お知らせがあります

2026/07/15
7月16日(木)10:00~11:00は緊急メンテナンスのため、スタンプチャレンジをご利用いただけません

サイト内検索|page:575

検索結果 合計:36499件 表示位置:11481 - 11500

11481.

外科医の手術経験数に男女格差/岐阜大

 外科医不足が深刻化しているなか、外科医に占める女性の割合は増加している。しかし、指導的立場にある女性は極端に少ないとされる。 大阪医科薬科大学の河野 恵美子氏、東京大学の野村 幸世氏、岐阜大学の吉田 和弘氏らの研究グループは、女性外科医の手術修練に着目。日本の外科医の手術の95%以上が収録されているNational Clinical Databaseを用いて、6術式(胆嚢摘出術・虫垂切除術・幽門側胃切除術・結腸右半切除術・低位前方切除術・膵頭十二指腸切除術)における外科医1人あたりの執刀数を男女間で比較した。 その結果、全ての術式で女性外科医は男性外科医より執刀数が少ないことが判明した。格差は手術難易度が高いほど顕著であり、経験年数の増大とともに拡大する傾向にあった。 今回の研究で、研究者は「女性も一定以上の手術手技を獲得し、指導的立場で日本の外科診療を担っていくことが本来のあるべき姿。本研究結果が外科におけるジェンダー平等と女性のエンパワーメントの実現につながることを期待している」とコメントしている。 この研究成果はJAMA Surgery誌2022年7月27日号にオンライン掲載された。

11482.

医療者のブレークスルー感染率、3回vs.4回接種

 オミクロン株流行下において、感染予防の観点から医療従事者に対する4回目接種を行うメリットは実際あったのか? イスラエルでのオミクロン株感染ピーク時に、3回目接種済みと4回目接種済みの医療従事者におけるブレークスルー感染率が比較された。イスラエル・Clalit Health ServicesのMatan J. Cohen氏らによるJAMA Network Open誌オンライン版2022年8月2日号掲載の報告より。ブレークスルー感染予防に医療従事者の4回目ワクチン接種は有効 本研究は、イスラエルにおけるオミクロン株感染者が急増し、医療従事者に対する4回目接種が開始された2022年1月に実施された。対象はイスラエルの11病院で働く医療従事者のうち、2021年9月30日までにファイザー社ワクチン3回目を接種し、2022年1月2日時点で新型コロナウイルス感染歴のない者。4回目接種後7日以上が経過した者(4回目接種群)と、4回目未接種者(3回目接種群)を比較し、新型コロナウイルス感染症の感染予防効果を分析した。感染の有無はPCR検査結果で判定され、検査は発症者または曝露者に対して実施された。 3回目接種済みと4回目接種済みの医療従事者におけるブレークスルー感染率を比較した主な結果は以下の通り。・計2万9,611例のイスラエル人医療従事者(女性:65%、平均[SD]年齢:44[12]歳)が2021年9月30日までに3回目接種を受けていた。・このうち2022年1月に4回目接種を受け、接種後1週間までに感染のなかった5,331例(18%)が4回目接種群、それ以外の2万4,280例が3回目接種群とされた(4回目接種後1週間以内に感染した188例も3回目接種群に組み入れられた)。・接種後30日間における全体のブレークスルー感染率は、4回目接種群では7%(368例)、3回目接種群では20%(4,802例)だった(粗リスク比:0.35、95%信頼区間[CI]:0.32~0.39)。・3回目のワクチン接種日によるマッチング解析の結果(リスク比:0.61、95%CI:0.54~0.71)および時間依存のCox比例ハザード回帰モデルの結果(調整ハザード比:0.56、95%CI:0.50~0.63)において、4回目接種群で同様のブレークスルー感染率の減少がみられた。・両群とも、重篤な疾患や死亡は発生していない。 著者らは、4回目のワクチン接種は医療従事者のブレークスルー感染予防に有効であり、パンデミック時の医療システムの機能維持に貢献したことが示唆されたとまとめている。

11483.

早期パーキンソン病へのcinpanemab、進行抑制効果は認められず/NEJM

 早期パーキンソン病患者へのcinpanemabはプラセボと比較して、52週時点の疾患進行の臨床指標および脳SPECT画像の変化への効果について差は認められなかった。カナダ・トロント大学のAnthony E. Lang氏らが、357例の患者を対象に行った第II相の多施設共同二重盲検無作為化試験の結果を報告した。パーキンソン病の病因において、α-シヌクレイン凝集は重要な役割を果たしているとされることから、α-シヌクレインと結合するヒト由来モノクローナル抗体cinpanemabは、新たなパーキンソン病の疾患修飾治療薬として評価が行われていた。NEJM誌2022年8月4日号掲載の報告。cinpanemabを3用量、52週間投与 研究グループは、早期パーキンソン病患者を無作為に2対1対2対2の割合で割り付け、プラセボ(対照)、cinpanemab 250mg、同1,250mg、同3,500mgをそれぞれ4週ごとに52週間、点滴静注した。その後、最長112週目まで、用量を盲検化し実薬を投与した。 主要エンドポイントは、運動障害疾患学会・改訂版パーキンソン病統一スケール(MDS-UPDRS)総スコア(範囲:0~236、高スコアほどパーキンソン病症状が進行)のベースラインから52週および72週の変化とした。副次エンドポイントは、MDS-UPDRSサブスケールスコア、ドパミントランスポーター単光子放射型断層撮影(DaT-SPECT)で評価した線条体結合などだった。MDS-UPDRSスコア、DaT-SPECT画像の変化もプラセボと同等 登録被験者357例のうち、対照群は100例、cinpanemab 250mg群は55例、1,250mg群は102例、3,500mg群は100例だった。試験は72週時点で行われた中間解析後、有効性の欠如により中止された。 MDS-UPDRSスコアの52週までの変化は、対照群10.8ポイント、250mg群10.5ポイント、1,250mg群11.3ポイント、3,500mg群10.9ポイントだった。対照群との補正後平均差はそれぞれ-0.3ポイント(p=0.90)、0.5ポイント(p=0.80)、0.1ポイント(p=0.97)だった。 試験開始から72週までcinpanemabを投与した患者と、52週以降にcinpanemabを投与した患者の統合群の、72週時点で評価したMDS-UPDRSスコアの補正後平均差は、250mg群-0.9ポイント(95%信頼区間[CI]:-5.6~3.8)、1,250mg群0.6ポイント(-3.3~4.4)、3,500mg群-0.8ポイント(-4.6~3.0)だった。 副次エンドポイントの結果も、主要エンドポイントと類似していた。52週時点のDaT-SPECT画像は、対照群とすべてのcinpanemab群で差は認められなかった。 cinpanemab群で認められた頻度の高い有害事象は、頭痛、鼻咽頭炎、転倒だった。

11484.

