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新型コロナ抗体薬、第III相試験で最大8割の予防効果/リリー

 米国・イーライリリーは1月21日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬として開発したモノクローナル抗体薬bamlanivimab(LY-CoV555)の第III相試験(BLAZE-2)において、感染リスクを大幅に減少させることが確認されたと発表した。bamlanivimabは、成人および小児(12歳以上、体重が少なくとも40kg)における軽症~中等症COVID-19治療薬として、米国FDAが2020年11月より緊急使用を許可している。 BLAZE-2は、高齢者施設の入居者およびスタッフ965例(入居者:299例、スタッフ666例)を対象に実施。ベースラインでSARS-CoV-2陰性を確認した上で、bamlanivimab投与群とプラセボ群に無作為に割り付け、8週間後に追跡調査した。その結果、全体では投与群のCOVID-19発症リスクは、プラセボ群に比べ57%低かった(オッズ比[OR]:0.43、p=0.00021)。入居者に限って見ると、投与群ではプラセボ群よりも発症リスクが最大80%低下した(OR:0.20、p=0.00026)。 本結果についてリリー社は、発表したニュースリリースにおいて「bamlanivimabが社会で最も脆弱な集団の1つである高齢者施設の入居者においてCOVID-19発症を大幅に減らせることを示唆したことに満足している」とのコメントを掲載し、本剤の予防効果がCOVID-19パンデミックの潮流を変える上で重要な役割を果たすことができると期待感を示している。

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COVID-19入院患者、ACEI/ARB継続は転帰に影響しない/JAMA

 入院前にアンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)またはアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)の投与を受けていた軽度~中等度の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の入院患者では、これらの薬剤を中止した患者と継続した患者とで、30日後の平均生存・退院日数に有意な差はないことが、米国・デューク大学臨床研究所のRenato D. Lopes氏らが実施した「BRACE CORONA試験」で示された。研究の詳細は、JAMA誌2021年1月19日号で報告された。アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)は、COVID-19の原因ウイルスである重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の機能的な受容体である。また、RAAS阻害薬(ACEI、ARB)は、ACE2をアップレギュレートすることが、前臨床試験で確認されている。そのためCOVID-19患者におけるACEI、ARBの安全性に対する懸念が高まっているが、これらの薬剤が軽度~中等度のCOVID-19入院患者の臨床転帰に及ぼす影響(改善、中間的、悪化)は知られていないという。ブラジルの29施設が参加した無作為化試験 本研究は、軽度~中等度のCOVID-19入院患者において、ACEIまたはARBの中止と継続で、30日までの生存・退院日数に違いがあるかを検証する無作為化試験であり、2020年4月9日~6月26日の期間にブラジルの29の施設で患者登録が行われた。最終フォローアップ日は2020年7月26日であった。 対象は、年齢18歳以上、軽度~中等度のCOVID-19と診断され、入院前にACEIまたはARBの投与を受けていた入院患者であった。被験者は、ACEI/ARBを中止する群、またはこれを継続する群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要アウトカムは、無作為化から30日までの期間における生存・退院日数(入院日数と、死亡からフォローアップ終了までの日数の合計を、30日から差し引いた日数)とした。副次アウトカムには、全死亡、心血管死、COVID-19の進行などが含まれた。全死亡、心血管死、COVID-19の進行にも差はない 659例が登録され、ACEI/ARB中止群に334例、継続群には325例が割り付けられた。100%が試験を完了した。全体の年齢中央値は55.1歳(IQR:46.1~65.0)、このうち14.7%が70歳以上で、40.4%が女性であり、52.2%が肥満、100%が高血圧、1.4%が心不全であった。無作為化前に中央値で5年間(IQR:3~8)、16.7%がACEI、83.3%がARBの投与を受けていた。β遮断薬は14.6%、利尿薬は31.3%、カルシウム拮抗薬は18.4%で投与されていた。 入院時に最も頻度が高かった症状は、咳、発熱、息切れであった。発症から入院までの期間中央値は6日(IQR:4~9)で、27.2%の患者が酸素飽和度(室内気)94%未満であった。入院時のCOVID-19の臨床的重症度は、57.1%が軽度、42.9%は中等度だった。 30日までの生存・退院日数の平均値は、中止群が21.9(SD 8)日、継続群は22.9(7.1)日であり、平均値の比は0.95(95%信頼区間[CI]:0.90~1.01)と、両群間に有意な差は認められなかった(p=0.09)。また、30日時の生存・退院の割合は、中止群91.9%、継続群94.8%であり、生存・退院日数が0日の割合は、それぞれ7.5%および4.6%だった。 全死亡(中止群2.7% vs.継続群2.8%、オッズ比[OR]:0.97、95%CI:0.38~2.52)、心血管死(0.6% vs.0.3%、1.95、0.19~42.12)、COVID-19の進行(38.3% vs.32.3%、1.30、0.95~1.80)についても、両群間に有意な差はみられなかった。 最も頻度が高い有害事象は、侵襲的人工呼吸器を要する呼吸不全(中止群9.6% vs.継続群7.7%)、昇圧薬を要するショック(8.4% vs.7.1%)、急性心筋梗塞(7.5% vs.4.6%)、心不全の新規発症または悪化(4.2% vs.4.9%)、血液透析を要する急性腎不全(3.3% vs.2.8%)であった。 著者は、「これらの知見は、軽度~中等度のCOVID-19入院患者では、ACEI/ARBの適応がある場合に、これらの薬剤をルーチンに中止するアプローチを支持しない」としている。

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1回接種のコロナワクチンの有効率66%/J&J

 米国ジョンソン・エンド・ジョンソンは、現地時間の1月29日に第III相ENSEMBLE臨床試験から得られたトップライン有効性・安全性データを発表し、同社の医薬部門であるヤンセンで開発中のCOVID-19単回投与ワクチン候補(以下「ワクチン候補」という)が、すべての主要評価項目および主な副次評価項目を満たしたと発表した。 第III相ENSEMBLE試験は、18歳以上の成人を対象に、1回接種ワクチンの安全性と有効性をプラセボと比較して評価するために設計された無作為化、二重盲検、プラセボ対照臨床試験。被験者の45%が女性、55%が男性であり、参加者の41%は、重症化するリスク増加に関連する併存疾患を有していた(肥満が28.5%、2型糖尿病が7.3%、高血圧が10.3%、HIVが2.8%)。 このトップラインにおける有効性および安全性のデータは、43,783例の被験者(468例のCOVID-19症候性症例を含む)で行われ、この試験では本ワクチン候補が中等症から重症のCOVID-19感染症を予防する有効性と安全性を評価するよう設計され、ワクチン1回接種後14日以降と28日以降の評価を2つの主要評価項目(コプライマリ・エンドポイント)として設定した。 新興ウイルス変異株への感染例を含むさまざまな地域の被験者で、本ワクチン候補による接種後28日以降の中等症から重症のCOVID-19感染症の予防効果は、全体で66%だった。また、その予防効果は、接種後14日という早い段階で確認された。中等症から重症のCOVID-19感染症の予防率は、ワクチン接種後28日以降では、米国で72%、ラテンアメリカで66%、南アフリカで57%だった。重症例を予防し、2~8℃で安定保存もできる このワクチン候補は、1回接種後28日以降の、全試験対象地域の全成人被験者(18歳以上)において、重症疾患への予防効果が85%だった。重症疾患に対する有効性は経時的に増加し、49日目以降は、ワクチン接種者において重症例は報告されなかったま。また、本ワクチン候補は、COVID-19感染症による入院および死亡に対して、ワクチン接種後28日以降に被験者の全員に予防効果を示した。医学的介入を要するCOVID-19の症例(入院、集中治療室(ICU)入室、人工呼吸器、体外式膜型人工肺(ECMO)使用)に対するワクチンの明らかな効果が認められ、1回接種後28日以降で、本ワクチン候補の接種を受けた被験者に、そのような症例は報告されなかった。 なお、本ワクチン候補は標準的なワクチン流通手段に対応し、承認された場合、ワクチン候補は-20℃で2年間安定保存可能と想定され、少なくとも3ヵ月間は2~8℃で安定保存することができる。 同社では「できる限り多くの人に簡便で効果的な解決策を生み出し、パンデミックの終息にむけて最大限に貢献したい」と目標を語っている。

