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日本人アルツハイマー病に対する抗認知症薬の継続性

 アルツハイマー病(AD)の症状に対する治療には、ドネペジルが用いられることが多いが、早期の治療中断も少なくない。ドネペジル治療開始後の抗認知症薬使用の継続率を明らかにすることは、今後の治療戦略の開発および改善に役立つ可能性があるものの、これらに関する日本からのエビデンスはほとんどなかった。九州大学の福田 治久氏らは、日本人AD患者におけるドネペジル開始後の抗認知症薬の継続率を明らかにするため、保険請求データベースを用いて検討を行った。その結果、日本人AD患者における抗認知症薬の継続率は、他国と同様に低いことが明らかとなった。著者らは、長期介護が必要な患者で治療中断リスクが高く、AD患者の薬物治療継続率を改善するためには、さらなる対策が求められると報告している。Journal of Alzheimer's Disease誌オンライン版2022年10月1日号の報告。 17の自治体より2014年4月~2021年10月にドネペジルを新規で処方されたAD患者に関する保険請求データを収集した。抗認知症薬の継続性は、ドネペジル最終処方後60日以内にドネペジル、他のコリンエステラーゼ阻害薬、メマンチンを処方された場合と定義した。要介護レベルと治療中断との関連を分析するため、Cox比例ハザードモデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・対象は、AD患者2万474例(平均年齢:82.2±6.3歳、女性の割合:65.7%)。・抗認知症薬の継続率は、開始後30日で89.1%、90日で79.4%、180日で72.6%、360日で64.5%、540日で58.3%であった。・要介護度別における治療中断のハザード比は、介助が必要な患者で1.01(95%信頼区間[CI]:0.94~1.07)、長期介護の必要性が低度の患者で1.12(95%CI:1.06~1.18)、長期介護の必要性が中程度~高度の患者で1.31(95%CI:1.21~1.40)であった。

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第135回 もはや “ワクチンガチャ”、追加接種はBA.1かBA.4/BA.5の明示必要なし

徐々に新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の第8波の足音が忍び寄っている。現在に至ってもその感染対策の基本は、手洗い、マスク、三密回避、ワクチンであることは不変だ。しかし、新型コロナパンデミックからもう丸3年が経過しようとしている中で、いくつかの変化はある。まず、流行の主流ウイルス株がBA.4/BA.5と5世代目になり、多くの国民が2回はワクチンを接種していることもあってか、見かけ上の重症化率は低下している。一方で当初から使われてきたワクチンの効果が以前よりも低下し、新たな2価ワクチンが登場したものの、国民の側も頻回なワクチン接種にややうんざりしている。実際、首相官邸のホームページで公表されているワクチン接種実績も2価ワクチンに関しては、11月14日時点で10.4%と低調である。これについては、(1)第7波時の感染者の接種待機、(2)4回目接種からの接種待機、(3)BA.4/BA.5対応の接種待ち、という要素もあるだろうが、それにしても接種率の低さは否めない。そうした中でやや気になるのが現在のワクチン接種体制である。日本では9月12日にオミクロン株BA.1対応2価ワクチン(以下、BA.1対応ワクチン)を承認したが、米国食品医薬品局(FDA)はそれより一足早く8月31日にオミクロン株BA.4/BA.5対応2価ワクチン(以下、BA.4/BA.5対応ワクチン)の緊急使用許可を下した。そして日本では10月5日にファイザー製、10月31日にモデルナ製のBA.4/BA.5対応ワクチンをそれぞれ承認した。前者については私が見る限り、すでにほとんどの自治体に行き渡っていると見られ、後者については厚生労働省(以下、厚労省)の発表によると11月28日から各自治体への配送が始まるという。さてここで問題。2杯のラーメンがあり、うち一杯はチャーシューが3枚、もう一杯はチャーシューが5枚、ただし料金は同一。あなたはどちらを選びますか? チャーシューの好き嫌いやカロリーを気にする人を除けば、多くは5枚のほうを選ぶのではないだろうか?なぜこのような話をしたのかというと、現在、市中に流通しているファイザー製2価ワクチンはBA.1対応ワクチンとBA.4/BA.5対応ワクチンが混在している。そして現在の流行の主流はBA.4/BA.5である。最低限の知識があり、新型コロナワクチンの接種を希望する人がどちらを選びたがるかは自明ではないだろうか?もちろんBA.1対応ワクチンでもBA.4/BA.5に一定の効果はあるのは確かだ。しかし、限定的とはいえ、公表されているデータを見れば、ファイザー製ワクチンのBA.4/BA.5に対する中和抗体価は、明らかにBA.4/BA.5対応ワクチンのほうが高い。にもかかわらず「どちらでも良いから接種してください」は国民感情の観点からは無理があり過ぎると思うのだ。百歩譲って、感染拡大が急速に進行し、供給量がBA.1対応ワクチンのほうが潤沢な一方、BA.4/BA.5対応ワクチンがかなり心もとない状況ならば、私も「どちらでも良い」とは言うだろう。しかし、現在はBA.4/BA.5主流の第8波に入り始めている中、少なくともファイザー製ワクチンに関しては、大都市圏では予約システムで問題なくBA.4/BA.5対応ワクチンが選択でき、一部の地方自治体ではBA.4/BA.5対応ワクチンに切り替えて一本化する方針を打ち出している事例もある。それでもなお「どちらでも良い」で国民の納得が得られるとは到底思えない。これに対して厚労省は何と言っているのか? 10月20日付事務連絡「オミクロン株に対応した新型コロナワクチンの接種体制確保について(その6)」から気になった以下の2点を原文のまま抜粋する。「BA.4-5対応型ワクチンの使用開始後においても、有効期限内のBA.1対応型ワクチンを廃棄してBA.4-5対応型ワクチンに切り替えるといった対応は行わず、BA.1対応型ワクチンを含め、接種可能なワクチンを使用して、速やかにオミクロン株対応ワクチン接種を進めること」「なお、予約枠の提供に際しては、使用するワクチンがBA.1対応型ワクチンであるかBA.4-5対応型ワクチンであるかを明示する必要はない」貴重な血税を投入して確保したワクチンであることを考えれば、BA.1対応ワクチンをなるべく使い切って無駄を防ぎたいのは、別に官僚でなくともわかる。こうした国の方針を忖度したのかどうかはわからないが、大阪府知事の吉村 洋文氏や千葉県知事の熊谷 俊人氏のように自身のBA.1対応ワクチンの接種を公開してアピールする御仁もいる(吉村氏のほうは記事内でBA.1対応ワクチンであることを本人が公言しているわけではないが、記事中にあるように府の接種センターがモデルナ製を使用している以上、現下ではBA.1対応であることは明白)。さらに言えば、事務連絡の後段は、さすがに言い過ぎではないだろうか? 前述のラーメン話に例えれば、目隠しした客にチャーシューが3枚になるか、5枚になるかは運次第と言っているようなもの。ラーメンなら多少の遊び心でそれも良いかもしれないが、ことは公衆衛生に関わることであり、国民にとっては自分個人の健康にかかわることである。こんなところで“無作為化”の必要はないはずだ。もっとも多くの自治体では事務連絡は事実上見て見ぬ振りをして、どのワクチンを使用するかは明示している。しかし、中には国に忖度したのか巧みな戦略を導入している自治体もある。これを知ったのは、時々本連載に登場させている(本人たちは知らない 笑)私の両親を通じてである。先日、母親からLINEが来た。敢えてそのやり取りを一部伏字にしながら抜粋する。母5回目のコロナ接種(オミクロン対応)二人共終了。私BA.5用?母BA.1モデルナ。私なんでよ。BA.5待てばよかったのに。それ在庫処分セールみたいなものだよ。事前に相談してほしかった。母お父さん(注:すでに軽度認知障害あり)を連れて行く事で頭一杯で、気が回らない!!事前に教えてくれる事(注:新たなワクチン接種などがある時は母から尋ねられなくとも自発的に私から情報提供せよという意味)を今後考えてくれると、ありがたい。私わかったよ。だから事前に相談して。効果がないわけじゃないけど、BA.5に対してはどうしてもBA.1用では効果が劣るので感染対策を入念にしてください。母いや、情報はそちらからお願いします。年寄りは××(注:現在受験生のわが娘)の事で忙しいと思ってかなり遠慮しています。私いつ打つかもわからないのに事前に情報出せないでしょ。自治体によって接種スケジュールも違うし、そもそも△△町(注:わが故郷)がBA.1用をまだ使っているなんて思いもしなかったよ。ここでドタバタの親子のやり取りは終わりのはずだった。ところが日付が変わった深夜に再び母親からLINEが到着した。午前3時過ぎだ。通常なら母親は完全に寝入っている時間だ。母反省している。必死の思いで受けたのに残念で眠れない。私どうしたのよ急に。まあ、無効なわけじゃないのであまり気にしないで。ちょっと私も言い方がきつかった。まさか△△町がまだBA.1用を使っていると思わなかったのよ。ほとんどの自治体で切り替えているからさ。幸いだったのはモデルナだったこと。母わかった。私モデルナのほうが抗体がより高く上がる。ファイザーよりね。中途半端に医療知識がある息子の心ない言動だと、多くの医療従事者からはお叱りを受けるかもしれない。しかし、基礎疾患がある80代半ば過ぎの老老介護の両親を遠く離れた故郷に残している自分としては、少しでも感染・発症リスクは避けたいと願うのだ。さて「巧みな戦略」と言ったのは、わが故郷の自治体のことである。母親から話を聞いた後、自治体のホームページをのぞいて溜息が出た。なんとわが故郷の自治体は、11月と12月に個別接種医療機関で使用するワクチンを週ごとにBA.1対応ワクチンとBA.4/BA.5対応ワクチンに交互に切替をしていたのだ。国からすれば模範的な対応と言えるかもしれない。そして両親は“BA.1対応ワクチン在庫一掃処分セール(嵐のように批判されようとも、敢えてこの言葉を使う)”の週にたまたま当たっていたのである。ここでちょっと原点に戻りたい。そもそもこのようなドタバタが存在するのはワクチンの承認審査過程に起因する。前述のように日本では米・FDAがBA.4/BA.5対応ワクチンの緊急使用許可後にBA.1対応ワクチンを承認するというタイムラグがあった。これについては、米・FDAが早くも6月段階で追加接種用ワクチンの申請に当たっては、BA.4/BA.5対応ワクチンを推奨したからである。この推奨がなかった日本とヨーロッパでは、ファイザー、モデルナともにBA.1対応ワクチンを承認申請し、そのまま承認された。当初、この日本の対応を私はかなり批判的に捉えていたが、今はその見解を撤回している。ご存じのようにFDAのBA.4/BA.5対応ワクチンの承認は、ほぼ前例のない動物実験データのみでの承認だったことを日本でのBA.1対応ワクチン承認後に知ったからである(言い訳をすると当時はかなり多忙を極め、FDAの緊急使用許可の中身までは吟味できていなかった)。少なくとも日本の承認審査制度の細かさ(保守性?)を考えれば、たとえ製造方法や原料の同等性はあったとしても、申請時にヒトの中和抗体価データのみしかないBA.1対応ワクチンの承認もなく、一足飛びに動物実験データのみでBA.4/BA.5対応ワクチンを承認することを素直に肯定はできなかっただろう。これは私個人の見解(感情)もそうだ。さらに言えば、感情的には「もにょる」ものの、「まあ製法や原料は同じだしな」となんとか納得させている部分はある。ただし、BA.4/BA.5対応ワクチンのヒトでの中和抗体価データが明らかになりつつある今は、この「もにょる」感情も薄れつつある。さて、そのうえで私はもう思い切って新型コロナワクチンの公的接種はBA.4/BA.5対応ワクチンに一本化しても良いのではないかと思っている。岸田 文雄首相自らが国民にいくらワクチン接種を呼びかけようとも、周回遅れワクチンを接種したいと思う人は多くないはずである。もちろんこのことはBA.1対応ワクチンにかかった税金を事実上ドブに捨てることになる可能性は大である。強いて取れる戦略があるとするならば、一本化後もBA.1対応ワクチンを有効期限内は保持して、BA.4/BA.5対応ワクチンの供給不安と感染拡大が重なった時に利用するという形である。徐々に市中の様相はかつての日常に戻りつつあるとはいえ、今も準緊急事態であることは多くの国民が認識しているはずである。そして今回のワクチンの費用負担は強大な国が負っている。いくら血税とはいえ、いまBA.1対応ワクチンが無駄になったとしても国民が直接損害を被ることはない。ならば公衆衛生という観点からは大胆な「損切り」も必要なのではないだろうか?

