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英国ガイドラインにおける年齢・人種別の降圧薬選択は適切か/BMJ

 非糖尿病高血圧症患者の降圧治療第1選択薬について、英国の臨床ガイドラインでは、カルシウム拮抗薬(CCB)は55歳以上の患者と黒人(アフリカ系、アフリカ-カリブ系など)に、アンジオテンシン変換酵素阻害薬/アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ACEI/ARB)は55歳未満の非黒人に推奨されている。しかし、英国・ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のSarah-Jo Sinnott氏らによる同国プライマリケア患者を対象としたコホート試験の結果、非黒人患者におけるCCBの新規使用者とACEI/ARBの新規使用者における降圧の程度は、55歳未満群と55歳以上群で同等であることが示された。また、黒人患者については、CCB投与群の降圧効果がACEI/ARB投与群と比べて数値的には大きかったが、信頼区間(CI)値は両群間で重複していたことも示された。著者は、「今回の結果は、最近の英国の臨床ガイドラインに基づき選択した第1選択薬では、大幅な血圧低下には結び付かないことを示唆するものであった」とまとめている。BMJ誌2020年11月18日号掲載の報告。12、26、52週後の収縮期血圧値の変化を比較 研究グループは、英国臨床ガイドラインに基づく推奨降圧薬が、最近の日常診療における降圧に結び付いているかを調べるため観察コホート試験を行った。英国プライマリケア診療所を通じて2007年1月1日~2017年12月31日に、新規に降圧薬(CCB、ACEI/ARB、サイアザイド系利尿薬)の処方を受けた患者を対象とした。 主要アウトカムは、ベースラインから12、26、52週後の収縮期血圧値の変化で、ACEI/ARB群vs.CCB群について、年齢(55歳未満、または以上)、人種(黒人またはそれ以外)で層別化し比較した。2次解析では、CCB群vs.サイアザイド系利尿薬群の新規使用者群の比較も行った。 ネガティブなアウトカム(帯状疱疹の発症など)を用いて、残余交絡因子を検出するとともに、一連の肯定的なアウトカム(期待される薬物効果など)を用いて、試験デザインが期待される関連性を特定できるかを判定した。ACEI/ARB服用約8万8,000例、CCB約6万7,000例、利尿薬約2万2,000例を追跡 52週のフォローアップに包含された各薬剤の新規使用者は、ACEI/ARBが8万7,440例、CCBは6万7,274例、サイアザイド系利尿薬は2万2,040例だった(新規使用者1例当たりの血圧測定回数は4回[IQR:2~6])。 非糖尿病・非黒人・55歳未満の患者について、CCB群の収縮期血圧の低下幅はACEI/ARB群よりも大きく相対差で1.69mmHg(99%CI:-2.52~-0.86)だった。また、55歳以上の患者の同低下幅は0.40mmHg(-0.98~0.18)だった。 非糖尿病・非黒人について6つの年齢群別で見たサブグループ解析では、CCB群がACEI/ARB群より収縮期血圧値の減少幅が大きかったのは、75歳以上群のみだった。 非糖尿病患者において、12週後のCCB群とACEI/ARB群の収縮期血圧値の減少幅の差は、黒人群では-2.15mmHg(99%CI:-6.17~1.87)、非黒人では-0.98mmHg(-1.49~-0.47)と、いずれもCCB群でACEI/ARB群より減少幅が大きかった。

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COVID-19へのヒドロキシクロロキン投与、効果を認めず/JAMA

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による呼吸器症状を伴う入院患者において、ヒドロキシクロロキンを用いた治療はプラセボと比較して、14日時点の臨床状態を有意に改善しなかった。米国・ヴァンダービルト大学医療センターのWesley H. Self氏らが、米国内34病院で行った多施設共同プラセボ対照無作為化盲検試験の結果を報告した。ヒドロキシクロロキンはCOVID-19治療に効果的なのか、そのデータが求められている中で示された今回の結果について著者は、「COVID-19入院成人患者の治療について、ヒドロキシクロロキンの使用を支持しないものであった」とまとめている。JAMA誌2020年11月9日号掲載の報告。新型コロナへのヒドロキシクロロキンの有効性を14日時点で評価 研究グループは、米国内34ヵ所の医療機関で、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染による呼吸器症状が確認された成人入院患者を対象に試験を行い、ヒドロキシクロロキンの有効性を検証した。 被験者を無作為に2群に分け、一方にはヒドロキシクロロキン400mgを初日は1日2回、その後4日間は200mgを1日2回、それぞれ投与した。もう一方にはプラセボを投与した。 計画では被験者数を新型コロナ患者510例とすること、ヒドロキシクロロキンとプラセボの各群102例の登録後に中間解析の実施が予定されたが、4回目の中間解析でヒドロキシクロロキンの無益性が確認され、被験者数479例の時点で試験は中止となった。 主要アウトカムは、7段階の臨床的重症度を分類する順序尺度(1[死亡]~7[退院し通常の活動が可能])による14日時点での評価だった。評価については、多変量比例オッズモデルで解析し、補正後オッズ比(aOR)を算出して1.0超の場合に、ヒドロキシクロロキンはプラセボよりもアウトカムが良好であると定義した。副次アウトカムは、28日死亡率など12項目について評価した。ヒドロキシクロロキン群は14日時点の臨床状態、28日死亡率も改善せず 被験者登録は2020年4月2日~6月19日に行われ、最終アウトカムの評価は2020年7月17日に行われた。 被験者479例(ヒドロキシクロロキン群242例、プラセボ群237例)の平均年齢は57歳、女性は44.3%、ヒスパニック/中南米系37.2%、黒人23.4%であり、また集中治療室での治療を要したのは20.1%で、46.8%が陽圧なしの補助酸素投与を受け、11.5%が非侵襲的換気または高流量鼻カニュラ酸素療法を、6.7%が侵襲的換気または体外式膜型人工肺(ECMO)による治療を受けた。 433例(90.4%)が14日時点の主要アウトカム評価を完了した(残りは評価前に[退院]のカテゴリーに帰属)。無作為化前に症状を呈していた期間の中央値は5日(四分位範囲[IQR]:3~7)だった。 14日時点の評価スコアに基づく臨床状態は、ヒドロキシクロロキン群とプラセボ群で有意な差はみられなかった。スコア中央値(IQR)は両群ともに6(4~7)で、aORは1.02(95%信頼区間[CI]:0.73~1.42)だった。 副次アウトカム12項目についても、両群で有意差はなかった。無作為化後28日時点で報告された死亡は、ヒドロキシクロロキン群25/241例(10.4%)、プラセボ群25/236例(10.6%)だった(絶対差:-0.2%[95%CI:-5.7~5.3]、aOR:1.07[95%CI:0.54~2.09])。

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永遠の命題PCI vs.CABG、SYNTAXスコアII 2020開発は、本当に進化か?(解説:中川義久氏)-1318

