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難治性片頭痛に対する抗CGRPモノクローナル抗体の効果

 スペイン・Hospital Universitari Vall d'HebronのMarta Torres-Ferrus氏らは、難治性片頭痛患者に対する抗CGRPモノクローナル抗体の効果について、評価を行った。Journal of Neurology誌オンライン版2021年3月27日号の報告。 対象は、1ヵ月間に8日以上の頭痛が認められ、3回以上予防薬を服用しなかった片頭痛患者。人口統計学的、医学的情報および片頭痛の病歴を収集した。ベースライン時および12週間後に電子頭痛日誌を用いて患者報告アンケートを実施し、1ヵ月間の頭痛日数、1ヵ月間の片頭痛日数、痛みの強さ(0~3の数値回答)、鎮痛薬の使用に回答した。患者は、改善頻度に応じて、治療反応50%以上、75%以上、100%に分類された。 主な結果は以下のとおり。・対象患者は、合計155例(erenumab:109例、ガルカネズマブ:46例)であった。・ベースライン時と比較して、12週間後の頭痛の頻度は-9.1日/月、片頭痛の頻度は-8.5日/月であった。・頭痛の日数が50%以上減少した患者の割合は39.5%、片頭痛の日数が50%以上減少した患者の割合は51.6%であった。・片頭痛の治療反応が50%以上であった群では、ベースラインからの頻度の減少は-13.9日/月であり、患者が報告したすべての結果において明らかな改善が認められた。・頭痛の日数が75%以上減少した患者の割合は14.2%、片頭痛の日数が75%以上減少した患者の割合は26.5%であった。・片頭痛の日数が100%減少した患者の割合は11.0%であった。・他の予防薬を使用していなかった患者では、重度の障害が少なく、頭痛に対する片頭痛の割合が高く、片頭痛の治療反応が50%以上である可能性が高かった。・主な有害事象は、便秘(20.0%)、倦怠感(7.1%)一過性の血圧上昇(5.2%)であり、重篤な有害事象は認められなかった。 著者らは「難治性片頭痛患者に対する抗CGRPモノクローナル抗体による治療は、実臨床において効果的であることが確認された」としている。

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わずか1mLの尿で脳腫瘍を判定、99%の正確度/名大

 脳腫瘍は、手足が動かない、言葉が話せないといった神経症状が出現するまでCTやMRI検査を受ける機会がなく、発見時にはすでにかなりの大きさに進行しているケースが多い。しなしながら、進行した脳腫瘍は手術で完全に取り除くことは難しく、いかに腫瘍が小さい段階で発見し、治療を開始するかが肝要である。名古屋大学の夏目 敦至氏ら研究チームは、尿中に含まれるマイクロRNAを測定することにより、99%の正確度で脳腫瘍が診断できる可能性を見出だした。本研究結果は、2021年4月1日付でACS Applied Materials & Interfaces誌オンライン版に掲載された。 研究チームは、脳腫瘍診断のバイオマーカーとして、生体の機能を調整する核酸であるマイクロRNAに注目。マイクロRNAは細胞外小胞体の中に含まれており、多くの細胞外小胞体は血液だけでなく尿中でも壊れずに安定して存在しているという。しかし、従来の方法では尿から多種類のマイクロRNA採取ができなかったため、尿中の細胞外小胞体が効率良く集められるナノサイズの酸化亜鉛ナノワイヤ装置を開発した。 脳腫瘍由来のマイクロRNAが尿中に認められるかどうかを調べるため、脳腫瘍患者の腫瘍組織を培養し、ナノワイヤ装置を用いて脳腫瘍組織が分泌しているマイクロRNAを抽出。解析を行ったところ、健康な人に比べ脳腫瘍患者の尿で発現変動を示していたマイクロRNAの73.4%は、脳腫瘍そのものから分泌されたマイクロRNAであることがわかった。この脳腫瘍が分泌する特徴的なマイクロRNAは、健康な人の尿中にはほとんど含まれていなかった。 本研究では、脳腫瘍患者68例と健康な66例の尿からマイクロRNAを抽出し、その発現パターンについて比較した。その結果、脳腫瘍患者のマイクロRNAの組み合わせには特徴的な発現パターンがあることが判明。さらに別の脳腫瘍患者34例と健康な34例について、先のパターンに基づいて分類したところ、99%の正確度(感度:100%、特異度:97%)で脳腫瘍を診断できることがわかった。さらに、非常に稀な脳腫瘍に罹患している患者15例についても、この方法で判定を行ったところ、15例すべてで「脳腫瘍あり」と正しく判定されたという。 著者らは、「本研究で得られた知見は、尿中マイクロRNAが脳腫瘍のバイオマーカーとして有用であり、大規模スクリーニングを行う上での適切な戦略を提供しうることを示唆している」と述べている。

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介護施設での抗菌薬の使用状況、CDC調査/JAMA

 2017年、米国の介護施設入居者における抗菌薬の平均使用率は100人当たり8.2人に上り、とくに中心静脈カテーテル使用者(62.8/100人)や導尿カテーテル留置者(19.1/100人)で高率であったことが、米国疾病管理予防センター(CDC)のNicola D. Thompson氏らの調査で示された。研究の成果は、JAMA誌2021年4月6日号に掲載された。抗菌薬耐性感染症の制御と予防は、公衆衛生学上の優先事項とされる。介護施設は、入居者が抗菌薬耐性菌のコロニー形成や感染のリスクの合流点となるため、抗菌薬耐性の発生源となる可能性がある。一方、米国の介護施設における抗菌薬使用のデータは十分でないという。米国161施設の2017年の横断研究 本研究は、米国の介護施設における抗菌薬の使用状況の評価を目的とする横断研究(1日点有病率調査)で、同国のEmerging Infections Program(EIP)に参加する10州で選ばれた郡から無作為に選出された161の介護施設が調査に参加し、2017年4月~10月の期間に実施された(米国CDCの助成による)。 EIPの調査員が、入居者の背景因子や調査時に投与されていた抗菌薬の情報を収集した。施設の背景因子の情報は、当該施設の職員およびNursing Home Compareのウェブサイトから得た。 主要アウトカムは、入居者100人当たりの抗菌薬の使用率とし、調査時に少なくとも1種類の適格な抗菌薬を投与されていた入居者数を、調査対象の全入居者数で除して、100を乗じて算出した。フルオロキノロン系12.9%、広域スペクトル抗菌薬33.1% 161施設に入居中の1万5,276人(平均年齢[SD]77.6[13.7]歳、年齢範囲:18~108歳、女性9,475人[62%])が解析に含まれた。96.8%で完全な抗菌薬使用データが得られた。 調査の時点で、1万5,276人中1,258人が、1,454の全身性抗菌薬の投与を受けていた。このうち1剤が1,082人(86.0%、95%信頼区間[CI]:84~87.9)、2剤が158人(12.6%、10.8~14.5)、3~4剤が18人(1.5%、0.8~2.3)であった。 全体の抗菌薬使用率の平均値は8.2/100人(95%CI:7.8~8.7)、中央値は8.03/100人(IQR:4.9~11.2)であった。また、男性は9.6/100人(8.9~10.4)、女性は7.4/100人(6.9~7.9)であり、年齢層が高くなるほど使用率は低下した(<65歳:11.8/100人、65~74歳:9.0/100人、75~84歳:8.7/100人、≧85歳:5.8/100人)。 抗菌薬使用率が高かったのは、調査日前30日以内の入居者(18.8/100人、95%CI:17.4~20.3)、中心静脈カテーテルを使用している入居者(62.8/100人、56.9~68.3)、導尿カテーテルを留置している入居者(19.1/100人、16.4~22.0)であった。 抗菌薬は、活動性感染症(77%、95%CI:74.8~79.2)の治療としての使用が最も多く、主に尿路感染症(28.1%、15.5~30.7)に使用されていた。また、18.2%(16.1~20.1)が医学的予防に使用されていたが、その多くは尿路感染症(40.8%、34.8~47.1)だった。 最も使用頻度の高い薬剤クラスはフルオロキノロン系抗菌薬(12.9%、95%CI:11.3~14.8)であり、次いで第1世代セファロスポリン系抗菌薬(11.7%)、スルホンアミド系抗菌薬+トリメトプリム(8.2%)であった。また、使用された薬剤の33.1%(30.7~35.6)が広域スペクトル抗菌薬であった。 著者は、「この研究は、介護施設入居者の抗菌薬使用パターンに関して有益な情報を提供する」としている。

