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〔CLEAR! ジャーナル四天王(49)〕 うつ病当事者の苦悩-これは身近な問題です―

この論文でも最初に触れられているが、うつ病はWHOの健康指標の一つであるDALY(死亡損失と障害損失)において、第1位である(低所得国を除く)。筆者もこの事実を大学病院の精神科短期研修者に毎月強調している。すなわち高所得国のDALYにおいては、うつ病(1位)、脳血管障害(3位)、認知症(4位)、アルコール性疾患(5位)であり、精神疾患の社会的負荷はきわめて大きく、社会の役に立ちたいと思う若い医師の諸君は決して当科研修を疎かにしてはならない(すべての科で誠実に努力すべし)。万が一にも社会貢献に興味薄であっても、社会においてまともに機能する医師になりたければ、やはり精神科研修にも励むべし、と。蛇足であるが、これを伝える場面は筆者の担当する「認知症」の小講義の冒頭のつかみに位置している。これらの疾患は高齢者においてはより深刻であり、高齢化がますます進む本邦はまさに瀬戸際にいるのである。 さらに本邦では、うつ病患者がまさに差別を恐れて精神科ではなく内科を受診する(平均月6名)という川上らの1990年の報告があった。プライマリ・ケアにおいて精神疾患はますます重要な領域と思われる。意を決して内科等を受診したうつ病患者が救われるような包括的医療提供が必要である。 差別をなくすにはどうすればいいだろうか? 一臨床医の私見であるが、差別の基盤には恐怖があるので、対象のことを知り、自分ももしかしたらそうであったかもしれない「仲間」として見ることができれば差別は減るのではないだろうか? となると、彼らがどう感じているのかを目に見える形にすることはとても有効だ。この研究は、当事者自身の体験や感じ方を評価している点で卓越している。また、この国際共同研究に日本も参加していることは勇気を与えてくれる。 以上が感想である。ここで終わってしまうと単なる感想文であるので、学術的なことにも触れたい。 DISCとは聞き慣れない評価尺度であるが、参考文献を見ると妥当性の検討は現在掲載待ちのようだ(原著 参考文献19)。寡聞にして知らなかったが、2009年のLancet誌では統合失調症を対象に同じような報告がなされている。今後要注目の評価尺度と言えそうだ。 この論文のポイントは簡単にまとめると、1)うつ病患者の約8割が何らかの差別体験を報告している、2)3人に1人は人から避けられるという差別経験がある、3)3人に1人は差別を恐れて仕事に応募しなかったり親密な人間関係を持たないなどしている、4)差別経験が多いものはうつ病エピソードが複数回あるものや入院歴があるなどの重症者である、であろう。入院歴の評価はこの結果からこれ以上のことは言えず、慎重であるべきだ。

32004.

過多月経に対するレボノルゲストレル-IUS vs. 従来薬物療法/NEJM

 過多月経の治療について、レボノルゲストレル放出子宮内避妊システム(商品名:ミレーナ)(以下、レボノルゲストレル-IUS)は、トラネキサム酸などの従来薬物療法よりも、長期的な改善幅が有意に高かったことが示された。英国・ノッティンガム大学のJanesh Gupta氏らが、600人弱の女性を対象とした無作為化試験の結果、報告したもので、「重度の月経出血によるQOLへの影響を低減する効果が高かった」と結論している。過多月経はよくある問題症状だが、これまで有効な治療に関するエビデンスは限られていたという。NEJM誌2013年1月10日号掲載報告より。2年間追跡し、その間の過多月経多属性評価尺度を比較 研究グループは2005~2009年にかけて、英国内63ヵ所の医療機関を通じ、過多月経の女性571人を無作為に2群に分け、一方にはレボノルゲストレル-IUSを、もう一方には従来薬物療法(トラネキサム酸、メフェナム酸、エストロゲン-プロゲステロン配合剤、プロゲステロンのいずれか)を行った。 2年間追跡し、その間の過多月経多属性評価尺度(MMAS)を比較し主要アウトカムとした。副次アウトカムには、一般的QOLスコア、性的活動スコア、手術の実施などが含まれた。症状は両群で改善、レボノルゲストレル-IUS群でより大幅改善 その結果、試験開始時点から6ヵ月までのMMASの平均増加幅は、レボノルゲストレル-IUSで32.7ポイント、薬物療法群21.4ポイントと、両群ともに有意な改善が認められた(いずれもp<0.001)。 これら症状の改善は、両群ともに2年間にわたり維持されたが、レボノルゲストレル-IUS群のほうが薬物療法群より改善幅は大きかった(2年間のMMAS平均格差:13.4ポイント、95%信頼区間:9.9~16.9、p<0.001)。 また、2年後の時点で、レボノルゲストレル-IUSを使用している人の割合は64%であり、薬物療法を継続していた人の割合38%に比べて有意に多かった(p<0.001)。 なお、性的活動スコアや手術率、有害事象発生率については両群で同程度だった。

