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開業はしてみたものの、スタッフとの距離が縮まらない…【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第8回

第8回 開業はしてみたものの、スタッフとの距離が縮まらない…漫画・イラスト:かたぎりもとこ医業承継において、買い手の方から多い質問が「現在のスタッフを引き継ぐべきでしょうか?」というものです。スタッフの引き継ぎについては、そもそも承継の主体となるものが、「法人」なのか「個人」なのかによって異なります。・(医療)法人の場合法人ごと引き継ぐことになるため、原則として法人に勤務するスタッフは継続雇用になります。・個人の場合法人格がない診療所を引き継ぐ場合は、スタッフとの契約をいったん解消したうえで、新設の診療所が再度雇用契約を結びます。新体制になるとなれば、当然スタッフは不安を感じるものです。新しい院長はどんな人か、勤務条件や診療時間は変わらないのかなど、多くの疑問も抱えているはずです。法人・個人いずれの場合でも、医業承継を行う(新体制になる)よりも前に、売り手側の院長に許可を得てスタッフとの面談を行い、新体制になってから目指すべき姿を伝え、継続雇用する場合にはスタッフへの期待を伝えることが重要です。「現在の雇用条件を継続できない」という場合や「一人ひとり面接して継続雇用するかどうか決めたい」という場合は、当然ながら新体制のスタート前に面接を行うことになります。そうでない場合でも、スタッフの不安払拭とスムーズなスタートのために、事前面談でスタッフ個々人の状態を把握しておくことが重要なのです。今回のように、承継後にスタッフとのコミュニケーションがスムーズにいかず、試行錯誤される例もあります。売り手の院長が病気などの理由でタイトなスケジュールで引き継ぎを行わざるを得ない、といったレアケースを除き、「新体制に入る前」にきちんとスタッフとコミュニケーションをとることが原則です。

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第38回 イトラコナゾール睡眠薬混入事件、SNSの医師コメントが更なるリスクを生み出す?

まさに前代未聞というべき事態になっている。福井県のジェネリック医薬品企業・小林化工が出荷した抗真菌薬イトラコナゾールの一部ロットにベンゾジアゼピン系睡眠導入薬のリルマザホン(商品名:リスミーなど)の成分が混入。しかも混入量は1錠あたり最大で臨床使用量の2.5倍という高用量。この結果、12月23日時点で判明している健康被害は164件、このうち自動車などによる事故を起こした服用者は21人、緊急搬送・入院者(すでに退院した人も含む)は35人、さらに痛ましいことに70代女性が亡くなったことが報告されている(これ以外に1人の死亡が報告されているが、主治医が服用と死亡の間に因果関係が認められる可能性は低いとの見解を示している)。この事件では製造過程で目減りする成分を補充するため、医薬品製造販売承認書に記載のない中途での成分つぎ足しを実施していたことが発覚。現在までにつぎ足しの際に明らかに形状の違うイトラコナゾールとリルマザホンの容器を取り違え、そこで行われるはずのダブルチェックもなかったことが事件の原因と考えられている。また、一部では最終段階での品質管理で混入を疑わせるデータがありながら、そのチェックが不十分だったとも報じられている。この件についてSNSなどを概観した私見では、一般人と医療従事者ではやや受け止め方が違うと感じている。端的に言うならば一般人は医薬品そのものへの信頼性、医療従事者はジェネリック医薬品への信頼性をそれぞれ疑っているという印象だ。この違いは、一般向けの報道では今回の医薬品がジェネリック医薬品であることにあっさり言及する程度、中にはまったく触れていないことも少なくないためだろうと考えられる。一般向けに医療記事を書くことも多い私だが、事件発生以来、この件について書いて欲しいとのオーダーがあったら、書き方にかなり苦労するだろう思っている。なぜならこの件について平たく書こうとすればするほど、問題の製品がジェネリック医薬品であることに触れざるを得ず、どんなに気を付けて書いても読者の一部に「ジェネリック医薬品=粗悪品」という感情を抱かせかねないからだ。そしてそのような誤解をさせることは私にとって本意ではない。多くの医療従事者がご存じの通り、国は医療費抑制策の一環としてジェネリック医薬品の使用促進策を推進し、2017年6月の閣議決定で政府目標として2020年9月までに数量ベースでの使用割合80%達成を掲げ、これに伴う診療報酬の改定措置を行ってきた。代表格は各保険薬局のジェネリック医薬品の数量ベース調剤割合に応じて調剤料の加算報酬がつく「後発医薬品調剤体制加算」の設置だ。これにより医師による変更不可の指示がない限り、調剤の段階でジェネリック医薬品の代替が行われるようになり、実際の2020年9月時点の使用割合は78.3%と目標には達しなかったものの、もはや目標達成目前である。ちなみにこの件について一部の医療従事者から「お金のために薬局が嬉々としてジェネリックに変更している」と批判的な物言いも耳にしたことがあるが、この変更にあたって薬局側では目を皿にして各ジェネリック医薬品企業の安定供給レベルや品質などを吟味していることが多く、この作業が決して楽なものではないことは承知しているつもりだ。しかし、今回の事件が深刻化すればするほど、ジェネリック医薬品に対する国民や医療従事者の信頼度は低下し、ひいては前述の使用割合の低下にもつながりかねない。それに伴ってもともとジェネリック医薬品に対して良い感情を持っていない医療従事者、とりわけ医師からジェネリック医薬品批判が出てくるであろうことは想像に難くない。というか、もうすでにそれは出ている。内科医で芸能人でもある、おおたわ史絵氏のブログを引用した東京スポーツ新聞の記事である。この記事、一見するともっとものように頭に入って来る。ただ、誤解を招きやすい点がいくつかある。まず、「不正」という言葉の使い方だ。おおたわ氏は、医薬品製造販売承認書にない製造プロセス、いわば製造途中での成分のつぎ足しを「不正」と言っているのだろうが、一般読者にとってこうした細かい話はさっと触れられただけでは意味がわかるようでわからないことが往々にしてある。場合によってはつぎ足し時に取り違えたる「過失」と思われる行為が「不正」のように読めてしまう。こうした読み解き(読み違え)は、とりわけ「製薬会社=悪」「医師=悪」のような陰謀論的な考え方をする人にはありがちだ。そのうえで、そうした誤解に基づくSNSでの発信や拡散が行われてしまう危険性がある。次に気になるのがジェネリック医薬品について、「1つの薬に対してジェネリックは5つも10も存在することがあります。そのどれを選ぶか? 選択権は患者さんにはありません。実は我々医者にもありません。選択権を持っているのは薬局です。どこのメーカーのジェネリックを採用するかは薬局の裁量にかかっています」という記述である。一応、その後に薬局についてフォローしているものの、重ねて「医者も患者も選択権を持っていない」と強調しているため、まるで薬局に選択権があること自体やその選択内容が全体的に問題であるとの印象を与えてしまう。だが、それ以上にややミスリーディングではないかと感じてしまう点が、「ジェネリックと言う選択肢がこの国に現れてからずっと不安でした。多数の工場やメーカーが参入するほど、監視の目が行き届かなくなるからです」や「我々医師はみんないつかこんな事故、事件が起きると不安に思っていました」という、ある意味潜在的なジェネリック医薬品不信を述べている点である。同じような印象を持っている医師はほかにもいるだろうし、その感想を述べる自由はある。ただ、今回の事件は現時点では小林化工という一企業が有する構造的な問題として発生した、つまり小林化工特有の問題でたまたま事件が発生したのがジェネリック医薬品メーカーだったのか、ジェネリック医薬品メーカー全体が有する構造的な問題として発生したかはいまだ不明である。だが、この書き方はまさに私が懸念する「ジェネリック医薬品=粗悪品」という印象を抱かせてしまう。こんなことがきっかけでジェネリック医薬品を服用している患者が不安を感じ、医療機関や薬局に薬剤変更を求めて駆けつける、あるいはジェネリック医薬品の使用に積極的な医師や薬剤師をむやみに批判するという混乱は避けなければならない。メディアの報道が時に物議を醸し、医療従事者から「だからメディアは…」とおしかりを受けることも少なくない。だが、それでもなお患者にとって医療従事者、とりわけ医師の発言はメディア以上に重大な影響を与える。それは時として警察官が持つ拳銃や手錠と同等の権威・脅威を与えるものなのである。

