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「新・徒然草」が脳外科学会にデビュー!【Dr. 中島の 新・徒然草】(346)

三百四十六の段 「新・徒然草」が脳外科学会にデビュー!金木犀の香る日本晴れかと思えば、また冷たい雨に戻ったり。まことに目まぐるしく変わる秋の空であります。さて、先日は日本脳神経外科学会第79回学術総会で「二刀流」について発表してきました。ケアネットの連載がアピールしたのか、「二刀流の時代を生きる」という特別企画の演者に指定いただいたからです。名誉なことではありますが、私にとっては青天の霹靂!人生なにがあるやらわかりません。ということで、「脳外科医として、モノ書きとして」という演題で準備しました。おそらくは「モノ書きとして」という部分が学会出席者の聴きたいところだと思います。そこで、自らのレジデントノート(羊土社)やケアネットの連載、紙出版、電子出版について、その経験を余すところなく述べました。モノ書きとしての収入も含めて、です。一応、バックアップとしてあらかじめ音声を吹き込んだスライドを学会に送っていました。でも、現地で出席者の反応を見ながらしゃべるほうが、やはり調子がでます。「こんな事まで言っていいのかな?」と思いつつ、つい笑いをとりにいくのが大阪人の性。しゃべりにしゃべった17分間の後、なんと会長先生から思わぬ質問が。「中島先生はいつも最後に川柳を入れておられますが、それはいつ頃からでしょうか。また、何処かで習ったのでしょうか?」そっちですか!「いやあ、結構、最初のほうから『最後に1句』とやっていたような」「とくに習ったというわけでもなく、まあ適当ですね」「あの源氏物語もですね、中の和歌はありきたりというか何というか」と、わけのわからない回答になってしまいました。ということで、振り返ってみました。川柳と私の関係について、です。1990年代前半、アメリカ留学中だった私は日本に飢えていました。週1回だけ放送されていた日本語の連続ドラマを夢中で観ていたものです。その名も「課長サンの厄年」。萩原健一演ずる課長さんをめぐるドタバタ劇です。そして、毎回、最後にサラリーマン川柳が引用されていました。その週のドラマをきれいな五七五で締めくくっていたのです。「うまいやり方だなあ」と感心した覚えがあります。時は過ぎ、縁あって2001年から研修医向けの月刊誌「レジデントノート」に連載を始めました。これは原稿用紙7枚ほどのエッセイで、「寝転んで読めて1つ賢くなる」というのが売りです。調べてみると、今に至る230回の連載のうちの第20回目(2003年)に最初の川柳をいれていました。クロージングステートメントの代わりに川柳を置くとおさまりが良かったのです。最初は不定期でしたが、第24回目からは毎回、三十一文字の川柳をひねるようになりました。続いてケアネットのほうでは2005年から医師向けブログを開始しました。途中の中断を挟んで500回以上になります。こちらは2015年1月15日から川柳を入れ始めました。レジデントノートが三十一文字であるのに対し、ケアネットは五七五の十七文字です。短くなった分、制約がきつくなったわけですが、これはこれで面白いものでした。で、レジデントノートにしてもケアネットにしても、本文を書いた時点で疲労困憊。さらに川柳を考えるとなると大変です。ところがここに関係してくるのが源氏物語。遠い昔、私が高校生だった時のことです。古文の授業をしていた国語教師が心底困った表情で、「いやあ、源氏物語は素晴らしい文学作品なのですが、挿入されている和歌がなんとも凡庸なんですよね」と嘆いておられました。実際に、源氏物語の挿入句が凡庸なのかは、私ごときが語れるはずもありません。しか~し、「あの紫式部ですら、和歌のほうは大したことなかったんだ!」というメッセージがしっかり私の頭の中に残ってしまいました。なので、私のつくる最後の1句は力を入れているとは言い難いものです。どうもすみません。最近、ケアネットのほうでは川柳ではなく俳句を意識するようになりました。わずか十七文字に季語をねじ込む努力をしているわけです。これはさすがにきつい。でも、季語を入れるとなんだか全体が引き立つ気がする!まるで言葉を使った記念撮影みたいです。こういうのもいいですね。というわけで、ついに「新・徒然草」が脳外科学会にデビューした、というお話でした。最後に1句秋雨の 備前で語る 二刀流

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第29回 看護師・薬剤師の視点から考える「医師のタスクシフティング」

看護師や薬剤師の視点から、医師業務のタスクシフティング(業務移管)についての意見を聞いた。医療法務研究協会が10月3日に「医師の働き方―タスクシフティングの在り方」をテーマに都内で開いたセミナーで、診療看護師(NP)資格の法制化や薬剤師の業務領域の拡大などが提言された。一方、弁護士からは、改革をしようとすると軋轢も起きるとの指摘もあった。最初に、日本NP教育大学院協議会の草間 朋子会長が「診療看護師(NP)に対する理解と認知を」をテーマに登壇。草間氏はNPについて「プライマリケア(初期医療)を自律的(自らの判断と責任で)に実践できる看護職」と定義し、医師の指示を受けて「診療の補助」行為を行う特定看護師とは違う点を説明した。その上で、医師は患者の疾病をコントロールするのに対し、NPは患者の症状をコントロールするという役割の違いに言及した。また草間氏は、NPを採用している医療機関がNPを評価している点として、▽医師が手術などにより不在の場合、診療を滞りなく進めることができ、医師の時間外労働が短縮した ▽NPが代行入力や文書作成などを行うことで、医師が医師でなければできない業務に専念することが可能になった ▽救命救急センターではNPが2次救急に対応することにより、医師は3次救急に専念できるようになった―などの声を紹介した。最後に草間氏は、NPの身分や業務を明確化するため、保健師助産師看護師法(保助看法)の改正などによるNP資格の法制化を訴えた。次に登壇した日本薬剤師会理事で丸昌薬局薬剤師の堀越 博一氏は「医薬品医療機器等法改正とこれからの薬局薬剤師業務」をテーマに話した。2019年の薬機法改正により継続的な服薬指導が必要になるなど、薬剤師の業務が「対物」から「対人」に移行している状況などを紹介した。その後開かれたシンポジウムで堀越氏は、医療機関で薬剤師外来が増えてきており、医薬品の投与量や代替医薬品の選択・提案、副作用のモニタリングなど、薬が関係するところに薬剤師が関わっていくことで、医師の診療業務量を軽減できるとの考えを示した。また、新型コロナウイルスの感染防止に関連して、ワクチン開発に対しても創薬時から薬剤師が関与したり、アメリカのように薬局でPCR検査を実施できるようになったりすれば、医師の業務軽減に貢献できる裾野が広がるのではと述べた。会場の参加者からは「薬剤師には処方箋情報しかない。診療情報も共有できなければ、チーム医療の一員として対応できないのでは」との指摘があった。これに対して堀越氏は、メーカーごとにフォーマットが異なる電子カルテの標準化や、マイナポータルなどにより患者が自らの病気に関する情報を持つことにより、医療従事者間での患者情報の共有は可能との考えを示した。最後に司会を務めた井上 清成弁護士が「医師の働き方改革は徐々に進んでいる。ただ、改革しようとすると、必ず軋轢が起きる。実際、裁判沙汰になったり、深刻なトラブルになったりしている」と指摘。具体的には、働き方改革による時間外労働時間の減少で給与がダウンし、労使間でトラブルになったり、中堅以上の医師の中にはチーム医療に難色を示したりする人もいるという。はからずも今年、世界規模で新型コロナウイルスが蔓延し、医療現場をひっ迫させる事態に直面した。長年にわたり、議論の機運が高まっては尻すぼみを繰り返してきたNPの本格導入だが、この機会にこそ、改めてタスクシフティングおよび持続可能な医療体制の在り方を検討する一環として考えてみてもいいのかもしれない。

