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職業性腰痛の直接医療費は年間800億円超

 作業関連性(職業性)腰痛は労働人口において重大な健康問題であるが、有効な対策を講じるには職業性腰痛の総医療費とその内訳を明らかにする必要がある。しかし、米国を除き、職業性腰痛の経済的負担に関する報告はほとんどない。順天堂大学の伊藤弘明氏らは、わが国における職業性腰痛の直接医療費を算出し、2011年度は821億円にものぼることを明らかにした。著者は「職業性腰痛はわが国に相当な経済的負担をもたらしている」とまとめている。Industrial Health誌オンライン版2013年8月13日の掲載報告。職業性腰痛に関する年間総医療費は2002年から2011年まで単調に増加 社会医療診療行為別調査、患者調査、労働力調査、全国健康保険協会、国民健康保険、長寿医療制度等のデータを用い、1日当たりの治療費、すべての原因による腰痛の治療日数、雇用率、職業性腰痛の推定患者数に基づき、2011年、2008年、2005年および2002年における職業性腰痛に要する年間医療費を算出した。 職業性腰痛の直接医療費を算出した主な結果は以下のとおり。・2011年における職業性腰痛に関する年間総医療費は821.4億円であった。入院外来別では入院264.8億円、外来556.6億円、疾患別では脊椎疾患364.3億円、椎間板障害359.1億円、腰痛および坐骨神経痛98.0億円であった。・職業性腰痛に関する年間総医療費は、2002年から2011年まで単調に増加した。・2002年、2005年、2008年および2011年の4年間の平均年間総医療費は749億円(標準偏差60.9億円)であった。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!脊椎疾患にみる慢性疼痛 脊髄障害性疼痛/Pain Drawingを治療に応用する無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?

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転移性腎細胞がん、2つのTKIの有効性に差なし/NEJM

 転移性腎細胞がんの1次治療において、パゾパニブ(商品名:ヴォトリエント、腎細胞がんへの適応拡大申請中)の有効性はスニチニブ(同:スーテント)に劣らず、安全性やQOLはパゾパニブがより良好なことが、米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのRobert J Motzer氏らが実施したCOMPARZ試験で示された。腎細胞がんは腎がんの中で最も高頻度にみられ、診断時には最大30%が転移性と報告されている。パゾパニブとスニチニブはいずれも経口チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)であり、転移性腎細胞がんの治療において無増悪生存期間(PFS)の改善効果が確認されていた。NEJM誌2013年8月22日号掲載の報告。2つのTKIを非劣性試験で評価 COMPARZ試験は、転移性腎細胞がんの1次治療におけるパゾパニブおよびスニチニブの有用性を評価する非盲検無作為化第III相試験。年齢18歳以上で未治療の転移性淡明細胞型腎細胞がん患者を対象とした。 被験者は、パゾパニブ800mgを1日1回投与する群またはスニチニブ50mgを1日1回、4週投与後2週休薬する群に無作為に割り付けられた。治療は、病態の進行(PD)、許容されない毒性の発現、患者が治療中止を希望するまで継続することとした。 主要評価項目はPFS(無作為割付日から初回PDまたは全死因による死亡までの期間)とした。Cox比例ハザードモデルを用いたPFSのハザード比(HR)の95%信頼区間(CI)上限値が1.25(非劣性マージン)未満の場合に非劣性と判定することとした。IR判定ORRには有意差、安全性・QOLにも差を認める 2008年8月~2011年9月までに14ヵ国から1,110例が登録され、パゾパニブ群に557例が、スニチニブ群には553例が割り付けられた。それぞれ5例、3例が実際には治療を受けなかった。2012年5月のデータカットオフの時点で両群とも88%の患者が治療を中止していた。 PFS中央値はパゾパニブ群が8.4ヵ月、スニチニブ群は9.5ヵ月で、HRは1.05、95%CIは0.90~1.22と非劣性マージンを満たしたため、有効性に関するパゾパニブのスニチニブに対する非劣性が確認された。 独立評価委員会(IR)判定による完全奏効(CR)が、パゾパニブ群1例、スニチニブ群3例、部分奏効(PR)はそれぞれ170例、134例で得られた。客観的奏効率(ORR)はパゾパニブ群31%、スニチニブ群25%であり、有意差がみられた(p=0.03)。治験担当医判定のORRには差を認めなかった(33 vs 29%、p=0.12)。全体で502例が死亡し、全生存期間(OS)中央値はパゾパニブ群が28.4ヵ月、スニチニブ群は29.3ヵ月であり、両群間に差はなかった(HR:0.91、95%CI:0.76~1.08、p=0.28)。 パゾパニブ群に比べスニチニブ群で多かった有害事象として、疲労感(63 vs 55%)、手足症候群(50 vs 29%)、血小板減少(78 vs 41%)が挙げられ、パゾパニブ群で高頻度の有害事象としてはアラニン・アミノトランスフェラーゼ(ALT)上昇(60 vs 43%)が認められた。 治療6ヵ月の時点で、14項目の健康関連QOLのうち11項目のスコアがパゾパニブ群で有意に優れていた。とくに、疲労感(FACIT-F、p<0.001)、口内・喉の強い痛み(SQLQ、p<0.001)、手の強い痛み(同、p=0.002)、足の強い痛み(同、p=0.001)がパゾパニブ群で良好であった。医療資源の利用のうち電話相談件数(p=0.04)や救急診療部受診(p=0.003)がパゾパニブ群で有意に少なかった。 著者は、「パゾパニブの有効性はスニチニブに劣らず、安全性やQOLはより良好であった」とまとめ、「1次治療の選択肢として有効性に差がない場合は、安全性プロフィールや健康関連QOL、医療資源の利用状況を重視すべきと考えられる」としている。

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“喫煙者の採用拒否”もアリな時代、タバコの適正価格はいくら?

