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事例005 特定疾患療養管理料の査定【斬らレセプト シーズン2】

解説今回は、定期的にフォローしている患者の「特定疾患療養管理料」(以下「同管理料」)が査定された事例をお届けします。査定連絡票には、事由Dとして、「退院後1月以内は算定できません」とコメントがありました。点数表の同管理料の項を確認してみると、「初診の日又は当該保険医療機関から退院した日からそれぞれ起算して1ヵ月を経過した日以降に月2回算定できる」とあります。さらに調べてみると、患者は当院の他診療科に3月30日・31日と2日間だけ入院されていました。4月30日を除き、同管理料は算定できません。会計担当者はこのことを知っていましたが、処方(箋)料に特定疾患処方管理加算が算定されていることから、同管理料のもれを疑い外来カルテのみを参照、算定要件を満たしていると判断して修正入力したものでした。処方(箋)料の特定疾患処方管理加算は、同管理料の算定要件とは異なり、退院後1ヵ月以内でも算定できます。日常的に対として算定できる項目でも、算定要件の違いを理解して確認する必要があります。今回は、当該保険医療機関(自院)を退院した患者に対する事例であり、他院を退院した患者の場合は、退院日から1ヵ月以内でも算定できることを申し添えます。

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開発中の遅発型ポンペ病治療薬の有効性/サノフィ

 サノフィ株式会社は、6月16日、酵素補充療法剤として現在開発中のavalglucosidase alfa(以下「本剤」という)が、遅発型ポンペ病の患者の臨床症状(呼吸障害と運動性の低下)に対し臨床上意義ある改善をもたらしたと報告した。世界には推定5万人の患者がいるポンペ病 ポンペ病は、ライソゾーム酵素の1つである酸性α-グリコシダーゼ(GAA)の遺伝子欠損または活性低下が原因で生じる疾患。グリコーゲンが近位筋肉や横隔膜をはじめとする筋肉内に蓄積し、進行性の不可逆的な筋疾患が生じる。世界の患者数は約5万人と推定され、乳児期から成人後期のいずれの時期にも発症する可能性がある。 本症は、遅発型と乳児型に分類され、遅発型では1歳以降から成人後期までのいずれかの時期に発症する。遅発型の特徴的な症状は、呼吸機能の低下と筋力低下で、多くの場合、運動機能の低下に至る。患者は、歩行が困難となり、車椅子での生活を余儀なくされることが多く、呼吸困難が現れ人工呼吸器が必要となることもあり、主な死因は呼吸不全となっている。乳児型は生後1年以内に発症し、骨格筋の筋力低下に加え、心機能障害がみられる。 COMET試験の概要 今回報告されたCOMET試験は、無作為化二重盲検第III相試験で、20ヵ国56施設において治療経験のない遅発型ポンペ病の小児患者または成人患者100例が対象。患者を無作為化し、本剤群またはアルグルコシダーゼアルファ(標準治療薬)群に割り付け、いずれの群とも49週間にわたり1回20mg/kgの点滴静脈内投与を隔週で受ける。49週間後、非盲検の継続投与を行い、標準治療群については本剤20mg/kgによる治療に切り替える。 主要評価項目は、呼吸筋機能の変化で、立位での予測値に対する比率をパーセントで表した努力性肺活量(%FVC)に基づき評価した。本剤群の患者は、アルファグリコシダーゼの標準治療群の患者に比べ、%FVCが2.4ポイント改善し(95%信頼区間[CI]:-0.13/4.99)、試験計画で規定した非劣性の基準を上回る呼吸機能の改善を示した(p=0.0074)。ただ、主要評価項目の優越性については、本剤群は統計学的に有意な優越性を示すには至らなかった(p=0.0626)ため、試験計画で定めた解析の実施順序に従い、副次評価項目に関する正式な統計学的検討は行わなかった。主な副次評価項目は、6分間歩行試験による運動性の評価、呼吸筋力、運動機能と生活の質(QOL)を評価など。 本剤の安全性プロファイルは標準治療薬と同様で、49週間の二重盲検試験の期間中、本剤群44例、標準治療群45例に有害事象が現れた。重度の有害事象は、本剤群6例、標準治療群7例。重篤な有害事象が現れた患者数は、本剤群(8例、うち1例は投与との因果関係が否定できない重篤な有害事象)の方が標準治療群(12例、うち3例は投与との因果関係が否定できない重篤な有害事象)より少数だった。標準治療群では、4例が有害事象のため投与中止に至り、1例は急性心筋梗塞(投与との因果関係なし)のため死亡した。本剤群での投与中止や死亡はなかった。avalglucosidase alfaの概要 ポンペ病の酵素補充療法の目標は、筋細胞の中にあるライソゾームに酵素を送り届け、欠損しているか機能低下がみられる酸性α-グルコシダーゼに代わって筋肉内のグリコーゲン蓄積を防ぐことにある。本剤は、筋肉内、とくに骨格筋の細胞に酵素を送り届ける機能を高めるよう設計されていて、標準治療で用いられるアルグルコシダーゼアルファに比べ、-マンノース-6-リン酸の含量を約15倍に高めた物質で、酵素の細胞内への取り込みを向上させ、標的組織において高いグリコーゲン除去効果を得る目的で開発された。ただ、この差の臨床的意義は、まだ確認されていない。 同社では、「今回の試験結果により、avalglucosidase alfaをポンペ病の新たな標準治療薬として確立させるという目標に向けた歩みがまた一歩進んだ」と期待をにじませている。 また、今回のデータに基づき、2020年下半期に世界各国で承認申請を行う予定であり、米国食品医薬品局(FDA)は、ポンペ病と確定診断された患者に対する治療薬候補として画期的新薬として、ファストトラック審査の対象に指定している。

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NSCLC術後補助療法、ペメトレキセド+シスプラチンの有効性は?/JCO

 完全切除のStageII~IIIAの非小細胞肺がん(NSCLC)に対する術後補助療法としてのペメトレキセド+シスプラチンの有効性について、ビノレルビン+シスプラチンと比較した第III相無作為化非盲検試験の結果が示された。静岡がんセンター呼吸器内科の釼持 広知氏らによる報告で、ペメトレキセド+シスプラチンの優越性は示されなかったが、補助化学療法として忍容性は良好であることが示されたという。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2020年5月14日号の掲載報告。 試験は、日本国内7つの臨床試験グループに属する50施設で行われた。被験者は、病理学的に完全切除が確認されたStageII~IIIA(TNM 7th editionに基づく)の非扁平上皮NSCLC患者で、ペメトレキセド(500mg/m2、day1)+シスプラチン(75mg/m2、day1)またはビノレルビン(25mg/m2、day1およびday8)+シスプラチン(80mg/m2、day1)のいずれかを投与する群に無作為に割り付けた。年齢、性別、病理学的ステージ、EGFR変異、試験地で層別化も行った。 割付治療は、3週間ごと4サイクルで計画。主要評価項目は、修正intent-to-treat集団(非適格患者を除外)において評価した無再発生存(RFS)であった。 主な結果は以下のとおり。・2012年3月~2016年8月に、804例が登録された(ペメトレキセド+シスプラチン群402例、ビノレルビン+シスプラチン群402例)。・適格患者は784例で、410例(52%)がStageIIIAで、192例(24%)がEGFR変異陽性であった。・追跡期間中央値45.2ヵ月時点で、RFS期間中央値はビノレルビン+シスプラチン群37.3ヵ月に対し、ペメトレキセド+シスプラチン群38.9ヵ月であった(ハザード比:0.98、95%信頼区間[CI]:0.81~1.20、片側検定のp=0.474)。・ビノレルビン+シスプラチン群のほうがペメトレキセド+シスプラチン群よりも、Grade3/4毒性(11.6% vs.0.3%)、および貧血(9.3% vs.2.8%)について報告頻度が高かった。・治療に関連した死亡は、各群1例ずつ報告された。