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統合失調症と気分障害の入院患者における代謝障害の相違点

 生活習慣病と密接に関連している心血管疾患は、精神疾患患者の主な死因の1つである。統合失調症と気分障害では、症状や治療薬が異なり、代謝障害にも違いがあると考えられる。国立国際医療研究センター 国府台病院の鵜重 順康氏らは、日本における統合失調症患者と気分障害患者の生活習慣病の違いについて調査を行った。Annals of General Psychiatry誌2020年9月22日号の報告。統合失調症と気分障害の入院患者は症候性脳梗塞や脳梗塞の割合が増加 本研究は、2015~17年に実施した横断的研究である。対象は、国立国際医療研究センター 国府台病院 精神科の日本人入院患者189例(統合失調症群:144例、気分障害群:45例)。対象患者の身体疾患、グルコースと脂質の代謝状態、推算糸球体濾過量(eGFR)、脳MRIを調査した。統合失調症群と気分障害群のデータを比較するため、共分散分析またはロジスティック回帰分析を用いた。対象患者と標準対照者の数値を比較するため、厚生労働省「国民健康・栄養調査報告2015」のデータを基準値として使用した。 統合失調症と気分障害の入院患者の身体疾患などを調査した主な結果は以下のとおり。・年齢で調整した後、気分障害群のeGFRと喫煙率は、統合失調症群よりも有意に低かった。・統合失調症群と気分障害群は、標準対照者と比較し、無症候性脳梗塞と脳梗塞の割合が有意に高かった。・統合失調症の入院患者は、標準対照者の基準値と比較し、糖尿病、低HDLコレステロール血症、メタボリックシンドロームの有病率および喫煙率が有意に高かった。・気分障害群は、標準対照者と比較し、低HDLコレステロール血症の有病率が有意に高かった。・統合失調症群と女性の気分障害群は、標準対照者と比較し、空腹時血糖とHbA1cが有意に高かった。・女性の気分障害群は、標準対照者と比較し、eGFR(60mL/分未満)の有意な低下が認められた。 著者らは「統合失調症患者および気分障害患者では、グルコースや脂質の異常を伴い、無症候性脳梗塞や脳梗塞の割合が増加していた。気分障害患者では、統合失調症患者よりも、eGFRと喫煙率が有意に低かった」としている。

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新型コロナ流行時に喘息入院が減少、生活様式の変化が奏功か

 COVID-19を巡っては、呼吸器系疾患を有する人で重症化しやすいことがこれまでの研究で明らかになっており、COVID-19流行当初、喘息の入院患者数が増加する可能性が危惧されていた。ところが実際は、国内におけるCOVID-19流行期間の喘息入院患者数が例年よりも大きく減少していたことがわかった。東京大学の宮脇 敦士氏らの研究チームが、メディカル・データ・ビジョンの保有する大規模診療データベースを用い、同社の中村 正樹氏、慶應義塾大学のニ宮 英樹氏との共同研究から明らかにした。研究をまとめた論文は、2020年10月13日付(日本時間)でThe Journal of Allergy and Clinical Immunology:In Practice誌オンライン版に掲載された。 本研究では、2017年1月〜2020年5月、喘息による入院患者数の週ごとの推移が継続的に観察できた全国272のDPC病院を対象に調査を実施した。その結果、例年春先(第9週=3月上旬以降)から初夏にかけて、喘息の入院患者数は増加する傾向にあるにもかかわらず、今年は逆に減少する傾向だったことが認められた。年および週によるトレンドを統計学的に調整した分析では、2020年第9週以降の喘息による平均入院患者数は、2017年から2019年の同時期と比べ0.45倍(95%信頼区間:0.37~0.55、p<0.001)だった。この傾向は18歳未満の子ども、成人共に認められた。 本結果の分析として、COVID-19感染を防ぐための個人レベルの衛生対策(外出時のマスク装着など)が、呼吸器のウイルス感染や花粉などのアレルゲンおよび大気汚染物質など喘息増悪の強力な要因への曝露を減らした可能性を挙げている。また、COVID-19の蔓延が喘息発作を増加させる可能性があるという当初の懸念は、禁煙やアドヒアランスの向上、アレルゲンを除去するための掃除頻度の向上など、予防行動を促進したのではないかと指摘している。さらに、地域レベルの予防策(学校閉鎖、大規模な集会の中止、在宅勤務の促進)や、経済的閉鎖に関連した大気汚染の減少も奏功した可能性があるという。 著者らは、本研究について、個人や社会が生活様式を変えることにより喘息入院の大部分を予防できる可能性を示唆しており、喘息の良好なコントロールのために予防行動や生活環境への配慮が重要であることが再認識されたと述べている。

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FDA、急性骨髄性白血病の寛解導入にベネトクラクスの併用療法を承認

 米国食品医薬品局(FDA)は、2020年10月16日、75歳以上または併存疾患で強力な寛解導入療法が適用できない成人の急性骨髄性白血病(AML)に対して、ベネトクラクスとアザシチジン、desitabineまたは低用量シタラビン(LDAC)との併用を正式に承認した 。 ベネトクラクスとこれらの併用に関する有効性は2件の無作為化二重盲検プラセボ対照試験で確認されている。1つはベネトクラクス+アザシチジン群(n=286)とプラセボ+アザシチジン群(n=145)を無作為に比較したVIALE-A試験である。この試験では、ベネトクラクス+アザシチジン群のOS中央値14.7ヵ月に対し、プラセボ+アザシチジン群では9.6ヵ月(HR:0.66、 95%CI:0.52~0.85、p<0.001)と、ベネトクラクス+アザシチジン群の有意な有効性が確認された。完全寛解(CR)率においても改善を示し、ベネトクラクス+アザシチジン群37%に対し、プラセボ+アザシチジン群では18%であった。 もう1つはベネトクラクス+LDAC群(n=143)とプラセボ+LDAC群(n=68)を無作為に比較したVIALE-C試験である。この試験では、ベネトクラクス+LDAC群のCR率は27%、CR期間中央値は11.1ヵ月に対し、プラセボ+LDAC群ではどれぞれ7.4%、8.3ヵ月と、CR率とCR期間に関してベネトクラクス+アザシチジン群で良好であった。OSについては、有意な改善は確認されなかった(HR:0.75、 95%CI:0.52~1.07、 p=0.114)。  ベネトクラクスとの併用で頻度の高かった(30%以上)有害事象は、悪心、下痢、血小板減少症、便秘、好中球減少症、発熱性好中球減少症、疲労、嘔吐、浮腫、発熱性肺炎 、呼吸困難、出血、貧血、発疹、腹痛、敗血症、筋骨格痛、めまい、咳、中咽頭痛、および低血圧であった。

