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日本人男性における周産期うつ病有病率~メタ解析

 周産期うつ病は、女性のみならず男性においても発症する精神疾患である。父親の周産期うつ病の有病率に関するこれまでの国際的なメタ解析では、異文化または社会経済的環境が父親のうつ病に影響を及ぼす可能性があることを示唆している。しかし、これらのデータが、日本人男性においても当てはまるかどうかは明らかでなく、日本人男性を対象とした報告は少ない。獨協医科大学の徳満 敬大氏らは、日本人男性における周産期うつ病の有病率を推定するため、検討を行った。Annals of General Psychiatry誌2020年11月18日号の報告。 1994年1月~2018年6月に報告された日本人男性を対象とした出産前または産後うつ病の有病率に関する研究を、PubMed、医中誌より検索し、データを抽出した。日本人男性における父親の周産期うつ病の期間有病率を調査し、性差に関するサブグループ解析も実施した。 主な結果は以下のとおり。・基準を満たした研究は、最終的に15件であった。・男性における出産前または期間別の産後うつ病の有病率は、以下のとおりであった。 ●出産前:8.5%(95%CI:3.3~20.3) ●産後1ヵ月以内:9.7%(95%CI:7.4~12.8) ●産後1~3ヵ月:8.6%(95%CI:5.5~13.3) ●産後3~6ヵ月:13.2%(95%CI:11.6~15.0) ●産後6~12ヵ月:8.2%(95%CI:1.3~38.0)・出産前うつ病の有病率は、女性よりも男性のほうが有意に低かった。・産後うつ病の有病率は、男女間で有意な差が認められなかった。 著者らは「日本人男性における周産期うつ病の有病率は、全体として約10%であり、産後3~6ヵ月でピークに達していた。本結果は、国際的なメタ解析の結果と類似していた。とくに、産後うつ病の有病率は、女性だけでなく男性においても同様に高いことが明らかとなった。そのため、父親の周産期うつ病に対しては、出産前よりも産後により注意を払う必要がある」としている。

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住宅の断熱改修で居住者の入院率低下/BMJ

 住宅を改修し断熱を高めることで入院が減少し、その効果は呼吸器疾患に関してより顕著であることが明らかにされた。ニュージーランド・オタゴ大学ウェリントン校のCaroline Fyfe氏らが、住宅の断熱改修が感冒に関連する入院率を低下させるかを調査する目的で行った、国の改修補助プログラムの評価に関するデータを用いた準実験的後ろ向きコホート研究の結果を報告した。冬季の超過死亡および罹患は、寒冷な気候の国よりも比較的温暖な気候の国のほうが高いことが多い。この矛盾は、温暖な国では住宅の熱効率が悪く室温が低くなりやすく、湿気やカビが生じやすい環境を作り出していることと関連しているとされる。一方、これまで複数の介入研究で、熱効率を改善することにより、感冒関連疾患の症状が改善することが示されていた。BMJ誌2020年12月29日号掲載の報告。国の補助で断熱改修を行った住宅居住者について調査 研究グループは、ニュージーランドのエネルギー効率局が2009年7月~2014年6月に実施した「Warm-up New Zealand:Heat Smart(WUNZ)」プログラムを利用して断熱改修の補助金を受けた20万4,405戸の住人99万4,317人を対象に、改修前後の入院件数の変化を後ろ向きに解析した。 2009年7月1日~2011年12月31日の間にWUNZプログラムで断熱改修を行った住宅に、改修前3年間(ベースライン)と、改修後3年間または2014年7月まで(追跡期間)居住した住民を介入群(46万4,614人)とした。また、2012年1月1日~2014年6月30日の間に、WUNZプログラムで断熱改修を行った住宅の居住者を対照群(52万9,703人)とし、対照群では改修前3年間を追跡期間、さらにその3年前をベースライン(介入群のベースラインと同時期とする)とした。 主要評価項目は、差分法を用いて比較した介入群と対照群における改修前後(ベースラインと追跡期間)の入院件数の変化であった。とくに呼吸器疾患や喘息、高齢者の虚血性心疾患で入院が減少 2006年7月~2014年6月の期間における全体での入院件数(解析対象)は23万4,873件であった。 検討では、調査対象集団の民族的背景(マオリ、太平洋民族、欧州系、その他)も考慮した分析が行われた。介入群は対照群と比べて、マオリ、太平洋民族が占める割合が低かった。 改修後の入院率は、太平洋民族の急性入院(率比[RR]:0.94、95%信頼区間[CI]:0.90~0.98)、喘息(RR:0.92、95%CI:0.86~0.99)、心血管疾患(RR:0.90、95%CI:0.88~0.93)、および>65歳の虚血性心疾患(RR:0.79、95%CI:0.74~0.84)を除き、介入群および対照群ともに上昇した。 ただし上昇率は、対照群と比較して介入群で11%有意に低く(相対率比[RRR]:0.89、95%CI:0.88~0.90)、介入群では入院件数が1,000人当たり9.26(95%CI:9.05~9.47)減少していた。この効果は、呼吸器疾患(RRR:0.85、95%CI:0.81~0.90)、全年齢群の喘息(RRR:0.80、95%CI:0.70~0.90)、および>65歳の虚血性心疾患(RRR:0.75、95%CI:0.66~0.83)で、より顕著であった。

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同種移植後の急性GVHD、シタグリプチンの併用で減少/NEJM

