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ダニ咬傷の診断【一目でわかる診療ビフォーアフター】Q89

ダニ咬傷の診断Q89今日は地域研修の時にお世話になった山奥の診療所に当直バイトに来ている。夕方ごろ、とくに既往のない64歳男性が右下腿の紅斑を主訴として受診した。猟友会に所属しており、3~4日前から野山に入り、害獣駆除を行っていたようだ。皮疹は硬結を伴う境界明瞭な広範で、掻痒感のみのようだ。病歴からは虫刺症を疑うが、ダニ咬傷もありうるか。明らかなダニは目視できないが、ダニ咬傷は否定できるだろうか?

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事例034 診療情報提供書の査定【斬らレセプト シーズン3】

解説事例では接骨院に向けて提供した「D008 診療情報提供料」が算定要件に合致していないとしてD事由(告示・通知の算定要件に合致していないと認められるもの)が適用され査定となりました。診療情報提供料は、患者の同意を得て、保険医療機関や市町村などの認められた公的機関などに対して、定められた項目を記載した診療情報提供書を提供した場合に算定できます。したがって、接骨院宛ての診療情報提供書は、診療情報の提供先にかかる算定要件を満たさないとして査定となったものです。カルテ添付の写しをみてみると、接骨院への後療施術の「同意書」として発行されたものを診療情報提供料が算定できると誤解して請求されていたようです。レセプトチェックシステムでは、宛先名称から診療情報提供料のいずれの区分に該当するかの判断は行えないためにチェックされません。会計担当者には、接骨院などへ診療情報を提供した場合には、対象が保険医療機関であるかを調べた上で、「あん摩・マッサージ・指圧、はり、きゅう」にかかる同意書または診断書を交付した場合のみ、B013 療養費同意書交付料にて算定することを伝えて査定対策としました。

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Stroke Oncology(脳卒中合併がん)の対策、学会の枠越え取り組み/日本腫瘍循環器学会

 がん患者の脳梗塞合併の課題解決に向け、脳卒中医とがん診療医が共同で取り組んでいる。 9月30日~10月1日の2日間、神戸で開催された第6回日本腫瘍循環器学会学術集会にて、NTT東日本関東病院の水上 拓郎氏が発表した。 がん患者の脳梗塞リスクは非がん患者と比べ高く、そのリスクはステージが進行するごとに上昇する。がん患者の脳卒中合併には複数の因子が絡み、がん種や診断時期によってリスクは異なるため、予後予測は複雑である。 そのような中、脳卒中とがん、それぞれの専門家が議論する場が必要とされてきた。日本脳卒中学会では2020年からStroke Oncology Project Teamを設立している。日本がんサポーティブケア学会では、腫瘍医側の主体として、Stroke Oncologyワーキンググループ(WG)を2022年に設立した。同WGでは、脳卒中医と連携し、Stroke Oncologyの各種課題について議論する。 学術集会では最初の取り組みとして実施した日本国内の先行研究のレビューを発表した。脳卒中発症の予測因子として、D-ダイマー、CRP、脳転移の有無、がん診断からの期間の関連が高いと報告している。

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牛乳に飲むほど骨折が増える逆効果?ヨーグルトやチーズは?

 乳製品摂取量と大腿骨近位部骨折の発生リスクとの関連を調べた用量反応メタ解析の結果、牛乳摂取量の増加は骨折リスクの増大と関連するものの、ヨーグルトとチーズは摂取量が多いほど骨折リスクが低減したことを、米国・メリーランド大学のSuruchi Mishra氏らが報告した。Journal of Nutritional Science誌2023年9月11日号の報告。大腿骨近位部骨折のリスクは牛乳1日400g摂取まで段階的に増大 これまで、牛乳摂取は骨折の頻度を減少させて死亡リスクも低下させるという報告1)がある一方で、牛乳摂取量が多い人ほど骨折率や死亡率が高いという報告2)もあり、一貫性はない。そこで研究グループは、乳製品の摂取と大腿骨近位部骨折の発生リスクを評価するために用量反応メタ解析を実施した。 PubMed(MEDLINE)とGoogle Scholarを用いて、1946~2021年12月に英語で発表された、乳製品摂取量と骨折リスクに関する前向きコホート研究を検索し、メタ回帰により用量反応相対リスクを導き出した。解析には13件の研究から成人48万6,950人、骨折1万5,320件を含めた。 牛乳やチーズなど乳製品摂取と大腿骨近位部骨折の発生リスクを評価した主な結果は以下のとおり。・牛乳の摂取は、400g/日まで段階的に大腿骨近位部骨折のリスクを増大させ、用量効果として200g/日当たり7%のリスク増大と関連していた(相対リスク[RR]:1.07、95%信頼区間[CI]:1.05~1.10、p<0.0001)。牛乳摂取量が0g/日群と比較して、400g/日群では大腿骨近位部骨折のリスクが最も高かった(RR:1.15、95%CI:1.09~1.21、p<0.0001)。・牛乳摂取量400g/日を超えると用量リスクは低減したが、それでも0g/日群と比較して750g/日まで骨折リスクは上昇した。・観察された牛乳摂取量のどの範囲においても、0g/日群と比較して大腿骨近位部骨折のリスクが有意に低いという解析結果は得られなかった。・ヨーグルト摂取に関する5研究の分析では、ヨーグルト250g/日当たり大腿骨近位部骨折リスクが15%低下するという逆相関が得られた(RR:0.85、95%CI:0.82~0.89)。・同様に、チーズ摂取に関する5研究の分析では、チーズ43g/日(参考:6Pチーズ約2.5個分)当たり大腿骨近位部骨折リスクは19%低下した(RR:0.81、95%CI:0.72~0.92)。・すべての乳製品の総摂取量と大腿骨近位部骨折の間に明らかな関連性は認められなかった(乳製品の総摂取量250g/日当たりのRR:0.97、95%CI:0.93~1.004、p=0.079)。 研究グループは、本研究の限界として「われわれの研究には小児のデータが不足していた。乳製品が小児集団に有益な影響を及ぼす可能性はあるが、小児における大腿骨近位部骨折を評価項目とした研究が不足していることから、乳製品と骨密度に関する文献を今後慎重に評価する必要がある」ことなどを挙げた。

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革新的新薬の創出へ、アカデミア・ベンチャーと製薬企業の連携強化

