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日本のAMLの遺伝子プロファイリング/日本血液学会

 包括的遺伝子解析プロファイル検査FoundationOne Heme(F1H)を用い、急性骨髄性白血病(AML)における関連ゲノム変化の頻度と特徴の評価を目的とした多施設共同研究HM-SCREEN-Japan 01研究の中間解析の結果が、国立がん研究センター東病院の宮本 憲一氏により発表された。FoundationOne Hemeの実用性と有用性が示された 解析対象は標準治療不適の新規診断AML35例、再発/難治AML患者56例、主要評価項目はF1Hを用いたAMLの遺伝子異常の頻度である。 FoundationOne Hemeを用いてAMLのがん関連ゲノム変化を解析した主な結果は以下のとおり。・検体送付から結果受領までの所要時間中央値は15日であった。・新規AML患者のactionable変異(FLT3、IDH1/2、NPM1、RUNX1、KIT、KMT2A)の頻度は49%であった。・再発・難治AML患者のactionable変異の頻度は75%であった。・相関係数0.7を超える遺伝子異常の組み合わせはなかった。 AML治療における包括的遺伝子解析プロファイル検査FoundationOne Hemeの実用性と有用性が、今回の解析で示された、と宮本氏は結んだ。

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糖尿病患者データ管理システム「リブレView」提供開始

 2020年10月29日、アボットジャパン合同会社は、クラウドベースの糖尿病患者データ管理システム「リブレView」を糖尿病患者と医療従事者向けに提供開始したことを発表した。本システムにより、FreeStyleリブレで記録された全グルコースデータを、紙や電子記録でやり取りせずに、安全なクラウドシステムを介して医療従事者と共有可能になる。また、新型コロナウイルス感染症流行下で病院への定期訪問に慎重な患者にも、最新データに基づく患者指導や診療が可能になるという。 本システムを利用するメリットとして、患者側は、FreeStyleリブレのリーダーに記録された全グルコースデータをノートパソコンなどからクラウドベースのリブレViewシステムにアップロードすることにより、印刷して持参する必要がなくなる。医療従事者側は、グルコースデータを経時的に参照することで、患者の健康状態に基づいたより適切な糖尿病管理を支援できる。また、リブレViewで複数患者のグルコースデータの一元管理が可能となり、さらなるモニタリングと支援が必要となり得る患者を優先して治療することが可能となる。 現在、新型コロナウイルスへの感染機会を減らすためにオンライン診療の導入が進んでいる。東京慈恵会医科大学の西村 理明氏は、「今後はデジタルデータを積極的に活用し、医療従事者が患者さんの糖尿病の管理状況についての詳細なデータにアクセスしつつ、オンライン上で糖尿病患者さんへの医学的な指導を行うなど、診療のオプションを増やさざるを得なくなると考えている。リブレViewでは、過去のグルコースデータの測定値について比較・参照することができるため、医療従事者は詳細な情報を把握して、患者さんをより適切にフォローすることが可能になる」と述べている。

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ER+HER-早期乳がんの長期予後予測、治療前18F-FDG PET/CTのSUVmaxが有用/日本治療学会

 乳がんで最も頻度の高いER陽性HER陰性早期乳がんは、10年以上の長期にわたって再発を来すことが知られており、近年は遺伝子検査などによる予後予測が行われている。今回、東京女子医科大学の塚田 弘子氏らによる研究で、治療前18F-FDG PET/CT (以下、PET/CT)での原発巣SUVmax値(maximum standardized uptake values)およびリンパ節転移個数が長期無再発生存期間(RFS)の予測因子であり、原発巣SUVmax値は長期全生存期間(OS)の単独予測因子であることが示唆された。第58回日本治療学会学術集会(10月22~24日)で報告された。SUVmax値が高値を示す腫瘍は増殖速度が高いため再発を来しやすい PET/CTは乳がん診療において2~5年程度の短期予後予測には有用との報告があるが、10年以上のRFSやOSとの相関は示されていない。本研究は、2007年1月~2010年5月に東京女子医科大学病院で治療が開始された原発性乳がんのうちcStage II以下かつER陽性HER陰性浸潤性乳管がん340例を対象とし、患者/腫瘍背景、治療前PET/CTのFDG集積がRFSおよびOSに与える影響をCox回帰比例ハザードモデルで評価した。 主な結果は以下のとおり。・観察期間中央値121ヵ月(16~159ヵ月)、再発は32例(9.4%)、死亡は17例(5.0%)であった。・単変量解析から、RFS予測因子の候補としてBMI、原発巣SUVmax値、浸潤径、pStage、深達度、リンパ管侵襲、核異型度、リンパ節転移個数、術後化学療法の有無が挙がり、OSの予測因子の候補としてBMI、原発巣SUVmax値、pStage、脈管侵襲、核異型度、リンパ節転移個数が挙がった。・多変量解析の結果、RFSについては原発巣SUVmax値(ハザード比[HR]:1.47、95%CI:1.29~1.67、p<0.001)およびリンパ節転移個数(HR:1.30、95%CI:1.06~1.60、p=0.011)が独立した予測因子で、OSについては原発巣SUVmax値(HR:1.38、95%CI:1.18~1.61、p<0.001)が独立した予測因子となった。 塚田氏は、「PET/CTにおけるSUVmax値は腫瘍活動性や増殖能との相関が報告されており、高値を示す腫瘍は増殖速度が高いことから再発を来しやすく、OSにも影響を与えているものと考えられる」とし、さらに本研究の結果から「SUVmax値は5年以降の生存率にも強く関連する」と考察している。

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COVID-19の入院/死亡の新予測アルゴリズムが有望/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による入院と死亡を予測するリスクアルゴリズム「QCOVID」は、良好に機能し識別能は非常に高いことが認められた。英国・Radcliffe Observatory QuarterのAsh K. Clift氏らは、成人COVID-19患者を含む患者データを用いたコホート研究により「QCOVID」を開発し、検証結果を報告した。これまでに論文発表されたCOVID-19のリスク予測モデルは、バイアスリスクが高く、実臨床に適用する際には信頼できない可能性があることが懸念されていた。今回のリスクアルゴリズムについて著者は、「提示された絶対リスクは、SARS-CoV-2感染率やソーシャルディスタンスの取り方などに応じて時間とともに変化する可能性があるので、解釈には注意すべきである」と述べたうえで、「本モデルは、異なる期間で再較正することができ、流行拡大に合わせて動的にアップデートされる可能性がある」としている。BMJ誌2020年10月20日号掲載の報告。英国の608万人のデータからリスクアルゴリズムを開発、217万人で検証 研究グループは、英国のプライマリケア1,205施設のデータベースで、COVID-19検査結果、Hospital Episode Statisticsおよび死亡登録データとも連携しているQResearchを用い、19~100歳の成人608万人を開発コホート、217万人を検証コホートに組み込み解析した。 開発コホートおよび第1期検証コホートは2020年1月24日~4月30日、第2期検証コホートは2020年5月1日~6月30日をそれぞれ試験期間とした。 主要評価項目は、COVID-19(確定または疑い)による死亡までの期間で、2020年1月24日~4月30日にSARS-CoV-2感染が確認された人における死亡診断または死亡発生と定義した。また、副次評価項目は、SARS-CoV-2感染確定による入院までの期間とした。 開発コホートにモデルを適合し、各種予測変数を用いてリスク方程式を導き出し、各検証コホートで識別および較正の性能を評価した。「QCOVID」の識別能および較正能は良好 追跡期間中、COVID-19による死亡は、開発コホートで4,384例、第1期検証コホートで1,722例、第2期検証コホートで621例発生した。最終的なリスクアルゴリズムには、年齢、人種、貧困、BMIおよびさまざまな併存疾患を組み込んだ。 このアルゴリズムは、第1期検証コホートにおいて較正精度は良好であることが示され、男性COVID-19患者の死亡に関して、死亡までの期間の変動の73.1%(95%信頼区間[CI]:71.9~74.3)を説明した。D統計量は3.37(95%CI:3.27~3.47)、Harrell’s Cは0.928(95%CI:0.919~0.938)であった。女性について、また両転帰および両期間においても、同様の結果が得られた。 予測死亡リスクが最上位5%の患者では、97日以内の死亡を特定する感度は75.7%であった。また、予測死亡リスクの上位20%の患者が、COVID-19による全死亡の94%を占めた。

