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不眠症患者の疲労に関連する因子

 不眠症患者では一般的に疲労が認められるが、臨床症状との関連についてはあまり知られていない。韓国・成均館大学校のSeog Ju Kim氏らは、不眠症患者の疲労と臨床症状との関連について調査を行った。Journal of Psychiatric Research誌2019年10月号の報告。 スタンフォード大学睡眠医学センターを受診した患者を対象に、不眠重症度指数(ISI)、不眠症状アンケート(ISQ)、疲労重症度尺度(FSS)、エプワース眠気尺度(ESS)、こころとからだの質問票(PHQ-9)を実施した。 主な結果は以下のとおり。・ISIおよびISQにより、6,367例中2,024例が不眠症と診断された(年齢:43.06±15.19、女性:1,110例、男性:914例)。・重度の疲労を伴う不眠症患者(1,306例)では、そうでない不眠症患者(718例)と比較し、不眠症状、日中の眠気、抑うつ症状の重症度が高く、習慣的な睡眠時間が長かった。これらは、高い疲労スコアの独立した予測因子であった。・日中の眠気(ESS≧10)を有する不眠症患者では、抑うつ症状と習慣的な睡眠時間のみが疲労スコアを予測した。・不眠症の重症度と日中の眠気との相互関係は、疲労の重症度を有意に予測した。・抑うつ症状は、不眠症と疲労の有意なメディエーターであった。・終夜の睡眠ポリグラフ検査(PSG)を受けている不眠症患者(598例)では、疲労とPSGパラメーターとの間に有意な関連は認められなかった。 著者らは「不眠症または抑うつ症状のマネジメントは、不眠症患者の疲労を軽減させる可能性がある。その一方で、睡眠時間を延長させる任意の介入は、疲労を悪化させる可能性がある」としている。

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外傷医学的に一番危ない球技はどれか?【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第146回

外傷医学的に一番危ない球技はどれか?いらすとやより使用球技って、球そのものが凶器と化すので、スポーツの中ではリスクの高い部類に属します。もちろん、ハンマー投げのハンマーのほうが破壊力は高いですが…。2017年に男子高校生が投げたハンマーが、女性生徒の頭に直撃して、搬送先の病院で亡くなったという痛ましい事故もありました。Fraser MA, et al.Ball-Contact Injuries in 11 National Collegiate Athletic Association Sports: The Injury Surveillance Program, 2009-2010 Through 2014-2015.J Athl Train. 2017;52:698-707.これは、2009~2010年および2014~2015年における11の国立大学体育協会(NCAA)スポーツにおけるボール外傷のデータをまとめた疫学研究です。対象となったスポーツは、男子サッカー、女子フィールドホッケー、女子バレーボール、男子野球、女子バスケットボール、男子ラクロス、女子ラクロス、女子サッカーです。なんとなくですが、ホッケーが一番怖そうです。ものすごいスピードで飛んできますもんね、ボールが。顔面に当たったらもうトラウマになりそう…。さて、球技によるボール外傷の頻度を調査したところ、1,123のボール外傷がありました。アスリート曝露(AE)という単位ごとにその頻度を評価しました。AEというのは1人のアスリートが1回の競技に参加した場合に1と定めたものです。「人年」みたいな感覚でよいですね。これに基づくと、最も頻度が高かったのは女子ソフトボールで、1万AEあたり8.82という結果でした。私が高いかなと予測していた女子フィールドホッケーは7.71、その次は男子野球で7.20でした。また、女子のほうが男子よりも脳震盪と診断されたボール外傷の頻度が高いことが分かりました。アメリカの女子ソフトボールは、ヘルメットの大きさや保護部位などに、厳密な規定がないそうで、それが外傷を増加させた可能性があります。

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加熱式タバコによる受動喫煙の害は?【新型タバコの基礎知識】第8回

第8回 加熱式タバコによる受動喫煙の害は?Key Points加熱式タバコによる受動喫煙のリスクは、あるかないかで言えば、ある。ただし、紙巻タバコと比べると程度は低いと考えられる。すでに禁煙になっている場所を加熱式タバコはOKとすべきではない。加熱式タバコによる受動喫煙はどれぐらい発生するのでしょうか?屋内空間で加熱式タバコを使用したときにどれぐらいの濃度で、粒子状物質や有害物質が検出されるのか、調べた研究がこれまでに3つあります。その3つの文献の結果をまとめたのが表です。画像を拡大する一番左の文献を例として表の見かたを説明します。Ruprechtらによる2017年の研究は、イタリア国立がんセンターの研究者らが実施した研究です。アイコス・スティックと紙巻タバコのそれぞれを用いた場合に、屋内空間に充満する有害物質の濃度を1時間に1.5回換気するという設定で測定しています。基準となる紙巻タバコの場合の有害物質の濃度を100%とした場合に、アイコス・スティックの場合の有害物質濃度が何%に相当するのか、が表されています。たとえば、PM2.5の濃度は1.3~1.5%であり、アセトアルデヒドは5.0~5.9%、ホルムアルデヒドは6.9~7.1%でした。100%より小さな値=加熱式タバコの場合の濃度が低いことを表しています。3つの文献の結果をみると、右2つのタバコ会社からの報告では、粒子状物質(PM:particulate matter)が検出されていないのに対して、タバコ会社から資金提供のない研究機関からの報告では検出されていると分かります。しかも、タバコ会社による研究では測定されていなかったPM nmという10~1,000nmの大きさの粒子状物質が比較的多く出ていると分かりました。ただし、比較的多いといっても紙巻タバコと比べると4分の1から5分の1というレベルであり、他の大きさの粒子状物質の濃度は紙巻タバコに比べてかなり低く、PM2.5で100分の1から50分の1というレベルでした。3種のアルデヒド類の濃度を比較すると、タバコ会社による研究ではアクロレインが検出されていませんが、イタリア国立がんセンターの研究では検出されています。アセトアルデヒドおよびホルムアルデヒドについては3つの研究すべてで検出されており、紙巻タバコの場合と比較して、おおよそ10分の1から20分の1の濃度でした。それでは、加熱式タバコによる受動喫煙の被害はあるといえるのでしょうか? あるかないかで言えば、あるが答えだといえるでしょう。ただし、程度が問題でもあります。加熱式タバコでは副流煙(吸っていない時にタバコの先端から出る煙のこと)がないため、受動喫煙は紙巻タバコと比べれば、かなり少なくなります。加熱式タバコであれば、屋内に発生する粒子状物質の濃度は紙巻タバコの数%というレベルに減らすことができるのです。とはいえ、受動喫煙がまったくないわけではなく、加熱式タバコからもホルムアルデヒドなどの有害物質が放出されています。加熱式タバコによる受動喫煙の被害については、それぞれケースバイケースで考える必要があるといえるでしょう。もともと屋内で紙巻タバコを吸っていた人が加熱式タバコに完全にスイッチできれば、受動喫煙の害は減らせるかもしれません。屋内での紙巻タバコの喫煙は、皆が考えているよりもはるかに危険といえます。屋内で喫煙すると、すぐに大気汚染の緊急事態レベルとなっているのです。たとえば、屋内で3人が喫煙するレストランではPM2.5濃度が600μg/m3となり、この値は大気汚染の緊急事態レベル濃度500μg/m3よりも高いものです*。また、喫煙する自動車内では、PM2.5の1時間平均値は750μg/m3と非常に高い値となります。紙巻タバコを加熱式タバコに置き換えることができれば、PM2.5を減らすことができるでしょう。一方、もともと禁煙だった場所なのに、加熱式タバコが使われるようになるケースもあることに、注意が必要です。自宅内ではタバコを吸わないルールだったのに、加熱式タバコならいいだろうと言って、禁煙から加熱式OKへと後退してしまうケースなどです。そういったケースが続出しているのです。その場合には、いままでなかった受動喫煙の被害が発生してしまうこととなります。家庭では、子どもや家族が受動喫煙の危険にさらされてしまうのです。また、世の中には、タバコの煙やエアロゾルから被害を受けやすい人もいます。狭心症などの虚血性心疾患、気管支喘息や化学物質過敏症の患者さんが代表例です。少量の曝露でも、発作を起こしたり、体調を崩したりするなどの健康被害が起きてしまう可能性があります。受動喫煙に関しては、加熱式タバコの方がましかもしれないからといって、単純に加熱式タバコならOK、とは考えるべきではないのです。第9回は、「新型タバコにおけるハーム・リダクションってなに?」です。*微小粒子状物質(PM2.5):大気中に浮遊する小さな粒子のうち、粒子の大きさが2.5µm以下の非常に小さな粒子のこと。PM2.5の健康影響について、米国の研究では、大気中のPM2.5値が10μg/m3増えると、心臓や肺の疾患による死亡率が9%、肺がん死亡率が14%、全死亡率が6%増えると報告された。2013年、日本の環境省は「健康影響が出現する可能性が高くなる濃度水準」をPM2.5日平均値で70μg/m3と定め、それを超えた場合には、不要不急の外出や屋外での長時間の激しい運動をできるだけ減らすこと、呼吸器系や循環器系疾患のある者・小児・高齢者などにおいては体調に応じてより慎重に行動することが望まれるとしている。

