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ちびまる子ちゃん(続編)【その教室は社会の縮図? エリート教育の危うさとは?(社会適応能力)】Part 2

学校環境は性格にどれくらい影響を与えるの?エリート教育のリスクとは、勉強以外が軽視されること(消極性)、うまく行かない状況が軽視されること(ストレス脆弱性)、自分たち以外が軽視されること(排他性)であることが分かりました。それでは、いったい学校環境は性格にどれくらい影響を与えるのでしょうか? その程度と根拠を行動遺伝学的に掘り下げてみましょう。なお、行動遺伝学の基本知識については、関連記事2をご覧ください。まず、どの性格の特性(ビッグ・ファイブなど)の研究においても、遺伝、家庭環境、家庭外環境の影響度は、概ね50%:0%:50%であることが分かっています。つまり、性格に影響があるのは、遺伝と家庭外環境であることが分かります。逆に、家庭環境の影響の違いはないことが分かります。なお、性格に、家庭環境の影響の違いがないことは驚きです。この原因については、性格を非認知能力に置き換えて、癖になりやすさ(嗜癖性の強さ)の観点から、関連記事3で詳しく解説しています。さらに、性格への影響度について、児童期、青年期、成人期の各年齢でそれぞれ分けて見てみると、児童期は70%:0%:30%、青年期は50%:0%:50%、成人期は40%:0%:60%となります。つまり、年齢が上がっていくにつれて、遺伝の影響は70%→50%→40%とどんどん減っていく一方、家庭外環境の影響は30%→50%→60%とどんどん増えています。なお、家庭環境の影響は0%→0%→0%と影響度は見られません。家庭外環境の影響度は、児童期から青年期にかけて急増する一方、成人期以降は一気に鈍化しています。このことから、児童期から青年期に多くの時間を過ごす学校環境は経時的に遺伝を上回り性格に影響を与えていると結論付けることができます。これは、従来から発達心理学で指摘されている「ギャング・エイジ」(仲間時代)を裏付けます。そして、成人すると性格形成の可塑性がなくなるというパーソナリティ特性の定義を裏付けます。この点で、青年期が終わる20歳までが、性格形成の臨界期と言えるでしょう。逆に言えば、臨界期がないとしたら、自分はこういう人間であるというアイデンティティ(性格)が定まらず、そして相手とはこういう人間であるという他者のアイデンティティ(性格)も定まらず、人間関係(社会環境)を安定して築いていくのが難しくなってしまうでしょう。ちなみに、学力(認知能力)への家庭外環境の影響度については、児童期25%→青年期30%→成人初期20%と大きな変化はありません。むしろ、学力(認知能力)に影響を与えるのは、年齢が上がれば上がるほど遺伝になることが分かっています。つまり、学校環境は、学力よりも圧倒的に性格に影響を与えていると結論付けることができます。そして、エリート教育(学校環境)は、そのベネフィットとされていた学力(認知能力)への影響力が思ったほどなく、むしろ自己愛性パーソナリティになるリスクを高めているだけという可能性も出てきます。なお、認知能力への遺伝、家庭環境、家庭外環境のそれぞれの影響度の詳細については、関連記事4をご覧ください。家庭環境ではなく学校環境で高まる心理は?性格に影響を与えるのは、家庭環境ではなく、学校環境であることが分かりました。それでは、家庭環境になく学校環境にあるもの、つまり家庭環境ではなく学校環境で高まる心理とは何でしょうか? その心理を大きく3つ挙げてみましょう。(1)相手にしてほしいという好奇心―快感1つ目の心理は、相手にしてほしいという好奇心です。これは、友達をはじめとしていろいろな人と仲良くなる状況によって、ドパミンが活性化して得られる快感です(社会的報酬)。ひと言で言うと「人好き」になることです。これが、「世間慣れ」(自発性)を高めます。つまり、「出会いが人をつくる」と言えます。この心理は、新しい出会いの刺激(嗜癖性)がない家庭環境では高まりません。ちなみに、この心理が高まり過ぎたのが、好かれることにハマってしまう状態(共依存)です。この詳細については、関連記事5をご覧ください。(2)相手にされないという恐怖心―不安2つ目の心理は、相手にされないという恐怖心です。これは、仲違いや仲間外れなど友達が自分を受け入れてくれない状況によって、セロトニンが不活性化して得られる不安です(社交不安)。この不安への曝露が、「ストレス慣れ」(セルフコントロール)を高めます。つまり、「ストレスが人をつくる」と言えます。昨今、このメカニズムは、ストレス関連成長(SRG)と呼ばれています。これは、むしろほどほどのストレスが人間的成長を促すという考え方です。この心理は、人間関係のストレスの刺激がない(ストレス耐性ができない)家庭環境では高まりません。ちなみに、この心理が高まり過ぎたのが、気を使い過ぎてしまう状態(過剰適応)です。この詳細については、関連記事6をご覧ください。(3)相手にされているという連帯感―同調3つ目の心理は、相手にされているという連帯感です。これは、いろいろな友達と一緒にいて同じことをする状況によって、オキシトシンとドパミンが連動的に活性化して得られる同調です。これが、「弱者慣れ」(共感性)を高めます。つまり、「つながりが人をつくる」と言えます。この心理は、友達とずっと一緒にいるという刺激(嗜癖性)がない家庭環境では高まりません。ちなみに、この心理が高まり過ぎたのが、いじめ被害者が罪悪感を抱くこと(ストックホルム症候群)です。この詳細については、関連記事7をご覧ください。<< 前のページへ | 次のページへ >>

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ちびまる子ちゃん(続編)【その教室は社会の縮図? エリート教育の危うさとは?(社会適応能力)】Part 3

なんで性格は「ある」の?家庭環境ではなく学校環境で高まる心理は、相手にしてほしいという好奇心(快感)、相手にされないという恐怖心(不安)、相手にされているという連帯感(同調)であることが分かりました。そして、これらの心理が、「世間慣れ」(自発性)、「ストレス慣れ」(セルフコントロール)、「弱者慣れ」(共感性)という非認知能力を高め、性格に影響を与えることが分かりました。それでは、そもそもなぜ性格は「ある」のでしょうか? その答えを、心の進化の歴史から掘り下げて見ましょう。約700万年前に人類が誕生し、約300万年前に家族をつくり、さらにその血縁から部族をつくるようになりました。この時、部族(社会環境)の中で狩りや子育てのためにお互いに協力し合うように進化しました(社会脳)。たとえば、それが、周りの人とうまくやっていくために自分で考えて行動すること(自発性)、周りの人に対して自分を落ち着かせること(セルフコントロール)、周りの人と心を通わせること(共感性)などの非認知能力です。そして、この非認知能力を高めた「性格」の人類が、より生き残り、より子孫を残したでしょう。つまり、性格はただ「ある」のではなく、生存と生殖のために「ある」のです。これが、なぜ性格が「ある」かの答えと言えるでしょう。そもそも性格とは?進化心理学的に考えると、性格は、人類が社会環境の中で生存と生殖の適応度を上げるために「ある」ことが分かりました。つまり、性格とは、社会適応するための機能であり、非認知能力と同じ「能力」であると言えます。その能力を名付けるなら、社会適応能力です。逆に言えば、この社会適応能力を、私たちが「性格」と定義し、その評価尺度をつくっただけに過ぎないとも言えます。そう考えれば、性格に家庭環境の影響に違いがないのは何も不思議なことではないことが分かります。性格を機能として見ると、性格とは、家庭環境の刺激にある程度一様に反応した非認知能力を基盤として(家庭環境の影響の違いはないながら)、さらに特定の学校環境(家庭外環境)の刺激に多様に反応したそれぞれの非認知能力の高まり具合(または高まらない具合)のバリエーションの結果であると言えるでしょう。そもそも、家庭環境は、親などの家族から無条件に守られているため、家庭環境だけでは社会適応能力としての性格を形成することができないとも言えます。逆に、教育虐待を含むマルトリートメント(不適切な子育て)は、無条件に守られていない家庭環境である点で、「マルトリートメント適応能力」が高まってしまいます。その分、社会適応能力が偏って高まるリスクがあるとも言えます(代償性過剰発達)。ということは、逆に、学校環境(社会環境)にいながら人間関係が抑制されたエリート教育のような特殊な状況においては、「エリート適応能力」が高まってしまう分、社会適応能力が必ずしも高まらないリスクがあるというわけです。これが、先ほどにもご紹介した自己愛性パーソナリティ障害です。なお、現時点で、エリート教育と自己愛パーソナリティ障害の因果関係を明らかにした研究はあまり見当たりません。しかし、エリート意識という言葉があるように、エリートならではの認知の偏り(自己愛性パーソナリティ)があるのは明らかでしょう。この傍証として、児童期・青年期の性格への家庭外環境の影響力が挙げられるのです。ちなみに、この自己愛性パーソナリティをはじめとして、最初にご紹介した性格の分類におけるキャラクターたちは、社会適応能力が偏ることに伴い、それぞれの性格の特性が顕在化していることが分かります。じゃあどんな学校がいいの?エリート教育のリスクを踏まえて、その性格形成への影響を掘り下げました。それでは、どんな学校が良いのでしょうか? その答えは、その学校が社会の縮図であるような、ほどほどに良い学校です。そんな学校が、社会適応のための性格という「能力」をバランス良く高めるでしょう。その点で、いくらエリート教育にリスクがあるからと言って、学級崩壊をしている学校に無理に通う必要もありません。そこは、エリート学校と同じく、もはや社会の縮図ではないため、転校を検討するべきでしょう。この「ほどほどに良い」という言い回しは、完璧な子育てを目指さない「グッド・イナッフ・マザー(ほど良い母親)」という発達心理学の用語に重なります。つまり、学校に置き換えると、完璧な教育を目指さない「グッド・イナッフ・スクール」です。なぜなら、それが結果的に、最適な子育てと同じように、最適な教育になるからです。ちびまる子ちゃんの教室のように、そこにはいろんなクラスメイトがいたほうが良いです。極端な話、変わった(性格に偏りのある)教師がいても良いです。なぜなら、世の中にはそんな人がいるからです。なお、「グッド・イナッフ・マザー」の詳細については、関連記事3をご覧ください。もちろん、これは、ちびまる子ちゃんたちがいる小学校の話です。中学校になると、エリート教育を受けるかはもはや本人の意思です。そして、その決断を強いるのではなく、ほど良くサポートすることが、「グッド・イナッフ・マザー」であり、その子どもがほど良く希望して進む学校が「グッド・イナッフ・スクール」と言えるのではないでしょうか? さらに、そうする子どもが大人になって人生にほど良く幸せを感じることができるのではないでしょうか?1)ちびまる子ちゃん大図鑑DX:フジテレビ、扶桑社、20152)DSM-5(精神疾患の分類と診断の手引)、アメリカ精神医学会、医学書院、20143)「心は遺伝する」とどうして言えるのか:安藤寿康、創元社、2017<< 前のページへ■関連記事そして父になる(続編・その1)【英才教育で親がハマる「罠」とは?(教育虐待)】Part 1そして父になる(続編・その2)【子育ては厳しく? それとも自由に? その正解は?(科学的根拠に基づく教育(EBE))】Part 1そして父になる(続編・その2)【子育ては厳しく? それとも自由に? その正解は?(科学的根拠に基づく教育(EBE))】Part 3そして父になる(続編・その2)【子育ては厳しく? それとも自由に? その正解は?(科学的根拠に基づく教育(EBE))】Part 2だめんず・うぉ~か~【共依存】Mother(前編)【過剰適応】美女と野獣【実はモラハラしていた!? なぜされるの?どうすれば?(従う心理)】

