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早期肺がん、アテゾリズマブの補助療法が主要評価項目を達成(IMpower010)/Genentech

 RocheグループのGenentechは、2021年3月21日、アテゾリズマブをベストサポーティブケア(BSC)と比較する第III相IMpower010試験の中間分析において、主要評価項目の無病生存期間(DFS)を達成したと発表。 IMpower010は、Stage IB~IIIAの非小細胞肺がん(NSCLC)を対象に、外科的切除とシスプラチンベースの補助療法(最大4サイクル)後のアジュバントにおけるアテゾリズマブの有効性と安全性をBSCと比較した国際第III非盲検試験。無作為割り付けは1,005例が対象となった。主要評価項目は、PD-L1陽性のStage II~IIIA、無作為化集団のStage II~IIIA、ITT集団のStage II~IIIAにおける、治験担当医判定のDFS。主な副次評価項目は、全体集団、ITT集団のStage IB~IIIAの全生存期間など。 この試験で、アテゾリズマブは手術および化学療法後の補助療法として、Stage II~IIIAのNSCLCにおいて統計学的に有意なDFSの改善を示した。DFSの改善は、PD-L1陽性集団で顕著であった。 Genentechは、IMpower010試験の結果を、今後の医学学会で発表し、米国食品医薬品局や欧州医薬品庁など世界の保健当局に提出するとしている。

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子宮頸がんの原因となるHPV型の約90%をカバーする「シルガード9水性懸濁筋注シリンジ」【下平博士のDIノート】第71回

子宮頸がんの原因となるHPV型の約90%をカバーする「シルガード9水性懸濁筋注シリンジ」今回は、「組換え沈降9価ヒトパピローマウイルス(HPV)様粒子ワクチン(商品名:シルガード9水性懸濁筋注シリンジ、製造販売元:MSD)」を紹介します。本剤は、子宮頸がんなどの原因となる7つのHPV型と、尖圭コンジローマなどの原因となる2つのHPV型の感染を予防する9価のHPVワクチンです。<効能・効果>本剤は、HPV6、11、16、18、31、33、45、52および58型の感染に起因する以下の疾患の予防の適応で、2020年7月21日に承認され、2021年2月24日より発売されています。なお、本剤の予防効果の持続期間は確立していません。子宮頸がん(扁平上皮細胞がんおよび腺がん)およびその前駆病変(子宮頸部上皮内腫瘍[CIN]1、2および3ならびに上皮内腺がん[AIS])外陰上皮内腫瘍(VIN)1、2および3ならびに腟上皮内腫瘍(VaIN)1、2および3尖圭コンジローマ<用法・用量>9歳以上の女性に、1回0.5mLを合計3回(2回目は初回接種の2ヵ月後、3回目は6ヵ月後)、筋肉内に注射します。1年以内に3回の接種を終了することが望ましいですが、2回目は初回から少なくとも1ヵ月以上、3回目は2回目から少なくとも3ヵ月以上の間隔を置いて接種することとされています。9歳以上15歳未満の女性は、初回接種から6~12ヵ月の間隔をおいた合計2回の接種とすることができます(2023年3月改訂)。9歳以上15歳未満の女性に合計2回の接種をする場合、13ヵ月後までに接種することが望ましいとされています。なお、医師が必要と認めた場合には、他ワクチンと同時に接種することができますが、本剤と他ワクチンを混合して接種することはできません。<安全性>日本人を含む後期第II相/第III相国際共同試験(001試験)において、注射部位の副反応は、本剤接種後5日間で7,071例中6,414例(90.7%)に認められ、主なものは疼痛6,356例(89.9%)、腫脹2,830例(40.0%)、紅斑2,407例(34.0%)、そう痒感388例(5.5%)、内出血137例(1.9%)、腫瘤90例(1.3%)、出血69例(1.0%)でした。また、全身性の副反応は、本剤接種後15日間で7,071例中2,090例(29.6%)に認められ、主なものは頭痛1,033例(14.6%)、発熱357例(5.0%)、悪心312例(4.4%)、浮動性めまい211例(3.0%)、疲労166例(2.3%)、下痢87例(1.2%)、口腔咽頭痛73例(1.0%)、筋肉痛69例(1.0%)でした。日本人を対象とした国内第III相臨床試験(008試験)では、注射部位の副反応は、本剤接種後5日間で100例中95例(95.0%)に認められ、主なものは疼痛93例(93.0%)、腫脹42例(42.0%)、紅斑33例(33.0%)、そう痒感4例(4.0%)、出血3例(3.0%)、熱感3例(3.0%)でした。また、全身性の副反応は、本剤接種後15日間で100例中14例(14.0%)に認められ、主なものは発熱3例(3.0%)、頭痛2例(2.0%)、悪心2例(2.0%)、感覚鈍麻2例(2.0%)、腹痛2例(2.0%)でした。なお、重大な副作用として、過敏症反応(アナフィラキシー、気管支痙攣、蕁麻疹)、ギラン・バレー症候群、血小板減少性紫斑病、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)(いずれも頻度不明)が設定されています。国内外の臨床試験における安全性検討対象1万3,408例では、過敏症3例および蕁麻疹20例が副反応として報告されています。ギラン・バレー症候群、血小板減少性紫斑病およびADEMは臨床試験において認められていませんが、本剤と同一の有効成分を含むワクチン(商品名:ガーダシル)と同様に設定されました。<患者さんへの指導例>1.ワクチン接種により、子宮頸がんや尖圭コンジローマなどの原因となる9つのHPV型に対する抗体ができ、今後の感染を予防します。2.接種後に血管迷走神経反射として失神が現れることがあります。接種後30分程度は、背もたれや肘掛けのある安全ないすに座っていてください。3.本剤接種後に、注射部位だけでなくほかの部位に激しい痛み(筋肉痛、関節痛、皮膚の痛みなど)やしびれ、脱力などが現れて長時間持続する場合は、速やかに医師に相談してください。4.十分な予防効果を得るために、必ず本剤を3回接種してください。通常の接種スケジュールは、初回接種の2ヵ月後に2回目、初回接種の6ヵ月後に3回目となります。<Shimo's eyes>わが国において、年間約1万人が子宮頸がんに罹患し、毎年約2,900人が死亡しています。患者数・死亡者数ともに近年増加傾向にあり、子宮頸がん発症のピークが出産年齢と重なることが問題となっています。子宮頸がんの95%以上はHPV感染が原因で、感染経路は主に性的接触です。性交渉の経験がある女性のうち、50~80%が生涯で一度以上の感染を経験すると推計されていて、そのうちの一部が将来的に高度前がん病変や子宮頸がんを発症します。本剤は、わが国で3番目に発売されたHPVワクチンです。いずれの製剤も筋肉内注射で、計3回接種が必要です。既存薬の1つである2価ワクチン(商品名:サーバリックス)は、子宮頸がんの主な原因となるHPV16型と18型の感染を予防します。もう1つの既存薬である4価ワクチン(同:ガーダシル)は、上記に加えて尖圭コンジローマなどの原因となる6型と11型の感染も予防します。4価ワクチンは、2020年12月に男性も接種が可能となりました(公費助成の対象外)。本剤は、2021年2月に発売された9価ワクチンで、前述の4つのHPV型に加えて、31型・33型・45型・52型・58型の5つのHPV型のウイルス様粒子も含有することで、約90%の子宮頸がんを予防することが期待されています。既存2剤は定期接種の対象で、小学6年生~高校1年生相当の女子は公費助成によって無料で接種を受けることができます。発売当初は本剤は任意接種でしたが、2023年4月から本剤についても定期接種の対象となりました。HPVワクチンは、今後のHPVの感染を予防するものであり、すでにHPVに感染している細胞からのウイルス排除や進行抑制には効果はありません。したがって、性交渉を経験する前に接種することが最も効果的ですが、性交渉の経験があっても、予防対象のHPV型に感染していなければ効果が期待できます。HPVワクチンについては、過去に疼痛や運動障害などの副反応が大きく報道され、2013年6月に厚生労働省より「積極的な勧奨の一時差し控え」が発表されました。世界では接種完遂率が80%を超える国もある中、わが国の接種率は0.3%と非常に低い水準にとどまっています。一方で、2017年11月に、厚生労働省専門部会は、HPVワクチン接種後に報告された多様な症状とHPVワクチンとの因果関係を示す根拠は報告されていないと発表しています。近年、国が地方自治体に定期接種対象者への周知を徹底するよう求めるなど、接種率向上に向けた動きがみられています。※2023年8月、厚生労働省の情報などをもとに、一部内容の修正を行いました。参考1)PMDA 添付文書 シルガード9水性懸濁筋注シリンジ2)子宮頸がんとHPVワクチンに関する正しい理解のために(日本産科婦人科学会)3)海外のHPVワクチンの現状(MSD)