新型コロナ入院患者へのバリシチニブ、死亡低減効果は?/Lancet

 英国・オックスフォード大学のPeter W. Horby氏ら「RECOVERY試験」共同研究グループは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の入院患者に対する経口ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬バリシチニブの死亡リスク低減効果は約13%と、これまでに発表されたJAK阻害薬の無作為化比較試験8件のメタ解析によるリスク低減効果(約43%)よりも小さかったことを報告した。また、RECOVERY試験を含めたメタ解析の結果、JAK阻害薬(主にバリシチニブ)によるCOVID-19入院患者の死亡低減効果は約20%であったことも報告した。Lancet誌2022年7月30日号掲載の報告。バリシチニブを最大10日投与し、28日死亡率を通常治療のみと比較 研究グループは、COVID-19で英国内の病院に入院した患者を1対1の割合で無作為に2群に分け、一方には通常の治療のみを、もう一方には通常の治療に加え、バリシチニブ(4mg/日、経口投与)の10日間投与、または退院までのいずれか短い期間の投与を行った。主要アウトカムは、intention-to-treat(ITT)集団における28日死亡率だった。 また、同試験結果と、COVID-19入院患者を対象に行ったバリシチニブまたはその他JAK阻害薬の無作為化比較試験について、メタ解析を行った。RECOVERY試験を含む9試験のメタ解析で死亡を20%低減 2021年2月2日~12月29日にかけて、1万852例が試験に登録され、うち8,156例が無作為化を受けた。無作為化の時点で、コルチコステロイドを95%が服用、またトシリズマブを23%(24時間以内の使用予定者を含むとさらに9%追加)が服用していた。 全体で、無作為化後28日以内の死亡は、通常治療群14%(546/4,008例)に対しバリシチニブ群12%(514/4,148例)だった(年齢補正後率比:0.87、95%信頼区間[CI]:0.77~0.99、p=0.028)。 一方で、これまでに発表されたJAK阻害薬の無作為化比較試験8件(被験者総数3,732例、死亡425例)のメタ解析の結果では、JAK阻害薬による死亡低減率は43%(率比:0.57、95%CI:0.45~0.72)で、RECOVERY試験の結果(死亡を13%低減)に比べると減少は大きかった。 それら8試験とRECOVERY試験を統合した9試験のメタ解析(被験者総数1万1,888例、死亡1,485例)の結果、通常治療のみと比べたJAK阻害薬の死亡低減率は20%だった(率比:0.80、95%CI:0.72~0.89、p<0.0001)。 なお、RECOVERY試験において、COVID-19に関連のない死亡または感染症、および血栓症やその他の安全性に関わるアウトカムの顕著に過剰な発生は認められなかった。

11485.

第6回 市販の抗原検査キット陽性をどう扱う?

ついに抗原検査キットがネット解禁へ以前からドラッグストアで購入できた抗原検査キットは、ご存じのように抗原定性検査を指します。「体外診断用」と記載されたものが、厚労省が承認しているキット(図)で、未承認のキットは「研究用」と記載されています。参考文献・参考サイト厚生労働省 新型コロナウイルス感染症の体外診断用医薬品(検査キット)の承認情報厚生労働省 医療用抗原検査キットの取扱薬局リスト(令和4年8月9日18:00時点)画像を拡大する図. 薬事承認を受けた抗原検査キット(筆者作成)厚労省が承認した抗原検査キットを無料配布し始めている自治体もあります。それでもなお、品薄の状況であることから、政府はついにネットでの販売を解禁する方向へ舵を切るようです。抗原検査キット陽性でCOVID-19と確定してもよいか?承認された「体外診断用」の抗原検査キットを用いた場合、COVID-19と自己診断して療養することが可能です。ネットで登録できるシステムを各自治体が立ち上げています。ただ、ネット通販などで手に入る「研究用」の抗原検査キットを用いて診断しても、登録できない仕組みになっています。抗原検査キットでCOVID-19と自己診断する場合、虚偽の報告があると、とくにお金にかかわる部分でトラブルになるかもしれません。それゆえ、あまり手続きを簡略化し過ぎると、それはそれでまずい。そのため、一部の自治体は、かなり厳格に判定しています。たとえば以下のような条件です。有症状検査結果がわかる画像を添付本体に油性マジック等で氏名と検査日を記入(検査キット本体に直接記入)薬事承認された医療用抗原検査キットを利用されていること医師のオンライン面談後、登録とはいえ、医師のオンライン面談と登録がもはや難しい自治体もあり、自己登録システムでスピーディーに承認している自治体もあります。問題は、自己登録に不備がある場合、それをいちいち「検査に不備があります」と指摘して差し戻す作業自体が、結局行政の仕事量を増やすことにつながりかねないということです。東京都では、Googleフォームを通した申請になるため、ある程度ネットに慣れた人でないと登録は難しいかもしれません。また、1日3,000件までの申請しか受理していないため、これが今後の主たる手続きになるわけではなさそうです。このスキームには、陽性を装うことで何か詐欺に悪用できるような「コスパ」がそこまでないと思うので、甘めに判定してもそんなに金銭トラブルは多くないと予想されますが…果たして。ちなみに、市販の抗原検査キット陽性ということで発熱外来を受診した場合、それが未承認の「研究用」のキットであれば、医療機関でPCR検査や抗原定量検査を再度実施すべきと個人的に考えます。

11486.

COVID-19陽性者のメンタルヘルスに対するヨガの効果

 COVID-19パンデミックは、社会全体にストレス、不安、うつ病の増加をもたらした。とくにCOVID-19の検査で陽性となった人々では、メンタルヘルスやウェルビーイングへの影響が大きい。インド工科大学デリー校のNitesh Sharma氏らは、COVID-19の影響を受けた患者のストレス、不安、うつ病の軽減に対するヨガ介入療法の有効性を評価するため、COVID-19病棟における準ランダム化比較試験を実施した。また、COVID-19の影響を受けた患者のSpO2と心拍数の測定も実施した。その結果、ヨガ介入療法は、COVID-19陽性者のストレス、不安、うつ病の軽減に対し、実践可能な介入である可能性が示唆された。International Journal of Yoga Therapy誌2022年1月1日号の報告。 対象のCOVID-19陽性者62例を、従来の治療のみを行う対照群(31例)と従来の治療に50分間のヨガ介入療法を追加するヨガ介入群(31例)にランダムに割り付けた。隔離期間の開始時および終了時に、標準化されたHospital Anxiety and Depression Scale(HADS)、7項目一般化不安障害質問票(GAD-7)、こころとからだの質問票(PHQ-9)、知覚されたストレス尺度(Perceived Stress Scale)による評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・ヨガ介入群では、ストレス、不安、うつ病の有意な軽減が観察された。・対照群では、不安の有意な軽減が認められたが、ヨガ介入群の減少率のほうがより大きかった。・ヨガ介入群では、酸素飽和度、心拍数レベルの有意な改善が認められたが、対照群では有意な改善は認められなかった。

11487.

