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統合失調症患者へのセロトニン作動薬のアドオン、臨床効果と認知機能を増大

 抗精神病薬治療中の統合失調症患者に対し、選択的セロトニン5-HT6受容体拮抗薬の追加併用療法は、抗精神病効果および一部の認知機能(注意力)を増大することが、ロシア医科学アカデミー国立精神保健センターのMorozova MA氏らによるパイロット試験の結果、報告された。CNS Spectrums誌オンライン版2013年6月17日号の掲載報告。 統合失調症患者へのアドオン治療として、セロトニン作動薬は有望視されている。研究グループは、抗精神病薬治療により症状が安定している統合失調症患者において、選択的セロトニン5-HT6受容体拮抗薬のAVN-211(CD-008-0173)が、臨床的および認知機能的効果を増大するかを明らかにすることを目的に、無作為化二重盲検プラセボ対照試験のパイロット試験を4週(4r-week)にわたって行った。治療効果は、臨床的評価スケールと注意力テストにて測定した。 主な結果は以下のとおり。・被験者は47例(試験薬追加併用群21例、プラセボ併用群26例)であり、そのうち併用群17例、プラセボ群25例が試験を完了した。・陽性・陰性症状スケール(PANSS)について、ベースラインでは両群に差はみられなかったが、試験終了時点では陽性サブスケールスコアについて有意差が認められ(p=0.058)、試験薬併用群の症状がより改善していた。・PANSS陽性サブスコア(p=0.0068)、臨床上の医師の印象による重症度(CGI-S)スコア(p=0.048)は、治療群のみにおいて有意な変化がみられた。・プラセボ群だけでみられた有意な変化は、カルガリー抑うつ評価スケール(CDRS)総スコアであった。・注意力テストの結果は試験終了時においても両群間の差を認めなかった。ただし、ウェクスラー成人知能検査(WAIS)のサブテストVIIIの結果は例外であり、試験薬群において有意に変化が大きかった(p=0.02)。・試験薬併用群内のみにおいて、選択的および持続的注意力の有意な変化が認められた。標準注意検査法(CAT)において、総正解率(p=0.0038)、反応時間(p=0.058)で有意な変化がみられた。関連医療ニュース 精神科薬物治療で注目される5-HT1A受容体 統合失調症患者に対するフルボキサミン併用療法は有用か?:藤田保健衛生大学 抗精神病薬へのNSAIDs追加投与、ベネフィットはあるのか?

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英国民、新硬貨発行でニッケルアレルギーが増大?

 英国では2013年に新硬貨が発行となった。このうち5ペンスと10ペンスは従来、銅ニッケルであったものが、鉄製でニッケルメッキを施したものに変更されたという。スウェーデン・カロリンスカ環境医学研究所のAnneli Julander氏らは、新たな鉄ニッケルメッキ硬貨と従来の銅ニッケル硬貨のアレルギーリスクを比較する検討を行った。その結果、新硬貨のニッケル曝露は従来硬貨の4倍であるなど、アレルギーリスクの増大が起きていることを報告した。Contact Dermatitis誌2013年6月号の掲載報告。 検討は、6例のボランティア被験者において、コインを手で握った時の皮膚曝露と金属放出を人工汗の下で評価した。 主な結果は以下のとおり。・鉄ニッケルメッキの新硬貨を手に握った時に皮膚に堆積したニッケル量は、1時間当たり7.5μg/cm2であった。この量は、銅ニッケル硬貨を握った時の量よりも4倍多かった。・鉄ニッケルメッキ硬貨のニッケルの皮膚曝露が高いのは、表面に含まれるニッケル量が多いことが要因であった。・初期のニッケル放出率は、1週間で放出される割合の10~27倍高かった。このことは、短期間に繰り返し新硬貨を握ることで、有意なニッケル曝露に結びつくとの考えを強調するものであった。・上記の結果を踏まえて著者は、「鉄ニッケルメッキの新硬貨は、銅ニッケル硬貨よりも高値のニッケルを皮膚へと堆積させる。そのため、アレルギーリスクの増大を引き起こしている」と結論した。・なお、人工汗への1週間の放出試験は、硬貨を手に握った時のリスク評価としては適切ではないと述べている。・そのうえで、ニッケル皮膚線量のリスクアセスメントが推奨されるとして、「英国民は現在、この硬貨の入れ替わりのため、皮膚への不必要に高度なニッケル曝露に曝されている。これは公衆衛生上、問題である」とまとめている。

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赤肉や加工肉の摂取は大腸がん発症率だけではなく発症後の予後にも影響

 赤肉(red meat;牛、羊、豚などの成獣肉)や加工肉の摂取は、確実に大腸がん発症率に相関しているが、大腸がん診断後の予後への影響は不明である。米国がん協会のMarjorie L. McCullough氏らは、がん診断前および診断後の自己申告による赤肉・加工肉の消費量と、転移のない浸潤性大腸がんの男女における全死因死亡率と原因別死亡率との関連を検討した。その結果、転移のない大腸がん患者において、診断前の赤肉や加工肉の摂取量が多い場合、全死因による死亡リスクが高いことが示唆された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2013年7月1日号に掲載。 がん予防研究II栄養コホートにおいて、1992~1993年、1999年、2003年のベースライン時の食事とその他の因子について参加者が報告し、ベースライン時から2009年6月30日までに大腸がんと診断された参加者について2010年12月31日まで死亡率を調査した。 主な結果は以下のとおり。・大腸がんと診断された2,315例のうち、追跡期間中に966例が死亡した(うち、大腸がんによる死亡413例、心血管疾患による死亡176例)。・多変量補正Cox比例ハザード回帰モデルでは、大腸がん診断前の赤肉・加工肉の摂取量は、全死因による死亡リスク(最上位四分位vs最下位四分位、相対リスク[RR]:1.29、95%CI:1.05~1.59、傾向のp=0.03)と心血管疾患による死亡リスク(RR:1.63、95%CI: 1.00~2.67、傾向のp=0.08)に相関していたが、大腸がんによる死亡リスクには相関しなかった(RR:1.09、95%CI:0.79~1.51、傾向のp=0.54)。・大腸がん診断後の赤肉・加工肉消費量は死亡率に相関しなかったが、摂取量が診断前後ともに多かった(中央値以上)患者は、診断前後とも少なかった患者に比べて、大腸がんによる死亡リスクが高かった(RR:1.79、95%CI:1.11~2.89)。