大手リゾート、製薬、IT、広告代理店など“喫煙者は採用いたしません”と明言する企業が増えていること、ご存知ですか?映画やドラマの喫煙シーンも減らすべきだという声すら上がり、嫌煙モードは高まる一方の今のご時世。2010年10月以降大きく下がった喫煙率、喫煙への抑止力として働いたタバコ価格を医師はどう見ているのか?そもそも医師の喫煙率はどうなのか?「医師なのにタバコを吸うなんてもってのほか」「脳梗塞でも喫煙する患者に辟易」「もっと値上げしたら自分もやめられるかも」などなど、“タバコと喫煙者の負担”について言いたいことを吐き出していただきました!コメントはこちら結果概要60代以上の医師の約半数が禁煙に成功、30代以下の約8割は喫煙経験なし現在喫煙している人の割合は回答者全体で8.7%(国民全体では21.1%:JT実施「2012年全国たばこ喫煙者率調査」より)。世代別に見ると最も高い40代で10.2%、最も低い30代以下では6.6%であり、大幅な差は見られなかった。しかし喫煙経験の有無では大きく異なり、30代以下の約8割は喫煙経験自体がないのに対し、60代以上の約半数が『禁煙成功を経ての非喫煙者』という結果となった。「自分が吸っていては患者に対して説得力がないから」といった声が多く見られた。“喫煙者の負担増”6割が賛成、「明らかに悪影響を及ぼす疾患は医療費の負担率上げるべき」“喫煙は医療費増につながるため、喫煙者の保険料や医療費などの負担額を上げるべき”との考え方に対する賛否を尋ねたところ、全体の61.1%が賛成と回答。「理屈はわかるが実際の運用は困難では」との声がある一方で、「脳梗塞、COPD、心疾患ほか喫煙が悪影響を及ぼすとのエビデンスがある疾患は自己負担率増に」といった意見も複数寄せられた。医師の8割以上がいっそうの値上げ支持、過半数は“1,000円以上が適正”適正だと感じる一箱あたりの価格について尋ねたところ、最も多かった回答は『1,000~1,400円程度』で33.6%。次いで『1,500円以上』『800円程度(100%値上げ)』がそれぞれ19.5%となり「若年層が手を出しにくい価格にすることが大切」との意見が見られた。喫煙者でも3人に1人は値上げすべきと考えており、「いっそ1,000円以上になれば自分もやめられるのでは」といった声も挙がった。喫煙をめぐる環境、“全館禁煙”で院外にあふれる患者や職員に苦言、表現活動をめぐっては賛否が病院機能評価の項目に“全館禁煙の徹底”が含まれることもあって「敷地の一歩外の歩道上で入院患者が集団で喫煙し、かえって見苦しい」「職員が隠れて吸っている」など、病院周辺の喫煙状況を問題視する医師が多く、「病院こそ最も喫煙者の採用を拒否すべき職場だ」との声も挙がった。表現活動については「喫煙シーンは極力減らすべき」「映画などの規制はやり過ぎでは」と賛否が見られた。設問詳細タバコについてお尋ねします。JTが2013年5月に実施した「全国たばこ喫煙者率調査」によると、全国の喫煙者率は20.9%(前年比-0.2ポイント)、男女別では男性が32.2%(前年比-0.5ポイント)、女性は10.5%(前年比+0.1ポイント)という結果となりました。2010年10月の増税・定価改定による値上げ直後に比較すると減少傾向は緩やかになりつつあるものの、喫煙者の採用拒否を明言する企業も出てくるなど社会全体での嫌煙モードは高まっています。また政府は2012年6月に新たな「がん対策推進基本計画」を閣議決定し、2010年時点で19.5%の喫煙率を、2022年度までに12%に引き下げるとの考えを示しています。一方、禁煙運動を推進するNPO法人がアニメ映画内での喫煙シーンについて問題視した要望書を提出したことで議論が起こるなど、物理的環境の制限のみならず表現活動にも踏み込む向きについては、行き過ぎであるとして疑問視する声も挙がっています。そこで先生にお尋ねします。Q1.先生は喫煙されていますか。喫煙している以前喫煙していた喫煙したことがないQ2.「喫煙は医療費増につながっているため、喫煙者は保険料や医療費などの負担額を上げるべき」という考え方がありますが、いかがお考えですか。賛成反対どちらともいえないQ3.タバコの価格はどの程度が適正だとお考えになりますか。400円程度(現状維持)600円程度(50%値上げ)800円程度(100%値上げ)1,000~1,400円程度1,500円以上Q4.コメントをお願いします。2013年8月16日(金)実施有効回答数1,000件調査対象CareNet.com会員の医師コメント抜粋(一部割愛、簡略化しておりますことをご了承下さい)「禁煙の最も有効な手段の一つは、徐々にではなく急激なたばこ価格の上昇と思う。またJTによる健康被害に対する訴訟も必要だろう」(呼吸器内科,70代以上,男性)「ヨーロッパやオーストラリアと同程度にするべきです。特に医療関係者は無条件で禁煙にするべきです」(神経内科,40代,男性)「喫煙は百害あって一利なしであり、医療者が就職する際、喫煙習慣の有無をチェックし、喫煙習慣があるヒトに対して、一定期間での禁煙を課すべきと考えます」(小児科,50代,男性)「喫煙で得られるものは何もない。迷惑千万であり税金、医療費等、もっともっと高くするべき。タバコ吸って肺がんになって助けてと言われても助ける気にならないので、成人の診察は絶対したくない」(小児科,40代,男性)「生活保護を受けている心筋梗塞の患者さんに煙草をやめるように促したところ逆切れされました。その後まもなくその患者さんは脳梗塞を併発し、寝たきりとなりました。医療に対して真摯でない人に医療費が無料というのはいまだに納得できない状況です」(救急科,40代,男性)「喫煙者と非喫煙者の保険料負担は差があってしかるべきだと思います」(循環器内科,40代,男性)「血管障害の治療を受けている生活保護受給者が医師の禁煙指導に従わない場合、何らかの対策が必要と思われます」(脳神経外科,50代,男性)「大学入学後18歳から喫煙していたが、運動部で走りへの影響があり、20歳で禁煙。病院は敷地内禁煙だが、院長、副院長が喫煙者なため、職員の敷地内喫煙がしばしば見られ、禁煙対策が徹底していない。院長の喫煙の有無で敷地内禁煙の徹底が分かれてしまうように思う」(小児科,50代,男性)「循環器を専門としていますが、家族を持ってからは怖くて吸えなくなったというのが正直なところです。これが合法的なものであることすら疑問です。危険性を啓蒙することも必要ですが、ほとんどの喫煙者には現実的に受け止められないため、積極的に吸いたくても吸えない環境を整備してあげるべきです」(循環器内科,40代,男性)「根本的には、喫煙者の自覚と意志によるところが大きいとつくづく思います」(内科,50代,男性)「喫煙者の医療負担額を上げるのは,現実的には困難。たばこ税として徴収した中から医療費に回すべき」(血液内科,40代,男性)「自分自身は喫煙経験が全くないし、経営しているクリニックは全館禁煙で、職員も喫煙者は採用しない方針を採っているが、他人の喫煙にはとやかく言うつもりは無い」(精神科,40代,男性)「病院評価機構の認定基準?で、院内が全面禁煙となり(喫煙室も作れない)、入院患者がすぐ隣の公園や道ばたで座り込んで喫煙している状態が日常化しておりみっともない状態です」(小児科,30代,男性)「日本はまだ喫煙者に甘い。非喫煙者が過半数を超えた今、飲食店での全面禁煙等を早く導入すべき」(外科,40代,男性)「きちんと分煙されれば、吸おうが吸うまいが構いません」(小児科,40代,男性)「タバコは1本100円以上が適正価格。さらに自動販売機での販売を禁止すべき」(小児科,40代,男性)「たばこだけを悪者にするのは不公平。車の排気ガス、食品添加物、ファーストフード、甘い炭酸飲料など他にも色々あるでしょう」(麻酔科,50代,男性)「たばこが健康状況に悪影響があるとわかっていても禁煙できない医療関係者をみると、禁煙治療の難しさを感じる」(産婦人科,40代,女性)「少なくとも自身や家族の喫煙には絶対反対ですが、喫煙者の存在を否定するつもりはありません。飲食店などではもう少し厳密に禁煙スペースと喫煙スペースを区切ってもらえればと」(総合診療科,20代,男性)「喫煙は体に有害だとは思うが、喫煙者に肩身の狭い状況を次々と作っていくようなやり方は、ちょっとどうかと思う」(小児科,50代,男性)「若いうちは格好つけてタバコを吸っていました。40過ぎて、格好悪い、体に気をつけなければと思い止めました。患者さんにも『タバコは高校生が格好つけて吸うもの、この年になっても吸っているのは格好悪いでしょ』と指導しています」(脳神経外科,40代,男性)「医療関係者の喫煙はなくなるべきだと思いますが、職員の禁煙もなかなか進みません。生命保険料などに差をつけるのは賛成です」(内科,50代,男性)「私は職業柄、禁煙に成功したが、なかなかそうはいかない方も多いでしょう。人に迷惑をかける観点からすれば、酒のほうがよっぽど社会悪だと思います。あまり極端な締め付けは新たな問題を引き起こします。」(形成外科,40代,男性)「疾患の誘因になる上、においがつくので嫌いです。次回の値上げは、一本1円でもいいので、医療費に回してもらいたいです」(内科,50代,男性)「受動喫煙の問題もあるが、麻薬として禁止されていないのだから吸いたい人は吸えばよい」(内科,60代,男性)「子供の出生と同時に喫煙はやめました.さまざまな病気の発症(特に悪性疾患)との関連が指摘されており,抗剤治療等の高額医療を削減するためにはたばこの価格をもっと上げれば良いと思います」(消化器外科,50代,男性)「私も15年前に禁煙しましたが、禁煙までに苦労しました。たばこの値段を上げるのには賛成ですが、保険料や医療費まで上げることにはちょっと抵抗があります」(外科,60代,男性)「周りで吸われると臭くて汚いうえに受動喫煙による被害を被る。本人はやCOPDなどで医療費を食い、やめようとしても禁煙薬は保険適応となっており医療費を使う。タバコの価格は1箱5000円以上が適正」(内科,50代,男性)「喫煙者はたばこを吸う事が自他に亘って健康及び環境に対して害を与えることを十分理解しているのか調査して、理解していなければ十分啓蒙し、なおも喫煙を続けようというのなら、それ相応の対価を支払わせるのは至極当然のことと考える」(その他,50代,男性)「大人っぽく見せるために喫煙していたが、健康のため禁煙をした。それから葉タバコの臭いが大嫌いになりました。非喫煙者には大迷惑ということがよくわかった。また、排水溝のゴミにも吸い殻は大量に含まれその除去費用も、街の清掃業務にもたくさんの税金がかかっています。税金を高くするのは当然です」(整形外科,50代,男性)「健康被害や依存性が明らかな喫煙…、煙草の販売そのものをやめてほしいと思います(まあ、もろもろの事情で難しいのはわかりますが・・)」(内科,40代,女性)「症状は無かったが冠動脈に動脈硬化がわかり禁煙しました。肺がんは関係ないとの意見もありますが、口腔、食道がんやCOPDを考えると患者さんもしかり、周りの方もつらい思いをする。そのような不幸な方が少しでも減ればと思う」(整形外科,40代,男性)「禁煙外来を担当しておりますが、禁煙治療の保険適応に対する過剰な規制が気になります。ニコチン依存症の診断基準としてブリンクマン指数(1日喫煙本数×年数)があるため、若年者では診断基準を満たさず、最も対策が必要であろう中高生や20代の禁煙治療が保険で行えないことや、禁煙治療の期間が12週間と規定されており、それを過ぎると保険を使えないこと、入院患者に対しては禁煙治療を開始できないことなどです。こうした規制をはやく取り払って欲しいものです」(その他,30代,男性)「JTは『マナー問題』にすることでプロパガンダに成功している」(内科,40代,男性)「子供たちに健康上悪影響を与えるとの思いから禁煙したが、子供たちは喫煙しており、割り切れない思い」(その他,60代,男性)「20年前に禁煙した。診療所内は禁煙、患者さんにはやめるよう毎回指示している。1箱の値段が1000円を超えれば、喫煙者は相当減るのではないか」(内科,70代以上,男性)「健康政策で最も効果的なのは,喫煙者を減らすこと。しかも,徐々に(たばこ農家や零細なたばこ屋さんへの対策を行いながら)値段を上げるだけで良いのだから,極めて簡単。税収減を心配する意見もあるが,長期的には医療費削減効果が大きいので,むしろ国の収支は改善されるともされており,早急にたばこを値上げすべし」(内科,60代,男性)「喫煙に関連が深い疾病では、喫煙者の保険医療支払いを高くできないのか?」(皮膚科,50代,男性)「当院は禁煙外来をしており、病院評価も受けているため敷地内禁煙となっている。しかし、一歩敷地外では入院患者の喫煙光景がみられ敷地外に吸殻が捨てられていたり、中にはまだくすぶっている吸殻もみられ非常に危険。といって敷地外に吸い殻入れを置くのもおかしい。喫煙自体は勧められたことではないが、病院内すべてを禁煙にするのではなく空港ロビーのように換気扇のついた喫煙室の設置を義務付けてはいかがか?入院患者に禁煙していただきたいのは山々であるが100%禁煙なんて無理。厚労省の役人だってどこかで吸っているのでしょう!こんな馬鹿馬鹿しい規制はやめてほしい」(消化器内科,60代,男性)「喫煙が自分の体に良くないことは自覚した上での喫煙はやむをえないと思います。自分も以前していたので、気持ちはわかります。ただ周囲の人への受動喫煙は避けるべきと考え、喫煙場所を今後も限定していくべきと思います。禁煙できず状態が悪化した場合は、家族ともどもいっさい医療側に苦情を言わないことも条件と考えます」(脳神経外科,50代,男性)「喫煙は百害あって一利なし。わかった上でなお喫煙をやめない方は、喫煙が悪影響を及ぼすとエビデンスのある疾患に関しては医療費の全額自己負担が妥当と考えます。そもそも確実に体に悪いのだから法律で全面禁止にしたら良い。税収の減少は医療費の削減で相殺可能でしょう。また現時点で喫煙している方から特別税を徴取し、一時的な財源に充てればいいと思います」(臨床研修医,20代,男性)「可処分所得が少ない若年層が、タバコに手を出せない環境を作るのが大事」(泌尿器科,50代,男性)「喫煙はがんを増加させるだけでなく、動脈硬化を著しく促進してしまいます。高血圧症や腎疾患を診療している医師としては、病気を進行させないためなんとしても説得して禁煙して頂いております」(腎臓内科,50代,男性)「喫煙が医療費を上げるという説に根拠はあるのか。喫煙で寿命が短くなればその分医療費も減るのでは」(内科,50代,男性)「喘息の子たちが苦しそうにしてるのが見ていられないのに、平気で近くで吸う人たちが許せない」(小児科,40代,女性)「タバコの依存性を考えると麻薬よりもたちが悪い面もあると聞く。2,000円くらいでも吸うヒトはいると思うのでどんどん釣り上げればよいという立場です。自分はneversmokerです」(泌尿器科,30代,男性)「施設内全面禁煙ですが、屋外の建物の陰で医療従事者が喫煙しているところが病棟から丸見え。患者さんも雨のなかでも傘さして外で喫煙してます。どうしようもないかも…」(整形外科,50代,男性)「煙草ばかりやり玉にあげられていることに違和感をおぼえます。お酒についてももっと厳密な論議をすべき」(精神科,40代,男性)「嗜好品なので、社会保険料や医療費の負担額を上げるべきではないが、税金を増やすことはいいと思います」(内科,50代,女性)「当地の某県立病院内は全面禁煙。