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発作性心房細動に対しては、抗不整脈薬よりもカテーテルアブレーションである(解説:高月誠司氏)-1338

 NEJM誌の2020年11月号には心房細動に対するクライオバルーンアブレーションの2本の論文、STOP AF First TrialとEARLY-AF Trialが掲載された。ここでは両試験を比較しながら読んでみよう。 両試験とも未治療の発作性心房細動をクライオバルーンによるアブレーション群と抗不整脈薬群に無作為に割り付け、心房細動の再発を比較した。STOP AF First Trial は203例、EARLY-AF Trialは303例を対象とした。STOP AF First Trialは1、3、6、12ヵ月後の12誘導心電図、3~12ヵ月まで週1回そして有症状時に送信する伝送心電図、そして6、12ヵ月後のホルター心電図でフォローしたのに対して、EARLY-AF Trialは全例植込み型心電計を植え込んでフォローした点が異なる。結果的に1年後までの心房細動非発生率は、STOP AF First Trialではクライオバルーン群で74.6%、抗不整脈薬群で45.0%、EARLY-AF Trialではクライオバルーン群で57.1%、抗不整脈薬群で32.2%と、それぞれクライオバルーン群のほうが抗不整脈薬群に比して洞調律維持率は有意に高かった。 いくつかの試験で発作性心房細動に対し、高周波カテーテルアブレーションは抗不整脈薬よりも洞調律維持効果が高いことはすでに立証されていた。今回の2つの試験では未治療の発作性心房細動に対してクライオバルーンによるカテーテルアブレーションが、抗不整脈薬に比して洞調律維持効果が高いことを示した。STOP AF First TrialはEARLY-AF Trialに比べて洞調律維持率が高かったが、これはフォローの仕方が異なるからであろう。植込み型心電計を入れないと、心房細動の再発を過小評価する可能性があるということである。またこれらの試験では平均年齢約60歳、標準偏差10歳程度と、おおよそ70歳くらいまでの患者を対象としていた。実臨床における心房細動はより高齢で発症する患者も多く、70歳以上の患者に対しても同様のデータになるかどうか、興味あるところである。

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テレワークはCOVID-19患者を減らすのか?【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第178回

テレワークはCOVID-19患者を減らすのか?pixabayより使用コロナ禍で飲食店が次々と潰れています。そりゃもう、恐ろしい数の倒産です。その原因の1つとして、会社員が食事や飲み会に来なくなったことが挙げられます。昨年11月まで、政府はGo To Eatキャンペーンを進めてきましたが、どうやらそれも第3波の原因になったということで規制されつつあります。会社で働かなくても、自宅で仕事ができるのなら、家から出ないほうが新規感染者数は少なくなるのは誰でも想像できます。しかし、それを示したデータはほとんどありませんでした。Fisher KA, et al.Telework Before Illness Onset Among Symptomatic Adults Aged ≧18 Years With and Without COVID-19 in 11 Outpatient Health Care Facilities - United States, July 2020MMWR Morb Mortal Wkly Rep . 2020 Nov 6;69(44):1648-1653.2020年11月、アメリカから興味深い研究結果が報告されました。これは、SARS-CoV-2のPCRが陽性だった有症状のCOVID-19患者153人と、症状があって受診したものの陰性だった161人の症例対照研究です。PCRの偽陰性が存在する点はlimitationです。発症から2週間以内にテレワークが可能であったかどうかを質問しました。完全にテレワークあるいは一部テレワークが可能であり、出社を減らすことができたのは、COVID-19患者の35%(有効回答120人中42人)、非COVID-19患者の53%(128人中68人)でした(p<0.01)。10人以上の被験者が、過去2週間テレワークできたかどうかについて「よくわからない」と回答しているのが、ちょっと信頼性の落ちるところですが、テレワークをしている人のほうがCOVID-19になりにくいとも受け取れます。実際、COVID-19患者は、非COVID-19者よりも、発症2週間前に出社していたオッズ比が高いという結果でした(調整オッズ比:1.8、95%信頼区間1.2~2.7)。この研究には学生や教師も含まれる上、どのように集団で生活しているかはあまりバランスがとれていないと思うので、「COVID-19の拡大防止のために、テレワークも悪くないな」くらいの解釈でしょうか。人間のどの活動のリスクが高いかというと、やはり至近距離での集まりだろうと思います。そういう場で標準予防策と、手指消毒・手洗いの徹底、目鼻口を触らないという原則を遵守すれば、オーバーシュートは避けられるはずです。

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第39回 人間の弱みを熟知した新型コロナウイルス、これを抑制させるには?