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『コロナのせいにしてみよう。シャムズの話』~気鋭の医師が提唱する未病の新たな概念

 医学書の範疇に収まらないユニークな著書を数多く持つ國松 淳和氏(医療法人社団永生会南多摩病院 総合内科・膠原病内科)の最新作は『コロナのせいにしてみよう。シャムズの話』。6月下旬に行われた出版記念セミナーにおいて、國松氏がコロナ禍の中で本書の執筆に至った経緯や読者に伝えたいポイントについて語った。 本の主題となる「シャムズ(CIAMS: COVID-19/Coronavirus-induced altered mental status)」は國松氏の造語。新型コロナウイルス感染症の流行下にあって、コロナに感染していないのに、不安から実際に体調を崩したり、他者に攻撃的になったりといったマイナスの変化が生じている人が増えたことに気づいた氏が、そうした状況と人を総称するために名付けたという。「よく間違われるのですが、シャムズは医学用語でも病名でもなく、概念に近いもの。『あれ、この人いつもと何か違うな』と周囲の人が気づくものであり、病気ではないので医師が診る必要も医療機関に行く必要もない」と國松氏は解説する。 コロナにまつわる不安が精神的加重となり、心身に変化が起きている状態がシャムズであり、その対応法は「周囲の人が気づき、話しかけること」に集約される、という。普段通りの何気ない会話が不安を取り除き、本来のその人に戻る手助けとなる。「シャムズが疑われる人だけでなく、周囲の人に誰かれ構わず話しかけてみて欲しい。そもそも職場にも家庭にも雑談が足りなさ過ぎる」(國松氏)。さらに、自己のメンテナンスとしてテレビからの過剰な情報を遮断し、ラジオや音楽を聴くことを推奨する。「シャムズは病気ではないものの、放置しておくと精神疾患、とくに重いうつと自殺につながる可能性がある。多くの人にこの概念を知ってもらい、他者への目配りと自分のケアをはじめてもらえたら」と國松氏は語る。 本書は、一般向けに平易にまとめられているが、最前線で新型コロナの対応にあたる医療者も読者として想定されており、診療現場と自らのケアの両面で役立つ内容が含まれている。章末には「医療従事者のみなさんへ」として、シャムズについて医学的な理解を助けるための章も付加されている。『コロナのせいにしてみよう。シャムズの話』(國松 淳和、金原出版、2020年6月)セミナーのご案内 ケアネットでは、7月8日(水)に國松氏と札幌厚生病院病理診断科の市原 真氏の対談をライブストリーミング配信します。◆Dr.國松とDr.ヤンデルの『また来たくなる外来』トーク◆ 配信日:7月8日(水)20~21時 (事前申し込み不要・どなたでも視聴いただけます) ※7月9~15日までCareNeTVにて無料配信予定 詳細はこちら 過去の配信 Dr.國松とDr.ヤンデルの大真面目コロナトーク(会員登録不要・無料公開中)

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トラネキサム酸、消化管出血による死亡を抑制せず/Lancet

 急性期消化管出血の治療において、トラネキサム酸はプラセボに比べ死亡を抑制せず、静脈血栓塞栓症イベント(深部静脈血栓症または肺塞栓症)の発生率が有意に高いことが、英国・ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のIan Roberts氏らが実施した「HALT-IT試験」で示された。研究の詳細は、Lancet誌2020年6月20日号に掲載された。トラネキサム酸は、外科手術による出血を低減し、外傷患者の出血による死亡を抑制することが知られている。また、本試験開始前のCochraneの系統的レビューとメタ解析(7試験、1,654例)では、消化管出血による死亡を低下させる可能性が示唆されていた(統合リスク比[RR]:0.61、95%信頼区間[CI]:0.42~0.89、p=0.01)。一方、メタ解析に含まれた試験はいずれも小規模でバイアスのリスクがあるため、大規模臨床試験による確証が求められていた。トラネキサム酸の死亡抑制効果を15ヵ国164施設で評価 本研究は、消化管出血の治療におけるトラネキサム酸の死亡抑制効果を評価する国際的な無作為化プラセボ対照比較試験であり、15ヵ国164施設の参加の下、2013年7月~2019年6月の期間に患者登録が行われた(英国国立衛生研究所医療技術評価[NIHR HTA]プログラムの助成による)。 対象は、参加各国の成人の最小年齢(16歳または18歳)以上の上部または下部消化管出血で、臨床的に重篤な出血がみられる患者であった。重篤な出血は、死亡に至るリスクがある出血と定義され、低血圧、頻脈、ショック徴候のある患者、または輸血や緊急内視鏡検査、手術が必要となる可能性が高い患者が含まれた。 被験者は、トラネキサム酸またはプラセボを投与する群に無作為に割り付けられた。トラネキサム酸は、負荷投与量1gを10分間かけて緩徐に静脈内投与した後、維持用量3gを125mg/時で24時間かけて投与された。 主要アウトカムは、無作為割り付けから5日以内の出血による死亡とした。割り付けられた治療薬の投与を受けなかった患者、および死亡に関するアウトカムデータが得られなかった患者は、トラネキサム酸の死亡抑制効果の解析から除外された。トラネキサム酸群の静脈血栓塞栓症0.8% vs. プラセボ群0.4% 1万2,009例が登録され、トラネキサム酸群に5,994例(平均年齢58.1[SD 17.0]歳、女性36%)、プラセボ群には6,015例(58.1[SD 17.0]歳、35%)が割り付けられた。1万1,952例(99.5%)が、割り付けられた治療薬の1回以上のトラネキサム酸またはプラセボの投与を受けた。 試験期間中に1,112例が死亡し、無作為割り付けから死亡までの期間中央値は55時間(IQR:18.2~161.8)だった。 5日以内に出血によって死亡した患者は、トラネキサム酸群が5,956例中222例(3.7%)、プラセボ群は5,981例中226例(3.8%)であり(RR:0.99、95%CI:0.82~1.18)、両群間に有意な差は認められなかった。ベースラインの共変量を補正した場合(0.98、0.82~1.17)およびper-protocol解析(0.94、0.71~1.23)でも、結果はほぼ同様であった。 24時間以内の出血による死亡(トラネキサム酸群2.1% vs.プラセボ群2.0%、RR:1.04、95%CI:0.81~1.33)および28日以内の出血による死亡(4.2% vs.4.4%、0.97、0.82~1.15)にも、両群間に有意な差はみられなかった。 28日以内の全死因死亡率(9.5% vs.9.2%、RR:1.03、95%CI:0.92~1.16)に有意な差はなく、再出血率(24時間、5日、28日)も両群間でほぼ同等であった。また、手術、放射線治療、血液製剤の輸注を受けた患者の割合にも有意な差はなかった。 合併症については、動脈血栓塞栓イベント(心筋梗塞、脳卒中)の発生率は両群でほぼ同等であった(0.7% vs.0.8%、RR:0.92、95%CI:0.60~1.39)。一方、静脈血栓塞栓症イベントの発生率は、トラネキサム酸群で有意に高かった(0.8% vs.0.4%、1.85、1.15~2.98)。 著者は、「最新のCochraneレビュー(8試験、1,701例)では、トラネキサム酸の消化管出血による死亡の抑制効果が示されている(RR:0.60、95%CI:0.42~0.87)。今回の知見により、小規模試験のメタ解析は、信頼性が低いことが浮き彫りとなった」と指摘し、「静脈血栓塞栓症のリスク増大が明確となったことから、トラネキサム酸は無作為化試験以外では消化管出血の治療に使用すべきではない」としている。