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「ゾフルーザ」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第32回

第32回 「ゾフルーザ」の名称の由来は?販売名ゾフルーザ®錠 10mgゾフルーザ®錠 20mgゾフルーザ®顆粒2%分包一般名(和名[命名法])バロキサビル マルボキシル(JAN)効能又は効果〈ゾフルーザ錠20mg、ゾフルーザ顆粒2%分包〉A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の治療及びその予防〈ゾフルーザ錠10mg〉A型又はB型インフルエンザウイルス感染症用法及び用量通常、以下の用量を単回経口投与する。画像を拡大する警告内容とその理由1.本剤の投与にあたっては、本剤の必要性を慎重に検討すること。2.インフルエンザウイルス感染症の予防の基本はワクチンによる予防であり、本剤の予防使用はワクチンによる予防に置き換わるものではない。禁忌内容とその理由(原則禁忌を含む)【禁忌(次の患者には投与しないこと)】本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者※本内容は2020年12月29日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2020年12月改訂(第6版)医薬品インタビューフォーム「ゾフルーザ®錠10mg・20mg/ゾフルーザ®顆粒2%分包」2)シオノギ製薬:製品情報一覧

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リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー その2【「実践的」臨床研究入門】第3回

関連研究レビューのための情報―まずは2次情報の活用をRQに関連する先行研究論文レビューで使用する情報には1次情報と2次情報があります。1次情報は個々の論文です。医学・生命科学分野で最も使われている1次情報の情報源は皆さんご存じのMEDLINE(PubMed)です。2次情報とは1次情報をまとめたものです。特に質の高い2次情報源として、診療ガイドライン、UpToDate®、コクラン・ライブラリー、などが挙げられます。筆者は、いきなり!PubMedで1次情報を検索する前に、RQに関するテーマの全体像を効率的に掴むために、まずはこれらの2次情報を活用することを勧めています。関連研究検索のポイントと適切な英語検索ワードの選択PE(I)COのカタチに定式化されたRQに関連する先行研究論文の検索を行うときのポイントは、P(対象)とE(曝露)もしくはI(介入)に含まれるキーワードを検索語として用いる、ということです。なぜなら、C(比較対照)やO(アウトカム)は一義的に決まらない場合が多く、網羅的な検索には適さないからです。Cは個別の研究毎に複数のパターンがあります。例えば、新規薬物療法の効果を検証する介入研究で考えてみると、Cはプラセボや標準治療(既存薬物療法など)であったり、無治療の場合など色々ありえます。Oも個々の研究の目的によって多種多様です。死亡や明確な定義と評価に基づいた心血管イベント発症などのハードエンドポイント*1をOに設定している臨床研究は多くあります。何らかの身体所見(血圧やBMI、など)や検査所見(血糖値、血中コレステロール値、心エコー所見、など)のサロゲートエンドポイント*2をOに置いた臨床研究はもっとたくさんあります。また、近年の臨床研究では、患者立脚型アウトカム(Patient-reported outcome: PRO)*3と呼ばれる医療者を介さずに患者さん自らが報告しデータ化されたアウトカム指標もOとして盛んに用いられています。*1:客観的かつ普遍的に評価可能で、重要な患者予後を設定したアウトカム。真のアウトカム、とも言います。*2:真のアウトカムと生物学的に関連していると考えられるアウトカム。代替アウトカム、とも言います。*3:痛みの主観的な評価法として使用される視覚的アナログスケール(Visual analog scale:VAS)や健康関連QOL尺度である36-item Short-Form Health Survey(SF-36)などが、代表的なPROの例として挙げられます。さて、下記は第1回で作成した架空の臨床シナリオに基づいたCQとRQ(PECO)です。CQ:食事療法を遵守すると慢性腎臓病患者の腎予後は改善するのだろうか↓P:慢性腎臓病患者E:食事療法の遵守C:食事療法の非遵守O:腎予後それでは、こちらのRQを例に用いて、関連する先行研究のレビューを質の高い2次情報源を活用して行うことを考えてみましょう。前述したように、PとE(もしくはI)に含まれるキーワードを検索語として使用することがポイントですので、上記のRQの場合の検索語の候補は「慢性腎臓病」と「食事療法」になります。「慢性腎臓病」に対する「食事療法」には大きく分けて、たんぱく質制限、食塩制限、カリウム(やリン)制限の3つがあります。ここでは、指導医A先生と専攻医B先生(第1回のダイアローグ参照)の所属施設が力を入れている(?) 、たんぱく質制限(低たんぱく食)にしぼってみるとことにしましょう。すると、検索語は「慢性腎臓病」と「低たんぱく食」となります。また、RQの関連研究レビューにおいて有用な情報は、1次情報、2次情報ともに、ほとんどが英語で書かれたものです。したがって、これらの情報を検索するためには、適切な英語の検索ワードを選択して活用することも必要になります。この際に、お勧めしたいオンラインツールとしてライフサイエンス辞書があり、筆者もよく使っています。ライフサイエンス辞書は無料で使える医学・生命科学用語のオンライン電子辞書で、専門用語の英和・和英辞典であるとともに、シソーラス(類義語辞典)やコーパス(文例集)の機能も併せ持っています。ライフサイエンス辞書で調べると、「慢性腎臓病」は”chronic kidney disease(CKD)”、「低たんぱく食」は”low protein diet”と英訳されるようです。次回からは、「慢性腎臓病」/ ”chronic kidney disease(CKD)” と「低たんぱく食」/ ”low protein diet”という2つのキーワードを用いた、質の高い2次情報源レビューの実践について解説していきます。1)福原俊一. 臨床研究の道標 第2版. 健康医療評価研究機構;2017.2)木原雅子ほか訳. 医学的研究のデザイン 第4版. メディカル・サイエンス・インターナショナル;2014.3)矢野 栄二ほか訳. ロスマンの疫学 第2版. 篠原出版新社;2013.4)中村 好一. 基礎から学ぶ楽しい疫学 第4版. 医学書院;2020.5)片岡 裕貴. 日常診療で臨床疑問に出会ったときに何をすべきかがわかる本 第1版.中外医学社;2019.