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Pfizer社のCOVID-19ワクチン候補、第I相試験結果/NEJM

 BioNTechとPfizerが共同で開発中の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する2つのmRNAワクチン候補「BNT162b1」「BNT162b2」について、米国・ロチェスター大学のEdward E. Walsh氏らによる第I相プラセボ対照試験の結果が発表された。米国の若年成人(18~55歳)群と高齢者(65~85歳)群を対象とした評価者盲検用量漸増評価試験で、BNT162b2がBNT162b1に比べ安全性・免疫原性について優れる結果が得られたという。若年成人へのBNT162b1についてはすでに、ドイツと米国での試験結果が報告されており、同試験および今回の試験結果を踏まえて著者は、「BNT162b2を第IIおよび第III相の安全性・有効性評価試験を検討するワクチン候補として支持される結果が得られた」とまとめている。NEJM誌オンライン版2020年10月14日号掲載の報告。BNT162b1の100μgのみ1回投与、その他は21日間隔で2回投与 研究グループは、脂質ナノ粒子製剤・修飾ヌクレオシドmRNAワクチン候補「BNT162b1」「BNT162b2」について米国で行われている、第I相のプラセボ対照用量漸増評価者盲検試験において、健康な若年成人(18~55歳)と高齢者(65~85歳)を対象に評価を行った。BNT162b1は、分泌された三重体SARS-CoV-2受容体結合ドメインをエンコードし、BNT162b2は膜結合型のSARS-CoV-2のスパイク糖蛋白全長をエンコードする作用がある。 被験者は、BNT162b1群とBNT162b2群、年齢(若年成人と高齢者)、投与量(10μg、20μg、30μg、100μg)別に13のグループ(100μgはBNT162b1の若年成人のみ投与)に分けられ、BNT162b1の100μg群には1回投与、それ以外の群には21日間隔で2回の投与が行われた。 主要アウトカムは、局所または全身性反応や有害事象などの安全性だった。副次アウトカムは免疫原性だった。両ワクチン候補群ともに回復患者より同等以上の幾何平均抗体価を誘発 合計195例が無作為化を受けた。13グループに各15例が割り付けられ、15例中12例に実薬が投与、残り3例にプラセボを投与した。 BNT162b2はBNT162b1に比べ、全身性反応の発生率と重症度が低かった。その傾向は、とくに高齢者で顕著だった。 両年齢グループにおいて、BNT162b2およびBNT162b1ともに、投与量依存性のSARS-CoV-2中和抗体の幾何平均抗体価が誘発された。同値は、SARS-CoV-2感染回復期の患者の血清パネル幾何平均抗体価と、同等かより高かった。

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PCI後プラスグレルのde-escalation法、出血リスクを半減/Lancet

 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を行った急性冠症候群(ACS)患者に対し、術後1ヵ月間プラスグレル10mg/日を投与した後、5mg/日に減量する、プラスグレルをベースにしたde-escalation法は、1年間のネット有害臨床イベントを低減することが、韓国・ソウル大学病院のHyo-Soo Kim氏らが同国35病院2,338例を対象に行った「HOST-REDUCE-POLYTECH-ACS試験」の結果、示された。イベントリスクの低減は、主に虚血の増大のない出血リスクの減少によるものであった。PCI後のACS患者には1年間、強力なP2Y12阻害薬ベースの抗血小板2剤併用療法(DAPT)が推奨されている。同療法では早期の段階において薬剤の最大の利点が認められる一方、その後の投与期には出血の過剰リスクが続くことが知られており、研究グループは、抗血小板薬のde-escalation法が虚血と出血のバランスを均衡させる可能性があるとして本検討を行った。Lancet誌2020年10月10日号掲載の報告。韓国35病院で2,338例を無作為化、有害臨床イベント発生を比較 HOST-REDUCE-POLYTECH-ACS試験は、韓国35病院で行われた多施設共同無作為化非盲検非劣性試験。PCIを実施したACS患者を1対1の割合で無作為に2群に割り付け、全例に術後1ヵ月間プラスグレル10mg/日+アスピリン100mg/日を投与した後、一方の群ではプラスグレルを5mg/日に減量(de-escalation群)、もう一方の群には10mg/日を継続投与した(対照群)。 主要エンドポイントは、1年時点のネット有害臨床イベント(総死亡、非致死的心筋梗塞、ステント血栓症、血行再建術の再施行、脳卒中、BARC出血基準2以上の出血)の発生で、絶対非劣性マージンは2.5%とした。 主な副次エンドポイントは、有効性アウトカム(心血管死、心筋梗塞、ステント血栓症、虚血性脳卒中)と安全性アウトカム(BARC出血基準2以上の出血)だった。de-escalation群、虚血リスクの増大なし、出血リスクは半減 2014年9月30日~2018年12月18日に3,429例がスクリーニングを受け、うち1,075例がプラスグレル適応基準を満たさず、16例が無作為化エラーにより除外され、2,338例がde-escalation群(1,170例)、対照群(1,168例)に割り付けられた。 ネット有害臨床イベントの発生は、de-escalation群82例(Kaplan-Meier法による予測値:7.2%)、対照群116例(10.1%)で、de-escalation群の非劣性が示された(絶対リスク差:-2.9%、非劣性のp<0.0001、ハザード比[HR]:0.70[95%信頼区間[CI]:0.52~0.92]、同等性のp=0.012)。 de-escalation群は対照群に比べ、虚血のリスク増大はみられず(HR:0.76、95%CI:0.40~1.45、p=0.40)、出血イベントリスクは有意に減少した(0.48、0.32~0.73、p=0.0007)。

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進行TN乳がん1次治療へのペムブロリズマブ+化療、日本人解析結果(KEYNOTE-355)/日本乳学会

