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新型コロナ流行時、新生児集中治療が減少/日本の大規模診療データ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行時、わが国の新生児集中治療の入室日数および早産の件数が減少傾向にあったことがわかった。国立成育医療研究センターの前田 裕斗氏らの共同研究チームが、メディカル・データ・ビジョンの保有する大規模診療データベースを用いて分析した結果を報告した。Archives of disease in childhood-Fetal and neonatal edition誌オンライン版2020年11月23日号に掲載された。 当初、COVID-19流行により妊婦の心身ストレスが増加し、周産期疾病や新生児集中治療の件数が増えると懸念されていた。しかし、海外ではむしろ極低出生体重児(出生体重 1,500g未満)が減少しているとの報告もあり、日本でも同様の結果を示すかどうか、全国186のDPC病院を対象に分析した。 2020年の第2~9週(1月6日に始まる週から、政府がCOVID-19への基本方針を策定した2月25日から始まる週まで)と2020年の第10~17週(3月2日に始まる週から、政府が緊急事態宣言を全都道府県に拡大した4月16日を含む4月13日に始まる週まで)のNICU(新生児特定集中治療室)、GCU(回復治療室)の各入室日数、および早産(妊娠34~37週および34週以前)を年・月のトレンドを調整し比較することで、 COVID-19流行第1波期間中の変化を分析した。 その結果、NICU入室日数は2020年第2~9週目から2020年第10~17週目で24%減少(95%CI:11~35%)、GCU入室日数は29%減少(同:25~34%)した。病棟の閉鎖や利用控えなども理由として考えられるが、妊娠34週未満の早産は29%(同:0~50%)、34~37週の早産は15%(同:2~26%)減少しており、少なくとも新生児集中治療を要するような新生児の数が減ったことも一因として示唆される。 責任著者である東京大学の宮脇 敦士氏は、「今後、なぜこのような減少が見られたのか、さらなる研究が期待される」と述べている。

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プラスグレル治療におけるde-escalation?(解説:上田恭敬氏)-1319

 韓国の35病院において、PCIを施行したACS患者2,338例を対象として、1ヵ月間の標準療法(プラスグレル10mgとアスピリン100mg)後に、標準療法を続ける群とde-escalation群(プラスグレル5mgとアスピリン100mg)に無作為に割り付けを行い、1年間の予後を比較した試験の結果が報告された。主要エンドポイントは全死亡、心筋梗塞、ステント血栓症、再血行再建術、脳卒中、BARC grade2以上の出血イベントの複合エンドポイントである。75歳以上、体重60kg未満、あるいは一過性脳虚血発作・脳卒中の既往がある人は除外されている。 結果としては、標準治療群に比してde-escalation群の非劣性が示され、さらに主要エンドポイントを有意に低下させたことが示された(HR:0.70[95%CI:0.52~0.92]、p=0.012)。内訳としては、出血性イベントを有意に低下させた(HR:0.48[0.32~0.73]、p=0.0007)が、虚血性イベントの有意な増加は認めなかった(HR:0.76[0.40~1.45]、p=0.40)。 この論文で議論されているのは、「虚血性イベントのリスクはACS発症あるいはPCI直後には高く次第に低下してくるのに対して、出血性イベントのリスクは同様に継続することから、虚血性イベントのリスクが低下すると考えられる1ヵ月後にde-escalationすることに意義がある」ということである。次に、「de-escalationの方法には、投与量を減らす方法とクロピドグレルのような効果の弱い薬剤へ変更する方法があるが、投与量を減らす方法を検討したのは本試験が初めて」としている。また、本試験が、出血性イベントが多く虚血性イベントが少ない「east Asian population」で行われたことも、このような結果が得られた背景として指摘している。 ここで、日本人として注意すべきことがある。まず、日本におけるプラスグレルの標準投与量は3.75mgであり、この試験の結果は適用できない。そもそも同じ「east Asian population」である韓国と日本で異なった標準投与量が承認されていることに対して疑問がある。韓国が欧米の標準投与量をそのまま採用したのに対して、日本はPRASFIT-ACSという独自の試験によって、プラスグレル3.75mgが従来のクロピドグレル治療よりも虚血性イベントを低下させるが、出血性イベントを増やさないことを確認して、標準投与量として承認している。この結果は、「CYP2C19 loss-of-function alleles」を持つ人が多い「east Asian population」では、そのためにクロピドグレルの効果が不十分となるのに対して、プラスグレルではこの遺伝子多型に依存せずに十分な効果が得られることに起因すると考えられている。すなわち、クロピドグレルの効果を十分に得られていた人においては、同等の効果が得られるようにプラスグレルの投与量が決められているため、出血性イベントが有意に増加しなかったと考えられる。そのため、日本においてプラスグレル3.75mgをクロピドグレルへ変更することは、一部の遺伝子多型の人を効果不十分にするだけで「de-escalation」とは言えない。プラスグレルを3.75mgよりもさらに低用量にすることにメリットがあるかどうかはわからないが、今回報告されている5mgは、同じ「east Asian population」である韓国において、まだ多すぎるのではないだろうか。 話は変わるが、本試験の結果がLancet誌に採択されたのは、国際標準投与量をベースとして減量を検討したことと、1ヵ月以後虚血性イベントのリスクが減るだろうという仮説に沿った結果を示したことが要因と推測する。その点において本試験の結果は、欧米にもある程度適用可能であるからである。もし、プラスグレル3.75mgをベースとした大規模な試験が行われても、その結果がLancet誌に採択されるかどうか、国際的公平性の観点から気になるところである。

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血圧高めの低リスク青壮年者に降圧治療が必要か?(解説:有馬久富氏)-1320