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n-3系多価不飽和脂肪酸、乳がんリスクを抑制/BMJ

 食事に含まれる海産物由来のn-3系多価不飽和脂肪酸(n-3 PUFA)の摂取量が増えるほど、乳がんリスクが低減することが、中国・浙江大学のJu-Sheng Zheng氏らの検討で示された。2008年の世界的ながん統計調査では、乳がんは全がん患者の23%、全がん死の14%を占めている。また、疫学研究では魚類やn-3 PUFAの摂取は乳がんの発症に対し予防的に働くことが示唆されているが、この知見と矛盾する観察試験の結果があるという。BMJ誌オンライン版2013年6月27日号掲載の報告。魚類、n-3 PUFA摂取とリスクの関連をメタ解析で評価 研究グループは、魚類およびn-3 PUFAの摂取と乳がんのリスクの関連について検討し、摂取とリスクの用量反応関係を評価するために、前向きコホート試験の系統的レビューとメタ解析を行った。 医学文献データベースを検索し、2012年12月までに発表された論文とその関連文献から、魚類およびn-3 PUFAの摂取量やバイオマーカーに基づく乳がんの相対リスク(RR)と95%信頼区間(CI)の記載のあるものを選出した。 21件の前向きコホート試験に関する論文26編(乳がん患者:2万905例、参加者:88万3,585例)が解析の対象となった。米国と欧州の論文が11編ずつで、4編はアジアの試験であった。n-3 PUFA最大摂取群でリスクが14%低下、魚類、αリノレン酸は関連せず 魚類摂取に関するものが11編(乳がん患者:1万3,323例、参加者:68万7,770例)、海産物由来のn-3 PUFA摂取が17編(同:1万6,178例、52万7,392例)で、12編(同:1万4,284例、40万5,592例)はαリノレン酸摂取についても検討していた。 n-3 PUFA摂取量が最も多い群は、最も少ない群に比べ乳がんの発症リスクが14%低く(RR:0.86、95%CI:0.78~0.94)、n-3 PUFAを食事(RR:0.85、95%CI:0.76~0.96)およびバイオマーカー(RR:0.86、95%CI:0.71~1.03)で評価した場合のRRは類似していた。 サブグループ解析では、n-3 PUFA摂取量と乳がんリスクの逆相関関係は、BMI未調整の試験(RR:0.74、0.64~0.86)のほうが、BMIで調整済みの試験(RR:0.90、0.80~1.01)に比べ、より明確に認められた。 摂取量とリスクの用量反応解析では、食事によるn-3 PUFA摂取量が0.1g/日増加するごとに乳がんリスクは5%低下し(RR:0.95、95%CI:0.90~1.00)、n-3 PUFAの1日の摂取エネルギーに占める割合が0.1%増加するごとにリスクが5%抑制された(RR:0.95、95%CI:0.90~1.00)。 魚類およびαリノレン酸の摂取と乳がんリスクには有意な関連は認めなかった。 著者は、「食事による海産物由来n-3 PUFAの摂取量が増えるに従って乳がんリスクが低減することが示された。魚類、αリノレン酸と乳がんリスクとの関連については、さらなる前向きコホート試験で確認すべきと考えられる」と結論し、「これらの知見は、食事やライフスタイル介入による乳がん予防に、公衆衛生上の有益な示唆を与えるもの」と指摘している。

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クロピドグレル追加、TIA患者の脳卒中を予防/NEJM

 一過性脳虚血発作(TIA)および軽症虚血性脳卒中の患者において、クロピドグレル(商品名:プラビックス)+アスピリン併用療法はアスピリン単独療法に比べ脳卒中再発の予防効果が有意に優れることが、中国・首都医科大学附属北京天壇病院のYongjun Wang氏らが実施したCHANCE試験で示された。懸念された出血リスクの増加は認めなかった。中国では毎年、約300万人が新規に脳卒中を発症し、その約30%が軽症脳卒中であり、TIAの発症は毎年200万人以上に上るという。脳卒中は、TIAや軽症脳卒中から数週間以内に発症することが多く、パイロット試験ではクロピドグレル+アスピリン併用はアスピリン単独よりも脳卒中再発の予防効果が高い可能性が示唆されていた。NEJM誌オンライン版2013年6月26日号掲載の報告。再発予防効果を無作為化プラセボ対照比較試験で評価 CHANCE試験は、TIA、軽症脳卒中患者の脳卒中予防におけるクロピドグレル+アスピリン併用療法とアスピリン単独療法の有用性を比較する二重盲検無作為化プラセボ対照比較試験。高リスクTIAまたは軽症急性虚血性脳卒中を発症後24時間以内の40歳以上の患者を対象に実施した。 併用群はクロピドグレル初回用量300mgを投与後、75mg/日を90日間、アスピリンは75mg/日を21日間投与した。単独群にはプラセボとアスピリン75mg/日を90日間投与した。両群とも、第1日目に非盲検下にアスピリン75~300mg(用量は担当医が決定)が投与された。 主要評価項目は、intention-to-treat集団における90日以内の脳卒中(虚血性、出血性)の発症とした。脳卒中発症を32%抑制 2009年10月~2012年7月までに中国の114施設に5,170例が登録され、クロピドグレル+アスピリン併用療法群に2,584例、アスピリン単独療法群には2,586例が割り付けられた。 全体の年齢中央値は62歳、女性が33.8%で、イベントはTIAが27.9%、軽症脳卒中が72.1%、発症から割り付けまでの時間中央値は13時間であり、高血圧が65.7%、糖尿病が21.1%にみられ、喫煙経験者は43.0%であった。 90日以内の脳卒中発症率は併用群が8.2%(212/2,584例)と、単独群の11.7%(303/2,586例)に比べ有意に低下した(ハザード比[HR]:0.68、95%信頼区間[CI]:0.57~0.81、p<0.001)。致死的あるいは回復不能な脳卒中は、併用群の5.2%(135/2,584例)、単独群の6.8%(177/2,586例)にみられた(0.75、0.60~0.94、p=0.01)。 副次的評価項目のうち、脳卒中・心筋梗塞・心血管死の複合アウトカム(8.4 vs 11.9%、HR:0.69、95%CI:0.58~0.82、p<0.001)および虚血性脳卒中(7.9 vs 11.4%、0.67、0.56~0.81、p<0.001)の発症率が、併用群で有意に少なかった。心血管死(0.2 vs 0.2%、1.16、0.35~3.79、p=0.81)や全死因死亡(0.4 vs 0.4%、0.97、0.40~2.33、p=0.94)は両群で同等だった。 中等度~重度の出血の発症率は併用群が0.3%(7/2,584例)、単独群も0.3%(8/2,586例)であった(p=0.73)。出血性脳卒中は両群とも8例ずつに認められ、発症率はいずれも0.3%だった(p=0.98)。 著者は、「発症後24時間以内の高リスクTIA、軽症虚血性脳卒中患者において、クロピドグレル+アスピリン併用療法はアスピリン単独療法に比べ90日脳卒中リスクを32%抑制し、懸念された出血リスクの増加は認めなかった」と結論している。

