サイト内検索|page:1680

検索結果 合計:34047件 表示位置:33581 - 33600

33581.

インドの急性冠症候群はSTEMIが多く、貧困層の30日死亡率が高い

インドの急性冠症候群(ACS)患者は先進国に比べST上昇心筋梗塞(STEMI)の割合が高く、貧困層はエビデンスに基づく治療を受けにくいために30日死亡率が高いことが、インドSt John's医科大学のDenis Xavier氏が実施したCREATE registryにより明らかとなった。2001年には世界で710万人が虚血性心疾患で死亡したが、そのうち570万人(80%)が低所得国の症例であった。インドは世界でACSによる負担がもっとも大きい国であるが、その治療およびアウトカムの実態はほとんど知られていない。Lancet誌2008年4月26日号掲載の報告。心筋梗塞疑い例を対象としたレジストリー研究CREATE registryは、インドの50都市89施設で実施されたプロスペクティブなレジストリー研究である。対象は、明確な心電図上の変化(STEMI、非STEMI、不安定狭心症)が見られ急性心筋梗塞(MI)が疑われる症例、あるいは心電図上の変化は見られないが虚血性心疾患の既往を有しMIが疑われる症例とした。臨床的アウトカムおよび30日全原因死亡率の評価を行った。70%以上が貧困層~中間所得下位層2002~2005年の間に2万937例が登録され、明確な心電図上の変化により診断がなされた2万468例のうち1万2,405例(60.6%)がSTEMIであった。全体の平均年齢は57.5歳であり、非STEMI例/不安定狭心症(59.3歳)よりもSTEMI例(56.3歳)のほうが若年であった。1万737例(52.5%)が中間所得層の下位層であり、3,999例(19.6%)が貧困層であった。症状発現から来院までの所要時間中央値は360分、来院から血栓溶解療法開始までの時間は50分。糖尿病が6,226例(30.4%)、高血圧が7,720例(37.7%)、喫煙者は8,242例(40.2%)であった。30日死亡率はSTEMI例および貧困層で有意に高いSTEMI例は非STEMI例よりも血栓溶解薬(96.3%がストレプトキナーゼ)(58.5% vs 3.4%)、抗血小板薬(98.2% vs 97.4%)、ACE阻害薬/アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)(60.5% vs 51.2%)、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)(8.0% vs 6.7%)の施行率が有意に高かった(いずれもp<0.0001)。逆に、STEMI例は非STEMI例/不安定狭心症に比べβ遮断薬(57.5% vs 61.9%)、脂質低下薬(50.8% vs 53.9%)、冠動脈バイパス移植術(CABG)(1.9% vs 4.4%)の施行率が有意に低かった(いずれもp<0.0001)。STEMI例の30日アウトカムが死亡8.6%、再梗塞2.3%、心停止3.4%、脳卒中0.7%であったのに対し、非STEMI例/不安定狭心症ではそれぞれ3.7%、1.2%、1.2%、0.3%と有意に良好であった(いずれもp<0.0001)。富裕層は貧困層に比べ血栓溶解療法(60.6% vs 52.3%)、β遮断薬(58.8% vs 49.6%)、脂質低下薬(61.2% vs 36.0%)、ACE阻害薬/ARB(63.2% vs 54.1%)、PCI(15.3% vs 2.0%)、CABG(7.5% vs 0.7%)の施行率が有意に高かった(いずれもp<0.0001)。貧困層の30日死亡率は富裕層よりも有意に高かった(8.2% vs 5.5%、p<0.0001)。治療法で補正するとこの差は消失したが、リスク因子およびベースライン時の患者背景で補正した場合は維持された。Xavier氏は、「インドのACSは先進国に比べSTEMI例が多かった。これらの患者の多くは貧困層であり、それゆえにエビデンスに基づく治療を受けにくく、30日死亡率が高かった」と結論し、「貧困層における病院へのアクセスの遅れを解消し、高額すぎない治療法を提供できれば、罹患率および死亡率が低減する可能性がある」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

33582.

