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大幅な拡充進む、中国の保健医療サービスと健康保険

近年、中国では保健医療の利用増加やその内容の拡充が進み、保険の補償や入院患者の保険償還が著明に増大していることが、中国衛生部保健統計情報センターのQun Meng氏らの調査で示された。1978年の政府による経済自由化政策の導入をきっかけに、中国では経済成長と貧困削減が急速に進んだが、保健医療システムの改革は同じ歩調では進展しなかったという。2009年、中国政府は、2020年までに誰もが利用可能な医療制度の確立を目標に保健医療の改革政策を導入した。Lancet誌2011年3月3日号掲載の報告。2003~2011年の保健医療サービス、健康保険の利用状況を調査研究グループは、2003~2011年の中国における保健医療サービスおよび健康保険の利用状況を調査し、地域や収入の違いによる不平等が経時的に減少しているかを評価する横断的研究を行った。解析には、中国の31の州や自治体からサンプリングした国民保健サービス調査(NHSS)の2003年、2008年、2011年のデータを使用した。2011年の調査では、2009年に公表された国家的な保健医療改革に関して、実施後の主要な指標の評価を行った。データは、都市部と農村部、3つの地域(東部、中央部、西部)、世帯収入別に分けて集計し、地域間および地域内の公平性の変動について検討した。今後の課題は、より効果的で質の高いケアの確立面接を行った世帯数は2003年が5万7,023、2008年が5万6,456、2011年は1万8,822で、それぞれ98.3%、95.0%、95.5%から回答が得られた。面接した人数は、19万3,689人、17万7,501人、5万9,835人だった。2003~2011年までに、保険補償は29.7%から95.7%へと増加した(p<0.0001)。保険から償還された入院費負担の平均値は2003年の14.4点から2011年には46.9点まで増加した(p<0.0001)。2011年の病院分娩率は平均で95.8%に達した。入院率は2003年の3.6%から2011年には8.8%へと約2.5倍に増加した(p<0.0001)。2011年の高額医療費負担世帯率は12.9%であった。帝王切開率は2003年の19.2%から2011年には36.3%に増加した(p<0.0001)。著者は、「近年、中国では保健医療の利用増加やその内容の拡充によって、保険の補償内容や入院患者の保険償還が著明に増大し、地域間差や地域内差の平等化が大きく進展した」と結論する一方で、「これらの進展には高額医療費負担の低下が伴ってはいないことに留意すべきだ。基本的な保健医療サービスの内容の拡充とともに、より強力なリスク防御や、より効果的で質の高いケアの確立が今後の課題である」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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新開発の分子アッセイ、早期NSCLCのリスク評価に有用

扁平上皮がんを除く早期非小細胞肺がん(NSCLC)患者のうち、切除術後の死亡リスクが高い例を高精度で判別する分子アッセイが、米カリフォルニア大学サンフランシスコ校のJohannes R Kratz氏らによって開発された。早期のNSCLCは、切除術時に検出されなかった転移病変が原因で再発することが多い。これらの患者の管理では予後の予測が重要で、潜在病変を有する可能性が高い患者を同定する必要がある。Lancet誌2012年3月3日号(オンライン版2012年1月27日号)掲載の報告。再発リスクの高い患者を同定する分子アッセイを開発し、妥当性を検証研究グループは、扁平上皮がんを除くNSCLCのリスク分類において、従来の判定法で早期病変とされた患者のうち切除術後の治療不成功の可能性が高い例を同定する際に、実用的で信頼性の高い分子アッセイを開発し、その妥当性の検証を行った。アッセイの開発には、カリフォルニア大学サンフランシスコ校で切除術を受けた扁平上皮がん以外のNSCLC患者コホート(361例)を用いた。ホルマリン固定パラフィン包埋組織試料を作製して定量的PCR解析を行い、統計学的な予後予測法で患者を判別する14遺伝子の発現アッセイを開発した。次いで、カイザー・パーマネンテの研究部門によってアッセイの妥当性の検証が行われた。この妥当性確認試験は、カイザー・パーマネンテ北カリフォルニア病院で切除術を受けた扁平上皮がんを除くStage IのNSCLC患者のマスクされたコホート(433例)、および中国臨床試験コンソーシアム(CCTC)の一部として中国の主要ながんセンターで切除術を施行された扁平上皮がん以外のStage I~III NSCLC患者コホート(1,006例)で行われた。NCCN判定基準よりも高い正確度を達成カイザー妥当性検証コホートに関するKaplan-Meier法による解析では、低リスク例の5年全生存率は71.4%、中リスク例は58.3%、高リスク例は49.2%であった(傾向性検定:p=0.0003)。CCTCコホートに関する同様の解析では、5年全生存率は低リスク例74.1%、中リスク例57.4%、高リスク例44.6%だった(傾向性検定:p<0.0001)。多変量解析では、いずれのコホートにおいても、腫瘍の遺伝子発現に基づく予後予測情報をもたらす臨床的リスク因子は認めなかった。このアッセイによって、Stage I NSCLCのうち高リスク例の予測の正確度が、NCCN(National Comprehensive Cancer Network)判定基準に比べて有意に改善され(p<0.0001)、全Stageで低リスク、中リスク、高リスク例の判別が可能であった。著者は、「われわれが開発した実用性の高い定量的PCRに基づくアッセイは、扁平上皮がんを除く早期NSCLC患者のうち、切除術後の死亡リスクが高い例の同定において高い信頼性を示した」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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妊婦への禁煙支援としてニコチンパッチ療法は有効か?

