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急性冠症候群の30日死亡率、女性と男性で格差

急性冠症候群の30日死亡率は、ST上昇型心筋梗塞(STEMI)では女性が男性より高率だが、非ST上昇型心筋梗塞(NSTEMI)や不安定狭心症の場合には男性の方が高率であることが報告された。急性冠症候群(ACS)後の予後に関する性別格差についてのこれまでの試験では、概ね女性のほうが悪いとする結果が出ていたという。米国New York大学のJeffrey S. Berger氏らが、ACSの13万人超のデータベースをもとに調べ、明らかにしたもので、JAMA誌2009年8月26日号で発表した。補正前30日死亡率は女性が1.9倍、補正後は有意差なしBerger氏らは、1993~2006年に行われたACSに関する11の無作為化試験の被験者データベースに納められた、13万6247人のデータについて調査を行った。そのうち28%が女性だった。女性被験者の26%がSTEMI、29%がNSTEMI、40%が不安定狭心症だった。補正前の30日死亡率は、男性が5.3%に対し女性が9.6%と、有意に高率だった(オッズ比:1.91、95%信頼区間:1.83~2.00))。ところが、臨床症状などで補正を行った後、同死亡率に男女間格差はなくなった(補正後オッズ比:1.06、同:0.99~1.15)。NSTEMI患者30日死亡率は女性が0.77倍、不安定狭心症では0.55倍臨床症状別に見てみると、STEMI患者の30日死亡率は女性の方が有意に高かった(補正後オッズ比:1.15、95%信頼区間:1.06~1.24)。一方、NSTEMI患者の同死亡率は女性の方が低く(補正後オッズ比:0.77、同:0.63~0.95)、また不安定狭心症の患者の同死亡率も女性が低率だった(補正後オッズ比:0.55、同:0.43~0.70)。さらに、血管造影データが得られた3万5128人について調べたところ、女性の方が、冠動脈閉塞がない割合が高かった(女性15%に対し男性8%)。また、冠動脈閉塞が2ヵ所(女性25%に対し男性28%)、や3ヵ所(女性23%に対し男性26%)認められる人の割合は、共に女性に少なかった。血管造影による疾患の程度を補正に加えたところ、ACSの種類にかかわらず、30日死亡率には男女間格差は見られなくなった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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深刻な医師の健康実態、6%が自殺を考えたことがある-日医調査

日本医師会が行った「勤務医の健康の現状と支援のあり方に関するアンケート調査」から深刻な医師の健康実態が明らかとなった。調査は今年2月に会員の勤務医1万人を対象に行われ、3879人から回答を得たもの。それによると6%の医師が死や自殺について1週間に数回以上考えたと回答している。このほかにも、休日に関しては、1カ月の休日は「4日以下」が最も多く46.3%、「5~7日」が30.4%だった。「8日以上」が20.1%いる一方で、「なし」も8.7%いた。また睡眠に関しても、10%の医師が寝付くのに30分以上かかったこと1週間の半分以上あると回答している。毎晩1回以上目が覚めて、そのまま20分以上眠れないことが半分以上あるという回答も7%あった。平均睡眠時間は6時間未満が41%を占めている。睡眠も含め、食欲の有無や集中力の低下など、精神的な疲れをみる16項目の回答を点数化した結果、9%が中程度以上の深刻な状態にあり、メンタルヘルスの支援が必要だと判定された。こうした医師の健康実態を受けて、日本医師会では『医師が元気に働くための七ヶ条』を2日の定例会見で発表している。 ●勤務医の健康の現状と支援のあり方に関するアンケート調査報告はこちらhttp://www.med.or.jp/teireikaiken/index.html

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新規抗血小板剤Ticagrelorがクロピドグレルとの比較試験で心血管死と心筋梗塞を抑制する

アストラゼネカ株式会社は3日、米国アストラゼネカ社が行った、急性冠症候群患者を対象とした第III相並行群間比較試験であるPLATO試験(A Study of Platelet Inhibition and Patient Outcomes)において、Ticagrelorがクロピドグレルと比較して大出血リスクを増加させることなく(Ticagrelor 11.6% vs. クロピドグレル11.2%、p=0.43)、主要評価項目である心血管イベント発症リスク(心血管死、心筋梗塞、脳卒中)を有意に抑制したと発表した(Ticagrelor 9.8% vs. クロピドグレル11.7%〔12ヵ月経過時点〕、相対リスク減少率16%、95%信頼区間 0.77~0.92、p