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3mm未満の冠動脈病変へのDCB vs.DES、3年追跡結果/Lancet

 小径の新規冠動脈疾患の治療において、薬剤溶出性ステント(DES)に対する薬剤コーティングバルーン(DCB)の有効性/安全性は3年間維持されていた。スイス・バーゼル大学のRaban V. Jeger氏らが、多施設共同非盲検無作為化非劣性試験「BASKET-SMALL 2試験」の3年追跡結果を報告した。BASKET-SMALL 2試験の主要評価項目である12ヵ月後の主要心血管イベント(MACE)について、DESに対するDCBの非劣性が検証されており、DCBは新規小冠動脈疾患に対する治療として1年までは確立されていたが、1年を超えるデータは乏しかった。Lancet誌オンライン版2020年10月19日号掲載の報告。DCB vs.DES、MACE・全死亡・ステント血栓症・大出血の発生率を3年間追跡 研究グループは2012年4月10日~2017年2月1日に、ドイツ、スイス、オーストリアの14施設において、直径3mm未満の新規冠動脈病変を有し経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の適応となる患者758例を、DCB群(382例)または第2世代DESを留置するDES群(376例)に、1対1の割合で無作為に割り付け、3年間追跡した。抗血小板薬2剤併用療法の投与期間は、状態が安定した患者ではDCB群は術後1ヵ月間、DES群は留置後6ヵ月間とした。ただし急性冠症候群(ACS)患者では12ヵ月間が推奨された。 評価項目は、MACE(心臓死、非致死性心筋梗塞[MI]、標的血管血行再建術[TVR])、全死因死亡、probable/definiteステント血栓症、および大出血(BARC出血基準3~5)であった。最大の解析対象集団について修正intention-to-treat解析が実施された。MACE発生率はDCB群15%、DES群15%、大出血発生率はそれぞれ2%、4% MACE発生率(Kaplan-Meier推定値)は、DCB群およびDES群ともに15%であった(ハザード比[HR]:0.99、95%信頼区間[CI]:0.68~1.45、p=0.95)。MACEの各イベントの発生率(Kaplan-Meier推定値)についても、心臓死はDCB群5%、DES群4%(HR:1.29、95%CI:0.63~2.66、p=0.49)、非致死的MIはともに6%(HR:0.82、95%CI:0.45~1.51、p=0.52)、TVRもともに9%(HR:0.95、95%CI:0.58~1.56、p=0.83)であり、全死因死亡率(Kaplan-Meier推定値)もともに8%(HR:1.05、95%CI:0.62~1.77、p=0.87)で、いずれも同程度であった。 probable/definiteステント血栓症の発生率(Kaplan-Meier推定値)は、DCB群1%、DES群2%(HR:0.33、95%CI:0.07~1.64、p=0.18)、大出血の発生率はそれぞれ2%および4%(HR:0.43、95%CI:0.17~1.13、p=0.088)で、DES群に比べDCB群で低値であったが統計学的な有意差は認められなかった。

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双極性障害患者のラピッドサイクラーと寛解に関連する臨床的特徴

 ラピッドサイクラー(RC)では、双極性障害(BD)の重症度リスクが高まるが、1年後に寛解状態を達成した(one-year euthymia:OYE)患者の予後は良好となる。関西医科大学の加藤 正樹氏らは、精神科クリニックにおけるBDの多施設治療研究(MUSUBI)において、大規模サンプル(2,609例)におけるラピッドサイクラーおよび1年後に寛解状態を達成した患者にある患者の臨床的背景、処方特性について調査を行った。Journal of Psychiatric Research誌オンライン版2020年9月30日号の報告。ラピッドサイクラーの抗精神病薬の処方率は1年後に寛解した患者と比べて多い MUSUBIは、外来クリニック176施設にアンケートを配布し、BD連続症例のカルテをレトロスペクティブに調査した横断的研究である。患者背景、現在のエピソード、臨床的特徴、処方状況に関するデータをアンケートで収集した。OYEの定義は、12ヵ月以上の正常状態とした。 双極性障害患者におけるラピッドサイクラーおよび1年後に寛解状態を達成した患者の臨床的背景などを調査した主な結果は以下のとおり。・現在のラピッドサイクラーの割合は9.7%であり、女性で有意に高かった。・ラピッドサイクラー患者は、非ラピッドサイクラー患者と比較し、発症年齢が若く、機能障害を有し、神経発達障害および身体疾患の合併頻度が高かった。・1年後に寛解状態を達成した患者の割合は19.4%であり、女性、高齢、職業的地位の高さ、自殺念慮、精神症状、人格障害、アルコールまたは薬物乱用の低さと関連が認められた。・気分安定薬は80%以上、抗精神病薬は50%の患者に処方されていた。これらの処方率は、ラピッドサイクラーでより多く、1年後に寛解状態を達成した患者でより少なかった。・抗うつ薬の処方率は、ラピッドサイクラーよりも1年後に寛解状態を達成した患者のほうが低かった。 著者らは「RCとOYEは、相反する特性を有するが、パラメータの詳細に特色が認められた。これら相反する臨床的特徴の背景や特性を理解することは、BDの進行を予測するうえで役立つであろう」としている。

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第二アンジオテンシン変換酵素(ACE2)は、ヒトの運命をつかさどる『X因子』か?(解説:石上友章氏)-1309

