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TAVRの大動脈弁置換術の5年転帰/NEJM

 手術リスクが中等度の重症大動脈弁狭窄症患者において、経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)と外科的大動脈弁置換術(SAVR)の5年後では、死亡または後遺障害を伴う脳卒中の発生率に有意差は確認されなかった。米国・シダーズ・サイナイ医療センターのRaj R. Makkar氏らが、無作為化試験「Placement of Aortic Transcatheter Valves(PARTNER)2コホートA試験」の結果を報告した。重症大動脈弁狭窄症で手術リスクが中等度の患者における、TAVR後の長期的な臨床転帰や生体弁機能については、SAVRと比較したデータが不足していた。NEJM誌オンライン版2020年1月29日号掲載の報告。中等度リスクの重症大動脈弁狭窄症患者約2,000例でTAVR vs.SAVR 研究グループは2011年12月~2013年11月の期間に、57施設において中等度の手術リスクがある重症の症候性大動脈弁狭窄症患者2,032例を登録した。予定された経大腿動脈アクセスまたは経胸腔アクセス(それぞれ76.3%と23.7%)で患者を層別化し、TAVR群またはSAVR群のいずれかに無作為に割り付け、臨床アウトカム、心エコーおよび健康状態の転帰について5年間追跡調査を行った。 主要評価項目は、全死亡または後遺障害を伴う脳卒中(修正Rankinスコア2点以上で、ベースライン時から脳卒中後30日/90日までに1点以上の上昇)とした。統計解析はintention-to-treat集団を対象とし、log-rank検定とKaplan-Meier法を用いた。TAVR群とSAVR群で死亡や後遺障害を伴う脳卒中の発生率に有意差なし 5年時において、全死亡または後遺障害を伴う脳卒中の発生率にTAVR群とSAVR群との間で有意差は確認されなかった(47.9% vs.43.4%、ハザード比[HR]:1.09、95%信頼区間[CI]:0.95~1.25、p=0.21)。 経大腿動脈アクセスのコホートでは同様の結果であったが(44.5% vs.42.0%、HR:1.02、95%CI:0.87~1.20)、死亡または後遺障害を伴う脳卒中の発生率は、経胸腔アクセスのコホートにおいてはTAVR群がSAVR群よりも高率であった(59.3% vs.48.3%、1.32、1.02~1.71)。 5年時点では、TAVR群がSAVR群と比較して、軽度以上の弁周囲大動脈弁逆流の割合が高値であった(33.3% vs.6.3%)。施術後の再入院率はTAVR群がSAVR群よりも高く(33.3% vs.25.2%)、大動脈弁の再介入率もTAVR群がSAVR群よりも高かった(3.2% vs.0.8%)。5年時点の健康状態の改善は、TAVR群とSAVR群で類似していた。 なお、本試験で使用された医療機器(SAPIEN XT)は、現在は臨床使用されていない。

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新型コロナウイルス感染症、“疑い例”の定義について/日本医師会

 刻々と状況が変化する中、新型コロナウイルス感染症の「臨床的特徴」や「感染が疑われる患者の要件」について、適時アップデートが行われている。2月5日の日本医師会の定例会見では、厚生労働省発出の文書に基づく現時点での定義や、今後の医療機関での対応の見通しについて、釜萢 敏常任理事が説明した。初めて“濃厚接触”を具体的に定義 厚生労働省では、2月4日付の感染症法に基づく届出基準の一部改正についての都道府県宛通知1)において、同感染症の「臨床的特徴」および「感染が疑われる患者の要件」を下記のように定義している。<臨床的特徴(2020年2月2日時点)> 臨床的な特徴としては、潜伏期間は2~10日であり、その後、発熱、咳、全身倦怠感等の感冒様症状が出現する。一部のものは、主に5~14日間で呼吸困難等の症状を呈し、胸部 X 線写真、胸部 CT などで肺炎像が明らかとなる。高齢者及び基礎疾患を持つものにおいては重症化するリスクが一定程度あると考えられている。<感染が疑われる患者の要件> 患者が次のア、イ、ウ又はエに該当し、かつ、他の感染症又は他の病因によることが明らかでなく、新型コロナウイルス感染症を疑う場合、これを鑑別診断に入れる。ただし、必ずしも次の要件に限定されるものではない。ア)発熱または呼吸器症状(軽症の場合を含む。)を呈する者であって、新型コロナウイルス感染症であることが確定したものと濃厚接触歴があるものイ)37.5℃以上の発熱かつ呼吸器症状を有し、発症前14日以内にWHOの公表内容から新型コロナウイルス感染症の流行が確認されている地域に渡航又は居住していたものウ)37.5℃以上の発熱かつ呼吸器症状を有し、発症前14日以内にWHOの公表内容から新型コロナウイルス感染症の流行が確認されている地域に渡航又は居住していたものと濃厚接触歴があるものエ)発熱、呼吸器症状その他感染症を疑わせるような症状のうち、医師が一般に認められている医学的知見に基づき、集中治療その他これに準ずるものが必要であり、かつ、直ちに特定の感染症と診断することができないと判断し(法第14条第1項に規定する厚生労働省令で定める疑似症に相当)、新型コロナウイルス感染症の鑑別を要したもの※濃厚接触とは、次の範囲に該当するものである。・ 新型コロナウイルス感染症が疑われるものと同居あるいは長時間の接触(車内、航空機内等を含む)があったもの・ 適切な感染防護無しに新型コロナウイルス感染症が疑われる患者を診察、看護若しくは介護していたもの・ 新型コロナウイルス感染症が疑われるものの気道分泌液若しくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高いもの 釜萢氏は上記イ、ウで示される「WHOの公表内容から新型コロナウイルス感染症の流行が確認されている地域」について、中国湖北省が該当と説明。中国の湖北省以外の地域は該当しないのかとの問合せもあるが、検査対象となる疑い例イ、ウの定義としては、現時点では原則として同地域に限定されるとした。「帰国者・接触者相談センター」で受け付け、「帰国者・接触者外来」で受診・検査 また、厚生労働省は2月1日付の事務連絡2)で、都道府県宛に「帰国者・接触者相談センター」ならびに「帰国者・接触者外来」の設置を指示。相談センターは当面主に保健所が担い、帰国者・接触者外来は主に感染症指定医療機関が担う。ただし、今後検体が増加する可能性に備えて、標準予防策を講じられる医療機関については、感染症指定医療機関に限らず医療機関の同意のうえ指定の可能性があるとした。 一般医療機関においては、本来帰国者・接触者外来を受診すべき疑い例であることが判明した場合は、まず相談センターへ連絡のうえ、センターで検体採取が必要と判断された場合に、帰国者・接触者外来の受診という流れとなる。中国からの報告と、国内で診察した医師の印象は乖離か 中国からの報告では、2割強が重症例で、死亡率は2%台とされているが、まず前提としてこれらの報告が感染者のうちの肺炎患者に限られている点を同氏は指摘。一方、まだ数例ではあると前置きしたうえで、国内で症例を診察した医師の印象は中国からの報告から得られる印象とは乖離しているようだと話した。PCR法に代わる簡易検査法や治療薬(タイからの報告はまだエビデンスといえるレベルではない)の開発等にはまだ時間を要すると考えられ、収束の見通しについても正確な見極めはこれからの段階であると強調した。

