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第46回 ワクチン1回目、疼痛90%超も3日後に軽快/厚労省

<先週の動き>1.ワクチン1回目、疼痛90%超も3日後に軽快/厚労省2.改訂「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き」3.一般向け予約確認サイト「コロナワクチンナビ」、今月中に開設4.高齢者ワクチン接種、医師確保に追われる自治体も5.出生前の遺伝子検査、質の担保に国が関与へ6.病院職員同士の会食でコロナ感染、院長が謝罪1.ワクチン1回目、疼痛90%超も3日後に軽快/厚労省12日、厚生労働省が各自治体に対して行った説明会において、医療者を対象としたワクチン投与開始初期の重点的調査(前向きコホート)の中間報告があった。2月25日までに1回目の接種を済ませた1万9,808例(内訳:医師16.7%、看護師46.6%、薬剤師、臨床検査技師各3%、理学療法士、介護系職種各2%、事務職11%、その他12%/男性33.8%、女性66.2%)が登録され、第1回接種後8日目以降に回収した1万7,138例(全体の86.5%)の健康観察日誌によると、発熱(37.5℃以上)は3%であり、接種翌日がもっとも多かった。また、90%を超える接種者が接種翌日までに痛みを自覚したが、中等度以上の疼痛でも3日後にはおおむね軽快することがわかった。このほか、16%が接種翌日に全身倦怠感を自覚していた。なお、接種30分以内に失神を伴わない血管迷走神経反射や動悸、紅斑、痛みなど88例(0.44%)を認めたが、アナフィラキシーは発現しなかった。接種後の副反応疑いとしては5例がPMDAに報告された。今回の結果を、2009年に行われたNHOによるH1N1インフルエンザワクチン2万人調査と比較すると、接種部位の疼痛の頻度が明らかに高く、全身症状がやや多かった。(参考)資料 1回目接種後健康観察日誌集計の中間報告 第4回 新型コロナウイルスワクチンの接種体制確保に係る自治体向け説明会より抜粋(厚労省)2.改訂「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き」厚労省が12日、「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き」の改訂版(2.1版)を通知した。前回2月の改訂に続き、「居宅サービス等」「ワクチンの移送」「地方公共団体が設ける診療所」「接種体制構築に係る市町村間の連携」「接種券」「住所地外接種」についての内容が追記されている。なお、今後の検討状況により随時更新される。(参考)資料 「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き」の改訂について(厚労省)3.一般向け予約確認サイト「コロナワクチンナビ」、今月中に開設厚労省は、接種希望者への案内と予約受付をスムーズに行うため、一般公開サイト「コロナワクチンナビ」の開設を発表した。ワクチン接種円滑化システム(V-SYS)に入力された医療機関情報をもとに、実施医療機関、ワクチンの種類、予約受付状況などの情報を提供する。予約受付は原則として各医療機関で行うことになるが、これを活用するためには、予約状況をV-SYS上で更新する必要がある。(参考)新型コロナワクチンの接種を行う医療機関へのお知らせ(厚労省)資料 V-SYSについて4(同)4.高齢者ワクチン接種、医師確保に追われる自治体も医療従事者に対する接種に続いて、4月12日以降に開始される高齢者へのワクチン接種に向け、各自治体は接種の実施計画を立てている。厚労省は、各自治体の準備状況について、12日時点で823自治体によるシミュレーション実施など状況をまとめているが、今後も情報提供を進めていく予定。一方、ワクチン接種をめぐって、一部の自治体で接種のピーク時に必要な医師の確保が間に合わない可能性が出ている。日経新聞の報道によると、集団接種会場で実際に接種する医師について、主要都市で計画の6割しか確保できていない状況であり、医師不足に直面した自治体は医師や看護師など人員拡充を進めていく。(参考)新型コロナワクチンに関する自治体向け通知・事務連絡等(厚労省)高齢者のコロナワクチン接種、医師確保6割どまり 主要都市本社調査、「派遣看護師ら活用」8割(日本経済新聞)5.出生前の遺伝子検査、質の担保に国が関与へ近年、高齢で妊娠した母親の血液から胎児の染色体異常を推定する出生前遺伝学的検査(NIPT)が普及しているが、日本産婦人科学会の指針で認められない性別や全遺伝子検査が行われる例、産婦人科以外の医師が検査を実施する例など、カウンセリングが不十分で適切な対応ができないなどの問題が指摘されている。厚労省は「母体血を用いた出生前遺伝学的検査(NIPT)の調査等に関するワーキンググループ」を19年10月に立ち上げ、無認可施設での検査トラブルや高額検査などについて検討を重ね、先月2月10日に報告書が公開された。これによると、遺伝カウンセリングの内容など質の担保を求めており、今後、出生前診断の施設の認証制度に国が関与する制度に向け着手することになった。(参考)母体血を用いた出生前遺伝学的検査(NIPT)の調査等に関するワーキンググループ報告(厚労省)新型出生前診断 国が実施施設認証に関与 厚労省方針案明らかに(毎日新聞)6.病院職員同士の会食でコロナ感染、院長が謝罪東京都立墨東病院は、医師と看護師ら職員5人が新型コロナウイルスに感染したことを発表した。研修医と看護師、放射線技師らが、都内の居酒屋と医師の自宅でマスクをしないまま長時間の飲食を行い、数日後、そのうち2人に発熱ならびに味覚障害が発症。病院側の調査により会食が発覚した。なお、都立墨東病院においては昨年4~5月にかけて患者並びに職員43名にのぼるクラスター感染が発生しており、救命救急センターの新規入院受け入れ中止など、診療体制の縮小を強いられた。報道陣の取材に対し、上田 哲郎院長は「患者に不安な思いをさせて申し訳なく思っている。自らの軽率な行動が患者や同僚、家族を巻き込むことにつながることをあらためて自覚させる」と謝罪した。(参考)都立墨東病院医師ら5人感染 居酒屋と医師宅でマスクせず会食(毎日新聞)都立病院の研修医や看護師ら5人感染…居酒屋で会食後に2次会も、院長「軽率」と謝罪(読売新聞)