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第96回 医学部入試差別が解消しても、解決しない女性医師の「二重負担」問題

2021年度の医学部入試では、女性受験者の合格率が男性を上回った。男女別の合格率の公表を始めた2013年度以降、初めてとなる。東京医科大学をはじめとした医学部入試差別の社会問題化や、文部科学省が男女別合格率の毎年公表に踏み切ったことなどが、女性差別のない公正な入試の実施を後押ししたと思われる。医学部入試差別に潜む性別役割分業意識ただ、入試差別の要因である出産・育児による女性医師離職の背景には、過労死ラインを超えるような医師の過酷な働き方や、日本社会に根強い「男は仕事、女は家庭」という性別役割分業がある。入試差別が解消されても、女性医師の働き方が改善されたり性別役割分業が解消されたりしない限り、根本的な解決にはなり得ない。医学部入試差別問題が発覚した際、「女性医師が増えると(産休・育休・時短勤務が増えて)現場が回らない」という声があった。仕事と家事の「二重負担」を抱えている女性医師にとっては、理不尽で無慈悲な言葉に聞こえたことだろう。家事は女性医師が2時間以上、男性医師は30分未満全国保険医団体連合会(保団連)は医師・歯科医の開業会員を対象に「開業医の実態・意識基礎調査」を実施、約2,600人から回答を得た。2月9日に公表された調査結果によると、女性医師では半数が平日でも2時間以上の家事・育児・介護を行っていたのに対し、男性医師は半数が「0~30分未満」だった。実労働時間を見ると、9時間以上の割合は男女で差はなく、夫婦共に医師または歯科医師の場合でも、平日家事時間は女性のほうが圧倒的に多いという結果が出た。調査結果を詳しく見てみる。「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方については、医科・歯科共に反対意見が賛成意見を上回った。男女別に見ると、女性は医科で70.9%、歯科で62.8%が反対だったが、男性は医科で41.5%、歯科で37.6%にとどまった。1日の家事・育児・介護時間(平日)は、男性は医科で46.6%、歯科で39.5%が「0~30分未満」で最多だったのに対し、女性は医科で45.2%、歯科で38.8%が2時間以上だった。夫婦共に医師・歯科医師の場合、家事・育児・介護時間(平日)を見ると、男性は「0~30分未満」が34.2%で最多、女性は「2~4時間未満」が39.3%と最も多く、同じ医師・歯科医師でも男女で家事などの時間に大きな差があることがわかった。女性医師は「二重負担」に耐えるか、低評価に甘んじるかの二者択一実労働時間を男女別に見ると、女性は「7時間未満」の割合がやや高いが、「9時間以上」は医科・歯科共に差はなかった。一方、フルタイム勤務(実労働時間7時間以上)での家事などの時間(平日)を見ると、男性は医科で47.0%、歯科で39.2%が「0~30分以内」とそれぞれ最多だったのに対し、女性の最多は医科で「2~4時間」(37.8%)、歯科で「1~2時間」(28.3%)だった。家事と仕事の時間を合わせると、女性に多くの負担がかかっていると言える。女性に家事などの負担がのしかかる状況では、女性医師は過酷な医師の仕事と家事労働の二重負担に耐えるか、「男並みの仕事ができない」という評価に甘んじるかの、悪しき二者択一になってしまっている。この結果に対し、保団連女性部は「男女共に人間らしく働ける医療現場の実現を目指して、医師数の増員と、医療界の性別役割分業意識の解消を求める」との声明を発表した。男女格差、世界120位の恥ずかしい現状世界経済フォーラムの「男女格差報告書(ジェンダー・ギャップ指数)2021」では、日本はなんと156ヵ国中120位で、下から数えたほうが早いくらいの順位だった。主要7ヵ国(G7)では最下位だ。1位は12回連続でアイスランド。2位フィンランド、3位ノルウェーと北欧諸国が上位を占めた。米国は30位、アジアでは韓国が102位、中国は107位だった。ちなみに最下位はアフガニスタンだ。ようやく医学部受験を巡る性差別にメスが入った段階の日本。ただ、医学部が変わるだけでなく、現場の医師や社会全体の意識も変わらなければ、医療界における女性差別の解消はまだまだ遠い道のりだろう。

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中年期女性の血管運動神経症状に関連する不眠症に対するスボレキサントの効果

 神経ペプチドオレキシンは、覚醒促進、温度調節、閉経後に増加、女性に対しエストロゲン療法により正常化することから、血管運動神経症状(VMS)関連の不眠症治療においてオレキシン拮抗作用が重要な役割を果たしていることが示唆されている。米国・ハーバード大学のShadab A. Rahman氏らは、夜間のVMSに関連する慢性不眠症に対するデュアルオレキシン受容体拮抗薬スボレキサントの有効性について評価を行った。Sleep誌オンライン版2022年1月11日号の報告。 夜間のVMS、不眠症重症度尺度(ISI)スコア15以上、日誌による入眠後覚醒30分超を有する慢性不眠症の女性患者56例を対象に二重盲検プラセボ対照ランダム化試験を実施した。対象患者は、スボレキサント群(10~20mg)27例またはプラセボ群29例にランダムに割り付けられ、4週間就寝前経口投与を行った。個人内のISIスコアの変化についての分析では、ベースライン時のISIと人種を考慮し、調整を行った。 主な結果は以下のとおり。・ベースライン時の平均ISIスコアは、スボレキサント群で18.1(95%信頼区間[CI]:16.8~19.4)、プラセボ群で18.3(95%CI:17.2~19.5)であった(p=0.81)。・スボレキサント群のベースラインから4週間後における個人内の平均ISIスコアの変化(-8.1、95%CI:-10.2~-6.0)は、プラセボ群(-5.6、95%CI:-7.4~-3.9)と比較し、減少が認められた(p=0.04)。・スボレキサント群の夜間VMSの頻度(日誌で評価)は、プラセボ群と比較し、有意な減少が認められた(p<0.01)。・入眠後覚醒と総睡眠時間については、スボレキサント群で改善傾向が認められたが、多重比較の調整後、有意な差は認められなかった。・日中VMSおよびその他の睡眠関連アウトカムについては、両群間で差が認められなかった。・スボレキサント群の忍容性は良好であった。 著者らは「スボレキサントは、VMS関連の不眠症に対し、忍容性が高く、効果的な治療薬であり、夜間VMSを低下させる可能性が示唆された。オレキシン受容体の拮抗作用は、VMS関連の慢性不眠症を有する女性に対する新規治療オプションとなりうる可能性がある」としている。

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ペイシェントハラスメントが5年で20%も増!?どんな対策してる?