境界の歩道上で患者さんがたむろして喫煙しているのが早朝の風景。当然職員はそれを毎日見ているが改善されたとは思えない。嗜好であるから難しいし、モラルの問題になるのだと思う。価格を吊り上げれば多少の抑制はかかるかもしれないが、無くなることもないと考える」(産婦人科,50代,男性)「病院も全館禁煙にしたいところですが、職員の喫煙者も多くなかなか賛同が得られません」(精神科,40代,女性)「当院も敷地内禁煙のはずなんですが、タバコ臭い職員がいるんですよね。病院なんて喫煙者の採用拒否を一番にしていい職場だと思うんですが」(小児科,40代,男性)「喫煙者は保険料や医療費などの負担増であるなら、飲酒者、肥満者、高血圧者、糖尿病者、その他リスクを持つ全ての者に対して負担増を強いるべきである」(リハビリテーション科,40代,男性)「嗜好品が将来的な病気のリスクを高め、その病気を社会全体で支えることが非喫煙者の理解を得ているとは思えません。値上げのみで解決できる問題ではないが、抑止力の一つとして考慮されるべき。現時点での税収減少を心配するのではなく、若年人口が減少し社会的に高齢者を支えることが不十分になっている今だからこそ将来のことをきちんと考えるべき」(消化器外科,50代,男性)「缶コーヒー1本とタバコ1本と同等くらいがいいんじゃないかと思います。が、他国とつり合いがとれないくらいの価格だと、差益を狙った組織が暗躍するのではと危惧されます」(泌尿器科,40代,男性)「生活保護の母子家庭の母親に喫煙者が多い。値段を上げても、子供の特別手当や手帳からくる公費を使って買っているのが実情なので、喫煙が減るとは思えない。子供が犠牲になるだけ。また禁煙外来も、自己負担なしなのであまり成功していない。困っています」(小児科,60代,女性)「1000円以上でも止められない方は多いと思います。呼吸器内科部長がヘビースモーカーで、禁煙外来を行っていながら休憩時間には吸っていましたね。依存の問題は難しいです」(消化器内科,50代,女性)「喉頭がんになってもまだやめない人がいる。こんな人に医療費を使うのはどうかと思う」(消化器内科,50代,女性)「全てを吸い込むのなら(副流煙もなく、吐き出しもない)許さなくもない」(小児科,40代,男性)「全面的に煙草を違法なものとして禁止してもいいのでは?吸わない人間からするとただただ迷惑なだけ。タバコ以外の嗜好品もあるのだから、タバコがなくても生きていけないわけではない」(内科,40代,女性)「禁煙外来へ紹介しているが、成功率は半分くらいで、最終的には本人の意志による」(内科,40代,男性)「被ばくより発がんリスクが高いことをなぜ伝えないのでしょう?値段は段階的に1500円以上にすべき」(消化器外科,40代,男性)「ヒステリックに騒ぎ過ぎかと思います」(泌尿器科,40代,男性)「学位論文のストレスで一時喫煙したが、運動が身体的に明らかに辛かった為禁煙した。また喫煙依存者に肺気腫等が多く、高齢になって症状に苦しむ姿を多くみて禁煙を広めるべきと感じ、抑止力として高額化することはかなり有効と感じる」(外科,50代,女性)「禁煙外来はやってませんが、よく勧めます。やってみて成功する人は少ないし、それよりも他人事と思って問題視しない人の方が多いですね。タバコの値段を引き上げれば絶対喫煙者は減ります。あとは健康というよりは政治の問題と言うしかないでしょう。前回の値上げの時に、3倍の1000円にするべきでした。400円で喫煙者数の現状維持を成功させましたね!総務省・財務省の勝ちで厚労省はいつも負けますね。もし1000円になれば1/3が禁煙、1/3が減煙、値上げ分で税金、生産者・JTの減収分は確保されて、結果的には喫煙者が減り、タバコの弊害が減って医療費分は浮くのではと予測してましたが」(精神科,50代,男性)「購入することにちょっと躊躇するような値段にすべきです」(腎臓内科,40代,男性)「たばこは嫌いですが、法律で禁止されているわけでもないのに、ここまで喫煙者が差別されるのもおかしな話だと思います。完全分煙、医療費負担増で自己責任でよいと思います」(心臓血管外科,40代,男性)「禁煙して『吸えないストレス』から解放されて、とても楽になりました」(消化器内科,40代,男性)「喫煙による被害の啓蒙VTRを小学生の頃から奨励したり、基本的にたばこ会社を撤退させたらどうか」(循環器内科,40代,女性)「喫煙者があまりにも迫害されているような気がします」(整形外科,50代,男性)「今年の世界禁煙デーの標語で厚生労働省の弱腰が明らか。WHOは『Bantobaccoadvertising,promotionandsponsorship』(タバコの宣伝、販売促進活動、スポンサー活動を禁止しよう)、対して厚生労働省の標語は『たばこによる健康影響を正しく理解しよう』。日本政府は本当に禁煙を推進する覚悟があるのか!」(循環器内科,50代,男性)「わかっちゃいるけど・・・と思っている方も多いと思うので、もっと容易に禁煙外来にかかれる(例えば小児の様に公費負担にするとか)体制を作るべきと思う」(内科,70代以上,男性)「敷地内禁煙にしていても抜け道はいくらでもあり、当院でも受動喫煙対策にかなり悩まされています。生活保護費を受給している膀胱がん患者が、ぬけぬけとタバコがやめられないとおっしゃるのが許せません」(泌尿器科,40代,男性)「過度の禁煙押し付けでうつ状態になった患者を診察したことがある。喫煙をやめさせようとする余り他の病気を発症させては本末転倒では。また、低所得層・過酷勤務層ほど喫煙率が高いことがわかっている。単にたばこの価格を上げるだけでは低所得者層への逆進課税になってしまう。販売禁止のほうが理に適っているのではないか」(内科,40代,男性)「禁煙したいと以前から思っておりますが、無理でした。値段を上げることが喫煙者を減らす第一歩ではないかと思います」(腎臓内科,40代,男性)「自分は吸わないが、安定税収入のために国民をニコチン中毒にしておいて今更医療費抑制のためにタバコの価格を上げるのはおかしいと思う」(循環器内科,60代,男性)「禁煙をした医師として『禁煙支援外来』に携わっている。吸ったことのない先生よりは適切な指導が出来ると自負している」(循環器内科,60代,男性)「病院のみならず、人格形成に大きく関わる小中学校教員自身の禁煙を徹底させる。校内禁煙は当然であるが校門近くでたばこを吸っている、あるいは駐車場の車内で吸っている教師を児童が見かけたという話をよく聞く」(消化器外科,50代,男性)「25年前結婚を機に、一つぐらい体に良いことをと思いたばこをやめました。やめてから良いことばかりです。患者への教育のためにも、少なくとも医師が率先して禁煙すべき」(外科,50代,男性)「禁煙歴27年。患者さんに禁煙を勧める時に自分が吸っていたのでは迫力ないし、自分の体験を話しながら説明しやすい」(精神科,60代,男性)「19歳頃から60歳まで吸いました。診察中にCOPDの患者さんが多くおられ、それが怖くて禁煙し13年。医療費が掛かるからと値段を上げるのは賛成できませんが、COPD等で苦しまれていることを知らせることが必要と考えます」(外科,70代以上,男性)「実の父が脳梗塞を患い、それでもタバコを吸って、再アタックが起きて寝たきりになり、ぼろぼろになって行くのを目の当たりにして禁煙した」(内科,50代,男性)「『風立ちぬ』で喫煙シーンが多かったが、監督自身がヘビースモーカーなので作品の製作にあたり何も考慮しないと思われる。映画やドラマでも喫煙の場面を極力減らしてほしい」(消化器内科,50代,男性)「早く禁煙しなければと思いながらきっかけが持てずにいます。いっそ1000円以上になればやめると思う」(内科,40代,女性)「価格を上げることが一番禁煙に繋がる早道と思う」(内科,70代以上,男性)「(呼吸器学会など)専門医取得に禁煙証明が必要となるといった動きは非常に良いと思う。医師が率先して禁煙し、患者への啓蒙活動に取り組むべき」(糖尿病・代謝・内分泌内科,30代,女性)「精神科ではたばこを必要とする患者さんがいるのは事実ですが,そういう方は一部に減りました。禁煙ってできるんだなあという印象をもちました」(精神科,40代,女性)「高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病、心筋梗塞・脳梗塞・閉塞性動脈硬化症、悪性腫瘍、肺疾患などの病名での治療では、喫煙患者の医療費自己負担率を8割位に上げるのが、禁煙促進に有効と考えます」(心臓血管外科,60代,女性)「10年以上前から間接喫煙の弊害を病院管理者に訴えましたが何も聞いてもらえませんでした。病院機能評価などで世間体が気になって初めて対策が取られました。情けないの一言です」(小児科,50代,男性)「アニメや映画での自粛や規制はやりすぎ」(小児科,40代,男性)「患者さんから『たばこ臭い人(助手)がいてリハビリを受けたくない』と苦情あり」(整形外科,50代,男性)「400円への値上げを契機に喫煙を止めた。値上げが無ければ喫煙を続けていた。経済的な理由ではなかったけれど…」(内科,60代,男性)「自分自身もなかなかやめられず、患者さんにダメですという時に心が痛い」(循環器内科,20代,男性)「広く禁煙運動が叫ばれ始めた頃に職業柄模範を示す必要があると考え半年間くらいかけて禁煙に成功。1日6-7本程度で50年くらい続けたが、結構苦労した思いがある」(その他,70代以上,男性)「喫煙者の『他人には迷惑かけてない』という妄言にはウンザリ。健康保険から金を取り、火事の原因や受動喫煙、路上喫煙で小児に火傷など、他人に直接的にも迷惑をかけているのに。大幅値上げ、健康保険からの排除などすべき」(耳鼻咽喉科,40代,男性)「喫煙本数と疾患には明確な関係があります。価格を上げ若年者には手に入りにくいところ(例えば1箱10000円)まで値上げすべきでしょう」(呼吸器内科,50代,男性)「1本100円程度にして、喫煙でリスクの上がるがん治療にJTから寄付してもらう」(皮膚科,40代,男性)「禁煙の推進や分煙には賛成するが、喫煙者の人格や喫煙行為そのものを害とみなすようなスタンス(今回の『風立ちぬ』に対する日本禁煙学会の意見など)は、原理主義的で違和感を感じる」(小児科,30代,男性)「喫煙者の患者の声として、今度値上げするなら禁煙するという声が多い。小刻みな値上げより、思い切った値上げが効果的なのではと考える」(皮膚科,30代,女性)「生活環境の変化に伴い自然にやめました。表現については、じゃあ過去の映画やドラマ等放送しないのか?レンタル等しないのか?どこまでが許容されて、どこからが問題かは、製作者が判断することと思います」(呼吸器内科,20代,女性)「煙草による経済振興と経済的損失を適正に数値表示してもらえれば功罪がわかり易くなるでしょう」(内科,60代,男性)「15年くらい吸っていたが、家族のために健康でいなければという意識からニコチンガム発売をきっかけに19年前に禁煙しました。大掃除の時、壁をふくと雑巾が真っ黒になりこれだけのタールが体内に入っていたのかと驚いた記憶がある」(内科,50代,男性)「タバコについては税金が課されているが、喫煙による疾病の医療費をまかなうほどではない事も事実。その辺の矛盾も検討すべき」(外科,30代,男性)「若いときから自動的に喫煙を始めてしまった。これからの若い人には喫煙を始めないように勧めるべきだ。医師の喫煙者は多いと思う」(産婦人科,70代以上,男性)「敷地内での禁煙で喫煙出来なくなった職員や入院患者が病院の正門で喫煙している。敷地外なので積極的に注意出来ない状況。病院のイメージが悪化しないか心配。」(臨床研修医,20代,男性)「喫煙者は、自分が中毒患者であるということを自覚すべき。患者は健康な人と同じに生命保険に入ることが難しいのは、ほかの慢性的で治療困難な疾患と同じですので、容易に理解できるはず。たばこが原因ということが明らかなは、保険診療を受ける権利はないと思います」(腫瘍科,40代,女性)「喫煙が健康被害があることがはっきりしているのだから、たばこの価格を上げその分を医療費に回せばよいと思う。不満なら吸わなければいい」(呼吸器内科,30代,男性)「禁煙出来ない患者は大勢いるため、タバコの値段を上げる以外にも保険料や医療負担額を上げる等の措置が必要であると思われる」(腎臓内科,30代,男性)「日本の法律上「20歳以上が許可」されているが、20歳にもなって「さあ吸おうか」などという馬鹿なことを考える人はいないでしょう。未成年で吸い始める人がほとんどでは。そういう観点で言えば「喫煙者はすべからく違法」と言っても過言ではないのでは」(循環器内科,40代,男性)「小児アレルギーを専門としています。子供が喘息で加療しているにもかかわらず、禁煙しない父親、祖父がいて困っています。日本では受動喫煙の害に対する意識が乏しいと思います」(小児科,50代,女性)「医師である限り、解剖のときに見たあの喫煙者の肺所見を知っていながら、よく自分が喫煙する気になると思う」(皮膚科,60代,男性)「喫煙者の話を聴くと、値段が1,000円以上になればやめる、という人が多いので、それくらいには値上げしても良いと思う」(膠原病・リウマチ科,50代,女性)「たばこを吸う人が減って、医療費が抑制できたらいいと思っています。私の家族もスモーカーでしたが、全然やめてくれず、最終的に脳梗塞になりました」(小児科,40代,女性)「生活保護の患者さんにヘビースモーカーが多い。禁煙指導しても聞く耳を持たない」(精神科,50代,女性)「喫煙者の保険料や医療費を上げるという意見は、理解出来るが非現実的。喫煙者の定義が困難であるし、抵抗も大きいと予想される。それよりも喫煙者の医療費に見合うだけタバコを値上げすべきであり、そうすれば喫煙の抑制にもなる」(麻酔科,50代,男性)「耳鼻咽喉科医ですが、タバコ関連が多いことがこの科のの特徴の一つです。タバコは心疾患や肺疾患の原因でもあり、「タバコは百害あって一利なし」だと思います。タバコ農家にはお気の毒ですが、JTもずいぶんタバコ以外の製品に移行できたでしょうから、容易に購買できない価格にして、喫煙をやめる人を増やすようにしていただきたい」(耳鼻咽喉科,50代,男性)「禁煙外来をしています。禁煙中にあっても再喫煙をなってしまうきっかけのほとんどは、飲み会です。会場内禁煙でありさえすれば、再喫煙の誘惑に負けてしまう確率はきわめて低くなります。喫煙シーンなど刺激を避けることが不可欠となります。また、禁煙中のがんばっている患者さんの中には、街で見える所で売って欲しくないと言っています。また、今回の一連の騒動ですが、作者自身がヘビースモーカーであり、自身の喫煙環境を満たすため(日本の社会の禁煙推進に反対するため)、作品を通して、訴えている側面がとても感じられ、危険であると感じます。反対意見を言われる方は、タバコがいかに依存性があって、反社会的な薬物であるという事が認識されていないかと思われます。」(内科,50代,男性)「日本のタバコは安すぎます。海外ではタバコに『killyou』とまで書いてあり、その上、1000円くらいです」(泌尿器科,40代,男性)「自身が喫煙しており、依存症であると認識している。麻薬や覚醒剤のように、非合法なものとして取り扱ってくれればさすがに禁煙すると思う」(内科,30代,男性)「主人は結婚を機に禁煙しました。そのときにはかなり喫煙と健康被害についてレクチャーをしましたが…」(産婦人科,40代,女性)

