サイト内検索|page:750

検索結果 合計:36084件 表示位置:14981 - 15000

14981.

新型コロナワクチン、安全な筋注部位を新たに追加/日本プライマリ・ケア連合学会

 プライマリ・ケア連合学会と予防医療・健康増進委員会ワクチンチームが制作・監修を行った『新型コロナワクチンより安全な新しい筋注の方法 2021年3月版』が3月15日に公開された。本解説は、2月22日にYoutubeに公開され多くの反響を得た『新型コロナワクチン 筋肉注射の方法とコツ』(動画)に安全な接種部位を加筆修正したもの。 より安全と考えられる新たな接種部位として、「肩峰から下ろした垂線と前腋窩線の頂点・後腋窩線の頂点を結ぶ線の2つの線が交わる点」が推奨されている。ただし、従来からの接種部位(肩峰から3横指下)も選択肢として残されている。 筋肉注射の場合、手技が原因で末梢神経損傷およびSIRVA(Shoulder Injury Related to Vaccine Administration)が生じる可能性もある。今回の新型コロナワクチン接種は日本人にあまり馴染みのなかった筋肉注射であったことから、このような事例に注意が必要である。この問題について、仲西 康顕氏(奈良県立医科大学整形外科・臨床研修センター)が指摘、指導のもと「安全な接種部位」に関する情報がアップデートされた。仲西氏が作成した筋肉注射手技マニュアルを参考に実際の注射時の様子がレクチャーされている。

14982.

慢性リンパ性白血病のBTK阻害薬アカラブルチニブ、国内承認/AZ

 アストラゼネカは、慢性リンパ性白血病(CLL)に対する選択的ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬アカラブルチニブ(商品名:カルケンス)の国内承認を受け、3月11日にプレス向けのセミナーを行った。この承認は、再発または難治性CLL患者を対象に、標準化学療法とアカラブルチニブを比較した国際共同第III相試験(ASCEND)において、アカラブルチニブの有効性と安全性が認められたことを受けたものとなる。 CLLは白血病の中で、リンパ系幹細胞が比較的時間をかけてがん化するものを指す。CLLや地域による発症頻度の差が大きく、米国では10万人あたり3.5人だがアジア諸国では少なくなり、日本においては10万人あたり0.2人(いずれも2008年調査)と比較的稀な疾患だ。CLLはB細胞性悪性腫瘍で、アカラブルチニブはB細胞に多く発現するブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)を標的とし、腫瘍細胞の生存と増殖を阻害する。 セミナーの中で、公益財団法人がん研究会有明病院 血液腫瘍科の丸山 大氏がCLLの病態と現在の治療法について講演を行った。CLLの治療は、患者の年齢や予後不良因子である染色体欠失や遺伝子変異の有無によって、FCR(フルダラビン+シクロホスファミド+リツキシマブ)療法・BR(ベンダムスチン+リツキシマブ)療法等の化学療法と、BCL2阻害薬やBTK阻害薬を使い分ける。近年の治療法の進化や新規薬剤の導入によって、初回・2次治療以降共に標準治療が明確には定まっていない状況だ。 丸山氏は「CLLは長期にわたる治療となることが多く、有効性と共に高い安全性が求められる。臨床現場では、新規薬剤となるアカラブルチニブをはじめ、各薬剤の特性や有害事象を見極めながら、使い分けや切り替えを行う必要があるだろう」と述べた。

14983.

ROS1陽性肺がんに対するエヌトレクチニブ、統合解析の結果/JCO

 ROS1融合遺伝子陽性非小細胞肺がん(NSCLC)におけるROS1‐TKIエヌトレクチニブ(商品名:ロズリートレク)の3つの第I、II相臨床試験(ALKA-372-001、STARTRK-1、STARTRK-2)の統合分析の結果がJournal of Clinical Oncology誌に掲載された。 有効性評価集団は、局所進行または転移のあるROS1陽性NSCLCの成人患者で、CNS転移の有無にかかわらず600mg/日以上のエヌトレクチニブを投与された。複合主要評価項目は盲検化独立中央委員会評価の客観的奏効率(ORR)と奏効期間(DoR)、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、頭蓋内ORR、頭蓋内DoR、頭蓋内PFS、安全性などであった。 主な結果は以下のとおり。・6ヵ月以上の追跡を行った161例が評価対象となった。・治療期間中央値は10.7ヵ月であった。・ORRは67.1%であった。・DoR中央値は15.7ヵ月、12ヵ月DoR率63%であった。・PFS中央値は15.7ヵ月、12ヵ月PFS率は55%であった。・OS中央値は未達、12ヵ月OS率は81%であった。・CNS転移を有する患者(24例)の盲検化独立中央委員会による頭蓋内ORRは79.2%であった。・頭蓋内PFS中央値は12.0ヵ月、頭蓋内DoR中央値は12.9ヵ月、12ヵ月DoR割合は55%であった。・初回解析と同様、新たな安全性シグナルは見つからなかった。

14984.

起立性頻脈症候群(POTS)に対するイバブラジンの効果【Dr.河田pick up】

 若い女性に多く見られる起立性頻脈症候群(Postural orthostatic tachycardia syndrome:POTS)は、複雑で多面的な要素を含み、患者の生活に影響を与えると共にQOLを低下させる。しかしながら、薬物療法の種類は限られている。本研究は、Jonathan C Hsu氏らカリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームが、イバブラジン(洞房結節内のHCNチャネルを選択的に阻害)が、高アドレナリン作動性POTS患者(血漿ノルエピネフリンレベル>600pg/mL、Tilt table試験陽性と定義)の心拍数およびQOL、血漿ノルエピネフリンレベルに与える効果を検証したものである。Journal of the American College of Cardiology誌2021年2月23日号掲載。高アドレナリン作動性POST患者22例、イバブラジン群で心拍数低下・QOL改善 本研究では、高アドレナリン作動性POTS患者22例について、イバブラジンによる無作為二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験を実施。参加者は、イバブラジンかプラセボに無作為に割り付けられ、1ヵ月間投与を受けた後、逆の治療を次の1ヵ月間受けた。心拍数、QOLそして血漿ノルエピネフリンレベルについて、試験開始時とそれぞれの投薬期間終了時に調べられた。参加者の平均年齢は33.9±11.7歳、95.5%(n=21)は女性で、86.4%(n=23)は白人であった。 プラセボ群と比べ、イバブラジン群では有意に心拍数が低下した(p<0.001)。また、RAND36項目健康調査1.0で評価したQOLは、イバブラジン群において肉体的活動(p=0.008)および社会的活動(p=0.021)共に有意な改善が認められた。また、起立時の血漿ノルエピネフリンは強い低下傾向を示した(p=0.0056)。徐脈や低血圧など、有意な副作用は認められなかった。高アドレナリン作動性POTS患者において、イバブラジンは安全であり、心拍数の低下とQOLの改善に有効であった。メリットが多いイバブラジン、一方で高額な負担がネックに 米国において、われわれの不整脈外来にもPOTSの若い女性患者が頻繁に紹介されてくる。多くの患者は、プライマリケア医や循環器医が病態の説明、生活指導に加え、β遮断薬、ミドドリン、フルドロコルチゾン、を試したものの、低血圧や倦怠感などで継続できず、治療法がなくお手上げであるという状態で紹介される。その場合、イバブラジンを試すことになる。それで改善が認められる患者もある程度いるが、別の問題にぶち当たる。というのも、米国ではイバブラジンは非常に高価なのである。保険会社にもよるが、患者負担が月に数百ドル以上となることが多く、学生などを含めた若い患者には大変な負担である。その結果、コストを理由に治療を断念したことも何度かある。日本では米国ほど薬価が問題にならないだろうから、POTSに対する適応が認められれば、一部の患者では有効な治療法となると考えられる。(Oregon Heart and Vascular Institute  河田 宏)

14985.

