サイト内検索|page:423

検索結果 合計:35667件 表示位置:8441 - 8460

8441.

境界性パーソナリティ障害の自殺リスクに対する薬物療法の比較

 境界性パーソナリティ障害(BPD)患者では、自殺行動が臨床上の重大な懸念事項となるが、自殺リスクの低下に有効な薬物療法は依然として明らかになっていない。東フィンランド大学のJohannes Lieslehto氏らは、スウェーデンのBPD患者における自殺企図または自殺既遂の予防に対する、さまざまな薬物療法の有効性について比較検討を行った。その結果、BPD患者の自殺行動のリスク低下と関連が認められた唯一の薬物療法は、注意欠如・多動症(ADHD)治療薬であることが示され、逆に、ベンゾジアゼピンの使用は自殺リスク上昇との関連が示唆された。著者らは、BPD患者において、ベンゾジアゼピンは注意して使用する必要があると報告している。JAMA Network Open誌2023年6月1日号の報告。 対象は、2006~21年にスウェーデンの全国レジストリデータベースに登録された16~65歳のBPD患者。データの分析は2022年9月~12月に行った。選択バイアスを排除するため、個別(within-individual)デザインを用いた。初発症状バイアスを調整するため、薬物治療開始から最初の1ヵ月間または2ヵ月間を分析から除外し、感度分析を行った。主要アウトカムは自殺企図または自殺既遂で、ハザード比(HR)を算出し評価した。 主な結果は以下のとおり。・分析には、BPD患者2万2,601例(男性:3,540例[15.7%]、平均年齢:29.2±9.9歳)が含まれた。・16年のフォローアップ期間(平均:6.9±5.1年)に、自殺企図で入院した患者は8,513例、自殺既遂が確認された患者は316例であった。・ADHD治療薬による薬物療法は、同薬物療法を行わなかった場合と比較し、自殺企図または自殺既遂のリスク低下と有意な関連が認められた(HR:0.83、95%信頼区間[CI]:0.73~0.95、FDR補正p=0.001)。・気分安定薬による薬物療法は、主要アウトカムと有意な関連が認められなかった(HR:0.97、95%CI:0.87~1.08、FDR補正p=0.99)。・自殺企図または自殺既遂のリスク上昇と関連していた薬物療法は、抗うつ薬(HR:1.38、95%CI:1.25~1.53、FDR補正p<0.001)、抗精神病薬(HR:1.18、95%CI:1.07~1.30、FDR補正p<0.001)による治療であった。・調査された薬剤のうち、ベンゾジアゼピンによる治療は、自殺企図または自殺既遂のリスクが最も高かった(HR:1.61、95%CI:1.45~1.78、FDR補正p<0.001)。・これらの結果は、潜在的な初発症状バイアスで調整した場合でも同様であった。

8442.

認知症リスクが高まるHbA1c値は?

 高血糖状態が続くと、アルツハイマー型認知症の原因となる「アミロイドβ」が溜まりやすくなり、認知症発症リスクが高まるとされる。糖尿病患者が認知症リスクを減らすために目標とすべき血糖コントロールはどの程度か。オーストラリア・National Centre for Healthy AgeingのChris Moran氏らの研究がJAMA neurology誌2023年6月1日号に掲載された。 1996年1月1日~2015年9月30日の期間中、50歳以上の2型糖尿病を有するKaiser Permanente Northern California統合医療システムの会員を対象とした。期間中のHbA1c測定が2回未満、ベースライン時の認知症有病者、追跡期間3年未満の者は除外した。データは2020年2月~2023年1月に解析された。 参加者はHbA1c値が6%未満、6~7%未満、7~8%未満、8~9%未満、9~10%未満、10%以上に該当する割合に基づいて分類された。検査回数が増え、新たな測定値が追加されるごとに、血糖値の累積状態を再計算した。主要アウトカムは認知症の発症で、診断は国際疾病分類第9改訂版のコードを用いた。Cox比例ハザード回帰モデルにより、年齢、人種および民族、ベースラインの健康状態、HbA1c測定回数を調整した上で、累積血糖曝露と認知症との関連を推定した。 主な結果は以下のとおり。・計25万3,211例が登録され、参加者の平均年齢は61.5(SD 9.4)歳、53.1%が男性であった。追跡期間の平均は5.9(SD 4.5)年であった。・測定されたHbA1c値の50%超が9~10%未満または10%以上であった参加者は、50%以下であった参加者と比較して認知症リスクが高かった(9~10%未満の調整後ハザード比[aHR]:1.31[95%信頼区間[CI]:1.15~1.51]、10%以上のaHR:1.74[95%CI:1.62~1.86])。・対照的に、6%未満、6~7%未満、7~8%未満が50%超の参加者は認知症リスクが低かった(6%未満のaHR:0.92[95%CI:0.88~0.97]、6~7%未満のaHR:0.79[95%CI:0.77~0.81]、7~8%未満のaHR:0.93[95%CI:0.89~0.97])。 研究者は「HbA1c値が9%以上の期間が長い成人で認知症リスクが最も高かった。これらの結果は、高齢の2型糖尿病患者に対して現在推奨されている緩やかな血糖目標値を支持するものである」としている。

8443.

発作性上室頻拍、etripamil点鼻スプレーが有用/Lancet

 発作性上室頻拍に対する短時間作用型のL型Caチャネル拮抗薬であるetripamilの点鼻投与は、房室結節依存性の発作性上室頻拍の洞調律への迅速な復帰に関してプラセボより優れており、忍容性および安全性は良好であることが、北米および欧州の160施設で実施された多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照イベントドリブン試験「RAPID試験」の結果、示された。米国・Piedmont Heart InstituteのBruce S. Stambler氏らが報告した。RAPID試験は、NODE-301試験のパート2として実施された試験である。Lancet誌オンライン版2023年6月15日号掲載の報告。投与後30分以内の発作性上室頻拍から洞調律への復帰率をプラセボと比較 研究グループは、心電図で確認された持続性(20分以上)のエピソードを伴う発作性上室頻拍既往の18歳以上の患者を登録した。洞調律中にスプレー型のetripamil 70mgを2回、10分間隔で点鼻投与する試験投与で忍容性が認められた患者を、etripamil群またはプラセボ群に1対1の割合で無作為に割り付けた。 患者は、日常生活で発作性上室頻拍の症状が発現した場合、心電図を装着し、事前に訓練された迷走神経刺激手技を行い、症状が消失しない場合は試験薬を患者自身が点鼻し、症状が10分以上持続する場合は再投与した。 主要エンドポイントは、投与後30分以内での発作性上室頻拍から洞調律(30秒以上)への復帰率(独立中央評価)であった。洞調律復帰率はetripamil群64% vs.プラセボ群31%で有意な差 2020年10月13日~2022年7月20日に、計692例が無作為化され、このうち有効性解析集団(房室結節依存性であることが確認され、発作性上室頻拍のエピソードに対して試験薬を自己投与した患者)は184例(etripamil群99例、プラセボ群85例)であった。 発作性上室頻拍から洞調律への復帰率(Kaplan-Meier推定値)は、etripamil群64%(63/99例)、プラセボ群31%(26/85例)であった(ハザード比[HR]:2.62、95%信頼区間[CI]:1.66~4.15、p<0.0001)。洞調律復帰までの時間の中央値は、etripamil群17.2分(95%CI:13.4~26.5)、プラセボ群53.5分(38.7~87.3)であった。 事前に規定された主要エンドポイントの頑健性を検証する感度解析においても同様の結果が得られた。 試験薬投与後24時間以内の有害事象発現率は、etripamil群50%、プラセボ群11%であった。そのほとんどが投与部位に生じた軽度または中等度の事象で、いずれも一過性であり介入なしで消失した。etripamil群で5%以上に発現した有害事象は、鼻不快感(23%)、鼻づまり(13%)、鼻漏(9%)などで、重篤な有害事象および死亡は報告されなかった。

8444.

