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境界性パーソナリティ障害女性の自分の体の評価と小児期の性的虐待の影響

 自分の体を評価するうえで、精神状態は大きく影響する。精神疾患を有する女性患者の身体評価は、健康な女性と比較し、ネガティブに表れる。とくに、境界性パーソナリティ障害(BPD)を含む児童性的虐待(CSA)に関連する問題によって、ネガティブな評価が増加することが示唆されている。しかし、このネガティブな評価が症状寛解後も持続するのか、体の場所(性的に暗示される場所と中立的な場所)に依存するか、CSAに依存するかについてはよくわかっていない。ドイツ・ハイデルベルク大学のNikolaus Kleindienst氏らは、BPD患者の身体評価とCSA歴の影響について、調査を行った。European Journal of Psychotraumatology誌2020年6月25日号の報告。境界性パーソナリティ障害女性の身体評価は児童性的虐待歴と有意な関連 BPD患者、BPD寛解患者、健康対照者の女性68例を対象に、身体評価を定量的に比較した。次に、CSA歴と性的に暗示される体の場所との関連を調査した。BPDの診断には、国際人格障害診断を用いた。対象者は、身体領域に関する調査を用いて、自分の体の評価を定量化した。CSAの評価には、小児期外傷アンケートを用いた。 境界性パーソナリティ障害の女性患者の身体評価を比較した主な結果は以下のとおり。・BPD患者の身体評価は、一般的にネガティブであったが、BPD寛解患者では、ポジティブであった。・しかし、BPD寛解患者のポジティブな評価は、中立的な体の場所に限定されており、性的に暗示される体の場所に関しては、BPD患者と類似しており、健康対照者の評価とは対照的であった。・BPD寛解患者の性的に暗示される体の場所に対する評価は、CSA歴と有意な関連が認められた。 著者らは「女性BPD患者には、全身のポジティブな評価を得るために、特別な介入が必要となる可能性がある。性的に暗示される体の場所に対する評価は、BPD寛解後も残存する問題であると考えられる」としている。

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043)外来コールの静かな戦い【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第43回 外来コールの静かな戦いゆるい皮膚科勤務医デルぽんです☆今回は、外来での診察コールのお話。私の勤務先では、手元のマイクを使って、次の患者さんを診察室へ呼び入れるシステムになっています。ボタンを押すとまず、「ポーン♪」と予報音が鳴り、それから名前を呼びます。おそらく似た仕組みの病院が多いと思いますが、この外来コール、たびたび近隣の診察室とかぶりませんか!? ほかの部屋の「ポーン♪」が鳴ったら、私はとっさに譲ってしまうのですが、いろんな考え方の先生がいらっしゃるらしく…。偶然よくかぶってしまう先生がいて、かぶるたびに(ひそかに)苦笑いをしています。逆に、阿吽の呼吸で譲り合える先生もいて、静かな連携プレー(?)にひとりにんまりすることもあります(笑)。こんなささいなことを気に掛けているのは、私だけかもしれませんが…。外来コールは早い者勝ちですね。今回は、忙しい外来診療の合間に行われる、静かなコール合戦のお話でした。それでは、また~!

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第61回日本肺学会学術集会 会長インタビュー【肺がんインタビュー】 第54回

第54回 第61回日本肺学会学術集会 会長インタビュー出演:岡山大学病院 呼吸器・アレルギー内科 教授 木浦 勝行氏2020年11月12日より第61回日本肺学会学術集会がハイブリッド形式で開催される。集会の主題は「肺撲滅を目指して2020」である。 会長の岡山大学病院 呼吸器・アレルギー内科 教授 木浦 勝行氏に集会の趣旨と見どころについて聞いた。参考第61回日本肺学会学術集会ホームページ

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第30回 医師も知っておきたい、ニューノーマルで生き残りを賭ける製薬企業の活路とは