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事例022 78歳の高齢者に使用したサイレース錠の査定【斬らレセプト シーズン2】

解説事例では、フルニトラゼパム(商品名:サイレース錠)がB事由(医学的に過剰・重複と認められるものをさす)で査定となりました。フルニトラゼパムの添付文書には、「年齢・症状により適宜増減するが、高齢者は1日1回1mgまで」と記載があります。基本的注意には、「漫然とした継続投与による長期使用を避けること」も記載されています。レセプトから、患者は78歳で高齢であることが明らかなため、過剰量処方を理由にB事由として査定になったことがわかります。医師は、このことを知っていて、前月までは1回に1mg30日分処方を繰り返し投与していたところ、治療の必要性があって2mg錠のフルニトラゼパムに増量処方したことをカルテに記載していました。レセプトにも医学的必要性のコメントが表示されていました。しかし、事例の通り査定となってしまいました。添付文書に、「高齢者には適宜増減を適用しない」旨が表現されている場合にはコメントがあっても認められないようです。査定防止として、医師に対しては、高齢者に対する極量が設定されている薬剤の極量を超えた処方は、理由にかかわらず過剰と認められ、保険請求はほぼ認められないことを伝えました。さらに、連月の漫然処方と捉えられる日数投与の再考をお願いしています。そして、レセプトチェックシステムでは、投与後のチェックとなるため、医師の処方画面でアラートを表示するようにマスターを修正しました。

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統合的ゲノムプロファイリング、すべての進行固形がんで有用/JAMA Oncol

 次世代シークエンス(NGS)はすべての進行固形がんにおいて有用であることを、米国・ミシガン大学のErin F. Cobain氏らがコホート研究の結果で示した。NGSは治療選択に有用な標的ゲノムを特定することから、進行固形がんの日常診療で用いられるようになっているが、この検査の臨床的有用性は不確かなままであった。JAMA Oncology誌オンライン版2021年2月25日号掲載の報告。 研究グループは、どのような患者がNGSプロファイリングから最大の臨床的有益性を得られるかを明らかにする目的で、コホート研究を行った。対象は、腫瘍および正常DNAのゲノムプロファイリング(1,700遺伝子の解析を伴う全エクソームキャプチャまたはターゲットキャプチャ)と腫瘍トランスクリプトーム(RNA)シークエンスのために、新鮮な腫瘍生検および血液採取を受けた患者。被験者に体細胞および生殖細胞系列のゲノム変化についてアノテーションを実施し、臨床的な治療選択の可能性の程度に従って分類した。結果は、治療を担う腫瘍専門医に報告された。 解析は2011年5月1日~2020年4月30日に実施された。医療記録から患者のその後の治療法と治療効果について調査し、NGSに基づいた治療の6ヵ月時の臨床的ベネフィット率、および12ヵ月以上持続する奏効を評価した。 主な結果は以下のとおり。・2011年5月1日~2018年2月28日に、1,138例が統合的ゲノムプロファイリングのため生検を受けた。・1,138例中1,015例(89.2%)がNGS検査に成功した。・1,015例のうち、治療選択に有用なゲノム変化が検出されたのは817例(80.5%)であった。・817例中132例(16.2%)がNGSに基づいた治療を受けた。このうち49例(37.1%)で臨床的ベネフィットが得られ、26例(19.7%)で12ヵ月以上持続する奏効が観察された。・生殖細胞系列の遺伝子変異(PGV)は、治療に関連するPGVを有する49例(コホートの4.8%)を含む160例(コホートの15.8%)で同定された。・原発不明がんを有する55例において、NGSにより28例(50.9%)で原発部位が同定され、13例でNGSに基づいた治療が行われた。そして13例中7例(53.8%)で臨床的ベネフィットが得られ、そのうち5例で12ヵ月以上持続する奏効が観察された。

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双極性障害の再発に対する抗精神病薬併用の影響~メタ解析

 藤田医科大学の岸 太郎氏らは、気分安定薬(MS)と第2世代抗精神病薬(SGA)の併用療法で安定した双極I型障害におけるSGA中止による再発リスクへの影響を検討するため、二重盲検ランダム化対照試験のシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Bipolar Disorders誌オンライン版2021年2月9日号の報告。 SGA+MS療法で安定した双極I型障害患者を対象に、維持期においてSGAを中止した患者(MS単独療法など)と継続した患者における再発リスクを検討した研究を、Embase、PubMed、CENTRALより、システマティックに検索した(2020年5月22日まで)。主要アウトカムは、6ヵ月間の気分エピソード再発率とした。副次的アウトカムは、6ヵ月間の躁/軽躁/混合エピソードとうつ病エピソードの再発率およびすべての原因による治療中止とした。また、1、2、3、9、12ヵ月での再発率も調査した。 主な結果は以下のとおり。・8件の研究が抽出された(平均研究期間:58.25±33.63週間)。・SGA+MS群は1,456例、プラセボ+MS群は1,476例であった。・併用されたSGAは、アリピプラゾール(3件)、ルラシドン(1件)、オランザピン(1件)、クエチアピン(2件)、ziprasidone(1件)であった。・プールされたSGA+MS群では、すべての観察期間を通じて、気分エピソード、躁/軽躁/混合エピソード、うつ病エピソードの再発率が低く、すべての原因による治療中止が少なかった。・6ヵ月時点での再発率のリスク比(RR)は、各エピソードで以下のとおりであった。 ●気分エピソード:0.51(95%CI:0.39~0.86) ●躁/軽躁/混合エピソード:0.42(95%CI:0.30~0.59) ●うつ病エピソード:0.39(95%CI:0.28~0.54)・すべての原因による中止のRRは、0.67(95%CI:0.50~0.89)であった。・アリピプラゾールまたはクエチアピンとの併用療法は、プラセボ+MS群と比較し、6ヵ月時点での気分、躁/軽躁/混合、うつ病エピソードの再発率が低かった。 著者らは「SGA+MS療法は、双極I型障害の再発を最大12ヵ月間抑制することが示唆された」としている。