腎不全死亡、オンラインHDFが従来血液透析よりリスク低下/NEJM

 腎不全患者において、大量血液透析濾過(high-dose hemodiafiltration with on-line production:オンラインHDF)は従来のハイフラックス膜を使用した血液透析(HFHD)と比較して、全死因死亡リスクを低下することが示された。オランダ・ユトレヒト大学病院のPeter J. Blankestijn氏らが欧州8ヵ国の61施設で実施した実用的な無作為化比較試験「CONVINCE研究」の結果を報告した。いくつかの研究で、腎不全患者では標準的な血液透析と比較し、オンラインHDFが有用である可能性が示唆されているが、発表されている研究には限界があり追加データが必要とされていた。NEJM誌オンライン版2023年6月16日号掲載の報告。3ヵ月以上HFHDを受けている患者を、継続群またはオンラインHDF群に無作為化 研究グループは、HFHDを3ヵ月以上受けていたオンラインHDF(後希釈HDFで置換液量23L以上)の候補者で、週3回の透析を受ける意思があり、患者報告アウトカム評価を完了することが可能と判断された18歳以上の成人患者を、HFHDの継続(従来透析)群とオンラインHDF群に無作為に割り付け追跡評価した。 主要アウトカムは、全死因死亡。副次アウトカムは、死因別死亡、致死的または非致死的心血管イベントの複合、腎移植、あらゆる原因の再入院または感染症関連の再入院であった。全死因死亡率、オンラインHDF群17.3% vs.継続群21.9% 2018年11月~2021年4月に、合計1,360例が無作為化された(オンラインHDF群683例、継続群677例)。追跡期間中央値は30ヵ月(四分位範囲[IQR]:27~38)。オンラインHDF群において、1セッション当たりの置換液量23±1Lを達成した患者は92%で、平均置換液量は25.3Lであった。 主要アウトカムの全死因死亡は、オンラインHDF群で118例(17.3%)、継続群で148例(21.9%)に発生し、ハザード比(HR)は0.77(95%信頼区間[CI]:0.65~0.93、p=0.005)であった。 心血管イベントによる死亡リスク(HR:0.81、95%CI:0.49~1.33)、致死的または非致死的心血管イベントの複合死亡リスク(1.07、0.86~1.33)は、両群で同等であった。

8445.

理不尽な世界【Dr. 中島の 新・徒然草】(483)

四百八十三の段 理不尽な世界この年になるまで大事なことを知りませんでした。今の季節、プンといい匂いがしてきたら、それはクチナシなんですね。春の沈丁花、秋の金木犀とならぶ夏のクチナシといったところでしょうか。では、冬は何になるのか?ちょっと思いつかないので、知っている人がいたら教えて下さい。さて、先日外来にやってきたのはもうすぐ収監されるという患者さん。有罪が確定して、いよいよ刑務所に入るという直前に大病を患いました。治療の後にとりあえず退院はできたのですが、まだまだ病状不安定だとか。「もうちょっと良くなってから来い」と検察だか刑務所だかに言われて私の外来にやってきました。私の目で見れば、もう病状も安定していて何時でも収監OKという感じではあります。でも刑務所の人たちはそう思っていないのでしょう。だから、頭部MRIとか血液検査とか心電図とか、一通りの検査をやりました。それにしても何度も刑務所に行く人というのは、一体どういう人生を歩んでいるのでしょうか?何食わぬ顔で尋ねてみました。中島「今度は何年ですか?」患者「一応、3年くらいなんやけど」中島「何回目になるのでしたか」患者「もう5回目ですわ」何をやって5回も刑務所に行くのか、それは聞き忘れてしまいました。たぶん窃盗とか薬物とか、無難な答えを準備しているんでしょうね。もし傷害とか放火とか言われると、こっちもドン引きです。中島「やっぱり行先は堺ですか」患者「京阪神のどっかになるんやろうけど、どこになるかはわかりまへん」京阪神の刑務所はそれぞれ山科、堺、大久保にあります。患者「自分としては医療刑務所でリハビリを続けたいんですわ」その気持ちは良くわかります。でも、それだと役をもって懲らしめるってことにならないような気が……中島「体が不自由になってしまったから、普通の工場では難しいですね」患者「そうですねん。モタ工(もたこう)の中に入れられるかもしれまへん」中島「どんな作業があるんですか?」患者「たとえばビーズ玉を色ごとに分けるとか、やね」中島「それだったら楽でいいですね」患者「それがね、せっかく分けたビーズ玉を目の前で混ぜられてしまうんですわ」中島「ぎゃあ!」モタ工というのはモタモタしている受刑者ばかりを集めて作業させる工場のことだとか。誰でもできる作業とはいえ、せっかく分けたビーズ玉を混ぜられたら心が折れてしまいます。患者「白い紙を100枚くらい持ってきて、これで折り鶴を作れ、と言われまんねん」中島「それで……」患者「出来上がったら、それも目の前でゴミ箱に捨てられてしまうんですわ」中島「つらいなあ」刑務所の中は理不尽なことばかりなのだそうです。中島「いろいろ検査しましたけど、安定しているんで刑務所でも大丈夫だと思います」患者「そうでっか、わかりました」やはり善人よりは悪人の話のほうが何倍も面白いです。でも、忙しい外来でいつまでも聞いているわけにはいきません。適当に切り上げることにしました。中島「では、体に気を付けて行ってきてください。お大事に」患者「おおきに」ということで最後に1句クチナシの 香りに送られ 堺行き

8446.