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2004年新潟県中越地震後の心理的苦痛と認知症リスクとの関連

 大地震は極度のストレスを引き起こし、認知機能に悪影響を及ぼす可能性がある。新潟大学の中村 和利氏らは、2004年新潟県中越地震後の心理的苦痛と認知症との関連について検討を行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2019年8月19日号の報告。 本研究は、10~12年フォローアップを行ったレトロスペクティブコホート研究である。対象者は、2004年新潟県中越地震後に年次健康診断を行った40歳以上の小千谷市民(2005年6,012人、2006年5,424人、2007年5,687人)。Kessler Psychological Distress Scale(K10)を用いて心理的苦痛を評価し、K10スコアが10以上を心理的苦痛ありと定義した。フォローアップ期間中の地方自治体からの介護保険データベースより、認知症発症を特定した。毎年の認知症発症に対する心理的苦痛のハザード比(HR)は、性別、年齢、職業、BMI、住居の物理的破損などの共変量について未調整および調整後に評価した。 主な結果は以下のとおり。・平均年齢は、2005年64.6歳、2006年64.6歳、2007年65.2歳であった。・心理的苦痛を有する人は、対照群と比較し、調整HRが有意に高かった(HR:1.20~1.66)。・とくに、2005~07年のすべての年において、心理的苦痛を有する人は、調整HRが高かった(HR:2.89)。 著者らは「心理的苦痛、とくに持続的な苦痛は、大災害の犠牲者において認知症発症のリスク因子である」としている。

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化学療法誘発性悪心嘔吐に対するオランザピン5mgの追加効果(J-FORCE)/日本がんサポーティブケア学会

 オランザピンは化学療法誘発性悪心嘔吐(CINV)に対して有効であるが、国際的に使用されている用量10mgでは過度の鎮静が懸念されている。NCCNやMASCC/ESMOの制吐療法ガイドラインでは、5mgへの減量について言及しているもののエビデンスはない。わが国では、標準制吐療法へのオランザピン5mgの上乗せ効果を検証した3つの第II相試験が行われ、その有効性が示唆されている。そこで、シスプラチン(CDDP)を含む化学療法に対する標準制吐療法へのオランザピン5mg上乗せの有用性の検証を目的としたプラセボ対照二重盲検無作為化第III相J-FORCE試験が行われた。その結果を第4回日本がんサポーティブケア学会学術集会において、静岡県立静岡がんセンターの安部 正和氏が発表した。・対象:CDDP50mg/m2以上を含む高度催吐性化学療法(HEC)を受ける固形がん患者・試験群:オランザピン5mg(day1~4)+標準制吐療法(パロノセトロン0.75mg[day1]+アプレピタント125mg[day1]、80mg[day2~3]+デキサメタゾン12mg[day1]、8mg[day2~4])・対照群:プラセボ(day1~4)+標準制吐療法(同上)・評価項目:[主要評価項目]遅発期CR(Complete Response=嘔吐なし、救済治療なし)割合。[副次評価項目]急性期(CDDP開始~24時間)および全期間(CDDP開始~120時間)のCR割合、各期間のCC(Complete Control=CRかつ悪心なしまたは軽度)割合とTC(Total Control=CRかつ悪心なし)割合、治療成功期間、眠気と食欲不振割合、患者満足度など 主な結果は以下のとおり。・710例の患者が登録され、オランザピン群356例、プラセボ群354例に無作為に割り付けられた。安全性解析は706例、有効性解析は705例で行われた。・遅発期CR割合はオランザピン群79%、プラセボ群66%とオランザピン群で有意に良好であった(p<0.001)。また、その差は13.5%と国際的コンセンサスで有効とされる10%を満たした。・副次評価項目である急性期および全期間のCR割合、各期間のCC割合はいずれも有意にオランザピン群で良好であった。各期間のTC割合は、急性期を除き有意にオランザピン群で良好であった。・治療関連有害事象である眠気、口喝、浮遊性めまいはオランザピン群で多くみられた。・「日中の眠気あり」の頻度は両群で大きな差はなく、「不眠なし」と「食欲低下あり」の頻度はオランザピン群で良好であった。・患者満足度は、「とても満足・満足」の割合は有意にオランザピン群で良好であった(p<0.001)。