英国・EU規制当局がAZ製ワクチンのレビューを発表、ベネフィットがリスクを上回る

 接種後に血栓などの報告があり、一部の国で接種が中止されていたアストラゼネカ製COVID-19ワクチン(AZD1222、日本では承認申請中)について、2021年3月18日、英国医薬品・医療製品規制庁(The Medicines and Healthcare products Regulatory Agency:MHRA)および欧州医薬品庁(European Medicines Agency:EMA)は、ベネフィットがリスクを上回ることを再確認した。同日、英国アストラゼネカ社が発表した。 MHRA・EMAの報告によると、ワクチン接種後の静脈血栓の発症率は、ワクチン接種を受けていない場合に想定される発症率を上回るという根拠はなく、接種のベネフィットがリスクを上回るとした。一方で、稀な血栓症である血小板の減少を伴う脳静脈洞血栓症(CVST)に関する5件の症例と関連する可能性は残され、ワクチンとの因果関係は確立されていないものの、さらなる分析に値する、としている。 世界保健機構(WHO)も、WHOワクチン安全性諮問委員会(GACVS)による安全性レビューを行い、ワクチンの投与後の深部静脈血栓症や肺塞栓症などの凝固状態の増加はなく、接種後に報告された血栓塞栓性イベントの発生率は自然発生の予想数と一致している、とした。また、CVSTなど血小板減少症と組み合わせた稀な血栓塞栓性イベントも報告されているものの、それらとワクチン接種の関係は不明だとした。 アストラゼネカのワクチンは英国では約1,100万回接種し、5例のCVSTが報告され、欧州全体では計2,000万回以上接種し、18例のCVSTが報告されていた。

14986.

過体重・肥満におけるGLP-1受容体作動薬注射製剤の体重減少効果(解説:小川大輔氏)-1365

 肥満症の治療において食事療法と運動療法は重要であるが、実際には適切なカロリー摂取と適度な運動を実践し継続することは難しい。現在、肥満症の薬物療法として日本で認められている薬剤としてはマジンドールがあるが、BMI 35以上の高度肥満症に対象が限られており、投与期間も3ヵ月までと制限があるため実際にはほとんど使用されていない。また胃バイパス術という選択肢もあるが、外科療法ということもありハードルが高い。 過体重または肥満の成人に対し、食事療法と強化行動療法を行ったうえでGLP-1受容体作動薬セマグルチド2.4mgの週1回皮下投与により、プラセボと比較し有意な体重減少効果が示された(セマグルチド群-16.0%、プラセボ群-5.7%、p<0.001)1)。また有害事象としては消化器症状が最も多く認められた(セマグルチド群82.8%、プラセボ群63.2%)。本試験のポイントは、対象が肥満(BMIが30以上)、あるいは過体重(BMIが27以上)かつ体重関連の併存疾患(脂質異常症、高血圧症、SASなど)が1つ以上ある方となっており、糖尿病がないという点である。セマグルチドの臨床試験(STEP試験)は5つの試験で構成されており2)、本試験はその1つ(STEP 3)である。ちなみにSTEP 2で過体重・肥満の2型糖尿病成人患者を対象とした試験が行われている3)。 今回の試験により、ようやく過体重・肥満の有望な治療薬が出現したと思いたいところであるが、以下に述べる2つの理由によりこの結果をリアルワールドに当てはめることができない。 1つ目は、セマグルチド投与に加えて、栄養士による低カロリーの食事療法や厳格な行動療法のカウンセリングを68週間の投与期間中30回も併用することにより、16%の体重減少効果を認めたという点である。本試験のように、およそ毎月2回栄養士によるカウンセリングを継続して実施することは通常の診療では難しい。実臨床ではよくある食事・運動療法が不十分の状況で、セマグルチド投与によりどの程度の体重減少を認めるかは不明である。 2つ目は、日本ではセマグルチド2.4mgの注射製剤はまだないからである。2020年から2型糖尿病の治療薬としてセマグルチド1.0mgは使用できるようになってはいるが、保険適用はあくまでも2型糖尿病であり、本試験の対象のような非糖尿病の肥満者は適応外となる。もし日本人を対象としたセマグルチドの試験で安全性や有効性が認められれば、非糖尿病の過体重・肥満の治療の選択肢となる可能性があるだろう。

14987.