2020年はまさに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に明けて暮れた1年だったと言える。私個人は2019年12月末に中国の武漢で謎の肺炎が流行しているという一報を耳にした時は、「フェイクもどきのオカルト的なニュース?」「中国ローカルな感染症でも出たのか?」くらいにしか考えていなかった。1月16日に日本で初の感染者が報告された時点でも「急性重症呼吸器症候群(SARS)のようなものかな?」ぐらいの認識だった。その後、2月下旬くらいまでは国内でポツリポツリと感染者が報告されると、1例1例の分かる範囲の情報をポチポチとExcelファイルに打ち込んでいた。今振り返ると、とてつもなく呑気なことをしていたと思う。その後、この作業は中止した。とてもそんなことはやっていられないほどに感染者が増えていったからだ。そして今や東京都で1日に確認される感染者は1,000人超どころか、2,000人超にまで達し、ついに政府が首都圏の一都三県に対して新型インフルエンザ等対策特別措置法(特措法)に基づく2度目の緊急事態宣言を発出するまで追い込まれている。ちょうど昨年末の大晦日の午前11時前に私はTwitter上でこんなツイートをしていた。「大晦日にあんまり不吉なこと言わないほうがいいんだが、今日と明日の元日に発表される感染者数が気になる。新型コロナの平均潜伏期間は5日強なので、これに検査による結果判明までの1~2日を加えると、ちょうどクリスマスの時にどんちゃん騒ぎした中で起きた感染が報告される時期になるから」とはいえ、この時は東京都でPCR検査陽性者数が900人台後半になるか、最悪でも1,000人をやや超える程度だろうと予測していた。しかし、大晦日の午後2時過ぎ、東京都での陽性者が1,300人超の見込みというYahoo!ニュース速報ポップアップがスマホに表示された際は、紋切り型の表現だが「凍り付いた」。その時はたまたま路上にいたのだが、なぜかポップアップからニュース本文に飛ばず、ディスプレイを凝視したまま立ち尽くしてしまっていた。もっとも前述のツイートで、クリスマスのどんちゃん騒ぎで感染したであろう人を非難したつもりは毛頭ない。従来ならばそうした行為は騒音や泥酔など他人への明らかな迷惑行為がなければ、非難されるものではなかったからだ。むしろそうできる仲間と環境を持つ人はうらやましがられたはずである。新型コロナウイルスはそうした状況を一変させてしまった。そして恨んでもしようがないが、新型コロナウイルスの特徴を改めて考えれば考えるほど、なんと嫌なウイルスだろうと思う。感染経路は接触感染と飛沫感染で、そのうちの前者が主。発症前から感染力を有し、一定割合の無症候感染者がいる。発症後は風邪やインフルエンザに比べ、だらだらと症状が続く期間が長く、そこでも他人に感染させる。とにかく音も気配もなく感染を広げていくのである。ワクチンがなく、治療薬も決定打と言えるほど奏効するものはなく、現在打てる対策は予防。3密回避、マスク着用、手洗い励行の3つである。この予防策の中で最も重要度が高いものは3密回避だろう。極端な話、屋内に1人で完全に引きこもって一切外出しないのならば、理論的にはマスク、手洗いという予防策の必要度はかなり低下するからである。そこで改めて3密の定義を確認すると、換気の悪い「密閉」空間、多数が集まる「密集」場所、間近で会話や発声をする「密接」場面の3つの「密」のことである。密閉ぐらいなら若干の注意で避けられるだろうが、日常生活のさまざまなシーンを考えれば密集はやや避けがたく、密接に至っては家族という存在も含めれば完全回避は不可能である。実際、現在報告されている感染者の中で、経路が判明しているケースの最多が家庭内感染というのも頷ける。ちなみに家庭内感染そのものは家族の誰かが他人との会食や接触で感染して家庭内に持ち込むことから始まる。それゆえ多くの専門家が「他人との会食はなるべく控えて」と訴えるのはこの上なく理にかなっている。しかし、食事の時間という日常生活での大きな楽しみを、可能ならば他人と共有したいと思うのもまた人の性である。よく「人は一人では生きられない」という使い古された言葉があるが、結局のところ「3密回避」とは、極端な言い方をすれば「人として当たり前に生きるな」と言われるに等しい。一時期、これまた耳にタコができるほど聞かされたキーワードに「不要不急」があるが、今回のことを通じて「不要不急」と呼ばれたものの多くが私たちの生活の潤滑油だったことに気づいた人も少なくないはずだ。今回2度目となる緊急事態宣言そのものは、かなりの「劇薬」でもあるため、発出中の期間は限定される。ところが今や日常生活でベースの予防対策である「3密回避」は、今のところ期間限定ではなく、終わりはまったく見えていない。結局、新型コロナウイルスはすべての人に「エンドレスな孤独との戦い」を強いている。そしてこれだけパンデミックが長期間に及ぶと、その過程でほぼすべての人がリスクを過小評価しようとする正常性バイアスに襲われたと思われる。時にはその結果として、ウイルスに対するガードを下げてしまう場合もあっただろう。ところがそうした隙を新型コロナウイルスは巧みに突いてくる。まるで、騙されたことに気付いた人が取る回避策すべてにわなを仕掛けてあざ笑う詐欺師のような陰湿さだ。その結果が現在の感染者増につながっていることは明らかだろう。そして医療従事者の中にはテレビで流れている情景とは異なり、思ったほど往来が減っていない年末年始の光景に、「自分たちが発するメッセージが伝わらない」といら立ちを覚える人たちも多いに違いない。だが、繰り返しになるがこのウイルスに対する重要な予防策である「3密回避」は人が人らしく生きようとすることを阻む行動様式である。単純に「伝わらない」のではなく、一旦は伝わっても意識的にも無意識的にも可能ならば無視したいメッセージなのであり、それが自然なのである。現在逼迫している医療現場で奮闘する皆さんからはお叱りを受けるかもしれないが、だからこそ私は「3密回避」を怠ったがゆえに感染したかもしれない感染者は「明日の自分」かもしれないと思ってしまうのだ。同時にこのウイルスは医学的作用と同時に負の社会的作用も生む。典型は少なからぬ医療従事者も経験したであろう差別・偏見である。これは不十分な知識のまま過剰な感染防御に走った人たちがもたらしたものである。また、感染者に占める若年者比率の高さから、無症候・軽症が多い若年感染者が流行を加速させている可能性があるという医学的には比較的妥当な分析が一部の若年者と高齢者との間に亀裂を招いたとの指摘もある。このような現象は挙げればきりがなく、しかも生み出された社会的分断が社会的後遺症にまでつながってしまう可能性もある。このような経緯を踏まえたうえでCOVID-19の報道にかかわる私たちや同じように社会や患者に向かって注意喚起する医療従事者がやるべきこと、やれることは何なのか? 実はこれまた極めて平凡な答えにならざるを得ない。それは3密回避、マスク着用、手洗いの意義をことあるごとに発信し続けることに尽きるのである。発信量が増えてもにわかに効果が出るものではないのは多くの人が認識しているだろうが、逆に発信量が減れば個々人の感染対策のガードを下げる正常性バイアスがいとも簡単に拡散しやすくなる懸念は十分にあるからだ。同時にもう一つ発信する側に必要なのはアンガーマネージメント的な感情コントロールだろう。さもなくば、地味な発信を地味に継続するという意欲を維持することは困難であり、なおかつ感情的な発信が時に前述した社会分断の原因にもなりかねないからである。2度目の緊急事態宣言を前に個人的雑感に寄り過ぎているかもしれないが、この1年を振り返って思いを強くしているのは、強大な敵に対して「竹槍戦法」で挑むしか方法がないならば、根気よく竹を削って竹槍を作り、何度も挑むしつこさが必要だということ。諦めたら負けなのである。