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患者団体は製薬企業からの資金提供をもっと公開すべきだろう(解説:折笠秀樹氏)-1179

 患者団体とは患者の声を代表し、患者や家族と支え合うとともに、療養環境の改善を目指す患者会および患者支援団体のことである。ほぼ定款や会則を有している。がん・難病を中心に患者団体は数多く存在し、講演会や勉強会を開催している。疾病理解への啓発活動なども行っている。会費だけでは活動資金が不足しており、寄付金や協賛金に強く依存しているのが現状のようだ。26研究のシステマティックレビューがその実態を浮き彫りにした。 26研究あったが、資金提供の有無を報告していたのは15研究だった。患者団体への資金提供割合は、20%(少ない)という報告から83%(多い)という報告まであった。どの研究結果が正しいのかよくわからない。資金提供を受けている団体の中で、ウェブサイトで資金提供を公開しているのは27%(642団体中175で公開)にすぎなかった。定款や会則の中に資金受け入れ方針を示している患者団体は、2%という報告から64%という報告まであった。研究によって結果はひどく異なる。このような調査に答えている患者団体はしっかりしているところが多く、実態はこれよりもさらに低いと思われる。製薬企業のほうは完全に公開しているが、患者団体は非常に遅れていると言わざるを得ない。 日本製薬工業協会(製薬協)は2012年ごろから透明性ガイドラインを作り始め、「患者団体との協働に関するガイドライン」および「企業活動と患者団体の関係の透明性ガイドライン」を発行した。患者団体のほうはそれぞれに任されており、その公開実態は団体ごとに千差万別であり、総じて公開度は大変低いことが明らかとなった。 取り上げられた研究報告に日本からの報告はなかったが、日本にもそういった調査はあった。製薬協は2014年および2017年に調査を実施した。2017年の調査によると、製薬企業から支援を受けている割合は92.9%と報告されている。本研究の20~83%という報告よりもはるかに高い。こちらのほうが実態だと思われる。 われわれ医療機関はどうかというと、同じように公開しているところはほとんどないだろう。指針と言えるかどうかわからないが、教職員倫理規程なるものは存在する。毎年ネットで倫理を勉強しテストで合格することが求められている。利害関係者を含むすべての兼業は届け出て、実績報告を毎月出している。

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乳房温存術後の早期乳がん患者に対して加速乳房部分照射(APBI)は勧められるか?-NSABP B-39/RTOG 0413試験結果から(解説:岩瀬俊明氏)-1181

 加速乳房部分照射(Accelerated Partial Breast Irradiation:APBI)とは、乳房温存術後の乳房内再発の約70%以上の症例が切除後の腫瘍床周囲から発生することから、全乳房照射(Whole Breast Irradiation:WBI)の代わりに腫瘍床のみに部分照射を行う方法である。 メリットとしては1.線量を増加して短期間に照射を終えられる2.照射野を縮小することで有害事象を軽減できる3.短期間の治療により治療費を軽減できる(小線源治療を除く) デメリットとしては1.小線源治療や術中照射を選択した場合、手技の煩雑さや治療を受けられる施設が限られる2.長期的な有害事象、局所再発率や生存率が不明などが挙げられる。 現在乳がん診療ガイドラインでは“APBIは長期のエビデンスがまだ十分でなく、行わないことを弱く推奨する”とされている。一方で臨床の場では仕事または家族のケアのためにスケジュールを調整しながら放射線治療に通わなければならない乳がん患者は多く、APBIの潜在的な需要は大きい。 NSABP B-39/RTOG 0413は乳房温存術後の4,216例の早期乳がん患者において乳房内再発(Ipsilateral Breast Tumor Recurrence:IBTR)を1次アウトカムに設定し、APBI後のIBTRがWBIに対して同等である、という仮説に基づいたランダム化第III相同等性試験である。同等性マージンはハザード比の90%信頼区間の上限の1.5に設定された。結果としてAPBI群のハザード比は1.22(90%信頼区間:0.94~1.58)と同等性は示されなかった。2次アウトカムであるrecurrence-free intervalはAPBI群が有意に短縮していたが、distant disease-free interval、overall survivalでは両群間で有意な差を認めなかった。有害事象に関しては両群に有意な差は認めなかった。 本試験のポイントは以下のとおりである。1.対象が40歳以下、腋窩リンパ節転移3個まで、多中心性がんや小葉がんなど、再発リスクが高い症例を含んでいた2.APBIは三次元外照射に加えて小線源治療も用いた3.同等性は示されなかったもののAPBI後10年目でのIBTRの違いはわずか0.7%だった(recurrence-free intervalに関しても<1.6%) 本試験で示されたのは、同等とまではいかないものの、ある程度局所再発リスクが高い患者でもAPBIはWBIにかなり近い割合でIBTRを予防することができる、ということであろう。本試験の結果は統計学的にはネガティブであったが、10年目のIBTRの絶対差は1%以内である。今回、より再発リスクの低い症例を対象としたRAPID試験と併せて長期予後が得られたことで(別コラムを参照)、本邦でも再発低リスク乳がん患者に対してAPBIが治療の選択肢になる可能性はある。ただ、RAPID試験と同様にアジア人の参加が少なかったことや小線源治療の侵襲性、コストなど検討の余地がある。 本試験の整容性に関しては有意差がなかったと2019年の北米放射線学会にて追加報告があり、おそらくは27%の症例が小線源治療を受けていたことに起因すると考えられる。小線源治療は三次元外照射よりも整容性の面で優れていることが報告されており、今後も小線源治療を含め日本人に最適なAPBIの方法を臨床試験の枠内で検討していくことが望まれる。