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デキサメタゾンは小児心臓手術時の重度合併症を抑制せず/JAMA

 人工心肺装置(CPB)を使用する心臓手術を受けた生後12ヵ月以下の乳児において、術中のデキサメタゾン投与はプラセボと比較して、30日以内の重度合併症や死亡のリスクを低減しないことが、ロシア・E. N. Meshalkin国立医療研究センターのVladimir Lomivorotov氏らが実施した「DECISION試験」で示された。研究の詳細は、JAMA誌2020年6月23日号に掲載された。米国のデータでは、1998年以降、CPBを伴う心臓手術を受けた先天性心疾患小児の死亡率は約3%まで低下しているが、重度合併症の発生率は30~40%と、高率のままとされる。CPBによって引き起こされる全身性の炎症反応が臓器機能を低下させ、長期の集中治療室(ICU)入室や、入院の長期化をもたらすことが知られている。この全身性炎症反応や合併症の低減を目的に、コルチコステロイドが広く用いられているが、その臨床的有効性は確実ではないという。デキサメタゾンまたはプラセボに小児患者を1対1で割り付け 本研究は、小児の心臓手術における、術中デキサメタゾン投与による重度合併症や死亡の抑制効果を評価する医師主導の二重盲検無作為化試験であり、3ヵ国(中国、ブラジル、ロシア)の4施設の参加の下、2015年12月~2018年10月の期間に患者登録が行われた(各参加施設の研究助成のみで実施)。 対象は、生後12ヵ月以下で、CPBを伴う待機的心臓手術が予定されている患児であった。これらの患児は、麻酔導入後にデキサメタゾン(1mg/kg)またはプラセボ(0.9%塩化ナトリウム水溶液)の静脈内投与を受ける群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要エンドポイントは、術後30日以内の死亡、非致死的心筋梗塞、体外式膜型人工肺の必要性、心肺蘇生法の必要性、急性腎障害、長期の機械的換気、神経学的合併症の複合とした。副次エンドポイントは、主要エンドポイントの個々の構成要素のほか、機械的換気の期間、変力指標、ICU入室期間、ICU再入室、入院期間など17項目であった。デキサメタゾンとプラセボは副次エンドポイントのすべてで有意差なし 小児患者394例(月齢中央値6ヵ月、男児47.2%)が登録され、全例が試験を完遂した。デキサメタゾン群に194例、プラセボ群には200例が割り付けられた。CPB時間中央値は、デキサメタゾン群が50分、プラセボ群は46分だった。 主要複合エンドポイントの発生は、デキサメタゾン群が74例(38.1%)、プラセボ群は91例(45.5%)であり、両群間に有意な差は認められなかった(絶対リスク減少:7.4%、95%信頼区間[CI]:-0.8~15.3、ハザード比[HR]:0.82、95%CI:0.60~1.10、p=0.20)。事前に規定されたすべてのサブグループで、両群間に治療効果の差はみられなかった。 主要エンドポイントの個々の構成要素を含む副次エンドポイントのすべてで、両群間に有意差はなかった。デキサメタゾン群で2例(1.0%)、プラセボ群で4例(2.0%)の小児患者が死亡した。急性腎障害はそれぞれ10例(5.1%)および14例(7.0%)で発生し、長時間の換気(24時間以上)は70例(36.1%)および84例(42.0%)で認められ、神経学的イベントは6例(3.1%)および13例(6.5%)で発現した。 感染症は、デキサメタゾン群が4例(2.0%)、プラセボ群は3例(1.5%)で発生した。デキサメタゾン群の3例で肺炎、1例で縦隔炎がみられ、プラセボ群の2例で肺炎(1例は創感染を伴う)、1例で深部胸骨感染が発生した。敗血症は認めなかった。 著者は、「本試験は、治療効果を過大評価している可能性があり、主要エンドポイントの群間差の95%CIの範囲内に、臨床的に意義のある最小変化量(15%)が含まれていることから、検出力が十分でない可能性がある」としている。

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混合性の双極性うつ病の小児・青年に対するルラシドンの有用性

 混合性(亜症候性躁病)の双極性うつ病の小児および青年の治療に対するルラシドンの有効性と安全性について、米国・スタンフォード大学のManpreet K. Singh氏らが、事後分析により評価を行った。Journal of Child and Adolescent Psychopharmacology誌オンライン版2020年5月8日号の報告。 DSM-Vで双極I型うつ病と診断された10~17歳の患者を対象に、6週間のランダム化二重盲検試験を実施した。対象患者は、ルラシドン20~80mg(フレキシブルドーズ)またはプラセボを1日1回投与する群にランダムに割り付けられた。混合性(亜症候性躁病)は、ベースライン時のヤング躁病評価尺度(YMRS)5以上と定義した。評価項目は、ベースラインから6週目までのChildren's Depression Rating Scale-Revised(CDRS-R)スコア(主要評価項目)および臨床全般印象度-双極性障害 重症度(CGI-BP-S)スコアとし、反復測定分析による混合モデルを用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・ベースライン時に亜症候性躁病が認められた患者の割合は、54.2%であった。・ルラシドン治療は、亜症候性躁病の有無にかかわらず、6週間後のCDRS-Rスコアを有意に減少させた。 ●亜症候性躁病あり:ルラシドン(-21.5)vs.プラセボ(-15.9)、p<0.01、エフェクトサイズd=0.43 ●亜症候性躁病なし:ルラシドン(-20.5)vs.プラセボ(-14.9)、p<0.01、d=0.44・ルラシドン治療は、亜症候性躁病の有無にかかわらず、6週間後のCGI-BP-Sスコアを有意に減少させた。 ●亜症候性躁病あり:ルラシドン(-1.6)vs.プラセボ(-1.1)、p<0.001、d=0.51 ●亜症候性躁病なし:ルラシドン(-1.3)vs.プラセボ(-1.0)、p=0.05、d=0.31・治療中に認められた軽躁病および躁病の発生率は、ルラシドンとプラセボで同等であった。 ●亜症候性躁病あり:ルラシドン(8.2%)vs.プラセボ(9.0%) ●亜症候性躁病なし:ルラシドン(1.3%)vs.プラセボ(3.7%) 著者らは「ルラシドンは、混合性の双極性うつ病の小児・青年の治療に有効であり、治療に伴う躁病リスクを含む安全性プロファイルは、プラセボとの差が認められなかった」としている。

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COVID-19と熱中症予防の両立にむけて/厚生労働省

 厚生労働省は、「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイントをまとめ、ホームページで公開した。今回発表された熱中症予防行動のポイントでは、「マスクの着用・温度調節・暑さ対策・健康管理」の4つの点について詳しく言及し、新しい生活様式下の今夏の過ごし方を提言している。「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイント(以下抜粋)(1)マスクの着用について マスクは飛沫の拡散予防に有効で、基本的な感染対策として着用をお願いしている。しかし、高温や多湿といった環境下でのマスク着用は、熱中症のリスクが高くなるおそれがあるので、屋外で人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合には、マスクをはずすようにする。 マスクを着用する場合、強い負荷の作業や運動は避け、のどが渇いていなくても、こまめに水分補給を心がける。また、周囲の人との距離を十分にとれる場所で、マスクを一時的にはずして休憩することも必要。(2)エアコンの使用について 熱中症予防のためにはエアコンの活用が有効。ただし、新型コロナウイルス対策のためには、冷房時でも窓開放や換気扇によって換気を行う必要がある。換気により室内温度が高くなりがちなので、エアコンの温度設定を下げるなどの調整も必要。(3)涼しい場所への移動について 少しでも体調に異変を感じたら、速やかに涼しい場所に移動することが、熱中症予防に有効。一方で、人数制限などにより屋内店舗などにすぐに入ることができない場合、屋外でも日陰や風通しの良い場所に移動する。(4)日頃の健康管理について 毎朝定時の体温測定、健康チェックは、熱中症予防にも有効。平熱を知っておくことで、発熱に早く気付くことができる。日頃の健康管理の充実のほか、体調が悪いと感じたときは、無理せず自宅で静養する。

