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tucatinib追加、HER2+乳がん脳転移例でOS改善(HER2CLIMB)/ASCO2020

 脳転移を有する既治療のHER2陽性乳がん患者に対し、トラスツズマブ+カペシタビンへのtucatinib追加投与はプラセボの追加投与と比較して、頭蓋内奏効率(ORR-IC)が2倍となり、CNS無増悪生存(CNS-PFS)および全生存(OS)アウトカムが良好であったことが示された。米国・ダナファーバーがん研究所のNancy U. Lin氏が、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)で第II相HER2CLIMB試験の探索的解析結果を発表した。tucatinib群で全死亡リスクが42%減少・対象:18歳以上、ベースライン時に脳転移を有し、トラスツズマブ、ペルツズマブ、T-DM1による治療後に病勢進行が認められた、HER2陽性乳がん患者(ECOG PS 0/1) 291例・試験群:tucatinib(1日2回300mg、経口投与)+トラスツズマブ(21日ごとに6mg/kg[1サイクル目の1日目だけ8mg/kg])+カペシタビン(21日ごとに1日目から14日まで1日2回1,000mg/m2、経口投与) 191例・対照群:プラセボ+トラスツズマブ+カペシタビン 93例・評価項目:[脳転移を有する全患者]CNS-PFS、OS[測定可能な頭蓋内病変を有する患者]ORR-IC、頭蓋内奏効期間(DOR-IC)[CNSの局所治療を受け、孤立性CNS病変の進行後に本試験の治療を継続した患者] 無作為化から2回目の進行あるいは死亡までの期間、1回目の孤立性CNS病変の進行から2回目の進行あるいは死亡までの期間 tucatinib群と対照群を比較した主な結果は以下のとおり。・ベースライン特性は、平均年齢tucatinib群53歳 vs.プラセボ群52歳、ECOG PS 1が53.5% vs.59.1%、ホルモン(ERおよび/またはPR)陽性が54.0% vs.63.4%。・CNS進行あるいは死亡リスクは、tucatinib群で68%減少した(ハザード比[HR]:0.32、95%信頼区間[CI]:0.22~0.48、p<0.00001)。CNS-PFS中央値は、9.9ヵ月 vs. 4.2ヵ月。・全死亡リスクはtucatinib群で42%減少した(OS HR:0.58、95%CI:0.40~0.85、p = 0.005)。OS中央値は18.1ヵ月 vs.12.0ヵ月。・ORR-ICは47.3%(95%CI:33.7~61.2)vs.20.0%(95%CI:5.7~43.7)とtucatinib群で高かった。内訳は完全奏効(CR):3例(5.5%)vs.1例(5.0%)、部分奏効(PR):23例(41.8%)vs.3例(15.0%)。・DOR-IC中央値は6.8ヵ月(95%CI:5.5~16.4)vs.3.0ヵ月(95%CI:3.0~10.3)であった。・局所治療後も本試験の治療を継続した孤立性CNS病変を有する患者(30例)では、2回目の進行または死亡リスクがtucatinib群で67%減少し(HR:0.33、95%CI:0.13~0.85、p=0.02)、無作為化から2回目の進行または死亡までの期間中央値は 15.9ヵ月 vs.9.7ヵ月で、tucatinib群で優れていた。 ディスカッサントを務めたスペイン・Hospital Clinic de BarcelonaのAleix Prat氏は、「トラスツズマブ+カペシタビンへのtucatinib追加投与は、脳転移例を含む既治療のHER2陽性乳がん患者の新たな標準治療となるだろう」と話した。またtucatinibのCNS転移・進行の予防効果について評価されるべきとし、より早期の治療段階での投与の可能性についても言及した。

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COVID-19中等症、レムデシビル5日間投与で有意に改善/ギリアド

 ギリアド・サイエンシズ (本社:米国・カリフォルニア州)は、2020 年 6 月 1 日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の中等症入院患者を対象としたレムデシビル(商品名:ベクルリー)の第III相試験(SIMPLE試験)の主要結果を発表。レムデシビル5日間投与群の臨床症状は標準治療単独群より有意に改善し、入院患者に対するレムデシビルの有用性が示されたことを明らかにした。 本試験は、COVID-19の診断が確定し、肺炎がみられるものの酸素飽和度の低下を認めない患者を標準治療に加えレムデシビル5日間もしくは10日間投与する群、標準治療群に1:1:1で割り付けた無作為非盲検試験。主要評価項目は、投与から11日目の臨床状態とし、退院から酸素補給の程度の増加、人工呼吸器の使用、死亡までを指標とする7段階スケールにて評価した。副次評価項目として、レムデシビルの各投与群と標準治療群の有害事象発現率を比較した。 その結果、11日目に臨床状態の改善がみられた患者の割合は、レムデシビル 5日間投与群で標準治療群より65%高く(オッズ比[OR]:1.65、95%信頼区間[CI]: 1.09~2.48、 p=0.017)、7段階スケールで1段階以上の改善がみられた患者の割合に有意差が認められた(p=0.026)。一方、レムデシビル10日間投与群の標準治療群に対する臨床改善はORで肯定的な傾向がみられたものの、有意差はなかった(OR:1.31 、95%CI:0.88~1.95、p=0.18)。 また、臨床状態が悪化した患者と死亡例の各割合は、標準治療群のほうがレムデシビル 5日間投与群および 10日間投与群より高値だったが、有意差は認められなかった。レムデシビルの忍容性は5日間および10日間投与群ともおおむね良好だった。レムデシビル5日間及び10日間投与群で発現率が5%以上であった有害事象は、悪心(5日間投与群:10%、10日間投与群:9%、標準治療群:3%)、下痢(同:5%、5%、7%)と頭痛(同:5%、5%、3%)だった。SIMPLE試験とは SIMPLE試験はレムデシビルを検討する2件の無作為化非盲検多施設共同第III相試験。米国、中国、フランス、ドイツ、イタリア、日本をはじめ180ヵ国の医療機関で実施された。1件目の試験は、重度のCOVID-19症状を呈する入院患者を対象に、レムデシビル5日間投与と10日間投与の安全性および有効性を評価。2件目の試験では、COVID-19症状を呈する中等症の入院患者を対象に、標準治療に加えてレムデシビルを5日間または10日間投与する群の安全性および有効性について、標準治療単独群と比較して評価したものである。なお、拡大フェーズを設け、1件目の試験は人工呼吸器使用例を含む5,600名を追加登録、2件目の試験では中等症例を最大1,000名追加登録する予定。

