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医師団体・政治家・行政担当者のための新型タバコに対処する方法(2)【新型タバコの基礎知識】第16回

第16回 医師団体・政治家・行政担当者のための新型タバコに対処する方法(2)Key Pointsタバコ対策が不十分な日本では、電子タバコによるハーム・リダクションを検討する前に、紙巻タバコへの規制を強化すべき通常、商品から規制値を超えるホルムアルデヒドが検出されると、その商品は回収されることとなるが、タバコは回収されない特別扱い新型タバコも含めた「タバコの煙」全てを有害物質だと判定し、タバコ対策を進めていくことが必要今回は、まず(加熱式タバコではない)電子タバコに対する規制方策について紹介します。次に、現実社会におけるタバコや新型タバコの扱いについて検討し、新型タバコも含めたタバコの有害性についてどういう捉え方ができるのか、国際がん研究機関(IARC)の判断をみていき、新型タバコへの対処方法について考えてみたいと思います。※加熱式タバコと電子タバコの違いについては、第1回および第2回を参照ください(加熱式タバコを含まない)電子タバコに対する規制は今どうなっている?新型タバコといっても、加熱式タバコではない、電子タバコの規制については国際的に一致した見解が得られていないのが現状です。英国政府は電子タバコを医薬品として承認して、ハーム・リダクションの手段として積極的に活用する方針であるのに対して、米国では若年者における電子タバコの蔓延による悪影響が考慮され、規制が強化されてきています。こうした背景には、各国におけるタバコ対策の進捗状況の違いがあります。英国には、国際的にトップランナーとしてタバコ対策を進めてきた実績があります。タバコ1箱当たりのタバコ税が約900円と高く設定されており、飲食店やホテル等のサービス産業も含め、屋内を全面禁煙化することが罰則付きで法律により定められています。英国ではタバコ対策はかなり進められているが、それでもまだタバコを吸っている人に対してどうするか、という文脈で、電子タバコの禁煙効果に期待が集まっているわけです。しかし、電子タバコに禁煙させる効果があるとは証明されていません。また、電子タバコにも有害性がないわけではありません(第10回記事参照)。分かっていないことも多いのです。そのため、米国など多くの国で電子タバコへの規制強化が検討されています。タバコ対策が十分に進んでいない国であればあるほど、電子タバコがタバコ対策や社会に悪影響を与える可能性があると考えられます。英国と比べて、日本のタバコ対策はかなり不十分といえるでしょう。日本では、電子タバコによるハーム・リダクションを検討する前に、まず本丸である紙巻タバコへの規制を強化することが重要です。日本ではタバコは安すぎるし、屋内禁煙は徹底できておらず、脱タバコ・メディアキャンペーンはほぼ実施されていないのです。この現状では、ハーム・リダクションとして新型タバコを導入することよりも、これらのタバコ対策を進めることが優先されるものと考えられます。他の商品とタバコとで異なるアルデヒド検出への対応タバコからは5,000種類以上の化学物質、70種類以上の発がん性物質が放出されており、中でもタバコの煙から多量に検出されるホルムアルデヒドは、発がん性などのタバコの有害性を形づくる主要な有害物質の一つです。通常、商品から規制値を超えるホルムアルデヒドが検出されると、その商品は回収されることとなります(図)。規制値を下回るレベルであったとしても発生原因が調査され、健康被害に配慮した厳格な対応が取られ、回収されているのです。しかし、タバコの場合には、これとは全く異なった対応となっています。すべてのタバコ製品から規制値をはるかに上回るレベルのホルムアルデヒドが検出されており、日本だけでも年間10万人以上がタバコが原因で死亡しており、非常に多くの重篤な健康被害が発生していると分かっているものの、タバコは回収とはならないのです。画像を拡大するそれはなぜか。タバコだから、です。たばこ事業法などの法律の下、タバコは通常の商品ではなく、タバコとして扱われます。本来であれば(在るべき姿としては)、タバコは有害性が実証された段階で禁止されていてしかるべきものです。しかし、タバコの有害性が実証された1950~60年代には、タバコ利権が巨大過ぎて、タバコを禁止できませんでした。その後、世界のタバコ使用を減らすことができていればタバコ利権が弱まり、タバコを禁止する方向へと話を進められたかもしれません。しかし、現実には世界のタバコ消費量は近年拡大しており、タバコ産業の利権は1950~60年代当時よりもはるかに巨大なものとなっているのです。「タバコの煙」自体が有害物質と認定されているこのように歪められたタバコへの対応を改善してタバコのない社会を目指すために、次に示す考え方は参考にできるのではないでしょうか。国際がん研究機関(IARC)は、科学的根拠に基づき、「タバコの煙」自体を有害物質(発がん性物質)だと判定しています。この判定の根拠となったデータは、現実社会における人々の記録です。人々が「タバコの煙」を吸ったかどうか記録され、その人が追跡され、がんにかかったかどうかが調べられてきたのです。そのようなデータを沢山集め、科学的根拠に基づいて「タバコの煙には発がん性がある」と判定したのです。実は、これまでの50年以上にわたるタバコのリスク研究全部をもってしても、紙巻タバコの有害性の全容は分かっていません。途中のメカニズムには不明な点もありますが、タバコの煙を吸うと、肺がん、心筋梗塞や脳卒中などの病気になってしまうと分かっているのです。ここで重要な予防の観点は、途中のメカニズムがどうであろうと、とにかくタバコの煙を吸うのを防ぐことができれば、病気を防げるということです。人々をがんなどの病気から守るためにも、われわれは人々を「タバコの煙」からできるだけ遠ざけなければなりません。具体的には、禁煙支援を実施したり、受動喫煙を防止するために屋内を禁煙にしたり、学生にタバコの害を教えたり、社会的にタバコは許容できるものではないとの規範を広めたり、タバコを規制する法律を作ったりしていかなければならないのです。「タバコの煙」自体を有害物質だと判定し、タバコの害についての認識を共有したことが、世界的なタバコ対策の発展へとつながっているのです。新型タバコにはまだ長期間の記録がありません。新型タバコの研究は難しく、新型タバコによって病気になるリスクはしばらく解明されないかもしれません。しかし、第5回でみたように、新型タバコからは明らかに有害物質が出ています。新型タバコからも「タバコの煙(もしくはエアロゾル)」が出ているのです。その「タバコの煙(エアロゾル)」自体を、由来がどのタバコだろうとも、規制の対象であるとすべきだと考えられます。新型タバコに対してどのように規制していけばいいのか、これから最良の対応方法を模索していかなければならないと思います。第17回は、「禁煙をし続けるために本当に必要なこと(1)」です。

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第14回 3種の薬局で地域を未病から守る女性社長【噂の狭研ラヂオ】

動画解説今回は大分県まえはら薬局の前原理佳社長にインタビュー。OTC専門、OTC&調剤薬局、門前薬局の種類の異なる3店舗の薬局を経営するに至ったこれまでの薬剤師人生を語っていただきます。未病から関わりたいというその熱い思いは「地域に恩返ししなさい」という母の家訓によるものだった!

