サイト内検索|page:922

検索結果 合計:35672件 表示位置:18421 - 18440

18421.

小児・思春期2型糖尿病患者におけるGLP-1受容体作動薬の有用性と安全性(解説:吉岡成人氏)-1111

 2019年6月、米国食品医薬品局(FDA)は10歳以上の2型糖尿病患者に対してGLP-1受容体作動薬であるリラグルチドの適応を承認した。米国において小児2型糖尿病治療薬が承認されるのは、2000年のメトホルミン以来のことである。 わが国における『糖尿病診療ガイドライン2016』(日本糖尿病学会編・著)には、小児・思春期における2型糖尿病の治療薬について、メトホルミン(10歳以上)とグリメピリドを除いた薬剤は「『小児などに対する安全性は確立していない』ことを本人ならびに保護者に伝え、使用に際しては説明に基づいた同意を得るようにする」と記載されている。 NEJM誌8月15日号に、基礎インスリンの併用の有無を問わず、メトホルミンによる治療を受けている小児・思春期2型糖尿病患者にリラグルチドを追加投与することの有用性について検討した成績が発表されている(Tamborlane WV, et al. N Engl J Med. 2019;381:637-646.)。10~16歳の患者135例を、リラグルチドを最大1.8mg/日まで追加投与する群とプラセボ群に分け、26週間二重盲検試験を行い、その後、非盲検試験として26週間延長して追跡を行っている。リラグルチド投与群では26週でHbA1cが0.64ポイント低下し、プラセボ群では0.42ポイント上昇しており、その差は-1.06ポイント、52週では群間の差が-1.30ポイントとなった。リラグルチド投与群では、嘔気、嘔吐、下痢など消化器系の有害事象が投与開始8週目までに多かったものの、小児・思春期糖尿病患者においてGLP-1受容体作動薬を併用することの血糖コントロール改善に対する有用性が確認されたと結論付けている。 2型糖尿病では経年的に膵β細胞の容積が減少し、それに伴い、インスリン分泌能が低下する。その要因として、膵β細胞のアポトーシスや分化転換(trans-differentiation)が関与していると想定されている。膵β細胞が脱分化し、α細胞などの非β細胞に分化するのではないかというのである。マウスのデータではあるが、GLP-1が膵α細胞を分化転換させ、膵β細胞を新生させるという実験成績もある(Lee YS, et al. Diabetes. 2018;67:2601-2614.)。膵細胞の分化転換に重要な役割を担っていると推定されるGLP-1 の受容体は多くの臓器に存在している。さまざまな臓器においてGLP-1受容体を長期にわたって刺激することの安全性は確立されておらず、膵腫瘍の発生リスクに関しても一定の結論は得られていない。 臨床の現場において、新たに、有用性が高い革新的な治療を行うことは重要であろうが、保守的であっても、安全性の高い医療を心掛ける姿勢も忘れてはならないのではなかろうか。

18422.

第17回 ワルド検定はハザード比の95%CIと同じ?【統計のそこが知りたい!】

第17回 ワルド検定はハザード比の95%CIと同じ?■ワルド検定(Wald test)ワルド検定は、説明変数がアウトカムに影響するかを検定する方法です。第15回、第16回の事例について、ワルド検定で処方薬剤や喫煙の有無が母集団において延命効果があったかを調べることができます。第15回、第16回の事例のワルド検定結果を表1に示します。表1 過去の事例のワルド検定結果p値<0.05は有意差あり、p値≧0.05は有意差なしです。第15回の処方薬剤のp値≧0.05より、処方薬剤とプラセボでは死亡率を低下させることに差が見られなかったといえます。また、第16回の喫煙の有無もp値≧0.05より、非喫煙と喫煙では死亡率を低下させることに差が見られなかったといえます(表2)。表2 ハザード比と信頼区間(95%CI)第16回でハザード比の95%CIの結果から、処方薬剤の95%CIは0.071~2.116で1を挟んでいるので製品Aはプラセボに比べ延命効果があったといえない、そして、喫煙の有無の95%CIは0.087~2.654で同じく1を挟んでいることから、非喫煙は喫煙に比べ死亡率を低下させるとはいえないとしました。このようにワルド検定の解釈とハザード比の95%CIの解釈は同じになります。■さらに学習を進めたい人にお薦めのコンテンツ「わかる統計教室」第3回 理解しておきたい検定セクション4 仮説検定の意味と検定手順セクション8 信頼区間による仮説検定セクション10 p値による仮説検定

18423.