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ビートに動脈硬化予防作用の可能性を確認

カゴメ株式会社総合研究所は3日、静岡大学 杉山公男教授との共同研究で、ビートに血中ホモシステインを低減させる作用があることを、動物を用いた試験で確認したと発表した。今回の研究成果により、ビートの摂取による動脈硬化の予防作用が期待できるという。同研究では、血中コレステロールとは別のメカニズムによって動脈硬化のリスクを高めるといわれている血中ホモシステインに着目。血中ホモシステインは血管内皮を傷つけることなどによって、動脈硬化を促進すると考えられている。一方で、ベタインはホモシステインからメチオニンへの代謝を促すことでホモシステインを低減させ、動脈硬化を予防することが期待できるという。ベタインを多く含む野菜として、ホウレンソウやビートなどのアカザ科の野菜があげられる。特にビートは西洋料理では古くから利用されていて、ロシアの赤いスープであるボルシチに用いる野菜として有名だ。なお、同研究内容は日本食品科学工学会 第56回大会(9月10~12日、名城大学)において発表するとのこと。詳細はプレスリリースへhttp://www.kagome.co.jp/news/2009/090903_02.html

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リバロキサバンの第III相臨床試験の患者登録完了

バイエル薬品株式会社の3日の発表によると、バイエル・シエーリング・ファーマ社は、ROCKET AF 試験と呼ばれる、心房細動患者における脳卒中及び非中枢神経系塞栓症の予防についてリバロキサバンの1日1回経口投与とビタミンK拮抗剤であるワルファリンの効果を比較する第III相臨床試験の患者登録が完了したと公表した。ROCKET AF 試験は、新規経口第Xa因子阻害剤リバロキサバン20mg の1日1回投与と、現在、標準治療薬として使用されているビタミンK拮抗剤ワルファリンの、心房細動(AF)患者における脳卒中及び非中枢神経系塞栓症の発症抑制効果と安全性を評価する試験。世界45ヶ国、1,100を超える医療施設から 14,269 名の患者が参加するプロスペクティブな試験で、無作為化、二重盲検、ダブルダミー試験が実施される。詳細はプレスリリースへhttp://byl.bayer.co.jp/scripts/pages/jp/press_release/press_detail/?file_path=2009%2Fnews2009-09-03.html#top

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インフルエンザだけじゃない!―赤ちゃんを脅かす秋冬の感染症