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非専門医が使える「糖尿病治療のエッセンス」2022年版/日本糖尿病対策推進会議

 わが国の糖尿病患者数は、糖尿病が強く疑われる予備群を含め約2,000万人いるとされているが、糖尿病の未治療者や治療中断者が少なくない。 そこで、糖尿病診療のさらなる普及を目指し、日本糖尿病学会をはじめとする日本糖尿病対策推進会議は、糖尿病治療のポイントをとりまとめて作成した『糖尿病治療のエッセンス(2022年版)』を制作し、日本医師会のホ-ムページより公開した。糖尿病治療のエッセンスの改訂は今回で5回目となる。 糖尿病治療のエッセンスの今改訂では、(1)かかりつけ医から糖尿病・腎臓の専門医・専門医療機関への照会基準を明確に解説、(2)最新の薬剤情報へアップデートなど、よりわかりやすい内容に見直しを行った。『糖尿病治療のエッセンス(2022年版)』主な内容と使用図表の一覧(主な内容)1)糖尿病患者初診のポイント2)治療目標・コントロール指標3)治療方針の立て方4)食事療法・運動療法 薬物療法のタイミングと処方の実際5)糖尿病合併症 医療連携 (使用図表)図1 糖尿病の臨床診断のフローチャート図2 血糖コントロール目標図3 高齢者糖尿病の血糖コントロール目標(HbA1c値)図4 糖尿病患者の治療方針の立て方図5 有酸素運動とレジスタンス運動図6 かかりつけ医から糖尿病専門医・専門医療機関への紹介基準図7 かかりつけ医から腎臓専門医・専門医療機関への紹介基準表1 その他のコントロール指標表2 主な経口血糖降下薬の特徴(赤字は重要な副作用)表3 GLP-1受容体作動薬 (リベルサス以外は注射薬)表4 インスリン注射のタイミング、持続時間と主な製剤の比較表5 基礎インスリン製剤とGLP-1受容体作動薬の配合注射薬表6 代表的なインスリンを用いた治療のパターン表7 糖尿病性腎症病期分類図 2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム別表 安全な血糖管理達成のための糖尿病治療薬の血糖降下作用・低血糖リスク・禁忌・服薬継続率・コストのまとめ 同会議では「糖尿病診療は新しい取り組みや薬物療法など、そのとりまく環境は大きく変化している。本書を活用し、最新の知見について理解を深め、日常診療において、糖尿病患者の早期発見、治療に役立てて、糖尿病診療に携わる医療関係者にとって医療連携のツールとして、その発展につながることを願っている」と『糖尿病治療のエッセンス(2022年版)』に期待を寄せている。