 身勝手な患者による極悪非道な事件が昨年12月から2件も立て続けに発生したことを受け、CareNet.comでは各施設での患者からの迷惑行為(ペイシェントハラスメント1))対応策についてアンケート調査を実施した。本サイトでは2017年にも同様のアンケートを実施しており、両者の結果を照らし合わせると、なんとこの5年間でペイシェントハラスメントを受けた医師が20%も増加していることがわかった。また、2017年時点でペイシェントハラスメント対応マニュアルやガイドラインを設けている施設は30%超だったが、現在はどうなのだろうか。ペイシェントハラスメントを7割が経験、患者本人やその家族から Q1『ペイシェントハラスメントを受けたことがありますか?』との問いには、勤務医、開業医ともに7割もの人が「はい」と回答。年代別に見ると、40代の中堅医師が最も多く(81%)、次いで30代が72%も経験していた。一方、50代以降になると63~68%とペイシェントハラスメント経験はやや低下傾向だった。 続いて、Q2『誰にハラスメントされましたか?』については、患者本人からが3割、本人以外(家族、知人・友人、会社同僚など)からも3割が受けていた。患者本人からのハラスメントを受けたのは20代(59%)が突出して多かった。 さらにアンケートによると、2件の事件によって4割超の医師が影響を受け、その多くがペイシェントハラスメントの対策やマニュアルの再確認を行ったと回答している。 主なペイシェントハラスメント対応策は以下のとおり。<<ペイシェントハラスメント対応策>>・診察室には患者の目の前に警察の電話番号を掲示してしておく(60代、皮膚科)・ボイスレコーダー(60代、小児科)・紹介状に”大変神経質な方です”と書く(40代、皮膚科)・患者さんとは違う逃げ道[避難通路]を作る(60代、精神科/心療内科)・法人関連にて、各医療機関の診察券を共通化し、非常識な患者さんを当法人は何処でも受診拒否出来るようにしている(50代、内科)・タクティカルペン[護身具としての機能を持つペン]を常備(60代、その他)ペイシェントハラスメントから医療者を守るマニュアル ペイシェントハラスメントをする患者を、モンスターペイシェント(MP)と呼ぶこともある。これについて、医療従事者のためのモンスターペイシェント対策ハンドブック(執筆:滝川 稚也医師、編者:JA徳島厚生連 阿南共栄病院 教育委員会)2)では『病院の一般的なルールに沿って診療行為ができない患者』と定義付けている。なお、本書ではMPを3グループに分類している。1)職業的なMP 交渉を有利に進めるための手段のひとつとして、暴力を一つのリソースとして確信犯的に日常的に使うヒト ※暴力的行為による利益獲得が目的2)メンタルヘルス的な問題を抱えた患者 疾患のため社会的な適応能力が低下し、表現方法のひとつとして、暴力的な行動をとってしまうヒト ※障害・疾患や薬物・飲酒に起因3)ごく普通の患者 ごく普通の患者が、些細な意思疎通の手違いのため、本来はそういうヒトではないのに暴力という手段を使ってしまうヒト さらにこの書籍によると、このような患者対応を「個人の力量に任せるのではなく、組織全体で解決することが重要」ということにも触れていた。ところが、実際のアンケート結果を見ると、Q5『ハラスメントを受けた際、どのように対応しましたか?』(勤務医のみ、Q1で「はい」と回答した350人)では、53%は「上長らに相談」しているが、35%は「独断で対応した」と回答していた。年齢別にみると、50代が最も多く、責任者や部長という立場が影響しているのかもしれない。また、上記回答者の半数以上が外来診察室でペイシェントハラスメントを受けているという結果からも、上級医であったとしても、問題を抱え込まずに周囲のスタッフと連携して対応する必要があるかもしれない。 一方で、開業医の“モンスターペイシェント”対策状況を見ると、患者からのハラスメントを受けている医師が7割もいたにもかかわらず、ペイシェントハラスメント対策のためのマニュアルを用意していたのは、なんと1割強に留まった。また、開業医の4割はペイシェントハラスメントに遭遇した際にすぐに相談できる相手がいないことも明らかになった。 なお、今回の事件を受け、日本在宅医療連合学会では、今年7月に開催される大会において大会長の谷水 正人氏(四国がんセンター院長)の提案により、シンポジウム「在宅医療・ケア関係者の安全確保、訪問員を守る対策」が開催される予定だ。 現時点では、医療者をペイシェントハラスメントから守るマニュアルは各施設で制作するしか手立てがなく、開業医にとってはややお手上げ状態だが、今後、各学会で医療者を守るための方策が進められるかもしれない。患者に寄り添いひたむきな姿勢が評判だった2名の医師への哀悼の意を表するとともに、同様の事件を繰り返さないためにも本アンケートが少しでも現場の医師・医療者のお役に立てることを願って止まない。アンケート結果の詳細は以下のページに掲載中『患者の迷惑行為、勤務医/開業医の対応法は?』<アンケート概要>●タイトル:“モンスターペイシェント”からの迷惑行為、どんな対策してますか?●内容:医療者が巻き込まれる事件が相次いでいることを受け、病院・クリニックが取り組んでいる患者の迷惑行為対策、診療に対する心境の変化などを調査●実施期間:2022年2月1日(火)~2日(水)●調査方法:インターネット●対象:会員医師 1,000人(開業医:500人、勤務医:500人)

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ニボルマブ+カボザンチニブ、腎細胞がん1次治療の2年間追跡で持続的な生存ベネフィットを示す(CheckMate-9ER)/BMS

 ブリストル・マイヤーズ スクイブとExelixis社は、2022年2月14日、第III相CheckMate -9ER試験の2年間の追跡調査の解析結果を発表した。同解析では、進行腎細胞がん(RCC)のファーストライン治療において、ニボルマブとカボザンチニブの併用療法が、スニチニブと比較して、持続的な生存および奏効ベネフィット、並びに健康関連の生活の質(HRQOL)の改善を示した。 これらの最新のデータは、米国臨床腫瘍学会(ASCO)2022年泌尿器がんシンポジウムのポスタープレゼンテーションで発表される。 全患者集団の結果は以下のとおり。・OS:OSの最終解析では、ニボルマブとカボザンチニブの併用療法群は、スニチニブ群と比較して、引き続き、OSの中央値(併用療法群37.7ヵ月 vs.スニチニブ群34.3ヵ月)で意義のある改善を示し、死亡リスクを30%低減した[ハザード比(HR):0.70、95%信頼区間(CI):0.55~0.90]。・PFS:PFSベネフィットは維持され、併用療法群はスニチニブ群と比較して、PFS中央値を2倍に延長した(併用療法群16.6ヵ月 vs.スニチニブ群8.3ヵ月、HR 0.56、95%CI:0.46〜0.68)。・ORRおよびDOR:ORRベネフィットは維持され、併用療法群は、スニチニブ群と比較して、2倍近くのORRを示した(55.7%vs.28.4%)。DOR中央値は、スニチニブ群の15.1ヵ月と比較して、併用療法群で23.1ヵ月であり、奏効期間もより持続的であった。・CR:CR率は、併用療法群で12.4%、スニチニブ群では5.2%であった。・安全性:全Gradeの治療関連有害事象(TRAE)が、併用療法群(320例)の97.2%、スニチニブ群(320例)の93.1%に認められた。Grade3以上のTRAEは、併用療法群で60.5%%、スニチニブ群で54.1%であった。

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コロナワクチン有効性、4ヵ月超で明らかに低下/Lancet

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンを2回接種後、日数経過によりワクチン有効性は低下し、その低下速度はワクチンの種類によって異なることが示された。スウェーデン・Umea大学のPeter Nordstrom氏らが、84万人超のワクチン接種者と、同数のマッチングコントロールについて後ろ向き全住民コホート試験を行い明らかにした。ChAdOx1 nCoV-19(Oxford-AstraZeneca製)、mRNA-1273(Moderna製)、BNT162b2(Pfizer-BioNTech製)の2回接種後、症状の程度を問わない新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染に対するワクチン有効性は、BNT162b2は4~6ヵ月で47%に減少、7ヵ月後には有意な有効性が認められなかったが、mRNA-1273では6ヵ月以降も59%を維持していた。入院や死亡などを伴う重症COVID-19に対する予防効果は、いずれかのワクチンとも2回接種後、比較的長期にわたり維持されてはいたが、4ヵ月以降は64%と明らかな低下が認められ、著者は「今回の結果は、エビデンスに基づく3回目のブースター接種に関する根拠を強化するものである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2022年2月4日号掲載の報告。感染予防と重症化予防効果の減少について検証 研究グループは、スウェーデンの全国登録名簿を基に、COVID-19ワクチン、ChAdOx1 nCoV-19、mRNA-1273、BNT162b2のいずれかの2回接種者と、ワクチン未接種者のマッチングコントロール試験を行い、2021年10月4日まで追跡した。 評価アウトカムは2つで、(1)2021年1月12日~10月4日の重症度を問わないあらゆるSARS-CoV-2感染、(2)2021年3月15日~9月28日の重症COVID-19(COVID-19による入院またはSARS-CoV-2感染確定後の30日全死因死亡で定義)とした。ChAdOx1 nCoV-19ワクチン、接種後4ヵ月超の予防効果認められず 2020年12月28日~2021年10月4日に、COVID-19ワクチン2回接種者84万2,974例と、同数のマッチングコントロールについて分析を行った。 あらゆる重症度のSARS-CoV-2感染に対するワクチン有効性は、BNT162b2では接種から日数の経過に従い低下し、接種後15~30日で92%(95%信頼区間[CI]:92~93、p<0.001)、121~180日で47%(39~55、p<0.001)、211日以降で23%(同:-2~41、p=0.07)だった。 mRNA-1273の同有効性の低下はやや緩やかで、接種後15~30日で96%(95%CI:94~97、p<0.001)、181日以降で59%(18~79、p=0.012)だった。ChAdOx1 nCoV-19とmRNA-1273のそれぞれ1回接種群でも同有効性の低下はやや緩やかで、接種後15~30日で89%(79~94、p<0.001)、121日以降で66%(41~80、p<0.001)だった。 対照的にChAdOx1 nCoV-19については、接種後15~30日のワクチン有効性は68%(95%CI:52~79、p<0.001)で、121日以降は有効性を検出できなかった(有効性:-19%、95%CI:-98~28、p=0.49)。 重症COVID-19に対する全種ワクチンの有効性は、接種後15~30日は89%(95%CI:82~93、p<0.001)であったものから、121日以降は64%(同:44~77、p<0.001)に低下していた。 また、全体として女性よりも男性のほうがワクチンの有効性は低く、若年者よりも高齢者のほうがワクチン有効性が低いとのエビデンスも認められた。