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統合失調症の心臓突然死リスク、抗精神病薬と年齢との関係

 抗精神病薬を服用している統合失調症患者の心臓突然死リスクに対する年齢の影響について、台湾・台北医科大学のPao-Huan Chen氏らが調査を行った。Psychiatry and Clinical Neurosciences誌2020年11月号の報告。45~65歳の統合失調症患者ではリスペリドン服用により突然死リスクが増加 対象は、台湾全民健康保険研究データベースおよび死亡診断書システムより抽出した、2000~16年に心臓突然死で死亡した統合失調症患者1,836例。14日間のウインドウ期間を設定したクロスオーバー研究を実施した。サブグループ解析では、患者の年齢で3群(45歳未満、45~65歳、66歳以上)に層別化し、抗精神病薬を服用している統合失調症患者の心臓突然死リスクに対する年齢の影響を評価した。 抗精神病薬を服用している統合失調症患者の心臓突然死リスクに対する年齢の影響を評価した主な結果は以下のとおり。・66歳以上の統合失調症患者では、抗精神病薬と心臓突然死リスクとの間に関連性は認められなかった。・45歳未満の統合失調症患者では、ゾテピン服用により、心臓突然死リスクの有意な増加が認められた(調整済み相対リスク[aRR]:2.68、p=0.046)。・45~65歳の統合失調症患者では、flupentixol(aRR:5.30、p=0.004)およびリスペリドン(aRR:1.68、p=0.01)服用により、心臓突然死リスクの有意な増加が認められた。 著者らは「統合失調症患者の心臓突然死リスクに対する各抗精神病薬の影響が明らかとなった。臨床医は、抗精神病薬治療によるリスクとベネフィットを評価する際、患者の年齢を考慮する必要がある」としている。

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大腸がんの術後補助化学療法、CAPOX療法3ヵ月投与の意義(IDEA)/Lancet Oncol

 StageIII大腸がん患者を対象とした術後補助化学療法について、無作為化第III相試験6件を前向きに統合解析した結果が報告された。フランス・ソルボンヌ大学のThierry Andre氏らInternational Duration Evaluation of Adjuvant Therapy(IDEA)collaborationによる検討で、全生存(OS)期間に関して、3ヵ月投与の6ヵ月投与に対する非劣性は示されなかったが、最終解析の結果、5年OSの絶対差は0.4%であった。結果を踏まえて著者は、「StageIII大腸がんに対する術後補助化学療法では、臨床的にほとんどの患者において3ヵ月間のCAPOX療法が支持される」と述べたうえで、「この結論は、投与期間の短縮による毒性や医療費の軽減によってさらに強固なものとなる」とまとめている。Lancet Oncology誌2020年12月号掲載の報告。CAPOX療法の5年OS率は3ヵ月投与群82.1%、6ヵ月投与群81.2% IDEAは、12ヵ国で実施された「CALGB/SWOG 80702」「IDEA France」「SCOT」「ACHIEVE」「TOSCA」および「HORG」の、6つの無作為化第III相試験を前向きに統合解析したものである。2007年6月20日~2015年12月31日までの間に18歳以上のStageIII大腸がん患者が登録され、FOLFOX療法(フルオロウラシル、ロイコボリン、オキサリプラチン)2週ごと、もしくはCAPOX療法(カペシタビン、オキサリプラチン)3週ごとの術後補助化学療法を、3ヵ月または6ヵ月投与する群に無作為に割り付けられた。FOLFOX療法かCAPOX療法かは主治医の判断で選択された。 大腸がん術後補助化学療法の主要評価項目はDFS(再発、2次性大腸がんまたは死亡いずれかのイベント発生までの期間)であり、OS(すべての原因による死亡までの期間)は事前に設定された副次評価項目であった。OSの非劣性マージンはハザード比(HR)1.11で、片側false discovery rate調整(FDRadj)p値<0.025の場合に非劣性とした。 大腸がん患者を対象とした術後補助化学療法について、無作為化第III相試験6件を前向きに統合解析した主な結果は以下のとおり。・追跡期間中央値72.3ヵ月において、1万2,835例中2,584例が死亡した。・5,064例(39.5%)がCAPOX療法、7,771例(60.5%)がFOLFOX療法を受けた。・5年OS率は、3ヵ月投与群82.4%、6ヵ月投与群82.8%であった(HR:1.02、95%CI:0 .95~1.11、非劣性FDRadjのp=0.058)。・レジメン別の5年OS率は、CAPOX療法で3ヵ月投与群82.1%、6ヵ月投与群81.2%であり(HR:0.96、95%CI:0.85~1.08、非劣性FDRadjのp=0.033)、FOLFOX療法ではそれぞれ82.6%、83.8%であった(HR:1.07、95%CI:0.97~1.18、p=0.34)。・最新のDFSの解析結果は、以前の結果を裏付けるものであった(HR:1.08、95%CI:1.02~1.15、非劣性FDRadjのp=0.25)。・新たな有害事象は報告されなかった。

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インフルエンザは1,000分の1、COVID-19余波でその他感染症が激減