骨髄増殖性腫瘍の治療戦略に新展開【Oncologyインタビュー】第31回

ドライバー遺伝子の解明などと共に、長年停滞していた骨髄増殖性腫瘍の治療が変わりつつある。当該領域の第一人者である順天堂大学医学部 血液学講座の小松 則夫氏に、最新情報を解説していただいた。予後が長い故にQOLの低下が問題―骨髄増殖性腫瘍とは、どのような疾患なのでしょうか?骨髄増殖性腫瘍(MPN)は、造血幹細胞の異常で、白血球や赤血球、血小板など、1系統以上の骨髄系成熟細胞の過剰生産を来す疾患群です。代表的なものとして、慢性骨髄性白血病(CML)、真性赤血球増加症(真性多血症)(PV)、本態性血小板血症(ET)、原発性骨髄線維症(PMF)があります。BCR-ABL遺伝子の解明からチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)が登場し、CMLの予後は劇的に改善しました。ここでは、CMLを除いたフィラデルフィア染色体陰性MPNの3疾患についてお話ししたいと思います。―MPNの予後について教えていただけますか。MPNの予後ですが、生存期間の中央値はETが約20年、PVが約14年と比較的予後良好ですが、PMFは4年と予後不良です。PV、ETでは長期の経過の中で、一部は急性白血病や骨髄線維症に移行することで予後が悪化しますが、これらの疾患の予後を規定する主な因子は、脳梗塞、心筋梗塞、肺梗塞といった血栓症で、時に致命的となります。一方、血小板が一定数(150万/μL)を超えると逆に出血しやすい状態となります。予後が長い反面、一旦血栓症や出血が起こると、患者さんは長期間その症状に向き合っていくことになり、QOLは著しく低下します。MPN特異的ドライバー遺伝子の発見が治療に結び付く―MPNに共通の遺伝子変異が発見されたとのことですが。画像を拡大するMPNに共通のJAK2 V617Fの他に、CALRやMPLの遺伝子変異が発見されています。JAK2 V617Fは、2005年にET、PV、PMFに共通の遺伝子変異として報告されました。PVの97%、ETおよびPMFの5~6割に発現しています。JAK2はサイトカインシグナル伝達の中心的役割を担うチロシンキナーゼです。JAK2 V617F変異によりJAK2は活性化され、恒常的にシグナルが伝達され腫瘍化が促されます。MPLは、造血因子サイトカインで、トロンボポエチンの受容体です。MPL変異によりMPLは常に活性化し、トロンボポエチンとの結合なしにJAK2シグナルが細胞内へと伝達され、血液細胞の腫瘍化が促進されます。画像を拡大するCALR遺伝子変異はETおよびPMFの2~3割に発現します。CALR(calreticulin)は、タンパク質を折りたたむ分子シャペロンの一種です。われわれの研究で、変異CALR遺伝子により作られる変異型CALRタンパク質はホモ多量体を形成し、あたかもトロンボポエチンのようにMPL(トロンボポエチン受容体)と強く結合し、JAK2シグナルを介して血液細胞の腫瘍化を促進することが明らかになりました。1)2)これら3つの変異は相互排他的に発現しますが、いずれもJAK2シグナルの活性化につながっています。―遺伝子変異の解明と共に治療も変化しているのでしょうか。ごく最近、インターフェロン(以下、IFN)についての研究結果が発表されました。IFNαは1970年代からMPNの治療に用いられていましたが、副作用が強く頻回投与が必要であること、大規模試験でのMPNへの有効性が証明されていないことから使用は限定されていました。しかし、改良したロペグIFNα2bが開発されたことでIFNは大きく見直され始めました。画像を拡大するロペグIFNα2bは単一異性体の長時間作用型ペグ化インターフェロンで、安全性が高い設計となっています。昨年(2020年)、ロペグIFNα2bを標準療法であるヒドロキシカルバミド(以下、HU)と直接比較した、第III相のPROUD-PV試験とその延長試験であるCONTINUATION-PV試験が発表されました3)。この試験は36ヵ月(PROUD-PV:12ヵ月まで、CONTINUATION-PV:36ヵ月まで)追跡されています。主要評価項目の血液学的完全奏効は治療経過と共にIFNα2bがHUを上回り、18ヵ月以降優越性を保っていました。安全性もHUに対して優れていました。さらに重要なことは、JAK2変異量も有意に減少させたことです(36ヵ月JAK2 V617F変異量:ロペグIFNα2b -22.9対HU -3.5、p<0.0001)。従来の薬剤ではここまでJAK2変異量を減らすというデータはありません。ロペグIFNα2bの大きな特徴と言えます。―JAK2変異量が減少するメカニズムは? また、それがどういうことにつながるのでしょうか。理由は明らかになっていませんが、ロペグIFNα2bは、正常細胞はそのままで、JAK2変異細胞を選択的に攻撃している可能性があります。つまり、疾患そのものを治す、治癒まで持っていくことができるかもしれないということです。したがって、これまでの治療は血栓症や出血の予防に主眼を置いてきましたが、今後は治癒を目指すことになると思います。すなわち治療アルゴリズムが大きく変わる可能性があり、将来的にはIFNが治療の中心となることを期待させます。―CALRを標的とした治療法も開発されているとお聞きしますが。CALR遺伝子変異により作られた変異型CALRタンパク質は、細胞内で未熟なMPLと結合した後、細胞表面に移行し活性化することが、われわれの研究で示されました4)。そこで、未成熟なMPLとの結合の阻害、細胞表面におけるMPLの活性化の阻害、あるいは細胞表面の変異型CALRタンパク質を標的として攻撃することで、MPNは治療可能だと考えられます。変異型CALRが細胞外に移行する際、ある酵素で切られますが、われわれは切断部位を特異的に認識して結合する抗体作成に成功しました。この抗体は非常に特異性が高くCALR変異陽性の細胞だけを標的にするため、今後抗体薬として開発されることが期待されます。正確かつ容易なバイオマーカーの開発―診断についても新たな進化がみられているそうですね。われわれの研究で、CREB3L1という遺伝子がMPNのバイオマーカーの役割を果たすことが示されました。CREB3L1は転写因子として機能し、タイプIコラーゲンを標的とするため、骨形成に関与しますが、乳がんの浸潤にも関係していると報告されています。ところで、血小板増加症として受診する患者の9割は反応性、つまり他の原因による血小板増加症です。しかし、この反応性とETなどの腫瘍性の血小板増加症を臨床的に鑑別することは難しいことが多く、治療法が全く異なるため、正確かつ容易な鑑別方法の確立が求められます。われわれはそこで、採取が簡単な血小板に着目し、血小板が腫瘍性に増加するETでバイオマーカーの検索を行いました。具体的にはETと反応性血小板増加症の患者末梢血から血小板を収集し、RNAの発現パターンを解析しました。その結果、ET症例は反応性血球増加症に比べ、CREB3L1が有意に高く発現することを発見しました(p=0.001770)5)。さらに追加解析で、フィラデルフィア染色体陰性MPN、反応性血球増加症のCREB3L1レベルを調査しました。その結果、CREB3L1はETだけでなく、PVやPMFを含めたMPN全般に高レベルに発現していました(p<0.0001)。興味深いことに、CMLでは反応性や健常人と同く陰性でした。このバイオマーカーは感度、特異度ともに100%です。フィラデルフィア染色体陰性MPN全般の画期的な診断バイオマーカーとして、きわめて優れていることがわかりました。―MPN特異的な遺伝子変異のないケースでは本当に腫瘍性なのか鑑別することが難しいと思いますが、このバイオマーカーの効果は?MPN特異的な遺伝子発現がないトリプルネガティブ症例(JAK2 V617F、CALR、MPL変異すべて陰性)においては、腫瘍性か反応性かの鑑別は悩ましいものです。前述の研究では、病理学的に確認されたトリプルネガティブET(20例)においてもCREB3L1を測定しました。その結果、この集団にもCREB3L1陽性例(12例)と陰性例(8例)が存在すること、そして血小板数と白血球数は陽性例で有意に多いことが判明しました。また、大変興味深いことに、陰性例8例のうち2例は、経過と共に血小板数が減少し、骨髄検査で最終的に正常化が確認されました。ここから言えることは、トリプルネガティブETと診断されても、CREB3L1陰性の場合は自然治癒する可能性があるということ、そして、その場合は不用意に抗がん剤を投与せず、経過観察という選択肢もありえるということです。診断と治療の進化で治療アルゴリズムが大きく変わる!?―こういった新たな診断や治療薬の開発で、MPNの治療はどう変わっていくでしょうか。現在のMPNの治療では、高リスク(60歳以上、または血栓症/出血の既往)になり、初めて抗がん剤が開始されます。患者さんからは「せっかく診断がついたのに60歳まで治療を待つのか、血栓症が起きるまでどうして治療できないのか」といった声を聞きます。IFNは、根本的な治療の実現が期待できますが、長期経過と共に他の遺伝子変異が加わって疾患が修飾されると、効果が低下するとの報告もあります。IFNを有効に使用するためにも、診断後すぐにIFN治療を開始することで、かなりの効果が期待できると、個人的には考えています。CREB3L1という新規バイオマーカーによる正確な診断とINFα2bのような新規薬剤の登場で、MPNの治療が大きく変化する可能性がある。ロペグINFα2bの国内臨床試験も行われているという。近い将来、長期間疾患と付き合わなければならないMPNの患者に朗報が届くことを期待したい。1)Araki M, et al. Activation of the thrombopoietin receptor by mutant calreticulin in CALR-mutant myeloproliferative neoplasms. Blood.2016;127:1307-1316.2)Araki M, et al. Homomultimerization of mutant calreticulin is a prerequisite for MPL binding and activation. Leukemia.2019;33:122-131.3)Gisslinger H, et al. Ropeginterferon alfa-2b versus standard therapy for polycythaemia vera (PROUD-PV and CONTINUATION-PV): a randomised, non-inferiority, phase 3 trial and its extension study. Lancet Haematol.2020;7:e196-e208. 4)Masubuchi N, et al. Mutant calreticulin interacts with MPL in the secretion pathway for activation on the cell surface. Leukemia.2020;34:499-509.5)Morishita S, et al.CREB3L1 overexpression as a potential diagnostic marker of Philadelphia chromosome-negative myeloproliferative neoplasms. Cancer Sci.2021;112:884-892

14988.

インサイド・ヘッド【なんで悲しみは「ある」の?どうすれば?(感情心理学)】Part 1

今回のキーワード喜び(幸福)怖れ(恐怖)怒り(威嚇)ムカつき(嫌悪)悲しみ(うつ)驚き(注意喚起)カタルシス受容皆さんは、悲しくなったとき、悲しみが早くなくなればいいと思ったことはありませんか? いつでも笑っていたいのに、そもそもなぜ悲しみが「ある」のか考えたことはありませんか? さらに、悲しみだけでなく、喜び、怖れ、怒り、ムカつき、驚きなどの感情は、なぜ「ある」のか考えたことはありませんか?これらの答えを探るために、今回は、子どもだけでなく大人も楽しめるディズニーアニメ「インサイド・ヘッド」を取り上げます。この作品を通して、悲しみをはじめとする感情を、感情心理学として掘り下げます。そして、より良い悲しみのあり方を一緒に考えてみましょう。6つの基本感情とは?舞台は、ホッケー好きな11歳の女の子、ライリーの頭の中。そこには、ヨロコビ、ビビリ、イカリ、ムカムカ、そしてカナシミの5つの感情の小人たちが感情操縦デスクの前でせめぎ合っています。ある日、ライリーは、父親の仕事の都合で、住み慣れたミネソタの田舎からサンフランシスコの大都会に引っ越します。そして、見知らぬ街で友達もいない中、ライリーの頭の中の小人たちに事件が起こります。それでは、まず感情の小人たちの特徴を通して、私たちの6つの感情(エクマンによる基本感情)をまとめてみましょう。(1)ヨロコビ-幸福ヨロコビのイメージカラーは黄色。彼女は、小人たちのリーダーとして、いつも明るく前向きです。彼女だけ体表からおぼろげな明るい微粒子が出ており、毎日「今日もまた完璧な1日だったわ」と言います。引っ越しトラックが到着していないことでライリーのパパとママが言い合いをしているのを見て、ヨロコビは奥の棚から「考えの電球」を感情操縦デスクにはめ込みます。すると、ライリーがいきなりホッケーごっこを始め、パパとママも楽しそうに参加するのです。ライリーは、パパとママに気を遣ったのでした。ヨロコビの役割は、ライリーを楽しい気持ちにさせることです。感情心理学的に言えば、これは、食欲や愛情欲求などの欲を追い求める感情である喜び(幸福)です。生きていくための感情そのもと言えます。一方、ヨロコビには欠点もあります。たとえば、引っ越して初めて学校に行く日の朝、パパから「楽しんできてね、おサルさん」と言われて、ライリーはヨロコビによって「ウホッウホッ!」とサルまねの冗談を返します。しかし、教室で自己紹介をしている最中に、感情が爆発してしまうのです。そのわけは、実は緊張しているのに、空元気で無理におふざけをしたからでした。このように、ヨロコビの欠点は、ほかの感情を抑え込んで、刹那的になってしまうことです。実際に、ヨロコビの体表の微粒子は、自分のエネルギーを自制できずに暴走してしまうことがビジュアル的に描かれています。つまり、ヨロコビは、お気楽でムードメーカーの要素がありますが、その反面、押しつけがましく、浅はかなお調子者の要素もあります。ヨロコビの表情は、目尻が下がり、口角が上がっています。この表情(笑顔)の起源は、太古の昔に霊長類が仲間同士で緊張緩和(宥和)を伝えるために、口角を引き上げて高い鳴き声を出していたコミュニケーションまで遡ります。なお、笑いの起源の詳細については、関連記事1をご覧ください。 (2)ビビリ-恐怖ビビリのイメージカラーは紫。彼は、いつもビクビクしており、何かにつけて「危ない!気を付けて!そこに行っちゃだめ!」と言いながら、細身の体をクネクネして縮こまらせます。幼いライリーが家の中を走り回るとき、彼は、電気のコードを目の前に見つけると、「ゆっくり!ゆっくり!」とおびえながらライリーに注意を促しています。ビビリの役割は、ライリーを警戒させることです。感情心理学的に言えば、これは、危険を予期して回避する感情である怖れ(恐怖)です。ビビリは、ヨロコビの暴走を止めるストッパーとして、絶対に必要な感情です。この点で、実は彼はサブリーダーです。一方、ビビリの欠点は、不安になりすぎると、何もできなくなってしまうことです。ビビリの表情は、眉がつり上がり、目を見開き、口がへの字になっています。この表情(おびえ顔)の起源は、太古の昔に霊長類が仲間同士で群れの序列が下であること(ひれ伏し)を伝えるために行っていたコミュニケーションまで遡ります。眉をつり上げ目を見開くわけは、恐怖の相手をよく見るためです。口をへの字にするのは、萎縮しているためです。なお、恐怖(不安)の起源の詳細については、関連記事2をご覧ください。 (3)イカリ-威嚇イカリのイメージカラーは赤。彼は、ノシノシと歩き回り、思い通りにならなかったり、理不尽な思いをした時に、頭から火を噴きます。赤ちゃんのライリーのお腹が空いていたりオムツを替えてほしいとき、イカリは感情操縦デスクのレバーを押します。すると、ライリーは大泣きします。イカリの役割は、ライリーをいら立たせることです。感情心理学的に言えば、これは、自己主張をする感情である怒り(威嚇)です。権利が侵害されないために、やはり必要な感情です。一方、イカリの欠点は、怒り狂って、セルフコントロールができなくなることです。たとえば、ライリーが新しいアイスホッケーチームの入団テストで失敗したときも、イカリは感情操縦デスクのレバーを押してしまいます。すると、ライリーは「最悪、やってらんない!」と怒鳴り、ホッケースティックを投げ出していました。イカリの表情は、目をやや細めて、歯を食いしばっています。この表情(怒り顔)の起源は、太古の昔に霊長類が仲間同士で縄張り(権利)を主張したり、群れの序列が上であること(権力)を主張するために行っていたコミュニケーションまで遡ります。目を細めるわけは、相手の動きを見据えつつ、自分の視線の先から次の行動を相手に読まれないようにするためです。歯を食いしばるのは、相手の攻撃により口の中を切らないようにするためです。なお、怒りの起源の詳細については、関連記事3をご覧ください。 次のページへ >>