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PD-1阻害薬による免疫関連肺臓炎はNSCLC患者の予後を悪化させる

 PD-1阻害薬の免疫関連有害事象の1つである肺臓炎は、時に致命的となることが知られるが、予後にどの程度影響するのかは明らかになっていない。名古屋大学大学院医学部の富貴原 淳氏らは、PD-1阻害薬の投与を受けた非小細胞肺がん(NSCLC)患者を後ろ向きに解析し、免疫関連肺臓炎(IRP)の発症と予後の関係を検討した。Clinical Lung Cancer誌オンライン版2019年8月1日号掲載の報告。 研究グループは、2016年1月~2018年3月の間に、PD-1阻害薬(ニボルマブまたはペムブロリズマブ単剤療法)を用いた再発/進行NSCLC患者について、後ろ向きに解析した。 胸部X線画像上の片側浸潤陰影も、PD-1阻害薬に関連すると考えられる場合はIRPとした。 主な結果は以下のとおり。・170例中27例(16%)がIRPを発症した。・IRPを発症した27例中22例(81%)が、副腎皮質ステロイドの有無にかかわらずPD-1阻害薬の投与中止で回復した。・8週間のランドマーク解析の結果、PD-1阻害薬投与後の全生存期間は、IRP発症群が非発症群より有意に短かった(8.7ヵ月vs.23.0ヵ月、p=0.015)。・IRP発症群は、PD-1阻害薬中止後は後方治療を受けずに支持療法(BSC)を選択する傾向がみられた。・多変量解析では、ペムブロリズマブ(対ニボルマブ)および血清アルブミン低値が、IRPの独立したリスク因子であることが示された。

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痛くなってからでは遅い帯状疱疹

 帯状疱疹は、60歳以降が好発年齢といわれており、強い痛みと残存する神経痛が患者のQOLに大きな影響を及ぼす。水痘として感染したウイルスによるが、一度感染してしまったウイルスを排除する術は今のところなく、ワクチンで予防することが高齢での発症・重症化を防ぐ唯一の手段となる。 2019年8月27日、武田薬品工業が「帯状疱疹の診療・予防の最新動向」をテーマに、都内にてセミナーを開催した。最新の帯状疱疹診療にはどのようなポイントがあるのだろうか。今後も増え続ける? 高齢者の帯状疱疹 はじめに、川島 眞氏(医療法人社団ウェルエイジング Dクリニック東京 総院長/東京女子医科大学 名誉教授)が「高齢化社会における帯状疱疹診療の方向性」について講演を行った。わが国では年間約60万人が帯状疱疹を発症すると推定されており、そのうち50歳以上が約7割を占める。80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を経験するという報告もあり、近年、50歳以上の発症率は増加傾向にある1)。 原因として、小児の水痘ワクチンが2014年に定期接種化されて以降、水痘患者の減少により免疫のブースター効果を受ける機会が減っていることが考えられる。帯状疱疹の発症数と水痘の流行は逆相関することが以前から知られており、帯状疱疹患者は今後も増加していくと予想される。発症予防には細胞性免疫の強化が必須 小豆島における前向き疫学研究(SHEZ study2))において、帯状疱疹の発症率や、発症リスク・重症度と免疫の関連などについて調査が行われた。その結果、発症リスクは水痘皮内反応(細胞性免疫)が強い人ほど低く、一方で、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)に対する抗体価は発症リスクに影響しないことが明らかになった。帯状疱疹および帯状疱疹後神経痛(PHN)の発症予防には、細胞性免疫が重要だ。 水痘・帯状疱疹ワクチンの接種で、VZV特異的細胞性免疫の強化が期待されている。海外の臨床試験では、水痘・帯状疱疹ワクチンにより、プラセボと比較して帯状疱疹の発症が51.3%、PHNの発症が66.5%減少したという報告3)がある。 川島氏は「帯状疱疹診療は、高齢化に伴い治療から予防へ方針が移ってきている。帯状疱疹を予防するワクチンは50歳以上が対象なので、免疫が低下してワクチンが打てなくなる前に接種勧奨することが重要」と強調した。発症後の経過で、痛みは変化していく 続いて、山口 重樹氏(獨協医科大学 医学部 麻酔科学講座 教授)が「帯状疱疹にまつわる痛みについて」をテーマに語った。帯状疱疹の痛みは、「焼けつくよう」「電気が走るよう」などと表現され、病期に伴い侵害受容性疼痛から神経障害性疼痛へ変化していくことが特徴だ。 山口氏は「痛みとは心身共に影響があるもので、痛みの続く期間が長いほど正常な生活が妨げられ、生命予後にも影響を及ぼすことがわかっている。よって、治療では痛みをできる限り早く改善することが非常に大切だ」と示した。皮膚症状が改善しても、患者の痛みは続いている 帯状疱疹患者の半数以上が、発症時(初診時)から中等度以上の強い痛みを自覚している。皮膚症状は、抗ウイルス薬の投与によって2週間程度で軽減し、4週間程度で消失に至るが、疼痛残存率は21日後で50%、90日後で12.4%、1年後で4.0%という報告4)がある。皮膚症状が重篤であるほど、また高齢であるほど痛みが遷延する可能性が高くなる。 「帯状疱疹は皮膚の病気と思われがちだが、神経の病気でもある。皮膚症状が治まった後も残る疼痛のつらさは、家族や周りの人から理解されにくい面がある」と指摘した。 PHNを疑う兆候として「針で刺されるような痛み」「電気が走るような痛み」など、「しびれ」を連想させる表現がよく用いられるという。とくに、衣服がこすれたり冷風にあたったりするだけで痛む「アロディニア(異痛症)」がある場合は注意しなければならない。「神経障害性疼痛を感じている患者さんは、着替えや入浴を嫌がったり、罹患部にガーゼを当てたり保湿剤を塗ったりする様子が見受けられることがある」と診断のポイントを示した。強い痛みが改善したあとは、休薬を目指す 長期間強い痛みを感じている患者は、抑うつや不安、不眠、自己肯定感の低下、痛みの破局化(死んだほうがまし、生きている意味がないと感じるなど)など、生活でのさまざまな苦痛を感じている。医療者は、患者の感じている痛みの強弱だけでなく、種々の尺度で痛みを多面的に評価し、治療を進めていくことが求められる。 「私が考える痛み治療の目安は半年間。ピークを超えたら徐々に減薬し、休薬を目指す。神経が損傷している場合、痛みが完全になくなることはないので、元の生活に戻すことを意識して、痛みから気を逸らせる環境(趣味など)を作ることも大切」とまとめた。 帯状疱疹やPHNの予防にはワクチンが有効だが、発症後の早期介入も予後に大きく関わる。院内の待合室などに帯状疱疹のポスターを貼っておくと、患者だけでなく家族の目にも止まり、疾患・ワクチンの啓発につながるかもしれない。