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着々と広がるコロナワクチン接種、一方で接種忌避やアクセス困難者も【臨床留学通信 from NY】第19回

第19回:着々と広がるコロナワクチン接種、一方で接種忌避やアクセス困難者もこちら米国では、COVIDワクチンが徐々に行き渡りつつあります。私の外来に来る人たちも、50歳以上もしくは糖尿病などの合併症があればワクチンを勧めることができ、1月中旬から高齢者を中心に、すでにワクチンを接種し終えている人も相当数います。米国では、3月25日時点のワクチン接種がトータルで1億6,900万回を超えている状況ですが、同時点のニューヨーク州における感染者数は1日7,000人ほどで、依然として減る兆しがありません。変異株の影響も心配されます。3月30日から30歳以上が、4月6日からは16歳以上が接種対象となり、一段とワクチン接種が加速する見通しですが、皆がワクチン接種を望んでいるわけではないのはどこの国も同じで、合併症があって、医学的に勧められても接種に前向きでない人も一定数います。また、単回接種で済むジョンソン&ジョンソン社製がより行き渡るのを待ちたい、という人もいます(Mount Sinaiで接種できるのは、現時点ではファイザー社製のみ)。ワクチンへのアクセス困難者を訪問診療でカバーさて、米国レジデントは通常のプライマリケア外来のみならず、Geriatric、すなわち老年学の勉強のため、Geriatric serviceの外来ローテーションを経験する必要があります。超高齢化社会はどこの先進国も同様であり、90歳を超えてもピンピンしている人もいれば、70歳代で合併症を抱えて、歩くのもままならない人もいます。そういった超高齢化社会に対応するのがGeriatricです。現在はコロナの影響でTelephone visit, Video visitもしていますし、Visiting doctorsとして訪問診療をすることもあります。日本では通常大きな病院が訪問診療をすることはないと思いますが、こちらでは大学病院の事業の一貫として、必要な患者さんを訪問していくわけですが、マンハッタン全域をカバーしているため移動がなかなか大変です。また家で採血、さらにはワクチンが受けられるようにセッティングするのですが、そういった方々には確かにジョンソン&ジョンソンの1回で済むワクチンが良いのかもしれません。またそういった方々の介護をしているHome aidの人に対しても、ワクチンが接種できるように手配の手助けもしています。Home aidの人がコロナに罹患して、抵抗力の弱い年配者に感染が広がると大変なので、先手の予防策は理に適っています。日本ではまだ医療従事者の段階ではありますが、システム作りの得意な米国には見習うところがあると思います(コロナの流行拡大で世界最大の感染者数を出している点はさておき)。Column画像を拡大する3月中旬のレジデントのマッチの結果が出て、7月からの次年度の当院のメンバーも決まったようです。早いもので、私のレジデント生活もあと少しで終わろうとしています。コロナのPandemicの中心にいた昨年4月を含め、激動の3年間でした。現在の職場で、コロナ関連の研究などやれることをできるだけやって、次のステップに進みたいと思います。ニューヨークは、3月上旬は-4℃くらいまで冷え込む日もありましたが、下旬には20℃を超えてきています。写真は、見頃を迎えた花の並木道を撮ったもの。春の訪れを感じます。

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ワクチン接種で役立つ筋肉注射の手技とコツ【今、知っておきたいワクチンの話】特別編

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種が、3月より医療者から始まり、4月からは高齢者、基礎疾患のある方、一般の方へと開始される予定です。現在、承認され接種可能なワクチンはファイザーの「コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)」(商品名:コミナティ筋注)のみであり筋肉注射となっております。今後追加承認が予想されるモデルナ社、アストラゼネカ社のワクチンも筋肉注射による接種となっています。その理由として、「不活化ワクチンによる局所反応は、皮下注射より筋肉注射の方が腫れにくいこと」、「皮下注射よりも筋肉注射の方が痛みが少ないこと」、「皮下注射より血流が豊富な筋肉注射の方が免疫が付きやすいこと」などがあげられています。そこで、本稿では、日本プライマリ・ケア連合学会 予防医療・健康増進委員会ワクチンチームの協力により、同委員会の中山 久仁子氏の解説でこれから実際に臨床現場で接種する際の筋肉注射の手技について、その手順を動画で説明します。また、新型コロナワクチンでは、接種後に懸念されているアナフィラキシーショックでのアドレナリン注射の対応を説明いただきます。筋肉注射は、今回のCOVID-19ワクチンなど特別なものではなく、HPVワクチン、帯状疱疹ワクチン、肺炎球菌ワクチンなどでも行われるものです。この機会に手技に慣れていただき、経験を深めてください。筋肉注射の接種方法のコツ筋肉注射の部位などについて部位:上腕三角筋(1)肩峰から下ろした線(2)前後の腋窩線の頂点を結んだ線(1)と(2)が交わる点または肩峰から3横指下針の長さ:長さ25mmの針を基本的に根元まで刺して注入する痩せ形の体形:ゆっくりと針を進め、確実に筋肉内に注入、または長さ16mmの針に付け替えて根元まで刺して注入高度肥満:長さ38mmの針に付け替えて根元まで刺して注入針の角度:90度、垂直吸引確認:不要筋肉注射の穿刺部位画像を拡大する筋肉注射の手順※接種では、接種者・被接種者ともに座位で行う1)シリンジにワクチンを入れ、溶液に異常がないか目視2)手を下に下ろしていただく(リラックス)3)三角筋の位置を確認する4)三角筋の辺縁を触って確認する注:筋肉をつままない5)アルコールで接種する部位を消毒する6)注射針を皮膚面に対して垂直(直角)に刺入する7)内筒を押しワクチン溶液を全量注入する注:内筒を引かない8)針を抜き、軽く圧迫する。揉まない注:抗凝固薬・抗血小板薬内服中の方は2分間圧迫対象者に痛みを感じさせない接種のために1)筋注は筋肉内に打つ(一般的に不活化ワクチンを皮下に打つと痛い)2)内筒(プランジャー)を引かない(逆血確認不要)3)ワクチンを素早く注入し、刺入中は針の先を動かさない4)接種後に接種部位を圧迫する5)気を紛らわせるように話しかけたり、演技する。接種者は笑顔で!アナフィラキシーショックでの対応:アドレナリン注射(商品名:エピペンなど)の使い方【注射部位】アドレナリンの筋肉注射は患者を横臥位で施行アドレナリンの筋肉注射の部位は大腿中央前外側【エピペン筋肉注射の手順】1)カバーキャップを指で押し開け、注射器を取り出す2)ニードルカバー(オレンジ色)を下に向け、注射器の真ん中を片手で保持、もう片方の手で青色の安全キャップを外し、ロックを解除3)注射器を太ももの前外側に垂直になるようにし、ニードルカバーの先端を「カチッ」と音がするまで強く押し付ける4)太ももに押し付けたまま、5まで数を数える5)注射器を太ももから抜き取る6)注射後、ニードルカバーが伸びているかどうか確認。ニードルカバーが伸びていれば注射は完了アドレナリン注射での注意1)アドレナリンの筋肉注射については、下記の厚生労働省の通知をご参照ください。「予防接種会場での救急対応に用いるアドレナリン製剤の供給等について」「予防接種会場での救急対応に用いるアドレナリン製剤の供給等について(その2)」2)エピペンの処方または使用する医師はマイランEPD合同会社が提供するエピペン登録医講習の受講が必要です。詳しくは「エピペンサイト」をご参照ください。使用に関して動画の解説もあります。参考となるサイト「新型コロナワクチン 今わかっていること まだわからないこと」(日本プライマリ・ケア連合学会 ワクチンチーム制作)同講演 解説資料(PDF)「新型コロナワクチン 筋肉注射の方法とコツ 2021年3月版」(日本プライマリ・ケア連合学会 ワクチンチーム監修)新型コロナワクチン 筋肉注射の方法とコツ 2021年3月版 ダイジェスト版」(日本プライマリ・ケア連合学会 ワクチンチーム監修)講師紹介