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メニューへのカロリー表示が健康や経済にメリット、AHAニュース

 飲食店のメニューにカロリー表示を求める現行の連邦法は、健康的な食事の選択を促し、心血管疾患や糖尿病の患者数の減少に寄与する可能性があるとする研究結果が報告された。このモデリング研究では、人々が飲食店の栄養表示を考慮して注文することによって、2018年から2023年までに心血管疾患を1万4,698件(このうち心血管疾患による死亡は1,575件)、2型糖尿病を2万1,522件回避できると推定された。結果の詳細は米国心臓協会(AHA)が発行する「Circulation: Cardiovascular Quality and Outcomes」6月4日オンライン版に発表された。 米食品医薬品局(FDA)は2018年5月、20店舗以上の飲食店チェーンを対象に、メニューやメニューボードへのカロリー表示を義務付けた。ただし、現在は、FDAは4月1日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による緊急事態が収束するまでの一時的な措置として、カロリー表示についての柔軟な対応を認めている。 論文の著者の一人で、米タフツ大学フリードマン栄養科学政策大学院のDariush Mozaffarian氏は「米国では、40年以上にわたり、国民の代謝系の健康問題が増大していたが、そこに感染症の問題も加わることになり、徐々に広がるパンデミックと急速に広がるパンデミックが重なった状況に直面している」と説明。その上で、「COVID-19によって、米国民が健康的な食品を確実に摂取できるようにすることの重要性が浮き彫りになった」と指摘している。 Mozaffarian氏によると、食事の影響を受けやすい糖尿病や高血圧、肥満などはCOVID-19の重症化リスクを高め、入院リスクも上昇させるとされている。 Mozaffarian氏らは今回、連邦政府が35~80歳の男女を対象に実施した健康と栄養に関する調査の食事摂取データを用いて、コンピューターの予測モデルに基づく研究を実施。その結果、メニューへのカロリー表示を受けて消費者が生涯にわたって低カロリーの食事を選ぶようになることで、肥満が減少し、医療費は104億ドル(約1兆1150億円)、また生産性の低下や家族による介護などのインフォーマルケアに伴う「社会的費用」も127億ドル(約1兆3600億円)削減されると推定された。さらに、生涯にわたって低カロリーの食事を選択する習慣が根付くことで、心血管疾患は13万5,781件(このうち死亡例は2万7,646件)、2型糖尿病は9万9,736件、回避できると推定された。 この研究論文の筆頭著者の一人である同大学のJunxiu Liu氏は、「飲食店が、低カロリー食を提供したり、一人前の量を減らすなどしてもっとメニューを刷新すれば、医療費や健康の面で得られる恩恵の大きさは、消費者の選択の変化だけに基づいた場合の2倍になり得る」と述べている。また、この法律は特に、ヒスパニック系や黒人、学歴が低い人や低所得者、肥満者といった特定の集団に大きな健康上の利益をもたらし、健康格差の縮小にも寄与する可能性があると指摘している。 今回の研究には関与していない米ノースウェスタン大学のNorrina Bai Allen氏は、現在カロリー表示を求める規制で一時的な緩和措置がとられていることに一定の理解を示しながらも、Mozaffarian氏らが報告した推計値を見ると、カロリー表示の義務化は有望であるとして、できるだけ早く、カロリー表示を再び義務付けるようにしてほしいと主張している。そして、「COVID-19を含めて理由が何であれ、対策が遅れれば心血管疾患による疾病負担は増大することになる。消費者が簡単に全てのカロリーに関する情報を得ることができ、それに基づいた意思決定を行える世界が理想だといえる」と話している。[2020年6月4日/American Heart Association] Copyright is owned or held by the American Heart Association, Inc., and all rights are reserved. If you have questions or comments about this story, please email editor@heart.org.

