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インサイド・ヘッド(続編・その2)【意識はどうやって生まれるの?】Part 2

(2)モニター装置-「ワイプ画面」によって自分は自分であると思い込ませる5人の小人たちは、スクリーンを通してライリーを見ています。一方、ライリーは小人たちが見えるようには描かれていません。その理由は、おそらく、この映画の演出上、頭の中を小人たちに擬人化させているため、ライリーに小人たちが見えてしまうと、視聴者が混乱するからでしょう。実際は、11歳であれば、何となくぼんやりと頭の中の小人たちのせめぎ合いが、スクリーンに映し出されるワイプ画面に「見えて」います。たとえば、ライリーが転校先の教室で自己紹介をしている時に急に泣き出すシーンで、小人たちは右往左往していますが、ライリーは、周りの生徒たちを見ながら、きっと「さっきまでミネソタの楽しい思い出を話していたのに、急に悲しくなっちゃった」と「見えて」(思って)いるでしょう。ライリーのママやパパなら、もっとはっきりとしたワイプ画面に小人たちの会議が「見えて」いるでしょう。つまり、大人になればなるほど、テレビのワイプ画面を見るように、小人たちの働きぶりを自分の意識の中で俯瞰(モニター)するようになります。2つ目は、モニター装置です。意識が見ているのは、自分の心と体そのものではなく、脳がつくったモニター(ワイプ画面)ということです。このモニター装置によって、自分と周り(他人)の違いに注意が向き(自他境界)、自分は周り(他人)とは違う存在である(自己覚知)、つまり自分は自分であると思い込まされています(自己意識)。これは、このモニター装置の「故障」によって、確認することができます。たとえば、脳血管障害により片側の大脳半球(主に右半球)が機能しなくなった場合、麻痺している反対側(左側)の手足の認識(身体感覚)に注意が向かなくなり(無視するようになり)、その半側でぶつかったり転びやすくなります(半側空間無視)。中には、注意を向けられないという病識自体がなかったり、麻痺していること自体が分からなくなり、麻痺していないと言い張るようになることもあります(病態失認)。さらには、麻痺しているその手足が自分のものであると分からなくなり、自分のものではないと言い張るようになることもあります(身体失認)。つまり、片側(主に右側)の大脳半球が働かなくなると、その大脳半球が支配していた手足はモニターされず、そもそも存在しないことになってしまうのです。また、前頭葉(主に右前頭葉)の障害で、我慢ができなくなる脱抑制がみられます。これは、自分の行動をモニターできないために、脳が短絡的になっていると考えられます。逆に、このモニター装置が過剰に作動すれば、誰かに見られているという感覚(被注察感)や誰かに操られているという感覚(統合失調症の作為体験)になるでしょう。このモニター装置が分離して作動すれば、頭の中に複数の人格が共存している多重人格(解離性同一性障害)になるでしょう。そう考えれば、これらの精神症状は、それほど不思議な現象ではないことも分かります。実際に、自己の顔認知の実験によって、このモニター装置(自己を感じる脳活動)の部位が判明しています。この実験では、「私は考える」という言葉が添えられた自分の顔写真と、「彼は考える」という言葉が添えられた有名人の顔写真を見比べた時の、fMRIにおける脳の部位の活動性の違いを評価しました。すると、自分の顔写真を見た時に、より高い活動性が見られたのは、右前頭葉でした。この結果は、先ほどの半側空間無視、病態失認、身体失認、そして脱抑制が右半球の障害で多いことに合致します。つまり、自分が自分であると思わせるモニター装置は、主に右前頭葉で生まれるということです。ちなみに、このモニター装置を心理療法に応用したのが、マインドフルネスです。これは、自分の体感や五感を意識的に研ぎ澄ますことで、モニター装置をフルに作動させます。そうすることで、さらに舞台装置もフルに作動させて、意識レベル(覚醒度)を上げるという取り組みです。なお、マインドフルネスの詳細については、関連記事2をご覧ください。 << 前のページへ | 次のページへ >>

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インサイド・ヘッド(続編・その2)【意識はどうやって生まれるの?】Part 3

(3)解釈装置-「解説者」によって自分の考えと行動は自分が決めていると思い込ませる5人の小人たちは、司令部にあるホルダーに入ったコア記憶(思い出ボールのうち特に重要なもの)をスクリーンに映し出し、たびたびライリーに思い出させています。このコア記憶をエネルギー源とするのが、司令部の窓から見える5つの「性格の島」です。それぞれ「家族の島」、「正直の島」、「ホッケーの島」、「友情の島」、「おふざけの島」と名付けられ、そのシンボルが並んでいます。これらは、パーソナリティ特性(性格のビッグファイブ)の情緒安定性(神経症傾向)、誠実性、開放性、協調性、外向性の5つの要素をそれぞれモデルにしています。この5つの「性格の島」の存在によって、あたかも実況中継の解説者が解説しているように、ライリーがライリーらしくなっているのです。3つ目は、解釈装置です。意識が見ている(認識している)のは、事実そのものではなく、事実について脳(解説者)がつくった解釈であるということです。脳は、社会生活を送る中、全ての体験をそのままでは覚えきれません。そのため、ざっくりとしたイメージや言葉に置き換えています(概念化)。この解釈装置によって、自分とはこういう人間だ(アイデンティティ)、自分の考えと行動は一貫している(自己意識)、つまり自分の考えと行動は自分が決めている(自由意志はある)と思い込まされています。これは、相手(自分以外の人)についても同じです。これは、実際に、心理実験で明らかになっています。この実験では、被験者に2枚の顔写真を見せて、好みのほうを指さすよう指示します。そして、指さしたほうを被験者に渡し、その理由を質問します。ただし、数回に1回、仕掛けによって気づかれないように選ばなかったほうの顔写真にすり替えます。すると、ほとんどの場合、その選ばなかった顔写真であるにもかかわらず、選んだ顔写真の時とまったく同じように、「選んだ」理由をよどみなく答えるのです。この心理効果は、「選択盲」と呼ばれています。また、先ほどにもご説明した分離脳の研究でも、この解釈装置が判明しています。この研究実験では、分離脳の患者の右視野(左半球支配)に「鶏の足」、左視野(右半球支配)に「雪景色」の絵をそれぞれ見せて、関連する絵を選ぶよう指示します。すると、その患者の右手(左半球支配)は「鶏」、左手(右半球支配)は「ショベル」の絵をそれぞれ指さしました。続いて、それらを選んだ理由を質問されると、その患者は「鶏の足だから鶏にした」と答えました。左半球に言語中枢があるため、まず「鶏」について答えるのは当然でしょう。しかし、その後が興味深いのです。患者の左手がショベルを指さしていることを指摘すると、なんと、「鶏小屋の掃除にはショベルを使うから」と即答したのです。左半球は、「鶏の足」しか見えておらず、脳梁が切断されているため、雪景色のことは知らないです。そのため、本当は、「(左手がショベルの絵を選んだのは)分かりません」と答えるはずです。または、もし左半球が雪景色のことを知っているなら、「雪かきにショベルを使うから」と答えるはずです。このように、左半球(言語中枢)は、持てる知識を総動員して状況と一見矛盾しない後付けの答え(因果関係)をこしらえ、無意識に理由をこじつけるのです。つまり、自分が決めていると思わせる解釈装置は、主に左半球(言語中枢)で生まれるということです。この点で、先ほどご説明した半側空間無視の患者の病態失認や身体失認は、麻痺している(支配できない)から存在しないと解釈する解釈装置が働いているからであると考えることもできます。同じように考えれば、視覚中枢(後頭葉)の損傷で失明していても本人がその失明を否定する病態失認(アントン症候群)や、記憶障害から場当たり的につじつまを合わせた話を作る作話(コルサコフ症候群)もそれほど不思議な現象ではないことが分かります。また、認知症などによって、今がいつなのか分からなくなって過去と現在を混同すれば、「夫は死んでるけど明日には会える」「駅前にもう1つ同じ我が家がある」と言い張ります(重複記憶錯誤)。これらは、周りの状況と誤った時間感覚のつじつまを合わせようとする解釈装置が働いていると考えれば、それほど不思議な症状ではないことが分かります。そして、この解釈装置が過剰に作動すれば、ありえない関係付け(思い込み)をするという妄想(主に統合失調症)が出てくるでしょう。逆に、この解釈装置が作動しなければ、不要なものを含めて体験を丸ごと覚えてしまう写真記憶(主に自閉症)が出てくるでしょう。さらに、この解釈装置をビジネスに利用することもできます。それが、ブランド物のように付加価値(解釈)を生み出すブランディングです。また、心理療法に応用することもできます。それが、「悲しいから泣くのではない。泣くから悲しい。だから笑うと楽しくなる(楽しいことを考えると楽しくなる)」という認知行動療法です。なお、統合失調症の詳細については、関連記事3をご覧ください。それでは、そもそもなぜこの意識は「ある」のでしょうか? そこから、私たちに自由意志があると思ってしまう原因を探ってみましょう。 << 前のページへ