医療ベンチャーバブルが弾けたとき、本物だけが残る【Doctors' Picksインタビュー】第2回

自治医科大学から地域医療の現場を経て米国・スタンフォード大学に渡り、研究と教育に携わってきた池野 文昭氏。本拠地を米国に置きつつ、日本において医療アントレプレナー育成プログラムの普及、政府系研究開発機関の支援、医療ベンチャーキャピタルの経営など、八面六臂の活躍を見せる。さらに、業務の合間を縫って日本全国の医学部、工学部、文系学部に赴き、起業を志す学生を鼓舞する。精力的な活動の根底にあるのは「医療という切り口で日本をデザインしたい」との思い。米国から見た日本の起業家教育・医療ベンチャーの現状と問題点を鋭く語る。――日本の医療ベンチャーに多方面から関わっていらっしゃいますが、現状をどうご覧になりますか?日本の医療ベンチャー界隈は、完全に「バブル」の様相を呈しています。これまで、コンシューマ系、ソーシャル・ネットワーク系の企業に投資されていた資金が「医療系なら有望では」といった曖昧な基準で流れ込み、会社の価値に対して時価総額が上がり過ぎているベンチャーが多数あります。医療は、医師などの資格を持った人間が購入し使用する「医業領域」、健康人が購入し使用する「ウェルネス領域」、そして、その中間に位置する「患者が購入し、使用する領域」(介護、福祉関連など)に分けられます。このうち、「ウェルネス領域」は、当局の許可を得る必要がないため参入障壁は低いですが、その分、レッド・オーシャンかつ新しい市場なので、なかなか持続性のあるビジネスモデルをつくることができません。逆に「医業領域」は、その専門性により、参入障壁は非常に高いですが、一度壁を乗り越えれば国の制度にのっとり、それなりの市場獲得が期待できます。しかし、ここでも、昨今の医療費高騰のあおりを受けて保険償還価格は下がっており、決してバラ色の未来が待っているわけではありません。こうした状況にもかかわらず、医療ベンチャーに資金が集まる理由はいくつかあります。1つ目は、医療ベンチャーの目利きをするベンチャーキャピタル(VC)が、その役割を果たせていないこと。その原因は「人材」です。米国では医療VCにはM.D.やPh.D.保有者が一定の割合で在籍しています。医療・科学の専門家とビジネス・投資の専門家、ときにはその両方の専門性を持つ人材が判断するからこそ筋の良いものだけが残る。しかし、日本はまだそうなっていません。2つ目は、プレーヤーの変化です。これまでの医療機器開発は「医業領域から患者・健康人向け領域へ」という道筋をたどってきました。たとえば、かつて医療者しか使えなかった血圧計は、患者・健康人向けの製品として普及しました。つまり、専門家向け製品を作るプレーヤーしか市場にいなかったのです。それが、今はスマホアプリやゲームをはじめ、健康人向けを起点としたプロダクトが多数あります。プレーヤーが多様になったのと同時に、これらのIT企業への投資で利益を得てきたVCも一緒に市場に入ってきた。これは非常に良いことではあるのですが、市場規模を誤って判断し、本来の市場規模を無視した投資も行われるようになったと感じます。3つ目は、国策です。2018年に経済産業省が「世界で戦い、勝てるスタートアップ企業を生み出す」ことをうたって「J-Startup」プログラムを開始しました。ここでは「2023年までに企業価値または時価総額が10億ドル以上となる未上場・ベンチャー企業(ユニコーン)または上場ベンチャー企業を20社創出」という目標を検討しているそうです。官の後ろ盾を得てさらに資金が集まりやすくなっている、という構造です。ここで思い出すのが、2001年に小泉 純一郎内閣の「骨太の方針」の一環として掲げられた「大学発ベンチャー1000社計画」です。実際、2006年までに1,600近いベンチャーが立ち上がったのですが、その多くは立ち消えとなりました。国策としてのベンチャー支援は重要ですが、数だけを追っても意味がないことを学んでいないのです。「数」とともに「規模」目標も疑問です。ソーシャル・ネットワーク系、ゲーム系、シェアエコノミー、自動運転などの領域では、企業価値10億ドル超の「ユニコーン」輩出も十分ありうると思いますが、医療系でこの規模を目指せ、というのは無理があります。国内の医療市場を考えるとおかしな企業価値になってしまい、結局ベンチャー自身の首を絞めることを危惧しています。――こうした状況は続くのでしょうか?市場の実態に見合っていないバブルですから、いつかは弾けます。米国でもTheranos(セラノス)の例がありました。2003年、19歳の若手創業者による「指先から採取した一滴の血液で200種もの疾病を検査できる」という画期的なプロダクトアイデアを基に登場した同社は大きな注目を集め、一時は時価総額が90億ドル(約1兆円)にもなりました。しかし、2015年に検査技術に疑念を呈す報道が出て、過去の検査結果を偽造していたことがわかり、創業者は不正に市場から資金を調達した罪で有罪となる見込みです。上がり続ける期待と集まり過ぎた資金に、技術力が付いていかなかったがための悲劇です。日本でもこうした例が出て市場が一気に冷え込んでしまうのでは、と懸念しています。ただ、バブルは悪いことばかりではありません。大型の株式上場や資金調達は国内外の注目を集めますし、資金が集まることで研究開発の裾野も広がるでしょう。大切なのはバブルが弾けた後、きちんと「本物」が残ることです。そのために、本当に画期的なアイデアと技術力のあるベンチャーを見極め、適切な規模の資金を調達し、身の丈に合った成長を支援していかねばなりません。私自身が関わる会社は、そうした本当のVCの役割を果たしてきたつもりです。――残る「本物」とは、どういったベンチャーでしょうか?私自身は、高い研究開発力を基盤とし、資金も時間もかけてプロダクトを開発する、医業領域の「ディープテック」を応援したいと考えています。製薬などもここに含まれるでしょう。これらの事業は開発に時間もお金もかかり、投資的な妙味は薄いかもしれません。しかし、成功すれば治らなかった病気が治るなど本当に世界を変えることができます。加えて、これからはAI技術を使って開発精度やスピードが格段に向上する可能性があることも大きなプラス材料です。一方、ウェルネス領域のアプリなどのビジネスは初期投資が少なく、専門性や技術力もそこまでは要しない。米国でもダイエットアプリを手掛ける企業が数え切れないほど登場しています。同国ではBMIが30%超の人が3割もいて「痩せ」は巨大な市場です。でも、実際の効果はどうでしょう? 1つのアプリでは効果が出ないので、次々にアプリを乗り換え、結果的に複数の会社のビジネスが成り立っている、というのが現状ではないでしょうか。これでは、ビジネスとしては成り立っていても、何ら社会に変化を与えていません。医療分野でビジネスをするなら、人を健康にし、社会を良い方向に変えることに寄与すべきだと思うのです。――日本でも多くのベンチャー支援や起業家教育に関わっていらっしゃいますね。日本のベンチャーを巡る環境に変化は出ていますが、米国とはまだ比べものになりません。例えるならば、オリンピック金メダリストと中学生代表くらいのレベル差がまだある。教育は非常に重要ですが成果が出るまで時間がかかりますし、ビジネスにも選挙の票にもなりにくいので後回しにされがちですが、今踏ん張って取り組めば、後からじわじわと効果が出てくるはずです。今、日本の15大学で客員教授を務め、帰国のたびに各地を回ってイノベーションにまつわる講義をしています。私が学生の頃は「起業」という選択はまったく現実味がありませんでしたし、ましてや「医師の起業」は、正気の沙汰ではないとされた時代です。しかし、今の学生は違います。起業を現実的な選択肢として捉える人が増えたことを実感します。ただ、起業は「手段」であって「目的」ではない。そこを勘違いしている方も多いので、「何の社会問題を解決するために起業するのか」と絶えず問い掛けるようにしています。――現役の医師に伝えたいことは?起業に興味がある方がいれば、ぜひトライしてみてほしい。もちろん向き不向きがありますから、皆にやれとは言いません。でも、皆さんは国内のトップライセンス、医師免許を持っています。仮に起業に失敗したとしても、食べてはいけるでしょう。その恵まれた立場を活かさない手はないと思うのです。このインタビューに登場する医師は医師専用のニュース・SNSサイトDoctors’ PicksのExpertPickerです。Doctors’ Picksとは?著名医師が目利きした医療ニュースをチェックできる自分が薦めたい記事をPICK&コメントできる今すぐこの先生のPICKした記事をチェック!私のPICKした記事Apple, Microsoft and Google to test new standard for patient access to digital health data – TechCrunch7月末に発表された「Apple、Google、Microsoftがヘルスデータに関する新標準規格をテストする」というニュース。日本でも健康診断結果や検査データを医療機関が共有したり、患者本人に閲覧・管理権限を与えたり、という試みは多く行われているが、規格統一やセキュリティの問題から、広がりに欠けるのが実情。巨大IT企業と米政府の推進で実用化にどこまで近づくか。関連サービスの広がりも期待できる。医師から関心も高く、多くのコメントが付いた。

18424.

StageIV NSCLC、全身治療に局所治療を併用するベネフィット

 非小細胞肺がん(NSCLC)は広がりやすい傾向にあり、診断時すでに55%の患者が遠隔転移を有するStageIVだとされる。全身治療が中心であるStageIVのNSCLCにおいて、ドイツ・ゲッティンゲン大学医療センターのJohannes Uhlig氏らは、National Cancer Database(NCDB)に登録された3万4,887例について解析し、全身治療単独よりも、原発腫瘍の外科的切除、もしくは体外照射療法または熱腫瘍アブレーション(EBRT/TA)との併用による、生存ベネフィット改善の可能性が示されたと発表した。JAMA Network Open誌2019年8月2日号掲載の報告。 研究グループは、StageIVのNSCLCの原発腫瘍に対する局所治療の追加が、全身治療単独よりも生存ベネフィットを上乗せするかを評価する検討を行った。NCDBの2018バージョンを後ろ向きに検索し、2010年1月1日~2015年12月31日に、病理組織学的にStageIVと診断されたNSCLCの患者を特定した。 2018年11月1日~2019年1月1日にデータを解析。(1)外科的切除+全身治療(手術併用群)、(2)EBRT/TA+全身治療(EBRT/TA併用群)、(3)全身治療単独について比較検討した。TAには、凍結療法とラジオ波凝固療法が含まれた。 主要評価項目は、全生存期間(OS)。多変量Cox比例ハザード回帰モデル法を用いて療法群間の比較検討を行い、その後に傾向スコアマッチング法にてEBRT/TA併用群と全身治療単独群について比較検討した。 なお治療割付は、人口統計学的因子およびがん特異的因子が関係しており、手術併用群への割付尤度は、オリゴメタスタシスのNSCLCで高かった。 主な結果は以下のとおり。・適格基準を満たした対象者は、3万4,887例であった。男性1万9,002例(54.4%)、年齢中央値68歳。・手術併用群835例、EBRT/TA併用群9,539例、全身治療単独群2万4,513例であった。追跡期間中央値は39.4ヵ月。・手術併用群のOSは他の2つの治療群と比べて有意に優れていた(EBRT/TA併用群に対するハザード比[HR]:0.62、95%CI:0.57~0.67、p<0.001、全身治療単独群に対するHR:0.59、95%CI:0.55~0.64、p<0.001)。・EBRT/TA併用群のOSは全身治療単独群と比べて有意に優れていた(HR:0.95、95%CI:0.93~0.98、p=0.002)。・交互作用の解析において、治療効果にはばらつきがあることが確認され、EBRT/TA併用は、T(腫瘍径)とN(リンパ節転移)が限定された腫瘍およびオリゴメタスタシスを有するStageIVの扁平上皮がんで、とくに生存ベネフィットをもたらした(HR:0.68、95%CI:0.57~0.80、p<0.001)。・同患者における全生存率(EBRT/TA併用vs.全身治療単独)は、1年時点で60.4% vs.45.4%、2年時点で32.6% vs.19.2%、3年時点で20.2% vs.10.6%であった。