 米国・ニューヨークのマクマスター大学のSukrit Narulaらは、PURE(Prospective Urban Rural Epidemiology)試験のサブ解析から、血漿ACE2濃度が心血管疾患の新規バイオマーカーになることを報告した1)。周知のようにACE2は、古典的なレニン・アンジオテンシン系の降圧系のcounterpartとされるkey enzymeである。新型コロナウイルスであるSARS-CoV-2が、標的である肺胞上皮細胞に感染する際に、細胞表面にあるACE2を受容体として、ウイルス表面のスパイクタンパクと結合することが知られている。降って湧いたようなCOVID-19のパンデミックにより、にわかに注目を浴びているACE2であるが、本研究によりますます注目を浴びることになるのではないか。 Narulaらの解析によると、血漿ACE2濃度の上昇は、全死亡、心血管死亡、非心血管死亡と関係している。さらに、心不全、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病の罹患率の上昇にも関係しており、年齢、性別、人種といったtraditional cardiac risk factorとは独立している。ここまで幅広い疾病に独立して関与しているとすると、あたかも人の運命を決定する「X因子」そのものであるかのようで、にわかには信じることができない。COVID-19でも、人種による致命率の差を説明する「X因子」の存在がささやかれていることから、一般人にも話題性が高いだろう。COVID-19とRA系阻害薬、高血圧との関係が取り沙汰されていることで、本研究でも降圧薬使用とACE2濃度との関係について検討されている(Supplementary Figure 1)。幸か不幸か、ACE阻害薬、ARB、β遮断薬、カルシウム拮抗薬、利尿薬のいずれの使用についても、有意差はつかなかった。血漿ACE2濃度は、血漿ACE2活性と同一であるとされるが、肺胞上皮細胞での受容体量との関係は不明である1)。したがって、単純にSARS-CoV-2の感染成立との関係を論ずることはできない。 COVID-19の「X因子」については、本年Gene誌に本邦のYamamotoらが、ACE遺伝子のI(挿入)/D(欠失)多型であるとする論文を発表している2)。欧米人と日本人で、ACE遺伝子多型に人種差があることで、COVID-19の致命率の差を説明できるのではないかと報告している。欧州の集団はアジアの集団よりもACE II遺伝子型頻度が低く、一方、高い有病率とCOVID-19による死亡率を有していた。何を隠そう、ACE遺伝子多型に人種差があることを、初めて報告したのは本稿の筆者である3)。自分の25年前の研究とこのように再会することになるとは、正直不思議な思いである。

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アファチニブの用量調整と有効性:NJLCG1601【肺がんインタビュー】 第53回

第53回 アファチニブの用量調整と有効性:NJLCG1601出演:仙台厚生病院 呼吸器内科 中村 敦氏EGFR変異陽性肺がんにおける低用量アファチニブの第II相NJLCG1601試験の結果がOncologist誌20202年6月19日号に発表された。筆頭著者の仙台厚生病院 呼吸器内科 中村 敦氏に、試験実施にいたる背景や試験結果について聞いた。Atsushi Nakamura,et al. Phase II Study of Low-Dose Afatinib Maintenance Treatment Among Patients with EGFR-Mutated Non-Small Cell Lung Cancer: North Japan Lung Cancer Study Group Trial 1601 (NJLCG1601) Oncologist. 2020 Jun 19. [Epub ahead of print]

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「育ちの良さ」を手に入れる【Dr. 中島の 新・徒然草】(347)

三百四十七の段 「育ちの良さ」を手に入れる寒くなりました。まだ10月だというのにもうストーブを使っています。さて、今回は「育ちの良さ」についてのお話。中田敦彦のYouTube大学で紹介されていました。「『育ちがいい人』だけが知っていること」というタイトルの本の内容です。ズバリ!中田によれば、「育ちの良さ」は入手可能なのだとか。ちょっと待った。大人になってからではどうにもならないのが「育ちの良さ」じゃないのか?そう思うのが普通です。親が厳しく、幼い頃からちゃんとした行儀作法を教えられる。それが「育ちの良さ」であり、今さら過去を変えることはできません。しかし、考えてもみてください。「育ちの良さ」というのは、決して本人が主張するものではありません。周囲の人が漠然と感じるものです。ということは、本当に育ちが良いかどうかはどちらでもいいわけです。周囲に「あの人は育ちがいい」と思わせること、これが大切。というわけで、中田がこの本からいくつかのテクニックを紹介しています。まず、育ちの良い人は素直だ、ということ。こりゃまあ、経験上、そうですよね。人の話を最後まで聞かずに否定しにかかる。物事の裏を読もうとする。なんでも他人のせいにする。このような人は決して育ちがいいとは思ってもらえません。次に、玄関で靴を脱ぐときは、しゃがんで揃えるということ。玄関ばかりでなく、他にも靴を脱いであがる場所というのは色々あります。そんなときに後ろ向きに靴を脱いであとずさりしながら上がるのはみっともない。前向きに脱いで上がってから、しゃがんで靴を揃えるのがいいそうです。確かにそのとおり。この「靴を揃える」という動作の美しさが、相手に「育ちの良さ」を感じさせるのです。似たようなことを「懲役太郎」も言ってました。以前に本欄で触れた別のユーチューバーです。その筋の人たちの寄り合いで靴を脱いだときに、すかさず揃えることのできない奴はダメだ、と。「この程度か。組の躾はどうなっているんだ」他の人にそう言われ、本人が軽くみられるばかりか、親分にまで恥をかかせてしまいます。ということで、靴を揃える、というのがあの人たちの修行のイロハだとか。期せずして、育ちの良い人も裏稼業の人も、力の入れどころが一致してしまいました。それはそうとして、結局のところ、育ちの良さは所作と言葉遣いに集約されます。ですから、実際の育ちはどうであれ、本人の意識ひとつで体得できるスキルに違いありません。他にも多くのテクニックがYouTube大学では紹介されていました。食事のマナーだとか、表情だとか、会釈の仕方だとか。要するに立ち居振る舞い全般ですね。あまりにも目からウロコなので、思わずこの本を買ってしまいました。Kindleで税込1,247円!たった1,000円余りで育ちの良さが手に入るのなら安いもの。もっともアマゾンのレビューは必ずしも高評価ばかりではありません。面白いことに星1つから星5つまでの評価が満遍なくあります。特に低評価をつけている人からは散々な言われよう。育ち、という本人に変えられないものを題にするな内容が薄っぺら過ぎマナーを使ってマウントを取られているよう単なるマナー本なのでタイトルが過大だなどなど。確かに「『育ちがいい人』だけが知っていること」というタイトルは中身とズレているように思います。本の内容からタイトルを考えるなら、「育ちの良さ」はスキルだ「育ちの良さ」を手に入れようといったところでしょうか。とはいえ、役立つ本であることには間違いありません。私も靴を脱いだら揃えることから始めております。ということで最後に1句靴脱いで 足に感じる 冷気かな

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離島に代診で行ってみた その2【空手家心臓外科医、ドイツ武者修行の旅】第20回