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HER2低発現乳がんへのtrastuzumab deruxtecanの効果と安全性/JCO

 trastuzumab deruxtecan(T-DXd)は2019年12月、米国食品医薬品局(FDA)より「転移乳がんに対する治療として2つ以上の抗HER2療法を受けたHER2陽性の手術不能または転移乳がん」に対して迅速承認された。今回、HER2低発現(IHC 1+もしくは2+ / ISH-)の乳がん患者における推奨展開用量(RDE)の効果と安全性について、米国・Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのShanu Modi氏らがJournal of Clinical Oncology誌オンライン版2020年2月14日号で報告。本剤の有望な抗腫瘍活性が示され、毒性は消化管または血液毒性がほとんどだったが、重要なリスクとして間質性肺疾患(ILD)が特定された。 本試験の適格患者は、標準治療に不応/不耐の進行/転移HER2低発現乳がん患者(米国は18歳以上、日本は20歳以上)。T-DXdを、同意の撤回、許容できない毒性発現、または病勢進行まで、3週ごとに1回、5.4または6.4mg/kgを静脈内投与し、抗腫瘍活性と安全性を評価した。 主な結果は以下のとおり。・2016年8月~2018年8月に54例が登録され、RDEで1回以上T-DXdを投与した。・前治療の中央値は7.5であった。・独立中央判定による奏効率は20/54(37.0%、95%CI:24.3~51.3%)、奏効期間中央値は10.4ヵ月(95%CI:8.8ヵ月~未達)であった。・治療関連有害事象(TEAE)は、患者のほとんど(53/54、98.1%)で1つ以上認められた(Grade3以上:34/54、63.0%)。・Grade3以上の主な(5%以上)TEAEは、好中球減少症、血小板減少症、白血球減少症、貧血、低K血症、AST上昇、食欲不振、下痢などであった。・6.4mg/kgで治療された3例で、T-DXdによる間質性肺疾患(ILD)/肺臓炎関連の致死的イベントを認めた(独立中央判定委員会による)。

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SSRI治療抵抗性うつ病患者に対する第2選択治療

 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)単独療法の2週間後に治療反応が不十分であったうつ病患者に対するノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)併用または切り替え療法の有効性について、中国・首都医科大学のLe Xiao氏らが、検討を行った。Psychological Medicine誌オンライン版2020年1月14日号の報告。 中国の5つの病院より18~60歳の中等度以上のうつ病患者を募集し、二重盲検ランダム化プラセボ対照3アーム試験を実施した。対象患者には、2週間の非盲検期間にパロキセチンを投与し、改善が認められなかった患者をSSRI群(パロキセチン+プラセボ)、NaSSA群(ミルタザピン+プラセボ)、併用群(パロキセチン+ミルタザピン)にランダムに割り付けた。主要アウトカムは、ランダム化6週間後のハミルトンうつ病評価尺度(HAMD-17)スコアの改善とした。 主な結果は以下のとおり。・SSRI単独療法の2週間後に治療反応が不十分であったうつ病患者204例は、3群にランダムに割り付けられた。アウトカム評価対象患者は、164例であった。・8週間後のHAMD-17スコアの最小二乗平均変化は、NaSSA群12.98点、SSRI群12.50点、併用群13.27点であり、3群間に有意な差は認められなかった。・SSRI群は、副作用発現の患者が最も少なかった。 著者らは「2週間の抗うつ薬治療後に治療反応を示さないうつ病患者に対する併用療法または抗うつ薬切り替え療法は、ルーチンな治療法として推奨されるものではない」としている。

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皮膚がんの診断、スマホアプリは信頼できるか/BMJ

 現在のアルゴリズムベースのスマートフォンアプリケーション(アプリ)は、悪性黒色腫や他の皮膚がん患者の検出において信頼性がなく、実際には研究結果よりもさらに検査性能が劣る可能性があることが、英国・バーミンガム大学のKaroline Freeman氏らの調査で明らかとなった。研究の詳細は、BMJ誌2020年2月10日号に掲載された。皮膚がんは世界で最も頻度の高いがんの1つであり、罹患率は上昇している。アルゴリズムベースのスマートフォンアプリは、皮膚がんリスクを即時に評価し、より早期に発見して治療することで、生存の延長をもたらすと期待される。一方、これらのアプリの妥当性を検証した2つの研究に関するコクランレビューでは、皮膚がんを見逃す可能性が高いと示唆されている。診断精度研究の系統的レビュー 研究グループは、がんが疑われる皮膚病変の皮膚がんリスクを評価するアルゴリズムベースのスマートフォンアプリの精度を評価した研究の妥当性を検証する目的で、診断精度研究の系統的レビューを行った(英国国立衛生研究所[NIHR]などの助成による)。 2019年4月10日現在、医学データベースとインターネット上の臨床試験レジストリに登録された文献を検索した。対象は、皮膚がんが疑われる皮膚病変の画像を評価するアルゴリズムベースのスマートフォンアプリについて検討したあらゆるデザインの研究とした。 解析には、評価した病変が皮膚がんか否かの決定を、アプリの判定をマスクした状態で、病変を切除した場合は組織学的診断で、切除しなかった場合はフォローアップで確定した試験、および専門家による推奨で検証するために、アプリで評価したすべての病変を皮膚科専門医が直接再評価した試験が含まれた。 2人の研究者が、別個にデータを抽出し、QUADAS-2(Quality Assessment of Diagnostic Accuracy Studies 2 tool)を用いて妥当性の評価を行った。個々のアプリの感度と特異度を算出した。多くの試験で、病変選択や画像取得は主に医師 6種のスマートフォンアプリ(SkinScan、SkinVision、Dr Mole、SpotMole、MelApp、Mole Detective)を評価した9件の研究が解析の対象となった。6件(725病変)の研究は組織病理学的な参照基準による診断またはフォローアップで、3件(407病変)は専門医の推奨を用いて結果を検証していた。 6種のアプリのうち、解析の時点で使用可能であったのは2種(SkinScan、SkinVision)のみであった。また、2件の試験はアプリ名を開示していなかった(1件は1種のアプリ、1件は3種のアプリを評価)。 すべての研究は小規模で、参加者を選択的に登録したり、評価不能な画像の割合が高いなど、方法論的質が不良であった。患者選択のバイアスが低リスクと判定されたのは2件の研究のみだった。また、病変の選択(5件が医師、2件が参加者、2件は報告なし)や、画像の取得(9件すべてが医師)は、スマートフォン使用者ではなく、主に医師によって行われていた。 SkinScanは1件の研究(15病変、5病変で悪性黒色腫を検出)で検討されており、悪性黒色腫を検出する感度は0%(95%信頼区間[CI]:0~52)、特異度は100%(69~100)であった。 また、SkinVisionは2件の研究(252病変、61病変でがん病変または前がん病変を検出)で検討され、がん病変または前がん病変を検出する感度は80%(95%CI:63~92)、特異度は78%(67~87)であった(病変の特徴や症状に関するアプリ内の質問に回答した患者を含む)。 著者は、「皮膚病変を懸念する成人の皮膚がんリスクの評価において、これらのアプリの使用を支持するエビデンスの質は低い。また、臨床的に適切な集団で、本来のアプリ使用者が操作した場合、ここで報告した結果よりも検査性能が劣る可能性がある」としている。