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ASCO2020レポート 乳がん

レポーター紹介2020年5月29日から6月2日まで5日間にわたり、ASCO2020が例年どおりシカゴマコーミックプレイスで開催される予定であった。しかしながら、COVID-19の流行により、今年は初のVirtual Annual Meetingが行われた。5月29日より一般演題やポスターはオンデマンドで視聴できるようになり、ハイライトセッションおよびプレナリーセッションは、ライブ配信+オンデマンドで視聴できた。2020年のテーマは“Unite & Conquer: Accelerating Progress Together”であった。プレナリーセッションを中心に、標準治療が変わる演題が多数報告された。乳がんにおいてもプレナリーセッション1題、口演17演題が発表され、標準治療を変えるもの、標準治療を変えないものの長年の臨床的疑問に一定の答えを出すものが発表された。乳がんの演題について、プレナリーセッションの1題、Local/Adjuvant口演から1演題、Metastaticから2演題を紹介する。初発IV期乳がんに対する原発巣切除の全生存期間に対する影響(E2108試験)日常臨床においては初発IV期乳がんに対して原発巣切除が行われている場合もある。後ろ向き研究では切除した場合に全生存期間が良好な傾向が示されているが、バイアスを含んでおり前向き試験が複数計画された。インドで行われた試験では、全身治療を行った後に手術群と非手術群にランダム化された。この試験では全生存期間(overall survival:OS)の差は認められなかった。さらに、トルコで行われた試験では全身治療前にランダム化され手術群で5年生存割合が良好な傾向を認めた。このように相反する結果であり、原発巣切除の意義については結論が出ていない状況であった。E2108試験は1次登録をした後に4〜8ヵ月の全身治療を行い、病勢進行が認められなかった症例を手術群と全身治療継続群に1対1にランダム化された。368例が登録され、258例がランダム化され、125例が手術群に、131例が全身治療継続群に割り付けられた。主要評価項目はOSで、53ヵ月の観察期間中央値で、生存期間中央値が54ヵ月、ハザード比1.09(90%CI:0.80~1.49、p=0.63)で両群間に有意差は認められなかった。副次評価項目の無増悪生存期間(progression-free survival:PFS)でも両群間の差は認められず、生存曲線もほぼ重なっている状態であった。サブタイプ別のサブグループ解析ではホルモン受容体陽性HER2陰性、HER2陽性では差を認めなかったが、トリプルネガティブ乳がん(triple negative breast cancer:TNBC)ではハザード比3.50(95%CI:1.16~10.57)で、手術群で有意に悪かった。これはおそらく進行の速いTNBCにおいては全身治療の継続が重要であるということを示唆しているのであろう。局所の病変進行については手術群で良好な傾向であった。QOLは両群で変化がなかった。今回の試験はネガティブであったが、この結果をもって初発IV期乳がんに対する原発巣切除に意義がないと判断することはできない。E2108は開始後に進捗が悪く、プロトコール改訂が行われサンプルサイズが減らされた。JCOG1017(研究事務局:岡山大学 枝園 忠彦氏)は同様の試験であるが、570例が1次登録され、全身治療で進行しなかった407例がランダム化されている。また、ランダム化までの期間が日常臨床で効果判定を行うことの多い3ヵ月に設定されている。JCOG1017の試験結果が得られた後に、あらためてこれまでの試験を総括し、原発巣切除の意義について議論する必要があるだろう。HER2陽性乳がんの術後化学療法におけるT-DM1+ペルツズマブとトラスツズマブ+ペルツズマブ+タキサンの比較第III相試験(KAITLIN試験)HER2陽性乳がんにおけるペルツズマブの術後化学療法における上乗せ効果はAPHINITY試験で示されており、リンパ節転移陽性であればペルツズマブを上乗せすることが現在の標準治療となっている。本試験は、トラスツズマブに微小管阻害薬であるエムタンシンを結合した抗体医薬複合体であるT-DM1の術後化学療法における有用性(トラスツズマブ+タキサンと置き換えることが可能であるか)を検証した第III相試験である。本試験ではHER2陽性でリンパ節転移陽性(N+)もしくはリンパ節転移陰性でホルモン受容体陰性かつT2以上の症例を対象として、1,846例が3~4サイクルのAC療法とトラスツズマブ+ペルツズマブ+タキサン(THP群)またはT-DM1+ペルツズマブ群(KP群)にランダム化された。主要評価項目はリンパ節転移陽性例およびITT集団における無浸潤疾患生存(invasive disease-free survival:IDFS)の2つとされた。918例がTHP群、928例がKP群に割り付けられた。約90%がN+であった。腫瘍経はT1が約30%、T2が約60%であった。ホルモン受容体は56%程度で陽性であった。1つ目の主要評価項目であるN+における3年IDFSはTHP群で94.1%、KP群で92.8%(HR:0.97、95%CI:0.71~1.32、p=0.8270)でありKP群の優越性は示せなかった。ITT集団でも同様の結果であった。PROではKP群で良好な傾向を認めたが、有害事象中止、グレード3/4の肝障害、神経障害はKP群で多かった。心毒性はTHP群で多かった。本試験は2014年の1月から2015年の6月まで登録されている。T-DM1とタキサン+トラスツズマブをHER2陽性転移乳がんの初回治療で検討したMARIANNE試験は2015年に最初の解析結果が発表されており、T-DM1のタキサン+トラスツズマブに対する優越性は示せていなかった。イベントの多く発生する転移乳がんにおいてネガティブであったことを考えると、よりハイリスクのN+が多く含まれるとはいえ、術後のセッティングで優越性を示すことは困難であったと予想される。また、APHINITY試験のときにも感じたことであるが、HER2陽性早期乳がんの予後はかなり良くなっているため、このセッティングにおける術後治療のエスカレーションは限界が来ていると考えても良いかも知れない。今後はKATHERINE試験やTNBCにおけるCREATE-X試験などのように、術前治療で治療感受性を判断し、治療効果が不十分な対象に対して別の治療アプローチを行うことがエスカレーションにおいては重要であろう。TNBC1次治療における化学療法へのペムブロリズマブの上乗せ(KEYNOTE-355試験)2018年の欧州臨床腫瘍学会でTNBC1次治療におけるアルブミン結合パクリタキセル(nab-PTX)に対する抗PD-L1抗体であるアテゾリズマブの上乗せを検討したIMpassion130試験の結果が発表され、ITT集団とPD-L1陽性群においてPFSの延長を示し、PD-L1陽性群におけるOS延長の期待が示された。これを受けて、わが国においてもPD-L1陽性TNBCに対しアテゾリズマブが承認された。他がん種ではすでに広く使われるようになっていた免疫チェックポイント阻害薬が、乳がんの日常臨床に登場した。ペムブロリズマブは抗PD-1抗体であり、TNBC初回化学療法へのペムブロリズマブの有効性を検証した試験がKEYNOTE-355試験である。847例がランダム化され、566例がペムブロリズマブ群に、281例がプラセボ群に2対1に割り付けられた。化学療法として、タキサン(nab-PTXまたはパクリタキセル)およびゲムシタビン+カルボプラチンが許容され、それぞれ約45%と55%であった。割り付け調整因子にPD-L1陽性細胞割合(CPS)1%以上または未満が含まれた。主要評価項目はPD-L1陽性集団(CPS≧1%および10%)とITT集団におけるPFS、ならびに同OSとされた。両群において、CPS≧1%は約75%、CPS≧10%は40%弱であった。CPS≧10%集団において、PFSは9.7ヵ月vs.5.6ヵ月(HR:0.65、95%CI:0.49~0.86、p=0.0012)と統計学的有意差をもってペムブロリズマブ群で良好であった。CPS≧1%集団においては7.6ヵ月vs.5.6ヵ月(HR:0.74、95%CI:0.61~0.90、p=0.0014※)と統計学的有意差は示せなかった。ITT集団においてもペムブロリズマブの上乗せを示すことはできなかった。有害事象のプロファイルは両群間で大きな差は認めなかったが、甲状腺機能障害や肺臓炎など、免疫関連有害事象と考えられるものについてはペムブロリズマブ群で多い傾向にあった。これは、これまでに他がん種でみられた、もしくはTNBCにおけるアテゾリズマブでみられたものと同様の傾向であった。本試験の結果を受けて、TNBC初回治療の際にはアテゾリズマブまたはペムブロリズマブを化学療法と併用することが選択肢として加わった。これら2剤はPD-L1の評価方法が異なっていることに注意が必要である。また、アテゾリズマブ、ペムブロリズマブいずれもTNBCに対する術前化学療法に併用することで病理学的完全奏効率を改善することが示されており、将来術前(および術後)に免疫チェックポイント阻害薬を使用した後に再発した場合、どのような治療戦略を取っていくかが今後の課題の一つとなる。※p<0.00111で有意ホルモン受容体陽性HER2陰性進行・再発乳がん1次治療におけるフルベストラント+パルボシクリブとレトロゾール+パルボシクリブを比較するランダム化第II相試験(PARSIFAL試験)ホルモン受容体陽性HER2陰性進行・再発乳がんの1次治療においては、アロマターゼ阻害薬(AI)とCDK4/6阻害薬(パルボシクリブ[Palbo]、アベマシクリブ、ribociclib)の併用がPFSを延長することが示されており、現在の標準治療となっている。また、内分泌療法で進行した場合、2次治療でフルベストラント(Ful)とCDK4/6阻害薬の併用が標準治療である。内分泌療法単剤では初発IV期乳がんを対象とした第III相試験であるFALCON試験においてFulとAI(アナストロゾール)が比較され、ITT集団でFulがAIと比較してPFSにおいて優っていることが示された。これらの試験結果から、1次治療においてCDK4/6阻害薬と併用すべきはAIか、それともFulであるか、という臨床疑問が生まれた。PARSIFAL試験はこの仮説の可能性を探ることを目的として計画されたランダム化第II相試験である。転移・再発乳がんに対する治療歴のない症例が対象となり、486例がFul+Palbo群243例とレトロゾール(LET)+Palbo群243例に1対1に割り付けられた。閉経前も登録可能で、卵巣機能抑制の併用が求められたが、割合としては7〜8%しか含まれなかった。PFSにおいてFul+Palbo群で9.3ヵ月の上乗せを仮定し、優越性を検証するデザインとされたが、優越性が検証できなかった場合には非劣性(非劣性マージン1.21)を検証するとされた。主要評価項目である研究者評価PFSにおいて、LET+Palbo群で32.8ヵ月、Ful+Palbo群で27.9ヵ月(HR:1.13、95%CI:0.89~1.45、p=0.321)であり、優越性はおろか、非劣性を示すこともできなかった(95%CIの上限が非劣性マージンである1.21を上回っている)。FALCON試験においてはサブグループ解析において臓器転移がある場合は有意差がなく、臓器転移がない場合に有意であったことから同様の解析が行われたが、いずれも差は認めず、臓器転移がある場合にはLET+Palboで良い傾向を認めた。再発と初発IV期のサブグループ解析でも両群間の差は認めなかった。副次評価項目である3年OSにおいて、LET+Palbo群で77.1%、Ful+Palbo群で79.4%(HR:1、95%CI:0.68~1.48、p=0.986)であり、こちらも両群間の差は認めなかった。有害事象も大きな差はみられなかった。Ful+CDK4/6阻害薬は初回治療として最強なのではないか、と期待して行われた第II相試験であるが、残念ながらその傾向を感じることすらできなかった。サブグループ解析では前治療(すなわち術後治療)としてAIが行われていた場合にFul+Palboが良い傾向を示したが(有意差なし)、これはAIに長期に曝露されることで約30%程度でESR1の変異を獲得するからと考えられる。AIによる治療歴がないとESR1の変異は数%でしか検出されない。エストロゲン受容体そのものの発現量を減らすというFulの作用機序は、ホルモン感受性が低下してから本領を発揮するのかもしれない。