 一般社団法人アカデミア発バイオ・ヘルスケアベンチャー協会が設立記念シンポジウムを10月18日に開催した。本協会は前身の大学発バイオベンチャー協会の趣旨を引継ぎ、バイオベンチャーやスタートアップの振興と産官学連携の推進を目的に今年5月22日に設立された。本協会の理事長である森下 竜一氏(大阪大学寄付講座 教授)によると、医療イノベーション推進のためには業界をワンボイスで進めて行く必要があり、そのためにさまざまな意見を取り込みながらアカデミア発のベンチャー振興の政策提言を令和6年半ばを目途に取りまとめていく予定だという。アカデミア・ベンチャーと製薬企業の連携は革新的新薬開発の必須条件 近年、日本の新薬開発は世界に後れを取っている。これまでは製薬企業が創薬のすべてを担ってきたが、医薬品開発の複雑性・専門性が高まることで自前主義が成り立たなくなり、世界的にも水平分業が進んでいる。そこで、特定領域に特化した技術を有するアカデミアや医療ベンチャーとともにエコシステムを構築し、協業によるイノベーション創出が求められるようになった。官公庁を代表し、浅沼 一成氏(厚生労働省医政局長)が『医療イノベーション推進のための課題とバイオ・ヘルスケアベンチャー支援策』と題し、現状の医薬品開発の動向や創薬開発の問題点などを取り上げ、国内製薬企業と医療系ベンチャーとの結びつきの重要性と将来展開について説明した。 浅沼氏は国内の創薬にかかる課題として「現状、国内創薬スタートアップは未成熟で、スタートアップが開発した新薬は承認・上市には至っておらず、臨床ステージに入っている新薬候補物質の導出も少ない」と指摘。一方で、大型契約を成立させているスタートアップがあるものの外資系製薬企業との契約に偏っていることから、「“スタートアップの買収が起こらない→メガファーマが育たない→買収ができない”という負のスパイラルに陥っているのではないか」と製薬企業側の課題を示した。また、「日本政府は医薬品産業が向かうべきビジョンや戦略を打ち出してきたが、諸外国と比較すると中長期的な戦略を示せていない」と、企業側だけの問題ではないことも明らかにし、政府側に求められる対応として、「新規モダリティの創出支援(一丸となった総合的な戦略を作成ほか)や創薬エコシステムの構築のように、中長期的な戦略を策定し、実効性のある取り組みを進めるべき」と方向性を示した。 来年度の政府の取り組みは『スタートアップ育成5ヵ年計画』などに基づき、アカデミア・ベンチャーと製薬企業のお見合いのようなビジネスマッチング・オープンイノベーションの促進を図り、ドラッグラグ・ロスの解消に向けて海外リソースの呼び込みを含め、ベンチャーが開発する革新的医薬品の導入促進を行うなど、医療系スタートアップ・エコシステム形成を図っていく。 なお、本協会の設立趣旨ならびに活動内容は以下のとおり。【設立趣旨】1.アカデミア発バイオ・ヘルスケアベンチャーの推進を図り、その研究活動・事業を通じて福祉への貢献、経済・産業の活性化を図ることを主たる目的とする2.会員相互の親睦を深め、情報交換や交流の場を提供し、会員の研究開発力の向上や人間関係の形成を促進すること3.社会的な課題に対する啓発活動や研究、政策提言などを通じて、社会的な意義や価値を追求すること【活動内容】1.アカデミア発バイオ・ヘルスケアベンチャー個々の企業が抱える悩みや問題点の解決に向けた関連行政機関等への提言2.アカデミア発バイオ・ヘルスケアベンチャーの発展に必要とされる制度および事業の研究・情報提供・情報交換および交流活動3.研究会、講演会、セミナーその他の会合の開催4.図書の作成および刊行その他研究成果の発表5.国内外の関係機関および研究機関との連携および協力

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若年性アルツハイマー病におけるアミロイドおよびタウPETの陽性率

 米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のHanna Cho氏らは、若年性アルツハイマー病患者におけるベースライン時のアミロイドβ(Aβ)およびタウ蛋白のPET検査の評価を目的に、プロスペクティブ観察研究として長期若年性アルツハイマー病研究「LEADS試験」を実施した。その結果、臨床的な若年性アルツハイマー病患者の72%でアミロイドPETとタウPETの両方が陽性であり、アミロイドPETが陽性の患者では皮質領域全体での高いタウPETシグナルが認められた。Alzheimer's & Dementia誌オンライン版2023年9月10日号の報告。 軽度認知障害(MCI)またはアルツハイマー病と診断された65歳未満の患者を対象に、ベースライン時の18F-florbetabenアミロイドPETおよび18F-florbetapirタウPETの結果を分析した。若年性アルツハイマー病患者のAβ陽性および陰性の評価には、専門家による読影と画像定量化の組み合わせに基づいたフロルベタベン スキャンを用いた。 主な結果は以下のとおり。・対象患者321例中243例(75.5%)は、アミロイドPETにより若年性アルツハイマー病に割り当てられた。243例のうち231例(95.1%)はタウPET陽性であった。・タウPETシグナルは、頭頂部優位なパターンで皮質領域全体での上昇がみられ、若年および女性の患者においてより高かった。 著者らは、「本研究のデータは、若年性アルツハイマー病の診断精度を高めるためのバイオマーカーの重要性を強調するものである」とし、とくに発症年齢のより若い患者や女性ではタウPETシグナルがより高いことなどから、「今後の治療戦略に影響を及ぼす可能性がある」とまとめている。

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2型DM基礎インスリンへの追加、チルゼパチドvs.インスリン リスプロ/JAMA