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希少がんのオンライン・セカンドオピニオンを開設/国立がん研究センター

 新型コロナウイルス感染症流行に収束の目処が立たない中、患者の受診控えが続いている。国立がん研究センター中央病院は、オンラインでのセカンドオピニオン外来をスタートすることを発表した。2021年2月15日(月)13時より予約を開始する。 利用者としては、原則として、希少がんなど専門医が限られる種類のがん患者を想定し、細かく分類したうえでそれぞれの専門医が対応する。同院が民間会社と共同開発した検査画像の閲覧ができるオンライン診察システムサービスを用い、PC、スマホ、タブレット等を使って受診する。感染リスクを考えて受診を控えていた患者や、地方在住者に利用を促す。(オンライン・セカンドオピニオンの対象患者)【治療開始前】・診断が正しいかどうか不安な方・がん治療が妊娠や出産に与える影響や対応方法等について知りたい方・主治医からの治療方針を確認したい方・複数の選択肢があるために当院の見解を知りたい方・主治医から診断や治療方針の決定が難しいと言われた方【治療中】・研究的な治療の相談(ゲノム検査結果を踏まえた治療など) 従来の対面でのセカンドオピニオンも引き続き行っており、「主治医から提示された治療が希望に合わず、当院で他の治療法がないかを知りたい」「転院を相談したい」という場合は対面を利用するよう推奨している。 患者本人からの相談を原則とし、家族からの相談は本人の同意書が必要。国外在住者の受診は不可となっている。完全予約制で時間は60分以内、料金は自費診療となり49,940円(税込、病理診断実施の場合は55,440円)。がん診療を中心に、オンラインでのセカンドオピニオンの開設は広がっており、がん研有明病院や亀田総合病院でも既に導入されている。申し込み・詳細は下記よりオンライン・セカンドオピニオン/国立がん研究センター中央病院

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FDA、アテゾリズマブ+抗TIGIT抗体tiragolumabを高PD-L1非小細胞肺がんのブレークスルーセラピーに指定/ロシュ

 ロシュ社は、2021年1月5日、新しい抗TIGIT抗体tiragolumabがアテゾリズマブとの併用で、転移を有するPD-L1高発現の非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療として、米国食品医薬品局(FDA)からブレークスルーセラピー指定(BTD)を付与されたと発表。 今回の指定は第II相CITYSCAPE試験に基づくもの。CITYSCAPE試験の結果は、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)で発表され、追跡期間平均10.9ヵ月で、全奏効率(ORR)を改善(37%対21%)、アテゾリズマブ単独と比較して無増悪生存期間(PFS)を42%減少。PD-L1強陽性(TPS≧50%)を対象とした探索的分析では、アテゾリズマブ単独に対し、臨床的に意味のあるORRの改善(66%対24%)を示し、良好なPFS中央値を示した(未達対4.11ヵ月、HR:0.30、95%CI: 0.15~0.61)。また、tiragolumabとアテゾリズマブの併用は全体的に忍容性が高く、Grade3以上の有害事象の発生率はアテゾリズマブ単独と同程度であった(48%対44%)。

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統合失調症治療の有効性、安全性に対する抗精神病薬の用量依存作用

 統合失調症の薬理学的治療の中心は、抗精神病薬である。慶應義塾大学の吉田 和生氏らは、統合失調症の薬物療法を最適化するために、抗精神病薬の有効性、安全性、死亡率との関連を明らかにするため関連文献のレビューを行った。Behavioural Brain Research誌オンライン版2021年1月5日号の報告。 統合失調症患者における抗精神病薬の用量と有効性、有害事象、死亡率との関連を調査した文献をレビューした。 主な結果は以下のとおり。・急性期統合失調症患者に対する抗精神病薬の有効性は、用量依存性が高く、各抗精神病薬で、特定の用量反応曲線を有している。・用量依存性の有無とその程度は、副作用の種類によって異なる。・用量依存性の高い副作用は、パーキンソン症候群、高プロラクチン血症、体重増加、神経認知障害であると考えられる。・少なからず用量依存性との関連の可能性がある副作用は、アカシジア、遅発性ジスキネジア、骨粗鬆症、性機能障害、糖尿病、心筋梗塞、脳卒中、血栓塞栓症、QT延長、抗コリン性副作用、傾眠、肺炎、大腿骨近位部骨折、悪性症候群であった。・用量依存性との関連の可能性が低い副作用は、脂質異常症、発作、唾液分泌過多症、好中球減少症、無顆粒球症であった。・抗精神病薬の用量と低血圧リスクとの関連は、データが不足しており、不明であった。・抗精神病薬の生涯累積用量が高いと、死亡率に影響を及ぼす可能性が考えられるが、用量依存関係を結論付けることは困難であった。 著者らは「本知見は、統合失調症患者に対する抗精神病薬治療を最適化するために、臨床医が診療におけるリスクとベネフィットのバランスを取るうえで、役立つであろう。今後は、各抗精神病薬に焦点を当てた大規模かつ頑健にデザインされた研究が求められる」としている。

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国内初の1日2回投与型トラマドール製剤「ツートラム錠50mg/100mg/150mg」【下平博士のDIノート】第67回