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EGFR陽性肺がん1次治療のオシメルチニブ・ゲフィチニブ併用は有望な可能性/ASCO2020

 EGFR変異陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)に対するオシメルチニブとゲフィチニブの併用療法は忍容性があり、奏効率も高く1次治療として有望な可能性があるという報告が、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)で米国・Dana-Farber Cancer InstituteのJulia K. Rotow氏から発表された。本試験は、用量漸増相と拡大相からなる第I/II相試験である。・対象:未治療のEGFR変異(L858Rまたはdel19)を有するStage IVのNSCLC症例(T790M変異症例とコントロールのできない脳転移症例は不適格)・介入:用量漸増相では、オシメルチニブ40mgまたは80mg/日とゲフィチニブ250mg/日を連日投与。拡大相では、オシメルチニブ80mg/日とゲフィチニブ250mg/日を連日投与・評価項目:[主要評価項目]忍容性(28日間を1サイクルとして6サイクル以上実施できること)[副次的評価項目]Grade 3~5の治療関連有害事象、奏効率、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、血漿中EGFR変異(cfDNAによる)の消失、病勢進行時における遺伝子変異 主な結果は以下の通り。・2017年3月~2019年7月までに36例が登録され、27例が主要評価項目の解析対象となった。また、cfDNAの解析対象は26例であった。・27例の患者背景は、年齢中央値60歳、白色人種81%、アジア人種15%、脳転移あり59%であった。・主要評価項目である6サイクル以上の併用投与が実施できた症例は22例/81.5% (95%CI:63.3~91.8)であった。有害事象のため投与が中止された症例はゲフィチニブで8例/29.6%、オシメルチニブで1例/3.7%であった。・Grade 3以上の有害事象は、下痢11.1%、ALT上昇7.4%、皮疹3.7%、LVEF値低下3.7%などであった。Grade 4以上の有害事象報告はなかった。・奏効率は88.9%で、CR例はなかった。病勢安定(SD)11.1%を含む病勢コントロール率は100%であった。・血漿中(cfDNA)のEGFR変異の変化をデジタルPCRで解析したところ、ベースラインで65%のEGFR変異が検出されたが、治療開始2週間後時点では12%の検出と低下した。・観察期間中央値15.3ヵ月時点でのPFS中央値(十分な追跡ではない推定P値)は22.5ヵ月(95%CI:16.5~NE)であった。 演者は最後に「今後出てくるであろうPFSとOSのデータが、1次治療としてのEGFR-TKIの併用投与の意義を明らかにするだろう」と述べている。

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ARNI・β遮断薬・MRA・SGLT2阻害薬併用で、HFrEF患者の生存延長/Lancet

 左室駆出率が低下した心不全(HFrEF)患者において、疾患修飾薬による早期からの包括的な薬物療法で得られるであろう総合的な治療効果は非常に大きく、新たな標準治療として、アンジオテンシン受容体・ネプリライシン阻害薬(ARNI)、β遮断薬、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)および選択的ナトリウム・グルコース共役輸送体2(SGLT2)阻害薬の併用が支持されることが示された。米国・ハーバード大学のMuthiah Vaduganathan氏らが、慢性HFrEF患者を対象とした各クラスの薬剤の無作為化比較試験3件を比較した解析結果を報告した。3クラス(MRA、ARNI、SGLT2阻害薬)の薬剤は、ACE阻害薬またはARBとβ遮断薬を併用する従来療法よりも、HFrEF患者の死亡リスクを低下させることが知られている。これまでの研究では、それぞれのクラスは異なる基礎療法と併用して検証されており、組み合わせにより予測される治療効果は不明であった。Lancet誌オンライン版2020年5月21日号掲載の報告。MRA、ARNI、SGLT2阻害薬に関する3つの臨床試験をクロス解析 研究グループは、包括的疾患修飾薬物療法と従来療法の無イベント生存期間と全生存期間の増分を推定する目的で、従来療法へのMRA追加を検討したEMPHASIS-HF試験(2,737例)、ARNIと従来療法を比較したPARADIGM-HF試験(8,399例)および従来療法へのSGLT2阻害薬追加を検討したDAPA-HF試験(4,744例)の3つの臨床試験のクロス解析を行った。 慢性HFrEF患者における包括的疾患修飾薬物療法(ARNI、β遮断薬、MRA、SGLT2阻害薬)および従来療法(ACE阻害薬またはARB+β遮断薬)の有効性を推算し、間接的に比較した。 主要評価項目は、心血管死または心不全による初回入院の複合エンドポイントとし、それぞれのエンドポイントと全死因死亡率も同様に評価した。これらの相対的な治療の影響は長期にわたり一貫していると仮定し、EMPHASIS-HF試験の対照群(ACE阻害薬またはARB+β遮断薬)に対する、包括的疾患修飾薬物療法による無イベント生存期間および全生存期間の長期的な増分を推算した。ARNI、β遮断薬、MRA、SGLT2阻害薬の包括的疾患修飾薬物療法は全生存期間も延長 包括的疾患修飾薬物療法vs.従来療法の主要評価項目に関するハザード比(HR)は、0.38(95%信頼区間[CI]:0.30~0.47)であった。心血管死(HR:0.50、95%CI:0.37~0.67)、心不全による初回入院(0.32、0.24~0.43)および全死因死亡(0.53、0.40~0.70)も包括的疾患修飾薬物療法が好ましい結果であった。 ARNI、β遮断薬、MRA、SGLT2阻害薬の包括的疾患修飾薬物療法は従来療法と比較し、心血管死または心不全による初回入院までの無イベント期間を推定2.7年(80歳時)~8.3年(55歳時)延長し、全生存期間は推定1.4年(80歳時)~6.3年(55歳時)延長した。