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抗精神病薬のアジア実態調査:高用量投与は36%

 アジア人の高齢統合失調症患者における抗精神病薬の処方状況が調査された。その結果、50歳以上のアジア人統合失調症患者の3分の1以上が高用量の抗精神病薬を使用しており、低~中用量を処方されている患者に比べ罹病期間が長く、現在陽性症状または陰性症状を呈している割合が多く、処方されている抗精神病薬の種類が多いことなどを香港中文大学のYu-Tao Xiang氏らが報告した。International Journal of Geriatric Psychiatry誌オンライン版2013年8月13日号の掲載報告。 本研究は、アジア人の高齢統合失調症患者における、抗精神病薬高用量使用(クロルプロマジン換算600 mg/日以上)の実態と、その患者背景ならびに臨床特性との関連を検討することを目的とした。Research on Asian Psychotropic Prescription Patterns studyのデータベースを用い、50歳以上の統合失調症入院患者に関する2001~2009年までの情報を抽出した。中国、香港、日本、韓国、シンガポールおよび台湾を含むアジア6ヵ国・地域の患者2,203例のデータを解析に組み込み、社会人口統計学的および臨床的特徴、抗精神病薬の処方状況を確認した。 主な結果は以下のとおり。・高用量の抗精神病薬が処方されていた割合は、全体で36.0%であった。年代別では、2001年38.4%、2004年33.3%、2009年36.0%であった。・多重ロジスティック回帰解析により、低~中用量の抗精神病薬を処方されていた患者に比べ、高用量を処方されていた患者は、罹病期間が長く(オッズ比[OR]:2.0、95%信頼区間[CI]:1.2~3.3、p=0.008)、50~59歳の年齢層が多く(OR:0.95、95%CI:0.94~0.97、p<0.001)、現在陽性症状(OR:1.5、95%CI:1.2~1.8、p<0.001)または陰性症状(OR:1.3、95%CI:1.03~1.6、p=0.03)を呈している割合が高く、複数の抗精神病薬が処方されていた(OR:5.3、95%CI:4.1~6.7、p<0.001)。・高用量グループで錐体外路症状(p=0.25)および遅発性ジスキネジア(p=0.92)の頻度が高いということはなかった。・以上のように、アジア人統合失調症患者の3分の1以上が高用量の抗精神病薬を使用していた。この理由に関してはさらなる検討が求められる。関連医療ニュース 認知症高齢者5人に1人が抗コリン薬を使用 抗精神病薬の等価換算は正しく行われているのか 統合失調症の急性増悪期、抗精神病薬の使用状況は?:国立精神・神経医療研究センター

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本態性振戦に集束超音波視床破壊術が有望/NEJM

 薬剤難治性の重度の本態性振戦に対し、MRIガイド下集束超音波治療を行うことで、12ヵ月後の振戦抑制効果が認められたことが示された。米国ヴァージニア大学のW. Jeffrey Elias氏らが、15例の患者について行ったパイロット試験の結果で、NEJM誌2013年8月15日号で発表した。同治療法は、近年の進歩により施行可能となったものである。片側視床中間腹側核をターゲットにMRIガイド下集束超音波治療 研究グループは、2011年2月~12月にかけて、薬剤難治性本態性振戦の重症患者15例を対象に、オープンラベル非対照試験を行った。片側視床中間腹側核をターゲットに、MRIガイド下の集束超音波治療を行い、その効果を測定した。 具体的には、振戦臨床評価スケールにより振戦抑制効果を調べ、また安全性データも記録した。QOLについても「本態性振戦におけるQOL質問票」により調べ、治療に対する患者の認識を評価した。12ヵ月後に症状抑制とQOLが改善 被験者全員について、ターゲット部位の熱アブレーションが完了した。その結果、振戦臨床評価スケールの総スコア(0~160)は、ベースライン時の54.9から治療12ヵ月後には24.3へと有意に低下し、症状の改善が認められた(p=0.001)。同スケールの手に関するサブスコア(0~32)にも、同期間で20.4から5.2へ、障害サブスコア(0~32)も18.2から2.8へと、それぞれ有意に改善した(p=0.001)。 またQOL質問票スコアも、ベースライン時の37%から11%に改善した(p=0.001)。 一方、有害事象については、一過性の感覚異常、小脳異常、運動性異常、発語異常が認められ、また持続性の感覚異常が4例に認められた。 研究グループはこの結果を受けて、同治療法の有効性と安全性の評価には、大規模な無作為化比較試験が必要だとしている。

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来春の診療報酬改定をにらんだ経営戦略を練る セミナー開催のご案内