国内初の1日2回投与型トラマドール製剤「ツートラム錠50mg/100mg/150mg」今回は、慢性疼痛治療薬「トラマドール塩酸塩徐放錠(商品名:ツートラム錠50mg/100mg/150mg、製造販売元:日本臓器製薬)」を紹介します。本剤は、1日2回(12時間間隔)の投与に最適化された徐放性製剤であり、非オピオイド鎮痛薬で十分な効果が得られない患者の疼痛緩和やアドヒアランス向上が期待されています。<効能・効果>本剤は、非オピオイド鎮痛薬で治療困難な慢性疼痛における鎮痛の適応で、2020年9月25日に承認され、2021年1月8日より発売されています。なお、2022年5月に「疼痛を伴う各種がん」の効能・効果が追加されました。<用法・用量>通常、成人にはトラマドール塩酸塩として1日100~300mgを2回(朝、夕が望ましい)に分けて経口投与します。症状に応じて1回200mg、1日400mgを超えない範囲で適宜増減できますが、1回50mg、1日100mgずつ行うことが推奨されています。なお、初回投与は1回50mgから開始することが望ましく、ほかのトラマドール塩酸塩経口薬から切り替える場合は、切り替え前の薬剤の1日投与量、鎮痛効果および副作用を考慮して本剤の初回投与量を設定します。<安全性>国内で日本人を対象に実施された第II、III相試験(慢性疼痛6試験併合)において、本剤との因果関係を否定できない有害事象は749例中597例(79.7%)で報告されています。主なものは、悪心329例(43.9%)、便秘308例(41.1%)、傾眠160例(21.4%)、嘔吐113例(15.1%)、浮動性めまい81例(10.8%)、口渇58例(7.7%)、食欲減退43例(5.7%)でした。なお、重大な副作用として、ショック、アナフィラキシー、呼吸抑制、痙攣、依存性、意識消失(いずれも頻度不明)が注意喚起されています。<患者さんへの指導例>1.この薬は、脳内への痛みの伝達を抑え、一般的な鎮痛薬では治療困難な痛みを和らげます。2.眠気、めまい、意識消失が起こることがあるので、本剤を服用中は自動車の運転など危険を伴う機械の操作をしないでください。3.この薬はゆっくり効く部分を持っていますので、割ったり、粉砕したり、かみ砕いたりせずに、そのまま服用してください。4.悪心・嘔吐、便秘、めまい、口が乾く、食欲が低下するなどの症状が現れることがあります。症状が重く、持続する場合はすぐに受診してください。5.有効成分が出た後の錠剤が糞便中に排泄されることがありますが心配ありません。6.飲酒により薬の作用が強くなり、呼吸抑制が起こることがあります。服用中の飲酒は避けてください。<Shimo's eyes>本剤は、速やかに有効成分が放出される速放部と、徐々に有効成分が放出される徐放部の2層錠にすることで、安定した血中濃度推移が得られるように設計された国内初の1日2回投与のトラマドール製剤です。厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で検討され、製造販売会社に開発が要請されました。トラマドールを含有する既存の経口薬としては、1日4回服用の速放性製剤(商品名:トラマール)、1日1回服用の徐放性製剤(同:ワントラム)、アセトアミノフェン配合製剤(同:トラムセットなど)が販売されていています。なお、トラマドールはWHO三段階除痛ラダーで「ステップ2」に位置付けられる弱オピオイド鎮痛薬ですが、わが国では麻薬の指定は受けていません。適応症である「慢性疼痛」は、腰痛症、変形性膝関節症、関節リウマチ、脊柱管狭窄症、帯状疱疹後神経痛、有痛性糖尿病性神経障害、線維筋痛症、複合性局所疼痛症候群など幅広い原因によって引き起こされます。本剤は、慢性疼痛治療で汎用されているプレガバリンやセレコキシブなどと同じ1日2回投与ですので、併用薬や生活様式に合わせた薬剤を選択することでアドヒアランスが維持・向上できると期待されます。22年5月の改訂で、がん患者の疼痛管理にも本剤が使えるようになりました。本剤を定時服用していても疼痛が増強した場合や突出痛が発現した場合は、即放性のトラマドール製剤(商品名:トラマール錠など)をレスキュー薬として使用します。なお、レスキュー投与の1回投与量は、定時投与に用いている1日量の8~4分の1とし、総投与量は1日400mgを超えない範囲で調節します。鎮痛効果が不十分などを理由に本剤から強オピオイドへの変更を考慮する場合、オピオイドスイッチの換算比として本剤の5分の1量の経口モルヒネを初回投与量の目安として、投与量を計算することが望ましいとされています。禁忌となるのは、ほかのトラマドール製剤と同様に、12歳未満の小児、本剤に対する過敏症、アルコールや睡眠薬、鎮痛薬、オピオイド鎮痛薬または向精神薬による急性中毒、モノアミン酸化酵素(MAO)阻害薬を投与中または投与中止後14日以内、ナルメフェン塩酸塩水和物を投与中または投与中止後1週間以内、てんかん患者などです。副作用としては、高頻度で悪心・嘔吐、便秘が報告されています。必要に応じて制吐薬や下剤の併用を提案するようにしましょう。※2022年6月、添付文書改訂の内容を基に、一部内容の修正を行いました。参考1)PMDA 添付文書 ツートラム錠50mg/ツートラム錠100mg/ツートラム錠150mg

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第45回 南ア株にワクチンは確かに効き難く、先立つ感染も通用しなさそう/エボラ潜伏の恐れ

南アフリカ変異株にワクチンは確かに効き難く、先立つ感染も通用しなさそう世界屈指の製薬会社Johnson & Johnson(J&J)と米国メリーランド州のバイオテクノロジー企業Novavax(ノババックス)社の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症(COVID-19)予防ワクチンそれぞれの試験結果が先週末に相次いで発表され、南アフリカで最初に見つかってとりわけ心配されている変異株B.1.351への効果はどちらのワクチンもだいぶ低めでした1)。J&JのワクチンJNJ-78436735(Ad26COVS1)の第III相試験における米国での予防効果は72%、南アフリカでは57%であり、南アフリカでの感染のほぼすべて(95%)は変異株B.1.351によるものでした2)。NovavaxのワクチンNVX-CoV2373は英国での第III相試験結果と南アフリカでの後期第II相試験結果が報告され、英国試験での効果は大変有望な89%でした。しかし南アフリカ試験での効果はJ&Jのワクチンと同様に低く49%(HIV陰性被験者では60%)であり、ウイルス配列が調べられた感染のほぼすべて(93%)はJ&Jワクチンの試験と同様に変異株B.1.351によるものでした3)。Novavaxワクチンの南アフリカでの試験に組み入れられた被験者のおよそ3分の1は先立つ感染経験があることを裏付ける抗体保有者(seropositive)でした。上述の解析ではそれら3分の1の被験者は除外されていますが、それら被験者を含めたプラセボ群のCOVID-19発現率は抗SARS-CoV-2抗体を有していようといまいと変わらず、変異前のウイルスに感染したところで変異株B.1.351の感染は防げないようです4)。効果は低めとはいえワクチンがB.1.351に有効なことは朗報ですが、先立つ感染がどうやら通用しないというのは心配です。米国の有力なアナリスト会社Leerinkの見通しは不吉で、B.1.351のような厄介な変異株はこれから世界に広がり、先立つ感染やワクチンの普及は新たな変異株の出現をひたすら後押しするだろうと予想しています1)。Novavaxのワクチンは先月中頃に英国での承認申請がすでに始まっており、J&Jのワクチンは今月中に米国に認可申請されます。どちらも世に出ることになるでしょうが、変異株への対応などに追われ、ワクチン開発の一段落まではまだまだ長い時間がかかりそうです。Moderna社がB.1.351に対するワクチンの開発に着手したのと同様にNovavaxも変異株を標的とする新たなワクチンの開発を先月の早くから開始しています3)。その臨床試験がまもなく今春(第2四半期)に始まる予定です。Pfizerも同様です。新たに出回る変異株が見つかったらワクチンの効果をその都度検証し、必要とあらば変異株に対応できるようにワクチンに手を加えていくと同社CEO・Albert BourlaはBloombergニュースに話しています5)。エボラ感染後の抗体が周期的に増減~潜伏ウイルスの仕業?エボラウイルス(EBOV)感染を切り抜けてもはや健康な115人の感染後30~500日の血液中の抗EBOV抗体を調べたところその量がどうやら周期的に増減を繰り返しうると示唆されました6,7)。その理由はこれから調べる必要がありますが、一つの可能性として眼・中枢神経系・精巣などの免疫が手加減(immunologically privileged)する組織で細々と増える潜伏EBOVが抗体減少につけ込んでその都度引き起こす小ぶりな感染が周期的な抗体反応をもたらすことによるのかもしれません7)。COVID-19を経た人がそうであるようにEBOV感染を経た人の多くも頭痛、疲労、視覚障害、筋肉痛などを特徴とする長患い・エボラ後症候群(post-Ebola syndrome)に陥ります。アフリカのリベリアでの試験(PREVAIL)によるとEBOVのRNAはおよそ3人に1人の精液から検出され、その検出は最長で発症から40ヵ月後にも認められました8)。免疫が手加減する組織・精巣は感染を繰り返し引き起こして抗体生成を突発させるEBOVの潜伏先かもしれません7)。PREVAIL試験の結果はEBOVの細々とした複製が抗体の時おりの急増を招くという考えを支持しています。しかしPREVAIL試験では抗体量とエボラ後症候群の症状の関連は認められておらず、抗体分泌細胞(プラズマ細胞)や抗体量の維持に寄与するまだよく分かっていない仕組みが存在しているようです。今回の研究を実施した英国リバプール大学のチームはCOVID-19を経た人の抗体の推移も調べ始めています9)。参考1)Novavax and J&J join the Covid-19 vaccine push / Evaluate2)Johnson & Johnson Announces Single-Shot Janssen COVID-19 Vaccine Candidate Met Primary Endpoints in Interim Analysis of its Phase 3 ENSEMBLE Trial / PRNewswire3)Novavax COVID-19 Vaccine Demonstrates 89.3% Efficacy in UK Phase 3 Trial / GlobeNewswire4)Announcement of UK and South Africa Trial Results / Novavax5)Pfizer to Deliver U.S. Vaccine Doses Faster Than Expected / Bloomberg6)Adaken C, et al.Nature. 2021 Jan 27:1-5.7)Antibodies periodically wax and wane in survivors of Ebola / Nature8)PREVAIL III Study Group, N Engl J Med. 2019 Mar 7;380:924-934.9)Antibody highs and lows in survivors of Ebola / Eurekalert