 18~45歳の青壮年者においても、血圧上昇が脳心血管病をわずかに増大させるとする観察研究のメタ解析の結果がBMJ誌に報告された1)。論文の中では古い血圧分類が用いられているが、120/80mmHg未満に対して、120~129/80~84mmHgにおいて1.19倍、130~139/85~89mmHgにおいて1.35倍、140~159/90~99mmHgのI度高血圧において1.92倍、160/100mmHg以上のII~III度高血圧において3.15倍脳心血管病のリスクが上昇していた。しかし、絶対リスクが低いため、1例の脳心血管病を予防するために降圧治療しなくてはならない人数(number needed to treat:NNT)の推定値は、120~129/80~84mmHgにおいて2,672人、130~139/85~89mmHgにおいて1,450人、I度高血圧において552人、II~III度高血圧において236人と、高リスク者を治療する場合に比べて非常に大きかった。つまり、低リスク者において1例の脳心血管病を予防するために必要な医療費(薬剤費)は、高リスク者のそれよりも非常に高額になる(つまり費用対効果が悪い)ことがわかる。 社会全体でみると、高リスク者を優先して治療していく(つまり低リスク者の治療を後回しにする)ことにより、限られた資源(医療費など)の中で効率よく脳心血管病を予防していくことが可能となる2)。一方、個人の立場に立つと、血圧が高めの低リスク者であっても、正常血圧の同年代の方に比べると脳心血管リスクが高いわけであるから、高リスク者と同じように降圧治療を受けたいと考える方も多いであろう。 『高血圧治療ガイドライン2019』3)では、高リスクの高値血圧(130~139/80~89mmHg)において非薬物療法で十分な効果が得られない場合に薬物療法を推奨する一方、低・中等リスクにおける薬物療法は推奨していない。これらの推奨の背景にも、限られた資源の中で効率よく脳心血管病を予防したいという考えがある。 SPRINT試験4)の結果発表後、降圧目標が徐々に引き下げられつつある現在、低リスク者についてどこまで薬物療法の適応を広げるかについては、費用対効果などを考えながら社会全体で議論していく必要があろう。

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EGFR陽性肺がんに対するオシメルチニブのアジュバント:ADAURA study【肺がんインタビュー】 第55回

第55回 EGFR陽性肺がんに対するオシメルチニブのアジュバント:ADAURA study出演:国立がん研究センター東病院 呼吸器外科 坪井 正博氏局所進行EGFR変異陽性非小細胞肺がんに対するオシメルチニブのアジュバント第III相ADAURA study。Co-PI坪井正博氏にESMO2020での発表を再現いただいた。Yi-Long Wu, et al. Osimertinib in Resected EGFR-Mutated Non-Small-Cell Lung Cancer.383:1711-1723.

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約束のネバーランド【Dr. 中島の 新・徒然草】(351)

三百五十一の段 約束のネバーランドだんだん日が短くなってきました。朝、6時頃に家を出るときはまだ暗いです。はたして今年の冬は暖かいのか厳しいのか、気になるところ。さて、90年代半ばの米国在住時代、研究室の同僚アメリカ人からいきなり尋ねられました。同僚「シン、日本のアニメの『ネゾーココ』を知ってるか?」中島「なにそれ、知らんなあ」同僚「日本ではあまり知られていないのかな? 『ネゾーココ』じゃないか!」中島「ああ、『めぞん一刻』か! 知ってる、知ってる」なんとまあ、あの高橋留美子の『めぞん一刻』のことでした。冴えない大学生の五代くんとアパート管理人の音無響子さんの物語はあまりにも有名。それにしても、なんでアメリカ人がそんなマニアックな漫画のことを?同僚「実はコーネル大学で、『ジャパニーズ・アニメーション研究会』に入ってたんだ」中島「ジャパニーズ・アニメーション研究会?」同僚「ああ、週末になると皆で集まってジャパニーズ・アニメーションを鑑賞するわけ」中島「でも言葉はどうすんの。日本語なんかわからんでしょう」同僚「英語吹き替えのあるのとか、英語字幕のあるヤツは沢山あるし、それもなかったら画面にあわせて弁士がスクリプトを読むわけよ」中島「そこまでしてジャパニーズ・アニメーションを見るか。信じられんなあ」同僚「僕は『宇宙戦艦ヤマト』がお気に入りだね」し、渋すぎる。中島「おおヤマトか! じゃあ、どの場面が印象に残っているか言ってみろ」同僚「そりゃあれよ、沖田艦長の『地球か、何もかも懐かしい』だな」中島「あんた……本物だ!」というわけで、彼とはあらゆる漫画の名場面を語り合って盛り上がりました。この時ばかりは、言葉の壁がどこかに吹っ飛んでしまった記憶があります。さて、時は流れて平成から令和。相変わらず日本では名作漫画が生まれています。でも、私にとって必ずしもベストセラーが面白いとは限りません。『ONE PIECE』も『鬼滅の刃』も残念ながら1巻で挫折してしまいました。人間関係と同じで、相性があるんでしょうね。そんな中、ついに出会ったのが『約束のネバーランド』。今まで知らなかったけど、こちらもベストセラー。いわゆるダーク・ファンタジーに分類される恐ろしい物語。でも絵が可愛い。だけど話が怖い。ちょっとだけストーリーを紹介します。時は西暦2045年頃、舞台はグレース=フィールド ハウスという名の孤児院。やさしいママのもとで何一つ不自由なく暮らす38人の子供たち。ただ一つ変わっているのは、毎日学力テストが課せられること。そんな中でノーマン、エマ、レイの3人は満点をとり続けます。ところがこの3人、ひょんなことから孤児院の秘密を知ってしまいました。そこから一気に子供たちに襲いかかる試練、というより災厄!3人をはじめとした孤児院の子供たちは、知恵を振り絞って切り抜けていく。つい物語に感情移入してしまい、毎晩、布団の中で震えながら少しずつ読んでおります。やはり面白いのは主人公のエマ。「AかBか選べ」と言われたら「どっちも選ぶ!」と決してあきらめません。また、自分たち3人だけが助かることをよしとせず、無謀にも孤児院のこどもたち全員を助けようとします。この辺が従来の少年漫画にはあまりみられない新キャラクター。少年ジャンプのスローガンである「友情、努力、勝利」という路線を踏襲しながらも、それ以上に家族愛を謳っているところから考えると、性別を公表していない原作者の白井カイウ氏は女性ではないかと思います。『鬼滅の刃』も作者は女性だろうという噂があるので、これからは女性作者による少年漫画というのが新しい境地を拓いていくのかもしれません。それはさておき、私のジワジワ読書も徐々に中盤から終盤に差し掛かってきました。先に読んだ人によれば、すべての謎が解き明かされ、驚きと感動の最終回を迎えるのだとか。果たしてどんな最終回なのか。あまり期待しすぎると期待を裏切られるかも。でも、ガッカリするのもまた一興。最後に1句寒き夜 布団に隠れて ホラー読む

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間食がなかなかやめられない患者さん【Dr. 坂根の糖尿病外来NGワード】第38回