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「新型コロナワクチン接種に伴う重度の過敏症の管理・診断・治療」を公開/日本アレルギー学会

 新型コロナウイルスワクチンが特例承認され、2月から医療関係者を対象とした接種が始まっている。現時点でアナフィラキシー発症頻度が従来のワクチンよりも高いことが報告されているが、いずれも適切な対処により回復している。ワクチン接種に際してはその益と害のバランスを考えることが必要であり、副反応に対する過度な懸念や対応は社会に大きな損失と負担をもたらす。日本アレルギー学会では、新型コロナウイルスワクチン接種に伴う副反応のうち、とくに重度の過敏反応(アナフィラキシー等)を起こし得る危険因子、管理、診断および治療について現時点の情報を整理し、適切にワクチン接種を行うための指針として、「新型コロナウイルスワクチン接種にともなう重度の過敏症(アナフィラキシー等)の管理・診断・治療」を作成し、3月1日学会ホームページに公開した。3月12日に改訂版が公開されている。 本指針には、副反応の種類と頻度、副反応の機序、ワクチン接種の対象(不適格者、要注意者)、アレルギー反応/アナフィラキシー対策(準備体制、アレルギー反応/アナフィラキシーの診断と対応、アナフィラキシー類似の症候・疾患の鑑別と初期対応)がまとめられている。ワクチン接種を実施する際の具体的な対応として、ワクチン接種後の観察時間、アレルギー反応が見られたときの対応方法、アナフィラキシーの診断基準、アナフィラキシー発症時の対応方法のほか、アナフィラキシー類似症状を起こしうる症状(血管迷走神経反射、パニック発作、喘息発作、過換気症候群、てんかん)の対応方法も解説している。

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ブリナツモマブは、1~30歳の初回再発B-ALLの無病生存を改善するか/JAMA

 高または中リスクの初回再発B細胞性急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)の小児・青年・若年成人の再寛解導入療法後の治療において、ブリナツモマブ投与後の造血幹細胞移植(HSCT)と、化学療法施行後のHSCTでは、無病生存割合に関して統計学的に有意な差はないことが、米国・ジョンズ・ホプキンズ大学のPatrick A. Brown氏らChildren's Oncology Group(COG)が行った「AALL1331試験」で示された。試験の早期中止による検出力不足の可能性があるため、結果の解釈には限界があるという。研究の詳細は、JAMA誌2021年3月2日号で報告された。小児・青年・若年成人B-ALLの初回再発に対する標準的な化学療法は、とくに早期再発(高リスク)または再導入化学療法後の残存病変の晩期再発(中リスク)の患者において、重度の毒性、その後の再発、および死亡の発生率が高いとされる。ブリナツモマブは、CD3/CD19を標的とする二重特異性T細胞誘導(BiTE)抗体で、再発・難治性B-ALLに有効であり、良好な毒性プロファイルを有すると報告されている。4ヵ国155施設の無作為化第III相試験 研究グループは、高/中リスクの初回再発B-ALLの小児・青年・若年成人の地固め療法において、強化化学療法をブリナツモマブで代替することで生存率が改善するかの検証を目的に、無作為化第III相試験を実施した(米国国立衛生研究所[NIH]/国立がん研究所[NCI]などの助成を受けた)。 2014年12月~2019年9月の期間に、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの155施設で患者登録が行われ、フォローアップは2020年9月30日まで実施された。 対象は、年齢1~30歳の初回再発B-ALL患者であり、ダウン症候群、フィラデルフィア染色体陽性ALL、HSCTやブリナツモマブ治療の施行歴のある患者は除外された。 全例が、4週間の再導入化学療法を受けた後、ブリナツモマブ(15μg/m2/日、28日)を1週の休薬期間を置いて2サイクル投与する群または多剤併用化学療法を2サイクル(1サイクルは4週)施行する群に無作為に割り付けられた。引き続き、HSCTが施行された。 主要エンドポイントは無病生存割合、副次エンドポイントは全生存割合とした。統計学的有意差の閾値は、片側検定のp値が<0.025と設定された。2年全生存やMRD陰性化、HSCT施行の割合は良好 最終解析には208例(年齢中央値9歳、女性97例[47%])が含まれ、このうち105例がブリナツモマブ群、103例は化学療法群であった。118例(57%)が試験薬の投与を完遂した。中間解析時に、予測されていた131件のイベントのうち実際に発生したのは80件(61%)で、有効性または無益性の中止規則を満たさなかったが、安全性・データ監視委員会の勧告により無作為化が中止された。 フォローアップ期間中央値2.9年の時点で、2年無病生存割合はブリナツモマブ群が54.4%、化学療法群は39.0%と、両群間に有意な差は認められなかった(病勢進行または死亡のハザード比[HR]:0.70、95%信頼区間[CI]:0.47~1.03、片側検定のp=0.03)。 2年全生存割合は、ブリナツモマブ群が71.3%と、化学療法群の58.4%に比べ有意に良好であった(死亡のHR:0.62、95%CI:0.39~0.98、片側検定のp=0.02)。 探索的エンドポイントである微小残存病変(MRD)の陰性例の割合は、無作為化の時点で両群間に差はなかった(ブリナツモマブ群26例[25%]vs.化学療法群31例[30%]、群間差:-5%、95%CI:-17~7、p=0.39)。これに対し、1サイクル施行後(79例[75%]vs.33例[32%]、43%、31~55、p<0.001)および2サイクル施行後(69例[66%]vs.33例[32%]、34%、21~46、p<0.001)のMRD陰性例の割合はいずれも、ブリナツモマブ群で有意に良好であった。 HSCTは、ブリナツモマブ群は74例(70%)で実施され、化学療法群の44例(43%)に比し施行割合が高かった(群間差:27%、95%CI:15~41、p<0.001)。 とくに注目すべき重篤な有害事象として、ブリナツモマブ群では感染症が15%、発熱性好中球減少が5%、敗血症が2%に、化学療法群では感染症が65%、発熱性好中球減少が58%、敗血症が27%、口腔粘膜炎が28%にみられた。 著者は、「この試験の解釈については、早期中止による主要エンドポイントの検出力不足の可能性があるため限界がある」とまとめ、「安全性・データ監視委員会の中止勧告の理由は、『両群間の臨床的均衡(clinical equipoise)の喪失』であった」としている。