 DPP-4阻害薬シタグリプチンをタクロリムスおよびシロリムスと併用することにより、骨髄破壊的同種造血幹細胞移植(allo-HSCT)後100日目までのGradeII~IVの急性移植片対宿主病(GVHD)の発生が減少することが明らかとなった。米国・インディアナ大学のSherif S. Farag氏らが、医師主導の非無作為化第II相臨床試験の結果を報告した。DPP-4はT細胞に発現する膜貫通型受容体で、CD26としても知られ、T細胞活性化における共刺激分子としての役割を有している。マウスモデルでは、CD26の発現低下によりGVHDが予防され移植片対腫瘍効果が維持されることが示されているが、シタグリプチンによるDPP-4阻害により、allo-HSCT後の急性GVHDが予防されるかどうかは不明であった。NEJM誌2021年1月7日号掲載の報告。タクロリムス+シロリムスに、シタグリプチンを移植前日から2週間併用 研究グループは、18~60歳で急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、骨髄異形成症候群(国際予後判定システム改訂版でスコアが3以上)または慢性骨髄性白血病(2レジメン以上のチロシンキナーゼ阻害薬に抵抗性など)の患者を対象に、骨髄破壊的前処置療法後に末梢血幹細胞移植を行った。急性GVHDの予防として、移植3日前よりタクロリムス(0.02mg/kg/日)およびシロリムス(4mg/日)の投与を開始し、GVHDを認めない場合は100日目より漸減し約180日で中止した。また、シタグリプチン(12時間ごとに600mgを経口投与)を移植前日から移植後14日目まで投与した。 主要評価項目は、移植後100日目までのGradeII~IVの急性GVHDの発生であった。登録期間は2016年1月~2018年11月で、2019年10月1日まで追跡調査を行った。移植後100日目までのGradeII~IV急性GVHD発生率は5% 評価対象症例は36例(年齢中央値46歳、範囲20~59歳)で、血縁者または非血縁者ドナーから移植を受けた。 移植後100日目までに急性GVHDの発生を認めたのは、36例中2例であった。GradeII~IVのGVHD発生率は5%(95%信頼区間[CI]:1~16)、GradeIIIまたはIVのGVHD発生率は3%(95%CI:0~12)であった。 1年非再発死亡は認められなかった。再発の1年累積発生率は26%(95%CI:13~41)、慢性GVHDの1年累積発生率は37%(95%CI:22~53)であり、1年無GVHD/再発生存率は46%(95%CI:29~62)であった。 有害事象については、allo-HSCTを受けている患者にみられるものと同様であった。

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コロナワクチンが来る前に読め!【Dr.倉原の“俺の本棚”】第38回

【第38回】コロナワクチンが来る前に読め!峰先生は、アメリカの国立研究機関で博士研究員を務める病理医で、ウイルス研究者です。Twitterをやっている人にとって、通称「ばぶ」先生の愛称で親しまれています。赤ちゃんっぽい感じですが、ウイルス学に関してはオリンピックアスリートくらい強いです。『新型コロナとワクチン 知らないと不都合な真実』峰 宗太郎・山中 浩之/著. 日本経済新聞出版. 2020年この本は、一般向けと医療従事者向けのちょうど間くらいの温度の内容で、新型コロナウイルスの核酸ワクチンについてあまり知らない人は必読です。私も、既存のワクチンとどう違うのかがわかっておらず、とりあえず冷凍が必要だという知識しかありませんでした。後半はワクチンから少し離れて、PCR検査について触れられています。とくに、名古屋市立大学大学院医学研究科教授の鈴木 貞夫先生との対談では、PCR検査を広く行うことについて鋭い指摘あります。間違った解釈がなぜ生まれるのか、ということを「アイスクリーム理論」とともに丁寧に説明しています。「医療従事者には白黒をつけるのが好きな人がたくさんいて、検査をすれば白か黒か分かると思っている」というご批判はその通りであろうと思います。あれだけ医学部で勉強したのに、いまだに電子カルテに表示される「異常値の色」に振り回されている医師がいるのですから。ケアネットは間違った情報を載せることはまずないと思いますが、世の中にはトンデモ医師が馬にまたがって似非ナポレオンのごとく先導して、おかしな持論を展開するという現象が存在します。私はこういう誤った情報に何かしら罰則を設けるべきだと思っています。世の中には「金と命」(YMYL:Your Money or Your Life)をテーマにして荒稼ぎしているあくどい連中がいますが、悪気がなく本気でトンデモ理論に漬かってしまった医師もいます。これが一番タチが悪い。ところで、峰先生の一番嫌いな言葉は「免疫力」です。曰く、「複雑な免疫システムを単純なものだと誤解させてしまうところもあるし、実際にはできないことをできるかのように誤認させるから」です。私がもし「免疫力を高める10の呼吸法」なんていう本を出したら、エライコッチャです。気を付けねば!『新型コロナとワクチン 知らないと不都合な真実』峰 宗太郎・山中 浩之 /著出版社名日本経済新聞出版定価本体850円+税サイズ新書判刊行年2020年

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第40回 専門家のコメントに嫌気も、飲食業界の苦痛と叫びの“真意”