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総合内科専門医試験オールスターレクチャー アレルギー

第1回 食物アレルギー アナフィラキシー第2回 喘息 抗体医薬第3回 アレルギー性鼻炎 重症薬疹・薬剤アレルギー 総合内科専門医試験対策レクチャーの決定版登場!総合内科専門医試験の受験者が一番苦労するのは、自分の専門外の最新トピックス。そこでこのシリーズでは、CareNeTV等で評価の高い内科各領域のトップクラスの専門医を招聘。各科専門医の視点で“出そうなトピック”を抽出し、1講義約20分で丁寧に解説します。キャッチアップが大変な近年のガイドラインの改訂や新規薬剤をしっかりカバー。Up to date問題対策も万全です。アレルギーについては、聖路加国際病院リウマチ膠原病センターの岡田正人先生がレクチャーします。バイオテクノロジーの進歩によって次々と開発される抗体医薬や、より精度が上がったアレルゲン検査など、アレルギー治療の最新トレンドを解説します。※「アップデート2022追加収録」はCareNeTVにてご視聴ください。第1回 食物アレルギー アナフィラキシー アレルギーの第1回では、I型アレルギーの1つである食物アレルギーについて、例題を提示しながら、症状からアレルゲンを特定する際のポイントを解説します。近年実用化が進んでいるアレルゲンコンポーネント検査によって、感度・特異度ともに精度の高い診断が可能となりました。主な食品に対応するアレルゲンコンポーネントを確認しましょう。アナフィラキシーを起こした際は、第2層反応にも注意して適切な治療を行います。第2回 喘息 抗体医薬アレルギーの第2回は、喘息の治療法について解説します。この10年ほどで、重症喘息に対して使用できる生物学的製剤が相次いで登場しました。喘息のタイプによって、各抗体医薬を使い分ける必要があります。また、喘息の抗体医薬品が、ほかのアレルギー性疾患にも効果があることが明らかになりました。アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、慢性蕁麻疹への、各薬剤の適応を確認します。 第3回 アレルギー性鼻炎 重症薬疹・薬剤アレルギーアレルギーの第3回は、アレルギー性鼻炎と、重症薬疹を中心に薬剤アレルギーを取り上げます。アレルギー性鼻炎で最もよく使われる抗ヒスタミン薬。作用の仕組みと、添付文書でとくに注意する点を解説します。近年、スギ花粉症とダニアレルギーに対して、質の高い舌下免疫療法の薬が登場し、治療を希望する患者さんも増えています。薬剤アレルギーについては、SJS/TENやDIHSといった重症薬疹の、原因となる薬剤を確認します。

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総合内科専門医試験オールスターレクチャー 血液

第1回 急性・慢性白血病第2回 悪性リンパ腫第3回 多発性骨髄腫 Oncology emergency第4回 骨髄増殖性腫瘍 造血幹細胞移植第5回 貧血性疾患・造血不全第6回 出血・血栓性疾患 総合内科専門医試験対策レクチャーの決定版登場!総合内科専門医試験の受験者が一番苦労するのは、自分の専門外の最新トピックス。そこでこのシリーズでは、CareNeTV等で評価の高い内科各領域のトップクラスの専門医を招聘。各科専門医の視点で“出そうなトピック”を抽出し、1講義約20分で丁寧に解説します。キャッチアップが大変な近年のガイドラインの改訂や新規薬剤をしっかりカバー。Up to date問題対策も万全です。血液については、渡邉純一先生が講義します。数々の新薬の登場による血液腫瘍の治療法の変化が最大のポイントです。※「アップデート2022追加収録」はCareNeTVにてご視聴ください。第1回 急性・慢性白血病第1回のテーマは、急性・慢性白血病です。急性骨髄性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病について、近年のガイドラインの改訂や、新規薬剤の情報を整理して解説します。第2回 悪性リンパ腫血液の第2回は、悪性リンパ腫について解説します。悪性リンパ腫については、低悪性度から高悪性度B細胞リンパ腫など、各種それぞれのリンパ腫に適した、多数の新規薬剤が登場し、治療のスタンダードとなっています。臨床データを押さえながら、新しい治療薬について説明します。第3回 多発性骨髄腫 Oncology emergency血液の第3回は、多発性骨髄腫とOncology emergencyについて解説します。近年、さまざまな新規薬剤によって、予後が改善している多発性骨髄腫。ただし、完治が厳しい疾患であることには変わりなく、共存を目的とした治療計画が立てられています。薬剤のメカニズムと副作用も重要なポイントです。悪性腫瘍の経過で、急速に悪化した場合の緊急治療Oncology emergencyについて、血液内科領域の対応や基礎疾患、症状を確認します。第4回 骨髄増殖性腫瘍 造血幹細胞移植骨髄増殖性腫瘍には、真性多血症、原発性骨髄繊維症、本態性血小板血症があります。年齢によってリスクが変化するため、治療方針も異なります。使用する薬剤のメリットとデメリットも確認しましょう。造血幹細胞移植には、自家移植と同種移植があります。とくに同種移植について、合併症のリスクや保険適用となった新薬の解説をします。第5回 貧血性疾患・造血不全骨髄不全の疾患である、再生不良性貧血、発作性夜間血色素尿症、骨髄異形成症候群について解説します。近年ガイドラインが改訂された、再生不良性貧血の診療指針の変更点や、骨髄異形成症候群のリスク分類を確認しておきましょう。造血不全による貧血性の疾患は、各種貧血の病態や、保険適用となっている薬剤など、基本をしっかり復習します。第6回 出血・血栓性疾患出血・血栓性疾患には、血小板減少を伴うものと、凝固異常を伴うものがあります。特発性血小板減少性紫斑病と血栓性血小板減少性紫斑病のガイドラインには、新薬が加えられました。播種性血管内凝固は、診断基準がアップデートされたので注意しましょう。後天性血友病、フォンウィルブランド病、抗リン脂質抗体症候群、先天性血友病についてもポイントを説明します。