18425.

成人軽症~中等症喘息の発作治療、ICS/LABA vs.SABA/Lancet

 軽症~中等症の成人喘息患者の治療では、症状緩和のためのブデソニド/ホルモテロール配合薬の頓用は、低用量ブデソニド維持療法+テルブタリン頓用に比べ、重度喘息増悪の予防効果が優れることが、ニュージーランド・Medical Research Institute of New ZealandのJo Hardy氏らが行ったPRACTICAL試験で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2019年8月23日号に掲載された。軽症の成人喘息患者では、発作時の単剤治療としての吸入コルチコステロイド(ICS)と即効性長時間作用性β2刺激薬(LABA)の配合薬は、短時間作用性β2刺激薬(SABA)による発作時治療に比べ、重度増悪の抑制効果が高いと報告されている。ICS/LABAとSABAの有用性を比較する無作為化試験 本研究は、ニュージーランドの15施設が参加した多施設共同非盲検無作為化対照比較試験であり、ブデソニド/ホルモテロール配合薬よる発作時治療と、低用量ブデソニド維持療法+テルブタリン(SABA)頓用の併用治療の有用性を比較する目的で実施された(ニュージーランド保健研究会議[HRC]の助成による)。 対象は、年齢18~75歳、患者が自己申告し、医師により喘息と診断され、割り付け前の12週間に発作時SABA治療単独、または発作時SABA治療+低~中用量の吸入コルチコステロイドによる維持療法を行っていた患者であった。 被験者は、ブデソニド/ホルモテロール配合薬(1噴霧中にそれぞれ200μgおよび6μgを含有、症状緩和のために必要時に1吸入)による治療を行うICS/LABA群、またはブデソニド(1噴霧中に200μg含有、1回1吸入、1日2回)+テルブタリン(1噴霧中に250μg含有、症状緩和のために必要時に2吸入)による治療を行うSABA群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。患者は、割り付け時と4、16、28、40、52週時に受診した。 主要アウトカムは、intention to treat集団における患者1例当たりの重度増悪の年間発生とした。重度増悪は、喘息による3日間以上の全身性コルチコステロイドの使用、もしくは全身性コルチコステロイドを要する喘息による入院または救急診療部への受診と定義された。ICS/LABA群の重度増悪が31%減少、症状は同等でステロイド減量 2016年5月4日~2017年12月22日の期間に885例が登録され、ブデソニド/ホルモテロール配合薬頓用のICS/LABA群に437例(平均年齢43.3[SD 15.2]歳、女性56%)が、ブデソニド維持療法+テルブタリン頓用のSABA群には448例(42.8[16.7]歳、54%)が割り付けられた。 1例当たりの重度増悪の年間発生は、ブデソニド/ホルモテロール配合薬頓用のICS/LABA群がブデソニド維持療法+テルブタリン頓用のSABA群に比べ、31%有意に低かった(絶対発生率:0.119 vs.0.172、相対値:0.69、95%信頼区間[CI]:0.48~1.00、p=0.049)。 重度増悪の初発までの期間は、ブデソニド/ホルモテロール配合薬頓用のICS/LABA群が、ブデソニド維持療法+テルブタリン頓用のSABA群よりも長かった(HR:0.60、95%CI:0.40~0.91、p=0.015)。また、中等度~重度増悪の初発までの期間も、ブデソニド/ホルモテロール配合薬頓用のICS/LABA群のほうが長かった(0.59、0.41~0.84、p=0.004)。 治療失敗による投与中止の割合は、両群間に差はみられなかった(ブデソニド/ホルモテロール配合薬頓用のICS/LABA群9例、ブデソニド維持療法+テルブタリン頓用のSABA群11例、相対リスク:0.84、95%CI:0.35~2.00、p=0.69)。また、five-question version of the Asthma Control Questionnaire(ACQ-5、前週の喘息症状に関する5つの質問への回答で、0[障害なし]~6[最大の障害]点に分類)のスコアにも、すべての評価時点で両群間に差はなかった(平均差:0.06、-0.005~0.12、p=0.07)。 ブデソニドの平均1日用量は、ブデソニド/ホルモテロール配合薬頓用のICS/LABA群のほうが少なかった(差:-126.5μg/日、95%CI:-171.0~-81.9、p<0.001)。 1件以上の有害事象を発現した患者は、ブデソニド/ホルモテロール配合薬頓用群が385例(88%)、ブデソニド維持療法+テルブタリン頓用群は371例(83%)であった。最も頻度の高い有害事象は、両群とも鼻咽頭炎だった(154例[35%]、144例[32%])。 著者は「これらの知見は、吸入コルチコステロイド/ホルモテロール配合薬による発作時治療は、軽症喘息患者への低用量吸入コルチコステロイド毎日投与の代替レジメンであるとする2019 Global Initiative for Asthma(GINA)の推奨を支持するものである」としている。

18426.

