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片頭痛に対する生物学的製剤のレビュー

 カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を標的とするモノクローナル抗体は、片頭痛の予防に効果があるといわれている。CGRPモノクローナル抗体であるeptinezumab、 erenumab、fremanezumab、ガルカネズマブは、臨床試験において有効性と良好な安全性および忍容性プロファイルを示している。erenumabは、完全ヒトモノクローナル抗体であるが、他の薬剤はヒト化モノクローナル抗体であり、これらの薬剤は免疫反応を引き起こす可能性がある。米国・テバファーマスーティカルのJoshua M. Cohen氏らは、CGRPモノクローナル抗体と免疫原性との関係、それらの潜在的な臨床的意義についてレビューを行った。The Journal of Headache and Pain誌2021年1月7日号の報告。 主な結果は以下のとおり。・抗薬物抗体(ADA)の発生率、その力価、臨床的重要性は、非常に多様であり、薬剤間および患者要因に依存する。・中和抗体(NAB)は、生物学的製剤に結合し、その薬理活性を阻害または低下させるが、非NABは、薬理活性に影響を及ぼすことなく生物学的製剤に結合することがin vitroの試験において認められている。ただし、薬物動態や薬剤のクリアランスが影響を受ける可能性がある。・標準化されたアッセイがないため、異なる生物学的製剤を用いた臨床試験全体の免疫原性に関するデータを直接比較することができない。・片頭痛予防に対するCGRPモノクローナル抗体を評価した第II相、第III相試験および長期試験には、免疫原性に関するデータが報告されている(各薬剤で5件ずつ)。・これらの研究全体で、ADAの発生率は1%未満~18%の範囲で変動していた。・NABは、一般的とはいえず、発生率は0~12%の範囲であった。・ADA形成に関連する有害事象は、まれであった。 著者らは「より多くのCGRPモノクローナル抗体の研究が実施され、長期のフォローアップデータが利用可能になれば、片頭痛に対する生物学的製剤による治療は、免疫原性の発生率が低く、ADAに関連する有害事象がまれであることを示すエビデンスが増加し、安全性や忍容性が明らかになるであろう」としている。(2月9日12:00 記事の一部を修正いたしました)

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双極性障害に合併した強迫症状に対するアリピプラゾール増強療法

 双極性障害の薬物治療における第1選択薬の1つであるアリピプラゾールは、セロトニン再取り込み阻害薬耐性の強迫症(OCD)患者の臨床症状に対する有効性が示唆されている。そのため、OCDを合併した双極性障害患者では、気分安定薬にアリピプラゾールを併用にすることにより、より良い治療結果をもたらす可能性がある。イタリア・トリノ大学のGabriele Di Salvo氏らは、OCDを合併した寛解期双極性障害患者の強迫症状を治療するために、リチウムまたはバルプロ酸にアリピプラゾールを併用した際の有効性および安全性を検討した。Medicina誌2020年12月24日号の報告。 本研究は、12週間のプロスペクティブ観察研究である。強迫症状に対するアリピプラゾールの有効性は、Yale-Brown強迫観念・強迫行為尺度(Y-BOCS)合計スコアの平均変化で評価した。忍容性は、UKU副作用評価尺度、自己報告の有害事象により評価した。 主な結果は以下のとおり。・分析対象は、70例であった。・試験離脱率は21.4%であり、主な理由は有害事象によるものであった。・試験完了患者55例におけるアリピプラゾールの平均投与量は、15.2±5.3mgであった。・Y-BOCS平均スコアは、ベースライン時の24.0±4.1から12週間後の17.1±4.3へと減少が認められた。・Y-BOCSスコア35%以上の低下と定義した治療反応率は41.8%であったが、部分反応(Y-BOCSスコア低下が25~35%)患者が18.2%存在した。・全体として、試験完了患者の91.4%で1つ以上の有害事象が認められた。主な有害事象は、振戦、緊張や内面的不安、睡眠時間の短縮、アカシジアであった。・リチウムまたはバルプロ酸で治療された患者と比較し、アリピプラゾールの有効性および忍容性に有意な差は認められなかった。 著者らは「リチウムまたはバルプロ酸へのアリピプラゾール増強療法は、実臨床における寛解期双極性障害患者の強迫症状軽減に有用であることが示唆された」としている。

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代謝改善手術、2型糖尿病で長期効果が明らかに/Lancet

 2型糖尿病患者の長期管理において、代謝改善手術(metabolic surgery)は従来の内科的治療と比較して、10年時の糖尿病寛解率が高く、糖尿病関連合併症も少ないことが、イタリア・Fondazione Policlinico Universitario Agostino Gemelli IRCCSのGeltrude Mingrone氏らの検討で示された。研究の成果は、Lancet誌2021年1月23日号に掲載された。従来の肥満減量手術(bariatric surgery)の観察研究では、糖尿病の寛解が長期に持続する可能性が示唆されているが、これらの知見を2型糖尿病の広範な患者集団に外挿することは困難だという。また、これまでに、2型糖尿病への代謝改善手術の無作為化対照比較試験で、5年を超えるデータは得られていなかった。単施設の無作為化対照比較試験の10年の結果 本研究は、2型糖尿病患者の管理において、代謝改善手術と内科的治療+生活様式への介入の有用性を比較する単施設(イタリア、ローマ市の3次病院)の非盲検無作為化対照比較試験であり、今回は10年間のフォローアップの結果が報告された(イタリアFondazione Policlinico Universitario Agostino Gemelli IRCCSの助成による)。 対象は、年齢30~60歳、BMI≧35で、5年以上持続する2型糖尿病が認められ、糖化ヘモグロビン(HbA1c)値≧7.0%の患者であった。被験者は、内科的治療、腹腔鏡下Roux-en-Y胃バイパス術(RYGB)、開胸的胆膵路転換術(BPD)を受ける群に、1対1対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要エンドポイントは、2年の時点での糖尿病寛解(HbA1c<6.5%、空腹時血糖値<5.55mmol/L、継続的な薬物療法を1年以上受けていない)とされた。intention to treat(ITT)集団で、10年の時点での糖尿病寛解の持続性を解析した。再発例も10年後に良好な血糖コントロール達成 2009年4月30日~2011年10月31日の期間に60例が登録され、3つの群に20例ずつが割り付けられた。平均年齢は、内科的治療群43.5歳、BPD群43.6歳、RYGB群43.9歳、女性がそれぞれ50.0%、50.0%、60.0%であった。平均BMIは、44.6、44.4、44.2、HbA1cは8.5%、8.9%、8.6%だった。 57例(95.0%)が10年のフォローアップを終了した。ITT解析には58例(内科的治療群18例、BPD群20例、RYGB群20例)が含まれた。 外科的治療を受けた患者40例のうち、15例(37.5%)が10年を通じて糖尿病寛解を維持していた。ITT集団における10年寛解率は、内科的治療群が5.5%(95%信頼区間[CI]:1.0~25.7、手術へクロスオーバー後に寛解を達成した1例を含む)、BPD群は50.0%(29.9~70.1)、RYGB群は25.0%(11.2~46.9、p=0.0082)であった。 2年の時点で寛解を示した34例中20例(58.8%)で、フォローアップ期間中に高血糖の再発が認められた(BPD群52.6%[95%CI:31.7~72.7]、RYGB群66.7%[41.7~84.8])。しかしながら、これらの再発例はすべて、10年の時点で適切な血糖コントロールが維持されていた(平均HbA1c:6.7%[SD 0.2])。 また、BPD群およびRYGB群は、内科的治療群に比べ糖尿病関連合併症が少なかった(相対リスク:0.07、95%CI:0.01~0.48)。 重篤な有害事象の頻度はBPD群で高かった(BPD群の内科的治療群に対するオッズ比[OR]:2.7[95%CI:1.3~5.6]、RYGB群の内科的治療群に対するOR:0.7[95%CI:0.3~1.9])。 著者は、「代謝改善手術を受けた患者の3分の1以上が米国糖尿病学会の糖尿病治癒の定義(薬物療法を必要とせずに高血糖の寛解が5年以上持続)を満たした。これは、2型糖尿病は治癒可能な疾患であること示している」とし、「臨床医と施策立案者は、肥満および2型糖尿病患者の管理において、代謝改善手術が適切に考慮されるようにすべきだろう」と指摘している。