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冷蔵保存しやすい新たな新型コロナワクチン「COVID−19ワクチンモデルナ筋注」【下平博士のDIノート】第75回

冷蔵保存しやすい新たな新型コロナワクチン今回は、新たに特例承認された新型コロナウイルスワクチン「コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)(商品名:スパイクバックス筋注、製造販売元:武田薬品工業)」を紹介します。本剤は、わが国で2番目に承認された新型コロナウイルスワクチンであり、冷蔵状態での保存可能期間が長く、希釈の必要がないため、大規模接種会場などで活用がしやすいと考えられます。※本剤の販売名は、販売当初は「COVID−19ワクチンモデルナ筋注」でしたが、2021年12月、3回目接種(追加免疫)の用法・用量追加の特例承認に伴い、「スパイクバックス筋注」と変更されました。<効能・効果>本剤は、SARS-CoV-2による感染症の予防の適応で、2021年5月21日に承認されました。なお、現時点では本剤の予防効果の持続期間は確立していません。12歳未満についての有効性、安全性は確立されていないため、本剤の接種は12歳以上が対象です。<用法・用量>《初回免疫》1回0.5mLを2回、通常4週間の間隔を置いて筋肉内に接種します。本剤は2回接種することで効果が確認されていることから、ほかのSARS-CoV-2に対するワクチンと混同することなく、本剤を2回接種する必要があります。1回目の接種から4週を超えた場合には、できる限り速やかに2回目の接種を実施します。《追加免疫》前回の接種から少なくとも5ヵ月経過した後1回0.25mLを筋肉内に接種します。<安全性>海外第II/III相試験および国内第I/II相試験で報告された主な副反応は、疼痛(92.7%)、疲労(70.7%)、頭痛(66.5%)、筋肉痛(60.5%)、関節痛(44.6%)、悪寒(46.0%)、悪心・嘔吐(23.7%)、リンパ節症(21.9%)、発熱(15.5%)、腫脹・硬結(16.6%)、発赤・紅斑(12.3%)、遅発性反応(疼痛、腫脹、紅斑など)(1%以上)、そう痒感、じん麻疹、発疹および顔面腫脹(すべて1%未満)、急性末梢性顔面神経麻痺(頻度不明)でした。重大な副反応として、ショック、アナフィラキシー(頻度不明)が現れる可能性があります。<患者さんへの指導例>1.ワクチンを接種することで新型コロナウイルスに対する免疫ができ、新型コロナウイルス感染症の発症を予防します。2.本剤の接種当日は激しい運動を避け、接種部位を清潔に保ってください。3.医師による問診や検温、診察の結果から、接種できるかどうかが判断されます。発熱している人などは本剤の接種を受けることができません。1回目に副反応が現れた場合は、2回目の接種前に医師などに伝えてください。4.副反応として、注射した場所の痛み・腫れ・発赤などの局所症状、発熱、頭痛、疲労、筋肉痛などが現れることがあります。これらの症状の多くは、接種後1~2日以内に発現し、1~3日持続した後に回復します。症状が4日以上続く場合はご相談ください。5.心因性反応を含む血管迷走神経反射として、失神が現れることがあります。接種後一定時間は接種施設で待機し、帰宅後もすぐに医師と連絡を取れるようにしておいてください。6.接種後は健康状態に留意し、接種部位の異常や体調の変化、高熱、痙攣など普段と違う症状がある場合には、速やかに医師の診察を受けてください。<Shimo's eyes>本剤は、わが国で2番目に承認された新型コロナウイルスワクチンであり、有効成分はSARS-CoV-2のスパイクタンパク質をコードするmRNA(CX-024414)です。米国で実施された第III相試験(COVE試験)で認められた発症予防効果は94.1%であり、すでに国内で接種が進められているファイザー製ワクチン(商品名:コミナティ筋注)の94.6%と同程度です。米国疾病予防管理センター(CDC)によると、重大な副反応として懸念されているアナフィラキシーは、2021年1月時点で758万1,429回接種のうち19件(2.5件/100万回)と報告されています。本剤は、公的接種の対象として「予防接種実施規則」および「新型コロナウイルス感染症に係る臨時の予防接種実施要領」に準拠して使用することが求められており、当面は大規模接種会場を中心に接種を進める方針が厚生労働省により示されています。保管については、-20℃±5℃の冷凍状態なら半年間の保存が可能で、冷蔵温度(2~8℃)では2時間半で解凍後30日間、また室温(15~25℃)1時間での解凍後、8~25℃で12時間の保存が可能です。調製方法について、本剤は希釈の必要はありません。接種直前は室温で15分放置します。本剤の1バイアルには10回接種分の用量が充填されており、一度針を刺したバイアルは6時間以内に使い切る必要があります。本剤は、2021年12月に18歳以上における3回目接種が特例承認され、2022年4月に4回目接種が承認されました。追加免疫の投与量は1回目、2回目の半量(0.25mL)とされています。※2021年7月と12月、2022年4月、厚生労働省の情報などを基に、一部内容の修正を行いました。参考1)PMDA 添付文書 スパイクバックス筋注(旧販売名:COVID-19ワクチンモデルナ筋注)2)武田/モデルナ社の新型コロナワクチンについて(厚労省)

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空手の「形」競技【空手家心臓外科医のドイツ見聞録】第2回