妊婦への禁煙行動療法に加えてのニコチンパッチ使用(16時間につき15mg)の有効性と安全性について、英国・ノッティンガム大学のTim Coleman氏らによる二重盲検無作為化プラセボ対照試験の結果、出産までの禁煙率を有意に高めることはなかったことが報告された。有害な妊娠または分娩アウトカムのリスクを有意に高めることもなかったという。ただし、本試験は被験者の治療コンプライアンス率が介入群7.2%、プラセボ群2.8%と低く、安全性評価については「大幅に制限された」と結論している。ニコチン置換療法は妊婦以外の人の禁煙には効果的であることが示されており、妊婦への使用も広く推奨されているが、これまでの試験は規模が小さくエビデンスは不足していた。NEJM誌2012年3月1日号に掲載された。行動療法+ニコチンパッチ群、+プラセボパッチ群を比較研究グループは、2007年5月~2010年2月の間に英国内7病院から、妊娠期間12~24週にある16~50歳で、タバコを1日5本以上吸う妊婦を募集した。参加者は1,050例で、行動療法による禁煙サポートを受けるとともに、ニコチンパッチ(15mg/16時間、521例)またはプラセボパッチ(529例)による8週間の治療を受けるよう無作為に割り付けられた。主要評価項目は、禁煙開始から分娩までの日数で、禁煙は呼気中の一酸化炭素または唾液中コチニン測定値によって確認した。安全性については、有害な妊娠と分娩アウトカムでモニタリング評価された。両群で禁煙率に有意差なし、コンプライアンスも低調禁煙した日から分娩までの禁煙率は、ニコチン置換療法を受けた群9.4%とプラセボ群7.6%と、両群に有意差は認められなかった。ニコチン置換療法群の非補正オッズ比は1.26(95%信頼区間:0.82~1.96)だった。ただし、1ヵ月時点での禁煙率は、ニコチン置換群がプラセボ群より高かった(21.3%対11.7%)。コンプライアンスの割合は低く、1ヵ月以上パッチを使用したのはニコチン置換療法群7.2%、プラセボ群は2.8%に過ぎなかった。有害な妊娠と分娩アウトカムの発生率は、両群で同程度だった。(朝田哲明:医療ライター)

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重度外傷性脳損傷へのアマンタジンのプラセボ対照試験

外傷後意識障害を有する患者に対し、アマンタジン塩酸塩(商品名:シンメトレルほか)は、機能回復を早めることが示された。米国・JFKジョンソン・リハビリテーション研究所のJoseph T. Giacino氏らが報告した。アマンタジンは、外傷性脳損傷後の遷延性意識障害患者に最も多く処方される薬剤の一つで、予備的研究で、アマンタジンが機能回復を促進する可能性があることが示唆されていた。NEJM誌2012年2月29日号より。アマンタジン4週間投与の期間と投与後2週間の機能回復速度を比較研究グループは、外傷性脳損傷後4~16週間にわたって植物状態または最小意識状態(MCS)にあり、入院リハビリテーションを受けていた184例の患者を登録した。患者は4週間、アマンタジンまたはプラセボを投与されるよう無作為に割り付けられ、投与終了後2週間追跡された。評価は混合効果回帰モデルを用いて、4週間の投与期間(主要アウトカム)と、2週間のウオッシュアウト期間について、Disability Rating Scale(DRS:0~29の範囲で、スコアが高いほど機能障害が強い)に基づく機能回復速度を比較した。投与期間中は有意に速い回復示すDRSスコアで測定された4週の投与期間中の回復速度は、アマンタジン群がプラセボ群より有意に速く(傾きの差:0.24ポイント/週、P=0.007)、主要アウトカムの評価項目に関する有益性が示された。事前に特定したサブグループ解析では、治療効果は、植物状態の患者とMCSの患者で同等だった。回復速度は、投与終了後2週間(第5週と6週)でアマンタジン群は低下していったが、プラセボ群と比べてその低下は有意に緩徐だった(傾きの差:0.30ポイント/週、P=0.02)。ベースラインと6週(投与終了2週間後)の間のDRSスコア全体の改善度合いは、両群で同程度だった。また、重篤な有害事象の発生率に有意差はなかった。(朝田哲明:医療ライター)

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左室肥大を伴うCKD患者へのビタミンD投与、左室心筋重量係数に変化なし

左室肥大を伴う慢性腎臓病(CKD)に対し、48週間にわたる活性型ビタミンD化合物paricalcitolを投与した結果、左室心筋重量係数に変化は認められなかったことが示された。米国・マサチューセッツ総合病院のRavi Thadhani氏らが、約230人のCKD患者について行った無作為化試験で明らかにしたもので、JAMA誌2012年2月15日号で発表した。先行研究では、ビタミンDが心血管関連の罹患率や死亡率を減少することが示されていたが、それが心構造や心機能の修正に基づくものなのかについて、エビデンスは乏しかったという。48週間後の左室心筋重量係数の変化を心血管MRIで評価研究グループは、2008年7月~2010年9月にかけて、11ヵ国で登録したCKD患者(eGFR:15~60mL/分/1.73m2)227人を対象とする、無作為化プラセボ対照二重盲検試験を行った。被験者は軽度から中程度の左室肥大を伴い、左室駆出率は50%超だった。被験者を無作為に二群に分け、一方にはparicalcitolを(2μg/日、115人)、もう一方にはプラセボを(112人)それぞれ投与した。主要アウトカムは、48週間後の、心血管MRIにより測定した左室心筋重量係数の基線からの変化とした。左室心筋重量係数や拡張機能の変化に両群で有意差なし結果、48週間後の左室心筋重量係数の変化は、paricalcitol群で0.34g/m2.7(95%信頼区間:-0.14~0.83)に対し、プラセボ群で-0.07g/m2.7(同:-0.55~0.42)と、両群で有意差はなかった。ドップラー法により測定した拡張機能の変化についても、両群で有意差は認められなかった(paricalcitol群-0.01cm/秒、プラセボ群-0.30cm/秒)。なお、paricalcitol投与によって、副甲状腺ホルモン値は4週間で低下し、その後の試験期間中も同レベルを維持した。また、高カルシウム血症の発症率は、paricalcitol群でより高率だった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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心筋梗塞、女性は胸痛少なく、若年の院内死亡率は高率

