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過去50年間の戦死者数は公表データの3倍以上?

戦争による死者数は、公式に発表されている数よりも実際にははるかに多いといわれている。ワシントン大学のZiad Obermeyer氏らの研究グループは、公衆衛生の統計手法を用いて、1960年代のベトナム戦争から2000年代のボスニア・ヘルツェゴビナ紛争に至る、過去50年間の戦死者の正確な推計値を導き出した。BMJ誌2008年6月28日号(オンライン版2008年6月19日号)掲載より。公衆衛生の手法を用いて戦死者数を割り出す死亡率に関する調査データ分析では、抽出や検閲によるバイアスが起きやすいため、一般的な調査に用いられる、公衆衛生における健康度測定(WHS)のためにデザインされた手法――1世帯から回答者を1人選び、家族の全原因死亡を聞く――が用いられた。得られた推計死亡数を、ウプサラ大学/平和研究所(PRIO)の共同調査データベースにある推計値と比較し、より正確な推計値を導き出す作業が行われた。集められたデータは、2002~2003年に行われたWHSで、その死が戦傷によるものかどうかを含めて、各世帯から家族の死亡に関するデータが集められた。主要評価項目は、13ヵ国の50年間の戦争による推計死亡数。13ヵ国で約540万人1955年から2002年までの調査に基づくデータから、13ヵ国で約540万人の戦死者数(95%信頼区間:300 ~870万人)が導き出された。最少はコンゴ民主共和国の7,000人、最多はベトナムの380万人。直近となる1995年~2002年の調査データからは、調査対象13ヵ国の戦死者数は毎年36,000人(95%信頼区間:16,000~71,000人)であることが示された。一方、ウプサラ/PRIOの調査データでは、このわずか3分の1の数しか示されなかった。WHSのデータとの照合が可能な直近10年となる1985~1994年の全世界の戦死者数は、毎年378,000人と推計された。Obermeyer氏は「平時における家族の既往歴に関する調査データを用いることで、戦争による死亡率を過去にさかのぼって推計することができる」と述べるとともに、「戦争による死者はこれまで推計されていたよりもはるかに多く、また近年は戦死者数が減少しているとの説もあるが全く根拠がない」と結論している。

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α遮断薬の投与によって治療中の高血圧症例の尿中アルブミンが減少する

自治医科大学循環器科の苅尾七臣氏(=写真)らは、治療中の高血圧症患者に対するα遮断薬ドキサゾシンの就寝前投与によって、尿中アルブミン/クレアチニン比(urinary albumin/creatinine ratio、以下UAR)の有意な減少が認められたことをJournal of Hypertension誌6月号に発表した1)。これは厳格な早朝高血圧管理が臓器障害の発症抑制に及ぼす影響を検討することを目的としたJapan Morning Surge-1(JMS-1)試験より得られた結果で、α遮断薬の投与によって微量アルブミン尿が減少することを無作為化比較試験において証明した。以下、本試験の概要とこれまで得られていた知見を踏まえてレビューする。600例を越える治療中の高血圧症例を対象とした無作為化比較試験JMS-1試験では治療中の高血圧症患者611例がドキサゾシン群と対照群とに無作為に割り付けられ、6ヵ月後の血圧値(外来血圧、早朝血圧、就寝前血圧)とUARが評価された。ドキサゾシンは1~4mg/日を就寝前に投与された。対象の3人に2人はCa拮抗薬(ドキサゾシン群:66.6%、対照群:65.6%)が、約6割にARB(ドキサゾシン群:60.3%、対照群:57.5%)、約2割に利尿薬が投与されていた。また、約15%が糖尿病を合併しており(ドキサゾシン群:15.3%、対照群:16.5%)、238例(対象の39.0%)に微量アルブミン尿(UAR:30-300 mg/gCr)が認められた。ドキサゾシンの追加投与によって治療中の高血圧症例の血圧が有意に低下ドキサゾシンの投与によって試験期間中を通じて血圧値は対照群より低値でコントロールされ、6ヵ月後におけるドキサゾシン群と対照群の血圧差は、外来血圧で8.7/7.5mmHg、早朝血圧で8.9/6.0mmHg、就寝前血圧で4.8/4.0mmHgであり、いずれも有意な差を認めた。ドキサゾシンの投与によって尿中アルブミン/クレアチニン値が有意に減少UARはドキサゾシンの投与によって3.4mg/gCr減少し、対照群に比べて有意な差が認められた(p

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CKD死亡率1.83倍、心血管疾患罹患率2倍:台湾大規模コホート研究