■外来NGワード「間食をやめなさい!」(できたら苦労しない)「お菓子を買わないようにしなさい!」(わかっているけどできない)「もう一生分のお菓子は食べたでしょ!」(非論理的)■解説 血糖コントロール不良の原因が明らかに間食のし過ぎにもかかわらず、なかなかやめられない患者さんがいます。そういった患者さんに「間食をやめなさい!」「お菓子を買わないようにしなさい!」と一方的に伝えても、行動に移してくれないでしょう。食べることが好きな患者さんは、目の前に食べ物があると、つい手が出てしまいます。そして、一度食べ始めるとなくなるまで食べてしまいます。つまり、そもそもの“食べたくなる刺激”を減らすことが大切なのです。これを「刺激統制法」といいます。しかし、「食べ物を目に付かないところに置きなさい!」と指導したところで、患者さんは自分で置いた場所を覚えています。ただ隠してもらうだけでなく、たとえば戸棚の奥、高い場所、ガムテープ張りの開けにくい箱の中にしまって、「1つまで!」と張り紙をするなど、食べることに困難を加える工夫が必要です。さらに、本当に食べたいのかを自問自答してもらうことも大切です。刺激統制法に認知の再構成を組み合わせることで、間食の機会が減らせるとよいですね。 ■患者さんとの会話でロールプレイ医師最近、間食はしていますか?患者なるべく控えるようにと思いながら、実際はなかなか…。医師そうですか。では、どんな工夫をされていますか?患者低カロリーの食品を選ぶようにしたり、小袋のお菓子を買うようにしたりしています。医師なるほど。いろいろ工夫されていますね。けど、結局食べちゃう…と。患者そうなんです。あると食べちゃうんですよね。医師ものは考えようですが、空腹感は脂肪が燃え始めている証拠ですよ。患者えっ、そうなんですか?医師はい。なので、少しおなかが空いてきたタイミングがダイエットの分かれ道です。そこで、自問自答してみてください。患者自問自答…?医師たとえば、おなかを少しつまんでみて、「今、本当に食べたいか」を自分に問い掛けるんです。食べたら、つまんだ脂肪は減らずに、さらに増えるんじゃないでしょうか…。患者なるほど、それは効果がありそうです。頑張ってやってみます。(うれしそうな顔)■医師へのお勧めの言葉「空腹感は脂肪が燃え始めた証拠です。食べる前におなかをつまんでみて、本当に食べたいかどうかを自問自答してみてもいいかもしれませんね」

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第34回 まさかの激高!?ノーベル賞候補者のプライドを刺激した1通の文書

研究目的で生体試料を保管する「バイオバンク」を巡り、医療人の間でバトルが展開されている。一方の当事者は、中村 祐輔氏(がん研究会がんプレシジョン医療研究センター所長)。ノーベル賞の有力候補として名前が挙がった人物だ。そしてもう一方は、木下 賢吾氏(東北大学大学院教授)である。事の発端は、木下氏が東京大学医科学研究所バイオバンク・ジャパンに宛てて送った1通の文書だった。(略)コホートの種類の数だけ同意書が存在するように、DAC(データ利活用委員会)もコホートの数だけ存在すると考えて良い状態であり、例えばToMMo(東北大学東北メディカル・メガバンク機構)では試料情報分譲審査委員会がDACであり、J-MICC(日本多施設共同コホート研究)では運営委員会、BBJ(東京大学医科学研究所バイオバンク・ジャパン)では試料等利用審査会などがある。そのため、利用者がデータを利用する際には、各コホート・バイオバンクの定める手続きに従ってそれぞれのDACで可否判断を受ける必要があり、大きな利活用推進の一つの足かせになっているつまり木下氏は、自らが所属する東北大学をはじめ、さまざまな大学に設置されているバイオバンクへのデータアクセスには、個々のDACに諮る必要があり、多施設共同の横断的な研究や解析の妨げになっていることを問題提起したようだ。これに対し中村氏は、10月31日付のブログで猛反論を展開した。東京大学医科学研究所にバイオバンク・ジャパンのデータアクセスを批判する文章が私の手元に届いた。2020年の基準で、2002年に計画したバイオバンクのデータアクセス権を批判するなど、アホ以外の何物でもない。2002年、バイオバンク・ジャパン計画を作成したのは私だ。(略)木下君、ユーチューブの前で対談をセットするのではっきりと何が問題なのか、公開で議論をしようではないか!その時に私は合わせて約100報のNature、Nature Genetics、Nature Communication論文を含めた約300論文を持参していく。その実績も含めジックリと東北メディカル・メガバンク機構の実績と展望、東大のバイオバンク・ジャパンの実績と展望を話ししたい。発表した300の論文を利用すれば、その気になれば、産業応用はいくらでもできる。東北メディカル・メガバンク機構には、相関解析ができるほどの症例数が揃っているのかどうかも明確にしてほしい。また、東北大学バンクに参加している人たちから何の審査もなく、自由に利用してもらっていいというインフォームドコンセントを取っているのかどうかも確認したいものだ。事実に基づかない陰口ではなく、事実を示したうえで、バイオバンク・ジャパンのどこに問題があるのか、どこが東北で優れているのか、公開で議論しよう書きぶりからも相当な怒り具合が伝わってくるが、よくよく読んでみると、バイオバンクの利活用のあり方から、なぜか東北大対東大の構図に論点がすり替わっている。中村氏は大阪大学医学部卒だが、東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター長・教授を務め、東大名誉教授でもあるためか、BBJに思い入れがあるのだろう。ブログの見出しも「受けて立とうバイオバンク・ジャパンへの批判;出てこい東北大学」である。第三者からすると、感情的過ぎて違和感がある。中村氏を知る人は、彼について「批判に対して感情的に反応しやすい性格」と評す。このやりとりを心配した関係者が、両者の仲介を買って出る動きもあり、週刊誌もゴシップ的な関心を寄せているようだ。しかし、こんなことでノーベル賞候補者としての品位が傷ついたら、それこそ「アホ以外の何物でもない」のではないだろうか。

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COVID-19の血栓症発生率、他のウイルス性肺炎の3倍