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COVID-19重症患者、レムデシビル投与5日vs.10日/NEJM

 人工呼吸器を必要としていない新型コロナウイルス感染症(COVID-19)重症患者において、レムデシビル投与期間は5日間と10日間とで有意差は認められなかった。米国・ワシントン大学のJason D. Goldman氏らが、COVID-19重症患者を対象とした国際共同無作為化非盲検第III相臨床試験の結果を報告した。レムデシビルは、in vitroで強力な抗ウイルス活性を示し、COVID-19の動物モデルで有効性が示されたRNAポリメラーゼ阻害薬であるが、レムデシビルを用いた治療の効果のある最短投与期間を明らかにすることが、喫緊の医療ニーズであった。NEJM誌オンライン版2020年5月27日号掲載の報告。レムデシビルの投与期間5日と10日で有効性を比較 研究グループは、米国、イタリア、スペイン、ドイツ、香港、シンガポール、韓国および台湾の55施設にて本臨床試験を実施した。2020年3月6日~26日の期間に、PCR検査でSARS-CoV-2感染が確認され、酸素非投与/投与下で酸素飽和度94%以下、画像で肺炎所見を認めた入院患者を登録。レムデシビル5日間静脈内投与(5日)群または10日間静脈内投与(10日)群に1対1の割合で無作為に割り付け、1日目にレムデシビル200mg、その後は1日1回100mgを投与した。 主要評価項目は、投与開始14日時点における臨床状態(7段階評価 1:死亡、2:侵襲的機械換気またはECMO、3:非侵襲的機械換気または高流量酸素療法、4:低流量酸素療法、5:酸素投与は不要だが治療を継続、6:入院しているが酸素投与や治療は不要、7:退院)、副次評価項目は、レムデシビル最終投与後最長30日までの有害事象であった。レムデシビル投与期間の違いによる有効性に有意差なし 計402例が無作為化され、このうち397例でレムデシビル投与による治療が開始された(5日群200例、10日群197例)。治療期間中央値は、5日群が5日(四分位範囲:5~5)、10日群が9日(四分位範囲:5~10)であった。ベースラインの患者背景は、5日群に比べ10日群で段階評価が2(2% vs.5%)および3(24% vs.30%)の患者が多く、結果的に臨床状態が有意に悪かった(p=0.02)。 14日時点における臨床状態がベースラインから2段階以上改善していた患者の割合は、5日群64%、10日群54%であった。ベースラインの臨床状態を補正後、14日時点における各臨床状態の分布は5日群と10日群で類似していた(p=0.14、層別ウィルコクソン順位和検定)。 レムデシビル投与期間の違いによる有害事象の発現率は、全Gradeが5日群で70%(141/200例)、10日群で74%(145/197例)、Grade3以上がそれぞれ30%および43%で、重篤な有害事象はそれぞれ21%および35%、投与中止に至った有害事象は4%および10%に認められた。 主な有害事象は、悪心(10% vs.9%)、急性呼吸不全(6% vs.11%)、ALT増加(6% vs.8%)、便秘(6% vs.7%)などであった。

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「複合的減塩」のすすめ―まずは、カリウム代用塩の活用を!(解説:石上友章氏)-1237

 高血圧と食塩摂取との間には、緊密な関係が証明されており、高血圧の生活習慣指導の中心は「減塩」とされている。日本高血圧学会も、「減塩」に力を入れており、減塩サミット・適塩フォーラムといったイベントや、学会推奨の減塩食品の開発を行っている。したがって、公衆衛生的な取り組みが、高血圧ならびに、高血圧に起因する心血管病の制圧に有効とされている。英国では、国家的に食品(主にパン)中の食塩を減らすことで、血圧の低下、心血管イベントの抑制に成功している1)(CASH Project In UK、Consensus Action on Salt & Health:CASH)。中国では、パンに代わり、主要な食塩源が卓上塩であることから、卓上塩をカリウム代用塩に置き換えることで、同様の効果が期待できる。 オーストラリアのニューサウスウェールズ大学、Matti Marklund氏らは、卓上塩をカリウム代用塩(25~67%の塩化カリウム含有)に置き換えることで、血圧ならびに、各種アウトカム(益のアウトカムである心血管イベントだけでなく、害のアウトカムであるCKD患者の高カリウム血症)へ与える効果を比較検討した。「comparative risk assessment model」を採用し、中国の既存のランダム化比較試験、大規模レジストリ研究のデータから計算した2)。その結果、卓上塩をカリウム代用塩に切り替えることで、心血管疾患死の約9分の1を予防できることが判明した。これは、年間にすると約46万1,000例(95%不確定区間[UI]:19万6,339~70万4,438)の心血管疾患死を防ぐと推定された。中国における、年間心血管疾患死の11.0%(95%UI:4.7~16.8%)、年間非致死的心血管イベント74万3,000例(95%UI:30万5,803~127万3,098)、心血管疾患に関連する障害調整生命年790万(95%UI:330万~1,290万)に相当する。一方で、慢性腎臓病(CKD)患者では、高カリウム血症関連死が推定1万1,000例(95%UI:6,422~1万6,562)増加すると推定された。 しかし、減塩一辺倒がよいかというと、そうではない。腎臓に生理的な異常がなければ、理論的に食塩摂取量は、食塩排泄量と一致するはずで、血圧の上昇は必発ではない。食塩摂取による、血圧上昇には、「食塩感受性」という病態があり、その機序の解明も進んでいる3-5)。したがって、「食塩感受性」の有無にかかわらず、一律の減塩により、すべての国民にメリットがあると言い切ることはできない。減塩と心血管イベントとの間に、Jカーブ現象があるとする研究成果も認められる6-8)。心血管イベントの抑制には、DASH食に代表される、「複合的減塩」にも、より効果があるとされている9)。参考文献1)Huang, L, et al. BMJ. 2020;368:m315.2)Marklund M, et al. BMJ. 2020;369:m824.3)Minegishi S, et al. Sci Rep. 2016;6:27137.4)Minegishi S, et al. Int J Mol Sci. 2017;18:1268.5)Kino T, et al. Int J Mol Sci. 2017;18;1250.6)O'Donnell M, et al. BMJ. 2019;364:l772.7)Stolarz-Skrzypek K. et al. JAMA 2011;305:1777-1785.8)O'Donnell MJ, et al. JAMA. 2011;306:2229-2238.9)Vollmer WM, et al. Ann Intern Med. 2001;135:1019-1028.