 冠血行再建におけるPCI vs.CABGは永遠の命題なのであろう。次々と情報が提供される。その度に、霧が晴れるようにスッキリしていくのではなく、出口のない迷宮をさまよう気持ちになる。 PCI vs.CABGの比較において、最も重要で代表的な臨床試験が2005年から2007年に施行されたSYNTAX試験である。3枝疾患または左主幹部病変を有する患者を、PCIかCABGに無作為に割り付けて比較したものである。このSYNTAX試験の登録患者を10年後まで追跡するSYNTAX Extended Survival(SYNTAXES)試験から、長期予後の予測モデルである「SYNTAXスコアII 2020」が開発されたことが、2020年10月8日付のLancet誌に報告された。筆頭著者は、当該施設に留学していた日本人であり、その努力と貢献はうれしく、賞賛に値する。 ここで復習してみよう。古典的には、冠動脈病変の重症度は1枝疾患、2枝疾患や3枝疾患といった罹患病変枝数や左前下行枝近位部の有無によって評価されてきた。しかし、同じ3枝病変であっても重症度に幅があることは臨床現場で認識されていた。これを受け、冠動脈病変の形態と重症度について、とくにPCIを実施する立場から客観点にスコア化したものがSYNTAXスコアである。病変枝数や部位だけでなく、完全閉塞・分岐部・入口部・屈曲・石灰化病変などに応じて点数を付ける。 次に開発されたのが、SYNTAXスコアIIである。SYNTAXスコアに患者背景を組み入れた指標として提唱された。SYNTAXスコアに加えて年齢、性別、クレアチニンクリアランス、左室駆出率、左主幹部病変、末梢動脈疾患、COPDなどを背景因子として組み入れて算出する。これはCABGまたはPCI術後の4年後の予測に有用であるという。 今回、SYNTAXスコアIIを基に「SYNTAXスコアII 2020」が開発された。この、SYNTAXスコアII 2020は、SYNTAXスコアに加えて、3枝病変か左主幹部病変かの分類、年齢、クレアチニンクリアランス、左室駆出率、末梢動脈疾患、COPD、喫煙、糖尿病などの背景因子から算出される。このスコアは、その患者にPCIを適用した場合とCABGを適用した場合の、10年後の総死亡予測および5年後の主要心血管イベントの予測に有用であるという。 「SYNTAXスコア」から「SYNTAXスコアII」そして「SYNTAXスコアII 2020」への推移は、本当にモデル構築の進化なのだろうか? この進化によって日常臨床のレベルが向上し、患者がより幸せになることに貢献するのであろうか。確かにモデルに組み入れる因子の数が多いほど緻密にモデルを構築できるであろう。これは、ある種当然といえる。最初にSYNTAXスコアが紹介されたときには、大きな感動を覚えた。これまで、1枝疾患、2枝疾患や3枝疾患といった大雑把な評価しかなかったが、臨床現場では動脈硬化の進行度や複雑性の違いを実感していた。「SYNTAXスコアすごい! これが、俺たちが表現したかったものだ!」という気持ちであった。SYNTAXスコアII 2020には、残念ながらこの感動はない。糖尿病患者の予後が不良であること、それもCABGに比してPCI患者において顕著に作用する因子であることなど先刻承知のことであり、現時点でも治療方針選択においては当然のように考慮されている因子である。それを、わざわざ組み込んだモデルだからといっても、その斬新性は低い。  数多くの因子から複雑に算出するモデルを構築して、ようやく差異を認識できるまでに、PCIとCABGが拮抗してきたのである。その場合に、モデルの示す数値の差よりも、患者の希望(選好)のほうが実臨床の現場では大切なのではないだろうか。考え出すと迷宮から抜け出すことは一層困難となる。いっそのこと判断は、AI様に任せる時代になるのであろうか。

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再び複数形で祝福だ!高齢者を国の宝とするために【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第30回

第30回 再び複数形で祝福だ!高齢者を国の宝とするために日本で行われた素晴らしい臨床研究であるELDERCARE-AF試験の結果がNEJM誌に掲載されました(N Engl J Med 2020;383:1735-1745)。心房細動があるとはいえ、通常用量の抗凝固療法がためらわれるような、出血リスクが高い80歳以上の高齢日本人を対象とした試験です。低用量NOACによる抗凝固療法が、大出血を増やすことなく脳卒中/全身性塞栓症を抑制することを示しました。この研究の参加者の平均年齢は86.6歳で、過半数の54.6%が85歳超えでした。このような高齢者は、ランダマイズ研究の除外基準に該当するのが常でした。高齢者に適応可能なエビデンスが存在しない中で、現場の医師は高齢の心房細動患者への対応を迫られています。脳卒中の減少と出血増加のバランスにおいて、試験の結果を慎重に解釈する必要がありますが、高齢者を対象としたエビデンスが登場したことは高く評価されます。日本社会は、高齢化において世界のトップランナーです。65歳以上の高齢者が全人口に占める割合である高齢化率が、7%を超えると「高齢化社会」、14%を超えると「高齢社会」、21%を超えると「超高齢社会」とされます。日本は1970年に高齢化社会、1994年に高齢社会、2007年に超高齢社会へと突入しました。高齢化社会から高齢社会となるまでの期間は、ドイツは42年、フランスは114年を要したのに対し、日本はわずか24年で到達しています。今後も高齢化率は上昇し、2025年には約30%、2060年には約40%に達すると予測されます。ある日の小生の外来診察室の風景です。「昨日、誕生日だったんですね。おめでとうございます!」電子カルテの年齢欄に、87歳0ヵ月と表示された女性患者さんに誕生祝いの声がけをしたのです。電子カルテは、誕生日を迎えたばかりの方や、間もなく誕生日の方が簡単にわかるので便利です。「87歳にもなって、めでたくなんかないですよ。これ以上、年はとりたくない」患者さんは、一見ネガティブな返答をしますが満面の笑みです。「今日まで長生きできてよかったね。年をとれることは素晴らしいことですね。おめでとう」外来では、誕生日の患者さんに必ず祝意を伝えることにしています。誕生日を祝福する意味はなんでしょうか。その意味は、その方の存在を肯定することにあります。子供の誕生日に成長を祝うこととは、少し意味合いが違います。自己の存在を肯定されることは、人間にとって最も満足度の高いことで、その節目が誕生日です。高齢人口が急速に増加する中で、医療、福祉などをどのように運用していくかは喫緊の課題です。逃げることなく正確に現状を把握し、次の方策を練ることは大切です。その議論の過程で、負の側面を捉えて嘆いていてもはじまりません。歴史上に類を見ない超高齢化社会の日本を世界が注目しています。対応に過ちがあれば同じ轍を踏むことがないようにするためです。今、必要なのは高齢者の存在を肯定する前向き思考です。高齢者を国の宝として活用するのです。その具体的成功例が、このELDERCARE-AF試験ではないでしょうか。高齢者医療のエビデンスを創出し、世界に向けて発信していくことは、高齢化社会のトップランナーである日本であるからこそ可能であり、むしろ責務です。あらためて、ELDERCARE-AF試験に関与された皆様に敬意を表し、複数形で祝福させていただきます。Congratulations!