 手術不能な局所再発または転移を有するトリプルネガティブ(TN)乳がんの1次治療として、化学療法とペムブロリズマブ併用の有効性を評価するKEYNOTE-355試験の全体集団における中間解析結果が2020年のASCOで発表され、PD-L1陽性(CPS≧10)患者でPFSの有意な改善が示されている。今回その日本人集団解析の結果を、国立病院機構大阪医療センターの八十島 宏行氏が第28回日本乳学会学術総会で発表した。・対象:18歳以上の手術不能な局所再発または転移を有するTN乳がん(ECOG PS 0/1)847例(日本人87例)・試験群:ペムブロリズマブ(200mg、3週ごと)+化学療法(ナブパクリタキセル、パクリタキセル、ゲムシタビン/カルボプラチンの3種類のうちいずれか)566例(61例)・対照群:プラセボ+化学療法 281例(26例)・評価項目:[主要評価項目]PD-L1陽性患者(CPS≧10およびCPS≧1)およびITT集団におけるPFSとOS[副次評価項目]奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)、病勢コントロール率(DCR)、安全性 日本人サブグループ解析の主な結果は以下のとおり。・2019年12月11日データカットオフ時点で、国内26施設から日本人87例が組み入れられ、ペムブロリズマブ群に61例、化学療法単独群に26例が無作為に割り付けられた。・使用された化学療法のレジメンはタキサン(23%)、ゲムシタビン/カルボプラチン(77%)、であった。・カットオフ値CPS≧10のPD-L1陽性患者における28例のPFS中央値は、化学療法単独群5.6ヵ月に対してペムブロリズマブ併用群11.7ヵ月、ハザード比(HR)が0.52(95%CI:0.20~1.34)で、1年後無増悪生存率も44%とペムブロリズマブ群で有意な延長を認めた全体集団と大きな乖離のない結果であった。・カットオフ値CPS≧1のPD-L1陽性患者における66例のPFS中央値は、化学療法単独群5.6ヵ月に対してペムブロリズマブ併用群7.6ヵ月、ハザード比(HR)が0.62(95%CI:0.35~1.09)であった。・ITT集団における87例のPFS中央値は、化学療法単独群5.6ヵ月に対してペムブロリズマブ併用群7.7ヵ月、ハザード比(HR)が0.64(95%CI:0.38~1.07)と全体集団と大きな乖離は認めなかった。・Grade3以上の治療関連有害事象(TRAE)は、ペムブロリズマブ併用群では85.2%、化学療法単独群では84.6%に発現。これは全体集団(68.1% vs. 66.9%)と比較すると高い傾向であったが、化学療法単独群でも同頻度で発現していることから、日本人集団では化学療法による影響が強くでているのではないかと推察された。・Grade3以上の免疫関連有害事象(irAE)は、ペムブロリズマブ併用群の4.9%に発現し、化学療法単独群では発現していなかった。有害事象・頻度ともに全体集団と同様であり、日本人特有のirAEは発現していない。 なお、米国・FDAでは現在審査中であり、本邦においても、2020年10月12日に承認申請が行われている。

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カナグリフロジンと下肢切断リスク(解説:住谷哲氏)-1303

 最新のADA/EASD高血糖管理ガイドラインにおいて、SGLT2阻害薬は心不全またはCKDが問題となる2型糖尿病患者に対して、HbA1cの個別目標値とは切り離してメトホルミンに追加すべき薬剤と位置付けられている。糖尿病ケトアシドーシス、性器感染症の増加はすべてのSGLT2阻害薬に共通の有害事象であるが、下肢切断リスクの増加はカナグリフロジンに特異的と考えられている。これは、これまで報告されたエンパグリフロジン、カナグリフロジン、ダパグリフロジン、ertugliflozinのCVOTのなかで、唯一下肢切断リスクの増加がカナグリフロジンのCANVAS programで報告されたことによる。しかしその後に報告されたカナグリフロジンのCREDENCEでは下肢切断リスクの増加は認められなかった。つまり本当にカナグリフロジン特異的に下肢切断リスクが増加するか否かについては、はっきりしていない。 カナグリフロジンの使用が多い米国で、カナグリフロジンまたはGLP-1受容体作動薬のいずれかが新たに投与された患者における下肢切断リスクを比較検討したのが本論文である。対照としてGLP-1受容体作動薬が選択されたのは、ほぼ同程度のASCVDリスクを有する患者に両薬剤のいずれかが選択されることが多いことによる。さらに、下肢切断リスクは高齢患者、ASCVD既往のある患者のリスクが高いことが知られているので、この両因子で層別した解析を実施した。結果として、カナグリフロジン投与により下肢切断リスクが増加するのは、ASCVD既往のある65歳以上の高齢者に限定されており、そのNNTは556人/0.5年であった。 実臨床では今回明らかにされた「ASCVD既往を有する65歳以上の高リスク患者」に対してSGLT2阻害薬を選択することが多い。その際はカナグリフロジンではなくほかのSGLT2阻害薬を投与すればよいのだろうか? カナグリフロジンの使用がほとんどない北欧からの報告(対象患者における投与薬剤の比率はダパグリフロジン61%、エンパグリフロジン38%、カナグリフロジン1%)では、本論文と同様にGLP-1受容体作動薬を対照として、ダパグリフロジン、エンパグリフロジンともに下肢切断リスクの増加を認めている1)。さらに複数あるSGLT2阻害薬のなかで、カナグリフロジンのみが下肢切断リスクを増加させるメカニズムとしていくつかの仮説が提唱されているが、はたしてそれが正しいのか否かは明らかでない。筆者はSGLT2阻害薬による下肢切断リスクの増加は、存在するとしてもおそらくclass effectだろうと考えている。CREDENCEの結果に基づくと、ESKDへの移行阻止のNNTは43人/2.5年である。したがって、ここでも個別の患者のrisk-benefitを慎重に考慮したうえで、EBMのStep4「情報の患者への適用」を悩みながら実践することが求められる。

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「SPトローチ」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第22回

第22回 「SPトローチ」の名称の由来は?販売名SPトローチ0.25mg「明治」一般名(和名[命名法])デカリニウム塩化物(JAN)効能又は効果咽頭炎、扁桃炎、口内炎、抜歯創を含む口腔創傷の感染予防用法及び用量デカリニウム塩化物として、通常1回0.25mg(本剤1錠)を1日6回投与し、口中で徐々に溶解させる。なお、症状により適宜増減する。警告内容とその理由該当しない禁忌内容とその理由該当しない※本内容は2020年10月21日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2013年11月改訂(第4版)医薬品インタビューフォーム『SPトローチ0.25mg「明治」』2)Meiji Seika ファルマ

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悪性胸膜中皮腫へのIO併用承認、オシメルチニブの肺がんアジュバント【侍オンコロジスト奮闘記】第101回

第101回:悪性胸膜中皮腫へのIO併用承認、オシメルチニブの肺がんアジュバント参考FDA approves nivolumab and ipilimumab for unresectable malignant pleural mesotheliomaEGFR変異肺がんへのオシメルチニブのアジュバント、CNS含む再発を有意に減少(ADAURA)/ESMO2020

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第29回 オンライン診療恒久化の流れに「かかりつけ医」しか打ち出せない日医の限界