モニタリング戦略による生存の差はわずか、抗レトロウイルス療法中のHIV感染例

抗レトロウイルス薬によるfirst-line治療を受けているHIV感染例においては、個々のモニタリング戦略(臨床観察、ウイルス量、CD4細胞数)のベネフィットはほぼ同等であることが、英国Royal Free and University College Medical SchoolのAndrew N Phillips氏らの検討で明らかとなった。WHOは、低所得国におけるHIV感染例の治療アプローチとして、標準化されたレジメンによる抗レトロウイルス治療とともに、ウイルス量よりもむしろ臨床観察あるいは可能な場合はCD4細胞数のカウントによるモニタリングを推奨している。同氏らはこれを検証し、Lancet誌2008年4月26日号で報告した。2nd-lineへの切り替えを決めるモニタリング法が、アウトカムに及ぼす影響を評価研究グループは、医療資源が限定的な状況において、HIV感染例に対する個々のモニタリング戦略がアウトカムに及ぼす影響についてコンピュータシミュレーションモデルを用いた検討を行った。臨床観察、ウイルス量、CD4細胞数に基づくモニタリング戦略を解析の対象とした。現在のHIV感染例に対するWHO推奨のfirst-lineレジメンは、スタブジン(国内商品名:ゼリット)、ラミブジン(ゼフィックス)、ネビラピン(ビラミューン)を用いた抗レトロウイルス療法である。これを2nd-lineレジメンに切り替える時期を決定する方法として、どのモニタリング法が優れるかを検討するために、生存率、耐性発現などのアウトカムの評価を行った。抗レトロウイルス薬への広範なアクセス可能性が最優先5年生存率の予測値は、ウイルス量のモニタリング(ウイルスコピー数>500コピー/mLとなった時点で2nd-lineレジメンに切り替え)が83%、CD4細胞数のモニタリング(ピーク値から50%低減した時点で切り替え)が82%、臨床的なモニタリング(WHO stage 3の新規イベントが2つあるいはWHO stage 4の新規イベントが1つ発現した時点で切り替え)が82%であった。20年生存率の換算値はそれぞれ67%、64%、64%であった。ウイルス量のモニタリングは生存期間がわずかに延長していたが、費用効果が最も優れるわけではなかった。Phillips氏は、「スタブジン、ラミブジン、ネビラピンによるfirst-lineレジメンを受けたHIV感染例において、2nd-lineレジメンへの切り替えを判断するモニタリング法としては、ウイルス量あるいはCD4細胞数のモニターが臨床観察を上回るベネフィットはわずかなものであった」と結論し、「安価で有効性の高い薬剤の開発が重要だが、現時点における最優先事項は、モニタリングの有無にかかわらず抗レトロウイルス薬への広範なアクセス可能性である」と考察している。(菅野守:医学ライター)

33583.

ステント留置術 vs 冠動脈バイパス術 長期転帰に有意差なし

冠動脈ステント留置術と冠動脈バイパス術(CABG)の治療効果に関する比較研究はこれまでにも行われてきたが、非保護左冠動脈主幹部の病変にはCABGが標準治療とされるため、両者の長期転帰には限られたデータしかなかった。今回、欧米よりもこの部位へのステント留置術が広く行われている韓国・カソリック大のKi Bae Seung氏らが、比較研究の結果を報告。両手技の患者死亡率に有意差は認められないものの、ステント留置術のほうが標的血管の血行再建術施行率が高まる傾向があるとしている。NEJMオンライン版2008年3月31日号、本誌2008年4月24日号より。ステント留置術1,102例とCABG 1,138例を比較 対象は、韓国で2000年1月~2006年6月の間に、非保護左冠動脈主幹部病変に対する治療として、ステント留置術を受けた患者1,102例と、CABGを受けた患者1,138例。コホート全体と、ステント種類別のサブグループについて、傾向スコア・マッチング法で有害転帰を比較した。比較項目は、死亡、Q波心筋梗塞か脳卒中または両者の複合転帰による死亡、標的血管血行再建術。死亡リスク、複合転帰ともに有意差なし結果、ステント群とバイパス群の間に、死亡リスク、複合転帰リスクで有意差は見られなかった。ステント群のハザード比は死亡リスク1.18(95%CI:0.77~1.80)、複転帰リスク1.10(同0.75~1.62)。しかし、標的血管血行再建術の施行率が、ステント群のほうがバイパス群より有意に高かった(ハザード比:4.76、95%CI:2.80~8.11)。ステント種類別では、ベアメタル・ステント群とバイパス群の比較も、薬剤溶出ステント群とバイパス群の比較も類似の結果だったが、薬剤溶出ステント群のほうが、死亡率と複合エンドポイント発生率が高まる傾向があった。このためKi氏らは、ステント留置術とCABGの間に、複合エンドポイント死亡率の有意差は見いだせないと結論した。ただ、ステント留置術は、薬剤溶出ステントを使用した場合でも、CABGより標的血管血行再建術の施行率が高まる傾向が見られる、としている。(武藤まき:医療ライター)

33584.

公共施設等同様に自宅にもAEDを装備すると有益なのか?