 8月27日、大手町ファーストスクエアにて開催された「周産期医療最前線 ―インフルエンザより早く来る!ママの知らないRSウイルス感染症」セミナーの第2報をお届けする。福島県立医科大学の細矢光亮氏は、RSウイルス(RSV)感染症の特徴や疫学、治療について述べ、罹患しやすい2歳未満の乳幼児の状況に加え、後年に及ぼす影響に関しても言及した。 RSVは、チンパンジーの鼻炎例から初めて分離され、その後呼吸器疾患の患児からも同様のウイルスとして分離された。細胞変性効果としてsyncytiumが特徴的に見られることから、Respiratory Syncytial Virusと命名されている。 感染経路は接触および飛沫であり、生体外でも長時間感染力を保つ(カウンターで6時間後でもウイルス分離可能)。通常は鼻炎などの上気道炎の原因となるが、乳児や高齢者では、細気管支や肺胞で増殖して下気道炎を起こすことが問題となっている。 2歳までにほぼ100%が初感染するRSVであるが、およそ30%が下気道炎を起こし、3%が重症化して入院加療を要する。細矢氏によれば、1歳までの患児の月齢別分布は、3~6ヵ月齢が比較的多いものの大きな差はなく、母親からの移行抗体で完全には防御できないとのことである。さらに、在胎32週未満の早産児では移行抗体が少ないため、重症化のリスクが高い。 また、3ヵ月齢未満と3ヵ月齢以上を比較すると、主な症状の出現率はほぼ同等であったが、陥没呼吸や喘鳴などの持続期間は3ヵ月齢未満で有意に延長しており、呼吸管理や入院加療を必要とした例も有意に多かった。 ワクチンや有効な治療法がないRSV感染症の重篤化を抑制する唯一の薬剤として、RSVのF蛋白特異的な中和抗体であるパリビズマブ(商品名:シナジス)がある。第1報でも触れたように、早産児など高リスクのRSV感染症における入院率が、パリビズマブによって非投与群の半分以下に減少したと報告されている。 ここで、RSV感染による細気管支炎と、後年の喘鳴・喘息の発症の有意な関連性がこれまでの複数の調査結果で示された。細矢氏は、免疫学的な見地から、その機序について述べた。 まず、新生児~乳幼児では相対的にTh-2優位である。その上で、細矢氏は、RSV感染児におけるTh-2/Th-1バランスを非感染群と比較すると、有意にTh-2優位となっているデータを示した。さらに、RSV感染症の回復期には、他のインフルエンザ感染症などと異なり、好酸球数が有意に増加し、アレルギー性炎症に関与するケモカインであるRANTESも有意に濃度上昇するとのことである。すなわち、もともとアレルギーリスクの高い新生児期にRSV感染すると、リスクはさらに増大すると考えられる。 一方、乳児期のRSV感染と、81ヵ月後までの喘鳴および91ヵ月後の喘息の有意な関連が報告されている。細矢氏は、RSV感染によってTh-2優位となり、気道過敏状態が持続することで、反復性喘鳴を呈すると述べた。 そこで、パリビズマブによる喘息発症予防を検討した、WOO-353 Studyが紹介された。その結果であるが、パリビズマブ投与群における反復性喘鳴の発症率は、非投与群の半分程度と有意に減少した。 細矢氏は、パリビズマブによって、3歳までの早期喘鳴の罹患率を減らせるだけでなく、5歳ごろをピークとする後年の非アトピー性反復性喘鳴の罹患率も減ずることができるであろうとし、講演を締めくくった。

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乳がんホルモン剤治療中の患者さんへ 関節痛を解消するストレッチ運動を動画で紹介

アストラゼネカ株式会社は1日、乳がんになりホルモン剤で治療中あるいは治療を始める患者に向けて、関節痛を改善する関節痛体操の動画配信を開始した。この動画は、同社が運営する乳がん啓発サイト「乳がん.jp(http://www.nyugan.jp)」の新コンテンツで、痛みがある場合の(1)ボールストレッチ (2)痛みがある場合のストレッチ、痛みがない場合の(1)ボールストレッチ(2)どこでもストレッチ(3)じっくりストレッチが紹介されている。監修は、宮良球一郎氏(宮良クリニック院長)、蔵下要氏(浦添総合病院乳腺外科医長)、亀山成子氏(浦添総合病院 リハビリテーション科)。詳細はプレスリリースへhttp://www.astrazeneca.co.jp/activity/press/2009/09_09_02.html

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過敏性腸症候群の治療剤「アシマドリン」に関するライセンス契約を締結

 小野薬品工業株式会社は2日、タイオガ社(米国カリフォルニア州サンディエゴ市)が過敏性腸症候群の治療剤として米国で開発中のアシマドリン(一般名)を、日本・韓国・台湾で独占的に開発・販売する権利を取得したと発表した。 アシマドリンは経口投与が可能な低分子化合物で、3 種類あるオピオイド受容体(μ、κ、δ)のうち消化管の痛みや運動に関与していると言われるκ受容体に選択的に作用し、腹痛をはじめとする種々の腹部症状を改善する薬剤。 過敏性腸症候群の患者(約600 名)を対象に米国で実施されたフェーズIIb 試験では、アシマドリンは中等度以上の腹痛を訴える下痢型の過敏性腸症候群の患者の腹痛・腹部不快感、便意切迫感を改善し排便回数を減少させるなど、統計学的にも有意な治療効果を示したとのこと。また、これまでに安全性上、特に問題となるような有害事象は認められていないという。 なお、タイオガ社は来年の第1 四半期に米国でフェーズIII試験を開始する予定。また、小野薬品工業は来年の上半期中にも国内においてフェーズI試験を開始する予定とのこと。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.ono.co.jp/jpnw/PDF/n09_0902.pdf