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バーチャル開催のJSMO2021、注目演題を発表/日本臨床腫瘍学会

 2021年2月18日(木)~21日(日)、第18回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2021)が完全バーチャル形式で開催される。これに先立ち、プレスセミナーが開催され、今回のJSMO2021の取り組みや注目演題等が発表された。JSMO2021のテーマは「Evolving Treatment Paradigms for Precision Oncology」 この中で、会長を務める西尾 和人氏(近畿大学医学部ゲノム生物学教室 教授)が学会の概要を説明。昨年夏にいち早く完全バーチャル形式での開催を決めたJSMO2021は、例年より長めの日程となり、海外演者も数多く登壇予定だ。「朝は7時から夜は23時まで多くの演題を用意し、勤務のある方でも参加しやすくした」(西尾氏)。 JSMO2021のテーマは「Evolving Treatment Paradigms for Precision Oncology」で、2019年にがん遺伝子パネル検査が保険収載となってから1年半あまりで、がんの臨床現場を大きく変えたゲノム医療についてリアルワールドデータやアジア各国のとの協働研究の結果が報告される。また、15の学術部会による教育シンポジウムや患者支援企画、国際学会としてASCO(米国腫瘍学会)やESMO(欧州腫瘍学会)とのジョイントセミナーや少人数で各国の腫瘍内科医とディスカッションする「Meet the Experts」も多数設けられた。その他の注力テーマとしては「COVID-19流行下におけるがん診療」と、リキッドバイオプシーや人工知能(AI)の臨床応用といった「新しいテクノロジーにおけるがん医療の変革」が設定され、いずれも複数のセッションが予定されている。 続けて、中川 和彦氏(近畿大学医学部内科学教室 教授)が、JSMO2021における900題にのぼる一般演題の中で、とくに注目される3つのPresidential Sessionについて、詳細を解説した。Presidential Session 12月19日(金) 14:00~15:55 「免疫チェックポイント阻害剤の治療開発」1)進行食道がんに対するペムブロリズマブ+化学療法 KEYNOTE-590:原 浩樹氏(埼玉県立がんセンター)2)MSI-high/dMMR の転移のある大腸がんに対するペムブロリズマブvs.化学療法KEYNOTE-177:吉野 孝之氏(国立がん研究センター東病院)3)進行非扁平上皮非小細胞肺がんに対するニボルマブ+プラチナ化学療法+ベバシズマブ 日本人サブ解析:樋田 豊明氏(愛知県がんセンター)4)肺肉腫に対する2つの抗PD-1抗体(ニボルマブとペムブロリズマブ):板橋 耕太氏(国立がん研究センター中央病院)5)R/R AML患者におけるAMG330:Farhad Ravandi氏(米MDアンダーソンがんセンター)Presidential Session 22月20日(土) 15:30~15:35 「分子標的治療と殺細胞性抗がん剤治療」1)術後ハイリスク頭頸部がんに対する化学療法 :田原 信氏(国立がん研究センター東病院)2)EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんに対するベバシズマブ+エルロチニブ OSとctDNA解析:福原 達朗氏(宮城県立がんセンター)3)HER2陽性進行乳がんへのペルツズマブ再投与:遠山 竜也氏(名古屋市立大学)4)再発または転移のある子宮頸がんに対するtisotumab:Robert L. Coleman氏(米国立がん研究所)5)進行大腸がんにおけるAMG510:久保木 恭利氏(国立がん研究センター東病院)Presidential Session 32月21日(日) 14:50~16:50 「ゲノム医療と希少がん」1)進行胃がんにおけるctDNAによる遺伝子異常 SCRUM-Japan MONSTAR SCREEN:舛石 俊樹氏(愛知県がんセンター)2)泌尿生殖器がんにおけるctDNAによるゲノム解析:野々村 祝夫氏(大阪大学)3)日本におけるがんゲノム医療における初期エキスパートパネルのパフォーマンス:角南 久仁子氏(国立がん研究センター中央病院)4)原発不明がんに対するNGSを用いた遺伝子発現解析と遺伝子変異による原発巣推定に基づくSite-Specific Treatment:新井 誠人氏(千葉大学)5)小児がん患者における抗悪性腫瘍剤投与に伴う悪心・嘔吐予防としてのパロノセトロン:古賀 友紀氏(九州大学) 19~21日には、その日に発表された演題の中から、とくに注目すべきものを識者が解説する「Highlight of the Day」(1時間)も予定されている。◆第18回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2021)ライブ配信:2021年2月18日(木)~21日(日)オンデマンド配信:2021年3月1日(月)~31日(水)

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日本人高齢者の趣味の種類や数と認知症リスクとの関係

 認知症予防は、超高齢化社会を迎える現代社会において重要な問題である。これまでの研究では、趣味(とくにガーデニング、旅行、スポーツ)を有する高齢者では、認知症リスクが低いことが示唆されている。しかし、趣味の種類や数の違いが認知症予防に影響を及ぼすかは、よくわかっていない。千葉大学のLing Ling氏らは、趣味の種類および数と認知症発症との関連を調査した。日本公衆衛生雑誌2020年号の報告。 2010~16年に日本老年学的評価研究(JAGES)が実施したプロスペクティブコホート研究より、年齢、性別が明らかな65歳以上の要介護認定を受けていない高齢者5万6,624人を調査した。趣味に関連する質問に回答した患者のうち、365日以上フォローアップできた4万9,705人について分析を行った。主要アウトカムは、認知症の発症とした。認知症の発症は、厚生労働省の推奨する全国的に標準化された認知症スケールにより評価した。説明変数は、実践者の割合が5%以上の趣味の種類(男性:14種類、女性:11種類)およびその数(0~5種類以上)とした。共変量は、基本属性、疾患、健康行動、社会的サポート、心理・認知機能、日常生活動作とした。合計22の変数を調整したCox比例ハザードモデルを用いて、ハザード比(HR)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・フォローアップ期間中に認知症を発症した高齢者は、4,758人(9.6%)であった。・認知症発症リスクの低下と関連していた趣味は以下のとおりであった。【男女とも】●グラウンドゴルフ(HR:0.80[男性]、HR:0.80[女性])●旅行(HR:0.80[男性]、HR:0.76[女性])【男性のみ】●ゴルフ(HR:0.61)●パソコン(HR:0.65)●釣り(HR:0.81)●写真(HR:0.83)【女性のみ】●手工芸(HR:0.73)●ガーデニング(HR:0.85)・男女ともに、趣味の数が増加するほど認知症リスクが低下する有意な傾向が認められた(HR:0.84[男性]、HR:0.78[女性])。 著者らは「グラウンドゴルフや旅行を趣味とする高齢者は、男女ともに認知症リスクが低く、また趣味の数が増加するほどリスクが低下することが示唆された。高齢者がさまざまな趣味を実践できる環境づくりを行うことは、認知症予防を効果的に進めるうえで重要である」としている。