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あらゆる“傷”のプロフェッショナルといえば?【漫画でわかる創傷治療のコツ】第1回

第1回 あらゆる“傷”のプロフェッショナルといえば?こんにちは! 田舎の病院で形成外科医をしている「びたみん」と申します。形成外科というと、学生時代にそこまで詳しく習う機会もなく、国家試験にもほとんど出てこず、あまりぴんとこない人も多いかもしれません。しかしながら、医療現場では決して珍しくない外傷や褥瘡に対し、プロフェッショナルとして対応している診療科です!外来で、外傷の初期対応に困ったことはありませんか? 後医への引き継ぎは問題なかったでしょうか? 本連載では、マイナーなようで実は基本手技のノウハウが満載の形成外科知識を中心に、知って役立つ創傷治療のコツを、オリジナルキャラクターの「肉芽ちゃん」と共に紹介していきたいと思います。次回は、小児の擦り傷処置について解説する予定です。

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第54回 AZ社COVID-19ワクチン後の普通じゃない血栓症はヘパリン起因性血小板減少症に類似

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のスパイクタンパク質抗原を作るアデノウイルスを下地とするAstraZenecaのワクチンAZD1222を今年2月中頃に欧州で接種した49歳の健康な女性看護師が内臓・大動脈・脳静脈の血栓症や血小板減少を呈し、残念ながら治療の甲斐なく死亡しました。女性の治療にあたった医師らの病院で3月中旬までにさらに8人に同様の症状が認められ、AZD1222接種4~16日後に血栓症を呈し始めたそれらの9人の病態は血小板活性化抗体を原因とするヘパリン起因性血小板減少症(HIT)にはっきり似通っていました1)。HITは血小板第4因子(PF4)とヘパリンの複合体を認識する血小板活性化抗体によって生じる血栓促進性の血小板減少疾患です。9人のうち1人を除く8人は女性で、年齢は比較的若く22~49歳(中央値36歳)でした。7人は脳静脈血栓症、1人は肺塞栓症、最初の検出例である1人は上述の通り内臓や脳などの複数の組織に血栓症を呈し、9人中4人が亡くなりました。9人のうち4人の血清を調べたところどの人の血清もPF4存在下でヘパリンがなくとも血小板を強く活性化しました。誰も発症前にヘパリンを使っておらず、AZD1222接種者の血小板活性化抗体は複合体を形成していない単独のPF4にどうやら結合するようです。欧州医薬品庁(EMA)や世界保健機関(WHO)はAZD1222使用継続を支持していますが2,3)、欧州のいくつかの国やカナダでは血栓症の懸念を受けてその使用を控えています4,5)。9例の検討結果を今回報告した著者は、特に脳や腹部などでの“普通じゃない(unusual)”血栓症や血小板減少がワクチン接種からおよそ5~14日後に稀に生じることを知っておく必要があると言っています。また、その病態をvaccine induced prothrombotic immune thrombocytopenia(VIPIT) と呼ぶことを提案しています。いまのところAstraZenecaワクチンAZD1222でのみ認められているVIPITが生じたならリバーロキサバンやアピキサバンなどのヘパリン以外の抗凝固薬をまずは使ったらよさそうです1)。脳静脈洞血栓症(CVST)などの致死リスクがある血栓症に陥ったワクチン接種者には高用量免疫グロブリン静注が助けになりそうです。インフルエンザワクチンとナルコレプシーワクチンの稀な深刻な有害事象といえば10年以上前のH1N1(ブタ)インフルエンザワクチンPandemrix(AS03アジュバント添加)接種小児の慢性睡眠疾患・ナルコレプシー発現率上昇が思い出されます。発現率は投与1万8,400回あたり約1例と稀ですが、小児の発現がワクチン接種後にとくに増えました6)。AS03アジュバントとナルコレプシー発現率上昇の関連は否定されているものの7)10年以上経た今となってもPandemrixとナルコレプシーの関連性はいまだに結論がでていません8)。しかし疫学やワクチンの研究者などが集まってベルギーで3年前の2018年3月末に開催された検討会ではPandemrix接種後の一貫したナルコレプシーリスク上昇が認められていると結論され9)、同ワクチンとH1N1インフルエンザウイルスの相互作用に帰するナルコレプシーは恐らくあるようだと参加者は考えています8)。参考1)A Prothrombotic Thrombocytopenic Disorder Resembling Heparin-Induced Thrombocytopenia Following Coronavirus-19 Vaccination. Research Square. Posted 28 Mar, 20212)Statement of the WHO Global Advisory Committee on Vaccine Safety (GACVS) COVID-19 subcommittee on safety signals related to the AstraZeneca COVID-19 vaccine / WHO3)AstraZeneca COVID-19 vaccine: review of very rare cases of unusual blood clots continues / EMA4)AstraZeneca COVID Vaccine: Clotting Disorder Mechanism Revealed? / Medscape5)Germany suspends use of AstraZeneca’s Covid shot for the under-60s, dealing another blow to drugmaker / CNBC 6)Sarkanen TO, et al. Sleep Med Rev. 2018 Apr;38:177-186. 7)Weibel D, et al.Vaccine. 2018 Oct 1;36:6202-6211. 8)Why is it so hard to investigate the rare side effects of COVID vaccines? / Nature9)Edwards K, et al. Biologicals. 2019 Jul;60:1-7.