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医療用医薬品検索サイト「QLifeお薬検索」オープン

株式会社QLifeは2日、医療用医薬品検索サイト『QLifeお薬検索』(http://www.qlife.jp/meds/)をオープンしたと発表した。同サイトは、誰でも無料で薬剤情報を確認することが可能。毎週更新され、「くすりのしおり(くすりの適正使用協議会が開発)データを利用」「製品名や疾患名など、7種類もの検索方法」「薬剤名入力補助エンジンや他者動作記録参照機能を実装し、初心者も使用容易」「学術論文検索もワンクリック」などの特徴があるとのこと。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.qlife.co.jp/news/090902qlife_news.pdf

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稀少疾患デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬(イデベノン)の臨床第3相試験開始

 武田薬品工業株式会社は3日、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(Duchenne Muscular Dystrophy、以下「DMD」)治療薬としてSanthera Pharmaceuticals Ltd(本社:スイス、以下「Santhera社」)と欧米にて共同開発を実施中の同社創製品イデベノン(一般名、開発コード:SNT-MC17)について、臨床第3相試験を開始したと発表した。 デュシェンヌ型筋ジストロフィーは神経筋疾患の中でも、最も発症頻度が高い病型であり、米国、欧州、日本の合計で約3万人の患者がいるとされ、ほとんど男児のみに発症する。X染色体に存在するジストロフィンが欠損しているために発症する遺伝性疾患で、カルシウム調節機能が損なわれ、筋肉細胞の酸化が亢進し、筋肉が劣化する。進行が早く、3~5歳で発症し、10歳代になると歩行能力を失う。合併症として、骨格奇形や呼吸困難、心不全を併発することが多く、患者の平均寿命は30~35歳と言われている。詳細はプレスリリースへhttp://www.takeda.co.jp/press/article_35109.html

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抗がん剤等による脱毛に対応 医療向けウィッグ「アンクス(ANCS)」発売

株式会社アートネイチャーは、プロデュースするレディースウィッグブランド「ジュリア・オージェ(Jullia Olger)」から、抗がん剤等の化学療法による脱毛に対応した医療向けウィッグ「アンクス(ANCS)」の販売を9月3日より開始した。アンクスは、オール(全頭)タイプのレディメイド(既製品)ウィッグ。「優しさ」と「軽さ」をコンセプトに、自然な分け目、シルエットはもちろん、通気性に優れたネットを使用するなど、蒸れなく、軽く、長時間の使用でも快適な使い心地になっているという。また、脱毛が始まる前の無料の自毛カットや、購入後すぐに使えるように当日または短期で納品され、使用途中でのサイズ・スタイル変更といったアフターケアなど、患者が治療に専念できるようにサポートサービスも用意されている。商品は、同社が運営するジュリア・オージェ各ショップと、全国のアートネイチャーサロンにて取り扱われる。価格は84,000 円(税込)から。全6タイプ。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.artnature.co.jp/corporation/press/2009/pdf/0902_01.pdf

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偏頭痛薬「ゾルミトリプタン」の経鼻剤開発に着手

株式会社 新日本科学は3日、偏頭痛薬「ゾルミトリプタン」の経鼻剤開発に着手したと発表した。これは同社が完成させた、患者が薬剤を鼻から容易に、そして確実に投与でき、且つ、薬物が効率よく吸収され薬効が速やかに発現する独自の製剤技術(μco system;ミューコ システム)と医療用具(デバイス)を利用するもの。既に、このμco systemを応用して、制吐作用を有するグラニセトロン経鼻剤(開発コード:TRG)の臨床第II相試験において、優れた薬効と高い安全性が確認されているとのこと。同社のゾルミトリプタン経鼻剤は粉末状の新しいタイプの製剤で、従来の点鼻液剤と比較して、吸収速度が極めて早く、非常に高い吸収率が得られることが動物実験で確認されているという。さらに、当社のゾルミトリプタン経鼻剤の投与では、新たに独自開発した携帯性に優れたディスポーザブルタイプの医療用デバイスを組み合わせて開発を進めるとのこと。今後、本製剤については、臨床第I相試験を速やかに完了させ、早期のライセンス導出を目指すという。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.snbl.co.jp/pdf/ir/release090903.pdf