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非代償性肝硬変へのアルブミン、予後を改善せず/NEJM

 非代償性肝硬変の入院患者の治療において、目標血清アルブミン値を30g/L以上に設定したアルブミン投与は、英国の現在の標準治療と比較して感染症や腎機能障害、死亡の発生を改善せず、重症度の高い有害事象や生命を脅かす重篤な有害事象の頻度が高いことが、同国ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのLouise China氏らが実施した「ATTIRE試験」で示された。研究の詳細は、NEJM誌2021年3月4日号に掲載された。非代償性肝硬変患者では、感染症や全身性炎症の亢進が臓器障害や死亡の原因となる。前臨床試験ではアルブミンの抗炎症作用が示されているが、検証のための大規模臨床試験は行われていなかった。英国35病院の非盲検無作為化試験 本研究は、非代償性肝硬変の入院患者において、目標血清アルブミン値を30g/L以上とし、20%ヒトアルブミン溶液を連日静注することで、標準治療に比べ感染症や腎機能障害、死亡の発生率が低下するかを検証する非盲検無作為化試験であり、2016年1月~2019年6月の期間にイングランド、スコットランド、ウェールズの35の病院で患者登録が行われた(英国Health Innovation Challenge Fund[HICF]の助成による)。 対象は、年齢18歳以上、非代償性肝硬変による急性合併症の診断で入院し、入院後72時間以内(早期の投与は後期の投与よりも有効である可能性が高いため)の血清アルブミン値が30g/L未満で、無作為化の時点で入院期間が5日以上と予測される患者であった。 被験者は、アルブミン値35g/L以上での維持を目標に20%ヒトアルブミン溶液の投与(100mL/時)を最長で14日間、あるいは退院のいずれか早い時点まで受ける群、または標準治療を受ける群に無作為に割り付けられた。治療は入院後3日以内に開始された。 主要エンドポイントは、入院後3~15日または退院日(15日より前の場合)に発生した新規の感染症(原因は問わない)、腎機能障害、死亡の複合であった。複合主要エンドポイント:29.7% vs.30.2%、個々の要素にも差はない 777例が無作為化の対象となり、アルブミン群に380例(平均年齢[±SD]53.8±10.6歳、女性123例[32.4%])、標準治療群には397例(53.8±10.7歳、104例[26.2%])が割り付けられた。 肝硬変の原因は、アルコールがアルブミン群91.3%、標準治療群88.2%で、C型肝炎がそれぞれ6.3%および8.8%、非アルコール性脂肪性肝疾患が6.8%および7.3%であった。全体では、26.4%がアルコール離脱の治療を受けており、24.9%がアルコール性肝炎で、平均アルブミン値は23.2±3.7g/Lであった。試験期間中の平均入院日数は、アルブミン群が8日(IQR:6~15)、標準治療群は9日(6~15)だった。 標準治療群の49.4%がアルブミンの投与を受けず、試験期間中の患者1例当たりのアルブミン総投与量中央値は、アルブミン群が200g(IQR:140~280)であったのに対し、標準治療群は20g(0~120)であった(補正後平均群間差:143g、95%信頼区間[CI]:127~158.2)。アルブミン群は、3~15日目の期間の平均アルブミン値が30g/Lを超えたが、標準治療群が30g/Lを超えた日はなかった。 intention-to-treat解析では、主要エンドポイントのイベントが発生した患者の割合はアルブミン群が29.7%(113/380例)、標準治療群は30.2%(120/397例)であり、両群間に有意な差は認められなかった(補正後オッズ比[OR]:0.98、95%CI:0.71~1.33、p=0.87)。また、退院時または15日目でデータを打ち切りとする生存時間解析を行ったところ、同様に、両群間に有意な差はみられなかった(ハザード比[HR]:1.04、95%CI:0.81~1.35)。 主要エンドポイントの個々の構成要素は、いずれも両群間に有意な差はなかった(新規感染症:アルブミン群20.8% vs.標準治療群17.9%、補正後OR:1.22[95%CI:0.85~1.75]、腎機能障害:10.5% vs.14.4%、0.68[0.44~1.11]、死亡:7.9% vs.8.3%、0.95[0.56~1.59])。 重症度の高い有害事象(Grade3:アルブミン群28例、標準治療群11例)および生命を脅かす重篤な有害事象(Grade4:17例、13例)の頻度は、アルブミン群が標準治療群よりも高かった。とくに、アルブミン群では重篤な肺水腫/体液過剰(アルブミン群23例、標準治療群8例)が高頻度に認められた。 著者は、「これらのデータは、肝硬変患者におけるアルブミン投与の再評価の必要性を支持する」としている。

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EGFR変異肺がん2次治療、オシメルチニブ+ベバシズマブの評価は?【肺がんインタビュー】 第60回

第60回 EGFR変異肺がん2次治療、オシメルチニブ+ベバシズマブの評価は?出演:和歌山県立医科大学 内科学第3講座 赤松 弘朗氏EGFR変異非小細胞肺がんにおけるEGFR-TKIとVEGF阻害薬の併用による有効性の向上が報告されている。そこで2次治療のT790 M変異陽性例に対するオシメルチニブ+ベバシズマブを評価するWJOG8715L試験が行われ、その結果がJAMA Oncology誌で発表された。筆頭著者である和歌山県立医科大学の赤松 弘朗氏に同研究の内容と結果について聞いた。参考Akamatsu H, et al. Efficacy of Osimertinib Plus Bevacizumab vs Osimertinib in Patients With EGFR T790M-Mutated Non-Small Cell Lung Cancer Previously Treated With Epidermal Growth Factor Receptor-Tyrosine Kinase Inhibitor: West Japan Oncology Group 8715L Phase 2 Randomized Clinical Trial.JAMA Oncol. 2021 Jan.[Epub ahead of print]