 血栓症は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の際立った特徴だが、COVID-19以外のウイルス性呼吸器疾患による血栓症の発生率は不明である。今回、米国・ニューヨーク大学のNathaniel R. Smilowitz氏らが、米国でCOVID-19以外の急性ウイルス性呼吸器疾患で入院した患者における血栓症の発生率を調べた結果、2020年にニューヨークにおいてCOVID-19で入院した3,334例での血栓症発生率より有意に低かった。American Heart Journal誌オンライン版2020年11月9日号に掲載。 本調査の対象は、2002~14年にCOVID-19以外のウイルス性呼吸器疾患で入院した18歳以上の成人で、主要アウトカムは、ICD-9による心筋梗塞(MI)、急性虚血性脳卒中、静脈血栓塞栓症(VTE)などの静脈および動脈血栓イベントの複合とした。 主な結果は以下のとおり。・2002~14年にウイルス性呼吸器疾患で入院した95万4,521例(平均年齢62.3歳、女性57.1%)のうち、動脈または静脈血栓症の発生率は5.0%であった。・各血栓イベントの発生率は、急性MIが2.8%、VTEが1.6%、虚血性脳卒中が0.7%、その他の全身性塞栓症が0.1%であった。・血栓症を合併した患者は合併していない患者より院内死亡率が高かった(14.9% vs.3.3%、p<0.001)。・血栓症を合併した患者の割合は、2020年のCOVID-19患者(年齢中央値64歳、女性39.6%)に比べ、2002~14年のウイルス性呼吸器疾患の患者のほうが有意に低かった(5.0% vs.16.0%、p<0.001)。

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日本におけるCOVID-19発生時の医療従事者のメンタルヘルス

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、世界中に蔓延している。日本赤十字社医療センターの粟野 暢康氏らは、COVID-19パンデミック中の日本における医療従事者の不安症、うつ病、レジリエンス、その他の精神症状について評価を行った。Internal Medicine誌2020年号の報告。うつ病を発症した医療従事者は27.9% 2020年4月22日~5月15日に日本赤十字社医療センターの医療従事者を対象にメンタルヘルスの調査を実施した。不安症、うつ病、レジリエンスの評価には、それぞれ日本語版の不安尺度GAD-7、うつ病自己評価尺度CES-D、レジリエンス測定尺度CD-RISC-10を用いた。さらに、以下の3要素化からなる独自のアンケートを追加した。(1)感染に対する不安や恐れ(2)隔離および不当な扱い(3)職場でのモチベーションと逃避行動 COVID-19パンデミック中の日本における医療従事者のメンタルヘルスを評価した主な結果は以下のとおり。・調査対象は848人。その内訳は、医師104人、看護師461人、その他医療スタッフ184人、事務職員99人であった。・全調査対象者のうち、中等度~重度の不安症を発症した医療従事者は85人(10.0%)、うつ病を発症した医療従事者は237人(27.9%)であった。・感染に対する不安や恐れ、隔離および不当な扱い、職場でのモチベーションと逃避行動に関する問題は、非うつ病者よりもうつ病者でより高かった(CES-D合計スコア16以上)。・医療従事者のうつ病リスク因子は、看護師、GAD-7合計スコアの高さであった。・年配およびレジリエンスの高い医療従事者は、うつ病の発症リスクが低かった。 著者らは「COVID-19の流行により、多くの医療従事者が精神症状に苦しんでいた。医療従事者の健康を守るためにも、心理的支援と介入が求められる」としている。

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nabパクリタキセルは既治療のNSCLCの標準治療となるか、ドセタキセルとの比較(J-AXEL)/日本肺学会

 九州大学・米嶋 泰忠氏が、既治療の非小細胞肺がん(NSCLC)におけるドセタキセル単剤に対するnabパクリタキセルの効果と安全性を検証したJ-AXEL試験の結果を第61回日本肺学会学術集会にて発表した。J-AXEL試験はわが国の8つの臨床試験グループが参加した無作為比較第III相である。J-AXEL試験でnabパクリタキセルの非劣性が証明された対象:既治療(2レジメン以内)の進行NSCLC患者試験群:nabパクリタキセル(n-PTX)対照群:ドセタキセル(DTX)評価項目:[主要評価項目]全生存期間(OS)非劣性検証[副次評価項目]無増悪生存期間(PFS)、全奏効割合(ORR)、安全性、QOLなど 非小細胞肺がんにおけるドセタキセル単剤に対するnabパクリタキセルの効果と安全性を検証したJ-AXEL試験の主な結果は以下のとおり。・2015年5月〜2018年3月に、503例が登録され、ドセタキセル群(251例)とnabパクリタキセル群(252例)に無作為に割り付けられた。・OS中央値はnabパクリタキセル群16.2ヵ月、ドセタキセル群13.6ヵ月。HRは0.85(95.2%CI:0.68〜1.07、p=0.163)で、許容HR上限の1.25を達成したためドセタキセルに対するnabパクリタキセルの非劣性が証明された。一方、優越性は証明されなかった。・PFS中央値はnabパクリタキセル群4.2ヵ月、ドセタキセル群3.4ヵ月で、nabパクリタキセル群で有意に良好であった(HR:0.76、95%CI:0.63〜0.92、p=0.0042)。・ORRはnabパクリタキセル群29.9%、ドセタキセル群15.4%とnabパクリタキセル群で有意に良好であった(p=0.0002)。・nabパクリタキセル群で有意に多かった有害事象(AE)は末梢神経障害(55.5%対20.1%)、ドセタキセル群で有意に多かったAEは白血球減少(74.4%対90.4%) 最後に、nabパクリタキセルは既治療の進行NSCLCに対する選択肢の1つであることが示されたと米嶋氏は述べた。

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英国ガイドラインにおける年齢・人種別の降圧薬選択は適切か/BMJ