 株式会社日本医療企画は、「中・重度の要介護者に対応する経営戦略」と題して、高齢者住宅全国セミナーを全国主要都市で開催する。 2014年度に実施される診療報酬、介護報酬の改定に伴う、報酬減額や要介護軽度者報酬の打ち切りなど、厳しい状況が待ち受ける医療・介護ビジネス。この変化のなかで生き残るための戦略を、各分野のスペシャリストが講演する。 概要は次のとおり。・開催日時・会場 【新宿会場】8月31日(土)/13:30~16:30 /新宿モノリス 27 階パナホーム会議室 【四日市会場】8月31日(土)/14:00~17:00/じばさん三重 2階 研修室6  【川越会場】9月1日(日)/13:30~16:30/川越プリンスホテル 【宇都宮会場】9月7日(土)/13:30~16:30 /パナホーム北関東 宇都宮事業部 セミナールーム 【長野会場】9月7日(土)/13:30~16:30/メルパルク長野 白鳳の間 【静岡会場】9月7日(土)/13:30~16:30/JR静岡駅ビル パルシェ 7F 特別会議室3 【つくば会場】9月8日(日)/13:30~16:30/つくば国際会議場 会議室405 【大宮会場】9月15日(日)/13:30~16:30/大宮ソニックシティ 6階 会議室 【金沢会場】9月15日(日)/13:30~16:30/ANAクラウンプラザホテル金沢 3F 瑞雲の間 【横浜会場】9月16日(祝)/13:30~16:30/ホテルキャメロットジャパン・対象 病院、診療所、介護事業所(開設予定者・土地活用含む)・定員 各会場30~50名(先着順)・参加費 無料・セミナープログラム  第1部:2014年度診療報酬改定・地域包括ケアの潮流を読む      (演者: クリニックばんぶう編集部)  第2部:退院支援に貢献できるか? 中・重度対応 サ付き住宅“最新実例”      (演者: パナホーム株式会社 エイジングライフグループ)   第3部: 医療法人・民間法人のための高齢者住宅戦略2013      〔演者〕       今瀬 俊彦 氏(株式会社今瀬ヘルスケアコンサルティング 所長)        長 英一郎 氏(東日本税理士法人 副所長)        相楽 行孝 氏(株式会社エム・エム・ピー・ジー総研 介護サービス研究室 室長)        山下 友利 氏(株式会社アクシンパシー 代表取締役CEO) ※ 演者は開催会場により異なります。詳しくは日本医療企画まで

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ビタミンDはアトピー性皮膚炎に有用

 ビタミンDの補給は、アトピー性皮膚炎の臨床症状改善に有用である可能性が示された。安全性、忍容性とも良好だという。ポーランド・ワルシャワ医科大学のZbigniew Samochocki氏らによる検討の結果、報告された。Journal of the American Academy of Dermatology誌2013年8月号(オンライン版2013年5月2日号)の掲載報告。ビタミンD補給後にアトピー性皮膚炎の重症度が優位に低下 ビタミンDには免疫調整作用がある。免疫機構はアトピー性皮膚炎(AD)の病因となっていることから、ビタミンDがADの病態に影響を及ぼす可能性があった。そこで研究グループは、AD患者におけるビタミンD濃度と臨床的・免疫学的・体質的・環境的因子との関連を調べること、またビタミンDの補給がADの臨床症状に影響を及ぼすかどうかについて検討することを目的とした。 具体的には、AD患者と対照被験者について、臨床値および検査値を測定し検討した。ADの重症度は、SCORAD(Scoring Atopic Dermatitis)indexにて評価した。 ビタミンDがアトピー性皮膚炎の病態に影響を及ぼすかどうかを検討した主な結果は以下のとおり。・検討したのは、AD患者95例、対照被験者58例であった。・AD患者と対照被験者の血中25‐ヒドロキシビタミンD3[25(OH)D3]平均値に、統計的な差はみられなかった。・細菌性皮膚感染症の頻度は、25(OH)D3値が低値のAD患者において高かった。・ビタミンD値とその他の検査および臨床パラメーターとの間に、統計的な関連性はみつからなかった。・ビタミンD補給後、平均objective SCORADおよびSCORAD indexは、有意に低下した(p<0.05)。・本検討は、全被験者が白人であり、ビタミンD投与量が1種類のみであること、および治療期間の評価は1回のみであった点で限界があった。・以上から、本研究において、ビタミンDの補給はアトピー性皮膚炎の臨床症状を改善するのに役立つ可能性があり、安全性・忍容性とも良好である可能性が示唆された。

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CRT-Dの効果はLBBB・QRS≧150msの患者が最大/JAMA

 心臓再同期治療(CRT)は、左脚ブロック(LBBB)がありQRS時間が長い患者における効果が大きいことが、米国・デンバーヘルスメディカルセンターのPamela N. Peterson氏らによる検討の結果、明らかにされた。CRTは臨床試験において、心不全や左室収縮機能障害の患者の死亡率を改善し再入院を減らすことを示した。しかし適応の広がりに伴い、心不全で同療法を受けた患者の3分の1~半数が改善しなかったことが報告されていた。研究グループは、コストや手術に伴う侵襲性などのリスクから、ベネフィットが得られる患者の特定が重要であるとして本検討を行った。JAMA誌2013年8月14日号掲載の報告より。LBBBの有無、QRS幅で患者を階層化し、CRT-Dの効果を検証 検討は、臨床においてCRT除細動器(CRT-D)植込み手術を受けた患者の、QRS幅とLBBBの有無とアウトカムとの関連を調べることを目的とした。2006~2009年に手術を受けCardiovascular Data Registry's ICD Registryに登録されたメディケア受給者を対象とした、後ろ向きコホート研究であった。被験者は2011年12月まで最長3年間追跡を受けた。 被験者は、CRT-D手術のためあるいはその他の理由で入院したかどうかで階層化され、さらに、LBBBの有無、QRS幅が150ms以上か120~149msかで分類された。 主要評価項目は、全死因死亡、全原因・心血管または心不全による再入院、合併症とした。3年死亡リスク、1年再入院リスクはLBBB・QRS≧150msで最も低い CRT-D手術で入院した患者は2万4,169例であった。そのうち、LBBB・QRS≧150ms群は9,889例、LBBB・QRS 120~149ms群6,259例、非LBBB・QRS≧150ms群3,306例、非LBBB・QRS 120~149ms群4,715例だった。 CRT-D手術入院患者全体の1年死亡率は9.2%、3年死亡率は25.9%だった。全原因再入院率は、30日時点10.2%、1年時点で43.3%だった。 階層分類別での解析の結果、補正前・補正後の3年死亡リスクは、LBBB・QRS≧150ms群が最も低かった(20.9%)。LBBB・QRS 120~149ms群は26.5%(補正後ハザード比[HR]:1.30、99%信頼区間[CI]:1.18~1.42)、非LBBB・QRS≧150ms群は30.7%(同:1.34、1.20~1.49)、非LBBB・QRS 120~149ms群は32.3%(同:1.52、1.38~1.67)であった。 また、1年全原因再入院リスクもLBBB・QRS≧150ms群が最も低かった(38.6%)。LBBB・QRS 120~149ms群は44.8%(補正後HR:1.18、99%CI:1.10~1.26)、非LBBB・QRS≧150ms群は45.7%(同:1.16、1.08~1.26)、非LBBB・QRS 120~149ms群は49.6%(同:1.31、1.23~1.40)であった。 合併症との関連はみられなかった。 以上の結果から著者は、「臨床でCRT-D手術を受けたメディケア受給者において、LBBB・QRS≧150msの患者が、LBBB・QRS<150msやQRS幅を問わない非LBBBの患者と比べて、全死因死亡、全原因・心血管・心不全の再入院のリスクが最も低かった」と結論している。

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造血幹細胞移植後のアウトカムに太り過ぎが影響

 造血幹細胞移植後の転帰における過体重の影響が議論されている。愛知県がんセンター研究所の中尾氏らは、過体重による急性移植片対宿主病(aGVHD)リスクや生存率への影響を評価するため、メタ解析を行った。Bone marrow transplantation誌オンライン版2013年8月19日号に掲載。 著者らは、aGVHDリスク因子または全生存率(OS)の予後因子としてレシピエントの移植前の過体重を評価した研究を、MEDLINEのデータからそれぞれ8報と21報、抽出した。 主な結果は以下のとおり。・同種造血幹細胞移植では、aGVHDリスクおよびOSとレシピエントの過体重との間に、統計的に有意な関連性があることがメタ解析により示された。・aGVHDリスク因子を評価した8報のメタ解析では、非過体重患者に対する過体重患者の相対リスクは1.186(95%CI:1.072~1.312)であった。・OSについては、同種造血幹細胞移植の11報のメタ解析で、非過体重患者に対する過体重患者の相対リスクは1.163(95%CI:1.009~1.340)であった。・これらの結果から、レシピエントの移植前の過体重が、同種造血幹細胞移植後のaGVHD発症率の高さや生存率の低さに関連していることが示された。

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各抗うつ薬のセロトニン再取り込み阻害作用の違いは:京都大学

 臨床使用される抗うつ薬の大半は、シナプス間隙でのモノアミン濃度を急激に上昇させるが、その治療効果のために数週間の投与を必要とする。このように効果が遅発性なのは、セロトニン作動性神経における神経適応変化が緩徐なためと考えられている。京都大学大学院薬学研究科の永安一樹氏らは、抗うつ薬慢性処置のセロトニン遊離への影響について、ラットの縫線核脳切片培養系を用いて調べた。The International Journal of Neuropsychopharmacology誌オンライン版2013年8月7日号の掲載報告。 著者らは先の研究において、多量のセロトニン作動性神経を含むラット縫線核脳切片培養系に、選択的セロトニン(5-HT)再取り込み阻害薬(シタロプラム、フルオキセチン、パロキセチン)を持続的に曝露すると、セロトニンの開口放出の増大が生じることを報告した。そこで今回、まだ明らかになっていない他の抗うつ薬における同様の作用について、2つの三環系抗うつ薬(イミプラミン、デシプラミン)、1つの四環系抗抑うつ薬(ミアンセリン)、3つのセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(ミルナシプラン、デュロキセチン、ベンラファキシン)、1つのノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(ミルタザピン)について検討した。 主な結果は以下のとおり。・9つの抗うつ薬のうち7つについて、0.1~100μmの持続的曝露により、細胞外セロトニン濃度の上昇が認められた。・その作用強度の順位は、ミルナシプラン>デュロキセチン>シタロプラム>ベンラファキシン>イミプラミン>フルオキセチン>デシプラミンであった。・ミルタザピン、ミアンセリンは少しも上昇しなかった。・持続的曝露による作用増強が最も大きかったミルナシプランは、α1-アドレナリン受容体遮断薬(ベノキサチアン)によって部分的に減弱された。一方、デュロキセチン、ベンラファキシン、シタロプラムの伝達増大は影響を受けなかった。・以上の結果から、5-HTトランスポーターの阻害が、セロトニン遊離増強には必要であることが示唆された。また、ミルナシプランによる増強は、α1-アドレナリン受容体の活性化を伴うことが明らかになった。関連医療ニュース 抗うつ薬による治療は適切に行われているのか?:京都大学 大うつ病性障害の若者へのSSRI、本当に投与すべきでないのか? 抗うつ薬を使いこなす! 種類、性、年齢を考慮