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COVID-19、陽性者の3分の1以上が無症状

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)において、無症状の感染者が一定数いることは知られているが、実際にその割合はどのくらいなのか。米国Scripps ResearchのDaniel P. Oran氏らがこれまでに発表されたCOVID-19関連論文のシステマティックレビューを行った結果、少なくとも3分の1が無症状であることがわかったという。Annals of Internal Medicine誌2021年1月22日オンライン版の報告。COVID-19論文を検索し無症状者数などを記録 著者らは、2020年11月17日までに発表されたCOVID-19に関する論文を検索し、1万人以上の被験者、被験者のランダムな選択等の条件から適格な論文を選択したうえで、検査を受けた人数、陽性者数、有症状者・無症状者数を記録。検査方法はPCR検査または抗体検査とした。PCR検査を用いた横断研究の場合、診断は一度しか行われず、症状がなかったとしても、それが発症前なのか無症状感染なのかを区別することができない。一方、過去の感染を判定する抗体検査、PCR検査でも複数回の診断を行う縦断研究では、発症前と無症状感染を区別することができる。このため、3つの手法を分類したうえでの解析も行われた。 新型コロナウイルス感染症において無症状の感染者の割合を調査した主な結果は以下のとおり。・基準を満たす論文または調査は61で、PCR検査を使ったものが43、抗体検査を使ったものが18だった。最大のデータは英国の93万2,072例の調査だった。・PCR検査を使用した調査では、陽性判定者のうち無症状だった例(無症状感染者)の割合中央値は65.9%(IQR:42.8~87.0)だった。・PCR検査を使用した縦断研究は19あり、追跡期間中央値は14日(IQR:14.0~15.8)、無症状感染者の割合中央値は42.5%(IQR:29.6~77.8)、追跡期間中に無症状のままだった割合中央値は72.3%(IQR:56.7~89.7)だった。・抗体検査を使用した調査では、無症状感染者の割合中央値は41.2%(IQR:32.6~48.1)だった。・統合されたデータから、陽性者の少なくとも3分の1が無症状感染者である可能性が高いことがわかった。

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変形性関節症の痛みに、SNRIが有効な可能性/BMJ

 セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)の疼痛や能力障害(disability)に対する効果は小さく、背部痛への臨床的な意義はないものの、変形性関節症への臨床的に意義のある効果は排除できず、ある程度有効な可能性があることが、オーストラリア・シドニー大学のGiovanni E. Ferreira氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2021年1月20日号で報告された。抗うつ薬は、背部痛(神経根症状の有無を問わず)や股関節・膝の変形性関節症の治療に広く用いられており、多くの診療ガイドラインがこれを推奨している。一方、背部痛や股関節・膝の変形性関節症への抗うつ薬の使用を支持するエビデンスは十分でないという。疼痛への抗うつ薬の有用性をメタ解析で評価 研究グループは、背部および変形性関節症の疼痛に対する抗うつ薬の安全性と有効性を、プラセボとの比較で評価する目的で、系統的レビューとメタ解析を行った(特定の研究助成は受けていない)。 医学データベースを検索して、腰痛や頸部痛、坐骨神経痛、股関節または膝の変形性関節症を有する患者を対象に、抗うつ薬とプラセボ(活性または不活性)の有効性と安全性を比較した無作為化対照比較試験を選出した。2人の研究者が別個に、データの抽出を行った。 疼痛と能力障害を主要アウトカムとし、疼痛・能力障害スコアを0(疼痛または能力障害がない)~100(疼痛または能力障害が最も高度)点の尺度に変換した。副次アウトカムは、安全性(各試験の定義によるすべての有害事象、重篤な有害事象、有害事象による投与中止)であった。TCAとSNRIは、坐骨神経痛にも有効な可能性 日本の研究を含む33件の試験(5,318例)が解析の対象となった。 SNRIは、3~13週時の背部痛(平均差:-5.30、95%信頼区間[CI]:-7.31~-3.30)を軽減し(エビデンスの確実性:中)、3~13週時の変形性関節症による疼痛(-9.72、-12.75~-6.69)を軽減した(エビデンスの確実性:低)。また、SNRIは、2週までに坐骨神経痛(-18.60、-31.87~-5.33)を軽減したが、3~13週時(-17.50、-42.90~7.89)では軽減効果は認められなかった(いずれも、エビデンスの確実性:きわめて低)。 背部痛については、セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、三環系抗うつ薬(TCA)、ノルアドレナリン・ドパミン再取り込み阻害薬(NDRI)、セロトニン遮断再取り込み阻害薬(SARI)、四環系抗うつ薬には、軽減効果は認められなかった(エビデンスの確実性:きわめて低~低)。 TCAは、2週までに坐骨神経痛(平均差:-7.55、95%CI:-18.25~3.15、エビデンスの確実性:きわめて低)を軽減しなかったが、3~13週(-15.95、-31.52~-0.39、エビデンスの確実性:きわめて低)および3~12ヵ月(-27.0、-36.11~-17.89、エビデンスの確実性:低)では軽減効果がみられた。 また、SNRIは、3~13週時の背部痛による能力障害をa改善し(平均差:-3.55、95%CI:-5.22~-1.88、エビデンスの確実性:中)、2週まで(-5.10、-7.31~-2.89、エビデンスの確実性:中)および3~13週時(-6.07、-8.13~-4.02、エビデンスの確実性:低)の変形性関節症による能力障害を改善した。 著者は、「TCAとSNRIは、坐骨神経痛にも有効な可能性はあるが、エビデンスの確実性はきわめて低~低であった」としている。