台湾では、慢性腎臓病(CKD)とそれに起因する全死亡の発生率が、特に社会経済的な地位が低い人口層で高く、その低減が公衆衛生学的な優先課題であることが、国立健康研究所健康政策研究開発センターのChi Pang Wen氏らが実施したプロスペクティブな大規模コホート研究で明らかとなった。末期腎臓病、CKDともに世界的な規模で増加しているが、CKDの5つの病期ごとの死亡リスクが明確でないためその影響の全貌は不明だという。Lancet誌2008年6月28日号掲載の報告。46万人以上を対象としたプロスペクティブなコホート研究研究グループは、台湾におけるCKDの全病期ごとの発生率および死亡率を評価し、CKDに起因する全死亡を定量化した。対象は、1994年に開始された標準的医学スクリーニングプログラムに参加した20歳以上の成人46万2,293人。2006年12月31日の時点で1万4,436人が死亡していた。CKDは糸球体濾過率(GFR)および尿蛋白で定義し、年齢および教育水準で補正したコホートにおいて台湾の全国的な発生率を評価した。ハザード比はCox比例ハザードモデルを用いて推算し、CKDに起因する死亡率を全国民および社会経済的な地位が低い人口層について算出した。全人口の10.3%がCKDで死亡、CKDの39%が65歳以前に死亡全国的なCKDの発生率は11.93%(95%信頼区間:11.66~12.28%)であったが、CKDを自覚していたのは参加者の3.54%(95%信頼区間:3.37~3.68%)にすぎなかった。社会経済的な地位が高い人口層に比べ、低い層でCKD発生率が実質的に高かった(19.87% vs. 7.33%)。CKD患者数は5万6,977人であった。観察期間13年、フォローアップ期間中央値7.5年におけるCKD患者の全死亡率は非CKDに比べ83%高く(ハザード比:1.83、95%信頼区間:1.73~1.93)、心血管疾患の罹患率は100%高かった(ハザード比:2.00、95%信頼区間:1.78~2.25)。全人口の10.3%がCKDで死亡していたが、社会経済的な地位の低い人口層のCKDによる死亡率は17.5%であった。CKD患者のうち、2,350人(39%)が65歳以前に死亡していた。漢方薬常用者はCKDの発症リスクが非使用者に比べ20%上昇していた(ハザード比:1.20、95%信頼区間:1.16~1.24)。Wen氏は、「台湾では、CKDとそれに起因する全死亡の発生率が、特に社会経済的な地位が低い人口層で高いため、CKDの低減が公衆衛生学的な優先課題である」と結論、「早世を減らし、CKDの世界的まん延に歯止めをかけるには、自分のGFRを知ることと尿検査の受診に関する社会的な認識を高めることが重要」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

32904.

ヘロイン依存症の治療にブプレノルフィン維持療法が有効

 ヘロイン依存症の治療では、ナルトレキソンよりもブプレノルフィン(商品名:レペタン)の維持療法が有効なことが、イエール大学医学部精神科のRichard S Schottenfeld氏らがマレーシアで行った無作為化試験によって明らかとなった。ヘロイン依存症の効果的な治療法へのアクセス拡大は、HIV感染の低減の面からも医療上の世界的な優先課題とされる。Lancet誌2008年6月28日号掲載の報告。ナルトレキソン、ブプレノルフィン、プラセボを比較する無作為化試験研究グループは、ヘロイン離脱の維持、ヘロイン依存の再発予防、HIV感染リスク行動の低減に向けて解毒治療および薬物カウンセリングを受けているマレーシア人の患者を対象に、ナルトレキソン、ブプレノルフィン、追加治療なしの群の効果を比較する二重盲検プラセボ対照無作為化試験を実施した。ヘロイン依存症患者126例が、24週のマニュアルによる薬物カウンセリングに加えナルトレキソン維持療法を施行する群(43例)、ブプレノルフィンを投与する群(44例)、プラセボ群(39例)に無作為に割り付けられた。薬剤は二重盲検、二重ダミーバイアス法に基づいて投与された。主要評価項目は、治療6ヵ月における初回ヘロイン使用までの日数、ヘロイン再使用(尿検査で3回連続陽性)までの日数、ヘロイン離脱の最長継続日数、HIV感染リスク行動の低減とし、週3回の尿検査が行われた。本試験は、中間解析の安全性評価でブプレノルフィン群の有意な有用性が確認されたため、22ヵ月で登録が中止された。ブプレノルフィン維持療法は優れた公衆衛生学的アプローチ初回ヘロイン使用までの日数(p=0.0009)、ヘロイン再使用までの日数(p=0.009)、最長ヘロイン離脱継続日数(p=0.0007)はブプレノルフィン群が最も優れ、プラセボ群が最も劣っていた。ブプレノルフィン群は、初回ヘロイン使用までの日数がナルトレキソン群(ハザード比:1.87、95%信頼区間:1.21~2.88)およびプラセボ群(ハザード比:2.02、95%信頼区間:1.29~3.16)よりも有意に長かった。ブプレノルフィン群は、ヘロイン再使用までの日数(ハザード比:2.17、95%信頼区間:1.38~3.42)、最長ヘロイン離脱継続日数(平均日数:59日 vs. 24日、p=0.003)がプラセボ群よりも有意に長かったが、ナルトレキソン群との間には有意差を認めなかった。ナルトレキソン群とプラセボ群の間には、いずれの項目にも有意な差は見られなかった。HIV感染リスク行動は3群ともがベースラインに比べ有意に低下した(p=0.003)が、3群間に有意な差は認めなかった。「これらの知見は、ヘロイン依存症に関連する問題を効果的に低減させる公衆衛生学的なアプローチとして、ブプレノルフィン維持療法を広く普及させるのに役立つ」と、著者は結論している。(菅野守:医学ライター)