米国では毎年約166,200例の突然の心停止が病院外で起きている。そのうち約4分の3は自宅で、それゆえ各家庭で適時治療を行えるかどうかは救急医療の課題になっている。Gust H. Bardy氏らHAT(Home Automated External Defibrillator Trial)研究グループは、公共施設等でのAED設置が突然の心停止の生存率改善に寄与していることから、リスクの高い患者の生存率改善のため在宅AED使用の有用性を検討した。NEJMオンライン版2008年4月1日号、本誌2008年4月24日号より。自宅療養者7,001例をAED使用と不使用に割り付け生存率を調査突然の心停止リスクが中等度である患者が、自宅でAEDを使えることで生存率が改善するかどうかを調べるため、前壁心筋梗塞既往患者のうち植込み型除細動器の非適応患者7,001例を対象とする無作為化試験が行われた。対象は、自宅で突然の心停止が起きた場合、救急電話をして心肺蘇生術(CPR)を実行する群と、AEDを使用して救急電話、そしてCPRを実行する群に無作為に割り付けられた。対象患者の年齢中央値は62歳。女性患者の割合は17%。追跡期間(中央値)は37.3ヵ月。主要転帰は全死因死亡とされた。蘇生法に重点を置いた従来法と比べて、有意に改善することはなかった対象患者の全死亡は450例。AED非使用群が228/3,506例(6.5%)、AED群は222/3,495例(6.4%)で、ハザード比は0.97(95%CI:0.81~1.17、P=0.77)。事前規定の主要サブグループ別にみた死亡率に有意差はみられなかった。頻脈性不整脈での突然の心停止と考えられた死亡例は160例(35.6%)で、このうち家庭で心停止が起きたのは117例で、そのうち58例が発作を目撃された。そして32例にAEDが使用された。この32例中、適切に電気ショックが受けられたのは14例であり、その後4例が生存退院した。不適切な電気ショックに関する報告はなかった。この結果を受け、「家庭でAEDを使用しても、従来の蘇生法に重点を置いた方法と比べて、生存率が有意に改善することはなかった」と結論している。(武藤まき:医療ライター)

33585.

エベロリムス溶出ステントはパクリタキセル溶出ステントより有利

免疫抑制剤エベロリムスを溶出するコバルトクロム製ステントは予備的研究で、冠動脈疾患患者の血管再狭窄リスクを軽減するとの見込みが示されていたが、エベロリムス・ステントの安全性と有効性を評価する「SPIRIT III」試験に携わっていたコロンビア大学メディカルセンター(米国ニューヨーク市)のGregg W. Stone氏らは、普及しているパクリタキセル溶出ステントより、血管内径の狭窄も、治療失敗による有害イベントも有意に少ないと報告した。JAMA誌2008年4月23日号より。全米65施設で1,002例を1年間追跡調査「SPIRIT III」は、2005年6月22日~2006年3月15日にかけて、米国各地の65大学と地域医療機関が行った前向き無作為単盲検試験。患者は、病変部の長さが28mm以下、基準血管直径が2.5~3.75mmの、経皮的冠動脈介入術を受ける男女1002例で、エベロリムス溶出ステント群(n=669)とパクリタキセル溶出ステント群(n=333)に、2:1に無作為に割り付けた。事前に選んだ患者564例について8ヵ月間、血管造影による追跡調査を行い、436例で完了した。臨床追跡調査は1、6、9、12ヵ月目に行った。プライマリーエンドポイントは血管造影に基づくステント留置部分の遠隔期内径損失の非劣性または優位性だった。主要な副次的エンドポイントは、9ヵ月後における標的血管治療失敗イベント(心臓死、心筋梗塞または標的血管血行再建術)の非劣性評価。付加的な副次的エンドポイントは9、12ヵ月後の主要有害心イベント(心臓死、心筋梗塞または標的血管血行再建術)だった。遠隔期内径損失も有害イベントも有意に少ない治療部分の遠隔期内径損失は、エベロリムス群(平均値0.14[SD 0.41]mm)のほうがパクリタキセル群(同0.28[SD 0.48]mm)より有意に少なかった(両群差0.14mm、95%CI:0.23~0.05、P≦0.004)。また、9ヵ月後の標的血管治療失敗でも、エベロリムス群はパクリタキセル群に劣らなかった(7.2%対9.0%、%比1.9ポイント、95%CI:5.6%~1.8%、相対リスク:0.79、95%CI:0.51~1.23、P<0.001)。心筋梗塞と標的病変血管血行再建術も少なかったため、主要有害心イベントは、9ヵ月後(4.6%対8.1%、相対リスク:0.56、95%CI:0.34~0.94、P=0.03)、1年後(6.0%対10.3%、相対リスク:0.58、95%CI:0.37~0.90、P=0.02)とも有意に減少した。Stone氏らは「エベロリムス溶出ステントはパクリタキセル溶出ステントより遠隔期内径損失は減少し、標的血管治療失敗も劣らず、1年間の追跡調査でも主要な有害心イベントはより少ない」としている。

33586.