 日本感染症学会と日本環境感染学会を中心に各医学会や企業・団体が連携し、感染症の予防に向けた啓発活動を行う共同プロジェクト「FUSEGU2020」は、2021年に開催が予定されるオリンピックを鑑み、注意すべき感染症と2020年の感染症流行の状況を解説するメディアセミナーを行った。 セミナーにおいて、防衛医科大学校内科学(感染症・呼吸器)教授の川名 明彦氏が「国際的マスギャザリングに向け、注意すべき感染症」と題した発表を行った。川名氏は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行を受け、その他の感染症の流行状況に大きな変化が生じている状況を紹介した。 オリンピックをはじめとした大規模イベント時にはインバウンド感染症(罹患した外国人の訪日を契機として持ち込まれた感染症)に警戒が必要となる。首都圏にとどまらず全国のホストタウンにおいても流行のリスクを踏まえ、事前の周知・対応が重要な感染症として結核・麻疹・デング熱・侵襲性髄膜炎菌感染症が挙げられた。 しかし、COVID-19拡大につれて海外との往来は制限され、東京オリンピックは延期が決定。緊急事態宣言に伴い外出自粛となり、宣言解除後もリモートワーク推進や会合自粛の流れが続いている。4月以降は訪日外国人数が例年の1,000分の1以下という極めて低い水準で推移しており、日常生活においては手洗い、マスク、換気、ソーシャルディスタンスの確保などが習慣化している。 こうした状況に伴い、今年はCOVID-19以外の主だった感染症の発症数が激減している。たとえば、インフルエンザの12月第1週の報告数は63(昨年同期:4万7,200)、流行の基準とされる定点当たりの新規患者数も0.01(同:9.52、流行開始の目安は1.0)と激減しており、冬の流行シーズンに入った現在も大規模な流行の報告はない。 ほかにも、2013年の流行時には年間1万4,344人、昨年も2,306人の感染者を出した風疹は12月第1週までの累計報告数が99人、昨年744人だった麻疹は同13人といずれも激減。人との接触機会の減少とともに、麻疹の場合は患者に訪日外国人の割合が多く、訪日者の減少が大きな要因として考えられるという。 川名氏は「患者の受診抑制による未診断、といった要因も考えられるため慎重な判断が必要だが、COVID-19感染防止対策が接触・飛沫感染を主な感染経路とするその他感染症の流行に抑制的に作用していることは間違いないだろう」と解説。一方で、淋菌感染症、性器クラミジア感染症、梅毒となった性感染症については例年と比較した発症数に大きな変化はなく、「こうした感染症には異なる予防対策が必要になるだろう」とした。

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日本人EGFR変異肺がん1次治療、エルロチニブ+ベバシズマブのOS(JO25567)/Lung Cancer

 日本人を対象とした無作為化第II相JO25567試験において、化学療法未治療EGFR遺伝子変異陽性非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)に対し、エルロチニブ+ベバシズマブ併用療法はエルロチニブ単剤に比べ全生存(OS)期間の有意差は認められなかった。同試験では無増悪生存(PFS)期間を有意に延長することが示されており、今回のアップデート解析でもPFSについては有意な延長が認められた。Lung Cancer誌2020年11月20日号掲載の報告。 研究グループは、StageIIIB/IVの未治療NSCLC患者を、エルロチニブ(150mg/日)+ベバシズマブ(15mg/kg 3週ごと)併用群(75例)もしくはエルロチニブ単剤群(77例)に無作為に割りつけた。 主な結果は以下のとおり。・主要解析と同様、併用群は単剤群に比べPFSを有意に改善した(PFS中央値:16.4ヵ月 vs.9.8ヵ月、HR:0.52、95%CI:0.35~0.76、log-rank検討両側p=0.0005)。・一方、OSの有意な改善は認められなかった(OS中央値:47.0ヵ月 vs.47.4ヵ月、HR:0.81、95%CI:0.53~1.23、p=0.3267)。・後治療は治療群間で類似しており、EGFR変異タイプはOSの結果に影響しなかった。・5年OS率は、併用群が単剤群より数値的には高かった(41% vs.35%)。・安全性については、以前に報告された管理可能な忍容性プロファイルが確認され、新たな問題はみられなかった。

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COVID-19へのシクレソニド、肺炎増悪抑制せず/国立国際医療研究センター

 COVID-19の治療薬候補として期待されているシクレソニドについて、肺炎のない軽症COVID-19患者90例を対象に肺炎の増悪抑制効果および安全性を検討した、全国21施設における多施設共同非盲検ランダム化第II相試験の結果、有効性が示されなかった。2020年12月23日、国立国際医療研究センターが発表した。米国含む海外にて実施されている検証的な臨床試験の結果も踏まえて判断する必要があるが、今回の研究結果からは無症状・軽症のCOVID-19患者に対するシクレソニド吸入剤の投与は推奨できないとしている。 気管支喘息の治療薬である吸入ステロイド薬シクレソニド(商品名:オルベスコ)は、SARS-CoV-2に対する「抗ウイルス活性」が非臨床試験で報告されており、また国内においてCOVID-19患者3例で症状改善を認めたとの報告があることから、国立国際医療研究センターが中心となって有効性および安全性を検討するための臨床試験を厚生労働科学研究として実施した。 肺炎のない軽症COVID-19患者90例をシクレソニド吸入剤投与群と対症療法群にランダム化。主要評価項目は、胸部CT画像による入院8日目以内の肺炎増悪割合、主な副次評価項目は鼻咽頭ぬぐい液のウイルス量の変化量であった。 その結果、肺炎増悪率は、シクレソニド吸入剤投与群41例中16例(39%)、対症療法群48例中9例(19%)であり、リスク差0.20(90%信頼区間:0.05~0.36)、リスク比2.08(同:1.15~3.75)、p=0.057であった。p値は両側有意水準10%を下回り、対症療法群と比べてシクレソニド吸入剤投与群で有意に肺炎増悪が多かった。 本剤は、厚生労働省が公開している「新型コロナウイルス感染症診療の手引き」の第4版では「日本国内で入手できる薬剤の適応外使用」のその他の薬剤例として記載されており、「現在国内において特別臨床研究が実施されているほか、観察研究に関しても実施中」と紹介されている。