先天性胆汁酸代謝異常症〔Inborn Errors of Bile Acid Metabolism〕

1 疾患概要■ 定義胆汁酸とは、肝臓でコレステロールより生合成されるステロイドの1群である。先天性胆汁酸代謝異常症とは、この生合成経路の遺伝性酵素欠損を1次性の病因とするもので、常染色体潜性遺伝形式を示す遺伝性疾患である。■ 疫学非常にまれな疾患でわが国における発症頻度は明らかではない。現在までに確定診断された本邦における患者数は筆者が知る限り、3β-hydroxy-Δ5-C27-steroid dehydrogenase/isomerase(HSD3B7)欠損症が4例、Δ4-3-oxo-steroid 5β-reductase (SRD5B1)欠損症が3例、oxysterol 7α-hydroxylase(CYP7B1)欠損症が1例、bile acid-CoA:amino acid N-acyltransferase(BAAT)欠損症が1例、以上の9例である。■ 病因胆汁酸生合成経路の遺伝性酵素欠損により、異常胆汁酸もしくは胆汁アルコールが蓄積する。異常胆汁酸は細胞毒性が強く、肝臓を中心にさまざまな臓器障害を引き起こす。異常胆汁酸の蓄積により、肝細胞が障害を受け胆汁うっ滞型肝障害を引き起こす。■ 症状一般的には、生下時から続く黄疸、肝腫大、灰白色便(脂肪便)など、乳児胆汁うっ滞症に伴う症状が出現する。進行すれば肝硬変へ移行するため、易疲労感、腹水、脾腫、低蛋白血症や凝固異常など、肝不全による症状が出現する。■ 分類先天性胆汁酸代謝異常症は、3β-hydroxy-Δ5-C27-steroid dehydrogenase/isomerase(HSD3B7)欠損症、Δ4-3-oxo-steroid 5β-reductase(SRD5B1)欠損症、oxysterol 7α-hydroxylase(CYP7B1)欠損症、cholesterol 7α-hydroxylase(CYP7A1)欠損症、sterol 27-hydroxylase(CYP27A1)欠損症、70-kDa peroxisomal membrane protein(ABCD3)欠損症、α-methylacyl-CoA racemase(AMACR)欠損症、D-bifunctional protein(DBP)欠損症、sterol carrier protein X(SCPx)欠損症、bile acid-CoA:amino acid N-acyltransferase(BAAT)欠損症、bile acid-CoA ligase(SLC27A5)欠損症と以上の11疾患が現在までに報告されている。11疾患のうち、乳幼児期に肝障害で発症し、わが国でも報告がある、3β-hydroxy-Δ5-C27-steroid dehydrogenase/isomerase(HSD3B7)欠損症、Δ4-3-oxo-steroid 5β-reductase(SRD5B1)欠損症、oxysterol 7α-hydroxylase(CYP7B1)欠損症、bile acid-CoA:amino acid N-acyltransferase(BAAT)欠損症、以上の4疾患に関して本稿では解説する。■ 予後早期に診断し治療を開始すれば内科的治療で予後良好であるが、診断が遅れると肝硬変へ進展し肝移植が必要となる。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)乳児期より胆汁うっ滞(ALTとD-Bilの上昇)を認め、血清・尿中に疾患特異的な異常胆汁酸もしくは胆汁アルコールを検出した場合、先天性胆汁酸代謝異常症を強く疑う。わが国における胆汁酸分析は、ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC-MS)もしくは液体クロマトグラフィー質量分析法(LC-EIS-MS/MS)で行われている。胆汁酸分析で各疾患に特異的な異常胆汁酸が検出された場合、疑われる疾患の責任遺伝子を解析し、確定診断へ繋げる。3β-hydroxy-Δ5-C27-steroid dehydrogenase/isomerase(HSD3B7)欠損症、Δ4-3-oxo-steroid 5β-reductase(SRD5B1)欠損症、oxysterol 7α-hydroxylase(CYP7B1)欠損症、以上の3疾患は、血清γ-GTPと血清総胆汁酸が正常を示すことが特徴的である(他の病因による胆汁うっ滞型肝障害は血清γ-GTPと血清総胆汁酸が共に上昇することが多い)。Bile acid-CoA:amino acid N-acyltransferase(BAAT)欠損症は、血清γ-GTPは正常で血清総胆汁酸は上昇する。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)3β-hydroxy-Δ5-C27-steroid dehydrogenase/isomerase(HSD3B7)欠損症とΔ4-3-oxo-steroid 5β-reductase(SRD5B1)欠損症に対しては、早期診断すれば1次胆汁酸療法(コール酸もしくはケノデオキシコール酸)と脂溶性ビタミンの補充を行い、診断が遅れ肝硬変となっていれば肝移植となる。Oxysterol 7α-hydroxylase(CYP7B1)欠損症に対しては、早期診断すればケノデオキシコール酸療法と脂溶性ビタミンの補充を行うが、診断が少しでも遅れると肝移植になるケースが多い。Bile acid-CoA:amino acid N-acyltransferase(BAAT)欠損症に対しては、ウルソデオキシコール酸が使用されるが、グリココール酸(日本では医薬品としての製剤はない)の使用報告もある。治療の効果は、一般的な胆汁うっ滞・肝不全に伴う症状(黄疸・灰白色便・肝腫大)の改善、血液肝機能検査の改善(ALTやD-Bilの正常化)、胆汁酸分析で血清・尿中の疾患特異的異常胆汁酸の減少、以上で総合的に判断する。4 今後の展望先天性胆汁酸代謝異常症の治療薬であるコール酸製剤は、わが国では医薬品として存在しなかったが、国内治験を経てコール酸製剤(商品名:オファコル カプセル50mg)が、先天性胆汁酸代謝異常症に対する治療薬として2023年に本邦でも保険適用となった。5 主たる診療科小児科、小児外科、移植外科、消化器内科(肝臓内科)※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報小児慢性特定疾病情報センター 先天性胆汁酸代謝異常症(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)1)水落建輝ほか. 小児内科. 2022;54:218-221.2)Mizuochi T, et al. Pediatr Int. 2023;65:e15490.公開履歴初回2023年6月29日

8447.

第51回 「5類」後の新型コロナ押し付け合い

依頼先の医療機関は「5類」前と一緒Unsplashより使用COVID-19が「5類感染症」に移行してから、全国の主要中核病院でコロナ病床は削減されています。私の住んでいる地域の周辺の中核病院も、10床→2床などのようにコロナ病床を減らして対応しているところがほとんどです。大学病院のような高度医療を提供する責務がある医療機関では、コロナ病床を極端に減らしています。確かに、高齢者施設クラスターで寝たきりの誤嚥性肺炎を合併するCOVID-19例を、大学病院が診療する理由はありません。それでも、政府は先月、「5類感染症」移行後の医療提供体制について、これまで入院受け入れの実績がない医療機関にも受け皿になってもらうことで、入院可能な医療機関を現在の約3,000から約8,200と2倍以上に拡充する方針を示しています。これまでCOVID-19を積極的に受け入れてこなかった医療機関では、確かに機能的に「COVID-19を診療できる」かもしれませんが、そもそも行政が関与しない現状で、そのような医療機関にクリニック等から入院を依頼することはないのです。ADL不良の高齢者がCOVID-19になって入院が必要なら、基本的に急性期病院に依頼するのが一般的でしょう。―――ゆえに、結局のところ、これまでCOVID-19を積極的に診療していた急性期病院へ優先的に入院しているのが現状なのです。急性期病院にとってアンフェアそのため、全国で散発的に観測されているのが「当院のコロナ病床は満床なので貴院でお願いします」という入院依頼です。この構図は、完全にCOVID-19の症例を押し付け合っている状況なのですが、急性期病院に非常に分が悪い。アンフェアです。とくに国公立の市中病院では、「みなし確保病床」のような運用をしており、断らずに受け入れている病院が多いと思います。そもそも、すべての医療機関で入院依頼を断らない仕組みを構築するというのが幻想に近い。補助金も半減され、それで新規COVID-19例を是非ともボランティア精神で診てくださいというのは、無理難題です。補助金にも限りがあるので、この決断は財政的にもやむを得ないと思いますが、コロナ禍3年以上が経過して、医療従事者の滅私奉公で支え続けろというのは酷な話です。

8448.