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タモキシフェン、低用量でも乳腺濃度は減少するか?/JCO

 乳がん術後補助療法としてのタモキシフェン標準用量20mgと比較して、1~10mgの低用量は非劣性であるか、また服用による副作用はどう変化するのか。スウェーデン・カロリンスカ研究所のMikael Eriksson氏らは、タモキシフェン療法による反応の指標としてマンモグラフィにおける乳腺濃度の変化を用い、用量別の効果と副作用について検討した。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2021年3月18日号掲載の報告。 研究者らは、スウェーデンのマンモグラフィスクリーニングプログラムに参加している40~74歳の女性を対象に、閉経状態によって層別化された6ヵ月の二重盲検6アーム無作為化プラセボ対照非劣性用量決定第II相試験(KARISMA試験)を実施。参加者はプラセボ、1、2.5、5、10、20mg投与群に無作為に割り付けられた。主要評価項目は、標準用量である20mg群におけるマンモグラフィによる乳腺濃度減少の中央値と同等の減少がみられた患者の割合。非劣性マージンは17%であった。副次評価項目は症状軽減、事後解析は閉経状態に応じて行われた。 主な結果は以下のとおり。・2016年10月1日から2019年9月30日までの間に全体で1,439例(閉経前:566例、閉経後:873例)の女性が登録され、ITT解析は1,230例が対象とされた。・20mg投与群で観察されたマンモグラフィ乳腺濃度の10.1%減少(中央値)と比較して、2.5、5、および10mg投与群で非劣性が確認された。ただし、この減少は閉経前女性に限定された。・投与用量別に有害事象の発現状況をみると、重度の血管運動神経症状(ほてり、冷汗、寝汗)は、20mg投与群と比較して、2.5、5、および10mg投与群で約50%減少した。 著者らはこの結果を受けて、今後はタモキシフェン2.5mg投与が原発性乳がんのリスクを低下させるかどうかを研究する必要があるとまとめている。

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ナノミセルを使った効率的なゲノム編集法の開発に成功

 公益財団法人川崎市産業振興財団 ナノ医療イノベーションセンター(iCONM)の副主幹研究員、内田 智士氏(京都府立医科大学准教授)らの研究グループは、ナノミセルを用いたCRISPR/Cas9の送達手法を開発し、世界で初めてRNAを基盤としたマウス脳内でのゲノム編集に成功したことを3月10日付けのプレスリリースで発表した。本研究の成果は2021年3月4日にJournal of Controlled Release誌に掲載された。 ゲノム編集技術は、遺伝子異常が原因の疾患に対して、ヒトの遺伝子を自由に改変することで異常が起こった遺伝子を修復し、永続的な効果が期待できる治療法である。その中でも2020年ノーベル化学賞を受賞したCRISPR/Cas9を用いた手法では、Cas9タンパク質とガイドRNA(sgRNA)を組み合わせることで、標的の遺伝子を認識し切断を行う。この手法では標的遺伝子ごとのタンパク質の設計は不要で、合成が容易なsgRNAの設計だけで切断箇所を自由に選択できるため、コストや手間を抑えることができる。 Cas9タンパク質とsgRNAの導入方法としては、アデノ随伴ウイルスを用いてCas9タンパク質とsgRNAを作る遺伝子を生体に送る方法やCas9タンパク質/sgRNA複合体をそのまま生体に送る方法がある。しかし、前者は搭載できる遺伝子のサイズの制限や非特異的な遺伝子の切断が課題となり、後者は経済的に高価な点や大量製造が困難な点が課題となる。 内田氏らの研究グループが開発した手法は、Cas9タンパク質のmRNAとsgRNAを1つのナノミセルに搭載して生体へ送るものである。mRNAをそのまま生体へ送ろうとすると細胞外で分解されてしまったり炎症反応を起こしてしまったりすることがあるため、ポリエチレングリコールとポリカチオンで構成されたナノミセルにmRNAとsgRNAを同時に搭載することで、安全かつ容易に生体に送達することができるようになったという。さらに、この手法では、搭載できる遺伝子サイズに制限がないほか、Cas9タンパク質の発現が一過性であるため非特異的切断も起こりにくいと考えられる。 今回の研究では、遺伝子編集が起こった場合にのみ特定の色の蛍光タンパク質が発現するような遺伝子改変マウスを用いて、脳内の遺伝子編集が起こったかどうかを蛍光観察によって評価した。その結果、Cas9タンパク質のmRNAとsgRNAを搭載したナノミセルをマウスの脳内に投与することで、神経細胞やアストロサイト、ミクログリアといった広範囲な細胞種で蛍光が確認され、遺伝子編集が行われたことが示された。本研究の成果について、内田氏は「今後はハンチントン病やアルツハイマー病といった神経系難治疾患への応用が期待される」と語った。

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zoom導入率は?医療機関のオンライン化はこの1年でどのくらい進んだか

 この1年間、新型コロナの影響で院内カンファレンスや学会のオンライン化が一気に進んだとされる。実際のところ、医療機関ではどんなツールが導入され、どんな目的に使われているのか。20床以上の医療機関に勤務する会員医師にオンラインアンケートを行い、1,019人から回答を得た。 「『2020年以降』に、勤務先の医療機関で導入されたオンラインツール」(複数回答可)を聞いた設問では、オンライン会議ツール「zoom」が620人(61%)と最多となり、「LINE」が122人(12%)、「Skype」が66人(6%)と続いた。「2020年以降に導入されたツールはない」との回答は329人(32%)だった。 医療機関の規模別にみると、「(導入時期を問わず)導入されているオンラインツールはない」と回答した人の割合は20~99床では40%、100~199床では34%、200床以上では28%と減少し、医療機関の規模が大きくなるにつれツールの導入が進んでいる状況が見えた。導入ツールの種類に大きな差はないが、複数のツールが一気に導入された医療機関がある一方で、現在に至るまでまったく導入されていない医療機関もあった。 オンラインツールを使う目的(複数回答可)としては「学会・講演会への参加」が最も多く326人、「組織内の会議」が289人、「組織内のカンファレンス・勉強会」が247人などとなった。 導入済みのツールの「優れている点」を自由回答で聞いた設問では、「皆が使っているので使い方を聞ける」、「学会の指定だったため」、「他のツールを使っていないのでわからない」と、半ば強制的に使い始めたものの、大きな不便はなく利用できている旨の回答が目立った。とくに地方で勤務する医師からは「学会に参加しやすくなった」「患者さんとご家族が負担なくコミュニケーションをとれる」(すべてzoomの利用者)と歓迎の声が見られた。 一方で、問題点としては「途中で途切れる」「音声が聞こえなくなることがある」というシステム面のほか、「無料版だと時間が限られる」(いずれもzoom利用者)という点への指摘が多かった。他には、「双方向の議論をしにくい」というコミュニケーションの難しさを挙げる声や、「組織内のIDでしか使えないのが不便」「用途が制限されている」「ツールに不満はないが、院内の回線状況が悪過ぎる」といった、勤務先のルールやシステム面への不満を指摘する声が上がった。アンケート結果の詳細は以下のページに掲載中。病院のオンライン化、この1年でどのくらい進みましたか?