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静脈瘤治療、5年後のQOLと費用対効果を比較/NEJM

 静脈瘤治療5年後の疾患特異的QOLは、フォーム硬化療法に比べ血管内レーザー焼灼術あるいは手術のほうが良好であり、費用対効果の確率的モデルで1QALY獲得の支払い意思額(willingness-to-pay)の閾値を調べたところ、2万ポンド(2万8,433ドル)でレーザー焼灼術の支持する割合が最多となることが示されたという。英国・グラスゴー大学のJulie Brittenden氏らが、静脈瘤治療とQOLおよび費用対効果との関連を評価した多施設共同無作為化比較試験「Comparison of Laser, Surgery, and Foam Sclerotherapy trial:CLASS試験」の5年時における主要解析の結果を報告した。血管内レーザー焼灼術と超音波ガイド下フォーム硬化療法は、一次性静脈瘤の治療に対する外科手術の代替療法として推奨されてきたが、長期的な相対的有効性についてはこれまで不明であった。NEJM誌2019年9月5日号掲載の報告。3つの治療法で5年後のQOLと費用対効果を比較 研究グループは2008年11月~2012年10月に英国の11施設において、一次性静脈瘤患者798例を、レーザー焼灼術群、フォーム硬化療法群、手術群に無作為に割り付けアウトカムを比較した。 5年時主要評価項目は、疾患特異的QOL、包括的QOL、および費用対効果であった。費用対効果は、患者の治療費と健康関連の包括的なQOL評価尺度(EuroQol:EQ-5D質問票)のデータを用いた予測費用と獲得質調整生存年(QALYs)のモデルに基づいた。 5年時に、798例中595例(75%)からQOL質問票の回答を得た。疾患特異的QOLは、レーザー焼灼術や手術のほうが良好 ベースラインのスコアと他の共変量で補正後、5年時の下肢静脈瘤QOL評価尺度(Aberdeen Varicose Vein Questionnaire:AVVQ、範囲:0~100、スコアが低いほどQOLが良好)は、フォーム硬化療法群よりレーザー焼灼術群あるいは手術群で低かった。効果量(補正後群間差)は、レーザー焼灼術vs.フォーム硬化療法で-2.86(95%信頼区間[CI]:-4.49~-1.22、p<0.001)、手術vs.フォーム硬化療法で-2.60(95%CI:-3.99~-1.22、p<0.001)であった。 包括的QOLについては、群間で有意差は確認されなかった。 1QALY獲得についての支払い意思額の閾値が2万ポンド(2万8,433ドル)で、費用対効果モデル反復相の77.2%がレーザー焼灼術を支持することが示された。また、フォーム硬化療法と手術の2治療の比較においては、同じ2万ポンド(2万8,433ドル)の閾値で54.5%が手術を支持することが示された。

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GABAA受容体を標的とした新規抗うつ薬の展望/NEJM

 GABAA受容体に対する選択的ポジティブアロステリックモジュレーターのSAGE-217を14日間連日経口投与した結果、プラセボと比較して15日目のうつ症状が改善したが、有害事象の頻度はSAGE-217群で多かった。米国・Sage TherapeuticsのHandan Gunduz-Bruce氏らが、大うつ病性障害(うつ病)患者を対象とした第II相二重盲検比較試験の結果を報告した。うつ病の発症にGABAの神経伝達障害が関与していることが示唆されているが、大うつ病治療におけるSAGE-217の有効性および安全性は不明であった。NEJM誌2019年9月5日号掲載の報告。大うつ病患者89例を対象にSAGE-217の有効性と安全性を検討 研究グループは2017年4月~10月に米国内8施設において、大うつ病患者89例を登録し、SAGE-217群(1日1回30mg)およびプラセボ群に、1対1の割合で無作為に割り付けた。 主要評価項目は、ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)17項目の総スコア(範囲:0~52、スコアが高いほどうつ病が重度)の15日目におけるベースラインからの変化量であった。 副次評価項目は、その他のうつ病と不安に関する評価スコア(MADRS、Bech-6、HAM-A)のベースラインからの変化量、HAM-Dスコアがベースラインから50%超低下した患者の割合、HAM-Dスコアが7以下の患者の割合などで、2~8日目、および15・21・28・35・42日目に評価した。14日間のSAGE-217投与でうつ症状が改善、重篤な有害事象なし ベースラインの平均HAM-Dスコアは、SAGE-217群(45例)25.2、プラセボ群(44例)25.7であった。HAM-Dスコアの15日目におけるベースラインからの変化量の最小二乗平均(±SE)は、SAGE-217群が-17.4±1.3、プラセボ群が-10.3±1.3であった(変化量の最小二乗平均の群間差:-7.0、95%信頼区間[CI]:-10.2~-3.9、p<0.001)。 副次評価項目の群間差は、概して主要評価項目と同様の傾向にあった。 重篤な有害事象は確認されなかった。SAGE-217群において発現率が高かった有害事象は、頭痛、めまい、悪心、傾眠であった。 著者は研究の限界として、症例数の少なさ、副次評価項目の多変量の補正不足、対象患者の人種が限られていたことなどを挙げたうえで、「今後、うつ病に対するSAGE-217の効果の持続性や安全性を明らかにし、SAGE-217と既存の治療薬を比較検証するさらなる研究が必要である」とまとめている。

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異常値のわけ【Dr. 中島の 新・徒然草】(289)