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高齢ICU患者、低血圧許容で死亡は改善するか/JAMA

 血管拡張性の低血圧で昇圧薬の投与を受けている65歳以上の集中治療室(ICU)患者では、低血圧の許容(permissive hypotension)は通常治療と比較して、昇圧薬の曝露量を減少させるものの、90日死亡率は改善しないことが、カナダ・シャーブルック大学のFrancois Lamontagne氏らが行った無作為化試験で示された。研究の詳細は、JAMA誌オンライン版2020年2月12日号に掲載された。ICU患者では、心筋や腎臓の障害、死亡と関連する低血圧を回避するために、昇圧薬が一般的に使用されるが、収縮した血管床では血流が低下する可能性があり、心臓や代謝、微生物叢、免疫の機能に影響を及ぼすという。そのため、とくに高齢患者では、低血圧のリスクと昇圧薬のリスクの均衡を図ることが課題となっている。MAP目標値60~65mmHgを許容 本研究は、英国の65ヵ所のICUが参加した実用的な無作為化臨床試験であり、2017年7月~2019年3月の期間に実施された(英国国立健康研究機構[NIHR]医療技術評価プログラムなどの助成による)。 対象は、年齢65歳以上、ICUで血管拡張性低血圧(治療医判定)の治療として昇圧薬の注入が開始されてから6時間以内で、適切な輸液が行われている患者であった。 被験者は、平均動脈圧(MAP)の目標値(60~65mmHg)となるように昇圧薬を減量あるいは中止する群(低血圧許容群)、または治療医の裁量で、より個別的なアプローチで昇圧薬を投与する群(通常治療群)に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要な臨床アウトカムは、90日時の全死因死亡とした。ICU退室時と退院時の死亡率にも差はない 2,463例(平均年齢75[SD 7]歳、1,387例[57%]が男性)が、主要アウトカムの解析の対象となった。低血圧許容群が1,221例、通常治療群は1,242例であった。 ベースラインの背景因子は、日常の活動に支援を要する患者の割合(低血圧許容群34.4%、通常治療群30.9%)を除き、バランスが取れていた。無作為化直後のMAPは、低血圧許容群が69.9mmHg、通常治療群は71.1mmHgだった。 昇圧薬曝露時間は、低血圧許容群が通常治療群に比べ短かった(曝露時間中央値:33時間vs.38時間、中央値の群間差:-5.0時間、95%信頼区間[CI]:-7.8~-2.2、ノルエピネフリン当量の総投与量中央値:17.7mg vs.26.4mg、中央値の群間差:-8.7mg、95%CI:-12.8~-4.6)。 90日時に、低血圧許容群は1,221例中500例(41.0%)が死亡し、通常治療群は1,242例中544例(43.8%)が死亡した(絶対リスク差:-2.85%、95%CI:-6.75~1.05、p=0.15、補正前相対リスク:0.93、95%CI:0.85~1.03)。事前に規定されたベースラインの変量で補正した90日死亡率の補正後オッズ比は0.82(95%CI:0.68~0.98)であった。 ICU退室時の死亡率(29.9% vs.30.7%、絶対リスク差:-0.85、95%CI:-4.49~2.79、p=0.66)および救急病院退院時の死亡率(39.3% vs.41.5%、-2.23、-6.09~1.63、p=0.27)にも、有意な差は認められなかった。また、全体の生存期間にも差はなかった(補正後ハザード比:0.94、95%CI:0.84~1.05)。 重篤な有害事象として、低血圧許容群の79例(6.2%)と、通常治療群の75例(5.8%)が報告された。最も頻度の高い重篤な有害事象は、急性腎不全(41例[3.2%] vs.33例[2.5%])と、上室心臓不整脈(12例[0.9%] vs.13例[1.0%])であった。 著者は、「この試験の臨床的重要性を解釈する際は、主要アウトカムの点推定の信頼区間を考慮する必要がある。絶対リスク差と補正した解析の信頼区間は、高齢患者における昇圧薬への曝露の最小化が、有害ではなく、むしろ有益となる可能性があることを示唆する」としている。

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浙江省のCOVID-19症例、3割に基礎疾患/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の原因である新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染した中国・浙江省の患者の臨床的特徴について、中国・浙江大学のXiao-Wei Xu氏らがレトロスペクティブ研究を行った結果、 2020年2月初旬時点では、武漢で感染した患者と比較して、浙江省の患者の症状は比較的軽度であることが明らかとなった。BMJ誌オンライン版2020年2月19日号掲載の報告。 研究者らは2020年1月10日~26日の期間、中国・浙江省でCOVID-19患者受け入れ登録施設である 7病院に検査入院し、SARS-CoV-2感染が確認された62例のデータを収集・調査した。疫学的データとして、武漢渡航歴や体温測定結果、曝露履歴、潜伏期間などを収集し、定形の症例報告書に臨床データを集約した。 主な結果は以下のとおり。・患者の年齢区分は、19~40歳:25例(40%)、41~65歳:33例(53%)、65歳以上:2例(3%)、残り2例(3%)は10歳と11歳だった(中央値41歳、四分位範囲:32~52歳)。・患者の半数以上は男性だった(36例、58%)。・62例のうち集中治療室への入室は1例のみ、調査中に死亡した患者はいなかった。・62例中23例(37%)が武漢市に居住し、残り39例(63%)は発症前に武漢へ旅行していた。また、 56例(90%)でSARS-CoV-2感染が確認されている人との濃厚接触を確認した。・浙江省の感染患者は感染源とされる華南海鮮市場への出入りはなかった。・全症例の感染経路は、ヒト-ヒト感染だった。・62例中20例(32%)に基礎疾患があり、肝疾患:7例(11%)、高血圧症:5例(8%)、慢性閉塞性肺疾患、糖尿病、腎疾患、脳血管疾患患者は各1例であった。・主な症状は、発熱:48例(77%)、咳嗽:50例(81%)、喀痰:35例(56%)、頭痛:21例(34%)、筋肉痛または疲労感:32例(52%)、下痢:3例(8%)、喀血:2例(3%)だった。・入院中に呼吸困難を訴えたのは2例(3%)のみだった。・感染から発症までの時間中央値は4日(四分位範囲:3〜5日)であり、症状発現から入院までに要した時間は2日(同:1〜4日)だった。

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これだけは押さえておかないと話にならない調剤報酬改定のポイント【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第42回