認知症患者に処方される抗精神病薬と併用薬の分析

 さまざまな問題が指摘されているにもかかわらず、抗精神病薬が認知症患者に対し、依然として一般的に処方されている。北里大学の斉藤 善貴氏らは、認知症患者に対する抗精神病薬の処方状況および併用薬の種類を明らかにするため、本検討を行った。その結果、認知症患者への抗精神病薬の処方と関連していた因子は、精神科病院からの紹介、レビー小体型認知症、NMDA受容体拮抗薬の使用、多剤併用、ベンゾジアゼピンの使用であった。著者らは、抗精神病薬の処方の最適化には、正確な診断のための地域の医療機関と専門医療機関の連携強化、併用薬の効果の評価、処方カスケードの解決が必要であるとしている。Dementia and Geriatric Cognitive Disorders誌オンライン版2023年5月26日号の報告。 対象は、2013年4月~2021年3月に受診した認知症外来患者1,512例。初回外来受診時に、人口統計学的データ、認知症のサブタイプ、定期処方薬の調査を行った。抗精神病薬の処方と、紹介元、認知症のサブタイプ、抗認知症薬の使用、多剤併用、潜在的に不適切な薬物(PIM)の使用との関連性を評価した。 主な結果は以下のとおり。・抗精神病薬が処方されていた認知症患者は11.5%であった。・認知症のサブタイプで比較すると、レビー小体型認知症患者は、他のすべての認知症サブタイプの患者よりも、抗精神病薬の処方率が有意に高かった。・併用薬については、抗認知症薬使用、多剤併用、PIM使用の患者において、これらの薬物を使用していない患者と比較し、抗精神病薬処方の可能性が高かった。・多変量ロジスティック回帰分析では、精神科病院からの紹介、レビー小体型認知症、NMDA受容体拮抗薬の使用、多剤併用、ベンゾジアゼピンの使用が、抗精神病薬の処方と関連していることが示された。

8449.

ペムブロリズマブ+ラムシルマブの非小細胞肺がん術前補助療法(EAST ENERGY)/ASCO2023

 切除可能なPD-L1陽性StageIB~IIIAの非小細胞肺がん(NSCLC)に対する術前補助療法として、ペムブロリズマブとラムシルマブの併用療法が有効であることが、多施設共同の単群第II相試験であるEAST ENERGY試験の結果から示唆された。国立がん研究センター東病院の青景 圭樹氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(2023 ASCO Annual Meeting)で発表した。 免疫チェックポイント阻害薬(ICI)+化学療法は、切除可能NSCLC患者に対する標準的な術前補助療法の1つとして認識されている。しかし、プラチナ製剤不適格患者に対する、この薬剤の組み合わせは十分に検証されていない。一方、ICIと血管新生阻害薬の併用は、進行期NSCLCにおいて有効性と安全性が報告されている。 ICI+血管新生阻害薬を術前補助療法に適用できないか。EAST ENERGY試験では、PD-L1陽性NSCLCに対し、ICIであるペムブロリズマブと血管新生阻害薬(VEGFR2阻害薬)であるラムシルマブの併用術前補助療法の有効性と安全性が検討された。・対象:PD-L1≧1%の切除可能なStageIB〜IIIA(AJCC8版)NSCLC患者24例・介入:ペムブロリズマブ(200mg)+ラムシルマブ(10mg/kg) 3週ごと2サイクル→手術・評価項目:[主要評価項目]盲検下独立中央病理学審査(BIPR)評価による主要な病理学的奏効(MPR)率[副次評価項目]病理学的完全奏効(pCR)率、R0切除率、奏効率(ORR)、無再発生存期間(RFS)、PD-L1発現別の全生存期間(OS)、安全性など 主な結果は以下のとおり。・BIPR評価のMPR率は50.0%(24例中12例)で、事前に設定したMPR率の基準(MPR 9例以上[37.5%以上])を超え、主要評価項目を達成した。・pCR率は25%(24例中6例)であった。・観察期間中央値23.6ヵ月時点でのRFS中央値は未到達、12ヵ月RFS率は91.1%、24ヵ月RFS率は75.6%であった。・同期間でのOS中央値は未到達、12ヵ月OS率は100%、24ヵ月OS率は94.4%であった。・Grade3の治療関連有害事象(TRAE)は23例中7例に発現、そのうち5例が重篤だった(Grade4以上はなし)。・Grade3の免疫関連有害事象は、23例中3例(急性腎障害2例、リウマチ性多発筋痛症1例)に発現した(Grade4以上はなし)。・Grade3の術中・術後合併症は22例中3例(肺ろう、術中肺動脈出血、術後胸腔内血腫)に発現した。 青景氏は、この新しいレジメンはPD-L1陽性NSCLCの術前補助療法として、プラチナ不適格患者や高齢患者に適用できるだろうと述べた。

8450.