二百八十九の段 異常値のわけ世の中にはいろいろな仕事があるもんだ、と外来をしていると思うことがあります。先日のこと。外来で診ている患者さん(50歳代、男性)のCK(クレアチンキナーゼ)が300台(基準値は59~248)と微妙に高かったのです。この方は、スタチンも服用していたので、「まさか横紋筋融解症とかではないよな。でも、もしそうだったら嫌だし、ちょっと中止してみよう」と思って止めることにしました。そして3ヵ月後に再検してみると、さらにCKが増加して500台になっているのです。ちなみに、LDLも91から137(基準値は65~163)と増加していましたが、そちらは何とか基準値内におさまっていました。スタチンを止めたのにCKが増加しているということは、ほかの薬剤が原因なのでしょうか。とはいえ、ほかにめぼしい薬を服用しておられる様子もありません。まさかマラソンをしているとか、きつい肉体労働をしているでしょうか? それにしてはスポーツマン体形でもなく、日焼けしているわけでもないし。中島「ところで〇〇さん。なにか肉体労働をしているとか、激しい運動をしているとか、そういうことはありませんか?」患者「仕事は無茶苦茶きついです」中島「は?」患者「ホテルの仕事なんですけどね」ホテルの無茶苦茶きつい仕事というと、うるさい人ばかり相手の接客とか、つい、そういうことを想像してしまうのですが、この方は違っていました。患者「夏休みなんで、外国人労働者が皆、国に帰ってしまいよるんですわ」中島「国に?」患者「『お盆なんで帰りま~す』って言われてもね。フィリピンやったらクリスチャンやろ、と言いたくなりますよ」中島「ますます話が見えないんですけど」どうやら、大勢の外国人が一時帰国したので、彼らが行っていた仕事を少数の日本人でする羽目になった、ということのようです。中島「あの、ホテルを建築しているとかでしょうか?」患者「そやなくてバス・トイレの清掃をしているんですよ」中島「ああ、そっちでしたか!」患者「それと洗面台ですね」ようやく光景が目に浮かんできました。中島「じゃあハウスキーピングになるんですか?」患者「それはメイクの仕事ですね。自分らが浴槽や洗面台の清掃を終わらせると、メイクがやってきてベッドメイキングをするんですよ。その後にチェッカーが来て点検するんです」つまり、お客さんがチェックアウトすると、清掃、メイク、チェッカーという人たちが順にやってきて、部屋の掃除をするのだそうです。そういえば学生時代に、友達がホテル清掃のアルバイトをしていたことを思い出しました。眉を吊り上げたオバチャンに「髪の毛1本、水1滴!」と厳しく指導されながら働いていたのだとか。中島「バスタブの清掃なんかは、かなりきつそうですね」患者「重労働ですよ。しかも10分で終わらせないと、すぐにメイクが来ますからね」それで、夏になって急にCKが増えていたのかも。中島「すると、フィリピンの人たちが戻ってきたら、少しは楽になりそうですか?」患者「ぜひそう願いたいです!」これは興味あるところなので、3ヵ月後にCKを再検することにしました。果たして、ホテルのバス・トイレ清掃は、CKを上昇させるほどの大変な仕事なのか? しかし、興味本位で患者さんの採血をたびたび行うのも申し訳ないような気が……患者「いやいや先生、ぜひ調べて下さい。自分も、原因を突き止めて安心したいです」つい思ったことが、そのまま口から出てしまった私に対し、患者さんが賛同してくれたのでホッとしました。ということで、肉体労働から解放されたら、果たしてCKは下がるのか否か?それにしてもいろんな仕事があるもんですなあ、世の中には。最後に1句検査値が 教えてくれた 世の仕組み

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第28回 生菌製剤は本当に抗菌薬関連下痢症に効果があるのか【論文で探る服薬指導のエビデンス】

 抗菌薬(antibiotics)と生菌製剤(probiotics)の併用は日常的に見掛ける定番処方だと思います。双方の英語の語源からも対になっているイメージがあります。抗菌薬は腸内細菌叢を障害し、Clostridium difficile(以下、CD)感染症を含む抗菌薬関連下痢症を引き起こすことがありますので、生菌製剤によって腸内細菌叢のバランスを改善し、下痢症を予防することを期待した処方です。健康成人ではとくに併用しなくても問題ないことが多いですが、安価ですのでよく用いられています。今回は、抗菌薬とよく併用される生菌製剤の効果について紹介します。まず代表的な生菌製剤として、耐性乳酸菌製剤(商品名:ビオフェルミンR、ラックビーR)があります。「耐性」とあるように、商品名の「R」はresistanceの頭文字で、普通錠にはない抗菌薬への耐性が付加されています。これらはとにかく多用されていますので、適応のないニューキノロン系やペネム系などとの誤併用に対して疑義照会をした経験がある方は多いのではないかと思います。そのような場合、代替薬として何を提案すべきか迷いますよね。「R」の製剤ではなく普通錠を提案しがちですが、普通錠で抗菌薬投与時の下痢を予防できるのでしょうか?この疑問に関するエビデンスとして、PLACIDEという多施設共同ランダム化二重盲検プラセボ対照比較試験を紹介します。生菌製剤の抗菌薬関連下痢症の予防効果を検証した、それまでになかった大規模な試験です1)。対象は1剤以上の抗菌薬を投与された65歳以上の入院患者2,941例(99.9%が白人)です。対象患者は、乳酸菌2株とビフィズス菌2株を含む生菌製剤(総菌数6×1010)群またはプラセボ群に1:1で無作為に割り付けられ、1日1回21日間服用しました。主要評価項目は、8週以内の抗菌薬関連下痢症または12週以内のCD関連下痢症でした。8週以内の抗菌薬関連下痢症の発現率は、生菌製剤群10.8%(159例)、プラセボ群10.4%(153例)であり、有意差はありませんでした(RR:1.04、95%信頼区間[CI]:0.84~1.28、p=0.71)。また、CD関連下痢症の発現率はそれぞれ0.8%(12例)、1.2%(17例)であり、こちらも有意差はありませんでした(RR:0.71、95%CI:0.34~1.47、p=0.35)。抗菌薬の内訳はペニシリン72%、セファロスポリン24%、カルバペネムまたは他のβラクタム2%、クリンダマイシン1%、キノロン13%でした。ただし、検出力を考慮すると、本当は有意差があるのに有意差なしとなるβエラーが生じている可能性があり、実際には生菌製剤の効果があるのに無効と判断されているケースも除外できないので、乳酸菌とビフィズス菌には抗菌薬関連下痢症の予防効果がないと判断するのは注意が必要かもしれません。酪酸菌には抗菌薬関連下痢症を減少させるエビデンスありでは、他の菌株ではどうなのでしょうか? 酪酸菌(宮入菌)製剤(商品名:ミヤBM)を用いた研究がありますので紹介します。上気道感染症または胃腸炎の小児110例を、(1)抗菌薬のみ服用する群27例、(2)抗菌薬治療の中間時点から酪酸菌製剤を併用する群38例、(3)抗菌薬治療の開始と同時に酪酸菌製剤を併用する群45例の3グループに分けて腸内細菌叢の変化を調査しています2)。抗菌薬のみを服用した群では下痢が59%で観察され、総糞便嫌気性菌とくにビフィズス菌が減少していました。一方で、抗菌薬治療の中間時点または開始時から酪酸菌製剤を併用した群では、酪酸菌製剤が嫌気性菌を増加させるとともにビフィズス菌の減少を防ぎ、下痢の発現率はそれぞれ5%および9%に減少しました。本剤は酪酸菌の芽胞製剤で、胃酸によって死滅せず、腸で発芽して効果を発揮するため効果が期待できるというのは製剤特性からも説明できます。酪酸菌に加えて、糖化菌とラクトミンを配合した酪酸菌配合剤(商品名:ビオスリー配合錠)も同様に有効であるものと推察されます。薬局にいたときは、これらの生菌製剤を併用処方される患者さんもよく見掛けました。もしこれらの生菌製剤が無効の場合は、ラクトミン+ガゼイ菌で抗菌薬関連下痢症およびCD関連下痢症の頻度が減ることを示唆した研究も参考になります3)。抗菌薬関連下痢症は頻度が高く、治療継続への影響も大きいので、より適切な生菌製剤を提案できるようにしておくとよいかと思います。1)Allen SJ, et al. Lancet. 2013;382:1249-1257.2)Seki H, et al. Pediatr Int. 2003;45:86-90.3)Gao XW, et al. Am J Gastroenterol. 2010;105:1636-1641.