女性の心筋梗塞は、男性に比べ胸痛のない割合が高く、若年での院内死亡率はより高いという特徴が明らかにされた。ただしこうした傾向は年齢によって変化し、65歳以上では、院内死亡率は男性のほうが高かった。米国・Watson Clinic and Lakeland Regional Medical CenterのJohn G. Canto氏らが、心筋梗塞の入院患者114万人超について調べ明らかにしたもので、JAMA誌2012年2月22日合併号で発表した。胸痛のない心筋梗塞、女性が42%に対し男性は31%研究グループは、1994~2006年の心筋梗塞に関する全米の患者データベース、National Registry of Myocardial Infarctionに登録した、114万3,513人(女性48万1,581人、男性66万1,932人)について観察研究を行った。主要アウトカムは、胸痛のない心筋梗塞の予測因子と、年齢、性別と院内死亡率との関連だった。結果、胸痛のない心筋梗塞は、女性で42.0%(95%信頼区間:41.8~42.1)と、男性の30.7%(同:30.6~30.8)に比べ有意に高率だった(p<0.001)。この傾向は、年齢が若いほど顕著に認められた。女性の男性に対する、胸痛が認められない点に関する年齢毎の補正後オッズ比は、45歳未満で1.30(同:1.23~1.36)、45~54歳で1.26(同:1.22~1.30)、55~64歳で1.24(同:1.21~1.27)、65~74歳で1.13(同:1.11~1.15)、75歳以上で1.03(同:1.02~1.04)であり、性別と年齢の2要素の連関は、有意に胸痛のない心筋梗塞を予測した(P<0.001)。院内死亡率、54歳までは女性が、65歳以上は男性がそれぞれ高率院内死亡率は、女性が14.6%と、男性の10.3%より高率だった。若い女性で胸痛がない場合は、若い男性で胸痛がない場合に比べて院内死亡率は高く、年齢が上がるにつれてこの傾向は薄れ、55~64歳で同等にない、65~74歳と75歳以上では逆転した。胸痛がない場合の院内死亡に関する、女性の男性に対するオッズ比は、45歳未満が1.18(同:1.00~1.39)、45~54歳が1.13(同:1.02~1.26)、55~64歳が1.02(同:0.96~1.09)、65~74歳が0.91(同:0.88~0.95)、75歳以上が0.81(同:0.79~0.83)であり、性別と年齢、胸痛の3要素は、有意に死亡を予測した(p

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PPI常用により、閉経後女性の大腿骨頸部骨折リスクが増大

プロトンポンプ阻害薬(PPI)の使用により、閉経後女性の大腿骨頸部骨折のリスクが35%増大し、喫煙歴がある場合は50%以上高いことが、米マサチューセッツ総合病院のHamed Khalili氏らの検討で示された。米国では、PPIは2003年に処方箋なしの店頭販売が認可されて以降、胸焼け、胃食道逆流症、消化性潰瘍の治療薬としてその使用量が劇的に増加した。これまでのPPI使用と大腿骨頸部骨折の関連を検討した研究では相反する結果が報告されているが、これらの試験の多くはライフスタイルや食事という影響の大きい因子に関する情報が限られていたという。BMJ誌2012年2月25日号(オンライン版2012年1月31日号)掲載の報告。PPI常用と大腿骨頸部骨折の関連を前向きコホート試験で検証研究グループは、Nurses’ Health Studyに登録された女性を対象に、PPIの常用と大腿骨頸部骨折の関連を検証するプロスペクティブなコホート試験を実施した。Nurses’ Health Studyは1976年に開始された大規模なコホート試験で、米国の人口の多い11州からに30~55歳の女性が登録され、ライフスタイルや食事に関する詳細な情報が収集された。今回の検討では、2000年から2008年6月1日まで2年に1回のフォローアップで、PPI使用と他のリスク因子のデータを提供した閉経後女性7万9,899人における大腿骨頸部骨折の発生状況について解析した。骨折リスクが35%増加、喫煙歴があると50%以上に56万5,786人・年のフォローアップ期間中に、893件の大腿骨頸部骨折が発生した。1,000人・年当たりの大腿骨頸部骨折の絶対リスクは、PPI常用者が2.02件、非使用者は1.51件であった。2年以上PPIを常用していた女性の大腿骨頸部骨折のリスクは、非使用者に比べ35%高く(年齢調整ハザード比[HR]:1.35、95%信頼区間[CI]:1.13~1.62)、使用期間が長くなるに従ってリスクが増大した(傾向性検定:p<0.01)。この関連性は、体格指数(BMI)、運動、カルシウム摂取などを含めたリスク因子の調整を行っても大きくは変化せず(HR:1.36、95%CI:1.13~1.63)、PPI使用の理由を考慮しても変わらなかった。PPI使用と骨折の関連は喫煙歴の有無で差がみられた(交互作用検定:p=0.03)。喫煙者および喫煙歴のあるPPI使用者は、多変量解析による骨折のHRが1.51(95%CI:1.20~.191)であり、骨折リスクが50%以上増加した。これに対し、生涯非喫煙者ではPPI使用は骨折とは関連がなかった(HR:1.06、95%CI:0.77~1.46)。これらの結果と過去の10試験のメタ解析を行ったところ、PPI使用と大腿骨頸部骨折の統合オッズ比は1.30(95%CI:1.25~1.36)だった。著者は、「PPIの常用により、大腿骨頸部骨折のリスクが増大した。骨折リスクは喫煙歴のある女性で特に高かった」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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ICU入院中のせん妄発現リスクの予測モデルを開発

集中治療室(ICU)入院患者におけるせん妄の発現リスクを、入院後24時間以内に評価が可能なリスク因子を用いて予測するモデルが、オランダRadboud大学ナイメーヘン医療センターのM van den Boogaard氏らによって開発された。せん妄は、精神状態の変動や意識レベルの変化の急性な発現で特徴付けられ、罹病率や死亡率の高い重篤な病態である。ICU入院中の患者はせん妄のリスク因子を有するが、その発現の予測モデルは確立されていないという。BMJ誌2012年2月25日号(オンライン版2012年2月9日号)掲載の報告。せん妄の予測モデルを開発し、妥当性を検証する観察試験研究グループは、成人のICU入院患者におけるせん妄の発現を予測するモデル(PRE-DELIRIC[PREdiction of DELIRium for Intensive Care patients]モデル)を開発し、その妥当性を検証する多施設共同の観察試験を実施した。オランダの5つのICU(2つの大学病院と3つの大学関連の教育病院)から、18歳以上のICU入院患者3,056例が登録された。1つの施設のICUに入院した1,613例のデータを用いてモデルを開発し、同じ施設に入院した549例で時間的妥当性の検証を行った。外的妥当性の検証には他の4施設に入院した894例のデータを用いた。PRE-DELIRICモデルは、10のリスク因子(年齢、APACHE-IIスコア、入院形態[外科/内科/外傷/神経・脳神経]、昏睡、感染、代謝性アシドーシス、鎮静薬の使用、モルヒネの使用、尿素濃度、緊急入院)で構成された。モデルの予測能は看護師、医師よりも良好モデルの予測能を受信者動作特性(ROC)曲線下面積で評価したところ0.87(95%信頼区間[CI]:0.85~0.89)という良好な値が得られた。ブートストラップ法で過剰適合(overfitting)を調整後のROC曲線下面積は0.86だった。時間的妥当性および外的妥当性のROC曲線下面積はそれぞれ0.89(95%CI:0.86~0.92)、0.84(同:0.82~0.87)であった。3,056例全例に関する統合ROC曲線下面積は0.85(同:0.84~0.87)だった。便宜的なサンプル(124例)を用いてモデルと医療者のリスク予測能を比較したところ、モデルのROC曲線下面積が0.87(同:0.81~0.93)であったのに対し、看護師は0.59(同:0.49~0.70)、医師も0.59(同:0.49~0.70)と有意に低値であった。著者は、「ICU入院後24時間以内に評価可能な10のリスク因子から成るPRE-DELIRICモデルは、せん妄発現の高い予測能を持つことが示された」と結論し、「このモデルを用いれば、せん妄のリスクが高く予防対策の導入を要する患者を早期に同定することが可能である」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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ここがポイント!第76回日本循環器学会学術集会