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第41回 入院拒否者に50万円以下の過料など、改正感染症法が成立

<先週の動き>1.入院拒否者に50万円以下の過料など、改正感染症法が成立2.緊急提言「定期受診をやめないで」/日医・日本循環器連合3.75歳以上の高齢者、年収200万円以上は窓口負担2割導入へ4.医療従事者に対するいわれなき差別にNO!/日医5.健診データの共有など、民間PHRの利活用を推進6.広がらぬセルフメディケーション、新しく設立された有識者会議1.入院拒否者に50万円以下の過料など、改正感染症法が成立新型コロナウイルス対策を強化する改正特別措置法など関連法が、3日の参院本会議で可決、成立した。改正感染症法では、入院拒否者に50万円以下(疫学調査拒否者に30万円以下)の過料を、改正特措法により、営業時間短縮命令を拒んだ事業者に対して、緊急事態宣言下で30万円以下(まん延防止等重点措置では20万円以下)の過料を科すことになる。当初は刑罰が検討されていたが、政府・与党は早期成立のため、野党との修正協議にて、罰則の軽減がなされた。この法律の施行に伴う関係政令の整備のため募集されたパブリックコメントによると、「まん延防止等重点措置を集中的に実施すべき事態におけるまん延防止のために必要な措置として、従業員に対する検査受診の勧奨、手指の消毒設備の設置や従業員に対する検査受診の勧奨など」が求められている。(参考)手指消毒できない店に過料も 特措法政令案の概要公表(朝日新聞)「新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令案」に対する意見の募集(パブリックコメント)について(e-GOV)2.緊急提言「定期受診をやめないで」/日医・日本循環器連合日本医師会と日本循環器学会などを中心とする日本循環器連合は、新型コロナウイルス感染拡大下でも受診控えをしないよう、国民に向けて連名で緊急声明を発出した。現在、緊急治療を要する急性心筋梗塞、急性心不全、致死性不整脈、肺塞栓症などの緊急対応ができなくなっている地域や医療機関が増えている一方、治療中断や受診抑制によって、持病の心臓血管病が悪化する患者が増えているという。緊急医療の提供体制を維持するために、より一層新型コロナウイルス感染予防への留意と慎重な行動をするとともに、現在治療中の患者に向けて継続的な受診と治療を呼び掛けている。(参考)新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言下の心血管病診療に関する緊急声明(日本医師会・日本循環器連合)3.75歳以上の高齢者、年収200万円以上は窓口負担2割導入へ菅内閣は5日、75歳以上で年収200万円以上の人は、医療費の窓口負担を2割に引き上げることを閣議決定した。本国会での成立を目指し、2022年の後半に施行される見通し。現在、75歳以上の後期高齢者の窓口負担は原則1割で、年収383万円以上の人は3割負担だが、今回の制度変更により、単身世帯で年収200万円以上、複数人世帯で75歳以上の年収合計が320万円以上であれば負担割合を1割から2割に引き上げられる。75歳以上の2割に当たる約370万人が対象となる見込み。今後の高齢者の医療費増を見据えた動きだが、収入の大半を年金に頼る高齢者にとっては負担増大であり、受診抑制が進む懸念が残る。(参考)年収200万円以上、2割負担に 75歳以上医療費で法案決定―政府(時事通信)令和3年2月5日付大臣会見概要(厚労省)4.医療従事者に対するいわれなき差別にNO!/日医日本医師会は、3日の定例記者会見にて、医療従事者などへの差別や風評被害に関する調査結果を発表した。これによると、寄せられた698件の差別や風評被害のうち、「医師以外の医療従事者」(主に看護師)に対するものが277件(40%)と最多。次が「医療機関」で268件(38%)、「医師または医療従事者の家族」は112件(16%)だった。城守 国斗常任理事は、「今回の調査結果で、医療従事者などに対していわれなき差別が見られたことを問題視し、引き続き公式YouTubeなどで、医療従事者が国民の生命と健康を守るため、過酷な環境下で仕事をしていることに理解を求める動画の配信を行っていくとともに、国に対しても対応を要望する」と明らかにした。(参考)恫喝や暴言も、医療者への風評被害の実態/日医(ケアネット)医療従事者等に対するいわれなき差別の実態について(日医)「近寄らないで」看護師らへの差別698件 医師会発表(朝日新聞)5.健診データの共有など、民間PHRの利活用を推進厚労省の健康・医療・介護情報利活用検討会の健診等情報利活用ワーキンググループ民間利活用作業班が2月3日に開催された。そこで、民間PHR(Personal Health Record)サービスの利用実態や安全性について、個人を対象とした利用者へのアンケート調査結果が公表された。これによると、PHRの知名度は66.7%が「まったく知らない」と回答しており、現在利用されているアプリは、「お薬手帳」「COCOA」「フィットネス」が多かった。サービスの利用者はアプリケーション自体のユーザビリティを高く評価し、また利用による健康意識や安心を実感していることが明らかになった。一方、個人情報の漏えいに対する不安がある人は、利用したことがある人の約半数に上った。今後、マイナンバーの活用とともに、PHRによってデータが利用される場面が広がっていくと考えられ、現場の医療従事者も患者が利用するような主なサービスについて知っておく必要があるだろう。(参考)民間PHRサービス利用者へのアンケート調査結果等民間事業者間の健診情報連携「拡大に努めるべき」事務局が作業班報告書の記載事項案提示(CBnewsマネジメント)6.広がらぬセルフメディケーション、新しく設立された有識者会議厚労省は3日に第1回セルフメディケーション推進に関する有識者検討会の初会合を開催した。昨年12月に閣議決定された政府税制改正大綱においては、セルフメディケーション税制について、対象をより効果的なものに重点化し、手続きを簡素化した上で5年延長することが打ち出されている。このため、対象医薬品について、スイッチOTCから医療費適正化効果が低いと認められるものを除外し、スイッチOTC以外の一般用医薬品などで医療費削減効果が著しく高いと認められるもの(3薬効程度)を対象に加えることとされた。今後、セルフメディケーション税制の対象医薬品の範囲および今後の医療費削減効果などの検証方法を議論することになる。適応範囲によっては、医療の受診動向にも影響が出る可能性がある。(参考)【厚労省検討会】セルフM税制、対象見直しで議論‐鼻炎薬など求める意見多く(薬事日報)資料 第1回セルフメディケーション推進に関する有識者検討会(厚労省)令和3年度税制改正の大綱の概要(令和2年12月21日閣議決定)(総務省)