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抗うつ薬とベンゾジアゼピン併用療法に関連する死亡リスク

 抗うつ薬による治療開始後の数週間は、治療効果が十分でないため、不眠や不安による抑うつ症状の軽減に、ベンゾジアゼピン(BZD)が併用される。しかし、抗うつ薬とBZDの併用療法に関連する死亡リスクは調査されておらず、うつ病治療に対するベネフィットも明らかになっていない。この疑問について、韓国・成均館大学校のHan Eol Jeong氏らが、コホート研究による検討を行った。BMC Medicine誌2020年12月9日号の報告。 2002~17年の韓国医療データベースを用いて、人口ベースのコホート研究を実施した。うつ病患者260万人のうち、抗うつ薬またはBZDを新たに処方された患者61万2,729例を抽出した。診断後6ヵ月以内に実施されたうつ病治療に応じて、抗うつ薬単独療法群(AD群)または抗うつ薬とベンゾジアゼピン併用療法群(AD+BZD群)に分類した。群間比較を実施するため、ベースライン特性の調整に傾向スコアを用いた。主要アウトカムは、全死因死亡とした。フォローアップ期間は、アウトカム発現時または研究期間終了時とした。AD群とAD+BZD群の死亡リスクのハザード比(HR)、95%信頼区間(CI)を推定するため、多変量Cox比例ハザードモデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・傾向スコアが一致したAD群51万9,780例、AD+BZD群25万9,890例のベースライン特性はバランスがとれていた。・AD+BZD群は、AD群と比較し、全死因死亡リスクの増加と関連が認められた(調整HR:1.04、95%CI:1.02~1.06)。 著者らは「うつ病に対する抗うつ薬とBZDの併用療法は、死亡リスクの中程度の増加と関連が認められたため、BZDを併用する場合には注意が必要である」としている。

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がん治療用ウイルスG47Δ(DS-1647)の国内申請/第一三共

 第一三共は、同社が東京大学医科学研究所 藤堂具紀教授と共同で開発しているがん治療用ウイルスG47Δ(一般名:teserpaturev、開発コード:DS-1647)について、2020年12月28日、悪性神経膠腫に係る再生医療等製品製造販売承認申請を国内で行った。 同申請は、藤堂教授が実施した膠芽腫患者を対象とした国内第II相臨床試験(医師主導治験)の結果に基づくもの。国内第II相臨床試験は、主要評価項目である1年生存率の達成基準を満たした。 G47Δは、がん細胞でのみ増殖可能となるよう設計された人為的三重変異を有する増殖型遺伝子組換え単純ヘルペスウイルス1型(第三世代がん治療用単純ヘルペスウイルス1型)で、悪性神経膠腫を対象として2016年2月に先駆け審査指定を受けるとともに、2017年7月に希少疾病用再生医療等製品の指定を受けている。

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COVID-19の対応には学会の叡智を結集/日本医学会連合

 日本の医学界を代表する学術的な全国組織の連合体である日本医学会連合(会長:門田 守人)は、1月4日に「日本医学会連合 COVID-19 expert opinion 第2版(2021年1月4日版)」を公開した。“expert opinion” は、COVID-19にevidence based medicineのガイドラインを作成できるような確固としたclinical evidenceが不足していることから「expert opinionとして取り纏め、今後新しいevidenceが蓄積するとともにreal timeに改訂していく」「読みやすい簡潔なものとし、詳細は各学会のhomepageの該当箇所などのリンクを案内する」とし、関連学会との協力の下、迅速な作成を目指し作られた。 このexpert opinionの活用に際しては、「各学会が対象とする患者層は同じCOVID-19患者でもそれぞれ異なるので、同じ治療法でも異なる推奨や考え方が提示されていることがある」と前置きした上で、「推奨のばらつきは、COVID-19患者群の中に存在する多様性を反映したもので、expert opinionの使用では、他のガイドラインと同様に各々の推奨を診療にあたる患者さんの状況に応じて柔軟に使用する必要がある」と注意を促している。 具体的に、たとえば一般外来では、「感染防御」、「診断・検査の進め方」、「服用中の薬剤」にわけて記述され、最新の知見が説明されているほか、必要に応じて各所属学会や海外学会へのリンクなども充実している。主な内容・一般外来・救急外来・入院(内科系)・入院(外科系)・入院患者の見舞いの対応・集中治療と呼吸管理・合併症・特殊な状況の対応:移植医療における対応・特殊な状況の対応:小児・特殊な状況の対応:産婦人科・内視鏡対応:・こころのケア(患者および医療従事者)・口腔科(歯科・口腔外科)診療と医科歯科連携・復職・復学(通常の職種、医療従事者)