初診も含めたオンライン診療、平時も解禁へこんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。コロナも少しは収まったということで、10ヵ月振りに88歳の父親が一人暮らしをしている愛知の実家に帰りました。父親の関心と愚痴はいつも自分の病気や体調のこと。今回は「最近、足が冷たく、しびれも感じる」と今までなかった不調を訴えてきました。聞くと、行きつけの近所の診療所では「それは老化ですね」と言われ、ツムラの107番(牛車腎気丸)を処方されたとのこと。107番の効きはまったく実感できずに近所の鍼灸院に通いだした、と話していました。私の見立ては下肢閉塞性動脈硬化症なのですが、医師に「老化ですね」とだけ言われ、症状も改善せずに戸惑っている90歳近い老人に息子としてどう対処したらいいものか、困ってしまいました。さて、今回は全国ニュースでも喧しい「オンライン診療」について書いてみたいと思います。この連載では、菅 義偉総理大臣が誕生したまさにその日、9月16日付で「オンライン診療めぐり日医と全面対決か? 菅総理大臣になったらグイグイ推し進めるだろうこと」と題して、菅政権にとってオンライン診療は規制緩和やデジタル化推進の象徴であり、日本医師会との軋轢が今後一層深まるのでは、と書きました。菅首相は政権発足初日に田村 憲久厚生労働相に「オンライン診療の恒久化」を指示しました。その後、恒久化へのシナリオは着実に進んでいます。10月7日、政府の規制改革推進会議は「議長・座長会合」を開き、オンライン診療・服薬指導について「デジタル時代に合致した制度として恒久化を行う」という方針を確認しました。そして、翌8日には田村厚労相が平井 卓也デジタル改革相、河野 太郎行政改革相と会談。初診も含めたオンライン診療の原則解禁について3大臣が合意しました。今後、厚労省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」において、安全性を確認しながら対象などを改めて整理することになっています。「かかりつけ医やかかりつけ医機能を基軸に」と中川会長一方、日本医師会の中川俊男会長は先週14日の定例記者会見で、3大臣による合意に対する見解を発表しました。中川氏は、日医のオンライン診療に対する基本的なスタンスは、9月24日会見時の「解決困難な要因によって、医療機関へのアクセスが制限されている場合に、対面診療を補完するもの」という考え方から変わらないとしたうえで、「安全性と信頼性をオンライン診療の必須条件として位置付けていかなければならない。さらに有効性も担保される必要がある」とし、「安全性と信頼性の確保に向けては、かかりつけ医やかかりつけ医機能を基軸にすべきだ」と述べました。なお、かかりつけ医機能については、7年前の2013年8月に、日医と四病院団体協議会が合同で提言した「医療提供体制のあり方」1)の中で示された定義を改めて説明した、とのことです。この時の提言では、かかりつけ医を「なんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要な時には専門医、専門医療機関を紹介でき、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師」と定義、具体的なかかりつけ医機能4項目も明示しています。資格もなく曖昧な「かかりつけ医」の概念オンライン診療に関する議論において、「かかりつけ医」の定義を持ち出してきた点に、全面解禁に反対する日本医師会の理論武装の弱さを感じます。「かかりつけ医」は、医療の世界でよく使われる言葉ですが、日医と四病院団体協議会が定義した内容が国民に十分に浸透、定着しているとは言えません。そもそも、この定義に合致した医師を養成する仕組みや、研修制度などをベースにきちんとオーソライズする仕組みもありません。つまり、現状で日医が定義し提唱する「かかりつけ医」とは、地域で診療する医師の一つの理想像、“絵に描いた餅”に過ぎないのです。オンライン診療の安全性と信頼性の確保に向け、「かかりつけ医やかかりつけ医機能を基軸すべきだ」と言われたところで、その概念が曖昧で確固たる実態がないままでは、議論を進めようがありません。コロナ収束までの時限的措置として特例的に規制緩和されたオンライン診療ですが、一定数の患者が新たにそこに流れた、ということは、かかりつけ医や主治医を持たない(あるいはかかりつけていた医師への受診にこだわらない)国民がそれだけいた、ということです。かかりつけ医というものに対しては、日医が考えているほど、国民は期待していないのかもしれません。「オンライン健康相談にも診療報酬を」オンライン診療に関連し、中川会長は「オンライン健康相談」に対するかかりつけ医の関わり方についても言及しています。これは10月7日の定例会見で話されたもので、民間企業が提供するオンライン健康相談サービスについて、国による定義付けや業界ガイドラインの作成などのルールづくりが必要だ、と提言。さらに、かかりつけ医が診療行為の一環としてオンライン健康相談を行った場合は、診療報酬で適切に評価することも提案しました。医師以外での相談業務にはオンライン健康相談ではなく「オンライン生活相談」等の名称とすることも提案しました。さらに、厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」で、医師以外による「遠隔健康医療相談」において「受診不要の指示・助言」も可能とする点も、「原則的にできないようにすべき」と述べています(遠隔健康医療相談については、本連載「医師の質・能力、実はどうでもいい? LINEヘルスケア事件の先にある世界」を参照)。時代に逆行する考え方こうした中川会長の一連の発言を聞いていると、「健康相談すらも医師しかできない業務にしろ」と言っているように聞こえます。しかし、これはいささか時代に逆行する考え方ではないでしょうか? 現在、「医師の働き方改革」の中で、タスクシフティングが議論されています。具体的にタスクシフト、タスクシェアの対象として検討が始まった医師の業務の中に、「健康相談」は入ってはいないようですが、診療前の健康相談までを医師のルーチンワークに入れてしまったら、医師のハードワークはいつまでたっても解消されないのではないでしょうか。「かかりつけていてもかかりつけ医ではない」レギュレーションをオンライン診療恒久化の流れに対し、「対面原則」「かかりつけ医、かかりつけ医機能を基軸」を押し通すなら、ここは改めて「かかりつけ医」というものを再定義し、きちんとした専門資格として世の中に問うべきだと思いますが、皆さんはどうお考えでしょうか?中川会長自身も14日の会見ではかかりつけ医の定義について、技術革新・ICT化などが進んだことを背景に「見直し、ブラッシュアップする時期かもしれない」と述べていますが、資格化については言及していません。絵をどれだけブラッシュアップしても絵のままだと思うのですが…。私としては、88歳の老人の不定愁訴に対し、診断名も告げず「老化ですね」と言うだけで、漢方薬を適当に処方するような医師は、「かかりつけていてもかかりつけ医ではない」という、厳しめのレギュレーションを設けてもらいたい、と思う今日この頃です。参考1)医療提供体制のあり方/日本医師会・四病院団体協議会

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気分障害や不安症に対するベンゾジアゼピン使用を減少させるための認知行動療法

 精神疾患の治療に、しばしばベンゾジアゼピン(BZD)が用いられる。しかし、BZDは副作用や長期的な有効性に関するエビデンスが不足しているため、多くのガイドラインにおいて、使用制限が推奨されている。また、BZDは依存性や離脱症状の問題があり、減量が困難なこともある。一方、認知行動療法(CBT)は気分障害や不安症に対する有効性が実証されている。しかし、BZDの使用率が高い日本において、BZDの効果的な減量に対するCBTの効果に関するエビデンスは、これまでほとんどなかった。国立精神・神経医療研究センターの中嶋 愛一郎氏らは、日本の精神科におけるBZDの減量に対するCBTの影響について調査を行った。Neuropsychiatric Disease and Treatment誌2020年9月18日号の報告。 対象は、BZD抗不安薬を使用している気分障害および不安症の外来患者。2015年4月~2017年9月の国立精神・神経医療研究センターのカルテより、CBT実施中のBZD抗不安薬の使用量の変化をレトロスペクティブにレビューした(66例、平均CBTセッション数:14.6回)。CBT実施を判断するための初回診断時(ベースライン)、初回CBTセッション時、最終CBTセッション時、最終CBTセッションから3ヵ月後の4つの時点でのBZD抗不安薬の使用量を確認した。 主な結果は以下のとおり。・66例中13例はCBT実施中にBZD抗不安薬を中止し、21例は50%以上の減量を達成した。・中止、減量および評価期間との関連は、階層ベイズモデルを用いてモデル化した。その結果、ベースライン時と比較して、CBT後(オッズ比:9.79、95%CI:4.65~20.45)およびCBT3ヵ月後(オッズ比:11.53、95%CI:6.06~22.33)のBZD抗不安薬中止率に有意な差が認められた。・CBT後のBZD抗不安薬の減量においても、有意な差が認められた(推定相対リスク中央値:0.845、95%CI:0.729~0.982)。減量の中央値は、1.7mg(ジアゼパム換算)であった。 著者らは「日本人の気分障害および不安症患者に対するCBT実施は、BZD抗不安薬の減量や中止に役立つ可能性が示唆された」としている。