肛門管におけるフルオロウラシル/シスプラチン/放射線併用療法は不成功

 肛門管患者にとって化学・放射線併用療法は根治療法の第一選択だが、フルオロウラシル/マイトマイシンとの併用療法では5年無病生存率は約65%にとどまる。そのためテキサス大学消化器腫瘍部門のJaffer A. Ajani氏らは、標準治療とされるマイトマイシン併用療法と比較するため、シスプラチン併用療法を試験的に実施、有効性について検証した。JAMA誌2008年4月23日号より。肛門管患者682例を2つの介入群に無作為割り付けUS Gastrointestinal Intergroup trial RTOG 98-11は、フルオロウラシル/マイトマイシン/放射線療法の併用と、フルオロウラシル/シスプラチン/放射線療法の併用とを、第III相多施設共同無作為化試験によって比較検証した。治験参加者は1998年10月31日~2005年6月27日の間に登録された肛門管患者682例。参加者は、2つの介入群の内のどれかに無作為に割り付けられた。(1)マイトマイシンをベースとしたグループ(n = 341):フルオロウラシル(1-4日目、29-32日目に1000mg/m2)とマイトマイシン(1日目と29日目に10mg/m2)と放射線療法(45-59Gy)、(2)シスプラチンをベースとしたグループ(n = 341):フルオロウラシル(1-4、29-32、57-60、85-88日目に1000mg/m2)とシスプラチン(1、29、57、85日目に75mg/m2)と放射線療法(45-59Gy、57日目に開始)の2群。主要エンドポイントは5年無病生存率、副次的エンドポイントは全生存率と再発までの期間とした。ほとんどの指標でマイトマイシン投与群が好結果計644例で評価が可能だった。全症例の追跡期間中央値は2.51年。年齢中央値は55歳、69%が女性で、27%は腫瘍径が5cm以上、26%は臨床的にリンパ節転移陽性だった。5年無病生存率は、マイトマイシン群が60%(95%信頼区間[CI] 53%-67%)、シスプラチン群が54%(95%CI 46%-60%)であった(P = 0.17)。5年の全生存率は、マイトマイシン群が75%(95%CI 67%-81%)とシスプラチン群が70%(95%CI 63%-76%)であった(P =0 .10)。シスプラチン群の5年後の肛門周囲での再発と遠隔転移率はそれぞれ25%(95%CI 20%-30%)と15%(95%CI 10%-20%)、マイトマイシン群はそれぞれ33%(95%CI 27%-40%)と19%(95%CI 14%-24%)であった。人工肛門造設術の頻度はマイトマイシン群の方がシスプラチン群より有意に低かった(10%対19%、P =0.02)。重度の血液学的毒性はマイトマイシン群でより重症だった(P

33587.

子どもの外遊びはママの時代より減少と8割のママが認識 ほとんどのママが子どもの紫外線対策を実施できずにいる

ロート製薬株式会社が、関東圏及び関西圏の1歳~9歳の子どもを持つママ300名に子どもの外遊びと紫外線対策に関する意識を探るために行ったアンケート調査によると、4割のママが自分の子どもは他の子どもと比べて「よく外で遊ぶほう」だと思っている一方、約8割のママは自分の子どもの頃に比べて外遊びは減っていると認識していることがわかった。子どもが外遊びをする一日平均時間は、春・夏・秋で90分前後、冬は約50分で、外で遊ぶ時間は年齢や子どもの性別によって大きな差はなかったが、ママが「外でよく遊ぶほう」と思う子どもと「外であまり遊ばない」と思う子の差は、春・夏・秋で60分前後、冬は約30分前後もあった。また、子どもへの紫外線対策を「よくしている」ママはわずか1割で、紫外線対策を「一年を通して」何らか実施している人はわずか3%だった。知識はあるのに紫外線対策を実践できないママの実態が浮き彫りになっている。詳細はプレスリリースへhttp://www.rohto.co.jp/comp/news/?n=r080430

33588.

医薬品と栄養補助食品の相互作用に関するデータベースを作成

小林製薬株式会社は、医薬品と栄養補助食品の相互作用に関するデータベースを作成し、2008年5月1日より顧客対応を開始した。医薬品24,718種(漢方薬を除くOTC医薬品と医療用医薬品)と小林製薬が発売する栄養補助食品157種を収載しているとのこと。詳細はプレスリリースへhttp://www.kobayashi.co.jp/corporate/news/0878/index.html

33589.

【トピック】健康リスクの性差は子どもの時から始まる!?