2022年12月期第2四半期 決算説明

2022年12月期第2四半期実績発表代表取締役社長COO 藤井勝博中期経営計画の進捗について  代表取締役会長CEO 大野元泰※IRページは こちら からお戻りいただけます※タイトルを選ぶとお好きなチャプターからご覧いただけます。※IRページは こちら からお戻りいただけます.banAdGroup{display:none;}

11488.

AIがやって来た!【Dr. 中島の 新・徒然草】(438)

四百三十八の段 AIがやって来た!暑いですね。蝉もうるさいです。ところが、いつの間にか夜は秋の虫が鳴いています。虫の声を聞くと、少し物悲しい気にさせられるのはなぜでしょうか。大した成果もなく1年の半分以上が過ぎてしまった……。そんな後悔の念からくる寂しさかもしれません。さて、ウチの病院にもついにAI、いわゆる人工知能が導入されました。胸部レントゲンを読影してくれるのです。結節影、浸潤影、気胸を見つけては、赤黄緑青などのカラフルな色で表示してくれます。イメージとしては、ちょっと愛想のないSPECTみたいな感じです。これがルーチン的に画像上に表示されるのですが、結構、役に立つ気がします。救急外来での肺炎疑いの場合、「浸潤影かも?」と思うところに色が付いています。実は、私も胸部単純レントゲンの読影にはまったく自信がなかったので、これまでにいろいろな裏ワザを考案してきました。1つは、胸部CTで確認するもの。単純レントゲンで不明瞭でも、胸部CTならクッキリ見えることが多々あります。もう1つは、以前の画像と比較するもの。過去の胸部単純レントゲンがあれば、横に並べて立体視してみます。すると、新たに出現した浸潤影や結節影は浮かび上がって見えるので、この現象を活用してきました。ここにもう1つ加わった新たな裏ワザが、AIです。これで見落としの確率も格段に減るというもの。実際に何例か見たところでは……肺炎初期の浸潤影を指摘した。AIもあまり自信ないのか、緑~紫程度の表示でした。脱水があって不明瞭な段階の浸潤影を、うまく指摘していたと思います。20代の若い女性の結節影を指摘した。AIは自信満々で、赤で表示しました。拡大してみると、直径数ミリの丸いものがあります。年齢からして、肺がんの可能性はあまりないと思うのですが。後で放射線科の先生に確認してみたいと思います。でも、何もなさそう。現時点のAIには、全面的に頼ることはできません。が、徐々に信頼度が上がっていくのだと思います。我々医師も、正しい距離感でAIと付き合っていく必要がありますね。最後に1句暑くても ひたすら働く AIくん

11489.

輸血してもヘモグロビンが低下!DHTRの可能性は?【知って得する!?医療略語】第17回

第17回 輸血してもヘモグロビンが低下!DHTRの可能性は?輸血後、数日してから副作用が起きることがあるんですか?遅発性の副作用があり、今回はその1つであるDHTRを見てみましょう≪医療略語アプリ「ポケットブレイン」より≫【略語】DHTR【日本語】遅発性溶血性輸血副作用【英字】Delayed Hemolytic Transfusion Reaction【分野】輸血関連【診療科】全診療科【関連】急性溶血性輸血副作用AHTR(Acute Hemolytic Transfusion Reaction)実際のアプリの検索画面はこちら※「ポケットブレイン」は医療略語を読み解くためのもので、略語の使用を促すものではありません。貧血患者さんに赤血球輸血をしても、思うようにヘモグロビン濃度が上昇しないばかりか、むしろ低下する場合があります。こんな時、筆者は輸血の原因が出血疾患であれば、出血の持続、大量輸液による血液希釈、輸血量の相対的不足を考えがちです。しかし、輸血をしてもヘモグロビンが上昇しない、あるいは低下する時には、「遅発性溶血性輸血副作用(DHTR:delayed hemolytic transfusion reaction)」の可能性を想起する必要があります。DHTRは発熱や貧血、溶血所見を来すとされますが、輸血後24時間以降に発症するため、患者さんの症状や検査所見と輸血イベントの関連性に気が付き難い可能性があります。臨床現場では採血手技的に伴う「溶血」に遭遇することは多々あり、輸血を要する患者さんが感染症などを合併し、発熱することも日常茶飯事です。むしろ感染症や慢性炎症のために消耗性貧血を来し、赤血球輸血をすることも多々あります。このため、輸血して数日経ってから生じる「溶血」や「発熱」と聞いても、輸血副作用を連想することが難しいのではないかと想像します。そんな見逃されやすい要素を持つDHTRですが、2013年に前川氏が「輸血療法とその副作用―見逃されている臨床病態」として取り挙げていたので、共有したいと思います。遅発性溶血性輸血副作用DHTR : delayed hemolytic transfusion reaction【概略】輸血の遅発性副作用の1つ輸血後24時間以降に生じる輸血の溶血性副作用ほとんどは2度目以降の輸血で発症(初回輸血例は稀)【病態】過去に輸血や妊娠で赤血球に対する同種抗体を産生した既往(感作)がある場合、対応抗原陽性の赤血球が輸血されると、抗原刺激によりメモリーB細胞が数日で抗赤血球抗体を急速産生する(二次免疫反応)。この抗体と赤血球が反応し溶血反応が起きる。溶血は主に血管外溶血(まれに血管内溶血)。なお、一次免疫応答による溶血が起きるケースが稀にあり、この場合は輸血後10~20日に発症するとされる。【頻度】輸血5,000~1万回に1回【発症】輸血後24時間以降(典型例は輸血後3~14日)【症状】発熱・黄疸・悪寒・倦怠感・血尿(血色素尿)・掻痒感【検査】貧血(ヘモグロビン濃度低下)・球状赤血球・総ビリルビン上昇・LDH上昇【予後】軽度な溶血例~死亡例まであり【補足】過去の輸血や妊娠による同種抗体は、年月が経つと測定感度以下に低下することがあり、この場合は不規則抗体検査や交差適合試験では同種抗体は検出できないことがある。このためDHTRを完全防止するのは難しいとされる。1)前川 平. 日内会誌. 2013;102:2433-2439.2)前川 平ほか.臨床血液. 2008;22:1306-1314.3)澤部 孝昭ほか. 日本輸血学会雑誌. 1993;39:974-978.4)安全な輸血療法ガイド5)日本輸血・細胞治療学会 輸血療法委員会 輸血副作用対応ガイド6)日本赤十字社HP 医薬品情報-溶血性副作用7)小林航太ほか. 仙台市立病院誌2017;37.39-42.