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COVID-19病原体検査の指針を発表/厚生労働省

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行の下、今後のインフルエンザの流行を控え一般の医療機関でもさまざまな感染症に関する検査をする機会が増大すると考えられる。 厚生労働省は、10月2日、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)病原体検査の指針(第1版)」および鼻腔検体採取における留意点等についてを公表し、全国の医療・保健関係機関に送付した。本指針は、第47回厚生科学審議会感染症部会で議論され、取りまとめられたもの。 COVID-19にかかわる核酸検出検査、抗原定量検査および抗原定性検査の検体として新たに鼻腔検体を活用することが可能となり、抗原定性検査(簡易キット)は、医療機関などに限らず実施することができ、短時間で結果を確認することができるようになった。 そのため、抗原定性検査はインフルエンザ流行期における発熱患者などへの検査に有効であることから、診療・検査医療機関においては、迅速・スムーズな診断・治療につなげるべく、簡易キットを最大限活用した検査体制の整備を検討してほしいと要望している。 具体的に本文には「各種検査法の実施時間」として・リアルタイムPCR 2~4時間・定性PCR+シークエンス確認 7~9時間・LAMP法 1時間・抗原定量 30分・抗原定性 40分などの現在の検査と結果判明までの時間のまとめや各種検体と適切な感染防護が次のように記載されている。・鼻咽頭ぬぐい液/鼻腔ぬぐい液:医療者に一定の曝露あり(フェイスガード、サージカルマスク、手袋・ガウンなど)・唾液:医療者の曝露は限定的(サージカルマスク、手袋) これに伴い、「SARS-CoV-2抗原検出用キットの活用に関するガイドライン」(6月16日最終改訂)は廃止となる。 また、これらに加え、「鼻腔検体採取を実施する場合の留意点等」については、「鼻孔から2cm程度スワブを挿入し、挿入後スワブを5回程度回転させ、十分湿らせること。被検者自身が採取する際は、鼻出血が起こりやすい部位である点にも配慮し、医療従事者の管理下で実施すること」、「検体採取に当たり、医療従事者に一定の曝露があるため、フェイスシールド、サージカルマスク、手袋、ガウンといった個人防護具の装着による感染防御を要すること」など具体的な注意点が記されている。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)病原体検査の指針 目次I 検査種類と各種検査の意義 1.検査の種類 2.検体の種類と採取 3.検体の取り扱い、保管と輸送 4.検査の解釈や検査精度など 5.検査の流れII 状況に応じた適切な検査実施 1.COVID-19を疑う有症状者 2.濃厚接触者 3.インフルエンザ流行期 4.無症状者の検査III 検体採取に応じた適切な感染防護

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心アミロイドーシス患者における心臓デバイス後のフォローアップ【Dr.河田pick up】

 アミロイドーシスは不溶性のアミロイド細繊維が細胞外に沈着し、様々な臓器障害を引き起こす。心アミロイドーシスは心臓の間質にアミロイド線維沈着し、その病態がより一層知られるようになってきている。徐脈および頻脈は、心アミロイドーシスの患者でよく見られ、心アミロイドーシスの診断につながることがあるが、心アミロイドーシス患者における伝導障害が発生した後の経過については知られていない。この研究は、米国・デューク大学のMichael R. Rehorn氏ら研究グループが、心アミロイドーシス患者と伝導障害の関係について、心臓植込み型デバイスを通して経年的に観察したものである。JACC clinical Electrophysiology誌2020年9月6日号での報告。経年的に心臓デバイスが植込まれた心アミロイドーシス患者をフォロー 本研究では、心アミロイドーシス(トランスサイレチン型アミロイドーシス心筋症[ATTR-CM]および軽鎖アミロイドーシス[AL-CA])と診断され、心臓デバイスを植込まれた患者をデューク大学のデータベースから抽出。植込み時の患者の特徴(人口動態、心アミロイドーシスの診断と関連したデータ、心臓に関する画像、心臓デバイスの種類)が記録された。心臓デバイスのデータ解析には、ペーシング、心房細動(AF)の頻度、活動レベル、リードに関する値、心室性不整脈の発生やそれらに対する治療の情報が用いられた。5年後には右室ペーシング率が96%、AFは平均17時間/日 本研究に登録されたのは、心サルコイドーシスの患者34例(ATTR-CM:7例、AL-CA:27例)。平均年齢(中央値)は75歳、平均の左心駆出率は42±13%、徐脈に対する植込みが65%、突然死の予防に対する植込みが35%であった。このうち14例(41%)については、心サルコイドーシスの診断に先行して心臓デバイスの植込みが行われていた。 3.1±4.0年のフォローアップ期間で、右室波高は減少したが、不具合にまでは至っていなかった。リードの抵抗値、ペーシング閾値には変化が見られなかった。植込み後1~5年の間に平均の心室ペーシング率は56±9%から96±1%(p=0.003)に増加し、AFの頻度は1日当たり2±1.3時間から17±3時間(p=0.0002)に増加していた。心室不整脈は、高頻度(ATTR-CM:6.7±2.3/年、AL-CA:5.1±3.2/年)に認められたが、主に非持続性の心室頻拍であった。ATTR-CMの1例のみICD(植込み型除細動器)治療を必要とした。心アミロイドーシスではデバイス植込み後も伝導障害が進行、AF頻度が有意に増加 本研究では、心臓デバイスの経年的なフォローアップにより、心アミロイドーシス患者では伝導障害が進行。AF頻度が増加し、心室ペーシングへの依存度が増すことがわかったが、リードに関する数値は安定していた。心室不整脈はよく認められるが、主に非持続性心室頻拍であった。 心アミロイドーシスそのもので心機能が低下することもあるが、さらに右室ペーシング率が高いとペーシングに伴う心筋症が起こりうる。この結果を踏まえると、心室機能が低下している場合には、当初から右室ペーシングでなく、両心室ペーシングを植込むことが検討されるべきと考える。(Oregon Heart and Vascular Institute  河田 宏)■関連コンテンツ循環器内科 米国臨床留学記