脳卒中既往のある心不全患者の心血管リスク、HFrEFとHFpEFで検討

 左室駆出率が低下した心不全(HFrEF)と左室駆出率が保たれた心不全(HFpEF)の患者における脳卒中既往と心血管イベント(心血管死/心不全入院/脳卒中/心筋梗塞)発生率を調べたところ、左室駆出率にかかわらず、脳卒中既往のある患者はない患者に比べて心血管イベントリスクが高いことが示された。英国・グラスゴー大学のMingming Yang氏らが、European Heart Journal誌オンライン版2023年6月26日号で報告。 本研究は、HFrEFとHFpEFの患者が登録されていた7つの臨床試験のメタ解析である。 主な結果は以下のとおり。・脳卒中既往があったのは、HFrEF患者2万159例中1,683例(8.3%)、HFpEF患者1万3,252例中1,287例(9.7%)であった。・左室駆出率に関係なく、脳卒中既往のある患者は血管合併症が多く、心不全も悪化していた。・HFrEF患者では、心血管死/心不全入院/脳卒中/心筋梗塞の複合アウトカム発生率は、脳卒中既往ありで100人年当たり18.23(95%信頼区間[CI]:16.81~19.77)に対し、既往なしで13.12(95%CI:12.77~13.48)であった(ハザード比[HR]:1.37、95%CI:1.26~1.49、p<0.001)。・HFpEF患者では、複合アウトカム発生率は、脳卒中既往ありで100人年当たり14.16(95%CI:12.96~15.48)に対し、既往なしで9.37(95%CI:9.06~9.70)であった(HR:1.49、95%CI:1.36~1.64、p<0.001)。・脳卒中既往ありの患者では、複合アウトカムの各項目の頻度が高く、またその後の脳卒中リスクは2倍だった。・脳卒中既往ありの患者は、心房細動患者の30%が抗凝固療法を受けておらず、動脈疾患患者の29%がスタチンを服用していなかった。また、HFrEF患者の17%、HFpEF患者の38%が収縮期血圧をコントロールされていなかった(140mmHg以上)。 著者らは、「脳卒中既往のある心不全患者は心血管イベントリスクが高く、ガイドライン推奨の治療を行っていない患者をターゲットにすることが、この高リスク集団の予後を改善する方法かもしれない」と考察している。

8451.

院外心停止後のPaCO2目標値、軽度高値vs.正常/NEJM

 院外心停止後に蘇生された昏睡患者において、目標PaCO2値を軽度高値とする治療(targeted mild hypercapnia)が正常値とする治療(targeted normocapnia)と比較して、6ヵ月後の良好な神経学的アウトカムに結びつかなかったことが示された。オーストラリア・Austin HospitalのGlenn Eastwood氏らが、17ヵ国63施設のICUが参加した医師主導の評価者盲検無作為化非盲検試験「Targeted Therapeutic Mild Hypercapnia after Resuscitated Cardiac Arrest trial:TAME試験」の結果を報告した。ガイドラインでは、院外心停止後に蘇生した昏睡状態の成人患者に対して、正常PaCO2値を治療目標とすることが推奨されているが、軽度高値とするほうが脳血流を増加させ神経学的アウトカムを改善する可能性が示唆されていた。NEJM誌オンライン版2023年6月15日号掲載の報告。50~55mmHg vs.35~45mmHg、6ヵ月後のアウトカムを比較 研究グループは、心原性と推定されるかまたは原因不明の院外心停止後に蘇生しICUに入室した昏睡状態の成人患者を、軽度高値群(目標PaCO2値:50~55mmHg)または正常値群(35~45mmHg)に1対1の割合で無作為に割り付け、無作為化から24時間それぞれの目標値を維持した。 主要アウトカムは、6ヵ月後のGlasgow Outcome Scale-Extended(GOS-E)(スコア範囲:1[死亡]~8、スコアが高いほど神経学的アウトカムが良好であることを示す)による評価で、5点以上(中等度以下の障害を示す)で定義された良好な神経学的アウトカムとし、盲検下で評価した。 副次アウトカムは、6ヵ月以内の死亡および修正Rankinスケール(mRS)(スコア範囲:1[障害なし]~6[死亡])で評価した6ヵ月後の機能的アウトカム不良(mRSスコア:4~6)などであった。1,548例が解析対象、主要アウトカムの有意差なし 2018年3月~2021年9月の期間に1,700例が登録され、847例(49.8%)が軽度高値群、853例(50.2%)が正常値群に割り付けられた。合計24例が同意撤回となり、1,676例中1,548例で主要アウトカムのデータが得られた。 6ヵ月後の良好な神経学的アウトカムを認めた患者は、軽度高値群764例中332例(43.5%)、正常値群で784例中350例(44.6%)であった(相対リスク:0.98、95%信頼区間[CI]:0.87~1.11、p=0.76)。 副次アウトカムである無作為化後6ヵ月以内の死亡は、軽度高値群816例中393例(48.2%)、正常値群832例中382例(45.9%)で報告された(相対リスク1.05、95%CI:0.94~1.16)。有害事象の発現率は、両群間で有意差はなかった。

8452.

HIVの2次治療、ドルテグラビルへの切り替えは可能か?/NEJM

 既治療のヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染患者で、薬剤耐性変異の有無に関するデータがなく、ウイルス抑制下にある患者において、リトナビルブーストプロテアーゼ阻害薬(PI)ベースのレジメンからドルテグラビルへの切り替えは、リトナビルブーストPIを含むレジメンに対して非劣性であることが、ケニア・ナイロビ大学のLoice A. Ombajo氏らが同国4施設で実施した多施設共同無作為化非盲検試験の結果で示された。遺伝子型の情報がなく、リトナビルブーストPIを含む2次治療でウイルスが抑制されているHIV感染患者において、ドルテグラビルへの切り替えに関するデータは限られていた。NEJM誌2023年6月22日号掲載の報告。NRTI 2剤+リトナビルブーストPIからNRTI 2剤+ドルテグラビル群への切り替え評価 研究グループは、遺伝子型の情報がなく、ヌクレオシド逆転写酵素阻害薬(NRTI)2剤と非ヌクレオシド逆転写酵素阻害薬(NNRTI)1剤による1次治療が無効で、NRTI 2剤とリトナビルブーストPIを含む2次治療を24週間以上行っており、ウイルスが抑制されている(登録前12週間および登録時のHIV-1 RNA<50コピー/mL)患者を、ドルテグラビルに切り替える(NRTI 2剤は継続)群(ドルテグラビル群)または現在の治療を継続する群(リトナビルブーストPI群)のいずれかに、1対1の割合で無作為に割り付けた。 主要エンドポイントは、米国食品医薬品局(FDA)のスナップショットアルゴリズムに基づいて評価した、48週時のウイルス学的失敗(2回の検査が連続して血漿中HIV-1 RNA≧50コピー/mLの患者の割合)であった。非劣性マージンは主要エンドポイントを満たした患者の割合の群間差が4ポイントとした。また、48週目までの安全性も評価した。ドルテグラビルへの切り替えのリトナビルブーストPI継続に対する非劣性を確認 2020年2月~9月に計1,114例がスクリーニングされ、795例が無作為化された(ドルテグラビル群398例、リトナビルブーストPI群397例)。このうち、2例が同意を撤回し、2例がプロトコール違反のため、intention-to-treat解析集団は791例(ドルテグラビル群397例、リトナビルブーストPI群394例)であった。 48週時に主要エンドポイントを満たした患者は、ドルテグラビル群20例(5.0%)、リトナビルブーストPI群20例(5.1%)であった。群間差は-0.04ポイント(95%信頼区間[CI]:-3.1~3.0)であり、非劣性基準を満たした。 ウイルス学的失敗例において、ドルテグラビル耐性変異またはリトナビルブーストPI耐性変異は検出されなかった。 治療に関連したGrade3/4の有害事象の発現率は、ドルテグラビル群5.7%、リトナビルブーストPI群6.9%で、両群で同程度であった。

8453.