11490.

第121回 大量退職の市立大津市民病院その後、今まことしやかに噂されるもう一つの“真相”

大量退職報道をきっかけに病院経営が苦境にこんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。この週末は、山仲間と八ヶ岳山麓にある先輩宅を訪れ、権現岳から編笠岳を日帰りで縦走してきました。観音平から三ツ頭、権現岳に至るルートは人も少なく、快適な山行を楽しむことができました。ただ、八ヶ岳の入門コースとも言える編笠山に回るとさすがに登山者は多く、コロナ禍を感じさせない賑わいぶりでした。実際、登山中にコロナ感染というニュースはまだ読んだことがありません。風も比較的ある中での屋外スポーツは、感染リスクは相当低いと言っていいかもしれません(山小屋はそこそこリスクが高そうですが)。今週末はどこかのプールにでも行こうかと考えています。さて今回は、本連載でもたびたび取り上げた、前理事長のパワハラまがいの“退職勧奨”が医師の大量退職につながり大きな社会問題となった滋賀県大津市にある基幹病院、地方独立行政法人・市立大津市民病院(大津市、30診療科・401床)について改めて取り上げてみたいと思います。市立大津市民病院の大量退職については、「第99回 背景に府立医大と京大のジッツ争い?滋賀・大津市民病院で医師の大量退職が発覚」、「第103回 大津市民病院の医師大量退職事件、『パワハラなし』、理事長引責辞任でひとまず幕引き」で詳しく書きました。同病院の現状についての最近の報道では、大量退職報道をきっかけに病院経営が苦境に陥っていると伝えています。また、今回の事件について、滋賀、京都界隈の医療関係者の間では、新しい“解釈”も流布しはじめているようです。4月分の入院と外来を合わせた収益は前年同月比で14%減7月21日付の京都新聞は、「医師大量退職『印象良くない』診療収入1割減 大津市民病院『手立て必要』」のタイトルで、7月11日に大津市内で開かれた同病院の業務実績をチェックする評価委員会に市が報告した内容を伝えています。それによれば、大量退職が発覚した後の今年4月分の入院と外来を合わせた収益は、前月から17%落ち込み、前年同月比では14%下がっていました。地域の開業医から紹介患者が減り、入院の診療報酬が伸びなかったことも響いたとのことです。4月18日に就任した日野 明彦院長は「(退職した)医師を補充して診療体制は整ったが、患者の印象はまだ良くない。新たな診療分野を立ち上げるなど手だてが必要」と説明したとのことです。評価委員会には昨年度決算も報告されました。それによれば、医業損益は5億9,300万円の赤字で計画を大きく下回ったものの、新型コロナウイルス病床確保支援金などの補助金収入が寄与し、最終損益は29億3,100万円の黒字でした。純資産は44億300万円で、累積欠損金を解消した2020年度から29億3,000万円増えました。ただし、コロナの影響もあって入院・外来患者数とも不調で、病床稼働率は7割強に留まるなど、補助金頼みの苦しい経営状況も示されました。「当事者となった医師たちの話を直接聞き、深く同情した」と日野院長新任の日野院長は、日経メディカルのインタビューにも答えています。インタビューは2回に渡って掲載され、7月25日付の1回目の記事「滋賀・市立大津市民病院院長、日野明彦氏インタビュー(前編)『大量退職の当事者となった医師たちの話を直接聞き、深く同情し、共感もしました』」では、日野氏が大量退職に対する考えや思いを語っています。同記事で日野氏は「僕も一応、京都府立医科大学の出身ですが、前理事長や前院長とは全く面識がありませんでした。赴任が決まってからは、周囲から彼らの仲間であるとか、府立医大の手先であるとか色々言われましたが、全くの虚偽です」と語り、院長就任についても京都府立医大の意向が働いてのことではない、と強調しています。大量退職については、「僕も当事者となった医師たちの話を直接聞き、深く同情し、共感もしました。当事者の医師たちはこの病院で一生懸命働いて来られた方々だと思います。それなのに新しい理事長から『業績が悪いから辞めてください』と言われたら、簡単には納得できないと思います。外科のリーダーだった副院長が前理事長に呼ばれた当時(2021年9月)はCOVID-19で診療に制限がかかっている頃です。それを考えると、単純に『業績が悪い』とは言えないし、ましてや直ちに退職勧奨されるようなレベルではなかったような気がします」と前理事長の対応に疑問を投げかけています。さらに、パワハラを否定した第三者委員会の報告書についても、「問題の本質は、『パワーハラスメント』という言葉の法律上の定義ではないと思います。法律上のパワハラに該当しないから責任が無いということにはなりません」と、当時の病院の経営者側の責任についても言及しています。「風評」の影響で外来患者、紹介患者激減2回目の記事「滋賀・市立大津市民病院院長、日野明彦氏インタビュー(後編)『受診控えの影響で市立大津市民病院の病床稼働率は7割、経営は厳しい』」で日野氏は、医師大量退職の報道で「一番つらかったのは風評」だとして、病院の経営状況を次のように赤裸々に語っています。「そんな病院ではちゃんと診察してもらえないんじゃないか」という不安から、外来患者さん、特に新患の数が減りました。地域の開業医の先生方からの紹介患者さんも激減しました。『市民病院に患者さんを送っても大丈夫か?』と不安に思われる先生方が増えたのと、患者さん自身がトラブルのある病院を避けて、他院への紹介を望まれるケースが増えたことの、2つの要因があると思います。こうした受診控えの影響で、病床の稼働率は現在7割ほどです。経営状態は非常に厳しいです。その一方で、近隣の病院では患者さんが増えて、一部の手術が待機になったりしているようですし、待てない患者さんは京都の病院に流れているという話も聞きました」。この記事では、日野氏自身が地域の診療所や病院に、「市立大津市民病院は大丈夫です」と営業活動をして回っているとも書かれています。一人の経営を知らない理事長が“暴走”しただけで、病院がここまで苦境に陥るとは、経営学的にもとても興味深い事例だと言えます。市立大津市民病院から手を引きたがっていた京大が描いたシナリオと、ここまでなら京都府立医大出身の前理事長が赤字だった外科などの医師に高圧的な態度を取り、京大の医局が激怒して医師を引き上げた、というわかりやすいストーリーということで終了なのですが、滋賀、京都界隈の医療関係者のあいだでは、事件のもう一つの“解釈”が噂されているようです。曰く、「かねてから業績も今ひとつだった市立大津市民病院から手を引きたがっていた京大が、前理事長の“暴走”に乗じ、パワハラと関係がなかった科も含めて全面撤退を決めたことで、事が大きくなってしまった……」。大津市には市立大津市民病院のほかに、日本赤十字社・大津赤十字病院(37診療科、684床)、独立行政法人地域医療推進機構・滋賀病院(JCHO滋賀病院、26診療科、325床)という2つの公的な病院があり、少し離れたところには滋賀医科大学附属病院(31診療科、612床)もあって、患者獲得競争を繰り広げています。この中で、最大規模で3次救急に対応する救命救急センターを持ち、外来患者数や救急外来患者数、手術件数などで他の病院を圧倒する大津赤十字病院は、院長が京都大学医学部出身で、副院長が京大出身者と神戸大出身者の2人と、京大色が強い病院です。今、全国各地で人口減少が急速に進み、病院の機能集約や統廃合が喫緊の課題となっています。また、医師の働き方改革が本格始動まで2年を切り、各大学の医局も医師を派遣する病院の再編成に乗り出しています。そんな中、京大が大津市の医療圏に投入するリソースを、機能的、経営的にも中途半端な市立大津市民病院から引き上げて、大津赤十字病院に集約しようと考えた、というシナリオです。大量退職事件で一番得をしたのは京大?関西で働く知人の医師は、「もちろん悪いのはきっかけを作った前理事長で、そこに府立医大の意向も働いていたのは確かだろう。しかし、それに乗じた京大にも多少の責任があるのでは。世間では今、事が大きくなり過ぎたため、府立医大と京大のトップが裏で話し合い、罪は全部前理事長に負わせて、2つの大学自体は世間からバッシングを受けないようにした、とまことしやかに噂されているよ」と話していました。もしそれが事実なら、今回の大量退職事件で一番得をしたのは京大、ということになるかもしれません。事の真相は藪の中ですが。