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日本糖尿病学会「女性糖尿病医サポートの取り組み」Webサイト に「ジェンダーフリーな職場づくり推進室」を公開中

 日本糖尿病学会「女性糖尿病医サポートの取り組み」Webサイトでは、男女共同参画について各施設でどのような取り組みが行われているかを紹介するコーナーとして「ジェンダーフリーな職場づくり推進室」を公開している。 同コーナーでは第1回として「京都大学医学部附属病院における取組(稲垣 暢也 氏)」、第2回として「北海道大学病院における取組(渥美 達也 氏)」 の記事を掲載しており、以下関連リンクより閲覧可能。 関連リンク 「ジェンダーフリーな職場づくり推進室」 (日本糖尿病学会 「女性糖尿病医サポートの取り組み」)

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統合失調症患者の洞察力がうつ、QOL、自殺に及ぼす影響

 統合失調症患者の半数以上が、生涯に自殺を試みる。より良い洞察力は、機能により良い影響をもたらすが、自殺企図の増加とも関連している。洞察力と自殺企図との関連を明確にするため、フランス・ベルサイユ大学のMickael Ehrminger氏らは、構造方程式モデリングを用いて検討を行った。Journal of Clinical Medicine誌2019年8月10日号の報告。 統合失調症スペクトラム障害患者の洞察力、QOL、うつ、自殺企図を、ベースラインおよび12ヵ月後の時点で測定を行った。これらの関連は、クロルプロマジン換算量、陽性症状、陰性症状、一般精神病理によりコントロールした潜在差スコアモデルを用いて調査した。 主な結果は以下のとおり。・対象患者738例中、370例が試験を完了した。・洞察力のベースラインレベルは、自殺企図の変化を予測した。しかし、自殺企図のベースラインレベルは、洞察力の変化を予測しなかった。より良い洞察力は、自殺企図の根底にあり、その悪化を予測することが示唆された。・より良い洞察力→QOL不良→うつの増加→自殺企図の増加という時系列が示唆された。 著者らは「より良い洞察力は、統合失調症患者のQOL、うつ、自殺企図の悪化を予測した。本知見は、自殺企図に対する洞察力の長期的な影響を理解するうえで重要である。うつや自殺予防のモニタリングなしで、洞察力をターゲットとした介入を提案すべきではないと考えられる」としている。

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D-Indexに基づくFNの抗真菌治療/日本がんサポーティブケア学会

 好中球減少期間の長い高リスク治療では、広域抗菌薬不応患者の発熱性好中球減少症(FN)に経験的抗真菌治療(EAT:empiric antifungal therapy)が推奨されるものの、過剰治療の問題が残る。そのため、バイオマーカーや画像所見に基づく抗真菌薬の先制治療が試みられるようになった。しかし、先制治療では深在性真菌症の増加が懸念されている。そこで好中球減少の深さと持続期間を面積で評価するD-Indexによる早期抗真菌治療(DET:D-index guided early antifungal therapy)を考案し、EATとの無作為比較試験(CEDMIC試験)を実施した。その結果を第4回日本がんサポーティブケア学会学術集会において自治医科大学附属さいたま医療センターの木村 俊一氏が発表した。D-Indexに基づく早期抗真菌治療は経験的治療と比べて抗真菌薬の使用を減少 対象:好中球減少期間(500/μL未満)が7日以上と予想される化学療法や造血幹細胞移植を受ける造血器腫瘍患者・試験群(DET):累積のD-Index(C-Index)5500未満の場合、真菌バイオマーカーで異常がみられたらミカファンギン150mg/日開始。C-Index5500以上の場合、FNが持続または再燃した時点で検査結果に関わらずミカファンギン150mg/日を開始・対照群(EAT):広域抗菌薬開始から4日目以降にFNが持続・再発した時点でミカファンギン150mg/日を開始・評価項目:[主要評価項目]Proven/Probable真菌感染症の発症、[副次評価項目]42、84日時点での全生存率、ミカファンギンの投与頻度、ミカファンギンの有効性評価 D-Indexによる早期抗真菌治療と経験的抗真菌治療を比較した主な結果は以下のとおり。・423例が登録され413例がITT解析対象となった(DET群212例、EAT群201例)。・Proven/Probable真菌感染症の発症はDET群0.5%(1/212例)、EAT群2.5%(5/201例)とDET群のEAT群に対する非劣性が証明された。・DET群とEAT群の全生存率は、42日目で98.6%対98.0%、84日目で96.2%対96.4%と両群間で差と認めなかった。・ミカファンギン投与症例はDET群で32.5%、EAT群では60.2%とDET群で有意に少なかった(p<0.001)。・ミカファンギンの有効性はDET群で68.7%、EAT群では79.6%とEAT群で良好な傾向がみられた。高リスク群に限定すると69.1%対78%で統計的な有意差は認めなかった(p=0.30)。 D-Indexに基づく早期抗真菌治療(DET)は経験的治療(EAT)と比べ、死亡や真菌症発症を増やすことなく、抗真菌薬の使用を減少させた。