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COVID-19ワクチンの対象集団、国や地域による違いは?/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン接種の対象集団の規模は、国や地域によって著しく異なっていることを、中国・復旦大学のWei Wang氏らが記述的研究で明らかにした。著者は、「国や地域レベルでの対象集団の分布は、ワクチンの優先順位や配分を公平かつ効率的に計画することの重要性を強調している」と述べたうえで、「各国は、地域の疫学、基礎となる公衆衛生、利用可能なワクチン量の予測、直接的または間接的な有益性をもたらすワクチン接種戦略の選択などに基づいて、さまざまな戦略と配分計画を評価すべきである」とまとめている。先行研究において、COVID-19ワクチンの公正な配分を保証する倫理的な枠組みについては説明がされている。そのうちの1つは、最適化アルゴリズムを用いて異なる目的に対する最適なワクチン配分戦略をモデル化しており、人口統計、職業または高リスク集団(エッセンシャルワーカーや既往歴のある人など)を対象としたワクチン接種プログラムに関する集団規模が必要と示されていた。BMJ誌2020年12月15日号掲載の報告。WHO加盟国194ヵ国についてワクチンの対象集団の規模を調査 研究グループは、世界保健機関(WHO)の加盟国194ヵ国について、各国の特性やワクチン接種の目的(必要不可欠な社会サービスの維持、COVID-19重症化の抑制、症候性感染症の減少、ウイルス感染の抑止)に基づいたCOVID-19ワクチン接種の対象集団の規模を評価した。 規模の推定には、職業、年齢、COVID-19重症化リスク因子、ワクチンの受け入れ、世界的なワクチン生産量で層別化された人口規模に関する国別データを使用し、これらのデータは公式ウェブサイト、メディア、学術論文などの多面的な検索より入手した。ワクチン接種の対象集団規模、目的や地域で大きく異なる COVID-19ワクチン接種対象集団の規模は、ワクチン接種の目的や地域ごとに著しく異なった。人口構造、基礎疾患の存在、エッセンシャルワーカーの人数が、地域や国レベルでの対象集団推定の大きな変動に関与した。 とくに欧州は、エッセンシャルワーカー(6,300万人、8.9%)および基礎疾患を有する人(2万6,590万人、37.4%)の割合が最も高かった。これら2つのカテゴリーは、それぞれ社会機能の維持およびCOVID-19の重症化抑制に不可欠である。 一方、東南アジアでは、健康成人(7万7,750万人、58.9%)の割合が最も高く、市中感染の抑制が重要な目的となることが示された。 ワクチン忌避は、将来的なCOVID-19ワクチン接種プログラムに影響する可能性があるが、文献レビューに基づくと、世界の人口の68.4%(95%信頼区間[CI]:64.2~72.6%)がCOVID-19ワクチン接種を受ける意思があり、ワクチン接種を希望する成人集団は37億人(95%CI:32億~41億)と推定された。

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慢性硬膜下血腫にデキサメタゾンは有益か/NEJM

 症候性慢性硬膜下血腫の成人患者において、デキサメタゾンによる治療はプラセボと比較して、6ヵ月後の良好なアウトカムには結び付かず有害事象も多かった。ただし、被験者のほとんどが入院中に血腫除去術を受けており、再手術に関する評価についてはデキサメタゾン群で少ないことが示された。英国・ケンブリッジ大学のPeter J. Hutchinson氏らが、英国の23施設で実施した無作為化試験「Dexamethasone for Adult Patients with a Symptomatic Chronic Subdural Haematoma trial:Dex-CSDH試験」の結果を報告した。慢性硬膜下血腫は、とくに高齢者に多い神経疾患・障害である。慢性硬膜下血腫患者のアウトカムに対するデキサメタゾンの有効性は、これまで十分な検討がなされていなかった。NEJM誌オンライン版2020年12月16日号掲載の報告。2週間のデキサメタゾン漸減投与vs.プラセボ、6ヵ月後の修正Rankinスコアで比較 研究グループは、18歳以上の慢性硬膜下血腫患者を、デキサメタゾン群またはプラセボ群のいずれかに1対1の割合で無作為に割り付け、2週間経口投与した。デキサメタゾン群では、1~3日目に8mg、4~6日目に6mg、7~9日目に4mg、10~12日目に2mgをそれぞれ1日2回、13~14日目に2mgを1日1回経口投与し、経口投与ができない場合は経鼻胃管内投与した。 外科的血腫除去術は、主治医の判断により実施された。 主要評価項目は無作為化後6ヵ月時の修正Rankinスケール(mRS)スコア(0~6、0:症状なし、6:死亡)で、0~3をアウトカム良好と定義し、修正intention-to-treat解析を行った。アウトカム良好の達成割合に差はなし、デキサメタゾン群で再手術率は低下 2015年8月~2019年11月の期間に、748例が無作為化され治療を開始した(デキサメタゾン群375例、プラセボ群373例)。患者の平均年齢は74歳で、94%が入院中に血腫除去術を受けた。入院時のmRSスコアが1~3の患者の割合は、両群とも60%であった。 同意撤回または追跡調査から脱落した患者を除外した修正intention-to-treat解析の結果、解析対象680例において、mRSスコア0~3のアウトカム良好の患者の割合は、デキサメタゾン群83.9%(286/341例)、プラセボ群90.3%(306/339例)であった(群間差:-6.4ポイント、95%信頼区間[CI]:-11.4~-1.4、p=0.01)。データが入手できた患者において、血腫再発に対する再手術は、デキサメタゾン群で349例中6例(1.7%)、プラセボ群で350例中25例(7.1%)に実施された。有害事象は、デキサメタゾン群のほうがプラセボ群と比較してより多く発生した(10.9% vs.3.2%、オッズ比:3.4、95%CI:1.81~6.85)。 なお、著者は、ほとんどの患者が入院中に血腫除去術を受けていること、6ヵ月時点での追跡調査脱落率は9%であること、デキサメタゾンの副作用の特性、また患者や医療者が割り付けを認識していた可能性があることなどを研究の限界として挙げている。

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諺あれこれ【Dr. 中島の 新・徒然草】(355)

三百五十五の段 諺あれこれコロナに始まりコロナに終わろうとしている2020年。いよいよあと数日ですね。年賀状の準備はいかがですか、皆さん。私は全くできていません。年末にふさわしい話が浮かんでこないので、普通の話をします。遠い昔、たぶん20年くらい前のこと。どこかの女子大の国語の入学試験。諺(ことわざ)に関する問題が出ていました。世の中の言い伝えには相反するものがある。たとえば人を見たら泥棒と思え渡る世間に鬼はないという2つの諺は正反対の事を述べている。このような組み合わせの例を挙げよ。そういうものでした。簡単そうに見えて、いざ答えようとすると案外難しい。読者の皆さん、何か思いつきますか?何かの折に考えてみるのですが、なかなか出てきません。結局、20年掛かりで思いついたのは2組だけ。まずは最初の1組。因果応報憎まれっ子世に憚る「悪いことをしたら、かならず報いがあるぞ」そのように親に教わったのですが、現実は全く逆。悪い奴ほど楽しく生きているような気がします。もう1組。下手の横好き好きこそものの上手なれ下手なくせに、やたら熱心に何かに打ち込んでいる人。一方、好きなだけあって上手じゃわい、と感心させられる人。両方ありますね。実は、この2つは正反対ではありません。というのは、あくまでも「横」好きです。「大」好きでもなければ「超」好きでもない。だったら「横」好きとは何だ、「横」好きとは!そのように皆さんは思うことと思います。「横」というのは本筋からそれている、という意味。あくまでも副業とか趣味とか、だそうです。細川バレンタイン氏がYouTube(幸せになりながら「お金」を稼ぐにはこれしかない! 細川バレンタインの考える「好き」と「お金」の関係!)で言ってました。ちなみに細川バレンタイン氏はボクシングの元日本チャンピオン。「前向き教室」というYouTubeでいつも人生について熱く語っています。正反対の諺の組み合わせに話を戻します。ネットを見ると、善はいそげせいては事をしそんじるという組み合わせもありました。前者は思いついたが吉日でも同じような意味ですね。そうすると後者は待てば海路の日和あり残り物には福があるという似たような言い伝えがあるかな。待て待て、確かIt’s Now or Neverというタイトルの歌もあります。プレスリーですね。これも先手必勝みたいな意味でしょうか。例によってだんだん止まらなくなってきました。よく考えたら、私が月刊「レジデントノート」に寄稿しているのも「対岸の火事、他山の石」という名前のシリーズです。タイトルの前半と後半を対比させていたことをすっかり忘れていました。こうなったらもう諺地獄です。いい加減にしておかないと2020年が終わりません。ということで皆様、よいお年をお迎えください。最後に1句 諺で 頭の体操 年の暮れ