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抗うつ薬、自殺リスクの低下効果は年齢依存的

抗うつ薬と青少年の自殺の危険性(自殺念慮/企図リスク)は注意を要する問題であるが、その一方で、疫学研究では、抗うつ薬の投与により自殺率が下がる傾向が確認されていている。この相違を確かめるため、米国食品医薬品局(FDA)のMarc Stone氏ら研究グループは、成人を対象とする抗うつ薬臨床試験における自殺行動のリスク評価を試みた。BMJ誌2009年8月22日号(オンライン版2009年8月11日号)より。被験者約10万人のプラセボ対照試験をメタ解析FDA研究グループは、12の承認抗うつ薬に関する372の二重盲検無作為化プラセボ対照試験についてメタ解析を行った。参加者は成人9万9,231人。被験者の年齢中央値は42歳で、63.1%が女性だった。治療の適応は、大うつ病(45.6%)、その他のうつ病(4.6%)、その他の精神障害(27.6%)と非精神障害(22.2%)であった。主要評価項目は自殺行動(自殺既遂、自殺未遂または予備行為)と自殺念慮とした。解析の結果、非精神病的患者群においては、自殺行動と自殺念慮は非常にまれだったが、精神病患者群では、リスクと年齢に関連が見られた。「自殺行動・自殺念慮」もしくは「自殺行動のみ」のオッズ比は、25歳未満ではそれぞれ1.62(95%信頼区間:0.97~2.71)、2.30(同:1.04~5.09)、25~64歳では0.79(同:0.64~0.98)と0.87(同:0.58~1.29)、65歳以上では0.37(同:0.18~0.76)、0.06(同:0.01~0.58)だった。自殺傾向リスクが年齢依存的に確認年齢を連続変数としてモデル化した場合、自殺行動・自殺念慮のオッズ比は、年齢ごとに2.6%(-3.9%~-1.3%、P=0.0001)の割合で減少した。さらに、自殺行動だけでみると、オッズ比は年齢ごとに4.6%(-7.4%~-1.8%、P=0.001)の割合で減少。抗うつ薬投与に伴う自殺傾向リスクは、年齢に強く依存していた。プラセボと比較すると、25歳未満成人における自殺傾向と自殺行動のリスク増加は、これまで小児と未成年者でみられた値に近かかった。自殺行動に対するネット効果は明らかではないが、おそらく25~64歳の自殺念慮に対しては保護的に作用し、65歳以上では自殺傾向と自殺行動のリスクを低下させると推測している。

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タミフル、リレンザ、季節性小児インフルエンザへの効果

英国オックスフォードにあるジョン・ラドクリフ病院のMatthew Shun-Shin氏らのグループは、季節性インフルエンザに罹患した小児の治療と感染予防のため、ノイラミニダーゼ阻害因子薬のオセルタミビル(商品名:タミフル)とザナミビル(同:リレンザ)を外来投与した場合の治療効果を評価するメタ解析を行った。BMJ誌2009年8月22日号(オンライン版2009年8月10日号)より。12歳以下の在宅小児患者1,766例で無作為化プラセボ対照試験公開・未公開を問わず、実施された無作為化試験に関する論文を基に、系統的再評価とメタ解析を行った。データ・ソースは、2009年6月までに試験登録されたものと、製薬メーカー、関連研究執筆者の論文をMedlineとEmbaseから入手した。試験の適格条件は、無作為化対照試験であること、被験者はインフルエンザ診断が確定したか臨床的に疑われること、12歳以下の小児であること、入院せずに地域の開業医からノイラミニダーゼ阻害因子の処方を受けていたこととした。主要評価項目は、回復までの時間と、インフルエンザの指標となる症例が認められた非入院小児のインフルエンザの出現率とした。研究グループは、インフルエンザ治療の4つの無作為化試験を同定した。2つはオセルタミビル、2つはザナミビルを投与したもの。1,766例の小児を対象とし、そのうち1,243例はインフルエンザ感染が確認され、その55~69%はA型だった。863例を対象とした3つの試験(1つがオセルタミビル、2つがザナミビル)はいずれも、曝露後予防のためのパンデミック株現有テストを実施していなかった。症状出現率をわずかに減少させたが効果に優位性なし治療試験は、症状の回復または正常な活動性の回復までの時間の中央値として0.5~1.5日短縮したが、優位に低下したのは2試験にすぎなかった。ザナミビルまたはオセルタミビルによる曝露後予防の10日コースは、インフルエンザ様症状出現率の8%(95%信頼区間:5%~12%)減少に結びついた。1試験だけだが、オセルタミビルは喘息増悪の抑制および喘息既往の小児のピークフロー改善にはいずれも結びついていなかった。また、全体として抗生物質の利用減少にも結びつかなかった(リスク差:-0.30、-0.13~0.01)。ザナミビルは忍容性が高かったが、オセルタミビルは嘔吐のリスク増加と関連していた(0.05、0.02~0.09、NNH=20)。これらから研究グループはノイラミニダーゼ阻害因子の有効性について、季節性インフルエンザに罹患した小児で疾患継続期間を短くすること、家庭内での感染拡大を減少させるといったわずかな利点しかなく、喘息増悪または抗生物質利用に対してほとんど効果がないと結論づけた。なお重症合併症の出現率、現在パンデミック状態とされるA/H1N1インフルエンザ株に対する効果については、さらに判定を待たなければならないと述べた。