 非糖尿病高血圧症患者の降圧治療第1選択薬について、英国の臨床ガイドラインでは、カルシウム拮抗薬(CCB)は55歳以上の患者と黒人(アフリカ系、アフリカ-カリブ系など)に、アンジオテンシン変換酵素阻害薬/アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ACEI/ARB)は55歳未満の非黒人に推奨されている。しかし、英国・ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のSarah-Jo Sinnott氏らによる同国プライマリケア患者を対象としたコホート試験の結果、非黒人患者におけるCCBの新規使用者とACEI/ARBの新規使用者における降圧の程度は、55歳未満群と55歳以上群で同等であることが示された。また、黒人患者については、CCB投与群の降圧効果がACEI/ARB投与群と比べて数値的には大きかったが、信頼区間(CI)値は両群間で重複していたことも示された。著者は、「今回の結果は、最近の英国の臨床ガイドラインに基づき選択した第1選択薬では、大幅な血圧低下には結び付かないことを示唆するものであった」とまとめている。BMJ誌2020年11月18日号掲載の報告。12、26、52週後の収縮期血圧値の変化を比較 研究グループは、英国臨床ガイドラインに基づく推奨降圧薬が、最近の日常診療における降圧に結び付いているかを調べるため観察コホート試験を行った。英国プライマリケア診療所を通じて2007年1月1日~2017年12月31日に、新規に降圧薬(CCB、ACEI/ARB、サイアザイド系利尿薬)の処方を受けた患者を対象とした。 主要アウトカムは、ベースラインから12、26、52週後の収縮期血圧値の変化で、ACEI/ARB群vs.CCB群について、年齢(55歳未満、または以上)、人種(黒人またはそれ以外)で層別化し比較した。2次解析では、CCB群vs.サイアザイド系利尿薬群の新規使用者群の比較も行った。 ネガティブなアウトカム(帯状疱疹の発症など)を用いて、残余交絡因子を検出するとともに、一連の肯定的なアウトカム(期待される薬物効果など)を用いて、試験デザインが期待される関連性を特定できるかを判定した。ACEI/ARB服用約8万8,000例、CCB約6万7,000例、利尿薬約2万2,000例を追跡 52週のフォローアップに包含された各薬剤の新規使用者は、ACEI/ARBが8万7,440例、CCBは6万7,274例、サイアザイド系利尿薬は2万2,040例だった(新規使用者1例当たりの血圧測定回数は4回[IQR:2~6])。 非糖尿病・非黒人・55歳未満の患者について、CCB群の収縮期血圧の低下幅はACEI/ARB群よりも大きく相対差で1.69mmHg(99%CI:-2.52~-0.86)だった。また、55歳以上の患者の同低下幅は0.40mmHg(-0.98~0.18)だった。 非糖尿病・非黒人について6つの年齢群別で見たサブグループ解析では、CCB群がACEI/ARB群より収縮期血圧値の減少幅が大きかったのは、75歳以上群のみだった。 非糖尿病患者において、12週後のCCB群とACEI/ARB群の収縮期血圧値の減少幅の差は、黒人群では-2.15mmHg(99%CI:-6.17~1.87)、非黒人では-0.98mmHg(-1.49~-0.47)と、いずれもCCB群でACEI/ARB群より減少幅が大きかった。

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COVID-19へのヒドロキシクロロキン投与、効果を認めず/JAMA

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による呼吸器症状を伴う入院患者において、ヒドロキシクロロキンを用いた治療はプラセボと比較して、14日時点の臨床状態を有意に改善しなかった。米国・ヴァンダービルト大学医療センターのWesley H. Self氏らが、米国内34病院で行った多施設共同プラセボ対照無作為化盲検試験の結果を報告した。ヒドロキシクロロキンはCOVID-19治療に効果的なのか、そのデータが求められている中で示された今回の結果について著者は、「COVID-19入院成人患者の治療について、ヒドロキシクロロキンの使用を支持しないものであった」とまとめている。JAMA誌2020年11月9日号掲載の報告。新型コロナへのヒドロキシクロロキンの有効性を14日時点で評価 研究グループは、米国内34ヵ所の医療機関で、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染による呼吸器症状が確認された成人入院患者を対象に試験を行い、ヒドロキシクロロキンの有効性を検証した。 被験者を無作為に2群に分け、一方にはヒドロキシクロロキン400mgを初日は1日2回、その後4日間は200mgを1日2回、それぞれ投与した。もう一方にはプラセボを投与した。 計画では被験者数を新型コロナ患者510例とすること、ヒドロキシクロロキンとプラセボの各群102例の登録後に中間解析の実施が予定されたが、4回目の中間解析でヒドロキシクロロキンの無益性が確認され、被験者数479例の時点で試験は中止となった。 主要アウトカムは、7段階の臨床的重症度を分類する順序尺度(1[死亡]~7[退院し通常の活動が可能])による14日時点での評価だった。評価については、多変量比例オッズモデルで解析し、補正後オッズ比(aOR)を算出して1.0超の場合に、ヒドロキシクロロキンはプラセボよりもアウトカムが良好であると定義した。副次アウトカムは、28日死亡率など12項目について評価した。ヒドロキシクロロキン群は14日時点の臨床状態、28日死亡率も改善せず 被験者登録は2020年4月2日~6月19日に行われ、最終アウトカムの評価は2020年7月17日に行われた。 被験者479例(ヒドロキシクロロキン群242例、プラセボ群237例)の平均年齢は57歳、女性は44.3%、ヒスパニック/中南米系37.2%、黒人23.4%であり、また集中治療室での治療を要したのは20.1%で、46.8%が陽圧なしの補助酸素投与を受け、11.5%が非侵襲的換気または高流量鼻カニュラ酸素療法を、6.7%が侵襲的換気または体外式膜型人工肺(ECMO)による治療を受けた。 433例(90.4%)が14日時点の主要アウトカム評価を完了した(残りは評価前に[退院]のカテゴリーに帰属)。無作為化前に症状を呈していた期間の中央値は5日(四分位範囲[IQR]:3~7)だった。 14日時点の評価スコアに基づく臨床状態は、ヒドロキシクロロキン群とプラセボ群で有意な差はみられなかった。スコア中央値(IQR)は両群ともに6(4~7)で、aORは1.02(95%信頼区間[CI]:0.73~1.42)だった。 副次アウトカム12項目についても、両群で有意差はなかった。無作為化後28日時点で報告された死亡は、ヒドロキシクロロキン群25/241例(10.4%)、プラセボ群25/236例(10.6%)だった(絶対差:-0.2%[95%CI:-5.7~5.3]、aOR:1.07[95%CI:0.54~2.09])。

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永遠の命題PCI vs.CABG、SYNTAXスコアII 2020開発は、本当に進化か?(解説:中川義久氏)-1318