 基礎インスリン療法で血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者において、インスリン グラルギンへの追加治療として週1回のチルゼパチドは、食前追加インスリンと比べてHbA1c値の低下および体重減をもたらし、低血糖症の発現もより少なかったことが、米国・Velocity Clinical ResearchのJulio Rosenstock氏らによる第IIIb相国際多施設共同非盲検無作為化試験「SURPASS-6試験」で示された。チルゼパチドは、グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチドおよびグルカゴン様ペプチド-1(GIP/GLP-1)受容体作動薬であり、2型糖尿病の治療に用いられているが、これまで上記患者の追加インスリン療法として食前追加のインスリンと比較した有効性と安全性については明らかにされていなかった。JAMA誌オンライン版2023年10月3日号掲載の報告。52週時のHbA1c値のベースラインからの変化量を評価 SURPASS-6試験では、インスリン グラルギンへの追加インスリン療法として、チルゼパチドvs.インスリン リスプロの有効性と安全性を評価した。15ヵ国(アルゼンチン、ベルギー、ブラジル、チェコ共和国、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、イタリア、メキシコ、ルーマニア、ロシア、スロバキア、スペイン、トルコ、米国)の135施設で、2020年10月19日~2022年11月1日に基礎インスリン治療を受ける2型糖尿病患者1,428例を登録して行われた。 研究グループは被験者を、1対1対1対3の割合で次の4群に無作為化した。(1)週1回チルゼパチド5mgを皮下注射(243例)、(2)同10mgを皮下注射(238例)、(3)同15mgを皮下注射(236例)、(4)1日3回食前にインスリン リスプロを皮下注射(708例)。 主要アウトカムは、52週時点のHbA1c値のベースラインからの変化量でみた、インスリン グラルギンに加えたチルゼパチド(統合コホート)の同インスリン リスプロに対する非劣性(非劣性マージン0.3%)であった。重要な副次エンドポイントとして、体重の変化量、HbA1c値7.0%未満達成患者の割合を評価した。HbA1c値の変化量、チルゼパチド-2.1%、インスリン リスプロ群-1.1% 無作為化された1,428例(女性824例[57.7%]、平均年齢58.8歳[SD 9.7]、平均HbA1c値8.8%[SD 1.0%])のうち、1,304例(91.3%)が試験を完了した。 52週時点で、チルゼパチド(統合コホート)群vs.インスリン リスプロ群のHbA1c値のベースラインからの推定平均変化量は、-2.1% vs.-1.1%であり、HbA1c値は6.7% vs.7.7%となった(推定治療差:-0.98%[95%信頼区間[CI]:-1.17~-0.79]、p<0.001)。結果は非劣性基準を満たすもので、統計学的優越性も示された。 体重のベースラインからの推定平均変化量は、チルゼパチド群-9.0kg、インスリン リスプロ群3.2kgであった(推定治療差:-12.2kg[95%CI:-13.4~-10.9])。 HbA1c値7.0%未満達成患者の割合は、チルゼパチド群68%(483/716例)、インスリン リスプロ群36%(256/708例)であった(オッズ比[OR]:4.2[95%CI:3.2~5.5])。 チルゼパチド群で最もよくみられた有害事象は、軽症~中等症の消化器症状(悪心:14~26%、下痢:11~15%、嘔吐:5~13%)であり、低血糖症(血糖値<54mg/dLまたは重症低血糖症)の発現頻度は、チルゼパチド群0.4件/患者年、インスリン リスプロ群4.4件/患者年であった。

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急性期脳梗塞、単純CT診断下で血管内血栓除去術vs.薬物治療単独/Lancet

 患者を選定する画像診断に、造影剤を用いない単純CTを用いる環境下では、主幹動脈閉塞の大梗塞が認められた急性期虚血性脳卒中患者において、血管内血栓除去術は機能的アウトカムの改善および死亡率低下と関連することが、ドイツ・ハイデルベルク大学病院のMartin Bendszus氏らによる、前向き多施設共同非盲検無作為化試験の結果で示された。最近のエビデンスとして、急性期脳梗塞では血管内血栓除去術の有益な効果が示されている。しかしながら、それらの試験はマルチモーダル脳画像に依拠しており、臨床現場で使用されているのは主に単純CTであることから本検討が行われた。Lancet誌オンライン版2023年10月11日号掲載の報告。血管内血栓除去術+薬物治療vs.薬物治療単独を評価 試験は欧州の40病院とカナダの1施設で行われた。被験者は、ASPECTSスコア3~5の脳主幹動脈閉塞および大梗塞が認められた急性期虚血性脳卒中の患者で、中央のWebベースシステムを用いて無作為に1対1の割合で、脳卒中発症から12時間以内に、血管内血栓除去術+薬物治療または薬物治療単独(たとえば標準的なケア)を受ける群に割り付けられた。 主要アウトカムは90日時点の機能的アウトカムで、治療割り付けをマスクされた研究者により修正Rankinスケールの全範囲スコアを用いて評価された(ITT集団で解析)。安全性のエンドポイントには、死亡率、症候性頭蓋内出血率などが含まれた(受けた治療に基づき全患者を含めた安全性集団で解析)。90日時点の機能的アウトカム改善および死亡率低下と関連 2018年7月17日~2023年2月21日に253例が無作為化された(血管内血栓除去群125例、薬物治療単独群128例)。両群の人口統計学的特徴および臨床特性は類似しており、両群合わせた被験者の年齢中央値は74歳(四分位範囲[IQR]:65~80)、女性が123/253例(49%)であった。ベースラインのNIHSSスコア中央値は、血管内血栓除去群19(IQR:16~22)、薬物治療単独群18(15~22)、単純CTベースでベースラインASPECTS評価が行われたのは、それぞれ104/125例(83%)、104/128例(81%)であった。登録時にCT画像診断が用いられたのは208/253例(82%)。 試験は、事前に計画された最初の中間解析で有効性が確認され、早期に終了された。 90日時点で、血管内血栓除去群は、修正Rankinスケールのスコア分布がより良好なアウトカムへとシフトしており(補正後共通オッズ比[OR]:2.58、95%信頼区間[CI]:1.60~4.15、p=0.0001)、死亡率の低下とも関連していた(ハザード比[HR]:0.67、95%CI:0.46~0.98、p=0.038)。 症候性頭蓋内出血は、血管内血栓除去群で7例(6%)、薬物治療単独群で6例(5%)報告された。

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高リスク早期乳がんへの術後内分泌療法+アベマシクリブ、5年時解析結果(monarchE)/ESMO2023