4種配合剤、心血管イベントの予防に有効/Lancet

 4つの固定用量の薬剤を含む配合剤(ポリピル)は、主要心血管イベントの予防に有効であり、服薬順守が良好で有害事象も少ないことが、イラン・Tehran University of Medical SciencesのGholamreza Roshandel氏らが行ったPolyIran試験で示された。研究の成果は、Lancet誌2019年8月24日号に掲載された。固定用量配合剤による治療(ポリピル戦略)は、心血管疾患の負担軽減の取り組みとして、とくに低~中所得国(LMIC)で提唱されている。追加効果をコホート内のクラスター無作為化試験で評価 本研究は、イラン北東部のゴレスタン州(若年死の33.9%が虚血性心疾患、14.0%が脳卒中の地域)で行われた大規模な前向きコホート研究内で実施されたクラスター無作為化試験である(Tehran University of Medical Sciencesなどの助成による)。 対象は、Golestan Cohort Study(GCS)に参加した40~75歳の集団であった。村落をクラスターとし、非薬物的な予防介入(最小ケア)に加えポリピルを1日1錠投与する群(ポリピル群)または最小ケアのみを行う群(最小ケア群)に、1対1の割合で無作為に割り付けた。無作為割り付けは、英国のバーミンガム大学の統計学者が、イランの現地の研究チームとは独立に行った。 非薬物的な予防介入(健康な生活様式に関する教育研修[低塩・低糖・低脂肪の食事、運動、体重管理、タバコや麻薬の不使用])は、現場の医療チームが、3ヵ月時および6ヵ月時に、その後は6ヵ月ごとに行った。 ポリピルは2つの種類が用いられた。ポリピル1には、アスピリン81mg、アトルバスタチン20mg、ヒドロクロロチアジド12.5mg、エナラプリル5mgが含まれた。フォローアップ中に咳嗽が発現した患者は、エナラプリルの代わりにバルサルタン40mgを含有するポリプロ2に切り換えた。 主要アウトカムは、主要心血管イベント(急性冠症候群による入院、致死的心筋梗塞、突然死、心不全、冠動脈血行再建術、非致死的/致死的脳卒中)の発現とし、治療割り付け情報を知らされていないGCSフォローアップ・チームにより中央判定が行われた。主要心血管イベントを34%抑制、NNTは34.5 2011年2月22日~2013年4月15日の期間に、6,838例が登録された。ポリピル群が3,421例(120クラスター)、最小ケア群は3,417例(116クラスター)であった。平均年齢はポリピル群が59.3歳、最小ケア群は59.7歳、女性はそれぞれ1,761例(51.5%)、1,679例(49.1%)であった。ポリピル群の服薬順守率中央値は80.5%(IQR:48.5~92.2)だった。 フォローアップ期間中に主要心血管イベントを発症したのは、ポリピル群が3,421例中202例(5.9%)と、最小ケア群の3,417例中301例(8.8%)に比べ有意に少なかった(補正後ハザード比[HR]:0.66、95%信頼区間[CI]:0.55~0.80)。1件の主要心血管イベントを予防するのに要する治療必要数(NNT)は34.5(95%CI:25.9~56.1)であった。 ポリピル群の服薬順守が良好な集団に限定すると、主要心血管イベントのリスク低下は、最小ケア群と比較して、さらに改善され(HR:0.43、95%CI:0.33~0.55)、1件の主要心血管イベントの予防に要するNNTは20.7(95%CI:17.5~26.5)だった。 ポリピル群における主要心血管イベントの発症に関して、心血管疾患の既往歴のある集団(HR:0.61、95%CI:0.49~0.75)と既往歴のない集団(0.80、0.51~1.12)の間に、有意な交互作用は認められなかった(交互作用のp=0.19)。 有害事象の頻度は両群でほぼ同等であった。5年のフォローアップ期間中に頭蓋内出血が21件(ポリピル群10件、最小ケア群11件)認められた。医師によって確定診断された上部消化管出血は、ポリピル群で13件、最小ケア群で9件みられた。 結果を踏まえて著者は、「ポリピル戦略は、とくにLMICにおいて、心血管疾患の管理における有効な追加要素とみなされる可能性がある」としている。

18427.

統合失調症患者の喫煙関連疾患リスク

 統合失調症患者は、一般集団と比較し喫煙率が3倍で、喫煙関連疾患の影響を受けやすいといわれている。イスラエル・テルアビブ大学のIsrael Krieger氏らは、統合失調症患者の喫煙と慢性閉塞性肺疾患(COPD)および虚血性心疾患(IHD)の累積発症率について、健常な喫煙者と比較し評価を行った。Schizophrenia Research誌オンライン版2019年8月6日号の報告。 統合失調症患者1万502例とマッチした健常な喫煙者1万502例を対象に、COPDおよびIHDの累積発症率を評価するため、コホート研究を設計した。両群間のオッズ比(OR)および累積発症率を比較するため、階層ロジスティック回帰とカプランマイヤー回帰モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・臨床的および人口統計学的要因で調整した後、統合失調症喫煙患者は、健常な喫煙者と比較し、COPD診断率が高かった(OR:2.14、95%CI:1.51~3.01、p<0.001)。・統合失調症喫煙患者では、COPD累積発症率の急速な増加が認められたが、IHD累積発症率は、健常な喫煙者と比較し低下していた。 著者らは「統合失調症患者では、COPDリスクが高いことが示唆された。この影響は、喫煙パターンの違いにより潜在的に説明が可能である。本調査では、統合失調症患者のIHDを過小評価している可能性があり、さらなる調査が必要と考えられる」としている。

18429.

第3回 皮膚科の手技 その1【一般内科医が知っておきたい他科の基本処置】

第3回 皮膚科の手技今回の皮膚科編では、ダーモスコピーによる診療をメインに、手掌や足底のメラノーマと色素性母斑(ほくろ)や疣贅、色素斑との鑑別、最新のダーモスコープを使用した診療法、皮膚科でよく行われる陥入爪の手技などを学習します。初回では、見逃してはいけないメラノーマについて、その特徴を症例とともに解説していきます。ダーモスコピーではどのように見えるのか、診断する際のポイントなど丁寧かつ詳細に説明していきます。解説は外川 八英氏(千葉大学大学院医学研究院皮膚科学)、監修はへき地・離島医療の助っ人ゲネプロ。【皮膚科 1】わかりやすいメラノーマの鑑別法

18430.

抗うつ薬治療後の錐体外路反応

 錐体外路症状(EPS)は、抗精神病薬で一般的にみられる副作用である。しかし、抗うつ薬治療後のEPSに関する症例報告もある。抗うつ薬がEPSを引き起こすメカニズムは十分にわかってはいないが、ドパミン作動性経路へのセロトニン入力が関与している可能性が高い。オーストリア・グラーツ医科大学のSabrina Morkl氏らは、抗うつ薬治療に関連するEPSについて評価を行った。The World Journal of Biological Psychiatry誌オンライン版2019年8月7日号の報告。 抗うつ薬治療に関連するEPSを評価するため、精神科入院患者における重度の薬物反応をシステマティックに記録した多施設薬物監視プログラム(AMSP研究)のデータを用いて、レビューを行った。15症例を特定し、類似性の検出およびリスク因子の特徴付けを行った。 主な結果は以下のとおり。・1994~2016年の間に、抗うつ薬治療後にEPSが発現した患者の報告は15症例であった。・SSRI単独治療で7例、SSRI併用治療で6例のEPS発現が認められた。・エスシタロプラム治療で最も多くEPSが認められた(5例)。・最も一般的なEPSは、非定型のジスキネジアで6例、次いでアカシジアの4例であった。・EPSの平均発症年齢は、54.93±17.9歳であった。・EPSは、任意の投与量で発症し、男女とも同様の頻度で認められた。 著者らは「抗うつ薬治療によるEPSは、重要かつ珍しい副作用である。臨床医は、この悪影響に注意を払い、早期の警告サインを注意深く監視する必要がある」としている。

18431.