14989.

インサイド・ヘッド【なんで悲しみは「ある」の?どうすれば?(感情心理学)】Part 2

(4)ムカムカ-嫌悪ムカムカのイメージカラーは緑。彼女は、おしゃれで小生意気。よく「キモい!」と言っています。幼いライリーが初めてブロッコリー(吹き替え版ではピーマンに変更)を食べさせられるとき、ムカムカはその見慣れない形を見て感情操縦デスクのボタンを押します。すると、ライリーは吐き出すのです。ムカムカの役割は、ライリーを嫌な気持ちにさせることです。感情心理学的に言えば、これは、適度に回避する感情であるムカつき(嫌悪)です。完全に回避する恐怖ほど危険ではない対象や状況に対して一定の距離を取る感情です。たとえば、それは、まずい味、糞尿、病気、死骸から、よそ者、不倫、犯罪などへと広がっていきます。一方、ムカムカの欠点は、行き過ぎると、食わず嫌い、潔癖、差別を招くことです。たとえば、ライリーが新しい学校のイケてる女子たちを見たとき、ムカムカは「こっちから話しかけちゃだめ。話しかけられるのを待つの」と言います。ムカムカの表情は、目、鼻、口を閉じ気味の態勢を取っています。この表情(しかめっ面)の起源は、太古の昔に哺乳類が毒物や悪臭が目や鼻や口に入らないようにしていた行動まで遡ります。そして、原始の時代の人類からは、物質的な毒(まずさ)だけでなく、社会的な毒(気まずさ)にも反応するようになったのです。なお、嫌悪(バッシング)の起源の詳細については、関連記事4をご覧ください。 (5)カナシミ-うつカナシミのイメージカラーは青。彼女は、いつもうつむき加減で、動きはゆっくり。そして、「失敗してばかり。私って最低」とぼそっと言います。ライリーが転校先の教室で自己紹介をしている時、楽しかったミネソタの思い出をがんばって語る中、急に泣き出してしまいます。それは、カナシミがミネソタでの楽しかった思い出ボールを勝手に触り、金色から青色にしていったからです。カナシミの役割は、ライリーを悲しい気持ちにさせることです。感情心理学的に言えば、これは、行動にブレーキをかける感情である悲しみ(うつ)です。果たしてこの感情は必要なのでしょうか? むしろこれは、欠点そのもののように思えてしまいます。しかし、ラストシーンでカナシミの真の役割が判明します。ライリーは、引っ越してからずっとパパとママに気を遣い、悲しい気持ちを押し殺してきました。そして、それに堪えられなくなり家出をします。それは、ヨロコビとカナシミが特別な思い出ボールと一緒に吸飲チューブに吸い込まれ、ビビリとイカリとムカムカを残して司令部から放り出されてしまった事件にリンクします。あんなに素直で明るかったライリーは、ビビリやムカムカによって心を閉ざし、イカリによって突然キレるむっつりした女の子になってしまったのです。そして、最後にヨロコビとカナシミが司令部に戻った時、ムカムカが「ヨロコビ、何とかして!」と切羽詰まった声をあげます。私たちも同じ気持ちになっていました。ところが、ヨロコビは、「カナシミ、これを切り抜けるかは、あなたにかかっている」と言い、カナシミを感情操縦デスクの前に押しやるのです。すると、ライリーは寂しくなり、ミネソタ行きの夜行バスを飛び降りて家に帰るのです。そして、家でパパとママに会った瞬間、「私、ミネソタが恋しいの」「パパやママは私に明るく前向きでいてほしいんだろうけど、ミネソタの友達に会いたい。ホッケーチームに戻りたい。あの家に戻りたい」と泣きながら素直に打ち明けます。そんなライリーをパパとママは抱き寄せて、「私たちもミネソタが大好きだよ」と話し始めるのです。つまり、カナシミの真の役割は、何かを失ったときに周りからサポートを引き出すことです。そのサポートとは、共感などの心理的なサポートだけでなく、学校と連携して保健室などの居場所の確保をするなどの物理的なサポートや、場合によっては心理療法を受けるなど経済的なサポートもあるでしょう。カナシミの役割は、決してライリーを不幸にすることではないです。この点で、カナシミはヨロコビと対極にあり、陰のリーダーとも言えるでしょう。カナシミの表情は、眉がハの字になり口角が下がり、ときに涙や嗚咽を伴います。この表情(泣き顔)の起源は、太古の昔に人類が、仲間同士で助けを求めるために、目や口に砂などの異物が入っているのに取り除けずにひざまずいて弱っている様子(結果的に涙や嗚咽が出る様子)を見せていた非言語的コミュニケーションであることが考えられます。実際に、眉をハの字にして目を細めると、笑ったりあくびをするときと同じように、眼球が圧迫され、反射的に涙が出やすくなります。ちなみに、人類以外の動物については、その助け合い(協力行動)が極めて限定的であるため、涙の役割は、もっぱら目を乾燥や細菌から守ったり(基礎分泌)、砂などの異物を洗い流すためにあり(反射分泌)、悲しみを伝えること(感情性分泌)は考えにくいでしょう。なお、悲しみ(うつ)の起源の詳細については、関連記事5をご覧ください。 (6)ビックリ-注意喚起最後に、この作品で登場していない6つ目の基本感情があります。名付けるとしたら、ビックリでしょう。イメージカラーを付けるとしたら、頭が真っ白になることを連想して、白でしょう。この作品では、ビックリの役割をビビリやヨロコビが掛け持ちして取り込んでいます。ビックリの役割は、感情心理学的に言えば、新奇な対象や状況に遭遇した瞬間に注意力を高める感情である驚き(注意喚起)です。この感情は、一瞬だけ働き、速やかに恐怖や幸福に取って替わります。ビックリの表情は、目が大きく開き、口は半開きで息を吸い、叫び声を伴うこともあるでしょう。この表情(あんぐり顔)の起源は、太古の昔に哺乳類が、新奇な対象や状況をよりよく見て、十分に息を吸って次の行動にすぐに移れる準備をする状態に遡ります。そして、叫び声は、仲間に危険(恐怖)を知らせる役割があることが考えられます。なお、人類のあんぐり顔は、恐怖だけでなく幸福を伝える役割も担うようになっています。<< 前のページへ | 次のページへ >>

14990.