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名言連発【Dr. 中島の 新・徒然草】(326)

三百二十六の段 名言連発中島「う~ん、これはカルテに書いておきましょう」患者「書きますか!」中島「そりゃあ書きますよ。名言連発、我ながら恐ろしいです」ことの経緯はこうです。会社での仕事がうまく行っていない青年。脳外科外来を受診したときに私に助言を求めてきました。中島「それは〇〇さん、いささか目標が高すぎるのじゃないですか」青年「でも、目標は高いほどいいのでは?」中島「いやいや。高い目標で挫折するより、自分に合った目標を設定すべきなんです」これは私のオリジナルではありません。さる高貴な家の体育家庭教師から聞いた話です。世の中には体育家庭教師なる職業があるんですね。その家では、子供たちにギブアップを許さないのだとか。なので10キロ走るつもりで完走するのはOK。でも、フルマラソンを走るつもりが20キロ地点で棄権するのはNG。必ずしも20キロ >10キロとはならないわけです。中島「小さな成功を積み重ねてこそ、大きなゴールを達成できるのです」青年「なるほど、そうかもしれませんね」青年はさらに続けます。青年「僕は意志が弱いので鍛えようと思って努力しています」中島「意志を鍛える? ダメだ、そりゃ」青年「何でダメなんですか?」中島「意志の強い人間になるのに何年かかるんですか」青年「……」中島「今すぐ取り掛かるべき仕事が待っているんでしょ?」青年「それはそうですけど」中島「大切なのは意志ではなくて、環境です」青年「環境?」中島「人間は環境に左右される生き物ですからね」青年「ええ」中島「仕事のしやすい環境づくりに、手間やお金を惜しんではいけません」青年「そうなんですか」なんとなく快適な机とか椅子とかありますよね。私なんかも、ピッタリ体に馴染む椅子に座ると何かと捗ります。会社の生産性も個人のヤル気より職場環境に負うところが大きいのでは?中島「あと、仕事するときにモチベーションに頼っちゃダメですよ」青年「えっ? モチベーションを上げて頑張るんじゃないんですか?」中島「ダメダメ、仕事なんか作業ですよ、作業」青年「作業…ですか」中島「いちいちモチベーションを上げたりせず、右から左にこなしていくわけです」青年「まずはモチベーション、と思っていました」中島「ナンパ師が女性に声を掛けるのとかね、あれなんか単なる作業ですよ」青年「そうなんですか!」自分の知らないことを断言してしまった。でも、妙にリアル。さらに青年は悩みます。青年「周りの連中が僕を見て、いつもさぼっているとか思っているみたいなんです」中島「周囲の目を気にしたら負けです」青年「そうでしょうか」中島「ナンパ師が周囲の目を気にしていると思いますか?」青年「おお、確かに!」おい中島! 知らない事を偉そうに講釈するな。でも説得力ありすぎ。中島「それと、あいつにだけは負けたくない、というのもやめたほうがいいですね」青年「負けたくないと思う人間がいるんですけど」中島「こっちがライバルと思っていても、相手は何とも思ってませんよ」青年「そうなんですか!」中島「学生時代、卓球部の私はテニス部を一方的にライバル視していました」青年「でもテニス部からは相手にされていなかったんですね、わかります!」「わかります」って言われると、卓球部としてはちょっと複雑です。中島「いいですか、自分が負けてならない相手はただ1人!」青年「ただ1人?」中島「過去の自分です」出た、思ってもいなかった名言!中島「昨日の自分、過去の自分、そいつらに負けないよう頑張りましょう」青年「は、はい」中島「日々新しい事に挑戦し、常に進歩し続ける。それしかありません」なんだか今日は調子がいい!何でこんなにポンポンと口から飛び出してくるのか?きっとみずからは実行するつもりのない気楽さからでしょう。言うだけなら誰でもできますからね。中島「何事も実行することが難しいのです」青年「はいっ」嗚呼、また新たな名言が出てしまった!誰か止めてくれ、この俺を。もうこの辺で1句ひねって強制終了しておきます。次々に 名言連発 終わりなし

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第9回 コロナ禍で一転?日医会長選“にわか禅譲劇”の舞台裏