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急性期治療における抗精神病薬の使用状況~スコーピングレビュー

 せん妄などの原発性精神疾患以外の症状に対して、急性期治療で抗精神病薬が使用されることは少なくない。このようなケースで使用された抗精神病薬は、退院時およびフォローアップ時においても継続使用されていることが多いといわれている。カナダ・カルガリー大学のNatalia Jaworska氏らは、抗精神病薬処方の慣行の特徴、抗精神病薬処方と中止に対する専門家の認識、急性期治療における抗精神病薬処方中止戦略などを明らかにするため、スコーピングレビューを実施した。その結果、急性期治療で専門家が認識していた抗精神病薬処方と実際に測定された処方の慣行は異なっており、また院内での処方中止戦略についての報告はほとんどないことが明らかとなった。結果を踏まえ著者らは、抗精神病薬の有効性およびリスクを評価するためには、処方中止戦略を継続的に評価する必要があるとしている。BMC Health Services Research誌2022年10月21日号の報告。 2021年7月3日までに公表された、抗精神病薬の処方と中止の慣行、および急性期治療における抗精神病薬処方と中止に対する認識について報告した1次調査研究を、MEDLINE、EMBASE、PsycINFO、CINAHL、Web of Scienceのデータベースより検索した。プロトコール、エディトリアル、オピニオンピース、システマティックレビュー、スコーピングレビューを除くすべての研究デザインを分析に含めた。2人のレビュアーにより、データを個別または重複してスクリーニングし、要約した。 主な結果は以下のとおり。・スクリーニングした研究4,528件のうち80件を分析に含めた。・すべての急性期治療環境(集中治療室、入院、救急部門)において専門家が認識していた抗精神病薬処方は、ハロペリドールが最も高頻度であったが(100%[36件中36件])、測定された抗精神病薬処方の慣行では、クエチアピンが最も一般的であった(76%[36件中26件])。・抗精神病薬の使用理由は、せん妄(70%[69件中48件])および興奮症状(29%[69件中20件])であった。・退院時では、クエチアピンの処方が最も多かった(100%[18件中18件])。・3件の研究で、薬剤師主導の処方中止権限、ハンドオフツール、教育セッションに焦点を当てた院内抗精神病薬処方中止戦略が報告されていた。

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がん患者のCOVID-19、免疫抑制と免疫療法の両方で重症化

 免疫療法を受けたがん患者は、免疫系の活性化により新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるサイトカインストームがより多く発生する可能性がある。今回、米国・Dana-Farber Cancer InstituteのZiad Bakouny氏らが、がん患者におけるベースラインの免疫抑制と免疫療法、COVID-19の重症度およびサイトカインストームとの関連を調べた。その結果、COVID-19を発症したがん患者において、免疫抑制と免疫療法のどちらか片方のみでは重度の感染症やサイトカインストームのリスクは増加せず、ベースラインで免疫抑制のあるがん患者に免疫療法を実施すると、COVID-19の重症化やサイトカインストームの発生につながるリスクが高いことが示唆された。JAMA Oncology誌オンライン版2022年11月3日号に掲載。 本研究は後ろ向きコホート研究で、対象は2020年3月~2022年5月にCOVID-19 and Cancer Consortium(CCC19)レジストリ(現在または過去にがん診断を受けたCOVID-19患者の国際的な多施設集中型レジストリ)に報告された1万2,046例。解析対象は、PCRまたは血清学的所見でSARS-CoV-2感染が確認されたactiveながん患者もしくはがん既往のある患者で、COVID-19診断前3ヵ月以内に免疫療法(PD-1/PD-L1/CTLA-4阻害薬、二重特異性T細胞誘導抗体、CAR-T細胞療法)を含むレジメンで治療された免疫療法群、免疫療法以外(細胞傷害性抗がん剤、分子標的療法、内分泌療法)のレジメンで治療された非免疫療法群、未治療群に分けた。主要評価項目は、COVID-19の重症度(合併症なし、酸素を要しない入院、酸素を要する入院、ICU入院/機械的人工換気、死亡の5段階)、副次評価項目はサイトカインストームの発生とした。 主な結果は以下のとおり。・全コホートの年齢中央値は65歳(四分位範囲:54~74)、女性が6,359例(52.8%)、非ヒスパニック系白人が6,598例(54.8%)であった。免疫療法群は599例(5.0%)、非免疫療法群は4,327例(35.9%)で、未治療群は7,120例(59.1%)であった。・全コホートでは、免疫療法群はCOVID-19重症度(調整オッズ比[aOR]:0.80、95%CI:0.56~1.13)およびサイトカインストーム発生(aOR:0.89、95%CI:0.41~1.93)で未治療群と差が認められなかった。・ベースラインが免疫抑制状態で免疫療法を受けた患者では、未治療群と比較し、COVID-19重症度(aOR:3.33、95%CI:1.38~8.01)およびサイトカインストーム発生(aOR:4.41、95%CI:1.71~11.38)が悪化していた。・ベースラインが免疫抑制状態で非免疫療法を受けた患者も、未治療群と比較し、COVID-19重症度(aOR:1.79、95%CI:1.36~2.35)およびサイトカインストーム発生(aOR:2.32、95%CI:1.42~3.79)が悪化していた。

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モデルナBA.4/5対応2価ワクチン、第II/III相試験で主要評価項目達成

 Moderna(米国)は11月14日付のプレスリリースで、オミクロン株対応2価ワクチン候補mRNA-1273.222について、オミクロン株(BA.4/5)に対してmRNA-1273のブースター用量と比較して優れた抗体反応が得られたことを発表した。 同社が実施した第II/III相試験では、ワクチン接種歴のある19~89歳の511名を対象とし、前回のワクチン接種から約9.5ヵ月後にmRNA-1273.222を、約4.5ヵ月後にmRNA-1273をそれぞれ接種した。 mRNA-1273.222とmRNA-1273のオミクロン株BA.4/5幾何平均抗体価(GMT)は、ブースター接種前のSARS-CoV-2感染者と非感染者でそれぞれ5.11(95%信頼区間[CI]:4.10~6.36)と 6.29(95%CI:5.27~7.51)であった。すべての参加者において、オミクロン株BA.4/5 に対するGMTは4,289(95%CI:3,789.0~4,855.9)で、ブースター接種前から15.1倍(95%CI:13.3~17.1)上昇した。感染歴のない被験者では、GMTは2,325(95%CI:1,321.2~2,812.7)であり26.4倍(95%CI:22.0~31.9)の増加、感染歴のある被験者では、GMTは6,965(95%CI:6,043.7~8,025.4)でありブースター接種前から9.8倍(95%CI:8.4~11.4)上昇した。なお、65歳以上の被験者と18~65歳未満の被験者の間で、一貫した結果が認められた。 今回の結果は、同社のBA.1対応2価ワクチンであるmRNA-1273.214が、mRNA-1273のブースター用量と比較して複数のオミクロン変異株に対する中和抗体価に優れることを確認したNEJM誌に発表されたデータに基づく。mRNA-1273.214においては、50μgブースター用量が、mRNA-1273のブースター用量と比較してオミクロンBA.1およびオミクロンBA.4/5に対して優れた中和抗体反応を引き起こし、その優位性は少なくとも3ヵ月間継続した。 mRNA-1273.222およびmRNA-1273.214の副作用の発現頻度は、2回目または3回目のワクチン接種の場合と同様かそれ以下であった。また、どちらも約1ヵ月、約3ヵ月の追跡調査後、新たな安全性の懸念は確認されなかった。これらの安全性および免疫原性データは、査読付きの論文として提出され、世界中の規制当局と共有される予定だとしている。