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「バイクロット」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第27回

第27回 「バイクロット」の名称の由来は?販売名バイクロット®配合静注用一般名(和名[命名法])乾燥濃縮人血液凝固第X因子加活性化第VII因子効能又は効果血液凝固第VIII因子又は第IX因子に対するインヒビターを保有する患者の出血抑制用法及び用量本剤1バイアルを添付の日本薬局方注射用水2.5mLで溶解する。活性化人血液凝固第VII因子として、体重1kg当たり症状に応じて1回60~120μgを2~6分かけて緩徐に静脈内に注射する。追加投与は、8時間以上の間隔をあけて行い、初回投与の用量と合わせて、体重1kg当たり180μgを超えないこととする。警告内容とその理由エミシズマブ(遺伝子組換え)の臨床試験で、活性型血液凝固第IX因子及び血液凝固第X因子を含む、活性型プロトロンビン複合体(乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体)製剤との併用において重篤な血栓塞栓症及び血栓性微小血管症の発現が複数例に認められている。本剤とエミシズマブ(遺伝子組換え)の併用例では重篤な血栓塞栓症及び血栓性微小血管症の発現は認められていないが、エミシズマブ(遺伝子組換え)投与中及び投与中止後6ヵ月間は、本剤の投与は治療上やむを得ない場合に限ること。血栓塞栓症及び血栓性微小血管症のリスクを増大させる可能性を否定できない。禁忌内容とその理由設定されていない※本内容は2020年11月25日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2020年6月改訂(第8版)医薬品インタビューフォーム「バイクロット®配合静注用」2)KMバイオロジクス株式会社:医療用医薬品

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第34回 コロナ禍の意外な恩恵? インフル・喘息大幅減、受診抑制も体調変化なし…

コロナ禍が他疾患の発症抑制に働くこんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。大方の人の予想通り、冬の到来を前に新型コロナウイルス感染症の感染者が各地で急増しています。というわけで、この3連休、私は「Go Toトラベル」「Go Toイート」にも乗らず、自宅でのんびりスポーツ観戦をして過ごしました。大相撲の千秋楽の貴景勝と照ノ富士の本割相撲と優勝決定戦を堪能、小倉で行われた競輪祭における郡司 浩平選手(神奈川)のG1初制覇に感動しました。今ひとつだったのは日本シリーズの第1、2戦です。巨人の情けないほどの弱さは、今のセ・リーグ全体の弱さとも言えます。この問題については、また日を改めて。さて、今回は、コロナ禍における他疾患の動向や患者の受療行動の動向に関するニュースです。クラスター発生や医療機関のコロナ患者の受け入れ態勢が逼迫している、といった報道の陰で、コロナ禍がほかの疾患の発症抑制にも働いている、といった報告や報道が散見されるようになってきました。喘息による入院数が劇的に減少11月16日のNHKニュースは、「コロナ拡大以降 “ぜんそく入院患者 大幅減”マスク着用影響か」と題し、今年2月以降、喘息のため入院する患者が例年に比べて大幅に減ったとする調査結果を東京大学大学院医学系研究科の宮脇 敦士助教らのグループが発表した、と報じました。それによると、全国 272 ヵ所の急性期病院における入院診療データを分析した結果、新型コロナウイルス感染症の流行期間(2020年2月24日以降)は、前年までの同時期に比べて、喘息による入院数が劇的に減少(55%減)していた、とのことです。同グループは、新型コロナウイルス感染症の流行期間中の生活様式の変化により、喘息患者が増悪要因に曝される機会が減少し、喘息のコントロールが改善したためと考えられる、としてます。なお、肺がんや気胸など、新型コロナウイルスの影響を受けない呼吸器の病気では大きな変化は見られなかったそうです。同研究は、10月14日付で、米国アレルギー・喘息・免疫学会(AAAAI)の公式機関誌Journal of Allergy and Clinical Immunologyのウェブサイトに掲載1)されています。インフルエンザ、流行期に入らず?季節性インフルエンザについても、その発症は例年より大幅に少ないとの報告が出ています。厚生労働省が11月20日に発表した、 11月9~15 日の1週間のインフルエンザの発生状況(全国およそ5,000ヵ所の定点医療機関から報告があった患者数)は前週から1人減り、わずか計23人でした。インフルエンザは、1医療機関当たりの1週間の患者数が全国で1人を超えると「全国的な流行期」入りとされます。しかし、この時点では0.005人とこの基準を大きく下回っています。まだまだ楽観視はできないものの、今シーズンはインフルエンザの大流行は来ないかもしれません。受診抑制の7割が「体調が悪くなったとは感じない」このように、マスク着用や3密回避といった人々の行動変容が、従来からあった疾患の様相を変える事例は、今後も多く出てくるかもしれません。日本医師会は11月5日に最新の診療所の経営状況を発表しました。その中で、とくに小児科と耳鼻咽喉科で入院外の総件数・点数が大きく落ち込んでおり(小児科で約3割、耳鼻咽喉科で約2割前後)、経営が深刻な状況にあるとの見解を示しています。しかし、小児科と耳鼻咽喉科はそもそも感染症やアレルギー性疾患の患者が多く、単にコロナ禍だけではなく、疾患そのものが減っていることも大きな要因であることも認識する必要があるでしょう。そんな折、11月5日、健康保険組合連合会(健保連)が興味深い調査結果を発表していました。「新型コロナウイルス感染が拡大していた今年4~5月に、持病があって通院を控えた人の7割が『体調が悪くなったとは感じない』と考えていることが、調査結果から明らかになった」というのです。健保連は大企業などがつくる健康保険組合の全国組織です。この調査は、全国の20~70代の男女4,623人を対象に今年9月、オンラインで実施されました。その結果、高血圧症や脂質異常症といった持病をもつ3,500人のうち、865人(24.7%)が通院の頻度を少なくしたり、取りやめたりして受診を抑制していました。そして、受診抑制した人の69.4%が「体調が悪くなったとは感じない」と回答。さらに、10.7%が「体調が少し悪くなったと感じる」、1.5%が「体調がとても悪くなったと感じる」と答えた一方で、「体調が回復した」とする人も7.3%いたとのことです。つまり、「受診控え」で体調悪化する人の増加が懸念されていたにもかかわらず、実際に体調悪化を感じたとの回答は1割に過ぎなかったのです。老人保健施設で元気になった高齢者「できるだけ医療機関を受診して欲しくない(医療費負担を減らしたい)」という思惑のある健保連の調査である、というバイアスはあるものの、これはとても面白い結果です。私は今から約30年前、老人保健施設が創設された頃のエピソードを思い出しました。ご存じのように、老人保健施設は薬剤費が包括化されており、薬を使えば使うほど施設側の持ち出しになる、という制度設計になっています。そのため、当初老人病院から老健施設に転所した高齢者の多くが、病院入院時よりも投与する薬を大幅に減らされました。結果、どうなったか…。認知症が改善したり、むしろ元気になったりする高齢者が続出したのです。今回のコロナ禍は、ひょっとしたら外来診療における過剰診療・過剰投薬を改めて浮き彫りにするかもしれません。コロナ禍における外来患者の受療動向や、診療内容、病態の経緯などについて、専門家による詳細な分析結果を早く知りたいところです。参考1)Abe K , et al. J Allergy Clin Immunol Pract. 2020 Oct 14.[Epub ahead of print]新型コロナ流行時に喘息入院が減少、生活様式の変化が奏功か

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副作用に対する概念を変えた、患者さんの震える手【堀美智子のハートに効くラヂオ】第1回

動画解説病院研修時代の印象深いエピソード。抗がん剤のすさまじい吐き気にも耐え、治療を頑張っていた患者さんが、ある日突然「治療をやめたい」と言い始めました。先生の副作用に対する概念を覆したその理由とは?