前回から引き続き、代診のお手伝いに行ってきた甑(こしき)島のお話をしたいと思います。心臓外科も空手も関係ない世界のお話ではありますが…。2020年も大きな台風がたくさん発生しましたが、幸い本州を直撃したものはありませんでした。しかし、中でも最大級だった台風10号は、狙いすました様に九州西側に位置する甑島を直撃しました。ちょうど甑島へ行く1週間前のことだったので、「まさか診療所、吹っ飛んだりしていないよな…?」と不安になったりもしました。実際に島に着いて散策をしていると、写真のように痛々しい傷跡があちこちに認められ、台風の威力を物語っていました。直接的な人的被害はほとんどなかったそうですが…何ぶん高齢化の進んでいる地域ですので、住民たちが自力で補修作業に当たらなければならないことも多くあります。その結果、腰痛が発生したり、屋根から落っこちたり…副次的な影響が沢山出てきていました。では、すっかり島は落ち込んだ空気かと言うと、そういうことはなかったです。台風直後のとある土曜日に、集落にある小学校で運動会が開かれました。小学生だけだと人数が少ないので、中学生と合同で行われていました。と言いますか、それでも人数が足りていないので、何かしらのチームを作って、大人も参加したりします。お婆さんが大漁旗を振って応援していたり、予想外の盛り上がりをみせていました。診療所からも、地域研修で島に来ていた研修医を中心としたチームで出場しました。平均年齢は若かったのですが、4チームで走って2位と、残念な結果に終わりました。その後、夜は(一人で)焼肉屋に行ったのですが、周りは運動会後の反省会をしている家族ばかりでした。「何で、あそこで諦めたんだ!」とか、「お前、勉強もできないのに運動でも負けてどうすんだ!」とか、あちらこちらから辛辣な言葉が飛び交っていましたが、まあ子供たちは適当に親の言うことを聞き流している様子だったので、問題ないんだろうな~と思いました。台風の傷痕が完全に癒えるには、まだまだ時間が必要だと思うのですが、悲観的な空気を感じることはほとんどありませんでした。今後も大きな事故が起きることなく、元の状態に戻っていけるように祈っております。

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第30回 9割がCOI開示不十分、女性医師の冷遇!?論文化された「製薬マネー」の現状

皮膚科領域の医薬品市場の規模は年間2,000億円超にのぼる上、生物学的製剤が相次いで開発されるなど、製薬企業からの注目が高い診療科となっている。そのような中、「製薬マネー」の実態を検証している東北大学や仙台厚生病院、南相馬市立総合病院の研究チームが、日本皮膚科学会の診療ガイドラインの著者へ支払われた製薬企業の謝金を調査したところ、269人の医師に対し、2年間で計7億8、900万円にのぼる支払いが行われ、うち9割は利益相反の開示が不十分だった上、謝金の金額に統計学的な男女差が見られ、図らずも女性医師の相対的な地位の低さまで露呈する結果が明らかとなった。この研究結果の論文は、10月13日付でPLOS ONE誌に掲載された1)。研究チームは、日本皮膚科学会が2015~18年に発行した32の診療ガイドラインについて、計296人の著者を対象に、2016~17年度に製薬企業から支払われた謝金(講師料、原稿執筆料、コンサルティング料など)を、日本製薬工業協会のガイドラインを遵守する79社の各ホームページなどから収集、解析した。主な研究結果は以下の通りである。296人のうち、269人(90.6%)が謝金などを受け取っていた。2年間の総額は7億8,900万円で、1人当たりの平均額は300万円だった。このうち13人は、1,000万円以上の謝金を受け取っていた。男性医師は、女性医師よりも統計学的に高い謝金を受領していた。皮膚科は比較的ワークライフバランスが取りやすく、男女比はほぼ同じで、他科と比べても突出して女性医師が多い。にもかかわらず女性医師の受領金額が低かったことは、男性医師の相対的な地位の高さ、影響力の強さを反映しており、医療界における女性医師の地位の低さを表している。90%以上の診療ガイドラインで利益相反の開示が十分に行われていなかった。診療ガイドラインの著者という立場を考えれば、現在の利益相反申告・公開方法では不十分で、より強固なルール作成が必要である。具体的には、米国皮膚科学会や米国泌尿器科学会と同様に、(1)いかなる金額であっても利益相反の申告を行うこと(2)製薬企業からの支払いがあった著者数を50%以下にすること(3)利益相反申告の正確性を確認できる公的な製薬マネーデータベースの作成・活用―などが求められる。最多の謝金を支払っていたのは、マルホ(約1億5,000万円)で、次いで田辺三菱製薬(約7,200万円)、大鵬薬品工業(約5,300万円)だった。これらの製薬企業は近年、皮膚科領域で高価な生物学的製剤を販売しており、販売を促進するために診療ガイドラインの著者とのつながりを求めたことが合理的と考えられる。コロナ禍で、ボーナスや給与がカットされている医療従事者が多くいることはすでに報じられている通り。広く社会を見渡せば、安定した給与云々という以前の、未曾有の経済苦にあえぐ人々も少なくない。誠実な仕事を不透明な金で汚すようなことをしていては、世の中の不安や不満が高まっている今、後のしっぺ返しが恐ろしい。参考1)Murayama A, et al. PloS one. 2020 Oct 13.

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女性のうつ病と肥満、食糧不安との関連

 栄養精神医学は、新たな研究分野として注目されており、脳機能や精神疾患に対する栄養摂取および肥満の影響について調査が行われている。これまでの研究では、女性の肥満や栄養摂取とうつ病との関連が示唆されている。しかし、この関連に食糧不安がどのように影響しているかは、よくわかっていない。米国・イーストテネシー州立大学のManik Ahuja氏らは、女性のうつ病と肥満や食糧不安との関連について調査を行った。Archives of Public Health誌2020年9月17日号の報告。 2001~03年の精神疾患疫学共同調査(Collaborative Psychiatric Epidemiology Surveys:CPES)のデータを用いて検討を行った。肥満、性別、食糧不安と過去1年間のうつ病との関連を調査するため、ロジスティック回帰モデルを用いた。次に、性別で層別化した後、肥満と過去1年間のうつ病との関連に対する食糧不安の影響について調査した。 主な結果は以下のとおり。・女性における肥満は、過去1年間のうつ病リスク増加と関連していた(AOR:1.35、95%CI:1.17~1.55)。一方、男性ではこの関連は認められなかった(AOR:1.07、95%CI:0.86~1.32)。・肥満と食糧不安の両方を報告した女性(AOR:3.16、95%CI:2.36~4.21)では、食糧不安を報告しなかった女性(AOR:1.08、95%CI:1.02~1.38)よりも、過去1年間のうつ病エピソードのオッズ比が高かった。 著者らは「メンタルヘルスの問題を抱える人が増加している現在、女性のメンタルヘルスに影響を及ぼす可能性のある貧しい食生活、食糧不安、肥満について、注意深くモニタリングする必要がある。臨床医および治療提供者が評価を行う際には、患者の食事と栄養価の高い食品摂取を考慮することが推奨される」としている。