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HR+閉経後乳がんへのAI延長投与、至適治療期間は?~メタ解析

 5年間の内分泌療法終了後、ホルモン受容体陽性(HR+)の閉経後早期乳がん患者に対するアロマターゼ阻害薬(AI)延長投与の至適治療期間を検討したメタ解析結果が報告された。中国・北京協和医学院のJuan Chen氏らが、Breast Cancer誌オンライン版2021年1月2日号で発表した。 著者らは、適格基準を満たした無作為化比較試験を、内分泌療法の全期間に応じて3つのカテゴリーに分類(10年 vs.5年/7~8年 vs.5年/10年 vs.7~8年)。各カテゴリーについて、無増悪生存期間(DFS)と全生存期間(OS)のハザード比(HR)、および有害事象の発生率のリスク比(RR)のプール解析を実施した。 主な結果は以下のとおり。・計9件のRCT、HR陽性乳がんの閉経後女性計2万2,313例が対象とされた。・内分泌療法の治療期間を5年から7~8年に延長すると、DFSの改善がみられた(HR:0.79 [0.69~0.91])。この傾向は特にタモキシフェンのみの投与(HR:0.40 [0.22~0.73])、タモキシフェン後のAI投与(HR:0.82 [0.71~0.95])、リンパ節転移陽性(HR:0.72 [0.56~0.93])、エストロゲン受容体(ER)陽性およびプロゲステロン受容体(PR)陽性(HR:0.61 [0.47~0.78])、および腫瘍径≧2cm(HR:0.72 [0.51~0.98])の患者でみられた。・一方、内分泌療法の治療期間を7~8年から10年に延長しても、DFSの改善はみられなかった(HR:0.79 [0.69~0.91])。・内分泌療法の延長はOSの改善とは関連しなかったが、骨折と骨減少症/骨粗鬆症リスクの増加と関連した。 著者らは、AIによる5年間の治療後、リンパ節転移陰性、ER+/PR-またはER-/PR+、腫瘍径2 cm未満の患者は、長期のAI延長投与を実施する必要はなく、タモキシフェンのみあるいはタモキシフェン後AIによる計5年間の治療後、リンパ節転移陽性、ER+/PR+、腫瘍径2 cm以上の患者では、2~3年のAI延長投与が必要で、期間はそれで十分である可能性が示されたと結論づけている。

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新型コロナ抗体陽性者、6ヵ月は再感染リスクが低下/NEJM

 抗スパイク抗体または抗ヌクレオカプシドIgG抗体の存在は、以後6ヵ月間の重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)再感染のリスクを大幅に低下することが示された。英国・オックスフォード大学病院のSheila F. Lumley氏らが、英国の医療従事者を対象にSARS-CoV-2抗体の有無と感染発生率を調査した前向き縦断コホート研究の結果を報告した。これまで小規模な研究では、中和抗体が感染予防と関連する可能性が示唆されていたが、SARS-CoV-2抗体とその後の再感染リスクとの関連については不明であった。NEJM誌オンライン版2020年12月23日号掲載の報告。英国の医療従事者約1万2,500例対象に、抗体の有無とその後の感染率を調査 研究グループは、英国のオックスフォード大学病院における無症候性/症候性スタッフ検査に参加し血清反応が陽性/陰性の医療従事者を対象に、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により確定されたSARS-CoV-2感染の発生率を調査した。 被験者のベースラインでの抗体有無を、抗スパイク抗体(スパイク蛋白に対する抗体)(主要解析)および抗ヌクレオカプシドIgG抗体(ヌクレオカプシド蛋白に対する抗体)解析により確定し、最長31週間追跡した。また、PCR検査陽性と新規症候性感染の相対発生率を、年齢・性別・発生率の経時変化で補正を行い、抗体の有無別に推定した。 合計1万2,541例の医療従事者が抗スパイクIgG抗体の測定を受けた。抗体陰性者は1万1,364例、抗体陽性者は1,265例(追跡調査中に抗体陽転が生じた88例を含む)であった。抗体陽性者の抗体陰性者に対する補正後発生率比0.11 血清抗スパイク抗体陰性でPCR検査陽性となったのは223例(リスク期間1万日当たり1.09)で、スクリーニング中に無症状が100例、有症状が123例であった。一方、血清抗スパイク抗体陽性でPCR検査陽性となったのは2例(リスク期間1万日当たり0.13)で、2例とも検査時は無症状であった(補正後発生率比:0.11、95%信頼区間[CI]:0.03~0.44、p=0.002)。 抗スパイク抗体陽性者において、症候性の感染は確認されなかった。 発生率比は、ベースラインの抗体有無を、抗ヌクレオカプシドIgG抗体検査単独で判定した場合、または抗スパイクIgG抗体検査を併用した場合で変わらなかった。 なお、著者は、「主に65歳以下の健康な医療従事者が対象であり、調査期間が短期で、一部の医療従事者は退職により追跡できなかった」ことなどを研究の限界として挙げたうえで、「小児、高齢者、免疫低下を含む併存疾患を有する患者など他の集団における感染後の免疫を評価するには、さらに研究が必要である」とまとめている。

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永続性AFのレートコントロール、ジゴキシンvs.ビソプロロール/JAMA