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優秀だけど給与高く圧強め…、そのスタッフ雇用継続すべき?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第11回

第11回 優秀だけど給与高く圧強め…、そのスタッフ雇用継続すべき?漫画・イラスト:かたぎりもとこ医業承継の買い手の方からしばしばある質問が「現状のスタッフを雇用継続すべきでしょうか?」というものです。弊社の成約実績を基にした調査では、雇用継続するケースが8割以上となっています。雇用を継続する主な理由は、下記の3点です。(1)即戦力となるスタッフに残ってもらうことで、院内フローや規定などをゼロから構築する必要がなく、安定した医院運営が可能になる(2)一定数の患者がスタッフに付いている(スタッフが変わった場合の患者離反が不安)(3)スタッフを新規採用できるかどうかが不安一方で、雇用を継続しない、という選択の背景には、主に下記の2点があります。(1)スタッフ間の人間関係が悪化しており、改善策が見いだせない(2)スタッフの給与水準が高く、経営を圧迫する。もしくは(医療法人が買い手となった際は)本院と人件費の水準が合わない(1)人間関係の悪化スタッフ間の人間関係の把握に際しては「スタッフ内のキーパーソン」を知ることが重要です。キーパーソンの影響によって人間関係が悪化しているケースも存在するので、売り手の院長や複数のスタッフから、各人の評価を確認して判断する必要があります。(2)給与水準もう1つの要因である給与水準の問題も重要です。たとえば、看護師の場合、30代前半の看護師の平均年収は476万円である一方、50代後半の看護師の平均年収は534万円となっています1)。医院の引き継ぎを行う場合、院長が引退する年齢の診療所では、スタッフも40~50代のベテラン層が多くなります。経営者としては、こうした固定費の水準をきちんと認識しておく必要があります。給与に見合う能力があれば問題ありませんが、場合によっては、引き継ぎ前にスタッフと面談し、給与条件の変更を伝え、無理のない給与に設定し直すことも必要となるでしょう。参考1)令和元年賃金構造基本統計調査/厚生労働省

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治療が変わる!希少疾病・難病特集 ~血友病~

かつて第VIII因子(FVIII)製剤投与が中心だった血友病治療だが、FVIII製剤には「短い半減期」、あるいは「インヒビターの出現」という問題の存在が明らかとなった。そのため、半減期を延長したFVIII製剤(アディノベイト)が登場すると同時に、FVIII補充ではなく、別機序でFVIII活性を補う、抗活性型第IX因子(FIXa)/第X因子(FX)バイスペシフィック抗体のエミシツマブ(ヘムライブラ)が開発され、今日、世界で頻用されている。これに続く新薬として現在、以下のように、単鎖干渉(si)RNA核酸医薬と抗TFPI抗体、遺伝子治療薬の3種類の開発が進んでいる。siRNA核酸医薬としては、肝臓におけるアンチトロンビンを標的とするフィツシラン(fitusiran)が、唯一、臨床応用に向けて開発が進んでいる。第II相試験における脳静脈洞血栓症による死亡1例を受け、2017年9月に試験中止となるも同年12月の再開を経て、現在は "ATLASプログラム"という複数の第III相試験が進んでおり、2021年上半期には終了予定だという [Sanofi Press Relase 2020 June 19 ] 。抗TFPI抗体は、アンチトロ ンビンと並ぶ主要な抗凝固因子であるTFPI(組織因子経路インヒビター)の阻害を介して止血を改善する。コンシズマブ(concizmab)が先頭を切って第III相試験に入ったが、2020年3月には3例で非致死性血栓塞栓症が報告されたため試験は中止。同年8月には再開されたものの、終了予定時期は明らかにされていない [Novo Nordisk Press Release 2020 Aug. 13] 。あとを追っていたBAY1093884は、第II相試験が血栓症増加のため中止となり [THSNA2020抄録]、2019年9月に安全性を理由とした開発中止が発表された [2019 Bayer Annual Report] 。一方、マルスタシマブ(marstacimab [PF-06741086])は第II相試験で血栓症を含む重篤有害事象が観察されなかったため、2020年11月、第III相試験が開始された。終了予定時期は不明である [Pfizer Press Rleasae 2020 Nov 23]。遺伝子治療の研究も進んでおり、血友病の原因である「血液凝固因子の異常」そのものへの介入を試みられている。 Fidanacogene elaparvovec(PF-06838435)は、血友病B患者に対する第IX因子遺伝子導入薬であり、2018年7月に第III相試験が始まっている [Pfizer Press Release 2018 Jul 16] 。血友病Aに対しては、第VIII因子遺伝子を導入するvaloctocogene roxaparvovec(BMN 270)が今年に入り、第III相試験の予備解析による有意な有用性を報告した [BioMarin Press Release 2021 Jan 10] 。追いかける形となったSPK-8011もすでに予備的第III相試験が走っており、2021年中には本格的な第III相試験が始まる予定である [Spark Therapeutics Press Release 2020 Jul 12] 。