 再発リスクの高いHR+/HER2-リンパ節転移陽性の高リスク早期乳がんにおける術後内分泌療法へのアベマシクリブの追加を検討するmonarchE試験では、無浸潤疾患生存期間(iDFS)および無遠隔再発生存期間(DRFS)が有意に改善し、2年間の治療後も持続したことが報告されている。今回、事前に規定されていた中間解析における5年時の有効性について、ドイツ・ミュンヘン大学のNadia Harbeck氏が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2023)で発表した。・対象:再発リスクの高いHR+/HER2-の早期乳がん[コホート1]リンパ節転移4個以上、リンパ節転移1~3個の場合はグレード3もしくは腫瘍径5cm以上(5,120例)[コホート2]リンパ節転移1~3個かつKi-67値20%以上かつグレード1~2で腫瘍径5cm未満(517例)・試験群:術後療法として、標準的内分泌療法(タモキシフェンもしくはアロマターゼ阻害薬)+アベマシクリブ150mg1日2回、アベマシクリブは最長2年投与(ET+アベマシクリブ群:2,808例)・対照群:術後療法として、標準的内分泌療法を5年以上施行(ET群:2,829例)・評価項目:[主要評価項目]iDFS[副次評価項目]Ki-67高値集団におけるiDFS、DRFS、全生存期間(OS)、安全性、薬物動態、患者報告アウトカム 主な結果は以下のとおり。・2023年7月3日のデータカットオフ時点で、追跡期間中央値4.5年(54ヵ月)、全患者がアベマシクリブ投与を終え、80%以上が2年以上追跡されていた。・ITT集団でのiDFSのベネフィットは持続し、ハザード比(HR)は0.680(95%信頼区間[CI]:0.599~0.772、p<0.001)で、絶対的改善率は、3年時の4.8%、4年時の6.0%に比べ、5年時は7.6%に増加した。サブグループにおいても、iDFSのベネフィットは持続していた。・ITT集団でのDRFSにおけるベネフィットも持続し、HRは0.675(95%CI:0.588~0.774、p<0.001)で、絶対的改善率は、3年時の4.1%、4年時の5.3%に比べ、5年時は6.7%に増加した。・ITT集団での死亡例数は、ET+アベマシクリブ群で少なかった(HR:0.903、95%CI:0.749~1.088、p=0.284)。・今回の解析においても、転移/再発例は引き続きET+アベマシクリブ群で少なかった。・安全性は、monarchEのこれまでの解析やET+アベマシクリブにおける既知の安全性プロファイルと同様だった。 Harbeck氏は「術後補助療法の試験で重要な5年時のデータにおいて、アベマシクリブのベネフィットが維持されていた。今回のデータは持ち越し効果と一致し、HR+/HER2-リンパ節転移陽性の高リスク早期乳がんにおける術後内分泌療法へのアベマシクリブの追加をさらに支持する」とした。なお、OSは最終解析まで追跡調査を継続中。

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HER2陽性胃がん、トラスツズマブ+化学療法のペムブロリズマブ上乗せは3年時も有用(KEYNOTE-811)/ESMO2023

 進行胃がんにおける免疫チェックポイント阻害薬の有効性は化学療法との併用においてより効果を発揮することが示唆されており、最適なレジメンが検討されている。第III相KEYNOTE-811試験は、胃・胃食道接合部がん1次治療としてのペムブロリズマブ+トラスツズマブ+化学療法の有用性を示し、この結果を基に米国食品医薬品局(FDA)は2021年5月に本レジメンを承認している。2023年10月の欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2023)で、米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのYelena Y. Janjigian氏がKEYNOTE-811試験の第3回中間解析結果を発表、同日にLancet誌に掲載された。KEYNOTE-811試験の第3回中間解析でペムブロリズマブ併用群がPFSを有意に改善・対象:未治療のHER2陽性胃・胃食道接合部がん、PS0~1・試験群:ペムブロリズマブ200mg+トラスツズマブ+標準化学療法(フルオロピリミジンおよびプラチナ製剤)を3週間ごと最大35サイクル(ペムブロ群)・対照群:プラセボ+トラスツズマブ+標準化学療法(プラセボ群)・評価項目:[主要評価項目]無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)[副次評価項目]奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)、安全性 KEYNOTE-811試験の第3回中間解析の主な結果は以下の通り。・698例がペムブロ群350例、ブラセボ群348例に割り付けられた。年齢中央値62歳、81%が男性であった。・第3回中間解析(追跡期間中央値:38.5ヵ月)において、全例でペムブロ群はプラセボ群に対してPFSを有意に改善した。PFS中央値はペムブロ群10.0ヵ月(95%信頼区間[CI]:8.6~12.2)対プラセボ群8.1ヵ月(95%CI:7.1~8.6)、ハザード比(HR)0.73(95%CI:0.61~0.87、p=0.0002)であった。PD-L1<1の症例においては、この差はさらに開いた(10.9ヵ月対7.3ヵ月、HR:0.71、95%CI:0.59~0.86)。・全生存期間中央値は20.0ヵ月(95%CI:17.8~22.1)対16.8ヵ月(95%CI:15.0~18.7)、HR 0.84(95%CI:0.70~1.01)で、事前に規定された基準を満たさなかった。・Grade3以上の薬物関連有害事象はペムブロ群58%対プラセボ群50%、Grade5(死亡)は4例(1.1%)対3例(0.9%)で発現した。・ORRはペムブロ群73%対プラセボ群60%、DORは11.3ヵ月対9.5ヵ月であった。 Janjigian氏は「本試験は、切除不能でHER2陽性胃がん、とくにPD-L1高発現の患者において本レジメンによる1次療法の有用性を強く支持するものであり、毒性はこれまで報告されていたものと同様だった。OSは引き続き解析を行い、最終解析として報告予定」とした。このKEYNOTE-811試験の第3回中間解析結果を受け、欧州医薬品庁(EMA)は PD-L1<1の患者を対象に同レジメンを承認しており、ESMOガイドラインも同日にアップデートされた。

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点滴用複合ビタミン剤でアナフィラキシー【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第243回

点滴用複合ビタミン剤でアナフィラキシーphoto-ACより使用長らく医師をしていると、いろいろな製剤によるアナフィラキシーを見聞きしたことがあるかと思います。私は大阪府に住んでいるので、お好み焼き粉の中のダニによるアナフィラキシーの話をよく耳にします。さて、わりと安全と思われるものであっても、アナフィラキシーは必ず報告されています。今回は、点滴用複合ビタミン剤です。熊谷 淳, 他.点滴用複合ビタミン剤中のビタミンB1誘導体によるアナフィラキシーの1例.アレルギー. 2023;72(5): 479-484.下部消化管感染症に対して、抗菌薬の点滴に加えて点滴用複合ビタミン剤を投与したところ、アナフィラキシーを発症したというものです。抗菌薬のアレルギーであればわかるのですが、点滴用複合ビタミン剤1%皮内テストが陽性となり、成分別検査ではビタミンB1誘導体のリン酸チアミンジスルフィドのプリックテストが陽性となりました。これによって、点滴用複合ビタミン剤中のリン酸チアミンジスルフィドによるアナフィラキシーということが診断されました。この症例ではフルスルチアミン塩酸塩で陽性を示し、交差反応の可能性が想定されました。いやー、これ結構怖いですよね。まさかビタミンが原因なんて、現場で予想できないかもしれません。ビタミンB1誘導体は、ビタミンB1の構造の一部分を変化させた化合物です。より吸収されやすく、組織移行性が高いとされています。極めてまれではありますが、どのような製剤でもアナフィラキシーの可能性を考えておく必要がありますね。あともうひとつ重要なポイントとして、ビタミンB1欠乏症の状況で急速に大量のビタミンB1を静注すると、クエン酸回路を経由してATPが産生されるカスケードが進みます。このATPによって喉頭に喘鳴を来し、あたかもアナフィラキシーに見えることがあります1)。これを「ビタミンB1ショック」といいます。1)川崎 武, 他. ビタミンB1ショックの1例. 日本内科学会雑誌. 1962;51(3):54-60.