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ビタミンDとオメガ3脂肪酸は糖尿病性腎臓病の進展を抑制しない(解説:住谷哲氏)-1183

 ビタミンDまたはオメガ3脂肪酸が健常人の心血管イベントやがんの発症を抑制するか否かを検討した大規模無作為化試験VITALの結果はすでに報告されているが、残念ながらビタミンDおよびオメガ3脂肪酸の両者ともに心血管イベントもがんも抑制しなかった1,2)。本試験はこのVITALに組み込まれた糖尿病患者を対象としたsupplementary trial VITAL-DKDであり、主要評価項目は治療開始5年後のeGFRの低下である。 この試験の背景には動物実験でビタミンDの投与が(1)レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系を抑制する、(2)腎臓での炎症および線維化を抑制する、(3)ポドサイトのアポトーシスを抑制する、(4)アルブミン尿および糸球体硬化の程度を軽減すること、ならびにオメガ3脂肪酸が抗炎症作用および抗血栓作用を有することがある。また多くの観察研究において血中25(OH)D3濃度低値、少ない魚摂取量、血中オメガ3脂肪酸濃度低値がアルブミン尿の程度およびeGFRの低下と相関することが報告されている。つまり動物実験と観察研究の結果からは、ビタミンDまたはオメガ3脂肪酸の投与による糖尿病性腎臓病の進展抑制の可能性が示唆されたことになる。 2×2要因デザインを用いてビタミンD3(2,000 IU/日)またはオメガ3脂肪酸(エイコサペンタエン酸とドコサヘキサエン酸:1g/日)が投与された。主要評価項目である5年後のeGFRの低下はビタミンD3投与群、オメガ3脂肪酸投与群および両者の投与群とプラセボ群との間に有意な差は認められなかった。また副次評価項目である臨床的腎アウトカム(eGFRの40%以上の低下、腎不全、死亡からなる複合アウトカム)ならびに尿アルブミンについてもプラセボ群との間に有意差を認めなかった。 ビタミンDならびにオメガ3脂肪酸をサプリメントとして服用している糖尿病患者は少なくないと思われる。本試験の結果から考えると、糖尿病患者がこれらのサプリメントを摂取しても糖尿病性腎臓病進展の予防効果は期待できないだろう。やはりサプリメントに頼らず、エビデンスに基づいた治療と健康的な食生活とを目指すのが賢明だろう。

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新型コロナウイルスあれこれ【Dr. 中島の 新・徒然草】(309)

三百九の段 新型コロナウイルスあれこれ読者の皆さんも、それぞれの医療機関で新型コロナウイルス対策を行っていることと思います。大阪医療センターでもしばしば会議や打ち合わせが行われており、また大勢の人の集まる行事も中止になったりしています。さて、私自身は感染症に詳しいというわけではなく、一般市民と同じように玉石混交のネット情報に振り回されているわけですが、今回のことをキッカケに色々考えさせられたので、自分なりにわかりやすくまとめました。もし間違っていたら御指摘ください。【疫病の怖さを感染力と病原性の2軸で考える】疫病の怖さを感染力の強さと病原性の高さで考えるというのが、1つの方法かと思います。感染力がやたら強くても病原性がさほど高くない感染症なら、そんなに恐れる必要はありません。感染力を数値で表す基本再生産数(1人の患者が何人に感染させるか)は、新型コロナウイルスの場合、1.4~5.5と色々な説がありますが、権威あるジャーナルに発表された論文によれば2.21)とか2.682)と見積もられています。ちなみに我々に馴染みの深いインフルエンザが2前後だということなので、同じ程度だと言ってよさそうです。一方、新型コロナウイルスの病原性については、中国から発表されている死者数を患者数で割ると、致死率は約2%。これに対し、現在のインフルエンザの致死率は通常0.1%程度だとされています。1918~19年に猛威をふるったスペインかぜの致死率が2%程度だったと推測されており、同程度の新型コロナウイルスも侮れません。とはいえ、上記に述べた感染力や病原性については種々の条件によって大きく異なってくるので、中国と日本を同一に論じることはできなさそうです。感染予防策によって感染拡大を防止し、個人の体調管理と我が国の医療体制によって致死率を下げることができれば、日本での死者数を抑え込むことができるのではないでしょうか。是非そうなってほしいですね。余談ですが、新型コロナウイルスに対する恐怖が人々の感染対策意識を向上させたのか、同じ飛沫感染であるインフルエンザの流行が例年に比べて低く抑えられていることが、東京都感染症情報センターのホームページにある定点医療機関当たり患者報告数から読み取れます3)。もっとも、単に暖冬のせいでインフルエンザが流行っていないだけかもしれませんけれど。というわけで、あれこれ考えさせられる新型コロナウイルス、どちらに向かって進んでいくのでしょうか?最後に1句コロナ来て あわてて勉強 今日もまた1)Li Q, et al. N Engl J. 2020 Jan 29. [Epub ahead of print]2)Joseph T Wu, et al. Lancet. 2020 Jan 31. [Epub ahead of print]3)東京都感染症情報センター