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広がる「がん診療と心のケア」への要求に 精神腫瘍学の学会推薦講師の全国リスト

サイコオンコロジー学会は、ホームページ上に学会推薦講師(精神腫瘍学)のリストを公開した。同推薦講師は学会世話人、研修会受講経験医師から構成され学会推薦の条件を備えた腫瘍精神学の専門家。推薦講師は、現在全国展開している「がん診療に携わる医師10万人に対する緩和ケア研修会」で、3分の1の時間を占める「心とコミュニケーション」を担当、オファーされた研修会にいって講師を行う。内容は、痛み・気持ちのつらさ・せん妄への対応、コミュニケーションスキルなどからなる。がん患者さんの精神疾患の合併率は高く、末期では5割近くに精神疾患の診断がつくと報告されている。また、精神的な障害が治療方針の混乱、化学療法の障害を招くこともある。サイコオンコロジー学会代表世話人の内富庸介氏(国立がんセンター東病院精神腫瘍学開発部)は、精神的な苦痛(ストレス)も痛みなど身体的な苦痛も不快なものとして脳の同じ部位で認識される。そのため、精神的苦痛と身体的苦痛は相互に影響しており、抗がん剤開始の不安から吐き気が増幅するという現象がみられるのも、その関係が考えられるという。内富氏はまた、がん診療医側もがん患者さんへの告知、特に治療終了の告知に大きな精神的負担を感じていると述べた。同時にがん患者さんと医師など医療提供者との意識のずれを指摘した。がん患者さんのメンタル面のケアと同時にコミュニケーションスキル向上という、実践的な観点から拡大する「がん診療と心のケア」へ新たな支援といえるであろう。(ケアネット 細田雅之)

32906.

人工股関節置換後の血栓予防にはrivaroxabanがエノキサパリンより有効

スウェーデン・Sahlgrenska大学病院のBengt I. Erikssonらが参加した抗凝固剤rivaroxaban(経口直接作用型第Xa因子阻害剤)の国際共同第III相臨床試験RECORD 1の検討結果。人工股関節全置換術を受けた患者の長期的な血栓予防について、有効性と安全性をエノキサパリン皮下注(国内販売名:クレキサン皮下注、2008年1月承認)とを比較した結果、安全性は同等で、rivaroxabanのほうが有効であると報告している。NEJM誌2008年6月26日号より。4,541例を治験薬経口投与と対照薬皮下注射に割り付け本無作為化二重盲検試験は、患者4,541例を、rivaroxaban 10mgを1日1回・術後から経口投与するグループと、エノキサパリン40mgを1日1回・手術前日夕方から皮下注するグループとに割り付け、プラセボ錠剤か注射を追加投与した。有効性の主要転帰は、深部静脈血栓症(症候性または、両側静脈造影で検出された無症候性のもの)、非致死的肺塞栓症、36日時点(範囲30~42日)での全死因死亡の複合とした。有効性の副次的転帰は、主要静脈血栓塞栓症(近位深部静脈血栓症、非致死的肺塞栓症または静脈血栓塞栓症による死亡)とした。安全性に関する主要転帰は重大な出血。静脈血栓塞栓症のリスクは1.7ポイント低下被験者のうち1,388例を除外した計3,153例については優位性解析を、108例を除外した4,433例について安全性解析を行った。その結果、rivaroxaban群1,595例中18例(1.1%)、エノキサパリン群1,558例中58例(3.7%)でそれぞれ有効性についての主要転帰が確認された(絶対リスク低下:2.6ポイント、95%信頼区間:1.5~3.7、P

