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第2回 コロナ第2波招きかねない中国の“性急な生産再開”

中国は、死者を供養する「清明節」の4月4日、新型コロナウイルス感染死者への黙祷行事を全国一斉に行い、国内における感染抑制をアピールした。8日には、新型コロナの“震源地”となった武漢の都市封鎖および湖北省の省封鎖を完全解除。自動車メーカーを中心に、工場も相次いで生産を再開しており、中国共産党が宣伝する「ウイルスとの戦いにいち早く勝利した中国」を体現したかのようだ。果たして、本当だろうか。中国は4月1日から、統計に含めていなかった無症状感染者の人数や管理状況を公表するようになったが、これまで無症状感染者への措置が徹底されていなかったり、習近平国家主席の武漢視察(3月10日)前には、患者数減少を理由に、臨時病院で働く医療従事者に14日間の休暇が与えられ、診療が行われなかったりしているため、ひとたび封鎖が解除されれば人の動きが活発化し、再び感染が拡大する恐れがある。たとえ中国国内の感染が抑えられたとしても、世界では感染者数が150万人超、死者数は8万人超と、今なお増加し続けており、ワクチンや治療薬もない。効果のあった既存薬を使うにしても、大量生産し、各国に配布し、感染を世界的に抑制できるようになるには、1年では足りないだろう。その意味では、1年延期した東京五輪・パラリンピックの開催も再び危ぶまれる。感染が収まらない以上、世界経済が回復するのはまだ先のことだ。それでも中国が早々に感染抑制をアピールするのには、悪化した経済の立て直しを急ぐ必要があるからだ。感染が拡大する最中の2月12日、中国共産党中央政治局常務委員会は、習近平総書記(国家主席)の主宰で「新型肺炎疫情分析と対策強化の研究」をテーマにした会議を開いた。議論は新型コロナ対策に絞るべき時期だったが、会議後半はもっぱら経済問題が主題だったという。中国における2019年の国内総生産(GDP)の成長率は6.1%で、プラス成長とはいえ1991年以降では最低水準となった。今年は第13次5ヵ年計画(2016~20年)の最終年で、経済成長の減速に何としても歯止めを掛けなければならなかった。そのような状況下に新型コロナが重なり、経済環境を一気に悪化させたのだ。経済悪化による企業倒産と失業の増加は、社会不安をもたらし、中国共産党の統治そのものを揺るがしかねない。このような事情が、企業の生産活動の性急な再開を推し進めているのである。第1次世界大戦中に発生し、世界で感染者数は5億人、死者数は1,700万人から5,000万人、さらには1億人にも達したといわれる「スペインかぜ」も、第2波での被害が最も大きかった。このような事態を回避するためにも、無症状感染者を徹底的に洗い出した上で都市および省の封鎖を解除し、企業活動を再開しても遅くはなかったはずだ。「『第2の武漢』が武漢だった」では、洒落にならない。

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新型コロナウイルスあれこれ(4)【Dr. 中島の 新・徒然草】(318)

三百十八の段 新型コロナウイルスあれこれ(4)ここのところ、世間のニュースはコロナ一色です。なので、私もコロナの話をしましょう。まずは、最近見た衝撃のYouTube動画。「ほんまに聞いてほしい マジでコロナを舐めたらアカン」ニューヨーク在住の日本人女性、chizu iimura さんが4月1日に公開した動画。わずか6日間で700万以上の再生となりました。なんと日本人の5%が見たことになります。彼女が言うのは、現在の日本は3週間前のニューヨークと同じ状況だそうです。当時のニューヨークは「大変だ」と言いつつ、皆が他人事のように感じていました。ところが、あっという間に感染者が1,000人、1万人と増えてしまったのです。現在のニューヨークは、リアルバイオハザードの世界。病院がパンク、屋外に臨時の遺体安置場が設置され、誰も外を歩いていません。コテコテの大阪弁で語られる彼女の話は「怖すぎる!」の一言に尽きます。政治家の話よりインパクトあり、代わりにテレビで流したほうがいいのではないかな。さて、東京、大阪でいつ医療現場が破綻するのでしょうか?私は毎日の感染者数や死亡者数をエクセルで入力、予測しては鬱になっています。累積死亡者数と人口比から計算した結果は以下のとおり病院全体でコロナ対応し毎日10人ずつ挿管する状態(3月24日のニューヨーク):東京4月24日、大阪5月10日病院がパンク、医療崩壊(4月1日のニューヨーク):東京5月13日、大阪5月30日根拠としたのは累積死亡者数で、現在のニューヨークのdoubling timeは3.6日です。つまり、3.6日毎に累積死亡者数が2倍になるという状況。これに対して東京のdoubling timeは6.7日、大阪のそれは7.0日です。感染者数と違って、累積死亡者数は検査数に依存しません。日本人はマスクをするからとかBCGを打っているからとか、そういうことは一切関係のない現実そのもの。もちろん、Nが小さいという批判はあるかと思いますが。さて、この現実に対してどう戦うか?我々、医療従事者は粛々と仕事するのみですが、一般の人に対しては、Shut up & stay at home(黙って家にいろ)この一言ですね。(フランス在住のSushi MadameさんによるYouTube動画から引用しました)起こってから対応するより、起こらないようにする方が100倍簡単。いくら我々が頑張っても、それ以上に患者が増えたら、早かれ遅かれ医療は破綻します。なので、一般の方には自宅待機してもらいましょう。幸い、都知事や府知事の自粛要請が効いたのか、死亡者数のdoubling timeが延びつつあります。そして、もしコロナ検査が陽性の場合、軽症者や無症状者は施設隔離。偽陽性の可能性があるのは百も承知、あれこれ考えずに隔離すべし。介護や育児など事情のある人は、家族単位での自宅隔離もあり、とする。失業してお金のない人には国がお金を配ってください。とりあえず全国民に1人10万円でどうでしょうか。スピードが大切です。所得の少ない人から支給しましょう。1億3,000万人に3ヵ月支給したら39兆円だけど、そこを何とか頼みます!というわけでコロナ状況について4月7日夜時点で思うところを、色々と述べさせていただきました。最後に1句外に出ず 家に居てくれ 頼むから