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末期腎不全患者の手術、透析からの日数が死亡リスクに影響/JAMA

 血液透析を受けている末期腎不全患者において、術前最後の血液透析から手術までの間隔が1日に比べて、2日および3日と長くなるほど術後90日死亡リスクが高まり、とくに手術当日に血液透析を実施していない場合に有意に高まることが、米国・スタンフォード大学のVikram Fielding-Singh氏らが行った、米国メディケア受給者を対象とした後ろ向きコホート研究の結果、示された。血液透析治療中の末期腎不全患者において、待機的手術前の適切な血液透析の時期は不明であった。ただし、今回の結果について著者は、「絶対リスクの差の程度は小さく、残余交絡の影響の可能性もある」と述べている。JAMA誌2022年11月8日号掲載の報告。血液透析~手術間隔(1日・2日・3日)、手術当日の血液透析有無の術後死亡を評価 研究グループは、末期腎不全のために血液透析を受けているすべての患者の全国登録であるUnited States Renal Data Systemを用い、血液透析治療中の末期腎不全患者で2011年1月1日~2018年9月30日の期間に外科手術(眼内注射、デブリードマン等の小手術を含む)を受けたメディケア受給者を特定し、2018年12月31日まで追跡調査した。 主要評価項目は術後90日死亡率で、手術と術前最後の血液透析との間隔が1日、2日、3日間で比較するとともに、手術当日の血液透析の有無でも評価した。血液透析から手術までの間隔と術後90日死亡率との関連性は、Cox比例ハザードモデルを用いて評価した。 解析対象は34万6,828例(年齢中央値65歳[四分位範囲[IQR]:56~73]、女性49万5,126例[43.1%])、手術件数114万7,846件であった。血液透析から手術までの期間が長いほど、術後90日死亡リスクが高い 114万7,846件の手術のうち、術前最後の血液透析と手術との間隔が1日間は75万163件(65.4%)、2日間が28万5,939件(24.9%)、3日間が11万1,744件(9.7%)であった。また、19万3,277件(16.8%)では、手術当日に血液透析が実施されていた。 90日死亡は、3万4,944件(3.0%)の術後に発生した。術前最後の血液透析から手術までの間隔が長いほど90日死亡リスクは高く、日数依存の有意な関連性が認められた。2日vs.1日(絶対リスク4.7% vs.4.2%、絶対リスク差0.6%[95%信頼区間[CI]:0.4~0.8])の補正後ハザード比(aHR)は1.14(95%CI:1.10~1.18)だが、3日vs.1日(5.2% vs.4.2%、1.0%[0.8~1.2])のaHRは1.25(1.19~1.31)であり、また3日vs.2日(5.2% vs.4.7%、0.4%[0.2~0.6])のaHRは1.09(1.04~1.13)であった。 手術当日の血液透析の実施は、実施なしと比較して死亡リスクの有意な低下と関連していることが認められた。手術当日の血液透析ありvs.なしは、絶対リスク4.0% vs.4.5%、絶対リスク差は-0.5%(95%CI:-0.7~-0.3)で、aHRは0.88(95%CI:0.84~0.91)であった。 血液透析から手術までの間隔と手術当日の血液透析との相互作用について解析した結果、手術当日の血液透析実施は、術前の血液透析から手術までの間隔の延長に関連するリスクを有意に低下させることが示された(相互作用のp<0.001)。

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サル痘、発症前の症例から感染の可能性も/BMJ

 英国健康安全保障庁(UKHSA)のThomas Ward氏らは、英国でのサル痘の感染動態を調べる目的で接触追跡研究を実施した。英国では、サル痘の流行は2022年7月9日時点でピークとなりその後に低下。発症間隔は潜伏期間より短い場合が一般的であったことから、症状発現前のサル痘症例からの感染伝播があったことが示唆されたとしている。また、症状発現前に感染が検出されたのは最大4日間であったことから、感染の可能性がある人々の95%を検出するためには16~23日の隔離期間が必要と考えられたこと、発症間隔の95パーセンタイル値は23~41日間であり、感染期間が長いことが示唆されたとしている。BMJ誌2022年11月2日号掲載の報告。サル痘症例2,746例の接触追跡を行い、潜伏期間と発症間隔を推定 研究グループは、UKHSAの症例質問票からデータを収集し、サル痘症例の接触追跡研究を実施した。対象は、2022年5月6日~8月1日の期間にPCR検査でサル痘と確定診断された症例2,746例で、接触追跡により症例と接触者のペアを特定した。 主要評価項目は、サル痘感染症の潜伏期間と発症間隔(1次感染者の症状発現日と2次接触者の症状発現日の間隔)で、2つのベイジアンモデル(区間打ち切り補正[ICC]、区間打ち切り右側切り捨て補正[ICRTC])を用いて推定した。また、サル痘ウイルス感染が確認されUKHSAに報告された日ごとの症例数の増加率について、一般化加法モデルを用いて推定した。発症間隔中央値は潜伏期間より短く、発症前の症例から感染伝播する可能性あり 2,746例の平均年齢は37.8歳で、95%がゲイ・バイセクシャル・男性間性交渉者であると報告した(1,160/1,213例)。 平均潜伏期間はICCモデルで7.6日(95%信用区間[CrI]:6.5~9.9)、ICRTCモデルで7.8日(6.6~9.2)、平均発症間隔はそれぞれ8.0日(95%CrI:6.5~9.8)、9.5日(7.4~12.3)と推定された。 両モデルとも平均発症間隔は潜伏期間より長かったが、短期発症間隔の頻度が短期潜伏期間よりも多く認められ、発症間隔の25パーセンタイル値および中央値は潜伏期間の同値より短かった。ICCとICRTCモデルにおいて、25パーセンタイル値は推定1.8日(95%CrI:1.5~1.8)~1.6日(1.4~1.6)短く、中央値は推定1.6日(1.5~1.7)~0.8日(0.3~1.2)短かった。 発症間隔と潜伏期間の連携データのある症例13例のうち、10例で発症前の感染が記録されていた。 症例の倍加時間は、英国で最初のサル痘症例が報告された5月6日には9.07日(95%信頼区間[CI]:12.63~7.08)と推定されたが、症例の増加率は7月9日までのアウトブレイク中に減衰し、その後は症例の半減期へと転じ、試験終了時の8月1日には半減期が29日(38.02~23.44)にまで減少していた。

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ヒドロクロロチアジド、アモキシシリンなどに「使用上の注意」改訂指示