 永続性心房細動および心不全症状を有する患者において、低用量ジゴキシンまたはビソプロロールによる治療は、6ヵ月時のQOLについて統計学的有意差を示さなかった。英国・バーミンガム大学のDipak Kotecha氏らが、無作為化非盲検臨床試験「Rate Control Therapy Evaluation in Permanent Atrial Fibrillation trial:RATE-AF試験」の結果を報告した。永続性心房細動患者、とくに心不全を合併している患者において、心拍数調節療法の選択を支持するエビデンスはほとんど示されていないが、今回の結果について著者は、「所見は、他のエンドポイントが治療決定のベースとなりうる可能性を支持するものである」と述べている。JAMA誌2020年12月22・29日号掲載の報告。160例をジゴキシン群とビソプロロール群に無作為化、SF-36 PCSを比較 研究グループは2016~18年に、イングランドの病院および一般診療所3施設において、永続性心房細動(洞調律を回復する治療なしと定義)およびNYHA分類II以上の呼吸困難を有する60歳以上の患者160例を登録し、ジゴキシン群(80例、投与量62.5~250μg/日、平均161μg/日)と、ビソプロロール群(80例、投与量1.25~15mg/日、平均3.2mg/日)に無作為に割り付け、2019年10月まで追跡した。 主要評価項目は、健康関連QOL身体的サマリースコア(SF-36 PCS)を使用した患者報告による6ヵ月時点のQOL(範囲:0~100、スコアが高いほど良好)で、臨床的に意義のある最小変化量はSD 0.5とした。 副次評価項目は、6ヵ月時点の17項目(安静時心拍数、修正欧州不整脈学会[EHRA]症状分類、NT-proBNP値など)、12ヵ月時点の20項目、および有害事象であった。6ヵ月時のQOLに有意差なし、ただし有害事象発現率はジゴキシン群で低い 160例(平均年齢76[SD 8]歳、女性74例[46%]、ベースラインの平均心拍数:100[SD 18]回/分)のうち、145例(91%)が試験を完遂し、150例(94%)を主要評価項目の解析対象とした。 6ヵ月時における標準化SF-36 PCSの主要評価項目に、両群間で有意差は認められなかった(平均値[±SD]:ジゴキシン群31.9±11.7 vs.ビソプロロール群29.7±11.4、補正後平均群間差:1.4、95%信頼区間[CI]:-1.1~3.8、p=0.28)。 6ヵ月時の副次評価項目17項目のうち、安静時心拍数(ジゴキシン群76.9±12.1回/分vs.ビソプロロール群74.8±11.6回/分、群間差:1.5回/分、95%CI:-2.0~5.1、p=0.40)を含む16項目で有意差は確認されなかったが、修正EHRA症状分類は6ヵ月時に両群間で有意差が認められた(2クラス改善した患者の割合:ジゴキシン群53%、ビソプロロール群9%、補正後オッズ比:10.3、95%CI:4.0~26.6、p<0.001)。 12ヵ月時の副次評価項目20項目のうち、8項目で有意差が確認された(すべてジゴキシン群が良好)。NT-proBNP中央値はジゴキシン群960pg/mL(四分位範囲:626~1,531pg/mL)、ビソプロロール群1,250pg/mL(四分位範囲:847~1,890pg/mL)であった(幾何平均比:0.77、95%CI:0.64~0.92、p=0.005)。 有害事象はジゴキシン群で20例(25%)、ビソプロロール群で51例(64%)に認められた(p<0.001)。治療関連有害事象はそれぞれ29例、142例、重篤な有害事象は16例、37例であった。

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ICD/CRT-Dデバイス、謝礼金額の「影響」とは(解説:高月誠司氏)-1337

 本研究は植込み型除細動器(ICD)、同心臓再同期療法付き(CRTD)の心臓植込みデバイスの植込み件数とデバイスメーカーが植込み医師に支払った報酬(研究費除く)との関係を調べたものである。 米国において4,435人の植込み医師が3年間で計14万5,900人の患者にデバイス植込みを行った。植込み医師の中の4,152人(94%)がデバイスメーカー4社から何らかの報酬(中央値で1,211ドル)を得ていた。そして各医師は最も報酬が多かったメーカーのデバイスを選択する傾向があったという。この報酬自体は違法性のあるものではなく、また結果的に臨床上影響があったかは検証されていない。 デバイス選択に影響する因子として、MRI対応、電池寿命、デバイスの治療アルゴリズムなどが考えられるが、それぞれが医療機器として認可されており、概してメーカー間で大きな機能差はない。もちろん特定のデバイスメーカーを選択する状況も起こりうる。たとえば皮下型ICD、ペースメーカーでいえばリードレスペースメーカーやHis束ペーシングなどは決まったメーカーになるし、心房抗頻拍刺激機能なども特定のメーカーの機器で承認されている。一方で、病院によってはメーカーとの契約によって使用を制限するという場合もあるだろう。医療者の立場からすると、慣れているメーカーのものは使いやすい。というのはアルゴリズムやプログラミングの仕方、ウェブを介した遠隔モニタリングシステムなどに関して、すべてのメーカーに精通するのは難しいからである。ただし植込みデバイスは機器の不具合やリコールなどの危険があり、1社のみで回していくことはリスクがある。そうなると現実的には数社のメーカーで回すことが多いと考えられる。 本研究のデータは米国における現実を明らかにし、実に植込み医師の94%がメーカーから報酬を得ていたが、だからといって健康被害があったということではない。ただ植込みデバイスの機種選択において、メーカーからの報酬が影響していたということである。

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諺あれこれ・続き【Dr. 中島の 新・徒然草】(356)

