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第181回 「3た論法」と思しきエンシトレルビルの最新データ

ちょうど約1ヵ月前、薬剤師の祭典とでも言うべき日本薬剤師会学術大会が和歌山市で開催された。私は毎年、同大会に参加しており、顔見知りの薬剤師も多い。今回、そうした薬剤師に会うたびに、私は半ばあいさつ代わりにあることを尋ねていた。「〇〇って処方出てる?」その質問をすると、クールな表情のまま「ああ、そこそこに出てますよ」と言う人もいれば、ある人はニヤリとしながら「まあ出ていることは出ていますね」と答えてくれた。〇〇とは何か? ずばり国産の新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)治療薬であるエンシトレルビル(商品名:ゾコーバ)のことである。新型コロナのパンデミックで登場した治療薬は、ほとんどが外資系製薬企業からの導入品だが、これだけは薬機法改正で創設された緊急承認制度の第1号の国産治療薬として2022年11月に承認された。あれから間もなく1年が経つので、現場の実感を聞きたいというのが、このことを片っ端から尋ねた意図だった。「それならば医師に聞けばいいだろう」という声も聞こえてきそうだが、私の周囲の医師では、感染症の非専門医を含め、まったくと言って良いほど処方事例を聞かない。ご存じのように緊急承認時のデータは有効性がクリアに証明されたとは言えず、医師の間で評価が二分し、私の周りにはたまたま懐疑的な医師が多い。しかし、一説ではエンシトレルビルは新型コロナ経口薬の市場シェアで過半数を超えるとも伝わる。だからこそ、このギャップが何なのかを知りたかった。エンシトレルビルも含め、新型コロナの経口薬は外来処方が中心となるので、この辺の事情を薬局薬剤師に聞くのはあながち間違いではないだろうと考えたのだ結局、尋ねた薬剤師の答えを総合すると、そこそこ以上に処方はされていることはわかった。そしてこの質問を一番目に尋ねた薬剤師が重要な“ヒント”をくれた。「出ていることは出ているんですが、だいたい特定の医師の処方箋に集中してますね。ああ、もちろん感染症の専門医とかではなく、いわゆる一般内科医ですよ」彼にこの話を聞いてからは、「出てますよ」と答えた薬剤師には「処方元はどんな医師?」と尋ねるようにしたところ、ほぼ全員が処方元は特定の医師に集中しがちと答えてくれた。良いか悪いかは別にして、どうやら私はある種“偏った”環境にいるようだ(「それはあなたが偏っているから」との声も聞こえてきそうだが…)。そして私は無理を承知で、薬剤師の目から見た「処方感」、要は効果のほども尋ねてみた。この質問には「うーん、効いてるんですかね?」「よくわからないです」「目先の評価として3た論法(使った、治った、効いた)で言えば効いたことになるでしょうかね」と、何ともはっきりしない。関西地方のある薬剤師は、「そもそもこの薬を処方された患者さんは若い人が中心で、中には初めてお薬手帳を作ったという人もいるくらい。しかも、5日分の飲み切り終了ですから、処方された患者さんが再来することはないので、効いているかどうか確認のしようがないですよ」と話してくれた。まあ、ごもっとも。これは薬剤師だけでなく処方した医師も同じではないだろうか?そうした中で臨床実感ではないが、関東圏のある薬剤師が話してくれた事例は興味深かった。彼が話してくれたのは、在宅の認知症高齢者へのエンシトレルビルの処方事例。最初に聞いたときは「え?」となった。新型コロナは「高齢」が重症化の最大のリスクファクター。このため経口薬では、重症化予防効果のエビデンスがあり、適応上も重症化リスクがある人向けのモルヌピラビル(商品名:ラゲブリオ)、ニルマトレルビル/リトナビル(商品名:パキロビッド)のいずれかが優先されるはずだ。このうちエビデンス上、重症化予防効果の数字上が高いのはニルマトレルビル/リトナビルのほうだが、併用禁忌薬が多いため使えないケースが少なくないことは良く知られている。しかし、この併用禁忌薬の多さは同じ作用機序であるエンシトレルビルも同じこと。ということは、この薬剤師が話してくれたケースは、ニルマトレルビル/リトナビルも処方できるはずで、医学的にもそのほうが妥当だと思われる。そう問うと、彼は「単純ですよ。分1(1日1回)なので、高齢者ではそのほうがアドヒアランスを確保しやすいですから。とくにこのケースは認知症ですからね」との答え。エビデンスを単純に当てはめられないという意味で、これは妙に納得がいった。もっとも、結果として知りたかった臨床実感は何ともぼんやりしたものしかないまま終わってしまった。そして後日、実際の専門医にも話を聞く機会があったが、そこでも実際の処方は数例で効果を判断できるレベルではないと告げられ、今も「詰んだ」状態である。ちょうど同じころ、塩野義製薬が重症化リスク因子のある患者での治療選択肢になりうる可能性があるとのデータをプレスリリースした。これは重症化リスク因子がある軽~中等症の新型コロナ入院患者で3日間以上レムデシビルを投与し、十分な抗ウイルス効果が確認されなかった21人(平均年齢78.0歳、ワクチン接種率76.2%)に対し、エンシトレビルの5 日間投与を行ったというもの。この結果、エンシトレルビル投与終了翌日までに66.7%の患者でウイルスクリアランス(鼻腔内抗原量

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夢の配当生活で健全な生活を送れる!?医師こそ株式投資を考えよう!【医師のためのお金の話】第73回