75歳以上でスタチンを中止した場合の心血管リスク/EHJ

 入院や施設への入所、がんなど他疾患の発症をきっかけに、高齢者が一次予防のために服用していたスタチンを中止した場合、継続した場合と比較して心血管イベントによる入院リスクが増加した。フランス・ピティエ-サルペトリエール病院のPhilippe Giral 氏らは、75歳まで一次予防目的でスタチンを服用していた高齢者の心血管転帰に対するスタチン中止の影響を、大規模コホート研究により評価した。European Heart Journal誌オンライン版2019年7月30日号掲載の報告より。 本研究は、フランスの国民医療データベースを使用した人口ベースのコホート研究。2012~14年に75歳になり、CVDの既往がなく、過去2年間にスタチンの総投薬量に対する実服薬量の割合(medication possession ratio:MPR)が80%以上だったすべての人が対象とされた。 スタチンの中止は3ヵ月連続の服用なしと定義され、アウトカムとして心血管イベントによる入院が設定された。スタチンを中止した場合と継続した場合を比較するハザード比は、ベースライン時点と時間依存共変量(心血管薬の使用、併存疾患、フレイル指標)の両者を調整する周辺構造モデルを用いて推定された。 主な結果は以下のとおり。・12万173人が平均2.4年追跡され、うち1万7,204人(14.3%)がスタチンを中止し、5,396人(4.5%)が心血管イベントのために入院した。・スタチン中止に関連した要因は、フォローアップ期間中の入院(調整オッズ比[aOR]:最大3.28)、高度看護施設への入所(aOR:2.66)、転移性の固形がん(aOR:2.22)、経管あるいは経口栄養摂取の開始(aOR:2.13)などであった。・スタチンを中止した場合の調整ハザード比は、全心血管イベント(1.33、95%信頼区間[CI]1.18~1.50)、冠動脈イベント(1.46、95%CI:1.21~1.75)、脳血管イベント(1.26、95%CI:1.05~1.51)、その他の血管イベント(1.02、95%CI:0.74~1.40)であった。・ベースライン時の糖尿病の有無によって、スタチン中止の心血管イベントによる入院への影響をサブグループ解析した結果、糖尿病有(3万3,617例、うち中止3,857例)の調整ハザード比は1.14(95%CI:0.89~1.44)、糖尿病無し(8万6,566例 、うち中止1万3,347例)は1.41(95%CI:1.23~1.62)であり、糖尿病有の場合のスタチン中止による影響は統計的に有意ではなかった。 75歳以上が一次予防として服用していたスタチンを中止することは、心血管イベントによる入院リスクが33%増加することに関連していた。研究者らは、本研究が後ろ向きの観察研究である点を限界として挙げ、ランダム化比較試験を含むさらなる研究が必要としている。また、糖尿病患者におけるサブグループ解析結果については、ベースライン時点で糖尿病があった場合にもともと心血管リスクが高いことで部分的に説明できる可能性があるとし、より詳細な研究が必要とまとめている。

18432.

NSCLC免疫治療のバイオマーカーと生存期間の関係

 非小細胞肺がん(NSCLC)における免疫療法の役割や現在のバイオマーカーの臨床的関連について、興味深い知見が示された。中国・中山大学のYunfang Yu氏らは臨床試験計31件のメタ解析を行い、免疫療法はNSCLC患者の予後改善が期待できること、免疫療法の有効性を評価するバイオマーカーとしてはPD-L1発現と腫瘍遺伝子変異量(TMB)の併用が有用で、CD8+T細胞腫瘍浸潤リンパ球も加えることでさらに信頼性が高い予後予測が可能となることを示した。著者は、「これらを併用した予測値について、前向き大規模臨床試験で確認する必要がある」とまとめている。JAMA Network Open誌2019年7月号掲載の報告。 研究グループは、進行NSCLC患者における免疫チェックポイント阻害薬、腫瘍ワクチンおよび細胞性免疫療法と臨床転帰との関連を評価し、適切な治療戦略、対象および予測因子を探索する目的で、メタ解析を行った。 PubMed、EMBASEおよびCochrane Central Register of Controlled Trialsのデータベースを用い、2018年6月までに発表された論文について、tumor vaccine、cellular immunotherapy、immune checkpoint inhibitor、cytotoxic T-lymphocyte-associated protein 4、programmed death-ligand 1、programmed death receptor 1、non-small cell lung carcinomaを含むキーワードおよびMeSH用語で検索するとともに、システマティックレビュー、メタ解析、参考文献、学会抄録集は手作業で検索した。進行/転移NSCLC患者を対象に、免疫チェックポイント阻害薬、腫瘍ワクチンまたは細胞性免疫療法と従来の治療法について、全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)または奏効率(ORR)を比較している無作為化臨床試験で、英語の論文を解析に組み込んだ。解析は2018年2月1日~8月31日に行われた。 主要評価項目は、OSおよびPFSであった。 主な結果は以下のとおり。・無作為化臨床試験31件、計1万4,395例(男性66%)がメタ解析に組み込まれた。・従来の治療法と比較して、免疫療法はOS(HR:0.76、95%CI:0.71~0.82、p<0.001)およびPFS(HR:0.76、95%CI:0.70~0.83、p<0.001)の有意な延長と関連した。・PD-L1発現とTMBを併用した予後予測は、それぞれの単独よりも有用であった。全エクソームシークエンス実施群では、併用法による1年PFSに関するROC(receiver operating characteristic curve)のAUC(area under the curve)が0.829、3年PFSのAUCが0.839、ターゲット次世代シークエンス実施群では、それぞれ0.826および0.948であった。・さらにCD8+T細胞腫瘍浸潤リンパ球も加えた併用法は、OSの予測値が最も高かった(3年OSのAUC:0.659、5年OSのAUC:0.665)。・RYR1またはMGAM遺伝子変異は、持続的臨床効果(DCB)、高TMBおよびPD-L1高発現と有意に関連していた。・RYR1遺伝子変異の頻度は、DCBあり群で24%(12/51例)、DCBなし群で4%(2/55例)(p<0.001)、高TMB群で23%(12/53例)、低TMB群で3.8%(2/53例)(p<0.001)、PD-L1高発現群で27%(8/30例)、PD-L1低発現群で7.1%(6/85例)(p<0.001)であった。・MGAM遺伝子変異の頻度は、DCBあり群で24%(12/51例)、DCBなし群で0%(p<0.001)、高TMB群で17%(9/53例)、低TMB群で0%(p<0.001)、PD-L1高発現群で20%(6/30例)、PD-L1低発現群で6%(5/85例)(p<0.001)であった。

18433.

PM濃度と死亡率の関連性が明らかに/NEJM

 世界24ヵ国652都市における粒子状物質(PM)(粒径10μm以下のPM10および2.5μm以下のPM2.5)の短期曝露が、1日当たりの全死因、心血管疾患および呼吸器疾患死亡率と独立して関連していることが明らかにされた。中国・復旦大学のCong Liu氏らが、天候または気候の死亡への影響を世界的に評価するために設立したMulti-City Multi-Country(MCC)Collaborative Research Networkによる研究結果で、「今回の結果は、地域・地方の研究で認められた死亡率とPM濃度との関連性についてのエビデンスを強固にするものである」とまとめている。短期間のPM曝露と1日死亡率との関連性を検証した研究は多いが、ほとんどが1都市あるいは1地域から得られたもので、大気汚染の時系列研究の結果を系統的に評価することは解析モデルの違いや出版バイアスにより困難とされていた。NEJM誌2019年8月22日号掲載の報告。652都市におけるPM曝露と全死因死亡率などとの関連を解析 研究グループは、MCCデータベースを用いて24ヵ国652都市の1986~2015年における大気汚染データを収集するとともに、各地方自治体から死亡に関するデータを入手し、PM10およびPM2.5と1日当たりの心血管疾患および呼吸器疾患死亡率との関連について、準ポアソン一般化加法モデルとランダム効果モデルを用いて解析した。1日当たりPM濃度が10μg/m3増加すると死亡率も上昇 PM10の2日移動平均濃度が10μg/m3増加すると、1日全死因死亡率が0.44%(95%信頼区間[CI]:0.39~0.50)、心血管疾患死亡率が0.36%(95%CI:0.30~0.43)、呼吸器疾患死亡率が0.47%(95%CI:0.35~0.58)、いずれも上昇することが確認された。 PM2.5についても同様に、2日移動平均濃度が10μg/m3増加すると、1日死亡率はそれぞれ0.68%(95%CI:0.59~0.77)、0.55%(95%CI:0.45~0.66)、0.74%(95%CI:0.53~0.95)上昇した。 これらの関連性は、ガス状汚染物質で補正後も有意であることが示された。また、年間平均PM濃度が低い地域、ならびに年間平均気温が高い地域で、関連が強かった。併合した濃度-反応曲線は、PM濃度の増加に伴い1日死亡率が一貫して上昇し、PM濃度が低いほど勾配が急であった。 なお著者は、中南米およびアフリカの都市が少ないため今回の結果を全世界の代表として解釈できないことや、健康データに関する診断またはコーディングエラーは避けられないことなどを研究の限界として挙げている。

18434.