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小児および思春期うつ病に対し三環系抗うつ薬の有用性は示されるか

 オーストラリア・トーマスウォーカー病院のPhilip Hazell氏らは、小児および思春期うつ病に対する三環系抗うつ薬の有効性を評価することを目的に、Cochrane reviewの最新版について報告を行った。その結果、小児うつ病の治療に三環系抗うつ薬は有用でなく、思春期患者に対してはその使用を支持するエビデンスはわずかであることを報告した。成人のうつ病に三環系抗うつ薬は有効であるが、小児および思春期患者を含む個別の研究においては疑問の余地が残されており、これら患者集団への処方は一般的ではない。研究グループは、小児および思春期のうつ病に対する三環系抗うつ薬の有効性を正確に評価することは、同世代のうつ病における他の薬剤治療の有効性と比較するうえでも有用であるとして本レビューを行った。Cochrane database of systematic reviewsオンライン版2013年6月18日の掲載報告。 小児および思春期うつ病に対する三環系抗うつ薬の効果をプラセボと比較検討するとともに、これら患者集団で三環系抗うつ薬に対する反応性に相違があるか否かを評価することを目的として、Cochrane reviewを行った。同様の検討は2000年に最初の報告がなされ、以降2002年、2006年、2010年と更新されており、本報告は最新版である。2013年4月12日までのCochrane Depression, Anxiety and Neurosis Review Group's Specialised Register(CCDANCTR)を基に検索を行った。CCDANCTRには、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(すべての年)、EMBASE(1974~)、MEDLINE(1950~)およびPsycINFO(1967~)などの文献データベース中の無作為化対照試験が含まれる。過去に発表されたレビュー文献および未発表の研究について言及している文献についてクロスチェックを行った。また、米国児童思春期精神医学学会(American Academy of Child and Adolescent Psychiatry)の学会誌において関連する抄録にもあたり、1978~1999年の同学会誌を手作業で検索した。そして、これらの中から6~18歳のうつ病患者を対象に、経口三環系抗うつ薬とプラセボを比較検討している無作為化対照試験を選択した。 主な結果は以下のとおり。・14試験の590例を解析対象とした。主要アウトカム(プラセボと比較した有効性)において全般的に相違はみられなかった(リスク比[RR]:1.07、95%信頼区間[CI]:0.91~1.26、9試験、454例)。・うつ症状のわずかな軽減が認められたが(標準平均差[SMD]:-0.32、95%CI:-0.59~-0.04、13試験、533例)、エビデンスの質は低かった。・サブグループ解析では、うつ症状の若干の軽減が思春期患者で認められ(SMD:-0.45、95%CI:-0.83~-0.007)、小児においてはごくわずかな変化にとどまった(SMD:0.15、95%CI:-0.34~0.64)。・三環系抗うつ薬群では、めまい(RR:2.76、95%CI:1.73~4.43、5試験、324例)、起立性低血圧(RR:4.86、95%CI:1.69~13.97、5試験、324例)、振戦(RR:5.43、95%CI:1.64~17.98、4試験、308例)、口渇(RR:3.35、95%CI:1.98~5.64、5試験、324例)がプラセボ群に比べ高頻度に認められたが、その他の有害事象の発現に差はみられなかった。・信頼区間の幅が広かったことから、有害事象に対するエビデンスの質は非常に低いと考えられた。・年齢、治療方法、三環系抗うつ薬の種類、アウトカム指標などに関して試験間で不均質性がみられた。・うつ症状の軽減に対し統計学的な不均質性が確認されたが、寛解または有効率については確認されなかった。・このように、統合データの解析結果については慎重に評価すべきである。・これら試験においては、バイアスのリスク、高い脱落率、評価手段、アウトカムの臨床的意義など、各試験で異なることの多いこれらについて情報が限られており、いずれの試験もバイアスのリスクが低いとは判断しなかった。・以上より、三環系抗うつ薬は小児うつ病の治療に有用ではなく、思春期患者に対してはその使用を支持するわずかなエビデンスがあると言える。関連医療ニュース 抗うつ薬による治療は適切に行われているのか?:京都大学 日本人のうつ病予防に期待?葉酸の摂取量を増やすべき SSRI+非定型抗精神病薬の併用、抗うつ作用増強の可能性が示唆

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こどものみかた<下巻> ~シミュレーションで学ぶ見逃せない病気~