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第182回 鎮咳薬・去痰薬不足、医師が知っておきたい“患者対応Q&A”

前々回の本連載で取り上げた鎮咳薬・去痰薬の不足について、厚生労働省が対策に乗り出したことで、メディア各社も盛んに報じている。それに伴い私のところにもメディア各社、さらには友人・知人からまでこの問題について問い合わせが増えている。しかし、中には疲れるような質問も。そこで今回は彼らからの問い合わせに対する私の回答を公開する。「本当にこんなこと言っているの?」という部分もあるかもしれないが、多少の文言の違いはあってもほぼ同様のことを言っている。調剤薬局では、咳止め薬や去痰薬など、とくにかぜ薬が不足していると伝えられています。「患者が増えているから」以外に不足する要因はあるものでしょうか?まず大前提として、現在、これまで咳止め薬や去痰薬を製造していた製薬企業の一部で、こうした薬の供給が停止しています。原因は供給を停止した複数の製薬企業の工場で製造不正が発覚し、その改善対策に追われているからです。にもかかわらず、現在はこうした薬が必要になる患者が増えています。主な原因はインフルエンザの季節外れの流行が続いていたからです。一方でコロナ禍の影響もあると思われます。新型コロナの登場以降、皆さんは風邪のような症状があったら、「まさかコロナ? いやインフルエンザ? それともただの風邪?」と不安になりませんか? その結果、近くの医療機関に行ったりしてませんか? この結果、今まで以上に風邪様症状の患者さんの受診が増えています。そして、コロナ、インフル、風邪のいずれかだとしても「今の症状を治す薬が欲しい」と思ったり、医師に言ったりしますよね? もちろん医療機関の医師も患者の症状を少しでも良くしたいと思い、咳止め薬や去痰薬を処方します。その結果、元々足りない薬の需要がさらに増加するという悪循環に入ってしまいました。現在不足している薬、今後不足しそうな薬のなかで、欠品や出荷調整による患者への影響が最も深刻な薬は何でしょうか?どれが最も深刻かは一言では言えません。ですが、皆さんが抗生物質と呼ぶ抗菌薬や高血圧症、コレステロールが高くなる脂質異常症、糖尿病など比較的ありふれた病気の治療薬の一部も現在供給停止となっています。今後はどのような薬の供給が深刻になるかは、とても予想ができません。これを予想するのは星占い以上にあてになりません。とくにジェネリック医薬品(GE)で数千品目もの供給不安定が起き、それが長期化していると聞きます。なぜでしょうか?現在、日本は世界でほぼ最速と言えるほど少子高齢化が進行しています。高齢になれば必然的に身体機能が衰え、公的な医療や介護が必要になります。その結果、社会保障費が増大し、国の財政を圧迫しつつあります。国はその解決策として、新薬の特許失効後に登場する同一成分で安価なGEの使用促進策を次々と打ち出しました。その結果、現在ではGEのある医薬品成分では、流通量の8割がGEに置き換わりました。しかし、このGEを製造する複数の企業で、2020年末以降、相次いで製造にかかわる不正が発覚しました。これらの企業では業務停止などの行政処分を受けた会社も複数存在します。行政処分を受けた会社は現在改善に向けてさまざまな取り組みを行っています。概してこうした取り組み改善があっても、工場が正常化するには2~3年はかかります。そのため供給不安が続いています。一部の工場が停止しているならば、ほかのGE企業などで増産に取り組めば解決するのではないですか?まず新薬を中心とする製薬企業が抱えている品目は、多くとも数十品目です。ただし、工場では1つの製造ラインで特定の1品目を年中製造していることがほとんどです。これに対し、GE企業は1社で数百品目、日本トップクラスのGE企業は800~900品目を全国にある5~6ヵ所の工場で製造しています。結局、GE企業では1つの製造ラインで何十品目も製造しています。あるGE企業の工場では1つの製造ラインを1週間に6回も切り替えて異なる薬を製造しています。この6回の切り替えで、製造する薬が季節によって異なることもあります。ざっくりした表現をすると、GE企業の製造体制はもともとが自転車操業のようなもので、余力が少ないのです。しかも、直近で行政処分などを受けていないGE企業の工場は、少ない余力分もフル稼働させている状態です。この状況で増産しろと言うのは、過重業務で平均睡眠時間3時間の人にさらに睡眠時間を削って働けというようなものです。現代ではこれを「パワハラ」と言います。GE企業が工場を新設し、製造ラインも1ライン1品目にすることは無理ですか?理論的には可能かもしれませんが、現実には不可能です。まず、日本のGE企業はトップクラスですら、毎年の純利益は100億円超です。ところが最新鋭の工場建設には200~300億円はかかります。そうそう簡単に工場建設はできません。しかも、工場建設はそれだけで数年、完成後フル稼働に至るまでには最大5年はかかると言われています。また、800~900品目をすべて1ライン1品目で製造するのはナンセンスです。GE企業各社がその体制にするならば、日本の国土の何%かがGE企業の工場で占められることにもなりかねません。その結果、最悪は地価高騰など国民生活に悪影響が及ぶかもしれません。薬局間、あるいは医薬品卸の間で、“薬の争奪戦”が起きているとの噂を聞きましたこのような状況になってから製薬企業から卸企業、卸企業から薬局・医療機関の各取引では、過去数ヵ月の取引実績に応じて納入量が決まるようになっています。また、製薬企業はすべての医薬品卸と取引しているわけではなく、慣行的に取引卸を絞り込んでいます。このため卸同士ではあまり激しい争奪戦はないと見て良いでしょう。一方、医薬品卸から購入する薬局同士では、それなりに争奪戦があると言えます。ただ、それは一般で考えるような血で血を争うようなものではありません。今お話ししたように、納入量は直近の取引実績が基準になるからです。このため過去約3年の薬不足を経験した薬局側では、医薬品卸に薬を発注する際にいつもよりやや早めに、やや多めの量を発注しがちになっています。そしてこの医薬品卸と薬局との取引では、大手薬局チェーンのほうが中小薬局よりも有利です。皆さんも、もしモノを売っている立場ならば毎回大量に買ってくれるお客さんを優遇しますよね? これと当たり前の原理が働いています。ただし、大手薬局チェーンでは薬があふれかえり、中小薬局では棚が空っぽというイメージを抱くなら、それは違います。現在は全国的に不足している状況です。製薬企業、医薬品卸の現場の方々が、今、最も苦労していることとは何でしょうか?四方八方から「何とかしてくれ」と言われることです。GE企業の人については、前述したとおりで工場のフル稼働が続いています。ある種大変なのは医薬品卸の皆さんです。彼らは自分の会社で薬を製造しているわけではないので、「ない袖は振れぬ」です。ある日の業務が、医療機関や薬局に発注を受けた薬を納入できないことを伝える「未納案内書」のFAX送信だけで終わったということもあるようです。医薬品卸の若い社員の中には、この状況に疲れて退職する人も増えていると聞きます。薬局のほうがより大変とも耳にしますその通りです。たぶんこの問題の初期から最前線に立たされ、患者や医療機関から「何とかしてほしい」と言われ続けてきたのが薬局の薬剤師です。この問題が始まった当初は医師や患者も“なぜいつもの薬がないのか”が理解できず、薬局の薬剤師が説明しても「?」という感じの反応をされたという愚痴をたくさん聞かされました。昨今はこの咳止め薬や去痰薬の問題が報じられているので、理解は進んでいるようです。しかし、それでもまだこの問題に対する温度差はあるようです。たとえば、ある薬剤師は医師から来た処方箋に記載されたある薬の在庫がないため、電話をして同じ効き目の別の薬に代えてもらったそうなのですが、その翌日から1ヵ月もの間、同じ医師から6回もこの薬が記載された処方箋が発行され、その度に電話をしなければならなかったそうです。また、別の薬剤師も同様に処方箋に記載された薬の在庫がないため、処方元の医師に変更をお願いしたところ、「そんなことこっちには関係ない!」と怒鳴られ、電話を切られたそうです。今冬のインフル流行期、薬不足の問題は好転しているでしょうか?より深刻化しているでしょうか?不足する薬が安定的に供給されるようになるのはいつ頃でしょうか?まず、1番目の質問に回答すると、「わかりませんが、より深刻化している可能性は大いにあります」。2番目の質問には「わかりません」としかお答えのしようがありません。これ以外で何かポジティブな回答を明言する人がいたら、ぜひそのご尊顔を拝したいものです。今現在の咳止め薬や去痰薬不足に対して一般人ができる防御策はありますか?何よりも皆さんがなるべく病気にならないよう体調管理に努め、インフルエンザや新型コロナのワクチンはできるだけ接種しておくことが望ましいです。とくに風邪様症状の場合は今まで以上に受診すべきか否かを真剣に考えるべきです。私の周囲の医師は、より具体的に「20~30代で基礎疾患もない人は風邪様症状でも受診は控え、自宅で静養することが望ましいでしょう。そのためには、自宅に新型コロナの抗原検査キットと解熱薬を予め購入して備蓄しておくこと」と言っています。ちなみに新型コロナの抗原検査キットは、感染直後では本当は感染していても陰性となることがしばしばあります。最低でも3回分用意して、3日連続で検査しましょう。ちなみに私事で言うと5日分を常に備蓄し、出張時も持ち歩いています。この結果が陽性・陰性のいずれでも1週間程度、外出は控えてください。この間は友達とお茶をしに行く、飲み会に行くなどもってのほかです。もちろん基礎疾患がある人や高齢者、自宅で静養して4日ほど経過しても症状が改善しない人は受診をお勧めします。ただ、その場合は発熱患者などを診察してくれるかどうか、行こうとしている医療機関に事前に電話で確認しましょう。「確かに自分は若いし、基礎疾患もないけど、咳止め薬や去痰薬は病院でもらうほうが安いし」という人。そう言うあなたは今の薬不足の原因を作っている1人です。このような感じだが、皆さんならどうお答えしますか?

