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遺伝子パネル検査、がん種別に見た遺伝子異常の特徴は?/日本臨床腫瘍学会

 国立がんセンターが中心となって展開する産学連携全国がんゲノムスクリーニング事業、SCRUM-Japan。2019年7月に開始した第三期プロジェクトでは、それまで消化器がんを対象としていたGI-SCREEN-Japanプロジェクトが泌尿器がん、乳がん等にも対象を拡大し、新たに血液を用いた遺伝子解析検査(リキッドバイオプシー)も取り入れた、MONSTAR-SCREENとして再始動している。参加するのは全国31施設、参加者は消化器がん、皮膚がん、乳がん、産婦人科がん、頭頸部がん、泌尿器がんなどの切除不能な固形がん患者で、腫瘍組織によるゲノム解析を受けたうえで、リキッドバイオプシー検査と腸内細菌叢(マイクロバイオーム)の検査、解析を受ける。 2月に行われた第18回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO Virtual2021)Presidential Session3では、MONSTAR-SCREENの消化器・泌尿器の各サブグループが、がん種別の遺伝子変異の特徴をはじめとした、中間解析の結果を発表した。 はじめに、舛石 俊樹氏(愛知県がんセンター)が、MONSTAR SCREENの消化器がんサブグループの中間解析結果を発表した。【消化器がんサブグループ中間解析】・血中循環腫瘍DNA(ctDNA)が検出された470例のうち、消化器がんは133例、非消化器がんは337例だった。・消化器がんは非消化器がんに比べ、ctDNAレベル中央値が有意に高値であった(11.8 vs0.6%)。消化器がんの中では、大腸がんのctDNAレベルが最も高値であった。・消化器がんは非消化器がんに比べ、発がんや腫瘍増殖に関連するシグナル伝達経路の中で、p53、RTK、MAPK、Wnt経路における遺伝子異常が有意に高頻度であり、とくに多く見られた遺伝子異常はAPC、TP53変異だった。・腫瘍組織とリキッドバイオプシーにおける遺伝子異常の検出一致率は69%(81/132)であった。 続けて、野々村 祝夫氏(大阪大学)が、泌尿器がんサブグループの中間解析結果を発表した。【泌尿器がんサブグループ中間解析】・ctDNAが検出された470例のうち、泌尿器がんは70例、非泌尿器がんは400例だった。・泌尿器がんは非泌尿器がんと比べ、ctDNAレベルに有意差を認めなかったものの、腎細胞がんは全がん種において2番めに低かった(中央値:0.13%)。・腎がん、前立腺がん、尿路上皮がんにおける血中腫瘍遺伝子変異量(bTMB)中央値はそれぞれ0.44/Mb、0.88/Mb、4.39/Mbであり、尿路上皮がんは全がん種において最も高かった。・泌尿器がんは非泌尿器がんに比べ、PI3K、MAPK、Wnt経路における遺伝子異常が有意に低頻度だった。・腫瘍組織とリキッドバイオプシーにおける遺伝子異常の検出一致率は67%(10/15)であった。 両氏は、中間解析の結果から得られた示唆を活かしながら引き続き症例を蓄積し、がん種別に奏効率に関わる検討などを行い、国内外に広く発信するとしている。 JSMO Virtual2021は3月1~31日までオンデマンド配信が行われる(要参加登録)。第18回日本臨床腫瘍学会学術集会

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新型コロナワクチンを拒む一般人の割合と特徴-米国の場合

 米国では2月8日の時点で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン5,930万回分が配布され、少なくとも3,160万人が1回目のワクチン接種を行った。ワクチン開始前に実施された全米世論調査では、多くの人が新型コロナワクチンの接種をためらっていたが、2020年9月から12月にかけて、ワクチンを接種したいと回答した割合は、全体的に39.4%から49.1%に増加し、接種する「可能性が低い」と回答した割合は38.1%から32.1%に減少していたことが明らかになった。米国疾病予防管理センター(CDC)が2021年2月12日に発表した。 CDCは新型コロナワクチンに対する認識と接種意思を調査する目的で、2020年9月と12月に18歳以上の米国人を代表する3,541人に対し確率に基づくサンプル(Ipsos KnowledgePanel)を用いてインターネットパネル調査を実施し、18~64歳(基礎疾患あり/なし)、65歳以上、エッセンシャルワーカー従事に分類した。“もし、新型コロナワクチンを今日無料で接種できるとしたら、接種する可能性はどのくらいありますか?”との質問内容に対し、回答選択肢を「必ず受ける/受ける可能性が非常に高い」「可能性がやや高い」「可能性が低い」と定めた。接種の可能性について“必ず”または“非常に高い”という回答は意思があるとし、“可能性が低い”という回答は意思がないとした。 主な結果は以下のとおり。・「必ず受ける/受ける可能性が非常に高い」の回答は、エッセンシャルワーカー*で8.8ポイント(37.1%→45.9%)、65歳以上で17.1ポイント(49.1%→66.2%)、基礎疾患**を有する18~64歳で5.3ポイント(36.5%→41.8%)と、9月から12月にかけて増加した。・「可能性が低い」との回答は、エッセンシャルワーカーで4.8ポイント(40.2%→35.8%)、65歳以上で11.1ポイント(29.8%→18.7%)、基礎疾患を有する18~64歳で2.1ポイント(40.4%→38.3%)減少した。・また、基礎疾患を持たずエッセンシャルワーカーではない18~64歳の場合、「必ず受ける/受ける可能性が非常に高い」の回答は9.5ポイント(38.0%→48.7%)増加し、「可能性が低い」との回答は7.6ポイント(39.8%→32.2%)減少した。・若年成人、女性、非ヒスパニック系黒人、居住区域が首都圏外、低学歴、低収入世帯(年収:3万5,000〜4万9,999ドル)、健康保険未加入の層がワクチンを接種する「可能性が低い」と最も多く回答していた。*:エッセンシャルワーカー:医療者ほかインフラ整備に必要不可欠な建設作業員など**:慢性腎臓病、心不全、COPDなどを有する者 研究者らは「新型コロナの罹患率と死亡率のリスクが高い集団の健康を保護し、健康の不平等を減らすためにもワクチン接種は重要である。国民の信頼をさらに高める戦略を実施するため、追加の取り組みが必要」としている。

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認知症リスクの人種差~メタ解析

 世界の認知症患者数は、約5,000万人といわれている。高血圧や糖尿病などの認知症のリスク因子は、黒人、アジア人、その他の少数民族においても一般的に認められるが、認知症のケア、診断、治療においては、人種間で不平等なこともある。そこで、英国・London School of Hygiene & Tropical MedicineのSuhail Ismail Shiekh氏らは、認知症の発生率や有病率に関する民族的な差異について、調査を行った。Journal of Alzheimer's Disease誌オンライン版2021年1月30日号の報告。 2019年9月1日に、人種、認知症、発生率、有病率の検索ワードを用いて、7つのデータベースより検索した。18歳以上の成人を対象とし、2つ以上の人種の年齢を考慮した後、認知症の発生率または有病率を比較した人口ベースの研究を抽出した。適切な人種間の比較を行うため、メタ解析を実施した。 主な結果は以下のとおり。・コホート研究12件、横断研究7件をメタ解析に含めた。・米国での研究が13件、英国、シンガポール、中国の新疆ウイグル自治区での研究が各2件であった。・黒人と白人を比較した4件の研究では、認知症発生率のプールされたリスク比は、1.33(95%CI:1.07~1.65、I2:58.0%)であった。・アジア人と白人を比較した研究では、認知症発生率のプールされたリスク比は、0.86(95%CI:0.728~1.01、I2:43.9%)であった。・ラテン系と白人では、認知症発生率に差は認められなかった。 著者らは「認知症リスクに、人種的な違いがあることが示唆された。これらの違いの要因を明らかにすることは、認知症の予防や治療に役立つ可能性がある」としている。