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第40回 日本医師会が示す緊急事態宣言の解除条件

<先週の動き>1.日本医師会が示す緊急事態宣言の解除条件2.ワクチン接種体制の確立に追われる医療機関と地方自治体3.第3次補正予算、病床確保などで医療機関を支援4.地域医療構想、重点支援区域に山形県・置賜と岐阜県・東濃を追加5.積極的なコロナ患者受け入れで黒字化に成功した徳洲会病院G1.日本医師会が示す緊急事態宣言の解除条件日医・中川 俊男会長は、2月7日に予定されている緊急事態宣言の解除について、現状では厳しいとの見方を定例記者会見で述べた。今回の措置によって、一定の感染拡大防止効果が表れているようにもみえるが、「決して気を抜ける状況ではない」という。中川会長は、緊急事態宣言の解除について、都道府県の医療提供体制などの状況の判断に用いる6つの指標を示した。1)病床のひっ迫具合2)療養者数3)PCR検査陽性率4)感染者の新規報告数5)直近1週間と前の週の感染者数の比較6)感染経路不明割合上記のすべてがステージ2相当となるか、ステージ3ではあるものの、この状況が続けばステージ2になるのが確実となった時点で検討を開始すべきであると主張した。(参考)新型コロナウイルス感染症に関する最近の動向について(日本医師会)2.ワクチン接種体制の確立に追われる医療機関と地方自治体各都道府県の医療機関と地方自治体は、この2月から開始される新型コロナワクチン接種開始に向けて体制作りに動いているが、情報不足と医師不足に直面している。厚労省はワクチンについての情報ページに資料を掲載するなど、情報提供を行っているが、集団接種の会場手配や医師・看護師など人手のほか、ワクチンの供給についてさまざまな問題がある。地域の医師会や看護協会と連携しながら、対応が急がれる。(参考)新型コロナワクチンについて(厚労省)自治体9割、医師確保できず 7割が情報提供不十分 新型コロナワクチン、全国調査(毎日新聞)3.第3次補正予算、病床確保などで医療機関を支援1月28日の参議院本会議にて、コロナなど追加対策19兆円を含む、20年度3次補正予算が成立した。厚労省の予算は、新型コロナウイルス感染の拡大防止策を含む、追加額4兆7,330億円。さらなる感染拡大防止対策の支援、検査体制の充実、ワクチン接種体制や情報収集・分析体制の整備などが含まれた。ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現のためには、雇用就業機会の確保や、子供を産み育てやすい環境作りのほか、介護・福祉分野におけるデジタル化の推進など、デジタル改革の実現を狙う内容となっている。(参考)令和2年度厚生労働省第三次補正予算案の概要(厚労省)医療機関への支援などで1兆6千億円余り増額 20年度第3次補正予算(CBnewsマネジメント)4.地域医療構想、重点支援区域に山形県・置賜と岐阜県・東濃を追加厚労省も2025年までの地域医療構想の実現に向けて、国が集中的な支援を行う重点支援区域として、昨年1月から重点支援区域を2回に分けて指定していた。今年に入ってさらに山形県・置賜と岐阜県・東濃の2区域を追加した。各都道府県は、域医療構想調整会議において、重点支援区域申請を行う旨合意を得た上で、「重点支援区域」に申請することになっており、地域医療介護総合確保基金の優先配分や新たな病床ダウンサイジング支援を一層手厚く実施することとなっている。今後も重点支援区域申請は随時募集されることで、地域医療構想の実現に向け、促進されることになる。(参考)公立と民間の3病院を再編、国の支援対象に 山形・米沢(日経新聞)重点支援、山形県・置賜と岐阜県・東濃の2区域追加 地域医療構想の実現へ、厚労省(CBnewsマネジメント)当面の地域医療構想の推進に向けた取組について(厚労省)重点支援区域の状況について(第25回 地域医療構想に関するWG)5.積極的なコロナ患者受け入れで黒字化に成功した徳洲会病院G2020年度の病院業界は、コロナウイルス感染拡大により、多くの医療機関が経営悪化に陥った。一方、大手民間病院グループである徳洲会病院グループでは、当初は受診抑制や救急車の搬送件数減少に見舞われたものの、その後、湘南鎌倉病院や千葉西総合病院、羽生総合病院などにコロナ専門病棟を開設することで、重症患者と棲み分けしつつ、急性期医療を継続することで、黒字経営を維持している。感染拡大により、国は「5疾病・5事業および在宅医療」に2024年度からの第8次医療計画には新たに「感染症」を加えることとしており、地域医療構想の実現には感染症対策は重要課題となると考えられる。(参考)鎌倉の臨時医療施設、最後の1棟患者受け入れ開始 県(神奈川新聞)大手の民間病院がコロナ患者を積極的に受け入れる理由(東洋経済オンライン)

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神経線維腫症1型〔NF1:Neurofibromatosis1〕