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より取り見取りの学習ソース 米国の継続医学教育(CME)とは?【侍オンコロジスト奮闘記】第153回

第153回:より取り見取りの学習ソース 米国の継続医学教育(CME)とは?参考MedscapeMedscape CME & EDUCATIONResearch To PracticePhysicians’ Education ResourceClinical Care OptionsTargeted OncologyVuMediOncology Learning NetworkGRACE

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10月20日 床ずれ予防の日【今日は何の日?】

【10月20日 床ずれ予防の日】〔由来〕「床(10)ずれ(20)」の語呂合わせならびに日本褥瘡学会の定期的な褥瘡有病率全国調査が10月に実施されることなどから、同学会が社会に「床ずれ(褥瘡)」に対する理解を深めてもらうことを目的に2016年に制定。同学会では、適切な予防・管理のための情報提供やさまざまな活動を実施している。関連コンテンツ思わぬ情報収集から服薬直前の抗菌薬の変更を提案【うまくいく!処方提案プラクティス】第3回 褥瘡治療 処方提案のポイントは?【コクシで学ぼう(1)】褥瘡(床ずれ)【患者説明用スライド】第11回 陰部・肛門部の痛み【エキスパートが教える痛み診療のコツ】

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統合失調症の初回エピソード後の長期的な症状の軌跡~OPUS研究より

 デンマーク・コペンハーゲン大学病院のMarie Starzer氏らは、統合失調症スペクトラム障害患者における初回エピソード後の陽性症状および陰性症状の20年間の軌跡を特定し、これらと関連する患者のベースライン特性と長期アウトカムについて調査するため、OPUS試験参加者の再評価を行った。World Psychiatry誌2023年10月号の報告。 対象は、ICD-10により統合失調症スペクトラム障害と診断された患者373例。症状は、陽性症状評価尺度(SAPS)および陰性症状評価尺度(SANS)を用いて、ベースライン時および1、2、5、10、20年後に評価を行った。潜在クラス成長混合モデルを用いて症状の軌跡を特定し、多項回帰分析を用いて特定された症状の軌跡の予測因子を調査した。 主な結果は以下のとおり。・陽性症状では、5つの軌跡が特定された。 ●継続的な寛解(50.9%) ●安定した改善(18.0%) ●断続的な症状(10.2%) ●中程度の症状を伴う再発(11.9%) ●重篤な症状の継続(9.1%)・中程度の症状を伴う再発の予測因子は、物質使用障害(オッズ比[OR]:2.82、95%信頼区間[CI]:1.09~7.38、p=0.033)、未治療期間の長さ(OR:1.02、95%CI:1.00~1.03、p=0.007)、陰性症状レベルの高さ(OR:1.60、95%CI:1.07~2.39、p=0.021)であった。・重篤な症状の継続の予測因子は、未治療期間の長さ(OR:1.01、95%CI:1.00~1.02、p=0.030)のみであった。・陰性症状では、2つの軌跡が特定された。 ●症状の寛解(51.0%) ●症状の継続(49.0%)・症状の継続の予測因子は、男性(OR:3.03、95%CI:1.48~6.02、p=0.002)および未治療期間の長さ(OR:1.01、95%CI:1.00~1.02、p=0.034)であった。・陽性症状(Zスコア:-0.78、CI:-1.39~-0.17)および陰性症状(Zスコア:-0.33、CI:-0.53~-0.13)の継続は、統合失調症認知機能簡易評価尺度(BACS)で測定した認知機能低下と関連が認められた。・20年間のフォローアップ調査では、陽性症状(78%)および陰性症状(67%)の継続は、抗精神病薬の使用量増加とも関連が認められた。 まとめ・初回エピソードの統合失調症スペクトラム障害患者の多くは、陽性症状の早期安定・寛解を伴う軌跡をたどっていることが示唆された。・長期にわたる未治療、薬物乱用の併発は、症状不良の修正可能な予測因子である。・統合失調症スペクトラム障害患者の半数は、時間が経過しても陰性症状の改善が認められなかった。・これらの症状は、社会的機能や認知機能の低下と関連していることに加え、患者が援助を求めることへの妨げとなっている可能性が示唆された。