先日クロアチアでヨーロッパの空手選手権が行われました。コロナ禍の中での開催だったので、かなり厳重な管理の元、無観客で行われたようです。「オリンピック前哨戦」と言われている大会なのですが、本戦の方がどうなるかわからない状況ですね…。大会ではドイツ勢も健闘をみせました。組手・形の両種目で5つのメダルを獲得しました。空手の基本は「組み手」と「形」さて、空手には大きく分けて、相手と殴り合う「組手」競技とひとりで演武をする「形」競技に分かれます。他の格闘技種目と大きく違うのが「形」競技です。オリンピック種目に選ばれる際も、「形ってなんなんだ?」と中々理解が得られなかったようです。しかし、空手界の偉い先生たちが必死に頑張って、なんとか形競技を種目に追加することになりました。なぜ、空手界の重鎮たちはそこまで形競技にこだわったのでしょうか?それは、「形」こそが「空手の魂」だからなのです。他の武道における「形」というのは、定型的な動きを身に付けるための基本であることが多いのですが、空手の形についての物語は、そのルーツにまで遡ります。空手は沖縄でどう誕生したか空手の発祥は琉球王国、今の沖縄にあります。当時、琉球は薩摩藩により禁武政策を敷かれ、武器の所持が禁止されていました。そこで、身の回りのもの(棒とか串とか)を使って身を守る護身の術として生まれたのが空手なのです。よく勘違いされるのですが、空手というのは素手という意味ではありません。唐(中国)から伝わった手(拳法のこと)が琉球で独自の進化を遂げ、唐手(からて)と名付けられました。それが後に「色即是空」の空の字を当てて、「空手」となったのです。ですから、実は空手には棒術もあるし、映画のようにヌンチャクを振り回したりもします。先述の通り、当時は禁武政策が敷かれている最中なので、おおっぴらに武術を教えることができませんでした。そのため、空手の先人たちは、一見踊りのような動きの中に空手のすべての技術を隠して伝えていったのです。つまり空手の形は、空手の教科書そのものなのです。空手の「魂」とはその後、空手はたくさんの流派に分かれ、多くの形が生まれることになります。現在、正式に認められている形は200以上あります。同じ名前の形でも、流派が違えば解釈が異なり、全然違う動きになることもあります。ただ、200以上あると言われるすべての形には共通していることがあります。それは「すべての形は『受け』から始まる」ということです。形の第一挙動目は、必ず防御の動きから始まるのです。「武」というのは「戈(ほこ)を止める」と書きます。空手は他人を攻撃するためのものではなく、己を護るためのものだという想いを、先人は形の中に込めたのです。ドイツ人の空手仲間にその話をしたら、送ってくれた画像があります。ドイツのどこかの道場に飾ってあるものだそうです。時代を超えて、ドイツの地にも空手の魂がちゃんと伝わっていると思うと、胸が熱くなります。

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第62回 UberがCOVID-19ワクチン接種送迎を支援

来月の独立記念日7月4日までに米国成人の70%が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン接種を少なくとも1回目は済ませるというバイデン大統領の目標達成に配車や食事配達で知られるUber(ウーバー)やそのライバル企業Lyftが協力しています1,2)。ワクチン接種を予約した人はワクチン接種会場への送迎の配車をUberのスマートフォンアプリを使って頼むことができ、先週の月曜日5月24日から7月4日までは片道の費用が25ドル以下であれば無料、それを超える場合は片道当たり25ドルの値引きを受けることができます。米国で利用可能な3つのCOVID-19ワクチンのうち2つは2回の接種が必要なことから、1人当たり最大100ドル(25ドル×4回)の値引きを受けることができます。ライバル会社のLyftは片道当たり15ドルの値引きを提供します。1人当たりの値引き最大額は30ドルです。乗客は無料か定価より安い値段になりますが、ドライバーはタダ働きするわけではなく満額の報酬を得ることができます。また、利用者は感謝の意を込めてドライバーに心付け(チップ)を払うことも可能とUberは言っています。米国疾病管理センター(CDC)のCOVID-19情報提供サイトによると米国成人のおよそ63%が少なくとも1回のワクチン接種を済ませています3)。日本と同様に米国でのCOVID-19ワクチン接種も無料です。Uberは薬局チェーンWalgreenと協力して配車をするドライバーのワクチンも助けています。カリフォルニア、イリノイ、バージニア、ニュージャージーなどの幾つかの州の24万人を超えるドライバーはUberから提供された整理番号を使ってWalgreenでのワクチン接種を予約できるようにしました4)。COVID-19流行の自粛を背景にしてUberの去年2020年の売り上げはその前年2019年に比べて16%低下しました5)。ドライバーや乗客の往来を回復させて売り上げを増やすことを目指すUberはワクチン接種送迎支援を好機の一つと捉えたことでしょう。参考1)Uber, Lyft launch U.S. vaccine rides program in White House partnership/Reuters 2)The Road to 70 Percent: Free Vaccination Rides Begin Today/Uber3)COVID Data Tracker/CDC 4)Uber, Lyft use rides to vaccines to get drivers, customers back on the platform/Reuters5)Uber Announces Results for Fourth Quarter and Full Year 2020/Uber

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痒みの悩みは軽そうでじつは重い問題/マルホ

 マルホ株式会社は、同社の実施した「頭皮トラブルを抱える生活者実態調査の結果」がまとまったことから「頭部の皮膚炎特有の悩みがもたらすQOL への影響と治療法の広がり」をテーマにWEB上でメディアセミナーを開催した。 セミナーでは、調査結果の概要とともに最新の頭部皮膚炎の治療法などの説明が行われた。頭皮トラブルで通院が必要とだと考えていない人が47% はじめに「頭皮トラブルを抱える患者の実態とQOLへの影響」をテーマに江藤 隆史氏(あたご皮フ科 副院長)が講演を行った。 頭皮のトラブルの原因となる疾患では、「アトピー性皮膚炎」、「脂漏性皮膚炎」、「接触皮膚炎」などが挙げられる。とくにアトピー性皮膚炎では、42%の患者が頭部・顔面・頸部に病変を有し、34%は頭部湿疹を有するとの報告もある。 今回の「頭皮トラブルを抱える生活者実態調査」は、全国の頭皮トラブルを抱える16~69歳の男女1,200名を対象にインターネットで行われた。 調査結果によると「頭皮トラブルを抱える人の割合」は20.7%で、人口割合に換算すると約1,700万人が同様の悩みを抱えていると推定される。 主な頭皮トラブルの症状は、「痒みのみ」(29.4%)が一番多く、つぎに「痒みとフケ」(15.8%)、「痒みとフケとぶつぶつ・炎症・赤み」(15.0%)が上位を占めた。 「悩んでいる期間」に注目してみると、たとえば回答数が1番多い「痒み」について回答者の59.6%が1年以上前から悩んでおり、解決策を見出せないという。 この「痒みの影響」について、とくに頭皮の痒みについての回答では、「気が付くとずっとかいている」と回答した人が36.9%、「眠れない、または眠りが浅い」と「じっとしていられない」が同数で22.6%の順で多く、日常生活で不便な生活をもたらす結果となっていることがわかった。また、関連として「フケ」について聞いたところ、「いつも洋服の肩口にフケが積もっている」が37.5%、「かみの毛に白く浮いているのが目立つ」が35.3%、「フケのために掃除が必要」が22.7%の順で多く、「頭皮の悩み」が「どのような精神的影響を与えているか」を聞いたところ「周囲の目が気になる」(24.0%)、「頭皮が気になり、集中できない」(21.4%)、「すべてに消極的になる」(15.8%)の順で回答が多かった。 こうした頭皮のトラブルへの対処について現在行っていることは「市販のシャンプーやコンディショナーをしっかり洗い流す」(41.8%)、「市販のシャンプーを変える」(33.9%)、「髪、頭皮の洗い方を変える」(27.8%)の順で多く、「病院に通う」は12.7%と医療機関に通院する人は少なく、また、「何も行っていない」という人も27.6%と多かった。「医療機関に通ったことがない」その理由としては、「通院するほどの症状ではないから」(47.0%)、「お金がかかってしまいそうだから」(34.6%)、「病気だと思っていないから」(30.4%)の順で多かった。 これらの調査から頭皮トラブルがある人は長期間悩みを抱えながらも、諦めている人が多く、そのトラブルゆえにQOLが低下している人が多いことが判明した。 江藤氏は、頭皮などのトラブルを放置したときの問題点として「症状の悪化」、「治療経過の悪化」、「脱毛や難治化」などを挙げ、「気になる症状があれば早めに皮膚科を受診して、正しい診断と治療を受けてほしい」と語り、説明を終えた。頭皮トラブルをシャンプーで治療する 次に五十嵐 敦之氏(NTT東日本関東病院 皮膚科部長)が、「頭部の痒み/湿疹・皮膚炎の治療法の広がり ~実臨床における最新トピックス~」をテーマに頭皮トラブルの診療について説明した。 頭部の痒み、フケなどを有する主な皮膚疾患としては、乾癬、湿疹・皮膚炎が代表であり、とくに皮膚炎では刺激物質との対応が明確な接触皮膚炎、光接触皮膚炎と刺激物質との対応が不明確なアトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、貨幣状湿疹などがある。 たとえばアトピー性皮膚炎では、成長するにつれて軽快傾向を示すが最近では成人でも症状が残る例も増えている。一般的に痒みが強く、屈曲部、上肢、頭部、頸部、顔面などに多く発症する。そして、頭皮に長期にわたり持続すると、炎症性障害が毛球部にまで波及し、まれに休止期性脱毛に進展する。 こうした皮膚疾患には、ステロイド外用薬や抗ヒスタミンなどの内服薬が治療で使われ、アトピー性皮膚炎では免疫抑制剤や保湿剤が、脂漏性皮膚炎では抗真菌剤、非ステロイド性抗炎症剤外用薬、尿素外用薬、ビタミン剤なども治療で使用されている。同時にアトピー性皮膚炎では服や洗濯への配慮が、脂漏性皮膚炎ではストレス軽減、食事、嗜好品など日常生活での注意も必要とされている。 外用薬では、患者アンケートなどから「べたつき」「塗りにくさ」「垂れる」などの不満の声も聞かれ、患者の希望やライフスタイルの合わせた薬剤や剤形を選択しての治療が望まれている。 こうした声に対応するかたちで最近では、シャンプー剤による頭部の疾患(尋常性乾癬、湿疹・皮膚炎)に有用な治療法としてステロイドシャンプーによる“Short contact therapy”が保険適用となり、治療の幅は拡大している。 五十嵐氏も最後に「頭皮のトラブルはQOLに影響するため、気になる症状があれば、早めの皮膚科受診をしてほしい」と専門医への診療を促し、説明を終えた。