2020年2月上旬に次回調剤報酬改定の個別項目の点数や割合が決まりました。対物業務から対人業務へのシフトという大きい動きがあったにもかかわらず、例年より短冊が出てからの展開が早かったような気がします。今回は、主に保険薬局に関する変更点について、変更前後を比較しながら紹介します。全体的には、中小規模のチェーン薬局に厳しい改定になるという気がしています。とくに、後述のように調剤基本料1を算定する薬局が減ることが予想できますが、その場合は地域支援体制加算でハードルの高い要件が求められるようになります。毎回算定する調剤料も7日目と14日目を中心に引き下げられ、しかも多くの患者さんは数種類の剤が処方されるため、ジワジワ苦しくなるかもしれません。今回の改定で点数が増えたのは主に対人業務に関する項目ですので、「調剤後のフォロー」に対する加算を確実に押さえていくことの重要性を感じます。そして、この流れは次回の改定でも継続・強化されそうですので、薬局や薬剤師の仕事がガラッと変わる予感がします。それでは詳しくみていきましょう。1.調剤基本料調剤基本料は、調剤基本料2(26点)や調剤基本料3(21点 ※同一グループの枚数による)の対象範囲が拡大となります。具体的には、調剤基本料2は処方箋受付回数が1,800回/月超、集中率95%超、調剤基本料3は同一グループで処方箋受付回数が3.5万回/月超となります。これに伴い、調剤基本料1(42点)の対象範囲は縮小することになるでしょう。中小規模のチェーン薬局を中心に、点数が下がる薬局のほうが多いと思われます。また、いわゆる施設内薬局が算定する特別調剤基本料が従来の11点から9点(処方箋受付1回につき)に引き下げられ、その施設基準の集中率も95%超から70%超に引き下げられます。2.地域支援体制加算地域支援体制加算は地域包括ケアを推進する中で、地域医療に貢献する薬局を評価するために2018年度の改定で新設されました。今回の改定では35点から38点に引き上げられます。変更前は、調剤基本料1さえ算定できていればほとんどの薬局が地域支援体制加算も算定できたことから、「地域医療に貢献した実績ではなく、立地と会社規模の評価」といわれていたとかいなかったとか。それが今回の改定で、地域医療への貢献に対する実績を求めるという本来の目的に立ち返るべく、以下のように変更になります。<調剤基本料1を算定している場合の地域支援体制加算の算定要件>多少、ハードルが上がりましたね。これだけは実績として最低限あってほしいというものがピックアップされたように思います。一方、上記で紹介したように、今回の改定によって調剤基本料1を算定できなくなる薬局が増えると予想されますが、その場合の算定要件は以下のように変更になります。<調剤基本料1を算定していない場合の地域支援体制加算の算定要件>地域特性で夜間の対応が難しい、麻薬指導管理加算の実績が少ないなどの意見から、算定要件9つのうち8つ以上を満たせばよいということになりました。多少現実味を帯びたかもしれませんが、全体的な難易度は変わらないと感じます。この要件は、国が示した目指すべき薬局像といえますので、次回以降の改定でも残る、もしくはもっとハードルが上がる可能性すらあると予想できます。今回調剤基本料1から外れた薬局も、諦めずにぜひ取り組んでほしいと思います。3.調剤料調剤料は、下表のように変更になります。7日目と14日目が引き下げになるって、うまいこと考えたな…と思ってしまいますが、その他の日数の調剤料についても全体的に数点引き下げられます。これは1剤ごとの点数なので、数種類の剤があればその分減算が増えることになります。調剤料の改定理由に「対物業務から対人業務への構造的な転換の観点から見直しを行う」とあり、調剤料は対物業務とされたために引き下げられたと解釈できます。4.かかりつけ薬剤師指導料かかりつけ薬剤師指導料は全体的に点数が上がります。かかりつけ薬剤師指導料は73点から76点、かかりつけ薬剤師包括管理料は281点から291点になります。こちらは施設基準として、患者さんとのやりとりが他者に聞こえないようにパーテーションなどで区切るといったプライバシー配慮要件が追加されました。5.薬剤服用歴管理指導料今回新設された、いわゆる「服薬後のフォロー」に対して算定できる加算です。がん領域、呼吸器領域、糖尿病領域、経管投与で薬学的な支援を行った場合に、それぞれ「薬剤服用歴管理指導料 特定薬剤管理指導加算2(100点、1ヵ月に1回まで)」「同 吸入薬指導加算、(30点、3ヵ月に1回まで)」「同 調剤後薬剤管理指導加算(30点、1ヵ月に1回まで)」「経管投薬支援料(100点、初回のみ)」が算定できるようになります。要件として地域支援体制加算を届け出ている薬局が対象であり、またこれらの指導を行った場合に医師などへの報告が必要です。個人的には、この薬剤服用歴管理指導料を算定する薬局が多くなり、次回の改定で算定の対象となる領域が広がってほしいなぁと思っています。6.後発医薬品関連後発医薬品の使用促進に関しては、後発医薬品の使用割合が低い場合の加算は引き下げられ、高い場合は引き上げられます。使用割合が高い薬局を評価しており、さらなる後発医薬品の使用促進を促すという意図が読み取れます。一方で、著しく後発医薬品の使用割合が低い薬局に対する減算規程は20%から40%に引き上げられます。医療機関でもこれらと同様の対応が実施され、一般名処方加算も引き上げられますので、医療機関での後発医薬品の使用促進も加速すると考えられます。2017年に閣議決定されたいわゆる「骨太の方針2017」で、2020年9月までに後発医薬品の使用割合を80%とするという目標が決まっていますが、現時点ではまだ達していません。その期限までにテコ入れできるのは今回の改定が最後ですので、個人的にはこの点数ではまだ弱いのではないかとソワソワしていますが、この最後の一押しでどうなるか見守りたいと思います。報酬改定は決められた期間で議論し結論を出すというものですので、議論には挙がったけれど変更までに至らなかった論点もあります。今回の場合、市販薬類似品の保険適用除外とフォーミュラリーがその代表格なのではないでしょうか。これらは次回までの宿題となるでしょう。この2年間で現場の薬局がどのような結果を出し、どのような議論がなされるのか、引き続き追っていきたいと思います。

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難病対策は未来への架け橋

難病対策は未来への架け橋わが国では1972年の難病対策要綱の制定から、世界でも類をみない難病対策、すなわち研究推進と患者支援が行われてきましたが、認定疾患が少ない、国の予算確保が難しいなど様々な課題を抱えていました。多くの議論を経て2015年から「難病の患者に対する医療等に関する法律」(難病法)が施行され、一定の要件を満たすものは指定難病として認定され、その数は今年度には333に増加しています。指定難病には、免疫不全症、脊髄小脳変性症などのように包括病名が多数あり、各々何十ものあるいは百を超える個別の疾患を含むため、実際は1000を超える個別の疾患が含まれており、非常に多くの疾患が指定されています。難病は原因や発症機序が不明で有効な治療法が無く、しばしば進行性で長期の療養を要することから、患者さんやご家族にとってはまさに塗炭の苦しみです。このような中、一定の要件を満たした難病は数の制限なく指定を受けることができることはまさに画期的と言えます。とくに近年の医学の進歩はめざましく、発症機序の解明が進み、自己免疫疾患などでは分子標的薬の開発が着実に発展しています。近い将来、現在の「難病」が十分に治療可能な普通の病気になることを祈念する次第です。すなわち「難病」の無くなる日こそが難病関係者の究極の目標とも言えます。実は、そのような中にあって、まだ診断すらついていない稀な難病といえる「未診断疾患」が多数存在しています。2019年11月で9027の遺伝性疾患の内3306で原因が不明です*。これらを一刻も早く解明し、病的遺伝子(変異)の全容を解明することで、難病に限らず多くの疾患の病的代謝経路(病的分子ネットワーク)の解明に大きく貢献すると期待されます。既に糖尿病のSGLT2阻害薬、高脂血症のPCSK9阻害薬、骨粗鬆症の抗RANKL抗体など、稀少難病の原因遺伝子から開発されたコモンな疾患の治療薬は良く知られていますが、難病研究の貢献は決して難病患者さんの為だけに止まらないことは明白です。なお、研究推進や経済的支援のみならず、住み慣れた地域社会での生活や就労の支援までを含めた包括的な対策が難病法のめざす処と思います。各都道府県には難病診療連携拠点病院や難病医療協力病院の認定が、全国的には難病医療支援ネットワークの構築が進みつつ有ります。さらに小児の患者さんでは小児慢性特定疾患の患者さんも多く、指定難病とのスムースな連携が進められており、小児期から成人期への移行期医療のモデルとしての発展が期待されています。わが国の難病対策が未来への架け橋となることを祈念いたします。(*OMIMによる)

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マザーゲーム(前編)【ママ友付き合い、なんで息苦しいの?(「女心」の二面性)】Part 1