人生には夢や目標が数多くありますが、その中でも「ゆとりある生活」は多くの人にとって理想の1つでしょう。医師は高給の人が多いですが、意外なほど日々の生活に余裕を持っていない人が多いのは周知の事実ですね。額面の給料が多くても、税金や社会保険料などを引かれると手残りのお金はかなり減少してしまいます。おまけに住宅ローンや子供の教育費などがかさむと、医師は高給であるはずなのに、なぜか生活に全然余裕がない…。このような悩みを抱える医師を助ける手段の1つに、「配当と株主優待」という魅力的なツールが存在します。一般的には、売却によるキャピタルゲイン目的で株式投資を行っている人がほとんどでしょう。しかし、継続的に利益を得続けるのは難しいです。一方、同じ株式投資でも、配当金と株主優待を目的とする手法なら、キャピタルゲイン目的の投資ほど難しくありません。運用の成果による不安やストレスとは無縁。今回は、配当と株主優待を活用した「ゆとりある生活」の実現方法をご紹介しましょう。ゆとりある生活を配当と株主優待で実現しよう医師という高給を得ている職業にもかかわらず「ゆとりある生活」が難しいのは、多くの人が実感しているところでしょう。高額な給与が手に入っても、税金や生活費、ローン返済によって手元に残るお金が激減する現実はつらいですね。収入を増やすためにアルバイトを増やそうとしても、1日は24時間しかないので物理的な限界があります。しかも、収入が多くなればなるほど、税率が高くなるので効率が悪くなってしまう…。八方ふさがりの状況にも思えますが、配当と株主優待を目的とした株式投資が、このような状況に立ち向かう道を提供してくれるかもしれません。一般的には、株式投資は株価が上昇した株式を売却してキャピタルゲインを得ることを目的とします。しかし、株式売買で継続的に収益を上げ続けるのはとても難しいです。相場が下落すれば、株式投資の上級者といえども損失を被るケースが多いです。臨床や研究で忙しい医師が、株式投資で勝ち続けるのは難しそうですね。一方、配当と株主優待を中心に据える投資法は、生活を安定させる手段として非常に魅力的です。なぜなら、配当は株価ほど変動しないからです。もし暴落が発生して株式の時価評価額が半分になっても、配当は2~3割程度しか減りません。たしかに時価評価額が激減すると気持ち良いものではありません。しかし、株式を売却せずに持ち続けていれば、数年すると株価は回復するケースが多いです。そして配当目的の株式投資であれば、配当が多少減っても十分に目的を達成しているといえます。配当生活を満喫するポートフォリオとはゆとりある生活を実現するためには、どのようなポートフォリオを構築すればよいのでしょうか。ここでは、配当生活を満喫するためのポートフォリオ構築のポイントについて考えてみましょう。まず、配当を目的とする投資家にとっては、高配当株が重要です。通常、高配当株は安定した業績を持つ企業が多いです。具体的には、電力会社、鉄道会社、通信会社などのインフラ系の企業です。これらは配当生活の基盤となる重要な株式銘柄といえるでしょう。次に、株主優待株も配当生活においては価値ある選択肢です。株主優待を目的とした投資は邪道と思われることも少なくありません。しかし、日本では株主優待が定着しており、無料の商品や割引価格でのサービスを受けることができます。株主優待によって生活費を削減できます。また、物質的な面だけでなく、お得感などの精神的な豊かさも提供してくれる点が魅力的です。このように、株主優待目的の株式も配当生活には欠かせない銘柄といえます。さらに、成長株も配当生活のポートフォリオに加えることで、資産の増加も期待できます。成長株は将来的な成長が期待されるので、株価上昇によるキャピタルゲインを狙う投資も可能になります。あくまで私見ですが、高配当株、株主優待株、成長株は、おおむね5:3:2程度で所有することをおすすめします。一般的には成長株に偏重して所有する投資家が多いですが、配当と株主優待目的であれば、この程度のポートフォリオが望ましいと考えます。医師こそ株式投資で仕事に邁進できる礎を築こう医師という職業は、高い専門性と責任を伴い、日々多忙なスケジュールをこなすことが求められます。しかし、医師としての働き方には限界があります。長時間労働やストレスが、仕事に対するモチベーションを削ぎ、心身の健康にも悪影響を及ぼします。必要に迫られて無理してアルバイトをするのではなく、株式投資で配当を得ることで経済的な安定が得られるとすればどうでしょうか。安定的な配当と株主優待を目指す投資法によって経済的なゆとりが生まれると、仕事への負担が軽減されますね。医師の仕事は奥が深くて面白いです。そして患者さんから感謝されてやりがいもあります。これに加えて、配当と株主優待を目的とした株式投資があると、自分の興味のある分野にさらに集中することも可能になります。私自身、毎年1,000万円以上の配当があるので実感できるのですが、何もせずに入ってくる安定的な収入は心の安寧を与えてくれます。心身の健康を保ちつつ、楽しく日々の仕事をできるのは配当と株主優待目的の株式投資のおかげです。配当と株主優待目的の株式投資は、楽しく仕事をする礎を築くことができると思います。忙しい医師こそ、株価上昇によるキャピタルゲイン目的ではなく、配当と株主優待目的の株式投資も考えてみてはいかがでしょうか。

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運動するのも緩和ケア?【非専門医のための緩和ケアTips】第61回

第61回 運動するのも緩和ケア?緩和ケアの専門家として、時々聞かれるのが「運動療法ってどんなことをするのですか?」というトピックです。確かに緩和ケアの教科書を見ると書いてありますからね。今回は緩和ケアにおける運動療法を考えてみましょう。今回の質問外来で診ているがん患者さん。痛みなどの身体症状は抑えられているのですが、不眠があり、気分も晴れないとのことです。こういった方に運動を勧めることをどう思われますか?外来通院されている患者さんに、少しでもできることがないかと考える姿勢が非常に伝わってくる質問ですね。まず、緩和ケア領域における運動療法についての一般論を共有します。がん患者への運動療法は世界的に議論され、研究領域の1つでもあります。その効果としては、倦怠感などの苦痛症状の緩和、身体機能やQOLの向上などが期待されています。運動の内容としては、日本緩和医療学会の編集による『がんの補完代替療法クリニカル・エビデンス(2016年版)』(金原出版)に、これまでのエビデンスをまとめた推奨事項が記載されています。これによると「一般に成人(18~64歳)に対して、中等度の身体活動を週150分、高強度の有酸素運動を週75分、中~高強度の抵抗運動を週2回以上、行うことが推奨されている」(学会サイトから無料で閲覧可)。このように、緩和ケア領域における運動療法には一定の効果が期待できるわけですが、実践するうえでの注意点は何でしょう?それは、「適応」と「安全」です。「適応」としては、運動療法を検討している患者さんの症状や苦痛に対するアセスメントが重要です。今回の相談のケースでは、患者さんの気分の落ち込みがうつ病の症状かを考慮する必要があるでしょう。また、不眠も運動による改善が期待できますが、そもそもの不眠の原因を取り除くことも必要です。次に「安全」についてです。健康な人も同様ですが、がん患者であればなおさら過度な運動は禁物です。高齢の患者さんには持病のある人も多く、さらに安全に配慮する必要があります。骨転移のあるがん患者さんが転倒して骨折する、というのはよくあるケースですが、運動療法中に骨折すれば管理上の問題にもなります。そのほか、化学療法中の患者さんであれば、発熱や吐き気といった副作用が出ている時期や、骨髄抑制の期間中の運動は避けたほうがよいでしょう。以上、緩和ケア領域における運動療法を検討しました。「適応」と「安全」をしっかり考えながら、ケアに運動を取り込みましょう。今回のTips今回のTips緩和ケア領域の運動療法は、「適応」と「安全」を考えるのがポイント!

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10月13日 麻酔の日【今日は何の日?】

【10月13日 麻酔の日】〔由来〕1804年の今日、江戸時代の医師・華岡青洲が、世界初の「全身麻酔」による乳がん摘出手術に成功。人類が手術の痛みから解放された歴史的な日として日本麻酔科学会が2000年に制定。関連コンテンツエキスパートが教える痛み診療のコツ創部の麻酔【一目でわかる診療ビフォーアフター】Q20英語で「痛みはどれくらいですか」は?【1分★医療英語】手術中の麻酔ケア引き継ぎ、術後アウトカムに影響なし/JAMA歯の痛み、どのくらいの頻度で“虫歯リスク”なのか