高所得国の高血圧治療率やコントロール率に差、日本は?/Lancet

 高所得国における高血圧の認識・治療・コントロール率は、1980~90年代以降、大幅に改善されたものの、コントロール率は質の高い高血圧プログラム(たとえば、カイザーパーマネンテ北カリフォルニアの高血圧管理プログラム)の下での割合に比べると低い状態で、直近の10年は横ばいとなっていること、また、高血圧の認識・治療・コントロール率は国によって大きな違いがあるとの実態が明らかにされた。英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのBin Zhou氏らが、高所得国12ヵ国のデータを解析し報告した。高血圧治療は有害心血管イベントの低下に有効であるが、高所得国を対象にした高血圧の認識・治療・コントロール率に関する経時的な傾向を比較検討する研究はこれまでなかった。Lancet誌2019年8月24日号掲載の報告。日本を含む高所得国12ヵ国、約53万人のデータを解析 研究グループは、高所得国12ヵ国(オーストラリア、カナダ、フィンランド、ドイツ、アイルランド、イタリア、日本、ニュージーランド、韓国、スペイン、英国、米国)の、1976~2017年における国民健康調査123件から40~79歳のデータを用い、高血圧(収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上)で、薬物治療を受けている患者の割合(高血圧の有病率)を算出するとともに、高血圧であることを認識している患者の割合(認識率)、高血圧に対する薬物療法を受けている患者の割合(治療率)、高血圧がコントロールされている(140/90mmHg未満)患者の割合(コントロール率)を算出した。 合計52万6,336例が解析に組み込まれた。日本は12ヵ国の中で最低レベル 各国直近の調査結果を見ると、カナダ、韓国、オーストラリアおよび英国で高血圧の有病率が低く、フィンランドが最も高かった。 1980~90年代前半においては、いずれの国の年齢群および性別群においても、高血圧の治療率は高くて40%、コントロール率は25%未満であった。 評価対象期間中に全12ヵ国で、高血圧の認識・治療率は上昇し、コントロール率は改善した。最も改善したのは韓国とドイツであった。また、観察された改善の多くは1990~2000年代半ばに認められており、その後はほとんどの国で横ばいとなっていた。 直近の調査では、カナダ、ドイツ、韓国および米国において認識・治療・コントロール率が高かった。最も低いのはフィンランドで、アイルランド、日本およびスペインも低かった。しかし最優良国でさえ、治療率は高くて80%、コントロール率は70%には達していない状況であった。

18435.

旧友からの相談【Dr. 中島の 新・徒然草】(288)

二百八十八の段 旧友からの相談皆さんもよくあることと思います。小中学時代の旧い友達から突然の連絡があって、病気の相談に乗ってくれ、というもの。大抵は専門違いなので、あまり役に立つ具体的なアドバイスはできません。でも、相手も必死なので、とりあえず一般的な話をすることになります。今回の相談は、小中学校時代の級友。母親同士が親しかったこともあり、大学生くらいまでは時々顔を見ることがありました。その後、彼女がどこで何をしていたのかは不明。で、娘さんが厄介な病気になったということで、40年ぶりに連絡がありました。20代にして手術を受ける娘の親として、これ以上ないくらい狼狽しています。級友「主人が調べて何人かの先生に会ったのよ」中島「それで?」級友「自分の手術時間は何時間だとか傷が小さいとか、そんな話ばっかり」中島「ふむふむ」級友「そこじゃないでしょって私は言いたかったのよ。もちろん言わなかったけど」中島「なるほどねえ」級友「でも、主人はその先生の話を聞いて、すごく感心してしまって」中島「じゃあそこで手術するわけ?」級友「いやいや、その後に会った別の病院の先生がすごく良かったのよ」すごく良かった先生とは?これは興味深々です。級友「明るくてあっさりしていて」中島「だいたい自信のある人ほど明るいよな」級友「もちろん怖い話もされたけど、淡々としているの。『手術の後にこういう事が起こることもありますけど、その場合はこう対処します』って。それを聞いたとき、この人、もう何もかも見えているんだって、そう思ったわ」中島「何があっても想定内ってことやろうね」揺るがぬ自信……って素晴らしいですよね。級友「『手術の後は3ヵ月ごとに外来に来てください。それで、妊娠した時はこう、お産のときはこういうふうに対応しましょう』って言われたの。思わず、娘と『子供を作っていいんですか。そんなに長生きできるんですか?』と聞いてしまったのよ」中島「すごい!」級友「すごいでしょ。そこまで考えてくれているんだって」名医とは、まさにこのこと。級友「娘も私もこの先生しかないって思ったの。ねえ、直観で選ぶっていけないことなの?」中島「好き嫌いってのは、結構当たるんじゃないかな、あまり医学的じゃないけど」級友「私、これまでに尊敬できる先生が2人いてね、今度の先生も同じオーラを感じたのよ」中島「へええ、尊敬できる先生って?」これも聞いておこう。級友「1人は母の主治医の先生。どこの病院でも治療できないと言われた末期がんの母を快く引き受けてくれて。それからの2年間、母は死ぬまで機嫌よく暮らすことができたの」中島「すごいなあ。ちなみに何病院の誰先生?」こういう情報はメモしておくにかぎります。級友「もう1人は、父の心臓の手術をしてくれた先生。手術直後に私たちのところにやって来て、『うまくいきました。今、若いモンが閉めていますが、もう心配いりません』と言ってくれたの。お蔭で父は90過ぎても元気にしているわ」中島「そういう台詞が言えたらいいなあ」級友「は?」中島「いやいや、こっちのこと」名医の話も面白いものでしたが、この級友も立派になったものです。独身時代に会社を作って以来、何度も世間の荒波を乗り越えてきたのでしょう。全く医療に関係のない立場でありながら、我々の世界をよく見ています。社長の貫録か、娘の病気に立ち向かう母親としての本能か。とにかく強い、たくましい!頼りなかった小中学校時代の彼女からは、想像もできません。私にとってもいろいろと考えさせられる再会でした。何か、読者の皆さんの参考になれば幸いです。ということで最後に1句名医には 自信と明るさ ともにあり

18437.