この連載の前号が公開された1月8日、東京都と隣接する神奈川県、千葉県、埼玉県の一都三県に新型インフルエンザ等特別措置法(特措法)に基づく緊急事態宣言が発出されたが、1月14日には感染者増加が伝えられる栃木県、愛知県、岐阜県、京都府、大阪府、兵庫県、福岡県へと宣言対象地域が拡大された。これにより該当地域では2月7日まで飲食店の営業時間短縮要請(以下、時短要請)を柱に、テレワークによる出勤者7割減、午後8時以降の外出自粛とする感染防止対策が実行に移された。2度目の緊急事態宣言発出後、私は夜8時過ぎの自分の最寄駅周辺を歩いてみた。実は1度目の緊急事態宣言時、8月3日からの東京都独自による飲食店への午後10時までの時短要請(当初8月31日までの予定だったが、9月15日まで延長)、11月28日からの東京都独自の2度目の午後10時までの時短要請(当初12月17日までの予定だったが、2021年1月11日まで延長)も同様に時短要請を超えた時間前後の町の様子を定点観測している。なお、「不要不急の外出自粛なのにけしからん」というご意見もあろうかとは思うが、こうした町の様子を確認することも私の仕事なのでご理解いただきたいと思う。まず1回目の緊急事態宣言時、私が最寄り駅から半径1km圏を地図上でプロットし、それを基に徒歩で確認(雑居ビルの場合は2、3階も実際に踏破。ただし、店で飲食はしない)した範囲では、営業を確認できたのは9軒だった。その内訳は居酒屋、カラオケバー、ガールズバーが各2軒、焼肉店、ショットバー、洋食店が各1軒である。東京都独自の1回目の時短でも緊急事態宣言時とまったく同じ9軒が営業を続け、東京都独自の2回目の時短要請時には居酒屋が1軒増えて計10軒となった。この1軒の増加の際は「さすがに自粛疲れなのだろう」と勝手に推測していた。このため1都3県の知事が国に緊急事態宣言の発出を要請した際にも、自宅最寄駅周辺の飲食店の営業状況は宣言が出ても変わらないか、下手をすると逆に増えてしまうのではないかとすら思っていた。さて実際、1月8日午後9時ごろに町を歩いた様子はどのようなものだったのか?カラオケバー1軒、ガールズバー2軒を除き、すべて店を閉めていた。うち居酒屋1軒は緊急事態宣言中の完全休業となった。そのうち1軒の居酒屋の店主は顔見知り程度ではあるのだが、たまたま街中で出くわした時に立ち話程度だったが、今回はなぜ時短要請に応じたのかとストレートに聞いてみた。その答えは次のようなものだった。「簡単に言えば1日6万円と言う協力金はある程度は魅力でしたね。そもそも1回目の緊急事態宣言以後、何度も時短要請があった影響で、時短要請がなくとも昔と比べて徐々に夜遅くの客足が減少していたのは事実。実際には東京都による2度目の時短要請時にはそれに応じた場合の協力金は時短時間分の売上をそこそこに補填できるレベルに近づいていました。でも仕入れ先のこともあるので続けていました。今回は協力金も高いうえに、連日1,000人超の感染者が報告されるとやっぱり営業していていいのかとなりました」さもありなんではあるのだが、いまひとつすっきりしない。これは何のエビデンスもない、四半世紀超の記者経験のカンなのだが、これまである意味意地を張って時短に従わずにやってきた割に答えがキレイすぎる感じがしてならないのだ。とはいえ、立ち話程度の時間しかなく、また突っ込んで聞けるほどの関係もないので、これ以上は聞くことはできなかった。そこで多少は話を聞ける飲食店経営者数人(地域は東京都以外の地方都市もあり)に電話やオンラインでこの件について意見を聞いてみた。ちなみに話を聞いたこれらの人はいずれも緊急事態宣言や自治体独自の要請による時短営業は守ってきている人たちである。時短に応じない判断をした飲食店経営者の心理については推測が中心となる。彼らがほぼ一様に示した反応はやはり今回の東京都の場合の協力金の高さである。また、初耳の話としては従業員対策という話があった。どういうことか。地方の政令指定都市で焼肉店を営むAさんが語ってくれた。「いまは飲食業界も人手不足。アルバイトを募集すれば応募はありますが、短期間で辞めてしまうなど継続的な働き手の確保が難しい。このような状況下で、従業員やアルバイトが『コロナが怖い』と逃げ出したならば、店を開けることすらままならなくなる。時短に応じれば、従業員やアルバイトも経営者が感染対策に配慮しているとも感じます。彼らに逃げられないためにも時短に応じる必要はあるわけです。実際にそうした話は聞きますよ」先日、大相撲の序二段力士・琴貫鐵(ことかんてつ)が新型コロナ感染が怖いため休場を申し出たものの、日本相撲協会側が認めなかったことで本人が引退を表明したと報じられたが、それとほぼ同様のものと言える。この琴貫鐵の一件については賛否両論あるようだが、人によって何が怖いかは異なるため、私個人は琴貫鐵に同情的な立場だ。さてこの数人に聞いた時に驚くほど一致した意見もあった。ただ、これはエビデンスもない各人の推測に過ぎない。ただ、その推測がこちらから誘導することもなく、話を聞いた全員から出てきたことには驚いた。それはただ単に「もうここまでくると心が折れちゃったんじゃないかな」というものだった。地方のある県庁所在地で居酒屋を営むBさんは次のように語る。「今回の新型コロナのニュースで感染経路について、ことあるごとに飲食店、飲食店って言われちゃうでしょう。とくに医療の最前線にいる専門家の人たちが『会食は控えて欲しい』って何度も繰り返し言いますよね。それは確かに医学的には、飲食店が感染のポータルではあるんでしょう。でもね、じゃあ私たちはウイルスばらまいているんですか? 料理にウイルス振りかけて出しているわけでも、換気扇のそばにウイルスを設置して店内にばらまいているわけでもないですよ。むしろ毎回、客が退店したら、そのたびにテーブルや座席を消毒して最大限注意を払っていますよ。うちの店で感染が発生したら、それは客が店に持ち込んでいる可能性が高いとすらいえます。ですが今の国や自治体の発信、専門家のメッセージ、報道での伝えられ方を聞いていると、私たちはもはや社会の敵であるかのように聞こえてしまいます。そんな中で時短を要請されれば、半ばやけっぱちで『ああ、そうですか』と従ってしまいますね」Bさんは最近、テレビでコロナ関連ニュースを確認することは止め、新聞を読むようにしているという。それはテレビのニュースで発せられる「飲食店」というキーワードを耳にするのが苦痛でたまらないからだという。時短営業を強いられ業績が悪化する飲食店は紛れもないコロナ禍の被害者である。しかし、このコロナ禍を抑えるために私たちをはじめ多くの人が発している悪気はないメッセージにも彼らの多くが傷ついている。新年早々の1回目の本連載で、社会の分断を危惧する旨を執筆したが、この飲食店経営者の人たちとのやり取りでまだまだ自分が鈍感だったことに改めて気づかされている。