コロナ禍が始まってから盛んに耳にするようになったキーワード「ニューノーマル」。医療で言えば、感染対策を契機に時限的に始まったオンライン診療の拡大が恒久化へと動きつつあるのも「ニューノーマル」と言える。ただ、今回のコロナ禍に関係なく、本来はもっと変わっていてしかるべきにもかかわらず、変わっていない世界も散見される。医療とその周辺で言うと、私がその筆頭にあげたいのは製薬企業の在り方である。競合戦略SOVはもう古い?製薬企業の基本的なビジネスモデルは研究開発に時間をかけて新薬を市場に送り、MR(医薬情報担当者)が盛んに医師にコールして処方を増やし、売上を獲得するというもの。従来は1つの新薬が世に登場するまでの期間は約10年、コストは約100億円と言われてきた。ちなみにMRから医師へのコールはSOV(Share of Voice:シェア・オブ・ボイス)という概念が重視されてきた。日本語に直訳すれば、「声のシェア」で、ある商品・サービスのシェアは、同一カテゴリーの競合商品・競合サービスの広告・宣伝量との比較で決まるという考え方。平たく言えば競合商品などよりも宣伝量が多ければ多いほどシェアが獲得できるというロジックである。それゆえMRは医師を頻回に訪問し、担当する医薬品のキーメッセージを連呼する。もちろんそれゆえに医師からうんざりされるケースもあるが、総じてみればそうしたMRの行動と売上は比例していたのである。というのも、患者数の多さから、かつてはほとんどの製薬企業が研究開発の軸を置いていた高血圧症、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病領域は、同一作用機序ながら若干有効成分が違う複数の医薬品が競合するのが常で、製品同士の差は「どんぐりの背比べ」の様相。医師にとってはどれを選んでも大差はなく、結果としてMRによるSOVが高い製品ほど医師に選ばれ、売上も高くなりがちだったからだ。ところがこの構図は既に約10年前から変化している。まず、これまで製薬企業の売上を支えてきた生活習慣病領域はもはや創薬ターゲットが枯渇し、継続的に新薬を生み出しにくくなった。この結果、創薬ターゲットはまだまだ薬剤の選択肢が少ないがんや難病などに移行している。もっともその結果として新薬の上市までの難易度は高くなり、現在では期間約20年、コスト約200億円とまで言われるようになった。ビジネスモデルを阻む新薬開発期間とジェネリック普及ここで大きな課題が発生する。製薬企業のビジネスモデルのもう一つの特徴として、一つの製品のライフサイクル終焉期、具体的には物質特許が切れてジェネリック医薬品が出てくるタイミングに後継新薬を市場に送り出し、売上の穴を作らないようにすることが挙げられる。ところが研究開発にかかる時間が以前よりも長くなった今、タイミングよく後継新薬を送り出すことは難しくなった。もっとも、こと日本市場の場合はそれでもどうにかこうにかやりくりは可能だった。それは日本では医師のジェネリック医薬品への忌避傾向が強く、長期収載品と呼ばれる特許失効後の新薬もそれなりに売上を獲得できていたからだ。しかし、国の薬剤費抑制策に伴うジェネリック医薬品の使用推進策でそれも難しくなった。現在では特許失効後の新薬は半年程度でシェアの半分がジェネリック医薬品に置き換わる。しかも、がんや難病といった生命予後に直結する領域へのシフトで、MRを通じたSOV向上は売上に直結しなくなった。製薬企業にとってはことごとく既存のモデルは封じられ、もはや泣きっ面に蜂といってもいい。その結果、製薬企業各社が取り始めた戦略が「選択と集中」である。要は医療用医薬品の研究開発領域を絞り込み、そこに集中的にリソースを投じ、研究開発の成功率上昇を狙うという形である。この結果、医療用医薬品以外の事業や医療用医薬品の中でも特許失効後の長期収載品を各社は整理・売却し始めた。革新のための本気が見える武田薬品と他社の将来性その動きを最も先鋭化させたのは日本の製薬業界のキング・オブ・ザ・キングスの武田薬品である。長期収載品は早々にジェネリック医薬品世界最大手のテバ社との合弁会社に移管させ、新たな製品と研究開発シーズの獲得のため、乾坤一擲の大勝負ともいえる日本史上最大約7兆円の巨額買収でアイルランドのシャイアー社を傘下に収め、武田の代名詞ともいわれたアリナミン・ブランドを有する一般用医薬品事業を売却した。武田以外の国内各社はここまで極端な形ではないものの、長期収載品の切り離しは準大手、中堅でも追随している。ただ、そのように新薬に集中したとしても世界の大波の中で生き残れる国内製薬企業はごくわずかだと言っていい。現在の世界トップ10の製薬企業の年間研究開発費規模は5,000億円以上、絞り込んだとはいっても平均の研究開発重点領域は5領域以上。現在この条件を満している国内製薬企業は武田のみだが、将来にわたって条件を満たしそうな企業もあと1~2社あるかないかという状況だ。ではどうすればよいのか? ここからは完全な私見だが、グローカルな総合ヘルスケアソリューション企業になることが最善の生き残る道だと考えている。グローカルとは、「グローバル+ローカル」の造語である。端的に言えば国内準大手・中堅企業に製薬企業そのものを完全に辞めろと言うのはナンセンスだ。ただ、こうした製薬企業でも製品単位で世界に伍していくことは可能であるが、そのようなグローバル製品を常時5品目以上、切れ目なく上市していくことは難しい。もっとストレートに言えば、通称メガファーマと呼ばれる世界大手の製薬企業とボーダレスな環境で伍していくのは逆立ちしても無理がある。つまるところ、グローバルで通用する1~2製品を有しながら、大きな基盤は日本国内、すなわちローカルに置き、医薬品だけでなくさまざまなソリューションを提供するという企業形態が私の前述した「グローカルな総合ヘルスケア企業」というイメージである。“薬は治療の一手段”と考えた先に見えるもの薬というのは治療の中で重要かつ欠くことができないソリューションではあるものの、そもそも薬は患者の状態を改善するソリューションの1つでしかない。従来からこれらに加え、手術やさまざまな医療機器を使った治療手段が存在するし、最近ではこれに加えITを駆使してアプリで治療するという考えも登場してきている。また、製薬企業は薬による治療を通して対象疾患やその患者を巡る多種多様な情報を有している。それを単に治療だけでなく社会的な課題解決に生かす道も考えられる。今後日本は人口減少社会に突入し、それに伴い労働人口も減少する。こうした中でITを駆使して必要となる労働力を効率化する試みは今後も進行してくだろうが、それでも人としての労働力が不足する状況は避けられない。こうなると解決策は、1)各人が今の2倍働く、2)専業主婦が家事以外の労働を始める、3)高齢者が働く、4)外国人労働者をさらに受け入れる、が主な焦点になってくる。ただ、これ以外に、これまで労働市場の中でやや冷や飯をくらわされている存在が一部の慢性疾患患者である。こうした人たちは一定の配慮があれば、労働市場で活躍できる素地があるにも関わらず、効率性を重んじるフルタイム労働市場では忌避されてきた傾向がある。製薬企業はこうした患者が置かれている状況、配慮しなければならないポイントは治療薬を提供している観点から一般の企業に比べて知識・理解はある。その意味ではこうした人を労働力としてあっせんする、あるいは雇用主側のコンサルティングを行うにはうってつけの存在でもある。また、日本は世界でトップを走る高齢化社会を有するため、そこから他国にも応用できるさまざまなビジネスモデルを考える最適な環境にあるなど、このほかにも製薬企業から派生した業態が考えられる。実際、そうした活動に既に手を付け始めている製薬企業は少数だが存在する。そして、こうした事業に手を染めてない製薬企業、あるいは手を染めている企業の中からも、こうした動きには「それで儲かるの?」という声は根強い。大胆な舵切りをした他業種の成功事例この「儲かるの?」の根底にあるのは、既存の製薬中心の利益構造である。ちなみに営業利益率ベースでみると、現在の国内の主要製薬企業の営業利益率は13~14%前後で、実はこの利益率は過去約20年ほとんど変わっていない。それゆえ、もはや既存のビジネスモデルが多方面で限界に達しつつあるにもかかわらず、頭の中は過去の栄光で満ち満ちているのである。むしろ今求められているのは、既存概念からの転換である。その意味で参考となるモデルが富士フイルムである。ご存じのように、もともと同社は一般向けの写真用フィルムとカメラ、レンズを主力商品としてきた。しかし、デジタルカメラの登場とともに写真用フィルムは市場からほぼ消え去り、その代わりにフィルム製造で持っていた化学合成技術などを軸に、液晶ディスプレイ材料、医療・医薬品、機能性化粧品、サプリメントなどを販売する企業へと転換した。富士フイルムの連結ベースの営業利益率は、1998年3月期は11.5%だったが、2017年3月期には7.9%まで低下している。しかし、この間、連結ベースの売上高は1.4兆円から2.4兆円と拡大している。利益率は低下しても多角的な事業展開で売上高が増加しているため、営業利益の絶対額は増加しているのである。製薬企業の場合、薬というモノがなくなるわけではないので、ここまでの転換を求められることはない。逆に言えば、それだけまだ恵まれているともいえる。にもかかわらず、ビジネスモデルの限界が10年前ぐらいから見え始めているのに最初の一歩が踏み出せないであるのだ。もっとも現在製薬業界の経営層には、旧来型のブロックバスターモデルといわれる巨額の売上を生む新薬が会社の屋台骨を支えるビジネスモデルの中で評価されてきた人たちがまだどっかりと鎮座しているため、それもやむを得ないと言えるかもしれない。しかし、これから5年後にもこの「儲かるの?」議論をやっているようだったら、もはや国内の製薬企業はこびりついたプライドを捨てきれない、流行遅れの一張羅の高級スーツをまとった冴えない紳士のごときものである。