6月27日に投開票される日本医師会(日医)の会長選挙は、いずれも現職で5選を目指す横倉 義武氏(75歳)と、副会長の中川 俊男氏(68歳)との事実上の一騎打ちとなりそうだ。横倉氏は中川氏に禅譲の意向を伝えていたが、公示日の6月1日、一転して出馬を表明。同日記者会見した中川氏は横倉氏から「君に任せる」と2度言われたと主張、「びっくりした」とも述べた。大阪府医師会の内部対立も絡み、副会長選も混迷しそうで、日医内部に禍根を残すかもしれない。横倉氏は福岡県医師会会長、日医副会長を経て、2012年から日医会長を務め、17~18年は世界医師会会長に就任。安倍 晋三首相、麻生 太郎副総理兼財務相ら政権中枢に太いパイプを持ち、診療報酬改定では本体部分のプラス改定を勝ち取ってきた。横倉氏は2018年の会長選で4選を果たしたものの、副会長選以下の選挙で波乱が起きたこともあり、世界医師会会長就任を花道に4期で勇退するとみられていた。しかし、日医が“ポスト横倉”で弱体化することを見越した財務省が、外来の受診時定額負担の導入などの医療費抑制策に切り込んできたことから、危機感を抱いた横倉氏は昨年8月、地元の九州医師会連合会の会合で事実上の5選目出馬を表明していた。しかし今年に入り、収束の見通しのつかない新型コロナウイルス感染対策への疲れや、会長選で東京都医師会に次ぐ大票田である大阪府医師会の内部対立を反映した横倉退陣論の発信などを背景に、一時勇退を決意した。横倉氏が中川氏に会長職の禅譲を打診したことが、5月26日、中川氏の出身母体で顧問を務める北海道医師会の常任理事会で明らかになり、公になった。横倉氏は5月末、大手紙の取材に対して「新型コロナウイルス感染症への第2波に備えるためにも選挙戦を避けたい」と述べていたが、6月1日の記者会見では「引退も考えたが、この状況での交代とは何事かとお叱りを受けた」と説明している。出身母体の福岡県医師会に自らの引退と中川氏への禅譲を伝えに行くとの話もあったことから、逆に説得され出馬に転じたようだ。自らの行動が意に反した選挙戦を招く結果となったのは皮肉なことである。一方の中川氏は、札幌医科大学医学部卒業。北海道医師会常任理事、日医常任理事を経て、2006年から2期4年に渡り日医の常任理事、2010年から現在まで4期10年に渡り副会長を務めている。中央社会保険医療協議会(中医協)や社会保障審議会(社保審)の委員を務めたほか、日医では医療政策・医療保険・地域医療などを担当し、51の会内委員会の中でもとりわけ重要な「社会保険診療報酬検討委員会」で主導的な役割を担ってきた。事情通は、「この会は主要な学会や病院団体のトップも加わったクローズドな会で、ここでの中川氏の努力は光っていた」と話す。中川氏は2018年の会長選に出馬を模索したが、横倉氏が世界医師会会長に就いていたこともあり、断念した。しかし、今回の出馬に向けた根回しは水面下で続けていたようで、北海道医師会役員は「北海道はもとより、東北、北陸、東京を含めた関東、近畿、中国、四国、九州の多くの医師会が中川氏支持を決めている」と説明する。ただ、横倉氏の出馬表明で態度が揺らいでいるように見える医師会もある。中川氏の6月1日の東京選対事務所開きに東京都医師会から出席したのは、会長ではなく副会長だった。横倉氏と中川氏の違いについて、前述の役員は「横倉氏は政治家とのパイプが売りだったが、中川氏は政治家をあまり信用していない。それに、安倍政権の支持率が落ちている中、政権中枢とのパイプはPR点にならない」と話す。また、霞が関に対するスタンスは「財務省は敵、厚労省は味方」とよく言っているという。問題は大阪だ。横倉氏は大阪府医師会(府医)出身の松原 謙二・日医副会長の手腕を疑問視し、2018年の役員選ではクビのすげ替えを図ったが失敗。茂松 茂人・府医会長の日医副会長抜擢を念頭に、今年1月、府医の賀詞交換会に出席したが、反茂松派が反発。横倉退陣論を発信するようになったという。反茂松派の中心人物と目される伯井 俊明・元府医会長は、日医で府医出身の植松 治雄会長時代に常任理事を務め、松原氏の後見人的存在でもある。松原氏は5月から、日医副会長選を念頭に置いたと思われる医療制度改革案を日医代議員・予備代議員に複数回郵送しており、「副会長選には、府医から松原氏と茂松会長派の2人が出馬する可能性がある」と前述の事情通は予測する。くしくも、植松氏が当選した2004年の日医会長選には、北海道医師会参与で日医副会長だった青柳 俊氏も出馬したが、東京・大阪連合の前で涙をのんだ。今回、北海道勢は雪辱を果たせるか。コロナ禍がまだまだ油断ならない中、各地で「密」な選挙対策が練られていることだろう。

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日本人アルコール依存症に対するナルメフェンの長期有用性

 久里浜医療センターの樋口 進氏らは、アルコール依存症におけるWHOの飲酒レベルリスクが高いまたは非常に高い日本人患者に対するナルメフェンの安全性および有効性を評価した多施設ランダム化二重盲検プラセボ対照第III相(導入)試験完了後の患者を対象に、ナルメフェンの非盲検延長試験を実施し、長期の安全性および有効性を検討した。Psychiatry and Clinical Neurosciences誌オンライン版2020年5月2日号の報告。 24週間の導入試験を完了した患者を対象に延長試験を実施した。必要に応じてナルメフェン20mg/日による24週間の治療を行った。合計48週間におけるナルメフェン20mg/日による治療の長期安全性および有効性を評価した。研究期間中に治療で発生した有害事象を記録し、多量飲酒した日数および総飲酒量のベースラインからの変化量を算出した。 主な結果は以下のとおり。・全体として、ナルメフェン20mg/日の長期忍容性は良好であった。・患者の5%以上で報告された治療で発生した主な有害事象は以下のとおりであった。 ●鼻咽頭炎(37.2%) ●悪心(36.5%) ●傾眠(21.2%) ●めまい(16.8%) ●倦怠感(14.6%) ●嘔吐(12.4%)・多量飲酒した日数(-15.09±0.77日/月)および総飲酒量(-53.20±2.29g/日)は、ベースラインから48週までに減少した(反復測定混合モデル、最小二乗平均±標準誤差)。 著者らは「飲酒リスクの高いまたは非常に高い日本人アルコール依存症患者におけるナルメフェン長期評価は、忍容性が高く、効果的であることが示唆された」としている。

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ALK陽性肺がん1次治療におけるアレクチニブの5年OS(ALEX)/ASCO2020

 未治療の進行ALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)におけるアレクチニブ(ALC)とクリゾチニブ(CRZ)の無作為化第III相ALEX研究から、5年間の全生存期間(OS)データが、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)で、Solange Peters氏より報告された。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中央値はALC群48.2ヵ月、CRZ群23.3ヵ月であった。 ・データカットオフ(2019年11月29日)時点で、ALC群のOS中央値は依然として未達、CRZ群では57.4ヵ月であった(HR:0.67、95%CI:0.46〜0.98、p=0.0376)。 ・5年生存率は、ALC群62.5%に対し、CRZ群では45.5%であった。・他のALK-TKIへの後治療は、ALC群では38.1%、CRZ群では53.5%で発生した。ALC群では、主にロルラチニブとクリゾチニブ、CRZ群では主にセリチニブ、アレクチニブであった。 ・更新データでも新たな安全性シグナルは観察されなかった。 発表者らは、第2世代ALK-TKIが、ALK陽性NSCLCの国際的研究で臨床的に意味のあるOSの改善を初めて示したが、OSデータは未達であり、より長い追跡が必要だと述べた。