第4回「もう大丈夫!子どもの喘鳴」第5回「これですっきり!嘔吐のみかた」第6回「子どもの腹痛 便秘と重症疾患の見極め!」 小児科医でなくても、日常診療や夜間救急・輪番で「こどもを診る」機会のある一般内科医や看護師も多いのではないでしょうか。そんな時、慌てずに対応できていますか?本DVDは、診療所に緊急度の高い小児救急患者が訪れた場面のシミュレーションをふまえ、適切なトリアージ、処置、診断、家族への病状説明、小児専門医への搬送などを身に付ける、小児救急の実践的プログラムです。第4回「もう大丈夫!子どもの喘鳴」小児の小急性疾患のひとつ喘鳴を取り上げます。レクチャーにおける到達目標は3つです。1)小児の喘鳴の鑑別疾患を5つ挙げることができる 2)緊急性を判断し小児科に相談ができる 3)喘鳴の鑑別診断と初期治療を行うことができる番組では、症例動画を参考に喘鳴患者の見た目と呼吸音を理解し、ロールプレイをとおして病歴聴取法やバイタルサインの確認法など学習していきます。本シリーズ恒例のおさらいクイズで喘鳴診療の学習度をチェックしましょう。第5回「これですっきり!嘔吐のみかた」子どもの救急外来で「発熱」に次いで多いのが「嘔吐」です。高熱でお腹が張り嘔吐、咳が出てむせこみ嘔吐、泣きすぎて嘔吐…などコモンな症状に関わらずその原因は様々で、緊急度の高い疾患も潜むため、嘔吐の診断は的確さが求められます。とはいえ焦る必要はありません。ABC(見た目)の確認、バイタルサインの数値化、的確な問診・診察を行い、胃腸炎、腸重積、虫垂炎、髄膜炎、代謝性など嘔吐をきたす疾患を見極める術を学びます。そしておさらいクイズで学習度をチェック!第6回「子どもの腹痛 便秘と重症疾患の見極め!」小児救急の3大主訴のひとつ「腹痛」です。乳幼児は大人のように腹痛を訴えることができません。不機嫌、哺乳力低下、啼泣など子どもの様子から迅速かつ的確にトリアージしなくてはなりません。小児になると便秘による腹痛が大半です。便が出ていても便秘!?激痛が浣腸だけで収まる!といったことも珍しくありません。このように小児の腹痛は便秘や胃腸炎などが多いのですが、虫垂炎、腸重積、鼠径ヘルニア、精巣捻転、紫斑病などを念頭に鑑別する必要があります。ABCで見た目の異常を確認し、虫垂炎や腸重積などの特徴を念頭に便秘と重症疾患を見極める術を学びます。最後のおさらいクイズで学習度をチェックしましょう。

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アスピリン喘息の患者に対し解熱消炎薬を投与し、アナフィラキシーショックで死亡したケース

自己免疫疾患最終判決判例タイムズ 750号221-232頁、786号221-225頁概要気管支喘息の検査などで大学病院呼吸器内科に入院していた42歳女性。入院中に耳鼻科で鼻茸の手術を受け、術後の鼻部疼痛に対し解熱消炎薬であるジクロフェナクナトリウム(商品名:ボルタレン)2錠が投与された。ところが服用後まもなくアナフィラキシーショックを起こし、呼吸困難から意識障害が進行、10日後に死亡した。詳細な経過患者情報42歳女性経過1979年(39歳)春痰を伴う咳が出現し、時に呼吸困難を伴うようになった。12月10日A病院に1ヵ月入院し、喘息と診断された。1981年夏安静時呼吸困難、および喘鳴が出現し、歩行も困難な状況になることがあった。8月11日再びA病院に入院し、いったんは軽快したがまもなく入院前と同じ症状が出現。1982年2月起坐呼吸が出現し、夜間良眠が得られず。体動による喘鳴も増強。6月近医の紹介により、某大学病院呼吸器内科を受診し、アミノフィリン(同:ネオフィリン)などの投与を受けたが軽快せず。9月7日A病院耳鼻科を受診し、アレルギー性鼻炎を基盤とした重症の慢性副鼻腔炎があり、鼻茸を併発していたため手術が予定された(患者の都合によりキャンセル)。9月27日咽頭炎で発熱したためA病院耳鼻科を受診し、解熱鎮痛薬であるボルタレン®、およびペニシリン系抗菌薬バカンピシリン(同:バカシル、製造中止)の処方を受けた。帰宅後に両薬剤を服用してまもなく、呼吸困難、喘鳴を伴う激しいアナフィラキシー様症状を起こし、救急車でA病院内科に搬送された。入院時にはチアノーゼ、喘鳴を伴っていて、薬剤によるショックであると診断され、ステロイドホルモンなどの投与で症状は軽快した。担当医師は薬物アナフィラキシーと診断し、カルテに「ピリン、ペニシリン禁」と記載した。この時の発作以前には薬物による喘息発作誘発の既往なし。1983年2月3日A病院耳鼻科を再度受診して鼻茸の手術を希望。この時には症状および所見の軽快がみられたので、しばらくアレルギー性鼻炎の治療が行われ、かなり症状は改善した。5月10日気管支喘息の原因検索、およびコントロール目的で、某大学病院呼吸器内科に1ヵ月の予定で入院となった。5月24日不眠の原因が鼻閉によるものではないかと思われたので同院耳鼻科を受診。両側の鼻茸が確認され、右側は完全閉塞、左側にも2~3の鼻茸があり、かなりの閉塞状態であった。そこで鼻閉、およびそれに伴う呼吸困難の改善を目的とした鼻茸切除手術が予定された。5月25日教授回診にて、薬剤の既往症をチェックし、アスピリン喘息の可能性を検討するように指示あり。6月2日15:12~15:24耳鼻科にて両側鼻茸の切除手術施行。15:50病室へ戻る。術後に鼻部の疼痛を訴えた。17:00担当医師が学会で不在であったため、待機していた別の当番医によりボルタレン®2錠が処方された。17:30呼吸困難が出現。喘鳴、および低調性ラ音が聴取されたため起坐位とし、血管確保、およびネオフィリン®の点滴が開始された。17:37喘鳴の増強がみられたため、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム(同:サクシゾン)、ネオフィリン®の追加投与。17:40突然チアノーゼが出現し気道閉塞状態となる。ただちに気管内挿管を試みたが、筋緊張が強く挿管困難。17:43筋弛緩薬パンクロニウム(同:ミオブロック4mg)静注し再度気管内挿管を試みたが、十分な開口が得られず挿管中止。17:47別の医師に交代して気管内挿管完了。17:49心停止となっため心臓マッサージ開始。エピネフリン(同:ボスミン)心注施行。17:53再度心停止。再びボスミン®を心注したところ、洞調律が回復。血圧も維持されたが、意識は回復せず、まもなく脳死状態へ移行。6月12日07:03死亡確認となる。当事者の主張患者側(原告)の主張1.問診義務違反アスピリン喘息が疑わる状況であり、さらに約8ヵ月前にボルタレン®、バカシル®によるアナフィラキシーショックを起こした既往があったのに、担当医師は問診を改めてやっていないか、きわめて不十分な問い方しかしていない2.過失(履行不完全)問診により発作誘発歴が明らかにならなくても、鼻茸の手術前に解熱鎮痛薬を使用してよい患者かどうか確認するために、スルピリンやアスピリンの吸入誘発試験により確実にアスピリン喘息の診断をつけるべきであった。さらに、疼痛に対しいきなりボルタレン®2錠を使用したことは重大な過失である3.救命救急処置気管内挿管に2度失敗し、挿管完了までに11分もかかったのは重大な過失である病院側(被告)の主張1.問診義務違反アスピリン喘息を疑がって問診し、風邪薬などの解熱鎮痛薬の発作歴について尋ねたが、患者が明確に否定した。過去のアナフィラキシーショックについても、問題となった薬剤服用事実を失念しているか、告知すべき事実と観念していないか、それとも故意に不告知に及んだかのいずれかである2.過失(履行不完全)スルピリン吸入誘発試験によるアスピリン喘息確定診断の可能性、有意性はきわめて少ない。アナフィラキシーショックを予防する方法は、適切な問診による既往症の聴取につきるといって良いが、本件では問診により何ら薬物によるアナフィラキシー反応の回答が得られなかったので、アナフィラキシーショックの発生を予測予防することは不可能であった3.救命救急処置1回で気管内挿管ができなかったからといって、けっして救命救急処置が不適切であったことにはならない裁判所の判断第1審の判断問診義務違反患者が故意に薬剤服用による発作歴があることを秘匿するとは考えられないので、担当医師の質問の趣旨をよく理解できなかったか、あるいは以前の担当医師から受けた説明を思い出せなかったとしか考えられない。適切な質問をすれば、ボルタレン®およびバシカル®の服用によってショックを起こしたことを引き出せたはずであり、問診義務を尽くしたとは認めがたい。このような担当医師の問診義務違反により、アスピリン喘息の可能性を否定され、鼻茸の除去手術後にアスピリン喘息患者には禁忌とされるボルタレン®を処方され、死亡した。第2審の判断第1審の判断を翻し、入院時の問診で主治医が質問を工夫しても、鎮痛薬が禁忌であることを引き出すのは不可能であると判断。しかし、担当医師代行の当番医が、アスピリン喘息とは断定できないもののその疑いが残っていた患者に対してアスピリン喘息ではないと誤った判断を下し、いきなりボルタレン®2錠を投与したのは重大な過失である。両判決とも救命救急処置については判断せず。6,612万円の請求に対し、3,429万円の支払命令考察本件では第1審で、「ボルタレン®、バシカル®によるアナフィラキシーショックの既往歴を聞き出せなかったのは、問診の仕方が悪い」とされました。この患者さんは弁護士の奥さんであり、「患者は知的で聡明な女性であり、医師のいうことを正しく理解できたこと、担当医師との間には信頼関係が十分にあった」と判決文にまで書かれています。しかも、この事件が起きたのは大学病院であり、教授回診で「薬剤の既往症をチェックし、アスピリン喘息の可能性を検討するように」と具体的な指示までありましたので、おそらく担当医師はきちんと問診をしていたと思われます。にもかかわらず、過去にボルタレン®およびバシカル®でひどい目にあって入院までしたことを、なぜ患者が申告しなかったのか少々理解に苦しみますし、「既往歴を聞き出せなかったのは、問診の仕方が悪い」などという判決が下るのも、ひどく偏った判断ではないかと思います。もっとも、第2審ではきちんとその点を訂正し、「担当医師の問診に不適切な点があったとは認められない」とされました。当然といえば当然の結果なのですが、こうも司法の判断にぶれがあると、複雑な思いがします。結局、本件はアスピリン喘息が「心配される」患者に対し、安易にボルタレン®を使ったことが過失とされました。ボルタレン®やロキソプロフェンナトリウム(同:ロキソニン)といった非ステロイド抗炎症薬は、日常臨床で使用される頻度の高い薬剤だと思います。そして、今回のようなアナフィラキシーショックに遭遇することは滅多にないと思いますので、われわれ医師も感冒や頭痛の患者さんに対し気楽に処方してしまうのではないかと思います。過去に薬剤アレルギーがないことを確認し、そのことをカルテにきちんと記載しておけば問題にはなりにくいと思いますが、「喘息」の既往症がある患者さんの場合には要注意だと思います。アスピリン喘息の頻度は成人喘息の約10%といわれていますが、喘息患者の10人に1人は今回のような事態に発展する可能性があることを認識し、抗炎症薬はなるべく使用しないようにするか、処方するにしてもボルタレン®やロキソニン®のような酸性薬ではなく、塩基性非ステロイド抗炎症薬を検討しなければなりません。自己免疫疾患