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非G-CSF小分子plinabulinの好中球減少症予防効果/JAMA Oncol

 抗がん作用と好中球減少症予防作用を併せ持つ新しい非顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)小分子plinabulinについて、第II相試験の結果が明らかにされた。米国・スタンフォードがん研究所のDouglas W. Blayney氏らが、ドセタキセルの好中球減少症の予防効果を、非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象に行った無作為化非盲検試験で、plinabulinはペグフィルグラスチムと同等の好中球減少症予防効果が得られたという。JAMA Oncology誌オンライン版2020年9月24日号掲載の報告。 試験は、米国、中国、ロシアおよびウクライナのがん治療センター19施設で行われた。試験期間は2017年4月~2018年3月で、2019年8月~2020年2月に解析を行った。 対象は、プラチナ併用化学療法後に進行したNSCLC患者55例で、plinabulin(5、10、20mg/m2)群、またはペグフィルグラスチム(6mg)群に無作為に割り付けられた。1サイクルを21日として、全例1日目にドセタキセル75mg/m2を投与し、plinabulinは1日目、ペグフィルグラスチムは2日目に投与し、4サイクル施行した。 主要評価項目は、化学療法第1サイクル中の重度好中球減少症発現日数であった。 主な結果は以下のとおり。・解析対象症例55例の患者背景は、平均年齢は61.3±10.2歳で、38例(69.1%)が男性であった。・plinabulin群では、用量依存的にあらゆるGradeの好中球減少症の発現率が減少した。・重度好中球減少症が発現した平均日数は、plinabulin 20mg/m2群が0.36±0.93日、ペグフィルグラスチム群が0.15±0.38日であり、両群に有意差は認められず(p=0.76)、安全性シグナルは検出されなかった。・第III相試験では、plinabulinの投与量を40mgの固定用量(20mg/m2に相当)とし、重度好中球減少症発現日数の非劣性を主要評価項目、骨痛の軽減、血小板減少の抑制ならびにQOLの維持を副次評価項目として、ペグフィルグラスチム6mgと比較検証する。

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日本のAMLの遺伝子プロファイリング/日本血液学会

 包括的遺伝子解析プロファイル検査FoundationOne Heme(F1H)を用い、急性骨髄性白血病(AML)における関連ゲノム変化の頻度と特徴の評価を目的とした多施設共同研究HM-SCREEN-Japan 01研究の中間解析の結果が、国立がん研究センター東病院の宮本 憲一氏により発表された。FoundationOne Hemeの実用性と有用性が示された 解析対象は標準治療不適の新規診断AML35例、再発/難治AML患者56例、主要評価項目はF1Hを用いたAMLの遺伝子異常の頻度である。 FoundationOne Hemeを用いてAMLのがん関連ゲノム変化を解析した主な結果は以下のとおり。・検体送付から結果受領までの所要時間中央値は15日であった。・新規AML患者のactionable変異(FLT3、IDH1/2、NPM1、RUNX1、KIT、KMT2A)の頻度は49%であった。・再発・難治AML患者のactionable変異の頻度は75%であった。・相関係数0.7を超える遺伝子異常の組み合わせはなかった。 AML治療における包括的遺伝子解析プロファイル検査FoundationOne Hemeの実用性と有用性が、今回の解析で示された、と宮本氏は結んだ。

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糖尿病患者データ管理システム「リブレView」提供開始

 2020年10月29日、アボットジャパン合同会社は、クラウドベースの糖尿病患者データ管理システム「リブレView」を糖尿病患者と医療従事者向けに提供開始したことを発表した。本システムにより、FreeStyleリブレで記録された全グルコースデータを、紙や電子記録でやり取りせずに、安全なクラウドシステムを介して医療従事者と共有可能になる。また、新型コロナウイルス感染症流行下で病院への定期訪問に慎重な患者にも、最新データに基づく患者指導や診療が可能になるという。 本システムを利用するメリットとして、患者側は、FreeStyleリブレのリーダーに記録された全グルコースデータをノートパソコンなどからクラウドベースのリブレViewシステムにアップロードすることにより、印刷して持参する必要がなくなる。医療従事者側は、グルコースデータを経時的に参照することで、患者の健康状態に基づいたより適切な糖尿病管理を支援できる。また、リブレViewで複数患者のグルコースデータの一元管理が可能となり、さらなるモニタリングと支援が必要となり得る患者を優先して治療することが可能となる。 現在、新型コロナウイルスへの感染機会を減らすためにオンライン診療の導入が進んでいる。東京慈恵会医科大学の西村 理明氏は、「今後はデジタルデータを積極的に活用し、医療従事者が患者さんの糖尿病の管理状況についての詳細なデータにアクセスしつつ、オンライン上で糖尿病患者さんへの医学的な指導を行うなど、診療のオプションを増やさざるを得なくなると考えている。リブレViewでは、過去のグルコースデータの測定値について比較・参照することができるため、医療従事者は詳細な情報を把握して、患者さんをより適切にフォローすることが可能になる」と述べている。

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ER+HER-早期乳がんの長期予後予測、治療前18F-FDG PET/CTのSUVmaxが有用/日本治療学会