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トラスツズマブ デルクステカン、HER2変異陽性肺がんに有望な結果示す(DESTINY-Lung01)/ASCO2020

 トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)は、抗HER2抗体およびトポイソメラーゼI阻害薬の抗体薬物複合体である。 DESTINY-Lung01(NCT03505710)は、HER2過剰発現またはHER2遺伝子変異陽性の非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)におけるT-DXdの多施設共同マルチコホートの第II相試験で現在進行中である。 米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)では、HER2変異患者に対する、追跡期間中央値8.0ヵ月の中間解析の結果が報告された。・対象:難治・再発で転移のある非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)。HER2発現またはHER2変異陽性で、pan-HER阻害薬を除くHER2標的療法未治療 42例(女性64.3%)[コホート1]HER2過剰発現患者[コホート2]HER2遺伝子変異陽性患者・介入:T-DXd 6.4mg/kg 3週間ごと投与・評価項目:[主要評価項目]独立中央委員会(ICR)評価による全奏効率(ORR) 主な結果は以下のとおり。・患者の年齢中央値は63.0歳。ECOG PSは0〜1。45.2%は中枢神経系転移があった。・HER2変異の90.5%はキナーゼドメインであった。・前治療ラインの中央値は2で、90.5%がプラチナベース化学療法を、54.8%がPD-(L)1阻害薬の治療を受けていた。・ ICR評価のORRは61.9%、疾患制御率は90.5%(CR:1例2.4%、PR:25例59.5%、SD:12例28.6%)であった。・追跡期間中央値8.0ヵ月の推定PFS中央値は14.0ヵ月、全生存期間(OS)は未到達であった。・治療関連有害事象(TEAE)の発現は100%(42例中42例)であったが、多くはGrade1/2であった。Grade3以上のTEAE発現は 64.3%(薬物関連は52.4%)で、頻度の高いものは好中球数減少、貧血などであった。間質性肺疾患(ILD)の発現は5例(11.9%)で、すべてGrade2であった。  この中間解析において、T-DXdは、重度の治療歴のあるHER2変異NSCLC患者に対して、高いORRと持続的効果を示す有望な臨床効果を示した。安全性プロファイルは、既報のものとおおむね一致していたが、発表者は、ILDについては重要なリスクであり、注意深い観察と管理が必要だとしている。

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TN乳がんへのカペシタビンの術後メトロノミック療法(SYSUCC-001)/ASCO2020

 手術や術前または術後の標準的な化学療法を受けたトリプルネガティブ乳がん(TNBC)に対する、カペシタビンのメンテナンス投与(メトロノミック療法)が、経過観察に比べ無病生存期間(DFS)を改善するという報告が、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)で、中国・Sun Yat-Sen University Cancer CenterのXi Wang氏より発表された。 本試験は、中国国内で実施された多施設共同第III相比較試験である。・対象:Stage Ib〜IIIcのTNBCで、標準的な周術期治療(手術、術前または術後の化学療法、放射線療法)を終了した症例。症例登録期間は、2010年4月から2016年12月。・試験群:カペシタビン650mg/m2×2/日を1年間投与(Cape群)・対照群:経過観察(観察群)・評価項目:[主要評価項目]DFS[副次評価項目]全生存期間(OS)、無遠隔転移生存期間(DDFS)、安全性 主な結果は以下のとおり。・Cape群222例、観察群221例の計443例が無作為化割り付けされ、Cape群221例、観察群213例が解析対象とされた。・各群の平均年齢はCape群45.8歳、観察群46.1歳で、閉経前はそれぞれ71.0%、62.4%であった。また腫瘍径2cm以下が35.8%と37.1%、2.1~5cmが55.2%と58.2%であり、リンパ節転移陰性は61.1%と62.4%であった。Ki-67値は、30%以上が80.1%と73.2%であった。・Cape群の91.4%(202例)が1年間のプロトコール治療を完遂し、その相対的治療強度(RDI)の中央値は84.7%であった。・観察期間中央値57ヵ月時点における、主要評価項目である5年DFS率はCape群83% vs.観察群73%で、そのハザード比(HR)は0.63(95%CI:0.42〜0.96)、p=0.027と統計学的な有意差が認められた。・5年DDFS率は、Cape群85% vs.観察群76%で、HR0.63(95%CI:0.37〜0.90)、p=0.016と、こちらも統計学的な有意差が認められた。・5年OS率は、Cape群86%、観察群81%で統計学的な有意差はなかった(HR0.74、95%CI:0.47〜1.18、p=0.203)。・Cape群の主な有害事象は、手足症候群が全Gradeで45.2%、Grade3以上で7.7%であった。その他の主な有害事象はGrade3以上の事象はなく、全Gradeで白血球減少が23.5%、高ビリルビン血症が12.7%、腹痛・下痢が6.8%、ALT/AST上昇が5.0%だった。 演者のWang氏は「この第III相試験の結果から、1年間のカペシタビンのメトロノミック療法は、忍容性も問題なく、TNBC患者の予後改善に有望である」と結んだ。

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COVID-19へのレムデシビル、国際共同治験の中間報告:国立国際医療研究センター