片頭痛と認知症との関連

 片頭痛と認知症との関連に焦点を当てたこれまでの研究の多くは、一般的な併存疾患を調整することがうまくいっていなかった。ドイツ・IQVIAのKarel Kostev氏らは、英国の一般診療における片頭痛と認知症との関連を調査するため、レトロスペクティブコホート研究を実施した。Journal of Alzheimer's Disease誌オンライン版2019年8月6日号の報告。 1997~2016年に英国の一般診療施設67件で片頭痛と診断された患者と年齢、性別、インデックス年、診断がマッチした非片頭痛患者を対象に含めた。主要アウトカムは、インデックス日から10年間の認知症発症との関連とした。 主な結果は以下のとおり。・対象として、片頭痛診断の有無にかかわらず7,454例の患者が抽出された。・平均年齢は、67.7±5.8歳、女性の割合は72.9%であった。・インデックス日から10年間で認知症と診断された患者は、片頭痛患者で5.2%、非片頭痛患者で3.7%であった(log-rank p<0.001)。・男女別にみると、女性の片頭痛患者5.8%、女性の非片頭痛患者3.6%(log-rank p<0.001)、男性の片頭痛患者4.5%、男性の非片頭痛患者3.4%(log-rank p=0.722)であった。・片頭痛診断とすべての認知症(HR:1.43)およびアルツハイマー病(HR:1.87)との間に正の関連が認められた。・感度分析では、これらの関連性は、女性のみで有意であった(すべての認知症HR:1.65、アルツハイマー病HR:2.27)。 著者らは「女性において、片頭痛診断と認知症との関連が明らかとなった」としている。

18438.

ゾフルーザに低感受性の変異株に関する調査結果

 昨年発売された抗インフルエンザウイルス薬のバロキサビル(商品名:ゾフルーザ)は、臨床試験において、本剤に対する感受性が低下したPA/I38アミノ酸変異株の発現が報告されたことから、各国でその影響について検証が進められている。 2019年9月2日、塩野義製薬は、バロキサビルの特定使用成績調査におけるPA/I38アミノ酸変異株に関する結果を公表した。この内容は8月28日~9月1日にシンガポールで開催されたOptions X for the Control of Influenza(OPTIONS X)にて発表された。同学会では、1 歳以上12 歳未満の小児インフルエンザ患者に対するグローバル第III相試験、インフルエンザ発症抑制効果を検証した国内第III相試験の結果も報告された。わが国の特定使用成績調査におけるPA/I38アミノ酸変異株 OPTIONS Xでは、2018-2019シーズンに実施されたバロキサビルの特定使用成績調査における、PA/I38アミノ酸変異株に関する結果を、齋藤 玲子氏(新潟大学大学院 医歯学総合研究科 教授)が発表した。本調査の対象は、国内6医療施設を受診しバロキサビルの投与を受けた20歳以下のA型インフルエンザ患者96例で、A/H1N1pdm型が32例、A/H3N2型が64例だった。 主な結果は以下のとおり。・バロキサビル投与3~6日後(再診時)におけるPA/I38Tアミノ酸変異株は、A/H1N1pdm型感染患者の6.3%(2/32例)、A/H3N2型感染患者の10.9%(7/64例)で検出された。同様に、PAタンパク質のどこかに変異の入った株の出現頻度は、それぞれ12.5%(4/32例)および14.1%(9/64例)だった。・解熱までの平均時間は、再診時にPA/I38Tアミノ酸変異株が検出された患者(9例)では0.99±1.21日、変異のないウイルス株が検出された患者(21例)では1.02±1.06日、インフルエンザウイルスが検出限界以下であった患者(62例)では0.76±0.86日で、PA/I38Tの変異による差は認められなかった。・患者より単離したPA/I38変異株は、バロキサビルに対する感受性がおよそ1/50~1/250に低下していたが、これらの患者個別の解熱までの時間はいずれも1日程度だった。小児における有害事象と有効性 同学会では、適応追加に向けた第III相試験の結果も報告された。1つは、1歳以上12歳未満の小児インフルエンザ患者を対象とするMINISTONE-2試験で、本試験はRocheグループによる多施設共同、無作為化、二重盲検比較のグローバル第III相試験である。 主要評価項目として、被験薬投与後29日目までに有害事象(重篤な有害事象を含む)を示した被験者の割合が検討された。その結果、1つ以上の有害事象を示した被験者の割合は、バロキサビル群で46.1%、オセルタミビル群で53.4%だった。本試験で示された小児における安全性プロファイルに、これまでに実施された成人・青少年における試験結果との矛盾はなかった。 さらに、副次評価項目としてバロキサビルの有効性をオセルタミビルと比較した結果、インフルエンザ罹病期間の中央値は、バロキサビル群で138.1時間、オセルタミビル群で 150.0時間だった。一方、体内からのウイルス排出期間の中央値は、バロキサビル群24.2時間、オセルタミビル群75.8時間で、バロキサビルはウイルス排出期間を短縮した。国内予防投与試験の結果、インフルエンザ発症が86%減少 日本でバロキサビルの予防効果を検討したBLOCKSTONE試験の結果も報告された。本試験は、インフルエンザ患者(初発)の同居家族または共同生活者750例を対象に実施した、多施設共同、無作為化、プラセボ対照二重盲検比較の第III相試験である。 主要評価項目として、被験薬を予防投与後10日間でインフルエンザを発症した被験者の割合が検討された。その結果、インフルエンザウイルスに感染し、発熱かつ呼吸器症状を発現した被験者の割合は、バロキサビル群1.9%(7/374例)、プラセボ群13.6%(51/375例)であり、バロキサビルの投与により、インフルエンザの発症割合はプラセボ群に対し86%減少した(p<0.0001)。 また、サブグループ解析により、重症化および合併症を起こしやすいリスク要因を持つ被験者および12歳未満の小児においても、バロキサビルはプラセボに対し発症抑制効果を示し、ウイルスの亜型やワクチン接種の有無にかかわらず有効だった。 有害事象の発現率は、バロキサビル群22.2%、プラセボ群20.5%で、バロキサビル群において重篤な有害事象の発現は認められなかった。

18439.