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肺がん放射線、左前下行枝照射量と心臓有害事象の関係/JAMA Oncol

 放射線療法が冠動脈疾患(CHD)のリスクを高めることは知られているが、胸部への照射が避けられない肺がんではどうすべきか。米国・ダナ・ファーバーがん研究所およびブリガム&ウィメンズ病院のKatelyn M. Atkins氏らは、最適な心臓線量の制限がCHDの既往の有無で異なる可能性があることを明らかにした。著者は、「心臓リスクの層別化と積極的なリスク軽減戦略を改善するために、今回示された制限についてさらなる研究が必要である」とまとめている。JAMA Oncology誌オンライン版2020年12月17日号掲載の報告。 研究グループは、2003年12月1日~2014年1月27日に、ハーバード大学の関連病院で胸部放射線療法を受けた局所進行非小細胞肺がん患者701例を対象に、後ろ向きコホート研究を実施した。データの解析は、2019年1月12日~2020年7月22日に行われた。 心臓構造は手動で描写し、放射線療法の線量パラメータ(平均値、最大値、5Gy刻みで特定線量を受ける体積[V、%])を計算し、MACE(不安定狭心症、心不全による入院または救急受診、心筋梗塞、冠動脈血行再建術および心臓死)を推算し、ROC曲線およびカットポイント分析を行った。CHDの既往の有無およびその他の予後因子について、Fine-GrayおよびCox回帰分析により補正を行った。主要評価項目は、MACEおよび全死因死亡であった。 主な結果は以下のとおり。・患者背景は、701例中356例(50.8%)が男性、年齢中央値が65歳であった。・構造別の放射線療法の線量の最適なカットポイント(C-index最高値)は、左前下行枝(LAD)冠動脈がV15Gy 10%以上(0.64)、左回旋枝がV15Gy 14%以上(0.64)、左心室がV15Gy 1%以上(0.64)で、冠動脈への総線量平均値は7Gy以上(0.62)であった。・ベースラインのCHDの状態およびその他の予後因子について調整すると、LADのV15Gy 10%以上照射が、MACE(補正後ハザード比[HR]:13.90、95%信頼区間[CI]:1.23~157.21、p=0.03)、および全死因死亡(1.58、1.09~2.29、p=0.02)のリスク増大と関連していた。・CHDなしの患者では、LAD V15Gy 10%以上(4.9% vs.0%)、左回旋枝V15Gy 14%以上(5.2% vs.0.7%)、左心室V15Gy 1%以上(5.0% vs.0.4%)、および冠動脈への総線量平均値7Gy以上(4.8% vs.0%)は、1年MACEの増加と関連していた(すべてのp≦0.001)。・一方、CHDありの患者では、左心室V15Gy 1%以上(8.4% vs 4.1%、p=0.046)のみで1年MACEのリスクが増加した。・CHDなしの患者では、LAD V15Gy 10%以上照射(51.2% vs.42.2%、p=0.009)、および冠動脈への総線量平均値7Gy以上照射(53.2% vs.40.0%、p=0.01)において、2年全死因死亡率が増大した。

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食習慣と若年性認知症発症リスク~イタリアでの調査

 若年性認知症のリスクは、環境要因や食生活を含むライフスタイルによって変化する可能性がある。イタリア・モデナ・レッジョ・エミリア大学のTommaso Filippini氏らは、食生活と若年性認知症リスクとの関連を調査した。Nutrients誌2020年11月29日号の報告。 イタリア北部のモデナの新規若年性認知症患者54例および対照群として介護者54人を対象とした。食事の頻度に関する質問票により食生活を調査し、食物摂取と食事パターンのアドヒアランスについて評価を行った。食事の要因とリスクとの関係をモデル化するため、制限3次スプライン回帰分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・穀物摂取と若年性認知症は、U字型の関係を示し、350g/日超で若年性認知症リスクの増加が認められた。・乳製品の大量摂取(400g/日超)も、若年性認知症リスクの増加と関連が認められた。・全体として魚介類の摂取と若年性認知症リスクとの関連は認められなかった。保存や缶詰にされた魚類の摂取と若年性認知症リスクとの関連が認められたが、ほかの魚類では逆の関係が認められた。・野菜(とくに葉菜類)の摂取は、100g/日超で強い逆相関が認められた。かんきつ類やドライフルーツも同様であった。・全体として甘味の摂取と若年性認知症リスクとの関連は認められなかった。ドライケーキとアイスクリームでは正の相関が認められ、チョコレート製品では逆の関係が認められた。・飲料については、コーヒー摂取量とU字型の関係が認められた以外では、関連が認められなかった。・食事パターンに関しては、MINDダイエット(地中海式食事方法とDASH食を組み合わせた食事法)へのアドヒアランスが増加すると、若年性認知症リスクが直線的に減少した。・地中海式食事方法とDASH食での逆相関は、アドヒアランスレベルが非常に高い場合のみで認められた。 著者らは「本研究は、食事の要因と若年性認知症リスクとの関係を調査した最初の研究であり、MINDダイエットに対するアドヒアランスの増加が、リスク減少につながる可能性があることが示唆された」としている。

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新型コロナ、再入院しやすい患者の特徴は?