今回のキーワードママカーストマウンティング同調性比較癖排他性文化資本「大変自慢」主流秩序皆さんの中で、女性同士の人間関係は息苦しそうと感じたことはありませんか? とくに女性の皆さんは、実際にその人間関係に疲れ果てたことはありませんか? その最たるものは、ママ友付き合いでしょう。ママ友付き合いはなぜ難しいのでしょうか? そして、どうすれば良いでしょうか?これらの答えを探るために、今回は、ドラマ「マザーゲーム」を取り上げます。このドラマを通して、女性特有の心理を進化心理学的に掘り下げます。そして、より良い女性同士の人間関係のスキルをご提案します。さらに、女性同士だけではなく、すべての人間関係に通じる心のあり方を一緒に探っていきましょう。ママ友付き合いはなぜ難しいの?舞台は名門幼稚園。ここに子どもを通わせるのは、セレブな専業ママたちばかり。一方、主人公の希子は、バツイチの一人親。そこで唯一の庶民的なワーキングママでもあります。ひょんなことから、彼女は子どもをこの幼稚園に通わせることになりますが、そこで繰り広げられる専業ママたちとの葛藤にくじけそうになります。ここから、女性同士の人間関係の特徴を大きく3つに整理して、ママ友付き合いの難しさを考えてみましょう。(1)群れる-同調性幼稚園のママたちは、いつも清楚な服装で控えめです。園での係やお手伝いのために、送り迎え以外の時間で、週3日は園に出入りします。また、定期的に、全員強制参加の「ランチ会」を催します。園の年間の各イベントには、熱心に取り組みます。もはや、園での人間関係自体が、自分たちの仕事であり、居場所になっています。1つの目の特徴は、群れることです。この根っこには、同調の心理があります。同調とは、相手の気持ちや周りの雰囲気に合わせることです。同じ場所で同じ格好で同じことを長くすればするほど、この心理が高まり、相手や周りから好感を持たれるようになります。これは、合唱やダンスにも通じる連帯感です。そのため、ママたちは、一緒にいる時間を長くして、目立たない似たような服装で、表面的には決して相手を否定せず、当たり障りのないことだけを言うのです。もちろん、出遅れないために、習い事やお受験の情報収集は欠かせません。こうして、足並みを揃えるのです。一方で、自分の好きな服を着たり、おもしろいことを言うのは、目立ってしまうので、控えます。その中でとくにタブーなのは、学歴の話題です。学歴は、自分たちの「違い」を浮き彫りにしてしまい、私たちは「同じ」という前提を覆し、気まずくなるからです。ママ友たちは、なるべく自分を出さないようにして、あくまで抜きん出ない、害がない「良い人」に徹します。逆に言えば、違う場所にいる、違う格好をする、違うことをすればするほど、反感を買うことになります。それが、希子なのでした。彼女は、幼稚園に送り迎えする時、いつもラフな格好です。園のママたちに、思い付いたことをすぐに言ってしまい、目立っています。そのわりに、自営のお店の仕事があるため、時間によっては、園に来ることができません。(2)格付けする-比較癖ママ友たちは、誰かのバッグなどの持ち物がブランドものであれば即座に話題にします。ランチ会では、「先週の『ニュルンベルクのマイスタージンガー』(楽劇)、良かったわ」「私、『ターンホイザー』(オペラ)も好きだわ」「ワーグナー(作曲家)は私には重厚すぎるわ」などとの会話が飛び交います。みな、さも分かっているようにうなずいています。また、ほかのママ友の話によく聞き耳を立てています。遠足の時には、それぞれのお弁当の中身を気にしています。毬絵(ボスママ)に気に入られた希子は、ほかのママから「毬絵さんとあんまり仲良くしない方が良いよ」「目をかけられて、いい気になってるって勘違いされるから」と忠告されます。一方で、みどり(もともとキャリアのあった別のママ)は、園の遠足のしおりを旅行パンフレット並の完璧なものに仕上げたことで、能力をひけらかしたと周りから目を付けられます。そして、聡子(準ボスママ)に「(そんなことに時間を使って) 子育てに関して労を惜しむのはどうかしら。これでは、母親の愛情が伝わらないと思うわ。考えれば分かることだと思わない?」と嫌味を言われてしまいます。2つ目の特徴は、格付けすることです。この根っこには、比較癖の心理があります。比較癖とは、つい自分と周りを比べてしまうことです。この心理には、主に2つの原因があります。1つは、先ほどの同調の心理によって「同じ」を意識することは、かえってお互いの小さな「違い」が気になってしまい、逆説的にも、「違い」を意識することになるからです。もう1つは、そもそも群れを維持するためには、上下関係が必要になるからです(ママカースト)。しかし、本人同士は「同じ」であることが前提です。そのため、自分そのものではない「違い」で、上下関係を築こうとします。一番は、子育てへの努力です。また、夫の社会的地位や経済力も同じくらい重要です。また、文化資本の高さも重要です。文化資本とは、「ニュルンベルクのマイスタージンガー」と「ターンホイザー」を作曲したのがワーグナーであることを知っているなどの知識や教養、楽器演奏をする技術、語学力などの無形の個人的な資本です。経済的にも文化的にも、これらの資本は、子育てという投資をする彼女たちに大きく価値付けされます。そのほかに、ボスママから気に入られることです。これらが、ママカーストの価値観(主流秩序)になります。このママカーストの格付けが上がるように、ママたちは、主に3つの活動をしています。1つ目は、夫や子育てのさりげない自慢です。たとえば、控えめな振る舞いをしながらも、夫の経済力の証であるブランド品で身を固めます。また、「夫は家事や育児をやってくれなくて困る。だって、大企業の重役でいつも家にいないから」と言います。「うちの子は飲み込みが悪い。だから同じ本を5回も読まされた(私は5回も本を読んであげている)」「習い事を週6やらせてる(それだけ付き添いに時間をかけている)」と言います。名付けて「大変自慢」です。これをあからさまにやってしまうと、「マウンティング」と呼ばれます。2つ目は、その場にいないママへの陰口です。これは、とくに仲良しの小集団になる時です。逆に、カースト上位でなければ、全体集団で本人に直接悪口を言うことはなかなかできないからです。そもそも、彼女たちはいつも顔を合わせるため、話題に飢えています。陰口によって誰かをおとしめることは、相対的に自分の格付けを持ち上げます。よって、ママ友同士で、誰と誰が近づき、誰と誰が遠ざかったかについても目を光らせます。これは、お互いの仲の良さを格付けしていると言えます。3つ目は、あまり仲の良くないママへのお世辞です。これは、相手の否定の度合いによって、勘違い度や傲慢さをチェックしようとする格付けです。その罠に引っかからないように、時として相手は何もコメントせずにお世辞を言い返すことで「褒め合い合戦」に発展します。相手がお世辞にうっかり喜んでしまえば、後々に「否定しなかった。偉そうだ」と陰口のネタにすることができるからです。(3)仲間外れにする-排他性園のママたちは、途中から入園した希子親子の存在について「受験を控えた大事な時期だから、少し不安だわ」「私も、いろんな方がいて当然だと思うの。でも、子どものことを考えると」「うち(のクラス)は、お受験組も多いのに、係決めの時のあの(希子のはっきり言う)態度、配慮がなさすぎて悲しくなっちゃった」「子どもたちのペースが乱れて、入試に差し支えるようなことがあったら取り返しがつかないわ」と口々に陰口を言います。その後、希子の息子の絵が園での優秀作品に選ばれたことで、聡子(準ボスママ)は、息子の絵の優秀賞の連覇を阻まれてしまいます。おもしろくないと思った彼女は、「品格が低い」「常識を逸脱し、ひんしゅくを買っている」「学習水準が下がることが予測される」との理由で、ほかのママたちの署名の入った嘆願書を園長に提出して、希子を退園させようと動きます。そして、聡子は、2人のママ友を取り巻きに従えて、希子に横柄な態度をとり続けます。3つ目の特徴は、仲間外れにすることです。この根っこには、排他性の心理があります。排他性とは、集団の価値観(主流秩序)に合わない異質な人を追い出すことです。これは、とくに希子だからというわけではないです。希子がいなければ、みどり(元キャリア)がターゲットになっていたでしょう。多数派の一体化を強める同調の心理は、裏を返せば、少数派への排他性を強めてしまうからです。逆に言えば、共通の敵をつくって一致団結するとも言えます。希子が異質な点は、主に3つあります。1つ目は、働いていることです。これは、彼らの価値観からしてみると、その時間やエネルギーを子育てや園のママ活動に注いでいない、つまり、子育てへの努力を怠っているということになります。それを端的に表す彼女たちの決めゼリフが「子どもがかわいそう」です。2つ目は、新入りであることです。にもかかわらず、希子はのびのびと振る舞い、決して大人しくありません。これは、ママ集団の力を認めていないことになります。ママ集団の力とは、数が増えると「怖いものなし」「わがもの顔」になっていく群れの心理です。希子の言動は、それを逆なでしています。3つ目は、子どもが優秀であることです。そして、希子は子どもと楽しそうです。一方、ほかのママたちは、子どものお受験のために多くの我慢や苦労を自ら強いています。これは、希子の存在自体が自分たちの努力を否定していることになります。次のページへ >>