性差による健康リスクは子どもの時にすでに始まっているようだ。米医学誌「Circulation」に掲載された研究によれば、男児の心疾患リスク増大等が10代から見られるという。ミネソタ州の児童507人を対象とした研究結果によれば、11歳から19歳の間で、トリグリセライド(TG)値が男児では増大し、女児では減少することがわかった。さらにHDLコレステロール値が男児では減少し、女児では増大。血圧は男女ともに上昇がみられたが、男児の方がより大きく上昇した。ただ、こうした性差による健康リスクも肥満などの危険因子によって変ることは間違いない。詳細はアブストラクトへhttp://circ.ahajournals.org/cgi/content/abstract/117/18/2361

33590.

リピトールの高用量投与群、慢性腎臓病患者の心臓発作および脳卒中発症リスクを低下

米国ファイザー社は、心疾患を有する慢性腎臓病患者において、リピトール(アトルバスタチンカルシウム)80mg投与群が、リピトール10mg投与群と比較し、心臓発作および脳卒中発症リスクを32%低下させたと発表した。この解析は、5年間にわたるTreating to New Targets(TNT)試験の終了後に計画され、完了したもので、米国心臓病学会誌(JACC:Journal of the American College of Cardiology)に発表されている。TNT試験の主要評価項目は、主要な心血管疾患(心疾患による死亡、心臓発作(非致死的なもの)、心停止(蘇生が行われたもの)、および脳卒中(致死的または非致死的なもの)など)の低減。サブ解析では、標準的な腎機能測定法で中等度から重度に分類された慢性腎臓病患者3,107名を対象とした。リピトールは、80mgと10mgのいずれの用量でも忍容性は良好で、リピトール80mgは開始用量ではないが、慢性腎臓病患者におけるリピトール80mgの安全性は、TNT試験の全患者群で報告された安全性と同様であり、予期しない安全性に関する問題は認められなかった、とのこと。詳細はプレスリリースへhttp://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2008/2008_04_28.html

33591.

禁煙をサポートするウェブサイト「すぐ禁煙.jp」

ファイザー株式会社は、経口禁煙補助薬「チャンピックス錠」の発売に合わせて、禁煙にチャレンジしたい喫煙者の禁煙治療をサポートするウェブサイト「すぐ禁煙.jp」(http://sugu-kinen.jp)を2008年5月8日にオープンする。禁煙治療のシミュレーションや禁煙カウンター、医療機関検索などのメニューを用意。

33592.

【トピック】「食べ過ぎ」中毒がメタボを導く!?

アルコール中毒やニコチン中毒など、いろいろな中毒があるが、食べ過ぎも中毒が原因かもしれない。そして、それがメタボの原因かもしれない。医学誌「ニューロイメージ」に発表された研究によると、太っている人は通常よりも食べ物をみると脳が興奮しやすい状態にあるということが証明されたという。20代後半の肥満女性(BMI30~40)を対象に様々な食べ物の写真を見せて脳の反応をMRIで記録した結果、肥満女性はお菓子や肉など高カロリー食を見せたときに、脳のいくつかの部位がより強く活性化されたとのこと。一方、米国科学アカデミー発行の「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」オンライン版に4月14日掲載された研究によれば、メタボリックシンドロームの原因は肥満でなく過食にあると指摘されている。食べ過ぎ → 中毒 → 過食 → メタボリックシンドロームこんな図式が浮かび上がってくる。様々な調査でメタボに対する意識は高いものの(約半数)、対策をしていないと出ているが、脳から変えていく必要があるということだろう。関連記事●「太っている人は食べ物を見ると興奮する」と発表されるhttp://news.ameba.jp/special/2008/04/13227.html●メタボリックシンドロームの原因は肥満でなく過食http://health.yahoo.co.jp/news/detail/?idx0=w20804253●肥満解消が必要と思っても、4割は何もしていないhttp://www.carenet.com/news/det.php?nws_c=2492●約半数が「自分はメタボ」と自覚 http://www.carenet.com/news/det.php?nws_c=2684

33593.

40歳以上男性の2人に1人、女性は5人に1人がメタボリック

2006年度「国民健康・栄養調査」によると、40~74歳の男性の2人に1人、女性の5人に1人がメタボリックシンドロームが強く疑われる又は予備群と考えられることがわかった。強く疑われる者(該当者)の比率は、男性24.4%、女性12.1%、予備群と考えられる者の比率は、男性27.1%、女性8.2%だった。該当者は約960万人、予備軍は約980万人、合わせて約1,940万人に上る。そのほか、糖尿病が強く疑われる人は約820万人。糖尿病の可能性が否定できない人は約1,050万人、合わせて約1,870万人と推定。また、高血圧症有病者は約3,970万人。正常高値血圧者は約1,520万人、合わせて約5,490万人と推定されている。詳細は「国民健康・栄養調査」(厚生労働省)へhttp://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/04/h0430-2.html

33594.