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第13回 自由診療の抗体検査がもたらす市民の勘違い

本連載もようやく新型コロナウイルス感染症(COVID-19)から離れつつあったが、ちょっと再び戻らせてもらう。なぜかというと、最近、SNS上や報道で目にする抗体検査について不安を覚えるようになったからだ。自治体などが今後の対策のための疫学調査として抗体検査を行うことは何ら問題ないと考えている。しかし、企業が従業員に対して一斉実施したり、市中の医療機関が自由診療で抗体検査を行ったりすることに現時点では何ら意義を感じないからだ。そもそも抗体検査の結果が分かった時に人間はどんな反応を示すだろうか? まず、陰性だった場合は、「感染してなかった」と思いほっとする人、「まだ感染していないのか」とやや不安になる人の2つに分かれるだろう。だが、この陰性という結果が無駄な安心を与えてしまう事例も既に明らかになっている。6月10日に判明した名古屋市での女性の感染例だ。この女性は発熱の症状を訴え、COVID-19の抗体検査を受け陰性と判明した。その翌日は勤務先を休んだものの、解熱したとして翌々日から3日間勤務に復帰。その後、味覚・嗅覚の異常を訴え、最終的に抗体検査から1週間後にPCR検査で感染の事実が判明している。要は抗体検査で陰性の発熱だったのでCOVID-19ではないと勘違いしてしまった事例である。では陽性だったらどうだろう? そもそも市中の医療機関の自由診療でCOVID-19の抗体検査を受けに行く人の多くは、前述の名古屋の事例のような現在進行形の類似症状のあるケースよりも過去に類似の症状を経験したか、単に興味本位という人だろう。そうした人が陽性と分かったら、最初は驚き、思い当たる感染時期がないか振り返るに違いない。ただ、入院も必要もなく軽症あるいは無症状で済んだことに加え、抗体があるという事実から安心しきってしまう人がほとんどではないだろうか。ところがこの安心はかなり的外れである可能性が浮上している。新型コロナの抗体価は持続しにくい?先ごろ、nature medicineに発表された中国の重慶医科大学の研究グループによるCOVID-19感染者の血中抗体価を追跡した研究結果が明らかになった。それによると感染者の退院8週間後のCOVID-19特異的IgG抗体は、無症候者の93.3%、有症状者の96.8%で減少し、抗体減少率の中央値は無症候者で71.1%、有症状者で76.2%。また、中和抗体量は無症候者の81.1%、有症状者の62.2%で減少し、抗体減少率の中央値は無症候者で8.3%、有症状者で11.7%だった。この事実からすれば、抗体検査で陽性であっても長期的な「免疫パスポート」にはならない可能性が高いことになる。しかも、現時点では特異的な治療薬、ワクチンも存在しないという現実。つまるところ、抗体検査を受けた人は結果が陰性であれ、陽性であれ、今後注意すべきことは変わらないということである。にもかかわらず最近では大都市圏のクリニックを中心にこのCOVID-19の抗体検査を行う医療機関が増えている。少なくとも通常よりもややお金がかかる自由診療で検査を受けようとする人の心中は「何らかの安心を得たい」ことがほとんどだろう。しかし、医学的に見て何らかの安心が得られる状況ではないのは既に書いたとおりだ。逆にこうした医療機関には、自由診療で抗体検査を行うことで患者側にどんなメリットがあるのか、と問いたい。むしろ一時的かつ張りボテの安心感を与えることで、その後の感染リスクを高める害のほうが多いのではないかと考える。少なくとも私のオツムではどうしてもこの検査にメリットについて明快な答えを提示できないのである。

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日本の実臨床におけるアリピプラゾール長時間作用型注射剤による統合失調症治療

 統合失調症患者のマネジメントでは、抗精神病薬治療の継続が重要である。藤田医科大学の岩田 仲生氏らは、日本の実臨床においてアリピプラゾール長時間作用型注射剤(アリピプラゾール月1回製剤、AOM)がアリピプラゾール経口剤(OA)と比較し、より長期間の治療継続に寄与できるかを評価するため、JMDCのレセプトデータベースを用いて検討を行った。Advances in Therapy誌オンライン版2020年6月4日号の報告。 2015年5月~2017年11月にAOMまたはOAで治療を開始した統合失調症患者を対象に、データ分析を行った。年齢、性別、抗精神病薬のクロルプロマジン換算量、精神科への入院回数で調整した後、AOMとOAの治療中止のハザード比(HR)を推定するため、Cox比例ハザードモデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・分析対象患者数は、AOM群198例(平均年齢:38.4±11.9歳)、OA群1,240例(平均年齢:39.3±12.4歳)であった。・AOM群は、OA群と比較し、治療中止の可能性が有意に低かった(調整HR:0.54、95%CI:0.43~0.68)。・忍容性を有するOA群(983例)とすべてのAOM群を比較した場合、AOM群の治療中止の可能性は有意に低下した(調整HR:0.67、95%CI:0.53~0.86)。 著者らは「日本の実臨床における統合失調症患者へのAOMの使用は、より長期間の抗精神病薬による治療継続に寄与する可能性がある」としている。

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カプマチニブ、METエクソン14スキッピング陽性肺がんに国内承認/ノバルティス

 ノバルティス ファーマは、2020年 6月29日、MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん(NSCLC)治療薬として、カプマチニブ(商品名:タブレクタ)に対する製造販売承認を取得したと発表。 MET遺伝子エクソン14スキッピング(METex14)変異陽性の切除不能な進行・再発のNSCLCの予後は不良で、生命を脅かす重篤な疾患である一方、治療選択肢が非常に限られており、MET遺伝子を標的とした治療法の開発が望まれていた。MET遺伝子変異を有する患者はNSCLC患者数の約3~4%と報告されており、METex14変異陽性の切除不能な進行・再発のNSCLC患者数は日本国内では約3,000名程度と推定される。 なお、METex14変異の検出には、カプマチニブのコンパニオン診断薬として中外製薬株式会社の「FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル」が用いられる。 今回の承認は、MET遺伝子増幅又はMETex14変異を有する切除不能な進行・再発のNSCLC患者を対象に、カプマチニブ(400mgx2/日 連日投与)の単剤投与を検討する国際共同第II相試験(GEOETRY mono-1試験)の結果に基づいている。 カプマチニブは、米国では2019年9月に画期的治療薬指定、本年2月に優先審査品目指定、5月に承認を取得している。なお、本邦においてカプマチニブは2019年5月に「MET 遺伝子変異陽性のNSCLC」を予定される効能・効果として希少疾病用医薬品指定を受けている。