 厚生労働省は11月16日付で、ヒドロクロロチアジド含有製剤、アモキシシリン水和物含有製剤などに対し、使用上の注意の改訂指示を発出した。 今回の改訂指示は、ヒドロクロロチアジド含有製剤4剤の「重大な副作用」の項に「急性呼吸窮迫症候群」を、アモキシシリン水和物含有製剤6剤の「重要な基本的注意」の項のショックに関する問診の注意喚起にアナフィラキシー・アレルギー反応に伴う急性冠症候群などを、ロキサデュスタットの「重要な基本的注意」の項に定期的に甲状腺機能検査を促す注意を、イマチニブメシル酸塩の「重大な副作用」の項「血栓性微小血管症」に関する注意喚起を、それぞれ追記する内容となっている。詳細は以下。●ヒドロクロロチアジド含有製剤1)ヒドロクロロチアジド(商品名:ヒドロクロロチアジド錠)2)ロサルタンカリウム・ヒドロクロロチアジド(商品名:プレミネント配合錠 LD、同配合錠HD)3)カンデサルタン シレキセチル・ヒドロクロロチアジド(商品名:エカード配合錠 LD、同配合錠 HD)4)バルサルタン・ヒドロクロロチアジド(商品名:コディオ配合錠 MD、同配合錠 EX)【改訂の概要】「重大な副作用」の項に「急性呼吸窮迫症候群」を追記●アモキシシリン水和物含有製剤1)アモキシシリン水和物(商品名:サワシリンカプセル、パセトシンカプセル)2)クラブラン酸カリウム・アモキシシリン水和物(商品名:オーグメンチン配合錠、クラバモックス小児用配合ドライシロップ)3)ボノプラザンフマル酸塩・アモキシシリン水和物・クラリスロマイシン(商品名:ボノサップパック)4)ボノプラザンフマル酸塩・アモキシシリン水和物・メトロニダゾール(商品名:ボノピオンパック)5)ラベプラゾールナトリウム・アモキシシリン水和物・クラリスロマイシン(商品名:ラベキュアパック)6)ラベプラゾールナトリウム・アモキシシリン水和物・メトロニダゾール(商品名:ラベファインパック)【改訂の概要】1)、2)・「重要な基本的注意」の項のショックに関する問診の注意喚起に、アナフィラキシー、アレルギー反応に伴う急性冠症候群を追記し、問診内容に関する注意を追記・「重大な副作用」の項に「アレルギー反応に伴う急性冠症候群」を追記3)~6)・「重要な基本的注意」の〈アモキシシリン水和物〉の項のショックに関する問診の注意喚起に、アナフィラキシー、アレルギー反応に伴う急性冠症候群を追記し、問診内容に関する注意を追記・「重大な副作用」の〈アモキシシリン水和物〉の項に「アレルギー反応に伴う急性冠症候群」を追記●ロキサデュスタット(商品名:エベレンゾ錠)【改訂の概要】・「重要な基本的注意」の項に、定期的に甲状腺機能検査(TSH、遊離 T3、遊離 T4)を促す注意を追記・「重大な副作用」の項に「中枢性甲状腺機能低下症」を追記●イマチニブメシル酸塩(商品名:グリベック錠)【改訂の概要】「重大な副作用」の項に「血栓性微小血管症」に関する注意喚起を追記

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喪中はがきを巡るあれこれ【Dr. 中島の 新・徒然草】(452)

四百五十二の段 喪中はがきを巡るあれこれ皆さん、年賀状の準備はできていますか?私もそろそろ取り掛からなくては、と焦っております。とはいえ、何かと忙しいのもこの時期なんですよね。一方、毎日のように自宅の郵便受けに入っているのが喪中はがき。親族ではなく当の本人が亡くなったという知らせもチラホラあります。そのうちの1人は同門の大先輩。10年ほど前のこと。「ワシはもう寿命でアカンから、看護学校の授業を変わってくれ!」そう言われて引き継ぐことにしました。ご自身が受ける手術を控えて、すっかり弱気になっておられたようです。代わりに行くことになった看護学校の授業。年間9コマで、準備も合わせると結構な時間を費やすことになります。しかし、毎回の準備にかけた時間に比例して、学生の反応もよくなるのが不思議でした。看護学校で教えていたためか、私自身が大病を患ったときは、看護師になった教え子たちが、心配して病室を覗きに来てくれたものです。以来、授業をすることは徳を積むことである、と思うようになりました。一方、かの大先輩のほうも、病気が治るとすっかり元気になられたようです。この「新・徒然草」を読んでは、メールで感想を送ってくれていました。そのうちの1回は、二百七の段「現代の忠臣蔵」についてです。本文中の「符号」という言葉、単なる誤字だったのですが、「敢えて『符合』を『符号』にズラしているところが素晴らしい!」と言われてしまいました。そう褒められると修正するわけにもいきません。冷や汗タラリです。5年近く前のことですが、今となっては良い思い出になりました。しかし、大先輩は足腰のほうも年々弱っていったようです。会合の後などに車で駅までお送りすると「すまん、すまん!」とずいぶん喜んでいただきました。こちらとしては「今日もまた徳を積んだわい」くらいにしか思っていなかったので、あまり感謝されるのもかえって申し訳なく感じたものです。今年、あと何枚の喪中はがきを受け取ることになるのでしょうか。不意にいなくなってしまうのが人間の定めです。誰に対しても、できるだけ親切に接しておかなくては、と改めて思わされました。最後に1句過ぎた日を 喪中はがきで 思い出す

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スマホ充電器による皮膚潰瘍【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第222回

スマホ充電器による皮膚潰瘍Pixabayより使用iPhone14が発売されて、買おうと思ったら無茶苦茶高くて諦めました。スマホってそもそも3万円くらいじゃありませんでしたっけ?物価上昇、円安の影響などのせいか、20万円近い価格に手が出ず…。Nakagawa Y, et al.iPhone charger-induced chemical burn from overnight contact with sweat: Two cases.J Dermatol . 2020 Oct;47(10):1187-1190.iPhoneの充電器って、コンセントにつないだものから電極が露出していますよね。あれって触ったとしてもビリビリと感電するわけではないので、安全なのかなと思っていたのですが、どうやら皮膚科では注意が必要のようです。さて、iPhoneは、夜間ベッドの近くで充電されることが多いです。私も枕の下で充電しながら寝ています。iPhoneってどれだけ慎重に使っても、すぐにバッテリーが減っていくので、毎日充電しないと使いものにならないです。これは日本からの報告で、iPhoneの充電器であるLightningケーブルによる皮膚潰瘍の2例です。この論文には、顔に押し付けられた電極が潰瘍化した写真が掲載されています。そう、あの電極が顔に押し付けられると、次第に潰瘍化していくというのです。汗をかいていると、この部位に化学性の潰瘍を生じる可能性があるようです。私も、朝起きて頭皮に潰瘍ができていないか注意しないといけません。大事な髪の毛を守らねば…。ちなみに、リチウム電池を使用しているスマホの場合、過去に爆発事故もありました。今の製品はおそらく大丈夫でしょうが、みなさんもスマホ関連のトラブルには注意してください。

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屋久島で学んだ、株式投資を成功させるプラスアルファとは【医師のためのお金の話】第62回