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汚染メチルプレドニゾロン注射による脊椎真菌感染症、MRIで高精度に識別/JAMA

 汚染されたメチルプレドニゾロン注射を受けた人に対し、MRI検査を行うことで、脊椎または傍脊椎真菌感染症の有無を、高い精度で識別できることが明らかになった。米国・St Joseph Mercy HospitalのAnurag N. Malani氏らが行った試験の結果、報告したもので、MRI所見で異常が認められた36例中35例で、同真菌感染症である可能性が高いと診断されたという。米国では2012年に、汚染されたメチルプレドニゾロン注射(薬局で調製)が原因で、多州にわたる髄膜炎のアウトブレイクが発生している。JAMA誌2013年6月19日号掲載の報告より。汚染薬剤の注射を受け、副作用について未治療の172例にMRI検査 研究グループは、汚染されたメチルプレドニゾロン注射を受けていながら、その副作用について治療を受けていない患者、172例を試験の対象とした。被験者に対し、2012年11月~2013年4月にかけてMRI検査を行い、その所見による脊椎・傍脊椎真菌感染症の識別能について調べた21%にMRI所見異常、その大部分がCDC基準で脊椎・傍脊椎感染が高い可能性 その結果、被験者のうちMRI所見で異常が認められたのは36例(21%)で、硬膜外または傍脊椎に膿瘍や蜂巣織炎、くも膜炎、脊椎骨髄炎、椎間板炎、また中程度から重度の硬膜外・傍脊椎・硬膜内の増強が認められた。 そのうち35例が、米国疾病予防管理センター(CDC)の診断基準で、脊椎・傍脊椎真菌感染症の可能性が高い(17例)、または確定的(18例)であると診断された。 35例の患者全員に、抗真菌剤(ボリコナゾール、アムホテリシンBリポソーム製剤の併用・非併用)を投与した。そのうち24例は、外科的創面切除術を要したが、手術時点で17例(71%)が、臨床検査によって真菌感染症が確認された。なお、同17例中5例は、自覚症状がなかった。