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総合内科専門医試験オールスターレクチャー 呼吸器

第1回 慢性閉塞性肺疾患(COPD) オーバーラップ症候群(ACO)第2回 特発性間質性肺炎(IIPs)第3回 咳嗽・喀痰第4回 喘息第5回 肺炎第6回 肺 総合内科専門医試験対策レクチャーの決定版登場!総合内科専門医試験の受験者が一番苦労するのは、自分の専門外の最新トピックス。そこでこのシリーズでは、CareNeTV等で評価の高い内科各領域のトップクラスの専門医を招聘。各科専門医の視点で“出そうなトピック”を抽出し、1講義約20分で丁寧に解説します。キャッチアップが大変な近年のガイドラインの改訂や新規薬剤をしっかりカバー。Up to date問題対策も万全です。呼吸器については、島根大学医学部附属病院の長尾大志先生がレクチャーします。ガイドラインの改訂がとくに顕著な呼吸器領域。疾患の概念や治療方針に関する大きな変更点、新たに採用された診断基準に注目します。※「アップデート2022追加収録」はCareNeTVにてご視聴ください。第1回 慢性閉塞性肺疾患(COPD) オーバーラップ症候群(ACO)タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じる慢性閉塞性肺疾患(COPD)。2018年のガイドライン改訂により、炎症だけでなく非炎症性機転も重視され、FEV1の数値と合わせて、各症状の程度を加味した総合的な重症度の判断が求められるようになりました。喘息とCOPDを合併したACOは、COPD全体の10~20%を占め、治療には吸入ステロイドを併用します。増悪した際の治療手順も試験で問われやすいポイントです。第2回 特発性間質性肺炎(IIPs)特発性間質性肺炎(IIPs)は、明らかな原因を特定できない間質性肺炎の総称。主要6疾患と、その他の希少疾患に分類されます。各疾患名だけでなく、対応する病理組織パターンもしっかり確認しておきましょう。中でも重要なのが特発性肺線維症(IPF)。IPFの診断は、病理診断は必須ではありませんが、アルゴリズムに沿って複数の項目をチェックします。他のIIPsと唯一異なるIPF治療のポイントは、ステロイドを使用しないこと。第3回 咳嗽・喀痰「咳嗽喀痰の診療ガイドライン2019」では、咳嗽と密接に関連している喀痰の項目を新たに追加。咳嗽と喀痰の原因疾患は、急性と慢性に大別されます。狭義の感染性咳嗽、いわゆる風邪には、抗菌薬は不要です。多彩な疾患が鑑別に上がる遷延性・慢性の咳嗽。鑑別診断では、結核や肺など危険な疾患を見逃すことなく、後鼻漏の原因となる好酸球性副鼻腔炎や、喘息、胃食道逆流症なども念頭に置きます。※この番組は2020年3月に収録したものです。新型コロナウイルス感染症については取り上げていません。第4回 喘息変動性を持った気道狭窄や咳などの症状を起こす喘息。これまで明確な診断基準は示されていませんでしたが、「喘息とCOPDのACO診断と治療の手引き2018」に、呼気一酸化窒素濃度(FeNO)値が診断に有効な指標として記載されました。近年の重要な治療方針の変更点は、以前は重症のみに使用されていた抗コリン薬が、比較的初期から吸入ステロイドと併用可能になったこと。重症例に効果的な抗体医薬も増えているので、しっかり押さえておきましょう。第5回 肺炎市中肺炎、院内肺炎、医療・介護関連肺炎の3つの肺炎が統合されたガイドラインが2017年に発表されました。終末期の症例が含まれる院内肺炎と医療・介護関連肺炎を1つの診療群とし、市中肺炎と区別した診療プロセスが示され、終末期における患者の意志やQOLを尊重した治療・ケアのあり方が重要なトピックとなっています。肺炎の種別の重症度スコアリング法や、段階別の治療戦略、適応できる薬剤を解説します。第6回 肺今回は非小細胞肺について詳しく解説します。肺については新規薬剤の開発が盛んで、それに伴ってガイドラインもオンラインで頻繁に更新されています。まずTMN分類で、手術、放射線治療、または薬剤治療のどれを採用するか適応判断。キナーゼ阻害薬や免疫チェックポイント阻害薬の登場によって、生存期間の延長が見込めるようになりました。副作用に耐えられるか、患者さんの体力も考慮しながら使用できる薬剤を選択します。

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総合内科専門医試験オールスターレクチャー 神経

第1回 脳卒中 超急性期第2回 脳卒中 急性期~慢性期第3回 免疫性神経疾患(1)第4回 免疫性神経疾患(2)第5回 神経変性疾患第6回 機能性疾患 総合内科専門医試験対策レクチャーの決定版登場!総合内科専門医試験の受験者が一番苦労するのは、自分の専門外の最新トピックス。そこでこのシリーズでは、CareNeTV等で評価の高い内科各領域のトップクラスの専門医を招聘。各科専門医の視点で“出そうなトピック”を抽出し、1講義約20分で丁寧に解説します。キャッチアップが大変な近年のガイドラインの改訂や新規薬剤をしっかりカバー。Up to date問題対策も万全です。神経については、福島県立医科大学脳神経内科の井口正寛先生がレクチャーします。近年ガイドラインの変更が顕著な脳卒中の血栓溶解療法から、免疫系の希少疾患まで詳しく確認します。※「アップデート2022追加収録」はCareNeTVにてご視聴ください。第1回 脳卒中 超急性期神経の第1回のテーマは、超急性期の脳卒中。近年では血栓溶解療法や血管内治療が推奨されています。rt-PA静注血栓溶解療法は有効性のエビデンスが蓄積され、発症から治療可能な時間が延長されています。MRIの画像所見を評価スケールに照らし合わせて適応を判断することが重要です。血管内治療は、ステントリトリーバーの登場によって大幅に進歩しました。第2回 脳卒中 急性期~慢性期神経の第2回は、急性期から慢性期の脳卒中について解説します。急性期の脳卒中には、抗血小板薬による薬物療法を行います。重症度によって薬剤の種類と使用法が変わるので注意しましょう。慢性期の脳卒中には、再発防止のための治療をします。ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症、潜因性脳梗塞といった病型に応じて、適用できる薬剤やデバイスが異なります。第3回 免疫性神経疾患(1)神経の第3回は、免疫性神経疾患のうち、多発性硬化症とその類縁疾患の視神経脊髄炎関連疾患について解説します。多発性硬化症は、時間的、空間的多発性のある、中枢神経系の脱髄を特徴とする炎症疾患です。近年のガイドラインでは、診断基準が変更されました。視神経脊髄炎関連疾患は、多発性硬化症と比較しながら診断基準や治療法を整理し、新規薬剤を確認します。第4回 免疫性神経疾患(2)神経の第4回は、免疫性疾患のうち、骨格筋の筋力低下を起こす重症筋無力症、急性の末梢神経障害であるギランバレー症候群、自己免疫性脳症について解説します。自己免疫性脳症の抗原には、抗NMDA受容体抗体だけでなく、その他多くの抗体が知られています。また、昨今話題の抗がん剤・免疫チェックポイント阻害薬によって、自己免疫性神経疾患が副作用として引き起こされることがあります。その機序や臨床像なども解説します。第5回 神経変性疾患神経の第5回は、神経変性疾患のパーキンソン病、レビー小体型認知症、アルツハイマー病、前頭側頭葉変性症、筋委縮性側索硬化症、クロイツフェルト・ヤコブ病を取り上げます。パーキンソン病は、他疾患を除外して診断する必要があるため、進行性核上性麻痺や多系統萎縮症といった主な鑑別疾患の特徴を確認しましょう。各神経変性疾患の病態や診断基準、治療法を解説します。第6回 機能性疾患神経の第6回は、てんかん、片頭痛、群発頭痛、本態性振戦について解説します。てんかんを診断するための実用的臨床定義では、新しい概念が定義されました。分類に応じた薬剤選択、発作重積時の対応を確認しましょう。片頭痛は、発作時と予防治療に用いる薬剤を確認します。激しい痛みを伴う群発頭痛は、内服薬ではなく皮下注射と酸素吸入による治療を行います。本態性振戦は、パーキンソン病との鑑別が重要です。