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【ご案内】エピジェネティック療法研究会 第5回講演会

 エピジェネティック療法研究会は、第5回講演会「とエピジェネティクス」を、2月15日に青山ダイヤモンドホールにて開催する。 開催概要は以下のとおり。日時:平成25年2月15日(金)19:00~21:30    (20:45~は懇親会。)会場:青山ダイヤモンドホール   東京都港区北青山3-6-8(地図はこちら)【特別講演】「エピジェネティックな発がん機構」牛島 俊和 氏(国立がん研究センター研究所 エピゲノム解析分野 分野長)座長: 伊東 文生 氏(聖マリアンナ医科大学 消化器・肝臓内科 教授)【症例発表】「ボリノスタットによるリンパ腫の治療」安藤 潔 氏(東海大学医学部 血液・腫瘍内科 教授)座長:佐谷 秀行 氏(慶應義塾大学医学部 先端医科学研究所 遺伝子制御研究部門 教授)参加費:一般 10,000円/会員 8,000円/学生 2,000円お申し込みは「エピジェネティック療法研究会」ウェブサイトまでhttp://epigenetic-therapy.org/

32006.

子どもの母斑をダーモスコピーで見分けるコツ

 米国・ニュージャージー医科歯科大学のElena C. Haliasos氏らは、小児皮膚科医のためのダーモスコピー上のメラノサイト系病変所見の特徴に関するレビュー論文を発表した。小児のメラノサイト系病変は、本人および両親、医師に不安を喚起することがある。Haliasos氏らは、小児の母斑についてダーモスコープでみられる良性パターンと、メラノーマのダーモスコピー上の10の最も頻度の高い構造について考察した。Pediatr Dermatology誌オンライン版2012年12月18日号の掲載報告。 メラノサイト系母斑は、青色母斑、Spitz母斑、先天性および後天性母斑など種々の病変を含む。これらの母斑は、時にメラノーマ様の臨床形態学的特徴を呈している可能性があり、小児におけるそのような母斑の存在は、本人および両親、医師に不安を引き起こす。 ダーモスコピーは、メラノーマの高い診断精度を有し、母斑との区別に有用であることが示されており、生検を行うべきかの意思決定プロセスの最終的な判断材料となる。またダーモスコピーは、小児のメラノサイト系病変の評価において、無痛性であること、また適正な治療判断をもたらす重大情報を医師に提供するという点で、パーフェクトな器具である。 本レビューでは、母斑で認められる最も頻度の高いダーモスコピー上の良性母斑パターンを明確にするとともに、10の最も頻度の高いメラノーマ構造について考察した。 主な内容は以下のとおり。・ダーモスコピー上で良性パターンを呈し、メラノーマに特異的な構造を有していなければ、その母斑は切除する必要はなく、安全に経過観察が可能である。・対照的に、メラノーマなら、良性母斑パターンがみられることが常になく、メラノーマに特異的な次の10の構造のうち少なくとも1つを呈する所見が認められる。「非対称性の網目状組織(atypical network)」「暗褐色の網目状組織(negative network)」「線条(streaks)」「結晶構造(crystalline structures)」「均一でない小点・小球(atypical dots and globules)」「不揃いの斑点(irregular blotch)」「青白色ベール(blue-white veil)」「自然消褪構造(regression structures)」「辺縁のブラウン色構造領域(peripheral brown structureless areas)」「非定型の血管構造(atypical vessels)」。・幼児期のメラノーマは通常、臨床的ABCD特色を呈しないという事実を認識していることが重要である。それよりも、多くの場合は、対称性で、メラニン色素がなく、結節状の病変である。・臨床的印象は警告されない可能性があるが、ダーモスコピーによって、メラノーマには常に少なくとも1つの特異的な構造が認められる可能性があり、その最も頻度の高い所見は、非定型の血管構造と結晶構造である。

32007.