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NSAIDなどを服用している高齢者、運転に注意

 認知機能が正常な高齢者の服用薬と、長期にわたる運転パフォーマンスとの関連を調査した前向きコホート研究の結果、抗うつ薬や睡眠導入薬、NSAIDsなどを服用していた高齢者は、非服用者と比べて時間の経過とともに運転パフォーマンスが有意に低下していたことを、米国・ワシントン大学のDavid B. Carr氏らが明らかにした。JAMA Network Open誌2023年9月29日号掲載の報告。 米国運輸省と米国道路交通安全局は、90種類以上の薬剤が高齢ドライバーの自動車事故と関連していることを報告している。しかし、自動車事故リスクの上昇が薬剤の副作用によるものなのか、治療中の疾患によるものなのか、ほかの薬剤や併存疾患によるものなのかを判断することは難しい。そこで研究グループは、認知機能が正常な高齢者において、特定の薬剤が路上試験における運転パフォーマンスと関連しているかどうかを前向きに調査した。 参加者は、有効な運転免許証を持ち、ベースライン時およびその後の来院時の臨床的認知症尺度のスコアが0(認知機能障害がない)で、臨床検査、神経心理学的検査、路上試験、投薬データが入手可能であった65歳以上の198人(平均年齢72.6[SD 4.6]歳、女性43.9%)であった。データは、2012年8月28日~2023年3月14日に収集され、2023年4月1~25日に分析された。 主要アウトカムは、Washington University Road Testによる路上試験の成績(合格または限界/不合格)であった。多変量Cox比例ハザードモデルを用いて、運転に支障を来す可能性のある薬剤の服用と、路上試験の成績との関連性を評価した。 主な結果は以下のとおり。・平均追跡期間5.7(SD 2.45)年で、70人(35%)が路上試験で限界/不合格の評価を受けた。・非服用者と比べて、すべての抗うつ薬(調整ハザード比[aHR]:2.82、95%信頼区間[CI]:1.69~4.71)、SSRI/SNRI(aHR:2.68、95%CI:1.54~4.64)、鎮静薬/睡眠導入薬(aHR:2.72、95%CI:1.41~5.22)、NSAIDs/アセトアミノフェン(aHR:2.72、95%CI:1.31~5.63)の服用は、路上試験で限界/不合格となるリスクの増加と有意に関連していた。・脂質異常症治療薬を服用している参加者は、非服用者に比べて限界/不合格となるリスクが低かった。・抗コリン薬や抗ヒスタミン薬と成績不良との間に統計学的に有意な関連は認められなかった。 これらの結果より、研究グループは「この前向きコホート研究では、特定の薬剤の服用が経時的な路上試験の運転パフォーマンスの低下と関連していた。臨床医はこれらの薬剤を処方する際には、この情報を考慮して患者に適宜カウンセリングを行うべきである」とまとめた。

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クロザピン治療中の治療抵抗性統合失調症の喫煙患者、再発リスクにバルプロ酸併用が影響

 喫煙習慣とバルプロ酸(VPA)併用がクロザピンによる維持療法の臨床アウトカムに及ぼす影響を調査した研究は、これまでなかった。岡山県精神科医療センターの塚原 優氏らは、クロザピンを投与している治療抵抗性統合失調症患者の退院1年後の再発に対する喫煙習慣とVPA併用の影響を調査するため、本研究を実施した。Acta Psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2023年9月8日号の報告。 日本国内の2つの3次精神科病院において入院中にクロザピン投与を開始し、2012年4月~2022年1月に退院した治療抵抗性統合失調症患者を対象に、レトロスペクティブコホート研究を実施した。再発の定義は、退院1年間の精神疾患増悪による再入院とした。喫煙習慣とVPA併用が再発に及ぼす影響の分析には、多変量Cox比例ハザード回帰分析を用いた。喫煙習慣とVPA併用との間の潜在的な相互作用を調査するため、サブグループ解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・対象患者192例中、69例(35.9%)が再発基準を満たした。・喫煙習慣は、独立して再発リスクを増加させたが(調整ハザード比[aHR]:2.27、95%信頼区間[CI]:1.28~4.01、p<0.01)、喫煙習慣とVPA併用の有無との間に再発リスクに関する有意な相互作用が認められた(p-interaction=0.015)。・VPAの併用を避けることで、喫煙習慣に関連する再発リスク増加を効果的に修正する可能性が示唆された。・喫煙患者のうち、VPAを併用している患者(aHR:5.32、95%CI:1.68~16.9、p<0.01)では、併用していない患者(aHR:1.41、95%CI:0.73~2.70、p=0.30)と比較し、再発リスクが高かった。 著者らは「この結果により、喫煙習慣とVPA併用により、退院後の再発リスクが高まる可能性が示唆された。クロザピンの血中濃度低下など、これらの所見の根底にあるメカニズムを解明するためにも、さらなる研究が求められる」としている。

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腫瘍径の小さいER+/HER2-乳がんへの術後ホルモン療法は必要か

 マンモグラフィ検査の普及により、腫瘍径の小さな乳がんの検出が増加した。エストロゲン受容体(ER)陽性HER2陰性(ER+/HER2-)のT1a/bN0M0乳がんにおける術後内分泌療法(ET)の必要性は明らかでない。広島大学の笹田 伸介氏らは同患者における術後ETの有効性を評価、Breast Cancer Research and Treatment誌オンライン版2023年9月9日号に報告した。 本研究では、2008年1月~2012年12月にJCOG乳がん研究グループ42施設で手術を受けたER+/HER2-のT1a/bN0M0乳がん患者のデータを後ろ向きに収集した。術前補助全身療法を受けた患者とBRCA陽性患者は除外された。主要評価項目は遠隔転移の累積発生率で、両側検定が用いられた。 主な結果は以下のとおり。・適格患者4,758例(T1a:1,202例、T1b:3,556例)中3,991例(83%)に標準的な術後ETが実施された。・追跡期間中央値は9.2年。遠隔転移の9年累積発生率はETありで1.5%、ETなしで2.6%だった(部分分布ハザード比[SHR]:0.54、95%信頼区間[CI]:0.32~0.93)。・多変量解析の結果、遠隔転移の独立したリスク因子は、ET歴なし、乳房切除術、高悪性度、およびリンパ管侵襲だった。・9年全生存率はETありで97.0%、ETなしで94.4%だった(調整ハザード比:0.57、95%CI:0.39~0.83)。・術後ETは同側(9年発生率:1.1% vs.6.9%、SHR:0.17)および対側の乳がん発生率を減少させた(9年発生率:1.9% vs.5.2%、SHR:0.33)。 ER+/HER2-のT1a/bN0M0乳がん患者の予後は良好であり、臨床リスクによって層別化されることが確認された。また術後ETは、小さな絶対リスク差で遠隔転移の発生率と全生存率を改善した。著者らは、とくに低悪性度でリンパ管侵襲のない患者において、術後ET省略の検討を支持する結果とまとめている。

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治療抵抗性うつ病、esketamine点鼻薬vs.クエチアピン/NEJM

 治療抵抗性うつ病に対し、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)またはセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)との併用において、esketamine点鼻薬はクエチアピン徐放剤と比較して8週時の寛解率が有意に高かった。ドイツ・Goethe University FrankfurtのAndreas Reif氏らが、24ヵ国171施設で実施された第IIIb相無作為化非盲検評価者盲検実薬対照試験「ESCAPE-TRD試験」の結果を報告した。治療抵抗性うつ病(一般的に、現在のうつ病エピソード中に2つ以上の連続した治療で有効性が得られないことと定義される)は、寛解率が低く再発率が高い。治療抵抗性うつ病患者において、SSRIまたはSNRIとの併用投与下で、クエチアピン増強療法と比較したesketamine点鼻薬の有効性と安全性は明らかになっていなかった。NEJM誌2023年10月5日号掲載の報告。SSRIまたはSNRIへのesketamine点鼻薬併用をクエチアピン増強療法と比較 試験対象者は、30項目の観察者評価によるうつ病症候学評価尺度(IDS-C)(スコア範囲:0~84、高スコアほど重症)のスコアが34以上、現在使用中のSSRIまたはSNRIを含め、少なくとも2つの異なるクラスの抗うつ薬による治療を2~6回連続して受けるも無効(症状の改善が25%未満)の、18~74歳の治療抵抗性うつ病患者であった。 研究グループは、被験者をesketamine群またはクエチアピン群に1対1の割合で割り付け、現在使用中のSSRIまたはSNRIと併用投与した(初期治療期8週間、維持期24週間、計32週間)。esketamine群への点鼻薬投与(鼻腔内噴霧)は可変用量(製品特性の概要に即して)にて、クエチアピン群には徐放剤を投与した。 主要エンドポイントは、無作為化後8週時点における寛解で、Montgomery Asbergうつ病評価尺度(MADRS)(範囲:0~60、高スコアほど重症)のスコアが10点以下と定義した。また、重要な副次エンドポイントは、8週時点で寛解後32週時まで再発がないこととした。 有効性解析対象集団は無作為化されたすべての患者(ITT)集団とし、治療を中止した患者は非寛解または再発とみなした。主要エンドポイントおよび重要な副次エンドポイントの解析は、年齢(18~64歳vs.65~74歳)および前治療数(2 vs.3以上)で調整したCochran-Mantel-Haenszelカイ二乗検定を用い治療群間を比較した。8週時点の寛解率、esketamine群27.1%vs.クエチアピン群17.6% 2020年8月26日~2021年11月5日の間に、676例がesketamine群(336例)およびクエチアピン群(340例)に割り付けられた。 8週時の寛解率は、esketamine群27.1%(91/336例)、クエチアピン群17.6%(60/340例)であり、esketamine群が有意に高かった(補正後オッズ比[OR]:1.74、95%信頼区間[CI]:1.20~2.52、p=0.003)。また、8週時に寛解後32週時まで再発が確認されなかった患者も、esketamine群が336例中73例(21.7%)、クエチアピン群が340例中48例(14.1%)で、esketamine群が多かった(補正後OR:1.72、95%CI:1.15~2.57)。 32週間の治療期間において、寛解した患者の割合、奏効(MADRSスコアがベースラインから50%以上の改善、またはMADRSスコアが10点以下)した患者の割合、およびベースラインからのMADRSスコアの変化量も、esketamine群のほうが好ましい結果であった。 有害事象の発現率はesketamine群91.9%、クエチアピン群78.0%、重篤な有害事象の発現率はそれぞれ5.7%および5.1%で、安全性プロファイルは既報と一致していた。