 国立国際医療研究センター(NCGM)は5月29日(金)、メディア勉強会を行い、これまでのCOVID-19に関する取り組みや現在行う治療、研究開発について発表した。このうち、NCGMセンター病院 国際感染症センター長の大曲 貴夫氏がレムデシビル(商品名:ベクルリー)のアダプティブCOVID-19治療治験(ACTT、国際多施設共同無作為化二重盲検比較試験)について中間解析結果を発表した。 対象患者の主な選択基準は以下のとおり。・PCRまたはその他の検査法でSARS-CoV-2 感染が確定された入院患者・成人男性または妊娠していない成人女性・以下のいずれかが認められる患者(胸部X線撮影/CTスキャンなどによるX線撮影浸潤/臨床評価(検査時のラ音・断続性ラ音の所見)および室内空気でSpO2が94%以下/酸素補給が必要/機械換気が必要) 1,063例が登録され、無作為化後のデータが入手可能な1,059例が解析対象となった。対象患者は、レムデシビル群(538例)とプラセボ群(521例)に無作為に割り付けられた。アジア人は12.6%(134例)と少なく、白人が53.2%(565例)と最多だった。主要評価項目は、「酸素補給・治療の継続とも不要」な状態以上に回復するまでの時間だった。 主な結果は以下のとおり。・回復時間中央値はレムデシビル群11日(95%信頼区間[CI]:9~12)、プラセボ群15日(95%CI:13~19)と有意な差が見られた。・一方で、14日までの死亡率はレムデシビル群7.1%、プラセボ群で11.9%と有意差は見られなかった(死亡のハザード比0.70、95%CI:0.47~1.04)。・有害事象の発現率は、レムデシビル群114例(21.1%)、プラセボ群141例(27.0%)であった。・Lancetに掲載された中国における試験結果1)と同様の傾向が認められた。 ACTTは、レムデシビルによる回復時間短縮が確認されたことから盲検化を早期解除した。現在、データのチェックを行っており、最終報告、論文化の目処は未定としている。 さらに、JAK1/JAK2阻害薬バリシチニブをレムデシビルに併用する効果を見るACTT-2(多施設共同無作為化二重盲検比較試験)の登録を開始したことを発表。これは抗ウイルス薬のCOVID-19治療効果の可能性を認めつつも依然死亡率が高いことを受け、サイトカインおよびケモカイン作用の炎症性免疫応答を標的としたバリシチニブの併用によって、抗ウイルス薬だけでは得られない相乗効果を期待したものだ。必要患者数は1,032例、現在国内では患者数が減少傾向にあることから、試験終了までにはある程度時間がかかる見込みだという。(ケアネット 杉崎 真名)※本文中に誤りがあったため、一部訂正いたしました(2020年6月4日11時)。

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COVID-19、レムデシビル投与で入院患者の回復期間短縮/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で入院し下気道感染が認められた患者の回復までの期間中央値について、プラセボ投与群15日に対してレムデシビル静脈内投与群は11日と、有意に短縮したことが速報として発表された。また、推定14日死亡率も、プラセボ群11.9%に対し、レムデシビル群7.1%だった。米国国立衛生研究所(NIH)のJohn H. Beigel氏らが、COVID-19で入院した1,000例超を対象に行った、プラセボ対照二重盲検無作為化比較試験の中間結果で、レムデシビルの有効性が示唆されたこの中間結果を受けて、同試験は早期に盲検が中止された。NEJM誌オンライン版2020年5月22日号掲載の報告。 レムデシビルを最長10日間投与 研究グループは、COVID-19で入院し下気道感染が認められた成人患者を対象に試験を行い、レムデシビル静脈内投与の有効性を検証した。 被験者を無作為に2群に分け、一方にはレムデシビル(1日目200mg、その後100mg/日を最長9日間)、もう一方にはプラセボを最長10日間投与した。 主要アウトカムは回復までの期間で、具体的には退院または感染予防目的のみによる入院継続までの期間とした。レムデシビルの回復に関する率比1.32 1,063例が無作為化を受けた。データ安全性モニタリング委員会は、回復までの期間がレムデシビル群で短縮したとする中間解析結果を受けて、早期の非盲検化を勧告した。 無作為化後にデータが得られた1,059例(レムデシビル群538例、プラセボ群521例)を対象にした中間解析の結果、回復までの期間中央値は、プラセボ群15日(95%信頼区間[CI]:13~19)に対し、レムデシビル群は11日(同:9~12)と有意に短かった(回復に関する率比:1.32、95%CI:1.12~1.55、p<0.001)。 Kaplan-Meier法で求めた推定14日死亡率は、プラセボ群11.9%に対し、レムデシビル群7.1%だった(死亡に関するハザード比:0.70、95%CI:0.47~1.04)。 重篤な有害事象の報告は、レムデシビル群114/541例(21.1%)、プラセボ群141/522例(27.0%)だった。

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80歳以上の高齢の高血圧患者、降圧薬を1剤減らしても非劣性/JAMA

 2種類以上の降圧薬を服用し、収縮期血圧値が150mmHg未満の80歳以上の高齢患者について、医師が判断のうえで降圧薬を1種類減らしても通常どおりの治療を続けた患者と比べて、12週後の血圧コントロールに関して非劣性であることが示された。英国・オックスフォード大学のJames P. Sheppard氏らが、英国69ヵ所のプライマリケア診療所を通じ、569例を対象に行った試験で明らかにした。多剤併用および複数疾患が並存する高齢者に対して、治療継続のベネフィットが有害性に勝らない場合は、降圧薬の処方を見直すことが推奨されている。著者は、「今回の結果は、高血圧の高齢者患者集団において、降圧薬の減薬が血圧コントロールに実質的な影響はもたらさないことを示すものであった。なおさらなる研究を行い、長期的な臨床アウトカムを明らかにする必要はある」とまとめている。JAMA誌2020年5月26日号掲載の報告。高齢患者の12週後の収縮期血圧値150mmHg未満の割合を比較 研究グループは、降圧薬の減薬が、収縮期血圧コントロールや有害イベント発生の有意な変化をもたらす可能性はあるのかないのかを明らかにするため、2017年4月~2018年9月にかけて、英国69ヵ所のプライマリケア診療所を通じ、569例の患者を対象に、無作為化非盲検・非劣性試験「OPTIMISE」(The Optimising Treatment for Mild Systolic Hypertension in the Elderly)を開始し、2019年1月まで追跡した。 被験者は、収縮期血圧値が150mmHg未満で、2種以上の降圧薬を服用しており、プライマリケア医が降圧薬の減薬について適切と判断した80歳以上の高血圧の高齢患者だった。 被験者を無作為に1対1の割合で2群に分け、一方の群については1種類の降圧薬服用を中止とした(減薬群282例)。もう一方の群では、降圧薬の減薬を義務付けずに通常のケアを行った(通常ケア群287例)。 主要アウトカムは、12週時点で収縮期血圧値が150mmHg未満の被験者の割合とした。事前に規定した非劣性マージンは、相対リスク(RR)が0.90。副次アウトカムは、減薬を維持した被験者の割合、血圧値や虚弱の程度、QOL、有害イベント、重篤有害イベントの差などだった。高血圧の高齢患者の減薬群86.4%は通常ケア群87.7%と同等 被験者である569例の高血圧の高齢患者の平均年齢は84.8歳、女性は48.5%(276例)で、ベースラインで処方されていた降圧薬数の中央値は2種だった。試験を完了したのは、534例(93.8%)だった(減薬群265例、通常ケア群269例)。 12週時点で収縮期血圧が150mmHg未満だった被験者の割合は、通常ケア群87.7%(236例)に対して、減薬群は86.4%(229例)だった。補正後RRは0.98(97.5%片側信頼区間[CI]:0.92~∞)で、減薬群の非劣性が確認された。また、副次アウトカムについて、7つのうち5つで有意差は示されなかった。 減薬群において、12週時点で降圧薬の減数が維持されていた被験者は、187例(66.3%)だった。ベースラインから12週までの収縮期血圧値の平均変化値は、減薬群が通常ケア群に比べ3.4mmHg(95%CI:1.1~5.8)上回っていた。 1件以上の重篤有害事象の発生は、減薬群12例(4.3%)、通常ケア群7例(2.4%)で認められた(補正後RR:1.72、95%CI:0.7~4.3)。