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総合内科専門医試験オールスターレクチャー 内分泌・代謝

第1回 糖尿病(1)第2回 糖尿病(2)第3回 下垂体疾患 副甲状腺疾患 骨粗鬆症第4回 甲状腺疾患第5回 代謝性疾患第6回 副腎疾患 二次性高血圧 総合内科専門医試験対策レクチャーの決定版登場!総合内科専門医試験の受験者が一番苦労するのは、自分の専門外の最新トピックス。そこでこのシリーズでは、CareNeTV等で評価の高い内科各領域のトップクラスの専門医を招聘。各科専門医の視点で“出そうなトピック”を抽出し、1講義約20分で丁寧に解説します。キャッチアップが大変な近年のガイドラインの改訂や新規薬剤をしっかりカバー。Up to date問題対策も万全です。内分泌・代謝については、聖路加国際病院内分泌代謝科の能登洋先生がレクチャーします。糖尿病、脂質異常症、高尿酸症といった代謝性疾患は、それぞれの診断基準となる数値をきちんと把握し、適切な治療でコントロールすることが大切です。内分泌疾患は、内分泌系の仕組みを総合的に捉え、各ホルモンの作用と、多岐にわたる疾患の特徴を押さえます。※「アップデート2022追加収録」はCareNeTVにてご視聴ください。第1回 糖尿病(1)内分泌・代謝の第1回は、糖尿病の病態と診断について解説します。糖尿病には、1型、2型、その他、妊娠糖尿病の4つの病型があり、血糖値とHbA1cの数値、既往歴から鑑別します。急激な高血糖によって引き起こされる糖尿病性ケトアシドーシスや高浸透圧高血糖状態、あるいは過度の治療による低血糖。命にかかわることもあるため、試験でよく問われるテーマです。第2回 糖尿病(2)内分泌・代謝の第2回は、糖尿病の治療について解説します。治療のポイントは、多様な薬剤の使い分け。各治療薬の作用機序、効果と副作用、禁忌事項を確認します。インスリン療法で重要なのが、用量調節の際の責任インスリンという概念。妊娠糖尿病は、胎児への影響を考慮して、通常の糖尿病よりも診断基準が厳しく、血糖コントロール目標値を厳格に管理することが推奨されています。第3回 下垂体疾患 副甲状腺疾患 骨粗鬆症さまざまなホルモンを分泌する下垂体。初めにホルモンの種類と全身の標的器官を押さえます。下垂体ホルモンの過剰分泌や分泌低下によって引き起こされる各疾患も要チェック。副甲状腺ホルモン疾患の鑑別には、カルシウムとリンの値に注目します。骨粗鬆症は、一般的に加齢により発症しますが、内分泌疾患、薬物、糖尿病など、特定の誘因によって発症する場合もあります。骨粗鬆症の各治療薬について、機序と使用法を確認します。第4回 甲状腺疾患内分泌・代謝の第4回は、甲状腺疾患について解説します。バセドウ病、亜急性甲状腺炎、無痛性甲状腺炎、プランマー病など、複数の疾患に起因する甲状腺中毒症。この甲状腺中毒症が重症化した甲状腺クリーゼは、致死率が高いので要注意。甲状腺機能低下症の代表的な疾患は、橋本病、粘液水腫性昏睡です。甲状腺腫瘍について、最新のガイドラインにおける治療方針を確認します。第5回 代謝性疾患脂質異常症の診断基準は、LDL-C、HDL-C、中性脂肪を数値別にチェック。総コレステロールから善玉コレステロールを除いた”non-HDL-C”という新たな指標が注目されています。幼少期から動脈硬化性疾患を起こす原発性高コレステロール血症の治療には、PCSK-9阻害薬が近年効果を発揮しています。高齢者の場合は、過度な減量は禁物。軽い肥満の方が死亡リスクを下げます。高尿酸血症は、原因疾患と合併症の有無によって治療薬の使い分けがポイントです。第6回 副腎疾患 二次性高血圧副腎から産出分泌されるホルモンには、アルドステロン、コルチゾール、カテコルアミンがありますが、副腎に腫瘍ができてホルモンが過剰分泌されると、原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫、パラガングリオーマといった疾患が引き起こされます。内分泌疾患により発症する二次性高血圧は、原因疾患を治療することで改善できます。各疾患に関わるホルモン、注目すべき検査所見、鑑別診断、治療の流れを確認します。

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第51回 コロナワクチンの最新版手引き、1瓶から6回接種が前提に

<先週の動き>1.コロナワクチンの最新版手引き、1瓶から6回接種が前提に2.医師の働き方改革が衆議院通過、日医の見解は?3.接触確認アプリの杜撰な運用実態、業者が1,200万円を返納4.初の費用対効果評価で薬価引き下げ、類似品目も適用5.健康保険証の交付廃止、マイナンバーカード一体化を提案/財務省1.コロナワクチンの最新版手引き、1瓶から6回接種が前提に厚生労働省は、16日に新型コロナウイルス感染症にかかわる予防接種について、医療機関向け手引きの改訂版(2.1版)を公開した。今後、医療従事者の優先接種用として、1バイアルから6回分接種可能な注射針およびシリンジを配布する。また高齢者の優先接種についても、調整が順調に進めば、5月中には同注射器の配布が可能になることが明記された。優先接種順位については、居宅・訪問サービス事業所等の従事者も、高齢者以外で基礎疾患を有する患者と同じ優先対象とされた。なお、医療機関がワクチンを入手するためには、V-SYS(ワクチン接種円滑化システム)を導入しなければならない。(参考)資料 新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する医療機関向け手引き(2.1版)(厚労省)新型コロナワクチンの供給の見通し(同)「1瓶6回」の注射器、5月10日から供給 河野氏(日経新聞)2.医師の働き方改革が衆議院通過、日医の見解は?現在開催されている通常国会で、医師の働き方改革を含む医療法等の改正案が衆議院を通過し、参議院での法案審議が始まる。これを踏まえ、日本医師会は14日に記者会見を行った。大学病院・基幹病院における地域医療支援については、地方への医師派遣は「地域医療提供体制の観点からは必須である」とするとともに、「全国医学部長病院長会議とも連携し、継続されている大学病院からの医師派遣が妨げられることのないよう取り組んでいく」との考えを表明。医師の労働時間短縮計画については、各医療機関に対して「労働時間の把握など、36協定の締結、健康診断の実施などの基本的事項からしっかりと取り組んで欲しい」としたほか、評価機能の仕組みについては、医療機関を取り締まったり、罰則を与えたりするものではなく、体制が整備されていない医療機関に対し、取り組みの支援を行っていくものであることに理解を求めた。なお、4月14日の参議院本会議では医療法改正案について趣旨説明と質疑が行われ、その様子が川田 龍平参議院議員のブログに掲載されている。(参考)医師の働き方改革の進捗状況について(全国医学部長病院長会議との連携)(日本医師会)川田 龍平参議院議員ブログ3.接触確認アプリの杜撰な運用実態、業者が1,200万円を返納厚労省は、新型コロナウイルス感染者と濃厚接触した可能性を知らせるアプリ(COCOA)について、不具合の発生要因や再発防止策について、報告書を公開した。陽性者との接触通知が届かない状態のまま放置されたのは、アプリを管理する事業者と厚労省の間で認識が共有できていなかったと説明。また、短期スケジュールの中、アプリの開発ならびに保守運用を受託していたパーソルプロセス&テクノロジーが他社に再委託、再々委託することを容認し、事業者間の役割分担が不明確になったことや、厚労省の人員体制も不十分だったことが今回の不具合につながったと考えられる。厚労大臣は事務次官らを厳重注意処分しており、再発防止が求められる。また、パーソルプロセス&テクノロジーは、昨年8月以降の業務対価の1,200万円を自主返納することを発表した。(参考)接触確認アプリ「COCOA」の不具合の発生経緯の調査と再発防止の検討について(報告書)(厚労省)厚労省、COCOA不具合の検証結果を公表 業者任せ、多重下請けなどの課題が浮き彫りに(ITmedia)コロナ接触アプリ業者が対価返納 1200万円、COCOA不具合(共同通信)4.初の費用対効果評価で薬価引き下げ、類似品目も適用14日に行われた中央社会保険医療協議会総会において、費用対効果評価専門組織からの報告をもとに、CAR-T細胞療法(患者由来T細胞の遺伝子組み換えを行い、がん細胞を攻撃しやすくして患者の体内に戻す免疫細胞療法)に使われるチサゲンレクルユーセル(商品名:キムリア点滴静注)の価格調整が行われた。現行薬価3,411万3,655円から約146万円(約4.3%)引き下げられ、3,264万7,761円となる。なお、医療機関における在庫への影響などを踏まえ、調整後価格は7月1日付で適用。同日に、CAR-T細胞製品2番手のアキシカブタゲン シロルユーセル(商品名:イエスカルタ点滴静注)が薬価3,411万3,655円で承認されたが、21日の収載と同時に価格調整が適用され、保険償還価格は1番手と同じ3,264万7,761円となることが報告された。同様に、フルチカゾン/ウメクリジニウム/ビランテロール(商品名:テリルジー)の価格調整を受けて、類似品目のブデソニド/グリコピロニウム/ホルモテロール(同:ビレーズトリ)、インダカテロール/グリコピロニウム/モメタゾン(同:エナジア)も引き下げを受けた。(参考)中医協総会 イエスカルタの保険償還価格は3264万円 収載日に費用対効果評価結果を反映(ミクスonline)中医協総会 キムリアとテリルジーの薬価引下げを了承 初の費用対効果評価で7月1日から(同)資料 キムリアの費用対効果評価結果に基づく価格調整について(厚労省)資料 テリルジーの費用対効果評価結果に基づく価格調整について(同)5.健康保険証の交付廃止、マイナンバーカード一体化を提案/財務省13日に、首相が議長を務める経済財政諮問会議が総理大臣官邸で開催された。参加した民間議員からは、マイナンバーカードを健康保険証として使えるようにするため、単独交付を取りやめ、マイナンバーカードへの完全な一体化を実現すべきとの提案が示された。ほかにも、企業が希望する従業員に対して「選択的週休3日制」の導入を求める提言が出された。従業員のスキルアップや多様な働き方を支援し、育児や介護との両立を後押しするのが目的で、これらを「骨太の方針」に盛り込む見込み。ただし、マイナンバーカードとの一体化により、従来の健康保険証と異なり、受領には顔写真付きの身分証明書の提示が必須になるため、認知症や身体障害者などにも対応できる自治体の体制整備が必須となる。(参考)健康保険証の交付廃止を マイナンバーカードと一体化―民間議員が提言へ・諮問会議(時事通信)経済財政諮問会議 健康保険証の単独交付取りやめ マイナンバーカードへの一体化を民間議員が提案(ミクスonline)週休3日制、環境整備議論 諮問会議(日経新聞)資料 令和3年第4回経済財政諮問会議(内閣府)