11491.

レビー小体型認知症の初期症状~MEMENTO研究

 主観的認知障害(SCI)と軽度認知障害(MCI)は、レビー小体型認知症(DLB)の初期症状として知られている。フランス・ストラスブール大学病院のFrederic Blanc氏らは、ベースライン時にDLBの初期症状としてSCIおよびMCIを有する患者とそうでない患者の比較を行った。その結果、DLBの初期症状を有する患者では認知が遅く、行動障害、自律神経症状、羞明が多く認められ、脳MRIにおける後頭葉、前頭葉、嗅球の関与は、症状や既知の神経病理学的特徴と一致していたことが報告された。Alzheimer's Research & Therapy誌2022年7月19日号の報告。 MEMENTO研究は、診療所、神経心理学、生物学および脳画像のデータによるSCIおよびMCIを有する患者を調査したフランスの全国的研究である。本研究の参加者のうちLewy sub-studyに含まれる892例について、DLB症状に注目するよう設計した。初期症状の可能性があるDLB(pro DLB)の診断は、DLBの4つの臨床的な中核症状の特徴のうち2つの基準のカットオフ値を用いて行った。pro DLB群と、中核症状のない患者(NS群)および中核症状が1つの患者(1S群)との比較を行った。包括的な認知バッテリー、行動に関するアンケート、自律神経・神経系の症状、3D MRI脳容積測定、CSF、FDG PET、アミロイドPETの検査を行った。 主な結果は以下のとおり。・pro DLB群は148例(16.6%)であった。・pro DLB群は、NS群と比較し、処理速度がより遅いMCIの特徴を有しており(59.8%)、うつ、不安、無気力、便秘、鼻漏、シェーグレン症候群、羞明が認められる割合が高かった。・pro DLB群は、NS群と比較し、CSF(交絡因子調整後、有意ではない)および、前頭葉、後頭葉、嗅溝を含む脳MRI拡散画像(FDR補正済み)において、リン酸化タウ蛋白(p-tau)低値が認められた。・認知症への進展については、3群間で同様であった(フォローアップ中央値:2.6年)。

11492.

スタチン服用の日本人患者で発がんリスクが有意に低下

 スタチン製剤の服用によって、日本人の脂質異常症患者の発がんリスクが低下したことが報告された。東京理科大学の前田絢子氏らが、保険請求データを用いた大規模な人口ベースの後ろ向きコホート研究を行い、スタチン製剤と日本人患者における発がんリスクの関係を調査した。近年の調査において、スタチン製剤が特定のがんの発生率を低下させる可能性が示唆されている。しかし、臨床試験では明らかにされておらず、日本人患者での調査も限定的であった。Cancer prevention research誌オンライン版2022年8月2日掲載。スタチンの発がんリスク低下はとくに消化器がんで顕著 本調査の対象は、2006~2015年に脂質異常症と新たに診断された患者。日本の保険請求データを用い、期間中にスタチン製剤を服用開始した群(服用群)と、年齢・性別・診断年に応じて無作為に抽出した非服用群を比較した。解析対象は各群23,746例で平均追跡期間は約2年、Cox比例ハザード回帰モデルを用いて評価した。 スタチン製剤と日本人脂質異常患者における発がんリスクの関係を調査した主な結果は以下のとおり。・スタチン服用群では、非服用群と比較して、有意に発がんリスクが低下した(調整ハザード比[aHR]:0.85、95%CI:0.72~0.97)。・サブグループ解析において、スタチン服用群の発がんリスクの低下は、とくに消化器がんで顕著であった(aHR:0.79、95%CI:0.63~0.99)

11493.