 乳がんで最も頻度の高いER陽性HER陰性早期乳がんは、10年以上の長期にわたって再発を来すことが知られており、近年は遺伝子検査などによる予後予測が行われている。今回、東京女子医科大学の塚田 弘子氏らによる研究で、治療前18F-FDG PET/CT (以下、PET/CT)での原発巣SUVmax値(maximum standardized uptake values)およびリンパ節転移個数が長期無再発生存期間(RFS)の予測因子であり、原発巣SUVmax値は長期全生存期間(OS)の単独予測因子であることが示唆された。第58回日本治療学会学術集会(10月22~24日)で報告された。SUVmax値が高値を示す腫瘍は増殖速度が高いため再発を来しやすい PET/CTは乳がん診療において2~5年程度の短期予後予測には有用との報告があるが、10年以上のRFSやOSとの相関は示されていない。本研究は、2007年1月~2010年5月に東京女子医科大学病院で治療が開始された原発性乳がんのうちcStage II以下かつER陽性HER陰性浸潤性乳管がん340例を対象とし、患者/腫瘍背景、治療前PET/CTのFDG集積がRFSおよびOSに与える影響をCox回帰比例ハザードモデルで評価した。 主な結果は以下のとおり。・観察期間中央値121ヵ月(16~159ヵ月)、再発は32例(9.4%)、死亡は17例(5.0%)であった。・単変量解析から、RFS予測因子の候補としてBMI、原発巣SUVmax値、浸潤径、pStage、深達度、リンパ管侵襲、核異型度、リンパ節転移個数、術後化学療法の有無が挙がり、OSの予測因子の候補としてBMI、原発巣SUVmax値、pStage、脈管侵襲、核異型度、リンパ節転移個数が挙がった。・多変量解析の結果、RFSについては原発巣SUVmax値(ハザード比[HR]:1.47、95%CI:1.29~1.67、p<0.001)およびリンパ節転移個数(HR:1.30、95%CI:1.06~1.60、p=0.011)が独立した予測因子で、OSについては原発巣SUVmax値(HR:1.38、95%CI:1.18~1.61、p<0.001)が独立した予測因子となった。 塚田氏は、「PET/CTにおけるSUVmax値は腫瘍活動性や増殖能との相関が報告されており、高値を示す腫瘍は増殖速度が高いことから再発を来しやすく、OSにも影響を与えているものと考えられる」とし、さらに本研究の結果から「SUVmax値は5年以降の生存率にも強く関連する」と考察している。

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COVID-19の入院/死亡の新予測アルゴリズムが有望/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による入院と死亡を予測するリスクアルゴリズム「QCOVID」は、良好に機能し識別能は非常に高いことが認められた。英国・Radcliffe Observatory QuarterのAsh K. Clift氏らは、成人COVID-19患者を含む患者データを用いたコホート研究により「QCOVID」を開発し、検証結果を報告した。これまでに論文発表されたCOVID-19のリスク予測モデルは、バイアスリスクが高く、実臨床に適用する際には信頼できない可能性があることが懸念されていた。今回のリスクアルゴリズムについて著者は、「提示された絶対リスクは、SARS-CoV-2感染率やソーシャルディスタンスの取り方などに応じて時間とともに変化する可能性があるので、解釈には注意すべきである」と述べたうえで、「本モデルは、異なる期間で再較正することができ、流行拡大に合わせて動的にアップデートされる可能性がある」としている。BMJ誌2020年10月20日号掲載の報告。英国の608万人のデータからリスクアルゴリズムを開発、217万人で検証 研究グループは、英国のプライマリケア1,205施設のデータベースで、COVID-19検査結果、Hospital Episode Statisticsおよび死亡登録データとも連携しているQResearchを用い、19~100歳の成人608万人を開発コホート、217万人を検証コホートに組み込み解析した。 開発コホートおよび第1期検証コホートは2020年1月24日~4月30日、第2期検証コホートは2020年5月1日~6月30日をそれぞれ試験期間とした。 主要評価項目は、COVID-19(確定または疑い)による死亡までの期間で、2020年1月24日~4月30日にSARS-CoV-2感染が確認された人における死亡診断または死亡発生と定義した。また、副次評価項目は、SARS-CoV-2感染確定による入院までの期間とした。 開発コホートにモデルを適合し、各種予測変数を用いてリスク方程式を導き出し、各検証コホートで識別および較正の性能を評価した。「QCOVID」の識別能および較正能は良好 追跡期間中、COVID-19による死亡は、開発コホートで4,384例、第1期検証コホートで1,722例、第2期検証コホートで621例発生した。最終的なリスクアルゴリズムには、年齢、人種、貧困、BMIおよびさまざまな併存疾患を組み込んだ。 このアルゴリズムは、第1期検証コホートにおいて較正精度は良好であることが示され、男性COVID-19患者の死亡に関して、死亡までの期間の変動の73.1%(95%信頼区間[CI]:71.9~74.3)を説明した。D統計量は3.37(95%CI:3.27~3.47)、Harrell’s Cは0.928(95%CI:0.919~0.938)であった。女性について、また両転帰および両期間においても、同様の結果が得られた。 予測死亡リスクが最上位5%の患者では、97日以内の死亡を特定する感度は75.7%であった。また、予測死亡リスクの上位20%の患者が、COVID-19による全死亡の94%を占めた。

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3mm未満の冠動脈病変へのDCB vs.DES、3年追跡結果/Lancet

 小径の新規冠動脈疾患の治療において、薬剤溶出性ステント(DES)に対する薬剤コーティングバルーン(DCB)の有効性/安全性は3年間維持されていた。スイス・バーゼル大学のRaban V. Jeger氏らが、多施設共同非盲検無作為化非劣性試験「BASKET-SMALL 2試験」の3年追跡結果を報告した。BASKET-SMALL 2試験の主要評価項目である12ヵ月後の主要心血管イベント(MACE)について、DESに対するDCBの非劣性が検証されており、DCBは新規小冠動脈疾患に対する治療として1年までは確立されていたが、1年を超えるデータは乏しかった。Lancet誌オンライン版2020年10月19日号掲載の報告。DCB vs.DES、MACE・全死亡・ステント血栓症・大出血の発生率を3年間追跡 研究グループは2012年4月10日~2017年2月1日に、ドイツ、スイス、オーストリアの14施設において、直径3mm未満の新規冠動脈病変を有し経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の適応となる患者758例を、DCB群(382例)または第2世代DESを留置するDES群(376例)に、1対1の割合で無作為に割り付け、3年間追跡した。抗血小板薬2剤併用療法の投与期間は、状態が安定した患者ではDCB群は術後1ヵ月間、DES群は留置後6ヵ月間とした。ただし急性冠症候群(ACS)患者では12ヵ月間が推奨された。 評価項目は、MACE(心臓死、非致死性心筋梗塞[MI]、標的血管血行再建術[TVR])、全死因死亡、probable/definiteステント血栓症、および大出血(BARC出血基準3~5)であった。最大の解析対象集団について修正intention-to-treat解析が実施された。MACE発生率はDCB群15%、DES群15%、大出血発生率はそれぞれ2%、4% MACE発生率(Kaplan-Meier推定値)は、DCB群およびDES群ともに15%であった(ハザード比[HR]:0.99、95%信頼区間[CI]:0.68~1.45、p=0.95)。MACEの各イベントの発生率(Kaplan-Meier推定値)についても、心臓死はDCB群5%、DES群4%(HR:1.29、95%CI:0.63~2.66、p=0.49)、非致死的MIはともに6%(HR:0.82、95%CI:0.45~1.51、p=0.52)、TVRもともに9%(HR:0.95、95%CI:0.58~1.56、p=0.83)であり、全死因死亡率(Kaplan-Meier推定値)もともに8%(HR:1.05、95%CI:0.62~1.77、p=0.87)で、いずれも同程度であった。 probable/definiteステント血栓症の発生率(Kaplan-Meier推定値)は、DCB群1%、DES群2%(HR:0.33、95%CI:0.07~1.64、p=0.18)、大出血の発生率はそれぞれ2%および4%(HR:0.43、95%CI:0.17~1.13、p=0.088)で、DES群に比べDCB群で低値であったが統計学的な有意差は認められなかった。