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治療が変わる!希少疾病・難病特集 ~潰瘍性大腸炎~

潰瘍性大腸炎の治療は従来、5-ASA製剤と免疫抑制剤に不応であれば、TNFα抗体が用いられてきた。しかしTNFα抗体不応例も少なくないため、現在、TNF-α以外の経路に介入して炎症を抑制すべく、以下のような薬剤の開発が進められている。まず注射剤としては、IL-23p19モノクローム抗体のリサンキズマブである。中等症以上の活動性潰瘍性大腸炎を対象に、維持療法としての有用性を検討する第III相試験が、2013年末の終了を目指してわが国で進行中である [参考] 。同じくIL-23阻害剤のグセルクマブも、同様の第IIb/III相試験が国内で走っており、'24年夏の終了を見込んでいる。同様にミリキズマブでも第III相試験が進んでいるが、終了予定時期不明である[参考]。一方、IL-36モノクローム抗体のSpesolimabは、中等症以上の活動性潰瘍性大腸炎を対象とした第II/III相試験が2020年3月に終了している [NCT03482635]。新規免疫抑制剤の開発も進んでいる。TLR9アゴニストであるコビトリモド(cobitolimod)は治療抵抗性左側潰瘍性大腸炎を対象とした第IIb相試験で、プラセボに比べ、臨床的寛解が有意に多かった [Lancet GH 2020; 5: 1063]。経口薬では、JAK阻害薬と抗α4β7インテグリン抗体製剤が先頭を走っている。まずJAK阻害薬のウパダシチニブは、中等症以上例を対象とした第III相試験において、プラセボを上回る臨床的寛解が得られた [Abbvi Press Release 2020 Dec. 24] 。フィルゴチニブも現在、第III相試験が進んでいる[Gilead Press Release 2020 May 20]。一方抗α4β7インテグリン抗体製剤であるベドリズマブは、中等症以上の活動期潰瘍性大腸炎患者において、アダリアマブを上回る臨床的寛解率がすでに報告されている [NEJM 2019; 381:1215] 。なお、ベドリズマブと異なり、経口投与が可能なカロテグラストメチル(AJM300)は本年1月、第III相試験においてプラセボを上回る臨床的寛解率を達成したと公表された [Kissei Press Release 2021 Jan 13]。消化管へのリンパ球動員抑制を介した抗炎症作用が期待されるスフィンゴシン-1-リン酸(S1P1)受容体1、5アゴニストは、オザニモド(RPC1063)による寛解率がプラセボを上回り [NEJM 2016; 374: 1754]、寛解例を延長介入した試験も昨年10月に終了したが、本年になり長期間の寛解維持作用が報告された [Sandborn WJ et al. J Crohns Colitis. 2021 Jan 13]。またIL-12や23情報系を下流でブロックするチロシンキナーゼ 2(TYK2)の阻害剤は現在、BMS-986165を用いた第II相試験が始まっており、2023年夏に終了予定である [NCT03934216] 。また、すでに注腸製剤として潰瘍性大腸炎に用いられているブデソニドは、経口投与による有用性も検討されており、メサラジンに対する非劣性を調べたわが国における第III相試験が、2020年5月に終了している [NCT03412682] 。

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治療が変わる!希少疾病・難病特集 ~パーキンソン病~

今日でも、パーキンソン病治療に対する薬物治療のメインは「ドパミン受容体の活性化」による運動症状の改善である。そのため基本的にドパミン前駆物質(レポドパ製剤)や直接的ドパミン受容体刺激薬、あるいはドパミン分解阻害薬が用いられてきた。これまでドパミン分解酵素であるMAO-Bの阻害薬としてはセレギリンとラサギリンが用いられてきたが、2019年11月、サフィナミド(エクフィナ)が新たに用いうるようになった。サフィナミドの特徴は、「脳内グルタミン酸放出抑制作用」という非ドパミン作用をあわせ持つ点である。このため、レポドパ製剤への併用により"wearing off" 現象の抑制が期待されている。一方、レポドパ製剤の代謝酵素であるCOMTを阻害する薬剤としては、2020年8月、オピカポン(オンジェンティス)が加わった。COMT阻害薬初の長時間作用型であり、1日1回服用を可能にした。ドパミンアゴニストとしては2種の新薬が登場した。一つは非麦角系ドパミンアゴニストである "KDT-3594" である。D 2 /D 3 受容体刺激のバランスを調節し、有効性を損なわず有害事象減少を目指していると思われる [参考] 。現在、第II相試験が走っている [KISSEI’s Company Profile 2020 Feb.] 。もう一つの新たなドパミンアゴニストは、ロピニロールの貼付剤ハルロピである。これまで唯一の貼付剤だったニュープロパッチよりも、作用時間が長い。一方、レポドパ製剤による"wearing off" 現象そのものの抑制を目的とする薬剤の開発も進んでいる。"PF-05251749"はその一つで、レポドパ製剤への併用により、中枢神経系透過性低分子カゼインキナーゼ1(CK1)阻害を介した、概日リズムの維持を目指す。すでに第Ia相試験は、2020年に終了している [Biogen Press Release] 。これら薬剤を用いた介入に加え近年、遺伝子導入による運動症状の改善を目指す試みも進んでいる。2011年3月には、2型アデノ随伴ウイルス(AVV -2)用いた、GAD(GABA合成酵素)の視床下核移植による運動症状改善が、ランダム化二重盲検試験の結果として報告された [Lancet Nerol 2021; 10: 309] 。また2019年には第 I 相試験だが、AADCコードDNAをAVV-2ベクターを用いて被殻に移植した結果、運動機能とQOLの改善が報告されている [Ann Neurol 2019; 85: 704] 。これら遺伝治療には安全性の懸念がつきまとうが、2014年に短期有用性が報告された [Lancet 2014, 383: 1138]、3種のドパミン合成酵素をコードしたProSavinベクター線条体移植は、4年間継続後も安全性と有効性が確認されている [Hum Gene Ther Clin Dev. 2018; 29: 148] 。なお、パーキンソン病に伴う日中の過度の眠気に対しては、モダフィニルとフレカイニド(抗不整脈薬)の配合剤である"THN102"、ヒスタミン3受容体拮抗剤 "Bavisant" を用いた第II相試験がそれぞれ[NCT03624920、NCT03194217]、すでに終了している。これ以外にも、運動症状以外のパーキンソン病随伴症状をターゲットとした創薬は進められている。

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第34回 数値で測定できないデータの標準偏差とは?【統計のそこが知りたい!】