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FDA、ロルラチニブのALK肺がん1次治療を承認/ファイザー

 米国食品医薬品局(FDA)は、2021年3月3日、ロルラチニブ(商品名:ローブレナ)の適応症を拡大し、ALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)患者の1次治療を追加承認した。 ロルラチニブの今回の承認拡大は、未治療のALK陽性NSCLCを対象にクリゾチニブと比較した第III相CROWN試験の結果に基づくもの。この試験でロルラチニブはクリゾチニブに比べ、盲検独立評価委員会(BICR)評価による死亡および進行リスクを72%減少させた (PFS HR 0.28:95%CI:0.19~0.41、p<0.0001)。事前に特定された探索的研究によるBICR評価の頭蓋内奏効率 (IC-ORR) は82% (クリゾチニブ群は23%)であった。頭蓋内奏効期間12ヵ月以上持続した割合は79%(クリゾチニブ群は0%)であった。

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ロシア製COVID-19ワクチン、約2万人接種で有効率91.6%/Lancet

 ロシア国立ガマレヤ疫学・微生物学研究所(NRCEM)で開発された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の非相同組み換えアデノウイルス(rAd)ベクターワクチンGam-COVID-Vac(スプートニクV)の第III相試験中間解析の結果が、NRCEMのDenis Y. Logunov氏らによってLancet誌2021年2月20日号で報告された。COVID-19に対する有効率は91.6%と高く、2万人を超える大規模な参加者において良好な忍容性が確認された。Gam-COVID-Vacは、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)完全長糖蛋白S(rAd26-SおよびrAd5-S)の遺伝子を持つrAd26型(rAd26)とrAd5型(rAd5)をベースとする複合ベクターワクチンで、prime-boost異種ワクチン接種法に基づき、先にrAd26を接種後、21日の間隔を空けてrAd5が接種される。2020年8月に終了した第I/II相試験では、良好な安全性プロファイルを示し、強力な体液性免疫および細胞性免疫の誘導が認められている。モスクワ市25施設のプラセボ対照無作為化第III相試験 研究グループは、COVID-19に対するGam-COVID-Vacの有用性の評価を目的とする二重盲検プラセボ対照無作為化第III相試験を実施し、2020年9月7日~11月24日の期間にモスクワ市の25施設で参加者の登録を行った(ロシア・モスクワ市保健局などの助成による)。 対象は、年齢18歳以上、抗SARS-CoV-2 IgM/IgG抗体陰性、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法でSARS-CoV-2陰性、COVID-19歴がなく、登録前の14日間にCOVID-19患者との接触がなく、登録前30日間に他のワクチン接種歴のない参加者であった。 被験者は、ワクチン群またはプラセボ群に3対1の割合で無作為に割り付けられた。担当医、参加者を含むすべての試験関係者には、割り付け情報は知らされなかった。ワクチンは、prime-boostレジメンに基づき、1回目にrAd26が筋注され、21日の間隔を空けてrAd5が筋注された(いずれも、ウイルス粒子1011、用量0.5mL)。 主要アウトカムは、初回接種後21日(2回目接種日)以降にPCR検査で確定されたCOVID-19の参加者の割合とした。ワクチンの有効率(%)(予防効果)は、(1-オッズ比[OR])×100の式で算出された。主要アウトカムの評価は2回の接種を受けた参加者で行い、重篤な有害事象はデータベースのロック時に少なくとも1回の接種を受けた全参加者で評価した。21日以降の中等症~重症COVID-19に対する有効率は100% 2万1,977例の成人が登録され、ワクチン群に1万6,501例、プラセボ群には5,476例が割り付けられた。このうち1万9,866例(ワクチン群1万4,964例、プラセボ群4,902例)が2回の接種を受け、主要アウトカムの解析に含まれた。2回接種例の平均年齢はワクチン群が45.3(SD 12.0)歳、プラセボ群は45.3(11.9)歳であり、両群間で性別の分布、合併症の罹患率、感染リスクに差はなかった。 初回接種後21日以降に、COVID-19と確定された参加者は、ワクチン群が1万4,964例中16例(0.1%)、プラセボ群は4,902例中62例(1.3%)であり、ワクチンの有効率は91.6%(95%信頼区間[CI]:85.6~95.2、p<0.0001)であった。 5つの年齢層(18~30歳、31~40歳、41~50歳、51~60歳、60歳以上)および男性・女性の有効率はいずれも87%以上であり、とくに60歳以上の有効率は91.8%(95%CI:67.1~98.3、p=0.0004)と良好であった。また、中等症~重症COVID-19に対する有効率は、初回接種後15~21日は73.6%(p=0.048)であり、21日以降はワクチン群での発生は認められず(対照群は20例で発生)、この期間の有効率は100%(94.4~100.0、p<0.0001)だった。 初回接種後42日時におけるSARS-CoV-2糖蛋白Sの受容体結合ドメイン(RBD)特異的IgG抗体の検出率は、ワクチン群が98%(336/342検体)で、幾何平均抗体価(GMT)は8,996、抗体陽転率は98.25%であり、プラセボ群の15%(17/114検体)、30.55、14.91%と比較して有意に高かった(p<0.0001)。また、中和抗体のGMTは、ワクチン群が44.5、抗体陽転率は95.83%であり、プラセボ群の1.6、7.14%よりも有意に高値であった(p<0.0001)。これらのデータにより、ワクチンによる体液性免疫応答の誘導が確認された。 さらに、ワクチン群では、初回接種日と比較して、28日の時点における抗原再刺激によるインターフェロン-γ分泌量(中央値32.77pg/mL、p<0.0001)が有意に増加し、ワクチンによる細胞性免疫応答の誘導が認められた。プラセボ群では、このような反応はなかった。 最も頻度の高い有害事象は、インフルエンザ様疾患、注射部位反応、頭痛、無力症であった。報告された有害事象のほとんどがGrade1(94.0%[7,485/7,966例])で、Grade2は5.66%(451例)、Grade3は0.38%(30例)であった。希少な有害事象は122例(ワクチン群91例、プラセボ群31例)で報告された。 重篤な有害事象は、68例に70件認められ、ワクチン群が0.3%(45/1万6,427例)、プラセボ群は0.4%(23/5,435例)であったが、独立データ監視委員会によって、いずれもワクチン接種とは関連がないと確定された。試験期間中に4例(ワクチン群3例[<0.1%]、プラセボ群1例[<0.1%])が死亡したが、ワクチン関連のものはなかった。 著者は、「このワクチンは、他のSARS-CoV-2ワクチンとともに、SARS-CoV-2ワクチンの世界的なパイプラインの多様化に貢献すると考えられる」としている。研究グループは、現在、ワクチンの1回接種レジメンを評価する研究を進めているという。

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2年ごとの乳房視触診、50歳以上の乳がん死3割減/BMJ