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eGFR低下とアルブミン尿、腎不全や心血管疾患と関連/JAMA

 CKD Prognosis Consortiumの114コホートからの個人データを対象としたメタ解析において、血清クレアチニン(Cr)値に基づく推定糸球体濾過量(eGFRcr)あるいは血清Cr値と血清シスタチンC値に基づくeGFR(eGFRcr-cys)の低下、および尿アルブミン/クレアチニン比(UACR)の上昇は、腎不全や心血管疾患、入院などを含む10の有害アウトカムの発生率上昇と関連していることが示された。米国・ニューヨーク大学のMorgan E. Grams氏らCKD Prognosis Consortiumの執筆グループが報告した。米国では成人の約14%が慢性腎臓病(CKD)(eGFR低下またはアルブミン尿)に罹患しているという。しかしながらeGFRの低さやアルブミン尿の重症度と有害アウトカムとの関連性については不明であった。JAMA誌2023年10月3日号掲載の報告。CKD Prognosis Consortiumのコホートから約2,750万人のデータをメタ解析 解析には、CKD Prognosis Consortiumの参加コホート(1980~2021年)から、2021 CKD Epidemiology Collaboration(CKD-EPI)式を用いたeGFRcrのデータがある114コホート2,750万3,140例、2021 CKD-EPI式によるeGFRcr-cysのデータがある20コホート72万736例、およびUACRのデータがある114コホート906万7,753例の個人データが集められ包含された。 有害アウトカムの発生は、米国の診療報酬請求データベースであるOptumLabs Data Warehouse(OLDW)のデータを用いた。 主要アウトカムは、全死因死亡、心血管死、腎代替療法を要する腎不全(慢性透析または腎移植)、あらゆる入院、脳卒中、心筋梗塞、心不全、急性腎障害、心房細動あるいは末梢動脈疾患とし、Cox比例ハザードモデルを用いて腎臓の測定値と有害アウトカムとの関連を各コホート内で解析し、ランダム効果メタ解析を用いて統合した。eGFRcrまたはeGFRcr-cys低値、UACR高値で、10の有害アウトカムのリスクが上昇 eGFRcr集団(平均[±SD]年齢54±17歳、女性51%、平均追跡期間4.8±3.3年)では、平均(±SD)eGFRは90±22mL/分/1.73m2、UACR中央値は11mg/g(四分位範囲[IQR]:8~16)であった。eGFRcr-cys集団(59±12歳、53%、10.8±4.1年)では、平均eGFRは88±22mL/分/1.73m2、UACR中央値は9mg/g(6~18)であった。 eGFR(eGFRcrまたはeGFRcr-cys)の低さとUACRの高さは、CKDの最も低い重症度分類に属するものを含め、10項目の有害アウトカムの各リスク上昇とそれぞれ有意に関連していた。たとえば、UACR 10mg/g未満の患者では、eGFRcr 45~59mL/分/1.73m2の場合、eGFR 90~104mL/分/1.73m2と比較し入院率が有意に高かった(補正後ハザード比:1.3、95%信頼区間[CI]:1.2~1.3、1,000人年当たりのイベント件数161件vs.79件、過剰絶対リスク:22件/1,000人年[95%CI:19~25])。 著者は研究の限界として、GFRのほかの推定式は包括的にテストされていないこと、組み込まれたコホート試験は異なる試験デザインやプロトコールを使用していることなどを挙げている。

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有病率の高い欧州で小児1型糖尿病発症とコロナ感染の関連を調査(解説:栗原宏氏)

特徴・新規に出現したウイルスと自己抗体の関連を示した・追跡期間が長く、感染と自己抗体の発現の前後関係を区分できている・SARS-CoV-2抗体以外に、その他の呼吸器感染代表としてインフルエンザ抗体も調査・インフルエンザは著減しており、SARS-CoV-2の影響がメインと考えられる限界・対象は遺伝的ハイリスク群。かなり特殊で結果が一般化しづらい・日本国内での発症率は調査地域である欧州よりも格段に低い・因果関係が逆である可能性:自己抗体が発現する子供がコロナに感染しやすい? 本研究で対象となっている小児1型糖尿病は、発症率に人種差があり白人に非常に多い。欧州全般に発症者は多く、とくに多い北欧諸国、カナダ、イタリアのサルディニアでは年間約30/10万人と日本(1.4~2.2/10万人)に比して10倍以上の違いがある。1歳ごろに膵島細胞への自己抗体が発生するピークがあり、10年以内に臨床的な糖尿病を発症する。自己抗体の発生原因は不明ながら、呼吸器系ウイルス感染が関与している可能性があるとされている。 本研究はPrimary Oral Insulin Trial(POINT)のデータが使用されている。2018年2月~2021年3月のCOVID-19拡大前からパンデミック期にかけて、欧州5ヵ国の複数施設で、遺伝的に1型糖尿病リスクが高い乳児(4~7ヵ月)1,050人を対象として、SARS-CoV-2感染と膵島自己抗体の発現の時間的関係を明らかにするために実施されたコホート研究である。このうち、実際に対象となったのは885人である。 本研究は、SARS-CoV-2という新規に出現した疾患と自己抗体の出現との関連を自己抗体発現の可能性が高い乳児を対象として調査した点が特徴である。性別、年齢、国に調整後のSARS-CoV-2抗体陽性例における膵島自己抗体陽性のハザード比は3.5(95%信頼区間[CI]:1.6~7.7、P=0.002)となっており、遺伝子的ハイリスク群ではSARS-CoV-2感染はリスク因子であることが示されたことは意義が大きいと思われる。 SARS-CoV-2抗体出現後に自己抗体が発現する割合が有意に高いことが示された。一方、他のウイルス感染評価目的に実施されたインフルエンザA(H1N1)抗体では自己抗体発現はなかった。少なくともこの対象群においては、呼吸器系ウイルス全般で自己抗体が出現するわけではないことが示唆された。 自己抗体の出現がすぐさま臨床的1型糖尿病発症を意味するわけではない点には留意が必要である。SARS-CoV-2感染と膵島自己抗体出現には関連があるが、感染後の短期間での急激な糖尿病発症率の増加には影響しない可能性が高い。将来的な1型糖尿病発症率については当該地域でフォローが必要である。 前述のとおり、小児1型糖尿病は遺伝子的な問題で人種差が大きい。本研究はその中でもさらに遺伝子的なハイリスク群を対象としており、その結果は広く一般化できるものではない。日本国内では比較的まれな疾患であり、SARS-CoV-2感染の影響は非常に小さいと推測されるが、否定しうるものでもない。今後の本邦での小児1型糖尿病の発症率の推移をみていく必要がある。