第34回 数値で測定できないデータの標準偏差とは?ある薬剤の効果に関する試験を行った結果、得られたデータの散らばりの程度を数値で示すことができれば、その値を比較することによって薬剤を評価することができます。その散らばりの程度を示す数値のことを「標準偏差(standard deviation:SD)」と言います。標準偏差は平均値と比べて、「どれだけばらついているか?」「差が大きいか?」を求めた数値で、最小値がゼロ、データの「バラツキの程度」が大きいほど値は大きくなります。この標準偏差は、数量データで用いることが多いイメージですが、数値で測定できないデータ(カテゴリーデータ)でも算出できます。今回は、カテゴリーデータの標準偏差について解説します。■カテゴリーデータの標準偏差の公式データには、大きく分けて、数量データとカテゴリーデータがあります。・数量データ:数値として足したり引いたりできるデータ(例:血圧値、体温)・カテゴリーデータ:数値で測定できないデータ(例:喫煙の有無、性別)たとえば、問診票などの「喫煙あり、喫煙なし」の2値のカテゴリーデータは「1、0」データに変換することにより、下記の公式で標準偏差を求めることができます。 表1のデータは、ある問診票の「喫煙あり、喫煙なし」を調べたものです。このデータを喫煙あり:1、喫煙なし:0の「1、0」データに変換したときの分散と標準偏差を求めてみましょう。表1 問診表の喫煙の有無のデータ 喫煙している人の割合は、全体5人に対して3人なので、 3÷5=0.60.6を前述の公式に当てはめると 分散=0.6(1-0.6)=0.24 標準偏差=√0.24=0.49となります。ちなみに、公式を使わずに計算すると表2のように、データの平均値は0.6、分散は0.24になりました。表2 表による喫煙の有無の標準偏差の算出 標準偏差も計算すると0.49となり、公式を使用した場合と同じ計算結果になります。■カテゴリーデータに関する留意点上記の問題のように、「喫煙あり・喫煙なし」や「男・女」などで評価されたカテゴリーデータの基準を「名義尺度」と言います。大小関係はなく、お互いを比較する際に同じであるかどうかだけが重要となります。カテゴリーデータを評価する基準にはもう1つあり、それを「順序尺度」と言います。たとえば、治療満足度を患者さんに聞いて、「満足・やや満足・どちらともいえない・やや不満・不満」というように5段階で評価されたデータです。このような順序尺度は比較する際、同じであるかどうかに加えて、大小関係も有するデータとなります。■さらに学習を進めたい人にお薦めのコンテンツ統計のそこが知りたい!第1回 「標準偏差」と「標準誤差」の使い分けは「わかる統計教室」第3回 理解しておきたい検定セクション2 量的データは平均値と中央値を計算せよセクション3 データのバラツキを調べる標準偏差

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新型コロナ、20歳未満は感染しにくいが感染させやすい

 新型コロナウイルスの家庭内感染の調査から、20歳未満の若年者は高齢者より感染しにくいが、いったん感染すると人にうつしやすいことが、中国・武漢疾病予防管理センターのFang Li氏らの後ろ向き研究で示唆された。また感染力は、症状発現前の感染者、症状発現後の感染者、無症状のままだった感染者の順で高かった。Lancet Infectious Diseases誌オンライン版2021年1月19日号に掲載。 本研究は、2019年12月2日~2020年4月18日に検査もしくは臨床的に確認されたCOVID-19症例と、検査で確認された無症状の感染者の家庭内感染について、後ろ向きに調査したコホート研究。本研究での家庭内感染とは、家族および必ずしも同居していなかった近親者も含めたものとし、共通接点を共有する家庭は疫学的な関連があるとみなした。統計学的伝達モデルを用いて家庭内2次感染率を推定し、他者への感染力と感染感受性に関連する危険因子を定量化した。さらに介入政策による家族内感染への影響も調べた。 主な結果は以下のとおり。・1次感染者2万9,578例を有する2万7,101世帯と家庭内接触者5万7,581人を特定した。・平均潜伏期間を5日、最大感染期間を22日と仮定した場合、推定される2次発病率は15.6%(95%信頼区間[CI]:15.2~16.0)であった。・60歳以上は他の年齢層よりも感染リスクが高かった。・0〜1歳では、2〜5歳(オッズ比[OR]:2.20、95%CI:1.40~3.44)および6〜12歳(OR:1.53、95%CI:1.01~2.34)に比べて感染リスクが高かった。・曝露時間が同じ場合、20歳未満の若年者は60歳以上よりも他者にうつすリスクが高かった(OR:1.58、95%CI:1.28~1.95)。・無症状のままだった感染者は症状のある感染者より他者にうつすリスクが低かった(OR:0.21、95%CI:0.14~0.31)。・症状が発現した感染者では、症状発現前のほうが発現後よりも他者にうつすリスクが高かった(OR:1.42、95%CI:1.30~1.55)。・2次発病率と推定家庭内再生産数(感染者が感染させうる家庭内接触者数の平均)は、軽症患者の多くが自宅で隔離されていた2020年1月24日~2月10日は、1月24日以前とほぼ変わらなかった。しかし、感染者の集団隔離・家庭内接触者からの隔離・移動制限が実施された2月11日以降、家庭内再生産数は1次感染では0.25(95%CI:0.24~0.26)から0.12(同:0.10~0.13)と52%減少し、2次感染では0.17(同:0.16~0.18)から0.063(同:0.057~0.070)と63%減少した。 著者らは、「子供が感染すると家族に感染させるリスクがあるため、学校再開を決定する際は子供たちの高い感染力を慎重に検討する必要がある。また、乳児の感染しやすさを考えると保護者へのワクチン接種が優先されるべき」としている。

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統合失調症患者に対する補助的ヨガトレーニング

 統合失調症患者の認知機能障害改善に対するヨガトレーニングの許容性および有効性に関連する要因を特定するため、インド・Dr. Ram Manohar Lohia HospitalのTriptish Bhatia氏らは、検討を行った。Acta Neuropsychiatrica誌オンライン版2020年12月9日号の報告。 インド人統合失調症患者の認知機能に対するヨガトレーニングの影響を検討した2つの臨床試験でのデータを分析した。分析に使用した臨床試験は、21日間のランダム化比較試験(286例、3、6ヵ月のフォローアップ)および21日間の非盲検試験(62例)であった。ヨガトレーニング後の認知機能(注意力、顔の記憶)改善とベースライン特性(年齢、性別、社会経済状況、教育状況、教育期間、症状重症度)との関連を調査するため、多変量解析を用いた。許容性に関連する要因は、スクリーニングされた参加者と試験に登録された参加者、試験完了者と非完了者の人口統計学的変数を比較することで特定した。 主な結果は以下のとおり。・試験に登録された参加者は、スクリーニング時に試験を拒否した参加者よりも年齢が若かった(t=2.952、p=0.003)。・試験への登録または完了に関連する他の特性は認められなかった。・有効性に関しては、顔の記憶の尺度において、認知機能の改善効果および持続性と教育期間との関連が認められた。・その他のベースライン特性とヨガトレーニングとの関連は認められなかった(148例)。 著者らは「若年の統合失調症患者では、ヨガトレーニングは許容される。また、心理社会的特性の個人差も認められず、特定の認知機能改善に役立つであろう。そのため、統合失調症患者の補助療法として、ヨガトレーニングを組み込むことは有用であると考えられる。重要な点として、ヨガトレーニングは、すべての年齢の統合失調症患者の認知機能を改善する可能性があることが挙げられる」としている。

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悪性胸膜中皮腫の1次治療、ニボルマブ+イピリムマブがOS改善/Lancet