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新規経口抗凝固剤ダビガトラン エテキシラートは、ワルファリンに比べ脳卒中の発症予防で優れ、出血も少ない

日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社は31日、脳卒中予防でのダビガトラン エテキシラートの有用性を検討した大規模臨床試験RE-LYの結果を発表した。試験結果はダビガトランが、有効性、安全性とも、対照としたワルファリンに対する優越性を示すものであり、ダビガトランは治療域に維持されたワルファリンと比べ、出血性を含む脳卒中または全身性塞栓症の発症リスクと、生命を脅かす出血および頭蓋内出血の発症を有意に低下し、血管死(出血死を含む)を有意に減少することがわかったという。RE-LYは世界44ヵ国で18,113名を登録し、心房細動の予後を史上最大規模で検討した試験。患者はダビガトラン(盲検化した2用量)投与群と、治療域に維持されたワルファリン(非盲検:目標とするプロトロンビン時間の国際標準比、INRは2.0~3.0)投与群に割り付けられた。ダビガトラン1回150mg 1日2回投与群(1日用量300mg)はワルファリン投与群と比べ、大出血のリスクを増加させることなく、心房細動患者での脳卒中または全身性塞栓症の発症リスクを34%低減させた(p

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帝國製薬とテルモ、がん性疼痛緩和領域における医療用麻薬製剤の業務提携に向け基本合意

テルモ株式会社は31日、帝國製薬株式会社と、がんなどの痛みを和らげる医療用麻薬製剤において、国内の開発・製造・販売についての包括的な業務提携を行うことに基本合意したと発表した。同社は今回初めてがん性疼痛緩和領域に本格事業参入することになる。一方、帝國製薬は従来より麻薬製剤の開発・製造などの事業展開を行っていた。詳細はプレスリリースへhttp://www.terumo.co.jp/press/2009/022.html

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米国FDAが向精神病薬SAPHRISを承認

米国シェリング・プラウ・コーポレーションは、SAPHRIS(一般名:asenapine)舌下錠の成人統合失調症および精神症状の有無を問わない成人双極I型障害に伴う躁病または混合エピソードの急性期治療に対する承認を米国食品医薬品局(FDA)より取得したことを発表した。SAPHRISは、第一選択薬として使用することができ、また、両適応について同時に初回承認された最初の向精神病薬。28日に、同社の日本法人が報告した。欧州ではasenapineはSYCRESTという販売名で、統合失調症および双極I型障害に伴う躁病エピソードの治療薬として販売承認申請(MAA)を行い、現在、欧州医薬品庁(EMEA)による承認審査が行われている。同社は、本製品を開発したオルガノン・バイオサイエンスとの統合により、2007年11月にasenapineを取得した。 FDAによるSAPHRISの承認は、3,000例以上を対象とした統合失調症および双極性障害の躁状態試験からなる臨床試験プログラムからの有効性データを含む新薬承認申請(NDA)に基づいている。SAPHRISの申請では、2年以上の治療を受けた患者を含む4,500例の安全性データが提出されている。今回の承認は、SAPHRIS(5mgの1日2回投与)がプラセボと比較して統計学的に有意な有効性が実証された急性統合失調症試験の成績と、SAPHRIS(10mgの1日2回投与)がプラセボと比較して統計学的に有意に双極性障害の躁状態を減少させることが実証された急性双極I型障害試験の成績に基づいている。SAPHRISは、2009年の第4四半期に米国で発売される予定とのこと。詳細はプレスリリースへhttp://www.schering-plough.co.jp/press/index.html