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日本人統合失調症患者における長時間作用型抗精神病薬の使用と再入院率~全国データベース研究

 統合失調症患者に対する抗精神病薬の長時間作用型持効性注射剤(LAI)について、現在の処方状況および臨床結果を調査することは重要である。国立精神・神経医療研究センターの臼杵 理人氏らは、日本での統合失調症患者に対する抗精神病薬LAIについて、その処方割合と再入院率に関する調査を行った。Psychiatry and Clinical Neurosciences誌オンライン版2019年12月25日号の報告。 日本のレセプト情報・特定健診等情報データベースを用いて、オープンデータセットを作成した。統合失調症の患者レコードを使用した。分析(1)において、2015年2月~2017年3月に精神科施設を受診した外来患者に対する抗精神病薬の処方割合を調査した。分析(2)においては、精神科施設を初回退院後90日以内に抗精神病薬LAIによる治療を受けた患者を対象に、退院後365日間の再入院率を調査した。 主な結果は以下のとおり。・抗精神病薬による治療を受けた統合失調症外来患者のうち、LAIの処方割合は3.5%であった。・再入院率は、統合失調症患者全体で41.0%、定型抗精神病薬LAIの単独療法を受ける患者で36.2%、非定型抗精神病薬LAIの単独療法を受ける患者で23.5%であった。 著者らは「日本での統合失調症治療において、抗精神病薬LAIは、まだ十分に普及していない。非定型抗精神病薬LAIは、定型抗精神病薬LAIと比較し再入院率が低かった。本結果は、今後の研究を行ううえで重要な基本情報となりうるが、集約データベースとデータベースの構造によって一般化可能性が制限されると考えられるため、解釈には注意が必要である」としている。

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新型コロナウイルスのゲノムの特徴/Lancet

 2019年12月に中国・武漢市で患者が報告され、その後、病原体として同定された新型コロナウイルス(2019-nCoV)について、中国疾病予防管理センターのRoujian Lu氏らがゲノム配列を調べた。その結果、2019-nCoVはSARS-CoVとは異なり、ヒトに感染する新たなβコロナウイルスと考えられた。系統解析では、コウモリがこのウイルスの最初の宿主である可能性が示唆されたが、武漢市の海鮮卸売市場で販売されている動物はヒトでのウイルス出現を促進する中間宿主である可能性が示された。さらに構造解析から、2019-nCoVがヒトのアンジオテンシン変換酵素(ACE)2受容体に結合できる可能性が示唆された。Lancet誌オンライン版2020年1月30日号に掲載。 著者らは、入院患者9例(うち8例は海鮮卸売市場を訪れた症例)の気管支肺胞洗浄液サンプルと培養分離株の次世代シークエンシングを行った。これらの症例から全体および部分的な2019-nCoVゲノムシークエンスを取得し、2019-nCoVゲノムとほかのコロナウイルスの系統解析を用いてウイルスの進化について同定し、可能性のある起源を推定した。 主な結果は以下のとおり。・9例から得られた2019-nCoVの10のゲノム配列は非常に類似し、同一性は99.98%以上だった。・2018年に中国東部の舟山で収集された2匹のコウモリ由来の重症急性呼吸器症候群(SARS)様コロナウイルス(bat-SL-CoVZC45、bat-SL-CoVZXC21)は、2019-nCoV と88%の同一性であった。しかし、SARS-CoV(約79%)およびMERS-CoV(約50%)とは同一性は低かった。・系統解析により、2019-nCoVはβコロナウイルス属サルべコウイルス亜属に分類され、最も近縁のbat-SL-CoVZC45およびbat-SL-CoVZXC21より比較的長い分岐長を有し、SARS-CoVとは遺伝的に異なることが認められた。・ホモロジーモデリングから、2019-nCoVはキーである残基におけるアミノ酸変化にもかかわらず、受容体結合ドメイン構造がSARS-CoVと似ていることがわかった。

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新型コロナウイルス、ヒト-ヒト感染は12月中旬から/NEJM

 中国・湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルス(2019-nCoV)感染による肺炎(NCIP)について、中国疾病管理予防センターのQun Li氏らが、2020年1月22日までにNCIPが確認された425人について調べ、疫学的特徴を明らかにした。平均潜伏期間は5.2日、基本再生産数の推定値は2.2で、早期段階では7.4日ごとに感染者が倍増していたことなどが判明したという。著者は「これらの情報は、2019年12月中旬から濃厚接触(close contact)によるヒト-ヒト感染が起きていたというエビデンスを示すものであった」と述べ、「もし同様の感染力がほかでも起きているようなら、感染を減らしアウトブレークをコントロールするには相当な努力が必要になるだろう。リスク集団で感染予防・抑制の手段を講じなければならない」と指摘した。NEJM誌オンライン版2020年1月29日号掲載の報告。2020年1月22日までに検査で確認・報告されたNCIP感染者425人を調査 研究グループは、2020年1月22日までに検査で確認・報告されたNCIP感染者425人について、人口統計学的特性、曝露歴、病状経過について情報収集し分析した。 症例の特徴を描出し、鍵となる疫学的遅延分布を推定。指数関数的に増加している時期に、疫学的患者倍加時間と基本再生産数を推定した。2019年12月中の感染者は47人、そのうち55%が武漢海鮮卸売市場と関連 感染が確認された初期の425人は、年齢中央値59歳(範囲:15~89歳)、男性が56%だった。2019年12月31日までの感染者は47人(11%)で、そのうち26人(55%)について武漢華南海鮮卸売市場との関連が認められた。一方、1月1日以降の感染者(~11日:248人、12~22日:130人)で同関連が認められたのは8.6%だった。 平均潜伏期間は5.2日(95%信頼区間[CI]:4.1~7.0)で、感染者の95パーセンタイルが12.5日であった。また、早期の段階では、7.4日で感染者が倍増した。 連鎖感染の連続症例について、その発症間隔の予測値は7.5日(95%CI:5.3~19)だった。基本再生産数の予測値は、2.2(同:1.4~3.9)だった。