 未治療の切除不能な悪性胸膜中皮腫(MPM)の治療において、ニボルマブ+イピリムマブ療法は標準的化学療法と比較して、全生存(OS)期間を4ヵ月延長し、安全性プロファイルは同程度であることが、オランダ・ライデン大学医療センターのPaul Baas氏らが行った「CheckMate 743試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌2021年1月30日号で報告された。MPMの承認済みの全身化学療法レジメンは、生存に関する有益性は中等度であり、転帰は不良だという。ニボルマブ+イピリムマブ療法は、非小細胞肺がんの1次治療を含む他の腫瘍で臨床的有益性が示されている。日本を含む21ヵ国103施設が参加する無作為化第III相試験 本研究は、ニボルマブ+イピリムマブ療法はMPMのOSを改善するとの仮説の検証を目的とする非盲検無作為化第III相試験であり、2016年11月~2018年4月の期間に、日本を含む21ヵ国103施設で患者登録が実施された(Bristol Myers Squibbの助成による)。 対象は、年齢18歳以上、未治療の組織学的に確定された切除不能MPMで、全身状態(ECOG PS)が0/1の患者であった。 被験者は、ニボルマブ(3mg/kg、2週ごと、静脈内投与)+イピリムマブ(1mg/kg、6週ごと、静脈内投与)を投与する群(最長2年間)、またはプラチナ製剤(シスプラチン[75mg/m2、静脈内投与]またはカルボプラチン[AUC=5mg/mL/分、静脈内投与])+ペメトレキセド(500mg/m2、静脈内投与)を3週ごとに投与する群(最大6サイクル)(化学療法群)に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要評価項目はOS期間(無作為化から全死因死亡の日まで)とした。副次評価項目は、無増悪生存(PFS)期間、客観的奏効率、奏効期間などであった。安全性の評価は、少なくとも1回の投与を受けた全患者で行った。PFS期間、客観的奏効率は同程度 605例が登録され、ニボルマブ+イピリムマブ群に303例、化学療法群には302例が割り付けられた。全体の年齢中央値は69歳(IQR:64~75)、467例(77%)が男性であった。また、456例(75%)が上皮型MPMだった。 事前に規定された中間解析(データベースロック日:2020年4月3日、フォローアップ期間中央値:29.7ヵ月[IQR:26.7~32.9])では、OS期間中央値は、ニボルマブ+イピリムマブ群が18.1ヵ月(95%信頼区間[CI]:16.8~21.4)と、化学療法群の14.1ヵ月(12.4~16.2)と比較して有意に延長した(ハザード比[HR]:0.74、96.6%CI:0.60~0.91、p=0.0020)。また、1年OS率は、ニボルマブ+イピリムマブ群が68%(95%CI:62.3~72.8)、化学療法群は58%(51.7~63.2)であり、2年OS率はそれぞれ41%(35.1~46.5)および27%(21.9~32.4)だった。 シスプラチン(13.7ヵ月)とカルボプラチン(15.0ヵ月)で、OS期間中央値に差はみられなかった。また、OS期間のHR(化学療法群との比較)は、非上皮型(0.46、95%CI:0.31~0.68)が上皮型(0.86、0.69~1.08)よりも良好であったが、OS期間中央値(非上皮型18.1ヵ月vs.上皮型18.7ヵ月)には組織型の違いによる差はなかった。 PFS期間中央値は両群でほぼ同等であった(ニボルマブ+イピリムマブ群6.8ヵ月、化学療法群7.2ヵ月、HR:1.00、95%CI:0.82~1.21)が、2年PFS率はニボルマブ+イピリムマブ群で高かった(16% vs.7%)。 客観的奏効率は、ニボルマブ+イピリムマブ群が40%、化学療法群は43%であり、ニボルマブ+イピリムマブ群で完全奏効(CR)が5例(2%)に認められた。病勢コントロール率(CR+部分奏効[PR]+安定[SD])は、ニボルマブ+イピリムマブ群が77%、化学療法群は85%で、奏効までの期間中央値はそれぞれ2.7ヵ月および2.5ヵ月であった。また、奏効期間中央値は、それぞれ11.0ヵ月および6.7ヵ月だった。 Grade3/4の有害事象は、ニボルマブ+イピリムマブ群が30%(91/300例)、化学療法群は32%(91/284例)で報告された。治療関連死は、ニボルマブ+イピリムマブ群が3例(1%、肺臓炎、脳炎、心不全)、化学療法群は1例(<1%、骨髄抑制)で発現した。 著者は、「これらの知見は、未治療の切除不能MPMの治療における、画期的医薬品(first-in-class)とされるニボルマブ+イピリムマブ療法の使用を支持するものである」としている。これらの結果に基づき、このレジメンは2020年10月、米国食品医薬品局(FDA)により承認された。

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漿液性卵巣がん、Wee1阻害薬追加でPFS延長/Lancet