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未治療の転移のある膵管腺がん患者におけるNALIRIFOX対nab-パクリタキセルおよびゲムシタビン―無作為化非盲検第III相試験(解説:上村直実氏)

 膵がんは消化器領域で最も予後が悪く、罹患者数と死亡者数が増加している唯一の悪性腫瘍である。治癒可能なStage0/Iの初期段階で早期発見されるのは全体の2〜3%にすぎず、大半は外科的切除不能の進行がんで診断される。さらに、手術可能な段階で発見され治癒切除術が施行された場合であっても、再発が多く術後の5年生存率は20%程度であり、遠隔転移を認める場合はわずか2%以下とされている。したがって、現時点では、根治可能な初期がんの早期発見と切除不能膵がんに対する有効な化学療法の開発が喫緊の課題となっている。 切除不能膵がん(遠隔転移例ないしは切除不能局所進行がん)に対する化学療法について、西欧諸国ではNALIRIFOX療法(ナノリポソーム型イリノテカン+オキサリプラチン+ロイコボリン+5-FU)とゲムシタビン+nab-パクリタキセル併用療法(Gem+nab-P)の両者が、化学療法の第一選択として推奨されつつある。今回、この2つの化学療法レジメンを直接比較した無作為化非盲検第III相試験「NAPOLI 3」の結果が、2023年9月のLANCET誌オンライン版に報告された。 日本を含まない世界18ヵ国で施行された国際共同試験であるNAPOLI 3は、切除不能膵がんの一次治療として2つの併用化学療法レジメンを直接比較するために施行された、無作為化オープンラベルの第III相試験である。試験の結果、NALIRIFOX群がGem+nab-P群よりも全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)を有意に延長することが示された。この結果、欧米では、遠隔転移例を中心とする切除不能膵がんに対する化学療法の第一選択はNALIRIFOX療法となる可能性が高い。 日本における臨床試験の成績では、欧米と異なり、ゲムシタビン+パクリタキセル併用療法は今回のOSを大きく上回る延命効果を示している。現在もmodified FOLFIRINOX療法とGem+nab-P併用療法の比較試験が行われている最中である。さらに西欧諸国と異なる点として、切除可能膵がんの術前・術後の補助療法に有用性を示しているS-1を組み込んだレジメンやゲノム医療の導入も期待され、今後、日本人を対象とした新たなエビデンスが作られることが待望される。 一方、初期がんの早期発見に関しては、広島県尾道市を中心として一般実地医家と専門施設で膵がん対策チームを作った「尾道方式」が次第に全国へ広まりつつある段階である。さらに、最近、がんの特異的遺伝子発現パターンをターゲットとした診断キットの開発が進んでおり、切除可能な膵がん(Stage0/I/II)を数多く発見できる体制が期待される。 最後に、わが国におけるがん関連臨床試験の対象年齢は18歳から75歳としているものが多かったが、がん患者は75歳以上の高齢者が多いことを反映して、最近は今回の論文と同様に、年齢の上限をなくしたものが見られることは臨床現場にとって喜ばしい変化である。

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婚活カウンセラーの正論【Dr. 中島の 新・徒然草】(498)

四百九十八の段 婚活カウンセラーの正論わが家ではとうとう押し入れからヒーターを引っ張り出してしまいました。つい10日ほど前まで冷房をつけていたというのに。一体、日本の気候はどうなってしまったのでしょうか。さて、外来をしていると「ウチの娘にいい人はいませんか?」という相談をよく受けます。そう言われても、これまでは曖昧なアドバイスでお茶を濁さざるを得ませんでした。が、最近になって参考になるYouTube番組を見たので、その内容について語りたいと思います。それは「現役婚活カウンセラーが婚活女子に本音でアドバイスする」といった類のYouTube企画です。「ちょっと時間があるので、婚活している女性がいたら無料アドバイスしますよ」というものでした。本題に入る前に、まず婚活カウンセラーとはなんぞや、について説明しましょう。婚活カウンセラーとは結婚相談所に所属していて、登録している会員にアドバイスしたり相手を紹介したりする人のことだそうです。男性もいれば女性もいるとのこと。で、登録している会員の条件と相手に対する希望条件に沿って相応しい候補を探してくれるというシステムになっているわけです。YouTubeでの1例はこうでした。最初の相談者。「私は実際の年齢よりも若く見えると言われます。実家暮らしの家事手伝いです。結婚後は専業主婦を考えています」そして相手に対する希望。「私が専業主婦になることを考えると年収が1,000万円以上、将来は両親の介護に備えて体力のある30代前半までの男性を希望します」こんな感じです。対する婚活カウンセラーのアドバイス。「婚活において女性に求められるのは若く見えることより若いことです」それ、身も蓋もないじゃないですか!当然のことながら相談者は怒ります。「私の美貌を見たこともないのに、どうしてそんなことを言えるのですか!」でも婚活カウンセラーは動じません。「じゃあ、あなたは見かけだけ大富豪の男性でも許容できるのですか」と論破してしまいました。さらに婚活カウンセラーは続けます。「実家暮らしの家事手伝いで結婚後は専業主婦希望とありますが」婚活カウンセラーは静かに道理を説きます。「昭和の価値観をいつまでも引きずるのはやめておきましょう。令和の男性は、女性に対しても自立と対等な関係を求めています。実家ではお母さまがほとんどの家事をしているのではありませんか?」そして……「35歳以下で年収1,000万円の男性が世の中にどれだけいると思っておられるのでしょうか?」なんだか相談者が気の毒になってきました。この人には婚活は無理なのでしょうか?「諦める必要はありません。相手に対する希望を広げればいいのです」さすがに婚活カウンセラーはプロ、的確なアドバイスをしてくれます。「相手に対する希望を年齢も年収も幅広く設定しましょう」でも相談者は引き下がりません。「もし低収入の男性と結婚したら、どうやって暮らしていけというのですか!」いつも言われていることなのか、婚活カウンセラーは即答します。「結婚生活は2人で力を合わせて築いていくものです。あなたも働いて稼ぐことができたら、2人合わせて十分に暮らしていけるのではないでしょうか?」まさしく正論。でも、相談者には通じません。「今さら働くのは無理です。こんなところでアドバイスを期待した私が間違っていたわ!」と怒った相談者はそのまま消えてしまいました。なるほど、婚活には婚活の論理があるわけですね。最後に婚活カウンセラーから視聴者への有用なアドバイス。1. 婚活と恋愛はまったく別の世界。結婚相談所に登録するのは男女とも真面目に結婚のことを考える人たちだけ。お互いに相手に求める条件がある。逆に恋愛なら何でもあり。恋は盲目、すべてを超越する。2. 結婚相談所を最後の砦と思っている人が多いが、最初に扉を叩いてほしい。何事も行動は早いほど良い。というわけで、もし次に患者さんに相談されることがあったら、結婚相談所をお薦めするのもいいんじゃないかと、そう思うようになった次第です。最後に1句婚活に 思いを馳せる 秋の風