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の初発感染で入退院した患者のうち、9%が退院後2ヵ月以内に同じ病院に再入院していたことが明らかになった。また、複数の病院で患者の1.6%が再入院していた。再入院の危険因子には、65歳以上、特定の慢性疾患の既往、COVID-19による初回入院以前の3ヵ月以内の入院、高度看護施設(SNF:skilled nursing facility)への退院または在宅医療への切り替えが含まれていた。米国疾病予防管理センター(CDC)のMorbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)11月13日号での報告。 CDC研究班は、Premier Healthcare Database の電子健康記録と管理データを使用し、退院、再入院のパターン、およびCOVID-19による初回入退院後の再入院に関連する人口統計学的および臨床的特徴を評価した。 主な結果は以下のとおり。・2020年3~7月の期間にCOVID-19で初回入院した12万6,137例のうち、15%が初回入院中に死亡した。・生存患者10万6,543例(85%)のうち、9,504例(9%)は、2020年8月までの退院から2ヵ月以内に同じ病院に再入院していた。・初回入院後に退院した患者の1.6%で、複数回の再入院が発生した。・再入院は、自宅退院した患者(7%)よりも、SNFへ退院した患者(15%)、または在宅医療を要する患者(12%)でより頻繁に発生した。・65歳以上、特定の慢性疾患の既往、初回入院以前の3ヵ月以内の入院、および初回入院からの退院がSNFまたは在宅診療を要する退院であった場合、再入院の確率は年齢とともに増加した。 研究者らは、再入院の頻度とその危険因子を理解することで、臨床診療、退院の決定、およびCOVID-19患者の急性およびフォローアップケアに必要なリソースを確保するためのヘルスケア計画など、公衆衛生における優先順位を知ることができるとしている。

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BRCA1/2変異女性の乳がんリスク、60歳以降は?

 BRCA1もしくはBRCA2変異キャリアの60~80歳の乳がんリスクについて、カナダ・Toronto-Sunnybrook Regional Cancer CenterのNeda Stjepanovic氏らの遺伝性乳がん臨床研究グループが大規模前向き研究を実施した結果、どちらの変異キャリアにおいても60歳以降も乳がん発症リスクは高いままであることが示された。Breast Cancer Research and Treatment誌オンライン版2021年1月10日号に掲載。 本研究の被験者は、60歳時にがん既往歴がなく両側とも乳房の手術をしていない女性699人。乳がんの診断、予防的な両側乳房切除術、もしくは死亡するまで追跡し、60~80歳における乳がん(浸潤性およびin situ)の年発生率と累積発生率を計算した。また、ホルモン補充療法、乳がん家族歴、両側卵巣摘出術と乳がんリスクとの関連を評価した。 主な結果は以下のとおり。・平均追跡期間7.9年間に、61例が浸潤性乳がん、20例がin situ乳がんと診断された。・浸潤性乳がんの平均年発生率は、BRCA1変異キャリアで1.8%、BRCA2変異キャリアで1.7%だった。・60~80歳の浸潤性乳がんの累積リスクは、BRCA1変異キャリアで20.1%、BRCA2変異キャリアで17.3%であった。・ホルモン補充療法、家族歴および卵巣摘出術は、乳がんリスクとは関連していなかった。

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若手研究者に国際的がん教育を「国際がん研究シンポジウム」開催/近畿大学

 近畿大学医学部を主幹とする「7大学連携個別化がん医療実践者養成プラン」は、2021年1月18日~2月17日、オンラインにて「第4回国際がん研究シンポジウム」を開催する。同シンポジウムは、2013年3月に「第2期がんプロ」の取組の中で開催し、これまでに8回の開催実績がある。 国際がん研究シンポジウムは「教育講演」と「一般演題」の2部構成。「教育講演」では国内外の著名な研究者が各分野の最新の話題をわかりやすく伝える。「一般演題」では若手研究者がそれぞれのデータを持ち寄り発表すると共に、各分野の精鋭コメンテーターからの質問が待ち受ける。若手研究者はこれらの質問に英語で対応。質疑応答を含め、全体として優秀であると評価された演題にはセッションごとにアワードが贈られる。 ライブ配信(教育講演と一般口演)は、平日の19〜21時と各研究機関の医療従事者が参加しやすい時間帯としている。優秀演題選出の投票については視聴者も行う。 開催担当者は、「このシンポジウムの目的は『教育』。国際学会において英語がハードルとならないようにするには、普段から英語で発表し、英語で自分の意見を述べるというトレーニングが欠かせません。このシンポジウムがそういった機会になることを期待しています。」と述べている。 同シンポジウムへの参加は無料。視聴には事前登録が必要。【オンライン開催】・期間:2021年1月18日~2月17日・ライブ配信:2021年1月25日~27日、2月1日~3日の19:00〜21:00 ・Educational Lecture 1~10(ゲノム、肺、消化器、血液など) ・一般口演Session1~6 若手研究者の発表 16演題(TR、ゲノム、消化器、放射線、肺、血液)・オンデマンド配信:1月18日~ 2月17日(ホームページ上で閲覧可能) ・若手研究者の発表 21演題(放射線、肺、ゲノムなど)・対象:医療従事者・参加費:無料・参加方法:ホームページより参加登録・問い合わせ:第4回国際がん研究シンポジウム事務局 ・近畿大学医学部がんプロ事務局 ganpro@med.kindai.ac.jp ・特定非営利活動法人 近畿がん診療推進ネットワーク k-ccnet@med.kindai.ac.jp■参考第4回国際がん研究シンポジウム ホームページ第4回国際がん研究シンポジウム プログラム参加登録