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日本人NAFLD患者の種々のがん予測に亜鉛測定が有用

 血清亜鉛(Zn)濃度の低下は肝性脳症や味覚異常など、さまざまな疾患に影響することが報告されている。しかしながら、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)患者における関連はほとんど報告されていない。今回、名古屋大学消化器内科学の伊藤 隆徳氏らは、血清中のZn濃度と総分岐鎖アミノ酸/チロシンモル比(BTR:molar ratio of total branched-chain amino acid to tyrosine)が、NAFLD患者の予後と関係することを明らかにした。著者らは、「血清中のBTRおよびZn濃度が、それぞれNAFLD患者の肝細胞がん(HCC)および他臓器がんの発生予測に有用」とコメントしている。Nutrition&Cancer誌オンライン版2019年8月21日号掲載の報告。 本研究では、名古屋大学と大垣市民病院において1999年1月~2014年12月の期間に肝生検を受け、NAFLDと診断された363例のうち、基準を満たした179例を登録。NAFLD患者の悪性腫瘍の発生率に対する血清中のBTRとZn濃度の影響を調査した。 主な結果は以下のとおり。・被験者179例の内訳は、NAFLが71例、NASHが108例だった。・平均年齢は53歳(四分位:40~62歳)、女性82例(45.8%)、男性97例(54.2%)だった。・被験者の各中央値はBTR:6.7、Zn:78.0μg/dLだった。・フォローアップ期間(中央値7.9年)中にHCCは7例(3.9%)、他臓器がんは10例(5.6%)発生し、他臓器がんの内訳として乳がん・婦人科がん・大腸がんが多くを占めていた。・Bruntの分類による活動性は、Grade1が107例(59.8%)、Grade2が64例(35.8%)、Grade3が8例(4.5%)であり、線維化は、Stage0が49例(27.4%)、Stage1が72例(40.2%)、Stage2が29例(16.2%)、Stage3が25例(14.0%)、そしてStage4が4例(2.2%)だった。・Cox比例ハザードモデルによる多変量解析により明らかとなったHCCのリスク因子は、肝線維化(F3~4、ハザード比[HR]:24.292、95%信頼区間[CI]:2.802~210.621、p=0.004)、BTR 5.0未満(HR:5.462、95%CI:1.095~27.253、p=0.038)であった。一方で、他臓器がんのリスク因子としては、血清Zn濃度70μg/dL未満(HR:3.504、95%CI:1.010~12.157、p=0.048)と病理学的肝内炎症(A2~3、HR:3.445、95%CI:0.886~13.395、p=0.074)が選択された。・血清中のBTR低値(5.0未満)およびZn欠乏(70μg/dL未満)の患者では、HCC(p

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糖尿病の安定CADに、チカグレロル+アスピリンは有益か?/NEJM

 心筋梗塞または脳卒中の既往歴のない安定冠動脈疾患を有する50歳以上の2型糖尿病患者において、チカグレロル+アスピリンの併用はアスピリン単剤と比べて、虚血性心血管イベントの発生が有意に減少したことが示された。一方で、大出血の発生は併用群で有意に増大した。フランス・パリ大学Bichat病院のP. Gabriel Steg氏らが、患者1万9,220例を対象に行ったプラセボ対照無作為化二重盲検試験の結果で、NEJM誌オンライン版2019年9月1日号で発表した。これまでに同患者集団において、チカグレロル+アスピリンの併用が、アウトカムを改善するか否かは明らかになっていなかった。心血管死・心筋梗塞・脳卒中の複合虚血性心血管イベントの発生を比較 研究グループは、安定冠動脈疾患と2型糖尿病を有する50歳以上の患者1万9,220例を対象に試験を行った。心筋梗塞や脳卒中の既往患者は除外した。 被験者を無作為に2群に分け、一方の群にはチカグレロル+アスピリン(チカグレロル群)を、もう一方の群にはプラセボ+アスピリン(プラセボ群)を投与した。 有効性の主要アウトカムは、心血管死・心筋梗塞・脳卒中の複合とした。安全性に関する主要アウトカムは、TIMI出血基準に基づく大出血だった。追跡期間中央値は39.9ヵ月 追跡期間の中央値は39.9ヵ月だった。治療中断の発生頻度は、プラセボ群(25.4%)よりもチカグレロル群(34.5%)が高かった。 主要有効性アウトカムとした虚血性心血管イベントの発生率は、プラセボ群よりもチカグレロル群で有意に低率だったが(チカグレロル群7.7% vs.プラセボ群8.5%、ハザード比[HR]:0.90、95%信頼区間[CI]:0.81~0.99、p=0.04)、TIMI大出血の発生率は、プラセボ群よりもチカグレロル群で有意に高率だった(2.2% vs.1.0%、2.32、1.82~2.94、p<0.001)。頭蓋内出血の発生率は、チカグレロル群0.7%で、プラセボ群0.5%だった(1.71、1.18~2.48、p=0.005)。 致死的出血の発生率については、有意差は認められなかった(0.2% vs.0.1%、HR:1.90、95%CI:0.87~4.15、p=0.11)。 探索的評価による複合不可逆的有害アウトカム(全死因死亡、心筋梗塞、脳卒中、致死的出血または頭蓋内出血)の発生は、同程度だった(10.1% vs.10.8%、HR:0.93、95%CI:0.86~1.02)。

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遺伝子検査活用のプライマリPCI、出血を2割減/NEJM

 プライマリ経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を行う患者において、CYP2C19遺伝子検査に基づく経口P2Y12阻害薬の治療は、チカグレロルまたはプラスグレルを投与する標準治療に対して、12ヵ月時点の血栓イベントに関して非劣性であり、出血の発現頻度は有意に低減したこと(ハザード比:0.78)が示された。オランダ・St. Antonius HospitalのDaniel M. F. Claassens氏らが、2,488例を対象に行った無作為化非盲検評価者盲検化試験の結果で、NEJM誌オンライン版2019年9月3日号で発表した。早期CYP2C19遺伝子検査でP2Y12阻害薬を投与vs.標準治療を評価 研究グループは、プライマリPCIを受ける患者2,488例を対象に試験を行った。 被験者を無作為に2群に分け、一方の群には早期CYP2C19遺伝子検査を行い、その結果に基づきP2Y12阻害薬を投与(遺伝子ガイド群1,242例)。具体的には、CYP2C19*2またはCYP2C19*3機能喪失型アレルのキャリアに対しては、チカグレロルまたはプラスグレルを、非キャリアにはクロピドグレルをそれぞれ投与した。もう一方の群には遺伝子検査を行わず、チカグレロルまたはプラスグレルによる標準治療を行った(標準治療群1,246例)。投与期間は12ヵ月間だった。 主要評価アウトカムは2つで、いずれも12ヵ月時点で評価した(1)有害臨床イベント(主要複合アウトカム[全死因死亡、心筋梗塞、確定的ステント血栓症、脳卒中、PLATO基準に基づく大出血])、(2)PLATO基準に基づく大出血または小出血(主要出血アウトカム)だった。主要複合アウトカムは、非劣性(絶対差マージン2ポイント)検定で評価した。遺伝子ガイド群、主要複合アウトカムの発生は非劣性、出血は約22%減少 主要複合アウトカムの発生は、遺伝子ガイド群63例(5.1%)、標準治療群73例(5.9%)で、遺伝子ガイド群の非劣性が示された(絶対差:-0.7ポイント、95%信頼区間[CI]:-2.0~0.7、非劣性のp<0.001)。 主要出血アウトカムの発生は、遺伝子ガイド群122例(9.8%)、標準治療群156例(12.5%)だった(ハザード比:0.78、95%CI:0.61~0.98、p=0.04)。

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第22回 患者・市民参画(PPI)の動きが高まっています【患者コミュニケーション塾】