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マルファン症候群の大動脈起始部拡張にはARBが抑制効果

 先天性の遺伝子疾患マルファン症候群において、進行性の大動脈起始部拡張は大動脈解離につながり、患者の若年死の主因となっている。そのマルファン症候群のマウス研究で、大動脈起始部拡張がトランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)の過剰な情報伝達に起因し、TGF-β拮抗剤であるアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)などによる治療で緩和可能なことが示されたことを受け、ジョンズ・ホプキンス医科大学のBenjamin S. Brooke氏らは、マルファン症候群の患児でARBの臨床効果を評価。結果、大動脈起始部拡張の進行を遅らせる効果があると報告した。NEJM誌2008年6月26日号より。他の薬物療法が奏功しなかった患児18例を追跡 重度の進行性大動脈起始部拡張を抑制するため、それまでに他の薬剤による治療が奏効しなかった14ヵ月~16歳の患児18例を同定し、2003年11月~2006年5月の間にARB治療を開始して、12~47ヵ月間の治療期間中、追跡調査を行った。 投与したARBは、17例がロサルタン、1例がイルベサルタンだった。ARBによる治療を開始する前後の大動脈起始部直径の変化率を比較することで、有効性を評価した。大動脈起始部拡張の症状進行を有意に抑制 大動脈起始部直径の変化率の平均値は、直前の薬物療法期間中は年率3.54±2.87mmだったが、ARB治療期間中は年率 0.46±0.62mmへ有意に減少した(P

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高血圧管理にはインターネットによる薬剤師支援が有効

高血圧治療の進展は心血管系疾患の死亡率と身体機能障害を減少させはしたが、患者の大半はコントロール不十分な状態にいる。そこで米国・ワシントン大学のBeverly B. Green氏らは、薬剤師によるインターネットを利用した患者支援(血圧モニタリング、情報提供サービス)という新しいケアモデルを検討した。無作為化試験の結果、「インターネットによる薬剤師の管理は血圧管理を改善する」と報告している。JAMA誌2008年6月25日号より。25~75歳の参加者778例を約1年追跡本研究は「Chronic Care Model」に基づく3群無作為化試験「Electronic Communications and Home Blood Pressure Monitoring study」。対象は、ワシントン州で参加登録した、未治療の本態性高血圧でインターネット接続可能な25~75歳の参加者778例。2005年6月から2007年12月にかけて、ネット支援は患者専用ウェブサイトを利用して行われた。参加者は、一般的な治療を受けるグループ、自宅で血圧モニタリング+患者ウェブサイトを利用するグループ、自宅での血圧モニタリング+患者ウェブサイト利用+インターネットを通じた薬剤師の管理支援を受けるグループに、無作為に割り付けられた。主要評価項目は、血圧140~90mm Hg未満にコントロールできた患者比率と、12ヵ月間の収縮・拡張期血圧の変化とした。収縮期・拡張期血圧とも薬剤師管理群が改善778例のうち730例(94%)が、1年間の追跡調査を完了。正常血圧(140~90mm Hg未満)の比率は、通常ケア群の31%と比べ、在宅血圧モニタリング+ウェブ利用群は36%で、有意な上昇は確認されなかった(P=0.21)。しかし、在宅血圧モニタリング+ウェブ利用+薬剤師管理群は56%で、通常ケア群(P<0.001)、在宅血圧測定とウェブ利用群(P<0.001)と比べ高い改善が確認された。収縮期血圧は、通常ケア群→在宅血圧モニタリングとウェブ利用群→在宅血圧モニタリング+ウェブ利用・薬剤師管理群へと段階的に減少。拡張期血圧は、薬剤師管理のあった群でだけ減少した。ベースラインの収縮期血圧が160mm Hg以上で、在宅血圧モニタリング+ウェブ利用+薬剤師管理を受けた群は、通常ケア群より収縮期血圧で-13.2 mm Hg(P<0.001)、拡張期血圧で-4.6 mm Hg(P<0.001)と顕著な低下を達成し、血圧管理が改善した(相対リスク:3.32、P<0.001)。インターネットの専用患者ウェブサイトを通して行われる情報提供と薬剤師による管理は、高血圧患者の血圧改善に役立つと結論づけている。(朝田哲明:医療ライター)

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薬剤溶出ステントの2年後転帰はベアメタル・ステントより有利