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慢性C型肝炎、経口薬のみの併用療法に現実味/NEJM

 C型肝炎ウイルス(HCV)の慢性感染に対し、インターフェロンを用いない経口薬だけの併用療法の有効性に関する報告がNEJM誌2013年8月15日号に発表された。ドイツ・ヨハン・ヴォルフガング・ゲーテ大学メディカルセンターのStefan Zeuzem氏らが行った、新規開発中の2剤のC型肝炎治療薬、ファルダプレビル(プロテアーゼ阻害薬)とデレオブビル(非ヌクレオシド系ポリメラーゼ阻害薬)に関する第2b相無作為化非盲検試験の結果で、治療終了後12週時点の持続性ウイルス学的著効(SVR)の達成は39~69%であったという。検討では2剤併用のほか、インターフェロンとの併用にも用いられる抗肝炎ウイルス薬リバビリン(商品名:コペガスほか)を組み合わせたレジメンの検討も行われ、3剤併用療法のほうがSVR達成が高率だったことも示された。経口薬のみの併用療法5群について検討 試験は、ヨーロッパとオーストラリア、ニュージーランドの48施設から被験者を登録して行われた。被験者は、HCV遺伝子1型に感染する未治療の患者で、肝硬変(Metavir分類ステージF4)を有する患者も対象に含まれた。 469例がスクリーニングを受け、362例が次の5群に無作為に割り付けられた。(1)ファルダプレビル120mg 1日1回+デレオブビル600mg1日3回+リバビリンの併用を16週(TID 16W群)、(2)同28週(TID 28W群)、(3)同40週(TID 40週群)、(4)ファルダプレビル120mg 1日1回+デレオブビル600mg1日2回+リバビリンの併用を28週(BID 28W群)、そして(5)ファルダプレビル120mg 1日1回+デレオブビル600mg1日3回でリバビリン併用なしの28週(TID 28W-NR群)であった。 主要エンドポイントは、各群の治療終了後12週時点のSVRだった。3剤併用28週投与のSVRが最も高く69%を達成 結果、TID 16W群59%、TID 28W群59%、TID 40週群52%、BID 28W群69%の達成率を示した。リバビリンを併用しなかったTID 28W-NR群は39%であった。 リバビリンを併用した治療群については、投与量の違いや治療期間の違いによる、治療後12週時点のSVRの達成に有意差はなかった(例:TID 16W群vs. TID 28W群のp=0.86、BID 28W群vs. TID 28W群のp=0.15)。 一方で、TID 28W群のSVRは、リバビリンを併用しなかったTID 28W-NR群よりも有意に高率だった(p=0.03)。 遺伝子型の違いでみると、1b型感染患者56~84%だったのに対して1a型感染患者11~47%であり、IL28B CCを有する患者58~84%に対しCCを有さない患者は33~64%だった。 なお有害事象は、発疹、光線過敏症、悪心、嘔吐、下痢の頻度が高かった。 これら結果を踏まえて著者は、HCV遺伝子1型への経口薬のみの併用療法は有効であり、「リバビリンが経口薬のみの治療に必要であることが判明した。今回の検討では、BID28Wレジメン(ファルダプレビル+デレオブビル+リバビリンを28週)がそのほかのレジメンよりも有効性、安全性プロファイルが良好であった」とまとめている。

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大うつ病患者のGERD有病率は高い

 大うつ病(MDD)患者における胃食道逆流症(GERD)の有病率は、健常人と比較して有意に高いことが台中ベテランズ総合病院のPo-Han Chou氏らの研究により明らかになった。精神科医は大うつ病患者を診る際、日常診療において、胸焼けや嚥下障害など、逆流性食道炎の症状がないか注意を払い、症状を認めた場合は専門医に相談すべきである。Psychosomatics誌オンライン版2013年8月13日号の報告。 GERDは、精神疾患の患者において一般的な疾患である。本研究では、GERD有病率とリスクを調査するために、台湾の国民健康保険の研究データベースを用いて横断的研究を行った。 調査対象は2005年にMDDと診断された4,790人(MDD群)と健常人72万8,749人(対照群)。GERD有病率は、カイ2乗検定を用いて、年齢、性別、所得、居住地域、他疾患の合併(糖尿病、高血圧症、腎疾患、高脂血症、虚血性心疾患などの治療中)ごとに比較した。また、GERDとMDDとの関連は、多変量ロジスティック回帰モデルを用いて分析した。 主な結果は以下のとおり。 ・GERDの年間有病率は、MDD群で3.75%、対照群で1.05%であった。・MDD群のGERDの有病率は、すべての年齢、性別、保険金額、居住地域、都市在住サブグループにおいて、対照群よりも有意に高かった(すべてp<0.001)。・GERDの増加率は、対照群のそれと比較し、MDD群で有意に高かった(オッズ比:3.16、95%CI:2.71~3.68、p<0.001)。・以上の結果より、MDD患者のGERD有病率は健常人と比較して有意に高いことが明らかとなった。

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国内初、乾癬治療の配合外用剤を承認申請

 レオ ファーマは23日、乾癬治療剤として、活性型ビタミンD3であるカルシポトリオールと副腎皮質ホルモン剤(以下、ステロイド)であるベタメタゾンジプロピオン酸エステルの配合外用剤の承認申請を行ったと発表した。 今回の申請は、主に日本における安全性試験ならびに尋常性乾癬患者を対象とした第III相試験の結果に基づいて同社が行ったもの。 乾癬は慢性かつ難治性の皮膚疾患で、日本における有病率は1,000人中1~2人と報告がある。乾癬の治療法には活性型ビタミンD3やステロイドなどの外用療法、光線療法、内服療法があり、近年は生物学的製剤による治療法が重症例に提供されるようになった。しかし、患者の大半を占める軽症から中等症に対しては、従来より活性型ビタミンD3やステロイドなどの外用剤による治療が主として行われており、単剤のみならず、多くの両剤併用、混合調製がされており、乾癬治療に用いられる外用剤には、より高い有用性ならびに投与の簡便性が求められているという。 今回申請した配合外用剤は、上記の課題を解決すべく開発したもので、2001年に尋常性乾癬に対する外用剤としてデンマークで上市されて以来、米国を含め世界97ヵ国で承認、販売されている薬剤で、尋常性乾癬治療の第一選択薬として世界的に汎用されているものである。日本では初めての活性型ビタミンD3とステロイドの配合外用剤(1日1回塗布)になる。 詳細はプレスリリースへhttp://www.leo-pharma.jp/ホーム/プレスリリース.aspx

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手根管症候群にHLTパッチが有用

 手根管症候群(CTS)は、疼痛、感覚異常、筋力低下などを特徴とする正中神経の圧迫性神経障害である。米国・International Clinical Research Institute社のSrinivas Nalamachu氏らが実施したパイロット試験の結果、発熱成分、リドカイン、テトラカインを組み合わせた局所貼付剤(HLTパッチ)がCTSの疼痛緩和に有用であることを報告した。著者は、「HLTパッチは、CTSによる疼痛をターゲットとした標準的な非外科的治療となる可能性がある」と述べている。Pain Practice誌オンライン版2013年8月1日号の掲載報告。 検討は非盲検試験にて実施された。対象は、電気生理学的検査により軽度から中等度と診断された片側CTSの成人患者20例(平均年齢44±12歳)。 被験者は朝および夜の1日2回(12時間ごと)、手のひら側の前腕と手首の境界付近にHLTパッチ1個を2時間貼付した。 ベースライン時および2週間の試験期間中、疼痛強度ならびに疼痛による日常生活・仕事・睡眠の障害度について、0~10の数値的評価スケールを用い評価した。 主な結果は以下のとおり。・試験を完遂したのは15例で、平均疼痛スコアはベースライン時5.1±1.5から試験終了時2.5±1.6に低下した(per protocol解析、p<0.001)。・患者の3分の2は、臨床的に有意な疼痛改善(平均疼痛スコアがベースラインから30%減少)が得られた。患者の40%は、3日目までにこの閾値に達した。・日常生活・仕事・睡眠の障害度についても、同様の結果であった。・忍容性は良好であった。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・脊椎疾患にみる慢性疼痛 脊髄障害性疼痛/Pain Drawingを治療に応用する・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?