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双極性障害患者のラピッドサイクラーと寛解に関連する臨床的特徴

 ラピッドサイクラー(RC)では、双極性障害(BD)の重症度リスクが高まるが、1年後に寛解状態を達成した(one-year euthymia:OYE)患者の予後は良好となる。関西医科大学の加藤 正樹氏らは、精神科クリニックにおけるBDの多施設治療研究(MUSUBI)において、大規模サンプル(2,609例)におけるラピッドサイクラーおよび1年後に寛解状態を達成した患者にある患者の臨床的背景、処方特性について調査を行った。Journal of Psychiatric Research誌オンライン版2020年9月30日号の報告。ラピッドサイクラーの抗精神病薬の処方率は1年後に寛解した患者と比べて多い MUSUBIは、外来クリニック176施設にアンケートを配布し、BD連続症例のカルテをレトロスペクティブに調査した横断的研究である。患者背景、現在のエピソード、臨床的特徴、処方状況に関するデータをアンケートで収集した。OYEの定義は、12ヵ月以上の正常状態とした。 双極性障害患者におけるラピッドサイクラーおよび1年後に寛解状態を達成した患者の臨床的背景などを調査した主な結果は以下のとおり。・現在のラピッドサイクラーの割合は9.7%であり、女性で有意に高かった。・ラピッドサイクラー患者は、非ラピッドサイクラー患者と比較し、発症年齢が若く、機能障害を有し、神経発達障害および身体疾患の合併頻度が高かった。・1年後に寛解状態を達成した患者の割合は19.4%であり、女性、高齢、職業的地位の高さ、自殺念慮、精神症状、人格障害、アルコールまたは薬物乱用の低さと関連が認められた。・気分安定薬は80%以上、抗精神病薬は50%の患者に処方されていた。これらの処方率は、ラピッドサイクラーでより多く、1年後に寛解状態を達成した患者でより少なかった。・抗うつ薬の処方率は、ラピッドサイクラーよりも1年後に寛解状態を達成した患者のほうが低かった。 著者らは「RCとOYEは、相反する特性を有するが、パラメータの詳細に特色が認められた。これら相反する臨床的特徴の背景や特性を理解することは、BDの進行を予測するうえで役立つであろう」としている。

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第二アンジオテンシン変換酵素(ACE2)は、ヒトの運命をつかさどる『X因子』か?(解説:石上友章氏)-1309

 米国・ニューヨークのマクマスター大学のSukrit Narulaらは、PURE(Prospective Urban Rural Epidemiology)試験のサブ解析から、血漿ACE2濃度が心血管疾患の新規バイオマーカーになることを報告した1)。周知のようにACE2は、古典的なレニン・アンジオテンシン系の降圧系のcounterpartとされるkey enzymeである。新型コロナウイルスであるSARS-CoV-2が、標的である肺胞上皮細胞に感染する際に、細胞表面にあるACE2を受容体として、ウイルス表面のスパイクタンパクと結合することが知られている。降って湧いたようなCOVID-19のパンデミックにより、にわかに注目を浴びているACE2であるが、本研究によりますます注目を浴びることになるのではないか。 Narulaらの解析によると、血漿ACE2濃度の上昇は、全死亡、心血管死亡、非心血管死亡と関係している。さらに、心不全、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病の罹患率の上昇にも関係しており、年齢、性別、人種といったtraditional cardiac risk factorとは独立している。ここまで幅広い疾病に独立して関与しているとすると、あたかも人の運命を決定する「X因子」そのものであるかのようで、にわかには信じることができない。COVID-19でも、人種による致命率の差を説明する「X因子」の存在がささやかれていることから、一般人にも話題性が高いだろう。COVID-19とRA系阻害薬、高血圧との関係が取り沙汰されていることで、本研究でも降圧薬使用とACE2濃度との関係について検討されている(Supplementary Figure 1)。幸か不幸か、ACE阻害薬、ARB、β遮断薬、カルシウム拮抗薬、利尿薬のいずれの使用についても、有意差はつかなかった。血漿ACE2濃度は、血漿ACE2活性と同一であるとされるが、肺胞上皮細胞での受容体量との関係は不明である1)。したがって、単純にSARS-CoV-2の感染成立との関係を論ずることはできない。 COVID-19の「X因子」については、本年Gene誌に本邦のYamamotoらが、ACE遺伝子のI(挿入)/D(欠失)多型であるとする論文を発表している2)。欧米人と日本人で、ACE遺伝子多型に人種差があることで、COVID-19の致命率の差を説明できるのではないかと報告している。欧州の集団はアジアの集団よりもACE II遺伝子型頻度が低く、一方、高い有病率とCOVID-19による死亡率を有していた。何を隠そう、ACE遺伝子多型に人種差があることを、初めて報告したのは本稿の筆者である3)。自分の25年前の研究とこのように再会することになるとは、正直不思議な思いである。

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アファチニブの用量調整と有効性:NJLCG1601【肺がんインタビュー】 第53回