難治性クローン病の寛解導入と寛解維持に対するウパダシチニブの有用性(解説:上村直実氏)

 慢性かつ再発性の炎症性腸疾患であるクローン病(CD)の治療に関しては、病気の活動性をコントロールして患者の寛解状態をできるだけ長く保持し、日常生活のQOLに影響する狭窄や瘻孔形成などの合併症の治療や予防が非常に重要である。すなわち、十分な症状緩和と内視鏡的コントロールを提供する新しい作用機序の治療法が求められる中、最近、活動性とくに中等症から重症のCDに対しては、生物学的製剤により寛解導入した後、引き続いて同じ薬剤で寛解維持に対する有用性を検証する臨床試験が多く施行されている。今回は、CDの寛解導入および寛解維持療法における経口選択的低分子のJAK阻害薬であるウパダシチニブ(商品名:リンヴォック)の有効性を示すRCTの結果が、2023年5月のNEJM誌に報告された。ウパダシチニブの導入療法および維持療法の主要評価項目である臨床的寛解および内視鏡的効果に関して、プラセボより有意に優れた結果を示すと同時に安全性に関しても許容範囲であった。この報告と同時に米国FDAは難治性CDの寛解導入と寛解維持を目的としたウパダシチニブを承認している。 リンヴォック錠は1日1回投与の経口薬で、わが国でも2020年に難治性の関節リウマチ(RA)に対して保険収載され、その後も2021年には関節症性乾癬およびアトピー性皮膚炎、2022年には強直性脊椎炎に対する治療薬として適応追加が承認されている。CDについては2023年6月26日、既存治療で効果不十分な中等症から重症の活動期CDの寛解導入および維持療法の治療薬として適応追加が承認された。 このように難治性CDに対しては潰瘍性大腸炎(UC)と同様にさまざまな生物学的製剤が開発されているが、一般臨床現場で注意すべきは重篤な感染症である。今回のJAK阻害薬であるウパダシチニブ、トファシチニブおよびフィルゴチニブは、わが国でもRAなどに対して比較的長い間使用されているが、自己免疫性疾患に対する新規薬剤のリスクとして結核やB型肝炎ウイルスの再活性化はよく知られており、感染症および悪性疾患の発生には留意する必要がある。とくに、本研究でも述べられているように、JAK阻害薬には血管血栓症や帯状疱疹の発生リスク上昇の可能性も報告されており、薬理作用に精通した長期的な患者管理が重要であろう。

8454.

ぼくらのリアル!メディカル英会話フレーズ集

北米で働く日本人医療従事者による「リアル」なフレーズ452本北米で働く現役の日本人医療従事者らが、臨床現場で日常的に使用している「生きた」必須のフレーズを編纂した医療英会話フレーズ集。医療従事者の1日(出勤・外来・病棟・退勤)に沿った目次立てで、それぞれの場面ですぐに使えるフレーズを452本収載。また、著者らが北米の臨床場面で得た経験を踏まえた「リアルな」解説・コラムも多数掲載。今まさに北米の医療現場で使われているフレーズを、臨場感を持って「読む」だけでなく、音声をダウンロードし「聞いて」学べる。ニュアンスまでわかり、伝わる、珠玉のフレーズが満載。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。    ぼくらのリアル!メディカル英会話フレーズ集定価3,300円(税込)判型四六判頁数160頁発行2023年6月著者山田 悠史、原田 洸

8455.

優秀な外国人レジデントが集まる病院【臨床留学通信 from NY】第49回

第49回:優秀な外国人レジデントが集まる病院私はAlbert Einstein医科大学のMontefiore Medical Centerという大学病院にフェローとして勤めていますが、同じEinstein系列のJacobi Medical Centerという病院のフェローも担当しています。Jacobi Medical Centerはニューヨーク市が運営する公立病院で、Montefioreとは経営母体が違うため、片方だけしか勤めていない場合はカルテのアクセス権はありませんが、フェローは両方の病院をカバーするため、両方のカルテのアクセス権があります。通常のフェローのローテーションは、CCU、コンサルテーション、心カテ、EP(不整脈)などを、2週間ごとに目まぐるしく交代していきます。その中に、別の病院であるJacobiのCCUとコンサルテーションも組み込まれます。たとえば、慶應義塾大学病院で2週間病棟に配属されたら、次の2週間は関連病院の横浜市立市民病院でカテーテル室を回る、といった感じでしょうか。日本ではなかなかない仕組みですね。プログラムによりますが、複数の病院をレジデント、フェローがカバーすることは往々にしてあります。バラエティに富む患者を診られるというメリットもある反面、それぞれのシステムにも慣れなければならず、腰を下ろしてじっくり、というのは難しいように思います。米国の仕組みは2週間ごとに役割が変わり、次から次へと患者さんを診る医師が交代してしまうため、患者さんにとっては日本の仕組みのほうがいいと思います。さて、このJacobi Medical Centerの内科レジデントは、USMLE(米国医師国家試験)の高得点でないとなかなか入れず、働いているのは各国から集まった極めて優秀な人ばかりです。それだけでなく、プログラムに入る前に米国でリサーチなどをしていて、しっかり足固めしている人が多いです。2022年のフェローシップのマッチング表によると、cards(循環器)、H/O(hematology oncology、血液腫瘍内科)、P/CC(pulmonary/critical care、呼吸器集中治療)の各分野で、名だたる病院の競争率の高いプログラムにJacobiのレジデントを輩出しています。なんとその中に日本人の先生もいらっしゃって本当にすごいです。そのような病院のCCUのローテートをフェローとして担当して感じたのは、Jacobiのシニアレジデント(3年目)は、病態をよく理解し、インターン(1年目)の指導も行い、患者さんをよく管理しているな、ということです。アメリカ人の医学部卒業生がメインであるMontefioreのレジデントよりも正直優秀だと思います。外国人として米国で活躍するにはそれなりのバックグラウンドが必要だということも感じ、非常に身が引き締まる思いでした。Column先日、私が筆頭著者として、心不全Stage Bに相当するpre heart failureの論文が米国心臓病学会誌JACCの姉妹誌であるJACC Heart Failureに掲載されました。アジア人の私がヒスパニックの方々のデータで論文を書くのも奇妙ではありますが、疫学研究の奥深さを勉強させていただきました。多人種国家のこの米国で、アジア人に特化した研究ができないか模索する良いきっかけになりました。Kuno T, et al. Pre-Heart Failure Longitudinal Change in a Hispanic/Latino Population-Based Study: Insights From the Echocardiographic Study of Latinos. JACC Heart Fail. 2023 May 4. [Epub ahead of print]

8457.