要望が増えてきた「医療を受ける立場の者」の意見ここ数年、医療を取り巻くさまざまな分野で「患者・市民参画」が求められるようになってきました。COMLにも、1990年代後半から、事務所の拠点を置いている大阪府や神戸市などの行政から、医療に関するさまざまな委員会に委員として参加してほしいという要請が入るようになり、次第に、病院の外部評価委員会や厚生労働省や文部科学省といった国の審議会・検討会などからの依頼へと拡がっていきました。都道府県で6年ごと(2017年までは5年ごと)に作成されている医療計画には、06年から、「医療を受ける立場の者」が作成メンバーに加わることが求められています。さらに、大学や病院などで実施されている治験や臨床研究の倫理審査委員会でも、一般の人が外部委員として参加していますが、単なる構成要件ではなく、一般外部委員が出席していない倫理審査委員会は開催を認めないという「開催要件」になっています。相次ぐ医療事故により、2015年3月に東京女子医科大学病院と群馬大学病院で特定機能病院の承認が取り消され、それを機に、特定機能病院の医療安全に関する承認要件が見直されました。その結果、17年から特定機能病院では医療安全に関する監査委員会の設置が求められています。監査委員会は、外部委員が半数以上を占めていなければならず、そのなかに「医療を受ける立場の者」の必要性が明記されています。最近では、学会が作成している診療ガイドラインでも、作成段階から一般の人の意見を採り入れることが推奨されています。ガイドライン作成に関わっている医師の方であれば、そのような話もご存じなのではないでしょうか。イギリスのPPIという概念を導入して2015年に設立したAMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)でも、17年から患者・市民参画の取り組みを進めようとしています。AMEDは内閣総理大臣、厚生労働大臣、文部科学大臣、経済産業大臣が主務大臣を務め、医療における基礎から実用化に至るまでの研究開発が切れ目なく実施されるように、大学や研究機関などを支援しています。つまり、研究開発のための環境整備に取り組んでいる機関です。私もアドバイザリーボードの委員としてAMEDに関わってきました。そのAMEDで、医療における研究開発を推進するうえで、患者・市民参画は必須の概念として、2017年に「臨床研究等における患者・市民参画に関する動向調査」委員会を立ちあげ、調査や話し合いを重ね、19年に『患者・市民参画(PPI)ガイドブック』という研究者向けの冊子を作成しました。私も委員の一人ですが、患者・市民参画の必要性をまずは研究者が理解することが必要ということで作成されたものです。PPIというのは、Patient and Public Involvementの頭文字を取ったもので、「患者・市民参画」と訳されています。各国に先駆けてイギリスで採り入れられてきた政策で、医学研究や臨床試験だけでなく、医療政策全般において、その意思決定の場に患者・市民の関与を求めています。医学部の入学試験の合否判定に、患者・市民が参画している大学もあると聞きます。欧米では患者・市民参画が早くから進められていて、カナダや米国ではPE(Patient Engagement)と呼ぶこともあるようです。ちなみに、日本の製薬業界では、患者中心ということでPatient Centricityという用語がよく使われています。的確に意見を述べる人を養成、バンク化患者・市民参画というと、現在の医療界では、治験や臨床研究への参画と受け止められがちです。しかしCOMLでは、これまでの経験から、イギリスと同様に広く医療における諸問題や政策に患者・市民として参画することと捉えて活動してきました。1992年から活動している模擬患者も、学生や医療者のコミュニケーション能力向上や医療面接試験に参画しているPPIの一つです。医療機関の改善のために参画しているという意味では、94年から取り組んできた<病院探検隊>も同様だと考えています。また、私が年間100を超える厚生労働省の審議会・検討会や、さまざまな委員会にメンバーとして出席していることも、PPIの活動です。日本ではPPIという考えのもとに進められてきたわけではありませんが、1990年代後半あたりから、医療の問題を考える際に、利用者である患者・市民の声を聞く必要性が少しずつ認識されてきました。それがここにきて、一気にさまざまな医療に関する分野で高まってきたという印象です。これはCOMLの創始者である故・辻本好子が2000年代半ばから予想していたことで、「これから患者・市民への委員要請が必ず増えてくると思う。でもある程度医療のことを理解していないと、冷静かつ客観的な意見は言えない。きちんと意見を述べることができる人を養成するような活動をCOMLでやろう」と私に持ち掛けました。その結果、09年度から始めた「医療で活躍するボランティア養成講座」(1回3時間×5回)が誕生しました。この講座を修了した人のなかには、電話相談スタッフや模擬患者、患者情報室スタッフなどとして活躍している人はたくさんいます。しかし、修了しただけでは意見を述べる委員として推薦できるかどうかの判断ができないことに歯痒い思いも抱いていました。そこで2017年度から始めたのが、「医療関係団体の一般委員養成講座」(1回3時間×7回)です。「医療で活躍するボランティア養成講座」を「医療をささえる市民養成講座」に改称して基礎コースと位置付け、全回修了した人を対象に委員を養成するアドバンスコースを始めたわけです。「医療関係会議の一般委員養成講座」の目的は、一般委員の役割を理解し、適切なタイミングで、わかりやすく意見を述べる能力を養うことです。患者・市民の視点を生かし、自分の関心事だけに固執するのではなく、バランスよく意見を述べることも大切です。そこで、第1回目は一般委員としてどのような会議体からの要請があるのか、何を大切にしなければいけないのかなどを解説し、講座に参加した動機や意気込みをディスカッションします。そして、終了時に指定した会議の資料や議事録を読み、そこで一般委員が果たしていた役割や、自分ならどのタイミングで、どのような意見を述べようと思うかを考えてきてもらい、第2回目で発表します。第3・4回目は、立教大学の松本茂教授に外部講師をお願いし、会議の場できちんと発言できる能力に力点を置いたディベートセミナーを実施。第5回目までに主に厚生労働省の2種類以上の検討会を傍聴し、第5回目で傍聴報告会を開催します。そして総仕上げは、第6・7回目の模擬検討会です。専門委員役(教授や医師会の役員など)や事務局役(厚生労働省技官)の協力を得て模擬検討会で議論し、専門委員役と事務局役、私とCOMLオブザーバーで採点をして、委員としての資質の合否判定を行います。そして合格者には、COML委員バンクに登録できる資格を付与するというものです。この合格率は約27%で、現在、12名がCOML委員バンク登録会員です。バンク化してまだ1年余りにもかかわらず、20を超える委員に就任して活躍し始めています。登録会員は委員として派遣するだけでなく、さまざまなPPI活動へと発展することができるのではと、大きな期待を寄せています。そして、夢は全国の地域ブロックでのバンク化です。そうすることで、医療と冷静に向き合う賢い患者が増えることにつなげていきたいと思っています。

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