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孤独を感じる人のCOVID-19に対する予防行動とは?

 孤独感がCOVID-19予防行動の低下に関連していることが、早稲田大学のAndrew Stickley氏らの研究によって明らかとなった。Journal of Public Health誌オンライン版2020年9月3日号の報告。 孤独感と健康行動の悪化との関連性について数多くの報告があるが、孤独感とCOVID-19予防行動の関連性についてはほとんど研究されていない。 孤独感とCOVID-19予防行動の関連性について、2020年4月と5月に2,000人の日本人を対象にオンライン調査を実施した。孤独感は3項目の孤独尺度にて評価し、孤独感と予防行動の関連性については二変量線形回帰分析を、孤独感と予防行動13件(外出後/食事前の手洗い、マスク着用、うがい、咳やくしゃみ時のティッシュ使用、物に触れた後に顔に触ることを避ける、触れるものを頻繁に消毒する、外出/旅行のキャンセル、予定していたイベントのキャンセル、人込みを避けて自宅にいる、集会やパーティーへの参加を控える、病人/高齢者への接触を避ける、風邪の場合に家族以外への接触を避ける、2メートル以上の距離を保つ)それぞれとの関連性についてはロジスティック回帰分析を実施した。 孤独感の割合、孤独感とCOVID-19予防行動の関連性については以下のとおりである。・人口統計学的変数とメンタルヘルス変数を調整した線形回帰モデルでは、二分法と継続的な測定の両方で、孤独感にはCOVID-19予防行動への関与と負の関連があった。・さらにロジスティック回帰分析では、孤独感は、マスクの着用で0.77倍、手の消毒で0.80倍、屋外での社会的距離で0.75倍と、個別のCOVID-19予防行動の低下にも関連していた。 著者らは、「マスクの着用や手の消毒、社会的距離などの予防行動の低下に孤独感が関連することから、パンデミックにおいては孤独感の防止または改善が、新型コロナウイルスの蔓延と闘ううえでは必要である」と示唆している。

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双極性障害と統合失調症の診断予測因子

 初回エピソード精神病(FEP)コホートにおける双極性障害と統合失調症の診断予測に役立つ可能性のあるベースライン特性と臨床的特徴を特定するため、スペイン・バルセロナ大学のEstela Salagre氏らが、検討を行った。The Journal of Clinical Psychiatry誌2020年11月3日号の報告。 本研究は、2009年4月~2012年4月に募集したFEP患者355例のコホートを評価したプロスペクティブ自然主義的研究である。12ヵ月のフォローアップ期間にDSM-IV診断で最終的に双極性障害および統合失調症と診断された患者のベースライン特性を比較した。フォローアップ時の双極性障害診断の予測因子を評価するため、バイナリロジスティック回帰モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・12ヵ月のフォローアップ期間に双極性障害と診断された患者は47例、統合失調症と診断された患者は105例であった。・最終的に双極性障害と診断された患者は、統合失調症と診断された患者と比較し、以下の割合が有意に高かった。 ●気分障害の家族歴:有病率38.2% vs.18.0%(p=0.02) ●より良好なベースライン時の病前適応:病前適応尺度(PAS)38.4 vs.50.6(p<0.01) ●より良好な心理社会的機能:簡易機能評価検査(FAST)23.6 vs.33.7(p=0.001) ●より良好な認知的柔軟性:ウィスコンシンカード分類検査(WCST)の誤答数14.2 vs.19.7(p=0.01) ●躁症状の多さ:ヤング躁病評価尺度(YMRS)14.1 vs.7.3(p<0.01) ●陰性症状の少なさ:陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)陰性症状尺度15.0 vs.22.3(p<0.001) ●精神疾患の未治療期間の短さ:144.2日 vs.194.7日(p<0.01)・バイナリロジスティック回帰モデルでは、フォローアップ時の双極性障害診断と有意に関連していた因子は以下のとおりであった。 ●FASTスコアの低さ(オッズ比[OR]:0.956、p=0.015) ●PANSS陰性症状スコアの低さ(OR:0.93、p=0.048) ●WCSTの誤答数の少なさ(OR:0.946、p=0.35) 著者らは「FEPコホートにおいて12ヵ月のフォローアップ時に双極性障害診断と関連が認められた因子は、より良好な心理社会的機能、陰性症状の少なさ、より良好な認知的柔軟性であった」としている。

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乾癬患者における、COVID-19の重症化因子は?

 COVID-19への決定的な対策はいまだ見いだされていないが、入院・重症化リスクを捉えることで死亡を抑え込もうという世界的な努力が続いている。本稿では、乾癬患者のCOVID-19に関する国際レジストリ「PsoProtect」へ寄せられた25ヵ国からの臨床報告に基づき、英国・Guy's and St Thomas' NHS Foundation TrustのSatveer K. Mahil氏らが乾癬患者の入院・重症化リスクを解析。「高齢」「男性」「非白人種」「併存疾患」がリスク因子であることを明らかにした。また、乾癬患者は複数の疾患負荷と全身性の免疫抑制薬の使用によってCOVID-19の有害アウトカムのリスクが高まる可能性があるとされているが、これまでデータは限定的であった。今回、著者らは「生物学的製剤の使用者は、非使用者と比べて入院リスクが低かった」とも報告している。Journal of Allergy and Clinical Immunology誌オンライン版2020年10月16日号掲載の報告。 研究グループは、乾癬患者におけるCOVID-19の臨床経過を明らかにし、入院と関連する因子を特定するため、国際レジストリ「PsoProtect」を通じて、COVID-19確認/疑いと臨床医が報告した乾癬患者を対象に、多重ロジスティック回帰法にて、臨床/人口統計学的特性と入院との関連を評価した。また、患者自身が報告する別のレジストリ「PsoProtectMe」のデータから、リスクの回避行動を明らかにした。 主な結果は以下のとおり。・評価は、臨床医からの報告症例である25ヵ国374例(確認例172例[46%]、疑い例202例[54%])の患者を対象に行われた。36%が英国、21%がイタリア、15%がスペインの患者で、年齢中央値は50歳、男性61%、白人種85%であった。喫煙歴なし54%、現在喫煙者は15%だった。・71%の患者が生物学的製剤による治療を受けていた。非生物学的製剤による治療を受けていた患者は18%、全身療法が行われていなかったのは10%だった。・COVID-19から完全に回復したのは348例(93%)であった。入院を要したのは77例(21%)、死亡は9例(2%)であった。・入院リスクの増大因子は、高齢(多変量補正後オッズ比[OR]:1.59/10歳、95%信頼区間[CI]:1.19~2.13)、男性(2.51、1.23~5.12)、非白人種(3.15、1.24~8.03)、慢性肺疾患の併存(3.87、1.52~9.83)であった。・入院率は、生物学的製剤使用患者よりも非使用患者で高率だった(OR:2.84、95%CI:1.31~6.18)。生物学的製剤のクラスの違いによる有意差はなかった。・患者報告のデータ(48ヵ国1,626例)から、生物学的製剤使用患者と比べて非使用患者はソーシャルディスタンスのレベルが低いことが示唆された(OR:0.68、95%CI:0.50~0.94)。