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新型コロナウイルス、高温多湿でも集団感染が発生か

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が高温多湿の環境でも広がり、感染を引き起こす可能性を示唆する報告が発表された。これまでの研究では、高温多湿の環境ではウイルスの感染率が大幅に低下することが示されている。今回、中国・江蘇省の公衆浴場におけるSARS-CoV-2のクラスター事例において、SARS-CoV-2感染者が健康人8人に感染させた可能性があることを中国・南京医科大学のChao Luo氏らが報告した。JAMA Network Open誌2020年3月30日号に掲載。プール、シャワー、サウナを備えた公衆浴場での新型コロナウイルスの感染事例 著者らは江蘇省の淮安(武漢の北東700km)にある淮安第4病院からデータを収集した。同じ公衆浴場を訪れた感染患者9例が2020年1月25日~2月10日に入院した。咽頭スワブ検体を収集して定量的逆転写PCR法によりSARS-CoV-2を検出、補助診断としてCTと血液検査を実施した。データをPrism version 7.00(GraphPad)で分析した。 公衆浴場における新型コロナウイルス感染のクラスター事例の主な分析結果は以下のとおり。・男性用の公衆浴場の広さは約300m2、温度は25〜41℃、湿度は約60%で、プール、シャワー、サウナがある。・最初の患者(患者1)が武漢に旅行後、2020年1月18日に公衆浴場に行きシャワーを浴びた。19日に発熱し、25日に新型コロナウイルス感染症と診断された。他の7例は同浴場においてシャワー、サウナ、プールを利用した(患者2、3、4は19日、患者5は20日、患者6、7は23日、患者8は24日に利用)。公衆浴場を訪れてから6〜9日後に新型コロナウイルス感染症に関連する発熱、咳、頭痛、胸部うっ血などの症状が現れた。患者9は公衆浴場で働いており、30日に発症した。・患者の年齢中央値(四分位範囲)は35(24~50)歳であった。・8例(89%)が発熱(平均期間[SD]:5.78[2.99]日)、7例(78%)が咳を報告した。衰弱は3例[33%]、胸苦しさは2例[22%]、食欲不振は1例[11%]でみられた。下痢、筋肉痛、鼻漏、頭痛はみられなかった。CRPは9例(100%)で上昇した(平均[SD]:3.34 [3.18] mg/dL)。リンパ球減少症は3例(33%)にみられ、LDHは3例(33%)で増加した(225.56 [85.33] U/L)、GOTは2例(22%)で増加した(30.22 [13.94] U/L)。・CT画像は全例ですりガラス陰影がみられた。・2月10日時点で呼吸サポートが必要な患者はいない。

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3次医療機関でのがん患者の新型コロナ感染率/JAMA Oncol

 がん患者は治療やモニタリングのために通院機会が多いことから、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染するリスクが高い。さらに化学療法や放射線療法は免疫を抑制する。今回、中国・武漢大学中南病院のJing Yu氏らが、武漢の3次医療機関のがん患者においてSARS-CoV-2感染率と転帰を調査した結果、がん患者の入院および通院がSARS-CoV-2感染の潜在的なリスク因子であることが示唆された。とくに高齢患者(60歳以上)と非小細胞肺がん(NSCLC)患者に感染者が多かったという。JAMA Oncology誌オンライン版2020年3月25日号に掲載。 著者らは、2019年12月30日~2020年2月17日(データカットオフ)に、武漢大学中南病院の放射線・腫瘍科に入院したがん患者1,524例の人口統計学的、臨床的、および治療のデータなどの診療記録を調査した。 主な結果は以下のとおり。・この施設におけるがん患者のSARS-CoV-2感染率は0.79%(1,524例中12例、95%CI:0.3~1.2%)と推定され、同期間に武漢市で報告されたCOVID-19例全体の累積発症率(0.37%、1,108万1,000人中4万1,152人、2020年2月17日のデータカットオフ時点)よりも高かった。・感染患者の年齢中央値は66歳(範囲:48〜78歳)で12例中8例(66.7%)が60歳以上、12例中7例(58.3%)がNSCLCであった。・5例(41.7%)は、化学療法(3例、免疫療法併用/非併用)または放射線療法(2例)のいずれかで治療されていた。・3例(25.0%)がSARSを発症し、1例は集中治療を必要とした。・2020年3月10日時点で、6例(50.0%)が退院し、3例(25.0%)が死亡した。・スクリーニングを受けたがん患者1,524例中228例はNSCLCで、60歳以上のNSCLC患者では、COVID-19の発症率が60歳以下よりも高かった(4.3% vs.1.8%)。

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ISCHEMIA試験、侵襲的治療で狭心症関連の健康状態良好/NEJM

 中等度以上の虚血が認められる安定虚血性心疾患の患者に対し、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)または冠動脈バイパス術(CABG)などの侵襲的治療は、至適薬物治療による非侵襲的治療に比べ、狭心症関連の健康状態アウトカムが良好であることが示された。この差はベースラインにおいて、狭心症の症状発生頻度が高い患者でより大きいことも示されたという。米国・ミズーリ大学カンザスシティー校のJohn A. Spertus氏らが、5,000例超を対象に行った「ISCHEMIA試験」の結果で、NEJM誌オンライン版2020年3月30日号で発表した。ISCHEMIA試験ではすでに、侵襲的治療と非侵襲的治療による臨床イベント発生率を比較しており、両群で有意差がなく、その結果については昨年公表していた。ISCHEMIA試験の第2の目的として狭心症関連の健康状態を評価 研究グループはISCHEMIA試験の第2の目的として、侵襲的治療vs.非侵襲的治療の狭心症関連の健康状態を評価する検討を行った。 試験は、21歳以上で中等度以上の虚血が認められる安定虚血性心疾患の患者を無作為に2群に分け、狭窄病変に対し侵襲的治療(PCIまたはCABG)による血行再建(2,295例)、または至適薬物治療による非侵襲的治療(2,322例)をそれぞれ実施した。無作為化後1.5、3、6ヵ月時点で、その後は6ヵ月ごとに、シアトル狭心症質問票(Seattle Angina Questionnaire:SAQ)を用いて狭心症関連の症状、機能およびQOLを評価した。 主要アウトカムは、SAQサマリースコア(スコア範囲:0~100、高いほど健康状態は良好)だった。ベイズ統計フレームワークの混合効果累積確率モデルを用いて、両群の差を検証した。3、12、36ヵ月時点のSAQサマリースコア、いずれも侵襲的治療群で高値 ベースラインでISCHEMIA試験の被験者の35%が、前月に狭心症の症状がなかったと回答していた。 無作為化後3、12、36ヵ月時点のSAQサマリースコアは、侵襲的治療群が非侵襲的治療群に比べ、それぞれ4.1ポイント(95%確信区間[CrI]:3.2~5.0)、4.2ポイント(3.3~5.1)、2.9ポイント(2.2~3.7)いずれも高かった。 両群間の差は、ベースラインで狭心症症状の頻度がより高かった患者間のほうが大きかった。毎日または毎週同症状があった患者と、まったく症状がなかった患者で比較すると、3ヵ月時点でのSAQサマリースコアの差は8.5ポイントvs.0.1ポイント、36ヵ月時点では5.3ポイントvs.1.2ポイントだった。

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ACS発症の2型DM、低HDL-C値へのapabetalone追加投与は?/JAMA