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高齢者肺炎寿司本【Dr.倉原の“俺の本棚”】第40回

【第40回】高齢者肺炎寿司本おいしそうな寿司が表紙になっているこの本を電車で読んでいて、誰が医学書だと思うでしょうか。よいですね、この装丁。編者のブログ(「南砺の病院家庭医が勉強記録を始めました」)にも書かれていましたが、雑誌『dancyu(ダンチュウ)』みたいです。『終末期の肺炎』大浦 誠/編. 南山堂. 2020年私が医師になった頃は、終末期の肺炎が起こっても、言語聴覚士、栄養士、MSWなどがどんどん現場に入ってくることはなくて、とにかく絶飲食にして抗菌薬を投与するというのが当たり前でした。そもそも口から食べられないのだから、仕方がないと思い込んでいた節もあります。治してもまた肺炎を繰り返す。現場の徒労感。それゆえ、高齢者の肺炎はどうしても医師が主導権を握りがちで、看護師と言語聴覚士が指示を受けてケアしていることが多いです。理想はpatient-orientedな輪っかができることですが、そうなっていないシーンはいまだによく見ます。2017年に成人市中肺炎ガイドラインが刊行され、ようやく終末期の肺炎について記述されました。近年、アドバンスケアプランニング(ACP)が叫ばれるようになり、終末期の肺炎について議論されることが増えてきました。高齢者の肺炎マネジメントの変革期を代表するような本で、個人的には医師以外の職種にも読んでほしいと思っています。編者は決して終末期の肺炎に特化したものではない、あくまで病院で遭遇する肺炎について書いたものだとおっしゃっていますが、誤嚥を繰り返す高齢者に対して打つ手がないと思っている医療従事者は騙されたと思って読んでみてください。この本は、成年後見人が医療行為への同意権がないというところから、じゃあ意思決定はどうすればよいのかというデリケートなところまで踏み込んで書かれています。BATNAやZOPAなど、医学書には出てこないような交渉術の用語も登場してきて、あざます、勉強になります!『終末期の肺炎』大浦 誠 /編出版社名南山堂定価本体3,600円+税サイズB5判刊行年2020年

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第48回 決戦は月曜日?政府の印象操作がにじむ緊急事態宣言解除日

結局、新型インフルエンザ特別措置法に基づく緊急事態宣言は、首都圏の1都3県で3月8日~21日まで2週間の再延長が決定した。そうした中、3月10日の衆議院厚生労働委員会で政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身 茂会長が早くも緊急事態宣言の再々延長の可能性を示唆する発言をしている。実際、延長が決まった8日からの東京都の感染者報告を見ると、月曜日である8日が100人台となり、その後は200~300人台を推移するという前週とほぼ同じ動きを見せ、減少スピードはやや鈍化している。また、1都3県での感染状況の4段階のステージを判断する6つの指標は、東京都、千葉県、埼玉県で「病床使用率」と「10万人当たりの療養者数」が感染急増を示すステージ3、埼玉県と神奈川県で「直近1週間と先週1週間の新規感染者比」がステージ3にある。ちなみに、ステージ3の「直近1週間と先週1週間の新規感染者比」とは比が1.0を超える状態だが、埼玉県は1.11、神奈川県は1.06で増加傾向、さらに東京都は0.99、千葉県は0.93となっている。尾身会長の言葉は抑え気味だが、これらの状況を見れば3月21日での緊急事態宣言解除も絵空事にさえ思えてくる。そしてもしこの解除を判断するならば、もしかしたら政府はある日を決め撃ちしてくるかもしれない。それはずばり週初めの月曜日だ。そう思ったのはある記録を目にしたからである。ある記録とはシンクタンクである一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)によってまとめられた「新型コロナ対応民間臨時調査会 調査・検証報告書」である。報告書はAPIが2020年7月に発足させた新型コロナ対応・民間臨時調査会(小林 喜光委員長)が、当時の安倍 晋三首相、菅 義偉官房長官、加藤 勝信厚生労働相、西村 康稔新型コロナウイルス感染症対策担当相、萩生田 光一文部科学相はじめ政府の責任者など83人を対象に延べ101回のヒアリングとインタビューを実施し、初期の日本の新型コロナウイルス感染症対策を検証したものだ。この報告書では昨年4~5月の緊急事態宣言解除時のことも記載されている。この時は東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、兵庫県、福岡県を対象とした4月7日~5月6日までの緊急事態宣言が発出され、その後、4月16日に全国に拡大。解除目前の5月4日にはさらに同月31日までの延長が決定され、5月14日に北海道、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、京都府、大阪府、兵庫県を除く39県、5月21日には京都府、大阪府、兵庫県で解除。そして5月25日には残る北海道と首都圏の1都3県で前倒し解除となった。やや前置きが長くなったが、この解除決定日のうち5月14日と21日は木曜日、5月25日は月曜日である。そしてこの5月25日について前述の報告書では、官邸スタッフの「狙いすまして25日にセットした」との証言を紹介している。これは医療機関の休業などが影響して、新規感染者報告は週前半が少なく、週後半が多いという特性を敢えて利用したということ。報告書の完全なネタバレは避けなければならないので端折ってより具体的に言うと、週前半の少ない数字を強調して専門家たちを押し切って緊急事態宣言の完全解除に持ち込んだということである。なんともえげつない話だが、さもありなんである。どうしても政府は緊急事態宣言発出による経済への影響を無視できないので、完全に専門家の意見だけで政策決定を行わないのは周知のこと。その前提で考えると、経済規模が大きい東京都を含む首都圏3都県で、現在の緊急事態宣言を再々延長することは何としても回避したいだろう。そしてこの3都県の緊急事態宣言の継続は他の道府県にも影響する。実は、私は先週末より出張で北海道の函館市に入り、今はそこから南下して青森県の八戸市にいる。函館と言えば、有名なのが函館朝市だが、今はまさに閑古鳥が鳴いている状態だ。私がたまたま朝市周辺を歩いていた時、観光客向けに海産物を販売している店の中年女性から「ねえ、お兄ちゃん(と言われても50過ぎだが)、何でもいい、ちょっとでもいいから何か買って行って」と哀願された。そして現在函館市では、市の事業として市内の宿泊施設に宿泊した人を対象に1泊当たり2000円のグルメクーポンを配布している。これが市内の主な飲食店で使える。ちなみに私が宿泊したのはなんと1泊2000円のビジネスホテルである。そして函館市でも今滞在している八戸市でもよく耳にするのが「観光客や出張客が増えるかは首都圏から人が来るかどうか。だから緊急事態宣言の継続は、自分たちにとっても他人事ではない」という話である。だからこそ私のような首都圏に住んでいる者はより徹底した感染防止対策が必要であるとも感じる。ただ、感染者急増局面のままでの緊急事態宣言の解除はあってはならないし、私たち全員で政府が安易な判断をしないかを注視する必要もあると思う。その意味で先ほど紹介した姑息とも言える「週前半の緊急事態宣言解除決定」は政府の判断を評価する一つのメルクマークになるかもしれない。