インサイド・ヘッド【なんで悲しみは「ある」の?どうすれば?(感情心理学)】Part 3

より良い悲しみのあり方とは?5人の感情の小人たちを通して、6つの基本感情をまとめました。そして、悲しみという感情が「ある」のは、周りからサポートを引き出すためであることが分かりました。ところで、ラストでライリーが家出を踏み止まるシーンで、ヨロコビはなぜ自分ではなくカナシミこそ感情操縦デスクの前に立つべきだと悟ったのでしょうか? それには、次のような伏線シーンがありました。ヨロコビとカナシミが指令部に戻る旅の途中、ビンボンに出会います。彼は、幼い時のライリーの空想の友達です。彼は司令部に帰るための道案内役になってくれますが、その最中、ライリーとの思い出のロケット号を記憶の作業員たちに捨てられてしまいます。悲しんで動けなくなっているビンボンに、帰りを急いでいるヨロコビは、ビンボンを元気づけようと「ほ~ら、こちょこちょお化けが来たわよ~」と体をくすぐってふざけます。しかし、ビンボンはしょんぼりしたままでした。そのときです。カナシミが近づいてきて、ビンボンの横に座り、「ロケットがなくなって、ほんと残念ね」「あなたの愛するものが奪われ、消えてしまった。永遠に」と慰めます。ヨロコビは「ビンボンをこれ以上落ち込ませないで」と口出ししますが、カナシミは「あなたとライリーは素敵な冒険をしてたんでしょうね」と続けます。すると、ビンボンは、「そう。僕たちは親友だった」とわんわんと泣き出します。そして、たっぷり泣いたあと、涙をぬぐって、深呼吸して、「もう大丈夫」「行こう」と歩き出すのです。ヨロコビは「どうやって彼を立ち直らせたの?」と不思議がります。カナシミは「分からないわ。ただ、ビンボンは悲しかった。だから私はその悲しみに寄り添っただけ」と答えます。それでは、ここから、より良い悲しみのあり方を3つ考えてみましょう。(1)悲しみを味わう-カタルシス1つ目は、悲しみを味わうことです(カタルシス)。ビンボンもライリーも、悲しみをそのまま出すことで前向きになりました。そもそも悲しみは、家族や仲間に助けを求めるための働きがあります。つまり、悲しみを誰かに伝えるだけで、サポートが得られた感覚になり、すっきりするため、悲しいと言うこと自体に意味があります。また、もともと悲しみは、それまでの行動が原因で何かを失った場合にその行動にブレーキをかける働きもあります。よって、その行動をいったんリセットするために、じっくり時間をかけて、悲しみを味わうことにも意味があります。逆に言えば、悲しみを我慢したり(過剰適応)、なかったことにすると(抑圧)、サポートが得られないと思い込んでしまいます。これは、秘密をバラさないことと同じように、言いたくても言えない葛藤でもあります。こうして、ライリーが家出をするように自暴自棄になってしまうリスクが高まります。(2)悲しみを受け止める-受容2つ目は、悲しみを受け止めることです(受容)。ビンボンもライリーも、悲しみを受け止められて初めて前向きになりました。逆に言えば、悲しみに対して、いきなり助言したり、励ましたり、ふざけてごまかしたりしても効果は期待できないです。たとえば、鈍感なライリーのパパは、夕食のときに反応が乏しく様子がおかしいライリーに、最初「その態度は何だ?」「部屋に行きなさい!」と父としての威厳を見せてしまいます。そのあと、言いすぎたと反省して、「学校で何があったか話してみないか? おいおい、パパの幸せなオサルさんはどうしちゃったんだ? ウッホウッホ」と言い、ライリーを無理やり盛り上げようとしていました。(3)悲しみを成長の糧にする-自己成長3つ目は、悲しみを成長の糧にすることです(自己成長)。カナシミから学んだヨロコビと同じように、ライリーも悲しみを通して寄り添って優しくしてもらった体験が、やがて誰かに寄り添って優しくする原動力になります。自分の悲しみをよく知っているからこそ、友達思いになり、やがて親になれば子ども思いになります。逆に言えば、悲しみの体験に向き合っていないと、悲しみの感情をよく分からないまま、相手の悲しみにも思いを馳せることが難しくなるとも言えます。悲しみとは?より良い悲しみのあり方とは、悲しみを味わい、受け止めてもらい、そして成長の糧にすることが分かりました。つまり、悲しみは、決してなくなればいいものではないことが分かります。もともと「かなしい」の語源は、感動の終助詞の「~かな」から転じた形容詞で、「愛(かな)しい」とも漢字表記します。悲しみとは、失った大切な何かへのこの「愛(いと)おしさ」でもあることをよく理解した時、私たちは、より良く悲しむことができるのではないでしょうか? << 前のページへ1)感情心理学・入門:大平秀樹(編)、有斐閣アルマ、20102)進化と感情から解き明かす社会心理学:北村英哉・大坪康助、有斐閣アルマ、20123)人は感情によって進化した:石川幹人、ディスカヴァー携書、2011

14991.

相次ぐ後発医薬品の不祥事に薬剤師として思うこと【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第65回

この20年ほどの間に後発医薬品市場は急激に成長し、患者さんにも広く受け入れられるようになりました。しかし、昨年から残念な事件が立て続けに起こっています。2020年12月に福井県の小林化工において、経口抗真菌薬に睡眠薬の成分が混入し、死亡を含む多数の健康被害が発生しました。また、富山県の日医工は、承認されていない工程で医薬品を製造したとして、昨年から本年1月にかけて75品目を相次いで自主回収しました。どちらも医薬品の見た目では瑕疵を判断ができないこともあり、後発医薬品全体の信頼を失うことになりました。結果として、小林化工・日医工ともに、業務停止命令が出されました。小林化工は医薬品史上最長となる116日間の業務停止となり、日医工は主力の富山第一工場での製造は32日間、全社での販売業務は24日間の停止となりました。どちらも非常に重い行政処分であり、医療者や患者さんからの信頼を回復するのは簡単ではないでしょう。事件の背景や原因に関しては徐々に明らかになってきていますが、その要因の1つとして、市場の急拡大と社内の体制整備に乖離があったのではないかと思います。小林化工においては、製造手順の不正は2005年ごろから行われ、試験結果の捏造に至っては1970年代から続いていたといいます。小林 広幸社長は、記者会見で「ルールより作業効率を優先してしまった」と述べています。人の健康に寄与しているという自覚が足りないと言わざるを得ないひどい話です。また、新しい品目の承認を得る際に、製造販売業および製造業の許可権者である都道府県の実地や書面の調査が入っていたはずですが、許可権者である行政がその不正を見抜けなかったことにも重大な責任があると思います。今後、他の都道府県においても、行政からの抜き打ち検査が増えることは間違いないでしょう。薬局業務を省みても他人事と言えるのか?代替医薬品の確保に奔走している方は、「社内工程に問題があるなんて信じられない」と怒り心頭だと思いますが、かくいう私たちの薬局はどうでしょうか。どんどん店舗が増えていき、既存店舗の人が減らされ、店舗のシフトや運用がうまくいかない、となった経験がある人もいるでしょう。そんな場合に、「ちょっとくらい…」と思って手順を飛ばす、薬剤師でないスタッフに薬剤師の業務を依頼するなど、認められていないことを行ってはいないでしょうか。どのような状況であっても、法令順守違反をしてもよいという言い訳はありません。なぜ薬局開設や医薬品販売に許可が必要なのか、なぜ手順を定めなければならないのかを改めて考えて、すべての方が安心・安全に医療を受けられるように襟を正したいものです。

14992.