 急性冠症候群(ACS)を発症した2型糖尿病でHDLコレステロール値が低い患者に対し、標準治療に加え、選択的BET(bromodomain and extraterminal)タンパク質阻害薬であるapabetaloneを投与しても、主要有害心血管イベントリスクは有意には低下しないことが示された。英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのKausik K. Ray氏らによる、多施設共同プラセボ対照無作為化二重盲検試験の結果で、JAMA誌オンライン版2020年3月27日号で発表された。apabetaloneはブロモドメイン2をターゲットとしており、アテローム血栓症との関連経路に良好な影響をもたらす可能性があると見なされ、プール第II相試験データでは、臨床的アウトカムへの良好な影響が示唆されていたという。心血管死、初回非致死的心筋梗塞・脳卒中いずれかの発生を比較 研究グループは、apabetaloneが主要有害心血管イベントを有意に抑制するかを調べるため、13ヵ国190ヵ所の医療機関を通じて試験を行った。 直近7~90日以内にACSを発症した2型糖尿病患者で、低HDLコレステロール値の18歳以上の患者を適格として、2015年11月11日に登録を開始。2018年7月4日に登録を終了し、2019年7月3日まで追跡調査した。 被験者は1対1の割合で2群に無作為化され、標準的治療に加えて、一方にはapabetalone(100mg、1日2回、1,215例)を、もう一方にはプラセボ(1,210例)をそれぞれ投与した。 主要アウトカムは、心血管死、初回非致死的心筋梗塞・脳卒中のいずれかが発生するまでの期間だった。肝酵素値の上昇などで中断、apabetalone群が9.4%とより高率 無作為化された被験者2,425例の平均年齢は62歳、女性の割合は25.6%で、2,320例(95.7%)が、主要アウトカムについて完全な評価を受けた。 追跡期間中央値26.5ヵ月中に、主要エンドポイントは274件発生した。apabetalone群での発生は125件(10.3%)、プラセボ群は149件(12.4%)で同等だった(ハザード比:0.82、95%信頼区間 :0.65~1.04、p=0.11)。 一方で、試験を中断した被験者の割合は、apabetalone群114例(9.4%)、プラセボ群69例(5.7%)とapabetalone群で高率だった。その理由として肝酵素値の上昇(35例[2.9%]vs.11例[0.9%])などが含まれていた。

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第2世代抗精神病薬LAIの実行機能に対する影響

 第2世代抗精神病薬(SGA)の経口剤から長時間作用型注射剤(LAI)への変更は、認知機能を改善する可能性がある。イタリア・Magna Graecia University of CatanzaroのFabio Magliocco氏らは、SGA-LAIで治療された統合失調症患者における認知機能への影響について評価を行った。さらに、独立したリアルワールドにおける2つの異なるSGA-LAI(月1回のパリペリドンパルミチン酸[PP1M]、月1回のアリピプラゾール[AOM])治療について直接比較を行った。International Journal of Psychiatry in Clinical Practice誌オンライン版2020年3月5日号の報告。 対象は、12ヵ月以上連続して募集した統合失調症患者32例。AOM治療患者17例、PP1M治療患者10例が、精神病理学的、神経心理学的、機能的評価を完了した。群間の比較には、必要に応じてカイ二乗検定とt検定を行った。12ヵ月間の認知機能の変動を調査するため、GLM反復測定を用い、薬剤間での差をテストした。 主な結果は以下のとおり。・調査結果に対する時間の影響が認められたが、薬剤間での差は認められなかった。・SGA経口剤を使用した以前の研究と比較して、SGA-LAIの使用により、12ヵ月後の神経認知機能の有意な改善が認められた。・SGA-LAIのレジメン間での差は認められなかった。 著者らは「SGA経口剤治療ですでにベネフィットを得ている患者でも、SGA-LAIへ切り替えることで、社会的および認知的改善が期待できる」としている。

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セレブの自殺が報道されると(解説:岡村毅氏)-1210

 ハイデガーは「人は時間的存在である」と言ったが、人だけが過去を振り返り、未来を恐れ、そして自分の死を意識しうる存在なのかもしれない。したがって自殺という現象は、とても人間的な現象といえよう。自殺は社会学や精神医学において重要なテーマであり続ける。 さて、著名人の自殺のニュースは、その後の自殺数を増やし、また自殺の方法が報じられた時には同じ方法による自殺を増やす、という報告である。これまでも「ウェルテル効果」(ゲーテの著作『若きウェルテルの悩み』に影響されて自殺が増えたという故事による)、著名人の自殺により自殺が増える現象が知られていた。一方で、自殺一般の報道は自殺を増やすことはないようである。本論文は、この現象に関するメタアナリシスであり、現時点での決定版ともいえよう。 なぜこのようなことが起きるのだろうか。まず著名人が、直接の知り合いではなくとも、その人にとって近しい存在であった場合には大きな影響を受けるだろう。次に、繰り返し報じられると、自殺という手段が、普通の選択肢と認識されるようになってしまう。最後に、方法を報じられることは、リスクの高い人にとっては最後の一押しになってしまう。 著名人の自殺の詳細が繰り返し報じられることで自殺が増えることが明らかになってからはガイドラインが整備されている。世界保健機関(WHO)の「メディア関係者に向けた自殺対策推進のための手引き」は厚生労働省のホームページでも読むことができるが、以下のようなものだ。やるべきこと・どこに支援を求めるかについて正しい情報を提供すること・自殺と自殺対策についての正しい情報を、自殺についての迷信を拡散しないようにしながら、人々への啓発を行うこと・日常生活のストレス要因または自殺念慮への対処法や支援を受ける方法について報道をすること・有名人の自殺を報道する際には、特に注意すること・自殺により遺された家族や友人にインタビューをする時は、慎重を期すること・メディア関係者自身が、自殺による影響を受ける可能性があることを認識することやってはいけないこと・自殺の報道記事を目立つように配置しないこと。また報道を過度に繰り返さないこと・自殺をセンセーショナルに表現する言葉、よくある普通のこととみなす言葉を使わないこと、自殺を前向きな問題解決策の一つであるかのように紹介しないこと・自殺に用いた手段について明確に表現しないこと・自殺が発生した現場や場所の詳細を伝えないこと・センセーショナルな見出しを使わないこと・写真、ビデオ映像、デジタルメディアへのリンクなどは用いないこと 自殺には、社会の不条理が関わっていることが多く、残された者の悲哀や憤怒は大きく、簡単な研究テーマではないが、こうした研究の系譜が上記の「ガイドライン」につながったことを考えれば、絶対に必要である。冷静な研究を続けなければならない。 さて、今後はどうなるのだろうか? まず、現代では人々は情報をどこから得ているのだろうか? かつては新聞の時代、そしてテレビの時代があった。いずれも大衆向けに同じ情報を共時的に提供するメディアだが、今や影響力は低下していることは明らかだろう。ケアネットだから言うわけではないが、現代はウェブ上が主たる情報源となっている。一方で人々は知りたい情報にのみ接する傾向が強まる(フィルターバブル現象)。また、SNSなどは著名人を一層身近にしているが、いわば直接触れたり感じたりできる生活世界に、(主にビジネスのために)著名人が入り込んできているともいえる。今後はSNSを射程に入れた新たな方法論の研究も現れることだろう。 最後に、筆者は自殺と表記しましたが、自死にすべきという意見もあることは承知しています。筆者も外来などではその場に即した言い方をしています。一方で言い換えることで見えなくなるものも確かにあります。2020年春の時点では行政が主に使用しており、ここでは国民の多くが通常使う自殺という用語を粛々と用いることにします。