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日本人重症脳梗塞、血管内治療+薬物療法は薬物療法単独より有益/NEJM

 日本で行われた試験で、主幹動脈閉塞を伴う梗塞が大きい患者に対する血管内治療と薬物療法の併用は薬物療法のみに比べ、90日アウトカムが良好であり、修正Rankinスケールスコア0~3の患者の割合が約2.4倍に上ることが示された。頭蓋内出血の発生率は、血管内治療併用群で高率だった。兵庫医科大学の吉村 紳一氏らが、国内203例の患者を対象に行った無作為化比較試験の結果を報告した。急性虚血性脳卒中に対する血管内治療は、梗塞が大きい場合は一般的に回避されるが、これまで薬物療法単独と比較した血管内治療の効果について、十分な検討は行われていなかった。NEJM誌オンライン版2022年2月9日号掲載の報告。ASPECTS評価で3~5の患者を対象に試験 吉村氏らは、主幹動脈閉塞があり、画像上かなり大きな脳卒中が認められる、ASPECTS(Alberta Stroke Program Early Computed Tomographic Score)評価で3~5の患者を対象に、日本国内で多施設共同非盲検無作為化比較試験を行った。 被験者を無作為に2群に分け、症状が認められてから6時間以内またはFLAIR画像で早期の変化が認められない場合には24時間以内に、一方の群には血管内治療と薬物治療を(血管内治療群)、もう一方の群には薬物治療のみを行った(対照群)。両群に対し、必要に応じてアルテプラーゼ(0.6mg/kg)を投与した。 主要アウトカムは、90日後の修正Rankinスケールスコア0~3とした。副次アウトカムは、90日後の同スコア改善の大きさと、48時間後のNational Institutes of Health Stroke Scale(NIHSS)スコアの8ポイント以上の改善であった。NIHSSスコア8ポイント以上改善、血管内治療群31%に対し対照群9% 計203例の患者が無作為化を受けた(血管内治療群101例、対照群102例)。アルテプラーゼを投与した患者は両群ともに約27%だった。 90日後の修正Rankinスケールスコア0~3の該当被験者割合は、血管内治療群31.0%、対照群12.7%だった(相対リスク:2.43、95%信頼区間[CI]:1.35~4.37、p=0.002)。 スコア別にみた修正Rankinスケールスコアの改善は、全般的に血管内治療群のほうが良好だった。 48時間後にNIHSSスコアの8ポイント以上改善が認められたのは、血管内治療群31.0%、対照群8.8%だった(相対リスク:3.51、95%CI:1.76~7.00)。あらゆる頭蓋内出血の発生は、それぞれ58.0%、31.4%に認められた(p<0.001)。

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低体温療法、冬の時代(解説:香坂俊氏)

低体温療法に関してはネガティブな結果の臨床試験の発表が続いている。以前取り上げたTTM2試験(「Question the Status Quo―ACLSの「常識」に挑んだ臨床試験」)において、院外心肺停止症例に関してtargeted hypothermia DID NOT lead to a lower incidence of death by 6 months than targeted normothermiaという結果が得られ、今回のHYPO-ECMO試験において対象とされたVA-ECMOを要した心原性ショック患者においても、early application of moderate hypothermia for 24 hours DID NOT significantly increase survival compared with normothermiaという結論となった。ただ、TTM2試験が、院外心肺停止症例に関して決定的ともいえる症例数(1,900例)をランダム化して半年間追跡したのに対し、このHYPO-ECMO試験の登録は374例にとどまり、かつ院内予後のみの評価しか行っていない。論文の結語の中にも、症例数の限界があるため有効な結論を出せない状況であるとの記載がなされている(these findings should be considered inconclusive)。心原性ショックは、循環器内科を専門とする者にとって苦い思いをさせずにはいられない疾患である。なかなか画期的な進歩がないまま20年が経過しようとしているが(SHOCK Trialによって急性心筋梗塞例で早期再灌流が良いとされたのが、最後のGood Newsではなかったか?)、今回のこのHYPO-ECMOの結果を踏まえ、より大規模なRCTが組まれるものと考えられるが、そこに期待をかけたい。

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第96回 2022年診療報酬改定の内容決まる(前編)オンライン診療初診から恒久化、リフィル処方導入に日医が苦々しいコメント