2012年3月16日(金)~18日(日)の3日間、第76回日本循環器学会学術集会(JCS)が開催される。開催に先立ち2月29日(水)に都内でプレスカンファレンスが行われ、会長の鄭 忠和氏(鹿児島大学大学院 循環器・呼吸器・代謝内科学 教授)が今回の学術集会のみどころを語った。【大筋でつかむ、本学会のみどころ】新幹線が全線開通し、全県に空港も整備される九州はアジアの交流拠点として急速に活性化している。今回の学会は、そんなアジアの窓口、福岡で開催される。『愛と情熱: アジアから世界へ』をメインテーマに掲げるだけに各国との交流が期待される。【4つの会長特別企画】会長特別企画は以下の4つを予定。 1.第16回アジア太平洋ドップラー・心エコー図学会との同時開催2.久山町研究50周年記念シンポジウム3.東南アジア諸国12カ国の若手医師による症例発表「Asian Joint Case-Conference」4.日野原重明氏の100歳記念講演:『後輩へのメッセージ‐私が生涯を通して学んだこと‐』中でも久山町研究50周年記念シンポジウムでは、半世紀にわたる偉大な研究成果を確認できると期待される。また若手医師による症例発表ではアジア各国の医師の間で活発な交流が実現するだろう。【今年の真下記念講演・美甘レクチャーは?】17日午前には2010年のノーベル化学賞受賞者、鈴木章氏による真下記念講演も予定。研究者である鈴木氏の話に注目が集まりそうだ。鈴木氏の講演の後に予定される、心エコー図学の世界的権威であるPravin M. Shah氏(Hoag Heart Valve Center,米国) による美甘レクチャーも必見である。【「特別講演」では海外の一流医師が発表 】海外の一流医師が行う特別講演にも注目だ。ハーバード大学(米国)のEugene Braunwald博士の衛星中継(16日午前)や、ブルガダ症候群で知られるバルセロナ大学(スペイン)Josep Brugada教授の特別講演(17日午後)など、海外の一流医師の講演を聴く機会が設けられる。【東日本大震災を受けた発表も予定】また、東日本大震災の経験を踏まえ、震災と循環器疾患の関係についての発表も予定されている。Late Breaking Clinical Trials 3 (18日午前)では、東北大学 下川氏による「The East Japan Earthquake Disaster and Cardiovascular Diseases」 が予定されるほか、18日午後のセッションでも「震災時の心血管イベントへの対応」が取り上げられる予定である。【新研修医制度の抱える問題点をクローズアップ】そのほか変わり種だが、17日の午後に予定されるMeet the Expert6 「新研修医制度による地方医療の崩壊」では、厚生労働省 医政局医事課医師臨床研修推進室の植木氏が講演する。厚生労働省職員である植木氏の講演は、質疑応答も含め注目したい。このように今回も、魅力的な演題が多数予定されている。メインテーマの『愛と情熱』にふさわしい、熱く刺激的な学術集会が期待できそうである。【JCS参加者は、こちらの情報もチェック】今回の学会から「電子抄録アプリ」が採用されている。会場には無線LANコーナーがあり、スマートフォンやタブレット端末を用いれば、会場内でも気になるセッションや演題の検索ができる。登録セッションの10分前にアラームメールが送信されるので、聴き逃す心配はなくなりそうだ。なお、抄録集は今年から冊子ではなくCD-ROMでの販売になる。その場で内容を確認したい方にはCD-ROM再生用のデバイスを持参することをお勧めする。【鹿児島グルメと会場間の移動手段について】3月16日(金)~18日(日)の3日間、マリンメッセ福岡では、主催校がある鹿児島の味を提供する「鹿児島グルメ横丁」が開催される。本場の鹿児島食文化をリーズナブルに体験する機会となるだろう。「鹿児島グルメ横丁」のあるマリンメッセ福岡と福岡国際会議場とは少々距離があるが、開催期間中は参加者専用移動サービスとして無料ベロタクシーが用意される。ベロタクシーとは環境に優しい自転車タクシーのこと。運用台数に限りはあるがシャトルバス以外の移動手段として利用可能だ。【参加登録は前日がお勧め】初日の参加登録は混雑が予定されるが、会期前日の3月15日(木)14:00~21:00であれば、博多駅10FのJR博多シティ会議室でも参加受付が可能 (ただし、日本循環器学会会員、非会員医師および医療関係者のみの受付)。前日の夜に早めの受付を済ませておくことで、初日から時間を有効に使えるのではないだろうか。第76回日本循環器学会学術集会(JCS)を開催初日から満喫し、会場で有意義な時間を過ごすための手段としてご提案したい。 《関連コンテンツ》「ケアネットフラッシュ」3月16日~開催!第76回JCSの見どころhttp://www.carenet.com/utility/carenetflash/movie/04.html(ケアネット 佐藤寿美)