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自動添削ツールで英文をブラッシュアップしよう【学会発表で伝わる!英語スライド&プレゼン術】第24回

自動添削ツールで英文をブラッシュアップしよう1)「Grammarly」を活用する2)Wordにアドインする3)まずは無料版を試してみる国際学会の発表では英語のハードルが高いと感じる方が多いと思います。前回はそれをサポートしてくれるAI翻訳の「DeepL」を紹介しましたが、今回はその英語をさらにブラッシュアップしてくれるツールを紹介します。それは、「Grammarly」という自動英文添削ツールです。このサービスを使うと、書いた英文の文法の間違いやスペルミスを網羅的に指摘してくれます〈図1〉。〈図1〉画像を拡大するさらに、なぜその英文の表現が間違えているのかの説明や、正しい表現の提案までしてくれて、ワンクリックで訂正することができます〈図2〉。〈図2〉画像を拡大する学会の抄録を投稿する際には、事前に指導医や上司に見てもらうことになると思いますが、英語の文法に自信がない場合、見せる前にGrammarlyにかけておくと、ミスを指摘されることは少なくなります。Grammarlyが指摘してくれるミスの例として、以下が挙げられます。スペルミス時制の間違い単数形・複数形の間違い冠詞や前置詞の間違い同じ表現の多用受動態の多用冗長な表現提案してくれる訂正の表現はあくまで自動校正であり、必ずしも正しいとは限りません。最終的には、提案されている内容とその説明を読んだうえで、修正するかどうかを個々人で判断することになります。Grammarlyはウェブ上でも利用できますが、WordやGoogle Chrome、スマホなどに機能を追加して使用することもできます。Grammarlyの公式サイトでユーザー登録を行ったうえで、「Apps」のタブから必要なアプリをインストールすることで利用できるようになります。論文執筆などのシチュエーションで最も多く使うのは、やはりWordでしょう。WordにGrammarlyをアドインするとWordのタブにGrammarlyが追加され、リボンの「Open Grammarly」をクリックすると表示されている英文の校正を自動で行ってくれます〈図3〉。〈図3〉画像を拡大するGrammarlyは無料版でも利用できますが、有料版にすると使用できる機能が増えます。無料版はベーシックなスペルミス、文法ミスなどの機能がメインで、有料版にはさらに上級の文法チェックや盗用ェックなどの機能が追加されます。有料版は年間プランで契約すると毎月12ドルです(日本円で約1,700円、2023年9月時点)。まずは無料版で試してみて、使い勝手を体験してから有料版へのアップグレードを検討するのがよいと思います。講師紹介

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第66回 10ヵ月流行し続けるインフルエンザ

新型コロナは収まりつつあるが…Unsplashより使用インフルエンザの陽性が増えてきましたよね。「新型コロナかなと思って測定したらインフル陽性」というパターンがまたまたやってきました。新型コロナの定点医療機関当たりの感染者数は全国平均で8人台になっていますので、ひとまず足元の波は越えたかなと思われます1)。さて、現在、昨シーズンから一度も途切れることなくインフルエンザの流行期が続いています(図)2)。「10ヵ月連続流行期」というのは、1999年以降、初めてのことなので、現場としてはもう戸惑うしかありません。一体何が起こっているのか。図. インフルエンザの定点医療機関当たりの報告数(全国)推移(参考2を基に筆者作成)インフルエンザが流行する理由昨シーズンのインフルエンザが春まで継続して流行していたことから、現在発熱者に対しては両方の検査を行っている医療機関が多いかと思います。当院は、同じ検体を使って新型コロナは抗原定量検査、インフルエンザは抗原定性で検査していますが、病院によってはマルチプレックスPCR検査や、同時抗原検査キットなどを適用しているところもあるかもしれません。そのため、検査自体が行われやすいため、見かけの陽性者数が多い可能性があります。とはいえ、例年と比べると流行曲線の立ち上がりが早く、間違いなくインフルエンザの陽性者が増えてきているのは現場でも実感されるところです。多い年では、定点医療機関当たり50~60人というのがインフルエンザの恒例でしたから、定点医療機関当たり10人台だった昨シーズンの波は、ウイルス側としては不完全燃焼だったでしょう。ずっと私たちは感染対策を続けてきたため、「5類感染症」に移行してから、どのウイルス感染症もこれまでの常識が歪められつつあります。いつか落ち着くでしょうが、しばらく流行曲線が乱高下する時代と向き合うのかもしれません。参考文献・参考サイト1)内閣官房:新型コロナウイルス感染症 感染動向などについて2)厚生労働省:インフルエンザの発生状況

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内科系疾患を併発するうつ病患者への抗うつ薬の有用性~メタ解析

 内科的疾患を有する患者の3~6人に1人は、抗うつ薬が使用されているといわれている。しかし、通常の臨床試験では、併発疾患を有する患者は除外されている。抗うつ薬に関するメタ解析では、エフェクトサイズが小~中程度であることが示唆されているが、併発疾患がまん延している臨床現場において、一般化できるかは不明である。デンマーク・オーフス大学のOle Kohler-Forsberg氏らは、内科的疾患と併発するうつ病患者における抗うつ薬の有効性および安全性を明らかにするため、メタ解析エビデンスの包括的なシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。その結果、多くの内科的疾患では、大規模かつ質の高いランダム化比較試験(RCT)が少なかったものの、抗うつ薬は、併発疾患を有する患者のうつ病の治療および予防に対し効果的かつ安全に使用できることが示唆された。JAMA Psychiatry誌オンライン版2023年9月6日号の報告。 2023年3月までに公表された、あらゆる医学的疾患に併発したうつ病の治療または予防に対する抗うつ薬の有能性および安全性を評価したRCTのメタ解析または非メタ解析のシステマティックレビューをPubMed、EMBASEより検索した。分析対象には、内科的疾患を有する患者のうつ病に対する抗うつ薬の影響を評価したプラセボ対照または実薬対照RCTのメタ解析を含めた。データ抽出と品質評価には、PRISMAガイドラインに従い、AMSTAR-2およびAMSTAR-Contentを用い、独立したレビューアーのペアにより行った。複数のメタ解析に同じ研究が含まれていた場合には、最も大規模のメタ解析を含めた。ランダム効果メタ解析により、主要アウトカム(有効性)、主な副次的アウトカム(受容性、忍容性)、追加の副次的アウトカム(治療反応、寛解)に関するプールされたデータを分析した。抗うつ薬の有効性は標準化平均差(SMD)、忍容性(副作用による中止)および許容性(すべての原因による中止)はリスク比(RR)を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・参考文献6,587件のうち、43種類の医学的疾患に関する176件のシステマティックレビューが特定された。・全体として、27種類の医学的疾患に関する52件のメタ解析がエビデンスの統合に含まれた(AMSTRA-2品質平均スコア:9.3±3.1[最大値:16]、AMSTRA-Content平均スコア:2.4±1.9[最大値:9])。・内科的疾患全体では、抗うつ薬使用はプラセボと比較し、うつ症状の改善が認められた(SMD:0.42、95%信頼区間[CI]:0.30~0.54、I2=76.5%)。疾患別では、心筋梗塞でSMDが最も高く、腰痛および外傷性脳損傷で低かった。【心筋梗塞】SMD:1.38(95%CI:0.82~1.93)【機能性の胸痛】SMD:0.87(95%CI:0.08~1.67)【冠動脈疾患】SMD:0.83(95%CI:0.32~1.33)【外傷性脳損傷】SMD:0.08(95%CI:-0.28~0.45)【腰痛】SMD:0.06(95%CI:0.17~0.39)・抗うつ薬使用は、プラセボと比較し、許容性(24件のメタ解析、RR:1.17、95%CI:1.02~1.32)および忍容性(18件のメタ解析、RR:1.39、95%CI:1.13~1.64)が劣っていた。・抗うつ薬使用は、プラセボと比較し、治療反応率(8件のメタ解析、RR:1.54、95%CI:1.14~1.94)および寛解率(6件のメタ解析、RR:1.43、95%CI:1.25~1.61)が良好であった。・抗うつ薬使用は、プラセボと比較し、うつ病を予防する可能性が高かった(7件のメタ解析、RR:0.43、95%CI:0.33~0.53)。