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COVID-19 デスクワーカーへの影響

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による社会的活動の制限は、デスクワーカーたちの日常生活、ライフスタイルおよびウェルビーイング(身体的・精神的・社会的に良好な状態を示す概念)に多大な悪影響を与えていることが、米国・ピッツバーグ大学のB Barone Gibbs氏らが実施した縦断研究によって裏付けられた。これらを改善するためには、雇用主はリモートワークの実施状況にかかわらず、すべての従業員に対して支援を考慮する必要があるという。Occupational Medicine誌2021年4月9日号の報告。 COVID-19の流行とそれに関連する社会的活動の制限は、人々のライフスタイルやメンタルヘルスに悪影響を及ぼすことが報告されている。これらの結果を裏付けるため、本研究では、外出禁止令発令中におけるデスクワーカーの労働慣行、ライフスタイルおよびウェルビーイングに対するCOVID-19の長期的な影響を調査した。 座位行動、身体活動、睡眠、食事、気分、生活の質、および仕事関連の健康を長期的に評価するため、デスクワーカーを母集団とする臨床試験の完了後に、検証済みの質問票と調査によるフォローアップを追加した(参加者112人、女性69%、平均年齢45.4[SD 12.3]歳、追跡期間13.5[SD 6.8]ヵ月)。得られた結果を、COVID-19による外出禁止令の発令前と発令中とで比較した。また、リモートワークの実施状況(常にリモート、リモートに切り替え、リモートなし)によって変化が異なるかどうか、共分散分析を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・参加者の72%がリモートワークに変更するなど、労働慣行に大幅な変更があった。・外出禁止令の発令前から発令中にかけて、以下の有害な変化がみられた。 非就業日における座位行動:1.3(SD 3.5)時間増加 睡眠の質:0.7(SD 2.8)ポイント悪化 気分障害:8.5(SD 21.2)ポイント増加 生活の質を評価する指標:8項目中、5つが減少 仕事関連の健康:0.5(SD 1.1)ポイント低下(p<0.05)・一方、食事、身体活動および就業日における座位行動などの結果は、変わらなかった(p≧0.05)。・常にリモートワークをしている人々は、非就業日の座位行動とストレスが大幅に増加し、身体機能が大幅に低下した。・全体の起床時間は、41(SD 61)分遅くなった。

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ファイザーとAZのコロナワクチン、英国約63万人の副反応データ

 英国で3月までに新型コロナワクチンを接種した62万7,383例を対象に、副反応について調査したデータが集計され、The Lancet Infectious Diseasesオンライン版4月27日号に掲載された。 この前向き観察研究では、専門アプリを使って「BNT162b2」(ファイザー・BioNTech社製、以下ファイザー製)の1回または2回接種者、「ChAdOx1 nCoV-19」(アストラゼネカ製、以下AZ製)の1回接種者を対象に、接種後8日以内に自己申告された全身および局所の副反応の確率と比率を調べた。また、PCR検査等で接種群と未接種群の感染率を比較した。全解析は年齢(55歳以下vs.55歳以上)、性別、医療従事者か否か、肥満(BMI 30未満vs.30以上)、併存疾患の有無で調整した。 主な結果は以下のとおり。・2020年12月8日~2021年3月10日に、62万7,383例が65万5,590回の接種を受けたと報告された。28万2,103例がファイザー製の1回接種、そのうち2万8,207例が2回接種を受け、34万5,280例がAZ製の1回接種を受けた。・全身性の副反応は、ファイザー製1回目接種後に13.5%(3万8,155/28万2,103)、2回目接種後に22.0%(6,216/2万8,207)、AZ製接種後に33.7%(11万6,473/34万5,280)で報告された。・局所的な副反応は、ファイザー製1回目接種後に71.9%(15万23/20万8,767)、2回目接種後に68.5%(9,025/1万3,179)、AZ製接種後に58.7%(10万4,282/17万7,655)で報告された。・全身性の副反応は、既感染者で未感染者よりも多かった(AZ製接種後1.6倍、ファイザー製1回接種後2.9倍)。・局所的な副反応も、既感染者で未感染者よりも多かった(AZ製接種後1.4倍、ファイザー製1回接種後1.2倍)。・検査を受けたワクチン接種群10万3,622例中3,106例(3%)、未接種の対照群46万4,356例中5万340例(11%)が陽性となった。・感染リスクの有意な低下は、1回目接種後12日目から見られ、21~44日目にはAZ製60%(95%CI:49~68)、ファイザー製69%(66~72)、45~59日目にはファイザー製72%(63~79)に達した。 研究者らは、2つのワクチンの接種後の副反応は第III相試験で報告されたものよりも頻度が低かったこと、またどちらも12日後に感染リスクが低下したことが確認できたとしている。

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治療抵抗性片頭痛に対する抗CGRPモノクローナル抗体fremanezumab~FOCUS試験