 2年ごとの医療従事者による乳房の視触診(clinical breast examination:CBE)は、CBEを行わない場合と比べ、乳がん診断時の病期を軽減し(downstaging)、50歳以上の女性の乳がんによる死亡率を約3割抑制することが、インド・Homi Bhabha National InstituteのIndraneel Mittra氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2021年2月24日号で報告された。マンモグラフィによる乳がんスクリーニングは、50歳以上の女性では死亡率を抑制するが、50歳未満の女性における有効性には疑問があるとされる。また、乳がん自己検診(breast self-examination)の、乳がんの早期検出法としての有効性は証明されておらず、CBEが乳がんによる死亡を低減するかについても明らかではないという。ムンバイ市の15万人のクラスター無作為化対照比較試験 研究グループは、CBEによるスクリーニングが、CBEを行わない場合と比較して、乳がん診断時の病期を軽減させるかを検証する目的で、プロスペクティブなクラスター無作為化対照比較試験を実施した(米国国立衛生研究所[NIH]などの助成による)。 インド・ムンバイ市の地理的な境界で定義された20のクラスターを、CBEによるスクリーニングを行う群またはCBEを行わない対照群に、10クラスターずつ無作為に割り付けた。登録は1998年5月に開始され、2019年3月、解析のためにデータベースがロックされた。乳がん歴のない35~64歳の女性15万1,538人が試験に参加した。 スクリーニング群(7万5,360人)は、2年ごとに、訓練を受けた女性のプライマリケア医療従事者によるCBEを4回と、がん啓発情報の提供を受け、その後は2年ごとの自宅訪問による積極的サーベイランス(active surveillance)を5回受けた。対照群(7万6,178人)は、がん啓発情報の提供を1回受け、その後は2年ごとに積極的サーベイランスを8回受けた。 主要アウトカムは、診断時における乳がんの病期の軽減および乳がん死の低減とした。50歳未満の乳がん死、全死因死亡には差がない 登録時の平均年齢は、スクリーニング群が44.84(SD 7.90)歳、対照群は44.92(8.00)歳であった。試験開始から20年(フォローアップ期間中央値18年)の時点で、スクリーニング群の640人、対照群の655人が乳がんと診断され、それぞれ213人および251人が乳がんによって死亡した。 乳がん検出時の年齢は、スクリーニング群が対照群よりも若かった(55.18[SD 9.10]歳vs.56.50[9.10]歳、p=0.01)。また、乳がん診断時の病期は、スクリーニング群でStageIII/IVの割合が有意に低かった(37%[220人]vs.47%[271人]、p=0.001)。この病期の軽減は、50歳未満(診断時StageIII/IVの割合:37%[161人]vs.47%[183人]、p=0.005)および50歳以上(35%[59人]vs.46%[88人]、p=0.05)のいずれにおいても認められた。 全体(35~64歳)では、スクリーニング群は対照群に比べ、乳がん死の割合が15%低下したが、有意な差は認められなかった(10万人年当たり20.82人[95%信頼区間[CI]:18.25~23.97]vs.24.62人[21.71~28.04]、率比[RR]:0.85[95%CI:0.71~1.01]、p=0.07)。 一方、事後的サブセット解析では、50歳以上の女性における乳がん死は、スクリーニング群で有意に約30%低下した(10万人年当たり24.62人[95%CI:20.62~29.76]vs.34.68人[27.54~44.37]、RR:0.71[95%CI:0.54~0.94]、p=0.02)。これに対し、50歳未満の女性では有意な差はみられなかった(19.53人[17.24~22.29]vs.21.03人[18.97~23.44]、0.93[0.79~1.09]、p=0.37)。 また、全死因死亡は、スクリーニング群で5%低下したが、有意差はなかった(RR:0.95[95%CI:0.81~1.10]、p=0.49)。 著者は、「低・中所得国では、乳がんのスクリーニング法としてCBEを考慮すべきと考えられる」としている。

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自宅で超重症COVID-19を診きった1例【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第182回

自宅で超重症COVID-19を診きった1例pixabayより使用日本でCOVID-19を診療する場合、基本的に肺炎があったりSpO2が低かったりすると、入院適応になります。当然、両肺に肺炎があって呼吸不全があろうものなら、即入院なわけですが……。エクアドルで報告された、自宅療養で重症例を診きった超絶症例報告を紹介しましょう。Cherrez-Ojeda I, et al.The unusual experience of managing a severe COVID-19 case at home: what can we do and where do we go?BMC Infect Dis . 2020 Nov 19;20(1):862.主人公は、60歳のエクアドル人女性です。7日前から咳と息切れが見られており、救急外来のトリアージでSpO2 86%(室内気)と両側肺炎が見られ、SARS-CoV-2 PCRが陽性になりました。呼吸数が32回/分とかなり厳しい状態だったのですが、入院する部屋がなく、外来治療を余儀なくされました。イヤ、無理でしょ…PaO2が47.70Torrと書いてあるんですが……。――とはいえ、部屋がないものはない。適切な治療プランを立て、自宅に帰さなければいけません。メチルプレドニゾロン、低分子ヘパリン、ニタゾキサニド(抗ウイルス薬)を看護師の往診で投与するよう指示しました。酸素濃縮器も自宅に設置し、鼻カニューレで酸素投与を開始しました。PubMedなどからこの論文の元文献を見てほしいのですが、両肺真っ白です。本当に真っ白のARDSです。日本だといろいろと問題視されそうですが、自宅で急死することもなく、この女性患者さんは次第に回復していきました。治療開始4日目に、危うくSpO2が80%を切るところまでいきましたが、その後復活しています。治療開始14日後の胸部CTでは、陰影の大部分が軽快しました。日本でここまでの医療逼迫に陥ることはないと信じたいですが、自宅やホテルでマネジメントする方法も考えるべき時期が来るもしれません。SpO2が低い症例に、ステロイド錠を手渡すことを検討してもよいかもしれませんが、国内の診療常識ではちょっと難しいでしょうね。

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第47回 ワクチン副反応疑い報道でメディアに課せられた責務