第52回 南ア変異株を取り入れたCOVID-19ワクチンはより心強い

南アフリカでの新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症流行第二波で台頭した変異株(南ア変異株)B.1.351の感染はSARS-CoV-2の古参も新顔も手広く相手する抗体一揃いを生み出すようで、その配列を取り入れたワクチンはどうやらより頼りがいがあるようです。同国での去年9月初めまでの流行第一波の後の10月に見つかって瞬く間に広まった1)B.1.351は回復者血漿(convalescent plasma)やモノクローナル抗体を効き難くするかまったく効かなくする変異を有し、取り急ぎ認可されたワクチンの効果にも差し障るのではないかと懸念されました。その懸念は杞憂ではなく、AstraZenecaのSARS-CoV-2ワクチンChAdOx1 nCoV-19(AZD1222)の試験ではB.1.351感染者の発症を防げませんでした2)。それに、Pfizer-BioNTechやModernaのワクチン接種者の血清(抗体)のB.1.351中和はかなり劣りました3)。その結果を踏まえてModernaはB.1.351の配列を取り入れたワクチンmRNA-1273.351を仕立てており、早くも今月前半には第II相試験でその投与が始まっています4)。mRNA-1273.351はB.1.351を含むSARS-CoV-2変異株も相手できるように免疫反応の幅を広げることを目指します。南アフリカの中心都市ヨハネスブルグのウィットウォータースランド大学の ペニー・ムーア(Penny Moore)氏のチームが今月11日にbiorxivに発表した報告5)によるとmRNA-1273.351はその狙い通りの効果をもたらしてくれそうです。ムーア氏等はB.1.351が免疫の網をかいくぐることなく強力な免疫反応を引き出しうると期待し6)、ケープタウンの病院にB.1.351感染で入院した89人の血清(抗体)のSARS-CoV-2代理ウイルス(pseudovirus)阻止効果を調べました。代理ウイルスはSARS-CoV-2スパイクタンパク質を使って細胞に感染するように加工したHIVです6)。結果はムーア氏等の期待に沿うもので、B.1.351感染者の抗体はB.1.351変異を有する代理ウイルスの阻止のみならずB.1.351台頭前の流行第一波の代理ウイルスやブラジルで見つかった変異株501Y.V3 (P.1)代理ウイルスも食い止めました5)。P.1もB.1.351と同様に手強く、抗体が効きにくいことが知られています。B.1.351も相手しうるワクチンの取り組みはModernaのみならずPfizer-BioNTechやその他のワクチン開発会社も進めています。それらのワクチンはおそらくより高性能であろうとムーア氏は言っています6)。変異株感染は総じてSARS-CoV-2を手広く相手する免疫反応を引き出すかというとそうではなさそうです。たとえば英国で見つかった変異株B.1.1.7感染で備わる抗体は南ア変異株や先立って流行したウイルスの面々の認識や抑制がより不得手です7)。南ア変異株B.1.351感染でSARS-CoV-2あれこれへの手広い免疫反応が備わる仕組みは不明で、これから調べる必要があります。もしかするとB.1.351は変異株の間で共通するスパイクタンパク質特徴を認識する抗体を引き出すのかもしれません6)。参考1)Emergence and rapid spread of a new severe acute respiratory syndrome-related coronavirus 2 (SARS-CoV-2) lineage with multiple spike mutations in South Africa. medRxiv. December 22, 20202)Madhi SA,et al, N Engl J Med.2021 Mar 16. [Epub ahead of print]3)Wang P, et al.Nature.2021 Mar 8. [Epub ahead of print]4)Moderna Announces First Participants Dosed in Study Evaluating COVID-19 Booster Vaccine Candidates / businesswire5)SARS-CoV-2 501Y.V2 (B.1.351) elicits cross-reactive neutralizing antibodies. bioRxiv. March 11, 20216)Rare COVID reactions might hold key to variant-proof vaccines / Nature7)Reduced antibody cross-reactivity following infection with B.1.1.7 than with parental SARS-CoV-2 strains. bioRxiv. March 01, 2021.

14993.

mRNAワクチン、無症候性感染リスクも低下/大規模調査

 新型コロナウイルスワクチンは無症候性感染にも有効なのか。米国・メイヨークリニックのAaron J. Tande氏らによる大規模調査によって、ワクチン接種によって 無症候性の感染リスクも低下することがわかったという。Clinical Infectious Diseases誌オンライン版2021年3月10日号掲載の報告。 該当地域においてワクチン接種が始まった2020年12月17日から2021年2月8日の間に、処置/手術前にSARS-CoV-2検査を受けた無症状の患者(3万9,156例)の検査4万8,333件を対象として、後ろ向きコホート研究を実施した。 mRNAワクチン(ファイザーもしくはモデルナ社製)を1回以上接種した群(接種群)と、同じ期間内に接種しなかった群(未接種群)の間でSARS-CoV-2検査の陽性率を比較し、相対リスク(RR)を算出した。RRは混合効果log-binomial回帰を用いて、年齢、性別、人種/民族、病院と居住地の相対位置(医療アクセス)、地域の医療システム、反復検査について調整した。 主な結果は以下のとおり。・患者の年齢中央値は54.2(SD:19.7)歳で、2万5,364例(52.5%)が女性だった。接種群の検査数は3,006件(6.2%)、未接種群は4万5,327件(93.8%)だった。・接種群の初回接種から検査までの日数の中央値は16(四分位範囲:7~27)日だった。・接種群の検査3,006件中、陽性は42件(1.4%)、未接種群の検査4万5,327件中、陽性は1,436件(3.2%)だった(RR:0.44、95%CI:0.33~0.60、p<0.0001)。・接種群が未接種群と比較して調整後RRが低かった検査時期は、ワクチンの初回接種後11日以降2回目の接種前(RR:0.21、95%CI:0.12~0.37、p<0.0001)、および2回目の接種翌日以降(RR:0.20、95%CI:0.09~0.44、p<0.0001)だった。 研究者らは、mRNAワクチンは症候性の感染同様に無症候性感染のリスクも減らすことが裏付けられた、としている。

14994.

日本人高齢者の認知症リスクと近隣歩道環境~日本老年学的評価研究コホート

 日常生活に欠かせない環境資源の1つである歩道は、身体活動を促進するうえで重要なポイントとなる。しかし、先進国においても歩道の設置率は十分とはいえない。東京医科歯科大学の谷 友香子氏らは、日本における近隣の歩道環境と認知症リスクとの関連を調査した。American Journal of Epidemiology誌オンライン版2021年2月19日号の報告。 地域在住の高齢者の人口ベースコホート研究である日本老年学的評価研究の参加者を対象に、3年間のフォローアップ調査(2010~13年)を実施した。公的介護保険制度のデータより高齢者7万6,053人の認知症発症率を調査した。436ヵ所の住宅近隣ユニットの道路面積に対する歩道の割合を、地理情報システムを用いて算出した。認知症発症率のハザード比(HR)は、マルチレベル生存モデルを用いて推定した。 主な結果は以下のとおり。・フォローアップ期間中に認知症を発症した高齢者は5,310人であった。・都市部では、歩道割合が最低四分位の地域と比較し、最高四分位の地域における認知症のHRは0.42(95%CI:0.33~0.54)であった(共変量で調整後)。・土地の傾斜、病院数、食料品店数、公園数、駅数、バス停数、教育レベル、失業率などのその他の近隣要因で連続調整した後でも、HR(0.75、95%CI:0.59~0.94)は統計学的に有意なままであった。 著者らは「都市部においては、歩道の割合が高い地域に住むことと認知症発症率の低さとの関連が認められた」としている。

14995.

統合失調症患者の乳がん、術後合併症が多い~日本の全国データ

 統合失調症患者は一般集団より乳がん発症リスクが高いが、乳がんの術後合併症を調査した研究はほとんどない。今回、東京大学の小西 孝明氏らの研究から、統合失調症患者では精神疾患のない患者より乳がんの術後合併症発生率や入院の総費用が高いことが示唆された。British Journal of Surgery誌2021年3月号に掲載。 本研究は、全国的な入院患者データベースから、2010年7月~2017年3月にStage 0~III乳がんで手術を受けた患者を特定し、多変量解析を用いて統合失調症患者と精神疾患のない患者について術後合併症と入院費用を比較した。感度分析は、入院時の年齢・施設・年度で1:4にマッチングさせたペアコホート分析、抗精神病薬を服用していなかった統合失調症患者を除外した分析、意思に反して入院した統合失調症患者を除外した分析の3つを実施した。 主な結果は以下のとおり。・統合失調症患者3,660例、精神疾患のない患者35万860例が対象となった。・統合失調症患者のほうが術後合併症発生率が高く(オッズ比:1.37、95%CI:1.21〜1.55)、合併症別のオッズ比は術後出血多量が1.34(95%CI:1.05〜1.71)、手術部位感染が1.22(95%CI:1.04〜1.43)、敗血症が1.20(95%CI:1.03~1.41)だった。・統合失調症患者での入院の総費用は、精神疾患のない患者よりも高かった(多変量解析で精神疾患のない患者を基準にした係数:743ユーロ、95%信頼区間:680〜806)。・すべての感度分析において主要分析と同様の結果を示した。

14996.