三百五十六の段 諺あれこれ・続きついに激動の2020年から2021年になりました。果たしてコロナは落ち着くのか、さらなる混乱に襲われるのか?誰もが予想できないところです。さて、昨年暮れに「諺あれこれ」ということに述べました。昔の大学入試に出た「反対の意味を持つ諺のペアを挙げよ」というものです。その出題では人を見たら泥棒と思え渡る世間に鬼はないという組み合わせが挙げられていました。同じように相反する言い伝えをいくつか紹介したところ、蛙の子は蛙鳶(トビ)が鷹(タカ)を生むというのはどうですか?早速私信をいただきました。凡人の子は凡人にしかならない、と言われるとミもフタもありません。一方で、たいした事のない親から立派すぎる子供ができることもあります。その方が夢いっぱいでいいですね。また、船頭多くして船山に登る三人寄れば文殊の知恵を挙げてくれた人もいました。確かに良い知恵を得ようとすると、3人ぐらいで相談するのが効率的です。人が多くなると議論百出で何も決まらなくなります。さらに栴檀(せんだん)は双葉より芳し大器晩成という組み合わせもあります。前者は、できる人は最初からできる人だった、という意味。たしかにその通り。後者は、遅咲きタイプのできる人もいるという意味。レーシングドライバーで例を挙げてみましょう。誰もが知っているアイルトン・セナは、1983年に22歳でイギリスF3にデビュー。この時、広報担当のサットン氏が「5年以内にF1チャンピオンをとる」と宣言していました。なんと、まだF1ドライバーにもなっていない段階での世界制覇の予告です。でも、本当に5年後の1988年、セナは28歳でF1ドライバーズ・チャンピオンをとりました。オッサンだらけの当時のF1ドライバーの中でも彼の若さは際立ちます。3度のチャンピオンの後、残念ながら1994年にレース中の事故で亡くなりました。彼のF3開幕2連勝を報じるAUTOSPORTは、今でも自宅の本棚に眠っています。私にとって唯一無二のヒーローでした。一方、オッサン代表はファン・マヌエル・ファンジオ。なんと38歳でF1に参戦し46歳まで、実に5回のワールドチャンピオンになっています。古き良き時代のこととはいえ、凄すぎる!何をするにも遅すぎることはないということですね。さて、「栴檀は双葉より芳し」というのは「子供時代も大人になってからも素晴らしい」ということになります。一方、これと相反する「大器晩成」は、「子供時代はダメだけど、大人になったら素晴らしい」ということです。それなら、「子供時代は素晴らしいけど、大人になったらダメだ」という意味で「栴檀」と相反する諺があってもよさそう。実はピッタリの言い伝えがありました。十で神童、十五で才子、二十歳過ぎればただの人実際のところ、栴檀や大器よりこっちのほうがよっぽど多いんじゃないかな。でも、人々に安らぎを与えてくれる愛すべき存在だともいえます。ということで相反する諺シリーズ。雑談やちょっとした頭の体操にぜひどうぞ。最後に1句年新た ただの人も また一興

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J-CLEAR特別座談会(2)「心血管疾患治療薬としてのSGLT2阻害薬を検証する」

J-CLEAR特別座談会(2)「心血管疾患治療薬としてのSGLT2阻害薬を検証する」出演東京都健康長寿医療センター顧問 桑島 巖 氏NTT東日本札幌病院 院長 吉岡 成人 氏佐賀大学医学部循環器内科 教授 野出 孝一 氏横浜市立大学医学部 循環器・腎臓・高血圧内科学教室 准教授 石上 友章 氏「CLEAR!ジャーナル四天王」でおなじみのJ-CLEARメンバー4氏がweb上に集結。各々の専門領域の知見を踏まえ、「心血管疾患治療薬としてのSGLT2阻害薬」をテーマに議論を交わした座談会の模様を全4回でお届けします。なお、この番組は2020年12月4日に収録したもので、当時の情報に基づく内容であることをご留意ください。

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第39回 収束に光明?獣医学の視点から新型コロナ治療薬を展望