 冠血行再建におけるPCI vs.CABGは永遠の命題なのであろう。次々と情報が提供される。その度に、霧が晴れるようにスッキリしていくのではなく、出口のない迷宮をさまよう気持ちになる。 PCI vs.CABGの比較において、最も重要で代表的な臨床試験が2005年から2007年に施行されたSYNTAX試験である。3枝疾患または左主幹部病変を有する患者を、PCIかCABGに無作為に割り付けて比較したものである。このSYNTAX試験の登録患者を10年後まで追跡するSYNTAX Extended Survival(SYNTAXES)試験から、長期予後の予測モデルである「SYNTAXスコアII 2020」が開発されたことが、2020年10月8日付のLancet誌に報告された。筆頭著者は、当該施設に留学していた日本人であり、その努力と貢献はうれしく、賞賛に値する。 ここで復習してみよう。古典的には、冠動脈病変の重症度は1枝疾患、2枝疾患や3枝疾患といった罹患病変枝数や左前下行枝近位部の有無によって評価されてきた。しかし、同じ3枝病変であっても重症度に幅があることは臨床現場で認識されていた。これを受け、冠動脈病変の形態と重症度について、とくにPCIを実施する立場から客観点にスコア化したものがSYNTAXスコアである。病変枝数や部位だけでなく、完全閉塞・分岐部・入口部・屈曲・石灰化病変などに応じて点数を付ける。 次に開発されたのが、SYNTAXスコアIIである。SYNTAXスコアに患者背景を組み入れた指標として提唱された。SYNTAXスコアに加えて年齢、性別、クレアチニンクリアランス、左室駆出率、左主幹部病変、末梢動脈疾患、COPDなどを背景因子として組み入れて算出する。これはCABGまたはPCI術後の4年後の予測に有用であるという。 今回、SYNTAXスコアIIを基に「SYNTAXスコアII 2020」が開発された。この、SYNTAXスコアII 2020は、SYNTAXスコアに加えて、3枝病変か左主幹部病変かの分類、年齢、クレアチニンクリアランス、左室駆出率、末梢動脈疾患、COPD、喫煙、糖尿病などの背景因子から算出される。このスコアは、その患者にPCIを適用した場合とCABGを適用した場合の、10年後の総死亡予測および5年後の主要心血管イベントの予測に有用であるという。 「SYNTAXスコア」から「SYNTAXスコアII」そして「SYNTAXスコアII 2020」への推移は、本当にモデル構築の進化なのだろうか? この進化によって日常臨床のレベルが向上し、患者がより幸せになることに貢献するのであろうか。確かにモデルに組み入れる因子の数が多いほど緻密にモデルを構築できるであろう。これは、ある種当然といえる。最初にSYNTAXスコアが紹介されたときには、大きな感動を覚えた。これまで、1枝疾患、2枝疾患や3枝疾患といった大雑把な評価しかなかったが、臨床現場では動脈硬化の進行度や複雑性の違いを実感していた。「SYNTAXスコアすごい! これが、俺たちが表現したかったものだ!」という気持ちであった。SYNTAXスコアII 2020には、残念ながらこの感動はない。糖尿病患者の予後が不良であること、それもCABGに比してPCI患者において顕著に作用する因子であることなど先刻承知のことであり、現時点でも治療方針選択においては当然のように考慮されている因子である。それを、わざわざ組み込んだモデルだからといっても、その斬新性は低い。  数多くの因子から複雑に算出するモデルを構築して、ようやく差異を認識できるまでに、PCIとCABGが拮抗してきたのである。その場合に、モデルの示す数値の差よりも、患者の希望(選好)のほうが実臨床の現場では大切なのではないだろうか。考え出すと迷宮から抜け出すことは一層困難となる。いっそのこと判断は、AI様に任せる時代になるのであろうか。

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再び複数形で祝福だ!高齢者を国の宝とするために【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第30回

第30回 再び複数形で祝福だ!高齢者を国の宝とするために日本で行われた素晴らしい臨床研究であるELDERCARE-AF試験の結果がNEJM誌に掲載されました(N Engl J Med 2020;383:1735-1745)。心房細動があるとはいえ、通常用量の抗凝固療法がためらわれるような、出血リスクが高い80歳以上の高齢日本人を対象とした試験です。低用量NOACによる抗凝固療法が、大出血を増やすことなく脳卒中/全身性塞栓症を抑制することを示しました。この研究の参加者の平均年齢は86.6歳で、過半数の54.6%が85歳超えでした。このような高齢者は、ランダマイズ研究の除外基準に該当するのが常でした。高齢者に適応可能なエビデンスが存在しない中で、現場の医師は高齢の心房細動患者への対応を迫られています。脳卒中の減少と出血増加のバランスにおいて、試験の結果を慎重に解釈する必要がありますが、高齢者を対象としたエビデンスが登場したことは高く評価されます。日本社会は、高齢化において世界のトップランナーです。65歳以上の高齢者が全人口に占める割合である高齢化率が、7%を超えると「高齢化社会」、14%を超えると「高齢社会」、21%を超えると「超高齢社会」とされます。日本は1970年に高齢化社会、1994年に高齢社会、2007年に超高齢社会へと突入しました。高齢化社会から高齢社会となるまでの期間は、ドイツは42年、フランスは114年を要したのに対し、日本はわずか24年で到達しています。今後も高齢化率は上昇し、2025年には約30%、2060年には約40%に達すると予測されます。ある日の小生の外来診察室の風景です。「昨日、誕生日だったんですね。おめでとうございます!」電子カルテの年齢欄に、87歳0ヵ月と表示された女性患者さんに誕生祝いの声がけをしたのです。電子カルテは、誕生日を迎えたばかりの方や、間もなく誕生日の方が簡単にわかるので便利です。「87歳にもなって、めでたくなんかないですよ。これ以上、年はとりたくない」患者さんは、一見ネガティブな返答をしますが満面の笑みです。「今日まで長生きできてよかったね。年をとれることは素晴らしいことですね。おめでとう」外来では、誕生日の患者さんに必ず祝意を伝えることにしています。誕生日を祝福する意味はなんでしょうか。その意味は、その方の存在を肯定することにあります。子供の誕生日に成長を祝うこととは、少し意味合いが違います。自己の存在を肯定されることは、人間にとって最も満足度の高いことで、その節目が誕生日です。高齢人口が急速に増加する中で、医療、福祉などをどのように運用していくかは喫緊の課題です。逃げることなく正確に現状を把握し、次の方策を練ることは大切です。その議論の過程で、負の側面を捉えて嘆いていてもはじまりません。歴史上に類を見ない超高齢化社会の日本を世界が注目しています。対応に過ちがあれば同じ轍を踏むことがないようにするためです。今、必要なのは高齢者の存在を肯定する前向き思考です。高齢者を国の宝として活用するのです。その具体的成功例が、このELDERCARE-AF試験ではないでしょうか。高齢者医療のエビデンスを創出し、世界に向けて発信していくことは、高齢化社会のトップランナーである日本であるからこそ可能であり、むしろ責務です。あらためて、ELDERCARE-AF試験に関与された皆様に敬意を表し、複数形で祝福させていただきます。Congratulations!