うつ病患者の食事療法、ポイントは「トリプトファン摂取」

 うつ病では悲哀感、希望喪失、易刺激性、身体機能障害などの特徴がみられ、数週間にわたり重症の症状を呈する。また、気分変調症は軽度の抑うつ気分が漫然と続いた状態である。うつ病の治療には、精神療法、薬物療法、光線療法などがあるが、これまでの臨床的および経験的エビデンスから、適切な食事が抑うつ症状を軽減しうることが示唆されている。オランダ領アンティル・Saint James School of MedicineのFaisal Shabbir氏らは、食事が抑うつに及ぼす影響について考察した。神経伝達物質であるセロトニンの低下はうつ病の一因であるが、セロトニンの前駆体であるトリプトファンを多く含む食事の摂取が抑うつ症状の軽減に有用であることを示唆した。Neurochemistry international誌オンライン版2013年1月7日号の報告。トリプトファンの含有量が少ない食事を摂取しているとうつに陥る可能性 トリプトファンを多く含む食事が抑うつ症状の軽減に有用であることを示唆した主な知見は以下のとおり。・脳内で合成される神経伝達物質のセロトニン(5-HT)は、気分緩和、満足感、睡眠の調節などに重要な役割を果たしている。5-HTを多く含む果物や野菜があるが、血液脳関門の存在により5-HTは中枢神経系に容易に到達できない。しかしながら、5-HTの前駆体であるトリプトファンは容易に血液脳関門を通過できる。・トリプトファンは、ビタミンB6誘導体であるピリドキサールリン酸存在下で、トリプトファンハイドロキシダーゼおよび5-HTPデカルボキシラーゼにより5-HTに変換される。・タンパク質の多い食品であっても、必須アミノ酸は体内でつくることができないため、トリプトファンの含有量が少ない食事を摂取しているとうつに陥る可能性がある。・たとえば月経前後の女性、心的外傷後ストレス障害、慢性疼痛、がん、てんかん、パーキンソン病、アルツハイマー病、統合失調症、薬物依存など、うつに陥りやすい状況にある患者ではトリプトファンを多く含む食事の摂取が重要である。・中枢神経におけるトリプトファンのバイオアベイラビリティは炭水化物の欲求に関連するが、炭水化物を多く含む食事はインスリン反応の引き金となりトリプトファンのバイオアベイラビリティを高める。・セロトニン再取り込み阻害薬は(SSRI)は、抑うつ症状を呈する肥満患者に処方されるが、これらの患者ではセロトニン濃度が厳格に調節されず、モノアミンオキシダーゼ阻害薬と併用した際には生命を脅かす有害事象が発現する可能性がある。しかし、トリプトファンを多く含む適切な食事を摂取することでセロトニン合成が調節されうる。・以上より、さまざまな神経変性疾患で観察される抑うつ症状に対し、セロトニン神経伝達を助ける上でトリプトファンを多く含む食事とビタミンB6は臨床的に重要と言える。ただし、うつに対するセロトニン神経伝達を修飾する薬理学的介入は、従来と変わらず臨床的に重要な事項である。また、うつの病態にはその他にもいくつかの分子メカニズムが関わっている可能性がある。関連医療ニュース ・うつ病予防に「脂肪酸」摂取が有効? ・うつ病補助療法に有効なのは?「EPA vs DHA」 ・認知症の進行予防に有効か?「ビタミンE」 ・うつ病と体重変化の関連を調査、なりやすいのは太っている人、痩せている人?

32008.

喫煙女性の死亡率は非喫煙女性の約3倍、寿命は11年短い:Million Women Study/Lancet

 英国の中高年女性喫煙者の死亡原因の3分の2が喫煙に起因し、喫煙女性の死亡率は非喫煙女性の約3倍で、寿命は10年以上短いことが、英国・オックスフォード大学のKirstin Pirie氏らが実施したMillion Women Studyで示された。喫煙はいまだに予防可能な主要死因であり、英国や米国で1940年頃に生まれた女性は、成人以降の生涯を通じて多量の喫煙をした最初の世代である。それゆえ、21世紀のいまこそが、長期の喫煙や禁煙が英国人女性の死亡率に及ぼす影響を直接的に観察可能な時だという。Lancet誌2013年1月12日号(オンライン版2012年10月)掲載の報告。喫煙状況を郵送にて再調査 Million Women Studyの研究グループは、今回、1996~2001年に登録された約130万人の英国人女性を対象に、約3年または8年後の再調査を郵送にて行った。 国民死亡記録を調べ、全女性を2011年1月1日まで追跡した(平均12人年)。全参加者は登録時に現喫煙者か元喫煙者かを聞かれ、現喫煙者はたばこの本数を尋ねられた。 登録時または3年後の再調査時に元喫煙者と答えた者や、55歳になる前に喫煙を止めた女性は、禁煙開始時の年齢別に分類された。Cox比例ハザードモデルを用いて、喫煙者、元喫煙者(禁煙者)、生涯非喫煙者の調整済み相対リスクを算出し、比較した。1日10本未満でも死亡率は約2倍に、喫煙者の80歳以前死亡リスクは53% 既往症のある約10万人を除外した残り約120万人の誕生年の中央値は1943年、年齢中央値は55歳であった。追跡期間中に全体の6%(6万6,489人/118万652人)が死亡し、死亡時平均年齢は65歳だった。ベースライン時に20%(23万2,461人)が喫煙者、28%(32万8,417人)が元喫煙者で、残りの52%(61万9,774人)は生涯非喫煙者であった。 ベースライン時の喫煙者のうち8年後の再調査でその後喫煙を止めたと答えた者が44%(3万7,240人/8万5,256人)いたにもかかわらず、ベースライン時の喫煙者の生涯非喫煙者に対する12年死亡率の率比は2.76〔95%信頼区間(CI):2.71~2.81〕に達していた。 3年後の再調査時にまだ喫煙していた女性は死亡率が非喫煙者に比べ約3倍高かった(率比:2.97、95%CI:2.88~3.07)。ベースライン時に1日喫煙本数が10本未満の女性でさえ、12年死亡率は非喫煙者の約2倍だった(同:1.98、1.91~2.04)。 頻度の高い上位30位までの死因のうち23死因が、非喫煙者よりも喫煙者で有意に高頻度であり、率比は慢性肺疾患の35.3(95CI:29.2~42.5)が最も高く、肺がんの21.4(同:19.7~23.2)がそれに次いだ。喫煙者の死亡率の増分(非喫煙者との比較)は、主に肺がんなど喫煙に起因する可能性がある疾患によるものであった。 25~34歳および35~44歳で喫煙を恒久的に止めた元喫煙者の相対リスクは、全死因死亡がそれぞれ1.05(95%CI:1.00~1.11)、1.20(同:1.14~1.26)、肺がん死は1.84(同:1.45~2.34)、3.34(2.76~4.03)であった。すなわち、これら禁煙期間が長期にわたる元喫煙者では、ある程度の死亡率の増分が残存するものの、継続的な喫煙者の大きな増分に比べれば、25~34歳で禁煙した群の増分はそのわずか3%、35~44歳で禁煙した群は10%に過ぎなかった。 2010年の英国の全国死亡率を併せると、70歳にならずに死亡するリスクは喫煙者が24%、非喫煙者は9%(絶対差:15%)で、80歳前の死亡リスクはそれぞれ53%、22%(同:31%)であり、寿命は喫煙者が非喫煙者よりも11年短かった。 著者は、「英国の50歳代、60歳代、70歳代の喫煙女性の死亡の3分の2が喫煙によるもので、喫煙者は10年以上寿命が短かった」とまとめ、「40歳まで喫煙を続ければ、その後禁煙しても喫煙の有害性は実質的に残存し、40歳以降も喫煙を続けた場合は有害性は10倍以上になる。40歳前に禁煙すれば、喫煙を続けた場合の死亡率の増分の90%以上を回避でき、30歳以前の禁煙では実に増分の97%が消失する」と考察を加えている。