 high-grade漿液性卵巣がんの治療において、Wee1阻害薬adavosertib(AZD1775、MK1775)とゲムシタビンの併用はゲムシタビン単独と比較して、無増悪生存(PFS)期間を有意に延長させることが、カナダ・プリンセスマーガレットがんセンターのStephanie Lheureux氏らの検討で示された。研究の成果は、Lancet誌2021年1月23日号で報告された。Wee1キナーゼは、細胞周期のG2/M期チェックポイントの重要な制御因子で、G2/M期チェックポイントは損傷したDNAの有糸分裂への進入を防止する。high-grade漿液性卵巣がんは、TP53遺伝子変異の発現頻度が高く複製ストレスが高度ながんであり、TP53遺伝子変異はS期およびG2期チェックポイントへの依存性を増大させる。adavosertibは、Wee1を阻害することでG2期チェックポイント脱出を誘導することから、TP53遺伝子変異を有する腫瘍に有効と考えられている。adavosertib+ゲムシタビン療法は、前臨床試験で相乗効果を示し、早期の臨床試験では有望な抗腫瘍活性が確認されている。北米の11施設が参加したプラセボ対照無作為化第II相試験 本研究は、卵巣がん患者におけるadavosertib+ゲムシタビンの有効性の評価を目的とする二重盲検プラセボ対照無作為化第II相試験であり、2014年9月~2018年5月の期間に、米国とカナダの11施設で患者登録が行われた(米国国立がん研究所[NCI]がん治療評価プログラム、AstraZenecaなどの助成による)。 対象は、年齢18歳以上、プラチナ製剤抵抗性またはプラチナ製剤難治性の再発high-grade漿液性卵巣がんで、全身状態(ECOG PS)が0~2、3ヵ月以上の生存が期待され、臓器および骨髄の機能が正常な女性であった。非無作為化の探索的コホートとして、high-grade漿液性以外の卵巣がん女性も登録された。 被験者は、28日を1サイクルとして、ゲムシタビン(1,000mg/m2、1、8、15日目、静脈内投与)とともに、adavosertib(175mg、1、2、8、9、15、16日目、経口投与)またはプラセボを投与する群に、2対1の割合で無作為に割り付けられ、病勢進行または許容できない毒性が発現するまで投与が継続された。 主要エンドポイントはPFS期間とされた。安全性と有効性の解析は、少なくとも1回の治療を受けたすべての患者で行われた。OS、奏効率も有意に改善、Grade3以上の血液毒性が多い high-grade漿液性卵巣がん女性94例(adavosertib群61例、プラセボ群33例)と、非無作為化コホートとして非high-grade漿液性卵巣がん女性25例(adavosertib+ゲムシタビンを投与)が登録された。非high-grade漿液性卵巣がんには、low-grade漿液性がん、類内膜がん、明細胞がんが含まれた。全体(119例)の年齢中央値は62歳(IQR:54~67)だった。 無作為化集団のPFS期間中央値は、adavosertib群が4.6ヵ月(95%信頼区間[CI]:3.6~6.4)と、プラセボ群の3.0ヵ月(1.8~3.8)に比べ有意に延長した(ハザード比[HR]:0.55、95%CI:0.35~0.90、log-rank検定のp=0.015)。 データカットオフ時の全生存(OS)期間中央値は、adavosertib群が11.4ヵ月、プラセボ群は7.2ヵ月であり、有意な差が認められた(HR:0.56、95%CI:0.35~0.91、log-rank検定のp=0.017)。 完全奏効(CR)を達成した患者はなく、部分奏効(PR)がadavosertib群23%、プラセボ群6%で得られた(p=0.038)。adavosertib群の奏効期間中央値は3.7ヵ月だった。 最も頻度の高いGrade3以上の有害事象は血液毒性であった(好中球減少:adavosertib群62%、プラセボ群30%、血小板減少:31%、6%)。治療関連死は認められず、試験期間中に2例が死亡した(adavosertib群1例[敗血症]、プラセボ群1例[病勢進行])。 非high-grade漿液性卵巣がん女性の探索的解析では、4例(16%)でPR、9例(36%)で病勢安定(SD)が得られた。Grade3以上の好中球減少が72%、血小板減少が36%で発現した。 著者は、「この治療アプローチは、複製ストレスが高度な他の腫瘍に適用できる可能性があり、より大規模な検証的試験が求められる」としている。

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血液によるCOVID-19重症化リスクの判定補助キットが保険適用/シスメックス

 シスメックスは2月4日、SARS-CoV-2陽性患者における重症化リスク判定を補助する新規の体外診断用医薬品として、インターフェロン-λ3(IFN-λ3)キット「HISCLTM IFN-λ3試薬」が2月3日に保険適用を受けたことを発表した。同キットと全自動免疫測定装置を用いて血清中のIFN-λ3を測定することで、SARS-CoV-2陽性患者における重症化リスク判定を補助するための情報を提供する。 シスメックスは国立国際医療研究センターとの共同研究を通じ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)重症化リスクの経過観察に有用なバイオマーカーとして、IFN-λ3を特定した。IFN-λ3は重症化の症状が認められる数日前に急激に血液中の濃度が上昇することが確認されており、重症化の予測や経過観察補助としての臨床有用性が報告されている1,2)。同製品は、2020年12月22日にSARS-CoV-2陽性患者における重症化リスク判定を補助する新規の体外診断用医薬品として、製造販売承認を取得している3)。 保険適用により、SARS-CoV-2陽性となり、倦怠感および咳や発熱がある軽症患者、息切れや呼吸器初期症状などの所見が確認される中等症患者に対して、定期的に血清中のIFNλ3を測定することが可能となる。【製品の概要】一般的名称:インターフェロン-λ3キット販売名:HISCLTM IFN-λ3試薬(製造販売承認番号:30200EZX00089000)使用目的:血清中のインターフェロン-λ3の測定(SARS-CoV-2陽性患者の重症化リスクの判定補助)対象地域:日本製造販売元:シスメックス株式会社発売日:2021年1月5日【保険適用の概要】4)申請区分:E3(新項目)測定項目:インターフェロン-λ3(IFN-λ3)測定方法:2ステップサンドイッチ法を用いた化学発光酵素免疫測定法保険点数:340点留意事項:(10)インターフェロン-λ3(IFN-λ3) ア COVID-19と診断された患者(呼吸不全管理を要する中等症以上の患者を除く。)の重症化リスクの判定補助を目的として、2ステップサンドイッチ法を用いた化学発光酵素免疫測定法により、インターフェロン-λ3(IFN-λ3)を測定した場合は、区分番号「D013」肝炎ウイルス関連検査の「14」HBVジェノタイプ判定の所定点数を準用して算定する。 イ 本検査を2回以上算定する場合は、前回の検査結果が基準値未満であることを確認すること。 ウ 本検査の実施に際し、区分番号「D013」肝炎ウイルス関連検査の「14」HBVジェノタイプ判定の所定点数を準用して算定する場合は、区分番号「D013」肝炎ウイルス関連検査の「注」に定める規定は適用しない。

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高血圧DNAワクチンの第I/IIa相試験で抗体産生確認/アンジェス

 アンジェスが開発している高血圧DNAワクチンの第I/IIa相臨床試験(オーストラリアで実施中)において、投与後の経過観察期間を経た初期の試験結果から、重篤な有害事象はなく安全性に問題がないこと、また、アンジオテンシンIIに対する抗体産生を認められたことを、2月4日、アンジェスが発表した。今後、安全性、免疫原性および有効性を評価する試験を継続的に行っていく予定。 高血圧DNAワクチンは、アンジオテンシンIIに対する抗体を体内で作り出し、その働きを抑えることで高血圧を治療するために開発が進められている。現在、多く使用されている経口降圧薬は毎日忘れずに服用する必要があるが、注射剤であるDNAワクチンは一度の投与で長期間にわたって効果が持続することが期待されている。とくに経口剤の服用が難しい高齢者を中心に利便性が向上する。 今回の第I/IIa相試験は、安全性、免疫原性および有効性の評価を目的としたプラセボ対照二重盲検比較試験で、対象は高用量のアンジオテンシンII受容体拮抗薬による血圧のコントロールが必要な高血圧患者24例(高血圧ワクチン18例、プラセボ6例)。観察期間は12ヵ月である。

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世界初の経口GLP-1受容体作動薬発売/ノボ ノルディスクファーマ・MSD