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間質性肺炎合併肺がんの新たな治療を探る「TORG1835/NEXT-SHIP試験」【肺がんインタビュー】 第43回

第43回 間質性肺炎合併肺がんの新たな治療を探る「TORG1835/NEXT-SHIP試験」出演:神奈川県立循環器呼吸器病センター 呼吸器内科/臨床研究室 医長 池田 慧氏肺がんの治療が進む中、いまだに治療に苦慮する間質性肺炎合併肺がん。とくに治療オプションの少ない小細胞肺がんに対する新たな選択肢として、カルボプラチンとエトポシドの併用にマルチキナーゼ阻害薬ニンテダニブを加えた3剤併用療法の第II相「TORG1835/NEXT-SHIP試験」が現在進行中である。研究事務局の神奈川県立循環器呼吸器病センター 池田 慧氏に試験実施の背景と試験の内容について聞いた。TORG1835/NEXT-SHIP試験(jCRT)試験に関する問い合せ神奈川県立循環器呼吸器病センター 呼吸器内科池田 慧氏e-mail:isatoshi0112@gmail.comTel:045-701-8581(内線7213)

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新型コロナショックで株暴落!投資家はどう立ち向かうべき?【医師のためのお金の話】第31回

こんにちは。自由気ままな整形外科医です。新型コロナウイルス感染症に端を発した2020年2月24日の株価下落はその後も続き、歴史的な暴落となりました。百年に一度といわれた2008年のリーマンショックを上回るペースで株価下落が進行したため、肝を冷やした方も多かったのではないでしょうか?今回の暴落に際して、嵐が過ぎ去るまで静観する人、恐怖に駆られて所有株式を売却した人、絶好の買い場と判断して暴落に買い向かった人など、いろいろな投資判断がありました。私は自他共に認める「超長期逆張り投資家」なので、今回の暴落に対して買い向かっていきました。2008年のリーマンショック以来の本格的な投資だったので、まさに12年ぶりの大勝負です。短期的に順張り戦略で利益を出すのは易しいが…株式投資で利益を得るためには投資戦略が重要です。一般的に人気なのは、上昇相場に乗って投資する順張り戦略でしょう。順張り投資は精神的な負担が少なく、利益も簡単に出せる場合が多いので、多くの人が選ぶ戦略です。順張り投資は、相場が上り調子だと面白いように利益を得られます。あまりに勝ち過ぎて「自分は投資の天才なのではないか?」と勘違いしてしまうこともしばしばです(笑)。しかし、順張り投資の最大の問題点は、いつ相場から降りるかが難しい点です。相場が永遠に上昇し続けることはありません。必ず、どこかの時点で上昇から下落に転じるポイントがあります。後から見れば相場の転換点を見つけることは簡単ですが、市場にどっぷりつかっている時にはそれを知ることはきわめて難しいのです。ちょっと下落しても「再び上がるのでは?」と思ってずるずると損失を出し続け、やがて身動きが取れなくなってしまうのです。上昇相場で積み上げた利益をすべて吐き出し、失意のうちに株式市場から退出する人の何と多いことでしょう。個人投資家のほとんどはこのパターンを経験しているのではないでしょうか。暴落に買い向かうことは並大抵のことではない!一方で、逆張り戦略はどうでしょうか。実際に暴落の中に身を投じてみると、簡単に実践できることではないことを、身をもって経験します。下落が数日であれば、精神的にも投資資金的にも余裕があるため、買い向かうことは比較的簡単です。しかし、下落が数週間から数ヵ月続くと、精神的に追い詰められます。同時に投資資金も枯渇するため、非常に厳しい状況に追い込まれます。数ある投資戦略の中でも、暴落に買い向かっていく逆張り戦略は、精神的に最も負担のかかるものといえます。しかも、逆張り戦略の場合は市場が反転しない限り、利益を得ることができません。このため、投資してから利益を得るまでの期間が長くなる傾向があります。それでは、なぜ私が精神的な負担があり、投資成果を得るまで時間のかかる逆張り戦略を選ぶのでしょうか? それは、計画的に買い向かった場合に、利益を得ることができる確率が高いからです。その理由はとても単純で、暴落して二束三文で投げ売りされている株式を購入しているから、です。暴落局面で買い向かっていると安価な株式を大量に購入することになるため、一旦相場が上昇しはじめれば、利益は雪だるま式に増えていきます。この相場が反転して利益が増えはじめる時の感覚を一度経験すると、すっかり病みつきになって逆張り戦略のファンになってしまいます。逆張り投資を成功に導く2つのポイントこう説明すると、逆張り投資は素晴らしいので自分もやってみよう、と思う方がいるでしょう。しかし、そうは問屋が卸しません(笑)。繰り返しになりますが、暴落に買い向かっていく精神的負担が並大抵ではないことと、資金管理が難しいため途中で挫折してしまうことが多いからです。暴落の途中で挫折して損切りしてしまっては戦略が台無しで、目も当てられません。途中の挫折を完全に回避することは難しいでしょうが、ここでは2つのポイントを伝授します。1つ目は、買い向かう投資対象を、倒産可能性がきわめて低い銘柄にすることです。私はJ-REITや電力株を好んでいますが、TOPIXや日経225の指数ETFでも問題ないでしょう。絶対に破綻しないと信じることができれば、暴落に買い向かう際の大きな力になります。2つ目は、ユニット数(株数)を増やすことに注力することです。買い向かっていると含み損がどんどん大きくなるため鬱になります。しかし、投資の目的は「価値のある株式」をたくさん所有することです。暴落しているからといって、いきなり株式の本質的価値が下がるわけではありません。あくまでも表面上の価格が下がっているだけなので、安く仕入れる絶好の機会だ、と心の底から思えればしめたものです。とはいえ、私も完全にその境地に達しているわけではありません。このギャップを埋めるための追加ポイントとして、J-REITや電力株などの高配当株を選択しています。つまり、「自分は配当を得る権利をたくさん買っているんだ」と思うことで、心が折れそうになったときでも頑張って買い向かうための原動力にするのです。