32009.

高齢者介護ロボット、認知症対応でも効果を発揮できる?

ニュージーランド・オークランド大学のHayley Robinson氏らは、新たに開発されている高齢者介護ロボット「Guide robot」について、すでに介護ロボットとして成功しているアザラシ型「パロ」との比較で、認知症高齢者および介護スタッフへの適合性について調査した。その結果、認知症高齢者介護ロボットはシンプルかつ刺激的で楽しさをもたらしてくれるものでなければならないなど、改善のための示唆が得られたことを報告した。また本検討では、「パロ」の改善すべき点も明らかになったという。Journal of American Medical Directors Association誌2013年1月14日号の掲載報告。 断面調査の手法にて行われた本検討は、オークランドの認定認知症介護施設で、入居者と、その家族介護者、施設スタッフを対象として行われた。「Guide robot」と「パロ」とのふれあいについてビデオテープで録画し、入居者が両ロボットを見た回数、微笑んだ回数、触れた回数、話しかけた回数、および話題にした回数を調べた。また自由回答による定性分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・調査対象者は、認知症入居者10人、家族介護者11人、スタッフ5人であった。・入居者は、「Guide robot」よりも「パロ」のほうに微笑み、触れ、話しかけた回数が有意に多かった。・「パロ」は、家族介護者、スタッフそして入居者の認容性(acceptable)が高かった。一方で「Guide robot」については、多くの人が、認知症集団に対応するための人間工学的要素、および単純さを備えていれば有用な可能性はあると認識していることが判明した。・以上のように調査の結果、認知症対応のヘルスケアロボットは、刺激に富み楽しいものであると同時に、単純かつ使いやすいものでなければならないことが明らかとなった。・本研究により、高齢者介護ロボットが認知症対応で最も効果を発揮できる仕様が明確になった。・「パロ」については、認知症集団の受け入れを高めるために、音声の修正が必要であると結論される。・「Guide robot」については人間工学的設計を見直し、ソフトウエアアプリケーションを簡便化し認知症を有する人向けのものにしなければならないことが明らかとなった。関連医療ニュース ・認知症患者に対する抗精神病薬処方の現状は? ・認知症患者へタブレットPC導入、その影響は? ・重度の認知障害を有する高齢者、視力検査は行うべき?

32010.