 FOCUS試験では、世界各国の片頭痛患者、とくに治療困難な患者に対する予防薬の有効性や安全性を検討している。米国・Boston PainCareのEgilius L. H. Spierings氏らは、FOCUS試験のサブグループ解析として、既存の片頭痛予防の2~4つのクラスを用いた治療に奏効しなかった反復性および慢性片頭痛成人患者に対する抗CGRPモノクローナル抗体fremanezumabによる治療の有効性を評価した。The Journal of Headache and Pain誌2021年4月16日号の報告。 対象は、欧州および北米の104施設で実施されたランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間第IIIb相臨床試験であるFOCUS試験に登録された片頭痛患者838例。対象患者は、fremanezumab四半期ごと投与群、fremanezumab月1回投与群、プラセボ群にランダムに割り付けられ、12週間の二重盲検治療を実施した。有効性の主要エンドポイントは、12週間の治療における平均月間片頭痛日数のベースラインからの平均変化とし、国ごとに評価した。 主な結果は以下のとおり。・データを提供した14ヵ国のうち、登録患者数が多かったチェコ(188例[22%])、米国(120例[14%])、フィンランド(85例[10%])において、12週間の平均月間片頭痛日数のベースラインからの変化は、プラセボ群と比較し、fremanezumab群で有意な減少が認められた。3ヵ国の対プラセボ最小二乗平均差および95%信頼区間(CI)は以下のとおりであった。【チェコ】 ●fremanezumab四半期ごと投与:-1.9(95%CI:-3.25~-0.47)、p=0.009 ●fremanezumab月1回投与:-3.0(95%CI:-4.39~-1.59)、p<0.001【米国】 ●fremanezumab四半期ごと投与:-3.7(95%CI:-5.77~-1.58)、p<0.001 ●fremanezumab月1回投与:-4.2(95%CI:-6.23~-2.13)、p<0.001【フィンランド】 ●fremanezumab四半期ごと投与:-3.0(95%CI:-5.32~-0.63)、p=0.014 ●fremanezumab月1回投与:-3.9(95%CI:-6.27~-1.44)、p=0.002・残る9ヵ国の結果も同様であり、対プラセボ最小二乗平均差は、fremanezumab四半期ごと投与で-5.6~-2.4、fremanezumab月1回投与で-5.3~-1.5の範囲であった。・重篤な有害事象および治療中止につながる有害事象の発生率は低く、国家間や治療群間で同様であった。 著者らは「fremanezumab月1回および四半期ごとの投与は、2~4つのクラスの片頭痛予防薬を用いた治療に奏効しなかった片頭痛患者において、平均月間片頭痛日数の有意な減少が期待できる治療方法であり、その効果は、国家間での差は認められなかった」としている。

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産後うつ病の有病率と環境要因~IGEDEPPコホート研究

 IGEDEPP(Interaction of Gene and Environment of Depression during PostPartum)研究とは、2011~16年に出産した白人女性3,310人を対象とし、産後1年目までフォローアップを行ったプロスペクティブコホート研究である。フランス・パリ大学のSarah Tebeka氏らは、IGEDEPP研究における早期および遅発性の産後うつ病の有病率および累積発症率の推定を行った。Journal of Psychiatric Research誌オンライン版2021年4月16日号の報告。 ベースラインにおける社会人口統計データ、個人および家族の精神疾患歴、小児期および妊娠期のストレスの多いライフイベントを評価した。早期および遅発性の産後うつ病は、DSM-5基準を用いて、それぞれ産後8週間、1年間で評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・産後うつ病の有病率は、それぞれ以下のとおりであった。 ●早期産後うつ病:8.3%(95%CI:7.3~9.3) ●遅発性産後うつ病:12.9%(95%CI:11.5~14.2)・産後うつ病の累積発症率は、それぞれ以下のとおりであった。 ●早期産後うつ病(8週間):8.5%(95%CI:7.4~9.6) ●遅発性産後うつ病(1年間):18.1%(95%CI:17.1~19.2)・コホートの約半数にあたる1,571人(47.5%)は、1つ以上の精神疾患または嗜癖性障害を有していた。主な病歴は、うつ病性障害であった(35%)。・約300人(9.0%)において、小児期のトラウマが報告された。・妊娠女性の47.7%は、ストレスの多いイベントを経験しており、その割合は、産後8週間で30.2%、産後8週~1年で43.9%であった。・5人に1人の女性は、産後8週間以内に1つ以上のストレスの多いイベントを経験していた。 著者らは「うつ病エピソードは、産後1年間で5人に1人の女性に影響を及ぼしていた。多くの女性は、周産期にストレスの多いイベントを経験していた。今後のIGEDEPP研究において、産後の精神疾患に対する小児期および妊娠関連のストレスの多いイベントの影響を検討する予定である」としている。

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HER2+乳がんの術前薬物療法、アントラサイクリンの有無別の生存率/TRAIN-2試験2次解析

 Stage II/IIIのHER2陽性乳がんの術前薬物療法において、アンスラサイクリンを含む化学療法+トラスツズマブ+ペルツズマブと、アンスラサイクリンを含まない化学療法+トラスツズマブ+ペルツズマブを比較したTRAIN-2試験では、すでに病理学的完全奏効率に差がない(67% vs. 68%)ことが示されている。今回、オランダ・the Netherlands Cancer InstituteのAnna van der Voort氏らのフォローアップ解析により、3年無イベント生存率(EFS)および3年全生存率(OS)も差がないことが示された。また、アントラサイクリンの使用は、発熱性好中球減少症、心毒性、2次がん発症リスクの増加と関連していた。JAMA Oncology誌オンライン版2021年5月20日号に掲載。 TRAIN-2試験は非盲検無作為化第III相試験で、2013年12月9日~2016年1月14日にオランダの37病院で登録されたStage II/IIIのHER2陽性乳がん438例が対象。参加者は、年齢、Stage、リンパ節転移状況、エストロゲン受容体の有無で層別化され、FEC 3サイクル後パクリタキセル+カルボプラチン6サイクル(アントラサイクリン群)とパクリタキセル+カルボプラチン9サイクル(非アントラサイクリン群)に1:1で無作為に割り付けられた(両群ともトラスツズマブとペルツズマブを3週ごとに投与)。 主な結果は以下のとおり。・計438例が各群219例ずつに割り付けられ、年齢中央値はアントラサイクリン群が49歳(四分位範囲:43~55歳)、非アントラサイクリン群が48歳(同:43~56歳)だった。観察期間中央値は48.8ヵ月(四分位範囲:44.1〜55.2ヵ月)。・EFSイベントは、アントラサイクリン群で23(10.5%)、非アントラサイクリン群で21(9.6%)発生した(ハザード比:0.90、95%CI:0.50~1.63)。・3年EFSはアントラサイクリン群92.7%(95%CI:89.3~96.2%)、非アントラサイクリン群93.6%(同:90.4~96.9%)、3年OSはアントラサイクリン群97.7%(同:95.7~99.7%)、非アントラサイクリン群98.2%(同:96.4~100%)だった。・ホルモン受容体やリンパ節転移状況にかかわらず、EFSおよびOSの結果に差はなかった。・左室駆出率がベースラインから10%以上低下し50%未満になった患者の割合は、アントラサイクリン群が7.7%(220例中17例)で、非アントラサイクリン群の3.2%(218例中7例)より高かった(p=0.04)。・アントラサイクリン群の2例で急性白血病を発症した。

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ziltivekimab、中等~重度CKDでhs-CRP値を抑制/Lancet