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COPD急性増悪、入院患者の約6%が肺塞栓症/JAMA

 呼吸器症状の急性増悪で入院した慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者において、あらかじめ定めた診断アルゴリズムを用いると、5.9%の患者に肺塞栓症が検出された。フランス・Centre Hospitalo-Universitaire de BrestのFrancis Couturaud氏らが、同国内の病院7施設で実施した前向き多施設共同横断研究「prevalence of symptomatic Pulmonary Embolism in Patients With an Acute Exacerbation of Chronic Obstructive Pulmonary Disease study:PEP研究」の結果を報告した。COPDで呼吸器症状が急性増悪した患者における肺塞栓症の有病率はこれまで明らかになっておらず、COPDの急性増悪で入院した患者に対していつどのように肺塞栓症のスクリーニングをするかが課題であった。JAMA誌2021年1月5日号掲載の報告。COPD急性増悪による入院患者を肺塞栓症診断アルゴリズムで評価 研究グループは、2014年1月~2017年5月の間に呼吸器症状の急性増悪のため入院したCOPD患者を対象に、あらかじめ定めた肺塞栓症診断アルゴリズム(改訂ジュネーブスコアによる検査前確率判定、Dダイマー検査、スパイラルCT肺血管造影+下肢圧迫超音波検査)を入院48時間以内に適用し、3ヵ月間追跡調査した(追跡調査最終日は2017年8月22日)。 主要評価項目は、入院48時間以内に診断された肺塞栓症であった。主な副次評価項目は、入院時に静脈血栓塞栓症を有していないとして抗凝固療法を受けなかった患者における3ヵ月間の肺塞栓症とした。その他の評価項目は、入院時および3ヵ月間の静脈血栓塞栓症(肺塞栓症または深部静脈血栓症)、ならびに3ヵ月間の死亡(静脈血栓塞栓症が臨床的に疑われるかどうかにかかわらない)とした。COPD急性増悪で入院後、2日以内に約6%で肺塞栓症が確認 COPD急性増悪のため入院した患者の計740例(平均[±SD]年齢68.2±10.9歳、女性274例[37.0%])が登録された。このうち、入院48時間以内に肺塞栓症が確認されたのは44例(5.9%、95%信頼区間[CI]:4.5~7.9%)であった。 COPD急性増悪による入院時に静脈血栓塞栓症を有していないと判定され抗凝固療法を受けなかった患者670例において、3ヵ月間の追跡期間中に肺塞栓症が確認されたのは5例(0.7%、95%CI:0.3~1.7%)で、このうち3例は肺塞栓症に関連して死亡した。 全例における3ヵ月死亡率は、6.8%であった(50/740例、95%CI:5.2~8.8%)。追跡期間中に死亡した患者の割合は、入院時静脈血栓塞栓症有病者が非有病者と比較して高かった(25.9%[14/54例]vs.5.2%[36/686例]、リスク差:20.7%、95%CI:10.7~33.8%、p<0.001)。 静脈血栓塞栓症の有病率は、肺塞栓症が疑われた患者(299例)で11.7%(95%CI:8.6~15.9%)、肺塞栓症が疑われなかった患者(441例)で4.3%(95%CI:2.8~6.6%)であった。 著者は、研究の限界として、呼吸器症状の急性増悪が軽度であった患者や重度呼吸不全患者は過小評価されている可能性があること、17.6%の患者は肺塞栓症の初回評価を完遂できていないことなどを挙げたうえで、「COPD患者における肺塞栓症の体系的なスクリーニングが果たしうる役割について、さらなる研究により理解する必要がある」とまとめている。

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高齢COVID-19患者、72時間以内の回復期血漿投与で重症化半減/NEJM

 重症化リスクの高い65歳以上の軽症新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者において、発症後早期の高力価回復期血漿療法により、COVID-19の重症化が抑制されることが明らかとなった。アルゼンチン・Fundacion INFANTのRomina Libster氏らが、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)特異的IgG抗体価の高い回復期血漿の無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果を報告した。COVID-19の進行を抑える治療はまだ見つかっておらず、これまで入院患者への回復期血漿の投与は成功していない。研究グループは、抗体は疾患の経過の早期に投与される必要があるのではと考え、軽度の症状発症後72時間以内に回復期血漿療法を開始する検討を行った。NEJM誌オンライン版2021年1月6日号掲載の報告。発症後72時間以内に回復期血漿またはプラセボを投与し、重症化を比較 研究グループは、軽度のCOVID-19症状を発症してから72時間以内の高齢患者(75歳以上、または1つ以上の合併症を有する65~74歳)を、回復期血漿(SARS-CoV-2スパイク蛋白に対するIgG力価が1:1,000以上の高IgG抗体価250mL)投与群とプラセボ群に無作為に割り付けた。 主要評価項目は、重症呼吸器症状(呼吸数30回/分以上、または室内気酸素飽和度93%未満、あるいはその両方)の発症とした。 本試験は、試験地域のCOVID-19患者が減少して安定した被験者登録が事実上不可能となったため、計画症例数の76%の時点で早期中止となった(試験期間:2020年6月4日~10月25日)。重症化率は、回復期血漿療法16%、プラセボ31% 合計160例が回復期血漿群(80例)とプラセボ群(80例)に割り付けられた。 intention-to-treat集団において、重症呼吸器症状を発症した患者の割合は、回復期血漿群が16%(13/80例)、プラセボ群が31%(25/80例)であり、回復期血漿群ではプラセボ群に比べて重症呼吸器症状の発症リスクが48%減少した(相対リスク:0.52、95%信頼区間[CI]:0.29~0.94、p=0.03)。 回復期血漿またはプラセボを投与する前に主要評価項目のイベントが確認された6例を除いた修正intention-to-treat集団では、回復期血漿群でより大きな効果が示唆された(相対リスク:0.40、95%CI:0.20~0.81)。 安全性については、非自発的な有害事象は観察されなかった。

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炎症性サイトカインとβ細胞機能(解説:住谷哲氏)-1342