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高血圧の定義改定で有病率増もCVアウトカム関連なし/JAMA

 米国心臓病学会/米国心臓協会(ACC/AHA)は高血圧治療ガイドラインを2017年に改訂し、高血圧症の定義を140/90mmHgから130/80mmHgに引き下げた。それにより、米国成人の孤立性拡張期高血圧症(IDH)の有病率は1.3%から6.5%に増加し、一方で新たな定義でIDHと診断された人と心血管アウトカムとの関連はないことが明らかになったという。アイルランド国立大学ゴールウェイ校のJohn W. McEvoy氏らが、2つの大規模コホートについて断面・縦断的解析を行った結果で、JAMA誌2020年1月28日号で発表した。「NHANES」と動脈硬化症リスク研究「ARIC」の被験者について解析 研究グループは、2013~16年の米国国民健康栄養調査「NHANES」について断面解析を、また1990~92年に開始し2017年まで追跡した地域における動脈硬化症リスク研究「ARIC」について縦断的解析を行い、2017 ACC/AHAと2003 JNC7の定義によるIDHの有病率および心血管アウトカムを比較した。 縦断的解析の結果について、外部の2コホート([1]NHANES・III[1988~94]とNHANES[1999~2014]、[2]CLUE[Give Us a Clue to Cancer and Heart Disease]IIコホート[ベースライン1989])で検証した。 IDHの定義は、2017 ACC/AHAでは収縮期血圧(SBP)<130mmHg、拡張期血圧(DBP)≧80mmHgであり、2003 JNC7ではそれぞれ<140mmHg、≧90mmHgだった。 主要アウトカムは、米国成人のIDH有病率、および2017 ACC/AHAガイドラインに基づきIDHに対する薬物療法を勧告された人の割合だった。また、ARIC試験については、アテローム動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)、心不全、慢性腎臓病(CKD)の発症リスクも評価した。IDH有病率、JNC7定義で1.3%に対し2017 ACC/AHA定義では6.5% 解析に包含された被験者数は、NHANESコホートからは9,590例(ベースラインの平均年齢49.6[SD 17.6]歳)で、うち女性は5,016例(52.3%)であり、ARIC試験からは8,703例(同56.0[5.6]歳)で、うち女性は4,977例(57.2%)だった。 NHANESコホートにおけるIDH有病率は、JNC7定義では1.3%だったのに対し、2017 ACC/AHA定義では6.5%だった(絶対群間差:5.2%、95%信頼区間[CI]:4.7~5.7)。 2017 ACC/AHA定義で新たにIDHとされた被験者のうち、ガイドラインにより降圧治療の適応となった割合は0.6%(95%CI:0.5~0.6)だった。 ARIC試験の正常血圧値の被験者と比べて、2017 ACC/AHA定義によるIDHの被験者は、ASCVD(イベント数:1,386件)、心不全(同:1,396件)、CKD(同:2,433件)のいずれの発症リスクとの関連も認められなかった。それぞれのハザード比(追跡期間中央値25.2年における)は、ASCVDが1.06(95%CI:0.89~1.26)、心不全が0.91(0.76~1.09)、CKDが0.98(0.65~1.11)。 外部の2コホートにおいても、2017 ACC/AHA定義によるIDHと心血管死との関連は認められなかった。ハザード比は、NHANESではイベント数1,012件で1.17(95%CI:0.87~1.56)、CLUE IIでは1,497件で1.02(0.92~1.14)だった。

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新型コロナウイルス肺炎99例の疫学的・臨床的特徴/Lancet

 中国・武漢市金銀潭医院のNanshan Chen氏らは、2019年新型コロナウイルス(2019-nCoV)による肺炎の疫学的・臨床的特徴を調べるため、自院の全症例について調査した。その結果、2019-nCoVは併存疾患のある高齢男性が感染するリスクが高く、急性呼吸窮迫症候群などの重症で致命的な呼吸器疾患を引き起こす可能性があることが示唆された。Lancet誌オンライン版2020年1月30日号に掲載。 著者らは、2020年1月1~20日に武漢市金銀潭医院で2019-nCoVが確認された全症例について後ろ向き調査を実施した。症例はリアルタイムRT-PCRで確認し、疫学的、人口統計学的、臨床的、放射線学的特徴および検査データを解析した。アウトカムは2020年1月25日まで追跡。 主な結果は以下のとおり。・2019-nCoV肺炎の99例のうち、49例(49%)が海鮮卸売市場を訪れていた。・平均年齢は55.5歳(SD:13.1歳)、男性67例、女性32例であった。・リアルタイムRT-PCRにより、全症例で2019-nCoVが検出された。・50例(51%)は慢性疾患を有していた。・症状は、発熱82例(83%)、咳嗽81例(82%)、息切れ31例(31%)、筋肉痛11例(11%)、錯乱9例(9%)、頭痛8例(8%)、咽頭痛5例(5%)、鼻漏4例(4%)、胸痛2例(2%)、下痢2例(2%)、悪心・嘔吐1例(1%)であった。・画像検査では、74例(75%)に両側性肺炎、14例(14%)に多くの斑状およびすりガラス状の陰影、1例(1%)に気胸が認められた。・17例(17%)が急性呼吸窮迫症候群を発症し、そのうち11例(11%)が短期間で悪化し多臓器不全で死亡した。

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多様化する皮膚病治療に対応するために~『皮膚病診療』初の全面刷新