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緑茶・コーヒー・アルコールと乳がんリスク~日本人女性

 日本の全国多施設前向きコホート研究であるJapan Collaborative Cohort Study for Evaluation of Cancer Risk(JACC)Studyにおいて、緑茶・コーヒー・アルコールと乳がんリスクの関連を調べた結果、アルコール摂取と乳がんリスク増加との関連がみられた一方、乳がんリスクとの関連の結論が出ていない緑茶やコーヒーについては関連がみられなかった。Asian Pacific Journal of Cancer Prevention誌2020年6月1日号に掲載。 本研究の対象は、JACC Studyにおける国内24地域の40〜79歳の日本人女性3万3,396人。20年以上の追跡期間中に乳がんが255例に発症した。乳がんリスクと緑茶、コーヒー、アルコールの摂取の間の独立した関連性を評価するために、多変量ロジスティック回帰分析を行った。緑茶とコーヒーについては、毎日摂取しない人を基準として、毎日摂取する人のオッズ比(OR)を算出した。アルコール摂取については、摂取しない人を基準として、週当たりの摂取頻度(1回未満、1~2回、3~4回、毎日)およびアルコールの種類(日本酒、ビール、ワイン、ウイスキー)別のORを算出した。 主な結果は以下のとおり。・最も多く摂取されていたのは緑茶(参加者の81.6%)で、次いでコーヒー(34.7%)、アルコール(23.6%)であった。・緑茶(OR:1.15、95%信頼区間[CI]:0.82~1.60)およびコーヒー(OR:0.84、95%CI:0.64~1.10)の摂取量と乳がんリスクの間に有意な関連はみられなかった。・アルコール摂取は、乳がんリスクが有意に増加し(OR:1.46、95%CI:1.11~1.92)、週1回以下の飲酒でも乳がんリスクが増加した(OR:2.07、95%CI:1.39~3.09)。・アルコールの種類別では、日本酒とビールでは有意な増加はみられなかった。ワイン(OR:1.79、95%CI:0.99~3.23)とウイスキー(OR:1.68、95%CI:0.91~3.08)ではORが高かったが、統計学的に有意ではなかった。

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次亜塩素酸水は物品消毒に有効、空間噴霧は勧められない

 6月26日、独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)が実施した新型コロナウイルスに対する消毒方法の有効性評価を踏まえ、経済産業省、厚生労働省、消費者庁が合同で、消毒・除菌方法に関する情報を取りまとめた。次亜塩素酸水は、物品における新型コロナウイルスの消毒に対して、一定条件下での有効性を報告した一方、手指消毒や空間噴霧の有効性・安全性は評価されておらず、まわりに人がいる中での空間噴霧はお勧めできないと注意喚起している。有効塩素濃度35ppm以上の次亜塩素酸水が物品消毒に有効 新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、アルコール消毒液が手に入りにくい状況が続いたことを受け、家庭や職場でアルコール以外による物品の消毒の選択肢を増やすため、経済産業省の要請を受けたNITEが消毒方法の有効性評価を進めていた。 新型コロナウイルスに対する消毒方法として新しく有効と判断されたのは、界面活性剤の純石けん分(脂肪酸カリウム 0.24%以上/脂肪酸ナトリウム 0.22%以上)と、有効塩素濃度35ppm以上の次亜塩素酸水(電解型/非電解型)。ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを水に溶かす場合は、有効塩素濃度100ppm以上で有効とされる。 なお、検証結果を踏まえ、次亜塩素酸水の利用に当たっては(1)汚れ(手垢、油脂など)をあらかじめ除去すること、(2)対象物に対して十分な量を使用することなどの注意が必要だ。次亜塩素酸水の空間噴霧は勧められない 経済産業省の取りまとめサイトでは、新型コロナウイルスに有効な消毒・除菌方法についてまとめた以下のポスターが公開されている。・次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)など既存の消毒・除菌方法について・界面活性剤の使い方について・次亜塩素酸水の使い方について なお、次亜塩素酸水に関しては、製造・販売事業者向けにも、有効性・使い方・販売方法などについてのお知らせが出されている。これによると、次亜塩素酸水の手指などへの影響、空間噴霧の有効性・安全性は評価されておらず、利用する際の注意として「塩素に過敏な方は使用を控えるべきこと」、「飲み込んだり、吸い込んだりしないよう注意すること」、「次亜塩素酸水を、まわりに人がいる中で空間噴霧することはお勧めできないこと」が明記されている。 これ以外にも、次亜塩素酸ナトリウムとは異なることや、酸性の製品と混ぜると塩素ガスが発生して危険であることなど、適切な表示をするよう呼び掛けられている。国民一人ひとりが目的にあった製品を正しく選び、正しい方法で使用するために、情報の周知が重要だ。

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COPDへの3剤配合吸入薬、ICS半量でも有効/NEJM

 中等症~最重症の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者において、ブデソニド標準用量または半量によるブデソニド/グリコピロニウム/ホルモテロール3剤配合吸入薬(ブデソニド半量の3剤配合吸入薬は本邦未承認)はいずれも、グリコピロニウム/ホルモテロールまたはブデソニド/ホルモテロールの2剤配合吸入薬と比較し、中等度~重度のCOPD増悪頻度を抑制したことが示された。ドイツ・LungenClinic GrosshansdorfのKlaus F. Rabe氏らが、26ヵ国で実施した52週間の第III相無作為化二重盲検比較試験「Efficacy and Safety of Triple Therapy in Obstructive Lung Disease trial:ETHOS試験」の結果を報告した。COPDに対する固定用量の吸入ステロイド(ICS)+長時間作用型抗コリン薬(LAMA)+長時間作用型β2刺激薬(LABA)3剤併用療法は、これまで1つの用量のICSでのみ検討されており、低用量ICSでの検討が不足していた。NEJM誌オンライン版2020年6月24日号掲載の報告。ICS標準用量/半量による3剤配合の有効性を2剤配合と比較 研究グループは、過去1年間に1回以上の増悪を認めた中等症~最重症のCOPD患者8,588例を、ブデソニド320μg/日+グリコピロレート(グリコピロニウム臭化物として18μg/日、以下、グリコピロニウム)+ホルモテロール(ホルモテロールフマル酸塩水和物9.6μg/日)(ブデソニド標準用量3剤配合群)、ブデソニド160μg/日+グリコピロニウム+ホルモテロール(ブデソニド半量3剤配合群)、グリコピロニウム/ホルモテロール2剤配合群、またはブデソニド(320μg/日)/ホルモテロール2剤配合群に、1対1対1対1の割合で無作為に割り付け、1日2回52週間吸入投与した。 主要評価項目は、52週間における中等度~重度増悪(中等度増悪:3日以上の全身性ステロイドまたは抗生物質の投与、重度増悪:入院または死亡)の年率(推定平均回数/患者/年)であった。標準用量・半量とも3剤配合吸入薬は、2剤配合吸入薬に比べ増悪頻度を有意に改善 無作為割り付けから治験薬投与中止までの間にデータが得られた8,509例(修正intention-to-treat:mITT集団)を主要評価項目の解析対象集団とした。 中等度~重度の増悪頻度は、ブデソニド標準用量3剤配合群(2,137例)が1.08回/患者/年、ブデソニド半量3剤配合群(2,121例)が1.07回/患者/年、グリコピロニウム/ホルモテロール2剤配合群(2,120例)は1.42回/患者/年、ブデソニド/ホルモテロール2剤配合群(2,131例)は1.24回/患者/年であった。 ブデソニド標準用量3剤配合群は、グリコピロニウム/ホルモテロール2剤配合群(24%減少、率比:0.76、95%信頼区間[CI]:0.69~0.83、p<0.001)、およびブデソニド/ホルモテロール2剤配合群(13%減少、0.87、0.79~0.95、p=0.003)と比較して増悪頻度が有意に減少した。ブデソニド半量3剤配合群も同様に、グリコピロニウム/ホルモテロール2剤配合群(25%減少、0.75、0.69~0.83、p<0.001)、およびブデソニド/ホルモテロール2剤配合群(14%減少、0.86、0.79~0.95、p=0.002)と比較して、増悪頻度が有意に減少した。 有害事象の発現頻度は治療群間で類似していた(範囲:61.7~64.5%)。独立評価委員会で確定された肺炎の発現頻度は、ブデソニドを用いた治療群で3.5~4.5%、グリコピロニウム/ホルモテロール2剤配合群で2.3%であった。