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マザーゲーム(前編)【ママ友付き合い、なんで息苦しいの?(「女心」の二面性)】Part 2

「女心」とは?-女性性の心理ママ友付き合いの難しさの原因は、群れる(同調性)、格付けする(比較癖)、仲間外れにする(排他性)という3つの特徴があることが分かりました。その根っこにあるのは、女性ならではの普遍的な心理、ずばり「女心」(女性性)です。ここから、さらに「女心」をそれぞれ3つの心理に整理して、「女心」とは何かを解き明かしてみましょう。(1)つながりやすさ-共感性希子が幼稚園に入った当初、聡子(準ボスママ)は、「最初のランチ会に不参加だと、希子さんだけじゃなくて、はるとくん(希子の息子)もクラスに溶け込めなくなると思うの」と親切に助言しています。本来、子ども同士というものは勝手に仲良くなっていくものですが、聡子は母親同士が仲良くなければ、子どもも仲良くならない、もっと言えば、仲良くさせない・させてもらえないと考えています。このように、聡子をはじめ多くのママは、母親である自分の延長上に子どもがいると考え、子どもの主体性を認めません。由紀(もともと希子の親友だったママ)は、希子に対して「サマースクール(受験対策)は辞退するべき。あんたみたいに遊び半分できてるんじゃないの」「私がどんな思いで…」と迫っていきます。由紀は、親友であった希子が自分の気持ちを察するのは当たり前だと思っています。本来、子どもの受験をするかしないかは、親の自由であるはずなのに、由紀はその自由に干渉してきています。1つ目の「女心」は、つながりやすさです。このつながり(関係性)が強ければ強いほど、自分と相手の境界(バウンダリー)がはっきりしなくなります。このプラス面は、相手の気持ちになりやすい、つまり共感性です。一方、その裏返しであるマイナス面は、相手の気持ちに流されやすい、つまり同調性です。これは、先ほどの群れる心理につながります。さらには、逆に相手が自分の気持ちになるよう強いる心理に発展します。「共感の押し付け」です。そして、相手の主体性や自由を尊重しにくくなっていきます。言い換えれば、境界がはっきりしないことによって、自分の縄張りだけではなく、相手の縄張りも曖昧にしてしまいます。「人は人、自分は自分」という発想がしにくくなるわけです。この心理によって、子どもの日記を勝手に見てしまいます。また、ママ友の話に気軽に割り込んで一方的に自分の話をし続けてしまいます。共感性が高いからと言って、人格者、聞き上手とは限りません。(2)気付きやすさ―感受性幼稚園の新年度の式典で、先生が子どもたちと保護者たちに「誕生日会などのパーティは禁止。新年会、クリスマス会などのすべてでプレゼント交換をすることは、お控えいただきたく存じます」と念押しします。希子が「子どもが自発的に友達にプレゼントしたいという時もあると思うんです。どうしてだめなんでしょうか?」と質問したところ、先生は「子どもというのは大変に傷つきやすい存在です。お友達が誕生日会に呼ばれたのに、自分が呼ばれなかった。そしたら、その子はどう思うでしょうか?」「過保護だと思われるかもしれませんが、これはすべて、お子さまたちの心を守るためのものです。なにとぞルールを厳守していただきたく存じます」と説明します。これは、子どもたちというより、敏感な保護者たちに向けられたメッセージです。2つ目の「女心」は敏感さ、つまり気付きやすさです。この気付きが強ければ強いほど、相手の気持ちをいち早く察知できます。このプラス面は、相手の言動に鋭くなる、つまり感受性です。たとえば、よく気が利くことです。また、アンテナを張るために、噂好きでもあります。一方、その裏返しであるマイナス面は、違いに敏感になる、つまり比較癖です。これは、先ほどの格付けする心理につながります。さらには、逆に格付けされる、つまりおとしめられたり仲間外れにされることにも敏感になります。気付きやすさは、傷付きやすさにもなる諸刃の剣なのです。この心理によって、習い事で自分の子どもがほかの子どもと同じように褒められないと腹を立てたり、ママ友から「仕事をしている」と聞いただけで「偉そうだ。マウンティングされた」とひがみっぽくなってしまいます。さらには、「幸せそうにしないで。幸せじゃない人への気遣いがない」と相手を巻き込んでしまいます。(3)受け身になりやすさ-安全性由紀(もともと希子の親友だったママ)は、「バックは女の値札。女の価値。これがあるから、私はあの幼稚園で自信を持って歩いていられる」と希子に言い切ります。また、「桜子(由紀の子ども)のお受験を成功させるしか、周りからすごいね、がんばったねと言われることがないから」とも言います。彼女は、自分がどうしたいかではなく、どう見られるかにばかりにとらわれています。また、あるママは、仲良しだったママに「うそつき!メイシン女子は受験しないって言ったくせに。あなたの子が受験したから、うちの子が落ちたじゃない!」と怒り出します。抜け駆けされたと思ったのでした。そして、子どもの前でママ同士が、バッグで叩き合うのです。このママは、受験がうまくいかなかったのは、自分や自分の子どもの力不足ではなく、相手のママの裏切り行為が原因であると決め付けています。3つ目の「女心」は、受け身になりやすさです。受け身になればなるほど、何かをすることに伴うリスクがなくなります。このプラス面は、危険を避ける、つまり安全性です。一方、その裏返しであるマイナス面は、ほかの危険も排除しようとする、つまり排他性です。これは、先ほどの仲間外れにする心理につながります。さらには、危険を探す、つまりあら探しに発展します。なぜなら、受け身であればあるほど、暇を持て余すからです。また、同調性から、出遅れるだけではなく、出し抜かれることにも敏感です。また、味方か敵をはっきりさせようとします。なぜなら、先ほど触れた、つながり(関係性)が強ければ強いほど自分と相手の境界(バウンダリー)をはっきりさせなくなるということは、裏を返せば、つながりが弱ければ弱いほど、自分と相手の境界(バウンダリー)をはっきりさせることでもあるからです。そして、敵と認定した相手には集団で徹底的に無視します。これは、積極的に働きかけないという意味で受け身の攻撃です(受働攻撃性)。同時に、受け身であるため、自分の行動に責任感がなくなります。この心理によって、「私の気持ちを察してよ」と周りに不平不満を言い続けたり、うまくいかなかった時には、「止めてくれなかったあなたが悪い」と人のせいにしてしまいます。また、「私はだめだ」と自己否定しておきながら、「そんなことないよ」とフォローされないと、不機嫌になってしまいます(試し行為)。「女心」はなぜ「ある」の?-女性性の進化心理「女心」(女性性)とは、つながりやすさ(共感性)、気付きやすさ(感受性)、受け身になりやすさ(安全性)という3つの心理があることが分かりました。それでは、そもそも「女心」はなぜ「ある」のでしょうか? 「女心」の3つの心理に重ねながら、その起源を進化の歴史から探ってみましょう。私たちの体が原始の時代から進化してきたのと同じように、実は私たちの脳、つまり心も進化してきました。ここから、「女心」の進化を、3つの段階に分けてみましょう。<< 前のページへ