先日、屋久島の縄文杉トレッキングに参加してきました。登山口から縄文杉に到達するルートは見どころ満載ですが、かなり過酷です。事前にネットで調査していましたが、実際に経験した縄文杉トレッキングはまったく別物でした。ネット上にはさまざまな情報が溢れています。これだけ大量の情報があれば、わざわざ現地に行かなくても問題ないのでは? そのように感じるほど、高度な情報化社会に突入して久しいです。「手のひらにすべての情報を」。アップルのジョブズがiPhoneを上市してから情報化が加速します。しかし実際には、ネット上の情報はリアルワールドの断片に過ぎないことを、今回の縄文杉トレッキングで実感しました。リアルの屋久島を経験して、初めて事前にネットで収集した情報が自分の血肉になったからです。このことは、縄文杉トレッキングに限りません。投資や資産形成の成功にも当てはまると思います。私は、ネットや書籍の情報をリアルに体験することで、株式投資、不動産投資、起業などで得た知識を自分の血肉にしてきました。溢れる情報を価値ある知識に結び付ける方法を考えてみましょう。トレッキングに傘が必須?縄文杉とは、約7200年前の縄文時代から自生するといわれている日本最大級の杉です。幹の周囲は16.4mもあり、大人10人が両手を広げないと囲めないほどの巨木です。それほどの巨木ですが、1966年になるまで世間に知られることはありませんでした。人間でいえば何十世代もの年月を生き抜いてきた巨木を間近に見てみたい。しかし、縄文杉を直接見るには、往復22kmの道のりを歩く必要があります。実践した感想は、とにかくしんどかった、の一言です。事前のネット情報では、さまざまなサイトで縄文杉トレッキングの必須物品が紹介されています。必要性を納得できるものが多いのですが、中にはなぜこれが必要なのか、という物品もあります。フツーに考えると、こんなものは要らない。私は“常識的に”取捨選択して、縄文杉トレッキングに参加しました。そして現地でガイドさんと顔合わせして、持ちものを確認します。いきなりチェックされたのが「傘」でした。たしかに傘は必須物品として挙げられていました。しかし、トレッキングに傘っておかしいでしょ? 手がふさがってしまって危ないですよね?素人の“常識”で傘は除外したのですが、コレが大失敗。リアルの縄文杉トレッキングでは、傘は本当に必須アイテムなのです。その理由は、縄文杉トレッキングの全行程11kmのうち8km強は整備されたトロッコ道であるためです。つまり、足元の心配がないのです。屋久島のような湿潤な環境では、一般的な雨具を着て長距離歩行すると、蒸れて熱中症になる危険性があります。しかし傘を差していれば雨具なしでもOKです。この差は極めて大きい。しかし、ネット情報ではそのあたりの理由が説明されていません。現地に行って、実際に体験して、初めて腹落ちする事実でした。後で見直すと、ネットで出ていた記事はこういう意味だったのだ! と思うことばかりです。現地を体験するまではまったく理解できませんでした。多くのことは、ネット情報だけでは限界がある…。自分が実際に経験してみないと、物事の深いところまではわからないのです。この事実は、私たちに大きな課題を投げかけています。事前のネット情報収集にリアルな投資体験を重ねて最強の結果を屋久島の縄文杉トレッキングツアーでの学びは、「ネット情報よりもリアルな経験が優先される…」。私が言いたいのは、決してこのようなことではありません。むしろ、ネットでの情報収集は「基本」だと考えています。ネットで大量の情報を収集する。これは現代社会では常識と言ってよいでしょう。しかし、ほとんどの人はそこで止まってしまうのが残念です。本番はネット情報を仕入れた「先」にあります。つまりリアル体験にこそ、価値があるのです。たとえば、情報をまったく持たない丸腰で株式投資に踏み込むのは、あまりに危険でお勧めできません。どうせ取り組むのであれば、成功率を極限にまで高める必要があります。このためには事前の情報収集が不可欠。ネットや書籍でできる限りの情報を集めることが望ましいのです。しかし、ネットで情報を集めれば集めるほど、自分はすでに物事を知っているかのような錯覚に陥ります。これは非常に危険な状態です。なぜなら、私の屋久島での経験を語るまでもなく、ネットとリアルのギャップが大き過ぎるからです。ネット情報をすべてだと信じた瞬間に、失敗へのカウントダウンが始まります。しかし、成功するためにはネットでの事前情報収集が不可欠です。そしてネットは強力なツールになります。これを利用しない手はありません。それでは、実際に資産形成で成功するにはどうすればよいのでしょうか? 端的に言うと、ネットや書籍で限界まで知識を仕入れたうえで、株式投資や不動産投資に思い切って飛び込むしかありません。つまり事前のネットでのリサーチに、自分の経験を重ね合わせるのです。このステップを踏むことで、断片的かつ表面的であったネット情報が重層化されて、自分の血肉となります。こうして得た知識は、資産形成において最強の役割を果たすでしょう。ネットで調べまくった後は、思い切って少額の株式を買ってみる。このようにして、実際に「使える」技術をマスターしていくのが、資産形成の成功パターンではないでしょうか。いくらネット情報を収集しても、少額でも身銭を切った経験には及ばないからです。基本的な情報をネットや書籍で得たのちには、思い切って投資の現場に飛び込んで、さまざまなトラブルに対応する…。この繰り返しが、知識と経験に厚みを持たせ、資産形成を成功させる秘訣なのです。

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第20回 長野県が「医療非常事態宣言」を発出

オミクロン株の対応の新レベル分類全国的に、じわじわと病床使用率が上昇しています。長野県、群馬県、北海道などでやや逼迫傾向で、換気不良がその一因ではないかと考えられています。ただ、換気との相関性は確認されても、第8波との因果関係まではわからないのが現状です。さて、長野県は4日連続で病床使用率が50%を超えたことから、医療提供体制の逼迫が懸念されるとして、11月14日に「医療非常事態宣言」を発出しました。第8波では、長野県が初めての発出となります。11月11日の新型コロナウイルス感染症対策分科会において、「オミクロン株の対応の新レベル分類」が示されています(図)1)。病床使用率ごとにレベル1~4に分類を設け、レベル3以上になった場合に自治体が自粛等を呼びかける「対策強化宣言」を発出できるようにし、さらに悪化した場合には「医療非常事態宣言」を発出できるようにしました。図. オミクロン株の対応の新レベル分類(筆者作成)ただ、自治体ごとに発出基準には差があり、長野県も定義上はまず「対策強化宣言」があってしかるべきですが、もともと県独自の「医療特別警報」を発出していたため、今回の感染拡大で次の手として「医療非常事態宣言」を発出したものと推察されます。すべての医療機関が入院で診られるようにすべきか?インフルエンザとの同時流行が本当に起こるのか? あるいは、新型コロナ第8波とどのくらい時期を合わせて到来するのか、いろいろな要因で第8波のピークの時期・規模は変わってくるでしょう。病床使用率は、基本的に確保病床に対する使用率を見ているわけですが、「母数が少ないから医療が逼迫する」という批判をよく目にします。つまり、新型コロナを診られる病床を増やせ、ということです。すべての医療機関が新型コロナを新たに入院させるようになれば、万事解決する問題ですが、たとえ「5類感染症」あるいは「新型インフルエンザ等感染症の5類相当」にしたとしても、新型コロナ陽性とわかっている患者さんを入院させる場合、医療従事者は慎重にならざるを得ません。オミクロン株以降、致死率はかなり下がりました。しかし、高齢者の新型コロナには、いまだに亡くなられる方がいます。たとえ、「院内感染した後に亡くなられましたが、原疾患が重篤だったので」と説明があったとしても、家族としては「新型コロナを院内感染させられて死亡した」と解釈する可能性もあるわけですから、医療機関においてはこうしたトラブルも想定しておく必要があるかもしれません。また、「すべての医療機関で診なさい」という強力な要請が出せるのは、「新型インフルエンザ等感染症」のような法に基づく措置が基本です。一気に「5類感染症」にしたら、このような強力な要請は出せなくなるかもしれません。参考文献・参考サイト1)令和4年11月11日 第20回新型コロナウイルス感染症対策分科会 今秋以降の感染拡大で保健医療への負荷が高まった場合に想定される対応