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転移性尿路上皮がんに対するアテゾリズマブの1次治療としての有効性:第III相多施設ランダム化比較試験(IMvigor130)(解説:宮嶋哲氏)-1235

 本邦において現在、転移性尿路上皮がんに対する1次治療はゲムシタビンとシスプラチン併用療法(GC療法)であるが、治療中に再発を来すことはまれではない。2次治療として免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitor:ICI)が期待されているが、本邦ではペンブロリズマブが唯一承認されている。アテゾリズマブは、転移性尿路上皮がんに対する2次治療としてICIの中で初めて有用性が示され、2018年にFDAに承認されたICIである。 本研究は、2016年からの2年間に転移性尿路上皮がんを対象に1次治療としてアテゾリズマブの有効性について検討を行った第III相国際多施設ランダム化比較試験(IMvigor130)である。1,213例を対象に、アテゾリズマブ+プラチナ製剤併用、アテゾリズマブ単剤、プラセボ+プラチナ製剤併用の3群にランダム化している。 ITT populationにおけるPFSの中央値は、アテゾリズマブ+プラチナ製剤併用8.2ヵ月、プラセボ+プラチナ製剤併用6.3ヵ月であった(HR:0.82)。OSの中央値は、アテゾリズマブ+プラチナ製剤併用16.0ヵ月、プラセボ+プラチナ製剤併用13.4ヵ月であったが(HR:0.83)、アテゾリズマブ単剤とプラセボ+プラチナ製剤併用の比較では15.7ヵ月vs.13.1ヵ月であった(HR:1.02)。投薬中止となる有害事象は、アテゾリズマブ+プラチナ製剤併用で34%、アテゾリズマブ単剤で6%、プラセボ+プラチナ製剤併用で34%の患者で認められた。転移性尿路上皮がん患者への1次治療で、プラチナ製剤にアテゾリズマブを併用することでPFSの延長が示され、新規治療オプションとしての可能性が示された。サブグループ解析では、がん組織におけるPD-L1の発現レベルによる各群の生存率への影響を検討しているが、PD-L1の発現レベルによってアテゾリズマブ単剤群の描く生存曲線が明らかに異なる点は大変興味深い。

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ISCHEMIA試験の解釈は難しい、試験への私見!(解説:中川義久氏)-1236

 ついに待ちに待った論文が発表された。それは、ISCHEMIA試験の結果を記載したもので、NEJM誌2020年3月30日オンライン版に掲載された。ISCHEMIA試験は、2019年AHAのLate-Breaking Clinical Trialで発表されたものの、論文化がなされていなかったのである。この試験は、安定虚血性心疾患に対する侵襲的な血行再建治療戦略(PCIまたはCABG)と至適薬物療法を優先する保存的戦略を比較したもので、侵襲的戦略は保存的戦略に比べ、虚血性冠動脈イベントや全死因死亡のリスクを抑制しないことを示した。 このISCHEMIA試験の結果については、さまざまな切り口から議論が行われているが、今回は血行再建の適応と、今後の循環器内科医の在り方、といった観点から私見を述べたい。 今後は、安定狭心症に対する冠血行再建法としてのPCIの適応はいっそうの厳格化が行われ、施行する場合には理由を明確に説明できることが必要となろう。患者の症状の改善という具体的な目標の達成のために、そのためだけにPCIをするというのは理解を得やすい説明であろう。一方で、ISCHEMIA試験の結果は、PCIやCABGはまったく役に立たないということを意味するものではない。さらに、血行再建群と保存的治療群の差異は非常に小さい(ない)ともいえ、その分だけ患者自身の考えを尊重する必要も高くなる。つまり、「シェアード・ディシジョン・メイキング(shared decision making)」の比重も増してくる。 生命予後改善効果が血行再建群で認められないことにも言及したい。冠血行再建で改善が見込まれる虚血という因子以外のファクター、つまり、年齢・血圧・糖代謝・脂質・腎機能・喫煙・心不全などの要因、さらには結果としての動脈硬化の進行のスピードのほうが生命予後においてはより重要な規定因子なのである。冠動脈という全身からみれば一部の血流を治すくらいで、人は長生きするようにはならないのであろう。心臓という臓器に介入したのだから生命予後が改善するはずだ、というのは医療サイドの思い込みなのかもしれない。 循環器内科医だけでなく医師として、ISCHEMIA試験の登録基準に該当する患者が目の前にいた場合に何をどうすれば良いのか? まず何よりも生活習慣の修正を含めた至適薬物療法をすぐに開始することである。循環器内科医として患者に関与するうえで、「PCIのことしか知りません」は容認されない。心不全、不整脈、糖尿病、高血圧、慢性腎臓病、脂質低下療法、抗血栓療法などについての知識を習得し活用できることは、これまで以上に必須となる。 それにしても、ISCHEMIA試験の解釈は難しい。

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