 残存炎症リスクを有する中等度~重度の慢性腎臓病(CKD)の患者において、インターロイキン(IL)-6リガンドを標的とする完全ヒト型モノクローナル抗体ziltivekimabはプラセボと比較して、炎症マーカーである高感度C反応性蛋白(hs-CRP)値を有意に抑制することが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のPaul M. Ridker氏らが実施した「RESCUE試験」で示された。Lancet誌オンライン版2021年5月17日号掲載の報告。3つの用量を評価する無作為化プラセボ対照第II相試験 本研究は、米国の40施設が参加した二重盲検無作為化プラセボ対照第II相試験であり、2019年6月~2020年1月の期間に患者登録が行われた(Novo Nordiskの助成による)。 対象は、年齢18歳以上、中等度~重度(ステージ3~5)のCKD(CKD-EPI式による推算糸球体濾過量[eGFR]>10~<60mL/分/1.73m2)で、残存炎症リスク(hs-CRP≧2mg/L)を有する患者であった。 被験者は、ziltivekimab 7.5mg、同15mg、同30mgまたはプラセボを皮下投与する群に、1対1対1対1の割合で無作為に割り付けられ、24週の投与が行われた。 主要アウトカムは、hs-CRPのベースラインから12週までの変化率とされた。主解析はintention-to-treat集団で行われた。忍容性も良好 264例が登録され、4つの群に66例ずつが割り付けられた。全体の年齢中央値は68歳(IQR:60.0~74.5)で、49%が女性であった。ベースライン時のCKDのステージは、3aが29%、3bが41%、4が23%、5が6%であった。hs-CRP中央値は5.75mg/L、IL-6中央値は5.55pg/mL、eGFR中央値は36.83mL/分/1.73m2だった。 12週時のhs-CRP中央値は、ziltivekimab 7.5mg群で77%、15mg群で88%、30mg群で92%それぞれ低下したのに対し、プラセボ群では4%の低下であった。ziltivekimab群とプラセボ群のhs-CRP変化率の群間差中央値は、7.5mg群が-66.2%、15mg群が-77.7%、30mg群が-87.8%であり、いずれも有意な差が認められた(すべてp<0.0001)。これらのziltivekimabの効果は、24週の投与期間を通じて安定していた。 また、ziltivekimab群では、ベースラインから12週までの期間に、フィブリノゲン、血清アミロイドA、ハプトグロビン、分泌型ホスホリパーゼA2、リポ蛋白(a)が、用量依存性に低下した。 ziltivekimab群は忍容性も良好であり、総コレステロール/HDLコレステロール比に影響を及ぼさず、重篤な注射部位反応や、持続性のGrade3/4の好中球減少、血小板減少は発現しなかった。 著者は、「将来のアテローム性動脈硬化症の治療では、積極的な脂質低下に加え、自然免疫のIL-1~IL-6経路を阻害する標的化抗炎症療法が取り入れられる可能性がある。今回の第II相試験の有効性と安全性のデータに基づき、CKD、CRP上昇、心血管疾患の患者を対象に、心血管アウトカムに関するziltivekimabの大規模臨床試験を行う予定である」としている。

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第56回 新様式のワクチン予診票、かかりつけ医の確認項目が削除に

<先週の動き>1.新様式のワクチン予診票、かかりつけ医の確認項目が削除に2.2020年4月~1月の概算医療費4%減、200床以上の病院に大打撃3.来年度予算に医療機関財政救済基金の創設を要望/四病協4.経営条件の厳しい地域の公立病院の支援を拡充へ/総務省5.142本の論文不正で、麻酔科学講座講師が懲戒解雇/昭和大学1.新様式のワクチン予診票、かかりつけ医の確認項目が削除に菅 義偉首相は、5月28日に新型コロナウイルス感染症対策本部が開催された後の記者会見で、65歳以上の高齢者向けワクチン接種完了の目処が立った自治体から、6月中に基礎疾患を持つ人を含む一般向け接種に移行する考えを述べた。厚生労働省は同日、「新型コロナワクチン予診票の確認のポイントVer2.1」を発表。ファイザー社ワクチンに加え、武田/モデルナ社ワクチンの接種に際して、確認すべきポイントが解説されている。また、予診票の見直しにより、「その病気を診てもらっている医師に今日の予防接種を受けてよいと言われましたか」という項目が削除され、接種可否の判断に、かかりつけ医の事前確認が不要となった。これに合わせて、電話や情報通信機器を用いた予診の実施を可能とする事務連絡が発出された。(参考)ワクチン接種「6月には広く一般にも開始」 菅首相、見通し示す(毎日新聞)ワクチン予診簡素に、かかりつけ医への事前確認不要(日経新聞)2.2020年4月~1月の概算医療費4%減、200床以上の病院に大打撃厚労省は、27日に「最近の医療費の動向」1月号を公表し、2020年度(2020年4月~2021年1月)の概算医療費は34.9兆円と、対前年同期比から4.0%減少していることを明らかにした。また、1月の医療費は3.5兆円と対前年同月比-4.7%であり、コロナウイルス感染拡大の影響はその後も続いていると考えられる。病床規模別の医療費の伸び率を見ると、200床未満が-2.1%であるのに対して、200床以上が-4.5%と、大病院ほど影響が大きいことがうかがえる。(参考)概算医療費20年度4-1月、マイナス幅拡大▲4.0% 厚労省、1月が下期最大のマイナス(CBnewsマネジメント)資料 最近の医療費の動向(令和2年度1月)(厚労省)3.来年度予算に医療機関財政救済基金の創設を要望/四病協26日に日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会からなる四病院団体協議会(四病協)は、厚労省に対して2022年度の予算編成に、新型コロナウイルス感染症対策、働き方改革、地域医療介護総合確保基金、医療機関のICT化などを含む13項目の要望を出した。医療ICTをめぐっては、オンライン資格認証の補助金拡充の延長や、オンライン遠隔診療補助の新設などを求めた。また、コロナウイルス感染拡大の影響により、経営が困難となっている医療機関に対して、都道府県による財政救済基金の設立を求めている。(参考)資料 令和4年度予算概算要求に関する要望(四病協)コロナ経営破綻防止で財政補助を要望、四病協 診療報酬増額なども(CBnewsマネジメント)コロナ対策、働き方改革、標準的電子カルテ導入、オンライン資格確認等システム導入など幅広い病院経営支援を―四病協(GemMed)4.経営条件の厳しい地域の公立病院の支援を拡充へ/総務省総務省は、28日、民間病院の立地が困難な経営条件の厳しい地域に所在する公立病院(不採算地区病院)について、新型コロナウイルス感染症のまん延の中、病院機能を維持し、地域医療提供体制を確保するため、2021年度分の特別交付税措置の拡充を行うことを発表した。武田 良太総務相は、記者会見で「不採算地区の病院の機能を維持し、地域医療提供体制の確保に支障が生じないよう基準額を引き上げる」と表明。該当する病院の条件は以下のとおり。(第1種)当該病院から最寄りの病院までの移動距離が15km以上(第2種)当該病院の半径5km以内の人口が10万人未満(参考)公立病院の支援拡充 総務省、交付上限3割上げ(日経新聞)資料 不採算地区病院等に対する財政措置の拡充について(総務省)5.142本の論文不正で、麻酔科学講座講師が懲戒解雇/昭和大学昭和大学は、28日に、麻酔科学講座講師による研究活動の不正行為に関する調査結果概要を公表した。これは、日本麻酔科学会が公開した調査結果報告書に基づいたもの。大学側は、学外の専門家を交えた調査委員会を組織し、2015〜20年にかけて発表された論文のうち142本の論文に不正があったことを発表。当人の懲戒解雇と投稿論文の取り下げを勧告し、共著者であった教授の降格処分を行ったことを明らかにした。(参考)データ捏造、薬の名前偽る…不正論文142本 昭和大医学部講師を懲戒解雇(東京新聞)本学における研究活動の不正行為に関する調査結果の公表について (昭和大学)2021.05.28ニュース(日本麻酔科学会)

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糖尿病の発症年齢が低いほど認知症のリスクが高い(解説:吉岡成人氏)-1396