薬剤溶出ステント(DES)はベアメタル・ステント(BMS)より再狭窄率を低下させるが、ステント血栓症リスクの増加にも関係するという懸念は依然として強い。米国・ダートマス大学医学部のDavid J. Malenka氏らは、DES認可前と認可後にステント留置術を受けた患者群について、それぞれ2年後の転帰を比較した結果、「DESは血管再生術再施行の必要性を低下させ、死亡率とST上昇心筋梗塞のリスクはBMSと同じである」と報告した。JAMA誌2008年6月25日号より。DES認可前後のメディケア受給者の転帰を比較本研究は、非緊急的な冠動脈ステント留置術を受けたメディケア受給者を対象に、DESの有効性について転帰を比較するために行われた。2003年4月以前は、米国FDAが認可しメディケアが適用されたのはBMSだけだったが、その後、DESが認可されて急速に普及した。このため、BMSだけを利用できた2002年10月~2003年3月(BMS期コホート)に治療を受けたメディケア受給者38,917例と、類似疾患の患者28,086例のうち61.5%はDES、38.5%がBMS留置術を受けた2003年9~12月(DES期コホート)を追跡調査した。主要評価項目は、冠動脈血管再生術(経皮的冠動脈介入、冠動脈バイパス術)、ST上昇型心筋梗塞、2年間の追跡調査中の生存とした。血管再生術再施行の必要性が有意に低下ステント留置から2年以内の経皮的冠動脈介入の再施行率を比較すると、BMS期に治療を受けた患者では20.0%、DES期の患者では17.1%だった(P<0.001)。同じく冠動脈バイパス施行率はBMS群4.2%に対してDES群は2.7%だった(P<0.01)。2つの時期における、血管再生術再施行の必要性の違いは、リスク補正後も有意差を保っていた(ハザード比:0.82、95%信頼区間:0.79~0.85)。2年後の時点で、BMS群とDES群の未補正死亡率に違いはなかった(8.4%対8.4%、P=0.98)が、ST上昇心筋梗塞はDES群がわずかに減少した(2.4%対2.0%、P<0.001)。同期時の補正死亡率とST上昇型心筋梗塞はどちらも類似していた(ハザード比:0.96、95%信頼区間:0.92~1.01)。Malenka氏は「ルーティンな診療におけるDESの広範な採用は、血管再生術再施行の必要性を低下させ、2年後の時点での死亡率またはST上昇型心筋梗塞のリスクはBMSと変わらない」と結論している。(朝田哲明:医療ライター)

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薬剤師からジェネリックの説明を受けた患者は11.1%

沢井製薬が行ったインターネット調査によると、本年4月以降に薬を処方・調剤された患者416名のうち、ジェネリック医薬品の処方依頼経験は13.2%で、「初めてジェネリックを処方・調剤された」患者はわずか4.1%だった。薬剤師からのジェネリック医薬品に関する説明有無を尋ねたところ、「(4月以降)薬剤師からジェネリック医薬品についての説明を受けた」患者は11.1%にとどまった。また、処方せん様式の変更を認知している患者は平均17.3%で、性別、年代別で見ると男性50~60代が最も高く、30%以上が変更を認知していたという。詳細はプレスリリースへhttp://www.sawai.co.jp/press/2008/20080626.html

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子宮頸がん予防ワクチンCervarixが英国の国民予防接種プログラムに組み入れられる

グラクソ・スミスクライン株式会社は、英国保健省が英国国民に対するヒトパピローマウイルス(以下:HPV)感染予防の予防接種プログラムのためのワクチンとして子宮頸がん予防ワクチンCervarixを選択したと発表した。子宮頸がんの原因の約70%となる発がん性HPVの2つの型の感染を予防することを目的とするこのプログラムは、2008年9月より12~13歳の女児を対象にワクチン接種が開始されている。次いで14歳から18歳までの女性を対象としたキャッチアップ・プログラムも今後2~3年の間に実施される。詳細はプレスリリースへhttp://glaxosmithkline.co.jp/press/press/2008_01/P1000490.html

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女性のためのED啓発サイトがオープン

ファイザー株式会社は、一般向けのED啓発ウェブサイト「ED-info.net ゆたかなカップルライフのために」をリニューアルし、女性のためのED情報コンテンツ「heart lounge(ハートラウンジ)http://www.ed-info.net/heartlounge/」を追加したと発表した。 「heart lounge(ハートラウンジ)」は、次の3つのコンテンツを公開している。 1)Report:女性が望む、性生活のカタチ2)Quiz:女性にも知ってほしい、EDの話3)Short Movie:Second Love(動画)詳細はプレスリリースへhttp://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2008/2008_07_01.html

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喘鳴が見られる幼児が将来、喘息を発症する予測因子が明らかに

喘鳴の見られる就学前の幼児が、将来、喘息をきたす可能性は、運動で誘発される喘鳴およびアトピー性疾患の既往という2つの因子で予測可能なことが、イギリスWythenshawe病院北西肺研究センター一般診療研究部のPeter I Frank氏らが実施した縦断的研究で明らかとなった。就学前の幼児の25~38%に喘鳴が見られるが、これらの幼児が将来、なんらかの肺疾患をきたす症候は明確でなかった。BMJ誌2008年6月21日号(オンライン版2008年6月16日号)掲載の報告。5歳未満の幼児を6年以上追跡した縦断的研究研究グループは、両親が喘鳴の有無を報告した就学前の児童を6~11年間追跡し、予後およびその重要な予測因子について検討した。本研究は、5つの縦断的な郵送質問票調査であり、1993~2004年に実施された喘息およびアレルギー疾患に関する国際研究に基づいている。Manchester市南部の2つのGP施設から登録された5歳未満の628人の幼児を、6年後以降にフォローアップした。主要評価項目は、親が質問票に記入した呼吸器症状のデータと、その随伴所見とした。「運動誘発性の喘鳴」「アトピー性疾患の既往」のみが有意な予測因子628人の幼児のうち、ベースライン時に両親から喘鳴の報告があったのは201人(32%)であり、そのうち27%が2回目の調査で症状(持続性喘息)を報告した。ベースライン時における持続性喘息の有力な予測因子は、運動によって誘発される喘鳴(オッズ比:3.94、95%信頼区間:1.72~9.00、p=0.001)およびアトピー性疾患の既往(4.44、1.94~10.13、p<0.001)のみであった。両予測因子の発現が見られる場合は、その53.2%が喘息を発症していた。一方の所見のみが見られる場合の喘息発症率は17.2%に低下したが、いずれの所見も認めない場合でも10.9%が喘息を発症していた。「男児」「喘息の家族歴」は、持続性喘息の予測因子ではなかった。Frank氏は、「ベースライン時の両親の報告による運動誘発性喘鳴およびアトピー性疾患の既往という2つの簡便な予測因子により、喘鳴が見られる就学前幼児が将来喘息をきたす確率を予測しうる」と結論し、「これらの知見は、医師、両親の双方にとって、将来の管理計画を立てるにあたり重要である」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