新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めが掛からず、感染力が高いとされる「変異種」(厳密に言えば、種ではないがこう称されている)も確認され、収束の先行きが見えない。ただ、ワクチンに関しては、日本は米ファイザー、米モデルナ、英アストラゼネカの3社から計2億9,000万回分(接種は1人につき2回)の供給を受ける。早ければ2月下旬にも医療従事者から接種を始める。また、治療薬については、別の疾患に対して開発された既存薬の中から有効な薬を探る手法で見いだす動きが進み、国内ではレムデシビルやデキサメタゾンが認められている。このような状況下、医療分野などのコンテンツ制作を行っているステラ・メディックス社長で獣医師の星 良孝氏がこのほど、新社会システム総合研究所のセミナーで、動物のコロナウイルスに対応してきた獣医学の視点を交えて、「新型コロナウイルス治療薬の展望」をテーマに講演した。まず、米国医師会雑誌に掲載された情報などを基に、新型コロナの致死率は約2%だが、年齢別致死率で見ると85歳以上が約30%と高い一方、18歳以下は0.04%と低いことを示し、若年感染者の動きが感染拡大を招いている可能性を指摘。感染した場合、重症化の予防が重要な点を強調した。続いて星氏は、獣医領域では一般的なコロナウイルスの性格について、ウイルス自身を保護し、自ら増殖する酵素を持つため“しぶとい”と評す。RNAウイルスでは最大のゲノムサイズであり、複数のサブゲノミックRNAが転写されること、エンベロープに王冠状スパイクを有するのが特徴で、一般的にウイルスは形状によって弱点が変わる点を理由として述べた。スパイクタンパクに関しては、新型コロナでは「D614G」変異が起きたことにも言及した。武漢株はスパイクタンパクの614番目のアミノ酸がアスパラギン酸(D)だったのに対し、昨年2月下旬以降、欧州株の同じ部位のアミノ酸がグルシン(G)に変異。スパイクタンパクが開裂してウイルスが侵入した結果、感染力が高まったという。現在では欧州株が世界を席巻している(なお、9月以降、英国で別の箇所での変異を増やしたものが変異種と呼ばれるようになっている)。動物でもコロナ感染の現れ方は多様新型コロナはさまざまな動物に感染しうるが、異種間感染については「まだ謎がある」と星氏は述べる。動物でも病気の現れ方は多様で、遺伝子変異でも病気の現れ方が変わるという。例えば、ネコ腸コロナウイルス(FECV)が遺伝子変異により病理性が強まると、ネコ伝染性腹膜炎(FIPV)になり、致死率は100%になる。ブタの腸コロナウイルス(TGE、PED)は、遺伝子変異により症状が変わると呼吸器コロナウイルスになり、子ブタの致死率が高くなる。1型ネココロナウイルスが1型イヌコロナウイルスと融合すると、2型ネココロナウイルスになり、種を超えて感染する可能性もある。コロナは変幻自在のようだ。新型コロナはなぜ手強いか。星氏は(1)致死率が比較的低い(2)ゲノム構造によりウイルス増殖能力が高い(3)幅広い動物に感染する(4)感染経路が多様(5)変異して病原性が変化する――を挙げた。そのため、治療薬についても“攻め手”を見極めた上で手段を構築すべきと強調する。新薬の開発期間は10〜18年、合成化合物から承認に至る確率は10万分の5と言われる中、従来のプロセスから見れば、半年や1年程度で新薬ができるわけがない。そのため、既存薬の転用から治療手段を増やし、有効性を探りつつ薬剤開発が進められている。星氏は、薬剤のターゲットとして(1)ウイルス感染により遺伝子が作り出すタンパク質の機能を阻害する(2)ウイルスの付着と侵入を止める(3)ウイルスの持つmRNAのコピーを止める(4)mRNAに基づいて作られるタンパク質の成熟を阻害する(5)ウイルスの放出を阻害する――を例示した。ウイルスと宿主それぞれに働き掛ける幸い、コロナウイルスの標的になるタンパク質と、遺伝情報の由来については全容が解明されている。ゲノムRNA約3万の配列は確定されており、SARSと82%の類似性、必須酵素は90%であることが明らかになっている。特徴となる機能を阻害すれば感染や増殖が止まり、それは治療手段になる。「鍵を握るのは、過去の研究の蓄積」と星氏。SARSの薬剤に関連する研究は、2002年から19年11月30日までに1,813件、コロナの薬剤に関連する研究は、SARS出現前年の2001年までに351件ある。また、星氏は新型コロナの臨床試験に関して、以下のような2つのアプローチと6つの柱を示した。1.ウイルスに働き掛ける(1)ウイルスに対して結合する抗体医薬(2)ウイルスの細胞への侵入、融合を阻止する薬剤(3)ウイルスの増殖を抑制する薬剤(4)ウイルスに対する免疫を強化する薬剤2.宿主側に働き掛ける(1)体内の過剰な免疫反応を調整する薬剤(2)合併症を軽減する薬剤星氏は、製薬企業24社やAMED(日本医療研究開発機構)採択課題の企業主導型・アカデミア主導型の薬剤開発動向、コンピュータを用いた「バーチャルスクリーニング」を紹介。「2021年以降、新型コロナへの対応の選択肢は増える見込み」との展望で締めくくった。新型コロナの収束につながる光が、少しずつ見えてきた。

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慢性不眠症に対する処方デジタル治療「Somryst」について

 処方デジタル治療(PDT)は、米国食品医薬品局(FDA)に承認された新たなソフトウエアベースの医療機器であり、疾患の治療に用いられる。Somrystは、慢性不眠症治療に対しFDAにより承認された最初のPDTであり、不眠症の認知行動療法(CBT-I)を、モバイルアプリケーションを通じて提供するものである。CBT-Iは、慢性不眠症のガイドラインで推奨される第1選択治療であるが、CBT-Iのセラピストには限りがあり、より多くの患者へCBT-Iを提供するニーズにSomrystは合致する。カナダ・ラバル大学のCharles M. Morin氏は、Somrystについてのレビューを報告した。Expert Review of Medical Devices誌オンライン版2020年11月23日号の報告。 本レビューでは、Somrystの作用機序や技術的特徴、FDA承認時のランダム化試験の安全性および有効性のデータを解説した。 主な結果は以下のとおり。・Somrystは、成人慢性不眠症患者の治療において優れた臨床効果が認められており、リスクを上回るベネフィットをもたらす。・FDA承認時のランダム化試験では、第1世代のCBT-IプラットフォームであるSleep Healthy Using the Internet(SHUTi)の2つの臨床試験に基づき、評価された。・Somrystや一般的なPDTは、効果的な治療へのアクセスを向上させるために、有望なデバイスである。・非接触型であるSomrystは、COVID-19パンデミックなどの安全上の理由により対面診療が利用できないまたは推奨されない場合においても、理想的な治療オプションといえる。

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オラパリブ、卵巣がん、前立腺がん、膵がんに国内承認/アストラゼネカ・MSD

 アストラゼネカとMSDは、2020年12月28日、オラパリブ(商品名:リムパーザ)について、2020年12月25日付で、「相同組換え修復欠損を有する卵巣におけるベバシズマブ(遺伝子組換え)を含む初回化学療法後の維持療法」、「gBRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺」および「gBRCA遺伝子変異陽性の治癒切除不能な膵における白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法後の維持療法」の3つの適応症を対象に厚生労働省より承認を取得したと発表。 今回の同時承認は、The New England Journal of Medicine誌にて発表された第III相PAOLA-1、PROfound、およびPOLO試験の中間解析結果に基づくもの。

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COVID-19治療でシクレソニドの推奨見直し/厚生労働省