 1型糖尿病は膵島関連自己抗体が陽性の1A型と陰性の1B型に大別される。1A型は抗体陽性であるが正常耐糖能であるstage 1、耐糖能異常はあるが糖尿病を発症していないstage 2、そして糖尿病を発症してインスリン投与が必要となるstage 3へ進行するとされている1)。自己抗体が陽性であることから発症に何らかの自己免疫異常が関与していることは間違いないと考えられ、これまでに多くの介入試験が実施されてきたが、現在でもその発症予防は確立されていない。 1型糖尿病は一般に急性発症の疾患と理解されているが、実はほとんどの患者(劇症型は除く)では発症直後にβ細胞機能が完全に廃絶するのではなく、数週間から数ヵ月の間に次第に廃絶していくことが知られている。したがって、stage 3の患者をターゲットとして、自己免疫異常を是正することでβ細胞機能の廃絶を抑制することが試みられるようになった。本試験もこの考えに基づいており、対象となったのはstage 3に移行して100日以内で、インスリン分泌能がある程度残存している若年(6~21歳)患者とされた。自己免疫異常を是正する介入としては、抗TNF-α抗体であるゴリムマブが投与された。 結果は、ゴリムマブの投与により52週後の血清C-ペプチド分泌量はプラセボに比較して有意に高値であった。さらにβ細胞のストレス状態の指標であるプロインスリン/C-ペプチド比もゴリムマブ群で有意に低値であった。つまりゴリムマブ投与により進行性のβ細胞機能の廃絶が抑制されたことが明らかとなった。 本試験の対象は発症直後の1A型糖尿病患者であるが、この結果は2型糖尿病患者における進行性のβ細胞機能低下progressive β-cell failureを抑制する観点からも非常に興味ある結果である。炎症性サイトカインは、細胞内インスリンシグナルを阻害することでインスリン抵抗性を惹起する。しかし2型糖尿病が進行性である理由はインスリン抵抗性ではなく、進行性のβ細胞機能低下にあるとされている。glycemic durabilityを評価したADOPT2)においてチアゾリジン薬であるrosiglitazoneが最も有効であったことが報告されており、PPARγを介したrosiglitazoneの抗炎症作用が関与していると推測された。さらに前糖尿病から2型糖尿病への移行にもβ細胞機能低下が深く関与しているが、この過程も同じチアゾリジン薬であるピオグリタゾンにより抑制されることが示されている3)。しかしこれらの結果からは、チアゾリジン薬の抗炎症作用が2型糖尿病におけるβ細胞機能低下を抑制したか否かが証明されたわけではない。 本試験結果の意義は、炎症性サイトカインであるTNF-αを阻害することで進行性のβ細胞機能低下が抑制されることが証明された点にある。まだまだ検討されるべき課題は多いが、2型糖尿病治療においても抗炎症作用を考慮した血糖降下薬の選択が今後ますます重要となるかもしれない。

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20年前の挨拶【Dr. 中島の 新・徒然草】(357)

三百五十七の段 20年前の挨拶朝、出勤しようとしたらやけに冷えています。車に乗ってから車外温度を見るとマイナス4度!北日本なら日常でも、大阪では異常な寒さです。スリップしないよう気をつけながら出勤しました。さて、ある日のことです。脳外科のレジデントに声を掛けられました。レジ「〇〇先生の教授就任壮行会が中止になったのでビデオメッセージを送ることになったんです。中島先生も撮影させてもらっていいですか」中島「えっ、ええけど。何を言ったらいいわけ?」レジ「なんでもいいですよ」中島「じゃあ『〇〇先生。体に気をつけて頑張ってください』ぐらいかな」レジ「はい、どうもありがとうございます」中島「おいおい、今のは練習なんやけど」レジ「大丈夫です」ということで、何とも凡庸なメッセージになってしまいました。こういう時にかぎって、後で名言が浮かんでくるわけです。題して「教授になったらやるべきこと2つ、やってはならないこと2つ」。これは私のオリジナルではありません。20年ほど前、別の先生の壮行会で聴いた挨拶です。「なるほど!」と感心したので記憶に留めておきました。せっかく思い出したので、読者の皆さんに紹介しておきます。やるべきこと1:その人の良いところを見つけてあげる「天は二物を与えず」といいますが、一物は与えます。どんな人にも1つは良いところがあるので、それを見つけて伸ばしてあげましょう。それが教授の役割です。やるべきこと2:教授が雑用をする医局員は仕事も勉強もしなくてはなりません。なので、教授が率先して雑用をやりましょう。この2つ、本当に実行したらすごく立派な教授になれそうですね!やってはならないこと1:「~では」と言わないこと新しい所に行くと、つい「前の病院では〇〇だった」と言いそうになるそうです。でも、どの大学もどこの医局もそれぞれに歴史があります。「~では」という言葉は、ぐっと飲み込んで口にしてはなりません。やってはならないこと2:医局員の手術にケチをつけてはならない外科医にとって、手術を否定されることは人格を否定されることと同じです。なので、「何をやっとんねん!」と思っても、そのまま口に出さないように。教授自ら一緒に手術に入って指導するべきだそうです。「そういうやり方もあるけど、こうしてもいいんじゃないかな」そう優しく教えてあげるのがいいのだとか。ということで、新教授の心得について大昔に聞いた話を述べました。教授になる人もそうでない人も、皆に役立つものと思います。最後に1句大寒波 昔の挨拶 吹き飛ばず

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極論で語る神経内科 第2版

大胆なモデルチェンジ、パワーアップした河合節、これができるのは「極論」だけ!神経内科といえば、変性疾患ばかり扱うみたいなイメージがありませんか? ですが本来、神経内科の守備範囲は広く、「認知症」「脳血管障害」「頭痛」「脊髄疾患」「末梢神経障害」などのコモンな疾患の知識も必要とされます。また、古典的な神経内科疾患にも新知見や治療法がどんどん加わっています。さらに「めまい」や「睡眠」といったコモンな症候もカバーします。そんな新しい神経内科の軸を踏まえた「極論」らしい大改訂となりました。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。    極論で語る神経内科 第2版定価3,500円 + 税判型A5判、並製頁数208頁発行2021年1月著者河合 真監修者香坂 俊

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第40回 ALSの医師が問う重度障がい者の「生きる意味」