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リチウムの有害事象プロフィール:385試験のメタ解析

リチウム治療は、尿濃縮能の低下、甲状腺機能低下症、副甲状腺機能亢進症、体重増加のリスクを増大させるが、腎機能には臨床的に重大な影響を及ぼさないことが、英国・オックスフォード大学のRebecca F McKnight氏らの検討で示された。リチウム(商品名:リーマスほか)は気分障害の有効な治療薬として広範に使用されている。リチウムの安全性への関心は高いが、有害事象のエビデンスに関する適正な統合解析は行われていないという。Lancet誌2012年2月25日号(オンライン版2012年1月20日号)掲載の報告。リチウムの毒性プロフィールをメタ解析で評価研究グループは、臨床的に有益と考えられるリチウムの毒性プロフィールについて、系統的なレビューとメタ解析を行った。オンラインデータベース、専門誌、文献リスト、教科書、学術会議の抄録を検索し、気分障害でリチウムを投与された患者に関する無作為化対照比較試験、コホート試験、症例対照試験、症例報告のエビデンスを収集した。主要評価項目は、腎、甲状腺、副甲状腺の機能のほか、体重の変化、皮膚や毛髪の障害、催奇形性などとした。先天性奇形への影響は不明、治療中は血中カルシウム濃度の測定を385試験が解析の対象となった。糸球体濾過量は平均で6.22mL/分低下し[95%信頼区間(CI):-14.65~2.20、p=0.148]、尿濃縮能は正常上限値の15%の低下を示した(加重平均差:-158.43mOsm/kg、95%CI:-229.78~-87.07、p<0.0001)。リチウムは腎不全のリスクを増大させる可能性があるが、絶対リスクは小さかった[腎機能代替療法を要した患者は0.5%(18/3、369例)]。プラセボに比べ、リチウムは甲状腺機能低下症の発生率を有意に増加させ[オッズ比(OR):5.78、95%CI:2.00~16.67、p=0.001]、甲状腺刺激ホルモンは平均4.00iU/mL(95%CI:3.90~4.10、p<0.0001)増加した。また、血中カルシウム(+0.09mmol/L、95%CI:0.02~0.17、p=0.009)および副甲状腺モルモン(+7.32pg/mL、95%CI:3.42~11.23、p<0.0001)が有意に増加した。リチウム治療を受けた患者は、プラセボに比し体重が有意に増加した(OR:1.89、95%CI:1.27~2.82、p=0.002)が、オランザピンに比べれば有意に低かった(OR:0.32、95%CI:0.21~0.49、p<0.0001)。先天性奇形、脱毛、皮膚障害のリスクの増加は認めなかった。著者は、「リチウムは、尿濃縮能の低下、甲状腺機能低下症、副甲状腺機能亢進症、体重増加のリスクを増大させた。臨床的に重大な腎機能の低下は認めず、末期腎不全のリスクは低かった」と結論し、「妊娠中はリチウム治療を中止した妊婦が多いため、先天性奇形への影響は不明である。副甲状腺機能亢進症のリスクが高いことは一貫性のある結果であり、治療前や治療中に血中カルシウム濃度の検査を行うべきである」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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小児重症肺炎、地域の女性医療ワーカーによる診断と抗菌薬投与が有効

パキスタン農村部地域の女性医療ワーカー(LHW)は、小児重症肺炎の自宅での診断および治療において、十分な役割を果たし得ることが、パキスタン・Aga Khan大学のSajid Soofi氏らの調査で示された。肺炎は世界的に5歳未満の小児の主要な罹病および死亡の原因である。パキスタンでは、肺炎による死亡率は都市部に比べ医療施設が少ない農村部で高く、自宅で死亡する患児が多いという。Lancet誌2012年2月25日号(オンライン版2012年1月27日号)掲載の報告。女性医療ワーカーによる重症肺炎管理の有用性を評価研究グループは、重症肺炎の管理において、地域の医療従事者による経口抗菌薬投与が小児の自宅での死亡率の抑制に有効か否かを検証するために、パキスタン・シンド州の農村地域であるMatiari地区でクラスター無作為化試験を実施した。地域の女性医療ワーカー(LHW)が、肺炎(WHO定義)が疑われる介入群の小児のスクリーニングを行い、重症肺炎と診断した小児には自宅でアモキシシリンシロップ(90mg/kg、1日2回;商品名:クラバモックス)を5日間経口投与した。対照群の小児には、コトリモキサゾール(ST合剤)を1回経口投与したうえで、近隣の医療施設に入院させて抗菌薬を静注投与した。両群ともに、第2、3、6、14日目にLHWが小児の自宅を訪問してフォローアップを行った。主要評価項目は、登録後6日目までに発生した治療不成功とした。18の地区(クラスター)を介入群あるいは対照群に無作為に割り付けた。治療不成功率:介入群8%、対照群13%2008年2月13日~2010年3月15日までに、生後2~59ヵ月の小児が登録された。介入群は2,341例(年齢中央値13ヵ月、男児56%)が、対照群は2,069例(同:10ヵ月、55%)が解析の対象となった。治療不成功率は、介入群が8%(187/2,341例)、対照群は13%(273/2,069例)だった。調整済みリスク差は-5.2%(95%信頼区間:-13.7~3.3%)であった。第6日目までに2例が死亡し、第7~14日の間に1例が死亡した。重篤な有害事象は確認されなかった。著者は、「パキスタン農村部の小児重症肺炎の自宅での診断および治療において、地域のLHWは十分な役割を果たすことができた」と結論づけ、「この戦略は、医療施設への紹介が困難な環境にある重症肺炎患児に対し有用であり、小児肺炎の発見や管理の鍵となると考えられる」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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大腸内視鏡的ポリープ切除、大腸がん死亡を長期に予防

大腸腺腫性ポリープの内視鏡的切除は、長期的に大腸がんによる死亡を予防し得ることが示された。米国・マウントサイナイ医療センターのAnn G. Zauber氏らが、全米ポリープ研究(National Polyp Study;NPS)の被験者を23年にわたり前向きに追跡し、内視鏡的ポリープ切除が大腸がん死亡に与える長期的な影響について解析した結果による。NEJM誌2012年2月23日号掲載報告より。NPS参加者を23年間前向きに追跡研究グループは、1980~1990年の間に、NPS参加医療施設で初回大腸内視鏡検査を受け、ポリープ(腺腫性と非腺腫性)が認められたすべての患者を解析の対象とした。死亡の確認と死因の判定はNational Death Indexに基づいて行われ、フォローアップは23年間に及んだ。解析は、腺腫性ポリープを除去した患者の大腸がん死亡率について、一般集団における大腸がん発生率に基づく期待死亡率[SEER(Surveillance Epidemiology and End Results)プログラムで推定]、および非腺腫性ポリープ患者(内部対照群)の観察から推定された大腸がん死亡率と比較した。内視鏡的ポリープ切除で大腸がん死亡率は53%低下本研究への参加期間中に腺腫を除去したのは2,602例で、そのうち中央値15.8年後に、1,246例は何らかの原因によって死亡しており、大腸がんで死亡したのは12例だった。一方、一般集団の大腸がんによる死亡は推定25.4で、大腸内視鏡的ポリープ切除による発生率ベースの標準化死亡指数は0.47(95%信頼区間:0.26~0.80)であり、死亡率の53%低下が示唆された。ポリープ切除後の当初10年間の大腸がん死亡率は、腺腫性ポリープ患者と非腺腫性ポリープ患者とで同程度だった(相対リスク:1.2、95%信頼区間:0.1~10.6)。(朝田哲明:医療ライター)