32914.

ボディピアスの実態:イギリス全国調査

イギリスでは特に若い成人女性で耳たぶ以外の身体部位へのピアス装着の頻度が高く、問題が多発し健康サービスの支援を要する事例も多いことが、健康保護局感染症センターのAngie Bone氏らが実施した横断的世帯調査で明らかとなった。近年、イギリスでは美容的なボディピアシングが急増しているが、その実態は不明だという。医学、歯学論文では合併症の報告が相次いでおり、国会でも議論されているが、問題の大きさを把握するための検討はほとんどなかった。BMJ誌2008年6月21日号(オンライン版2008年6月12日)の報告。 2005年の全国的な世帯調査で1万503人を抽出本研究は、2005年にイギリスで実施された全国的な横断的世帯調査である。16歳以上の1万503人が、地理的地域の無作為なサンプリングおよび所定の割り当てへの個人のサンプリングという2段階の行程を経て抽出された。16歳以上の国内人口プロフィールを反映するように、結果の重み付けが行われた。主要評価項目は、ボディピアシングの全件数および年齢層別、性別、解剖学的部位別の推定値とし、16~24歳の年齢層では合併症に関連したピアシングや医療支援の求めの割合について推算した。ボディピアシング率10%、16~24歳の約1/3に合併症、100人に1人が入院耳たぶ以外のボディピアシング率は10%(1,049/1万302人、95%信頼区間:9.4~10.6%)であった。男性よりも女性に多く、若い年齢層で多かった。16~24歳の女性の約半数(46.2%)がピアシングをしたことがあると答えた(305/659人、95%信頼区間:42.0~50.5%)。ピアシングの部位は多い順に、臍、鼻、耳たぶ以外の耳部、舌、乳首、眉などであった。16~24歳のピアシングをしている754人のうち、233人(31.0%)が合併症を報告した(95%信頼区間:26.8~35.5%)。そのうち医療支援を必要としたのは115人(15.%、95%信頼区間:11.8~19.5%)であり、入院を要したのは7人(0.9%、95%信頼区間:0.3~3.2%)であった。Bone氏は、「特に若い成人女性でボディピアシングの頻度が高く、問題が多発し健康サービスの支援を要する事例も多い」と結論し、「入院を要する重篤な合併症は多くはないようだが、合併症が起こる可能性は長期にわたるため健康サービスに深刻な負担を課している。合併症を増やすリスク因子を同定してピアス施術者、その客、医療者に注意を喚起し、ボディピアシングの安全性を改善する情報を提供するための研究が必要である」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

32915.

喘息治療配合剤「アドエア」の長期投与が可能に 30日分をおさめた60ブリスター製剤を新発売

グラクソ・スミスクライン株式会社は、喘息治療配合剤「アドエア」(サルメテロールキシナホ酸塩・フルチカゾンプロピオン酸エステル ドライパウダーインヘラー)の発売から1年が経過し、7月1日から長期投与が可能になるのに伴い、2週間分の薬剤(28ブリスター)をひとつの吸入器具におさめた従来の製剤に加え、30日分の薬剤をおさめた60ブリスター製剤を7月4日に発売すると発表した。「アドエア」は、気管支拡張作用を持つ長時間作用性吸入β2刺激薬(サルメテロールキシナホ酸塩)と抗炎症作用を持つ吸入ステロイド薬(フルチカゾンプロピオン酸エステル)の配合剤。詳細はプレスリリースへhttp://glaxosmithkline.co.jp/press/press/2008_07/P1000491.html

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関節リウマチ治療薬「エンブレル」の新剤形が発売

ワイス株式会社と武田薬品工業株式会社は、両社がコ・プロモーションしている関節リウマチ治療薬「エンブレル」(エタネルセプト)の新剤形となる「エンブレル皮下注25mgシリンジ0.5mL」を6月30日に新発売したと発表した。「エンブレル皮下注25mgシリンジ0.5mL」は、従来の「エンブレル皮下注用25mg」の薬剤をあらかじめ溶解して注射器に充填したシリンジ製剤。詳細はプレスリリースへhttp://www.takeda.co.jp/press/article_28156.html