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天気と片頭痛の関係を予報

テルモ株式会社は1日、同社が運営する「テルモ健康天気予報(http://kenkotenki.jp/)」の新たな予報項目として『片頭痛』をスタートすると発表した。同社では2004年より、気象の変化が健康に与える影響を予測し、病気の予防や悪化の予防に役立つ健康情報「テルモ健康天気予報」を、ウェブサイト、テレビ、ラジオ等のメディアを通して提供している。この度、新たに天気と片頭痛の関係についての予報が追加される。片頭痛予報は、テルモ健康天気予報を提供しているメディアを通して、ウェブサイトでは9月4日から、テレビでは6日から、ラジオでは12日からスタートする。詳細はプレスリリースへhttp://www.terumo.co.jp/press/2009/023.html

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骨粗鬆症治療剤「エビスタ」をルーマニアで販売

第一三共株式会社と連結子会社のランバクシー・ラボラトリーズ(本社:インド共和国デリー市、以下「ランバクシー」)は1日、ランバクシー傘下のTerapia S.A.(以下「テラピア・ランバクシー」)を通じて、骨粗鬆症治療剤EVISTA(一般名:raloxifene、以下「エビスタ」)をルーマニア国内において販売開始すると発表した。第一三共は、ギリシャを除く全欧州(34カ国)においてエビスタの販売の権利をイーライリリー・アンド・カンパニー(本社:米国インディアナ州)より取得していて、欧州子会社の第一三共ヨーロッパGmbHグループを通じて販売している。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.daiichisankyo.co.jp/4less/cgi-bin/cs4view_obj.php/b_newsrelease_n1/1017/20090901_%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%90%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%BC%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E9%80%A3%E6%90%BA%EF%BC%88%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%82%A2%EF%BC%89_final.pdf

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プライマリ・ケア医はうつ病を正しく診断しているか?

一般医(GP)によるうつ病の診断では、有病率20%の場合、10%が正確に同定され65%が正しく除外診断されるが、10%が見逃され、15%が誤診されていることが、イギリスLeicester総合病院のAlex J Mitchell氏らが実施したメタ解析で明らかとなった。うつ病は世界規模で保健医療システムの主要な負担となっており、GPのケアの多くがうつ病に当てられているという。Lancet誌2009年8月22日号(オンライン版2009年7月28日号)掲載の報告。GPによるうつ病の単独診断の正確度を検討した試験のメタ解析研究グループは、プライマリ・ケアの現場におけるGPによるルーチンのうつ病診断の真陽性、真陰性、偽陽性、偽陰性について評価した。GPが単独で行ったうつ病診断の正確度(accuracy)について検討した118の試験のメタ解析を行った。これらのうち、構造化面接あるいは半構造化面接の明確なアウトカム基準を擁する41試験が解析の対象となった。再評価で診断精度が改善する可能性も41試験からプールされた5万371例について解析した。うつ病患者の47.3%がGPによって正確に同定され、33.6%はうつ病が疑われることを示唆する注意書きが記されていた。19試験が確定診断および除外診断の双方の正確度の評価を行っており、重み付き感度(sensitivity)は50.1%、特異度(specificity)は81.3%であった。有病率21.9%における陽性予測値は42.0%、陰性予測値は85.8%であった。この知見は、有病率を20%とした場合、プライマリ・ケアでは任意の患者100例のうち10例のうつ病患者が見逃され(偽陰性)、10例が同定される(真陽性)が、これより多い15例がうつ病と誤診される(偽陽性)ことを示唆する。1回かぎりの評価や疑い例の記述に依拠するよりも、診察期間を3~12ヵ月延長したほうが正確度は改善された。著者は、「GPは非うつ病の多くをうつ病の診断から除外することが可能だが、プライマリ・ケアにおける有病率が中等度の場合、誤診例の数が見逃し例よりも多いことが示唆される。1回のみの評価ではうつ病の約半数しか同定されておらず、うつ病が疑われる場合は再評価を行うことで診断精度が改善される可能性がある」と結論している。また、「GPや他の専門家がケースマネージャーと共同作業を行うモデルを用いて繰り返し評価を実施すれば、誤診を低減させ、ケアの質の向上につながると考えられる」という。(菅野守:医学ライター)

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