認知症への中枢神経系作用薬巡るポリファーマシーの実態/JAMA

 2018年に、米国の認知症高齢患者の13.9%で、中枢神経系作用薬の不適切な多剤併用(ポリファーマシー)の処方が行われており、曝露日数中央値は193日に及び、最も多い薬剤クラスの組み合わせは抗うつ薬+抗てんかん薬+抗精神病薬であることが、同国・ミシガン大学のDonovan T. Maust氏らの調査で示された。研究の成果は、JAMA誌2021年3月9日号に掲載された。米国では、地域居住の認知症高齢者は、向精神薬やオピオイドの使用率が高いとされる。また、これらの患者では、中枢神経系作用薬の不適切な多剤併用により、認知機能の低下、転倒関連の傷害、死亡のリスクが増加する可能性があるという。不適切な多剤併用の広まりを評価する米国の横断研究 研究グループは、米国の地域居住の認知症高齢患者における中枢神経系作用薬の不適切な多剤併用の広まりを評価する目的で横断研究を行った(米国国立老化研究所[NIA]の助成による)。 対象は、2015~17年の期間に、認知症を有し、従来のメディケア保険に加入していた地域居住のすべての高齢患者であった。薬剤曝露は、2017年10月1日~2018年12月31日の期間の処方箋の調剤データを用いて推定した。観察期間は2018年で、最終的な調査コホートに含まれるには、2018年1月1日の時点でメディケア・パートD(外来処方薬の保険給付)の保険適用があることが求められた。 主要アウトカムは、2018年における中枢神経系作用薬の不適切な多剤併用の発生とされ、抗うつ薬、抗精神病薬、抗てんかん薬、ベンゾジアゼピン系薬剤、非ベンゾジアゼピン系ベンゾジアゼピン受容体作動性催眠薬、オピオイドのうち3剤以上に、30日以上連続的に曝露した場合と定義された。 また、不適切な多剤併用の基準を満たした患者において、曝露期間、処方された薬剤と薬剤クラスの数、最も多い薬剤クラスの組み合わせ、最も使用頻度の高い中枢神経系作用薬を調べた。6.8%が1年曝露、全曝露日数の92%に抗うつ薬 認知症の高齢患者115万9,968例(年齢中央値83.0歳[IQR:77.0~88.6]、女性65.2%)が解析に含まれた。このうち13.9%(16万1,412例)が中枢神経系作用薬の不適切な多剤併用の基準を満たし、全曝露日数は3,213万9,610人日であった。 中枢神経系作用薬の不適切な多剤併用の基準を満たした患者は、満たさなかった患者に比べて年齢中央値が低く(79.4歳[IQR:74.0~85.5]vs.84.7歳[78.8~89.9])、女性が71.2%を占めた。また、基準を満たした患者の曝露日数中央値は193日(IQR:88~315)で、57.8%が180日以上、6.8%は365日曝露しており、29.4%は5剤以上、5.2%は5クラス以上に曝露していた。 全曝露日数(3,213万9,610人日)の92.0%に抗うつ薬が、62.1%に抗てんかん薬が、47.1%に抗精神病薬が、40.7%にベンゾジアゼピン系薬剤が含まれた。最も多い薬剤クラスの組み合わせは、抗うつ薬+抗てんかん薬+抗精神病薬で、全曝露日数の12.9%に相当した。 また、最も多く処方されていた薬剤はガバペンチンで、全曝露日数の33.0%、すべての抗てんかん薬の曝露日数の53.2%を占めた。次いで、トラゾドン(全曝露日数の26.0%)、クエチアピン(24.4%)、ミルタザピン(19.9%)、セルトラリン(18.7%)の順であった。 著者は、「処方の適応に関する情報がないため、個々の患者における薬剤の組み合わせの臨床的妥当性に関する判断には限界がある」としている。

14997.

第47回 要申請、市町村へアドレナリン製剤の無償提供/マイラン

<先週の動き>1.【要申請】市町村へアドレナリン製剤の無償提供/マイラン2.緊急事態宣言の解除後、感染対策に「5つの柱」3.勤務医の働き方改革など、医療法改正法案が審議入り4.高齢者ワクチン、医師確保が間に合わない自治体2割5.ワクチン優先接種、精神疾患などの患者も対象に6.科学的介護情報システム「LIFE」を訪問・居宅支援に活用へ1.要申請、市町村へアドレナリン製剤の無償提供/マイラン厚生労働省は、4月12日から開始される高齢者の新型コロナワクチン接種に必要となる予診票などの情報提供を開始している。抗血小板薬や抗凝固薬を内服している患者については、接種前の休薬は必要なく、接種後は2分間以上しっかり押さえるようにと具体的な記載がされている。また、ワクチン接種の際にアナフィラキシーショックなどを発現した場合に必要となるアドレナリン製剤(商品名:エピペン注射液0.3mg)については、製造販売元であるマイランEPD合同会社より無償提供について、各市町村(特別区を含む)へ告知されるなど準備が進んでいる。なお、無償提供を希望する市町村は、専用のWEBサイト(https://med.epipen.jp/free/)を通じて申請を行うこと。受付は、18日より開始されている。(参考)新型コロナワクチンの予診票・説明書・情報提供資材(厚労省)予防接種会場での救急対応に用いるアドレナリン製剤の供給等について(その2)(同)マイランEPD 自治体向け「エピペン」無償提供の受付開始 コロナワクチン接種後のアナフィラキシー対応で(ミクスオンライン)2.緊急事態宣言の解除後、感染対策に「5つの柱」菅総理大臣は18日夜、東京都を含む1都3県の緊急事態宣言について、21日をもって解除することを明らかにした。1都3県の新規感染者数は、1月7日の4,277人と比較して、3月17日は725人と8割以上減少しており、東京では、解除の目安としていた1日当たり500人を40日連続で下回っていた。宣言解除に当たり、感染の再拡大を防ぐための5本の柱からなる総合的な対策を決定し、国と自治体が連携して、これらを着実に実施することを発表した。第1の柱「飲食の感染防止」大人数の会食は控えて第2の柱「変異ウイルス対応」第3の柱「戦略的な検査の実施」第4の柱「安全 迅速なワクチン接種」第5の柱「次の感染拡大に備えた医療体制の強化」また、ワクチンについては、今年6月までに少なくとも1億回分が確保できる見通しを示し、医療従事者と高齢者に行きわたらせるには十分な量だと述べた。(参考)新型コロナウイルス感染症に関する菅内閣総理大臣記者会見(首相官邸)【菅首相会見詳報】“宣言”解除へ 再拡大防ぐ「5つの柱」示す(NHK)3.勤務医の働き方改革など、医療法改正法案が審議入り長時間労働が問題となっている勤務医などの働き方改革を目指し、2024年度から、一般の勤務医は年間960時間、救急医療を担う医師は年間1,860時間までとする時間外労働規制を盛り込んだ医療法の改正案が、18日に衆議院本会議で審議入りした。今回の法案には、各都道府県が策定する医療計画の重点事項に「新興感染症等の感染拡大時における医療」が追加された。このほか、医師養成課程の見直しであるStudent Doctorの法的位置付けや地域医療構想の実現に向けた医療機関の再編支援、外来医療の機能の明確化・連携といった2025年問題と、今後の地域医療の提供体制にも大きな影響が出ると考えられる。(参考)勤務医などの働き方改革を推進へ 医療法改正案 衆院で審議入り(NHK)地域医療の感染症対策を強化、医療法改正案を閣議決定(読売新聞)資料 良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律案(厚労省)4.高齢者ワクチン、医師確保が間に合わない自治体2割4月12日から開始される65歳以上の高齢者対象の新型コロナウイルスワクチン接種について、厚労省が全国1,741の自治体を対象に行った調査の結果、約2割の自治体が接種を担う医師を確保できていないことが明らかになった。調査は3月5日時点の各自治体の状況についてたずね、各接種会場で1人以上の医師を確保できているとする自治体は1,382(79.3%)だが、残り約2割の自治体では「0人」だった。地元医師の調整に時間がかかっている自治体や医師不足のため近隣自治体と調整中の自治体もあるため、体制の確立には時間を要するとみられる。また、各自治体より高齢者分の接種券の配送時期については4月23日が最も多く、次いで4月12日とする自治体が多かった。(参考)医師確保「0人」が2割 高齢者ワクチン接種(産経新聞)資料 予防接種実施計画の作成等の状況(厚労省)5.ワクチン優先接種、精神疾患などの患者も対象に厚労省は、18日に第44回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会を開催し、新型コロナウイルスワクチン接種の接種順位、対象者の範囲・規模について議論した。接種の対象については、接種実施日に16歳以上とし、一定の順位を決めて接種を進める。4月12日から高齢者への接種を始め、基礎疾患のある人などに優先して接種を行う。(1)医療従事者等(2)高齢者(2021年度中に65歳に達する、1957年4月1日以前に生まれた方)(3)高齢者以外で基礎疾患を有する方や高齢者施設等で従事されている方(4)それ以外この会議において、優先接種に「重い精神疾患」や「知的障害」がある人も加えることになった。具体的には精神疾患で入院中の患者のほか、精神障害者保健福祉手帳や療育手帳を持っている人などが対象で、合わせておよそ210万人と見積もられている。(参考)資料 接種順位の考え方(2021年3月18日時点)(厚労省)6.科学的介護情報システム「LIFE」を訪問・居宅支援に活用へ厚労省は、2021年の介護報酬改定により、科学的介護情報システム「LIFE」の運用を始め、科学的なエビデンスに基づいた自立支援・重度化防止の取り組みを評価する方向性を打ち出した。今回の介護報酬改定で新設される「科学的介護推進体制加算」をはじめ、LIFEの取り組みには多くの加算が連携しており、対応を図る介護事業者にとってはデータ提出などが必須だ。さらに、改定では「訪問看護」にも大きなメスが入った。訪問看護ステーションの中には、スタッフの大半がリハビリ専門職で「軽度者のみ、日中のみの対応しか行わない」施設が一部あり、問題視されていたが、今回の改定ではリハビリ専門職による訪問看護の単位数を引き下げる、他職種と連携のために書類記載を求めるなど対策が行われている。(参考)2021年度介護報酬改定踏まえ「介護医療院の実態」「LIFEデータベース利活用状況」など調査―介護給付費分科会・研究委員会(Gem Med)リハビリ専門職による訪問看護、計画書や報告書などに「利用者の状態や訪問看護の内容」などの詳細記載を―厚労省(同)介護報酬の“LIFE加算”、計画の策定・更新が必須 PDCA要件の概要判明(JOINT)資料 訪問看護計画書及び訪問看護報告書等の取扱いについて(厚労省)