中医協総会で診療報酬改定の答申行われるこんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。この連休は気心が知れた山仲間数人で、八ヶ岳の東天狗岳に渋の湯、黒百合ヒュッテ経由で登ってきました。前日までの降雪でいい具合の積雪となった八ヶ岳は、待ってました!とばかりに登山者も多く、頂上直下は行列もできるほどでした。とはいえ厳冬期の八ヶ岳、1月には遭難も起こったルートです。極寒の中、程よいスリルと緊張感を味わって無事下山しました。さて、2月9日の中央社会保険医療協議会(中医協)総会で、2022年度診療報酬改定の答申1)が行われ、項目の詳細と点数が明らかになりました。今回の診療報酬改定、ニュースなどでは不妊治療(体外受精、顕微授精など)の保険適応が着目されていますが、ここではこのコラムでも触れてきた政策的な意味合いが大きいいくつかの項目について、その内容を見てみたいと思います。看護職員の処遇改善でプラス0.2%、不妊治療の保険適用でプラス0.2%今回の診療報酬改定率は、「第92回 改定率で面目保つも「リフィル処方」導入で財務省に“負け”た日医・中川会長」でも書いたように、医師らの人件費などにあたる「本体」部分を0.43%(国費で3,000億円相当)引き上げる内容となりました。このうち、看護職員の処遇改善でプラス0.2%、不妊治療の保険適用でプラス0.2%相当分の財源を使うことになります。一方で、リフィル処方箋の導入・活用促進でマイナス0.1%、小児の感染防止対策に係る加算措置(医科分)の期限到来でマイナス0.1%の医療費低減を見込みます。結果、実質的な本体の増分はプラス0.23%とされています。なお看護職員の処遇改善は、2022年2~9月までは2021年12月20日に成立した2021年度補正予算で賄い、2022年10月以降に診療報酬で対応することになっています。財源的には0.2%分が不妊治療の適用に充てられ、今改定の岸田政権の目玉的存在として報道されています。現在は一部を除き公的保険外の不妊治療について、「人工授精」「体外受精」「顕微授精」などが新たに保険適用となりました。一般マスコミではこのほか、オンライン診療の見直しやリフィル処方箋の導入などを取り上げるところが目立ちました。時限的・特例的措置終了でオンライン診療初診から恒久化へコロナ禍となって普及・定着が求められてきたオンライン診療。本コラムでは、「第24回 オンライン診療めぐり日医と全面対決か?菅総理大臣になったらグイグイ推し進めるだろうこと」や「第29回 オンライン診療恒久化の流れに「かかりつけ医」しか打ち出せない日医の限界」などで取り上げて来ました。オンライン診療の初診は、コロナ流行期の時限的・特例的措置として2020年4月から認められています。菅政権では「オンライン診療の恒久化」が掲げられ、岸田政権でもそれを受け継ぐ形で議論が進められて来ました。2021年11月29日、厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」が、「かかりつけ医による診察を原則として、コロナの流行期に限らず初診からオンライン診療が行える」新指針案を了承、今年1月28日に、その新指針2)を公表しました。新指針は時限的・特例的措置が終了(新しい診療報酬が適用される4月1日)次第、適用される予定です。推進派と慎重派が対立、公益裁定で決定今改定に向けての中医協の議論でも、オンライン診療と推進派(経済界、保険者、オンライン診療システム事業者など)と、慎重派(日本医師会など)の間では激しい対立がありました。推進派は「規制は可能な限り緩めるべき」「点数は対面診療と同一にすることも含め、大幅引き上げを行うべき」などと主張、一方、慎重派は「安全性・有効性を確認しながら徐々に規制を緩めていくべき」「サービスの質が劣るため、対面診療よりも低い点数を維持すべき」などと反論してきました。対立は中医協論議の最終局面になっても収まらず、最終的に公益裁定(中医協委員の支払側と診療側で議論がまとまらないときに、公益側委員が中立・公正な立場で裁定すること)で点数等が決定しました。初診は251点で対面の初診料の約87%具体的な改定内容は、現行のオンライン診療料(71点)を廃止した上で、初診料、再診料(外来診療料)の中で「情報通信機器を用いた場合」として新たに点数を設定するというものです。オンライン診療による初診は251点で対面の初診料(288点)の約87%となり、現在、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行下で時限的・特例的に認められている電話・オンライン診療による初診料(214点)から大幅に引き上げられます。オンライン診療を行った場合に評価する14種類の医学管理料についても対面での評価の約87%に設定されます。再診料は73点で、対面診療と同じ点数になります。さらに、現行のオンライン診療料では、「日常的に通院または訪問による対面診療が可能な患者を対象」という距離要件、「オンライン診療の実施割合が1割以下」という実施割合要件が設けられていますが、今改定でこれらが撤廃されます。対面診療を提供できる体制を有することは求めた上で、オンライン診療で対応できない場合に、他の医療機関と連携して対応できる体制を有することなどが算定要件となります。「患者の安心・安全が損なわれたり、地域医療の秩序を混乱させるような事象が生じたりした場合には見直しを要請」と日医・中川会長日本医師会の中川俊男会長は2月9日、診療報酬改定の答申を受けた会見で、「公益委員の裁定による決着となったが、オンライン診療では対面診療との比較において、触診・打診・聴診等が実施できないことが明示されたことを受けて、対面診療とオンライン診療とでは診療の対価に差を設けることは適当であるとされた」と総括、その上で、「患者の安心・安全が損なわれたり、地域医療の秩序を混乱させるような事象が生じたりした場合には、期中であっても速やかに診療報酬要件の見直しを要請する」と述べたとのことです。オンライン診療は、コロナ禍でそのニーズが高まっているにも関わらず、点数設定や各種規制などによって普及が今ひとつであるのが問題視されています。対応できるのは2021年6月時点で全医療機関の約6%でした。大幅な点数増もあり、今回改定でオンライン診療はこれまで以上に普及しそうですが、推進派の掲げた要望はその一部が実現したに過ぎません。次期改定に向けて規制緩和の議論がまだ続きそうです。リフィル処方は1回29日以内で処方箋料の減算なしこのコラムの第92回で書いたリフィル処方ですが、4月から処方箋様式が下図のように変更され、「リフィル可」「調剤実施回数」の項目が追加、一定期間内、処方箋を反復利用できるようになります。新たな処方箋様式画像を拡大するリフィル処方の対象となるのは、「医師の処方により、薬剤師による服薬管理の下、一定期間内に処方箋の反復利用が可能である患者」で、留意事項として「総使用回数の上限は3回まで」、「1回当たり投薬期間及び総投薬期間については、医師が、患者の病状等を踏まえ、個別に医学的に適切と判断した期間」、「投薬量に限度が定められている医薬品及び湿布薬については、リフィル処方箋による投薬を行うことはできない」などの要件が定められています。リフィル処方箋導入に合わせ、その普及を後押しするため処方箋料も見直されます。現在の処方箋料は、「1処方につき投与期間が30日以上の投薬を行った場合は、所定点数の100分の40の点数」になりますが、この一部が対象外になります。具体的には、「処方箋の複数回(3回までに限る)の使用を可能とする場合で、処方箋の1回の使用による投与期間が29 日以内」の投薬が対象から外れます。日本医師会を刺激しないよう大人しめのコメントの日薬・山本信夫会長日本薬剤師会にとって“悲願”とも言われたリフィル処方の導入。1月18日の都道府県会長協議会で日本薬剤師会の山本 信夫会長は、「薬剤師が担う役割は大きいものがあり、その判断や決断は重たくなる。覚悟を持って取り組まなければならない一大事業になる」と熱く語っていました。ただ、2月10日に開かれた三師会の会見では山本会長は、「どんな形の処方箋かによって職能が変わることはない。これまで同様に、きちんとした対応していくことに変わらない。これまでも薬剤師の職能が発揮されてきたからこそ、医師にも信頼され、地域の方々からの信頼を受けいまの状態がある。これをさらに進めていく」と、薬剤師と医師の関係の重要性を改めて強調するに留めました。リフィル処方導入に一貫して反対してきた日本医師会を刺激しないよう、大人しめのコメントにしたようです。日医・中川会長「リフィル処方箋を出すかどうかは医師が決める」と強調一方、日本医師会の中川 俊男会長は2月9日の答申を受けた会見で、過去10年近くにわたって「骨太の方針」等でその導入を求められてきたことや、今回の診療報酬改定の議論に先立って、2021年6月の「経済財政運営と改革の基本方針2021」でも、改めてリフィル処方の導入が明記されたことに触れた上で、「日本医師会は症状が安定している慢性疾患の患者さんであっても、定期的に診察を行い疾病管理の質を保つことが重要であると主張してきた。日本では医師法により医師に処方権がある。今回の診療報酬改定では、厚生労働大臣・財務大臣両大臣合意でリフィル処方箋の導入が決まったが、両大臣合意でも『医師の処方により』行うものであることが明示されている」と語り、「リフィル処方箋を出すかどうかは医師が決める」と強調しました。そして、「今回、両大臣合意を踏まえたリフィル処方箋の導入ということになったが、患者さんにとって、適切な治療が行われることについて、十分配慮した運用が現場でなされることを期待している。現行制度において、投薬日数は医師の裁量とされている。ただ、これまでも繰り返し主張しているとおり、長期処方にはリスクがあり、不適切な長期処方には是正が必要と考えている」と長期処方のリスクに言及。「新しい仕組みを導入する際には、患者さんの健康に大いに関わるため、慎重の上にも慎重に、そして丁寧に始めることが望ましい」と語ったとのことです。「先生、私もリフィルで」と言い始めたら医師は抵抗できるか?中川会長のコメントからは、改定率と引き換えに受け入れてしまったリフィル処方に対する苦々しさが伝わって来ます。「処方するのは医師だ」という当たり前のことをあえて強調しなければならないほど、リフィル処方の導入を恐れているのでしょう。今回の診療報酬改定でのリフィル処方の影響は、再診料、処方箋料の減少などで改定率にしてマイナス0.1%と言われています。しかし、以前のコラムでも書いたように、もし国民がその割安感と利便性に気づいたら、それ以上の影響が出てくるかもしれません。日医が今恐れるのは、リフィル処方の仕組みや利用の仕方をテレビや一般マスコミが大々的に取り上げることではないでしょうか。患者がその割安感や利便性に気づき、「先生、私もリフィルで」と言い始めたら、医師は果たして立派な根拠を持って抵抗できるでしょうか。リフィル処方の今後の広がりが気になります。次回は、「かかりつけ医機能」について考えてみたいと思います。(この項続く)参考1)中央社会保険医療協議会 総会/厚生労働省2)オンライン診療の適切な実施に関する指針

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ステロイド配合錠の減薬提案時にヒヤッとした事例【うまくいく!処方提案プラクティス】第45回

 今回は、ステロイド・抗ヒスタミン配合錠を中止する際に注意すべきポイントを紹介します。ステロイドを長期投与中に急激に減量・中止した場合、コルチゾールの需要増大により急性副腎不全に似た離脱症状(withdrawal症候群)が出現する恐れがあります。ステロイド配合錠でも同様に考える必要がありますが、減薬提案時にそれを見落としており、ヒヤッとした事例でした。患者情報69歳、男性(介護施設入居)基礎疾患アルツハイマー型認知症、うっ滞性皮膚炎服薬管理施設職員処方内容1.クエチアピン錠25mg 1錠 分1 就寝前2.チアプリド錠25mg 6錠 分3 毎食後3.クエチアピン錠12.5mg 3錠 分3 毎食後4.ルパタジン錠10mg 1錠 分1 就寝前5.ベタメタゾン・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩配合錠 4錠 分2 朝夕食後本症例のポイントこの患者さんの2回目の訪問診療時の血液検査結果はHbA1c:7.5%で、初回介入時よりも上昇していました。医師は糖尿病の基礎疾患こそないものの、長期的なステロイド使用により血糖異常に至っていると判断しました。うっ滞性皮膚炎の掻痒感も安定していたことから、医師と相談し、ベタメタゾン・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩配合錠を中止し、炎症や掻痒感の強い部分に関しては外用ステロイド薬の塗布で対応することになりました。薬局に戻り、同行時の記録を見直していたところ、以前書籍1)で読んだベタメタゾン・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩配合錠(ベタメタゾン0.25mg/錠)の中止により離脱症状を来した事例を思い出し、今回の急激な中止は問題ではないかと気付きました。ベタメタゾン1mg(4錠分)=プレドニゾロン換算約6mgに相当し、数年間服用していたことから、この患者さんは副腎が萎縮(副腎機能低下)している可能性があります。もしこのまま急に中止した場合、全身倦怠感、脱力感、食思不振、悪心、嘔吐、不穏、頭痛、筋痛、関節痛などのステロイド離脱症候群が生じ、患者さんの負担になる恐れがあると考えました。漸減するにしても、副腎の回復を念頭に置いて時間をかけて慎重に行う必要があるため、トレーシングレポートとしてまとめることとしました。処方提案と経過下記のトレーシングレポート内容を医師に提出し、医師が話せる時間帯に電話で指示を確認することにしました。対象薬剤ベタメタゾン・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩配合錠報告内容本剤の急激な中断で副腎不全による離脱症候群が出現し、全身倦怠感、脱力感、食思不振、悪心、嘔吐、不穏、頭痛、筋痛、関節痛などの症状が生じる懸念があります。過去に別の事例で、長期的に服用していたプレドニゾロン換算5mgの中止に伴う下痢と食思不振が副腎不全の影響であったことを思い出しました。本件の現行量がプレドニゾロン換算約6mgに相当しますので、長期投与していることから副腎萎縮の可能性があります。訪問診療時にお伝えできず申し訳ございません。提案内容副腎不全の懸念から、下記(1)→(3)の段階的な減量はいかがでしょうか。(1)ベタメタゾン・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩配合錠 2錠 朝食後に減量。2週間様子見。(2)ベタメタゾン・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩配合錠 1錠 朝食後に減量。2週間様子見。(3)ベタメタゾン・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩配合錠 中止。その後、トレーシングレポートを確認した医師より電話があり、提案の内容で指示変更の承認を得ることができました。その後の患者さんの様子ですが、リバウンドで皮膚炎の症状が悪化することはなく、また離脱症状の出現もなく無事にベタメタゾン・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩配合錠を中止することができました。1)矢吹拓. 薬の上手な出し方&やめ方. 医学書院;2020.2)PfizerPRO「ステロイド・プラクティス」