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の有効性:FDAデータのメタ解析/BMJ

 非ベンゾジアゼピン系睡眠薬はプラセボと比較して、わずかではあるが有意に睡眠導入を改善することが、米国・コネティカット大学のTania B Huedo-Medina氏らが、米国医薬品局(FDA)集約の臨床データのメタ解析を行い報告した。改善は用量の増大につれ、またとくに若者、女性でみられ、薬剤の種類は問わなかった。一方で、効果サイズが小さく、またプラセボ効果が約半分に認められ、両者を合わせた臨床的効果は相当に大きかったものの、臨床的意義に疑念があったという。著者は、不眠症治療時にその点について注意する必要があると述べている。BMJ誌2013年1月5日号(オンライン版2012年12月17日号)掲載より。エスゾピクロン、ザレプロン、ゾルピデムのFDA提出データをメタ解析 研究グループは、成人における非ベンゾジアゼピン系睡眠薬(Z薬)の有効性をプラセボと比較することを目的とし、先行研究のメタ解析では刊行バイアスが指摘され、プラセボ効果が不明であったことから、FDAのデータを用いてシステマティックレビューによるメタ解析を行った。解析は、近年承認されたエスゾピクロン(商品名:ルネスタ)、ザレプロン(国内未承認)、ゾルピデム(同:マイスリー)の無作為化二重盲検並行プラセボ対照試験データを対象とした。試験薬群とプラセボ群のベースラインから試験後のスコア変化を抽出し、試験薬の有効性について、両スコア変化の差を調べ解析した。 主要アウトカムは、睡眠ポリグラフと主観的睡眠潜伏期についてのスコア差(ランダム効果モデルを用いた加重標準化平均差)で、副次アウトカムには、睡眠後の覚醒、覚醒回数、総睡眠時間、睡眠効率、主観的睡眠の質などとした。薬効の不均一性については加重最小二乗回帰分析にて検証した。 解析には13試験が組み込まれた。試験薬とプラセボの比較検討(タイプ別アウトカム、試験薬別、投与量別)は65件だった。被験者は4,378例で、さまざまな国から参加していた。投与量、投与期間、試験年度もさまざまであった。投与量増、若者、女性、ゾルピデムでより改善の傾向 解析の結果、Z薬は、わずかではあったが有意な改善(減少)が、睡眠ポリグラフにみる睡眠潜伏期(加重標準化平均差:-0.36、95%信頼区間:-0.57~-0.16)、および主観的睡眠潜伏期(同:-0.33、-0.62~-0.04)で認められた。 加重平均差の解析の結果、Z薬はプラセボと比較して、睡眠ポリグラフの睡眠潜伏期を22分(95%信頼区間:11~33)短縮した。 副次アウトカムについては有意な効果は見いだせなかったが、多数の試験で、これらのアウトカムが得られるのは確実であることを報告していた。 また変数解析の結果、睡眠潜伏期がより減少を示す傾向は、「投与量がより多い」「投与期間がより長い」「より若い」「(より若い)女性」、そして「ゾルピデム」で認められた。 なお著者は本解析に用いたFDAのデータについて、刊行バイアスの影響は受けていないが、他の病状のバイアスを受けている可能性はあると指摘している。

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上部消化管出血への輸血、ヘモグロビン値7g/dL未満の制限輸血で死亡リスク半減/NEJM

 急性上部消化管出血への輸血戦略では、ヘモグロビン値7g/dL未満で輸血をする「制限輸血」のほうが、同値9g/dL未満での輸血戦略よりも、死亡リスクが約半減するなどアウトカムが良好であることが明らかにされた。スペイン・Hospital de Sant PauのCandid Villanueva氏らが900人超について行った無作為化試験の結果、報告したもので、NEJM誌2013年1月3日号で発表した。急性消化管出血への輸血について、ヘモグロビン値を基準に実施を判断する治療法については議論が分かれていた。制限輸血群の51%、非制限輸血群の15%で輸血行わず 研究グループは、重度急性上部消化管出血の患者921人を無作為に2群に分け、一方の群(461人)には制限輸血(ヘモグロビン値7g/dL未満で輸血)を、もう一方の群(460人)には非制限輸血(ヘモグロビン値9g/dL未満で輸血)を行い、有効性および安全性について比較した。被験者のうち肝硬変が認められた277人(31%)については、両群均等に割り付けを行った。 結果、輸血を受けなかったのは、制限輸血群225人(51%)、非制限輸血群は65人(15%)だった(p<0.001)6週間死亡リスク、制限輸血群は非制限輸血群の0.55倍 6週間後の生存率は、非制限輸血群が91%に対し、制限輸血群が95%と有意に高率だった(p=0.02)。死亡に関する、制限輸血群の非制限輸血群に対するハザード比は、0.55(95%信頼区間:0.33~0.92)だった。 再出血が発生したのは、非制限輸血群が16%に対し、制限輸血群は10%と有意に低率だった(p=0.01)。有害事象発生率は、非制限輸血群が48%に対し、制限輸血群は40%と有意に低率だった(p=0.02)。 サブグループ分析では、消化性潰瘍に関連した出血群の生存率については、制限輸血群のほうがわずかに高値であった(ハザード比:0.70、95%信頼区間:0.26~1.25、p=0.26)。肝硬変Child–Pugh分類別にみると、AまたはBの人については有意に高かったが(同:0.30、0.11~0.85、p=0.02)、Cの人については両群で同程度だった(同:1.04、0.45~2.37、p=0.91)。 また、非制限輸血群では当初5日間に肝静脈圧較差の増大が有意であった(p=0.03)。制限輸血群では有意な増大はみられなかった。

32012.