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大腸がんスクリーニングとしての内視鏡検査vs.FIT:中間報告

大腸がんは世界的にみると3番目に頻度の高いがんであり、2番目に主要ながん関連死の原因である。いくつかの研究で、大腸がんスクリーニングは、平均的リスク集団では効果的で費用対効果に優れていることが示され、スクリーニング戦略として推奨されるのは、検便検査と組織検査の2つのカテゴリーに集約されている。そうした中、スペイン・ウニベルシタリオ・デ・カナリア病院のEnrique Quintero氏らは、便免疫化学検査(FIT)が、他のスクリーニング戦略より有効でコストもかさまない可能性が示唆されたことを受け、内視鏡検査に非劣性であると仮定し無作為化試験を行った。NEJM誌2012年2月23日号掲載報告より。5万3,000例余りを10年間追跡研究グループは、症状のない50~69歳の成人を対象とした無作為化対照試験で、1回の大腸内視鏡検査を実施された被験者(2万6,703例)と、2年ごとにFITを実施された被験者(2万6,599例)について、10年後の大腸がんによる死亡を主要評価項目として比較を行った。本報告は中間報告で、基線スクリーニングの終了時点における参加率、診断所見、重大な合併症の発生率が示された。研究結果は、intention-to-screenを受けた集団とas-screenedを受けた集団それぞれの分析が示された。大腸がんの発見率は両群で同程度結果、参加率は、FIT群のほうが内視鏡群より高かった(34.2%対24.6%、P

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成人への肺炎球菌ワクチン接種、23価よりも13価のほうが費用対効果が大きい

 成人への肺炎球菌ワクチン接種に関して、13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)と23価肺炎球菌多糖体ワクチン(PPSV23)との費用対効果について比較した結果、PCV13接種に高い費用対効果があることが報告された。ただし報告では、前提条件次第で逆転もあり得ることも示されている。米国・ピッツバーグ医科大学のKenneth J. Smith氏らが、50歳成人の仮定コホート群を対象として行った解析の結果で、JAMA誌2012年2月22・29日号で発表した。同種の検討はこれまで行われていなかった。65歳でPCV13接種、2万8,900ドル/QALYとPPSV23接種より費用対効果が大きい 研究グループは、米国人50歳の仮定コホートを用いて、PCV13接種とPPSV23接種についての費用対効果についてシミュレーションを行った。 ワクチン戦略と推定される有効性については、デルフォイ専門家委員会によって呈された。乳幼児へのPCV13ワクチン接種による間接的な(集団免疫)効果は、PCV7で観察された効果に基づいて推定された。 モデル・パラメータのためのデータ・ソースには、疾病管理予防センター(CDC)Active Bacterial Coreサーベイランス、国立病院Discharge Survey、全国入院患者標本データと国民健康保険Interview Surveyが含まれていた。 主要アウトカムは、予防できた肺炎件数と、質で調整した生存年数(QALY)増加にかかる費用だった。 結果、現行推奨基準(例えば65歳時のワクチン接種、共存症がある場合はそれより低年齢でのワクチン接種)のPPSV23接種に代わってPCV13を接種した場合のQALY獲得にかかる費用は、全く接種しない場合との比較で、2万8,900ドルで、PPSV23接種戦略(同3万4,600ドル)よりも費用対効果に優れていた。PCV13の非菌血性肺炎球菌肺炎への有効性など、前提を変えることで結果は逆転も また、50歳と65歳でPCV13を接種した場合のQALY獲得にかかる費用は、PPSV23接種に代わってPCV13を接種した場合との比較で、4万5,100ドルだった。さらに、50歳と65歳でPCV13を接種した上で、75歳でPPSV23を接種した場合のQALY獲得にかかる費用は49万6,000ドルだった。 Smith氏は、「費用対効果の絶対基準はないが、一般的にQALY獲得の介入コストが2万ドル未満なら採用エビデンスは強いとみなされ、2万~10万ドルなら中等度、10万ドル以上なら弱いとみなされている」と述べている。 一方こうした結果は、感受性解析でも強固であったが、前提となる、PCV13の非菌血性肺炎球菌性肺炎に対する有効性を下げたり、乳幼児へのワクチン接種による集団免疫効果を上げれば逆転した。その場合は、現行推奨されるPPSV23接種のほうが、費用対効果が高かった。

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無細胞百日咳を含む混合ワクチンの熱性痙攣リスク、てんかんリスクは?

ジフテリア・破傷風・無細胞百日咳/ポリオ/ヘモフィルスインフルエンザb型菌(DTaP-IPV-Hib)混合ワクチンの接種後リスクについて、接種当日の熱性痙攣のリスクが、3ヵ月齢での接種第1回目、5ヵ月齢での接種第2回目当日のリスクは4~6倍に増大することが報告された。しかし、絶対リスクは小さく、てんかんのリスクについては増大は認められなかった。デンマーク・Aarhus大学のYuelian Sun氏らが、約38万人の乳幼児について行ったコホート試験の結果、明らかにしたもので、JAMA誌2012年2月22・29日号で発表した。これまで、全細胞百日咳ワクチンは熱性痙攣リスクを増大することが知られていたが、無細胞百日咳ワクチンについての同リスクとの関連は明らかではなかった。ワクチン接種後の熱性痙攣リスクと初回接種後てんかんリスクを評価研究グループは、デンマークで2003年1月1日~2008年12月31日に生まれた37万8,834人を対象に、2009年末まで追跡調査を行った。主要アウトカムは、生後3ヵ月、5ヵ月、12ヵ月で接種されるDTaP-IPV-Hibワクチン接種後7日以内(0、1~3、4~7日)の熱性痙攣発症と、初回ワクチン接種後のてんかんの発症(ハザード比)についてであった。自己対照ケースシリーズ法(SCCS)を用いて、相対罹患率を割り出した。結果、被験者のうち、生後18ヵ月以内に熱性痙攣を発症したのは7,811人だった。そのうち初回ワクチン接種後7日以内に発症したのは17人(0.8人/10万人・日)、第2回接種後の同発症は32人(1.3人/10万人・日)、第3回接種後の同発症は201人(8.5人/10万人・日)だった。初回ワクチン接種当日の熱性痙攣リスクは6倍、第2回接種当日の同リスクは4倍に全体として、ワクチンの1~3回接種後7日以内の熱性痙攣発症リスクは、参照コホートと比べて有意な増大は認められなかった。しかし、初回ワクチン接種当日(ハザード比:6.02、95%信頼区間:2.86~12.65)、第2回接種当日(同:3.94、2.18~7.10)で同リスクは有意に増大することが認められた。ただし、第3回接種当日の同発症リスクの増大はみられなかった。SCCSによる分析結果も、同様だった。てんかんの発症については、7年間の追跡調査期間中、ワクチン非接種群で131人、ワクチン接種群で2,117人の発症が認められた。ワクチン接種後3~15ヵ月に、てんかんであると診断されたのは813人(1,000人・年当たり2.4)、その後に診断されたのは1,304人(同1.3)だった。接種群と非接種群との比較で、てんかん発症リスクは、ワクチン接種後3~15ヵ月では低く(ハザード比:0.63、95%信頼区間:0.50~0.79)、その後は同等だった(同:1.01、0.66~1.56)。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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治療を完遂したがん患者、運動によりQOLが改善