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無常と中道:認知症の人に処方され過ぎる中枢神経作動薬(解説:岡村毅氏)-1377

 たとえば90歳の軽度認知症の人から、何もかもが昔と違う、うつになってしまった、「薬をください」と切々と訴えられることがある。そして家族もまた「元気になる薬をください」「専門医でしょ」と訴えたりする。とはいえ病的な「うつ」ではない。医学や精神科への高い期待や信頼を感じる一方で、安直に薬など出しては本人を不幸にしてしまうので、なかなかつらい局面である。 さて本論文は、米国のメディケアのデータベースから、認知症をもつ地域在住の高齢者の14%が、中枢神経作動薬の多剤併用状態であるという報告だ。薬剤としては「抗うつ薬」「抗精神病薬」「ベンゾジアゼピン受容体作動薬(睡眠薬、抗不安薬)」の順で多かった。組み合わせとしては「抗うつ薬」「抗てんかん薬」「抗精神病薬」の組み合わせが多かった。 いうまでもなく、これらの多剤併用は、呼吸抑制、不整脈、転倒、認知機能低下などを起こす可能性があり望ましくない。米国は(私は生活したことはあるが臨床医をしたことはないので伝聞なのだが)簡単には処方箋を切ってくれないと聞くが、その米国ですら結構な薬が出ているのだと驚いた。わが国は、諸外国に比べると医療費は無料みたいなものだし、薬を出さないとやぶ医者だと思われる文化もかつてはあったので、おそらくもっと大量に処方されていることであろう。近年は多剤併用はこんなに怖い、といった雑誌記事を見ない日はないので、解消されつつあるのだろうか。 人間は時間的存在だとハイデガーは言ったが、生きることは加齢することでもある。年を取ることは、経験を積み、他者を知り、世界となじんでいくというプロセスと考えれば、だんだん生きることは楽になるはずだ。一方で、体力の衰え、記憶力の衰え、知人の死などは必ず起きるものであり、「うつっぽく」なる人はとても多い。これは精神異常とか精神症状とかそういうレベルではなく、生きることには楽しいこともつらいこともあるというだけの話である。 さて冒頭の90歳の人であるが、何もかもが昔と違うのは当たり前のことで、年をとると体も心も変わっていくのである、昔の肉体や心をいつまでも持ち続けることはできないのだ、それはあなたも医師も家族も同じであり、これは無常ともいうという話をさせていただいた。納得する人もいるし、納得しない人もいる。 このような人に「これは老化なのですから薬なんて絶対出しませんよ」と言い続けるのもちょっと冷たいように思う。中道を求めたい。かくいう私も、場合によっては処方することもある。さすがに老年精神医学会専門医なので本格的な向精神薬を処方するのは芸がなく、短時間精神療法と漢方などで何とかするが…。 長生きする人が増えたので、喪失や弱さと生きる機会は増えている。認知症の人の医療的意思決定においては、変数はとても多い:認知症疾患の種類および認知機能、頭蓋内の器質因、身体疾患、個人の考え方や歴史、周囲の人の考え方や歴史、置かれた社会状況、ほかに通院している医院の処方などなど。これらの変数は常に変わり続ける。昔の人はよく言ったもので、無常と中道というのはよい思考の枠組みである。 なお、認知症はせん妄や老年期のてんかんや睡眠障害を伴うことも多く、これらは致死的にもなりえるので、多剤併用も絶対にダメだというわけではない。冷静に、大局的に考えるべきだ。

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事例024 ネリプロクト坐剤の査定【斬らレセプト シーズン2】

解説事例では、初診の患者にネリプロクト坐剤に代表されるジフルコルトロン吉草酸エステル・リドカイン痔疾用坐剤(以下「これらの坐剤」)を28個処方したところ、B事由(医学的に過剰・重複と認められるものをさす)の過剰を理由に査定となりました。これらの坐剤の添付文書には、「成人には1回1個を1日2回肛門内に挿入する。本剤での治療は対症療法であるため、おおむね1週間を目処として使用、その後の継続投与については慎重に行うこと」と記載されています。「おおむね」と記載されてはいますが、初診時に7日を超える処方は想定されていないと読みます。事例の1回28個処方は、用法用量からみると14日分に相当します。初診時における限度を超えているものとして、過剰と判断されたものと推測できます。レセプトチェックシステムによる確認は、事後となります。薬剤などの確認が患者に投与した後になると、医療安全上の問題と費用の回収ができない問題が発生します。これら坐剤の処方時に、処方画面において注意を促す表示が出るよう設定を修正して、医療安全上の対策としています。

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Onco-Cardiology(腫瘍循環器学)とは【見落とさない!がんの心毒性】第1回