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T790M陽性肺がん、オシメルチニブ+ベバシズマブ有効性示せず(WJOG8715L)/JAMA Oncol

 EGFR変異非小細胞肺がんにおける第1世代EGFR-TKIとVEGF阻害薬の併用による有効性の向上が報告されている。そこで2次治療のT790 M変異陽性例に対するオシメルチニブ+ベバシズマブの有効性と安全性を評価する第I/II相WJOG8715L試験が行われた。この試験は6例の導入部分とそれに続く第II相部分で構成される。・対象:EGFR-TKI(第3世代TKI除く)耐性かつEGFRT790M変異陽性の進行肺腺がん患者・試験群:オシメルチニブ80mg/日+ベバシズマブ15mg/kg 3週間ごと PDとなるまで・対照群:オシメルチニブ80mg/日PDとなるまで・評価項目:[主要評価項目]治験担当医評価の無増悪生存期間(PFS)[副次評価項目]全体奏効率(ORR)、治療成功時間(TTF)、全生存期間(OS)、安全性 主な結果は以下の通り・2017年8月〜2018年9月に、第II相には87例の患者が登録された。・登録患者年齢中央値は68歳、男性41%、ECOG PS 0が46%、脳転移例は26%であった。・PFS中央値はオシメルチニブ+ベバシズマブ群9.4ヵ月、オシメルチニブ群13.5ヵ月であった(HR:1.44、80%CI:1.00〜2.08、p=0.20)。・ORRはオシメルチニブ+ベバシズマブ群68%、オシメルチニブ群54%であった。・TTF中央値は、オシメルチニブ+ベバシズマブ群8.4ヵ月、オシメルチニブ群11.2ヵ月であった(p=0.12)。・OS中央値は、オシメルチニブ+ベバシズマブ群未達、オシメルチニブ群22.1ヵ月であった( p=0.96)。・併用療法群で、Grade3以上の一般的な有害事象はタンパク尿(23%)、高血圧(20%)であった。 EGFRT790M変異を有する進行肺腺がん患者においてオシメルチニブとベバシズマブの併用はオシメルチニブ単独と比較して主要・副次評価項目を達成できなかった。

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双極性障害のうつ病エピソード再発に対する光曝露の影響

 光線療法は、双極性うつ病に対する効果が示唆されている治療方法であるが、うつ病エピソードに対する予防効果が認められるかは、よくわかっていない。桶狭間病院の江崎 悠一氏らは、実生活環境における光曝露が、双極性障害患者のうつ病エピソードの再発に対する予防効果と関連しているかについて、評価を行った。Acta Psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2021年2月15日号の報告。 本研究は、2017年8月~2020年6月に日本で行われたプロスペクティブ自然主義的観察研究である。双極性障害外来患者202例を対象に、ベースラインから7日間連続して日中の光曝露を客観的に評価し、その後の気分エピソードの再発について、12ヵ月間フォローアップを行った。光曝露の測定には、周囲の光を測定できるアクチグラフを用いた。 主な結果は以下のとおり。・202例中198例(98%)が12ヵ月間のフォローアップを完了した。・フォローアップ期間中に、うつ病エピソードの再発が認められた患者は、78例(38%)であった。・潜在的な交絡因子で調整したCox比例ハザードモデルでは、日中の光曝露が1,000luxを超える時間の増加と、うつ病エピソードの再発の減少との間に有意な関連が認められた([log min]ハザード比:0.66、95%CI:0.50~0.91)。・朝の平均照度が高く([log lux]ハザード比:0.65、95%CI:0.49~0.86)、1,000luxを超える時間が増加すると([log min]ハザード比:0.61、95%CI:0.47~0.78)、うつ病エピソードの再発に有意な減少が認められた。・日中の光曝露と躁、軽躁、混合エピソードの再発との間に有意な関連は認められなかった。 著者らは「日中の光曝露の増加とうつ病エピソードの再発の減少との間に有意な関連が認められた。これは、主に朝の光曝露と関連していることが示唆された」としている。