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「バイクロット」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第27回

第27回 「バイクロット」の名称の由来は?販売名バイクロット®配合静注用一般名(和名[命名法])乾燥濃縮人血液凝固第X因子加活性化第VII因子効能又は効果血液凝固第VIII因子又は第IX因子に対するインヒビターを保有する患者の出血抑制用法及び用量本剤1バイアルを添付の日本薬局方注射用水2.5mLで溶解する。活性化人血液凝固第VII因子として、体重1kg当たり症状に応じて1回60~120μgを2~6分かけて緩徐に静脈内に注射する。追加投与は、8時間以上の間隔をあけて行い、初回投与の用量と合わせて、体重1kg当たり180μgを超えないこととする。警告内容とその理由エミシズマブ(遺伝子組換え)の臨床試験で、活性型血液凝固第IX因子及び血液凝固第X因子を含む、活性型プロトロンビン複合体(乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体)製剤との併用において重篤な血栓塞栓症及び血栓性微小血管症の発現が複数例に認められている。本剤とエミシズマブ(遺伝子組換え)の併用例では重篤な血栓塞栓症及び血栓性微小血管症の発現は認められていないが、エミシズマブ(遺伝子組換え)投与中及び投与中止後6ヵ月間は、本剤の投与は治療上やむを得ない場合に限ること。血栓塞栓症及び血栓性微小血管症のリスクを増大させる可能性を否定できない。禁忌内容とその理由設定されていない※本内容は2020年11月25日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2020年6月改訂(第8版)医薬品インタビューフォーム「バイクロット®配合静注用」2)KMバイオロジクス株式会社:医療用医薬品

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第34回 コロナ禍の意外な恩恵? インフル・喘息大幅減、受診抑制も体調変化なし…

コロナ禍が他疾患の発症抑制に働くこんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。大方の人の予想通り、冬の到来を前に新型コロナウイルス感染症の感染者が各地で急増しています。というわけで、この3連休、私は「Go Toトラベル」「Go Toイート」にも乗らず、自宅でのんびりスポーツ観戦をして過ごしました。大相撲の千秋楽の貴景勝と照ノ富士の本割相撲と優勝決定戦を堪能、小倉で行われた競輪祭における郡司 浩平選手(神奈川)のG1初制覇に感動しました。今ひとつだったのは日本シリーズの第1、2戦です。巨人の情けないほどの弱さは、今のセ・リーグ全体の弱さとも言えます。この問題については、また日を改めて。さて、今回は、コロナ禍における他疾患の動向や患者の受療行動の動向に関するニュースです。クラスター発生や医療機関のコロナ患者の受け入れ態勢が逼迫している、といった報道の陰で、コロナ禍がほかの疾患の発症抑制にも働いている、といった報告や報道が散見されるようになってきました。喘息による入院数が劇的に減少11月16日のNHKニュースは、「コロナ拡大以降 “ぜんそく入院患者 大幅減”マスク着用影響か」と題し、今年2月以降、喘息のため入院する患者が例年に比べて大幅に減ったとする調査結果を東京大学大学院医学系研究科の宮脇 敦士助教らのグループが発表した、と報じました。それによると、全国 272 ヵ所の急性期病院における入院診療データを分析した結果、新型コロナウイルス感染症の流行期間(2020年2月24日以降)は、前年までの同時期に比べて、喘息による入院数が劇的に減少(55%減)していた、とのことです。同グループは、新型コロナウイルス感染症の流行期間中の生活様式の変化により、喘息患者が増悪要因に曝される機会が減少し、喘息のコントロールが改善したためと考えられる、としてます。なお、肺がんや気胸など、新型コロナウイルスの影響を受けない呼吸器の病気では大きな変化は見られなかったそうです。同研究は、10月14日付で、米国アレルギー・喘息・免疫学会(AAAAI)の公式機関誌Journal of Allergy and Clinical Immunologyのウェブサイトに掲載1)されています。インフルエンザ、流行期に入らず?季節性インフルエンザについても、その発症は例年より大幅に少ないとの報告が出ています。厚生労働省が11月20日に発表した、 11月9~15 日の1週間のインフルエンザの発生状況(全国およそ5,000ヵ所の定点医療機関から報告があった患者数)は前週から1人減り、わずか計23人でした。インフルエンザは、1医療機関当たりの1週間の患者数が全国で1人を超えると「全国的な流行期」入りとされます。しかし、この時点では0.005人とこの基準を大きく下回っています。まだまだ楽観視はできないものの、今シーズンはインフルエンザの大流行は来ないかもしれません。受診抑制の7割が「体調が悪くなったとは感じない」このように、マスク着用や3密回避といった人々の行動変容が、従来からあった疾患の様相を変える事例は、今後も多く出てくるかもしれません。日本医師会は11月5日に最新の診療所の経営状況を発表しました。その中で、とくに小児科と耳鼻咽喉科で入院外の総件数・点数が大きく落ち込んでおり(小児科で約3割、耳鼻咽喉科で約2割前後)、経営が深刻な状況にあるとの見解を示しています。しかし、小児科と耳鼻咽喉科はそもそも感染症やアレルギー性疾患の患者が多く、単にコロナ禍だけではなく、疾患そのものが減っていることも大きな要因であることも認識する必要があるでしょう。そんな折、11月5日、健康保険組合連合会(健保連)が興味深い調査結果を発表していました。「新型コロナウイルス感染が拡大していた今年4~5月に、持病があって通院を控えた人の7割が『体調が悪くなったとは感じない』と考えていることが、調査結果から明らかになった」というのです。健保連は大企業などがつくる健康保険組合の全国組織です。この調査は、全国の20~70代の男女4,623人を対象に今年9月、オンラインで実施されました。その結果、高血圧症や脂質異常症といった持病をもつ3,500人のうち、865人(24.7%)が通院の頻度を少なくしたり、取りやめたりして受診を抑制していました。そして、受診抑制した人の69.4%が「体調が悪くなったとは感じない」と回答。さらに、10.7%が「体調が少し悪くなったと感じる」、1.5%が「体調がとても悪くなったと感じる」と答えた一方で、「体調が回復した」とする人も7.3%いたとのことです。つまり、「受診控え」で体調悪化する人の増加が懸念されていたにもかかわらず、実際に体調悪化を感じたとの回答は1割に過ぎなかったのです。老人保健施設で元気になった高齢者「できるだけ医療機関を受診して欲しくない(医療費負担を減らしたい)」という思惑のある健保連の調査である、というバイアスはあるものの、これはとても面白い結果です。私は今から約30年前、老人保健施設が創設された頃のエピソードを思い出しました。ご存じのように、老人保健施設は薬剤費が包括化されており、薬を使えば使うほど施設側の持ち出しになる、という制度設計になっています。そのため、当初老人病院から老健施設に転所した高齢者の多くが、病院入院時よりも投与する薬を大幅に減らされました。結果、どうなったか…。認知症が改善したり、むしろ元気になったりする高齢者が続出したのです。今回のコロナ禍は、ひょっとしたら外来診療における過剰診療・過剰投薬を改めて浮き彫りにするかもしれません。コロナ禍における外来患者の受療動向や、診療内容、病態の経緯などについて、専門家による詳細な分析結果を早く知りたいところです。参考1)Abe K , et al. J Allergy Clin Immunol Pract. 2020 Oct 14.[Epub ahead of print]新型コロナ流行時に喘息入院が減少、生活様式の変化が奏功か