はじめに生活習慣の欧米化や高齢化に伴い本邦の疾病構造は大きく変化し、がんの増加と共にがんに循環器疾患を合併する患者さんが増加しています。世界的にもがん治療の進歩に伴う新しい抗がん剤の登場により循環器合併症(心毒性)の頻度が高くなり、がんと循環器の両者を診療する腫瘍循環器学(Onco-Cardiology)が注目されるようになりました。このような中、2000年に米国MDアンダーソンがんセンター循環器内科にOnco-Cardiology 外来が、本邦では2011年に大阪府立成人病センターにおいて腫瘍循環器外来を開始しました。当時、subspeciality化が進む医療現場においてニッチな学際領域であったOnco-Cardiologyは、がん治療専門施設や大学病院の循環器内科の腫瘍循環器外来として開設されました。それから約10年の歳月を経て、2020年末に日本腫瘍循環器学会の編集により「腫瘍循環器診療ハンドブック」1)が作成され、がん診療の現場での腫瘍循環器診療の標準化が始まろうとしています。しかしながら、すべてのがん診療の現場において対応するには未だ腫瘍循環器医の数は十分ではなく、がん治療の複雑化と長期化に伴う新たな心毒性の出現やがんサバイバーの増加に伴う晩期心毒性の出現など、Onco-Cardiologyにおいて新たな課題が生まれてきています。本連載は、「腫瘍循環器学:Onco-Cardiology」を初めて耳にされる方や、がん診療を行っておられる腫瘍専門医や循環器専門医の皆様で実際に心毒性のコントロールに困っておられる先生を対象に、現在第一線で腫瘍循環器診療を行っているエキスパートらが知っておいていただきたい事項の解説、具体的な症例を提示しながらOnco-Cardiologyの最新情報を紹介します。なお、本企画を連載するメンバーは、それぞれが異なった規模の医療施設において実際にOnco-Cardiologyの診療・研究を行っています。Onco-Cardiologyをできるだけ多くの読者の皆様に知っていただき、理解いただくためにも、それぞれの経験を元に最新情報を交えながらOnco-Cardiologyを紹介してまいります。掲載の都合上、不足部分については「腫瘍循環器診療ハンドブック(日本腫瘍循環器学会編集)」をお手元に置いて連載を読んでいただければ、より理解が深いものになると期待いたしております。腫瘍循環器学(Onco-Cardiology)とは従来、がんと循環器はお互いに離れた関係にあり、1970年代アントラサイクリン系抗がん剤の投与による心筋症が報告されたものの両者が触れ合う機会は決して多くありませんでした。しかしながら、21世紀を迎え分子標的薬が登場しHER2阻害薬(トラスツズマブ)心筋症などの新しい機序の心毒性が登場するようになると、循環器専門医ががん診療に介入する機会は急激に増加するようになります。(図1)に示すように新たな心毒性が出現するごとに腫瘍循環器に関連した論文数は増え、2010年以降には急速な増加を認めています2)3)。とくに血管新生阻害薬や新たな標的に対する薬剤の登場により、心筋毒性が中心であった心毒性は高血圧症や動脈・静脈血栓塞栓症などの血管毒性や不整脈関連毒性(QTc延長、心房細動、心室性頻拍症ほか)など多彩な病態を呈するようになり、循環器専門医による診療が不可欠です。さらに、免疫チェックポイント阻害薬による免疫関連有害事象(irAE)では、腫瘍循環器医のみならず内分泌内科専門医、神経内科専門医など複数の診療科が共同で診療する必要のあるような複雑な合併症を示す症例も多く認められます。(図1)腫瘍循環器学関連の論文数と循環器合併症(心毒性)の推移画像を拡大するがん診療における心血管リスクの変化がん診療は発がん前の時点から始まり、急性期がん治療期、がんの回復・寛解期、そしてがん治療が終了した後と、それぞれのステージに合わせて腫瘍専門医によるがん治療が行われます。その間、(図2)に示すように心血管リスクはがん発症前~がん治療中に出現する急性期心毒性、治療開始後から1年程度で認める慢性期心毒性、そしてがん治療が終了し数年から10年以上が経過し潜在的に進行する晩期心毒性と、各ステージにおいて、がん種のみならず患者の病態や治療内容により大きく変化しています4)。(図2)がん診療における心血管リスクと腫瘍循環器診療画像を拡大する腫瘍循環器医は、腫瘍専門医の依頼によりそれぞれのステージに合わせ診療を行い、がん治療前に患者が有する心血管リスクを層別化することでがん治療による心毒性の発症を予測します。さらに、治療前から有する生活習慣病などのリスク因子を適正化することでがん治療のリスクを軽減し、がん治療が開始した後は心毒性の早期発見、早期治療を行います。従って、急性期心毒性への対応は、腫瘍専門医を中心として外来化学療法室、薬剤師などの多くのメディカルスタッフと連携し、あくまでがん治療の継続を第一の目標としてがん患者の安全性を確保すると共にがん治療の適正化を目指します。その一方で、がん治療が終わったがんサバイバーに出現する晩期心毒性に対する対応は、長期的にわたる循環器疾患モニタリングによる継続的な循環器ケア(continuum of cardiovascular care)が必要となります。本邦ではこのがんサバイバーがすでに500万人以上とされ、現在も急速に増加しているため、腫瘍循環器外来のみならず一般の循環器外来でも診療の機会が増えています。すでにがん治療が終了したがんサバイバーにとって、晩期心毒性への対応は急性期がん治療を専門とする医療機関のみでは困難な場合が多く、腫瘍循環器医、かかりつけ医(総合内科医)、薬剤師などを含めた長期間にわたる医療連携が必要となっています。実際の医療現場では晩期合併症に対する医療リソースは決して十分ではなく、日々進歩するがん診療において今後の大きな課題となっています5)。今後の方向性がんと循環器における関係は、2017年の日本腫瘍循環器学会設立を機に、国や学会レベルでも学際領域の連携が進み、基礎・臨床・疫学研究への支援が加速しています。前述の「腫瘍循環器診療ハンドブック」により腫瘍循環器外来における基本的な治療指針が示されたことで、今まで触れることのなかった多くの医療者にもOnco-Cardiologyがより身近なものとなっています。今後、多くのエビデンスが集積されることで本邦独自の腫瘍循環器関連診療ガイドラインが作成され、がん患者へより良い治療が提供できることが期待されています。1)日本腫瘍循環器学会編集委員会編. 腫瘍循環器診療ハンドブック.メジカルビュー社. 2020.2)Barac A, et al. J Am Coll Cardiol. 2015;65:2739-2746.3)Herrmann J, et al. Nat Rev Cardiol. 2020;17:474-502.4)Okura Y, et al. Cir J 2019;83:2191-2202.5)向井幹夫. 医学のあゆみ 2020; 273:483-488.講師紹介

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ワクチン接種後アナフィラキシー発症例、その特徴は/厚労省