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新型コロナワクチン、予診票で確認すべきポイントは?/厚労省

 4月12日以降に予定されている高齢者への新型コロナワクチン接種開始を前に、厚生労働省は3月26日、新型コロナワクチン「予診票の確認のポイント」を公開した。予診票記載の14項目について接種前に確認すべき点がまとめられている。事務職員が確認可能な項目、最終的に医師の確認が必要な項目についても整理されている。既往症、現在の治療内容についての確認ポイント 予診票には、「現在何らかの病気にかかって治療(投薬など)を受けていますか」という問いが設けられ、抗凝固薬(血をサラサラにする薬と表記)の利用状況を問う項目が設けられている。確認ポイントとしては、とくに以下に該当するかに注意して接種の判断をするよう求めている:・基礎疾患の状態が悪化している場合や全身状態が悪い場合 体調が回復してから接種することが大切なため、体調が悪いときの接種は控える。体調がよくなった頃に、改めて次の接種を相談するよう説明する。接種後の軽度の副反応が重篤な転帰に繋がることのないよう、とくに慎重に予防接種の適否を判断する必要がある。・免疫不全、血が止まりにくい病気のある場合や、抗凝固薬を服用している場合 免疫不全のある方は、新型コロナウイルス感染症の重症化のリスクが高いとされている。米国CDCの見解では、現時点で、有効性と安全性に関する確立されたデータはないが、他の接種不適当者の条件に該当しなければ、接種は可能としている。 血が止まりにくい病気のある方や、抗凝固薬を服用している方は、筋肉内出血のリスクがあるため、接種後2分以上、強めに接種部位を圧迫してもらう必要はあるが、接種は可能(なお、抗血小板薬を服用している方は、筋肉内出血のリスクではないとされているので、接種は可能。ただし、止血に時間がかかる可能性があることに留意が必要)※なお厚労省では、「血をサラサラにする薬を飲まれている方へ」と題した情報提供用資料も公開している。・アレルギー疾患のある方 アレルギー歴についての確認ポイントを参照。アレルギー歴についての確認ポイント 予診票には、「薬や食品などで、重いアレルギー症状(アナフィラキシーなど)を起こしたことがありますか」という問いが設けられ、「薬・食品など原因となったもの」が記載できる。ここでの確認のポイントとしては、下記のようにまとめられている:・接種するワクチンの成分に対し重度の過敏症の既往のある人は、接種不適当者に該当・1回目の接種でアナフィラキシーを起こした人は、2回目の接種はできない・食物アレルギー、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎(花粉症含む)、蕁麻疹、アレルギー体質等だけでは、接種不適当者にはならず、接種するワクチンの成分に関係のないものに対するアレルギーを持つ方も接種は可能・ただし、即時型のアレルギー反応の既往歴がある人は、接種要注意者として、接種後30分間の経過観察をする さらに、「接種するワクチンの成分」について、ファイザー社のワクチンに含まれるポリエチレングリコールや、交差反応性が懸念されているポリソルベートが含まれる製品例や、接種判断の考え方が解説されている。 今回発表された「予診票の確認のポイント」では、上記2項目を含め、下記の全14項目について、確認のポイントとその解説がまとめられている。1~4、13は事務職員等が確認可能とされ、その他の項目も、記入の有無などの確認は事務職員等が行うことができるとされている。5~12、14については、最終的に医師が確認した上で接種を判断する必要があるとしたうえで、これらの項目も、記載内容を医師以外の医療従事者があらかじめ確認することで、医師の予診の時間が短縮されると考えられるとしている。[確認のポイントが示された予診票記載の14項目]1.新型コロナワクチンの接種を初めて受けますか。2.現時点で住民票のある市町村と、クーポン券に記載されている市町村は同じですか。3.「新型コロナワクチンの説明書」を読んで、効果や副反応などについて理解しましたか。4.接種順位の上位となる対象グループに該当しますか。5.現在何らかの病気にかかって治療(投薬など)を受けていますか。6.その病気を診てもらっている医師に今日の予防接種を受けてよいと言われましたか。7.最近1か月以内に熱が出たり、病気にかかったりしましたか。8.今日、体に具合が悪いところがありますか。9.けいれん(ひきつけ)を起こしたことがありますか。10.薬や食品などで、重いアレルギー症状(アナフィラキシーなど)を起こしたことがありますか。11.これまでに予防接種を受けて具合が悪くなったことはありますか。12.現在妊娠している可能性(生理が予定より遅れているなど)はありますか。または、授乳中ですか。13.2週間以内に予防接種を受けましたか。14.今日の予防接種について質問がありますか。

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うつ病に対するプロバイオティクスの有効性、安全性

 プロバイオティクス(腸内細菌叢)は、脳腸軸の活性を通じて、気分障害や不安症に関連する症状を改善することが、多くの研究で報告されている。しかし、治療歴のないうつ病患者を対象としてプロバイオティクスの効果を検討した試験は行われていなかった。カナダ・クイーンズ大学のCaroline J. K. Wallace氏らは、治療歴のないうつ病患者10例を対象にプロバイオティクス投与前後の抑うつ症状の変化を調査するため、8週間オープンラベル試験を実施した。Frontiers in Psychiatry誌2021年2月15日号の報告。 対象患者は、カナダ・オンタリオ州キングストンの住民より募集した。プロバイオティクス製剤(Cerebiome)を3×109CFUで1日1回、8週間投与した。うつ症状は、検証済みの臨床尺度と自己報告アンケート(CAN-BINDプロトコール)を用いて評価した。データは、ベースライン時、4、8週目に収集した。 主な結果は以下のとおり。・感情障害の改善は、投与4週目で観察され、8週目まで持続した。・主観的な睡眠の質の改善は、8週目までに認められた。・プロバイオティクスに関連した有害事象は認められなかった。 著者らは「本研究では、治療歴のない中等度のうつ病患者に対するプロバイオティクスの有効性および忍容性が示唆されが、さらに包括的な研究を通じて、結論を導き出す必要がある」としている。

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CAVIは心血管イベントを予測できるか(CAVI-J)/日本循環器学会