いま、新型コロナウイルス感染症に関する報道と言えば、ワクチン接種に関するものがかなりの部分を占める。そんな中、優先接種対象者として接種した医療従事者の中で、接種3日後にくも膜下出血で死亡した事例が3月2日、厚生労働省から報告された。今回のプレスリリースには、「副反応疑い報告制度の透明性の向上及び周知等のため、当面、接種後にアナフィラキシー又は死亡の報告を受けた際に公表するものです」と但し書きが付いている。いわば因果関係が証明されたものではないし、実際リリースを読み込めば、多くの医療従事者はワクチン接種との因果関係はほぼなしと見るだろう。さて新聞各紙はこれをどう報じたか。一覧にすると次のようになる。「ワクチン接種3日後、くも膜下出血で死亡 因果関係不明」(朝日新聞)「ワクチン接種後にくも膜下出血で死亡か 因果関係は評価できず」(毎日新聞)「ワクチン接種後の初の死亡事例、因果関係不明」(日本経済新聞)「ワクチン接種した60代女性、3日後に死亡…死因はくも膜下出血か」(読売新聞)「コロナワクチン接種後、60代女性死亡 くも膜下出血か」(産経新聞)見出しはきれいにほぼ2種類に分かれた。各紙の報道内容を読めばわかるが、基本的には冷静に淡々と報じている。個人的には、前者3紙の「因果関係不明」のほうが、因果関係なしも含めて示唆する見出しのため、ここからより正確な記事内容の推定が可能になると考える。また、中でも日経は記事の第2パラグラフというかなり早めの段階で「海外の接種事例でワクチンとくも膜下出血の関連を明確に示す報告はないとみられ、偶発的な事案の可能性もある」とより具体的に記述し、「死亡」というキーワードに感覚的に反応しやすい読者に暗に冷静さを求めている。この件については、「わざわざ報じなくとも良いではないか」との意見もあることは承知している。ただ、今回の新型コロナは現代ではまれに見るほど全世界で人々の日常生活をマヒさせており、国や医療関係者もより多くの人にできるだけ早期にワクチンを接種してほしいと願っていると考えて差し支えないだろう。一方、現状で使用可能になったmRNAワクチンは、今回が初の実戦投入。しかも、当初、ワクチン登場まで相当時間がかかるとみられていた中で、わずか1年で臨床現場に出てきたことから、一般人にとっては「期待半分、疑心半分」が本音ではないだろうか?そのような状況下では、たとえ誤解であったとしても国民の一部から「情報隠ぺい」と捉えられるような事態が起これば、一気にワクチンに対する信頼性は低下し、「より多くの国民にできるだけ早期の接種」という目標はあっという間に瓦解する。だからこそ敢えて因果関係の確定までのプロセスも含めてなるべく公開することで信頼性を担保しようという、ある種「苦渋」の決断と考えられる。そしてメディアの側も事情は似たようなものだ。日本中が注目しているワクチンに関して、国が公開している情報を完全に無視すれば「メディアは意図的にワクチンの安全性に目をつぶっている」と言われてしまう。ただ、今回のワクチンに関する安全性をめぐる報道に関しては、メディア側は最終結果も報じる必要があると感じている。最終結果とは因果関係の推定がほぼ終了した時点である。今回の事例で言えば、もしワクチン接種と因果関係がないだろうとの結論になった時点で「3月2日に厚生労働省が発表したワクチン接種後にくも膜下出血を起こして死亡したケースは、死亡とワクチン接種との間に因果関係はない可能性が高いと専門家は判断した」という感じできちんとフォローアップ報道を行うということだ。そうでないと、読者・視聴者は「死亡」という事実のみを脳内に刻み込んでネガティブイメージが維持されるからだ。そのうえで今回のワクチン接種を契機に私たちメディアだけでなく、医療従事者、行政関係者が一致して伝えなければならない情報があると考えている。それは「有害事象」と「副反応」の違いである。もちろん、この記事を目にするであろう方々に「有害事象とはワクチン接種後、その影響があると考えられる期間に起こったネガティブな反応全て。そのうちワクチンとの因果関係が濃厚とされたものが副反応」と説明するのは釈迦に説法である。ところが医療に縁のない一般人にとって、この違いは説明されればその場で理解はできるものの、知識としてはなかなか定着しない。だが、この違いを多くの国民が理解すれば、副反応に対する漠然とした恐怖の一部は緩和できる可能性があると考える。実は先日、ある国会議員と意見交換した時に「今回のワクチン接種を契機に各自治体のワクチン接種に関するHPに<有害事象とは?><副反応とは?>という基礎的な用語集を付記するように働きかけてはいかがか?」と提案した。するとこの国会議員からは「実はその働きかけはすでに行われているのだが、自治体ごとの温度差が大きい」との反応が返ってきた。まあ、さもありなんである。だからといって行政関係者が悪いなどと言うつもりはない。ただ、行政関係者に温度差があるからこそ、その隙間を医療従事者、メディア関係者が埋めなければならないとも思う。さまざまなチャネルからシャワーのように同じこと繰り返し伝えることが、知識としての定着の第一歩であることは、「PCR検査」という言葉が日常的に使われるようになった現在が端的な証明となっている。このように書くと「そうはいってもPCR検査の中身を正確に理解していない人がほとんどだろう」という指摘があることは承知している。ただ、言葉として定着しなければ、知識としての定着はあり得ない。目で見て読めない英単語を耳で聞いても分かるわけはないのと同じである。そして「有害事象」と「副反応」の違いが国民の間に定着してくれば、今回発表されたようなワクチン接種直後の死亡例の公表の仕方、報道の仕方も必然的に変わってくる。新型コロナのワクチン接種開始は、そうした好ましい変化を獲得するための、またとない機会でもある。

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うつ病治療アプリに対する医師や患者の期待

 スマートフォンアプリが増加し続けている現代社会において、アプリによる治療ツールの有効性は十分に実証されておらず、導入率も依然として不十分である。フランス・クレルモン・オーベルニュ大学のMarie-Camille Patoz氏らは、アドヒアランス向上に関連する効率的なアプリ開発を行うため、ユーザー中心のアプローチを通じて設計した架空のうつ病治療アプリに対する患者および医師の期待を特定することを目的とし、本研究を行った。BMC Psychiatry誌2021年1月29日号の報告。 精神科医および一般開業医、過去12ヵ月間でうつ病を経験した患者を対象に、フォーカスグループ法を用いて、半構造化面接を実施した。録音したインタビューの音声を文字起こしし、定性的な内容分析を用いて分析した。 主な結果は以下のとおり。・分析対象は、医師26人および患者24人。・フォーカスグループは、性別と年齢のバランスの取れた分布を示した。・対象者のほとんどはスマートフォンを所有しており(医師:96.1%、患者:83.3%)、アプリも使用していた(医師:96.1%、患者:79.2%)。・定性的な内容分析では、内容、操作特性、アプリ使用に対する障壁といった3つの主なテーマが明らかとなった。それぞれの内容は、以下のとおりであった。【期待される内容】 ●アプリにより収集された患者情報に関するデータ ●心理教育に関する情報提供 ●治療ツールに関する情報提供 ●日常生活のマネジメントを支援する機能 ●このツールに期待される機能【操作特性】 ●アプリの目的 ●潜在的なターゲットユーザー ●使用方法 ●アクセシビリティ ●セキュリティ【アプリ使用に対する障壁】 ●潜在的なアプリユーザーに関する懸念 ●潜在的なユーザーのアクセシビリティ ●安全性、副反応、有用性 ●機能性・テーマやカテゴリに関しては、医師と患者で共通であった。 著者らは「架空のうつ病治療アプリは、医師、患者ともに期待値が高く、うつ病治療において重要な役割を担う可能性がある。このようなツールにユーザーが期待する重要なポイントとして、簡単かつ直感的な使い方とパーソナライズされたコンテンツが挙げられる。うつ病治療においては、うつ病に関する情報提供、自己モニタリング機能、緊急時の支援を可能とするアプリが求められている」としている。