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身長低下が20代から4cm以上、椎体骨折を疑う/日本整形外科学会

 日本整形外科学会(日整会)は、10月8日の「骨と関節の日」にちなみメディア向けセミナーを都内で開催した。「骨と関節の日」は、ホネのホは十と八に分かれること、「体育の日」に近く、骨の健康にふさわしい季節であることから1994年に日整会が制定し、全国で記念日に関連してさまざまなイベントなどが開催されている。 セミナーでは、日整会の今後の取り組みや骨粗鬆症による椎体骨折についての講演などが行われた。2026年の設立100周年、2027年の総会第100回に向けて はじめに同学会理事長の中島 康晴氏(九州大学整形外科 教授)が、学会活動の概要と今後の展望を説明した。 整形外科は、運動器障害の予防と診療に携わり、加齢による変性疾患、骨折などの外傷、骨・軟部腫瘍、骨粗鬆症、関節リウマチなどを診療領域としている。とくに運動器の障害は、要介護・要支援の原因の約25%を占め、超高齢社会のわが国では喫緊の課題となっている。そこで日整会では、「ロコモティブシンドローム(ロコモ)の概念」を提唱し、運動器障害のリスクを訴えてきた。その結果「健康日本21(第3次)」では「生活機能の維持・向上」に「ロコモの減少」「骨粗鬆症健診受診率の向上」が盛り込まれるようになった。 また、日整会では、2020年4月より「日整会症例レジストリー(JOANR)」という運動器疾患の手術に関する大規模データベースを構築。わが国の運動器疾患手術数、種類などを解析する事業も行っており、2021年の取りまとめとして、97万2,525例の手術のうち、1番多かった手術は「大腿骨近位部骨接合」(10万6,326例)、次に「人工膝関節」(7万7,675例)、次に「人工股関節」(6万6,219例)だったと報告した。 日整会は、2026年に学会創立100年を、27年には第100回総会を迎えることからプロモーション動画と特別のロゴを紹介。中島氏はこれからもさまざまな活動を続けていくと述べた。約5人に1人が椎体骨折の患者 講演では「骨粗鬆症による脆弱性脊椎骨折とロコモ~整形外科医の役割~」をテーマに宮腰 尚久氏(秋田大学大学院整形外科学講座 教授)が、骨粗鬆症による椎体骨折についてレクチャーを行った。 わが国の骨粗鬆症患者は1,590万例とされ、生じやすい部位として上腕骨、脊椎、手首、大腿骨頸部などが知られている。 骨粗鬆症は代謝性骨疾患であり、運動器疾患を招く。同様に運動器疾患を招くものとして「ロコモ」がある。 ロコモは、運動器障害のために移動機能が低下した状態をいう。近年の健康な人と骨減少症・骨粗鬆症における筋量サルコペニアの有病率を調べた研究報告によれば骨粗鬆症とサルコペニアは合併しやすいことが判明し、骨粗鬆症とサルコぺニアを合わせた「オステオサルコペニア」という概念も生まれている1)。 骨粗鬆症と生命予後の関連について調べた研究では、大腿骨の骨折のほかに椎体骨折も生命予後に影響することがわかっている2)。 多くの椎体に骨折が生じると脊柱後弯変形が生じ身長が低下する。これにより、胃食道逆流症、腰背部痛、身体機能の低下、バランス障害による易転倒などが起こり、永続的なQOLの低下を引き起こす。 椎体骨折は男女ともに骨粗鬆症でもっとも頻発する骨折であり、その発生率は80歳の女性で10万人当たり3,000例(年3%程度)といわれている3)。 椎体骨折の有病率について、わが国の男女(40歳以上)で21.8%、欧州の男女(50歳以上)で20%、カナダ・アメリカで20~23%と報告され、わが国では約5人に1人が椎体骨折を有するとされる。身長低下が20代から4cm以上の場合は椎体骨折を疑う 椎体骨折の診断で簡易に推定できる方法として、壁を背に立って壁と後頭部にすき間があれば骨折の可能性があること、肋骨最下端と骨盤の間に2横指以下であれば骨折の可能性があることを紹介。また、若いとき(25歳くらい)からの身長が4cm以上、閉経後3年間の身長低下が2cm以上あった場合も骨折の可能性があることを説明した。 治療では装具療法、外科的手術(例:椎体形成術や後方固定術やその両方など)が行われている。 椎体骨折の予防では2つの療法を示し、はじめに薬物療法として、活性型ビタミンD3薬、ビスホスホネート薬、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、副甲状腺ホルモン薬、副甲状腺ホルモン関連蛋白薬、抗RANKL抗体薬、抗スクレロスチン抗体薬があり、次の骨折へつなげないためにもまず薬物治療を開始することが大切だと指摘した。もう1つの骨折予防としては、運動療法があり、うつぶせ寝による等尺性背筋運動(関節を動かさずに筋肉に力を入れる運動)などが勧められ、その効果はメタアナリスでも改善効果が示されている4)。ただ、脊柱後弯変形やうつ伏せになれない人などには禁忌となるので注意が必要である。 また、高齢者の転倒防止のためにはロコモの予防も重要であり、日整会が勧めている片脚立ちやスクワットなども日々の暮らしの中で取り入れてもらいたいと語った。そのほか、日常生活でも注意が必要であり、椎体は屈曲時に潰される可能性があるので高齢女性では、家事労働や雪国ならば雪かきなどで体の態勢に気を付けることが重要であり、普段から意識して背筋を伸ばし、よい姿勢を保つことが大切だと指摘する。骨粗鬆症健診率の向上が課題 終わりに骨粗鬆症における整形外科の役割にも触れ、女性は40代で1次予防を、50代で2次予防のために検診し、きちんとしたその時々の対応をすることが必要と述べた。しかし、わが国の骨粗鬆症健診率は2020年で4.5%と低く、いかに社会的に周知・啓発をしていくかが今後の課題となっている。日整会では、ポスター掲示などで社会に対して働きかけを行っていくと展望を語り、レクチャーを終えた。

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診察室での会話を基にした対話型AI、BRCA検査への疑問や不安に対応/AZ