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精神病性うつ病の死亡率~18年フォローアップ調査

 精神病性うつ病に関連する死亡率や併発する精神症状の影響に関するエビデンスは、非常に限られている。英国・オックスフォード大学のTapio Paljarvi氏らは、併発する精神症状を制御した精神病性うつ病の原因別死亡率を推定するため、本研究を実施した。その結果、精神医学的併存疾患を制御した後、重度のうつ病に関連する死亡リスクに対し、精神症状の著しい影響が認められた。著者らは、自殺やその他の外的原因による死亡を減少させるためにも、すべての重度うつ病患者に対し、迅速な治療および精神症状のモニタリング強化が求められると報告している。The British Journal of Psychiatry誌オンライン版2022年10月17日号の報告。精神病性うつ病患者の死亡リスクが最も高かったのは初回診断1年以内 本コホート研究では、フィンランドの全国健康レジスタより得られたデータを分析した。対象は、2000~18年に精神病性うつ病または重度の非精神病性うつ病と診断された18~65歳(診断時)のうち、統合失調症スペクトラム障害または双極性障害ではない患者。精神病性うつ病患者の原因別死亡率を、重度の非精神病性うつ病患者と比較した。死亡原因は、ICD-10で定義した。 精神病性うつ病患者の原因別死亡率を重度の非精神病性うつ病患者と比較した主な結果は以下のとおり。・対象患者数は、精神病性うつ病患者1万9,064例、非精神病性うつ病患者9万877例。・フォローアップ期間は、最大18年であった。・精神病性うつ病患者の死亡の約半数(1,199/2,188例)は、初回診断から5年以内に認められ、相対リスクが最も高かったのは、初回診断1年以内であった。・精神病性うつ病患者は、非精神病性うつ病患者と比較し、初回診断5年以内のすべての原因による死亡(調整HR:1.59、95%信頼区間[CI]:1.48~1.70)、自殺(調整HR:2.36、95%CI:2.11~2.64)、死亡事故(調整HR:1.63、95%CI:1.26~2.10)のリスクが高かった。

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職場へのお土産の予算は?/医師1,000人アンケート

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行し始めた頃、出張や旅行は自主的に制限され、また学術集会もオンラインで開催されるなど、外出への機会は失われ、お土産を買ったり、もらったりということは減少した。しかし、最近では、コロナワクチンの普及や治療薬の登場により、COVID-19以前の生活に戻りつつある。 出張や学術集会が再開されて気になるのは、残してきた家族や医局の同僚などへの「お土産」である。実際、医師がどの範囲の集団に、どの程度の予算でお土産を購入しているのか、今回会員医師1,000人にアンケート調査を行った。 アンケートは、10月13日にCareNet.comのWEBアンケートにて全年代、全診療科に対して実施した。職場へのお土産の予算、最も多いのは「2,000~3,000円」 質問1で「お土産を買うか」(単回答)を尋ねたところ「必ず買う」が439人(43.9%)と一番多く、「ときどき買う」なども含めると全体で895人(89.5%)の会員医師がお土産を購入していた。 質問2で「職場用のお土産の全体予算」(単回答)を尋ねたところ「2,000~3,000円」が325人(32.5%)、「3,000~4,000円」が157人(15.7%)、「1,000~2,000円」が154人(15.4%)の順で多かった。 質問3で「お土産を買う範囲」(複数回答)を尋ねたところ、「家族」が763人、「職場の上司・同僚・部下」が686人、「自分」が302人の順で多かった。 質問4で「よく買うお土産」(複数回答)を尋ねたところ、「地元のお菓子」が814人、「地方限定販売のお菓子」が283人、「地元特産の食品」が221人の順で多かった。 質問5で「もらったとき最もうれしいお土産」(単回答)を尋ねたところ、「地元のお菓子」が557人(55.7%)、「地元特産の食品」が151人(15.1%)、「地元のお酒」が117人(11.7%)の順で多かった。以上からおおむね欲しいものと提供されたものが合致していたが、「地元特産の食品」や「地元のお酒」などを所望する声が多かった。人気のお菓子は「博多通りもん」 具体的にもらってうれしかったお土産では「博多通りもん」、「ご当地のお酒」、「萩の月」の順番で多く、有名な銘菓や現地でないと入手できないもの、運搬にかさばるため簡単に入手できないものに人気があった。 また、寄せられたコメントでは、「医局にお土産が置いてあると和みます(20代・麻酔科)」、「地域限定の食品(保存ができるもの)が一番ありがたい(30代・糖尿病・代謝・内分泌内科)」、「有名なお菓子がうれしいです。マイナーなものだと結局おいしくないものが多い(30代・眼科)」、「子供が鉄道好きなので、それを踏まえたローカルなグッズをもらったこと(30代・耳鼻咽喉科)」など人間関係を円滑にする事例のコメントが寄せられていた。

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セマグルチド、12~18歳でも優れた抗肥満効果/NEJM

 グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬セマグルチドは、成人の肥満治療薬として欧米で承認を得ている。オーストリア・Paracelsus医科大学のDaniel Weghuber氏らは「STEP TEENS試験」において、肥満症の青少年(12~18歳未満)に対する本薬の有用性を検討し、セマグルチド+生活様式への介入は生活様式への介入単独と比較して、68週の時点でBMI値の有意な低下をもたらし5%以上の体重減少の達成割合を有意に増加させたが、消化器系の有害事象の頻度が高かったことを示した。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2022年11月2日号で報告された。12~18歳の肥満、過体重の無作為化試験 STEP TEENSは、8ヵ国37施設が参加した二重盲検無作為化プラセボ対照第IIIa相試験であり、2019年10月~2020年7月の期間に参加者のスクリーニングが行われた(Novo Nordiskの助成を受けた)。 対象は、年齢12~18歳未満で、肥満(BMIが性・年齢別の成長曲線で95パーセンタイル以上)または少なくとも1つの体重関連の併存症を有する過体重(同85パーセンタイル以上)の青少年であった。 被験者は、セマグルチド(2.4mg)またはプラセボを週1回、68週間皮下投与する群に、2対1の割合で無作為に割り付けられた。全例が減量を目的とする生活様式への介入(栄養、運動)を受けた(両親または保護者を含む)。 主要エンドポイントは、ベースラインから68週目までのBMIの変化率とされた。副次エンドポイントは、68週目までの5%以上の体重減少であった。10%、15%、20%以上の体重減少も著明に改善 201例(平均年齢 15.4歳、女性 62%)が無作為化の対象となり、このうち180例(90%)が試験を完遂した。セマグルチド群に134例、プラセボ群に67例が割り付けられた。1例(過体重)を除く全例が肥満だった。ベースラインの平均体重(109.9kg vs.102.6kg)、BMI値(37.7 vs.35.7)、ウエスト周囲長(111.9cm vs.107.3cm)が、セマグルチド群でわずかに高値であった。 ベースラインから68週目までのBMIの平均変化量は、セマグルチド群が-16.1%と、プラセボ群の0.6%に比べ有意に良好であった(推定群間差:-16.7ポイント、95%信頼区間[CI]:-20.3~-13.2、p<0.001)。 68週の時点で、5%以上の体重減少の達成割合は、セマグルチド群が73%(95/131例)であったのに対し、プラセボ群は18%(11/62例)であり、セマグルチド群で有意に優れた(推定オッズ比[OR]:14.0、95%CI:6.3~31.0、p<0.001)。 また、68週時の10%以上の体重減少(62% vs.8%)、15%以上の体重減少(53% vs.5%)、20%以上の体重減少(37% vs.3%)についても、セマグルチド群で達成割合が顕著に高かった。 セマグルチド群で改善された心血管代謝リスク因子として、ウエスト周囲長(-12.7cm vs.-0.6cm、推定群間差:-12.1cm[95%CI:-15.6~-8.7])と糖化ヘモグロビン値(-0.4% vs.-0.1%、-0.3%[-0.3~-0.2])のほか、総コレステロール、LDLコレステロール、VLDLコレステロール、トリグリセライド、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)が挙げられた。 最も頻度の高い有害事象は消化器症状(主に吐き気、嘔吐、下痢)で、セマグルチド群のほうが高頻度(62% vs.42%)であったが、重症度は全般に軽症~中等症であり、発症期間中央値は吐き気、嘔吐、下痢とも2~3日と短かった。セマグルチド群の5例(4%)で急性胆嚢疾患が発現し、いずれも胆石症で、1例が胆嚢炎を併発した。重篤な有害事象は、セマグルチド群で11%(15/133例)にみられた。 著者は、「セマグルチド群で観察された体重およびBMIの減少の程度は、先行研究で他のGLP-1受容体作動薬や肥満治療薬を投与された青少年よりも、実質的に大きかった」としている。