毛巣瘻の術後創には一次閉鎖術か開放ドレナージか

若年成人男性の罹患率が高い毛巣瘻の治療方針をめぐって、外科手術後の創傷治癒に要する期間と再発率について議論が分かれている。そこで術後創傷を縫合する一次閉鎖術と、開放ドレナージ術との両治療法効果を判定するため、無作為化試験のシステマティックレビューとメタ解析が、アバディーン王立病院外科(英国)Iain J D McCallum氏らのグループによって行われた。BMJオンライン版2008年4月7日号、本誌2008年4月19日号より。14歳以上の毛巣瘻患者をシステマティックレビューで無作為抽出レビュー・解析対象の無作為化試験は、コクラン比較試験レジスタ、コクラン創傷群レジスタ、Medline(1950~2007)、Embase、CINAHL文献データベースから抽出され、14歳以上の毛巣瘻患者で、外科的療法を受けた者が無作為抽出された。主要評価項目は、開放ドレナージ療法と一次創閉鎖療法のそれぞれについて、治癒に要した日数、手術部位感染症発症率および再発率。二次評価項目は、社会復帰に要した日数、合併症およびその罹病率、コスト、入院期間、創傷癒合率。また、閉鎖療法が選択された症例では、正中閉鎖と側方閉鎖のどちらが最適かを比較検討した。一次閉鎖術は治癒は早いが高い再発率が代償となる本研究には18の治験(n=1,573)が選択された。開放ドレナージと一次閉鎖術の比較が行われたのは、このうち12治験。治癒に要した期間は一次閉鎖術のほうが短かった。手術部位の感染症発生率に差はなかったが、再発率は開放ドレナージのほうが低かった(0.66、95%信頼区間:0.42~0.26)。なお14例で、再発予防のため開放ドレナージが行われた。外科的縫合手技(正中閉鎖と側方閉鎖)の比較は6治験対象で行った。その結果、正中閉鎖は側方閉鎖より治癒に要する期間が長いこと(平均差5.4日、95%信頼区間:2.3~8.5)に加えて、感染率も高く(相対危険度4.70、95%信頼区間:1.93~11.45)、再発リスクも高かった(ピート・オッズ比:4.95、95%信頼区間:2.18~11.24)。9例は手術部位感染症予防のために側切開の手技が行われ、さらに11例が再発予防の治療が必要とされた。これらからMcCallum氏は、「開放ドレナージより一次閉鎖術のほうが短期間に治癒する。しかし再発リスクの増加は避けられない」とし、また「正中閉鎖よりも側方閉鎖のほうが優位なのは明らかだ。毛巣瘻治療で外科的オプションが適当と思われる場合は、側方閉鎖を標準治療とすべき」とまとめている。

33595.

クラスター無作為化試験の内的妥当性は改善しているようだ

グループ・集団を無作為化して行われるクラスター無作為化試験は、保健サービス分野で介入の妥当性を調査するのに必須とされる。しかし、グループ構成がナーシングホームからであったり一般開業医からであったりといった違いがある。統計学者は設定デザインや解析法等の妥当性、特に盲検化について評価することの重要性を強調するが、研究者は必ずしもその点に留意していない。Barts and The London School of Medicine and Dentistry(英国)Sandra Eldridge氏らは、最近発表された34の治験(医学雑誌7誌で発表分)をレビューし、その内的妥当性、外的妥当性について評価を行った。BMJオンライン版2008年3月25日号、本誌2008年4月19日号より。医学雑誌7誌で発表された34試験をレビューMedlineを利用して行われたレビューの対象試験は、2004~2005年に医学雑誌7誌(「British Medical Journal」「British Journal of General Practice」「Family Practice」「Preventive Medicine」「Annals of Internal Medicine」「Journal of General Internal Medicine」「Pediatrics」)で発表された34治験。各治験の内的妥当性(サンプルサイズ、解析法、参加者の同定方法および集め方、盲検化について)と、外的妥当性(クラスターの適格性、クラスターの構成要因、クラスターを普遍化できる可能性、医療提供者の介入に対する実行可能性および受容性)が評価された。内的妥当性は改善、外的妥当性はまだあまり留意されていないサンプルサイズの妥当性が確認されたのは21治験(62%)、解析法については30治験(88%)で妥当性が評価できた。患者の集め方と同定法に関しては、約4分の1の治験に、偏りがある可能性が認められた。盲検化が妥当だったのは19治験(56%)、アウトカム対象者(outcome assessors)が盲検化されていたのは15治験(44%)だった。一方で、外的妥当性の評価項目のうち、クラスター普遍化の可能性は半分に満たなかった。また介入の実現可能性と許容性に関しては5分の2で妥当性が確認できなかった。Eldridge氏は、「内部妥当性(例えばサンプルサイズや解析法)については、改善がみられるが、盲検化は必ずしも妥当に行われているとは言えない。内部妥当性に問題があるのは、参加者が集まりにくい試験のようだ。外部妥当性は、介入の質を判断するのに内的妥当性同様重要と思われるが、現状ではあまり留意されていない」とまとめた。

33596.