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片頭痛予防に対するerenumabの長期有効性・安全性

 抗CGRP受容体モノクローナル抗体erenumabは、3~12ヵ月の研究において片頭痛の頻度やQOLの有意な改善が認められているが、それ以上の長期治療成績については、よくわかっていない。デンマーク・コペンハーゲン大学のMessoud Ashina氏らは、片頭痛予防に対するerenumabの長期有効性および安全性の評価を行った。European Journal of Neurology誌オンライン版2021年1月5日号の報告。 本研究は、反復性片頭痛の成人患者を対象として実施された12週間の二重盲検プラセボ対照試験終了後に行われた5年間の治療期間におけるオープンラベル試験である。オープンラベル試験開始時に、erenumab 70mgを投与した。なお、プロトコール改定後、140mgへ増量した。有効性については、毎月の片頭痛日数、毎月の急性頭痛薬の使用、健康関連QOLのベースラインからの変化を評価した。 主な結果は以下のとおり。・登録された383例中250例はerenumab 140mgに切り替えを行った。・オープンラベル試験を完了した患者は215例(56.1%)であった。・毎月の片頭痛日数については、ベースライン時の8.7±0.2日から5年後には-5.3±0.3日(平均62.3%減少)の変化が認められた。・毎月の急性頭痛薬の使用については、ベースライン時の6.3±2.8日から5年後には-4.4±0.3日の変化が認められた。・患者報告によると、症状、頭痛による影響、片頭痛特有のQOLに関して安定した改善が認められた。・有害事象の曝露調整患者発生率は、123.0/100患者年であり、主な有害事象は鼻咽頭炎、上気道感染症、インフルエンザであった。・49例(3.8/100患者年)から報告された重篤な有害事象の多くは、1回のみの発生であった。・致死的な有害事象は、2件報告された。・有害事象、重篤な有害事象、治療中止に至る有害事象の発生率の増加は5年にわたる曝露では認められなかった。 著者らは「erenumab治療により、片頭痛の頻度が減少し、健康関連QOLの改善が認められ、その効果が5年以上持続することが示唆された。また、新たな安全性上の懸念は見当たらなかった」としている。

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コロナ対策、二重マスクの効果は正しく着けた不織布マスク1枚と同等/理研

 新型コロナウイルス対策に加え、この時期は花粉症に悩まされる人も多い中、われわれの暮らしの必需品となったマスクの使い方には、人によってさまざまな工夫が見られる。理化学研究所などの研究チームが3月4日、マスクによる感染予防について、スーパーコンピューター「富岳」を使った行った検証結果を公表した。それによると、いわゆる「二重マスク」は、ある程度の性能向上が期待できるものの、その効果は不織布マスク1枚を正しく装着した場合と大きく変わらないことがわかった。マスク二重にしても効果は単純に足し算になるわけではない 研究チームは、4種のマスク(布、不織布、ウレタン、N95)について、それぞれの装着方法と組み合わせ(二重マスク)による飛沫予防効果を「富岳」で計算した。 このうち不織布マスクについて、鼻の金具(ノーズフィッター)を鼻の形に沿って変形させ、目元はおおむねマスクと接触している状態(タイトフィット)での飛沫捕集効果が85%だったのに対し、ノーズフィッターの折り曲げが緩く隙間がある状態(フィット)では、同効果は81%、ノーズフィッターを折り曲げずにそのまま装着した状態(ルーズフィット)では、同効果が69%まで低下した。 次に、不織布マスクのルーズフィット状態からウレタンマスクで二重にして1枚目をフィットさせると、飛沫捕集効果は89%となり、二重にすることで20%の性能向上が得られた。ただし、1枚目からフィットさせていた状態と比較すると、8%の性能向上にとどまり、タイトフィット状態と比べると、わずか4%程度の性能向上という計算になる。 本研究チームリーダーの坪倉 誠氏(神戸大学教授)は、「マスクを二重にしても性能が単純に足し算になるわけではない。フィルタ性能が向上する分、顔やマスク間の隙間から漏れが発生する。結果的に、性能の良いマスクを1枚、タイトに装着することとあまり性能は変わらない」と述べている。

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がん治療、臨床的に意味のあるQOL改善のエビデンスはほとんど提示なし/JAMA Netw Open

 カナダ・Sunnybrook Research InstituteのVanessa Arciero氏らがシステマティックレビューを行い、がん治療においてQOLの重要性が認識されているにもかかわらず、QOLの改善を示唆するエビデンスが公表されていないことを明らかにした。緩和治療を受けるがん患者にとって、QOLは生存と並び治療意思決定の重要な側面であるが、規制当局はQOL改善のエビデンスがなくても生存期間延長または抗腫瘍効果だけに基づいて承認することがある。著者は、「統計学的な改善に関するエビデンスがある適応症のうち、臨床的に意味のあるQOL改善を示したものはほとんどなかった」と述べている。JAMA Network Open誌2021年2月1日号掲載の報告。 研究グループは、近年承認されたがん治療が臨床的に意味のあるQOL改善効果を示すかどうかを調査する目的で、2006年1月~2017年12月に米国食品医薬品局(FDA)ならびに欧州医薬品庁(EMA)の承認を得たがん治療の適応症と、それを裏付ける臨床試験(2019年10月までに特定できたQOLに関する公表論文)を特定し、公表されたQOLに関するエビデンスについて評価した。 QOLに関するエビデンスとは、米国臨床腫瘍学会Value Framework(ASCO-VF)バージョン2.0および欧州臨床腫瘍学会Magnitude of Clinical Benefit Scale(ESMO-MCBS)バージョン1.1のQOL bonus criteriaに従ったQOLの有益性、および臨床的に意義のある最小変化量を超えた臨床的に意味のあるQOL改善とした。 QOLのエビデンスと承認年との関連を、ロジスティック回帰モデルを用いて解析した。 主な結果は以下のとおり。・調査期間に承認されたがん治療の適応症は、FDAで214(血液学的腫瘍77[36%])、EMAで170(同52[31%])であった ・カットオフ日までにQOLに関するエビデンスが公開されていたのは、FDA承認適応症40%、EMA承認適応症58%であった。・ASCO-VFおよびESMO-MCBSのQOL bonus criteriaを満たしていたのは、FDA承認適応症ではそれぞれ13%および17%、EMA承認適応症では21%および24%であった。・臨床的に意義のある最小変化量を超えた臨床的に意味のあるQOL改善が認められたのは、FDA承認適応症では6%、EMA承認適応症では11%であった。・EMAでは経年的に承認時におけるQOLに関するエビデンスの公開が増加したが(オッズ比[OR]:1.13、p=0.03)、FDAでは増加はみられなかった(OR:1.10、p=0.12)。・QOL bonus の増加や臨床的に意味のあるQOL改善について、経年的な増大は認められなかった。