 昨今の皮膚病領域に関する治療薬や臨床の多様化、医療トラブルや患者さんとのコミュニケーショントラブル対応など、臨床現場で求められることが広範囲に及ぶ現状を受け、雑誌『皮膚病診療』が、2020年1月号から全面刷新された。臨床医のための皮膚病総合雑誌として 1978 年に創刊されて以降、皮膚病領域の症例報告を中心に毎号発刊されてきた。症例報告中心の基本的な編集方針は維持しながら、より多くの臨床医が医療現場で役立てられる情報を見やすくわかりやすく提供することを目的に、サイズアップやフルカラー化のほか、新たな連載企画がスタートしている。 【全面刷新の特徴】(1)B5 から A4 へのサイズアップより多くの情報を、見やすくわかりやすく読者に提供するために、B5 サイズから A4 サイズへ変更。毎号特集形式で厳選したテーマを採用し、症例をキーワードとして辞書のように活用できる誌面構成に。(2)全ページのカラー化症例画像を見やすくするために、全ページをカラー化。そのまま実地診療に役立てられる誌面に。(3)医療現場に役立つ新連載スタート2020 年 1 月号より「皮膚科医のワークライフバランス・エッセイ」と「開業医の方に知っていただきたい最新知識」の連載がスタート。診療技術以外の日常診療に役立つ情報も加えられている。 なお、今回の全面刷新にあたり、編集委員長を務める斉藤 隆三氏(前・東邦大学医学部客員教授)らにより行われた座談会「新生『皮膚病診療』のこれから―令和時代の皮膚科医にむけて―」はこちらから。

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お酒飲みの皆さん、1日1合少しのお酒までやめられますか?(解説:野間重孝氏)-1180

 飲酒と心房細動の有病率は古くから研究されており、種々の疫学調査により過量飲酒が心房細動の有病率を上昇させることが証明されている。最近のFramingham Studyでは3 drink/日以上の飲酒で心房細動の危険性が増すことが報告されている(相対危険度1.34)。わが国での疫学調査でもエタノール46~69g/日で相対危険度1.36、それ以上では相対危険度2.90と、用量依存性に心房細動の有病率が上昇することが報告されている(Sano F, et al. Circ J. 2014;78:955-961.)。ちなみに海外の疫学ではdrinkという単位が用いられることが多く、これはアルコール12gを表す。日本で用いられる単位の1単位は20gでこれは大体日本酒で1合、ビールで500mLに相当する。本論文で取り扱われている16~17drink/週程度とは、日本酒で1升、ビールで500mL缶10本程度ということになる。興味深いことは、日本人はアルコール脱水素酵素やアルデヒド脱水素酵素の活性が欧米人に比して低いことが知られているが、一連の疫学研究でわが国と欧米との間に著しい差異は認められないことである。 アルコールと心房細動の関係は複合的といわれ、交感神経の興奮と副交感神経の抑制により心房筋の不応期が短縮し心房性期外収縮の多発を引き起こすこと、エタノールの代謝産物であるアセトアルデヒドが心房筋を障害すること、最近ではレニン・アンジオテンシン系の関与なども考えられている。解剖学的にはアルコール過量摂取者では心房の拡大や心房筋の線維化がみられることが報告されている。カテーテルアブレーション後の不整脈再発との関連が指摘されていることも注目される点だろう。 さらに付け加えれば、いわゆるbinge drinkerの問題がある。これは普段は常習的にアルコールを摂取する習慣がないが、宴会などの席で大量飲酒をしてしまうような人を指しており、多量に飲酒する機会の後に不整脈を発生することからholiday heartなどと呼ばれ、休日直後の月曜日やクリスマスから元旦の期間に頻度が高いことが知られている。このタイプによる心房細動発作の多くは単なる禁酒により改善することが知られている。 このようにアルコールの過量摂取と心房細動の疫学的関係はすでにほぼ明らかにされているが、ベースは洞調律だが、時々心房細動を起こすいわゆる発作性心房細動患者の発作抑制に禁酒が効果あるのかについては子細に検討されたことがなかった。この点に注目した筆者らがランダム割り付けを行うことにより検討したのが本研究である。結果は予想されたようにかなりの効果があることが証明された。 今回の結果はこれまでの一連の疫学研究から当然予想されたものであったが、評者が常々主張しているように、一見当たり前にみえることでも証明することには常に意義があり、その意味からは評価されなくてはならないだろう。しかし問題が個人の嗜好の問題であり、かつ心房細動は現在では確かに脳梗塞の主要な原因となっているとはいえ、生命予後に直結する疾患ではない。臨床の場で、1日2合に満たない飲酒も好ましくないと説明しても果たしてどの程度受け入れられるかには疑問が残ると思う。また非弁膜症性心房細動の最大の原因は加齢であって、人口の高齢化は皮肉にも医学の進歩の成果そのものともいえる。また他分野からは、適量のアルコールの摂取は虚血性心疾患の発生を抑制するという研究も出されている。本研究はアルコールと心房細動の関係を考えるワンピースを埋めたという意味では評価できるが、総体としての評価には微妙なものがあるように思えてならない。

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3人に1人が臨床試験の結果を公表していなかった(解説:折笠秀樹氏)-1178

 臨床試験を実施しても結果を公表しないのは資源の無駄に当たるとともに、参加された被験者へも無責任ということで、2007年に米国FDAは法律(FDAAA)を取りまとめた。2017年には施行され、2018年1月から完全実施となった。その法律によると、臨床試験は終了後1年以内に登録サイトへ結果を公表しなければならない。米国で登録サイトというと、ほぼすべてが「ClinicalTrials.gov」に当たる。終了とは何かというと、最後の観察測定が取られた時点を指す。いわゆるLPO(Last Patient Out)から1年以内ということであり、データの固定時ではない。 2018年1月に本法律が完全実施されたため、2018年3月~2019年9月に「ClinicalTrials.gov」へ登録された全試験、4,209試験を調査対象とした。終了後1年以内の公表率は40.9%にすぎなかった。1年以降でも公表された割合は63.8%だった。せっかく臨床試験を実施しても、何も公表していないのが3分の1もあった。ヘルシンキ宣言によると、35条に事前登録、36条に結果の公表は研究者の責務と書かれている。これを守っていない研究者が3人に1人もいるという実態が明らかになった。 この法律に違反すると、1日遅れるごとに1万ドル(約100万円)、主宰者(スポンサー)から徴収することになっている。1ヵ月遅れたら3,000万円にもなる。これはFDAによる法律のため、実際には国の認可を求める製薬企業が対象と思われる。そのためか、製薬企業の遵守率(終了1年以内公表率)は高かった。政府主導では31.4%なのに、製薬企業では45~50%程度だった。大企業(ノバルティス、ギリアド、グラクソ・スミスクライン、ファイザー、ロシュ、アストラゼネカ)では、92~100%というほぼ完璧な遵守率だった。 多くの臨床試験を実施しているMD Anderson Cancer CenterやNational Cancer Instituteでも30%程度の遵守率だったが、Sloan Kettering Cancer Centerは91.7%、University of North Carolina at Chapel Hillは81.3%と高い施設もあった。それでも、最終的公表率でみると80%以上だった。また、臨床試験を数多く実施している主宰者では公表率は高く、あまり行っていないところでは低かった。 終了1年以内と最終的公表率の違いをみると、企業主導では50.3%が64.5%へ増えただけなのに、政府主導では31.4%が74.2%へ急増していた。企業主導ではFDAの法律を意識しており、終了1年以内の公表率が高かったのだろう。政府主導では1年以内は守っていないが、最終的には論文化など公表しておかないとグラント申請に影響するため、最終的な公表率は高かったと思われる。