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普段から気を付けたい身体診察のうっかり/日本感染症学会

 第94回日本感染症学会総会・学術講演会(会長:館田 一博氏[東邦大学医学部 教授])が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行下、8月19日~21日の期日でインターネット配信との併用で東京にて開催された。 本稿では、特別企画「感染症を究める」より徳田 安春氏(群星沖縄臨床研修センター長)の「診察」の概要をお届けする。時にリスクとなる抗菌薬 「感染症です」と外来に訪れる患者はいない。その多くは「熱っぽい、だるい、寒気がする」などの訴えから医師が知識と経験を通じて総合的に診断をする。徳田氏の講演では、こうした診断の際に忘れがちなポイントや見落としやすい身体部位などについて症例を交え、レクチャーを行った。以下にレクチャーされた症例を抜粋して紹介する。 はじめに2つの表情の画像を並べ顔貌から読み取れる身体の不調を示し、“General appearance”から患者の全身状態を診る重要性を指摘した。 症例(1)では97歳・男性について、高齢者の無熱性肺炎について述べた。患者は平熱が35.4度で、診察時36.9度。主訴は「3日前からせきと痰」で、最終的に肺炎と診断された。高齢者の風邪診断では、患者の平熱のベースラインが異なるので、バイタル表では本人のベースライン体温にプラス1度の赤線を引くことで背後のリスクに気付くことができると説明した。 症例(2)では50歳・女性について、尿路感染症治療後に、バレーボールで左足首を痛め受診した。トンプソン検査は陽性で「アキレス腱断裂」と診断されたが、原因はバレーボールだけではなく、実は感染症治療で処方されたシプロフロキサシンに関連したアキレス腱断裂だったという症例を紹介した。フルオロキノロン系抗菌薬はよく使用される抗菌薬だが、もともと日本人では大動脈解離の発症頻度も多く、高用量、長期間の使用では注意が必要だと促した。 症例(3)では45歳・男性について、草野球で外傷性開放骨折を負い、術後7日後に急激な血圧低下により紹介された症例。患者の身体所見は「腫脹、発赤、発熱、圧痛」があり、びまん性に全身性の発赤があった。当初、手術部位感染(SSI)疑いで診療されたが、全身の発赤などからトキシクショック症候群(TSS)の合併もあると診断された。こうしたショックを伴う感染症について、「『急激に起こるショック』の感染症」(皮疹ないことあり)を示し、外来で想起できるように注意を促した。・「急激に起こるショック」の感染症」 “SMARTTT”S:SepsisM:MeningococcemiaA:Acute endocarditisR:RickettsiaT:Toxic shock syndromeT:Toxic epidermal necrolysis T:Travel-related infection普段診ない部位の身体所見は診断のカギになる 症例(4)では30歳代女性について、発熱、意識障害、肺炎、X線所見を提示し、髄膜刺激徴候、後部硬直があるという症例を説明した。身体診察でのケルニッヒ徴候検査の重要性を示し、普段の診療から診察し、経験を重ねておく大切さを伝えた。なお、この患者は、以前に交通外傷で脾摘後であり、髄液検査により肺炎球菌による髄膜炎の診断となった。 症例(5)では40歳代男性について、主訴として、咽頭痛、発熱、嚥下痛、よだれのほか喘息様の呼吸音があり、上気道の狭窄病変を示唆する所見があった例を提示した。患者の状態から挿管となったが、その際の注意点として上気道閉塞を塞がないために仰臥位にせず、座位で診察と挿管を施行するケースもあること、体位によっては、手技が患者にとって大きなリスクになることを説明した。患者はその後の診断で後咽頭腫瘍に伴う壊死性縦隔炎と診断され、手術対応となった。また、「咽頭痛で見逃してはいけない疾患」として次の5つの疾患を掲げ、生命予後に係わる疾患もあるので覚えておいてほしいと注意を促した。1 急性咽頭蓋炎2 後咽頭腫瘍3 扁桃周囲腫瘍4 レミエール症候群(内頸静脈の血栓性静脈炎)5 Ludwig angina(口腔底蜂窩織炎)6 無顆粒球症 症例(6)では20歳代男性について、主訴に2週間にわたる発熱、咳嗽、労作時の息苦しさなどがあった。口腔内のカンジタ所見から性生活歴を聴取し、男性同性愛者であることが判明した。諸検査によって、AIDSによるニューモスチス肺炎と口腔カンジタ症と診断し、ただちにST合剤とステロイド療法で呼吸状態は改善したという。患者の社会的背景の聴取の重要性も診断の一助となると指摘した。 症例(7)では60歳・男性について、3週間前から寝汗、AR雑音があり、爪下線状出血に加えオスラー結節とJaneway紅斑が足の裏にあり、眼底ではRoth斑が観察された。心エコーで疣贅を確認し、血液培養で腸球菌が検出されて感染性心内膜炎の診断がなされた。診断での目印の1つは「寝汗」であり、また、普段なかなか診ることのない足の裏の所見を診ることも大切だと説明した。

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尿失禁への骨盤底筋トレーニング、筋電図バイオフィードバック併用は?/BMJ

 緊張性・混合性尿失禁の女性に対する、骨盤底筋トレーニング(PFMT)への筋電図バイオフィードバックの併用は、24ヵ月後の尿失禁重症度の改善に対し効果が認められるというエビデンスはないことが示された。英国・Glasgow Caledonian UniversityのSuzanne Hagen氏らが、600例を対象に行った並行群間比較無作為化試験の結果明らかにしたもので、BMJ誌2020年10月14日号で発表した。これまでにコクランレビューでは併用の有益性が示される一方、メタ解析では有益性は認められないとの結果が示され、その後の2件の小規模単施設試験では治療直後の評価では有益性が認められるなどの報告が寄せられていた。今回の大規模試験の結果を踏まえて著者は、「PFMTへの筋電図バイオフィードバックのルーチンの実施は推奨すべきではない。PFMTの効果を最大化する他の方法を検討すべきだ」とまとめている。自宅でもPFMTと筋電図バイオフィードバックを使用 研究グループは2014年2月~2016年7月に、緊張性または混合性尿失禁を新たに発症した、18歳以上の女性600例を対象に試験を行った。 被験者を2群(各群300例)に分け、一方にはPFMT+筋電図バイオフィードバックを(筋電図バイオフィードバック群)、もう一方にはPFMTのみ(対照群)を行った。 両群ともに、16週間で6回の失禁療法士(continence therapist)との対面療法を行った。筋電図バイオフィードバック群には、指導管理を伴うPFMTと自宅で行うPFMTに加え、筋電図バイオフィードバックを診察時と自宅で行った。対照群では、指導管理PFMTと自宅PFMTのみを行った。PFMTプログラムは、診察を重ねながら進行した。 主要アウトカムは、24ヵ月後の自己申告による尿失禁重症度で、国際尿失禁評価質問票簡易版「ICIQ-UI SF」(0~21)で評価した。副次アウトカムは、完治または改善、その他の骨盤底筋症状、質調整生存年などだった。24ヵ月後の重症度、両群で同等 24ヵ月後のICIQ-UI SFスコア平均値は、筋電図バイオフィードバック群8.2、対照群8.5で有意差はみられなかった(平均群間差:-0.09、95%信頼区間[CI]:-0.92~0.75、p=0.84)。 筋電図バイオフィードバック群は、介入費用(平均群間差:121ポンド[154ドル、133ユーロ]、95%CI:-409~651、p=0.64)、質調整生存年(-0.04、-0.12~0.04、p=0.28)のいずれも両群で同等だった。 48例が有害事象を報告。そのうち23例が治療に関連したもしくは関連していた可能性があるものだった。(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)専門家はこう見る:CLEAR!ジャーナル四天王筋電図バイオフィードバックは女性尿失禁に対する骨盤底筋訓練に有効なのか?:多施設共同研究(解説:宮嶋 哲 氏)-1313 コメンテーター : 宮嶋 哲( みやじま あきら ) 氏東海大学医学部外科学系泌尿器科学 主任教授

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中等度COVID-19へのトシリズマブ、挿管・死亡リスク低減せず/NEJM