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再発寛解型多発性硬化症に対するlaquinimod治療は、増量しても有効かつ耐用可能

再発寛解型多発性硬化症(RRMS)の新たな治療薬であるlaquinimodは、0.6mg/日に増量しても十分に耐用可能で、MRI上の疾患活動性を有意に低減させることが、イタリアVita-Salute大学San Raffaele科学研究所のGiancarlo Comi氏らが実施した第IIb相試験で明らかとなった。すでに、laquinimod 0.3mg/日の安全性および有効性は確かめられていた。Lancet誌2008年6月21日号掲載の報告。2つの用量を比較する国際的なプラセボ対照無作為化第IIb相試験本研究は、9ヵ国51施設が参加した二重盲検プラセボ対照無作為化第IIb相試験。1年以内に1回以上のRRMSの再燃がみられ、MRIによるスクリーニングで1ヵ所以上のガドリニウム増強病変を認めた症例を登録することとした。720例がスクリーニングを受け、306例が適格例として登録された。年齢は18~50歳であった。プラセボ群に102例、laquinimod 0.3mg/日群に98例、laquinimod 0.6mg/日群に106例が割り付けられた。脳MRIおよび臨床評価は、ベースラインの4週前およびベースライン時に行い、その後は12週目から36週目まで毎月1回実施した。主要評価項目は、24、28、32、36週目のガドリニウム増強病変の累積数とした。0.6mg投与群で有意な改善効果0.6mg投与群では、最後の4回のMRI検査におけるガドリニウム増強病変の補正平均累積数のベースラインからの低下率が、プラセボ群の40.4%に減少し、有意な改善効果が認められた[単純平均4.2回(SD 9.2) vs. 2.6回(SD 5.3)、p=0.0048]。0.3mg投与群では有意な改善効果は認めなかった(p=0.6740)。両用量群とも、数例で肝酵素の用量依存性の上昇が一過性に見られたが、耐用性は良好であった。基質的に血液凝固亢進が見られる0.6mg群の1例で、投与1ヵ月後にBudd-Chiari症候群(肝静脈の血栓性の閉塞)が認められた。抗血栓療法によって肝酵素が減少し、臨床的に肝の代償不全の徴候のない状態に正常化した。Comi氏は、「RRMSに対するlaquinimod治療では、投与量を0.6mg/日に増量しても良好な耐用性を示し、MRI上の疾患活動性を有意に低減させた」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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ボセンタンは軽度症候性の肺動脈高血圧にも有効

エンドセリン受容体拮抗薬ボセンタン(商品名:トラクリア)は、進行性のみならず軽度症候性の肺動脈高血圧(PAH)にも有効なことが、イタリアBologna大学心臓病研究所のNazzareno Galie氏らが実施した無作為化試験(EARLY試験)で明らかとなった。PAHの治療はおもに進行性病変について検討されており、軽症例に関する研究は少ないという。Lancet誌2008年6月21日号掲載の報告。WHO FC IIの軽度PAHを対象とした二重盲検プラセボ対照試験EARLY試験は、12歳以上のWHO機能分類(FC)IIの軽症PAH(6分間歩行距離が正常予測値の80%未満あるいは500m未満、Borg呼吸困難インデックスが2以上)を対象とした多施設共同二重盲検プラセボ対照試験であり、21ヵ国52施設が参加した。185例が登録され、中央統合音声認識システムを介して6ヵ月の二重盲検治療期間中にボセンタン群に93例、プラセボ群に92例が無作為に割り付けられた。主要評価項目は、ベースラインとの比較における6ヵ月後の肺血管抵抗性および6分間歩行距離のベースラインから6ヵ月目までの変化とした。ボセンタン群で肺血管抵抗性が有意に改善肺血管抵抗性の解析は168例(ボセンタン群80例、プラセボ群88例)で、6分間歩行距離の解析は177例(86例、91例)で行われた。ベースラインとの比較における6ヵ月後の肺血管抵抗性の平均値は、ボセンタン群が83.2%、プラセボ群は107.5%であった(治療効果:-22.6、95%信頼区間:-33.5~-10.0、p<0.0001)。平均6分間歩行距離は、ボセンタン群が11.2m(95%信頼区間:-4.6~27.0)延長したのに対し、プラセボ群では7.9m(-24.3~8.5)短縮しており、平均治療効果は19.1m(3.6~41.8、p=0.0758)であった。ボセンタン群の12例(13%)およびプラセボ群の8例(9%)で重篤な有害事象が報告され、ボセンタン群では失神が、プラセボ群では右心不全がもっとも多くみられた。Galie氏は、「EARLY試験の結果は、ボセンタン治療はWHO FC IIの軽症肺動脈高血圧に対し有効である可能性を示唆する」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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心房細動と心不全患者には心拍コントロールを主要戦略とすべき