第53回 アファチニブの用量調整と有効性:NJLCG1601出演:仙台厚生病院 呼吸器内科 中村 敦氏EGFR変異陽性肺がんにおける低用量アファチニブの第II相NJLCG1601試験の結果がOncologist誌20202年6月19日号に発表された。筆頭著者の仙台厚生病院 呼吸器内科 中村 敦氏に、試験実施にいたる背景や試験結果について聞いた。Atsushi Nakamura,et al. Phase II Study of Low-Dose Afatinib Maintenance Treatment Among Patients with EGFR-Mutated Non-Small Cell Lung Cancer: North Japan Lung Cancer Study Group Trial 1601 (NJLCG1601) Oncologist. 2020 Jun 19. [Epub ahead of print]

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「育ちの良さ」を手に入れる【Dr. 中島の 新・徒然草】(347)

三百四十七の段 「育ちの良さ」を手に入れる寒くなりました。まだ10月だというのにもうストーブを使っています。さて、今回は「育ちの良さ」についてのお話。中田敦彦のYouTube大学で紹介されていました。「『育ちがいい人』だけが知っていること」というタイトルの本の内容です。ズバリ!中田によれば、「育ちの良さ」は入手可能なのだとか。ちょっと待った。大人になってからではどうにもならないのが「育ちの良さ」じゃないのか?そう思うのが普通です。親が厳しく、幼い頃からちゃんとした行儀作法を教えられる。それが「育ちの良さ」であり、今さら過去を変えることはできません。しかし、考えてもみてください。「育ちの良さ」というのは、決して本人が主張するものではありません。周囲の人が漠然と感じるものです。ということは、本当に育ちが良いかどうかはどちらでもいいわけです。周囲に「あの人は育ちがいい」と思わせること、これが大切。というわけで、中田がこの本からいくつかのテクニックを紹介しています。まず、育ちの良い人は素直だ、ということ。こりゃまあ、経験上、そうですよね。人の話を最後まで聞かずに否定しにかかる。物事の裏を読もうとする。なんでも他人のせいにする。このような人は決して育ちがいいとは思ってもらえません。次に、玄関で靴を脱ぐときは、しゃがんで揃えるということ。玄関ばかりでなく、他にも靴を脱いであがる場所というのは色々あります。そんなときに後ろ向きに靴を脱いであとずさりしながら上がるのはみっともない。前向きに脱いで上がってから、しゃがんで靴を揃えるのがいいそうです。確かにそのとおり。この「靴を揃える」という動作の美しさが、相手に「育ちの良さ」を感じさせるのです。似たようなことを「懲役太郎」も言ってました。以前に本欄で触れた別のユーチューバーです。その筋の人たちの寄り合いで靴を脱いだときに、すかさず揃えることのできない奴はダメだ、と。「この程度か。組の躾はどうなっているんだ」他の人にそう言われ、本人が軽くみられるばかりか、親分にまで恥をかかせてしまいます。ということで、靴を揃える、というのがあの人たちの修行のイロハだとか。期せずして、育ちの良い人も裏稼業の人も、力の入れどころが一致してしまいました。それはそうとして、結局のところ、育ちの良さは所作と言葉遣いに集約されます。ですから、実際の育ちはどうであれ、本人の意識ひとつで体得できるスキルに違いありません。他にも多くのテクニックがYouTube大学では紹介されていました。食事のマナーだとか、表情だとか、会釈の仕方だとか。要するに立ち居振る舞い全般ですね。あまりにも目からウロコなので、思わずこの本を買ってしまいました。Kindleで税込1,247円!たった1,000円余りで育ちの良さが手に入るのなら安いもの。もっともアマゾンのレビューは必ずしも高評価ばかりではありません。面白いことに星1つから星5つまでの評価が満遍なくあります。特に低評価をつけている人からは散々な言われよう。育ち、という本人に変えられないものを題にするな内容が薄っぺら過ぎマナーを使ってマウントを取られているよう単なるマナー本なのでタイトルが過大だなどなど。確かに「『育ちがいい人』だけが知っていること」というタイトルは中身とズレているように思います。本の内容からタイトルを考えるなら、「育ちの良さ」はスキルだ「育ちの良さ」を手に入れようといったところでしょうか。とはいえ、役立つ本であることには間違いありません。私も靴を脱いだら揃えることから始めております。ということで最後に1句靴脱いで 足に感じる 冷気かな

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離島に代診で行ってみた その2【空手家心臓外科医、ドイツ武者修行の旅】第20回

前回から引き続き、代診のお手伝いに行ってきた甑(こしき)島のお話をしたいと思います。心臓外科も空手も関係ない世界のお話ではありますが…。2020年も大きな台風がたくさん発生しましたが、幸い本州を直撃したものはありませんでした。しかし、中でも最大級だった台風10号は、狙いすました様に九州西側に位置する甑島を直撃しました。ちょうど甑島へ行く1週間前のことだったので、「まさか診療所、吹っ飛んだりしていないよな…?」と不安になったりもしました。実際に島に着いて散策をしていると、写真のように痛々しい傷跡があちこちに認められ、台風の威力を物語っていました。直接的な人的被害はほとんどなかったそうですが…何ぶん高齢化の進んでいる地域ですので、住民たちが自力で補修作業に当たらなければならないことも多くあります。その結果、腰痛が発生したり、屋根から落っこちたり…副次的な影響が沢山出てきていました。では、すっかり島は落ち込んだ空気かと言うと、そういうことはなかったです。台風直後のとある土曜日に、集落にある小学校で運動会が開かれました。小学生だけだと人数が少ないので、中学生と合同で行われていました。と言いますか、それでも人数が足りていないので、何かしらのチームを作って、大人も参加したりします。お婆さんが大漁旗を振って応援していたり、予想外の盛り上がりをみせていました。診療所からも、地域研修で島に来ていた研修医を中心としたチームで出場しました。平均年齢は若かったのですが、4チームで走って2位と、残念な結果に終わりました。その後、夜は(一人で)焼肉屋に行ったのですが、周りは運動会後の反省会をしている家族ばかりでした。「何で、あそこで諦めたんだ!」とか、「お前、勉強もできないのに運動でも負けてどうすんだ!」とか、あちらこちらから辛辣な言葉が飛び交っていましたが、まあ子供たちは適当に親の言うことを聞き流している様子だったので、問題ないんだろうな~と思いました。台風の傷痕が完全に癒えるには、まだまだ時間が必要だと思うのですが、悲観的な空気を感じることはほとんどありませんでした。今後も大きな事故が起きることなく、元の状態に戻っていけるように祈っております。

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第30回 9割がCOI開示不十分、女性医師の冷遇!?論文化された「製薬マネー」の現状