 これまで明らかになっていなかった、人工呼吸器を要しない中等症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者に対するIL-6受容体遮断薬トシリズマブの有効性について、挿管または死亡のリスクを低減しないことが、米国・マサチューセッツ総合病院のJohn H. Stone氏らが行った、COVID-19入院患者243例を対象とした無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験で示された。ただし、有効性比較の信頼区間(CI)値が幅広く、一部の有益性と有害性は排除できないとしている。NEJM誌オンライン版2020年10月21日号掲載の報告。トシリズマブを単回投与し、挿管または死亡アウトカムを比較 研究グループは、COVID-19による過剰炎症反応期(38度超の発熱、肺浸潤、酸素飽和度92%超の維持のための酸素補充療法を必要とする、これらのうち2つ以上を認める)243例を対象に試験を行った。 被験者を2対1の割合で2群に分け、標準治療に加えて、一方にはトシリズマブ(8mg/kg体重)を、もう一方にはプラセボをそれぞれ単回投与した。 主要アウトカムは挿管または死亡で、time-to-event解析で評価した。有効性に関する副次アウトカムは、臨床的増悪および、ベースラインで酸素補充療法を行っていた患者における同療法の中止で、いずれもtime-to-even解析で評価した。臨床的増悪リスクに有意差なし 被験者243例のうち、男性は141例(58%)、女性は102例(42%)、年齢中央値は59.8歳(範囲:21.7~85.4)だった。ヒスパニック系または中南米系の患者が45%を占めた。 挿管または死亡に関する、トシリズマブ群のプラセボ群に対するハザード比(HR)は0.83(95%CI:0.38~1.81、p=0.64)、臨床的増悪のHRは1.11(0.59~2.10、p=0.73)で、いずれも有意差はなかった。14日時点で増悪が認められたのは、トシリズマブ群18.0%、プラセボ群14.9%だった。 酸素補充療法中止までの期間中央値は、それぞれ5.0日と4.9日で同等だった(p=0.69)。また、14日時点で酸素補充療法を受け続けていたのは、トシリズマブ群24.6%、プラセボ群21.2%だった。 なお、Grade3以上の重篤な感染症発生率については、プラセボ群17.1%に対し、トシリズマブ群は8.1%と有意に低率だった(p=0.03)。

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ロピナビル/リトナビル合剤が新型コロナに対して無効であった理由は?(解説:山口佳寿博氏)-1308

 新型コロナ感染症が中国・武漢において発生してから10ヵ月が経過した。この10ヵ月の間、感染症の分子生物学的/生理学的病態解明が進み、治療法に関しても抗ウイルス薬、ウイルス誘発免疫過剰状態(血栓過形成を含む)に対する多数の薬物に関する治験、ウイルスに対する不活化ワクチン、遺伝子工学的ワクチンの製造が驚くべきスピードで進行している。それらの結果として、新型コロナ感染症に対する有効な治療方針が整理されつつあり、同一施設における入院死亡率はパンデミック初期に比べ明らかに低下している(Horwitz L, et al. medRxiv. doi.org/10.1101/2020.08.11.20172775.)。初期治療に重要な抗ウイルス薬に関しては、種々の薬物が“篩(ふるい)”にかけられ、RNA-dependent RNA polymerase(RdRp)阻害薬であるレムデシビル(商品名:ベクルリー、Beigel JH, et al. N Engl J Med. 2020 Oct 8. [Epub ahead of print] , Wang Y, et al. Lancet. 2020;395:1569-1578.)ならびにファビピラビル(商品名:アビガン、Ivashchenko AA, et al. Clin Infect Dis. 2020 Aug 9. [Epub ahead of print], Cai Q, et al. Engineering (Beijing). 2020 Mar 18. [Epub ahead of print], 富士フイルム富山化学 9月23日付 News Release)が一定の効果を有することが確認された。一方、RdRpより上位で作用するウイルス―宿主細胞膜融合阻害薬であるクロロキン/ヒドロキシクロロキンならびに3-chymotrypsin protease阻害薬(Protease inhibitor)であるロピナビル/リトナビル(商品名:カレトラ、以下L/R合剤)の効果は確認されなかった。本論評においてはL/R合剤に焦点を合わせ、この薬物が臨床的効果を発揮できなかった理由について考察する。 抗ウイルス薬に関するメタ解析では、L/R合剤が新型コロナ患者の入院日数を短縮する可能性が示唆された(Siemieniuk RA, et al. BMJ. 2020;370:m2980.)。しかしながら、中国ならびに英国で施行された信憑性の高いRCTではL/R合剤の臨床的に意義のある有効性は確認されなかった(中国・LOTUS Study[Cao B, et al. N Engl J Med. 2020;382: 1787-1799.]対照群:100例、L/R群:99例、英国・RECOVERY Trial[RECOVERY Collaborative Group. Lancet. 2020 Oct 5. [Epub ahead of print]]対照群:3,424例、L/R群:1,616例)。 L/R合剤は、HIV-1(コロナと同様に1本鎖RNAウイルス)に対するキードラッグの1つとして、本邦では2000年12月に厚労省の薬事承認を受けたProtease inhibitorである。リトナビルは肝臓の薬物代謝酵素であるCYP3A4の活性を競合的に阻害しロピナビルの血中濃度を維持する。しかしながら、ロピナビルの95%以上は血漿タンパクと結合・不活化されるため、ロピナビルの生体内薬物活性はリトナビル共存下においても高く維持することは難しい。コロナウイルスが感染源である2002年のSARS、2012年のMERSが発生した時には、in vitroの検討でL/R合剤がSARS、MERSウイルスに対して感受性を有する可能性が示唆された。この時の検討結果(in vitro)では、ウイルス感染を50%抑制するL/R合剤の有効血中濃度(EC50)はSARSで17.1 μmol/L、MERSで6.6 μmol/Lであると報告された(日本小児科学会)。HIV-1を抑制するL/R合剤の血中濃度が7.2~12.1 μmol/Lであることを考慮すると(Lopez-Cortes LF, et al. Antimicrob Agents Chemother. 2013;57:3746-3751.)、通常量のL/R合剤投与でMERSは抑制される可能性があるもののSARSの抑制は難しい。新型コロナに対するL/R合剤のin vitro EC50は26.1 μmol/Lであり(Choy KT, et al. Antiviral Res. 2020;178:104786.)、HIV-1を抑制する通常量のL/R合剤投与では到底到達できない濃度であることが理解できる。L/R合剤の投与量を増加すれば臨床的有効性が認められる可能性があるが、その場合には、生命を脅かす重篤な有害事象の発生が予想され臨床の現場で施行すべきものではない。以上のように、生体にとって安全な投与量が低く制限されていることがL/R合剤によって新型コロナ感染症を制御できなかった理由であり、L/R合剤が新型コロナウイルスに対して薬理学的にまったく無効であることを意味するものではない。  結論として、現状のL/R合剤を用いたこれ以上の臨床治験は無意味である。今後HIV-1をターゲットとしたProtease inhibitorを用いて新型コロナに対する臨床治験を実施するならば、近年新たに開発されたダルナビル製剤(商品名:プリジスタ、シムツーザ)などの新型コロナに対するEC50の測定を含めたin vitroの検討とその基礎的/薬理学的結果を踏まえた臨床治験を計画すべきである。