心房細動および心不全患者の治療は、洞調律を回復し維持する方法が一般的である。これは、心房細動が心不全患者の死亡の予測因子であり、心房細動を抑制すれば転帰に有利な影響を及ぼす可能性があるというデータに基づいているが、この方法の利点とリスクについては、これまで十分に検討されなかった。カナダ・モントリオール大学心臓研究所のDenis Roy氏らAtrial Fibrillation and Congestive Heart Failure 共同研究グループは、心調律コントロールと心拍コントロールを比較検証した結果、心調律コントロールは死亡率減少に結びつかず、心拍コントロールが主要アプローチであると結論付けた。NEJM誌2008年6月19日号より。患者1,376例を37ヵ月間にわたり追跡調査本研究では、左室駆出率35%以下で、うっ血性心不全の症状と心房細動の既往歴を有する患者について、洞調律維持(心調律コントロール)と、心室拍動数制御(心拍コントロール)を比較する多施設共同無作為試験を行った。登録患者計1,376例を(心調律コントロール群682例、心拍コントロール群694例)、平均37ヵ月間にわたり追跡調査した。主要評価項目は、心血管系原因による死亡までの時間とした。主要・副次転帰とも両治療に有意差はないが心血管系原因での死亡は、心調律コントロール群182例(27%)、心拍コントロール群175例(25%)だった(心調律コントロール群のハザード比:1.06、95%信頼区間:0.86~1.30、log-rank検定によるP=0.59)。全死因死亡(心調律コントロール群32%、心拍コントロール群33%)、脳卒中(同じく各3%、4%)、心不全悪化(同じく各28%、31%)、心血管系原因・脳卒中または心不全悪化の複合死亡(同じく各43%、46%)であり、主要・副次転帰とも同程度だった。あらかじめ定義したサブグループでも、両治療戦略のいずれかを支持する有意差はなかった。この結果、心房細動とうっ血性心不全の患者に対して、ルーティンに心調律コントロール治療を行っても、心拍コントロール治療より心血管原因による死亡率を低下させないことが判明したとして、「心拍コントロール戦略は、電気的除細動を繰り返す必要性を排除し、入院率を低下させる。心拍コントロールが心房細動とうっ血心不全患者のための主要なアプローチと考えるべき」と強調している。(武藤まき:医療ライター)

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重篤な心不全患者へのdronedarone治療で死亡率は上昇

国際的な第III相試験が進められている抗不整脈薬dronedaroneは、強い副作用が問題とされているアミオダロン(商品名:アンカロン)に代わる心不全患者の治療薬として期待されている。本報告は、コペンハーゲン大学(デンマーク)のLars Kober氏らのdronedarone研究グループによるANDROMEDA試験(Antiarrhythmic Trial with Dronedarone in Moderate to Severe CHF Evaluating Morbidity Decrease)の結果で、「重症の心不全患者にdronedaroneを投与した場合、死亡率が上昇する」との警告が報告された。NEJM誌2008年6月19日号より。欧州6ヵ国72施設1,000例を予定してスタートしたがANDROMEDA試験は、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、ポーランド、オランダ、ハンガリーの72施設で実施された多施設二重盲検試験で、症候性心不全と重篤な左室収縮機能不全で入院した患者1,000例を、dronedarone投与群とプラセボ投与群(400mg、1日2回)に無作為に割り付ける予定でスタートした。主要エンドポイントは、全死因死亡の複合または心不全のための入院。追跡試験中に死亡者が増えたため研究中止試験は、患者627例(dronedarone群310例、プラセボ群317例)が登録された時点で、データ・安全性監視委員会の勧告を受け、研究終了についての事前規定に従い安全上の理由から早期中止となった。これは、中央値2ヵ月の追跡期間中に、dronedarone群で25例(8.1%)、プラセボ群で12例(3.8%)の死亡が発生したためである(dronedarone群のハザードリスク:2.13、95%信頼区間:1.07~4.25、P=0.03)。超過死亡は主に心不全悪化との関連が認められ、dronedarone群で10例、プラセボ群では2例が該当した。主要エンドポイントは、dronedarone群53例(17.1%)、プラセボ群40例(12.6%)で両群間に有意差はなかった(ハザード比:1.38、95%信頼区間:0.92~2.09、P=0.12)。しかしクレアチニン濃度上昇が、dronedarone群のほうがプラセボ群より多く、深刻な有害事象として報告されている。以上の結果から、「重篤な心不全と左心収縮機能不全の患者へのdronedarone投与は、心不全悪化に関連する早期死亡率上昇と関係していた」と結論付けた。(武藤まき:医療ライター)

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