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副作用に対する概念を変えた、患者さんの震える手【堀美智子のハートに効くラヂオ】第1回

動画解説病院研修時代の印象深いエピソード。抗がん剤のすさまじい吐き気にも耐え、治療を頑張っていた患者さんが、ある日突然「治療をやめたい」と言い始めました。先生の副作用に対する概念を覆したその理由とは?

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孤独を感じる人のCOVID-19に対する予防行動とは?

 孤独感がCOVID-19予防行動の低下に関連していることが、早稲田大学のAndrew Stickley氏らの研究によって明らかとなった。Journal of Public Health誌オンライン版2020年9月3日号の報告。 孤独感と健康行動の悪化との関連性について数多くの報告があるが、孤独感とCOVID-19予防行動の関連性についてはほとんど研究されていない。 孤独感とCOVID-19予防行動の関連性について、2020年4月と5月に2,000人の日本人を対象にオンライン調査を実施した。孤独感は3項目の孤独尺度にて評価し、孤独感と予防行動の関連性については二変量線形回帰分析を、孤独感と予防行動13件(外出後/食事前の手洗い、マスク着用、うがい、咳やくしゃみ時のティッシュ使用、物に触れた後に顔に触ることを避ける、触れるものを頻繁に消毒する、外出/旅行のキャンセル、予定していたイベントのキャンセル、人込みを避けて自宅にいる、集会やパーティーへの参加を控える、病人/高齢者への接触を避ける、風邪の場合に家族以外への接触を避ける、2メートル以上の距離を保つ)それぞれとの関連性についてはロジスティック回帰分析を実施した。 孤独感の割合、孤独感とCOVID-19予防行動の関連性については以下のとおりである。・人口統計学的変数とメンタルヘルス変数を調整した線形回帰モデルでは、二分法と継続的な測定の両方で、孤独感にはCOVID-19予防行動への関与と負の関連があった。・さらにロジスティック回帰分析では、孤独感は、マスクの着用で0.77倍、手の消毒で0.80倍、屋外での社会的距離で0.75倍と、個別のCOVID-19予防行動の低下にも関連していた。 著者らは、「マスクの着用や手の消毒、社会的距離などの予防行動の低下に孤独感が関連することから、パンデミックにおいては孤独感の防止または改善が、新型コロナウイルスの蔓延と闘ううえでは必要である」と示唆している。

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双極性障害と統合失調症の診断予測因子

 初回エピソード精神病(FEP)コホートにおける双極性障害と統合失調症の診断予測に役立つ可能性のあるベースライン特性と臨床的特徴を特定するため、スペイン・バルセロナ大学のEstela Salagre氏らが、検討を行った。The Journal of Clinical Psychiatry誌2020年11月3日号の報告。 本研究は、2009年4月~2012年4月に募集したFEP患者355例のコホートを評価したプロスペクティブ自然主義的研究である。12ヵ月のフォローアップ期間にDSM-IV診断で最終的に双極性障害および統合失調症と診断された患者のベースライン特性を比較した。フォローアップ時の双極性障害診断の予測因子を評価するため、バイナリロジスティック回帰モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・12ヵ月のフォローアップ期間に双極性障害と診断された患者は47例、統合失調症と診断された患者は105例であった。・最終的に双極性障害と診断された患者は、統合失調症と診断された患者と比較し、以下の割合が有意に高かった。 ●気分障害の家族歴:有病率38.2% vs.18.0%(p=0.02) ●より良好なベースライン時の病前適応:病前適応尺度(PAS)38.4 vs.50.6(p<0.01) ●より良好な心理社会的機能:簡易機能評価検査(FAST)23.6 vs.33.7(p=0.001) ●より良好な認知的柔軟性:ウィスコンシンカード分類検査(WCST)の誤答数14.2 vs.19.7(p=0.01) ●躁症状の多さ:ヤング躁病評価尺度(YMRS)14.1 vs.7.3(p<0.01) ●陰性症状の少なさ:陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)陰性症状尺度15.0 vs.22.3(p<0.001) ●精神疾患の未治療期間の短さ:144.2日 vs.194.7日(p<0.01)・バイナリロジスティック回帰モデルでは、フォローアップ時の双極性障害診断と有意に関連していた因子は以下のとおりであった。 ●FASTスコアの低さ(オッズ比[OR]:0.956、p=0.015) ●PANSS陰性症状スコアの低さ(OR:0.93、p=0.048) ●WCSTの誤答数の少なさ(OR:0.946、p=0.35) 著者らは「FEPコホートにおいて12ヵ月のフォローアップ時に双極性障害診断と関連が認められた因子は、より良好な心理社会的機能、陰性症状の少なさ、より良好な認知的柔軟性であった」としている。

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