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多発性硬化症の病態に関わる免疫細胞の新知見

 2021年2月17日、ノバルティス ファーマは、『MS病態への関与が示唆される「B細胞」とは? ~免疫の仕組みとMS治療の課題~』と題するメディアセミナーを開催した。 多発性硬化症(以下、MS)は自己免疫疾患の1つとして知られている。国内の推定患者数は約1万5千人以上と考えられており、女性の患者数が男性の約2.9倍といわれている。平均発症年齢は30歳前後、発症のピークは20代であり、就職や出産、育児などのライフイベントが多い時期と重なるため、社会への影響が大きい疾患であると考えられる。 本セミナーでは、野原 千洋子氏(東京都保健医療公社荏原病院 神経内科 部長)が、近年MS病態に直接関与していると注目されている「B細胞」にフォーカスしながら、MSと免疫の仕組みについて講演を行った。周囲から理解されにくい症状に悩まされる MSは、中枢神経における神経細胞の軸索を覆うように存在しているミエリンが破壊され、「脱髄」と呼ばれる病変が多発する疾患である。ミエリンは、動作や感覚などの情報が神経を通じてスムーズに伝達されるように助ける役割を持つ。脱髄が起こると、中枢神経における情報伝達に障害が生じ、さまざまな症状を引き起こしてしまう。 MSでは、脱髄の起こった部位によって異なる症状が現れる。歩行障害や運動障害といった周囲から見てもわかりやすい症状がある一方で、視野障害や感覚障害、認知機能障害、排尿・排便障害といった周りから見えづらい症状が起こる場合もある。野原氏は、「MSは周囲から理解されにくい症状が多く、早期の診断、治療が重要である」と指摘した。T細胞だけではない? MS病態へのB細胞の関与 MSの発症原因の詳細はいまだ不明であるが、獲得免疫であるT細胞/B細胞の免疫寛容の破綻が原因とされている。従来、MSはT細胞が主に関わる自己免疫疾患のモデルであるといわれていた。しかし、近年MSの発症前から進行期へと至る一連のステージにおいて、B細胞による病態への関与も示唆されるようになったという。 MSの発症においては、ヘルパーT細胞は二次リンパ組織内で抗原提示細胞により活性化された後、Th1細胞やTh17細胞として血液脳関門を通過する。そうして中枢神経系に侵入したTh1細胞やTh17細胞は、炎症性サイトカインを産生し、マクロファージやキラーT細胞を活性化させる。その結果、神経が傷害され脱髄を引き起こす、という発症メカニズムが考えられていた。 しかし、このメカニズムの中で、T細胞のTh1細胞やTh2細胞への分化、炎症性サイトカインの産生を介したT細胞の活性化、Th1細胞の自己増殖の促進にB細胞が寄与していることが明らかになった。さらに、こうしたB細胞とT細胞の相互作用に加えて、B細胞が中枢神経系において単独で自己抗体を産生し、脱髄を引き起こすことも明らかになったという。 実際にMSの発症や再発において、B細胞の自己抗体産生を反映したオリゴクローナルバンドの検出率が上昇したとされる報告や、B細胞の活性化マーカーであるCXCL13(ケモカインの一種)の髄液中での濃度上昇が認められた報告もあるという。さらに、二次進行型MS患者においてはB細胞のリンパ濾胞様構造が認められたという報告もあり、野原氏は「MSの臨床経過の一連のステージにおいて、B細胞は大きな役割を担っている」と語った。B細胞をターゲットにした治療への期待 B細胞がMSの病態に関わるのであれば、当然B細胞が治療のターゲットとして考えられる。実際にB細胞除去療法を行った結果では、T細胞の異常な活性化を抑えることで、IL-17やIFN-γといったMS病態を進行させるサイトカインの産生が抑制されるという。野原氏は「MSの病態にはB細胞が深く関与していることが明らかになってきており、海外ではB細胞をターゲットにした治療薬の承認も得られている。今後、B細胞に関わるさらなる知見が得られることに期待したい」と締めくくった。

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コロナ禍の中で花粉症診療へ行くべきか/アイスタット

 花粉症の季節が到来した。街中ではマスクだけでなく、花粉防止のゴーグルをかけた人を見かけるようになった。新型コロナウイルス感染症が収束をみせない中、慢性疾患や花粉症に代表される季節性疾患の診療に例年とは異なる動きはあるのであろうか。 株式会社アイスタット(代表取締役社長:志賀 保夫)は、2月25日に花粉症の理由で病医院を受診する人の割合、傾向を知る目的として、花粉症に関するアンケート調査を行い、その結果を発表した。 アンケートは、業界最大規模のモニター数を誇るセルフ型アンケートツール“Freeasy”の会員で20~69歳、東京・神奈川・千葉・埼玉に在住の300人を対象に実施した。同社では今後も毎月定期的に定点調査を行い、その結果を報告するとしている。調査概要形式:WEBアンケート方式期日:2021年2月19日対象:セルフ型アンケートツール“Freeasy”の登録者300人(20~69歳)で東京・神奈川・千葉・埼玉在住者アンケート結果の概要・花粉症が「現在ない」と回答した割合は46.3%、花粉症歴が「長い」は26.0%、「中間」は16.0%、「短い」は11.7%・花粉症歴が「長い」と回答した人ほど、医療機関を「毎年、受診している」が多い結果に・花粉症の強さが「軽症」と回答した人は、医療機関を「1度も受診したことがない」が最多に。「中等症」「重症」と回答した人は、医療機関を「毎年、受診している」が最多に・花粉症の三大症状の「鼻水」「目のかゆみ・痛み・涙」「くしゃみ」は70%以上に・花粉症の症状で「鼻水」を回答した人は、医療機関を「1度も受診したことがない」が最多に・コロナ禍により、花粉症の症状で病医院の受診を控えるかは、「そう思う」42.9%が「そう思わない」24.8%を上回ったアンケート結果の概要 「花粉症と自覚した時期」について聞いたところ、「現在、花粉症でない」が46.3%で最多であり、次に「長い」(約15年超)が26.0%、「中間」(約5~15年)が16.0%、「短い」(最近~5年以内)が11.7%だった。※以下は「花粉症歴があると回答した161人」の回答 「花粉症の症状」を聞いたところ、「鼻水」、「目のかゆみ・痛み・涙」がともに77.0%で最も多く、次に「くしゃみ」が73.9%、「鼻づまり」が56.5%、「だるい、ボーっとする」が26.1%と多かった。 「花粉症の強さを自身の判断」で聞いたところ、「軽症」が47.2%で最も多く、次に「中等症」が42.2%、「重症」が8.1%だった。 「花粉症対策として病医院の処方箋・市販薬も含め服用・使用している薬」について聞いたところ、「飲み薬(1種類)」が42.9%と最も多く、次に「点眼薬」が32.9%、点鼻薬が21.1%と上位を占めた。その一方で、「薬を服用、使用していない」が29.2%いた。薬に頼らずに我慢する患者の存在もうかがわれた。 「花粉症の理由で病院に受診したことがあるか」を聞いたところ、「1度も受診したことがない」が45.3%で最も多く、「その年の症状により受診」が32.3%、「毎年、受診している」が22.4%だった。花粉症軽度の割合が多いことから医療機関へ受診につながらないことが推定された。 「今シーズン(2021年春季)、花粉症の治療のために病院を受診するか」を聞いたところ、「受診する予定はない」が70.2%と最多で、「受診する予定」が18.0%、「すでに受診した」が11.8%だった。花粉症診療へ消極的な動きが判明した。 「昨今のコロナ禍により病医院へ受診することを控えようと思うか」を聞いたところ、「非常に」「やや」を足し合わせた「そう思う」が42.9%、「どちらともいえない」が32.3%、「あまり思わない」「まったく思わない」を足し合わせた「そう思わない」の24.8%と診療を控える傾向がうかがわれた。 「花粉症で病医院を受診する決め手」を聞いたところ、「病医院で処方される薬の方がドラッグストアなどの市販薬より、効果があるから」が34.2%で最も多く、次に「病医院で処置・治療してもらうと効き目があるから」が26.7%、「病医院を受診することで安心感を得たいから」が19.9%と上位を占めた。受診の決め手となる動機では、医療機関から処方される治療薬への期待がうかがわれた。

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ペムブロリズマブ+化学療法の食道がん1次治療、日本人の結果(KEYNOTE-590)/日本臨床腫瘍学会