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機械学習モデルは統計モデルよりも優れるか/BMJ

 機械学習および統計モデルについて、同一患者の臨床的リスクの予測能を調べた結果、モデルのパフォーマンスは同等だが、予測リスクはさまざまに異なることが、英国・マンチェスター大学のYan Li氏らによる検討で示された。ロジスティックモデルと一般的に用いられる機械学習モデルは、中途打ち切りを考慮しない長期リスクの予測には適用すべきではなく、QRISK3のような生存時間分析モデルが、中途打ち切りを考慮し説明も可能であり望ましいことが示されたという。結果を踏まえて著者は、「モデル内およびモデル間の一貫性のレベルを評価することを、臨床意思決定に使用する前にルーチンとすべきであろう」と指摘している。QRISKやフラミンガムといった心血管疾患のリスク予測モデルは、臨床で幅広く使われるようになっている。これらの予測にはさまざまな技術が用いられるようにもなっており、最近の研究では、機械学習モデルがQRISKのようなモデルよりも優れているといわれるようになっていた。BMJ誌2020年11月4日号掲載の報告。19のモデルについてリスク予測能の一貫性を検証 研究グループは機械学習と統計モデルの、個別の患者レベルおよび集団レベルにおける心血管疾患リスクの一貫性と、リスク予測の中途打ち切りの影響について評価する長期コホート試験(1998年1月1日~2018年12月31日)を行った。被験者は、イングランドの一般診療所391ヵ所でClinical Practice Research Datalinkに登録された患者360万人で、入院および死亡記録とひも付けして評価した。 主要評価項目は、モデルパフォーマンス(識別、較正)およびモデル間の同一患者におけるリスク予測の一貫性であった。検討したモデルは19で、それぞれ異なる予測技術を有するものであったが、機械学習モデルが12個(R言語で機械学習を行うパッケージCaretやSklearn、h2oに基づくロジスティックモデル、random forest、neural networkなど)、Cox比例ハザードモデルが3個(local fitted、QRISK3、フラミンガム)、パラメトリック生存モデルが3個(Weibull、Gaussian、logistic distribution)、ロジスティックモデルが1個(統計的因果関係フレームワーク適合モデル)であった。機械学習モデルはリスクをかなり過小評価 集団レベルでは、モデル間のパフォーマンスは類似していた(C統計値はおよそ0.87で較正も同等)。 一方で、個人レベルでは、ばらつきが大きく、また機械学習や統計モデルの種別ごとに違いが認められた。ばらつきなどはとくに高リスクの患者について大きかった。 QRISK3で9.5~10.5%とリスクが予測された患者は、random forestでは2.9~9.2%、neural networkでは2.4~7.2%の予測リスクであった。QRISK3とneural networkの予測リスクの差は、95%範囲値でみた場合-23.2~0.1%にわたった。 また、中途打ち切りを考慮しないモデル(すなわち打ち切られた患者はイベントフリーと仮定する)は、心血管疾患リスクをかなり過小評価していた。QRISK3で7.5%超の心血管疾患リスクを有していた患者22万3,815人のうち、その他のモデルを用いた場合は57.8%が7.5%未満に再分類された。

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70歳以上、ビタミンD・ω3・運動による疾患予防効果なし/JAMA

 併存疾患のない70歳以上の高齢者において、ビタミンD3、オメガ3脂肪酸、または筋力トレーニングの運動プログラムによる介入は、拡張期または収縮期血圧、非脊椎骨折、身体能力、感染症罹患率や認知機能の改善について、統計学的な有意差をもたらさなかったことが、スイス・チューリッヒ大学のHeike A. Bischoff-Ferrari氏らが行った無作為化試験「DO-HEALTH試験」の結果で示された。ビタミンD、オメガ3および運動の疾患予防効果は明らかになっていなかったが、著者は「今回の結果は、これら3つの介入が臨床アウトカムに効果的ではないことを支持するものである」とまとめている。JAMA誌2020年11月10日号掲載の報告。8群に分けて3年間介入、血圧、身体・認知機能、骨折、感染症などへの影響を評価 研究グループは、ビタミンD3、オメガ3、筋力トレーニングの運動プログラムについて、単独または複合的介入が、高齢者における6つの健康アウトカムを改善するかを検討した。70歳以上で登録前5年間に重大な健康イベントを有しておらず、十分な活動性があり認知機能が良好な高齢者2,157例を対象に、二重盲検プラセボ対照2×2×2要因無作為化試験を実施した(2012年12月~2014年11月に登録、最終フォローアップは2017年11月)。 被験者は無作為に、次の8群のうちの1つに割り付けられ3年間にわたり介入を受けた。2,000 IU/日のビタミンD3投与・1g/日のオメガ3投与・筋力トレーニングの運動プログラム実施群(264例)、ビタミンD3・オメガ3投与群(265例)、ビタミンD3投与・筋トレ実施群(275例)、ビタミンD3投与のみ群(272例)、オメガ3投与・筋トレ実施群(275例)、オメガ3投与のみ群(269例)、筋トレ実施のみ群(267例)、プラセボ群(270例)。 主要アウトカムは6つで、3年間にわたる収縮期・拡張期血圧(BP)の変化、Short Physical Performance Battery(SPPB)、Montreal Cognitive Assessment(MoCA)、非脊椎骨折および感染症罹患率(IR)であった。6つの主要エンドポイントを複合比較し、99%信頼区間(CI)を示し、p<0.01を統計学的有意差と定義した。いずれも有意な影響はみられず 無作為化を受けた2,157例(平均年齢74.9歳、女性61.7%)のうち、1,900例(88%)が試験を完了した。フォローアップ期間中央値は2.99年であった。 全体的に、3年間の個別の介入または複合介入について、6つの主要エンドポイントに対する統計学的に有意なベネフィットは認められなかった。 たとえば、収縮期BPの平均変化差は、ビタミンDあり群とビタミンDなし群の比較では-0.8(99%CI:-2.1~0.5)mmHgで有意差なし(p=0.13)、オメガ3あり群とオメガ3なし群の比較では-0.8(-2.1~0.5)mmHgで有意差なし(p=0.11)であった。拡張期BPの平均変化差は、オメガ3あり群とオメガ3なし群では-0.5(-1.2~0.2)mmHgで有意差なし(p=0.06)であり、また、オメガ3あり群とオメガ3なし群の感染症罹患率の絶対差は-0.13(-0.23~-0.03)、IR比は0.89(0.78~1.01)で有意差はなかった(p=0.02)。 SPPB、MoCA、非脊椎骨折のアウトカムへの影響は認められなかった。 全体で死亡は25例で、群間で差はなかった。