皮膚科領域の医薬品市場の規模は年間2,000億円超にのぼる上、生物学的製剤が相次いで開発されるなど、製薬企業からの注目が高い診療科となっている。そのような中、「製薬マネー」の実態を検証している東北大学や仙台厚生病院、南相馬市立総合病院の研究チームが、日本皮膚科学会の診療ガイドラインの著者へ支払われた製薬企業の謝金を調査したところ、269人の医師に対し、2年間で計7億8、900万円にのぼる支払いが行われ、うち9割は利益相反の開示が不十分だった上、謝金の金額に統計学的な男女差が見られ、図らずも女性医師の相対的な地位の低さまで露呈する結果が明らかとなった。この研究結果の論文は、10月13日付でPLOS ONE誌に掲載された1)。研究チームは、日本皮膚科学会が2015~18年に発行した32の診療ガイドラインについて、計296人の著者を対象に、2016~17年度に製薬企業から支払われた謝金(講師料、原稿執筆料、コンサルティング料など)を、日本製薬工業協会のガイドラインを遵守する79社の各ホームページなどから収集、解析した。主な研究結果は以下の通りである。296人のうち、269人(90.6%)が謝金などを受け取っていた。2年間の総額は7億8,900万円で、1人当たりの平均額は300万円だった。このうち13人は、1,000万円以上の謝金を受け取っていた。男性医師は、女性医師よりも統計学的に高い謝金を受領していた。皮膚科は比較的ワークライフバランスが取りやすく、男女比はほぼ同じで、他科と比べても突出して女性医師が多い。にもかかわらず女性医師の受領金額が低かったことは、男性医師の相対的な地位の高さ、影響力の強さを反映しており、医療界における女性医師の地位の低さを表している。90%以上の診療ガイドラインで利益相反の開示が十分に行われていなかった。診療ガイドラインの著者という立場を考えれば、現在の利益相反申告・公開方法では不十分で、より強固なルール作成が必要である。具体的には、米国皮膚科学会や米国泌尿器科学会と同様に、(1)いかなる金額であっても利益相反の申告を行うこと(2)製薬企業からの支払いがあった著者数を50%以下にすること(3)利益相反申告の正確性を確認できる公的な製薬マネーデータベースの作成・活用―などが求められる。最多の謝金を支払っていたのは、マルホ(約1億5,000万円)で、次いで田辺三菱製薬(約7,200万円)、大鵬薬品工業(約5,300万円)だった。これらの製薬企業は近年、皮膚科領域で高価な生物学的製剤を販売しており、販売を促進するために診療ガイドラインの著者とのつながりを求めたことが合理的と考えられる。コロナ禍で、ボーナスや給与がカットされている医療従事者が多くいることはすでに報じられている通り。広く社会を見渡せば、安定した給与云々という以前の、未曾有の経済苦にあえぐ人々も少なくない。誠実な仕事を不透明な金で汚すようなことをしていては、世の中の不安や不満が高まっている今、後のしっぺ返しが恐ろしい。参考1)Murayama A, et al. PloS one. 2020 Oct 13.

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女性のうつ病と肥満、食糧不安との関連

 栄養精神医学は、新たな研究分野として注目されており、脳機能や精神疾患に対する栄養摂取および肥満の影響について調査が行われている。これまでの研究では、女性の肥満や栄養摂取とうつ病との関連が示唆されている。しかし、この関連に食糧不安がどのように影響しているかは、よくわかっていない。米国・イーストテネシー州立大学のManik Ahuja氏らは、女性のうつ病と肥満や食糧不安との関連について調査を行った。Archives of Public Health誌2020年9月17日号の報告。 2001~03年の精神疾患疫学共同調査(Collaborative Psychiatric Epidemiology Surveys:CPES)のデータを用いて検討を行った。肥満、性別、食糧不安と過去1年間のうつ病との関連を調査するため、ロジスティック回帰モデルを用いた。次に、性別で層別化した後、肥満と過去1年間のうつ病との関連に対する食糧不安の影響について調査した。 主な結果は以下のとおり。・女性における肥満は、過去1年間のうつ病リスク増加と関連していた(AOR:1.35、95%CI:1.17~1.55)。一方、男性ではこの関連は認められなかった(AOR:1.07、95%CI:0.86~1.32)。・肥満と食糧不安の両方を報告した女性(AOR:3.16、95%CI:2.36~4.21)では、食糧不安を報告しなかった女性(AOR:1.08、95%CI:1.02~1.38)よりも、過去1年間のうつ病エピソードのオッズ比が高かった。 著者らは「メンタルヘルスの問題を抱える人が増加している現在、女性のメンタルヘルスに影響を及ぼす可能性のある貧しい食生活、食糧不安、肥満について、注意深くモニタリングする必要がある。臨床医および治療提供者が評価を行う際には、患者の食事と栄養価の高い食品摂取を考慮することが推奨される」としている。