第167回 「長期収載品は差額ベッドと同じ」、止められない自己負担化の流れ 「骨太の方針2023」で気になった2つのこと(前編)

山形・酒田で日本の人口減を再び実感こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。この週末は、所用があって山形県の酒田市に行ってきました。酒田には取材や登山(鳥海山、月山)で度々訪れますが、行くたびに町が寂れていくのが気になります。3年前、酒田駅前におしゃれなホテルができました。しかし、その周辺の土地は“歯抜け”の状態。駐車場にもなっていない空き地も多く、町中には閉院した診療所もありました。「第161回 止められない人口減少に相変わらずのんきな病院経営者、医療関係団体。取り返しがつかなくなる前に決断すべきこととは…(前編)」でも地方の医療機関の大変さについて書きましたが、新幹線が通っておらず、鉄路や車では大都市から時間がかかる地方都市の厳しさを、酒田に来て改めて実感しました(飛行機だと羽田からわずか1時間ですが)。とは言うものの、江戸時代から続くという居酒屋の名店、「久村の酒場」は、相変わらず料理が美味しく満員で、夏の東北の味を存分に堪能することができました。「長期収載品等の自己負担の在り方」に言及さて今回は、「骨太方針2023」について書きます。政府は16日、「経済財政運営と改革の基本方針2023 加速する新しい資本主義〜未来への投資の拡大と構造的賃上げの実現〜」(骨太方針2023)を閣議決定しました1)。今年の「骨太」については既にあちこちで論評されていますので、ここでは盛りだくさんの医療や社会保障関連の項目から、個人的に気になった2つを取り上げたいと思います。医療や社会保障関連の内容は、「第3章 我が国を取り巻く環境変化への対応」の「3.国民生活の安全・安心」と、「第4章 中長期の経済財政運営」の「2.持続可能な社会保障制度の構築」に盛り込まれています。「第3章」には「花粉症対策」「熱中症対策」「感染症対策」など、一般の人にもわかりやすいキャッチーな内容が並びます。一方、本丸である「第4章」には、政府が推し進めたい社会保障関連の政策が並びます。この中でまず気になったのは、「長期収載品等の自己負担の在り方」への言及です。長期収載品の後発医薬品への置換え、数量ベースでは約8割だが金額ベースでは約4割「2.持続可能な社会保障制度の構築」の中では、「創薬力強化に向けて、革新的な医薬品、医療機器、再生医療等製品の開発強化、研究開発型のビジネスモデルへの転換促進等を行うため、保険収載時を始めとするイノベーションの適切な評価などの更なる薬価上の措置」などさまざまな対策を推進するとしたうえで、「医療保険財政の中で、こうしたイノベーションを推進するため、長期収載品等の自己負担の在り方の見直し、検討を進める」と書かれています。長期収載品は、新薬の特許が切れた後に、薬価基準に収載されたままになっている医薬品のことです。後発品があるにもかかわらず、長期収載品の使用は現在でも1.8兆円と薬剤費全体の2割を占めています。また、後発医薬品への置換えは数量ベースでは約8割に達しようとしていますが、金額ベースでは約4割と諸外国と比較しても低い水準にある、とのことです。「骨太の方針2023」は、長期収載品の売上に依存した現在の日本の先発メーカーのビジネスモデルを変革せよ、と言っているわけです。厚生労働省の有識者検討会で「選定療養」とする案浮上この「骨太」の内容に至る直前には前哨戦とも言える議論がありました。今年1月26日に開かれた厚生労働省の「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」は、先発メーカーの長期収載品に依存するビジネスモデルからの脱却が論点となりました。そこではなんと、長期収載品の選択が患者の自由意思で行われていることから、差額ベッドなどのように長期収載品を「選定療養」とし、長期収載品と後発品との差額を自己負担としては、という議論もあったとのことです。つまり、安い後発品に比べ長期収載品は無駄な医療費を使う“贅沢品”なので自己負担させよ、というのです。同検討会は6月12日に報告書2)を公表しています。そこには、「後発品への置換えが進んでいない長期収載品については、様々な使用実態や安定供給の確保を考慮しつつ、選定療養の活用など、後発品の使用促進に係る経済的インセンティブとしての患者負担の在り方について、議論が必要ではないか」との一文が入りました。日医は「極めて慎重かつ丁寧に議論することが大切」と牽制日本の先発メーカーに創薬力を付けてもらい、長期収載品の売上に頼らないビジネスモデルをつくってほしい、という考えはもっともです。実際、それが国際競争力を削いできた点は否定できないからです。併せて、「長期収載品と後発品との差額を自己負担とする」というプランも私自身は完全に同意できます。しかし、この提案、現場の医療関係者には少なからぬ動揺を引き起こしました。日本医師会の松本 吉郎会長は、6月21日の定例記者会見で「骨太の方針2023」の各項目への日医の見解を語りました。その中で「長期収載品等の自己負担の在り方の見直し、検討を進める」と記されたことに対し、「国民目線をもって極めて慎重かつ丁寧に議論することが大切」だと述べました。保険給付範囲が狭まってしまうことや、長期収載品を今でも“愛用”する医師が少なくないことを踏まえた見解と見られますが、実際に長期収載品の自己負担化が実現するかどうかは、これから本格化する中央社会保険医療協議会の議論を待つことになります。次回は、「骨太の方針」に3年連続で記述されたある制度について書きます。(この項続く)参考1)経済財政運営と改革の基本方針2023/内閣府2)医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会報告書/厚生労働省

8458.

双極性障害のラピッドサイクラーと寛解状態の患者における臨床的特徴~MUSUBI研究

 双極性障害は、ラピッドサイクラーの場合より重篤な疾患リスクとなり、寛解状態で進行することで予後が良好となる。関西医科大学の高野 謹嗣氏らは、日本の精神科クリニックにおける双極性障害の多施設治療調査「MUSUBI研究」の大規模サンプルを用いて、双極性障害患者におけるラピッドサイクラーと寛解状態の進行に対する患者背景および処方パターンの影響を検討した。その結果、ラピッドサイクラーと寛解状態の双極性障害患者は、相反する特徴を有し、予後に影響を及ぼす社会的背景および因子には、それぞれ特徴が認められた。著者らは、これらの臨床的な特徴を理解することは、実臨床での双極性障害患者のマネジメントに役立つであろうとしている。Frontiers in Psychiatry誌2023年5月17日号の報告。 MUSUBI研究では、日本の臨床医に対し、レトロスペクティブな医療記録調査に基づくアンケートを実施し、連続した双極性障害患者2,650例のデータを収集した。初回調査は2016年、2回目の調査は2017年に実施した。調査項目は、患者背景、現在の気分エピソード、臨床および処方の特徴に関する情報とした。 主な結果は以下のとおり。・初回調査において、対象患者の10.6%がラピッドサイクラーであり、2年連続でラピッドサイクラーであった患者は3.6%であった。・ラピッドサイクラーと関連していた因子は、双極I型障害、自殺念慮、罹病期間、炭酸リチウムおよび抗精神病薬の使用であった。・ラピッドサイクラーへの進展のリスク因子として、発達障害の併発、抗不安薬および睡眠薬の使用が挙げられた。・初回調査において、寛解状態であった患者は16.4%であり、2年連続で寛解状態であった患者は11.0%であった。・寛解状態を達成するための因子として、高齢、雇用状態、精神症状やパーソナリティ障害併発の少なさ、抗うつ薬・抗精神病薬・抗不安薬の少なさ、さらなるリチウム使用が挙げられた。

8459.