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トシリズマブとサリルマブ、重症COVID-19患者に有効/NEJM

 集中治療室(ICU)で臓器補助(organ support)を受けた重症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者において、インターロイキン6(IL-6)受容体拮抗薬のトシリズマブとサリルマブによる治療は、生存を含むアウトカムを改善することが認められた。英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのAnthony C. Gordon氏らが、現在進行中の国際共同アダプティブプラットフォーム試験である「Randomized, Embedded, Multifactorial Adaptive Platform Trial for Community-Acquired Pneumonia:REMAP-CAP試験」の結果を報告した。重症COVID-19に対するIL-6受容体拮抗薬の有効性は、これまで不明であった。NEJM誌オンライン版2021年2月25日号掲載の報告。アダプティブプラットフォーム臨床試験でトシリズマブとサリルマブの有効性を評価 研究グループは、ICUで臓器補助開始後24時間以内のCOVID-19成人患者を、トシリズマブ(8mg/kg体重)群、サリルマブ(400mg)群、または標準治療(対照群)のいずれかに無作為に割り付けた。 主要評価項目は、21日以内の非臓器補助日数(患者が生存し、ICUで呼吸器系または循環器系の臓器補助を要しない日数)で、患者が死亡した場合は-1日とした。 統計にはベイズ統計モデルを用い、優越性、有効性、同等性または無益性の事前基準を設定。オッズ比>1は、生存期間の改善、非臓器補助期間の延長、あるいはその両方を示すものとした。標準治療と比較しトシリズマブ、サリルマブで非補助日数が増加、90日生存も改善 トシリズマブ群およびサリルマブ群のいずれも、事前に定義された有効性の基準を満たした。 解析対象は、トシリズマブ群353例、サリルマブ群48例、対照群402例であった。非臓器補助期間の中央値は、トシリズマブ群10日(四分位範囲:-1~16)、サリルマブ群11日(0~16)、対照群0日(-1~15)であった。対照群に対する補正後累積オッズ比中央値は、トシリズマブ群1.64(95%信頼区間[CI]:1.25~2.14)、サリルマブ群1.76(1.17~2.91)で、対照群に対する優越性の事後確率はそれぞれ99.9%、99.5%であった。 90日生存についても、トシリズマブ群とサリルマブ群のプール解析群で改善が認められ、対照群に対するハザード比は1.61(95%CI:1.25~2.08)、優越性の事後確率は99.9%超であった。 その他のすべての副次評価項目についても、これらIL-6受容体拮抗薬の有効性が支持された。

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肥満2型DMへのセマグルチド、68週後の体重減少は約10%/Lancet

 過体重/肥満の2型糖尿病成人患者において、GLP-1アナログ製剤のセマグルチド2.4mg週1回投与は臨床的に意義のある体重減少を達成し、プラセボに対する優越性が示された。英国・レスター大学のMelanie Davies氏らが、体重管理を目的としたセマグルチド2.4mg週1回皮下投与の有効性と安全性を同1.0mg(糖尿病治療として承認された投与量)およびプラセボと比較する、無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験「Semaglutide Treatment Effect in People With Obesity 2:STEP 2試験」の結果を報告した。2型糖尿病患者において、セマグルチド1.0mg投与は体重減少効果があることが示されており、体重管理のための高用量2.4mg投与の有効性が検討されていた。Lancet誌オンライン版2021年3月2日号掲載の報告。セマグルチド2.4mg週1回皮下投与による体重減少をプラセボと比較 研究グループは、12ヵ国(欧州、北米、南米、中東、南アフリカおよびアジア)のクリニック149施設において、スクリーニングの半年以上前に2型糖尿病と診断され、BMI≧27かつ糖化ヘモグロビン値7~10%の成人患者を登録し、セマグルチド(週1回皮下投与)2.4mg群、同1.0mg群またはプラセボ群に、血糖降下薬および糖化ヘモグロビン値で層別し1対1対1の割合で無作為に割り付けた。いずれも生活習慣の改善介入とともに68週間投与した。 主要評価項目は、セマグルチド2.4mg群とプラセボ群との比較における68週時の体重変化率および5%以上減量の達成率で、intention-to-treat解析で評価した。安全性の解析対象集団は、治験薬を少なくとも1回投与されたすべての患者とした。セマグルチド2.4mg群の約70%が体重5%以上減少を達成 2018年6月4日~11月14日の期間に、1,595例がスクリーニングされ、そのうち1,210例がセマグルチド2.4mg群(404例)、同1.0mg群(403例)、およびプラセボ群(403例)に無作為に割り付けられ、intention-to-treat解析に組み込まれた。 ベースラインから68週時までの平均体重変化率推定値は、セマグルチド2.4mg群-9.6%(標準誤差0.4)vs.プラセボ群-3.4%(同0.4)であった。プラセボ群と比較したセマグルチド2.4mg群の治療群間差推定値は、-6.2ポイント(95%信頼区間[CI]:-7.3~-5.2、p<0.0001)であった。 68週時点で、セマグルチド2.4mg群はプラセボ群と比較し、5%以上の減量を達成した患者の割合が高かった(68.8%[267/388例]vs.28.5%[107/376例]、オッズ比:4.88、95%CI:3.58~6.64、p<0.0001)。 有害事象は、セマグルチド2.4mg群(87.6%)および同1.0mg群(81.8%)で、プラセボ群(76.9%)より高頻度にみられた。消化管系の有害事象は、ほとんどが軽度~中等度であり、発現頻度はセマグルチド2.4mg群256/403例(63.5%)、同1.0mg群231/402例(57.5%)、プラセボ群138/402例(34.3%)であった。

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