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第2回 全国の麻酔科教室が肝を冷やしただろう事件

不正報酬1億9000万円!こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件について、あれやこれや書いていきたいと思います。東京は新型コロナ感染症で益々大変なことになっています。あろうことかメキシコのコロナビールも生産停止となってしまいました。私も各方面から取材依頼を断られています。曰く、「東京からいらっしゃるならお断りします!」。一部の取材は電話やネットを使って行うようになりました。私はこれまでできる限り取材先に赴く現場主義でやってきたのですが、これからの記者は、現場に行って対面でじっくり話を聞いたりせず、さらりとネットで済ませてしまうようになるかもしれません。さて、今週気になったのは、昨年末、旭川医科大学の麻酔科教授が不正報酬を受け取ったことから懲戒解雇になったニュースです。この40代男性の元教授は、2019年11月、医師派遣を巡って複数の医療機関から不正に報酬を受け取ったとして懲戒解雇処分になり、地元の北海道では大きなニュースとして扱われました。地元紙の北海道新聞は旭川医大に情報公開を請求し、その結果として、先月の3月31日に不正に受け取っていたとされる金額が開示されました。今回開示された資料は元教授に対する懲戒説明書などで、それによると元教授は2018年10月~2019年9月の間に、医師派遣に関わる「確認作業」の名目で1病院から月12~15万円の計165万円、また2011年6月~2019年9月の間に「待機料」の名目で少なくとも7病院から計1億8733万円を受け取っていた、とのことでした。合計で約1億9000万円という金額です。元教授は医局員に金融機関の口座を開設させ、その口座の通帳を保管し、自ら使用していたそうです。札幌地検特別刑事部は任意で元教授を事情聴取したほか、昨年12月に旭川医大を家宅捜索して不透明な資金の流れの解明を進めている、とのことです。大学医局ですら麻酔医不足に苦しむ状況「待機料」というのは、関係する方以外には聞き慣れない用語でしょう。報道によれば、この事件における待機料の仕組みはこうです。平日午後5時から翌日午前8時までと土曜・日曜日に、元教授や医局のほかの医師が旭川市内で待機します。依頼元の病院で緊急手術などが入ると待機中の麻酔医が派遣されます。「待機料」は時給1,200円(一晩1万8,000円)で、大半は元教授が待機していました。待機を要請した病院からは月40万〜50万円が支払われていたとのことです。旭川医大は、元教授が大学の許可を得ずに多額の報酬を受けとっていたこと、さらに同じ日時に複数の病院から待機料を得ており実際には対応できない状態だったこと、などを解雇理由としています。この事件の報を受け、全国の大学医学部の麻酔科教室は肝を冷やしたのではないでしょうか。麻酔科医不足は今に始まったことではなく、とくに地方の急性期院のなかには、何らかの形で地元や中央の大学医学部の麻酔科教室からの派遣等に頼っているところが少なくないからです。大学医局ですら麻酔医不足に苦しむ状況のなか、単なる善意で地方の病院に麻酔医を派遣している医局ばかりとも言えません。大学当局への届け出、報酬管理の透明化、税金面の対策などの指示を、この事件を機にすぐさま行った麻酔科の教授が多くいたことでしょう。一方、「待機料」などを払っていた病院側も痛し痒しです。昼間の定期の手術は大学医局からの派遣やフリー麻酔医に頼るにしても、事件後に夜間の緊急手術の麻酔にどう対応しているのか、気になるところです。夜間にフリー麻酔医を確保するとしたら日給10万円以上を覚悟しなければなりません。それでは到底割に合いませんので、考えれられる方策は「緊急手術をしない」です。しかし、そうなるといわゆる「患者のたらい回し」が発生します。そう考えると、先のニュースに対しても「もう少し“うまく”できなかったのか…」という思いが湧いてきます。事は地域の医療提供体制に影響を及ぼします。自分の欲は二の次にして、地域のことをまず考えた待機システムにしておけば、元教授も大学を辞めなくて済んだかもしれないのです。

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第18回 非薬剤師は調剤室に入っていい?だめ?【噂の狭研ラヂオ】

動画解説非薬剤師は調剤室に入っていいのかという議論があります。しかし実際にはそれは些末な問題であり、自分の仕事を渡したくないという不安が起因しているのかもしれません。弁護士 赤羽根秀宜先生の「法律には趣旨がある」という言葉の通り、薬剤師法の本質を考えれば、薬剤師のやるべきこと、非薬剤師にやってもらうことが、自ずと見えてくるはずです。

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COVID-19、軽症者の増悪時にみられた所見―自衛隊中央病院

 クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」から搬送された、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者104例について、2020年3月24日、自衛隊中央病院がその経過と得られた知見をホームページ上で公開した。CT検査所見の特徴、重症化や他疾患との鑑別におけるマーカーとしての各検査値の有用性など、これまでに報告されている事項をふまえ、自院での症例について考察している。<症例の特徴>平均年齢:68歳(48.75~75)、男性:45.2%国籍:東アジア52.9%を含む、17の国と地域基礎疾患:あり48.1%(心血管系31.7%、内分泌系[甲状腺疾患等]8.7%、糖尿病6.7%、呼吸器系6.7%、がん3.8%)喫煙歴:あり17.3%観察期間:2月25日まで※全例が船内の検疫における咽頭スワブPCR検査でSARS-CoV-2陽性軽症者の多くが症状に変化なく軽快、しかし異常影有の3分の1で増悪 観察期間を通して全く症状や所見を認めなかった症例は全体の31.7%で、軽症例が41.3%、重症例は26.9%。無症候性陽性例が多く、軽症例でも、そのほとんどが一般診療の基準に照らし合わせれば、医療機関を受診するような病状ではなかったと考察している。 しかしこれまでの報告でも指摘されているように、無症候性および軽症例でも、約半数に胸部単純CT検査での異常陰影を認めた。陰影は両側末梢胸膜下に生じるすりガラス様陰影が特徴で、胸部単純レントゲン写真では異常を指摘できない症例が多かった(画像も公開中)。無症候性および軽症例で、CT検査で異常影を認めたうち、約3分の2はそのまま症状が変化することなく軽快し、約3分の1は症状が増悪した。増悪する場合の画像変化は、経過とともにすりガラス様陰影の範囲が広がり、徐々に濃厚なair-space consolidationを呈することであった。<重症度、主な臨床症状(ともに入院時/全観察期間)>重症度無症状:41.3%/31.7%軽症:39.4%/41.3%重症:19.2%/26.9%臨床症状(一部抜粋)発熱:28.8%/32.7%咳嗽:27.9%/41.3%呼吸困難:6.7%/18.3%頻呼吸:15.4%/23.1%SpO2<93%:2.9%/13.5%高齢者ではSpO2低下、若年者では頻呼吸が出現する傾向 無症状あるいは軽微な症状にもかかわらずCT検査で異常陰影を認める病態を「Silent Pneumonia」とし、「Silent Pneumonia」から「Apparent」になる際は、発熱や咳嗽の増悪や呼吸困難の出現ではなく、高齢者ではSpO2の低下、若年者では頻呼吸の出現で気づくことが多かった、としている。症状増悪は初発から7~10日目であることが多く、比較的病状はゆっくりと進行。このため疾患の増悪に気づきにくいおそれがあり、このことが、高齢者の死亡率上昇に関係している可能性がある、と指摘している。 酸素投与が必要となった症例は全体の13.5%であり、そのうちの約半数がいわゆるネーザルハイフローやNPPVなどの高流量酸素投与を必要とした。気管挿管による人工呼吸管理を必要としたのは1例。観察期間中の死亡例はなく、3月24日時点で全員退院している。中等症~重症化しても、適切な酸素投与を実施するなどの対応をとれれば救命可能な症例は多いと考えられるとし、重症例では抗ウイルス薬の投与も実施している。 また血液生化学検査所見について、COVID-19症例ではCRP、LDH、AST、eGFR、Naに有意な差があり、リンパ球減少が観察されるとの報告がある。同院の症例では、無症状あるいは軽症例では検査値異常を認めないことが多かったが、重症例ではリンパ球減少が認められた。多くは陰圧機能のない一般病室に収容、ゾーニングを徹底 多数の患者を受け入れたため、陰圧室は不足し、患者の多くは陰圧機能のない一般病室に収容された。ウイルス量が多く、ネーザルハイフローや人工呼吸器などのエアロゾル発生機器・手技を多く必要とするであろう重症例から陰圧室を使用し、ゾーニングを徹底した。主な予防策は下記の通り:・原則N95マスクを使用・アイガードの徹底に加えて脱衣に熟練を要するワンピース型PPEは用いず、アイソレーションガウン使用を標準とした・挿管時にはPAPR(電動ファン付呼吸用保護具)を装着・平素、感染症診療に携わっていないスタッフに対しては、N95マスクフィットテストやPPE着脱訓練を実施・ゾーニング要領を徹底

