大動脈二尖弁患者の大動脈解離発生率は、一般住民に比べて有意に高率

提供元:ケアネット

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公開日:2011/09/27

 

先天性心疾患で多くみられる大動脈二尖弁(BAV)を有する人の長期大動脈解離発生率は、1万患者・年当たり3.1例と低かったものの、一般住民の8.4倍と有意に高率であることが明らかにされた。未診断だった人も含めた発生率は同1.5例であった。報告は、米国・メイヨークリニックのHector I. Michelena氏らによる後ろ向きコホート研究の結果による。これまで、BAVを有する人は重度の大動脈解離が起きやすいとされていたが、長期にわたる住民ベースのデータはなかったという。JAMA誌2011年9月14日号掲載より。

一般住民に対する年齢補正後相対リスクは8.4




Michelena氏らは、ミネソタ州オルムステッド郡住民でBAVを有していた大動脈合併症患者の総合的な評価を行った。1980~1999年に心エコーでBAVと診断されていた全住民を長期にわたり追跡し、またBAV未診断で大動脈合併症だった人を探し出し解析に加えた。最終フォローアップは2008~2009年までで、主要評価項目は、胸部大動脈解離、上行大動脈瘤、大動脈の手術とした。

心エコーでBAVと診断されていた人は416例で、平均16(SD 7)年追跡された(6,530患者・年)。

それら416例の大動脈解離の発生は、2例であった。発生率は1万患者・年当たり3.1例(95%信頼区間:0.5~9.5)、一般住民に対する年齢補正後相対リスクは8.4(95%信頼区間:2.1~33.5)だった(p=0.003)。

また、基線で50歳以上だった人の発生率は1万患者・年当たり17.4例(同:2.9~53.6)、大動脈瘤を有していた人は同44.9(同:7.5~138.5)だった。

診断の有無にかかわらない大動脈解離発生率は1万患者・年当たり1.5例




一方、BAV未診断だった人を含めた総合的評価において、新たに2例の大動脈解離発生患者が現出した。

BAV診断の有無にかかわらず二尖弁を有した人の大動脈解離発生率は1万患者・年当たり1.5例(95%信頼区間:0.4~3.8)で、BAVと診断されていた人と同等であった。

また、基線で大動脈瘤が認められなかった384例について解析した結果、49例が大動脈瘤を発生していた。1万患者・年当たり発生率は84.9(同:63.3~110.9)で、一般住民に対する年齢補正後相対リスクは86.2(同:65.1~114)だった(p<0.001)。大動脈手術の25年発生率は25%(同:17.2~32.8)だった。

(武藤まき:医療ライター)