1 疾患概要■ 概念・定義神経線維腫1型(NF1)は、1882年にレックリングハウゼン氏により初めて報告されたため、「レックリングハウゼン病」とも呼ばれる。カフェ・オ・レ斑、神経線維腫という特徴的な皮膚病変を生じ、そのほか中枢神経系、骨などさまざまな臓器に多彩な病変を合併する母斑症である。■ 疫学人種に関係なく出生約3,000人に1人の割合で発症する。浸透率は100%で、わが国の患者数は約40,000人と推定されている。常染色体優性の遺伝性疾患であるが、半数以上は家族歴のない孤発例である。出現する症状は時期により異なる。■ 病因原因遺伝子は17番染色体上に位置し(NF1遺伝子)、その蛋白産物はニューロフィブロミンと呼ばれる。ニューロフィブロミンはRAS蛋白の機能を負に制御しており、細胞増殖を抑制する作用を持つ(がん抑制遺伝子)。そのため本遺伝子に異常を来すとRAS/MAPK経路やPI3K/AKT経路の活性化が生じ、病変を生じると推測されている。NF1ではもともと一方のallele(アレル)に変異があるが、さまざまな病変部でもう片方にも異常を来していることが確認されている。■ 症状症状は多彩であり、同一家系内においても合併する症状は異なる。以下に代表的な症状を列挙する。1)カフェ・オ・レ斑出生時からみられるミルクコーヒー色の長円形色素斑で(図1)、6個以上あれば最終的にほとんどの例でNF1と診断される。2)神経線維腫皮膚の神経線維腫は淡紅色の柔らかい腫瘍で(図2)思春期頃から生じ、年齢とともに増加する。時に数百から数千に及ぶことがある。一方、びまん性(蔓状)神経線維腫は生下時から存在する腫瘍で、小児期から急速に増大し、日常生活に支障を与える場合が多い。痛みを生じたり、悪性化(悪性末梢神経鞘腫瘍)する可能性がある。3)雀卵斑様色素斑主に腋窩や鼠径に多発するそばかす様の小褐色斑である。4)中枢神経系の病変視神経膠腫(7%)や脳腫瘍を生じることがある。また、小児では知的障害、限局性学習症、注意欠如多動症、自閉スペクトラム症を合併する頻度が健常人と比較して高い。5)骨病変出生時から頭蓋骨の部分欠損(5%)や四肢骨の変形(3%)がみられる場合がある。また、10歳頃から脊椎の変形を来すことがある(10%程度)。6)NF1モザイク(部分的なNF1)上記の症状が体表の一部に限局してみられる例があり、モザイクと呼ばれる(頻度は全体の10%程度)。体細胞突然変異によるものと考えられている。図1 カフェ・オ・レ斑の皮膚所見画像を拡大する図2 神経線維腫の皮膚所見画像を拡大する■ 分類わが国では皮膚病変(D)、神経症状(N)、骨病変(B)の程度に応じて、重症度が5段階に分類されており、重症度が3以上であれば公的補助の対象となる。海外ではRiccardiによる重症度分類(4段階)が用いられている。■ 予後NF1では悪性腫瘍を合併する割合が健常人と比較して約3倍高く、平均寿命は10~15年短いとの報告がある。特に合併頻度の高い腫瘍は悪性末梢神経鞘腫瘍(100倍以上)であるが、女性では乳がんのリスクも4~5倍高くなると報告されており、注意が必要である。2 診断 (検査・鑑別診断を含む)次世代シーケンサーを用いた変異の検出率は90%以上である。しかしながら、わが国では遺伝子診断は保険適用外であり、検査が可能な施設もほとんどない(2020年11月から外注検査が可能になったが、各施設の専門医による遺伝カウンセリングを受けたのちに必要に応じて遺伝学的検査を行うことが望ましい)。そのため、通常は臨床的診断基準(表1)を用いて診断を行う。7項目中2項目以上当てはまれば、NF1と診断される。しかしながら、NF1の診断基準を満たした患者の1~2%程度はレジウス症候群の可能性がある。レジウス症候群では色素斑の合併はみられるが、腫瘍性病変を生じることはない。皮膚の神経線維腫は、多くの場合、思春期頃から出現するため、家族歴がなければ臨床症状のみで小児期に診断するのは難しい。その他、RAS/MAPK経路に関わる遺伝子の変異により発症するRasopathyと呼ばれる疾患群では、カフェ・オ・レ斑を合併する場合があり、時に鑑別を要する。小児では脳のMRI検査で70%近くにT2強調画像で高信号を呈するunidentified bright objectが認められるが、自然消退するため、治療の必要はない。まれに脳腫瘍の合併がみられるが、スクリーニングのためだけに闇雲に画像検査を繰り返すべきではない。小児では検査に鎮静(全身麻酔)が必要であるため、身体所見で何らかの異常が疑われる場合に検査を行う。3歳頃から眼科的検査で80%以上の例で虹彩小結節がみられるようになるため、診断の一助となる。各々の検査で異常がみられれば各領域の専門医と相談し、治療方針を決定する。表1 神経線維腫症1型の臨床的診断基準(日本皮膚科学会)1)6個以上のカフェ・オ・レ斑2)2個以上の神経線維腫(皮膚の神経線維腫や神経の神経線維腫など)またはびまん性神経線維腫3)腋窩あるいは鼠径部の雀卵斑様色素斑(freckling)4)視神経膠腫(optic glioma)5)2個以上の虹彩小結節(Lisch nodule)6)特徴的な骨病変の存在(脊柱・胸郭の変形, 四肢骨の変形, 頭蓋骨・顔面骨の骨欠損)7)家系内(第1度近親者)に同症上記の7項目中2項目以上で神経線維腫症1型と診断する。(吉田雄一、ほか. 日皮会誌. 2018;128:17-34.より引用・改変)3 治療現時点ではわが国において発症を予防する根治的な治療薬はないため、対症療法が行われている(表2に治療の概略を示す)。カフェ・オ・レ斑や雀卵斑様色素斑は整容的な面で問題となるが、レーザー治療の有用性は明らかではない。皮膚の神経線維腫は数が増えると整容的あるいは社会生活を行う上で支障となるため、希望に応じて外科的切除が行われる。しかしながら、びまん性(蔓状)神経線維腫は根治的な切除が難しい場合が多い。骨病変(骨欠損・骨変形)は必要に応じて外科的治療が行われる。その他、脳腫瘍、小児期の限局性学習症、注意欠如多動症などNF1に合併するさまざまな症状に対して、各領域の専門医により必要に応じて対症療法が行われる。表2 神経線維腫症1型の治療の概略1)皮膚病変色素斑(カフェ・オ・レ斑、雀卵斑様色素斑:希望に応じてレーザー治療、カバーファンデーションの使用など)神経線維腫(1)皮膚の神経線維腫:希望に応じて外科的切除(2)神経の神経線維腫:必要に応じて外科的切除(3)びまん性神経線維腫:可能であれば、増大する前に外科的切除(4)悪性末梢神経鞘腫瘍:広範囲外科的切除、放射線療法、化学療法2)中枢神経系の病変脳腫瘍:脳神経外科専門医へ紹介し、必要に応じて治療を考慮Unidentified bright object(UBO):通常治療は必要としない3)骨病変脊椎変形:変形が著しくなる前に整形外科専門医へ紹介し、必要に応じて治療を考慮四肢骨変形(先天性脛骨偽関節症):整形外科専門医へ紹介し、外科的治療頭蓋骨・顔面骨の骨欠損:脳神経外科専門医へ紹介し、外科的治療を考慮4)眼病変虹彩小結節:通常治療は必要としない視神経膠腫:小児科、眼科、脳神経外科専門医へ紹介し、必要に応じて治療を考慮(吉田雄一、ほか. 日皮会誌. 2018;128:17-34.より引用・改変)4 今後の展望2020年4月に米国で小児のびまん性(蔓状)神経線維腫に対してMEK阻害薬(セルメチニブ)が認可され、現在わが国においても臨床試験が行われている。また、皮膚の神経線維腫に対してAMED(国立研究開発法人 日本医療研究開発機構)の支援を受け、シロリムスゲル(外用薬)による医師主導治験が進行中である。これらの薬剤の安全性および有効性が確認されれば、将来的にわが国で使用される可能性がある。5 主たる診療科皮膚科、小児科、形成外科、整形外科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報日本レックリングハウゼン病学会(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)難病情報センター 神経線維腫症I型(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)小児慢性特定疾病情報センター レックリングハウゼン病(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)患者会情報社会福祉法人復生あせび会(患者とその家族および支援者の会)1)吉田雄一、ほか. 日皮会誌. 2018;128:17-34.公開履歴初回2021年2月1日

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ヒトラーの別荘【空手家心臓外科医、ドイツ武者修行の旅】第26回

先日ニュースで知ったのですが、1月30日(1933年)はアドルフ・ヒトラーが初めて首相に任命された日だそうです。ご存知の通り、現在のドイツの首相はアンゲラ・メルケル女史です。実はあまり目立たないのですが、ドイツには大統領もおります。さて、ヒトラーは首相になった翌年に大統領も兼任することになります。首相と大統領を合わせて、「総統」という役職を名乗ることになります(多分、大統領と総理大臣を合わせて「総統」って訳したんだと思います。実際にドイツでは“Fuerer”「指導者」と呼ばれていました)。今でもドイツの高齢者達は、「ナチス」や「ヒトラー」といった単語をタブーとして扱っていて、話題がこの辺りに及ぶと突然ヒソヒソ声になります。とは言っても、若い世代はそこまで気にしていません。「レストランで店員を呼ぶときは右手を挙げて呼んじゃダメ。ナチスのあのポーズを連想させるから」と渡独前に教えてもらいましたが、若いドイツ人からは「気にしすぎ」って笑われました。ただ、「ポーランドとかチェコに行ったときは、絶対そのポーズはやっちゃダメだよ!」って真顔で言われましたが。ドイツ観光の穴場「ベルヒテスガーデン」ヒトラーは終戦前に部下から誕生日プレゼントとして、別荘をもらっていて、その別荘は現在観光地になっています。しかし、ヒトラーは高所恐怖症だったため、実際にこの別荘に来たことは数えるほどしかなかったそうです。別荘自体は小さな建物なのですが、そこから広がる景色は絶景なのです。写真の山と山の間に湖が見えているのですが、実はこの湖こそが私のお勧めする「ドイツの隠れスポット」です。日本の観光ブックではほとんどみかけたことがないのですが、この湖はドイツの一番南東に位置する、「ベルヒテスガーデン」と言うところにあります。ミュンヘンから南東へ電車で2時間程度、オーストリアとの国境近くなので、ミュンヘンの学会のときにでも日帰りで行って来られます。また行きたいなぁ…早くコロナが収まると良いですねぇ…。この湖の名前は「ケーニヒス湖」と言います。「王の湖」と言う意味です。湖の北端には、写真のようにボート乗り場があって、そこからさらに南にある小さな湖に向かうことができます。その奥にある小さな湖は「オーバー湖」と言って、ここは知る人ぞ知る、穴場スポットになっています。私が訪れたのは夏場だったのですが、湖畔で涼しく、観光客もそれほど沢山はいなかったために、すごく良い気分の時間を過ごすことができました。今はなかなか観光を楽しめる時期ではないですが、いつかまた遊びに行きたいものです。

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事例019 他医撮影のコンピュータ断層診断の査定【斬らレセプト シーズン2】