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抗精神病薬の効果はすべて同じ、ではない/Lancet

 統合失調症の治療に使用される抗精神病薬は、個々の薬剤で副作用が大きく異なり、有効性にも小さいながら確固とした差があることが、ドイツ・ミュンヘン工科大学rechts der IsarクリニックのStefan Leucht氏らの検討で示された。同氏は「抗精神病薬の効果は第1世代と第2世代で同じとの定説を覆すもの」としている。統合失調症の治療に、どの抗精神病薬が望ましいかとの問いへの答えは、主に費用対効果の問題で錯綜しており、従来のpairwise法によるメタ解析では、有効性および忍容性のエビデンスに基づく序列(evidence-based hierarchy)は確立されていないという。Lancet誌オンライン版2013年6月27日号掲載の報告。15薬剤の7アウトカムをmultiple-treatmentsメタ解析で評価 研究グループは、統合失調症治療における抗精神病薬のエビデンスを統合し、有用性の序列(ヒエラルキー)の創出を目的に、直接および間接比較を用いたベイズ分析に基づくmultiple-treatmentsメタ解析を実施した。 医学文献データベースを検索し、2012年9月1日までに報告された、統合失調症またはその関連疾患の急性期治療として15の抗精神病薬とプラセボを盲検下に比較した無作為化対照比較試験の論文を抽出した。検索結果は、米国食品医薬品局(FDA)のウェブサイトの文献や製薬会社の要請によるデータで補足された。 陰性症状が優勢な患者や併発疾患、治療抵抗性がみられる患者に関する試験、病態が安定した患者を対象とした試験は除外した。主要評価項目は有効性(陽性・陰性症状評価尺度[PANSS]に基づく総合的な症状の改善効果)とし、全原因による治療中止、体重増加、錐体外路症状、プロラクチン値上昇、心電図QTc延長、鎮静作用を合わせて全7項目のアウトカムについて検討した。個々の患者の必要に応じた薬剤選択に有用 1955年10月~2012年9月までに発表された212試験に参加した4万3,049例について解析した。その結果、15の薬剤のすべてが、プラセボよりも有意に有効性が優れたが、プラセボとの比較における有効性に関する各薬剤の標準化平均差(standardized mean difference:SMD)には小さいながら差がみられた。15の薬剤は、有効性が高い順に以下のとおりであった[括弧内の数値は95%確信区間(credible interval:CrI)]。 クロザピン:0.88(0.73~1.03)、アミスルピリド(amisulpride・国内未承認):0.66(0.53~0.78)、オランザピン:0.59(0.53~0.65)、リスペリドン:0.56(0.50~0.63)、パリペリドン:0.50(0.39~0.60)、ゾテピン:0.49(0.31~0.66)、ハロペリドール:0.45(0.39~0.51)、クエチアピン:0.44(0.35~0.52)、アリピプラゾール:0.43(0.34~0.52)、セルチンドール(sertindole・同):0.39(0.26~0.52)、ジプラシドン(ziprasidone・同):0.39(0.30~0.49)、クロルプロマジン:0.38(0.23~0.54)、アセナピン(asenapine・同):0.38(0.25~0.51)、ルラシドン(lurasidone・同):0.33(0.21~0.45)、イロペリドン(iloperidone・同):0.33(0.22~0.43)。 副作用には差があり、各薬剤の特性が認められた。すなわち、プラセボとの比較における全原因治療中止のオッズ比(OR)が最も優れていたのはアミスルピリドの0.43で、ハロペリドールの0.80が最も不良であった。同様に、錐体外路症状のORの範囲はクロザピンの0.30からハロペリドールの4.76まで、鎮静作用はアミスルピリドの1.42からクロザピンの8.82までであった。 体重増加のSMDはハロペリドールの-0.09が最良で、オランザピンの-0.74が最も不良であり、同様にプロラクチン値上昇のSMDの範囲はアリピプラゾールの0.22からパリペリドンの-1.30、心電図QTc延長のSMDはルラシドンの0.10からセルチンドールの-0.90までであった。 著者は、「個々の抗精神病薬の副作用は大きく異なっており、有効性にも小さいながら確固とした差が認められた」とまとめ、「これらmultiple-treatmentsメタ解析による知見は従来のpairwiseメタ解析の限界を克服するもので、『第1世代と第2世代の抗精神病薬の効果は同じ』とする定説に異議を唱え、このような単純なカテゴリーには分類できないことを示唆する。7項目のアウトカムに関する序列は、個々の患者の必要に応じた抗精神病薬の選択に有用であり、心の健康に関する施策を立案する際や診療ガイドラインの改訂時に考慮すべきである」と指摘している。