肺塞栓症の除外には、マルチスライスCTを用いれば超音波検査は不要

 肺塞栓症(PE)の診断では、Dダイマー(DD)測定とマルチスライスCT(MSCT)検査を実施すれば、下肢静脈超音波(US)を行う必要はないことが、スイスGeneva大学病院脈管/止血学のMarc Righini氏らが行った研究で明らかとなった。MSCTは肺区域・亜区域血管の可視化に優れるという。最近の大規模試験では、PEに対する感度は83%にすぎないが、PEの臨床的な疾患確率が低い症例における陰性的中率は95%、中等度の症例では89%と報告されている。Lancet誌2008年4月19日号掲載の研究。DD+MSCTのDD+US+MSCTに対する非劣性を検証 研究グループは、PEを除外するにはDD+MSCTで十分か、それともDD+US+MSCTを行う必要があるかという問題を解決するために、DD+MSCTの非劣性を検証する多施設共同無作為対照比較試験を実施した。 対象は臨床的にPEが疑われた1,819例で、DD+US+MSCT群に916例が、DD+MSCT群には903例が無作為に割り付けられた。改訂Genevaスコアで臨床的疾患確率が低い~中等度と判定された症例はDDを測定し、高いと判定された症例はDDを測定せずに画像検査が行われた。検査でPE陰性と診断された症例についてさらなる調査を行った。 主要評価項目は、診断検査でPEが除外され治療が行われなかった症例における3ヵ月後の静脈血栓塞栓症の発症リスクとした。アウトカム評価を行う研究者には割り付け状況をブラインドし、per protocol解析を行った。3ヵ月静脈血栓塞栓リスクは両群で同等 intention-to-treat解析によるPEの発症率は両群で同等であった[DD+US+MSCT群:20.6%(189/916例)、DD+MSCT群:20.6%(186/903例)]。 DD+US+MSCT群の855例、DD+MSCT群の838例に関するper protocol解析では、3ヵ月静脈血栓塞栓リスクは同等であった[DD+US+MSCT群:0.3%(2/649例、95%信頼区間:0.1~1.1)、DD+MSCT群:0.3%(2/627例、95%信頼区間:0.1~1.2)]。 DD+US+MSCT群の574例のうち、USにより53例(9%)に深部静脈血栓がみつかり、これらの症例にはMSCTは施行されなかった。 Righini氏は、「PEの除外において、DDとMSCTを併用する診断戦略の安全性および有効性は、DD測定後にUSとMSCTを実施する診断法と同等である」と結論し、「DD+MSCT群では、平均コストがPP解析で24%、ITT解析で21%削減された。CTが禁忌の症例にはUSが使用できる」と指摘している。

33597.

prasugrelのステント血栓症抑制効果はクロピドグレルよりも優れる

冠動脈ステント留置術を受けた急性冠症候群(ACS)における抗血栓薬prasugrelのステント血栓症の予防効果はクロピドグレル(国内商品名:プラビックス)よりも優れることが、TRITON TIMI 38試験のサブ解析で明らかとなった。Harvard大学医学部循環器科のStephen D Wiviott氏がLancet誌2008年4月19日号(オンライン版2008年4月2日号)で報告した。ACSにおける冠動脈ステント留置術の施術成功率および再狭窄低下効果はバルーン血管形成術よりも優れるが、ステント血栓症などの血栓性合併症が増加する可能性が指摘されている。TRITON TIMI 38試験ではすでにprasugrelの有意な虚血性イベント低下効果が確認されている。ステント留置術施行ACS例に抗血栓療法を実施、心血管死などを評価解析の対象となったのは、TRITON TIMI 38試験に登録された中~高リスクのACSのうち、無作為化後に少なくとも1つの冠動脈ステントを留置された症例であり、ステントのタイプによりさらなるサブグループに分類した。無作為化後、できるだけ早期に負荷量(prasugrel 60mg、クロピドグレル300mg)を投与したのち、維持療法(それぞれ10mg/日、75mg/日)を行った。全例がアスピリンの投与を受けた。治療期間は最短でも6ヵ月とし、最長15ヵ月とした。無作為割り付けの際にステントのタイプによる層別化は行わなかった。主要評価項目は、心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中の複合エンドポイントとした。ステント血栓症はAcademic Research Consortiumの定義により評価し、intention-to-treat解析を行った。複合エンドポイント、ステント血栓症発症率ともにprasugrel群が有意に低値1万2,844例が少なくとも1つのステントを留置された。そのうち薬物溶出ステント(DES)のみを留置されたのが5,743例(prasugrel群:2,865例、クロピドグレル群:2,878例)、ベアメタルステント(BMS)のみは6,461例(それぞれ3,237例、3,224例)であり、640例は両ステントが留置された。prasugrel群の複合エンドポイントは、全ステント留置術施行例[9.7% vs 11.9%、ハザード比(HR):0.81、p=0.0001]、DES留置例(9.0% vs 11.1%、HR:0.82、p=0.019)、BMS留置例(10.0% vs 12.2%、HR:0.80、p=0.003)のいずれにおいてもクロピドグレル群よりも有意に低値を示した。ステント血栓症を発症した症例の89%(186/210例)が死亡あるいは心筋梗塞をきたした。prasugrel群のステント血栓症の発症率は、全ステント留置術施行例(1.13% vs 2.35%、HR:0.48、p=0.0001)、DES留置例(0.84% vs 2.31%、HR:0.36、p=0.0001)、BMS留置例(1.27% vs 2.41%、HR:0.52、p=0.0009)のいずれにおいてもクロピドグレル群よりも有意に低かった。Wiviott氏は、「prasugrel+アスピリンによる強化抗血栓療法は、ステント血栓症を含む虚血性イベントの発症率がクロピドグレル+アスピリン療法よりも低かった。これらの知見はステントのタイプにかかわらず強い有意差を示し、冠動脈ステント留置例における強化抗血栓療法の重要性が確認された」と結論している。(菅野守:医学ライター)