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レジデント3年目、相互評価システムと後輩の育成・指導で自らも成長【臨床留学通信 from NY】第15回

第15回:レジデント3年目、相互評価システムと後輩の育成・指導で自らも成長米国内科レジデントは、1年目のインターンを終えると、2~3年目はレジデントとして、インターンを監督する役目となります。当院(Mount Sinai Beth Israel)のレジデントの場合、2~3人のインターンおよびその担当患者を把握する必要があり、最大20人の患者をカバーします。日本と違い、かなり患者の出入りが激しい米国の病院なので、ひと口に20といってもなかなかの忙しさです。たとえば、朝の採血結果などを確認し、昼過ぎに退院可能と判断すれば、その日の夕方から夜にも退院させる判断・行動のスピード感は日本とはかけ離れており、在院日数の短さを心掛ける米国らしい一面と言えるでしょう。相互評価で保たれるほど良い緊張感とスタッフの質的レベル米国のレジデントとインターンは互いに評価し合う関係性です。レジデントはアテンディング(指導医)およびインターンからの評価を受け、逆に双方に対する評価も行います。評価は概ね匿名で行われ、アテンディングからのフィードバックには署名があります。ただ、評価はWeb baseなので、逆にインターンからレジデントに対し辛辣なコメントをもらうケースもあります。相互評価なので、業務の上では皆、ある程度niceに接するように心掛けており、無用に怒鳴ったり、人物的に評判がよくなかったりするアテンディングは辞めさせられることもあります。また、働かない研修医は容赦なくプログラムをクビになったり、進級ができなかったりすることもあり、そうしたよい意味での緊張感あるためか、メンバーはおおむね一定以上レベルが担保されています。さらに、アテンディングによる評価をもとにプログラムディレクターがフェローシップへの推薦状を作成するため、こちらも気が抜けません (一連のプロセスが終わった今は、もう気が抜けてしまいましたが)。日本では経験しなかった良いシステムとして、2週間ごとのローテーション後のフィードバックを1:1の対面で行うことが挙げられます(推奨されているのに加え、面談によってweb baseの評価が上がるというメリットあり)。レジデントとしては、インターンや学生がこの先どうすれば成長するのか考えるのは勉強になりますし、英語でうまく助言するのもなかなか難しいです。米国の医学部は4年制ですが、4年目はsub-I (sub-intern)と呼ばれ、実質的にインターンと同レベルの仕事を求められます。つまり、学生といえども一定の権限を与えられ、オーダー、カルテ作成が要求されます。医学部3年目もオーダーする権限こそありませんが、インターンの下に配属され、カルテ作成が要求されます。そんな彼らのオーダーも、レジデントがすべて監督し、サインする必要があるのですが、学生たちのカルテチェックやフィードバックもレジデントとしての大事な役割で、私はそこから米国医学教育の根本を垣間見ることができましたし、日本の医学生とは求められているレベルが違うと実感した点でもあります。Column画像を拡大する夏よりApply中でした循環器フェローのマッチングですが、Montefiore medical center/Albert Einstein affiliated hospitalにマッチすることができました。今年はCOVID-19の影響もあってマッチングは想像以上に厳しいもので、同僚で循環器科志望だったレジデント(4人)はいずもアンマッチでした (例年ならば、当院では循環器科のアンマッチはあり得ません)。米国では、循環器医になりたい人たちの熾烈な競争がベースとしてあります。今回経験した自身のマッチングについては、また改めて本連載でお伝えします。

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第38回 理事長解任騒動で皮肉にも明らかに、神奈川県立病院機構の闇事情

神奈川県立がんセンターなど、5つの病院を管轄する神奈川県立病院機構。その理事長解任騒動から3年近く経ったが、解任を不服とした土屋 了介氏(現・ときわ会グループ顧問)は、神奈川県を相手取り、解任処分の取り消しを求める行政訴訟を横浜地方裁判所に起こすなど不穏な事態となっている。騒動のきっかけは、同センターで放射線科部長を務めていた女性医師の経歴詐称疑惑だった。このほど、土屋氏が求めた行政文書の公開申請に対する県側の回答により、更なる疑惑が浮上した。診療放射線技師法には「照射録には医師の署名が必要」と記されているが、同センターの重粒子線照射録について、神奈川県立病院機構は理事長名で「(女性医師)本人の署名又は記名捺印はありません」と回答していることが明らかになったのだ。土屋氏は「驚くばかり」と話している。騒動の発端を振り返る。神奈川県立がんセンターは重粒子線治療を行っているが、厚生労働省は施設基準として施設責任者に一定の経験を求めている。具体的には、専ら放射線科に従事し、1年間は粒子線治療(重粒子線もしくは陽子線)に従事していることだ。しかし、件の女性医師は要件を満たしていなかった。申請書には「2年の粒子線治療の経験」が記載されていたというが、実際は放医研で3ヵ月間研修を受けたのみ。また、放医研で客員研究員を2年間務めていたが、その期間の大部分は重粒子線治療ではなく、神奈川県立がんセンターで一般的な放射線治療をしていたという。そこで機構理事長であった土屋氏は、施設責任者の資格がある医師を部長に任命する一方、2017年4月から女性医師を放医研へ研修に出す。しかし同年8月、女性医師は退職。同年11月には、残りの放射線治療医も退職してしまった。そんな中、独立行政法人になっても旧来のやり方から抜け出せない神奈川県立病院機構に対し、細かく指摘する土屋氏を負担に感じたのか、県側は2018年3月、土屋氏を解任するに至ったというわけだ。土屋氏は今年3月、2015年12月1日~2017年8月31日の期間、女性医師に関わる照射録の公開を申請したところ、後任の機構理事長名で「本件照射録には、本人の署名又は記名捺印はありません」との回答があったという。加えて、女性医師は放医研での2度目の研修に行っていなかった事実も明らかになった。土屋氏は2020年10月、横浜地裁に陳述書を提出した。その中、女性医師に関して次のように指摘している。1)横浜市立大学および横浜市は、神奈川県立がんセンター内に大学院設置を提案したが、女性医師の見解の下に、大学院施設建設の敷地が確保できないとの理由で、県は大学院設置を拒否し、人材の安定的確保の機会を逸した。2)女性医師が、厚生労働省関東甲信越厚生局神奈川事務所に提出した「既評価技術施設届出書」記載の粒子線の技術経験日数や経験症例数に関し、神奈川県警は告発されていた有印公文書偽造を受理した。3)女性医師は、スキャニング法など高度に進歩した重粒子線治療の実践についていけず、研修に行っていないという違法の発覚を恐れて退職したのが妥当だ。さらに土屋氏は、放射線治療医の確保活動を行わなかった当時の病院長や、女性医師を採用した県企業庁・県保健福祉局県立病院課の判断ミスも指摘。女性医師の照射録未署名に関しては、医療安全を脅かす重大事案として刑事告発の準備を進めている。その一方で、自身の理事長任期途中での解雇を不当として、黒岩 祐治県知事ら6人に損害賠償を求める訴訟を、2019年3月に東京地裁に起こしている。県知事が個人的責任を問われる事態となった神奈川県立病院機構の一連の顛末。今後の展開が注目される。