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第23回 意識しよう 免疫力を高めるビタミンDの食材一覧表【実践型!食事指導スライド】

第23回 意識しよう 免疫力を高めるビタミンDの食材一覧表医療者向けワンポイント解説ビタミンDは、紫外線(日光)を浴びることにより、皮膚で合成されるビタミンとしても有名です。しかし、皮膚合成だけでは不十分であるため、食事からの摂取が見直されつつあります。厚生労働省は、5年ごとに改定する「日本人の食事摂取基準」2020年版において、ビタミンDについても変更を加えています。ビタミンDの指標設定については、「骨折リスクを上昇させないビタミンDの必要量に基づき目安量を設定」とされ、2015年度に比べると18歳以上の男女ともに5.5μg/日から8.5μg/日に変更されています。ビタミンDの欠乏や不足におけるリスクは、くる病や骨軟化症のなどが有名ですが、ほかにも骨粗鬆症、感染症、自己免疫、炎症性疾患、心血管病変、がんなどが報告されています。また、ビタミンDは、自然免疫系を増強させ、獲得免疫系の制御をすると考えられ、風邪、インフルエンザ、肺炎など呼吸器感染症の予防が期待されています。また、ビタミンDの不足は糖尿病のリスクを高めるという報告もあります。しかし、糖尿病に関しては、「2型糖尿病の高リスク者に対して、ビタミンD補充をしても、リスクは低下しなかった」という報告*もあり、糖尿病に対して、ビタミンDを摂取すれば良いという考え方ではなく、日常の体づくりに対しての摂取を考えていくべきかもしれません。ビタミンDを食事から摂取しようとする場合、食材は限られており、多く含まれるのは、「魚」「きのこ類」「たまご」です。100gあたりのビタミンD量を比較すると、乾燥きくらげが圧倒的に多く85.4μgです。しかし、実際に1度の食事で摂取できる量は3g程度であり、ビタミンDに換算すると約2.6μgです。そのほか、きのこ類では、舞茸に多く含まれ、大きなパック1個分(100g)で約4.9μgとなります。魚では、サケなどが摂りやすく33μg/100gであり、切り身1枚(80g)程度でも約26.4μgと目安量を簡単に摂取することが可能です。しらす干しは大さじ1杯(5g)で約3μgのビタミンDが摂取できます。魚やきのこは嗜好や食生活の環境によって摂取量が左右されるため、毎日意識をして摂取することがカギとなります。*:Pittas AG, et al. N Engl J Med. 2019;381:520-530.

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抗菌薬が十分量処方されていなかったため上乗せを提案【うまくいく!処方提案プラクティス】第14回

 今回は、動物咬傷による皮膚軟部組織感染に対する抗菌薬の処方提案です。病状の改善や耐性菌を生み出さないためには抗菌薬を十分量投与する必要があります。医師の選択した抗菌薬の種類だけでなく、投与量も適切かどうか確認するクセをつけましょう。患者情報50歳、男性(外来)体  重:60kg基礎疾患:高血圧症、糖尿病、足白癬既 往 歴:とくになし主  訴:ペットの犬に噛まれた右手の疼痛、発熱直近の検査値:血清クレアチニン(Scr)0.9mg/dL推算CCr:83.3mL/min処方内容1.アムロジピン錠5mg 1錠 分1 朝食後2.シタグリプチン錠50mg 1錠 分1 朝食後3.テルビナフィンクリーム 10g 1日1回 足全体4.エフィナコナゾール液10% 3.56g 1日1回 爪全体5.アモキシシリン・クラブラン酸配合錠250RS 3錠 分3 毎食後本症例のポイント糖尿病患者さんは、感染症に罹患しやすく、重篤化しやすいため、十分量の抗菌薬が処方されているか慎重に確認する必要があります。今回の患者さんは、糖尿病の基礎疾患があり、動物咬傷による皮膚軟部組織感染と推察できますので、アモキシシリン・クラブラン酸配合錠250RS 3錠/日(アモキシシリンとして750mg/日)では治療効果が十分ではなく、1,500mg/日程度が必要と考ました。しかし、アモキシシリンが治療に有効な力価になるまで配合錠を増量すると、クラブラン酸が高用量になり過ぎてしまいます。高用量のクラブラン酸は下痢や嘔気などの消化器症状が増加する懸念がある一方で、抗菌効果の増強にはならないと指摘されていますので良いところなしです。そのため、アモキシシリンの用量を上げたい場合は、アモキシシリン・クラブラン酸配合錠を増量するのではなく、アモキシシリン単剤を追加してアモキシシリンの力価だけを増やすことがあります。アモキシシリン・クラブラン酸配合錠とアモキシシリン錠の先発品名から「オグサワ」と呼ばれる有名な治療方法です。海外製品のアモキシシリン・クラブラン酸配合錠の標準比は、アモキシシリン:クラブラン酸=4:1だが、日本製品(成人用)は2:1でアモキシシリンの配合比が低い。アモキシシリン・クラブラン酸配合錠250RS 3錠/日にアモキシシリン単剤250mg 3錠/日を追加することでアモキシシリン:クラブラン酸=4:1となり、クラブラン酸を増量せずに十分量のアモキシシリンを投与することができる。処方提案と経過処方医に想定される起炎菌と重症度を確認したところ、傷の深さや発熱などの症状から重症度は高めで、ブドウ球菌や嫌気性菌を考えているとのことでした。核心の用量については、逆に抗菌薬の十分量について質問を受けたので、上記のアモキシシリン250mg/回を追加することで十分な治療効果が見込め、腎機能も推算CCrから問題ない旨をお伝えしました。その結果、処方はアモキシシリン錠250mg 3錠 分3 毎食後をアモキシシリン・クラブラン酸配合錠に同日数分上乗せするよう指示を受けました。数日後、医師より患者さんの体調が回復したというご報告と、オグサワの使用経験がなく不安があったが今後の診療でも活用していきたいというコメントを頂きました。1)Gilbert DNほか編. 菊池賢ほか日本語版監修. <日本語版>サンフォード 感染症治療ガイド2019(第49版). ライフサイエンス出版;2019.2)オーグメンチン配合錠インタビューフォーム