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AZ社の新型コロナワクチン有効率最大90%、貯蔵はより容易か/第II/III相試験中間解析

 アストラゼネカ社は、COVID-19に対するウイルスベクターワクチンAZD1222の第II/III相および第III相試験の中間分析の結果、最大90%の有効率が示されたことを11月23日に発表した。2つの異なる投与レジメンで有効性が示され、平均70%の有効率が示されている。条件付きまたは早期承認のためのデータを世界各国の規制当局に提出し、承認取得次第、2021年に最大30億回分のワクチンを製造できるよう準備を進めているという。 AZD1222は、SARS-CoV-2ウイルススパイクタンパク質の遺伝物質を含む、複製欠損および弱毒化されたチンパンジー由来の風邪アデノウイルスを用いて作製される。ワクチン接種後スパイクタンパク質が生成され、感染した場合に免疫系を刺激し、SARS-CoV-2ウイルスを攻撃する。 第II/III相COV002試験は英国の12,390人の参加者を対象に、第III相COV003試験はブラジルの10,300人の参加者を対象に実施されている。ともに参加者は18歳以上で健康あるいは医学的に安定した慢性疾患を有する患者。COV002では、半用量(〜2.5×1010ウイルス粒子)または全用量(〜5×1010ウイルス粒子)のAZD1222、対照群として髄膜炎菌ワクチンMenACWYを1回または2回筋肉内投与。COV003では、全用量のAZD1222またはMenACWYが2回投与される(対照群では1回目にMenACWY、2回目はプラセボとして生理食塩水を投与)。 中間分析では計131例のCOVID-19発症が確認された。今回発表された結果のうち、1回目に半用量を投与後、少なくとも1か月間隔で全用量を投与した2,741人では、90%の有効率を示した。少なくとも1か月間隔で全用量を2回投与した8,895人では、62%の有効率を示している。両投与レジメンの11,636人についての複合解析では、平均70%の有効率が示され、これらの結果はすべて統計的に有意であった(p≦0.0001)。 独立データモニタリング委員会は、2回投与を受けてから14日以上後に発生するCOVID-19からの保護を示す主要評価項目を満たしたと判断し、今回の結果が発表された。AZD1222に関連する重大な安全イベントは確認されておらず、AZD1222投与群ではCOVID-19による入院や重症例は報告されていない。 なお、AZD1222の臨床試験は、米国、日本、ロシア、南アフリカ、ケニア、ラテンアメリカでも実施されており、他のヨーロッパやアジアの国々でも試験が計画されている。また、同社はAZD1222の貯蔵について、標準的な家庭用または医療用冷蔵庫の温度である2~8℃(36~46°F)で少なくとも6ヵ月間保管、輸送、および取り扱いでき、既存の医療環境で投与可能としている。

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薬局薬剤師の常駐が廃止へ!押印廃止議論からまさかの波及【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第57回

政府の規制改革推進会議によって、「薬局薬剤師の常駐廃止」が検討されています。きっかけは、2020年9月に発足した菅政権において「押印廃止」の議論が持ち上がったことで、印鑑問題だけにとどまらず、さまざまな事項のデジタル化へ派生しつつあります。そのうちの1つが「薬局の薬剤師の常駐廃止」です。「えっ! 私たちいなくていいの?」とびっくりした人も多いのではないでしょうか。薬局の薬剤師の常駐廃止とはどういう意味で、どのようなスケジュールが想定されているのかまとめます。政府は行政手続きや民間で書面や対面での対応を義務付けている規制に関し、デジタル化で代替できるものから撤廃する検討に入った。工程表をつくり、第1段階 押印廃止第2段階 書面・対面の撤廃第3段階 常駐・専任義務の廃止第4段階 税・保険料払いのデジタル化――の4段階で順に取り組む。(2020年10月9日付 日本経済新聞WEB)この第2段階の「書面・対面の撤廃」にオンライン診療・服薬指導が含まれていて、第3段階の「常駐廃止」に薬局薬剤師が含まれています。第1段階の押印廃止は、全省庁を対象として準備が進められています。すでに行政サービスのほとんどで廃止のめどが立っているとの報道があり、なんと約1万5,000種類ある行政手続きにおける押印のうち、83の手続きを除いて廃止される方向です。行政に対するものだけではなく、患者さんや他施設とやり取りする文書も、その場で発行して渡したり押印した原本の郵送がなくなったりするなど、影響があるかもしれません。第2段階の書面・対面の撤廃には、これまで対面が義務付けられていた業務をオンラインで可能にするという規制緩和が盛り込まれています。この中には診療および服薬指導も含まれており、現状では特例的であったり諸条件が設けられていたりするオンライン診療・服薬指導、それに付随する電子処方箋などが推進されることになりそうです。第3段階の常駐廃止では、現在、薬局には薬剤師が常駐し、調剤した後に服薬指導をしなければなりませんが、昨年に成立した改正医薬品医療機器等法にはオンライン服薬指導の解禁も含まれており、さらに服薬指導のオンライン化が進むと考えられます。常駐廃止と聞くと、薬剤師不要論のようなネガティブな印象を受けるかもしれませんが、1人薬局が在宅訪問しやすくなったり、薬剤師のテレワークが可能になったり、良い面もあるかもしれません。なお、現在は労働安全衛生法などに基づいて、1,000人以上の従業員がいる企業では専属で産業医が常駐する必要がありますが、おそらく第2段階の対面せずに診察できる仕組みが整えば、スムーズに第3段階の産業医の常駐廃止に進むことが想像できます。第4段階の「税・保険料払いのデジタル化」については、税金や社会保険料支払いのキャッシュレス化を進めるとしており、すでに電子決済で支払いができる自治体もあります。これらの取り組みは2021年の通常国会において関連する法律の改正案を一括で提出する予定で、おおむね5年以内の完成を目指すとされています。処方箋に押印する調剤済みの薬剤師印や、疑義照会後の病院への変更内容の連絡、保険証の確認など、薬剤師の薬局業務にはさまざまなアナログな作業がありますので、それらにも多かれ少なかれ影響するでしょう。デジタル化には大変なこともあると思いますが、患者さんはわざわざ薬局に足を運ばなくても薬剤師のサポートを受けられるようになり、薬剤師の職能が発揮される場面が増えると期待したいと思います。