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スタチンと降圧薬の併用と認知症リスク

 脂質異常症や高血圧症は、アルツハイマー病やこれに関連する認知症(ADRD:Alzheimer's disease and related dementia)の修正可能なリスク因子である。65歳以上の約25%は、降圧薬とスタチンを併用している。スタチンや降圧薬が、ADRDリスクの低下と関連するとのエビデンスが増加する一方で、異なる薬剤クラスの併用とADRDリスクに関するエビデンスは存在しない。米国・ワシントン大学のDouglas Barthold氏らは、異なる薬剤クラスの組み合わせによるスタチンと降圧薬の併用とADRDリスクとの関連について、検討を行った。PLOS ONE誌2020年3月4日号の報告。 本研究は、米国のメディケア受給者でスタチンと降圧薬を併用する69万4,672例を分析したレトロスペクティブコホート研究(2007~14年)。スタチンと降圧薬の異なる薬剤クラスの併用に関連するADRD診断を定量化するため、年齢、社会経済的地位、併存疾患で調整したロジスティック回帰を用いた。スタチンの分類は、アトルバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチンとし、降圧薬の分類は、2つのRAS系降圧薬(ACE阻害薬、ARB)、非RAS系降圧薬とした。 主な結果は以下のとおり。・プラバスタチンまたはロスバスタチンとRAS系降圧薬との併用は、非RAS系降圧薬とスタチンとの併用と比較し、ADRDリスクの低下と関連が認められた。 ●プラバスタチン+ACE阻害薬:オッズ比(OR)=0.942(信頼区間[CI]:0.899~0.986、p=0.011) ●ロスバスタチン+ACE阻害薬:OR=0.841(CI:0.794~0.892、p<0.001) ●プラバスタチン+ARB:OR=0.794(CI:0.748~0.843、p<0.001) ●ロスバスタチン+ARB:OR=0.818(CI:0.765~0.874、p<0.001)・ARBとアトルバスタチンおよびシンバスタチンとの併用は、プラバスタチンまたはロスバスタチンとの併用と比較し、わずかなリスク減少と関連していたが、ACE阻害薬では関連が認められなかった。・ヒスパニック系の患者では、スタチンとRAS系降圧薬との併用は、非RAS系降圧薬の併用と比較し、リスク低下が認められなかった。・黒人患者では、ロスバスタチンとACE阻害薬との併用は、他のスタチンと非RAS系降圧薬との併用と比較し、ADRDオッズが33%低かった(OR=0.672、CI:0.548~0.825、p<0.001)。 著者らは「米国の高齢者では、脂質異常症の治療にプラバスタチンやロスバスタチンを使用することはシンバスタチンやアトルバスタチンより一般的に少ないが、RAS系降圧薬、とくにARBと併用することで、ADRDリスクの低下に寄与することが示唆された。ADRDリスクに影響を及ぼす血管の健康のための薬物療法が、米国のADRD患者数を減少させる可能性がある」としている。

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世界のICU患者、1日の感染症有病率は50%以上/JAMA

 世界88ヵ国の同じ1日における集中治療室(ICU)入室患者の感染症有病率は54%と高く、その後の院内死亡率は30%に達し、死亡リスクも実質的に高率であることが、ベルギー・エラスム病院のJean-Louis Vincent氏らが行った点有病率調査「EPIC III試験」で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2020年3月24日号に掲載された。ICU入室患者は感染症の頻度が高い。感染症の種類、原因となる病原菌、アウトカムに関する情報は、予防や診断、治療、医療資源配分の施策の策定に役立ち、介入試験のデザインの一助となる可能性があるという。同氏らは、これまでに、同様のデザインに基づく研究(EPIC試験[1995年]、EPIC II試験[2009年])の結果を報告している。88ヵ国1,150施設で、24時間の点有病率を調査 研究グループは、88ヵ国1,150施設の参加の下、世界中のICUにおける感染症の発生とそのアウトカム、および利用可能な医療資源に関する情報を得る目的で、24時間の点有病率を調査する観察横断研究を行った。 解析には、2017年9月13日午前8時(現地時間)から24時間の期間に、ICUで治療を受けたすべての成人(年齢18歳以上)患者が含まれた。患者の除外基準は設けなかった。最終フォローアップ日は2017年11月13日だった。 主要アウトカムは、感染症有病率、抗菌薬投与(横断的デザイン)、院内全死因死亡(縦断的デザイン)とした。抗菌薬投与率は70%、VREは死亡率が2倍以上 1万5,202例(平均年齢61.1[SD 17.3]歳、男性9,181例[60.4%])が解析の対象となった。試験当日に、44%が侵襲的機械換気、28%が昇圧薬治療、11%は腎代替療法を要した。試験開始前のICU入室期間中央値は3日(IQR:1~10)、総ICU入室期間中央値は10日(3~28)だった。 感染症のデータは1万5,165例(99.8%)で得られた。ICU感染1,760例(22%)を含め、感染症疑い/確定例は8,135例(54%)であった。1万640例(70%)が1つ以上の抗菌薬の投与を受けた。このうち28%が予防的投与、51%は治療的投与で、それぞれセファロスポリン系(51%)およびペニシリン系(36%)の抗菌薬が最も多かった。 地域別の感染症疑い/確定例の割合には、オーストララシアの43%(141/328例)からアジア/中東地域の60%(1,892/3,150例)までの幅が認められた。また、感染症疑い/確定例8,135例のうち、5,259例(65%)が少なくとも1回の微生物培養で陽性を示した。このうち3,540例(67%)がグラム陰性菌、1,946例(37%)がグラム陽性菌、864例(16%)は真菌であった。 感染症疑い/確定例の院内死亡率は30%(2,404/7,936例)であった。ICU感染は、市中感染に比べ院内死亡リスクが高かった(オッズ比[OR]:1.32、95%信頼区間[CI]:1.10~1.60、p=0.003)。 また、抗菌薬耐性菌のうち、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)(2.41、1.43~4.06、p=0.001)、第3世代セファロスポリン系およびカルバペネム系抗菌薬を含むβ-ラクタム系抗菌薬に耐性のクレブシエラ属(1.29、1.02~1.63、p=0.03)、カルバペネム系抗菌薬耐性アシネトバクター属(1.40、1.08~1.81、p=0.01)は、他の菌による感染症と比較して死亡リスクが高かった。 著者は、「今回の感染症疑い/確定例の割合(54%)は、EPIC試験(45%、1992年に評価)およびEPIC II試験(51%、2007年に評価)に比べ高かった。プロトコルの変更や技術的な改善による検出率向上への影響は除外できないが、培養陽性例の割合はEPIC II試験よりも低かった(65% vs.70%)。ICU感染例の割合(22%)はEPIC試験(21%)と同等だった」としている。