睡眠障害と皮膚疾患、夜間のひっかき行動は睡眠ステージと関連

 カナダ・ウェスタンオンタリオ大学のMadhulika A. Gupta氏らは、Clinics in Dermatology誌2013年1月号特集「Psychodermatology」に、「睡眠障害と皮膚疾患」と題するレビュー論文を寄稿した。睡眠は、人の一生のうち約3分の1を占める生命活動だが、睡眠中の皮膚疾患に関する研究はほとんど発表されていない。しかし皮膚疾患による睡眠の乱れが、患者のQOLやメンタルヘルスに有意な影響を及ぼす可能性があり、また場合によっては症状の増悪に通じる可能性があると、本主題の重要性を提起している。 Gupta氏は、臨床における睡眠と皮膚疾患の関連について、次の5つを示し、これらは皮膚疾患治療に重大な影響を及ぼすと述べている。(1)正常な睡眠生理(体温調節、中心体温調節、睡眠の開始など)における皮膚の役割(2)内因性サーカディアンリズムと末梢性サーカディアン“振動子”の皮膚症状への影響(たとえば、炎症性皮膚症患者の夕刻時に最低血中濃度となるコルチゾールレベルにより、夕刻と夜間にかゆみが増大する傾向がみられることなど)(3)かゆみ、多汗症、体温調節の異常といった症状による、本人および家族の睡眠や睡眠関連QOLへの影響(4)不眠症や睡眠時無呼吸、睡眠妨害、サーカディアン障害といった主要な睡眠障害の、皮膚疾患への考えられる影響(たとえば、睡眠時無呼吸での睡眠からの中枢神経系の覚醒は交感神経を活性化し、炎症に結びつくなど)(5)ストレスや精神的障害を伴う一部の皮膚疾患の共存症[たとえば、睡眠関連の主訴と関連している大うつ病や注意欠陥多動性障害(ADHD)] その上で、アトピー性皮膚炎患者の睡眠障害について次のような考察を行っている。・不眠が、アトピー性皮膚炎におけるADHD様症状の病因に関与している可能性がある。・睡眠中のひっかき行動は、各睡眠ステージの間の交感神経活動と関連している可能性があり、通常、ノンレム睡眠ステージ1および2(より深い睡眠ステージであるステージ3、4と比べて)で、最も頻繁に起きている。また、レム睡眠でも頻繁に起きている(ひっかき行動の重症度はステージ2と同程度)。・アトピー性皮膚炎の患者および両親の、夜間のかゆみやひっかき行動の自己申告は概して、ひっかき行動の客観的尺度と関連しない。

32013.

〔CLEAR! ジャーナル四天王(48)〕 IL-1阻害薬は活動性全身型若年性特発性関節炎に有効である

IL-1阻害薬は、IL-1レセプターアンタゴニスト(IL-Ra)であるアナキンラ(国内未承認)が関節リウマチの治療薬として欧米で承認されているが、 TNF阻害薬ほどの有効性は認められない。IL-1の過剰産生が病態の中心であることが判明したマックル・ウェルズ症候群などの自己免疫性症候群に対しては、IL-1レセプターとイムノグロブリンの融合蛋白であるリロナセプト(国内未承認)とヒト化抗IL-1抗体であるカナキヌマブ(商品名:イラリス)が承認されている。 若年性特発性関節炎(JIA)の全身型は発熱、関節炎、リンパ節腫脹、肝脾腫、漿膜炎、炎症反応高値などの臨床症状を示し、ステロイド療法やメトトレキサートなどの免疫抑制剤が治療の中心であったが、近年IL-1やIL-6が病態の中心にあることが報告されてきた。 今回70%弱がアナキンラやIL-6阻害薬、TNF阻害薬などの生物学的製剤の投与歴がある難治性の活動性JIA患者190人に対するカナキヌマブに関する2つの第3相臨床試験の結果が報告された。Trial 1で主要アウトカムである15日目のJIA・ACR30(JIAコアセット6つのうち3つ以上で改善率30%以上、1つ未満クライテリアでの30%超の悪化、発熱がない)の基準を満たした患者の頻度は、カナキヌマブ投与群(43例)でプラセボ群(41例)と比較して有意に高かった(84% vs. 10%)。Trial 2はオープンラベル試験で175人が中央値で113日観察され、73%がJIA・ACR50を達成し、JIA・ACR30を達成した100人がカナキヌマブ継続とプラセボ投与の2群に割り付けられた。カプラン・マイヤー法で両群の非再発率を検討するとカナキヌマブ投与群で有意に高かった(74% vs 25%)。グルココルチコイドはベースラインで 128人に投与され、平均0.34 mg/kgから0.05 mg/kgまで減量され33%が中止できた。マクロファージ活性化症候群が7例に出現し、プラセボ群よりカナキヌマブ群で感染症の合併率は高かった。 抗IL-1β抗体のJIA全身型への有効性が確認され、今後本邦でも抗IL-1β抗体の使用が可能となることが期待される。

32014.

花粉症の治療薬剤に関するアンケート結果

対象ケアネット会員の医師 耳鼻咽喉科101名、内科690名方法インターネット調査実施期間2013年1月8日~1月15日Q1花粉症治療で処方している薬剤の種類をお聞かせください(点眼剤を除く)。(複数回答)Q2花粉症患者への薬剤処方のうち、単剤処方の割合はどれくらいですか?(点眼剤を除く)Q3花粉症治療薬の種類の中で、最も効果が高いと実感しているものから上位2つをお選びください (点眼剤を除く)。2013年1月ケアネット調べ

32015.