新規抗体薬litifilimab、皮膚エリテマトーデスの疾患活動性を改善/NEJM

 皮膚エリテマトーデス患者の治療において、血液樹状細胞抗原2(BDCA2)のヒト化モノクローナル抗体製剤litifilimabはプラセボと比較して、治療開始から16週間後の皮膚疾患活動性の改善効果が優れ、有害事象の発生状況は同程度であることが、米国・ペンシルベニア大学のVictoria P. Werth氏らが実施した「LILAC試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2022年7月28日号で報告された。世界54施設の無作為化第II相試験 LILAC試験は、皮膚エリテマトーデス患者の治療におけるlitifilimabの有効性と安全性の評価を目的とする16週の二重盲検無作為化プラセボ対照第II相試験であり、2016年10月~2019年11月の期間に、アジア、欧州、中南米、米国の54施設で参加者の登録が行われた(米国Biogenの助成による)。 対象は、年齢18~75歳、全身症状の有無にかかわらず、生検で組織学的に皮膚エリテマトーデスと確定され、活動性の皮膚エリテマトーデス(皮膚エリテマトーデス疾患面積・重症度指数-活動性[CLASI-A]尺度[0~70点、点数が高いほど活動性が高い]のスコアが8点以上)を有する患者であった。 被験者は、litifilimabの3つの用量(50mg、150mg、450mg)またはプラセボを、0週、2週、4週、8週、12週目に皮下投与する群に、1対1対1対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要エンドポイントは、ベースラインから16週までのCLASI-Aスコアの変化の割合(%)とされた。用量反応モデルを用いて、4群における反応の有無が評価された。また、安全性の評価も行われた。より大規模でより長期の試験が必要 132例が登録され、litifilimab 50mg群に26例(平均年齢43.3歳、女性77%)、同150mg群に25例(43.6歳、80%)、同450mg群に48例(44.0歳、75%)、プラセボ群に33例(43.4歳、91%)が割り付けられた。各群のベースラインの平均CLASI-Aスコアは、それぞれ15.2点、18.4点、16.5点、16.5点であった。全身性エリテマトーデス(SLE)を併存する患者が、それぞれ42%、48%、42%、42%含まれた。 CLASI-Aスコアのベースラインから16週までの変化率の最小二乗平均(LSM)は、litifilimab 50mg群が-38.8%、150mg群が-47.9%、450mg群が-42.5%、プラセボ群は-14.5%と、いずれも改善されたが、プラセボ群では改善の程度が小さかった。 したがって、16週時におけるCLASI-Aスコアのベースラインからの変化率の、プラセボ群との差のLSMは、litifilimab 50mg群が-24.3ポイント(95%信頼区間[CI]:-43.7~-4.9)、150mg群が-33.4ポイント(-52.7~-14.1)、450mg群は-28.0ポイント(-44.6~-11.4)であった。3つの用量とプラセボについて最適な用量反応モデルを用いて主解析を行ったところ、いずれの用量でも、プラセボとの比較で有意な効果が確認された。 一方、副次エンドポイントの多くは、主解析の結果を支持しなかった。 有害事象は、litifilimab群(3用量群99例)の72%、プラセボ群の67%で発現し、多くは軽度~中等度であった。頻度の高い有害事象として、鼻咽頭炎(litifilimab群10%、プラセボ群6%)、頭痛(9%、9%)、注射部位紅斑(9%、3%)、SLE(7%、12%)、関節痛(6%、6%)、上気道感染症(6%、3%)などが認められた。重篤な有害事象は、litifilimab群が7例(7%)、プラセボ群は3例(9%)で発現した。 litifilimab群では、過敏症が3例、口腔ヘルペス感染症が3例、帯状疱疹感染症が1例でみられ、litifilimabの最終投与から4ヵ月後に1例で帯状疱疹髄膜炎が発生した。 著者は、「皮膚エリテマトーデスの治療におけるlitifilimabの効果と安全性を明らかにするには、より大規模でより長期の試験を要する」としている。

11494.

「BA.1対応型」で10月接種開始予定、小児へのワクチンは「努力義務」に変更/厚労省

 オミクロン株対応ワクチンについて、本邦では10月半ば以降、初回接種を完了したすべての住民を対象に接種を開始することを想定して「BA.1対応型」2価ワクチンの導入を進めることが、8月8日に開催された第34回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会で了承された。また同会では、小児(5~11歳)の新型コロナワクチン接種について現行の取り扱いを変更し、努力義務の適用とすることも了承された。「BA.1対応型」ワクチンの導入が了承された背景 ファイザー社およびモデルナ社では、「オミクロン株対応ワクチン」(オミクロン株のスパイクタンパクを成分として含んだワクチン、従来型ワクチンとの2価ワクチンを含む)を開発中であり、6月28日のFDA諮問委員会に臨床試験等の結果を報告している。ただし、これらの結果はBA.1の成分を含むワクチンについてであり、FDAはBA.4/5の成分を含む2価の追加接種用ワクチンの開発を検討するよう、両社に勧告している。 これらの状況を受け7月22日、「新型コロナワクチンの製造株に関する検討会」が立ち上げられ、本邦での導入にむけた同ワクチンの構成について議論がなされた結果、まずはいち早く利用可能となる「BA.1対応型」を選択すべきではないかとの見解が示された。その理由として、現在の主な流行株はオミクロン株となっていることから、利用可能なオミクロン株対応ワクチンによる接種になるべく早く切り替えることが妥当であると考えられること、現在までに示されたデータの範囲内では、従来型ワクチンと比較して、ワクチンに含まれる成分と異なる亜系統のオミクロン株に対しても中和抗体価の高い上昇が見られ、オミクロン株に対するより高い有効性が期待されることなどが挙げられた。 「BA.1対応型」ワクチンについて、現時点で報告されている臨床試験結果は以下のとおり。ファイザー社・18~55歳対象、BA.1対応単価ワクチン(30μg) BA.1に対する中和抗体価(従来型と比較して)1.75倍※1・56歳以上対象、従来株+BA.1対応2価ワクチン(15μgずつ) BA.1に対する中和抗体価(従来型と比較して)1.56倍※1 BA.4/5に対する中和抗体価はBA.1に対する上昇よりは低い・56歳以上対象、従来株+BA.1対応2価ワクチン(30μgずつ) BA.1に対する中和抗体価(従来型と比較して)1.97倍※1 BA.4/5に対する中和抗体価はBA.1に対する上昇よりは低いモデルナ社・18歳以上対象、従来株+BA.1対応2価ワクチン(25μgずつ) BA.1に対する中和抗体価(従来型と比較して)1.75倍※1 BA.4/5に対する中和抗体価(接種前と比較して)5.44倍※2※1:幾何平均比、※2:幾何平均上昇倍率 なお、ファイザー社は8月8日のプレスリリースにおいて、従来株+BA.1対応2価ワクチンの承認申請を行ったことを発表した。同ワクチンは生理食塩水での希釈が不要なRTU 製剤とされている。小児に対する有効性・安全性のエビデンスが蓄積、「努力義務」へ 小児(5~11歳)に対する新型コロナワクチンの本邦での取り扱いについて、前回議論された2月10日時点では、小児におけるオミクロン株の感染状況(感染者、重症化の動向)が確定的でないことや、オミクロン株についてはエビデンスが必ずしも十分ではないことから、努力義務の規定は小児について適用しないこととされていた。しかし、この半年の間に海外および国内でのエビデンスが蓄積されている。 有効性について新たに報告されたデータとしては、オミクロン株流行下における、小児に対するワクチンの発症予防効果としては、2~4週間後 60.1%、5~8週間後には28.9%との報告があり、入院予防効果については、2回接種後約60日までで約80%の有効性を認めたとの報告がある。 安全性については、米国での約1,600万回の接種についての大規模解析において、安全性に関する懸念は認められておらず、2回目接種後7日間の追跡で認めた副反応は12~15歳よりも頻度が少なく、接種後の心筋炎の報告率は、12~15歳および16~17歳の男性における報告率より低いと報告されている。国内においても、約270万回の接種について、重大な懸念は認められていない。 複数の委員から「努力義務」という言葉の意味(義務とは異なり接種は強制ではなく、最終的には、あくまでも本人が納得した上での判断を促すもの)を丁寧にわかりやすく示す必要があるという指摘があったが、そのうえで、「努力義務」に変更することが了承された。

11495.