 2020年12月25日、厚生労働省は「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第4.1版」を公開した。 同手引きは診療の手引き検討委員会が中心となって作成され、第1版は3月17日に、第2版は5月18日に、第3版は9月4日に、第4版は12月4日に公表され、今回重要事項について大きく3点で加筆が行われた(なお、この手引きは2020年12月23日現在の情報を基に作成。今後の知見に応じ、内容に修正が必要となる場合がある)。■主な改訂点【病原体・疫学】・国内発生状況の内容を追記(12月23日までの情報に更新)【臨床像】・「重症化のリスク因子」の中で、重症化のリスク因子に「悪性腫瘍」「2型糖尿病」「脂質異常症」「喫煙」「固形臓器移植後の免疫不全」を追記【薬物療法】・「薬物療法」中の「その他の薬剤例」でシクレソニドにつき、「無症状・軽症の患者には推奨されない」を追記

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パーキンソン病の運動症状、集束超音波視床下核破壊術で改善/NEJM

 パーキンソン病による明らかな非対称性が認められ、薬物療法ではコントロール不良の運動徴候が認められるか、脳深部刺激療法が非適応の患者において、片側半球への集束超音波視床下核破壊術は、4ヵ月後の運動症状の改善に結び付いたことが示された。スペイン・CEU San Pablo UniversityのRaul Martinez-Fernandez氏らが、40例を対象に行った無作為化比較試験の結果を報告した。視床下核は、パーキンソン病の主要な運動症状を治療するための脳深部刺激に関して、好ましい神経外科的標的とされる。集束超音波は、視床下核などの脳深部の構造に、治療的病変を作成するための画像ガイド法であり、研究グループは、同技術を活用した手術の有効性を検討した。NEJM誌2020年12月24日号掲載の報告。施術4ヵ月後の運動スコア改善を比較 研究グループは、パーキンソン病による明らかな非対称性が認められ、薬物療法でコントロール不良の運動徴候があるか、脳深部刺激療法が非適応の患者を対象に試験を行った。 被験者を無作為に2対1の2群に分け、一方には運動徴候優位側の対側に集束超音波視床下核破壊術を行い(実治療群)、もう一方には偽処置を行った(対照群)。 有効性に関する主要アウトカムは、休薬状態における優位側の運動障害疾患学会・パーキンソン病統一スケール(MDS-UPDRS)運動スコア(パートIII、0~44:高スコアほどパーキンソン病様症状が重いことを示す)の4ヵ月後までの変化の群間差とした。 安全性に関する主要アウトカムは、手技に関連する合併症で、4ヵ月時点で評価した。MDS-UPDRS-IIIスコア平均、実治療群で9.8ポイント低下 被験者40例のうち、実治療群は27例、対照群は13例だった。 優位側のMDS-UPDRS-IIIスコア平均は、実治療群はベースライン時19.9から4ヵ月後には9.9に低下した(最小二乗平均差:9.8ポイント、95%信頼区間[CI]:8.6~11.1)。対照群は同18.7から17.1への低下で(1.7ポイント、0.0~3.5)、群間差は8.1ポイント(95%CI:6.0~10.3、p<0.001)だった。 実治療群の有害事象としては、ジスキネジアが休薬状態・投薬状態ともに6例発生し、4ヵ月時点で持続していたのはそれぞれ3例と1例だった。また、治療側の脱力が5例(4ヵ月時点で2例持続)、構音障害が15例(同3例)、顔面脱力が3例(同1例)、歩行障害が13例(同2例)で認められた。実治療群の6例について、これらの障害の一部が12ヵ月時点でも認められた。

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動脈瘤性クモ膜下出血、トラネキサム酸の超早期投与で改善する?/Lancet

 CTで確認された動脈瘤性クモ膜下出血患者において、超早期のトラネキサム酸による短期間の抗線溶療法は、修正Rankinスケールで測定した6ヵ月後の臨床アウトカム改善に結び付かなかったことが示された。オランダ・アムステルダム大学のRene Post氏らが、約1,000例の患者を対象に行った多施設共同前向き無作為化非盲検試験「ULTRA試験」の結果を、Lancet誌オンライン版2020年12月21日号で発表した。動脈瘤性クモ膜下出血患者において、トラネキサム酸による短期間の抗線溶療法は、再出血リスクを軽減することが示されている。一方で、同療法が臨床アウトカムを改善するかについては不明であった。6ヵ月後の臨床アウトカムを評価 試験は、オランダ24ヵ所の医療施設(治療センター8ヵ所、紹介型病院16ヵ所)を通じて、CTで確認された動脈瘤性クモ膜下出血患者を対象に行われた。 被験者を無作為に2群に分け、一方の群には、診断直後に通常の治療に加えトラネキサム酸投与を開始し、脳動脈瘤治療の直前または投与開始24時間後のいずれか早い時点で中止した(1gボーラス投与、その後1g/8時間で静注)。もう一方の群には、通常の治療のみを行った。 主要エンドポイントは6ヵ月後の臨床アウトカムで、修正Rankinスケールで評価し、良好(0~3点)と不良(4~6点)に二分し評価した。臨床アウトカム良好は両群とも約6割 2013年7月24日~2019年7月29日に、955例が登録された(トラネキサム酸群480例、対照群475例)。 ITT解析の結果、臨床アウトカムが良好だったのはトラネキサム酸群60%(475例中287例)、対照群64%(470例中300例)と、有意差はなかった(治療センターで補正後のオッズ比[OR]:0.86、95%信頼区間[CI]:0.66~1.12)。 無作為化後から動脈瘤治療前までの再出血は、トラネキサム酸群49例(10%)、対照群66例(14%)だった(OR:0.71、95%CI:0.48~1.04)。その他の重篤な有害イベントもまた、両群で同等だった。

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