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今、学ぶ 『小児1型糖尿病の実態』

 2013年7月2日(火)都内にて、「小児1型糖尿病の実態」をテーマにセミナーが開かれた(サノフィ株式会社開催)。演者である駿河台日本大学病院の浦上 達彦氏(小児科 准教授)は、インスリンポンプやBBTが治療の主流になっている現状に触れたうえで、「子どもでも、ライフスタイルや血糖値の動きを見ながら、患者さんに合わせて注射法を選択する時代がきている」と述べた。 講演前半は、本年10月に開催予定の国際小児思春期糖尿病学会(ISPAD)にて会長を務めるRagnar Hanas氏から小児1型糖尿病患者の治療ガイドラインについての内容が語られた。 以下、内容を記載する。【小児1型糖尿病を取り巻く状況】 糖尿病への関心は高まっているが、「小児1型糖尿病」の認知はいまだ高くないのが現状ではないだろうか。しかし、小児1型糖尿病は小児特有の治療ニーズがあり、生涯続く小児疾患の中では比較的高頻度であることから、治療においても改善の余地が大きい。この背景を踏まえ、国際小児思春期糖尿病学会(ISPAD)では治療の円滑化を目的に、治療ガイドラインをインターネット上で公開し(www.ispad.orgからダウンロード可能)、血糖コントロールや低血糖、シックデイ対策を紹介するといった積極的な情報発信を行っている。【小児1型糖尿病の治療について】 小児1型糖尿病の治療目標は、患者が、健常な子どもと同等の成長、発育を認め、同じような生活を送れるようにすることである。治療においても、食事の摂取カロリーや運動を制限しない、など2型糖尿病とは異なるアプローチがとられる。また、血糖管理目標値は大人よりも高く、HbA1c値7.5%である。これは、子どもの場合、運動量や食事量が不規則になりがちなことから、低血糖リスクを考慮して定められている。【わが国の治療成績は高まっている】 日本における小児1型糖尿病の治療成績をみると、血糖コントロールは改善傾向にあり、重症低血糖の頻度も減少傾向にあることが、日本小児インスリン治療研究会(JSGIT)における平均HbA1c値の推移から明らかになっている。その要因として、国際的ガイドラインの制定や研究会等による啓発活動のほか、インスリン製剤自体の改良が考えられる。インスリン製剤については、速やかな吸収と短時間の消失を実現できる超速効型インスリンや24時間にわたり安定して血糖値をコントロールできる持効型インスリンの登場が、血糖管理の向上に一役買ったといえるだろう。【治療の主流は、BBTとインスリンポンプ】 インスリンの投与法としては、Basal-Bolus療法(BBT)が主流である。浦上氏は、自施設におけるインスリン治療の内訳を紹介し、1日に4~5回の注射、またはインスリンポンプによる治療割合が多いことを示した。インスリンポンプは一見難しそうにみえるが、その利便性から使用満足度が高いとされる。子どもが幼稚園に行っている時間帯にはあらかじめインスリン量を増やしておく、といった調整が可能な点が評価されている。今はまだ開発段階だが、「低血糖状態になるとインスリンの注入が自動的に止まる」、「血糖値の変動データから自動的にインスリン注入量を決める」といった、さながら人工膵臓のような機器の開発も進んでいるとのことであった。浦上氏は「対象が子どもであっても、ライフスタイル、血糖値の動きを見ながら注射法を選択する時代がきている」と講演をまとめた。【編集後記】 日本における小児1型糖尿病の発症率は小児10万人に対し1.5~2.0人と、北欧と比べると少ない。しかし、インスリンポンプを治療の主体とする北欧と比べ、日本におけるインスリンポンプの普及率は低い。その理由として、指導能力のある医師がいる施設が少ないことや、保険診療上、条件が限定される点が指摘されている。現状では、保険診療でカバーされる北欧のように、すべての患者がインスリンポンプを選択することは難しいわけだが、今後の新しい機器の開発や制度改革などで、少しでも多くの患者の治療選択肢が増えることを期待したい。

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自然災害後は精神的ストレスで腰痛を発症

 急性腰痛から慢性腰痛への移行は、身体的および心理的要因に影響される。大規模災害後において、これらの要因を同定することは、命に関わる腰痛を識別し、治療するうえで重要となる。イタリア・ラクイラ大学のChiara Angeletti氏らの調査によれば、自然災害によって誘発された精神的ストレスが交感神経活性を高め、末梢神経や中枢神経系を介してさらに痛覚が増幅され、非特異的腰痛を引き起こしたり、疼痛が慢性化する可能性があることが示唆された。Pain Practice誌オンライン版2013年6月14日号の掲載報告。 本研究は、地震発生後5週間以内の4ヵ所の高度医療施設(AMP)において、腰痛有病率ならびに鎮痛薬の使用頻度、薬の種類、その短期的効果を調査した。 疼痛の強さは口答法にて数値評価スケール(NRS)を用いて評価し、腰痛が原発性か二次性かの診断は臨床的特徴に基づいて行われた。 主な結果は以下のとおり。・AMP初回受診者958例において、急性腰痛の有病率は4.9%(95%信頼区間:3.7~6.4)であり、治療を受けた全疼痛患者の14.1%(95%信頼区間:10.8~18.3)を占めた。・慢性腰痛既往者の腰痛再発例が40%(19例)、初回腰痛発症例が60%(28例)であった。・疼痛治療は、短期的評価においては口答法によるNRSを有意に改善し、有効といえた。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説

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「抗てんかん薬による自殺リスク」どう対応すべきか?

 2008年にFDAより、抗てんかん薬服用中の患者における自殺リスクの増加について注意喚起がなされた。てんかん患者の標準化死亡比は5.1と報告されているが(95%CI:3.9~6.6)、これには精神疾患の合併なども影響していると考えられる。イタリア・トリニティ病院のMarco Mula氏らは、てんかん患者の気分障害の現象学や抗てんかん薬の向精神作用を考慮に入れたうえで、てんかん、自殺、抗てんかん薬における相互作用について検討を行った。Bipolar disorders誌オンライン版2013年6月12日号の報告。 てんかん、抗てんかん薬、自殺のキーワードを用い、Medline/PubMedから検索した。国際的なピア・レビュー誌の英語論文のみを抽出し、参考文献に関しても調査した。 主な結果は以下のとおり。・研究結果は一貫しておらず、FDAの結論を支持するものと支持しないものとがあった。・この結果は、方法論的ないくつかの制限(過去の自殺経験、てんかんの交絡効果などによる調整)に起因する可能性がある。・てんかん患者のサブグループにおいては、抗てんかん薬の特定のメカニズムとは独立して、試験治療下での精神医学的な有害事象の発現リスクがあると考えられた。・てんかん患者の薬物治療においては、抗てんかん薬の選択の際に発作パターンに注意を払うだけでなく、多くの異なるパラメーター、とくに個々の患者の精神状態を考慮する必要があると考えられる。関連医療ニュース 小児てんかん患者、最大の死因は? 難治性の部分発作を有する日本人てんかん患者への治療 境界性パーソナリティ障害患者の自殺行為を減少させるには

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読影クイズ【基本編】 (脊椎のエックス線I画像)

半定量的評価法(SQ法)を用いた椎体骨折の判定にチャレンジ!!それぞれの症例のX線画像をみて、各椎体のSQグレードを答えなさい。SQ法とは、椎体骨折評価基準(2012年改訂版)の中で、椎体骨折の評価法として新たに追加された。従来の定量的評価法(QM法)に比べ簡便であることから、幅広い活用が期待されている。具体的には、X線画像を下図に照らし合わせ、グレードの判定を行う。画像を拡大する

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過体重・肥満の2型糖尿病患者、生活習慣介入強化では心血管リスクは低下しない/NEJM