 切除不能な局所進行または転移のある食道腺がん、食道扁平上皮がん、Siewert I型食道胃接合部腺がん患者に対する1次治療として化学療法とペムブロリズマブの併用療法と化学療法を比較する無作為化二重盲検第III相KEYNOTE-590試験の日本人集団における結果を第18回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO VIrtual2021)で、埼玉県立がんセンターの原 浩樹氏が発表した。・対象:未治療の転移を有する食道腺がん・扁平上皮がん、食道胃接合部Siewert Type1腺がん患者(PS 0~1)・試験群:ペムブロリズマブ+化学療法(シスプラチン+5-FU)3週ごと最大35サイクル(ペムブロリズマブ+化学療法群、373例)・対照群:化学療法(同上)(化学療法群、376例)・評価項目:[主要評価項目]無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)[副次評価項目]客観的奏効率(ORR) 主な結果は以下のとおり。・日本人集団は141例で、ペムブロリズマブ+化学療法群74例、化学療法群67例に無作為に割付けられた。・日本人集団は全ITT集団と比べ、患者の年齢が高く(68.0歳 vs.63.0歳)、ECOG PS0が多く(71.6% vs.40.2%)、食道扁平上皮がんが多かった(89.4% vs.73.2%)。・日本人集団のOS中央値は、ペムブロリズマブ+化学療法群17.6ヵ月、化学療法群11.7ヵ月であった(HR:0.71、95% CI:0.47~1.09)。・日本人集団のPFS中央値はペムブロリズマブ+化学療法群6.3ヵ月、化学療法群6.0ヵ月であった(HR:0.58、95% CI:0.40~0.84)。・日本人集団のORRはペムブロリズマブ+化学療法群56.8%、化学療法群は38.8%、DoR中央値はそれぞれ8.3ヵ月と6.1ヵ月であった。・日本人集団のGrade3以上の有害事象(AE)発現割合は、ペムブロリズマブ+化学療法群74.3%、化学療法群61.2%であった。日本人サブセットでITT集団より多くみられたAEは、悪心嘔吐、食欲不振、好中球減少、白血球減少、口内炎であった。

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AZ社の新型コロナワクチン、接種間隔は3ヵ月が有益/Lancet

 ChAdOx1 nCoV-19(AZD1222)ワクチンの2回接種は、主要解析の結果、中間解析と一致して新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対し有効であることが確認された。探索的事後解析では、パンデミックにおける供給不足時にできるだけ早く大多数の住民にワクチンを行き渡らせるための短い接種間隔プログラムより、3ヵ月の接種間隔のほうが2回目接種後の予防効果が改善しており利点があることも示された。英国・オックスフォード大学のMerryn Voysey氏らオックスフォード・ワクチン・グループが、AZD1222ワクチンに関する4つの臨床試験の統合解析結果を報告した。AZD1222ワクチンは、英国の医薬品・医療製品規制庁により標準用量を4~12週間の間隔で2回接種する緊急使用が承認され、英国でのワクチン導入計画では、ハイリスクの人々を対象にただちに初回接種を行い、12週間後に2回目接種を行うことになっていた。Lancet誌オンライン版2021年2月19日号掲載の報告。4試験の統合主要解析と接種間隔別等の探索的事後解析を実施 研究グループは、単盲検無作為化比較試験である英国の第I/II相試験「COV001試験」および第II/III相試験「COV002試験」、ならびにブラジルの第III相試験「COV003試験」と、二重盲検無作為化比較試験である南アフリカの第I/II相試験「COV005試験」について、事前に設定されていた統合解析に主要解析と、探索的事後解析を行った。 試験では、18歳以上の健康成人がChAdOx1 nCoV-19ワクチン接種群(標準用量として5×1010のウイルス粒子を2回接種)、または対照群(対照ワクチンまたは生理食塩水)に1対1の割合で無作為に割り付けられ、英国の試験では、一部の被験者に、1回目は低用量(ウイルス粒子2.2×1010)、2回目は標準用量を接種した。 主要評価項目は、ウイルス学的に確定された症候性COVID-19で、2回目接種後14日以降に1つ以上の特定症状(37.8度以上の発熱、咳嗽、息切れ、嗅覚消失/味覚消失)を認め、核酸増幅検査(NAAT)陽性と定義した。副次有効性解析には、初回接種後22日以降の発症例を組み込んだ。また、免疫測定法および疑似ウイルス中和抗体価で評価した抗体反応を探索的評価項目とした。 主要解析対象集団は、盲検化された独立評価委員会により判定されたNAAT陽性のCOVID-19患者で、ベースライン時にSARS-CoV-2のN蛋白血清反応陰性かつ2回目接種後に最低14日間追跡調査が行われ、NAATで過去のSARS-CoV-2感染の証拠がないすべての被験者であった。安全性解析対象集団には、最低1回の接種を受けた全被験者が含まれた。ワクチン有効率、全体66.7%、標準用量2回接種(接種間隔12週間以上)81.3% 2020年4月23日~12月6日の期間に4つの試験で2万4,422例が登録され、そのうち1万7,178例が主要解析に組み込まれた(ワクチン接種群8,597例、対照群8,581例)。データカットオフ日は、2020年12月7日であった。 主要評価項目を満たした症候性COVID-19患者は計332例発生した。ワクチン群84例(1.0%)、対照群248例(2.9%)で、ワクチンの有効率は66.7%(95%信頼区間[CI]:57.4~74.0)であった。初回接種後21日以降に、COVID-19による入院はワクチン群では確認されず、対照群で15例認められた。 重篤な有害事象は、ワクチン群0.9%(108/1万2,282例)、対照群1.1%(127/1万1,962例)に確認された。接種と関連がないと思われる死亡が7例(ワクチン群2例、対照群5例)発生し、うち対照群の1例はCOVID-19関連死であった。 探索的解析の結果、標準用量単回接種後、22~90日間におけるワクチンの有効性は76.0%(95%CI:59.3~85.9)であった。モデル解析では、初回接種から最初の3ヵ月間で感染予防効果は減弱しないことが示唆された。また、この期間中の抗体価は維持されており、90日目までの低下は最小限であった(幾何平均比[GMR]:0.66、95%CI:0.59~0.74)。 さらに、標準用量2回接種者において、プライム/ブースト(1回目と2回目)の間隔は、長いほうが短期間の場合より2回目接種後の有効性が高かった(有効率:12週間以上81.3%[95%CI:60.3~91.2]、6週間未満55.1%[95%CI:33.0~69.9])。18~55歳の被験者では、接種間隔が12週間以上の場合、6週間未満と比較して抗体価が2倍以上高いことが示唆された(GMR:2.32、95%CI:2.01~2.68)。