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ウパダシチニブ+TCS、日本人アトピー性皮膚炎患者への安全性確認

 日本人のアトピー性皮膚炎(AD)の治療として、経口ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬ウパダシチニブ+ステロイド外用薬(TCS)併用の安全性を検討した、京都府立医科大学の加藤 則人氏らによる第III相無作為化二重盲検試験「Rising Up試験」の24週の中間解析結果が発表された。ウパダシチニブに関する既報の知見と、概して一致した結果が示され、安全性について新たなリスクは検出されなかったという。JAAD International誌2022年3月号掲載の報告。 Rising Up試験は、12~75歳の日本人の中等症~重症AD患者を対象とし、被験者を無作為に1対1対1の3群に割り付け、(1)ウパダシチニブ15mg+TCS、(2)ウパダシチニブ30mg+TCS、(3)プラセボ+TCSをそれぞれ投与した。安全性は、有害事象と検査データに基づき評価した。 主な結果は以下のとおり。・272例(成人243例、未成年29例)が無作為化を受けた(治療開始は2018年11月17日)。・重篤な有害事象の発現頻度は24週時点で、ウパダシチニブ+TCS投与の両群がプラセボ+TCS群よりも高率であったが、用量間では類似していた(15mg+TCS群:56%、30mg+TCS群:64%、プラセボ+TCS群:42%)。・ウパダシチニブ+TCS投与群はプラセボ+TCS群と比べて、にきびの発現頻度が高かった(すべて軽症~中等症、治療中止となった症例なし)。発現頻度は、15mg+TCS群13.2%、30mg+TCS群19.8%、プラセボ+TCS群5.6%。・さらに、15mg+TCS群よりも30mg+TCS群で、帯状疱疹(30mg+TCS群:4.4% vs.15mg+TCS群:0%)、貧血(1.1% vs.0%)、好中球減少症(4.4% vs.1.1%)の発現頻度が高かった。なお、これらのイベントはプラセボ+TCS群では報告されなかった。・血栓塞栓性イベント、悪性腫瘍、消化管穿孔、活動性結核、死亡の発生は報告されなかった。

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統合失調症患者に対する薬物誘発性パーキンソニズム、遅発性ジスキネジアの影響

 薬物誘発性パーキンソニズムや遅発性ジスキネジアは、統合失調症の健康関連QOLの低下と関連しているといわれているが、これらの相対的な影響を調べた研究はこれまでほとんどなかった。シンガポール・Institute of Mental HealthのGurpreet Rekhi氏らは、統合失調症における薬物誘発性パーキンソニズムおよび遅発性ジスキネジアと健康関連QOLとの関連を調査し、比較を行った。Journal of Psychopharmacology誌オンライン版2022年1月3日号の報告。 対象は、統合失調症患者903例。陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)、Simpson-Angus 錐体外路系副作用評価尺度(SAS)、異常不随意運動評価尺度(AIMS)を用いて評価した。健康関連QOLの評価には、以前検証したアルゴリズムよりPANSSスコアに基づいたEQ-5D-5Lを用いた。 主な結果は以下のとおり。・薬物誘発性パーキンソニズムのみは160例(17.7%)、遅発性ジスキネジアのみは119例(13.2%)、その両方は123例(13.6%)に認められた。・健康関連QOLは、薬物誘発性パーキンソニズムと遅発性ジスキネジアの両方が認められた患者で最も低く、次いで薬物誘発性パーキンソニズムのみの患者、遅発性ジスキネジアのみの患者であり、いずれも認められなかった患者で最も高かった。・健康関連QOLスコアは、4群間で有意な違いが認められた(F[3,892]=13.724、p<0.001、η2p=0.044)。・薬物誘発性パーキンソニズムのみ、または薬物誘発性パーキンソニズムと遅発性ジスキネジアの両方が認められた患者の健康関連QOLは、いずれも認められなかった患者と比較し、有意に低かった。・健康関連QOLとの関連において、薬物誘発性パーキンソニズムと遅発性ジスキネジアの有無との間に有意な関係は認められなかった。 著者らは「薬物誘発性パーキンソニズムは、統合失調症患者の健康関連QOLの低下と関連する主な抗精神病薬誘発性の運動障害であった。臨床医は、統合失調症患者の健康関連QOLの最適化を図るため、薬物誘発性パーキンソニズムの予防、検出、効果的なマネジメントに焦点を当てる必要がある」としている。

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片頭痛に対するアルコール、コーヒー、喫煙の影響

 アルコール、コーヒーの摂取および喫煙が片頭痛の発症リスク因子であるかを評価するため、スウェーデン・カロリンスカ研究所のShuai Yuan氏らは、メンデルランダム化研究を実施した。Pain誌2022年2月1日号の報告。 大規模ゲノムワイド関連解析におけるP<5×10-8の潜在的なリスク因子に関連する独立した一塩基多型を操作変数として用いた。選択した一塩基多型と片頭痛との関連についてのサマリーレベルのデータを、FinnGenコンソーシアム(片頭痛患者:6,687例、対照群:14万4,780例)およびUKバイオバンク研究(片頭痛患者:1,072例、対照群:36万122例)のデータより抽出した。FinnGenおよびUKバイオバンクのコホートより得られた推定値は、固定効果メタ解析を用いて組み合わせた。 主な結果は以下のとおり。・遺伝的に予測されたアルコール摂取、コーヒー摂取、喫煙開始との関連性を示すエビデンスが認められた。【アルコール摂取】オッズ比(OR):0.54/1週間当たりの対数変換アルコール飲料のSD増加、95%信頼区間[CI]:0.35~0.82、p=0.004【コーヒー摂取】OR:0.56/コーヒー摂取量50%増加、95%CI:0.45~0.70、p<0.001【喫煙開始】OR:1.15/喫煙開始の1SD増加、95%CI:1.01~1.31、p=0.038・多変数メンデルランダム化解析での相互調整を含む感度分析においても、これらの関連性は変わらなかった。・メンデルの逆ランダム化解析では、片頭痛に対する遺伝的な影響は、アルコール摂取と逆相関が認められたが、コーヒー摂取および喫煙開始との関連は認められなかった。 著者らは「片頭痛に対する適度なコーヒー摂取の保護的影響と喫煙の有害な影響を示唆する遺伝的証拠が発見された。アルコール摂取と片頭痛リスクとの逆相関は、因果関係の逆転が影響している可能性がある」としている。

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パキロビッドパック投与時の注意点、薬物治療の考え方13版/日本感染症学会

 日本感染症学会(理事長:四柳 宏氏[東京大学医学部教授])は、2月10日に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬について指針として「COVID-19に対する薬物治療の考え方第13版」をまとめ、同会のホームページで公開した。 今回の改訂では、2月10日に製造販売に関し特例承認を取得した経口抗ウイルス薬ニルマトレルビル錠/リトナビル錠(商品名:パキロビッドパック)などの追加記載が行われたほか、最新の知見への内容更新が行われた。 以下に主な改訂点について内容を抜粋して示す。【3. 抗ウイルス薬等の対象と開始のタイミング】・「図 COVID-19の重症度と治療の考え方」を変更【4. 抗ウイルス薬等の選択】・総論にニルマトレルビル/リトナビルを追加・各薬剤につき、わが国で適用承認されている薬剤は商品名を追加(抗ウイルス薬)ニルマトレルビル/リトナビルの追加・機序ニルマトレルビルは、SARS-CoV-2のメインプロテアーゼに作用し、その働きを阻害することによりウイルスの増殖を阻害する。リトナビルは、ニルマトレルビルの代謝を遅らせ、体内濃度をウイルスに作用する濃度に維持する目的で併用。・国内外での臨床報告国内外で実施された多施設共同、プラセボ対照、ランダム化二重盲検試験において、重症化リスクのある非入院COVID-19患者の外来治療を対象にニルマトレルビル300mg/リトナビル100mgまたはプラセボを1日2回、5日間経口投与する群に1対1で無作為割付。主要有効性解析集団とされたmITT集団のうちプラセボ群(385名)の28日目までの入院または死亡が27名(7.0%)に対し、治療群(389名)では3名(0.8%)と相対的リスクが89%減少した(p

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ctDNA検出のMRDが術後NSCLCの再発予測バイオマーカーに?