 過体重・肥満の2型糖尿病患者に対し、生活習慣介入を強化し体重減少を図っても、心血管イベントの発生率は減少しなかったことが明らかにされた。米国・ブラウン大学ワーレンアルパートメディカルスクールのRena R. Wing氏ら「Look AHEAD研究グループ(糖尿病健康アクション)」が報告した。過体重・肥満の2型糖尿病患者には体重減少が推奨されているが、これまで体重減少が心血管疾患へ及ぼす長期的な影響について明らかではなかった。NEJM誌オンライン版2013年6月24日号掲載の報告より。生活習慣介入強化群と糖尿病支援・教育群のアウトカムを比較 研究グループは、過体重もしくは肥満である2型糖尿病患者に対して、生活習慣介入を強化し体重減少を図ることで心血管疾患罹患率および死亡率が低下するかどうかを調べた。 試験は米国の医療施設16ヵ所を通じて行われた。2001年8月~2004年4月の間に5,145例が被験者として登録され、生活習慣介入強化群(2,570例、介入群)もしくは糖尿病支援・教育を受ける群(2,575例、対照群)に無作為に割り付けられ追跡を受けた(最大13.5年)。 主要アウトカムは、追跡期間中の心血管系が原因の死亡・非致死的心筋梗塞・非致死的脳卒中・狭心症による入院の複合とした。試験は追跡期間中央値9.6年で打ち切り 試験は、追跡期間中央値9.6年で、介入の無益性が明らかになったとして早期打ち切りとなった。 体重減少は、本研究全体を通して、対照群より介入群で大きかった(1年時点:8.6%対0.7%、試験終了時6.0%対3.5%)。 また、生活習慣介入の強化は、初期においては、血糖値(糖化ヘモグロビン)を大きく低下させ、また身体活動度および全心血管リスク因子を大きく改善した。ただし、LDLコレステロール値は除外された(対照群のほうが低値)。 主要アウトカムの発生は、介入群403例、対照群418例であった。発生率はそれぞれ、100人・年につき1.83件、1.92件で、介入群のイベントハザード比は0.95(95%の信頼区間:0.83~1.09、p=0.51)であり有意差は認められなかった。

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肺サルコイドーシス診断、胸部リンパ節吸引生検の診断率は80%と高率/JAMA

 ステージI・II肺サルコイドーシスの疑いのある非乾酪性肉芽腫の確定診断を受けた患者に対し、超音波内視鏡下胸部リンパ節吸引生検による診断率は80%と、気管支鏡下肺生検の診断率53%に比べ、大幅に高率であることが示された。オランダ・ライデン大学メディカルセンターのMartin B. von Bartheld氏らが、300例超について行った無作為化比較試験の結果、明らかにしたもので、JAMA誌2013年6月19日号で発表した。現状では、こうした患者に対する診断については、気管支鏡下肺生検が標準的に行われているが、その診断感度は中程度であり、超音波内視鏡下胸部リンパ節吸引生検のほうが診断技術として優れているのではないかと有望視されていた。担当医による臨床的診断に基づく診断率を比較 研究グループは、気管支鏡下肺生検と超音波内視鏡下胸部リンパ節吸引生検の診断率を比較することを目的とし、2009年3月~2011年11月の間、6ヵ国、14ヵ所の医療機関を通じて、非乾酪性肉芽腫の確定診断を受けた、ステージI・II肺サルコイドーシスが疑われる患者、304例について、無作為化比較試験を行った。 被験者は無作為に2群に分けられ、一方には気管支鏡下肺生検を(149例、肺生検群)、もう一方には超音波内視鏡下胸部リンパ節吸引生検を(155例、吸引生検群)を実施した。 主要アウトカムは、担当医による肺サルコイドーシスの臨床的診断で、それに基づき両群の診断率を比較した。肺サルコイドーシス診断率、肺生検53%に対し吸引生検が80% その結果、肺サルコイドーシスの診断を受けたのは、肺生検群で72例(48%)だったのに対し、吸引生検群は114例(74%)と有意に高率だった(p<0.001)。肺サルコイドーシスの診断率は、肺生検が53%(95%信頼区間[CI]:45~61)に対し、吸引生検が80%(同:73~86)と有意に高率だった(p<0.001)。 第2エンドポイントの重度有害イベントは、肺生検群で2例、吸引生検群で1例認められたが、そのすべての患者が完全に回復した。 なお、CD4/CD8比で示す気管支肺胞洗浄(BAL)のサルコイドーシス診断感度は、フローサイトメトリーは54%(95%CI:46~62)、サイトスピン解析は24%(同:16~34)だった。

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韓国人女性の髪と頭皮の変化の特性、日本やその他の国とは一部で異なる可能性

 韓国・Advanced Hair Research LaboratoryのS.N. Kim氏らは、韓国人女性の髪と頭皮の加齢に伴う変化の特性について調べた。その結果、40代以降に多様に変化する特性が示され、他国の女性の髪の変化とは一部異なる可能性が示されたことを報告した。これまでに、白人女性および日本人女性において、年齢が髪の性質に与える影響については報告があったが、韓国人女性について調べた報告はなかった。British Journal of Dermatology誌2013年6月号の掲載報告。 本研究は、韓国人女性の髪の年齢特性について、身体的およびバイオロジカルな因子の影響を十分な被験者数で調べることを目的とした。 合計150人のソウル在住の健康な韓国人女性が参加した。被験者の年齢は23~69歳で、5つの年齢階層群に分類して分析した。 評価は、頭皮と毛幹のさまざまな年齢関連の特色を調べるため、髪密度、髪の毛の直径、張りの強さ、つや、白髪の比率を測定した。 毛幹については高速液体クロマトグラフィーを用いて、ミネラル、アミノ酸、ステロイドホルモンの含有成分の測定も行った。 主な結果は以下のとおり。・脱毛症の指標(髪密度、髪直径、張力)および髪のつやは、年齢とともに有意に減少した。これら減少の開始は40代であった。・白髪は年齢とともに有意に増大した。白髪の比率が増加するのは60代からであった。・カルシウムとマグネシウムの値は、参考値を大きく上回っていたが、年齢依存的に減少していくことが認められた。一方でカリウムとリンの値は、年齢とともに増大していた。・毛幹のアミノ酸の年齢に関係する変化は、明白ではなかった。・ステロイドとその代謝物(コレステロール、デスモステロール、ラノステロール、プレグネノロン)の含有量は、年齢とともに有意に増大していた。しかし、性別(男性、女性)ホルモンと年齢との関連性はみられなかった。

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