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アイアムサム【知能】 

みなさんは、職場で「なんでギスギスしちゃうの?」と思ったことはありませんか?特に、医療の現場でギスギスしてコミュニケーションがうまくいっていないと、取り返しのつかないことになることがありえます。ギスギスするのを、どう考えたらよいのでしょうか?そして、どうしたらよいのでしょうか?これらの疑問を、今回、2001年の映画「アイアムサム」を通して、知能という視点で、みなさんといっしょに考えていきたいと思います。知能―ものごとを理解し判断する能力主人公のサムは、コーヒーショップで働きながら、1人娘のルーシーを育てています。しかし、彼は、一目でとても幼く見えます。彼の目付きや顔付きは締まってはいません。手付きや立ち振る舞いは機敏ではありません。話すと、のんびりとしていて、その語彙(ごい)は決して豊かではなく、まとまりよく伝わらないことが多いです。サムがこのように幼く見える理由は、サムの知能が7歳程度だからでした。知能とは、ものごとを理解し判断するための知的な能力で、生きていくために必要なものです。この知的な能力の目安として、実年齢に対して、精神的な年齢(精神年齢)があります。これが、知能テストによってはじき出される知能指数(IQ, intellectual quotient)とつながります。知能指数、精神年齢、支援のための診断を表1に示します。この表からサムは、中等度知的障害という診断が当てはまります。知的障害は行政で使われる用語で、学問的には精神遅滞という用語が使われています。サムには知的な制限(障害)があります。しかも残念なことに、ルーシーの母親はルーシーを生んですぐに出て行ってしまいました。そんな中、彼は障害者枠で仕事に就き、一生懸命に働きながら、男手一つで育てようとします。そして幸運にも、隣人のアニーや仲間たちが助けてくれたのでした。こうして、彼は、できることに限りがありながらも、周りに支えられながら、ルーシーに溢れるばかりの純粋な愛情を注いでいます。そして、真っ正直に素朴にそして幸せに暮らしてきました。表1 知能指数、精神年齢、診断知能指数精神年齢診断85≦IQ成人正常知能70≦IQ<85中学生境界知能60≦IQ<70高学年の小学生軽度知的障害50≦IQ<60中学年の小学生35≦IQ<50低学年の小学生中等度知的障害20≦IQ<35幼稚園児重度知的障害IQ<20乳幼児最重度知的障害障害を持つ家族の存在―人の弱さや心の痛みを鋭く感じ取る優しさを育むルーシーは、物心がつくと、父親の障害に気付きます。そして、「パパは、ほかのパパとは違う」「でもいいの、私は幸せ」「だってほかのパパは遊んでくれない」と彼女の方が大人びた考え方をするようになっていきます。小学校に入学してすぐの授業参観日、ルーシーが蝶の発表をします。暗記していた内容を一部忘れて困った瞬間、サムは「たくさんあって、覚え切れないよね」と全員の前で話しかけ、温かく見守ります。一方、次のクラスメートのコニーのクモの発表では、彼が言い間違えたら、彼の父親は厳しい表情ですかさず全員の前で訂正し、「どうした!勉強しただろ!」と叱りつけます。すると、コニーは「父さんが書いたんだろ」「僕はハムシをやりたかったのに」と悲しげな表情で言い返します。このシーンで、ルーシーとコニーの親子関係がとても対照的であることが分かります。サムは、ルーシーに対して、決してけなさずに共感し、彼なりにフォローする姿勢を持っています。これは、周りから助けられていることで、相手を感謝し尊敬する姿勢を常に持っているサムならではのものです。サムは、ルーシーをも、自分の分身としてではなく、尊敬する一人の人間として見ています。一方、コニーの父親はコニーを自分の分身、もっと言えば所有物として完全に支配し、自分の思い通りのやり方を押し付けていることが分かります。サムの無条件の愛情によって、そして障害のあるサムそのものの存在によって、ルーシーには人の弱さや心の痛みを鋭く感じ取る優しさ(共感性)が育まれていることが分かります。一方、コニーの父親は「私の言う通りにするなら愛する」という条件付きの愛情を押し付けることによって、コニーが人との勝ち負け(優劣)ばかりを気にする自己中心的な性格に歪んでいくおそれも描かれています。表2 親としての接し方の違いサムコナーの父親愛情は?無条件、共感的(尊敬)条件付き、支配的子どもに育まれるのは?人の弱さや心の痛みを鋭く感じ取る優しさ(共感性)勝ち負け(優劣)ばかりを気にする自己中心的な考え方家族の障害による葛藤―揺らぐ自尊心しかし、ルーシーが7歳の誕生日を迎える頃に、彼女の心は揺れていきます。彼女は勉強ができるのに、勉強をすることを拒み始めたのです。その理由は、自分の知能が父親のサムを上回ってしまう日が近いことに気付き、自分をサムに合わせようとしていたからでした。ルーシーが描いた「家族との時間」というテーマの絵が全てを物語っています。その絵には、ルーシーが自分より小さいサムを引っ張っていたのでした。また、コニーは、サムの違和感に気付き、「君の父さんは障害があるんじゃない?」「君も?」とからかいます。この時に初めてルーシーは他人の目に目覚めるのです。その後、ハロウィーンパーティで、大の大人のサムが小学1年生のクラスメートたち以上に無邪気にはしゃぎます。その様子にクラスメートたちが笑っている状況をルーシーは恥ずかしく思います。周りから父親がどう思われているかという葛藤によって、ルーシーの自尊心は危うくなっているのでした。そして「本当の親じゃない」とコニーに行ってしまうのでした。その後、ルーシーのサプライズ誕生パーティーを企画したサムは、コニー親子を含め、多くのクラスメートたちを家に呼びます。ところが、ルーシーが現れる直前に、サムをバカにしていたコニーは、「バレバレだよ」と白けたことを言います。サムが「そんなこと言うなよ」「隠れてよ」とコニーに触れたところ、「息子を離せ!」と過剰反応したコニーの父親がサムを突き飛ばします。その瞬間に、ルーシーが「あら、パパ!」と言って現れます。さらに追い打ちをかけたのは、コニーが「何がパパだよ、『本当の親じゃない』って言ったくせに」と爆弾発言をします。とんでもないサプライズになってしまったのでした。この様子から、コニーの父親は、その後にコニーをたしなめることはしないでしょう。このシーンは、ルーシーよりもコニーに将来的な危うさを感じさせます。能力の限界―新しいことに弱いサムは、新しい人間関係において、自己主張がうまくできません。パーティーでコニーの父親に突き飛ばされたのに、逆に、コニーへの暴行未遂があったとされてしまいます。また、ある時は、誤解から売春未遂で警察に誤認逮捕されています。ルーシーにせがまれて、サムはルーシーをいつもとは違うファミリーレストランに連れて行った時のことです。それは、同じ生活パターンを繰り返すことで安心感を得ていたサムにとっては、かなりの緊張を伴うものでした。注文したいメニューがないことでパニックになってしまい、テーブルを叩き、「ボブ(レストランチェーンのマスコット)に聞いて!」と言い、ウェイトレスを困らせています。そして、「お客様は神様だ」と連呼して、止まりません(常同症)。サムの職場の店長の寛大な配慮から、サムがコーヒーを運ぶ係から、作る係に昇進した時のことです。彼はマニュアル通りにコーヒーを作ることに問題はなく、順調にこなしていました。ところが、たくさんの注文を同時に受けると、パニックになります。そして、急いで作ろうとして失敗してしまいます。このように、サムの能力の限界は、特に、新しい所へ行く時、新しい仕事をする時、そして新しい人間関係を築く時にはっきりと表れます。つまり、サムは、新しいことへの対応や臨機応変な対応に限界があります。相手の心を読みにくい、物事の先を読みにくい、そして、自分自身の心の動きも読みにくいため、客観的にものごとを考えること(メタ認知)がうまくいかないのです。知能の多様性―頭の回転の速い人も遅い人もいるサムの知的な限界がルーシーに与える影響を心配され、ついに児童福祉局が動き出します。そして、ルーシーはサムから引き離され、裁判が始まります。その時にサムの弁護士として登場するのがリタです。彼女は、とても優秀で努力家で、社会的にも成功し、経済的に恵まれています。しかし、彼女は、金儲けや名声のことばかりを考え、家庭を顧みず、夫に浮気され、幼い息子から嫌われています。サムとは真反対の境遇です。その彼女が、同僚に見栄を張って、サムに無料奉仕で弁護を引き受けたのです。法廷では、検事が登場します。彼は、「子どもを守る」という彼なりの正義感があるようですが、サムを排除することに一生懸命になってしまいます。この検事とリタのやり取りがすさまじく描かれています。両者とも、お互いの言い分や証人の荒探しをして、作戦の読み合いをする知能戦を展開します。その目まぐるしさや冷酷さが、サムの視点で描かれています。このように、知的に制限のあるサムと知的に高いリタとのギャップが際立ちます。私たちは、足の速い人も遅い人もいるのと同じように、頭の回転の速い人も遅い人もいることが分かります。これは、人の多様性であり、個性とも言えます。知能指数(IQ)とは?もともと知能の程度を評価する知能テストは、20世紀に軍事目的で発展してきました。軍人の知的な能力をより効率的に把握していれば、戦闘をより有利に進めることができると考えられたからです。そして、この知能テストのスタイルは、現在まで、教育、医療、そして企業の就職の現場などに引き継がれています。私たちは、知能指数(IQ)が高いことに憧れてしまいがちです。IQが高い方が、仕事を早くこなせて、人間関係もうまくいき、世の中を有利に渡ることができると思うからでしょう。しかし、よくよく考えると、IQはあくまで知能テストによってはじきだされた1つの目安の数値であり、それがそのまま社会に順応する能力(適応度)の高さを表しているわけではないということです。IQが高いとは、知能テストという「ゲーム」がとても得意であるということに過ぎません。ちょうど、受験英語で偏差値が高いからと言って、実際の英語でのコミュニケーションの能力が高いわけではないのと同じです。もっと言えば、IQを高める手っ取り早い方法は、受験英語と同じように、知能テストを繰り返しやって問題慣れすることです。しかし、これで社会への適応度はいっさい高まりません。実際に、IQの数値と企業での勤務成績との相関関係は低いようです。ここで言えることは、IQは、あくまで知的な制限のある人への支援のための目安としてのみ活用するべきであるということです。知能とは?それではそもそも知能とは、何なのでしょうか? 知能とはものごとを理解し判断するための知的な能力であるとさきほど説明しました。しかし、その具体的な要素や重み付けは、時代、場所、文化、職場によって変わってきます。例えば、知能を伸ばすための英才教育として、フラッシュカードという記憶力を高めるトレーニングが注目されてきました。もちろん記憶力は高いに越したことはありませんが、問題は、記憶力を高めることばかりにエネルギーを注ぐことによって、想像力や発想力が疎かになってしまうということです。もはや、コンピュータが普及しているこれからの時代に求められる知的な能力は、記憶力ではなく、想像力や発想力です。記憶力はある程度あれば、あとはスマートフォンで検索すれば済むことです。これは、計算力に関しても同じです。さらには、語学力も、自動翻訳機の技術の進歩によって、あまりもてはやされなくなっていくでしょう。また、これまで求められてきた能力は製造業などでの緻密さですが、これからもっと求められていく能力はサービス業などでのコミュニケーション能力です。このように、知能に求められる価値観は、その時の、そしてその場所の社会によって、揺れ動いており、絶対的なものではないと言えます。知能の多義性―知能にはいろいろな意味や広がりがある知的な制限のあるサムならではの個性によって、リタは知的に高いがために忘れていた大事なことに気付かされます。それは、自分のためにではなく、息子のために大切なことは何かという視点です。裁判が進んでいく中、リタは、サムとルーシーのお互いを思いやる関係を自分と息子の関係に重ね合わせるようになったていたのです。リタはサムに「私の方があなたに救われた」と打ち明けます。「負けを知らない女」として日常的に嘘を平気でつく自分本位な雰囲気はもはやありません。このストーリーで最も成長したのは、リタなのでした。また、法廷に駆け付けた隣人のアニーの言葉が印象的です。「ルーシーはサムが親なのに賢いのではありません」「サムが親だから賢いのです」「引き離されると、彼女の心の中にぽっかりと穴が空いてしまう」「それが心配です」と言い、ルーシーの視点に立ち、ルーシーにとって望ましいのは何かを伝えます。ルーシーを引き取って養母になろうとしているランディの心の変化にも注目しましょう。最初、彼女はサムに対して「この子をどうやってでも守る」と敵意をむき出しにしていました。その後に、サムがランディに「僕には助けが必要だ」「ルーシーにはママが必要だ」と素直に言います。サムの純粋さに触れて、ランディは、共同親権という形で「ルーシーにいつでも会っていいわよ」とサムに申し出るのでした。これが、ルーシーにとって最も望ましい落としどころとなり、ハッピーエンドを迎えます。知能は、広い意味では人間的な賢さです。つまり、賢さという視点で見るなら、知能は、単に相手と敵対して有利になるための情報処理能力ではありません。逆に、敵対的にならないように、感情をコントロールする情動処理能力でもあります。これは、心の知能指数(EQ, emotional quotient)と呼ばれてきました。また、相手を配慮(共感)し、相手の視点に立つ能力(メタ認知)でもあります。そして、お互いの妥協点を探り、自分も相手も共存するために折り合いを付ける能力(社会性)でもあります。このように、知能にはいろいろな意味や広がりがあるのです。そして、この広い意味での知能は、社会的知能(SQ, social quotient)と呼ばれるようになってきています。表3 社会的知能(SQ)を高めるポイント例相手を知るギスギスしている相手ほど耳を傾ける自分を伝えるギスギスしている相手ほど働きかける場数を踏むギスギスしている状況に前向きになる社会的知能(SQ)を高めるには?―「社会力」これからの時代に求められる知能は、コニー親子やかつてのリタのように、相手と敵対して争うために有利な能力、つまり単なる知能指数(IQ)ではありません。それは、ランディのように、相手と協力してお互いを生かすための能力、社会的知能(SQ)です。それでは、このSQを高めるためには、どうしたらよいでしょうか? 3つのポイントがあります。1つ目は、相手のことをよく知ることです。知ろうと興味を持つ中で、相手とかかわり、相手の視点に立つことができるようになります。さらには、いろいろな人の価値観に触れて、バランス感覚を持つことでもあります。そして、相手の長所と短所を見抜く目を持つことで、より良い折り合いを見つけることにつながっていきます。例えば、ギスギスした時に、その相手を避けたり攻撃したりするのではなく、逆にそんな相手の言い分ほど耳を傾けることです。2つ目は、自分のことをうまく伝えることです。1つ目のいろいろな人を知ることを通して、その比較としての自分自身を俯瞰(ふかん)して見ることができるようになります。それは、自分の長所と短所を見極めることにもなります。その見極めを踏まえて、自分と相手が協力してできることをうまく伝えることです。例えば、ギスギスしている相手ほど、まめに働きかけて、前向きで建設的な話をしていく姿勢を示すことです。3つ目は、かかわり合いの場数を踏むことです。私たちは、いっしょに生きている限り、必ず主張の衝突は起こります。その時が自分のSQを高めるための実践トレーニングであると前向きにとらえることです。この姿勢自体ですでにSQは高まっていると言えます。SQは、IQと同じようにテストの数値によって推し量ろうとする研究もされていますが、むしろ、実践によって体得していくものとらえた方が良いでしょう。そして、SQが高いとは、自分と相手の主張の衝突を乗り越えて仲良くできているという実感そのものであると言えます。SQは、そもそもどちらが高いかと競い合うものではありません。自分と相手(社会)が築き上げていくものです。表4 知能指数(IQ)と社会的知能(SQ)の違い知能指数(IQ)社会的知能(SQ)評価方法知能テスト実践の積み重ね要素記憶力、情報処理能力→学力IQの要素に加えて、相手との折り合いをつけるための共感性、想像力、発想力→「社会力」モデルコニーの父親かつてのリタランディその後のリタ学力だけではなく「社会力」を映画では、サムの存在によって、ルーシーの社会的知能(SQ)はとても高まっていることが分かります。しかし、現在の日本の教育事情はどうでしょうか?ルーシーのクラスメートのコニーのように、学力という名の記憶力や情報処理能力ばかりに重きが置かれてしまっています。欧米先進国と違い、日本ではアルバイトが禁止とされている学校がほとんどです。勉強さえしていればよいという価値観が強まり、社会参加を通して人とかかわっていく経験がなくなっています。また、出生率の低下から、兄弟がほとんどいない一人っ子の家庭が多くなっています。その結果、兄弟間の葛藤がなく、人とのかかわりにおいて、押し引きのバランス感覚が伸びず、自分本位の発想をしてしまいがちになっています。それが、現在の引きこもりの社会現象を起こしている原因の1つとなっているように思われます。このように、SQが高まらない学校環境や家庭環境が危ぶまれます。SQを高めるためには、例えば学校教育の中でも、アルバイトやボランティアを推奨する仕組みが望まれます。また、家庭においては、地域のコミュニティでの集まりやイベントを通して、世代をまたいだより多くのかかわりが望まれます。IQを学力に近いものとすると、SQは「いっしょ(社会)に生きていく力」、つまり「社会力」とも言えます。これからのコミュニケーション重視の時代は、学力だけでなく、この「社会力」もとても必要になってきます。特に、人を相手とする医療関係者の私たちは、もちろん学力も必要ですが、バランスよくこの「社会力」を日々高めていく必要があるということです。なぜ知能は進化したのか?―社会脳原始の時代から現在まで、人が知能を進化させることができたのはなぜでしょうか?それは、過酷な環境を乗り越えるために、人が集団(社会)をつくり、助け合ったからでした。そして、その助け合いのためには、表情、身振り、言葉によって、相手の心を読む能力が進化していったからです(社会脳)。この能力から、自分の置かれた状況の先を読む能力、そして自分自身の心の動きを読む能力も進化していきました。これらは、ものごとに距離を置いて客観的にとらえる心の働き(メタ認知)でもあります。現在、この進化した知能が、知能指数(IQ)として相手と敵対して争うために有利な能力として使われすぎています。私たちは、この知能の進化の原点に立ち戻り、社会的知能(SQ)や「社会力」という新しい視点を通して、自分の社会へのかかわり方や社会のあり方そのものを見つめ直すことができるのではないでしょうか。1)ダニエル・ゴールマン:SQ 生き方の知能指数、日本経済新聞出版社、20072)村上宣寛:IQってホントは何なんだ?、日経BP社、20073)村井俊哉:社会化した脳、エクスナレッジ、2007