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高GI食、心血管疾患・死亡リスク増大と関連/NEJM

 低・中所得国を含む5大陸で実施された前向きコホート研究「Prospective Urban Rural Epidemiology(PURE)研究」の結果、グリセミック指数(GI)が高い食事は、心血管疾患および死亡のリスクを増大することが明らかとなった。カナダ・トロント大学のDavid J.A. Jenkins氏らが報告した。GIと心血管疾患の関連性に関するデータのほとんどは、高所得国である西洋諸国の集団から得られたものであり、低・中所得国である非西洋諸国からの情報は少ない。このギャップを埋めるため、地理的に多様な大規模集団のデータが必要とされていた。NEJM誌オンライン版2021年2月24日号掲載の報告。PURE研究の20ヵ国約14万人について解析 研究グループは、GIと心血管疾患および全死因死亡との関連を評価する目的で、PURE研究から高所得国4ヵ国(カナダ、スウェーデン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦)、中所得国11ヵ国(アルゼンチン、ブラジル、チリ、中国、コロンビア、イラン、マレーシア、パレスチナ領土、ポーランド、南アフリカ共和国、トルコ)、および低所得国5ヵ国(バングラデシュ、インド、パキスタン、タンザニア、ジンバブエ)のデータを分析評価した。 解析には、35~70歳の13万7,851人が含まれた。追跡期間の中央値は9.5年。 各国で検証済みの食物摂取頻度調査票を用いて食事摂取量を算出し、7つに分類された炭水化物食品(豆類、でんぷん質食品、野菜、果物、果実飲料、乳製品、砂糖入り飲料)の摂取量に基づいて、GIおよびグリセミック負荷(GL)を推定した。 主要評価項目は、主要心血管イベント(心血管死、非致死的心筋梗塞、脳卒中、心不全)または全死因死亡の複合エンドポイントで、GIおよびGLとの関連について多変量Cox frailtyモデルを用いてハザード比(HR)を算出し評価した。心血管疾患の既往にかかわらず、高GIで心血管イベント/死亡リスクが増大 主要評価項目の解析対象は11万9,572人であった。このうち、追跡期間中に、複合エンドポイントが1万4,075人に発生した。死亡が8,780人(心血管死3,229人、非心血管死5,551人)で、8,252人に1つ以上の主要心血管イベントが認められた。 GIを五分位で分類し、年齢、性別等複数要因について調整後、GIが最も高い群(Q5:中央値91、IQR:90~91)は、最も低い群(Q1:中央値76、IQR:74~78)と比較して、ベースラインでの心血管疾患の既往の有無にかかわらず複合エンドポイントのリスクが高かった(既往ありのHR:1.51[95%CI:1.25~1.82]、既往なしのHR:1.21[95%CI:1.11~1.34])。高GIは、複合エンドポイントのうち心血管死のリスク増大とも関連していた。 GLに関しては、心血管疾患の既往ありではGIの結果と類似していたが(HR:1.34、95%CI:1.08~1.67)、既往なしでは有意な関連はみられなかった(HR:1.02、95%CI:0.91~1.13)。

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コロナワクチンを打った【Dr. 中島の 新・徒然草】(364)

三百六十四の段 コロナワクチンを打った早くも3月。仄かに沈丁花の香りがしてきてます。その一方で花粉がきつい。泣きながら、鼻水を垂れながら、仕事をしています。さて、今回はコロナワクチンのお話。医療従事者の端くれとして、私もワクチンを打つことになりました。アナフィラキシーとか発熱とか、いろいろと心配はありますが、結局はほとんどの医師が接種希望です。ワクチン接種は数回に分けて行われるわけですが、私は遅めの日を希望しました。というのも、ディープフリーザーで保存するようなワクチンのこと。当初は溶かすタイミングがうまくいかず、失活してしまったり、シャーベットのままで打ったりという混乱があるかもしれません。なので、ある程度システムが落ち着いてからのほうがいいと思ったからです。私より先に打った人たちは「インフルエンザより痛くなかった」とか「熱を測ったら37度台だった」とか、言いたい放題です。中には「注射してから腕が上がらなくなっちまった。アンギオを代わってくれ」とか言って周囲を恐怖に陥れている先生もいました。さて、接種当日は分単位のスケジュール。何しろ凍結させていたワクチンを溶かして、5人とか6人に分けて打つわけです。私にも金曜日の15時56分という厳密な時刻が割り当てられました。当日は、あらかじめ書き込んだ予診票とIDカードを持って30分ほど早めに会場に到着。すると、「中島先生、こっちです」と言われてすぐに中に案内されました。あの分単位の厳密なスケジュールはいずこに?ガランと広い講堂に接種ブースがまばらに設置されています。特に場所も決まっていないみたいで、目のあった担当者のブースに行き、簡単な確認の後に注射をしてもらいました。注射の後は15分間の経過観察です。講堂の奥に衝立で仕切ったスペースがあり、20脚ほどの椅子が間隔を開けて置いてありました。万一のために救急担当者が待機していますが、何も起こらないのでその人たちも暇です。持ち込んだ電子カルテの端末相手にひたすら仕事を片付けていました。一方、経過観察のために椅子に座っている人たちもすることがないので、ひたすら天井を睨んでいるか床を見つめているか。15分経過した人から順に、黙って会場を去って行きました。私自身も接種後には特に何事も起こらず。と、思っていたら翌日、土曜日の午後からなんだか寒気がしてきました。幸いなことに体温は平熱です。でも、いくら着込んでもエアコンの温度を上げても寒い。そこでラーメンを食べて風呂に入って寝ました。ワクチンとの因果関係は不明ですが、2回目を打つか否か、よく考えなくてはなりません。接種の翌々日となる日曜日は少しマシでしたが、相変わらず何もする気がしません。午前中は寝たり起きたりしていましたが、午後になって急に元気が出てきました。結局、土日を使って体調を整えたことになります。ワクチン接種が金曜日で良かった!今となっては2回目の接種もするつもりですが、何事も初めての時はわかりません。「ワクチンを打って2日間ほどはしんどかったで」そう言うと、まだ接種していない人たちは面白いくらい心配そうな顔をします。あの「腕が上がらなくなった」と言っていた先生もきっと密かに楽しんでいたのでしょうね。というわけで、コロナワクチン接種の経験を述べさせていただきました。読者の皆さんはいかがでしょうか。最後に1句沈丁花 鼻を垂れつつ ワクチンだ

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がん遺伝子パネルのテクノロジーがさらに進化:国内完結型がん遺伝子パネル検査【Oncologyインタビュー】第30回

出演:岡山大学病院 ゲノム医療総合推進センター 血液・腫瘍科 遠西 大輔氏わが国のがんゲノム医療では、現在2種類のがん遺伝子パネル検査が保険適用となっている。そのような中、岡山大学が中心となり500種以上の遺伝子がん関連遺伝子が解析可能なTrue Sight Oncology 500 Assay(TSO 500)を用いた先進医療Bのがんパネル検査研究を開始した。この新たな研究が何をもたらすのか、研究責任者である岡山大学の遠西大輔氏に聞いた。

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第47回 精神保健指定医取消処分は「後出しじゃんけん」、東京高裁が国を痛烈批判