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アトピー性皮膚炎や乾癬、帯状疱疹リスクと関連

 アトピー性皮膚炎や乾癬などの慢性炎症性皮膚疾患(CISD)と帯状疱疹の関連が示された。米国における横断研究の結果、帯状疱疹ワクチン接種が低年齢層で推奨されているにもかかわらず、多くのCISDで帯状疱疹による入院増大との関連が認められたという。米国・ノースウェスタン大学フェインバーグ医学院のRaj Chovatiya氏らが報告した。アトピー性皮膚炎や乾癬などのCISD患者は、帯状疱疹の潜在的リスク因子を有することが示されていたが、CISDの帯状疱疹リスクについては、ほとんど知られていなかった。今回の結果を踏まえて著者は、「さらなる研究を行い、CISDに特異的なワクチンガイドラインを確立する必要があるだろう」と述べている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2020年1月17日号掲載の報告。帯状疱疹による入院とアトピー性皮膚炎や乾癬との関連を評価 研究グループは、アトピー性皮膚炎や乾癬などのCISDと帯状疱疹の関連を明らかにする目的で、2002~12年の全米入院患者サンプル(Nationwide Inpatient Sample)のデータを用いて、米国の入院患者の代表コホート(小児と成人6,808万8,221例)について解析を行った。 年齢、性別、人種/民族、保険状況、世帯収入、および長期の全身性コルチコステロイド使用を含む多変量ロジスティック回帰モデルを用いて評価した。 アトピー性皮膚炎や乾癬などのCISDと帯状疱疹の関連を解析した主な結果は以下のとおり。・帯状疱疹による入院と、アトピー性皮膚炎(補正後オッズ比[OR]:1.38、95%信頼区間[CI]:1.14~1.68)、乾癬(4.78、2.83~8.08)、天疱瘡(1.77、1.01~3.12)、類天疱瘡(1.77、1.01~3.12)、菌状息肉症(3.79、2.55~5.65)、皮膚筋炎(7.31、5.27~10.12)、全身性強皮症(1.92、1.47~2.53)、皮膚エリテマトーデス(1.94、1.10~3.44)、白斑(2.00、1.04~3.85)、サルコイドーシス(1.52、1.22~1.90)との関連が認められた。・扁平苔癬(補正前OR:3.01、95%CI:1.36~6.67)、セザリー症候群(12.14、5.20~28.31)、限局性強皮症(2.74、1.36~5.51)、壊疽性膿皮症(2.44、1.16~5.13)は、二変量モデルにおいてのみオッズ比の上昇が示された。・60歳未満および50歳未満の感度解析でも、類似の結果が示された。・CISDにおける帯状疱疹の予測因子は、「女性」「慢性症状がより少ない」「長期にわたるコルチコステロイドの全身使用」などであった。

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米国うつ病患者の薬物療法と治療パターン

 ケアの潜在的なギャップを特定するためには、リアルワールドで患者がどのように治療されているか理解することが不可欠である。米国・Janssen Research & DevelopmentのDavid M. Kern氏らは、現在の米国におけるうつ病に対する薬理学的治療パターンについて解析を行った。BMC Psychiatry誌2020年1月3日号の報告。 2014年1月~2019年1月に、4つの大規模な米国レセプトデータベースよりうつ病患者を特定した。対象は2回以上のうつ病診断歴またはうつ病入院患者で、最初のうつ病診断の1年以上前および診断後3年間にデータベースへの登録がある患者を適格とした。対象患者に対する治療パターンは、薬剤クラスレベル(SSRI、SNRI、三環系抗うつ薬、その他の抗うつ薬、抗不安薬、催眠鎮静薬、抗精神病薬)で、利用可能なすべてのフォローアップ期間中に収集した。 主な結果は以下のとおり。・対象のうつ病患者は、26万9,668例であった。・フォローアップ期間中に、薬理学的治療を行っていなかった患者の割合は29~52%であった。・治療を行っていた患者の約半数は、2つ以上の異なるクラスの薬剤で治療が行われていた。また、3クラス以上の薬剤で治療が行われていた患者は4分の1、4クラス以上の薬剤で治療が行われていた患者は10%以上であった。・最も一般的な第1選択薬はSSRIであったが、多くの患者において抗うつ薬治療前に、抗不安薬、催眠鎮静薬または抗精神病薬による治療が行われていた。・クラス間の併用による治療は、第1選択薬での治療の約20%から第4選択薬での治療の40%の範囲内で認められた。 著者らは「うつ病と診断された多くの患者は治療を受けていない。また、治療を受けていた患者の多くは、最初の治療が抗うつ薬以外の薬剤によって行われていた。半数以上の患者は、フォローアップ期間中に複数のタイプの治療を受けており、多くの患者において初回治療が最適ではなかった可能性が示唆された」としている。

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