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杉本真樹氏「人を動かすプレゼンテーション」

診断画像の3D化や3Dプリンターによる生体質感造形などの研究開発を通じ、医療界のプレゼンテーションの新たなアプローチを提唱している神戸大学消化器内科の杉本真樹氏。このたび、杉本氏が著書『医療者・研究者のための人を動かすプレゼンテーション』を出版するのを記念し、7月28日、東京都内にて出版キックオフイベントが開催されました(主催・運営:オルタナジャパン株式会社)。ここでは、本イベントでの杉本氏による「人を動かすプレゼンテーション」をお届けします。杉本真樹氏プロフィール神戸大学大学院医師、医学博士 。帝京大学病院、米国退役軍人局パロアルト病院を経て、現在神戸大学大学院医学研究科特命講師。外科手術研究開発から医療ITシステム、手術ナビゲーション、次世代低侵襲内視鏡手術や手術ロボット、3Dプリンターによる生体質感造形など、最先端医療技術の研究発展に寄与。医療・教育・ビジネスなど多分野にてプレゼンテーションセミナーやコーチングを多数開催。国内外医学学術会議で学会賞を20件受賞(国際学会11件) 。各地のTEDxスピーカーに選出(TEDxOsaka・TiTec・SapporoSalon、FukuokaChange)。IT専門記者100人による「世界を元気にする100人」(2013年)にも選出。著書『ITが医療を変える  現場からの課題解決への提言』(アスキー・メディアワークス)『スマホ、タブレットが変えるIT医療革命』(アスキー・メディアワークス)『医用画像解析アプリOsiriXパーフェクトガイド(エクスナレッジ)『医療現場iPad実践ガイド』(エクスナレッジ)『DVD 3D臨床解剖アトラス CT・MRIとOsiriXで再構成された動画ライブラリー』(メディカ出版)『消化管・肝胆膵ベッドサイドイメージング Mac対応フリーソフトウェアOsiriXでつくる3Dナビゲーション(DVD付)』(へるす出版)※上記プロフィールは掲載時の情報です。

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改めて問われる、心血管リスクとしての腎結石の意義(コメンテーター:石上 友章 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(126)より-

 腎結石を有する女性に、冠動脈性心疾患(CHD)のリスクが増大することが報告された。Ferraroらの長期にわたる観察研究は、質・量において、従来のコホートを圧倒している。したがって、事実として彼らの定義する腎結石とCHDとが統計的に有意に関連していることは、疑いようがないだろう。 観察研究は、いかに質・量を確保したとしても、因果関係を説明しうる研究ではない。因果関係のない現象が結びついてしまったり(一種のαエラー)、解釈によっては因果の逆転現象がまかり通る可能性もある。本論文は、あくまで事実として、女性においてのみ、腎結石とCHDとの間に統計的に有意な関係が認められることを報告しているに過ぎない点に、限界がある。 一般的には、関連の密接性、関連の時間性、関連の普遍性、関連の論理性、関連の特異性といった5つの条件を満たしてはじめて因果関係があると結論できるとされている。本論文のように性差がある場合、性差に由来する特異的な因果関係を正当化する明白な論理性がなければ、事実を真実として了解することはできない。しかしながら、仮に腎結石と冠動脈性心疾患との間に共通する病的な基盤、生物学的な基盤があった場合は、因果関係はなくとも、少なからず関連性はあるといえる。果たして、腎結石とCHDとの間にはどのような関係があるのか? 本論文では、腎結石の有無に関して、HPFS cohort、NHS I cohort、NHS II cohortに対して、それぞれ1986年、1992年、1991年より2年毎の調査で判定している。血尿乃至、腹痛を契機に診断された腎結石を自己申告した参加者の97%に対して、2次的に質問紙法で確認している。CHDに関する1次アウトカムは、致死的、非致死的心筋梗塞、致死的冠疾患、冠血行再建術の複合アウトカムを採用している。致死的イベントに関しては、公的死亡統計および参加者の近親者による報告、郵便システムによって判定している。致死的冠疾患については、病院での検査、剖検記録、担当医によるレビューによって判定している。単なる死亡統計による判定だけではなく、病院での記録や、剖検記録にまでさかのぼってアウトカムの判定をおこなっている点は評価できる。 腎結石とCHDとを結びつける生物学的基盤は、栄養の問題や、副甲状腺ホルモン、あるいはオステオポンチンといった内分泌因子が関与している可能性が指摘されているが、本論文のデータからは明らかにされることはなく、推論の域を出ない。何より、症候性の腎結石に限定している解析なので、症候(とくに痛み)をもたらす閾値に個人差がある以上、全例調査であっても、生物学的に十分な判定ではない可能性がある。無症候性の腎結石や、連続性のある表現型の判定が十分ではないために、名ばかり(nominal)の関連(association)にとどまるのではないかという疑問を払拭することはできない。どれだけ観察数を増やしても、観察研究の限界、すなわち仮説提示にとどまるのが実状ではないだろうか。

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