 2021年2月17日~4月4日までに、日本国内で新型コロナワクチン接種後のアナフィラキシーとして医療機関から報告されたのは350例。これらの事例について専門家評価が行われ、実際にブライトン分類1~3に該当しアナフィラキシーとして判断されたのは79例であった。4月9日に開催された厚生労働省第55回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会1)では、この詳細が公開された2)。現時点での報告頻度は100万回当たり72 件 350例についての専門家評価の結果、ブライトン分類1*が14件(1回目接種:14件)、2が57件(1回目接種:53件/2回目接種:4件)、3が8件(1回目接種:8件)該当したことが報告された。 ブライトン分類レベル1~3の報告頻度は79 件/109万6,698 回接種(72 件/100万回)。米国での報告(4.7件/100万回)や英国での報告(17.7回/100万回)と比較すると高いようにもみられるが、米国の医療従事者調査では247回/100万回という報告も出ており、被接種対象者の違い、報告制度の違い等の理由から、単純な比較は難しい状況にあると検討部会では位置づけている。年齢別・性別・アレルギー歴別の報告数 ブライトン分類レベル1~3に該当した79例について年齢別・性別・アレルギー歴別に報告件数をみた結果は以下のとおり。[年齢別・性別]20~29歳:15件(男性6件/女性9件)30~39歳:20件(男性2件/女性18件)40~49歳:28件(男性0件/女性28件)50~59歳:13件(男性0件/女性13件)60~69歳:3件(男性0件/女性3件)[アレルギーの既往歴別(アナフィラキシーおよび薬剤アレルギーの既往歴の有無別)]ブライトン分類レベル1:既往歴有4件/既往歴なし9件/不明1件(計14件)ブライトン分類レベル2:既往歴有23件/既往歴なし32件/不明2件(計57件)ブライトン分類レベル3:既往歴有1件/既往歴なし7件/不明0件(計8件) なお、アナフィラキシーとして報告されたほぼ全ての症例で軽快したことが判明していると報告され、各症例の転帰や転帰日のほか基礎疾患などについての情報が、資料2)にまとめられている。日本アレルギー学会の専門委員による評価結果 今回の部会では、参考人として日本アレルギー学会理事の中村 陽一氏(横浜市立みなと赤十字病院アレルギーセンター センター長)を招聘。中村氏は、日本アレルギー学会 Anaphylaxis 対策委員会での検討結果3)について報告した。この検討は、3月11日までに医療機関からアナフィラキシーとして報告された35件について行われたもの(このうちブライトン分類1~3に該当とされたのは10件)。 11名の同委員会委員によるアレルギー学会ガイドラインに基づく重症度分類で、グレード1(軽症)としての評価が最も多かった事例は16例、グレード2(中等症)としての評価が最も多かった事例は10例、グレード3(重症)が9例となった。全体として重症度は低かったことになるが、アドレナリンを中心とする治療により重症への進展を防ぐことができた症例が含まれている可能性があると指摘している。β遮断薬使用者や高血圧患者でのアドレナリン使用の注意点 アドレナリン筋注の使用に関して、報告では使用された20例中「使用は適切であった」が15例、 使用されなかった11例は全て「使用しなかったのは適切であった」という結果であった。なお、4例ではアドレナリン使用の有無に関する記載がなかった。「アドレナリンの使用に関する記載が不十分ではあったものの、その使用については概ね適切な対応がなされていたのではなかったかと推察された」とまとめられている。世界的にもアナフィラキシーガイドラインでは一般的に、「現場の医師がアナフィラキシーと判断した場合はアドレナリン筋注を実施すべきであり、適切な実施がなされなかったために致命的となるリスクは過剰使用のリスクよりもはるかに大きい」と考えられている。 委員からは、β遮断薬使用者や高血圧患者でのアドレナリン使用、高齢者での接種開始にまつわる注意点についての質問が上がった。中村氏は、「β遮断薬使用者ではアドレナリンが効かない場合が多いので、グルカゴンの使用など、通常のルールに従って行われるべきではないか」と回答。「高血圧患者に対しては、例えば血圧が200近い場合などはアドレナリンの投与に躊躇するのではないかと思う。その場合、投与量を減らすのが一般的なアナフィラキシーに対する救急の処置になる。具体的には、通常、成人には0.3mgのところを0.2mgとするなどが考えられる」と説明した。投与量が少ないためにアナフィラキシーに対する効果が薄い場合には、例えば15分後に再投与するなどの工夫が必要になるとした。そのうえで、アナフィラキシーはその場で命に関わるものであり、高血圧はアドレナリン投与の絶対的な禁忌ではないことを補足した。 また高齢者の接種開始にまつわる注意点については、「コントロール不良の喘息患者さんでは、アナフィラキシーが重症化しやすい。そして重症喘息は高齢者に比較的多いので、注意が必要」と指摘した。*:ブライトン分類については、第53回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会(2021年3月21日)配布資料「国内でのアナフィラキシーの発生状況について」9ページ目に詳細が解説されている。

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新型コロナワクチン接種、51.7%が副反応に不安/MDV

 メディカル・データ・ビジョン(MVD)は4月13日、キャンサーネットジャパン(CNJ)と共同実施した新型コロナワクチン接種に関するアンケート結果をプレスリリースした。それによると、接種を希望する患者は80.0%で、全回答者のうち51.7%は副反応に不安を抱いていることが明らかになった。 本アンケートはMDVが3月25日~4月5日(CNJは4月6日~4月12日)にウェブを通じて実施、300人から回答を得た。「ワクチン接種に関して感じている不安」について聞いた結果、副反応に関して51.7%と最も多くの人が不安を感じ、次いで、効果が11.7%、供給体制は9.7%、他疾患に対する影響は9.0%だった。 自由記述の中には、「がんの進行に影響しないか」 「抗がん剤投与と併用しても効果があるのか」「ワクチン接種前に飲んではいけない薬などあるのか」「変異種にも効果があるのか」などがあった。そのほかに「いつになったら接種できるのか」「不安材料の情報ばかり伝わってくる」など、信頼できる情報が少ないことへの不安の声も寄せられていた。 今回アンケートを行ったCNJの理事を務める後藤 悌氏(国立がん研究センター中央病院 呼吸器内科)は「ワクチン接種による副反応を気にされている方が多い印象。どのような治療にも予防にもメリットデメリットがある。新型コロナウイルスに関する大量の情報が氾濫するなかで、不正確な情報や誤った情報が急速に拡散し、社会に影響を及ぼすと言われる”インフォデミック”の状況である。不安を背景に、科学的とは言えない対策がとられていることも多いようだが、ワクチン接種においても適切な情報を入手した上で判断いただきたい」とコメントしている。

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小児のブルーライトカット眼鏡、使用を推奨せず/日本眼科学会

 2021年4月14日、日本眼科学会、日本眼科医会、日本近視学会、日本弱視斜視学会、日本小児眼科学会、日本視能訓練士協会は合同で「小児のブルーライトカット眼鏡装用に対する慎重意見」と題した声明を発表した。 近年、パソコンやタブレット端末、スマートフォンに触れる時間が長くなっている小児に対してブルーライトカットの眼鏡を奨励する動きがあるが、専門家としてこれに危惧を呈する内容となっている。その主な理由は以下のとおり。(1)デジタル端末の液晶画面から発せられるブルーライトは、曇天や窓越しの自然光よりも少なく、網膜に障害を生じることはないレベル。(2)小児にとって太陽光は、心身の発育に好影響を与える。十分な太陽光を浴びない場合、小児の近視進行のリスクが高まる。ブルーライトカット眼鏡の装用は、ブルーライトの曝露自体よりも有害である可能性が否定できない。(3)最新の米国科学誌に掲載されたランダム化比較試験では、ブルーライトカット眼鏡には眼精疲労を軽減する効果がまったくない、との報告がある1)。(4)日中にブルーライトカット眼鏡をあえて装用する有用性は根拠に欠ける。 あわせて米国眼科アカデミーのサイトにあるQ&Aが掲載され、小児はもとより成人に対してもブルーライトカット眼鏡の使用を推奨しない、目を休ませるためには頻繁に休憩をとって画面から目を離す、就寝2~3時間前からデジタル機器の使用を控えることを推奨する、等が紹介されている。

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StageIII大腸がん、FOLFOXへのセレコキシブ追加は?/JAMA