2型糖尿病に新たな治療オプション登場 ノボ ノルディスクファーマとMSDは、2型糖尿病を効能・効果とする1日1回服用の世界初にして唯一の経口投与可能なGLP-1受容体作動薬であるセマグルチド(商品名:リベルサス錠)を、2月5日に発売した。 今回発売された経口のセマグルチドは、2型糖尿病患者の食事および運動療法で効果不十分な場合の血糖コントロールの改善を適応とする糖尿病治療薬として承認されている。 承認にあたっては、9,543人の成人2型糖尿病患者が参加したグローバル臨床開発プログラム(PIONEER)に基づきなされた。このPIONEERの10試験のうち、2つの第IIIa相臨床試験では、日本人2型糖尿病患者を対象に行われた。 単独療法を評価する臨床試験で示されたHbA1cの低下量は、投与後26週でセマグルチド7mg(1日1回服用)で1.6%、リラグルチド0.9mg(1日1回投与)で1.4%、他の経口血糖降下薬1剤との併用療法においては投与後26週でセマグルチド7mg(1日1回服用)で1.7%、デュラグルチド0.75mg(週1回投与)で1.5%だった。また、セマグルチド14mg(1日1回服用)については、日本人2型糖尿病患者の単独療法のHbA1cの低下量は、投与後26週で1.8%、他の経口血糖降下薬1剤との併用療法においては投与後26週で2.0%だった。 ノボ ノルディスクファーマ社は「日本の2型糖尿病患者さんの血糖コントロール改善のために、新たな治療オプションを提供することができると信じている」と抱負を語っている。 なお、本剤については、ノボノルディスクファーマとMSDが販売提携契約を結んでおり、両社共同で医療機関への情報提供活動を行う。製品概要製品名:リベルサス錠 3mg/7mg/14mg一般名:セマグルチド効能・効果:2型糖尿病用法・用量:通常、成人には、セマグルチド (遺伝子組換え) として1日1回7mgを維持用量とし経口投与する。ただし、1日1回3mgから開始し、4週間以上投与した後、1日1回7mgに増量する。なお、患者の状態に応じて適宜増減するが、1日1回7mgを4週間以上投与しても効果不十分な場合には、1日1 回14mgに増量することができる。製造発売承認日:2020年6月29日薬価基準収載日:2020年11月18日発売日:2021年2月5日薬価:リベルサス錠 3mg:143.20円/7mg:334.20円/14mg:501.30円製造販売元:ノボ ノルディスク ファーマ株式会社販売提携:MSD株式会社

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一般住民におけるTIA患者の脳卒中長期リスクは依然として非常に高い(解説:内山真一郎氏)-1351

 本研究は、フラミンガム研究のコホートを用いて1万4,000例以上を1948年から2017年にわたって追跡したデータを解析した研究である。2000年から2017年におけるTIA患者における発症後90日以内の脳卒中リスクは、1948年から1985年と比べて有意に低下していたが、10年間の脳卒中リスクはTIAを起こしたことのない住民と比べて4倍以上高かった。本研究におけるTIA経験者の脳卒中発症率は高く、平均8.9年間の追跡期間中に30%のTIA患者が脳卒中を発症していた。 この発症率は、われわれが行った国際前向きコホート研究(TIAregistry.org)における5年間の脳卒中発症率9%よりはるかに高い(Amarenco P, et al. N Engl J Med. 2018;378:2182-2190.)。われわれの研究は脳卒中専門施設においてTIA発症直後から専門医がガイドラインを遵守して行った研究であったのに対し、本研究は一般住民のコホート研究なので、多くのTIA患者は専門施設にアクセスすることができず、専門医による2次予防管理を受けることができなかったことが、この差をもたらしたと考えられる。TIAはともすれば無視または軽視されたり、後回しにされたりしやすいが、本研究結果はTIAを正しく認識し、発症後早期から専門医の診療を受け、厳格な2次予防対策を講じることができるような啓発活動と医療体制の構築が必要なことを示している。

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046)同僚医師にモヤモヤ…その理由は?【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第46回 同僚医師にモヤモヤ…その理由は?ゆるい皮膚科勤務医デルぽんです☆私の勤め先では、1週間の皮膚科外来を数人の医師で分担しています。毎日処置が必要な患者さんなどは、必然的に別の医師にも対応をお願いすることになるので、お互いに持ちつ持たれつの関係です。ただ、たまにちょっとモヤっとする場面が…。たとえば、切開が必要な皮下膿瘍や重症型の多形紅斑、深めの挫創など、症状が重めの患者さんを十分な申し送りのない状態でパスされることがあります。もちろん、自分で判断しきれない場合、速やかにほかの医師へコンサルすべきとは思いますが、同じ施設の場合、診察の環境や条件は変わらないはず。場合によっては、手を変えることで解決することもあるでしょうが、こういうことが重なるとモヤモヤした気持ちになります。危ないと思ったら診ない、それもまた危機管理の1つかもしれません。ただ、ほかの医師や他院を紹介するにしても、専門性をもって判断し、きちんと必要性を確認してから申し送りや紹介状を準備するのが筋なのでは…?困ったら大きい病院へ紹介すればいいという問題でもないので、さじ加減は難しいところですが、専門医としての責任と自覚を持ってほしいと思わずにはいられません。私もまだまだ勉強不足なので、今後も真摯に勉強を続けたいです。それでは、また〜!

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術後チューインガムは消化管機能を回復させる【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第180回

術後チューインガムは消化管機能を回復させるpixabayより使用子どもがチューインガムにハマっています。私は、噛んだあといちいちゴミ箱に捨てないといけない煩わしさと、なぜかガムを食べると下痢をしてしまうので、チューインガムを噛むことはほとんどありません。駅のホームには、モラルのない人たちが吐き出したガムが黒い点々になって残っています。嘆かわしい。チューインガムといえば、以前「チューインガムを噛んで細くし、それを冷蔵庫で冷却して、自慰目的で尿道内に挿入していた」という男性の症例を過去に紹介しました(【第123回】膀胱内のチューインガムを摘出したビックリアイデア)今回は、なんとあのコクランから、腸閉塞予防のためのチューインガムのレビューが出ているので紹介したいと思います。Short V, et al.Chewing gum for postoperative recovery of gastrointestinal function. Cochrane Database Syst Rev. 2015 Feb 20;2:CD006506.実は、昔からチューインガムが腸の機能を回復させる可能性が指摘されています。胃がんや大腸がんといった消化器系の手術後に有効とされており、腸閉塞のリスクを軽減することができます。このコクランレビューは、ガムを噛む群と噛まない群に分けて、術後の放屁までの時間、排便再開までの時間、入院期間などを比較した研究を解析したものです。驚くべきことに81研究が登録されました(せいぜい数研究だと思っていた……)。この結果、術後にガムを噛んでもらうことでおならがだいたい10時間くらい早く、便も半日くらい早く出ることがわかりました。消化管の機能回復が早かったということです。そのおかげで、なんと入院期間も短くなったそうです。術後の患者さんがクチャクチャとガムを噛んでいるシーンは想像しにくいですが、リスクが軽減できるならぜひ噛んでもらいたいところですね。製薬会社の皆さん、術後機能回復用チューインガムの発売、どうでしょうか。少し窒息・誤嚥リスクが高いですかね。

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