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うつ病、不安症、パニック症に対するインターネットベースの認知行動療法

 セラピストによるインターネットベースの認知行動療法(ICBT)は、うつ病、社交不安症、パニック症に対し有用であるといわれているが、その治療効果に対するリアルワールド環境の影響や予測因子については、あまりわかっていない。米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のAndrea N. Niles氏らは、うつ病、社交不安症、パニック症患者に対するICBTの有用性と症状改善の予測因子について、検討を行った。Behaviour Research and Therapy誌オンライン版2020年11月21日号の報告。 教育クリニック(teaching clinic)において10週間のICBTを行ったうつ病患者114例、社交不安症患者150例、パニック症患者106例を対象としたプロスペクティブコホート研究を実施し、治療効果と症状改善の予測因子について検討を行った。患者の症状は、治療前、治療中、治療後に自己申告で収集した。 主な結果は以下のとおり。・各疾患の主要症状に対するエフェクトサイズは大きかった。 ●うつ病:d=1.48 ●社交不安症:d=1.01 ●パニック症:d=1.15・うつ病に対するICBTの症状改善効果の予測因子は、心理学的治療歴なし(r=0.21)、ベースライン時のネガティブな思考の多さ(r=0.20)であった。・パニック症に対するICBTの症状改善効果の予測因子は、ベースライン時の安全な行動の多さ(r=0.25)であった。・統計学的モデルにベースライン症状を含めた場合でも、予測因子は有意なままであった。 著者らは「教育クリニックでのICBTは有用であり、ベースライン時の問題がより顕著な患者において、よりよいベネフィットが期待できる」としている。

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brigatinib、日本人ALK陽性NSCLCでも有望(J -ALTA)/JTO

 日本人を対象とした、ALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)に対するbrigatinibの有効性と安全性を検討した第II相無作為化試験「J-ALTA試験」の結果が、がん研有明病院の西尾 誠人氏らにより論文発表された。多施設共同、単群非盲検による検討で、アレクチニブ難治性の日本人患者において、臨床的に意義のある有効性が示されたという。brigatinibは臨床的関連があるALK遺伝子変異に対して強力かつ幅広い活性を有するよう設計された次世代ALK-TKIであり、米国では本年承認された。Journal of Thoracic Oncology誌オンライン版2020年11月25日号掲載の報告。 J-ALTA試験は、ALK-TKI難治性または未治療の20歳以上、StageIII B/C/IVのALK陽性NSCLC日本人患者を対象とし、まず(1)安全性を評価する導入試験(Safety Lead-in)、続いて(2)アレクチニブ既治療(単独またはクリゾチニブ既治療も含む)(メインコホート)とその他のALK-TKI既治療(探索コホート)の2コホートを対象とした難治性コホート拡大試験(Refractory Expansion)、および(3)未治療コホート拡大試験(TKI-Naive Expansion)が行われた。(3)の試験は進行中であり、今回は、(1)+(2)のALK-TKI難治性コホート試験の結果が報告された。 安全性導入試験は9例を対象とし、brigatinibを当初7日間は90mg/日、その後は180mg/日で1サイクル(28日間)投与し忍容性を評価した。難治性コホート拡大試験は、アレクチニブ既治療のメインコホート47例、その他ALT-TKI既治療の探索コホート16例を対象とし、brigatinibを180mg/日(導入期の7日間は90mg/日)投与した。 主要評価項目は、独立判定委員会(IRC)の評価による客観的奏効率(ORR)であった。 主な結果は以下のとおり。・2018年1月29日~2019年4月12日に72例が登録された。・2020年1月22日時点の解析において、72例のうち22例(31%)でbrigatinibの投与が継続され、アレクチニブ難治性の47例では14例でbrigatinibが継続投与されていた。・アレクチニブ難治性集団における、IRC評価の確定ORRは34%、奏効期間中央値は11.8ヵ月、病勢コントロール率は79%、IRC評価の無増悪生存期間は7.3ヵ月であった。・ベースラインで測定可能な脳病変を有していた8例のうち2例で、頭蓋内の部分的奏効が確認された。・brigatinibの抗腫瘍効果が、G1202R、I1171N、V1180L、L1196Mの2次的変異(secondary mutations)を有する患者で示された。・日本人患者における安全性プロファイルは既報のものと一致していた。