解説本事例では再診料と一緒に算定した「E023 他医撮影のコンピュータ断層診断(以下「同診断」)」が、D事由(告示・通知の算定要件に合致していないと認められるもの)として査定となりました。同診断の留意事項 (3) には、A000 初診料(「注5」の但し書きに規定される2つ目の診療科にかかる初診料を含む)を算定する日に限り算定できるとされています。よって再診料算定日の同診断は算定要件に合致しないことがわかります。同様の査定が数ヵ月にわたって複数回発生していたため、傾向を探りました。その結果、継続受診者の2つ目の診療科が診療科初診となる事例で多発していることがわかりました。2つ目の診療科では、他診療科の受診が継続しているのか会計入力時には判断がつかない仕様のため、診療科初診として扱い初診料を算定していました。そのため同診断も算定対象となっていたのです。2つ目の診療科にかかる会計入力の時点で継続診療科の受診と計算が終了していれば、初診料は算定できずに同診断は算定できないチェックがかかります。逆の事例では、継続診療科の会計入力が済むまではチェックがかかりません。チェックがかかった時点において、診察料のみを修正していました。査定対策として、会計の運用手順に同日複数科受診の確認を加え、初診料算定不可のチェックがかかったときに注意して修正しなければならない項目に同診断を追加し、レセプトチェックシステムには、初診料と同診断が対ではない場合にエラーとする設定を追加しました。

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新型コロナ無症状者の医療機関での一斉検査、プール法など活用可能に/厚労省

 医療機関・高齢者施設等において、無症状者に対し幅広く検査を実施する場合の検査法として、検体プール検査法と抗原簡易キットが新たに行政検査として実施可能となった。1月22日の事務連絡で都道府県等に通知された。併せて同日、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検体プール検査法の指針」が公表され、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)病原体検査の指針(第3版)」ではこれらの変更が反映されている。地域の感染状況に応じ、医療機関・高齢者施設での一斉検査実施を要請 厚生労働省では、感染者が多数発生している地域やクラスターが発生している地域(とくに直近 1 週間で中規模[5人以上を目安]以上のクラスターが複数発生している地域)においては、その期間、医療機関、高齢者施設等に勤務する者、入院・入所者全員を対象に、一斉・定期的な検査を積極的に実施するよう要請を行っている1-3)。今回、医療機関・高齢者施設等において幅広く検査を実施する場合の検査法として、1)複数の検体を混合して同時にPCR検査等を実施する検体プール検査法2)結果が陰性であった場合も感染予防策の継続を徹底すること等一定の要件下における無症状者に対する抗原簡易キットの使用の2つが、行政検査として新たに実施可能となった4)。検体プール検査法とは? 検体プール検査法は、陽性率の低い集団に対して効率的に検体をスクリーニングする目的で、複数の検体をまとめて検査を行う方法。一般に個別検体を用いた検査と比較し感度・特異度が下がることから、検査体制に余裕がある場合には個別検査が推奨される。「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検体プール検査法の指針」5)では、実際に検査を実施するにあたっての指針を下記7項目についてまとめている:1)適切な検査機器と試薬について2)検体プール検査法実施前に必要となる精度管理3)リスク評価と検体の適正管理の実施について4)適正なプール化検体の数および試料の種類について5)適正な対象集団の設定について6)プール検査を実施した場合の結果の解釈について7)その他抗原簡易キットとは? 抗原定性検査については、これまで無症状者に使用することは推奨されてこなかった経緯がある。しかし、感染拡大地域の医療機関および高齢者施設等において、PCR検査等による実施が困難な場合に抗原定性検査により幅広く検査を実施することは、重症化リスクの高い者が多い医療機関や高齢者施設等における感染拡大を防止する観点から有効であるとの観点から、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)病原体検査の指針(第3版)」6)では、「感染拡大地域の医療機関や高齢者施設等において幅広く検査を実施する際にスクリーニングに使用することは可能」と変更された。 無症状者に対する抗原定性検査は、以下の1)~4)のいずれにも該当することを実施要件としている4):1)医療機関または高齢者施設等の職員、入院・入所者(新規の入院・入所者を含む)等に対して幅広く実施する検査であること2)とくに検体中のウイルス量が少ない場合には、感染していても結果が陰性となる場合があるため、陰性の場合でも感染予防策の継続を徹底すること3)結果が陽性であった場合であり、医師が必要と認めるときは、PCR検査、抗原定量検査等を実施すること(※)4)実施した実績・結果について厚生労働省に報告すること※検査結果の解釈・注意点については、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)病原体検査の指針」を参考にすること。 その他、対象者の考え方、行政検査で用いることができる抗原簡易キットと入手方法についても、1月22日付けの事務連絡4)に明記されている。■参考文献・参考サイトはこちら1)厚生労働省.令和2年11月16日付け事務連絡:「医療機関、高齢者施設等の検査について(再周知)」2)厚生労働省.令和2年11月19日付け事務連絡:「高齢者施設等への重点的な検査の徹底について(要請)」3)厚生労働省.令和2年11月20日付け事務連絡:「クラスターが複数発生している地域における積極的な検査の実施について(要請)」4)厚生労働省.令和3年1月22日付け事務連絡:医療機関・高齢者施設等における無症状者に対する検査方法について(要請))」5)「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検体プール検査法の指針」6)「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)病原体検査の指針(第3版)」

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「がん診療と新型コロナウイルス感染症」、患者向けQ&Aを改訂/日本臨床腫瘍学会

 2021年1月25日、がん関連3学会(日本学会、日本治療学会、日本臨床腫瘍学会)は合同で「がん診療と新型コロナウイルス感染症 がん患者さん向けQ&A」の改訂3版を公開した。これは3学会合同連携委員会の新型コロナウイルス(COVID-19)対策ワーキンググループがまとめたもので、「がん患者は新型コロナウイルスに感染しやすいのか」「検査はどこまですべきなのか」「現在の治療を延期したほうがよいのか」といった、多くのがん患者が抱える疑問に答える内容となっている。今回は各種文献やガイドラインのアップデートを反映した改訂となる。 ASCO(米国臨床腫瘍学会)やESMO(欧州臨床腫瘍学会)が提唱する基本治療方針へのリンクや、「血液がん」「肺がん」「乳がん」といったがん種別に分けたうえで細かく治療方針を解説する項目もあり、がん治療中の患者にとって必要な情報が網羅的にまとまっている。

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うつ病増強療法の中止が治療転帰にもたらす影響~メタ解析

 慶應義塾大学のHideo Kato氏らは、うつ病の治療において増強療法のために追加した薬剤を継続すべきか、また継続する場合の期間について明らかにするため、メタ解析を実施した。Pharmacopsychiatry誌オンライン版2020年12月23日号の報告。 うつ病患者を対象に増強療法で追加した薬剤を中止した場合の影響を調査した二重盲検ランダム化比較試験を特定し、メタ解析を実施した。すべての原因による試験中止率、再発率、増強療法継続群と中止群における有害事象を比較した。 主な結果は以下のとおり。・7件の研究(継続群:841例、中止群:831例)をメタ解析に含めた。・すべての原因による試験中止率は、両群間で有意な差が認められなかった(リスク比[RR]:0.86、95%CI:0.69~1.08、p=0.20)。・再発による試験中止率は、中止群よりも継続群のほうが低かった(RR:0.61、95%CI:0.40~0.92、p=0.02)。しかし、この有意差は、esketamineを用いた研究1件を除外すると消失した。・ランダム化前の安定化期間を含む5つの研究データの分析では、中止群よりも継続群において再発率が低かった(RR:0.47、95%CI:0.36~0.60、p<0.01)。 著者らは「研究数が少なく、確固たる結論には至らない」としながらも「うつ病に対する増強療法で使用されたesketamine以外の薬剤は、中止される可能性が高いことが示唆された。しかし、増強療法で維持されている寛解患者では、当てはまらない可能性がある」としている。

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