14998.

書類仕事は苦手…、そんなこと言ってると痛い目に遭いますよ、という話【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第14回

第14回 書類仕事は苦手…、そんなこと言ってると痛い目に遭いますよ、という話漫画・イラスト:かたぎりもとこ医業承継や開業においては、多くの契約が発生します。これらの契約について「固い文書は苦手だから」「業者を信頼しているから」といった理由から、十分な確認をしないまま契約を締結するケースが散見します。医業承継における主な契約には下記のようなものがあります。業務委任契約(医業承継仲介契約)秘密保持契約基本合意契約最終契約(譲渡契約)融資契約テナント賃貸借契約不動産仲介契約リース契約雇用契約今回はテナント賃貸借契約のトラブル例を紹介しました。テナント賃貸借契約は、立地がよい物件ほど多くの入居相談があり、必然的にオーナー(貸主)側の交渉力が高い傾向があります。そうした際には、貸主に有利となる条項が盛り込まれている場合があり、十分に確認をして契約を締結する必要があります。今回のケースでも、テナント賃貸借契約に「診療所を第三者に承継する場合は不動産オーナーの許可が必要となり、さらにその際には不動産オーナーに対し『承諾金』を支払う」という条項が盛り込まれていました。これは実際に私たちが手掛けた案件にあった例です。さらに、「承諾金」の200万円のほか、買い手側が不動産オーナーに賃料の2ヵ月分の礼金、不動産仲介会社に賃料1ヵ月分の仲介手数料を支払う、という内容まで盛り込まれていました。旧院長がしっかり内容を確認しなかったために、貸し手にかなり有利な契約となっていたのです。実際のところ、不動産仲介会社が不動産オーナーにこうした条項を入れるように提案するケースが多いようです。こうしたケースでは、当初の契約内容に従って案件を進めざるを得ませんが、交渉によって当初の条件が緩和されることもあるため、まずは再度きちんと契約内容を確認したうえで、交渉のステージに上がることが重要です。

15000.

マスクと認知症【コロナ時代の認知症診療】第1回

診察室でまずマスクをはずす患者さん、背後にある特有の事情新型コロナウイルス感染症(以下:コロナと略)の問題は、高齢者全般に関わるものである。けれども認知症の高齢者には特有の問題がある。それはテレビなどの報道を見てこれが恐ろしい感染症だとその瞬間は分かっても、コロナ禍全体が把握できないことである。致死性が高い感染症と言われても、自分を守る、咳エチケットを守るといった現実的な行動がとれない。たとえばマスクをすぐに外してしまう、人前で咳をしても平気である。筆者がよく経験するのは、診察室に入って着席するなり「(先生の前で)失礼ですから」、とマスクを外す人である。家族が大慌てで、「だめだめ、今はマスクをしないのが失礼なの」などと言ってもキョトンとするか、逆に何が悪いのだ、という表情を浮かべるかのいずれかである。時には、「マスクをして喋ると苦しいから、ここでは外させていただく」と述べる患者さんもいる。また素手でどこでも触ってしまう。ご家族からいくら注意されても改めることは難しい。また失敗しても沁みない。あるいは強制と受けとめ怒りを炸裂させてしまうこともある。このように指摘されて、そのときはそうかなと思っても、それが覚えられず古いルールに固執してしまうのは認知症の主症状の一つかもしれない。それだけに感染症予防の基本理解が簡単ではない、まして対応策は容易でない。数字が示す認知症患者の新型コロナ感染リスクの高さところで2021年になって認知症患者のコロナ感染に関する実証的な報告がなされたが、ここでマスク問題に言及がなされている。以下に概要を説明する。アメリカの成人6,190万人のデータから、認知症患者が新型コロナウイルスに感染するリスクは一般集団より高く(オッズ比:2.0)、認知症性疾患の中でも脳血管性認知症の患者のオッズ比が3.17と最も高かった。さらに認知症ではない感染者と比べて、入院率は3倍弱、死亡率4倍とも報告されている。こうした背景に何があるかが重要である。まず認知症が、マスクを着用したり、人と距離を保ったり、手を頻繁に洗ったりする能力を妨げている可能性が指摘されている。また心血管疾患や糖尿病、肥満、高血圧症などの疾患は、認知症と新型コロナウイルスの両方に共通するリスク要因であり、それが転帰不良を招いているとも考えられている。さらにクラスターという観点からは、認知症患者の多くが長期療養施設に滞在している点も注目されている。というのは長期療養施設における新型コロナウイルス死亡者数は、米国全体の死亡者のほぼ半数を占めているのである。いずれもこの1年あまり見聞きしてきたことがなるほどと数字として納得できる。さて、何と声をかけるのが有効か?さてそこでどう対応するか? が問題だ。たとえば、外出に際してご家族がマスクを装着させた上で、マスクをつけた周囲の人々を指して「怖いばい菌にやられないよう、今は誰でもやるの」などとうまく常識として諭すご家族がある。要は、個人に対する否定や命令でなく「今時はこうするものよ」という一般化した言い方が望ましいことにある。またそうしてもらったら「さすが! 今風がわかっている」といった誉め言葉がさらなる効果をもたらすだろう。もっとも忘れてしまうのが認知症だから、この諭しと褒めは繰り返す必要があるだろう。マスクに限らず、感染から自身や社会を守る自粛とは、結局は行動制限だから認知症の当事者にとっては息が詰まり、愉快なものでない。そこで、ご家族には、気分転換を計画的にはかることが大切になる。たとえば、人のいない早朝や夕方の時間帯に公園に出かける、女性なら開店間もないデパートを歩いてみるのもいい。また休日、人の少ない時間帯に電車に乗り1時間以内の小旅行をしてみるのも面白い。さらにはお孫さんとお子さん、それに老夫婦が庭園に集って季節の美しさを楽しみながらのお弁当会も良さそうだ。月に1度の通院は電車利用をやめて、家族数人のドライブにすることが、まさに望外の喜びになることもある。以上はすべて私の周囲の方々の経験だが、このような非日常的な活動は、たとえ認知症があっても、多くの人が小さな生きがいを楽しめ、効果的な息抜きになる。参考文献・参考情報1)Wang Q, et al. et al.Alzheimer’s Dement 2021 Feb 9. [Epub ahead of print]

検索結果 合計:36084件 表示位置:14981 - 15000