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COVID-19の診療情報特設サイトを開設/日本プライマリ・ケア連合学会

 日本プライマリ・ケア連合学会(理事長:草場 鉄周)は、4月1日に同連合学会のホームページ上で「新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療所・病院におけるプライマリ・ケアのための情報サイト」を開設した。 特設サイトでは、COVID-19に関する臨床診療で必要な最新情報が網羅されている。 主な内容は下記の通りであり、診療の合間などに参照していただきたい。■主な掲載内容・新型コロナウイルスCOVID-19について 感染経路、潜伏期間、主に国内の患者数について・診療に役立つ情報〔診療の手引き・ガイド〕新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療所・病院のプライマリ・ケア初期診療の手引き ほか〔臨床診断サポートツール〕DynaMed、UpToDate ほか〔患者さん・一般の方への啓発〕新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)/3つの密を避けましょう!(厚生労働省)、やってみよう! 新型コロナウイルス感染症対策 みんなでできること(文部科学省) ほか・感染予防と対策 感染症対策専門家会議、高齢者・介護施設、透析、海外渡航、妊婦、こども、学校、保育園・関連情報国内 厚生労働省、国立感染症研究所、国立国際医療研究センター(NCGM)/国際感染症センター(DCC)、内閣官房 ほか・関連情報海外 世界保健機関(WHO)、European Centre for Disease Prevention and Control(欧州CDC) ほか・文献

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COVID-19重症患者に対する人工呼吸管理に関する注意点/日本集中治療医学会

 4月6日、日本集中治療医学会が『COVID-19重症患者に対する人工呼吸管理に関する注意点』を発出。集中治療医学会ならびに日本呼吸療法医学会では、COVID-19重症患者に対する人工呼吸管理が増加している現状を踏まえ、日常的に重症呼吸不全の呼吸管理を行っていない施設やグラフィクモニターが搭載されない人工呼吸器を使用せざるを得ない場合に呼吸管理が行われる場合を想定し、海外の情報と本邦における経験に基づき、COVID-19患者の特徴に合わせた人工呼吸療法の対策を総括した。 ※ガイドラインなどのようにエビデンスレベルを検討して作成したものではない。 概要は以下のとおり。1. COVID重症患者の特徴 a)呼吸困難感出現から数時間で重症化する場合がある b)放射線画像と肺酸素化能はしばしば乖離する c)病態として中等度から重度のARDSを呈する d)死腔換気の増加により分時換気量が大きい(10~14L/分) e)呼気が延長しCO2排出に難渋する症例がある f)吸気努力が亢進している(とくに人工呼吸開始早期) g)鎮静薬に対し抵抗性を示す症例がある h)経過中喀痰分泌物が増加し気道閉塞をきたす症例がある2. 上記特徴を踏まえた対策 a)~h)の8項目3. 2.のc)~f)の対策で換気が維持できない場合 c)~f)の4項目 人工呼吸療法に行き詰まったときやECMOを考慮する場合は「日本COVID-19対策ECMO-net」のコールセンターが利用できる。(参考)ECMO相談窓口の開設について4.その他の留意点 一般に人工呼吸管理ではガス交換を維持することだけでなく、人工呼吸に関連する合併症を防止することが重要である。症例によっては、ガス交換がある程度改善すれば合併症回避を優先することも必要となる。重症患者の人工呼吸に慣れないスタッフが接触を減らすためにいたずらに深鎮静による無動化を継続すると、人工呼吸器関連合併症を起こし生命予後を悪化させる。また、積極的な早期経腸栄養開始や、カテーテル関連血流感染防止などにも留意する。肺以外の臓器障害がある場合は、治療方針につき専門医に相談することを推奨する。

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早期トリプルネガティブ乳がんに対するペムブロリズマブ+術前化学療法:pCR率が13.6%増加(解説:下村昭彦氏)-1209

 本試験は、臨床病期IIからIIIの早期トリプルネガティブ乳がん(triple negative breast cancer:TNBC)に対して術前化学療法にペムブロリズマブを追加する効果を病理学的完全奏効(pathological complete response:pCR)率と無イベント生存期間を用いて評価した第III相試験であり、ペムブロリズマブ群でpCR率64.3%(95%CI:59.9~69.5)、プラセボ群で51.2%(95%CI:44.1~58.4)と、ペムブロリズマブ群で有意に良好であった。 メラノーマで最初に有効性が示された免疫チェックポイント阻害薬も、あっという間にさまざまながん種で有効性が示され、他がん種ではすでに日常臨床で多く使われるようになった。乳がんにおいてもその有効性が期待されていたが、昨年の欧州臨床腫瘍学会で発表されたKEYNOTE-119が示すように、免疫原性が高いとされるTNBCであっても単剤での有効性は示せていない。転移TNBCにおいてはすでに抗PD-L1抗体であるアテゾリズマブとアルブミン結合パクリタキセルの有効性が示され、国内でも承認されている。また、転移TNBCに対するペムブロリズマブと化学療法併用の有効性もプレスリリースされており、転移TNBCにおいては免疫チェックポイント阻害薬と化学療法の併用は重要な選択肢の1つとなっている。 早期乳がんにおいては、TNBCを対象として複数の試験が行われた(行われている)。本試験はその1つである。TNBCにおいてはpCRが予後のサロゲートマーカーとなることが知られており、本試験においてもpCR率においてペムブロリズマブ群で良好であることが示された。EFSは中間解析であるが、ペムブロリズマブ群で良好であった。ほかに早期TNBCの術前化学療法に対するアテゾリズマブの上乗せを検証する試験も行われており、免疫チェックポイント阻害薬は今後早期TNBCの重要な治療選択になってくる。 一方で、早期がんに免疫チェックポイント阻害薬を使うことには一定の注意も必要である。本試験においてはペムブロリズマブ群で甲状腺機能低下が13.7%で認められている。免疫チェックポイント阻害薬による甲状腺機能低下は改善しないことが多く、生涯にわたる甲状腺ホルモンが必要になるケースも少なくない。Grade3を超える副腎機能低下も1.3%に認められている。頻度は低いが、重篤でありマネジメントに注意が必要な有害事象である。論文では報告されていないが、免疫チェックポイント阻害薬では劇症型I型糖尿病など対応を誤ると生命に危険が及ぶ有害事象も発生する。術前化学療法は治癒を目指して行う治療であるからこそ、今後実臨床で行うようになった際には、適応をきちんと決め、薬物療法に習熟した医師が適切に有害事象のマネジメントを行う必要がある。 とはいえ、乳がんにおいては免疫チェックポイント阻害薬の開発はしばらくホットな話題になりそうだ。HER2陽性乳がんに対する術前化学療法との併用や、ホルモン受容体陽性乳がんに対するホルモン療法およびCDK4/7阻害薬との併用など、バイオロジーに基づいたさまざまな臨床試験が行われている。バイオロジーの理解と併せて、今後も注目していきたい。