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第35回 母乳保育は子にCOVID-19防御免疫を授けうる

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染(COVID-19)後の出産女性の大半の母乳にはSARS-CoV-2への抗体反応が備わっており1)、それらの女性の母乳保育は子に抗ウイルス免疫を授けうると示唆されました。ニューヨーク市のマウントサイナイ医科大学(Icahn School of Medicine at Mount Sinai)の免疫学者Rebecca Powell氏等はPCR検査でSARS-CoV-2が検出された8人と検査はされなかったけれども感染者との濃厚接触などがあって恐らく感染した7人の感染期間終了から数週間後の母乳を集めてSARS-CoV-2への抗体を調べました。その結果15人全員の母乳にSARS-CoV-2スパイク(S)タンパク質に反応する抗体が認められました。また、15人中12人(80%)の母乳には細胞感染阻止(neutralization)に重要なSタンパク質抗原決定基・受容体結合領域(RBD)への結合抗体も認められました。目下のCOVID-19流行の最中(2月30日~4月3日)に41人の女性からCOVID-19経験の有無を問わず集めた母乳を解析した別の試験2)でもSタンパク質反応抗体がほとんどの女性から検出されています。それらの女性のSARS-CoV-2感染の有無の記録はなく、SARS-CoV-2に反応する抗体の出処は不明ですが、SARS-CoV-2以外のウイルスの貢献が大きいようです。Sタンパク質に反応するIgG抗体レベルは先立つ1年間に呼吸器ウイルス感染症を経た女性の方がそうでない女性に比べて高く、SARS-CoV-2へのIgAやIgM抗体の反応はSタンパク質に限ったものではなさそうでした。2018年に採取された母乳でもSARS-CoV-2タンパク質へのIgAやIgM抗体反応が認められ、目下のCOVID-19流行中に採取された母乳と差はなく、どうやらSARS-CoV-2以外のウイルスに接したことがSARS-CoV-2にも反応する抗体を生み出したようです。母乳中に分泌される抗体はSARS-CoV-2への抵抗力を含む幅広い免疫を授乳を介して子に授けうると研究チームの主力免疫学者Veronique Demers-Mathieu氏は言っています3)。この8月にJAMA誌オンライン版に掲載された試験でCOVID-19感染女性の母乳から生きているウイルスは検出されておらず4)、今回の結果も含めると、女性はCOVID-19流行のさなかにあっても少なくとも安心して母乳保育を続けることができそうです。もっと言うなら母乳保育は子にCOVID-19疾患の防御免疫を授ける役割も担うかもしれません。マウントサイナイ医科大学のPowell氏等は次の課題として母乳中の抗体がSARS-CoV-2の細胞感染を阻止しうるかどうかを調べます。また、母乳中のSARS-CoV-2反応抗体はCOVID-19疾患を予防する経口の抗体薬となりうる可能性を秘めており2)、Powell氏等のチームはCOVID-19を食い止める抗体を母乳から集める取り組みをバイオテック企業Lactigaと組んで進めています3)。参考1)Fox A, et al. iScience. 2020 Nov 20;23:101735.2)Demers-Mathieu V, et al. J Perinatol. 2020 Sep 1:1-10c3)Breastmilk Harbors Antibodies to SARS-CoV-2/TheScentist4)Chambers C, et al. JAMA. 2020 Oct 6;324:1347-1348.

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統合失調症に対するルラシドンの長期評価

 英国・サノビオン・ファーマシューティカルズ・ヨーロッパ・リミテッドのPreeya J. Patel氏らは、統合失調症におけるルラシドンの長期有用性を評価するため、二重盲検(DB)アクティブコントロール試験と非盲検(OLE)試験の事後分析を実施した。Neurology and Therapy誌オンライン版2020年10月24日号の報告。 DB試験では、統合失調症患者をルラシドンまたはリスペリドンの12ヵ月間投与にランダムに割り付けた。OLE試験では、すべての患者に対し6ヵ月間のルラシドン投与を行った。治療による有害事象(TEAE)の評価を行った。有効性の評価には、再発率(DB試験のみ)、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)、臨床全般印象度の重症度(CGI-S)、Montgomery Asbergうつ病評価尺度を用いた。 主な結果は以下のとおり。・DB試験では、ルラシドン群399例、リスペリドン群190例にランダム化され、そのうちルラシドン群129例、リスペリドン群84例がOLE試験に移行した。・DB試験中のTEAE発生率は、ルラシドン群84.1%、リスペリドン群84.2%であり、同等であった。・ルラシドン群の代謝量およびプロラクチンレベルは最小限の変化にとどまっていたが、リスペリドン群では、プロラクチンレベルと空腹時血糖値において臨床的に有意な増加が認められた。・DB試験終了時のメタボリックシンドローム発生率は、ルラシドン群25.5%、リスペリドン群40.4%であり、ルラシドン群において有意に低かった(p=0.0177)。・OLE試験時にリスペリドンからルラシドンに切り替えを行った患者では、体重とプロラクチンレベルの低下が認められた。また、ルラシドン治療を継続した患者では、代謝量とプロラクチンレベルの変化は最小限のままであった。・OLE試験終了時のメタボリックシンドローム発生率は、ルラシドン群23.5%、リスペリドン群31.5%であり、両群間の差は認められなかった。・有効性アウトカムは、DB試験中では両群間で類似しており、OLE試験移行後も維持されていた。 著者らは「長期間安定した統合失調症患者に対するルラシドン治療は、忍容性が高く、効果的であった。リスペリドンからルラシドンに切り替えた患者においても、6ヵ月間にわたり、忍容性、有効性が良好であった。また、リスペリドンからの切り替えにより、代謝パラメータやプロラクチンレベルの改善も認められた。本結果より、統合失調症患者に対するルラシドン治療の長期有効性および良好な代謝プロファイルが裏付けられた」としている。

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未就学児へのアジスロマイシン集団配布で耐性因子が増加/NEJM