治療を終えたがん患者では、運動によってQOLの改善を含め種々の好ましい効果が得られることが、中国・香港大学のDaniel Y T Fong氏らの検討で示された。がんサバイバー(cancer survivor)は、治療終了後に診断前と同等の生活を期待するが、治療の影響で疲労感が増大したり、身体活動性やQOLが低下することが多い。がん治療を完遂した患者における運動の効果に関する最近のメタ解析では、試験の不均一性の増大が指摘されており、その原因は異なるドメインあるいは異なる方法でアウトカムを評価した試験が混在しているためだという。BMJ誌2012年2月18日号(オンライン版2012年1月31日号)掲載の報告。治療を終えたがん患者における運動の効果を評価研究グループは、がん治療を完遂した成人がん患者における運動の効果を評価するために、無作為化対照比較試験のメタ解析を行った。2名の研究者が別個に、データベース(CINAHL、Google Scholar)を検索し、メタ解析や総説の文献を調査して、試験データの抽出と試験の質の評価を行った。対象は、ホルモン療法を除くがん治療を受けた成人患者における運動の効果を評価した無作為化対照比較試験であった。34試験を解析、22試験は乳がん患者が対象34の無作為化対照比較試験が解析の対象となり、そのうち22試験(65%)が乳がん患者に関するものであった。多くが有酸素運動の効果を評価した試験で、筋力トレーニングを加えた試験もあった。運動期間(中央値)は13週(3~60週)で、多くの試験が無運動群を対照群としていた。乳がん患者の試験では、運動によりインスリン様成長因子(IGF)-1、ベンチプレス、レッグプレス、疲労、うつ状態、QOLの改善が得られた。他の種の試験を統合すると、体格指数(BMI)、体重、最大酸素消費量、最大パワー出力、6分間歩行距離、右手握力、QOLの有意な改善効果が認められた。試験の不均一性の原因としては、年齢、試験の質、試験の規模、運動のタイプや期間が考えられた。本研究の結論には出版バイアスの影響はなかった。著者は、「運動は、治療を終えた乳がん患者の生理機能、身体組成、身体機能、心理的なアウトカム、QOLに良好な効果を示した。乳がん以外のがん患者でも、運動はBMIや体重の減少などとともにQOLを改善し、好ましい効果が確認された」とまとめている。(菅野守:医学ライター)

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医学ジャーナルのプレスリリースは、新聞報道に影響するか?

医学ジャーナルが特定の論文について発表したプレスリリースの質が高い場合は、それを報じる新聞記事の質も高くなるが、プレスリリースの質が低ければ関連新聞記事の質も低下することが、米在郷軍人局医療センターのLisa M Schwartz氏らの調査で明らかとなった。医学ジャーナルが発行するプレスリリースには質のばらつきがみられ、重要な要素が除外されたり、試験の重大な限界を伝えていないことが多いという。これらのプレスリリースが、新聞報道の質に及ぼす影響は不明であった。BMJ誌2012年2月18日号(オンライン版2012年1月27日号)掲載の報告。プレスリリースが新聞記事の質に及ぼす影響を後ろ向きに評価研究グループは、医学ジャーナルによるプレスリリースの質が、新聞の関連記事の質に及ぼす影響を評価するために、レトロスペクティブなコホート試験を実施した。医学ジャーナル主要5誌(Annals of Internal Medicine、BMJ、Journal of the National Cancer Institute、JAMA、New England Journal of Medicine)を2009年1月号から順に古い号へとレビューし、アウトカムの定量化が可能で、新聞で報道(100語以上の独自記事)された最新の原著論文100編を抽出した。オンラインデータベース(Lexis Nexis、Factiva)を検索して759本の新聞記事を同定し、Eurekalertと当該ジャーナルのウェブサイトを検索して68本のプレスリリースを抽出した。2名の研究者が別個に、論文、プレスリリース、関連新聞記事のサンプル(343本)の質の評価を行った。プレスリリース発表論文の新聞掲載率は71%1編の論文に関する新聞記事数の中央値は3本(1~72)であった。解析の対象となった新聞記事343本のうち、71%は医学ジャーナルがプレスリリースを発表した論文に関するものだった。絶対リスクを明示した主要結果を掲載した記事は、プレスリリースにその情報がない場合は9%、それがある場合は53%で(相対リスク:6.0、95%信頼区間:2.3~15.4)、プレスリリースそのものがない場合は20%であった(同:2.2、0.83~6.1)。記事の39%(133本)は有益な介入に関する研究を報じるものだった。プレスリリースが有害性に触れていない場合でもそれを報じた記事は24%で、プレスリリースが触れている場合は68%が有害性を報じており(相対リスク:2.8、95%信頼区間:1.1~7.4)、プレスリリースがない場合は36%であった(同:1.5、0.49~4.4)。研究に重大な限界がある場合にそれを報じた記事は75%(256本)であった。プレスリリースがそれに触れていなくても限界について報じた記事は16%、プレスリリースが触れていれば48%が報じていて(相対リスク:3.0、95%信頼区間:1.5~6.2)、プレスリリースが発表されていなくても限界を記載したのは21%だった(同:1.3、0.50~3.6)。これらの結果から、著者は「医学ジャーナルが発表した質の高いプレスリリースは関連新聞記事の質を高め、プレスリリースの質が低ければ新聞記事の質も低下すると考えられる」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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人工妊娠中絶は世界的に低下、危険な中絶は増加傾向に