 高リスク患者の心血管イベント予測因子として、CAVI(cardio-ankle vascular index:心臓足首血管指数)の付加的有用性を検証したCAVI-J研究の結果を、三好 亨氏(岡山大学循環器内科)が第85回日本循環器学会学術集会(2021年3月26日~28日)のLate Breaking Sessionで発表した。本結果から、CAVIは心血管イベントの予測に役立つことが示唆された。 動脈硬化は心血管イベントの重要な予測因子であり、単一施設または小規模の研究では、CAVIと心血管イベント発症の関連が報告されている。今回、三好氏らは大規模前向きコホートで、心血管リスクのある患者においてCAVIが心血管イベントの予測に優れているかどうか、心血管イベントの予測でCAVIの追加が従来のリスク因子による予測能を改善するかどうかを検討した。CAVIは心血管リスクのある患者の心血管イベントリスクの評価に役立つ CAVI-J研究は多施設前向きコホート研究で、40〜74歳の2型糖尿病、高血圧(JSH2014による高リスク)、メタボリックシンドローム、CKD(ステージ3)、冠動脈疾患または脳梗塞の既往のある患者を対象とした。主要アウトカムは、心血管死、非致死性脳卒中、非致死性心筋梗塞の複合心血管イベントであった。2013年5月~2014年12月に計3,026例が登録され、CAVIの測定日から5年間観察した。患者をCAVIにより五分位に分け(Q1:<7.55、Q2:7.60~8.20、Q3:8.25~8.80、Q4:8.85~9.45、Q5:>9.50)、検討した。 高リスク患者の心血管イベント予測因子としてCAVIの付加的有用性を検証したCAVI-J研究の主な結果は以下のとおり。・心血管イベントは計72例(心血管死13例、脳卒中44例、心筋梗塞25例)に発症し、累積発症率のカプランマイヤー曲線ではQ5がQ1に比べ有意に高かった(log-rank検定:p<0.01)。・Q5ではQ1に比べて、複合心血管イベントの発症率が有意に高く(多変量調整ハザード比[HR]:3.31、95%信頼区間[CI]:1.26~8.71)、CAVIの1ポイント増分において有意に高かった(同:1.38、同:1.196~1.65)。・イベントのサブタイプ別にみると、心血管死(年齢・性別調整HR:1.63、95%CI:1.05~2.30)、脳卒中(同:1.49、同:1.15~1.87)、入院を伴う心不全(同:1.50、同:1.11~2.12)が有意にCAVIと関連していた。・心血管イベントの予測において、既知の心血管リスクによるモデルにCAVIを組み込んだ場合、グローバルカイ2乗スコアとNRI(Net reclassification index)は有意に増加したがC-staticの増加は有意ではなかった。 これらCAVI-J研究の結果から三好氏は、CAVIは心血管リスクのある患者の心血管イベントリスクの評価に役立つと述べた。

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COVID-19施設内感染対策案を発表/日本感染症学会

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の診療では、医療機関の施設内感染対策は重要な課題である。実際、院内感染によるクラスターの発生により通常の診療ができなくなった医療機関も全国に存在する。 こうした状況を鑑み、日本感染症学会(理事長:東邦大学医学部教授 舘田 一博氏)は、3月29日に「COVID-19施設内感染アンケート調査を踏まえた施設内感染対策案」を同学会のホームぺージで発表、公開した。 本対策案では、263施設(追加288施設)にアンケートを行い、実際に施設内伝播のあった42施設の回答をまとめた。この回答結果から反省点や今後の対策が示唆されている。8割の医療機関が2週間でクラスターを収束・500床以上の施設が40.5%を占め、COVID-19の入院管理を行っている施設が78.6%。COVID-19に対する基本的な院内感染対策のマニュアルの整備や教育などはほぼすべての施設で実施されていた。・院内伝播事例の発端者は、患者、職員の順。院内伝播に関連した罹患者は、看護師、患者、医師の3者が大半を占めた。・発端者の覚知から1日で感染対策を行ったのは19施設(45.2%)、3日以内が32施設(76.2%)。・発端者の確認から最終発症者までの数は、85%の施設で2週間以内に収まっていた。・施設内伝播の推定された要因は、患者-職員間、職員間、患者間が上位を占めた。・濃厚接触者からの発症のみでなく、それ以外からの発症者もみられた。・施設内伝播時の感染対策としては、患者および職員など接触者へのPCR検査が約90%の施設で実施され、職員の感染対策の徹底(マスク、手指衛生、食事など)も80%以上の施設で実施されていた。また、患者の感染対策(マスク、手指衛生)、環境整備の徹底(高頻度接触面の消毒)は半数以上の施設で実施された。新規入院や外来診療の制限は半数程度であった。「感染対策マニュアル」の整備、遵守、見直しが大事 COVID-19施設内感染アンケート結果からの考察として、1)施設内伝播を経験している施設は、COVID-19患者の入院管理を行い、感染対策マニュアルをすでに整備している施設が多いことから、マニュアル内容の見直し(クラスター発生時の対応が含まれているかなど)、マニュアルが形骸化していないか、遵守されているか定期的なチェックが必要2)施設内伝播事例での罹患者は医師、看護師、患者が大半であり、日頃からの症状サーベイランスが重要3)感染経路の大半は職員間、患者間、職員-患者間であり、濃厚接触者でなくとも感染伝播事例があることから、接触者でも濃厚接触者と同等の対応が必要である。また、誰が発症しても濃厚接触者とならないような対策が必要4)発端者を覚知後、即日に感染対策を行えている施設は半数にも満たない。COVID-19の特性から発端者を覚知した段階ですでに感染が広がっている可能性があるため、事前に初動をシミュレーションしておくとともに、施設内で発端者を覚知した時点で迅速な対応が必要5)施設内伝播覚知後の新型コロナウイルス感染症検査は、無症状の接触者(職員・患者とも)に実施している施設が大半であり、無症状感染者がいることや潜伏期間を考慮すると濃厚接触者に限らず広く接触者を対象とし、施設および施設規模に応じて適切なタイミングで新型コロナウイルス感染症検査(PCR検査や抗原定量検査)を行うことが有用の5点を列挙し、注意を喚起している。院内感染対策は「事前準備と発生時」の2本柱で 施設内クラスター発生時の行動として「事前準備」と「クラスター発生時」に分けて説明している。 事前準備としては、「職員・患者ともに手指衛生やサージカルマスク着用の徹底。職員は食事時間の個食を徹底し、食器やリネンなどの共有を避ける」、「施設内のCOVID-19感染対策マニュアルを策定する」、「COVID-19感染対策マニュアルが遵守できているか確認する」などを提案している。 また、クラスター発生時としては、「平日・休日・夜間に関わらず事例覚知後、直ちに疫学調査を行い、対応策を検討」、「施設内対策本部の設置、感染防止策の再確認ならびに強化、院内での情報共有、保健所と密に連携を取りつつ日々の方針を決定する」、「外来診療や入院の制限を検討する」などを提案している。今後の課題は「収束の目安」や「ワクチン接種」 最後に「COVID-19施設内クラスター発時の対応でわかっていないこと、これから解決すべきこと」として未解決の項目として「外来診療、リハビリ外来、外来透析、新規院診療をどの程度停止すべきか。停止した場合はいつまで停止とすべきか」、「クラスター収束の定義」「施設状況やフェーズに応じた職員の定期的なスクリーニング検査を行うべきか」、「ワクチンを接種していれば濃厚接触者とならないのか」などを列挙し、今後の課題と位置付けている。

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既治療の進行尿路上皮がん、enfortumab vedotinが有望/NEJM