 アジスロマイシンの年2回、4年間の集団配布により、マクロライド系抗菌薬のみならず、マクロライド系以外の抗菌薬の耐性遺伝子が増大する可能性があることが、米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のThuy Doan氏らが実施したMORDOR試験の補助的調査で示された。研究の詳細は、NEJM誌2020年11月12日号に掲載された。サハラ以南のアフリカでは、就学前の子供へのアジスロマイシンの年2回、2年間の配布により、小児死亡率は低下するものの、マクロライド耐性の増大という代償を要することが報告されている。また、より長期の年2回アジスロマイシン投与が、体内の抗菌薬耐性遺伝子の集積場所である腸レジストーム(gut resistome)に影響を及ぼすかは明らかにされていないという。4年投与の腸レジストームへの影響を評価するクラスター無作為化試験 研究グループは、アジスロマイシンの年2回の配布を4年間受けた小児の腸レジストームを調査する目的で、MORDOR試験の補助的研究としてクラスター無作為化試験を行った(Bill and Melinda Gates財団などの助成による)。 本試験には、MORDOR試験が進行中のニジェールで、同時試験として30の村落が登録された。生後1~59ヵ月の小児全員が、6ヵ月ごとに48ヵ月間アジスロマイシンを集団配布され、経口投与される群またはプラセボ群に無作為に割り付けられた。 腸レジストームを解析するために、ベースライン、36ヵ月、48ヵ月の時点で直腸スワブが採取された。これらの検体を用いて、メタゲノミクスに基づくDNAシークエンシングにより、耐性遺伝子の決定因子の評価が行われた。 主要評価項目は、48ヵ月の時点におけるアジスロマイシン群のプラセボ群に対する遺伝学的マクロライド耐性因子の比とした。β-ラクタム系の耐性因子も2.1倍に 24ヵ月の時点で1つの村落が試験を中止した。48ヵ月の期間全体における6ヵ月ごと計8回の投与の平均(±SD)服用率は、アジスロマイシン群(14村落)が83.2±16.4%、プラセボ群(15村落)は86.6±12%であった。ベースライン、36ヵ月、48ヵ月の時点を通じて、1村落当たり37±6人の小児から直腸検体が得られ、全試験期間中に3,232検体が採取された。 48ヵ月後の解析にはアジスロマイシン群の504検体(平均年齢31ヵ月、女児45%)とプラセボ群の546検体(32ヵ月、47%)が、36ヵ月後はそれぞれ513検体(31ヵ月、45%)と554検体(30ヵ月、46%)が、ベースラインは554検体(31ヵ月、48%)と561検体(31ヵ月、46%)が含まれた。 ベースラインのマクロライド耐性因子は両群で同程度であった。投与開始後のマクロライド耐性因子は、アジスロマイシン群がプラセボ群よりも多く、36ヵ月の時点で7.4倍(95%信頼区間[CI]:4.0~16.7)、8回の投与が終了した48ヵ月の時点では7.5倍(3.8~23.1)であった。 また、アジスロマイシン群では、36ヵ月の時点でマクロライド系以外のいくつかの抗菌薬の耐性因子が顕著に増加しており、たとえばβ-ラクタム系抗菌薬の耐性因子は2.1倍(95%CI:1.2~4.0)であった。これら36ヵ月の時点で耐性因子が増加していたマクロライド系以外の抗菌薬は、48ヵ月の時点では耐性因子がわずかに減少しており、いずれも未補正の95%CIの下限値が1未満であった。 著者は、「耐性の調査は、あらゆる薬剤の集団配布プログラムの本質的な要素であり、メタゲノミクスを用いたアプローチは耐性調査に有用な可能性がある」としている。

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75歳以上への脂質低下療法、心血管イベントの抑制に有効/Lancet

 脂質低下療法は、75歳以上の患者においても、75歳未満の患者と同様に心血管イベントの抑制に効果的で、スタチン治療とスタチン以外の脂質低下薬による治療の双方が有効であることが、米国・ハーバード大学医学大学院のBaris Gencer氏らの検討で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2020年11月10日号に掲載された。高齢患者におけるLDLコレステロール低下療法の臨床的有益性に関する議論が続いている。2018年の米国心臓病学会と米国心臓協会(ACC/AHA)のコレステロールガイドラインでは、高齢患者に対する脂質低下療法の推奨度が若年患者よりも低く、2019年の欧州心臓病学会(ESC)と欧州動脈硬化学会(EAS)の脂質異常症ガイドラインは、高齢患者の治療を支持しているが、治療開始前に併存疾患を評価するための具体的な考慮事項を追加している。75歳以上における主要血管イベントをメタ解析で評価 研究グループは、高齢患者におけるLDLコレステロール低下療法のエビデンスを要約する目的で、系統的レビューとメタ解析を実施した(研究助成は受けていない)。 医学データベース(MEDLINE、Embase)を用いて、2015年3月1日~2020年8月14日の期間に発表された論文を検索した。対象は、2018年のACC/AHAガイドラインで推奨されているLDLコレステロール低下療法の心血管アウトカムを検討した無作為化対照比較試験のうち、フォローアップ期間中央値が2年以上で、高齢患者(75歳以上)のデータを含む試験であった。心不全または透析患者だけを登録した試験は、これらの患者にはガイドラインで脂質低下療法が推奨されていないため除外した。標準化されたデータ形式を用いて高齢患者のデータを抽出した。 メタ解析では、LDLコレステロール値の1mmol/L(38.67mg/dL)低下当たりの主要血管イベント(心血管死、心筋梗塞/他の急性冠症候群、脳卒中、冠動脈血行再建術の複合)のリスク比(RR)を算出した。主要血管イベントの個々の構成要素のすべてで有益性を確認 系統的レビューとメタ解析には、スタチン/強化スタチンによる1次/2次治療に関するCholesterol Treatment Trialists' Collaboration(CTTC)のメタ解析(24試験)と、5つの単独の試験(Treat Stroke to Target試験[スタチンによる2次予防]、IMPROVE-IT試験[エゼチミブ+シンバスタチンによる2次予防]、EWTOPIA 75試験[エゼチミブによる1次予防、日本の試験]、FOURIER試験[スタチンを基礎治療とするエボロクマブによる2次予防]、ODYSSEY OUTCOMES試験[スタチンを基礎治療とするアリロクマブによる2次予防])の6つの論文のデータが含まれた。 合計29件の試験に参加した24万4,090例のうち、2万1,492例(8.8%)が75歳以上であった。このうち1万1,750例(54.7%)がスタチンの試験、6,209例(28.9%)がエゼチミブの試験、3,533例(16.4%)はPCSK9阻害薬の試験の参加者であった。フォローアップ期間中央値の範囲は2.2~6.0年だった。 LDLコレステロール低下療法により、高齢患者における主要血管イベントのリスクが、LDLコレステロール値の1mmol/L低下当たり26%有意に低下した(RR:0.74、95%信頼区間[CI]:0.61~0.89、p=0.0019)。これに対し、75歳未満の患者では、15%のリスク低下(0.85、0.78~0.92、p=0.0001)が認められ、高齢患者との間に統計学的に有意な差はみられなかった(pinteraction=0.37)。 高齢患者では、スタチン治療(RR:0.82、95%CI:0.73~0.91)とスタチン以外の脂質低下療法(0.67、0.47~0.95)のいずれもが主要血管イベントを有意に抑制し、これらの間には有意な差はなかった(pinteraction=0.64)。また、高齢患者におけるLDLコレステロール低下療法の有益性は、主要血管イベントの個々の構成要素のすべてで観察された(心血管死[0.85、0.74~0.98]、心筋梗塞[0.80、0.71~0.90]、脳卒中[0.73、0.61~0.87]、冠動脈血行再建術[0.80、0.66~0.96])。 著者は、「これらの結果は、高齢患者におけるスタチン以外の薬物療法を含む脂質低下療法の使用に関するガイドラインの推奨を強化するものである」としている。

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