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虫垂炎治療、抗菌薬は切除術の代替となるのか/NEJM

 虫垂炎の治療では、抗菌薬治療の効果は虫垂切除術に対し非劣性であるが、抗菌薬治療を受けた患者10例当たり約3例(29%)が90日後までに虫垂切除術を受けており、虫垂結石を有する患者は虫垂切除術や合併症のリスクが高いことが、米国・ワシントン大学のDavid R. Flum氏らが実施した「CODA試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2020年10月5日号に掲載された。60年以上も前(1956年)に、虫垂炎治療における虫垂切除術の代替治療として抗菌薬治療の有効性が報告されているが、長期にわたり虫垂炎の標準治療は虫垂切除術とされてきた。また、虫垂炎の抗菌薬治療の無作為化試験がいくつか行われているが、重要なサブグループ(とくに、合併症のリスクが高いとされる虫垂結石の患者)の除外や、少ない患者数などから、その使用は限定的であった。米国の10施設が参加した実践的な無作為化非劣性試験 研究グループは、虫垂炎の治療における、抗菌薬治療の虫垂切除術に対する非劣性を検証する目的で、米国の10施設が参加した実践的な非盲検無作為化試験を行った(米国・患者中心アウトカム研究所[Patient-Centered Outcomes Research Institute]の助成による)。 対象は、救急診療部で画像検査により虫垂炎と確定された、英語またはスペイン語を話す成人(年齢18歳以上)の患者であった。被験者は、抗菌薬治療を受ける群または虫垂切除術を受ける群に無作為に割り付けられた。抗菌薬群の患者は、少なくとも24時間、抗菌薬を静脈内投与されたのち、錠剤を10日間服用した。 主要アウトカムは、European Quality of Life-5 Dimensions(EQ-5D)質問票(0~1点、点数が高いほど健康状態が良好、非劣性マージンは0.05点)で評価した30日の時点での健康状態とした。副次アウトカムには、抗菌薬群における90日以内の虫垂切除術や、両群の合併症が含まれた。解析は、虫垂結石の有無別のサブグループで行った。抗菌薬群で虫垂切除術を受けた患者の41%が虫垂結石  2016年5月~2020年2月の期間に1,552例(414例が虫垂結石を有する患者)が登録され、抗菌薬群に776例(平均年齢38.3±13.4歳、女性37%)、虫垂切除術群にも776例(37.8±13.7歳、37%)が割り付けられた。抗菌薬群の患者の51%が入院で、47%が救急診療部を退院して自宅で、2%は退院して自宅以外で治療を受けた。虫垂切除術群の96%は腹腔鏡による手術を受けた。参加施設の報告による治療のアドヒアランスは、抗菌薬群が90%、虫垂切除術群は99%だった。 30日の時点での平均EQ-5Dスコア(intention-to-treat[ITT]解析)は、抗菌薬群が0.92±0.13点、虫垂切除術群は0.91±0.13点であり、抗菌薬群の虫垂切除術群に対する非劣性が確認された(平均群間差:0.01点、95%信頼区間[CI]:-0.001~0.03)。per-protocol解析(0.01点、-0.002~0.03)および主要アウトカムの欠測値の多重代入法を用いた解析(0.01点、-0.004~0.02)でも、同様の結果が得られた。また、虫垂結石を有する患者(-0.01点、-0.03~0.02)および虫垂結石のない患者(0.02点、0.003~0.03)でも、主要アウトカムの非劣性が示された。 抗菌薬群では、48時間以内に11%、30日までに20%、90日までに29%が虫垂切除術を受けた。90日までに虫垂切除術を受けた患者のうち、虫垂結石を有する患者が41%で、虫垂結石のない患者は25%であった。 合併症の発生率は、抗菌薬群が100例当たり8.1例と、虫垂切除術群の3.5例に比べて多かった(率比:2.28、95%CI:1.30~3.98)。合併症は、虫垂結石を有する患者(100例当たり20.2例vs.3.6例、率比:5.69、95%CI:2.11~15.38)では抗菌薬群で多かったが、虫垂結石のない患者(同3.7例vs.3.5例、1.05、0.45~2.43)では両群間に差はなかった。 重篤な有害事象は、抗菌薬群が100例当たり4.0例で、虫垂切除術群は3.0例で発現した(率比:1.29、95%CI:0.67~2.50)。経皮的ドレナージは、抗菌薬群が虫垂切除術群よりも頻度が高く(100例当たり2.5例vs.0.5例、率比:5.36、95%CI:1.55~18.50)、とくに虫垂結石を有する患者で高頻度であった。また、両群の虫垂切除術を受けた患者に限定した解析では、虫垂穿孔は抗菌薬群で多かった(32% vs.16%)。抗菌薬群全体でみると、虫垂結石を有する患者が虫垂結石のない患者に比べて多かった(61% vs.24%)。 著者は、「これらのデータは、COVID-19の世界的流行中に、患者と医師が個々の患者の特性や嗜好、状況を考慮しつつ、それぞれのアプローチの利点とリスクを比較検討する際に、とくに重要な意味を持つと考えられる」としている。

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ニボルマブ+カボザンチニブの腎がん1次治療、FDAの優先審査対象に/BMS

 ブリストル マイヤーズ スクイブとExelixis社は、2020年10月19日、米国食品医薬品局(FDA)が、進行腎細胞がん(RCC)患者に対するニボルマブとカボザンチニブの併用療法に関して、それぞれ、生物学的製剤承認一部変更申請および医薬品承認事項変更申請を受理したことを発表。 FDAは、両申請とも優先審査の対象に指定し、処方せん薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づく審査終了の目標期日を2021年2月20日に設定した。  これらの申請は、未治療の進行RCC患者を対象にニボルマブとカボザンチニブの併用療法とスニチニブを比較評価した第III相CheckMate-9ER試験の結果に基づいている。同試験では、ニボルマブとカボザンチニブの併用療法が、対照薬であるスニチニブと比較して、全生存期間、無増悪生存期間、奏効率を含むすべての有効性評価項目で有意な改善を示した。ニボルマブとカボザンチニブの併用療法の忍容性は良好で、未治療の進行RCCにおける免疫療法薬とチロシンキナーゼ阻害薬でこれまでに報告されている安全性プロファイルと一貫していた。 同試験の結果は、2020年欧州臨床腫瘍学会(ESMO Virtual Congress2020)のプレジデンシャルシンポジウムで発表された。

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わが国のATLLの実態調査/日本血液学会

 成人T細胞白血病・リンパ腫はわが国の西南部で頻度が高い。成人T細胞白血病・リンパ腫の第11次全国実態調査の結果が、第82回日本血液学会学術集会で長崎大学の今泉 芳孝氏より報告された。 この疫学研究は、98施設から収集した877例のうち適格の770例を対象として解析されたもの。 主な結果は以下のとおり。・臨床病型別の生存期間中央値は、急性型8.3ヵ月、リンパ腫型10.0ヵ月、慢性型25.6ヵ月、くすぶり型60.9ヵ月であった。・急性型、リンパ腫型の予後については、生存期間の改善はわずかだったが4年生存率は改善した。・70歳未満の急性型およびリンパ腫型では、同種造血幹細胞移植を受けた群で長期予後が改善されたが、適応となる70歳未満の患者で同移植をうけた割合は3分の1程度にとどまった。・慢性型・くすぶり型の予後については、生存期間は十分な改善を認めなかった。4年生存率は慢性型でやや改善するも、くすぶり型については改善が乏しかった。・iATL-PI別にみると、予後不良因子を有する慢性型であっても、indolentな経過を示す症例が、低リスク群ではみられた。くすぶり型では、iATl-PI 中/高リスク群、皮膚病変発症例では生存が不良な傾向が認められた。