統合失調症の重症度・社会性の低下は、海馬体積の減少と関連

 統合失調症において海馬体積の減少は高い頻度で報告されているが、疾患への影響(とくに臨床面、心理社会面にどれほど影響するのか)については依然として十分に明らかとなっていなかった。イタリア・ウーディネ大学のP. Brambilla氏らは、統合失調症患者における症状重症度と社会性の低下は、海馬体積の減少と関連している可能性があることを、三次元マッピング研究の結果より、報告した。British Journal of Psychiatry誌2013年1月号の掲載報告。 研究グループは海馬の神経解剖学的差異を、3次元(3D)コンピュータ画像解析を用いて調べることを目的とした。高解像度MRIと表面モデリングによる3Dマッピングにて、成人の統合失調症患者群と健常者対照群の海馬プロファイルの違いを調べた。海馬の3Dパラメトリック・メッシュモデルを手動トレースにて作成し、回帰モデルにてラジアル距離にみる診断尺度を、また色分布図を作成し関連プロファイルを評価した。 主な結果は以下のとおり。・被験者は、統合失調症群67例、健常者対照群72例であった。・海馬のラジアル距離について、両群間の差異は検出できなかった。・しかし統合失調症群において、両側性にみられた体積減少が症状重症度(期間、陽性または陰性の症状について)の増大、および社会性の低下(教育レベル、QOL、健康状態)と関連していることが示された(Bonferroni補正後)。・以上の結果から、統合失調症における症状重症度および社会性の低下が、海馬体積の減少と関連している可能性が認められた。・画像診断尺度はアウトカム不良の構造的サインとして、サブグループ(海馬体積の減少を食い止める特異的治療を要する可能性がある患者)を特定するのに役立つ可能性がある。関連医療ニュース ・グルタミン酸ドパミンD3受容体遮断による統合失調症の新たな創薬の可能性 ・統合失調症患者におけるフィルター障害のメカニズムを解明 ・検証!統合失調症患者の体重増加と遺伝子との関連

32016.

双極性障害患者の長期健康状態の独立予測因子は肥満!

 双極性障害において、肥満が内科的、精神科的負担を増大させるというエビデンスが横断的研究で多く示されている。しかし、双極性障害と肥満の関係を検証する縦断的研究はほとんど行われていなかった。カナダ・トロント大学のBenjamin I Goldstein氏らは、肥満と双極性障害との関連を3年間にわたり検討した。その結果、肥満は双極性障害患者の長期的な健康状態を予測する独立した因子であり、肥満の治療は双極性障害患者の内科的、精神科的負担の軽減につながる可能性が示唆されたことを報告した。Bipolar Disorders誌オンライン版2013年1月3日号の掲載報告。 研究は、アルコールおよび関連障害全国疫学調査(National Epidemiologic Survey on Alcohol and Related Conditions)の第1期および第2期の調査を完了した双極性障害患者1,600例を対象に、3年間にわたる肥満と双極性障害との関連を調べた。第1期の調査データを基に双極性障害と肥満との関連を検討したほか、第1期と第2期の間における双極性障害、精神科合併症、内科合併症の経過を検討した。 主な結果は以下のとおり。・肥満のある双極性障害患者(506例、29.43%)は、肥満のない双極性障害患者(1,094例、70.57%)と比べ、1)大うつ病エピソードの発現、2)うつ病に対するカウンセリング、3)自殺企図の報告、が有意に多かった。・肥満のある双極性障害患者は肥満のない双極性障害患者と比べ、アルコール使用障害の新規発症が有意に少なかった。・ベースラインの患者特性で調整した後、肥満の有無によるこれらの差は有意でなくなった。・新たなエピソードの発症、躁病/軽躁病の治療において有意な差はみられなかった。・患者特性で調整した後でも、内科合併症の新規発症[オッズ比(OR):2.32、95%信頼区間(CI):1.63~3.30]、高血圧の新規発症(OR:1.81、95%CI:1.16~2.82)、関節炎の発症(OR:1.64、95%CI:1.07~2.52)に関しては、肥満患者で有意に多かった。・肥満患者では、糖尿病(OR:6.98、95%CI:4.27~11.40)、脂質異常症(同:2.32、1.63~3.30)(第2期のみにおいて評価)と診断・報告された者が有意に多かった。・統計学的に有意ではなかったが、肥満患者では心臓発作の発生頻度が2倍であった。・肥満と将来的なうつ増加との関連は、ベースラインの患者特性に左右されると考えられた。関連医療ニュース ・抗精神病薬誘発性の体重増加に「NRI+ベタヒスチン」 ・双極性障害の再発予防に対し、認知療法は有効か? ・第二世代抗精神病薬によるインスリン分泌障害の独立した予測因子は・・・

32019.