オミクロン株対応2価ワクチンを国内承認申請/ファイザー

 ファイザー社は8月8日付のプレスリリースで、オミクロン株対応の新型コロナウイルスワクチンを厚生労働省に承認事項一部変更申請を行ったことを発表した。今回申請したワクチンは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の起源株と、オミクロン株BA.1系統のスパイクタンパク質をそれぞれコードする2種類のmRNAを含む2価ワクチンで、生理食塩水での希釈が不要なRTU製剤となっている。 同社の2価ワクチンの効果については、6月25日付の米国でのプレスリリースによると、56歳以上を対象とした第II/III相試験において、現行のワクチンと比較してオミクロン株BA.1に対して大幅に高い中和抗体反応を示し、中和抗体価の幾何平均比(GMR)は、2価ワクチン30μgで1.56(95%信頼区間[CI]:1.17~2.08)、60μgで1.97(95%CI:1.45~2.68)であった。追加接種から1ヵ月後では、オミクロン株BA.1に対する中和幾何平均抗体価(GMT)が、30μgで9.1倍、60μgで10.9倍に追加接種以前より増加した。 なお、オミクロン株BA.4/BA.5に対しての効果は、56歳以上の被験者の血清で試験したSARS-CoV-2ライブウイルス中和アッセイによると、BA.1の約3分の1の力価でBA.4/BA.5を中和したという。 オミクロン株対応ワクチンについては、ファイザー社とモデルナ社が現在複数の種類の開発を進めている。厚生労働省は8月8日の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会において、まずはいち早く利用可能となるBA.1対応型の2価ワクチンを導入するのが妥当であるという方針を示した。薬事上の承認が成された場合、9月中に輸入を開始し、10月半ば以降には接種を開始できる見込みという。

11496.

DPP-4阻害薬は胆嚢炎発症リスクを増加させる(解説:住谷哲氏)

 DPP-4阻害薬は低血糖を生じにくい安全な血糖降下薬として多くの患者に処方されている。しかしこれまでにDPP-4阻害薬投与と、心不全1)、水疱性類天疱瘡2)、急性膵炎3)、重症関節痛4)との関連が示唆されてきた。とりわけ初回治療薬として処方される血糖降下薬の約70%がDPP-4阻害薬とされるわが国では5)、まれな副作用についても注意が必要である。 GLP-1が胆嚢のmotilityに影響することは以前から知られており、血中GLP-1濃度を上昇させるDPP-4阻害薬が胆道・胆嚢疾患の発症リスクを増大させるのではないかとの懸念は以前からあった。GLP-1受容体作動薬であるリラグルチドが胆嚢・胆道疾患の発症と関連することはすでに報告されていたが、DPP-4阻害薬について報告がなかった。そこで著者らは、これまでに報告された82のRCTの結果を用いて、DPP-4阻害薬と胆道・胆嚢疾患発症との関連を検討した。 その結果は、胆嚢炎、胆石症、胆道疾患の複合アウトカムである胆嚢・胆道疾患の発症リスク増加(オッズ比[OR]:1.22[95%信頼区間[CI]:1.04~1.43])が認められた。さらに、複合アウトカム構成項目のなかで有意なリスク増加を認めたのは胆嚢炎のみであり(OR:1.43[1.14~1.79])、胆石症と胆道疾患には有意なリスク増加を認めなかった。 胆嚢炎の絶対リスク増加は15/1万人年であり、著者らはそのリスク増加は微小ではあるが、DPP-4阻害薬のもたらすベネフィットとのバランスの下で投与が判断されるべきである、とコメントしている。現在わが国でDPP-4阻害薬が投与されている2型糖尿病患者が何人かは正確には不明であるが、仮に800万人の患者の50%にDPP-4阻害薬が投与されていると仮定すると、年間に800万×0.5×15/1万=6,000となり、年間6,000人の胆嚢炎患者がDPP-4阻害薬投与により余分に発生している計算になる。 DPP-4阻害薬が心血管イベントリスクを増加しない安全な薬剤であることは複数のCVOTで証明されている。しかし発売後10年以上が経過した今日、諸外国と比較して多数の2型糖尿病患者にDPP-4阻害薬が投与されているわが国においては、DPP-4阻害薬のもたらすリスクとベネフィットとを考え直す時期に来ているのではないだろうか。

11497.

あなたにとって、開業の「成功」「失敗」とは?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第42回

第42回 あなたにとって、開業の「成功」「失敗」とは?漫画・イラスト:かたぎりもとこ私たちが承継のお手伝いをしていく中で、「とにかく多くの物件を見ているのに、最終決断ができない」という方が一定数いらっしゃいます。このような方に共通するのは「自分にとっての成功・失敗の定義ができていない」ことです。このために不安に支配されてしまい、決断ができないのです。私たちはこうした方には「成功・失敗を数値で定義してみる」ことをお勧めしています。たとえば、下記のようなイメージです。自分にとっての成功:3年以内に年収を現在(勤務医時代)の2,000万円に戻し、5年以内に2,500万円にすること。自分にとっての失敗:3年以内に初期投資額である4,000万円を返済できないこと(3年間は年収1,500万円を維持する前提)。または、開業の軸として経済合理性以外の軸が重要である場合には、下記のようなものでも良いでしょう。自分にとっての成功:現在の年収1,500万円を下回ることなく、週のうち半分以上は家族と夕食を共にできる働き方を維持する。自分にとっての成功:年収1,000万円を下回ることなく、一人ひとりの患者さんに丁寧な診療(具体的には1人10分以上の診察時間を持てるような診療)を実現する。開業3年目までに実現できていれば成功。多くの物件を見ても意思決定できない方は、上記を整理・言語化できていない場合がほとんどです。これは本来ならば物件を見るより前に、自分の頭で一度整理してみるしかないことです。「決められない病」になってしまった方は、ぜひ「成功・失敗を定義する」という取り組みをしてみてください。

11498.