精神保健指定医の取消処分を違法として、高橋 恵氏(北里大学医学部准教授)が国を訴えていた裁判で、東京高等裁判所は2021年1月27日、高橋氏側を敗訴とした東京地方裁判所の判決を破棄し、取消処分を違法とした。その後、国は最高裁判所への上告を断念、判決が確定した。判決では、処分基準について「アンフェアな後出しじゃんけん」と批判。2月8日に記者会見した代理人弁護士の井上 清成氏は、「かなりきつい物言いをしていることで、厚労行政に対してくさびを打ち込んだ判決」と評した。また、同席した高橋氏は「処分による被害は甚大。名誉毀損や資格停止などへの損害に対し、何らかの補償を考えていただきたい」と訴えた。この問題は、聖マリアンナ医科大学病院における精神保健指定医の不正申請が明るみになったこときっかけに、厚生労働省が調査を実施。2016年に高橋氏ら89人が精神保健指定医取消の処分を受けたものである。処分の取り消しを求めた医師の裁判を巡っては、田村 龍太郎氏が昨年11月、最高裁で勝訴が確定したが、もう1人は敗訴が確定している。いずれも高橋氏が指導した申請医だった。2人は、チーム医療を行っていた症例を高橋氏の指導の下でケースレポートを作成したが、カルテ記載が少ないことを理由に、自ら診断治療に関わっていない症例を不正申請したと認定され、取消処分を受けた。しかし、今回の判決で、敗訴した申請医に対しても十分な関与が認定されたことから、高橋氏は「厚労省には判決内容を踏まえ、改めて処分を見直していただきたい」と述べた。カルテ記載の量と質のみで判断できない「医師の関与の度合い」井上弁護士によると、高裁判決のポイントは以下の通りだ。【1】指定医事務取扱要領における「同一症例について、同時に複数の医師がケースレポートを作成することは、認められない」という規定は、申請時期が異なる年度であれば、同一症例について複数の医師が申請可能とも読めるとの解釈を示し、チーム医療においては同一症例について、複数の医師が自ら担当として診断または治療に十分な関わりを持つことも通常であると認定した。【2】厚労省が2016年10月26日に発出したプレスリリース「精神保健指定医に対する行政処分等について(概要)」における記述のうち、【行政処分の対象者に関する考え方】を「処分基準」であると認定した。処分基準を予め決めていたのではなく、処分発表の当日のプレスリリースで公表したことを問題視し、判決が「後出しじゃんけん」と批判した理由だ。具体的には、(1)ケースレポートに係る症例の診療録の記載が全くなく、診断または治療に十分な関わりがあったとは言えない申請医、(2)ケースレポートに係る症例の診療録の記載が週1回未満であり、記載内容から診断または治療に十分な関わりがあったとは言えない申請医、(3)申請医の不正なケースレポートにおいて指導等を行ったことを署名により証明した指導医――を処分対象者として、その全員について、期間を定めて指定医の職務を停止するのではなく、指定医の指定を取り消すという処分を定立したと認定。その上で、担当として十分な関わりを持ったかどうかをカルテ記載の量と質によってのみ判断することは、少なくともチーム医療による治療に関しては精神科医一般の認識と大きく異なっていたと指摘した。【3】指導医に対する処分は結果責任を問われたものであると認定した上で、「指定医として著しく不適当と認められたとき」に当たる否かは、好ましくない結果の具体的な内容や社会一般、公益に及ぼす好ましくなさの程度、そのような結果が発生した客観的な過程や客観的な原因、緊急の必要性の程度等を検討して、処分の適法性を判断するとした。【4】本件病院精神科病棟のチーム医療体制において、カルテ記載担当者以外のチーム内の医師によるカルテ記載は少なくなることから、カルテ記載担当者でない申請医が「自ら担当として診断または治療に十分な関わりを持った」かどうかの判断は、カルテ記載の量や質を重視するのではなく、チーム内における申請医の診断や治療への関与の態様を個別具体的に検討するほかないと判断した。【5】仮に「指定医として著しく不適当」であるとしても、指定医の指定取消ではなく、指定医の職務停止処分とすべきだったと判断した。処分者に対して求められる謝罪と補償上記のように、高裁判決はチーム医療の実態を細かく認定し、適正に行われたと判断し、形式的なカルテ記載に基づく国の処分基準の理不尽さを指摘する内容となった。厚労省は、処分を受けた医師らに対し、謝罪による名誉回復と補償を行うだろうか。今後の動きを注視したい。

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片頭痛に対するfremanezumabの効果~第III相試験の事後解析

 カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を標的とするモノクローナル抗体は、片頭痛の予防に対する有効性および安全性が示されている薬剤である。臨床試験では治療反応群と非反応群が存在しているが、有効性の評価では両群の平均値を用いる。そのため、治療反応群における臨床的ベネフィットについての情報が十分に評価されていない。治療反応がみられる患者における臨床的な改善度を明らかにすることは、臨床医と患者にとって重要なポイントである。米国・トーマス・ジェファソン大学のStephen D. Silberstein氏らは、ヒト化モノクローナル抗体fremanezumabにより治療反応がみられた患者における臨床的ベネフィットを明らかにするため、2つの第III相HALO臨床試験の事後分析を実施した。The Journal of Headache and Pain誌2021年1月7日号の報告。 反復性片頭痛(EM)または慢性片頭痛(CM)を有する患者を対象に、fremanezumabの四半期(fremanezumab 675mg vs.プラセボvs.プラセボ)または月1回(EM患者[fremanezumab 225mg vs.225mg vs.225mg]、CM患者[fremanezumab 675mg vs.225mg vs.225mg])投与を行った12週間のランダム化二重盲検プラセボ対照HALO EM臨床試験およびHALO CM臨床試験の事後分析を実施した。治療反応の定義は、月間の片頭痛日数がEM患者で2日以上減少、CM患者で4日以上減少とした。治療効果として、毎月の片頭痛日数の減少、急性頭痛薬の使用、片頭痛関連障害、健康関連QOLの変化を評価した。 主な結果は以下のとおり。・HALO臨床試験の治療反応患者は、全体で857例であった(EM患者:429例[73.8%]、CM患者:428例[56.7%])。・月間の平均片頭痛日数が50%以上減少した患者の割合は、HALO臨床試験に参加した全患者の場合よりも、治療反応患者のみの場合のほうがより高かった(EM四半期:59.8%、EM月次:63.7%、CM四半期:52.8%、CM月次:59.0%)。・EMおよびCMの治療反応患者では、全患者と比較し、急性頭痛薬の平均使用日数の減少、片頭痛関連障害スコアの大幅な減少、健康関連QOLの大幅な改善が認められた。 著者らは「fremanezumab治療反応患者では、評価したすべての治療効果において、臨床的に有意義な改善が認められており、臨床試験で示されている数値以上に、副次的効果が期待できるであろう」としている。

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重症精神疾患患者における抗精神病薬切り替えと体重変化~メタ解析

 重症精神疾患患者では、肥満や代謝により臨床的な悪影響が懸念されるが、これを予防できる可能性がある。心血管代謝の負担を軽減するうえで、抗精神病薬の切り替えが有用かを、オーストラリア・クイーンズランド大学のDan Siskind氏らが検討を行った。Schizophrenia Bulletin誌オンライン版2021年2月6日号の報告。 2020年3月8日までの文献をPubMED、Embase、PsycINFO、Cochraneより検索した。抗精神病薬切り替え群と継続群における体重および代謝変化を比較するため、群全体と群内でのメタ解析を実施した。 主な結果は以下のとおり。・抽出された61研究のうち、59研究をメタ解析に含めた(エビデンスの質高評価40%)。・切り替え群と継続群を比較したメタ解析では、アリピプラゾールのみが体重を有意に減少させた(-5.52kg、95%CI:-10.63~-0.42、p=0.03)。一方、オランザピンは、体重を有意に増加させた(2.46kg、95%CI:0.34~4.57、p=0.02)。・アリピプラゾールへの切り替えにより、空腹時血糖(-3.99mg/dL、95%CI:-7.34~-0.64、p=0.02)およびトリグリセライド(-31.03mg/dL、95%CI:-48.73~-13.34、p=0.0001)の有意な改善が認められた。・アリピプラゾールおよびオランザピンによる切り替え群と継続群において、治療中止と精神症状の評価に違いは認められなかった。・切り替え後のメタ解析では、体重減少との関連が認められた薬剤はアリピプラゾール(-1.96kg、95%CI:-3.07~-0.85、p<0.001)、ziprasidone(-2.22kg、95%CI:-3.84~-0.60、p=0.007)であった。一方、体重増加と関連が認められた薬剤は、オランザピン(2.71kg、95%CI:1.87~3.55、p<0.001)、クロザピン(2.80kg、95%CI:0.26~5.34、p=0.03)であった。・amisulpride、パリペリドン、リスペリドン、クエチアピン、ルラシドンに切り替えた場合、体重およびその他の心血管代謝に有意な影響は認められなかった。 著者らは「アリピプラゾールやziprasidoneのような体重増加リスクの低い抗精神病薬に切り替えることにより、体重プロファイルや心血管代謝を改善することが可能である。抗精神病薬の切り替えを行う際には、切り替え前後の体重増加リスクを考慮する必要がある。精神症状の安定している患者に対する抗精神病薬の切り替えは、症状悪化リスクを鑑み検討すべきである」としている。

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