 プラチナ製剤ベースの化学療法と、プログラム細胞死-1(PD-1)/プログラム細胞死リガンド-1(PD-L1)阻害薬による治療歴のある局所進行または転移を有する尿路上皮がん患者の治療において、enfortumab vedotinは標準化学療法と比較して、全生存(OS)期間と無増悪生存(PFS)期間を有意に延長し、Grade3以上の治療関連有害事象の頻度は同程度であることが、英国・ロンドン大学クイーン・メアリー校のThomas Powles氏らが実施した「EV-301試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2021年3月25日号に掲載された。プラチナ製剤ベースの化学療法とPD-1/PD-L1阻害薬による治療後に病勢が進行した進行尿路上皮がん患者の治療法は限られており、ほとんど効果はないとされる。enfortumab vedotinは、ネクチン-4を標的とする抗体薬物複合体(ADC)であり、ネクチン-4に特異的な完全ヒトモノクローナル抗体と、微小管形成の阻害薬であるモノメチルアウリスタチンEで構成される。ネクチン-4は、尿路上皮がんで高発現している細胞接着分子であり、腫瘍細胞の成長と増殖に寄与すると考えられている。OSを評価する国際的な第III相試験 研究グループは、局所進行または転移を有する尿路上皮がん患者の治療におけるenfortumab vedotinの有用性を評価する目的で、国際的な非盲検第III相試験を行った(Astellas Pharma USとSeagenの助成による)。本試験には、日本を含む19ヵ国191施設が参加した。 対象は、年齢18歳以上、組織学的または細胞学的に尿路上皮がんと確定され、画像所見で転移を有するまたは切除不能な進行病変が確認され、全身状態(ECOG PS)が0または1で、プラチナ製剤を含む化学療法による治療歴があり、PD-1/PD-L1阻害薬による治療中または治療終了後に病勢が進行した患者であった。 被験者は、enfortumab vedotin(1サイクルを28日として、1、8、15日目に1.25mg/kg体重)を投与する群、または担当医が選択した標準化学療法(ドセタキセル、パクリタキセル、vinflunineのいずれかを、1サイクル21日の1日目に投与)を施行する群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要エンドポイントはOSとした。全奏効率、病勢コントロール率も良好 608例(年齢中央値68歳[範囲:30~88]、男性77.3%)が無作為化の対象となり、enfortumab vedotin群に301例、化学療法群に307例が割り付けられた。内臓転移は、enfortumab vedotin群が77.7%、化学療法群は81.7%に、肝転移は両群とも30.9%に認められた。 データカットオフの時点(2020年7月15日)で、301例(enfortumab vedotin群134例、化学療法群167例)が死亡していた。事前に規定された中間解析時のフォローアップ期間中央値は11.1ヵ月であった。解析の結果、OS期間中央値はenfortumab vedotin群が12.88ヵ月と、化学療法群の8.97ヵ月に比べ有意に延長し、死亡リスクが30%低下した(死亡のハザード比[HR]:0.70、95%信頼区間[CI]:0.56~0.89、p=0.001)。1年OS率はそれぞれ51.5%および39.2%だった。 PFS期間中央値は、enfortumab vedotin群は5.55ヵ月であり、化学療法群の3.71ヵ月と比べて、進行または死亡のリスクが38%有意に改善した(進行または死亡のHR:0.62、95%CI:0.51~0.75、P<0.001)。また、全奏効率は、それぞれ40.6%および17.9%であり、enfortumab vedotin群で有意に優れた(p<0.001)。完全奏効率は4.9%および2.7%、病勢コントロール率は71.9%および53.4%(p<0.001)であった。 治療関連有害事象の発生率は、enfortumab vedotin群が93.9%、化学療法群は91.8%と、両群で同程度であった。また、Grade3以上の治療関連有害事象の発生率は、それぞれ51.4%および49.8%であった。enfortumab vedotin群で頻度の高いGrade3以上の有害事象は、斑状丘疹状皮疹(7.4%)、疲労(6.4%)、好中球数の減少(6.1%)であり、治療関連有害事象による減量が32.4%、投与中断が51.0%、投与中止は13.5%で認められた。 著者は、「OSのサブグループ解析では、女性でenfortumab vedotinの有効性が示されなかった(HR:1.17、95%CI:0.72~1.89)。これは、試験に参加した女性が22.7%と少なく、この疾患の人口統計学的プロファイルを反映していると考えられる」としている。

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降圧治療と副作用:システマティックレビューおよびメタ解析(解説:石川讓治氏)-1370

 高血圧は心血管イベント発症のリスク増加と関連し、降圧治療が心血管イベント発症を抑制することが報告されている。STRATIFY研究グループのメンバーは、降圧薬の介入試験や大規模観察研究の結果のシステマティックレビューとメタ解析を行い、降圧治療は全死亡、心血管死亡、脳卒中の発症抑制と関連し、降圧治療の副作用としては、転倒のリスク増加とは有意な関連がなく(1次評価項目:リスク比1.05、95%信頼区間0.89~1.24)、2次評価項目である急性腎障害(リスク比1.18、95%信頼区間1.01~1.39)、高カリウム血症(リスク比1.89、95%信頼区間1.56~2.30)、低血圧(リスク比1.97、95%信頼区間1.67~2.32)、失神(リスク比1.28、95%信頼区間1.03~1.59)といった副作用のリスク増加と関連していたことを報告した1)。Bromfieldら2)の以前の研究においても、降圧治療中の転倒のリスクは血圧レベルよりもフレイルの存在やポリファーマシーと関連していたことが報告されており、本研究のメタ解析においても降圧治療は転倒のリスク増加と関連していなかったことが再確認された。 日常臨床において転倒が危惧される高齢者は、多くの無作為介入試験の登録から除外されている場合が多く、本研究の結果は慎重に解釈する必要がある。また、高齢者においては下肢筋力低下による転倒と、一過性の血圧低下によるめまいや転倒を完全に区別することは困難な場合も多い。高齢者高血圧は血圧変動が大きいことが特徴であり、下肢運動機能が低下すると立位保持時に血圧が上昇し、自律神経機能低下が起こると起立性や食後低血圧が生じ、ふらつきから転倒を来すことがある。そのため急激な降圧のほうが問題となることがあり、血圧変動性亢進のリスク患者の認識をし緩徐に降圧することが、過度の血圧低下のリスクを考慮した降圧治療を行ううえで重要であると思われる。 本研究においては、降圧薬による高カリウム血症や急性腎障害は、レニン・アルドステロン系の阻害薬の使用で多かったことも報告されている。高齢者では動脈スティッフネスが亢進しており、高齢者高血圧の日常診療においてカルシウムチャネル阻害薬が選択されることが多いが、ALLHAT研究においては3)、降圧薬の種類の中でカルシウムチャネル阻害薬のアムロジピンを投与された患者で、投与開始後1年以内に転倒が多かったことも報告されており、投与開始直後には注意が必要であると思われる。