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疲れを巡る最新研究(前編)…エナジードリンク頼みの疲労回復法がとても怖い理由

講師紹介長年の研究で判明した、ウイルスと疲労の「深い関係」近藤なぜ、ウイルスを専門とする私が疲労の研究をしているのか、最初はいつも不思議がられます。私の所属はウイルス学講座で、長年ヒトヘルペスウイルス(HHV)を研究してきました。研究を進めるうちに、疲労・ストレスとヘルペスウイルスの間に深い関係があることがわかってきたのです。性器ヘルペスが知られているので、ヘルペスというとちょっと下ネタ的なイメージもありますが(笑)、私の専門は赤ちゃんの突発性発疹を起こすHHV-6とHHV-7です。3大生体アラームなのに研究が進んでいない「疲労」近藤そもそも、疲労の研究は世界的にマイナーです。日本では「疲労はうつや過労死といった疾患の要因になる」ということが一般的に受け入れられていますが、海外ではそうした認識自体がなく、慢性疲労症候群など「疾患の症状」としての認識しかありません。「疲労」は、「痛み」や「発熱」と並ぶ3大生体アラームです(図1)。それなのに、その原因・伝達物質も回復因子もまったくと言っていいほど解明されてこなかったのです。痛みや発熱は、その原因物質を見つけた人がノーベル賞を取っているほどなのに…。画像を拡大する「疲労感」と「身体の疲れ」は異なるもの近藤そもそも、まず知っておいていただきたいのが「疲労感」と「身体の疲れ」は別のもの、ということです。図1の右上にある炎症性サイトカインが、疲労研究のカギとなる存在です。炎症性サイトカインは、風邪などのウイルスが体内に侵入したときなどに、免疫細胞が出すことが知られている物質です。この炎症性サイトカインが脳に作用して「疲れた」と感じる、いわゆる「疲労感」を生み出します。風邪などの病気のときに疲れを感じるのはこのためです。一方で、健康な人も仕事や運動によって疲れを感じますが、この場合、免疫細胞は攻撃対象がいないはずですよね? では、なぜ疲れを感じるのでしょう?ここで、私の専門「ヘルペス」の登場です。ヘルペスウイルスは、感染しても多くの場合は症状が出ず、感染者はウイルスを潜ませたまま普通に生活しています(潜伏感染)。しかし、感染者が何らかの異常事態に見舞われると潜んでいたウイルスはそれを察知し、爆発的に数を増やして別の宿主に移ろうとします(再活性化)。私の専門のHHV-6やHHV-7は疲労を「異常事態」と見なして再活性化することを見いだしたのです。また、私たちは、HHV-6が危険を察知する信号となるのが「elF2α」という因子であることも発見しました。身体に疲労の負荷がかかると、このelF2αがリン酸と結合して「リン酸化elF2α」となり、その割合が一定を超えるとHHV-6がそれを察知して再活性化するのです。通常、elF2αはタンパク質を合成する役割があるのですが、リン酸化することでこの仕事ができなくなり、結果として臓器の働きが低下したり、機能障害が起きたりします。これが身体の疲労の原因です(図2)。画像を拡大する最初に出てきた疲労感の要因となる炎症性サイトカインも、このリン酸化elF2αの増加が引き金になって作られるので、疲労のカギとなる物質としてリン酸化elF2αのことを「疲労因子」と呼んでいます(図3)。画像を拡大する「エナジードリンク飲み過ぎ」が怖い理由近藤疲労感と身体の疲労が別物だと知っておくことの大切さは、身近なところにあります。多くの方は、疲労回復のために「エナジードリンク」を飲んだことがあるのではないでしょうか? 多くのエナジードリンクには「抗酸化作用」のある物質が入っています。私たちはこの抗酸化作用を持つ物質の代表格である「N-アセチルシステイン(NAC)」をマウスに注入し、疲労との関係を調べる研究を行いました。その結果、NACは肝臓における炎症性サイトカインの産生を低下させ、疲れを身体に伝えるアラームとなる疲労感を減少させることがわかりました。これが「疲れがとれた」と感じる理由です。しかし、ほかの臓器では疲労因子が増え続け、タンパク質合成が抑制されて臓器組織の機能低下が起こり続けることもわかりました。結果として、疲労感がないために無理をし続けて身体を壊す、ひどい場合は突然死につながる、などといったことが起こる可能性があるのです。近藤突然死とまでいかなくとも、「エナジードリンクを飲み続けて、いきなりやめたらぐったりした」という経験をされた方はいないでしょうか? これも「疲労感をまひさせる」抗酸化物質の影響です。まひする効果が切れたために、それまで蓄積していた疲労を一気に感じるのです。エナジードリンクは「緊急時に疲れをまひさせるもの」と認識し、摂り過ぎないようにすることが重要です。同様の働きをするものにカフェイン、抗酸化剤入りサプリ、ニンニクなどがあり、これらも摂り過ぎに注意が必要です。さらに、日本では薬機法に触れるために販売されていませんが、海外のエナジードリンクには大量の「タウリン」を含むものがあります。タウリンも抗酸化作用を持つ物質であり、上記のようなメカニズムで疲労感をまひさせてしまう可能性があります。実際、海外のエナジードリンクでは、過剰摂取した若者が死亡に至る事故も報告されています。一般に、このような事故は「カフェインの過剰摂取が原因」と解説されることが多いのですが、カフェインに加えて抗酸化物質が作用することで、疲労感がまひし、身体の異常に気付かず手遅れになった、という側面が大きいと考えています。後編へ書籍紹介『疲労ちゃんとストレスさん』にしかわたく(漫画・原作)・近藤一博(監修・原作)河出書房新社近藤氏の長年の研究成果と疲労に関する複雑な仕組みを、漫画家のにしかわ氏がストーリー&漫画化。疲労がどのように起きるのか、どのように回復するのか、擬人化されたキャラクターたちでわかりやすく解説した一冊。

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