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第23回 軽症の肺炎は入院適応ではないのか?【救急診療の基礎知識】

●今回のPoint1)スコアだけで判断するのではなく、患者背景を意識したマネジメントを!2)再発予防も忘れずに!【症例】81歳女性、肺炎●受診時のバイタルサイン意識清明血圧139/75mmHg脈拍72回/分(不整)呼吸21回/分SpO296%(RA)体温36.9℃既往歴高血圧、心筋梗塞、心房細動内服薬タケルダ(一般名:アスピリン・ランソプラゾール配合剤錠)、リピトール(同:アトルバスタチン)、ラシックス(同:フロセミド)、エリキュース(同:アピキサバン)肺炎の重症度の判断みなさん、肺炎の重症度はどのように判断しているでしょうか?酸素化が悪くリザーバーマスクでの酸素投与を要する場合には、重症と判断することは可能ですが、指標は酸素投与量のみでは判断できませんよね。市中肺炎の重症度の指標としてCURB-65スコア(表1)、A-DROPスコア(表2)が有名です1)。A-DROPスコアは、わが国の高い平均寿命を考慮して年齢が修正されていますが、項目はほぼCURB-65スコアと同様です。A-DROPスコアでは、CURB-65スコアで呼吸数だった項目がSpO2になっていますが、必ず呼吸数は意識するようにしてください。意識障害の程度が項目に含まれているのも重要です。Sepsis-3で導入されたqSOFAでも呼吸数と意識状態は大事なバイタルサインでしたね2)。A-DROPスコアの5項目のうち、実臨床で軽視されがちなのが意識状態、そして脱水の有無でしょう。他の項目は簡単に評価できるのに対して、意識障害は発熱や認知症のせい、水分は摂れそうだから脱水はないだろうなどと考えてしまいがちですが、どちらも客観的な評価が必要です。普段の意識状態との比較、身体所見で脱水を示唆する所見を認めないかはきちんと確認しましょう。また、体温と重症度は比例せず、むしろ低い方が重症であることを覚えておきましょう。高熱だから重症、発熱を認めないから軽症というわけではありません。表1 CURB-65スコア画像を拡大する表2 A-DROPスコア画像を拡大する誤嚥性肺炎の重症度高齢者で多い肺炎の原因に誤嚥性肺炎が挙げられます。誤嚥性肺炎の重症度も市中肺炎と同様にCURB-65スコアやA-DROPスコアで評価してよいかというと注意が必要です。誤嚥性肺炎は嚥下機能障害などを認める患者に起こるが故に、患者背景に予後は大きく依存します。そのため、重症度評価は患者背景が含まれるPSI(Pneumonia Severity Index)スコア(表3)が有効とされます3、4)。PSIはA-DROPスコアと比較すると評価項目が多く、点数をつけるのは面倒と思うかもしれませんが、患者背景を意識しなければ適切な評価はできません。簡単に計算できるアプリケーション(MDCalc etc.)もあるので利用するとよいでしょう。表3 PSIスコア画像を拡大する軽症ならば帰宅?酸素投与が必要な症例は原則として入院となりますが、酸素需要がなく軽症であれば帰宅可能でしょうか。例えば本症例の81歳の女性が肺炎球菌性肺炎でA-DROPスコアが年齢のみの1点であれば帰宅は可能なのでしょうか。結論から言えば、スコアだけで判断することはできません。歩行可能で経口摂取が問題ない患者さんと、A-DROPスコアこそ1点であるものの食事が十分摂れず自身では動くことができない患者さんでは、対応が一緒のはずがないからです。また、既存の疾患によって複数の薬剤を内服している患者さんでは、食事摂取量によって、また抗菌薬投与によって薬剤の効果に変動がみられるかもしれません。高齢者総合的機能評価(comprehensive geriatric assessment:CGA)など患者さんの日常生活動作の評価だけでなく精神心理機能や社会経済因子、さらには服薬状況や事前指示取得など複数の項目を評価することが重要なのです。救急外来で診療をしていると多くの患者さんを対応し、軽症患者をなんとか帰宅させようとしてしまうものです。また、ベッド状況も厳しく入院の閾値は上がっているかもしれません。しかし、無理矢理帰して重症化して再受診となっては、入院期間はさらに延びてしまうでしょう。「急がば回れ」の精神で、初診時に先を見据えた適切な対応を行うことを心掛けましょう。1)日本呼吸器学会. 成人肺炎診療ガイドライン2017.2017.2)Singer M, et al. JAMA. 2016;315:801-810.3)Lanspa MJ,et al. J Hosp Med. 2015.10;2:90-96.4)Fine MJ, et al. N Engl J Med. 1997;336:243-250.

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「ハルシオン」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第23回

第23回 「ハルシオン」の名称の由来は?販売名ハルシオン®0.125mg錠ハルシオン®0.25mg錠一般名(和名[命名法])トリアゾラム(JAN)効能又は効果○不眠症○麻酔前投薬用法及び用量○不眠症通常成人には1回トリアゾラムとして0.25mgを就寝前に経口投与する。高度な不眠症には0.5mgを投与することができる。なお、年齢・症状・疾患などを考慮して適宜増減するが、高齢者には1回0.125mg~0.25mgまでとする。○麻酔前投薬手術前夜:通常成人には1回トリアゾラムとして0.25mgを就寝前に経口投与する。なお、年齢・症状・疾患などを考慮し、必要に応じ0.5mgを投与することができる。警告内容とその理由【警告】本剤の服用後に、もうろう状態、睡眠随伴症状(夢遊症状等)があらわれることがある。また、入眠までの、あるいは中途覚醒時の出来事を記憶していないことがあるので注意すること。理由国内において“もうろう状態”“健忘”等の副作用報告があり、このような状態下においては重大な事故につながる危険性があるため【警告】を設け特に注意を喚起した。更に、2007年3月14日に米国食品医薬品局(FDA)は本剤を含む睡眠剤について、十分に覚醒しないまま、車の運転、食事等を行い、その出来事を記憶していないとの報告があることを踏まえて、当該薬剤の米国添付文書の改訂指示を行っていることから、本剤においても注意喚起することとした。禁忌内容とその理由【禁忌(次の患者には投与しないこと)】(1)本剤に対し過敏症の既往歴のある患者(2)急性狭隅角緑内障のある患者(3)重症筋無力症の患者[筋弛緩作用により、症状を悪化させるおそれがある。](4)次の薬剤を投与中の患者:イトラコナゾール、フルコナゾール、ホスフルコナゾール、ボリコナゾール、ミコナゾール、HIVプロテアーゼ阻害剤(インジナビル、リトナビル等)、エファビレンツ、テラプレビル【原則禁忌(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること)】肺性心、肺気腫、気管支喘息及び脳血管障害の急性期等で呼吸機能が高度に低下している患者[呼吸抑制により炭酸ガスナルコーシスを起こしやすいので投与しないこと。やむを得ず投与が必要な場合には、少量より投与を開始し、呼吸の状態を見ながら投与量を慎重に調節すること。]※本内容は2020年10月28日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2018 年12月改訂(第11版)医薬品インタビューフォーム「ハルシオン®0.125mg錠/ハルシオン®0.25mg錠」2)Pfizer PROFESSIONALS