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日本人HER2+早期乳がんへのトラスツズマブ、長期予後解析(JBCRG-cohort study 01)

 日本人のHER2陽性早期乳がん患者に対する、周術期のトラスツズマブ療法による5年および10年時の予後への影響が評価された。大規模試験において予後改善が示されてきたが、日本人患者における長期的有効性は明らかではない。また、新たな抗HER2薬などが登場する中で、治療を強化すべき患者と、軽減すべき患者の判断基準が課題となっている。そのため、治療選択のための再発予測モデルの構築が試みられた。天理よろづ相談所病院の山城 大泰氏らによる、Breast Cancer誌オンライン版2020年2月14日号掲載の報告より。 本研究は、浸潤性HER2陽性乳がんStageI~IIICと組織学的に診断され、周術期にトラスツズマブによる治療を少なくとも10ヵ月以上受けた20歳以上の患者を対象とした観察研究。主要評価項目は無病生存期間(DFS)、副次評価項目は全生存期間(OS)であった。 主な結果は以下のとおり。・2009年7月~2016年6月の間に、国内56施設から2,024例を登録。適格基準を満たさなかった43例を除き、1,981例が解析対象とされた。・ベースライン時の治療歴は、術前化学療法を35.4%、術後化学療法を99.6%が受けていた。トラスツズマブ投与は術前のみが1.3%、術前および術後が22.2%、術後のみが76.5%であった。乳房温存術を51.6%、乳房切除術を48.4%が受けていた。また、術後ホルモン療法は48.2%、術後放射線療法は57.5%が受けていた。・追跡期間中央値は80.9ヵ月(5.0~132.2ヵ月、平均80.2ヵ月)。・5年DFS率は88.9%(95%信頼区間[CI]:87.5~90.3%)、10年DFS率は82.4%(95%CI:79.2~85.6%)。・5年OS率は96%(95%CI:95.1~96.9%)、10年OS率は92.7%(95%CI:91.1~94.3%)。・多変量解析により、再発のリスク因子は≧70歳、≧T2、臨床的に認められたリンパ節転移、組織学的腫瘍径>1cm、組織学的に認められたリンパ節転移(≧n2)、および術前治療の実施であった。・標準治療下での5年再発率は、構築された再発予測モデルでスコアが3以上の患者で10%超と推定された。 著者らは、単群の観察研究データに基づくことの限界に触れたうえで、この再発予測モデルがStageI~IIICの患者の治療選択を改善する可能性があると結んでいる。

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降圧薬使用と認知機能との関連~メタ解析

 高血圧は、修正可能な認知症のリスク因子の1つである。しかし、認知機能を最適化するために、降圧薬のクラスエフェクトが存在するかは、よくわかっていない。オーストラリア・Neuroscience ResearchのRuth Peters氏らは、これまでの参加者データを含む包括的なメタ解析を用いて、特定の降圧薬クラスが認知機能低下や認知症リスクの低下と関連するかについて検討を行った。Neurology誌2020年1月21日号の報告。 適切な研究を特定するため、MEDLINE、Embase、PsycINFO、preexisting study consortiaより、2017年12月までの研究を検索した。プロスペクティブ縦断的ヒト対象研究または降圧薬試験の著者に対し、データ共有および協力の連絡を行った。アウトカム測定は、認知症発症または認知機能低下の発現とした。データは、中年期および65歳超の高齢期に分類し、各降圧薬クラスは、未治療および他の降圧薬治療との比較を行った。メタ解析を用いて、データの合成を行った。 主な結果は以下のとおり。・27研究より5万例超が抽出された。・利尿薬を除き、各降圧薬クラスにおける65歳超の高齢者の認知機能低下や認知症との関連は、認められなかった。・一部の分析において、利尿薬の有用性が示唆されたが、その結果は、フォローアップ期間、比較群、アウトカムにおいて一貫していなかった。・65歳以下のデータは限られていたため、分析できなかった。 著者らは「認知症や認知機能低下の観点から、降圧目標達成を目指す治療レジメンの選択は、降圧薬クラスによらず、自由に選択可能である」としている。

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オゾン10μg/m3増加で、死亡率0.18%上昇/BMJ

 オゾンが10μg/m3増加すると、死亡の相対リスクは0.18%上昇し、大気質基準(air quality standards)がより厳格であれば、オゾン関連死は低下する可能性があることが、英国・ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のAna M. Vicedo-Cabrera氏らの検討で示された。地表オゾンと死亡との短期的な関連の研究の多くは、測定場所の数が少なく、地理的地域が限定的で、さまざまなデザインやモデル化の方法を用いて行われてきたという。ほとんどの研究が、地表オゾンと死亡には関連があるとしているが、結果は不均一であり、統計学的な検出力は限定的で研究間にも差異があるため、さまざまな国や地域での重要性の高い比較は困難とされる。BMJ誌2020年2月10日号掲載の報告。日本の45都市を含む時系列研究 本研究は、オゾン曝露に関連する短期的な死亡リスクと死亡率の増加の評価を目的とする2段階時系列研究である(英国医学研究会議[MRC]などの助成による)。 Multi-Country Multi-City(MCC)Collaborative Research Networkのデータベースから、1985~2015年の20ヵ国406都市(2011~15年の日本の45都市を含む)のデータを抽出した。研究期間内に各都市で記録された死亡例のデータを用いて、1日当たりの総死亡率を評価した。 平均期間13年における406都市の合計4,516万5,171件の死亡について解析した。国別で0.06~0.35%の幅、日本は0.20% オゾン曝露と死亡リスクには関連性が認められ、当日と前日のオゾンの平均10μg/m3の増加により、全体の死亡の相対リスクは0.18%上昇した(相対リスク:1.0018、95%信頼区間[CI]:1.0012~1.0024)。 この相対リスクの上昇には、参加国間にある程度の異質性が認められた(I2=29.8%、Cochran Q:p<0.001)。英国(相対リスク:1.0035)、南アフリカ共和国(1.0027)、エストニア(1.0023)、カナダ(1.0023)でリスクの上昇が大きかったのに対し、オーストラリア、中国、チェコ、フランス、ドイツ、イタリア、日本(1.0020)、韓国、スウェーデン、スイス、米国は1.0014~1.0020の範囲で近似しており、ギリシャ(1.0011)、メキシコ(1.0008)、ポルトガル(1.0011)、スペイン(1.0006)、台湾(1.0010)はリスクの上昇の割合が小さく、不明確だった。 最大バックグラウンド濃度(70μg/m3)を超えるオゾンへの曝露による短期的な死亡率の上昇は0.26%(95%CI:0.24~0.28)であり、これは406都市全体で年間8,203件(3,525~1万2,840)の死亡数の増加に相当した。また、WHOガイドラインの基準値(100μg/m3)を超えた日に限定しても、死亡率の上昇は0.20%(95%CI:0.18~0.22)と実質的に残存しており、これは年間6,262件の死亡数の増加に相当した。 さらに、大気質基準の閾値が高くなるに従って、死亡率の上昇の割合は、欧州(欧州連合指令:120μg/m3)が0.14%、米国(米国環境大気質基準[NAAQS]:140μg/m3)が0.09%、中国(中国環境大気質基準[CAAQS]のレベル2:160μg/m3)は0.05%と、漸進的に低下した。 著者は、「これらの知見は、国内および国際的な気候に関する施策の中で策定された効率的な大気清浄介入や軽減戦略の実施と関連がある」としている。