最近の人工妊娠中絶の世界的な傾向として、1995年以降に観察された中絶率が実質的に低下した状態が、現在まで継続しているものの、危険な中絶は増加していることが、米国・Guttmacher研究所のGilda Sedgh氏らの調査で明らかとなった。妊産婦の健康増進(ミレニアム開発目標5)や家族計画の利用状況を評価するには、妊娠中絶の発生率やその傾向に関するデータが必要となる。また、中絶を取り巻く議論の一つに、中絶を制限する法律が、果たして女性を中絶から救出し得るかという問題がある。Lancet誌2012年2月18日号(オンライン版2012年1月19日号)掲載の報告。1995~2008年の人工妊娠中絶の世界的な傾向を調査研究グループは、1995~2008年の人工妊娠中絶の世界的な傾向について調査した。「危険な中絶」は標準的なWHOの定義で判定し、各国の公式統計や調査データに基づいて安全な中絶の推定値を算出した。危険な中絶は、主に公表された試験結果、病院記録、女性を対象とした調査の情報に基づいて推算した。データが誤っていたり、不完全な場合や古い場合には、必要に応じて付加的な情報源などを利用して修正や予測を行った。1995年、2003年、2008年に同じ方法で算出された数値を用いて中絶の傾向を評価した。線形回帰モデルで、中絶の法的な位置づけと2008年の世界各地の中絶率の関連について解析した。進歩的な中絶法を擁する地域で中絶率が有意に低い15~44歳の女性1,000人当たりの中絶件数は、1995年の35件から減少期に入り、2003年は29件、2008年は28件と世界的に安定していた。中絶率の年間変化率の平均値は、1995~2003年が約2.4%、2003~2008年は0.3%と小さかった。1995年の世界の人工妊娠中絶の44%が危険な中絶であったのに対し、2008年は49%に上昇していた。2008年は、妊娠5件当たり約1件の頻度で中絶が行われていた。中絶率は、進歩的な中絶法を擁する地域で有意に低かった(p<0.05)。著者は、「1995年以降に観察された中絶率が実質的に低下した状態が、現在まで継続しており、危険な中絶は増加していた。中絶を制限する法律が中絶率の低下には結びつかないことが示された」とまとめ、「家族計画サービスや安全な中絶のためのケアへの出資など、望まない妊娠や危険な中絶を抑制するための対策が、『ミレニアム開発目標5』の達成に向けた重要なステップとなる」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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高用量抗ウイルス薬治療、HSV-2再活性化の抑制効果は不十分

単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)は、高用量抗ウイルス薬治療中にも潜在性の再活性化を認めることが、米国・ワシントン大学のChristine Johnston氏らの検討で示された。同氏は「HSV感染の除去には、より強力な抗ウイルス薬治療を要する」と指摘している。HSV-2感染は世界的に蔓延し、HIV-1感染リスクを増大させることが示されている。抗ウイルス薬の連日投与は性器病変を減少させ、性器粘膜表面へのHSV排出を抑制するが、性感染リスクの改善効果は十分ではないという。Lancet誌2012年2月18日号(オンライン版2012年1月5日号)掲載の報告。3つの相補的試験でウイルス排出を評価研究グループは、標準用量および高用量の抗ウイルス薬治療によるHSV-2ウイルス排出頻度の低減効果を評価するために、3つの非盲検無作為化クロスオーバー試験のデータを解析した。ワシントン大学ウイルス学研究クリニックでHSV-2の血清反応陽性/陰性者を登録し、3つの相補的なクロスオーバー試験を実施した。1)無治療とアシクロビル(商品名:ゾビラックスなど)400mg×2回/日(標準用量)の比較、2)バラシクロビル(商品名:バルトレックス)500mg/日(標準用量)とアシクロビル800mg×3回/日(高用量)の比較、3)標準用量バラシクロビルとバラシクロビル1g×3回/日(高用量)を比較した。試験期間は4~7週で、wash-out期間は1週間とした。性器スワブを1日4回採取し、real-time PCR法でHSV DNAを定量。検査室要員には臨床データがマスクされた。主要評価項目は、個人内ウイルス排出率とし、per protocol解析を行った。再活性化は高用量群で低いが十分でない2006年11月~2010年7月までに113例が登録され90例が評価可能であった。採取された2万3,605スワブのうち1,272例(5.4%)がHSV陽性だった。HSV-2ウイルス排出頻度は、無治療群が18.1%と標準用量アシクロビル群の1.2%に比べ有意に高かった(罹患率比[IRR]:0.05、95%信頼区間[CI]:0.03~0.08)。高用量アシクロビル群のウイルス排出頻度は4.2%と、標準用量バラシクロビル群の4.5%よりも低かった(IRR:0.79、95%CI:0.63~1.00)。高用量バラシクロビル群は3.3%と、標準用量バラシクロビル群の5.8%よりも低頻度だった(IRR:0.54、95%CI:0.44~0.66)。人・年当たりのウイルス排出頻度は、標準用量バラシクロビル群(22.6)と高用量アシクロビル群(20.2)、標準用量バラシクロビル群(14.9)と高用量バラシクロビル群(16.5)の比較では両群で同等だった(それぞれ、p=0.54、p=0.34)が、無治療群(28.7)と標準用量アシクロビル群(10.0)には有意な差が認められた(p=0.001)。ウイルス排出期間中央値は、無治療群が13時間と標準用量アシクロビル群の7時間よりも長く(p=0.01)、標準用量バラシクロビル群は10時間と高用量バラシクロビル群の7時間に比べ長かった(0=0.03)。一方、標準用量バラシクロビル群(8時間)と高用量アシクロビル群(8時間)には差を認めなかった(p=0.23)。HSVのlog10コピー数/mLにも同様の傾向が認められた。著者は、「高用量抗ウイルス薬治療中にも潜在性のHSVの再活性化が認められた。HSV感染の除去には、より強力な抗ウイルス薬治療を要する」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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