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われわれの直感はあまり正しくない(解説:今中和人氏)-1301

 手術も終わりに近づくころ、何だか麻酔科の先生がせわしない。聞けば酸素化が悪いとかで、レントゲンを撮ったら見事に真っ白。「抜管どうする?」と、その場に微妙な空気が流れて…なんていうシナリオは、誰しも経験がおありだろう。とはいえ、しっかり換気し過ぎて気胸になったら、それこそ一大事。そんなわけで、周術期呼吸管理については数多くの先行研究があるが、術式や体格をはじめ多くの患者要因があるうえ、呼吸管理と言っても気道内圧、呼気終末圧(PEEP)、1回換気量、リクルートメントなどさまざまな要因が入り乱れて、一筋縄ではいかない。 本研究は、オーストラリアの単一施設における成人の全身麻酔手術患者1,206例の、術中1回換気量に関する無作為化試験である。年齢63歳、男性が6割で、開胸術、開心術、開頭術は除外され、主に腹部手術と整形外科手術の患者が対象で、手術時間中央値は180分台であった。対象を2群に分け、PEEP 5cmH2O維持とリクルートメントの回避は統一し、吸気酸素濃度・呼吸回数は任意として、predicted body weight(PBW:いわゆる標準体重とは異なる)を基に、1回換気量を少量群は6mL/kg PBW、標準群は10mL/kg PBWと設定した、と書いてもイメージできないので具体的に記すと、実体重は82kg台、PBWは63kg台で、1回換気量の中央値は少量群395mL、標準群は620mLだった。 動脈血ガスサンプリングは麻酔導入後15分、覚醒・抜管前15分、手術室退室後15分の3回チェックし、7日以内の諸種肺合併症を1次エンドポイントに、入院中の死亡、肺合併症をはじめとする臨床事象を2次エンドポイントと定義して比較した。結果は、麻酔中の気道内圧などの生理学的パラメーターと血ガス(PaCO2など)に、換気量の差に基づく当然の有意差があったが、抜管後はデータも臨床経過も何ら差がなく、両群とも無気肺が24%台、胸水11%台、肺炎3%台の発生で、気道攣縮と気胸は1%未満なので、どちらの換気量も同等でほぼ安全と結論された。なお、腹腔鏡手術の患者(少量群158例、標準群170例)に限定すると、ボーダーライン程度の有意差で肺合併症はむしろ標準換気群に多い、という結果になったが、納得に足る根拠は示されていない。 上述の術式では、仮に気胸や無気肺が起きていても目に見えないので、今回のような研究が成立する。一方、胸骨正中切開下の開心術では換気状態の不良は左も右もマルわかりで、明白な気胸でも無気肺でも介入しないというプロトコルには無理がある。肺の動きが悪いと見るや、大半の外科医は麻酔科医に、手術の進捗を妨げない範囲でばっちり換気するよう、また結構な圧をかけたリクルートメントもお願いするのではなかろうか。有益に違いないと信じ、時には内胸動脈グラフトを神経質なほどガードしながらでもやってもらっている。開心術では脱気目的でガンガン加圧したりもするので、結果的に多くの開心術では本研究の標準群よりはるかに盛大な呼吸のはずだが、術後無気肺の頻度などは似たようなものであろう。 「人工心肺下の手術だと呼吸を止めるから、きっとその間に気道が閉塞してしまうのだ。じゃあ心停止中もPEEP 8cmH2Oかけて弱く換気も続け、人工心肺前後もPEEPを高く維持して、リクルートメントも定期的にやれば、きっと肺合併症が減るだろう」というコンセプトに基づく、フランスの5つの大学病院における無作為化試験(PROVECS試験)1)では、ほぼ何も便益がなかった。もちろん、この呼吸設定は手術の進捗をかなり妨げるから、よほどのメリットがない限り、心臓外科医には耐え難い。 「いやいや、手術室では大丈夫でも、翌日になると無気肺になっている症例が多いから、術後早期の呼吸管理こそが重要だ。予防的に陽圧をかけて気道を開存させておくと、きっとよいだろう」というわけで、諸々の非侵襲的陽圧呼吸補助も考慮されるが、開心術後の陽圧呼吸補助に関する無作為化試験10本のメタ解析2)では肺合併症、それも無気肺の予防効果さえ意外にイマイチで、有用性が証明されなかった。術後早期の陽圧換気も、少なくとも大いに期待できるほど「霊験あらたか」ではなさそうである。 また、PEEPやリクルートメントの実施自体は、心臓外科手術に限らず広く支持されているが、それをどの程度行うかについてはかなり温度差があり、高めのPEEPや気合の入ったリクルートメントなんて昇圧剤のニーズを増やすだけだ、という手厳しい意見もある。そもそもリクルートメントの手法にも、流儀とでも言うべきことがいろいろあるそうで、どうもずいぶん深遠なうえ、圧による損傷のリスクも考えると、「何せしっかりやればよい」という話では済まないようである。 総じて、周術期の呼吸管理について、われわれの直感はあまり正しくない、のかもしれない。

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RCTの評価はどこで行うか? ELDERCARE-AF試験の場合(解説:香坂俊氏)-1302

今回解説させていただくELDERCARE-AFはわが国で実施された試験であるが、出血ハイリスクの心房細動患者に対して抗凝固療法(ただし低用量)の有用性を確立させたという点で画期的であった。高齢者で基礎疾患のある心房細動患者には抗凝固療法(最近ではワルファリンよりもNOACと呼ばれるクラスの薬剤が使われることが多くなっている)を用いた脳梗塞予防が広く行われているが、抗凝固を行えばそれだけ出血するリスクも高くなるわけであり、そこのバランスをどう保つかということは大きな課題であった。この試験では従来からの基準ではNOACを用いることができない「出血ハイリスク」患者を対象として、何もしないか(プラセボ投与)あるいは低用量のエドキサバン(NOACの1つ、通常の1日量が60㎎ 1xであるところを15mg 1xとして用いた)を用いるかというところの比較を行った。出血ハイリスクというところをどう規定するかというところに工夫があり、この試験では80歳以上ということをまず組み入れ基準とし、そのうえで以下のうちのいずれか1つ以上を満たす患者を対象とするとした(かなり条件は厳しい):・低腎機能(creatinine clearanceが15から30mL/min)・出血の既往・低体重(45kg以下)・NSAIDを使用・抗血小板剤を使用ただこの条件の設定の仕方はなかなか見事であり、これならば誰もが「出血ハイリスク」であることに納得がいき、かつ現場で抗凝固薬の処方をためらうというところに異論がないのではないかと思われる([1])。試験の結果として、脳卒中/全身性塞栓症の発生は低用量のエドキサバン群で少なく(the annualized rate of stroke or systemic embolism was 2.3% in the edoxaban group and 6.7% in the placebo group (hazard ratio, 0.34; 95% confidence interval [CI], 0.19 to 0.61; P

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