 乳がんと診断されてから、患者は治療法選択のほか再建や遺伝子検査を行うかなどたくさんの意思決定を求められる。とくに遺伝子検査については、乳がんと遺伝の関係の理解に加え家族への配慮も必要となるが、外来で説明に十分な時間を設けるのが難しいことも多い。9月27日、アストラゼネカは「乳がんを遺伝子レベルで理解することの重要性~遺伝性乳がん治療における課題とは~」と題したメディアセミナーを開催し、大野 真司氏(相良病院)、乳がん経験者の園田 マイコ氏が登壇。BRCA検査やHBOCについての理解を促す患者向けのサポートツールとして、対話型人工知能WEBアプリ「ブルーカ」が紹介された。 ブルーカは、60例の患者と複数名の医師の診察室での実際の会話を分析して作られている。分析の結果みえてきたのは、・知りたいことの傾向(よくある質問)・患者の感情として恐れや悲しみが強い・「質問を考えること」が患者にとっては大変 という3点だった。これらを踏まえてブルーカには下記の機能が搭載されている。・よくある質問とその回答データを基に、回答を提示する機能・投げかけられた質問に共感を示し、ブルーカというキャラクターが色味や表情を変えて回答する機能・アプリ利用者(患者)の“沈黙”を察知し、集積されているよくある質問を例示する機能 開発に携わった大野氏は、「単純に回答が提示されるのではなく、ブルーカが共感を示しながら対話の中で回答を示すという点が大きいのではないか」と話し、園田氏は「先生に質問できる時間は限られていて、一度聞いただけでは理解できないことも多い。自宅などでゆっくりアプリを使い、繰り返し回答を確認できれば、自分の中で咀嚼しながら正しい情報を理解できるのではないか」と期待を寄せた。 ブルーカは主治医から「血液による遺伝子検査について」という冊子を渡され、表示されている二次元コードを読み込むと、スマートフォンで利用できる。

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ステロイド漸減中再発のリウマチ性多発筋痛症、サリルマブが有効/NEJM

 グルココルチコイド漸減中にリウマチ性多発筋痛症が再発した患者において、サリルマブ+prednisone漸減投与は、プラセボ+prednisone漸減投与に比べ、持続的寛解の達成とグルココルチコイド累積投与量の減少に有意な有効性を示した。米国・コーネル大学のRobert F. Spiera氏らが、合計118例を対象に行った第III相多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験「Sarilumab in Patients with Polymyalgia Rheumatica (SAPHYR)試験」の結果を報告した。リウマチ性多発筋痛症の患者の半数以上が、グルココルチコイド漸減中に再発する。先行研究では、インターロイキン(IL)-6の阻害がリウマチ性多発筋痛症の治療で臨床的に有用である可能性が示されていた。サリルマブは、ヒトモノクローナル抗体薬で、IL-6受容体αに結合しIL-6経路を効果的に阻害することから、研究グループは、グルココルチコイド漸減中にリウマチ性多発筋痛症が再発した患者におけるサリルマブの有効性と安全性を評価する検討を行った。NEJM誌2023年10月5日号掲載の報告。52週時点の持続的寛解率を比較 SAPHYR試験は、リウマチ性多発筋痛症で、12週間以内にグルココルチコイド療法の漸減中1回以上の再発があり、赤血球沈降速度(ESR)が30mm/時以上、またはC反応性蛋白(CRP)値10mg/L以上だった患者を対象とした。 研究グループは被験者を1対1の割合で無作為に2群に分け、一方にはサリルマブ(200mg用量を月2回、52週間皮下投与)+prednisone(14週間漸減投与)(サリルマブ群)を、もう一方にはプラセボ(月2回、52週間皮下投与)+prednisone(52週間漸減投与)(プラセボ群)をそれぞれ投与した。 主要アウトカムは、52週時点の持続的寛解で、12週までにリウマチ性多発筋痛症の徴候や症状が消失、12~52週にCRP値の正常化が持続し、疾患の再発なし、prednisone漸減が遵守されていることと定義した。52週時点の持続的寛解の達成率、サリルマブ群28%、プラセボ群10% 2018年10月~2020年7月に合計118例が無作為化された(サリルマブ群60例、プラセボ群58例)。このうち治療を受けたのは117例で、サリルマブ群の1例が割り付けられた治療薬の投与を受けなかった。また、治療を完了したのは合計78例(サリルマブ群42例、プラセボ群36例)だった。治療中断理由で最も多かったのは、サリルマブ群は有害事象(7例)、プラセボ群は効果がみられない(9例)。ベースラインでの両群の患者特性は概して類似していた。年齢中央値は69歳、70%が女性であり、リウマチ性多発筋痛症と診断されてからの全期間中央値は300日であった。 52週時点での持続的寛解率は、サリルマブ群28%(60例中17例)、プラセボ群10%(58例中6例)だった(群間差:18ポイント、95%信頼区間:4~32、p=0.02)。 52週時点のグルココルチコイド累積投与量中央値は、プラセボ群2,044mgに対しサリルマブ群777mgと、有意に少なかった(p<0.001)。 プラセボ群と比較してサリルマブ群で頻度が高かった有害事象は、好中球減少症(15% vs.0%)、関節痛(15% vs.5%)、下痢(12% vs.2%)だった。治療関連の投与中止は、プラセボ群よりサリルマブ群でより多く観察された(12% vs.7%)。

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急性脳卒中への遠隔虚血コンディショニングは有効か?/JAMA

 急性脳卒中患者において、四肢虚血と再灌流の一過性サイクルによる遠隔虚血コンディショニング(RIC)を、病院到着前から病院到着後に継続して行っても、90日時点での機能的アウトカムは改善しなかった。デンマーク・オーフス大学病院のRolf Ankerlund Blauenfeldt氏らが、1,500例を対象に行った無作為化比較試験の結果を報告した。これまで、いつくかの有望な前臨床および臨床データが示されてはいたが、RICが急性脳卒中に対して有効な治療法かどうかは依然として不明であった。JAMA誌2023年10月3日号掲載の報告。上肢可動式カフ圧力を救急車内で開始、病院でも継続 研究グループは、2018年3月16日~2022年11月11日に、デンマーク4ヵ所の脳卒中センターで、病院前脳卒中症状が4時間未満の1,500例を対象に無作為化比較試験を行った(最終フォローアップは2023年2月3日)。 被験者の上肢に可動式カフを取り付け、RIC群(749例)はカフ圧力200mmHg以下、対照(シャム)群(751例)は同20mmHgに設定し、5分間のカフ膨張とその後の5分間解放を1サイクルとし5回続けた。救急車内で開始し、病院到着後に少なくとも1回行い、一部の被験者にはその後7日間、1日2回行った。 主要エンドポイントは、90日時点の機能的アウトカム改善で、最終的な診断が虚血性・出血性脳卒中であった被験者を標的集団とし、修正Rankinスケール(mRS)スコア(範囲:0[無症状]~6[死亡])の変化で評価した。90日時点のmRSスコア中央値、RIC群2、対照群1 被験者1,500例の年齢中央値は71歳、591例(41%)が女性で、1,433例(96%)が試験を完了した。このうち149例(10%)が一過性脳虚血発作(TIA)、382例(27%)が脳卒中疑い(stroke mimic)と診断された。残りの902例が標的集団の脳卒中発症者(虚血性脳卒中737例[82%]、くも膜下出血165例[18%])で、RIC群436例、対照群466例だった。 90日時点のmRSスコア中央値は、RIC群が2(四分位範囲[IQR]:1~3)、対照群が1(1~3)であり、RIC治療は90日時点の機能的アウトカム改善と有意に関連していなかった(オッズ比[OR]:0.95、95%信頼区間[CI]:0.75~1.20、p=0.67、mRSスコア中央値の絶対群間差:-1、95%CI:-1.7~-0.25)。 無作為化された全患者において、重篤な有害事象の発現件数に有意な差はなかった。1つ以上の重篤な有害事象が認められたのは、RIC群169例(23.7%)、対照群175例(24.3%)だった(オッズ比[OR]:0.97、95%CI:0.85~1.11、p=0.68)。治療中の上肢の痛みまたは皮膚の紫斑が、RIC群54例(7.2%)、対照群11例(1.5%)で報告された。

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