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アロプリノールはCKDの進行を抑制するか?/NEJM

 進行リスクが高い慢性腎臓病(CKD)患者において、アロプリノールによる尿酸低下療法はプラセボと比較し、推定糸球体濾過量(eGFR)の低下を遅らせることはなかった。オーストラリア・St. George HospitalのSunil V. Badve氏らが、アロプリノールによる尿酸低下療法の有効性を検証した研究者主導の無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験「Controlled Trial of Slowing of Kidney Disease Progression from the Inhibition of Xanthine Oxidase:CKD-FIX」の結果を報告した。血清尿酸値の上昇はCKDの進行と関連している。しかし、アロプリノールを用いた尿酸低下療法が進行リスクの高いCKD患者のeGFR低下を抑制できるかどうかは不明であった。NEJM誌2020年6月25日号掲載の報告。2年間のeGFRの変化を、プラセボと比較し評価 研究グループは、2014年3月~2016年12月の期間に、オーストラリアおよびニュージーランドの31施設において、尿中アルブミン(mg)/クレアチニン(g)比が265以上または前年からのeGFR低下が3.0mL/分/1.73m2で、痛風の既往がない、ステージ3または4の成人CKD患者を、アロプリノール(100~300mg/日)群またはプラセボ群に、1対1の割合で無作為に割り付けた。 主要評価項目は、CKD-EPI(Chronic Kidney Disease Epidemiology Collaboration)式を用いて算出した、無作為化から104週(2年)までのeGFRの変化であった。eGFRの変化はプラセボと有意差なし 目標症例は620例であったが、登録の遅れのため369例(目標の60%)がアロプリノール群(185例)またはプラセボ群(184例)に割り付けられた時点で登録中止となった。無作為化直後に各群3例が同意を撤回し、363例が主要評価項目の解析対象となった。363例のベースラインにおけるeGFR平均値は31.7mL/分/1.73m2、尿中アルブミン/クレアチニン比の中央値は716.9、平均血清尿酸値は8.2mg/dLであった。 主要評価項目であるeGFR変化量は、アロプリノール群が-3.33mL/分/1.73m2/年(95%信頼区間[CI]:-4.11~-2.55)、プラセボ群が-3.23mL/分/1.73m2/年(95%CI:-3.98~-2.47)であり、両群に有意差は認められなかった(平均群間差:-0.10mL/分/1.73m2/年、95%CI:-1.18~0.97、p=0.85)。 重篤な有害事象は、アロプリノール群で182例中84例(46%)、プラセボ群で181例中79例(44%)に認められた。 なお、著者は、登録が完全ではなかったこと、治療を中断した患者の割合が高かったこと、代替エンドポイントを使用したことなどを研究の限界として挙げている。

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多発性骨髄腫、3剤併用療法の長期アウトカムは?/JCO

 多発性骨髄腫に対する3剤併用(レナリドミド+ボルテゾミブ+デキサメタゾン:RVD)療法の有効性について、最大規模のコホートで長期追跡したアウトカムの結果が報告された。米国・エモリー大学のNisha S. Joseph氏らによる検討で、移植後患者の奏効率は90%近くに上り、リスクに留意した維持療法により、先例のない長期アウトカムがもたらされる可能性があることが示されたという。RVD療法は、移植治療の適格・不適格を問わず、導入療法としての有効性は高く、重宝するレジメンであることが示されていた。Journal of Clinical Oncology誌2020年6月10日号掲載の報告。 研究グループは、2007年1月~2016年8月にRVD導入療法を受けた、新規に診断された多発性骨髄腫の連続患者1,000例について検討した。 施設内倫理委員会が承認した多発性骨髄腫のデータベースから、被験者の人口統計学的および臨床的特性とアウトカムデータを入手。International Myeloma Working Group Uniform Response Criteriaに準じて奏効率と病勢進行を評価した。 主な結果は以下のとおり。・全奏効率(ORR)は、導入療法後97.1%、移植後98.5%であった。・移植後患者において、追跡期間中央値67ヵ月時点で、最良部分奏効(VGPR)または良好(better)の達成割合は89.9%であり、厳格完全奏効(sCR)の達成割合は33.3%であった。・無増悪生存(PFS)期間の推定中央値は、全集団で65ヵ月(95%信頼区間[CI]:58.7~71.3)、高リスク集団で40.3ヵ月(同:33.5~47)、標準リスク集団で76.5ヵ月(同:66.9~86.2)であった。・全生存(OS)期間の推定中央値は、全集団で126.6ヵ月(95%CI:113.3~139.8)、高リスク集団で78.2ヵ月(同:62.2~94.2)、標準リスク集団では未達成であった。・5年OS率は、高リスク集団57%、標準リスク集団81%であり、10年OS率はそれぞれ29%、58%であった。

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進行性前立腺がんに対する経口レルゴリクスによるアンドロゲン除去療法(解説:宮嶋哲氏)-1250

 GnRHアゴニストの皮下注射薬リュープロリドは、視床下部-下垂体系に作用して男性ホルモンを去勢域まで低下させ、現在のところ前立腺がんに対するアンドロゲン除去療法(ADT)の標準治療薬である。GnRHアゴニストの作用機序は初期段階で男性ホルモンを上昇させ、そのネガティブフィードバックによって男性ホルモンを去勢域に低下させる。わが国における前立腺がん治療薬としては、皮下注射薬リュープロリドは1ヵ月から6ヵ月製剤まで普及している一方で、皮下注射薬GnRHアンタゴニストも普及しつつある。作用機序もシンプルでありGnRHアゴニストのような一過性の男性ホルモンの上昇はない。 本研究は、経口GnRHアンタゴニスト薬であるレルゴリクスの効果と安全性をGnRHアゴニストであるリュープロリドと比較検討した第III相試験である。レルゴリクスは622例に、リュープロリドは308例に投与され、48週通じてのテストステロンの去勢域の維持は、レルゴリクス群の96.7%に、リュープロリド群の88.8%に認め、レルゴリクス群のほうが有意に去勢域を維持しえた(p<0.001)。投与4日目でレルゴリクス群の56%で去勢域に達していたにもかかわらず、リュープロリド群は1例も去勢域に達していなかった。有害事象は、レルゴリクス群の2.9%に対し、リュープロリド群の6.2%で認められた。以上から、レルゴリクスのほうがより速やかなアンドロゲン除去を実現し、心血管系の有害事象が少ないことが示された。レルゴリクスの投与中止後、血清テストステロン濃度の回復は速やかであり、患者QOLを考慮しつつ間欠療法も可能であり利点が多い。 わが国では、レルゴリクスは子宮筋腫治療薬としての適応しか得られておらず、前立腺がんに対して使用しうるGnRHアンタゴニストは現在のところ注射剤のデガレリクスのみである。わが国における本剤の前立腺がんへの適応拡大が期待される。

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