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第49回 ワクチン接種要員として歯科医師なども検討へ

<先週の動き>1.ワクチン接種要員として歯科医師なども検討へ2.変異型ウイルスの宿泊療養も条件付きで可能に3.研究用検査キットの販売事業者5社へ行政指導/消費者庁4.2020年、超過死亡は認めず年間死亡者数は減少へ5.高齢者向け住宅での過剰介護防止、監視強化に乗り出す/厚労省1.ワクチン接種要員として歯科医師なども検討へ新型コロナウイルスワクチンの接種要員として、政府が注射を打てる職種の拡大を検討していることが明らかとなった。予防接種は医療行為にあたるため、接種は医師と看護師に限定されているが、現行法の規制を緩和し、海外の取り組みなどを参考に接種拡大を目指す。厚生労働省は、対象として歯科医師を筆頭に挙げ、法解釈変更の通知により、歯科医師が筋肉注射を打てる体制を検討している。なお、歯科医師には昨年4月にPCR検体採取を認める通知が出されており、同様の対応と考えられる。海外の事例として、アメリカの一部の州やイギリスでは歯科医師や薬剤師、救急救命士にもワクチン接種を認めている。国内のワクチン接種の進行状況は海外と比較して遅れをとっていることからも、今後、具体的な方針が決められるだろう。(参考)ワクチン注射の職種拡大 政府、歯科医など検討 接種推進に向けて(日経新聞)職種拡大巡り法改正議論を 厚労省の元医系技官、自民・国光氏 有事対応「早く安全に」(同)2.変異型ウイルスの宿泊療養も条件付きで可能に厚労省は、感染拡大が続く新型コロナウイルス変異株について、3月31日付けで、これまで原則入院としてきた対応を、地域の感染状況などに応じて、医師が入院の必要がないと判断した無症状病原体保有者や軽症者については、宿泊療養施設において丁寧な健康観察が行うことができるとした。また、入院中においては、変異株ごとに対応が異なり、イギリス型変異株である場合は従来の感染者と同室でも差し支えないが、南アフリカおよびブラジル型変異株患者においては、原則として個室での時間的・空間的な分離などの対応が求められている。(参考)変異型、宿泊療養も可 厚労省、「原則入院」から転換(日本経済新聞)資料 新型コロナウイルス変異株流行国・地域に滞在歴がある入国者の方々の健康フォローアップ及び SARS-CoV-2陽性と判定された方の情報及び検体送付の徹底について(厚労省 事務連絡最終改訂)3.研究用検査キットの販売事業者5社へ行政指導/消費者庁消費者庁は、3月26日までに新型コロナウイルス検査キットを販売する業者5社に対して、行政指導を行ったことを明らかにした。「研究用」として流通する新型コロナウイルス抗原・抗体検査キットを「厚労省承認済み」「国内唯一」と表記し、検査キットがあたかも公的に承認され、品質、性能が著しく優良であるかのように表示することで、一般消費者が研究用検査キットの効果について誤認し、誤った対応をしてしまうことを防止する観点から。消費者庁はSNSを通じて、研究用の抗原・抗体検査キットは、国が認めた体外診断用医薬品ではないため、自己判断で使用せず、感染が疑われる場合には医療機関などに相談するよう、一般消費者に対しても注意喚起を行っている。(参考)新型コロナウイルスの検査キットの販売事業者5社に対する行政指導について(消費者庁)「厚労省が承認」検査キット虚偽 消費者庁、5社を指導(日本経済新聞)4.2020年、超過死亡は認めず年間死亡者数は減少へ国立感染症研究所によれば、2020年度はインフルエンザの流行もなく、新型コロナウイルス感染拡大による影響としては、むしろ過少死亡が報告されていることが明らかとなった。感染症疫学センターが2012~20年の人口動態統計データを用いて、2020年1月~11月29日における超過および過少死亡数を、週別、都道府県別に算出した結果、全国47都道府県の超過死亡数の積算は77~1,954人、過少死亡数の積算は367~3,035人だった。これに対し、同センターは「すべての死因を含む超過死亡数は、おおよそ同時期の米国およびヨーロッパにおけるそれよりも相対的に小さい可能性がある。一方で、同時点の過少死亡数は例年より大きく、感染症対策や健康管理が行われている状況で正の影響が考えられるが、2020年の過少死亡数が偶然起こりうる範囲のものかどうかも含め、今後死因別の詳細なデータ解析が必要になる」とコメントしている。引き続き徹底した感染予防対策が求められる。(参考)20年死亡者、11年ぶり減 出生数は最少87万人―人口動態統計速報(時事通信)我が国におけるすべての死因を含む超過死亡数および過少死亡数 (2020年11月までのデータ分析)(国立感染症疫学センター)5.高齢者向け住宅での過剰介護防止、監視強化に乗り出す/厚労省厚労省は、2021年度介護報酬改定において、自立支援・重度化防止に資する質の高いサービス提供の推進を目的に立ち上げた科学的介護情報システム(LIFE)を活用して、高齢者向け住宅で過剰介護の防止に向けた監視を開始することを明らかにした。高齢者向け住宅を運営する介護事業者の中には、入居中の要介護者に対し、自社の介護サービスを必要以上に利用させて、介護報酬を多く受けとる「囲い込み」の問題が指摘されており、今回の介護報酬改定でメスが入れられた。厚労省へのデータ提出をしないと、ADL維持等加算や、自立支援促進加算、栄養アセスメント加算の算定を認めないこととなった。(参考)過剰介護の監視強化、高齢者住宅向け 囲い込み対策で(日経新聞)高齢者住宅の「囲い込み」、厚労省が監視強化へ…「過剰」介護防ぐ(読売新聞)「科学的介護情報システム(LIFE)」の活用等について(厚労省 事務連絡)資料 LIFEの活用等が要件として含まれる加算一覧(施設・サービス別)(厚労省)

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048)芯が残ったウオノメ削りのコツ【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第48回 芯が残ったウオノメ削りのコツゆるい皮膚科勤務医デルぽんです☆今回は、前回に続き「ウオノメ(鶏眼)」について、もう少し踏み込んで解説していきます。足底の鶏眼・胼胝処置、いわゆるウオノメ削りは、以前は月1回までしか算定できませんでしたが、今は月2回まで算定できるようになりました。カミソリやコーンカッターなどを用いて、足の裏の硬くなった角質や、芯になっている角質を削り取ります。以下に、私が普段気を付けているポイントやちょっとしたコツなどを軽くまとめてみました。(1)皮膚軟化薬は使わない私が入局したばかりのころは、「鶏眼・胼胝はサリチル酸絆創膏(商品名:スピール膏M)でふやかしてから削る」と教わりました。確かにこうすると角質が軟らかくなり、削りやすくなるのですが、貼った部分全体が白くふやけてしまい、削るべき角質がどこまでなのかがわかりにくくなってしまいます。また、一度患者さんに薬を渡して、貼ってから再度来ていただかなければならず、手間がかかります。これらの理由から、私は鶏眼・胼胝処置に皮膚軟化薬は使いません。(2)濡らしながら削る鶏眼や胼胝を削るとき、患部を濡らすと角質の透明度が上がり、芯や肥厚している部分が見えやすくなります。外来では、アルコール綿でしっとりと角質を濡らし、削るべき部分がよく観察できる状態で削り始めます。分厚い爪を切るときのように、ぬるま湯で足浴して角質を軟らかくしておくと、より削りやすくなります。(3)削るときは力を入れ過ぎない硬い角質を削っていると、刃が引っ掛かり、余計な力がかかってしまうことがよくあります。このとき、無理をすると健常な皮膚まで傷つけてしまい、出血しかねないので、刃が引っ掛かったら一度戻し、別の方向から軽い力でアプローチします。一度にごっそり削ろうとするよりは、複数回に分けて軽く削ったほうが安全です。(4)芯の部分はつまむようにする表面の角質が取れてきて、芯の部分が残っているとき、そのままだとなかなか中央の芯が削れません。グラインダーなどの機材があれば、芯の部分だけ削り取れますが、そうした設備がないとき、芯の部分をつまむようにすると削りやすくなります。指がじゃましてうまく削れないときは、親指で芯の手前あたりを押さえ、皮膚を奥に寄せ、盛り上がった頂上部分の角質を芯ごと削り取るようにすると、ピンポイントで中央だけ削れます。個人的にはこのようにするとよいな~と感じています。皮膚科医をはじめとする各先生方、若手の先生方、いろいろなやり方があるとは思いますが、いかがでしたでしょうか? 参考になりましたら幸いです!それでは、また~!

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