家族性高コレステロール血症の基礎知識

 8月27日、日本動脈硬化学会は、疾患啓発を目的に「家族性高コレステロール血症」(以下「FH」と略す)に関するプレスセミナーを開催した。 FHは、単一遺伝子疾患であり、若年から冠動脈などの狭窄がみられ、循環器疾患を合併し、予後不良の疾患であるが、診療が放置されている例も多いという。 わが国では、世界的にみてFHの研究が進んでおり、社会啓発も広く行われている。今回のセミナーでは、成人と小児に分け、本症の概要と課題が解説された。意外に多いFHの患者数は50万人超 はじめに斯波 真理子氏(国立循環器病研究センター研究所 病態代謝部)を講師に迎え、成人FHについて疾患の概要、課題について説明が行われた。FHは大きくヘテロ結合体とホモ結合体に分類できる。 FHのヘテロ結合体は、LDL受容体遺伝子変異により起こり、200~500例に1例の頻度で患者が推定され、わが国では50万人以上とされている。生来LDL-C値が高い(230~500mg/dL)のが特徴で、40代(男性平均46.5歳、女性平均58.7歳)で冠動脈疾患などを発症し、患者の半数以上がこれが原因で死亡する。 診断では、(1)高LDL-C血症(未治療で180mg/dL以上)、(2)腱黄色腫あるいは皮膚結節性黄色腫、(3)FHあるいは早発性冠動脈疾患の家族歴(2親等以内)の3項目中2項目が確認された場合にFHと診断する。 また、診断では、LDL-C値に加えて、臨床所見ではアキレス腱のX線画像が特徴的なこと(アキレス腱厚をエコーで測定することも有用)、角膜輪所見が若年からみられること、家族に高コレステロール血症や冠動脈疾患患者がみられることなど、詳細なポイントを説明するとともに、診断のコツとして「『目を見つめ よく聴き、話し 足触る』ことが大切」と同氏は強調した。 FH患者は、健康な人と比較すると、約15年~20年早く冠動脈疾患を発症することから、早期より厳格な脂質コントロールが必要となる。 本症の治療フローチャートでは、生活習慣改善・適正体重の指導と同時に脂質降下療法を開始し、LDL-C管理目標値を一次予防で100mg/dL未満あるいは治療前の50%未満(二次予防70mg/dL未満)にする。次に、スタチンの最大耐用量かつ/またはエゼチミブ併用し、効果が不十分であればPCSK9阻害薬エボロクマブかつ/またはレジンかつ/またはプロブコール、さらに効果が不十分であればLDL除去療法であるLDLアファレシスを行うとしている。医療者も社会も理解しておくべきFHの病態 次に指定難病であるホモ結合体について触れ、本症の患者数は100万例に1例以上と推定され、本症の所見としてコレステロール値が500~1,000mg/dL、著明な皮膚および腱黄色腫があると説明を行った。確定診断では、LDL受容体活性測定、LDL受容体遺伝子解析で診断される。 治療フローチャートでは、ヘテロ受容体と同じように生活習慣改善・適正体重の指導と同時に脂質降下療法を開始し、LDL-C管理目標値を一次予防で100mg/dL未満(二次予防70mg/dL未満)にする。次に、第1選択薬としてスタチンを速やかに最大耐用量まで増量し、つぎの段階ではエゼチミブ、PCSK9阻害薬エボロクマブ、MTP阻害薬ロミタピド、レジン、プロブコールの処方、または可及的速やかなるLDLアファレシスの実施が記載されている。ただ、ホモ結合体では、スタチンで細胞内コレステロール合成を阻害してもLDL受容体の発現を増加させることができず、薬剤治療が難しい疾患だという。その他、本症では冠動脈疾患に加え、大動脈弁疾患も好発するので、さらに注意する必要があると同氏は指摘する。 最後に同氏は「FHは、なるべく早く診断し、適切な治療を行うことで、確実に予後を良くすることができる。そのためには、本症を医療者だけでなく、社会もよく知る必要がある。とくにFHでPCSK9阻害薬の効果がみられない場合は、LDL受容体遺伝子解析を行いホモ接合体を見つける必要がある。しかし、このLDL受容体遺伝子解析が現在保険適応されていないなど課題も残されているので、学会としても厚生労働省などに働きかけを行っていく」と展望を語り、説明を終えた。小児の治療では成長も加味して指導が必要 続いて土橋 一重氏(山梨大学小児科、昭和大学小児科)が、次のように小児のFHについて解説を行った。 小児のヘテロ接合体の診断では、「(1)高LDL-C血症(未治療で140mg/dL以上、総コレステロール値が220mg/dL以上の場合はLDL-Cを測定する)、(2)FHあるいは早発性冠動脈疾患の家族歴(2親等以内)の2項目でFHと診断する(小児の黄色腫所見はまれ)」と説明した。また、「小児では、血液検査が行われるケースが少なく、本症の発見になかなかつながらない。採血の機会があれば、脂質検査も併用して行い、早期発見につなげてほしい」と同氏は課題を指摘した。 治療では、確定診断後に早期に生活習慣指導を行い、LDL-C値低下を含めた動脈硬化リスクの低減に努め、効果不十分な場合は10歳を目安に薬物療法を開始する。 とくに生活習慣の改善は、今後の患児の成長も考慮に入れ、できるだけ早期に食事を含めた生活習慣について指導し、薬物療法開始後も指導は継続する必要がある。食事療法について、総摂取量は各年齢、体格に応じた量とし、エネルギー比率も考慮。具体的には、日本食を中心とし、野菜を十分に摂るようにする。また、適正体重を維持し、正しい食事習慣と同時に運動習慣もつける。そして、生涯にわたる禁煙と周囲の受動喫煙も防止することが必要としている。 薬物療法を考慮する基準として、10歳以上でLDL-C値180mg/dL以上が持続する場合とし、糖尿病、高血圧、家族歴などのリスクも考える。第1選択薬はスタチンであり、最小用量より開始し、肝機能、CK、血清脂質などをモニターし、成長、二次性徴についても観察する。 管理目標としては、LDL-C値140mg/dLとガイドラインでは記載されているが、とくにリスク因子がある場合は、しっかりと下げる必要があるとされているとレクチャーを行った。

18440.

中高年の早期死亡リスクに座位時間が影響/BMJ

 若年死亡のリスクは、強度を問わず身体活動度が高いほど低く、また、座位時間が短いほど低いことが、ノルウェー・Norwegian School of Sport SciencesのUlf Ekelund氏らによるシステマティック・レビューとメタ解析で明らかにされた。いずれも、中高年成人では、非線形の用量反応の関連パターンが認められたという。身体活動度は、多くの慢性疾患や若年死亡と関連しており、座位時間が長いほどそのリスクが増す可能性を示すエビデンスが増えつつある。しかし、現行の身体活動ガイドラインは、妥当性に乏しい自己報告の試験に基づいているため、報告されている関連性の大きさは、過小評価されている可能性があり、また、用量反応の形状、特に軽強度身体活動は明らかになっていなかった。BMJ誌2019年8月21日号掲載の報告。2018年7月までに公表の試験をレビューし解析 研究グループは、PubMed、PsycINFO、Embase、Web of Science、Sport Discusのデータベースを基に、2018年7月までに発表された試験について、システマティック・レビューとメタ解析を行った。対象は、身体活動度や座位時間について加速度測定法で評価し、全死因死亡率との関連を評価した前向きコホート試験で、ハザード比やオッズ比、相対リスクを95%信頼区間(CI)とともに求めたものとした。解析の手法は、システマティック・レビューとメタ解析に関するガイドラインや、PRISMAガイドラインにのっとった。執筆者2人がそれぞれタイトルと要約をスクリーニングし、1人が全文のレビューを、もう1人がデータを抽出した。バイアスリスクは2人がそれぞれ評価した。 参加者個人レベルのデータを、複数の補正後モデルを用いた試験で集約・解析した。身体活動のデータは4つに分類し、全死因死亡率(主要評価項目)との関連についてCox比例ハザード回帰分析を用いて解析。ランダム効果メタ解析により試験に特異的な結果を要約した。軽強度身体活動でも、死亡率は約0.4倍まで低下 検索により全文レビューとなった39試験のうち、包含基準を満たしたのは10試験だった。うち3試験はデータの集約が困難(加速度計が手首タイプなど)のため、さらに1件は非参加のため除外された。代わりに、死亡率未公表のデータを含む2試験を包含し、計8試験の個人データを解析した。被験者総数は3万6,383例、平均年齢62.6歳、女性は72.8%だった。追跡期間の中央値は5.8年(範囲:3.0~14.5)で、死亡は2,149例(5.9%)だった。 身体活動はその強度にかかわらず死亡率の低下に関連しており、非線形用量反応が認められた。死亡に関するハザード比は、身体活動度の最も低い第1四分位群(参照群、1.00)に比べ、第2四分位群0.48(95%CI:0.43~0.54)、第3四分位群0.34(0.26~0.45)、身体活動度が最も高い第4四分位群は0.27(0.23~0.32)だった。 同様に軽強度身体活動では、第1四分位群に比べ、第2四分位群0.60(95%CI:0.54~0.68)、第3四分位群0.44(0.38~0.51)、第4四分位群0.38(0.28~0.51)だった。中強度~高強度身体活動では、それぞれ0.64(0.55~0.74)、0.55(0.40~0.74)、0.52(0.43~0.61)だった。 座位時間と死亡に関するハザード比についてみると、第1四分位群(参照群、1.00)に比べ、第2四分位群1.28(95%CI:1.09~1.51)、第3四分位群1.71(1.36~2.15)、第4四分位群2.63(1.94~3.56)だった。

検索結果 合計:35672件 表示位置:18421 - 18440