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「日本における希少疾患の課題」を刊行/武田薬品工業

 希少疾病の診療のポイントは、いかに迅速に確定診断し、専門の診療科で治療を開始するかにある。しかし、現在、希少疾病の確定診断では、正確な診断を得るのに長期間を要することが課題となっている。 たとえば、遺伝性血管性浮腫(HAE)の場合、確定診断までの平均期間がわが国では約13.8年であるのに対し、米国は約10年、欧州は約8.5年であり、日本は欧米に比べ長期間を要する状況である。希少疾病の患者さんの迅速な診断と適切な治療、支援を受けられる環境づくり 武田薬品工業株式会社は、こうした状況を鑑み、希少疾患の患者さんの課題を分析し、解決の糸口を考察した白書『日本における希少疾患の課題~希少疾患患者を支えるエコシステムの共創に向けて~』(以下、本書」)を刊行し、同社ホームページで公開した。 本書は、国内外の専門家の意見や文献調査をベースに、同社が知見を有するデータを交え、発症してから医療機関で正しい診断を受け、治療を進めていく中で患者さんが直面するさまざまな課題に関する要因分析、改善に向けての提言が含まれている。 同社の濱村 美砂子氏(ジャパンファーマビジネスユニット レアディジーズビジネスユニット ヘッド)は、白書刊行のねらいを「希少疾患の患者さんを取り巻く課題は多様であり、治療のみではなく多岐にわたる。そのような実情を一人でも多くの方に理解いただくために本書を作成した。また、患者さんのおかれた環境を改善するには、医療従事者や行政、患者会、企業など多様なステークホルダーが持続的に連携しあうエコシステムの構築が不可欠。当社は、治療薬の創出にとどまらず、一日も早く患者さんが診断され適切な治療と支援を受けられる環境づくりに貢献できるよう、幅広いステークホルダーと協働していく」と語っている。主な内容と目次【主な内容】・日本における希少疾患の患者さんを悩ませる課題とその根本的原因を患者団体、臨床開発、医師間連携などの観点から分析した、製薬企業発の希少疾患白書・国内外の専門家の証言や各種データをもとに、希少疾患患者さんにとって課題となる迅速な確定診断、専門的な医療などに関する海外の先進事例を紹介・患者さんを中心に、医療従事者や政府、患者団体や企業が連携して課題解決に取り組むための提言患者団体の強化支援、疾患啓発推進のための環境整備などを掲載【目次】1. 概要2. 背景及び目的3. 希少疾患の概要4. エコシステムを形成するステークホルダーの概要5. 希少疾患患者の抱える苦悩 「ペイシェント・ジャーニー」の考察6. 患者の苦悩を増幅させる「負の連鎖」の考察7. 根本的原因の深掘り-海外の事例とともに掘り下げる-/根本原因1~48. 希少疾患患者の課題を解決するエコシステム創造に向けた提言/提言1~59. 結論資料編:希少疾患に関する重要用語/略語/出典/数字で見る「ペイシェント・ジャーニー 希少疾患患者がたどる道のりと課題」

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血液による乳がん検診法開発へ、初の大規模試験開始/国立がん研究センター

 血液中マイクロRNAがんマーカーの乳がん検診での応用を検証する、3,000人対象の大規模臨床試験が全国 4 道県でスタートする。研究班は国立がん研究センターを中心に、国立国際医療研究センター、東京医科大学、日本対がん協会、東レの研究者らで構成し、北海道と福井県、愛媛県、鹿児島の各日本対がん協会支部、がん専門病院、大学病院などの協力を得て実施される。12月14日、国立がん研究センターがプレスリリースで発表した。 本試験で用いるのは、各検診機関での乳がん検診受診者の血液検体。がん等の疾患にともなって種類や量が変動することが明らかになっている血液中のマイクロRNAを東レの3Dジーンという技術で測定する。この測定には、13 種類のがんを対象にした「体液中マイクロ RNA 測定技術基盤開発」(2014~18 年度)で開発された診断モデルと検出技術が用いられる。本試験は、この基礎研究での成果を実際のがん検診で応用できるかどうかを検証するために計画されたもので、13 種類一つひとつのがんについて精度を検証していく必要があるとの考えから、まずは検出方法の開発が先行している乳がんを対象に初めて実施される。[開始時期・場所(終了はいずれも2022年3月)]愛媛県開始:2020年12月下旬より本格化(2019年8月より試行的に実施)場所:(検診)愛媛県総合保健協会、(精密検査)四国がんセンター、愛媛県立中央病院鹿児島県開始:2021年1月より開始場所:(検診)鹿児島県民総合保健センター、(精密検査)鹿児島大学病院北海道開始:準備が整い次第場所:(検診)北海道対がん協会、(精密検査)北海道がんセンター福井県開始:準備が整い次第場所:(検診)福井県健康管理協会、(精密検査)福井県立中央病院[参加対象]各検診機関で乳がん検診を受診する40歳から69歳の方で文書による同意が得られた方[登録目標]3,000人(マンモグラフィーで要精検と判定された方2,000人、精検不要と判定された方1,000人)[実施方法]参加者は全員、マンモグラフィーのほか、乳腺エコー検査を実施(マンモグラフィーで「要精検」と判断された方は精密検査で、「精検不要」と判断された方には本研究による乳腺エコー検査)。採血は9mLで、マイクロRNAがんマーカーを測定。[評価]マンモグラフィーの結果、乳腺エコーの結果、マイクロRNAがんマーカーの測定結果を比較し、分析を行う。がんの発見については、まず精密検査による発見で分析し、最終的にはがん登録の情報をもとに分析される。※マイクロRNAの測定結果は、参加者への公開はされない。

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COVID-19入院患者へのバリシチニブ+レムデシビル併用は有益/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で、とくに高流量酸素療法または非侵襲的換気療法を受けている入院患者において、バリシチニブ+レムデシビル併用はレムデシビル単独よりも回復までの時間を短縮し、臨床状態の改善を早めることが明らかになった。米国・ネブラスカ大学のAndre C. Kalil氏らが1,033例を対象に行った第III相二重盲検無作為化プラセボ対照試験「ACTT-2試験」の結果で、著者らは、「この組み合わせ療法は重篤な有害事象の減少と関連していた」と報告している。COVID-19は調節異常の炎症との関連が示唆されている。ヤヌスキナーゼ阻害薬であるバリシチニブとレムデシビル併用の効果については明らかになっていなかった。NEJM誌オンライン版2020年12月11日号掲載の報告。 レムデシビルにバリシチニブを14日以内追加投与 研究グループは2020年5月~7月にかけて、8ヵ国、67ヵ所の医療機関を通じて、COVID-19で入院中の成人患者を対象に試験を行った。 被験者を無作為に2群に分け、一方にはレムデシビル(10日以内)+バリシチニブ(14日以内)を(併用群)、もう一方にはレムデシビル(10日以内)+プラセボを投与した(対照群)。 主要アウトカムは、回復までの期間だった。主な副次アウトカムは、15日時点の臨床状態だった。回復までの日数中央値、併用群は7日で1日短縮 無作為化を受けた患者は計1,033例だった(併用群515例、対照群518例)。 回復までの期間中央値は、併用群7日(95%信頼区間[CI]:6~8)、対照群8日(7~9)だった(回復に関する率比:1.16、95%CI:1.01~1.32、p=0.03)。15日時点の臨床状態の改善に関するオッズ比(OR)は、併用群が30%高かった(OR:1.3、95%CI:1.0~1.6)。 試験開始時に高流量酸素療法または非侵襲的換気療法を受けていた患者の回復までの期間中央値は、併用群10日、対照群18日だった(回復に関する率比:1.51、95%CI:1.10~2.08)。 28日死亡率は、併用群5.1%、対照群7.8%だった(ハザード比:0.65、95%CI:0.39~1.09)。重篤な有害事象の発現頻度は、併用群が対照群に比べて有意に低率だった(16.0% vs.21.0%、群間差:-5.0ポイント、95%CI:-9.8~-0.3、p=0.03)。また、新たな感染症の発生率も併用群が有意に低率だった(5.9% vs.11.2%、群間差:-5.3ポイント、95%CI:-8.7~-1.9、p=0.003)。

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