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アキレス腱断裂の治療効果、石膏ギプスvs.機能的装具/Lancet

 アキレス腱断裂で保存療法を受ける患者の管理では、早期の荷重負荷(アキレス腱断裂スコア[Achilles tendon rupture score:ATRS]で評価)において、従来の石膏ギプスは機能的装具に優越せず、資源利用の総費用はむしろ高い傾向にあることが、英国・オックスフォード大学のMatthew L. Costa氏らが行った無作為化試験「UKSTAR試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌2020年2月8日号に掲載された。保存療法を受けるアキレス腱断裂患者では、従来、数週間にわたり石膏ギプスで腱を固定する治療が行われてきた。機能的装具は、より早期に運動を可能にする非手術的な代替療法であるが、有効性と安全性のエビデンスは十分ではないという。経済的評価を含む無作為化試験 研究グループは、保存療法を受けるアキレス腱断裂患者において、ギプスと機能的装具の機能・QOLアウトカムおよび資源利用の費用を比較する目的で、実用的な無作為化対照比較優越性試験を実施した(英国国立衛生研究所[NIHR]医療技術評価計画の助成による)。 対象は、年齢16歳以上、初発のアキレス腱断裂の患者であった。患者は外科医とともに、標準的な処置として保存療法が適切かを検討し、患者が手術をしないと決めた場合に、試験への参加が可能とされた。 被験者は、ギプスまたは機能的装具による治療を受ける群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。介入の期間は8週間だった。 主要アウトカムは、9ヵ月時の患者報告によるATRSとし、修正intention-to-treat(ITT)集団で解析した。ATRSは、アキレス腱関連の症状、身体活動性、疼痛を評価する10項目からなるスコア(0~100点、100点が最も良好)である。安全性アウトカムとして再断裂の評価を行った。また、患者は資源利用質問票に回答し、資源利用の値を費用に変換した。9ヵ月時ATRS:ギプス群74.4点vs.機能的装具群72.8点 2016年8月~2018年5月の期間に540例(平均年齢48.7[SD 13.8]歳、男性79%)が登録され、ギプス群に266例、機能的装具群には274例が割り付けられた。断裂の原因は70%がスポーツ活動であった。527例(98%)が修正ITT集団に含まれた。 受傷後9ヵ月時の平均ATRSは、ギプス群が74.4(SD 19.8)点、機能的装具群は72.8(20.4)点であり、両群間に有意な差は認められなかった(補正後平均群間差:-1.38点、95%信頼区間[CI]:-4.9~2.1、p=0.44)。8週時のATRSは機能的装具群で優れた(ギプス群35.3点vs.機能的装具群40.3点、補正後平均群間差:5.53、95%CI:2.0~9.1、p=0.0024)が、この差に臨床的な意義があるかは不明であった。また、3および6ヵ月時にも有意な差はなかった。 健康関連QOL(EQ-5D-5L)は、ATRSと同様のパターンを示し、受傷後8週時は機能的装具群で有意に良好であったが、それ以降は両群間に差はみられなかった。 合併症(腱再断裂、深部静脈血栓症、肺塞栓症、転倒、踵の痛み、足部周辺の感覚異常、圧迫創傷)の発現にも差はなかった。腱再断裂は、ギプス群が266例中17例(6%)、機能的装具群は274例中13例(5%)で発現した(p=0.40)。 介入の直接費用の平均額は、ギプス群が36ポンドと、機能的装具群の109ポンドに比べ有意に安価であった(平均群間差:73ポンド、95%CI:67~79、p<0.0001)。一方、医療と個別の社会サービスの総費用の平均額は、それぞれ1,181ポンドおよび1,078ポンドであり、機能的装具群でわずかに低いものの有意な差はなかった(平均群間差:103ポンド、95%CI:-289~84)。 著者は、「早期の荷重負荷において、ギプスの安全で費用効果が優れる代替法として、機能的装具を考慮してもよいと考えられる」としている。

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COVID-19、無症状でもウイルス量は発症者と同等/NEJM

 中国・広東省疾病管理予防センターのLirong Zou氏らが、COVID-19の患者18例について、鼻と喉から採取したサンプルを調べたところ、鼻で高いウイルス量が検出され、ウイルスの広がり方は、ゲノム配列が類似しているSARS-CoVよりもインフルエンザに近いことがわかった。NEJM誌オンライン版2020年2月19日号CORRESPONDENCEでの報告。 本研究では、中国・広東省珠海市で新型コロナウイルス陽性と確認された患者18例について、無症状であった1例を除く17例の鼻腔スワブ72本と咽頭スワブ72本から検体を採取。発症日とウイルス量の相関を連続的にモニタリングした。 主な疫学的・臨床的特徴は以下のとおり。・患者の年齢中央値は59歳(範囲:26~76)、男性・女性ともに9例ずつで、うち4例は2つの家族内における2次感染例。・初めに発症した14例は2020年1月7日~26日までに武漢市帰りで37.3度以上の発熱が見られ、COVID-19と診断された。このうち13例については、CTで肺炎の所見が見られた。その後3例はICUでの治療を必要としたが、ほかはいずれも中程度~軽度の症状であった。・1例は臨床症状が見られなかったが、発症者との接触7~11日後に採取された鼻腔スワブ(サイクル閾値[Ct]:22~28)および咽頭スワブ(Ct:30~32)から新型コロナウイルス陽性の反応が確認された。・発症者17例については、発症直後に高いウイルス量が検出された。また、咽頭よりも鼻腔においてより多くのウイルスが検出された。・COVID-19におけるウイルス核酸の放出パターンはインフルエンザと類似している。・無症候者から検出されたウイルス量は、発症者のウイルス量と同程度であり、無症候者およびごく軽症者からの感染の可能性を示唆している。

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低線量CT検査により肺がん死亡率は低下する(解説:西村光世氏)-1190

本試験は、低線量CTによるスクリーニング検査によって、高リスク群の肺がんの死亡率の影響をみる大規模無作為化比較試験の結果である。2000年より2015年12月31日まで最低10年以上の経過をみた。年齢中央値は58歳で(50~74歳)、男性1万3,195例、女性2,594例が登録され、1年、3年、5.5年にCTを受けるスクリーニング群とコントロール群に無作為に分けられた。結果として、肺がん発症率はスクリーニング群で5.58件/1,000人年、コントロール群では4.91件/1,000人年で、スクリーニング群ではIAおよびIBの患者は58.6%であったが、コントロール群ではそれぞれ14.2%と13.5%であり、III/IV期が70%であった。死亡率はそれぞれ2.50件/1,000人年、3.30件/1,000人年であった。10年時点で男性では累積生存率比は0.76で女性は0.67であった。以上より、著者らはCTスクリーニングを推奨している。本試験に先立ち2011年に、米国よりNLSTの約5万3,000例のハイリスク患者においてCT検診で20%の死亡率が減少するとの有用性の結果が報告されていたが、それ以外の大規模試験での肺がん全死亡率の低下を示す有用性の報告はなかった。この試験の結果は、CT検診を進める根拠となりうる重要な論文と考えられる。ただし著者らもコメントしているが、女性については人数が少なかったので今後の検討が必要である。本邦において検診のシステムは比較的充実しているが高齢者では受診率が低く、低線量CT検診を導入するに当たり、被ばく、費用および要精密検査率の増加等の不利益もあるので、CT検診の適応症例には十分な検討が必要である。

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