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長時間睡眠で認知障害リスク増、特定のアミノ酸不足でさらに増~日本人での研究

 睡眠時間とアミノ酸摂取量は、独立して認知機能の低下と関連している。今回、国立長寿医療研究センターの木下 かほり氏らは、60歳以上の地域住民における睡眠時間と認知障害発症の長期的な関連と食事による19種類のアミノ酸摂取量の関与を調べた。その結果、長い睡眠時間(8時間超)が認知障害発症率と有意に関連し、さらに、長時間睡眠者でシスチン、プロリン、セリンの摂取量が少ない人は認知障害を発症しやすいことがわかった。BMC Geriatrics誌2023年10月11日号に掲載。 本研究は地域ベースの縦断的研究で、ベースラインで認知障害のない60〜83歳の成人623人のデータを分析した。睡眠時間は自己申告質問票から、アミノ酸摂取量は3日間の食事記録から取得した。認知障害はMMSE(ミニメンタルステート検査)スコアが27以下と定義した。ベースラインの睡眠時間で、短時間睡眠群(6時間以下)、中程度睡眠群(7~8時間)、長時間睡眠群(8時間超)に分類し、認知障害発症率について中程度睡眠を基準とした短時間睡眠と長時間睡眠でのオッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)を推定した。また、19種類のアミノ酸の摂取量の性別層別四分位数(Q)で、Q1を低摂取量群、Q2~Q4を中~高摂取量群とし、各睡眠時間群の認知障害発生率について中~高摂取量を基準とした低摂取量でのORと95%CIを推定した。 主な結果は以下のとおり。・平均追跡期間は 6.9±2.1年だった。・認知障害の調整後OR(95%CI)は、短時間睡眠群が0.81(0.49~1.35、p=0.423)、長時間睡眠群が1.41(1.05~1.87、p=0.020)だった。・とくに長時間(8時間超)睡眠者では、認知障害がシスチン(調整後OR:2.17、95%CI:1.15~4.11、p=0.017)、プロリン(調整後OR:1.86、95%CI:1.07~3.23、p=0.027)、セリン(調整後OR:2.21、95%CI:1.14~4.29、p=0.019)の低摂取と有意に関連していた。 著者らは「地域在住の60歳以上の成人において、睡眠時間が長い人は認知機能が低下する可能性が高い」とし、「長時間の睡眠をとる人は、穀物を減らし、豆類、野菜、魚介類、肉、卵、牛乳、乳製品を多く含む食事を取り入れて、シスチン、プロリン、セリンの欠乏に注意することが重要かもしれない」と考察している。

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術前ICI+化学療法でcCRの膀胱がん、膀胱温存可能か?/Nat Med

 筋層浸潤性膀胱がんは、膀胱全体を摘出する膀胱全摘除術が標準治療とされているが、尿路変向の必要があり、合併症や死亡のリスクも存在する。抗PD-1抗体薬と化学療法(ゲムシタビン+シスプラチン)の併用による術前化学療法で膀胱がん患者の40~50%で病理学的完全奏効(pCR)が得られることが報告されているが1,2)、pCRは膀胱全摘除術後に判定する必要がある。そこで米国・マウントサイナイ・アイカーン医科大学のMatthew D. Galsky氏らの研究グループは、術前化学療法により臨床的完全奏効(cCR)を達成した患者が安全に膀胱全摘除術を回避できるか検討した。その結果、cCRが得られた患者33例中32例が膀胱全摘除術を回避し、32例における2年無転移生存率は97%であり、膀胱温存の可能性が示された。・試験デザイン:海外多施設共同第II相医師主導治験(HCRN GU16-257試験)・対象:経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)に基づき筋層浸潤性膀胱がん(cT2-4N0M0)と診断され、シスプラチンに適格の18歳以上の患者76例・治療:ゲムシタビン(1、8日目に1,000mg/m2)+シスプラチン(1日目に70mg/m2)+ニボルマブ(1日目に360mg)を4サイクル(21日1サイクル)投与した。cCRを達成し、膀胱全摘除術を回避した患者はニボルマブ(240mg、隔週)を8サイクル投与した。cCRを達成しなかった患者は術前化学療法後に膀胱全摘除術を実施することとした。・評価項目:[複合主要評価項目]cCR(生検、細胞診で悪性腫瘍なし、画像検査で局所再発/転移なし)達成率、cCRの陽性的中率(膀胱全摘除術を回避した患者:2年無転移生存、膀胱全摘除術を実施した患者:pT1N0未満で評価、95%信頼区間[CI]の下限値が80%超で複合主要評価項目達成)[副次評価項目]体細胞変異(ERCC2、FANCC、ATM、RB1)およびTMB高値(≧10mut/Mb)とcCRの陽性的中率の関連、無転移生存期間(MFS)、全生存期間(OS)、安全性など 主な結果は以下のとおり。・4サイクルの治療終了後に病期の再分類評価が行われた72例中、43%(33/72例)がcCRを達成した。・cCRを達成した患者の観察期間中央値は30ヵ月(範囲:18~42)であった。・cCRを達成した患者33例中32例が膀胱全摘除術を回避した。・cCRの陽性的中率は97%(95%CI:0.91~1)であり、複合主要評価項目を達成した。・cCRを達成した患者は達成しなかった患者と比較して、MFSおよびOSが有意に延長した(それぞれp=0.007、p=0.003)。・体細胞変異(ERCC2、FANCC、ATM、RB1)およびTMB高値(≧10mut/Mb)はcCRの陽性的中率を改善しなかった。・Grade3以上の有害事象は75%の患者に発現し、主なものは好中球数減少(34%)、尿路感染(17%)、貧血(16%)であった。全Gradeの主な有害事象は疲労(76%)、貧血(75%)、好中球数減少(68%)、悪心(58%)であった。