薬学部の新設・定員増がとうとう原則禁止に【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第94回

文部科学省が、2025年以降の6年制薬学部の新設・定員増を規制する方針を明らかにしました。方々から指摘されていたことではありますが、薬局や薬剤師の将来に大きく影響する決定です。今回は、この決定の背景と現状の薬学部の問題について考えます。薬剤師を養成する大学の6年制薬学部について、文部科学省は、2025年度以降の新設と定員増を原則として認めない方針を決めた。薬学部設置は大学が自由に申請でき、法令に適合すれば認可されるため、近年は薬剤師の供給過多の恐れが指摘されていた。早ければ22年度中に大学設置基準を改正する。(中略)ただ、薬剤師は都心部に偏在するため地域差が大きく、薬剤師不足の都道府県は例外的に新設・定員増を認める。(2022年7月22日付 日本経済新聞)これまで、薬学部の教育の質や薬剤師の需要・供給の未来予測などについては、文部科学省の「薬学系人材養成の在り方に関する検討会」、厚生労働省の「薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」などで検討されてきました。その結果、ほぼすべての結論が「薬学部の新設抑制を勧める」というもので、2022年版の日本薬剤師会政策提言においても「薬学部・薬科大学入学定員総数の削減を行うべきである」と明言されています。ネガティブな結果ではありますが、国が本腰を入れるとこんなにスムーズに物事が動くのだなと感心しています。薬剤師を養成する場である6年制薬学部は、15年ほど前に新設が相次ぎ、2021年時点で77大学79学部あります。私立大学は58大学60学部と大多数を占めていますが、そのうち約30%は入学定員充足率が80%以下にとどまっています。さらに、私立大学では、6年で卒業して一発で国家試験に合格できる学生は60%未満で、合格率が50%以下の大学も10校以上あり、厳しい状況となっています。薬学部が多いため入学試験による学生の選別が機能せず、学力の基準に満たない学生が多く入学して国家試験に合格できない、という大学が複数あるということなのでしょう。文部科学省は、これまでも定員充足率や国家試験合格率が低い私立大学に改善を促してきましたが、今後は定員割れの大学は助成金の減額や不交付とすることも示唆しています。ゆくゆくは運営を継続できず廃部になる大学も出てくるのではないかと思います。薬剤師の供給過多により待遇悪化の懸念厚生労働省の推計によると、2020年に約32万人だった薬剤師数は、25年後の2045年には最大で約45万人となるとされています。薬局や病院で必要な薬剤師数は33~40万人程度で、供給が需要を上回る見込みです。今以上に薬学部が増えた場合、新卒薬剤師が就職できなかったり、待遇が悪化したりする恐れがあるため、文部科学省としては定員を抑制してそうした事態を防ぎたいという狙いがあります。しかし、厚生労働省の調査では、病院の薬剤師充足率は愛知県や兵庫県の98%に対し、群馬県や青森県は50%程度で、薬剤師は都市部に偏在しています。そのため、例外として2025年度以降も薬剤師不足の地域では新設や定員増を認めるとしていますが、その対象や期限については今後も検討が続けられます。私の個人的な意見としては、最近の薬剤師国家試験の結果は目に余るものがあると感じていましたので、仕方ないのかなと思います。薬剤師不足の地域では新設・定員増を認めるとのことですが、合格率の低い大学は地方に多い傾向にあり、薬剤師数を増やしつつ教育の質を向上させるのは簡単なことではないでしょう。定員割れ対策や薬学教育の充実には地道な努力が必要であることは間違いありませんが、今回の決定が今後の薬剤師にとってよい変化の1つになればいいなと思います。

11499.

英語で「…と診断されたことはありますか?」は?【1分★医療英語】第40回

第40回 英語で「…と診断されたことはありますか?」は?Have you ever been diagnosed with diabetes?(糖尿病と診断されたことはありますか?)No, but last year, I was told I had pre-diabetes.(いいえ、でも去年、糖尿病予備軍と言われました)《例文1》I was diagnosed with lung cancer 3 years ago.(私は3年前に肺がんと診断されました)《例文2》Have you ever been told that you have diabetes?(糖尿病と言われたことがありますか?)《解説》「診断」という名詞は“diagnosis”、「診断する」という動詞は“diagnose”です。「diagnose 人 with~」で、「人を~という病気と診断する」という意味になり、“Have you ever been diagnosed with~?”で「~と診断されたことはありますか?」と聞くことができます。特定の既往歴があるかどうかを聞く場合の他の表現として、“Have you ever been told that you have~?”(~と言われたことがありますか)や、さらにシンプルに“Do you have~?”(~がありますか)といった表現もあります。また、関連する用語として「鑑別診断」は“differential diagnosis”、「前糖尿病」や「糖尿病予備軍」は“prediabetes” “borderline diabetes”と表現することを覚えておくと役立ちます。講師紹介

11500.

第124回 ワルファリン解毒酵素が半世紀超を経てついに判明

1936年にデンマークの生化学者Henrik Dam氏が発見したビタミンKは同氏の母国語で凝固を意味するkoagulationにちなんで名付けられ、その由来の通り血液凝固を促します1)。ビタミンKがとる姿はいくつかありますが、血液凝固に携わるのは1つで、ビタミンKヒドロキノン(VKH2)と呼ばれる還元型です。VKH2へのビタミンKの還元には世界で最もよく使われている抗凝固薬ワルファリンによって阻害されるビタミンKエポキシド還元酵素(VKOR)またはワルファリンに邪魔されない別の還元経路が携わります。ワルファリンに阻害されない(warfarin-resistant)ビタミンK還元酵素は半世紀以上前にその存在が予想されましたが今までわからずじまいでした。ドイツ・ミュンヘンのヘルムホルツ研究所のチームによる新たな研究でVKH2の抗酸化作用がフェロトーシスと呼ばれる細胞死を防ぐ役割を担い、VKH2を維持してそのフェロトーシス阻止作用を支えるビタミンK還元酵素FSP1が同定されました。そしてその還元酵素FSP1こそ半世紀以上前にその存在が予想されたワルファリンに阻害されないビタミンK還元酵素であることが判明しました2,3)。高用量のビタミンKはワルファリン過剰による脳出血などの副作用(ワルファリン中毒)を食い止める解毒作用があります。そのビタミンKのワルファリン中毒解消作用をFSP1が介することもマウス実験で示されています。ワルファリン過剰投与FSP1欠損マウスをビタミンK治療してもプロトロンビン時間は非常に長いままであり、ほぼ全頭が主に脳出血により死なねばなりませんでした。一方、FSP1遺伝子があるマウスは高用量ビタミンK治療で救われ、FSP1はワルファリン中毒の解毒作用に携わることが裏付けられました。フェロトーシスの新たな抑制因子FSP1を発見した今回の成果はアルツハイマー病や急な臓器損傷などのフェロトーシスと関連するらしい病気の数々の新規治療の開発に役立つでしょう。また、フェロトーシスは原核生物や植物から哺乳類に至る種々の生物に備わり、どうやら最古の細胞死の一つらしく、ゆえにそのフェロトーシス阻止を担うビタミンKは自然界で最初に誕生した抗酸化成分の一つかもしれません3)。 参考1)Long-sought mediator of vitamin K recycling discovered / Nature2)Mishima E, et al. Nature. 2022 Aug 3. [Epub ahead of print]3)Vitamin K prevents cell death: a new function for a long-known molecule / Eurekalert

検索結果 合計:36499件 表示位置:11481 - 11500