と5年以降とで有意差はなかった(p=0.087)。 エストロゲン受容体陽性浸潤性乳がんの発症率はアナストロゾール群で54%低下し(HR:0.46、95%CI:0.33~0.65、p<0.0001)、治療完遂後に有意な効果が持続した。非浸潤性乳管がんはアナストロゾール群で59%低下し(HR:0.41、95%CI:0.22~0.79、p=0.0081)、とくにエストロゲン受容体陽性で著しかった(HR:0.22、95%CI:0.78~0.65、p<0.0001)。 観察された全死亡(69例vs.70例、HR:0.96、95%CI:0.69~1.34、p=0.82)、または乳がん死亡(2例vs.3例)について、アナストロゾール群とプラセボ群で有意差は確認されなかった。非乳がんの発症率は、アナストロゾール群で有意な低下が確認され(147例vs.200例、オッズ比:0.72、95%CI:0.57~0.91、p=0.0042)、とくに非黒色腫皮膚がんの発症率低下が大きかった。 骨折または心血管疾患のリスク増加は確認されなかった。 結果を踏まえて著者は、「さらなるフォローアップを行い、乳がん死亡への効果を評価することが必要だ」と述べている。

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spin(印象操作)研究のspin率は14%/BMJ

 試験の結果が有利に見えるように、曲解する、読者に誤解を与えるといった「spin」(印象操作)について、そのspinを研究した論文ではspinが認められるかを、オーストラリア・シドニー大学のLisa Bero氏らが調べた。結果は14%で認められたという。これまでに、spin研究者(PhDを持つ研究者やバイオメディカル研究者)が行ったspin研究では、さまざまな科学論文や試験デザインで幅広くspinが認められ、システマティックレビューによってspinのprevalence(有病率)中央値は、システマティックレビュー論文26%に対して試験論文では56%であることが示されていた。BMJ誌2019年12月18日号クリスマス特集号の「Sweet Little Lies」より。研究結果の表現や解釈のゆがみ、結果と解釈の不一致などがみられるかを調査 研究グループは、科学論文における35のspin研究論文を対象にメタ解析を行い、spin研究におけるspinを特定し“有病率”を調べた。 spinの定義は、(1)研究結果の表現や解釈をゆがめた報告や、まぎらわしい解釈を創作している、(2)結果と解釈が一致しておらず、解釈では良好であると示されているがデータや結果が伴っていない、(3)因果関係を試験デザインから導き出せない、(4)結果の過剰解釈や不適切な外挿が認められる、とした。14%という結果をどう解釈する? 35のspin研究のうち、spinが認められたのは5件(14%、95%信頼区間[CI]:4.8~30.3)だった。そのうち2件(質的改善介入試験または精神科治療試験のレビュー)は、spin定義の(1)研究結果の表現や解釈をゆがめた報告をしていた。また、3件(レビュー2件と横断研究1件)は、(4)結果の過剰解釈や不適切な外挿を行っていた。 この結果について著者は、「Conclusion」として、「spinはspin研究でも起きていることが示された。このトピックに関する研究者は、自分たちの所見のspinに対して敏感でなければならない。われわれの研究は、厳密な介入の必要性を否定するものではなく、さまざまな研究分野のspinを減らすためのものである」と述べている。 また同時に、「Conclusion with spin」として次のような“解釈”も示している。「spin研究でのspin発生は他のトピックの研究よりも少ないだろうという、われわれの仮説は証明された。spin研究者は他の研究者よりも、自分たちの解釈をspinすることはまれなようである。彼らが、研究報告におけるspinや無駄な研究を減らす介入を開始し検証できるよう、莫大なresources(資金)を投じるべきであろう」。

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