 ホワイトホール・スタディ(Whitehall study)はフラミンガム・スタディの「英国版」ともいわれるもので、英国の国家公務員を対象とした大規模な前向きコホート研究である。1967年に開始された「第I期」、1985年に開始された「第II期」がある。糖尿病に関連した論文では、糖尿病は発症の3~6年前から、空腹時血糖値、75g経口糖負荷試験の2時間値、HOMAα、HOMAβが急激な変動を示す(Tabak AG, et al. Lancet. 2009;373:2215-2221.)という臨床的にインパクトが大きい研究報告がある。また、50歳時における心血管の健康スコア7項目(喫煙、食事、運動、BMI、空腹時血糖値、コレステロール値、血圧)が認知症のリスクと関連していることも2019年に報告されている(Sabia S, et al. BMJ. 2019;366:l4414.)。 日本における久山町研究でも2型糖尿病と認知症の関連が報告されているが、ホワイトホールIIにおいての2型糖尿病の発症年齢と認知症のリスクとの関連が示されたことが、JAMA誌2021年4月27日号に掲載された。 10,095人(1985~88年の登録時に35~55歳、男性67.3%)を2019年3月末まで追跡。追跡期間31.7年(中央値)の間に、1,710人が2型糖尿病を発症し、639人が認知症と診断された。非糖尿病者の70歳における認知症の発症率は1,000人年当たり8.9なのに対し、2型糖尿病を5年以内に発症した場合は10.0、6~10年前では13.0、10年以上前で18.3であった。多変量解析では、70歳で糖尿病ではない場合に比較して、2型糖尿病の罹病期間が10年以上の際の認知症を発症するハザード比(HR)は2.12(95%信頼区間[CI]:1.50~3.00)であり、6~10年ではHR 1.49(95%CI:0.95~2.32)、5年以内であればHR 1.11(95%CI:0.70~1.76)であり、2型糖尿病の発症時期が早いものほど認知症のリスクが高い傾向にあったという。認知症の発症リスクに関連する臨床検査値、社会人口学的因子、健康関連行動を調整した解析でも、2型糖尿病の発症年齢が5歳低下するごとに、70歳時点での認知症の発症のHRは1.24(95%CI:1.06~1.46)であり、糖尿病の発症年齢が低いほど認知症のリスクが高いことが報告された。 2型糖尿病患者における認知機能の低下には多くの要因が関与している。中枢神経系に広く分布しているインスリン受容体におけるインスリン抵抗性のためのシグナリングの異常、グルコースの代謝障害、細小血管障害による脳血流の障害、炎症や免疫反応の惹起、酸化ストレスなどの影響、さらには治療による低血糖なども認知機能に影響を及ぼす。糖尿病の罹病期間と認知機能が関連することは「当たり前」かもしれない。しかし、「当たり前」と思われることであっても、私たちに客観的な「事実」としてデータを明示するコホート研究には、それなりの迫力と説得力を感じざるを得ない。

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リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 文献管理 その2【「実践的」臨床研究入門】第8回

「Key論文」の選定前回は関連研究レビューの際に有用な文献管理ソフトについて、EndNote®の使用方法を例に挙げ説明しました。今回は、作成した文献情報(ライブラリ)の関連研究レビューにおける活用方法について解説します。収集した関連研究論文を文献管理ソフトに取り込んだら、まずは論文のタイトルとアブストラクトを読んでみましょう。筆者はこの段階で、個々の文献情報(レコード)と自身のリサーチ・クエスチョン(RQ)との関連や重要性の程度を暫定的にRating(評点付け)します。EndNote®では、レコード毎に重要度を5段階(★)でRatingし、一覧化した文献情報(ライブラリ)内でレコードをRatingでソート(並び替え)することができます。高いRatingを付けたレコードは「Key論文」候補として読み込みます。ここで言う、「Key論文」とは自身の臨床研究論文の“Introduction”や“Discussion”などで引用する可能性のある先行研究論文、とします。EndNote®には、レコードごとにResearch Note(研究メモ)という自由に書き込めるフィールドがあります。筆者は、先行研究論文を読み込む際に、以下のポイントについてまとめて、Research Noteに記載するようにしています。Design(研究デザイン)Setting(セッテイング)Patients(対象)Exposure(曝露要因)もしくはIntervention(介入)Comparison(比較対照)Outcome(アウトカム)Result(研究結果)Interpretation(結果の解釈)D(研究デザイン)は、連載第6回で少し触れました「介入研究」と「観察研究」に大別される臨床研究の「型」です。「介入研究」の代表的な「型」がランダム化比較試験(RCT:randomized controlled trial)です。「観察研究」はC(比較対照)を置くかどうかによって、Cのない記述的研究と、Cのある分析的観察研究に分類されます。分析的観察研究には、E(曝露要因)とO(アウトカム)を一時点で観察し測定する横断研究と、EとOを縦断的に観察、測定する縦断研究に分かれます。コホート研究は縦断的研究であり時間の流れに沿ってまずEを測定し、その後の時点でのアウトカムを観察、測定しますが、分析的観察研究の「王道」とも言える臨床研究の「型」です。また、これらの一次研究で発表済みの論文データを対象としてまとめた二次研究がシステマティックレビューです。メタアナリシスとは個々の論文の研究結果を定量的に統合する際に用いられる解析手法です。システマティックレビューとメタアナリシスはほぼ同義に使われることもありますが、定量的統合(メタアナリシス)を行わない(行えない)定性的なシステマティックレビューもあります。S(セッティング)とは、研究の行われた場、言い換えると、P(対象)のサンプリングが行われた場のことです。筆者は、R(研究結果)は用いられた統計解析手法を含めて図表を中心に、とくに自身の臨床研究と関連するような知見を主にまとめています。さらに、I(結果の解釈)についても、その研究の長所や限界を踏まえて付記するようにしています。関連先行研究論文引用の要点実際の臨床研究論文では関連する先行研究論文を羅列して多く引用すれば良いというものではありません。引用できる文献数は専門雑誌ごとに違いますが、一般的に30本から多くても50本程度に制限されています。したがって、自身の研究との関連性や重要度を勘案して引用する先行研究を厳選する必要があります。先行研究の内容を長々と解説する必要もありません。できるだけ簡潔に、関連する先行研究論文で得られている知見を記述することが重要です。その際に、前述したResearch Noteでまとめた先行研究のポイントの記載が活かせます。引用した先行研究の内容を短くまとめて記述するのですが、そのD(研究デザイン)、S(セッティング) やP(対象)なども示すことで、伝えられる情報量が豊富になります。その上で、自身の臨床研究の新規性や得られた結果と先行研究の知見との相違(もしくは一致)を論文で議論するのです。 次回は、関連先行研究論文引用の実際について実例をいくつか紹介し、解説したいと思います。1)福原俊一. 臨床研究の道標 第2版. 健康医療評価研究機構;2017.2)木原雅子ほか訳. 医学的研究のデザイン 第4版. メディカル・サイエンス・インターナショナル;2014.3)矢野 栄二ほか訳. ロスマンの疫学 第2版. 篠原出版新社;2013.4)中村 好一. 基礎から学ぶ楽しい疫学 第4版. 医学書院;2020.5)片岡 裕貴. 日常診療で臨床疑問に出会ったときに何をすべきかがわかる本 第1版.中外医学社;2019.