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1型DM妊婦の血糖コントロール、クローズドループ療法vs.標準療法/NEJM

 1型糖尿病の妊婦において、ハイブリッドクローズドループ(HCL)療法は標準インスリン療法と比較し妊娠中の血糖コントロールを有意に改善することが示された。英国・Norfolk and Norwich University Hospitals NHS Foundation TrustのTara T. M. Lee氏らが、同国9施設で実施した無作為化非盲検比較試験「Automated insulin Delivery Amongst Pregnant women with Type 1 diabetes trial:AiDAPT試験」の結果を報告した。HCL療法は、非妊娠成人および小児において血糖コントロールを改善することが報告されているが、妊娠中の1型糖尿病の管理における有効性は明らかになっていなかった。NEJM誌オンライン版2023年10月5日号掲載の報告。1型糖尿病妊婦124例を、妊娠16週までに無作為化 研究グループは、1型糖尿病の罹病期間が12ヵ月以上の18~45歳の妊婦で、妊娠初期の糖化ヘモグロビン(HbA1c)値が6.5%以上の妊婦を、妊娠16週までにHCL群または標準インスリン療法(1日複数回の注射またはインスリンポンプによる強化インスリン療法)群に無作為に割り付け、両群とも持続血糖モニタリング(CGM)を行い追跡評価した。 主要アウトカムは、妊娠16週から出産までのCGMによる妊娠期特有目標血糖値範囲(63~140mg/dL)内の時間の割合とし、ITTの原則に従って解析した。 重要な副次アウトカムは、高血糖状態(血糖値>140mg/dL)の時間の割合、夜間における目標血糖値範囲内の時間、HbA1c値および安全性であった。 2019年9月~2022年5月の期間に、334例がスクリーニングされ、このうち124例が無作為化された(HCL群61例、標準療法群63例)。平均(±SD)年齢は31.1±5.3歳で、ベースライン時の平均HbA1c値は7.7±1.2%であった。目標血糖値範囲内の時間の割合は68% vs.56%で、HCL療法群が有意に高率 主要アウトカムである目標血糖値範囲内の時間の平均割合は、HCL群68.2±10.5%、標準インスリン療法55.6±12.5%、平均補正後群間差は10.5%(95%信頼区間[CI]:7.0~14.0、p<0.001)であった。 副次アウトカムの結果は主要アウトカムの結果と一致しており、HCL群が標準療法群より高血糖状態の時間の割合が少なく(群間差:-10.2%、95%CI:-13.8~-6.6)、夜間における目標範囲内の時間の割合が多く(12.3%、8.3~16.2)、HbA1c値が低かった(-0.31%、-0.50~-0.12)。 重度低血糖症イベントはHCL群で6件(被験者4例)、標準療法群で5件(5例)に、糖尿病性ケトアシドーシスは各群1例に認められた。HCL群におけるデバイス関連有害事象の発現頻度は24.3件/100人年で、HCLの使用に関連した事象が7件、CGMに関連した事象が7件であった。

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脳梗塞急性期の降圧治療開始、早期vs.8日目/BMJ

 発症から24~48時間以内の軽度~中等度急性虚血性脳卒中で、収縮期血圧が140mmHg以上220mmHg未満かつ静脈内血栓溶解療法を受けなかった患者において、早期降圧治療は8日目以降開始の降圧治療と比較し、90日時点の機能的依存(後遺症)や死亡を低下させることはなかった。中国・首都医科大学のLiping Liu氏らが、多施設共同無作為化非盲検評価者盲検比較試験「China Antihypertensive Trial in Acute Ischemic Stroke:CATIS-2試験」の結果を報告した。急性虚血性脳卒中患者において、発症後3日以内の早期降圧治療は無治療と比較し、90日時の機能的依存または死亡のリスクに影響を与えないことが示されていたが、早期降圧治療と遅延降圧治療の比較試験はなかった。BMJ誌2023年10月9日号掲載の報告。主要評価項目は90日後の機能依存または死亡 研究グループは、2018年6月13日~2022年7月10日の期間に、中国の病院106施設において、発症から24~48時間以内で収縮期血圧が140mmHg以上220mmHg未満の急性虚血性脳卒中患者4,810例(40歳以上)を登録し、降圧治療を無作為化直後に開始する早期治療群(2,413例)と無作為化後8日目に開始する遅延治療群(2,397例)に無作為に割り付けた。 早期治療群では、無作為化後すぐに降圧薬を投与し、最初の24時間以内に収縮期血圧を10~20%低下、7日以内の収縮期血圧/拡張期血圧を平均140/90mmHg未満とし、90日間の追跡期間中も維持することを目標とした。 遅延治療群では、無作為化後すべての降圧薬を中止し、8日目に降圧治療を開始し、追跡期間中に140/90mmHg未満を達成し維持することを目標とした。ただし、最初の7日間に収縮期血圧が200mmHg以上に上昇した場合は、試験担当医の判断により一時的な降圧治療は可とした。 主要アウトカムは、無作為化後90日以内の死亡または90日時の機能的依存(修正Rankinスケールスコア3~5)の複合で、ITT解析を実施した。主要アウトカムの発生、早期治療群12.0%、遅延治療群10.5%で、有意差なし 無作為化後24時間以内の平均収縮期血圧の低下は、早期治療群で9.7%(162.9mmHgから146.4mmHg)、遅延治療群で4.9%(162.8mmHgから154.3mmHg)であり(群間差のp<0.001)、7日目の平均収縮期血圧は早期治療群で139.1mmHg、遅延治療群で150.9mmHgとなった(群間差のp<0.001)。また、7日目の血圧が140/90mmHg未満の患者の割合は、早期治療群で54.6%、遅延治療群で22.4%であった(群間差のp<0.001)。 主要アウトカムのイベントは、90日時点において早期治療群では2,401例中289例(12.0%)、遅延治療群では2,382例中250例(10.5%)に認められた(オッズ比[OR]:1.18、95%信頼区間[CI]:0.98~1.41、p=0.083)。 両群間で、脳卒中再発や有害事象に有意差は報告されなかった。 なお、著者は、早期治療が遅延治療より優れているという仮説を検証するには検出力が不十分であったこと、早期治療群で最初の7日間に認められた血圧低下は中程度であったことなどを研究の限界として挙げている。

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