京都で2019年に起きた筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の嘱託殺人事件には医師が関与し、神奈川県相模原市で2016年に起きた障がい者施設殺傷事件では、元職員の被告が「(知的障がい者は)生きる意味がない」と述べ、社会に衝撃を与えた。難病患者や震災被災者への支援などを行っているNPO法人Smile and Hope(千葉県八千代市)はこのほど、「心のケアシンポジウム」を開き、重度障がいを抱えながら生きる意味について、改めて問い掛けた。同法人理事長の太田 守武氏は、訪問診療医として働いていたが、2011年にALSを発症。2014年に確定診断された。一時は死ぬことしか考えられなかったというが、周囲の人々に励まされ、同じように苦しむ人たちのために活動することを決意した。以後、無料健康相談や震災被災者支援、講演などの活動を展開。2017年からは、難病患者の心のケアを行うことを目的としたシンポジウムを開いている。第4回となる今回のテーマは、「今こそ生きる意味を問う」とした。医療関係者らの励ましで人工呼吸器に踏み切る国内におけるALS患者は約1万人で、人工呼吸器の装着率は2〜3割。延命できるとはいえ、声を失うことに加え、家族に迷惑を掛けるからという理由で装着しない患者もいるという。しかし太田氏は、パソコンで声を再現できるマイボイスを使い、「私は装着して良かった。人生を楽しんでいるから」と話す。そんな太田氏だが、生きる希望を持てたからと言って順風満帆だった訳ではなかった。死を考え続けた時期を“第1の壁”だとすれば、“第2の壁”は胃瘻造設時だったと振り返る。症状は足から始まり、ゆっくり進行したため油断があったという。マスク内部の人工呼吸器を使い、「まだ大丈夫」と思っていたが、呼吸機能が落ちた上、食事を摂るのも困難になり、体重が約10kgも落ちてしまった。胃瘻の手術自体は簡単と言われるが、呼吸機能が落ちる中での手術は「とても恐怖だった」という。結果的に手術は成功、胃瘻から栄養を摂れるようになり、体重も元に戻った。しかし、依然として呼吸機能は低下したまま。脈拍は1分間に130回以上が当たり前、時には160回を超えることもあり、太田氏は「遂に年貢の納め時が来た」と思ったという。この時期に“第3の壁”が立ちはだかった。呼吸苦はとても辛く、人工呼吸器を装着すれば楽になれることは、医師である自身が十分わかっていることであった。それでも「これ以上の苦しみを味わいたくない」とマイナス思考に陥り、手術を目前に翻意しかけたが、周囲の励ましで思い直し、手術を受けて人工呼吸器を装着。脈拍は1分間に70回程度にまで落ち着いた。「情動制止困難」が乗り越えるべき最大の壁に“第4の壁”は「とてつもなく大きかった」と太田氏。2018年、第2回心のケアシンポジウムの開催や東日本大震災の被災地支援の準備で忙しい日々が続く中、太田氏はNPOの仲間たちに強く当たるようになった。被災地支援の後に前述の手術を控え、声を失うことに対する恐怖心があった。感情のコントロールが利かない状態は術後も続き、怒りが募ればいつまでも収まらず、感動すれば涙が止まらない状態になった。この「情動制止困難」こそが、太田氏にとって乗り越えなければならない最大の壁だったという。さらに太田氏の場合、怒りで感情が高まると全身の痒みが生じ、症状がおさまるまで数時間掛かった。毎日この繰り返しで体力は奪われ、寝ているか痒みと格闘しているかだったという当時の日々を「まさに地獄だった」と振り返る。この状況を脱するために太田氏行ったのは、頭の中を空にして“無の境地”を目指す訓練だった。考える時は、家族や仲間との楽しい思い出を頭に浮かべ、怒りの感情を出さないように努めたという。患者になって“真の医師”に近付けた太田氏は「訪問診療医として何人ものALS患者を診療し、看取りもしてきたが、自分が発症してみて、何もわかっていなかったことに気付いた。いったんは死を望んだ自分が、再び生きる希望を持てたことで、真の医師に近付けた」と振り返る。そして、「4つの壁を乗り越えることができたのは、家族や仲間の支えがあったから。生きる意味は皆さんから教えていただいた。たとえ死を望んでいても人は変われる。ALSや重度障がいがあっても一緒に生きる意味を考えていくので、どうか相談してほしい」と訴えた。太田氏によると、医療福祉従事者であってもALS患者が在宅で暮らせることを知る人は多くない上、情動制止困難についてもほとんど知られていないのが実情だという。さらなる啓発と、行政の助成制度の充実を望みたい。

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統合失調症の自殺死亡率とその方法

 統合失調症患者の主な死因の1つは、自殺である。台湾・国立政治大学のChun-Hung Pan氏らは、統合失調症患者の自殺方法別の発生率を一般集団と比較するため、コホート研究を実施した。Social Psychiatry and Psychiatric Epidemiology誌オンライン版2020年11月27日号の報告。統合失調症の自殺方法は性別により異なることが示唆された 対象は、2001~16年の台湾健康保険研究データベースより抽出した統合失調症患者17万4,039例。フォローアップ期間中に死亡した患者数は2万6,926例、その内自殺により死亡した患者は3,033例であった。自殺に関連する人口統計学的変数を推定するため、単変量Cox回帰分析を用いた。統合失調症患者の自殺方法別の割合を、一般集団と比較し推定した。自殺方法別の発生率と標準化死亡比(SMR)を算出し、性別に基づいて層別化した。 統合失調症患者の自殺方法別の発生率を一般集団と比較した主な結果は以下のとおり。・自殺リスクが最も高い年齢層は、25~34歳であった。・統合失調症患者では、一般集団と比較し、飛び降り、溺死による自殺が多く、炭の使用、首吊りによる自殺が少なかった。・女性は、男性よりも溺死や飛び降りによる自殺の発生率が高かった。・物質使用障害の合併は、自殺によるSMRの高さと関連しており(26.9、95%CI:23.4~28.9)、とくに飛び降りによる自殺の場合に顕著であった(61.2、95%CI:48.3~76.3)。 著者らは「統合失調症患者は、一般集団と比較し、すべての方法による自殺率が高かった。統合失調症患者の自殺方法は、性別により異なることが示唆された。物質使用障害を合併した患者では、自殺方法別のSMRが高いため、とくに注意が必要である」としている。

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