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妊娠中のコロナワクチン接種で乳児にも効果の可能性/JAMA

 妊娠中の女性はCOVID-19の罹患率や死亡率が高くなるが、ワクチンの臨床試験の対象から外されており、これまで妊婦に対するCOVID-19ワクチンの有効性と安全性のデータは限られていた。妊娠中・授乳中の女性103例を対象にイスラエルで実施された試験の結果がJAMA誌オンライン版2021年5月13日号に掲載された。 2020年12月~2021年3月にワクチンを接種した18歳以上の女性103例と、2020年4月~2021年3月にSARS-CoV-2感染が確認された女性28例が対象となった。ワクチン接種群103例はmRNA-1273(Moderna)またはBNT162b2(Pfizer-BioNTech)のいずれかを接種し、内訳は妊娠中30例、授乳中16例、非妊娠57例で、接種前のSARS-CoV-2感染が確認された参加者を除外した。感染群の内訳は妊娠中22例、非妊娠6例だった。 主要アウトカムはSARS-CoV-2に対する免疫応答で、検体採取は2回目接種後に非妊娠群中央値21(IQR:17~27)日 、妊娠中群21(IQR:14~36)日、授乳中群26(IQR:19~31)日後に行った。9例が期間中に出産し、乳児の臍帯血を提供した。感染群のPCR検査陽性判定から検体採取までの期間中央値は非妊娠群12(IQR:10~20)日、妊娠群41(IQR:15~140)日だった。 主な結果は以下のとおり。・ワクチン接種者103例は18~45歳で、非ヒスパニック系白人が66%だった。・ワクチン2回接種後の抗体価は妊娠中、授乳中、非妊娠群いずれもベースラインより上がり、その値は感染者群よりも高かった。また、乳児の臍帯血や母乳にも抗体が認められた。・英国および南アフリカ変異株に対しては抗体価の低下が見られたものの、T細胞応答は維持された。・2回目のワクチン接種後、妊娠中4例(14%)、授乳中7例(44%)、非妊娠27例(52%)で発熱が報告されたが、重篤な有害事象や妊娠・新生児合併症は認められなかった。 研究者らは、COVID-19ワクチンは妊娠・授乳中の女性に対しても有用性が確認され、さらに抗体は乳児の臍帯血と母乳に移行し、妊娠中にワクチンを接種することで接種資格のない新生児にも同様の効果がもたらされる可能性があるとしている。

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コロナパンデミックの2020年、各国の超過死亡は?/BMJ

 世界的な新型コロナウイルスの発生および感染拡大が見られた2020年。対コロナ施策や医療事情は国よって大きく異なるが、超過死亡の観点から分析するとどうなるのか。英国・オックスフォード大学ナフィールド人口保健局のNazrul Islam氏ら研究グループは、OECD加盟29ヵ国について2020年における超過死亡を調べたところ、米国、イタリア、英国、スペインなど26ヵ国で超過死亡の増加が見られた。これらの国の多くで、超過死亡の推定値がCOVID-19を死因として報告された死亡者数を大幅に上回っており、パンデミックが死亡率に与える影響を正確に判断するには超過死亡の評価が必要としている。BMJ誌2021年5月19日号掲載の報告。 本研究で分析対象としたのは、OECD加盟国のうち以下29ヵ国:オーストリア、ベルギー、チェコ共和国、デンマーク、イングランド、ウェールズ、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、イスラエル、イタリア、ラトビア、リトアニア、オランダ、ニュージーランド、北アイルランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スコットランド、スロバキア、スロベニア、韓国、スペイン、スウェーデン、スイス、米国。各国から収集された2020年における毎週(計52週)の年齢および性別ごとの死亡者数と、例年の死亡数を基にした推定死亡数との差の範囲を週別に推計。データ分析にはポアソン回帰モデルを用いた。 主な結果は以下の通り。・分析対象29ヵ国で、推定97万9,000(95%信頼区間[CI]:95万4,000~100万1,000)の超過死亡が発生した。このうち、ニュージーランド、ノルウェー、デンマークを除く26ヵ国で超過死亡が見られた。・超過死亡が最も多かったのは米国(45万8,000人、95%CI:45万4,000~46万1,000)で、次いでイタリア(8万9,100、95%CI:8万7,500~9万700)、イングランドおよびウェールズ(8万5,400、95%CI:8万3,900~8万6,800)、スペイン(8万4,100、95%CI:8万2,800~8万5,300)、ポーランド(6万100、95%CI:5万8,800~6万1,300)が続いた。・COVID-19流行のピークのタイミングと一致して、多くの国は北半球の春(3月~5月)と秋冬(10月~12月)に超過死亡の大きな波が見られた。春には、イタリア、スペイン、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランド、ベルギー、オランダで過剰死亡者数が多かった。秋冬には、オーストリア、ベルギー、チェコ共和国、ハンガリー、イタリア、リトアニア、ポーランド、スロバキア、スロベニア、スイスで超過死亡がとくに多く見られた。・多くの国で、超過死亡の推定値が、COVID-19による死亡者数を上回った。米国と英国(イングランド、ウェールズ、北アイルランド、スコットランドを含む)では、いずれも推定超過死亡が30%以上多く、スペイン、ポーランド、ハンガリー、ギリシャ、リトアニア、スロバキア、エストニア、韓国では50%以上の増加が見られた。・ニュージーランド、ノルウェー、デンマーク、イスラエル、フランス、ドイツ、ベルギー、スイスでは、推定超過死亡よりもCOVID-19死亡者数のほうが多かった。

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ニボルマブ・イピリムマブ併用の肺がん1次治療、ASCO2021で発表される2演題(CheckMate-9LA/227)/BMS

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、2021年5月19日、2021年米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2021)にて発表されるニボルマブ(商品名:オプジーボ)およびイピリムマブ(商品名:ヤーボイ)の2つの試験結果を発表した。 1つ目は、未治療の進行非小細胞肺がん(NSCLC)において化学療法2サイクルを追加したニボルマブとイピリムマブの併用療法と4サイクルの化学療法を比較した第III相CheckMate-9LA試験の2年間追跡調査結果。CheckMate -9LA試験の2年全生存(OS)率は、同併用療法群で38%、化学療法群は26%あった。追加の追跡調査における同試験の主要評価項目であるOS中央値は、免疫療法薬の2剤併用療法群で15.8ヵ月、化学療法群では11.0ヵ月であった(HR:0.72、95%CI:0.61~0.86)。同併用療法の新たな安全性シグナルや治療に関連する死亡は認められなかった。 そのほかの結果は以下のとおり。・2年PFSにおいて、同併用療法はリスクを33%低減した(HR:0.67;95% CI:0.56 - 0.79)。・ORRは併用療法群38% vs.化学療法群25%であった。・DORは併用療法群13.0ヵ月、化学療法では5.6ヵ月であった。これらのデータは、ASCO2021にて、6月4日、午後1時~4時(米国東部夏時間)、口頭発表される(抄録番号#9000)。 2つ目は、未治療の進行NSCLCにおいてニボルマブを含むレジメンと化学療法を比較した第III相CheckMate -227試験Part1の4年(49.4ヵ月)の追跡調査結果。CheckMate -227試験Part1におけるPD-L1 1%以上の4年OS率は、ニボルマブ・イピリムマブ併用群29%、化学療法群は18%であった(HR:0.76、95%CI:0.65~0.90)。ニボルマブ・イピリムマブ併用療法の新たな安全性シグナルは認められなかった。 そのほかの結果は以下のとおり。・PD-L1 1%未満の探索的解析における4年OS率は、ニボルマブ・イピリムマブ併用群24%に対し、化学療法群10%であった(HR:0.64、95%CI:0.51~0.81)。・PD-L1高発現(50%以上)の4年OS率は、ニボルマブ・イピリムマブ併用群37%、ニボルマブ単剤群では26%であった。 完全なデータは、ASCO2021にて、同日午前9時(米国東部夏時間)にポスター・ディスカッション・セッションで発表される(抄録番号#9016)。

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