 StageIIIの大腸がん患者において、標準的な術後化学療法FOLFOXに、3年間のCOX-2阻害薬セレコキシブを追加してもプラセボとの比較において、無病生存(DFS)期間の改善について有意差は示されなかった。米国・Dana-Farber/Partners CancerCareのJeffrey A. Meyerhardt氏らが2,526例の患者を対象に行った無作為化試験「CALGB/SWOG 80702試験」の結果を報告した。これまでにアスピリンやCOX-2阻害薬は、大腸ポリープ・がんのリスク低下と関連していることが観察研究や無作為化試験で示されているが、転移のない大腸がんの治療におけるセレコキシブの効果は明らかになっていなかった。JAMA誌2021年4月6日号掲載の報告。FOLFOX 3ヵ月または6ヵ月に、セレコキシブvs.プラセボ追加 CALGB/SWOG(Cancer and Leukemia Group B(Alliance)/Southwest Oncology Group)80702は、米国およびカナダの654の地域・大学医療センターを通じ2×2要因デザイン法を用いて行われた第III相試験で、StageIII大腸がん患者の術後化学療法FOLFOX(フルオロウラシル、ロイコボリン、オキサリプラチン)へのセレコキシブ追加がDFSを改善するかどうかを検討した。 2010年6月~2015年11月に計2,526例のStageIII大腸がん患者が登録され、2020年8月10日までフォローアップを受けた。 被験者は、術後化学療法としてFOLFOX(2週ごと)を3ヵ月または6ヵ月に加えて、セレコキシブ(400mgを1日1回経口、1,263例)またはプラセボ(1,261例)の投与を受けるよう無作為に割り付けられた。 主要評価項目はDFSで、無作為化から再発または全死因死亡で評価した。副次評価項目は、全生存(OS)、有害事象、心血管特異的イベントなどであった。3年DFS率、5年OS率に有意差なし、 無作為化を受けた2,526例は、平均年齢61.0(SD 11)歳、女性1,134例(44.9%)で、2,524例が主要解析に包含された。アドヒアランス(セレコキシブまたはプラセボを2.75年超投与、もしくは再発、死亡、容認できない有害事象の発現まで治療を継続と定義)は、セレコキシブ追加群70.8%、プラセボ群69.9%であった。 追跡期間中央値6年間で再発または死亡は、セレコキシブ追加群337例、プラセボ群363例であった。3年DFS率は、セレコキシブ追加群76.3%、プラセボ群73.4%で有意差は認められなかった(ハザード比[HR]:0.89、95%信頼区間[CI]:0.76~1.03、p=0.12)。また、DFSへのセレコキシブの治療効果は、FOLFOXの割り付け投与期間にかかわらず同等であった(相互作用のp=0.61)。 5年OS率は、セレコキシブ追加群84.3%、プラセボ群81.6%であった(死亡に関するHR:0.86、95%CI:0.72~1.04、p=0.13)。 FOLFOX投与期間中の高血圧症(あらゆる重症度)の発症率は、セレコキシブ追加群14.6%、プラセボ群10.9%であり(p=0.01)、FOLFOX投与後にクレアチニン値がグレード2以上上昇したのは、セレコキシブ追加群1.7%、プラセボ群0.5%であった(p=0.01)。

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英国のEHR、COVID-19と心血管疾患の関連を解析可能なリソースに/BMJ

 イングランドではCOVID-19パンデミックを機に、研究者が全国の電子健康記録(EHR)にアクセスできるように、データリソースが改められた。パンデミック当初は認可を受けた研究者であっても、全国のEHRにアクセスはできず、医療や公衆衛生政策をサポートするための分析ができなかったからだという。データセキュリティーとプライバシーを確保し、国民の信頼を損なうことなくCOVID-19と心血管疾患に関する全国的な研究を可能とした新たなEHRのリソースについて、英国・ケンブリッジ大学のAngela Wood氏らがBMJ誌2021年4月7日号で報告している。全国民の健康関連情報にアクセス可能な、新たなデータリソースを構築 新たなデータリソースは、NHS Digitalが構築した信頼できる研究環境内で、イングランドの全健康関連施設からの個人レベルの記録にアクセスできるというものであった。具体的には、プライマリケアからのEHR、病院エピソード(入院、外来、救急救命)、死亡レジストリ、COVID-19検査施設の検査結果、地域薬局の調剤データなどであり、さらに今後は専門家による集中治療、心血管系の監査記録、病院の電子処方、COVID-19ワクチンデータを含むことが計画されており、イングランドのNHS一般開業医に登録の2020年1月1日時点で生存する5,440万人のデータが集約されるに至った。 研究グループはこの新たなデータリソースを使って、2020年1月1日~10月31日における、確認および疑われたCOVID-19診断記録、典型的な心血管症状(脳卒中または一過性脳虚血発作[TIA]および心筋梗塞)の発生、全死因死亡を評価した。心血管イベントとCOVID-19の関連はもとより幅広い研究も可能に リンクされたコホートには英国人の96%以上が含まれ、全国の健康関連施設の個人レベルのデータを集約することで、全人口の約95%の年齢、性別、民族性に関するデータを網羅できた。 脳卒中/TIAの診断歴のない5,330万人において、2020年1月1日~10月31日(評価対象期間)の初発脳卒中/TIA発症者は9万8,721人だった。そのうち30%がプライマリケアのみで記録されており、4%が死亡レジストリのみの記録だった。 心筋梗塞の診断歴のない5,320万人において、評価対象期間の心筋梗塞発症者は6万2,966人だった。そのうちプライマリケアのみで記録されていたのは8%で、死亡レジストリのみの記録は12%だった。 合計95万9,470人に、COVID-19と確認または疑いの診断記録があった(プライマリケアデータ71万4,162人、入院記録12万6,349人、COVID-19検査施設の検査データ77万6,503人、死亡レジストリの記録5万504人)。このうち58%がプライマリケアとCOVID-19検査施設の検査データ両方で記録されていたが、プライマリケアのみで記録されていたのは15%、検査施設の検査データのみで記録されていたのは18%だった。 これらの結果を踏まえて著者は、「この全国民を網羅したリソースは、主要な特性の完全性を最大化するために、また心血管イベントとCOVID-19の診断を確認するうえで、健康関連施設の個人レベルのデータを結び付けることの重要性を示すものであった」と述べるとともに、「今回構築したリソースは当初、COVID-19と心血管疾患の研究をサポートし、臨床ケアと公衆衛生に利益をもたらすことや医療政策への情報提供のために開発されたが、さらに幅広い研究を可能とするだろう」とまとめている。

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うつ病患者の睡眠に対する運動の影響~メタ解析

 不眠症は、うつ病の発症、経過、再発を予測する因子である。しかし、うつ病における不眠症治療オプションに関するシステマティックレビューは十分に行われていなかった。スイス・バーゼル大学のGavin Brupbacher氏らは、うつ病患者の睡眠に対する運動療法の影響を調査するため、メタ解析を実施した。Sleep Medicine Reviews誌オンライン版2021年1月23日号の報告。 7,725件をスクリーニングし、13種類の治療にランダム化された17研究(1,645例)を定量的合成に含めた。 主な結果は以下のとおり。・ネットワークメタ解析では、受動的なコントロール条件と比較し、中程度の有酸素運動を除くすべての運動介入は、有意に良好な睡眠アウトカムをもたらした。・通常治療と比較し、有意に良好な効果が認められた運動介入は以下のとおりであった。 ●通常治療と心身運動介入の併用(SMD:-0.46、95%CI:-0.80~-0.12) ●激しい筋力運動介入(SMD:-0.61、95%CI:-1.12~-0.10)・ペアワイズメタ解析では、受動的なコントロール条件と比較し、心身運動介入が有益な効果を持っていることが示唆された(SMD:-0.54、95%CI:-0.85~-0.23)。・ネットワークメタ解析は、統計学的に強い頑健性が認められ、不均一性、一貫性の欠如、間接性は低かった。・主に研究内バイアスの影響により、調査結果の信頼度は、中程度~非常に低いであった。 著者らは「本研究は、うつ病患者の睡眠の質を改善するための運動介入の有効性を評価した最初のネットワークメタ解析である。うつ病治療において、運動療法の併用は有用であることが確認された。この結果は、臨床医がエビデンスに基づいた治療を決定するうえで役立つであろう」としている。

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