EGFR陽性NSCLC、EGFR-TKIによる術後補助療法1年延長でOS改善(ICOMPARE)

 EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)患者において、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)を用いた術後補助化学療法により、無病生存期間(DFS)の改善1,2)が認められており、最新の研究(ADAURA試験)では全生存期間(OS)の改善3)も認められているが、治療期間との関係は明らかになっていない。そこで、中国・Beijing Cancer HospitalのChao Lv氏らは、肺腺がん患者に対してEGFR-TKIのicotinibによる術後補助化学療法を1年実施した場合と、2年実施した場合の有効性・安全性を無作為化比較試験により検討した。その結果、icotinibの2年投与は1年投与と比較して、DFSのみならず、OSも改善した。本研究結果は、ESMO Open誌2023年6月20日号で報告された。・試験デザイン:多施設共同海外第II相無作為化非盲検比較試験・対象:18歳以上でStageII/IIIAのEGFR遺伝子変異陽性(ex19del/L858R)肺腺がん患者のうち、完全切除可能であった109例・試験群(2年群):icotinib 125mgを1日3回、2年間投与 54例・対照群(1年群):icotinib 125mgを1日3回、1年間投与 55例・評価項目[主要評価項目]治験担当医師評価に基づくDFS[副次評価項目]OS、安全性・データカットオフ日:2020年9月27日 主な結果は以下のとおり。・主な患者背景は、年齢中央値59歳(範囲:32~76)、女性67%で、EGFR遺伝子変異の内訳は、ex19delが55%、L858Rが45%であった。また、StageIIが52%、StageIIIAが48%であった。・データカットオフ時点の追跡期間中央値は44.1ヵ月であった。・DFS中央値は、1年群が32.9ヵ月(95%信頼区間[CI]:26.6~44.8)であったのに対し、2年群は48.9ヵ月(同:33.1~70.1)であり、2年群で有意に改善した(ハザード比[HR]:0.51、95%CI:0.28~0.94、p=0.029)。・治療期間終了後のDFS中央値は、1年群22.6ヵ月(95%CI:14.9~38.9)、2年群26.8ヵ月(同:14.5~46.1)であり、有意差は認められなかった(HR:0.71、95%CI:0.33~1.53、p=0.3832)。・OSについて、2年群は1年群と比較して有意に改善した(HR:0.34、95%CI:0.13~0.95、p=0.0317)。・5年OS率は、1年群が72%であったのに対し、2年群は88%であり、2年群が有意に改善した(p=0.032)。・治療関連有害事象(TRAE)は、1年群75%(41例)、2年群67%(36例)に認められた。Grade3/4のTRAEは、1年群7%(4例)、2年群6%(3例)に認められた。治療に関連した死亡や間質性肺疾患の報告はなかった。

8460.

乳房温存術後の同側再発率、SIB照射vs.標準的照射/Lancet

 乳房温存手術後の早期乳がんに対する標的体積内同時ブースト(SIB)法を用いた強度変調放射線治療(IMRT)および画像誘導放射線治療(IGRT)では、48Gy SIBは5年後の同側乳房の腫瘍再発(IBTR)率が、逐次照射を行う標準的放射線治療に対し非劣性であり、乳房硬結の発生率も同程度であるが、53Gy SIBではIBTR、硬結とも標準的照射に比べ高率にみられることが、英国・ケンブリッジ大学のCharlotte E. Coles氏らが実施した「IMPORT HIGH試験」で示された。研究の詳細は、Lancet誌オンライン版2023年6月8日号で報告された。英国の第III相非劣性試験 IMPORT HIGH試験は、乳房温存手術後の早期乳がんに対するSIB法を用いたIMRTおよびIGRTが、優れた局所コントロールを保持しつつ治療期間を短縮し、毒性を同等かそれ以下に軽減するかの検証を目的とする第III相非盲検無作為化対照比較非劣性試験であり、2009年3月~2015年9月の期間に、英国の39の放射線治療センターと37の関連施設で患者の募集が行われた(Cancer Research UKの助成を受けた)。 年齢18歳以上、pT1-3、pN0-3a、M0の浸潤がんで、乳房温存手術を受け、局所再発リスクが高い女性が、次の3つの放射線治療に1対1対1の割合で無作為に割り付けられた。(1)対照群:全乳房への40Gy 15分割の照射+腫瘍床への光子線を用いた16Gy 8分割の逐次ブースト照射。(2)試験群1:全乳房への36Gy 15分割の照射、40Gy 15分割の部分照射、腫瘍床への光子線を用いた48Gy 15分割の同時ブースト照射。(3)試験群2:全乳房への36Gy 15分割の照射、40Gy 15分割の部分照射、腫瘍床への光子線を用いた53Gy 15分割の同時ブースト照射。 主要評価項目は、intention to treat集団におけるIBTR(浸潤がんまたは非浸潤性乳管がんの発生)であった。対照群の5年IBTR発生率を5%と仮定し、試験群の絶対的過剰が3%以下(両側95%信頼区間[CI]の上限値)の場合に非劣性と判定することとした。試験群2は、硬結の5年発生率が有意に高い 2,617例が登録され、対照群に871例(年齢中央値49.4歳)、試験群1に874例(48.9歳)、試験群2に872例(49.2歳)が割り付けられた。ベースラインの全体の腫瘍床の臨床的標的体積の中央値は12.8cm3だった。 フォローアップ期間中央値74ヵ月の時点で、IBTRイベントは76例で発生し、対照群が20例、試験群1が21例、試験群2は35例だった。5年IBTR発生率は、対照群が1.9%(95%CI:1.2~3.1)、試験群1が2.0%(1.2~3.2)、試験群2は3.2%(2.2~4.7)であった。 対照群と比較したIBTR発生率の推定絶対差は、試験群1が0.1%(95%CI:-0.8~1.7)、試験群2は1.4%(0.03~3.8)であり、試験群1(同時ブースト照射48Gy 15分割)で対照群に対する非劣性が示された。 また、乳房の硬結の5年発生率は、対照群が11.5%であったのに対し、試験群1は10.6%(対照群との比較のp=0.40)、試験群2は15.5%(対照群との比較のp=0.015)であった。 著者は、「再発率は予想よりはるかに低く、全群とも晩期有害作用の発生率も低かった」とまとめ、「本試験は、主要評価項目のイベント発生率がきわめて低かった場合の非劣性の評価の難しさを浮き彫りにしている。SIBは来院回数が少なく安全な治療法であり、53Gy SIBへの線量の増量に利点はないと考えられる」と指摘している。なお、フォローアップは継続中であり、10年後の結果の報告が予定されているという。

検索結果 合計:35667件 表示位置:8441 - 8460