33598.

経口2型糖尿病治療薬「ビルダグリプチン」国内で承認申請

 ノバルティス ファーマ株式会社は、4月23日、経口2型糖尿病治療薬「ビルダグリプチン(一般名)」(開発コード:LAF237)について、製造販売承認の申請を行ったと発表した。 ビルダグリプチンは、Galvusの製品名で欧州連合(EU)をはじめ世界39カ国で承認されている(2008年2月14日現在)。詳細はプレスリリースへhttp://www.novartis.co.jp/news/2008/pr20080424.html

33599.

片頭痛治療薬「アマージ」発売

グラクソ・スミスクライン株式会社は、4月18日付で片頭痛治療薬「アマージ錠2.5mg」(一般名:ナラトリプタン塩酸塩)の販売を開始した。国内のトリプタン系薬剤のなかで最も半減期が長く、投与後24時間にわたって頭痛を改善する。詳細はプレスリリースへhttp://glaxosmithkline.co.jp/press/press/2008_01/P1000474.html

33600.

補助療法、生存率改善はパクリタキセル週1回投与に軍配

の標準的化学療法後に用いられる2種類のタキサン系薬剤(ドセタキセルとパクリタキセル)による補助療法は、週1回投与と3週に1度の投与ではどちらの有効性が高いのか? 検証作業に当たっていた米国Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)のJoseph A. Sparano氏らによる報告がNEJM誌2008年4月17日号で掲載された。転移性乳の女性4,950例を調査研究は、乳女性のうち腋窩リンパ節転移が陽性か、リンパ節転移は陰性だがリスクの高い患者4,950例を対象に実施された。患者は無作為化された後、まずドキソルビシン(国内商品名:アドリアシン)とシクロホスファミド(エンドキサン)静脈内投与を3週に1度4サイクル行い、引き続き、パクリタキセルまたはドセタキセルを、3週に1度4サイクル静脈内投与する群と、週1回12サイクル静脈内投与する群に割り付けられた。主要エンドポイントは無病生存率。HER2陰性、エストロゲン受容体陽性でも効果パクリタキセルを3週に1度投与する標準的な用法の群と比べて、無病生存のオッズ比はそれぞれ、パクリタキセル週1回投与群は1.27(P = 0.006)、ドセタキセル3週に1度投与群は1.23(P = 0.02)、ドセタキセル週1回投与群は1.09(P = 0.29)だった。いずれもオッズ比は1以上で、実験的治療群が支持される結果となった。また、標準用法群に比べてパクリタキセル週1回投与のほうが、生存率が改善していた(オッズ比1.32、P = 0.01)。サブグループ(HER2陰性)解析の結果では、エストロゲン受容体が陽性でも、パクリタキセル週1回投与によって無病生存率と全生存率に同様の改善が見られた。パクリタキセル週1回投与群では、同剤の3週に1度投与群に比べてグレード2、3、4の神経障害の発生頻度が高かった(27%対20%)が、研究グループは、「ドキソルビシンとシクロホスファミドによる標準的化学療法の後に補助療法としてパクリタキセルを週1回投与することは、乳女性の無病生存と全生存率を改善する」と結論付けている。(武藤まき:医療ライター)

検索結果 合計:34047件 表示位置:33581 - 33600