 近年、非小細胞肺がん(NSCLC)における周術期治療において、さまざまな薬剤の臨床試験が進行しており、今後治療が変化していくことが予想される。しかし、アジュバントによるメリットを受ける患者層を特定するためには、再発リスクを評価するためのバイオマーカーが必要である。 中国・四川大学のLiang Xia氏らは、周術期の循環腫瘍DNA(circulating tumor DNA:ctDNA)が、分子残存病変(MRD)の早期発見と、術後再発予測のバイオマーカーとなりうるか、検討を行った。Clinical Cancer Research誌オンライン版2021年11月29日号掲載の報告。ctDNAベースのMRDはRFS予測への寄与率が高かった 本研究では、LUNGCA研究(手術適応となるNSCLC患者におけるctDNAの動的モニタリングに関する前向き多施設コホート)に基づき、StageI〜IIIのNSCLC患者330例の周術期3時点(術前、術後3日、術後1ヵ月)で得られた血漿サンプル950件を登録した。カスタマイズされた769遺伝子のパネルを用いて、腫瘍組織および血漿サンプル中の体細胞変異を次世代シーケンサーで同定し、ctDNAベースのMRD解析に活用した。 ctDNAがMRDの早期発見と術後再発予測のバイオマーカーとなりうるか検討を行った主な結果は以下のとおり。・術前のctDNA陽性は、無再発生存率(RFS)の低下と関連していた(ハザード比[HR]:4.2、p<0.001)。・MRDの存在(術後3日および/または術後1ヵ月時点のctDNA陽性)は、強力な再発予測因子であった(HR:11.1、p<0.001)。・ctDNAベースのMRDは、TNMを含む、どの臨床病理学的変数よりも、RFS予測への寄与率が高かった。・MRD陽性集団では、アジュバント治療を受けた患者は、アジュバント治療を受けなかった患者よりも、RFSが改善した(HR:0.3、p=0.008)。・MRD陰性集団では、アジュバント治療を受けた患者は、アジュバント治療を受けなかった患者よりも、RFSが低下した(HR:3.1、p<0.001)。・臨床病理学的変数で調整した後も、アジュバント治療の有無は、MRD陽性集団におけるRFSの独立因子であったが(p=0.002)、MRD陰性集団ではそうではなかった(p=0.283)。 周術期におけるctDNA解析は、NSCLCのMRDの早期発見と再発リスクの層別化に有効であり、NSCLC患者の管理に役立つ可能性がある、と著者らは結論付けている。

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進行食道扁平上皮がんの1次治療、ニボルマブを含むレジメンが有望/NEJM

 進行食道扁平上皮がん患者の1次治療では、抗プログラム細胞死1(PD-1)モノクローナル抗体ニボルマブ+化学療法の併用と、ニボルマブ+抗細胞傷害性Tリンパ球抗原4(CTLA-4)抗体イピリムマブの併用は、化学療法単独と比較して、いずれのレジメンも全生存期間を有意に延長することが、大阪大学大学院医学系研究科消化器外科学の土岐祐一郎氏らが実施した「CheckMate 648試験」で示された。新たな安全性のシグナルは確認されなかったという。研究の成果は、NEJM誌2022年2月3日号に掲載された。3群を比較するアジア主体の国際的な無作為化第III相試験 本研究は、進行食道扁平上皮がんの1次治療における免疫チェックポイント阻害薬と化学療法の併用、および免疫チェックポイント阻害薬2剤併用の有効性と安全性の評価を目的とする非盲検無作為化第III相試験であり、2017年6月~2019年11月の期間に、日本を含む26ヵ国182施設で参加者の登録が行われた(Bristol Myers SquibbとOno Pharmaceuticalの助成を受けた)。 対象は、年齢18歳以上、根治治療の適用がなく、進行病変に対する全身療法の治療歴のない切除不能な進行、再発、転移性の食道扁平上皮がん患者であり、プログラム細胞死リガンド1(PD-L1)の発現の有無は問われなかった。 被験者は、ニボルマブ(240mg、2週ごと、静脈内投与)+化学療法(4週を1サイクルとして、1~5日目にフルオロウラシル800mg/m2[体表面積]を静脈内投与し、1日目にシスプラチン80mg/m2を静脈内投与)、ニボルマブ(3mg/kg[体重]、2週ごと、静脈内投与)+イピリムマブ(1mg/kg[体重]、6週ごと、静脈内投与)、化学療法単独の投与を受ける3つの群のいずれかに、1対1対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要エンドポイントは、全生存期間と無増悪生存期間とし、盲検下に独立の中央判定委員会によって判定された。検定は階層的に行われ、最初に腫瘍細胞のPD-L1の発現率が1%以上の患者で、次いで患者全体(無作為に割り付けられた全患者)で実施された。 970例が無作為化の対象となった。ニボルマブ+化学療法群に321例(年齢中央値64歳、男性 79%)、ニボルマブ+イピリムマブ群に325例(63歳、83%)、化学療法単独群に324例(64歳、85%)が割り付けられた。680例(70%)がアジア人で、PD-L1の発現率が1%以上の患者は473例(49%)であった。奏効率と奏効期間も、ニボルマブを含むレジメンで良好な傾向 最も短い追跡期間が13ヵ月の時点における全生存期間中央値は、腫瘍細胞のPD-L1の発現率が1%以上の患者では、ニボルマブ+化学療法群が15.4ヵ月、化学療法単独群は9.1ヵ月(ハザード比[HR]:0.54、99.5%信頼区間[CI]:0.37~0.80、p<0.001)で、患者全体では、それぞれ13.2ヵ月および10.7ヵ月(HR:0.74、99.1%CI:0.58~0.96、p=0.002)であり、いずれもニボルマブ+化学療法群で有意に優れた。 また、全生存期間中央値のニボルマブ+イピリムマブ群と化学療法単独群との比較では、腫瘍細胞のPD-L1の発現率が1%以上の患者(ニボルマブ+イピリムマブ群13.7ヵ月vs.化学療法単独群9.1ヵ月、HR:0.64、98.6%CI:0.46~0.90、p=0.001)および全体(12.7ヵ月vs.10.7ヵ月、HR:0.78、98.2%CI:0.62~0.98、p=0.01)のいずれにおいても、ニボルマブ+イピリムマブ群で有意に良好だった。 一方、無増悪生存期間は、腫瘍細胞のPD-L1の発現率が1%以上の患者では、ニボルマブ+化学療法群が化学療法単独群よりも有意に延長した(6.9ヵ月vs.4.4ヵ月、HR:0.65、98.5%CI:0.46~0.92、p=0.002)が、全体では、両群間の差は事前に規定された有意差の境界(p=0.015)を満たさなかった(5.8ヵ月vs.5.6ヵ月、HR:0.81、98.5%CI:0.64~1.04、p=0.04)。 無増悪生存期間のニボルマブ+イピリムマブ群と化学療法単独群との比較では、腫瘍細胞のPD-L1の発現率が1%以上の患者(ニボルマブ+イピリムマブ群 4.0ヵ月vs.化学療法単独群4.4ヵ月、HR:1.02、98.5%CI:0.73~1.43、p=0.90)において統計学的有意差の基準を満たさなかったため、全体(2.9ヵ月vs.5.6ヵ月、HR:1.26、95%CI:1.04~1.52)での検定は行われなかった。 客観的奏効率(PD-L1発現率1%以上の患者:ニボルマブ+化学療法群53%、ニボルマブ+イピリムマブ群35%、化学療法単独群20%、全体:47%、28%、27%)はニボルマブ+化学療法群で最も高く、奏効期間中央値(8.4ヵ月、11.8ヵ月、5.7ヵ月/8.2ヵ月、11.1ヵ月、7.1ヵ月)はニボルマブ+イピリムマブ群で最も長かった。 Grade3または4の治療関連有害事象の発現率は、ニボルマブ+化学療法群が47%と最も高く、ニボルマブ+イピリムマブ群は32%,化学療法単独群は36%であった。重篤な治療関連有害事象はニボルマブ+化学療法群が24%、ニボルマブ+イピリムマブ群は32%にみられ、化学療法単独群の16%よりも高率であった。免疫学的原因の可能性がある治療関連有害事象の多くはGrade1または2だった。 著者は、「この研究は、ニボルマブ+化学療法とニボルマブ+イピリムマブの比較や、特定のサブグループにどの治療を用いるべきかを評価するようにはデザインされていない。ニボルマブを含む2つのレジメンの有効性を予測する人口統計学的因子の特性やベースラインの疾患特性を同定するには、新たな探索的な事後解析が、これに資する可能性がある」としている。

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特発性拡張型心筋症、家族の有病率30%・罹患リスク19%/JAMA