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2型糖尿病のCOPD重症化、GLP-1受容体作動薬とSGLT-2阻害薬が有効か/BMJ

 慢性閉塞性肺疾患(COPD)で2型糖尿病(DM)の患者において、GLP-1受容体作動薬とSGLT-2阻害薬は、スルホニル尿素(SU)薬と比べ、COPD増悪による入院リスクを約30~38%低減することが示された。また、GLP-1受容体作動薬は、中等度増悪リスクを37%低減した。一方でDPP-4阻害薬は、COPD増悪リスクの明らかな低減は認められなかったという。カナダ・マギル大学のRicheek Pradhan氏らが、英国国民保健サービス(NHS)データを基に行った住民ベースの3種実薬比較新規使用者デザインコホート試験の結果で、BMJ誌2022年11月1日号で発表した。3種の新規血糖降下薬vs.SU薬を評価 研究グループは、英国の全NHS病院入院データ「Hospital Episode Statistics Admitted Patient Care and Office for National Statistics」とリンクした、大規模プライマリケアデータ「Clinical Practice Research Datalink」を基に住民ベースコホート試験を行った。 被験者は、試験薬(GLP-1受容体作動薬、DPP-4阻害薬、SGLT-2阻害薬)のいずれか、またはSU薬を、新たに服用開始したCOPD既往の2型DM患者だった。 第1コホートにはGLP-1受容体作動薬の服用を開始した1,252例とSU薬服用を開始した1万4,259例が、第2コホートにはDPP-4阻害薬服用を開始した8,731例とSU薬服用を開始した1万8,204例が、第3コホートにはSGLT-2阻害薬服用を開始した2,956例とSU薬服用を開始した1万841例がそれぞれ含まれた。 主要アウトカムはCOPDの重症増悪(COPDによる入院と定義)で、GLP-1受容体作動薬、DPP-4阻害薬、SGLT-2阻害薬それぞれについて、傾向スコア層別化重み付けCox比例ハザードモデルを用いてハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)値を推算して評価した。また、これら3つの試験薬が中等度増悪(同日に、COPD急性増悪の外来診断と、経口コルチコステロイドと抗菌薬の同時処方と定義)のリスク減少と関連するかどうかも検証した。COPD重症増悪リスク、GLP-1受容体作動薬は30%、SGLT-2阻害薬は38%低減 SU薬と比較して、GLP-1受容体作動薬はCOPD重症増悪リスクを30%低減した(100人年当たり3.5 vs.5.0、HR:0.70、95%CI:0.49~0.99)。また中等度増悪リスクも37%低減した(0.63、0.43~0.94)。 同様にSGLT-2阻害薬も、COPD重症増悪リスクを38%低減した(100人年当たり2.4 vs.3.9、HR:0.62、95%CI:0.48~0.81)。一方で、中等度増悪リスクの低減は認められなかった(1.02、0.83~1.27)。 DPP-4阻害薬は、COPD重症増悪リスク、中等度増悪リスクともに低減はわずかだった(それぞれHR:0.91[95%CI:0.82~1.02]、0.93[0.82~1.07])。

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開発中のsiRNA治療薬、リポ蛋白(a)高値ASCVDに有効/NEJM

 リポ蛋白(a)値150nmol/L超のアテローム性心血管疾患(ASCVD)患者に対する、開発中の低分子干渉(si)RNA薬olpasiranの投与はプラセボと比較して、36週後のリポ蛋白(a)値を有意に低下したことが示された。米国・ハーバード大学医学大学院のMichelle L. O' Donoghue氏ら「OCEAN(a)-DOSE試験」研究チームが、281例を対象に行った第II相プラセボ対照無作為化用量設定試験の結果を報告した。36週後のリポ蛋白(a)値は用量に依存して70.5~101.1%低下したという。結果を踏まえて著者は、「今回の短期中規模試験では、olpasiranは安全であると思われた。また基礎的所見は、より大規模な評価を行い、ASCVDにおけるリポ蛋白(a)との因果関係を確認する必要があることを示すものであった」とまとめている。NEJM誌オンライン版2022年11月6日号掲載の報告。4種の用量とプラセボを投与し比較 研究グループは、ASCVDでリポ蛋白(a)値150nmol/L超の18~80歳、281例を対象に試験を行った。 被験者を無作為に5群に割り付け、olpasiranを12週ごと10mg(10mg/12週群)、同75mg(75mg/12週群)、同225mg(225mg/12週群)、24週ごと225mg(225mg/24週群)、またはプラセボ(マッチングプラセボ群)をそれぞれ皮下投与した。 主要エンドポイントは、ベースラインから36週の、リポ蛋白(a)値のパーセント変化で、プラセボ補正後の平均%変化で報告した。安全性も評価した。36週時のリポ蛋白(a)値、10mg/12週群で-70.5%、225mg/12週群で-101.1% 被験者281例のベースラインでのリポ蛋白(a)中央値は260.3nmol/L、低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)中央値は67.5mg/dLだった。ベースライン時に、88%がスタチン療法を受けており、52%がエゼチミブを服用、23%がPCSK9阻害薬を服用していた。 36週時点で、リポ蛋白(a)値はプラセボ群で平均3.6%上昇したのに対し、olpasiran群では用量に依存して有意に大幅に低下した。10mg/12週群で-70.5%、75mg/12週群で-97.4%、225mg/12週群で-101.1%、225mg/24週群で-100.5%だった(ベースラインとの比較でいずれもp<0.001)。 有害イベントの全発生率は、すべての群で同程度であり、最も多く報告されたolpasiran関連有害イベントは、疼痛を主とする注射部位反応だった。

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