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普段から気を付けたい身体診察のうっかり/日本感染症学会

 第94回日本感染症学会総会・学術講演会(会長:館田 一博氏[東邦大学医学部 教授])が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行下、8月19日~21日の期日でインターネット配信との併用で東京にて開催された。 本稿では、特別企画「感染症を究める」より徳田 安春氏(群星沖縄臨床研修センター長)の「診察」の概要をお届けする。時にリスクとなる抗菌薬 「感染症です」と外来に訪れる患者はいない。その多くは「熱っぽい、だるい、寒気がする」などの訴えから医師が知識と経験を通じて総合的に診断をする。徳田氏の講演では、こうした診断の際に忘れがちなポイントや見落としやすい身体部位などについて症例を交え、レクチャーを行った。以下にレクチャーされた症例を抜粋して紹介する。 はじめに2つの表情の画像を並べ顔貌から読み取れる身体の不調を示し、“General appearance”から患者の全身状態を診る重要性を指摘した。 症例(1)では97歳・男性について、高齢者の無熱性肺炎について述べた。患者は平熱が35.4度で、診察時36.9度。主訴は「3日前からせきと痰」で、最終的に肺炎と診断された。高齢者の風邪診断では、患者の平熱のベースラインが異なるので、バイタル表では本人のベースライン体温にプラス1度の赤線を引くことで背後のリスクに気付くことができると説明した。 症例(2)では50歳・女性について、尿路感染症治療後に、バレーボールで左足首を痛め受診した。トンプソン検査は陽性で「アキレス腱断裂」と診断されたが、原因はバレーボールだけではなく、実は感染症治療で処方されたシプロフロキサシンに関連したアキレス腱断裂だったという症例を紹介した。フルオロキノロン系抗菌薬はよく使用される抗菌薬だが、もともと日本人では大動脈解離の発症頻度も多く、高用量、長期間の使用では注意が必要だと促した。 症例(3)では45歳・男性について、草野球で外傷性開放骨折を負い、術後7日後に急激な血圧低下により紹介された症例。患者の身体所見は「腫脹、発赤、発熱、圧痛」があり、びまん性に全身性の発赤があった。当初、手術部位感染(SSI)疑いで診療されたが、全身の発赤などからトキシクショック症候群(TSS)の合併もあると診断された。こうしたショックを伴う感染症について、「『急激に起こるショック』の感染症」(皮疹ないことあり)を示し、外来で想起できるように注意を促した。・「急激に起こるショック」の感染症」 “SMARTTT”S:SepsisM:MeningococcemiaA:Acute endocarditisR:RickettsiaT:Toxic shock syndromeT:Toxic epidermal necrolysis T:Travel-related infection普段診ない部位の身体所見は診断のカギになる 症例(4)では30歳代女性について、発熱、意識障害、肺炎、X線所見を提示し、髄膜刺激徴候、後部硬直があるという症例を説明した。身体診察でのケルニッヒ徴候検査の重要性を示し、普段の診療から診察し、経験を重ねておく大切さを伝えた。なお、この患者は、以前に交通外傷で脾摘後であり、髄液検査により肺炎球菌による髄膜炎の診断となった。 症例(5)では40歳代男性について、主訴として、咽頭痛、発熱、嚥下痛、よだれのほか喘息様の呼吸音があり、上気道の狭窄病変を示唆する所見があった例を提示した。患者の状態から挿管となったが、その際の注意点として上気道閉塞を塞がないために仰臥位にせず、座位で診察と挿管を施行するケースもあること、体位によっては、手技が患者にとって大きなリスクになることを説明した。患者はその後の診断で後咽頭腫瘍に伴う壊死性縦隔炎と診断され、手術対応となった。また、「咽頭痛で見逃してはいけない疾患」として次の5つの疾患を掲げ、生命予後に係わる疾患もあるので覚えておいてほしいと注意を促した。1 急性咽頭蓋炎2 後咽頭腫瘍3 扁桃周囲腫瘍4 レミエール症候群(内頸静脈の血栓性静脈炎)5 Ludwig angina(口腔底蜂窩織炎)6 無顆粒球症 症例(6)では20歳代男性について、主訴に2週間にわたる発熱、咳嗽、労作時の息苦しさなどがあった。口腔内のカンジタ所見から性生活歴を聴取し、男性同性愛者であることが判明した。諸検査によって、AIDSによるニューモスチス肺炎と口腔カンジタ症と診断し、ただちにST合剤とステロイド療法で呼吸状態は改善したという。患者の社会的背景の聴取の重要性も診断の一助となると指摘した。 症例(7)では60歳・男性について、3週間前から寝汗、AR雑音があり、爪下線状出血に加えオスラー結節とJaneway紅斑が足の裏にあり、眼底ではRoth斑が観察された。心エコーで疣贅を確認し、血液培養で腸球菌が検出されて感染性心内膜炎の診断がなされた。診断での目印の1つは「寝汗」であり、また、普段なかなか診ることのない足の裏の所見を診ることも大切だと説明した。

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尿失禁への骨盤底筋トレーニング、筋電図バイオフィードバック併用は?/BMJ

 緊張性・混合性尿失禁の女性に対する、骨盤底筋トレーニング(PFMT)への筋電図バイオフィードバックの併用は、24ヵ月後の尿失禁重症度の改善に対し効果が認められるというエビデンスはないことが示された。英国・Glasgow Caledonian UniversityのSuzanne Hagen氏らが、600例を対象に行った並行群間比較無作為化試験の結果明らかにしたもので、BMJ誌2020年10月14日号で発表した。これまでにコクランレビューでは併用の有益性が示される一方、メタ解析では有益性は認められないとの結果が示され、その後の2件の小規模単施設試験では治療直後の評価では有益性が認められるなどの報告が寄せられていた。今回の大規模試験の結果を踏まえて著者は、「PFMTへの筋電図バイオフィードバックのルーチンの実施は推奨すべきではない。PFMTの効果を最大化する他の方法を検討すべきだ」とまとめている。自宅でもPFMTと筋電図バイオフィードバックを使用 研究グループは2014年2月~2016年7月に、緊張性または混合性尿失禁を新たに発症した、18歳以上の女性600例を対象に試験を行った。 被験者を2群(各群300例)に分け、一方にはPFMT+筋電図バイオフィードバックを(筋電図バイオフィードバック群)、もう一方にはPFMTのみ(対照群)を行った。 両群ともに、16週間で6回の失禁療法士(continence therapist)との対面療法を行った。筋電図バイオフィードバック群には、指導管理を伴うPFMTと自宅で行うPFMTに加え、筋電図バイオフィードバックを診察時と自宅で行った。対照群では、指導管理PFMTと自宅PFMTのみを行った。PFMTプログラムは、診察を重ねながら進行した。 主要アウトカムは、24ヵ月後の自己申告による尿失禁重症度で、国際尿失禁評価質問票簡易版「ICIQ-UI SF」(0~21)で評価した。副次アウトカムは、完治または改善、その他の骨盤底筋症状、質調整生存年などだった。24ヵ月後の重症度、両群で同等 24ヵ月後のICIQ-UI SFスコア平均値は、筋電図バイオフィードバック群8.2、対照群8.5で有意差はみられなかった(平均群間差:-0.09、95%信頼区間[CI]:-0.92~0.75、p=0.84)。 筋電図バイオフィードバック群は、介入費用(平均群間差:121ポンド[154ドル、133ユーロ]、95%CI:-409~651、p=0.64)、質調整生存年(-0.04、-0.12~0.04、p=0.28)のいずれも両群で同等だった。 48例が有害事象を報告。そのうち23例が治療に関連したもしくは関連していた可能性があるものだった。(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)専門家はこう見る:CLEAR!ジャーナル四天王筋電図バイオフィードバックは女性尿失禁に対する骨盤底筋訓練に有効なのか?:多施設共同研究(解説:宮嶋 哲 氏)-1313 コメンテーター : 宮嶋 哲( みやじま あきら ) 氏東海大学医学部外科学系泌尿器科学 主任教授

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