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第30回 東京女子医大麻酔科医6人書類送検、特定機能病院の再承認にも影響か

「厳重処分」意見付きで書類送検こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。この週末は、米国MLB(メジャーリーグ)のワールドシリーズをテレビ観戦して過ごしました。今年のMLBのポストシーズンは、新型コロナ感染症対策のため、対戦するチームがそれぞれの本拠地球場を行き来する従来の方式ではなく、各チームとは関係ない都市に集まり、試合以外は選手全員がホテルに缶詰めとなって全試合を戦うバブル方式(まとまった泡の中で開催する、という意味)で行われています。ロサンゼルス・ドジャースとタンパベイ・レイズが対戦しているワールドシリーズの舞台は、テキサス・レンジャースの本拠地、テキサス州アーリントンに今年オープンしたばかりのグローブライフ・フィールドです。レイズには今シーズン、横浜DeNAベイスターズから移籍した筒香 嘉智選手がいるのですが、シーズン成績は打率1割9分7厘、本塁打8、打点24と低調に終わりました。ワールドシリーズも第5戦までの出場機会は代打でわずか3回。二ゴロ、三振、左飛に倒れ、来季についてはマイナー落ちの噂も出ています。日本であれだけ活躍した筒香選手の現実を見て、今後MLBを目指す日本の野手は減るかもしれません。さて、先週、またまた東京女子医大(東京都新宿区)が世間を騒がせました。東京女子医大病院で2014年2月、鎮静剤プロポフォールの投与を受けた男児(当時2歳)が死亡した事故について、警視庁が10月21日、当時の集中治療室(ICU)の実質的な責任者だった同大元准教授(60)ら男性麻酔科医6人を業務上過失致死容疑で東京地検に書類送検したのです。起訴を求める「厳重処分」の意見も全員に付けられています。なお、手術を担当した耳鼻咽喉科の医師らは「術後の処置への関与が薄い」として立件は見送られました。事件当初、「禁忌」の解釈が問題に新聞報道等によると、書類送検容疑は、6人が2014年2月18~21日、頸部嚢胞性リンパ管腫の手術後にICUで人工呼吸器を付けて経過観察中だった男児に、漫然と約70時間にわたってプロポフォールを投与。心電図や尿量に異常があったにもかかわらず、投与を中止してほかの薬剤に変更するなどの安全管理を怠り、副作用に伴う急性循環不全で21日夜に死亡させたというものです。病院が設けた事故調査委員会の報告書(2015年5月公表)によると、男児が死亡する前日の20日午前中、医師1人が心電図の異常に気付き、昼ごろにほかのICU担当医らに報告しています。しかし、詳しい検査は行われず、投与は21日午前まで計約70時間にわたって続けられました。投与量は成人の許容量の2.7倍に達していました。事故当時、プロポフォールはICUで人工呼吸器をつけた子供への投与は添付文書上「禁忌」でした。「禁忌」にも関わらず投与したことがクローズアップされましたが、実際の臨床現場では、「禁忌」であっても医師の裁量で薬剤が使用されるケースは少なくありません。厚生労働省も添付文書の「禁忌」については、薬剤投与の使用を法令上禁ずるものではない、としています。安全管理を怠ったことによる業務上過失致死容疑事故直後の2014年7月、厚労省は小児の集中治療における人工呼吸中の鎮静目的でのプロポフォール使用に関して見解を示しています。それによれば「禁忌であるため、投与すべきではない」としつつも、医師が治療に必要な医療行為として使用する場合には「特段の合理的な理由が必要」としています。つまり、「禁忌はあくまでも原則」というのが公式見解でした。そうした経緯から、今回の書類送検にあたり、警視庁はプロポフォールの投与自体は過失としておらず、安全管理を怠ったことに焦点をあてています。投与開始から48時間を超えると副作用のリスクが高まることが文献などで指摘される中、男児への投与量が成人許容量の約2.7倍にも達していたことから、医師らが重い副作用が出る可能性を認識できたにもかかわらず、投与を中止してほかの薬剤に変更するといった安全管理を怠ったことが業務上過失致死容疑にあたる、としているのです。2014年の事故調査委員会の報告書も、ICUの医師らが人工呼吸器を装着した小児に対してプロポフォールを投与する知識が十分でなかった、と指摘しています。ICUの小児にも緊急事態などでは使用なお、プロポフォールについては、手術時の全身麻酔や術後管理時の鎮静効果が高いことなどメリットも多く、現在も成人だけでなく、小児においても短時間の手術では使われています。「禁忌」とされているICUの小児に対しても、緊急事態などでは使用されているようです。10月22日付の日本経済新聞によれば「事故から約4年後の18年の日本臨床麻酔学会で開かれた総合討論では、参加して回答した医師ら60人のうち6割は使用を認めた」とのことです。この記事では、プロポフォールの小児に対する有効性に言及、単純に添付文書上で「禁忌」とし続けるのではなく、これまでの投与実績を調査して適用や用法を改善し、小児により使えるようにすべきだと訴えています。患者減や特定機能病院の再承認など経営にも影響か東京女子医大病院は10月21日、田邉 一成・病院長名で「ここに改めて亡くなられた患者様のご冥福をお祈りし、患者様のご遺族の方々に心よりお詫び申し上げます。当院は、本件を重く受け止め、薬剤処方の厳格な審査システムの採用等の再発 防止策を講じてきているところであり、今後も病院全体として患者様の安心安全の確保に努めてまいります」とのコメントを出しています。本連載、7月15日付の「第15回 凋落の東京女子医大、吸収合併も現実味?」でも書いたように、東京女子医大病院は、この事件をきっかけとして2015年に特定機能病院の承認を取り消されています(現在も取り消し中)。取り消しにあたっては、2009~2013年に同病院で死亡した男児以外の人工呼吸中の小児患者63人にもプロポフォールを投与、12人が死亡していたことも判断材料となっています。同病院の特定機能病院の承認取り消しはこの時が2回目でした。1回目は2002年で、この時は2001年に起こった日本心臓血圧研究所(心研、現在の心臓病センター)の医療事故がきっかけでした(2007年に再承認)。2014年の事故から6年以上経ってからの書類送検、しかも起訴を求める最も厳しい意見である「厳重処分」付きです。処分意見には法的拘束力はありませんが、起訴の可能性は十分に高いと考えられます。報道等の影響による患者減に加え、書類送検や起訴等が特定機能病院の再承認にも影響を及ぼす可能性もあります。東京女子医大の経営的な苦境はまだしばらく続きそうです。一方で、民事訴訟も現在進行中です。男児の遺族は2016年12月、耳鼻咽喉科医2人に損害賠償を求めて提訴。その後、麻酔科医らも提訴しています。これらの民事訴訟は2021年にいずれも結審予定とのことです。1つのうっかり、1つの事故が、人の命を奪ってしまうだけでなく、大学病院という巨大組織の命運も決めるかもしれません。東京女子医大の凋落に歯止めがかかる日は果たして来るのでしょうか。

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