妊娠中のSSRI服用と死産、新生児・0歳時死亡には有意な関連みられず/JAMA

 妊娠中の選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)服用と死産および新生児死亡、0歳児死亡リスクについて、有意な関連は見いだせなかったことが、スウェーデン・カロリンスカ研究所のOlof Stephansson氏らによる全北欧住民ベースのコホート研究の解析の結果、報告された。妊婦の精神疾患は有害な妊娠転帰と関連しており、一方で妊娠中のSSRI服用は、新生児の先天異常や離脱症候群、遷延性肺高血圧症などと関連していることが知られている。しかし、これまで母体の精神疾患と死産や乳児死亡のリスクとの関連については明らかではなかった。JAMA誌2013年1月2日号掲載より。全北欧5ヵ国の10年間の単胎児出産163万3,877例について解析 研究グループは、本研究において死産や乳児の死亡とSSRI服用とのリスクを明らかにすることを目的とし、1996~2007年に行われた全北欧(デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデン)の住民ベースコホート研究を解析した。 単胎児を出産した女性を組み込み、処方レジストリから妊娠時のSSRI服用の有無を調べ、母体特性、妊娠および出産時のアウトカムの情報を、患者および分娩レジストリから入手し解析した。 主要評価項目は、死産、新生児死亡、0歳児死亡と、妊娠中のSSRI服用との関連で、母体特性と精神病院の入院歴について考慮した。 試験期間中に単胎児出産は163万3,877例であった。そのうち死産が6,054例、新生児死亡3,609例、0歳児死亡は1,578例であった。有意な関連はみられなかったが投与は他のリスクを考慮して慎重であるべきと指摘 妊娠期間中にSSRIの処方を受けた母親は、2万9,228人(1.79%)だった。 SSRI曝露群は非曝露群よりも、死産(出産1,000例当たり4.62対3.69、p=0.01)、0歳児死亡(同1.38対0.96、p=0.03)の割合が有意に高かった。新生児死亡は同程度(同:2.54対2.21、p=0.24)だった。 しかし多変量モデル解析では、いずれも有意な関連がみられなかった。死産(補正後オッズ比:1.17、95%信頼区間:0.96~1.41、p=0.12)、新生児死亡(同:1.23、0.96~1.57、p=0.11)、0歳児死亡(同:1.34、0.97~1.86、p=0.08)。 精神病院入院歴で階層化すると、さらに関連は弱まった。入院歴のある人の死産の補正後オッズ比は0.92(95%信頼区間:0.66~1.28、p=0.62)であり、一方で入院歴のない人は1.07(同:0.84~1.36、p=0.59)だった。同じく新生児死亡は、0.89(同:0.58~1.39、p=0.62)と1.14(同:0.84~1.56、p=0.39)、0歳時死亡は、1.02(同:0.61~1.69、p=0.95)と1.10(同:0.71~1.72、p=0.66)だった。 著者は、上記のように有意な関連はみられなかったと結論した上で、「しかし妊娠中のSSRI投与の判断は、母体の精神疾患とともに、その他の分娩アウトカムとリスクを考慮しなければならない」とまとめている。

32020.

一次予防ICDを試験で受けた人と臨床で受けた人の生存率に有意な差みられず/JAMA

 植込み型除細動器(ICD)を受けるよう無作為に割り付けられた臨床試験の患者と、一次予防ICDを受けた臨床試験登録患者との生存率を比較した結果、両者には有意な差がみられなかったことを、米国・Duke Clinical Research InstituteのSana M. Al-Khatib氏らが報告した。無作為化試験は、ICD療法が命を救うことを示す。これまで一次予防臨床試験でICDを受けた患者の生存と、臨床実践で一次予防ICDを受けた試験適格患者の生存と異なるのかについては明らかではなかった。JAMA誌2013年1月2日号掲載より。試験間の全死因死亡を比較 研究グループは、大規模全米レジストリに登録され一次予防ICDを受けた試験適格患者の生存率が、2つの大規模一次予防臨床試験でICD療法を受けた患者[MADIT-II(742例)、SCD-HeFT(829例)]の生存率と異なるのかを調べた。 2006年1月1日~2007年12月31日の間のNational Cardiovascular Data Registry ICD Registry登録患者について、MADIT-II試験基準(傾向スコア適合2,464例)、あるいはSCD-HeFT試験基準(傾向スコア適合3,352例)と適合させたデータ(適合コホート)を後ろ向きに解析して行われた。レジストリ患者の死亡データは2009年12月31日まで集め、Cox比例ハザードモデルにて全死因死亡を比較(主要評価項目)した。ICDを受けた人の生存率に有意な差はみられず 追跡期間中央値は、MADIT-IIが19.5ヵ月、SCD-HeFTが46.1ヵ月、ICDレジストリは35.2ヵ月だった。 臨床試験に登録された患者と比較して、ICDレジストリの患者は年齢が有意に高く、複数疾患を有する割合が高かった。 適合コホートでの検討の結果、ICDを受けるよう割り付けられた、レジストリのMADIT-II様患者群とMADIT-II患者群の生存率に有意な差はみられなかった。2年死亡率はそれぞれ13.9%と15.6%で、補正後ハザード比は1.06(95%信頼区間:0.85~1.31、p=0.62)だった。同様に、SCD-HeFT様患者群とSCD-HeFT患者群との生存率も有意な差はみられなかった。3年死亡率はそれぞれ17.3%と17.4%で、補正後ハザード比は1.16(95%信頼区間:0.97~1.38、p=0.11)だった。 一方で、薬物療法を受けた人については、それぞれの比較において有意な差がみられた(例:MADIT-II様患者群とMADIT-II患者群での2年死亡率補正ハザード比は0.73、p=0.007)。また、これらの結果は65歳以上の患者で検討した場合も、同様であった。 これらの結果を踏まえて著者は、「本試験で得られた知見は、引き続き臨床試験で認められた類似の患者における一次予防ICDの使用を支持するものである」と結論している。

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