 特発性拡張型心筋症(DCM)は家族内での発症がみられるため、リスクのある家族構成員を早期に発見することで、末期の病態に至る前に治療開始の機会をもたらす可能性があるが、米国ではDCMの家族内の有病率などの詳細なデータは知られていないという。米国・タフツ大学のGordon S. Huggins氏らは、今回、米国のDCMコンソーシアム参加施設で調査(DCM Precision Medicine Study)を行い、DCM患者の家族の約30%がDCMに罹患しており、家族が80歳までにDCMに罹患するリスクは19%と推定した。研究の詳細は、JAMA誌2022年2月1日号で報告された。米国の25施設の横断研究 本研究は、DCM発端者の家族のDCM有病率および第1度近親者における人種/民族別、年齢別のDCM累積リスクの評価を目的とする家族ベースの横断研究であり、米国の心不全プログラムに参加する25施設のコンソーシアムによって実施された(米国国立心肺血液研究所[NHLBI]の助成を受けた)。 対象は、DCM患者(発端者)とその第1度近親者であった。DCM発端者は、通常の臨床的原因を除外したうえで、左室収縮機能障害(LVSD)と左室拡大(LVE)が認められる患者と定義された。2016年6月7日に参加者の登録が開始され、DCM発端者の登録は2020年3月15日に、家族の登録は2021年4月1日に終了した。 主要アウトカムは、家族性DCMおよび広義の家族性DCMの発現とされた。家族性DCMは、少なくとも1人の第1度近親者にDCMが認められる場合、広義の家族性DCMは、少なくとも1人の第1度近親者にDCM、あるいは原因不明のLVSDまたはLVEが認められる場合と定義された。黒人発端者は白人よりも有病率が高い 試験には発端者1,220例(年齢中央値52.8歳[IQR:42.4~61.8]、女性43.8%、黒人43.1%、ヒスパニック系8.3%、第1度近親者数中央値4人[IQR:3~6])が登録され、1,693例の第1度近親者でDCMのスクリーニングが行われた。1家族当たり、生存している第1度近親者のうち中央値で28%(IQR:0~60)が、スクリーニングを受けた。 発端者における家族性DCMの粗有病率は全体で11.6%、広義の家族性DCMの粗有病率は全体で24.1%であった。米国の典型的な高度心不全プログラムで、生存する第1度近親者のすべてがスクリーニングを受けた場合の、発端者における家族性DCM有病率のモデルに基づく推定値は全体で29.7%(95%信頼区間[CI]:23.5~36.0)で、広義の家族性DCM有病率のモデルに基づく推定値は全体で56.9%(50.8~63.0)だった。 家族性DCM有病率の推定値は、黒人の発端者が白人の発端者よりも高かった(39.4% vs.28.0%、群間差:11.3%、95%CI:1.9~20.8)が、ヒスパニック系と非ヒスパニック系の発端者の間に有意な差は認められなかった(28.6% vs.30.0%、-1.4%、-15.9~13.1)。 登録時の年齢別の疾患の状態に基づく、米国の典型的な高度心不全プログラムにおける第1度近親者のDCM推定累積リスクは、80歳までに19%(95%CI:13~24)に達し、部分的な表現型を含む広義の家族性DCMの有病率は80歳の時点で33%(95%CI:27~40)であった。 また、DCMのハザードは、非ヒスパニック系黒人発端者の第1度近親者が、非ヒスパニック系白人発端者の第1度近親者よりも高かった(ハザード比:1.89、95%CI:1.26~2.83)。 著者は、「これらの知見は、DCM患者では家族性DCMの有病率が実質的に高くなっており、第1度近親者ではDCMの生涯リスクが増大していることを示唆する」としている。

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添付文書改訂:アクテムラが新型コロナ中等症II以上に適応追加/ジャディアンスに慢性心不全追加/エフィエントに脳血管障害の再発抑制追加/アジルバに小児適応追加/レルミナに子宮内膜症の疼痛改善追加【下平博士のDIノート】第92回

アクテムラ点滴静注用:新型コロナ中等症II以上に適応追加<対象薬剤>トシリズマブ(遺伝子組換え)(商品名:アクテムラ点滴静注用80mg/200mg/400mg、製造販売元:中外製薬)<承認年月>2022年1月<改訂項目>[追加]効能・効果SARS-CoV-2による肺炎酸素投与、人工呼吸器管理または体外式膜型人工肺(ECMO)導入を要する患者を対象に入院下で投与を行うこと。[追加]用法・用量通常、成人には、副腎皮質ステロイド薬との併用において、トシリズマブ(遺伝子組換え)として1回8mg/kgを点滴静注します。症状が改善しない場合には、初回投与終了から8時間以上の間隔をあけて、同量を1回追加投与できます。<Shimo's eyes>本剤は、国産初の抗体医薬品として、2005年にキャッスルマン病、2008年に関節リウマチの適応を取得して、現在は世界110ヵ国以上で承認されているヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体です。今回、新型コロナによる肺炎の効能が追加されました。これまで中等症II以上の患者に適応を持つ、レムデシビル(商品名:ベクルリー点滴静注用)、バリシチニブ(同:オルミエント錠)、デキサメタゾン(同:デカドロン)の3製剤に本剤が加わり、新たな治療選択肢となります。新型コロナ患者の一部では、IL-6を含む複数のサイトカインの発現亢進を特徴とする炎症状態により呼吸不全を起こすことが知られており、同剤投与による炎症抑制が期待されています。参考中外製薬 薬剤師向けサイト アクテムラ点滴静注用80mg・200mg・400mgジャディアンス:慢性心不全(HFrEF)の適応追加<対象薬剤>エンパグリフロジン(商品名:ジャディアンス錠10mg、製造販売元:日本ベーリンガーインゲルハイム)<承認年月>2021年11月<改訂項目>[追加]効能・効果慢性心不全ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。[追加]用法・用量通常、成人にはエンパグリフロジンとして10mgを1日1回朝食前または朝食後に経口投与します。<Shimo's eyes>SGLT2阻害薬としては、すでにダパグリフロジン(商品名:フォシーガ)が慢性心不全の適応を2020年11月に追加しており、本剤は2剤目の薬剤となります。2022年1月現在、添付文書には「左室駆出率の保たれた慢性心不全(HFpEF)における本剤の有効性および安全性は確立していないため、左室駆出率の低下した慢性心不全患者(HFrEF)に投与すること」と記載されていますが、HFpEF患者を対象とした第III相試験においても、2021年8月に良好な結果1)が報告されています。なお、本剤25mg錠には慢性心不全の適応はありません。参考エンパグリフロジンの慢性心不全への承認取得/日本ベーリンガーインゲルハイム・日本イーライリリー1)エンパグリフロジン、糖尿病の有無を問わずHFpEFに有効/NEJMエフィエント:脳血管障害後の再発抑制が追加<対象薬剤>プラスグレル塩酸塩(商品名:エフィエント錠2.5mg/3.75mg、製造販売元:アストラゼネカ)<承認年月>2021年12月<改訂項目>[追加]効能・効果虚血性脳血管障害(大血管アテローム硬化または小血管の閉塞に伴う)後の再発抑制(脳梗塞発症リスクが高い場合に限る)[追加]用法・用量通常、成人には、プラスグレルとして3.75mgを1日1回経口投与する。<Shimo's eyes>『脳卒中治療ガイドライン2021』では、非心原性脳梗塞の再発抑制に対しては抗血小板薬(クロピドグレル、アスピリンまたはシロスタゾール)の投与が勧められていますが、本剤の適応は、「大血管アテローム硬化または小血管の閉塞を伴う虚血性脳血管障害後の再発抑制」に限定されました。なお、適応追加の対象は2.5mg錠および3.75mg錠のみです。今回の改訂で、空腹時は食後投与と比較してCmaxが増加するため、空腹時の投与は避けることが望ましい旨の記載が追記されました。用法に「食後投与」は明記されていないので注意しましょう。既存薬のクロピドグレルは、主にCYP2C19によって代謝されるため、遺伝子多型による影響を受けやすいことが懸念されていますが、本剤は、ヒトカルボキシルエステラーゼ、CYP3AおよびCYP2B6などで代謝されて活性体となるプロドラッグであり、遺伝子多型の影響を受けにくいとされています。参考第一三共 医療関係者向けサイト エフィエント錠アジルバ:小児適応追加、新剤型として顆粒剤が登場<対象薬剤>アジルサルタン(商品名:アジルバ顆粒1%、同錠10mg/20mg/40mg、製造販売元:武田薬品工業)<承認年月>2021年9月<改訂項目>[追加]用法・用量<小児>通常、6歳以上の小児には、アジルサルタンとして体重50kg未満の場合は2.5mg、体重50kg以上の場合は5mgを1日1回経口投与から開始します。なお、年齢、体重、症状により適宜増減が可能ですが、1日最大投与量は体重50kg未満の場合は20mg、体重50kg以上の場合は40mgです。<Shimo's eyes>アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)であるアジルサルタンに、小児に対する用法および用量が追加されました。また、新剤型として顆粒剤も発売されました。顆粒剤は、成人にも小児にも適応がありますが、小児の開始用量である2.5~5mgを投与する際に便利です。参考武田薬品工業 医療関係者向けサイト アジルバレルミナ:子宮内膜症に基づく疼痛改善の適応が追加<対象薬剤>レルゴリクス(商品名:レルミナ錠40mg、製造販売元:あすか製薬)<承認年月>2021年12月<改訂項目>[追加]効能・効果子宮内膜症に基づく疼痛の改善<Shimo's eyes>本剤は、経口GnRHアンタゴニストであり、2019年1月に子宮筋腫に基づく諸症状(過多月経、下腹痛、腰痛、貧血)の改善で承認を取得しています。子宮筋腫に続き、子宮内膜症患者を対象とした第III相試験の結果が報告されたことから、今回新たな適応が承認されました。本剤は下垂体のGnRH受容体を阻害することにより、黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌を阻害します。その結果、エストロゲンおよびプロゲステロンが抑制され、子宮内膜症の主な症状である骨盤痛を改善します。参考あすか製薬 医療関係者向け情報サイト レルミナ錠40mg

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