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日本人へのトホグリフロジン投与、単剤・併用での長期試験成績が発表

高選択的SGLT2阻害薬※トホグリフロジン(承認申請中)について、日本人における長期安全性と有効性を検討した成績が、山口大学の谷澤 幸生氏らにより報告され、トホグリフロジンの単独および併用における忍容性と有効性が確認された。演題では、食事療法・運動療法のみで血糖管理不十分な2型糖尿病患者に本剤を単独投与したMONO試験(安全性解析対象191例)、および既存の経口糖尿病治療薬(OAD)6種類のうちいずれかと併用したCOMBO試験(同593例)の結果が発表された。いずれもトホグリフロジン20mg群または40mg群にランダム化され、投与52週時の安全性と有効性が検討されている。主要評価項目は安全性、副次評価項目は52週時における、ベースラインからのHbA1c変化量、体重変化量を含むさまざまな代謝関連指標の変化量である。トホグリフロジンは、最も高選択的にSGLT2を阻害するとされる新しい経口血糖降下薬であり、現在国内で2型糖尿病を適応症として承認申請段階にある。結果は以下のとおり。総有害事象の頻度は単独・併用の両試験の合計で664例(84.7%)観察されたものの、重篤な有害事象は54例(6.9%)、投薬中止に至った有害事象は35例(4.5%)であった。5.0%以上の有害事象として、口渇、頻尿、低血糖、血中ケトン体増加などがあったが、臨床症状を伴うケトン体増加やケトアシドーシスはみられなかった。SU薬との併用時に他の経口薬との併用時と比べて低血糖頻度がわずかに高くなっていること、およびSU薬併用時のみで中等度の事象が3例起きていることに留意する必要があるものの、単剤・併用で重度の低血糖の報告はなかった。膀胱炎・尿路感染症の頻度は0.5%~4.7%、性器感染症の頻度は0.0%~3.4%であり、ほとんどが軽度かつ一過性なものであった。52週時のHbA1c変化量は、MONO試験で-0.67%、-0.66%(20mg、40mg)、COMBO試験で-0.77%、-0.87%(同)であり、COMBO試験ではいずれの経口薬と併用した場合においても同等の低下作用が確認された。体重変化量は、MONO試験で-3.06g、-3.44kg(同)、COMBO試験で-2.51kg、-2.98kg(同)で、体重低下は併用薬ごとに違いがあり、とくに40mg群ではαGIやメトホルミンとの併用時にわずかに強かった。その他、ウエスト周囲径の減少やアディポネクチンの増加、収縮期血圧の低下、HDL-C上昇などのメタボリックシンドローム関連因子やインスリン抵抗性指標であるHOMA‐IRが有意に改善していた。以上の結果より、トホグリフロジンの忍容性が確認され、トホグリフロジンは単独および既存の経口血糖降下薬との併用において2型糖尿病の新たな治療オプションとなることが示唆された。※高選択的SGLT2阻害薬は、腎尿細管において糖の再吸収に関与するトランスポーターのナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)を阻害し、血糖値依存的に尿糖排泄を促すことで血糖低下作用を発揮する。低血糖のリスクは低く、体重減少作用を有すると注目されている。

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BG薬併用時の全死亡リスクの差は?DPP-4阻害薬vs SU薬

SU薬+メトホルミンは最も一般的な併用の組み合わせであり、推奨されてきた。しかし、近年ではSU薬の安全性について懸念点があげられている。英国・カーディフ大学のC.J. Currie氏らは、メトホルミン処方中の患者における併用薬(DPP-4阻害薬、またSU薬)による全死亡リスクを評価した。本試験は、英国の臨床診療研究データリンク(CPRD)から抽出した2007年~2013年の間のSU薬あるいはDPP-4阻害薬のいずれかを併用したメトホルミン処方患者を対象とした。主要評価項目は全死亡であり、Cox比例ハザード・モデルを使用して比較した。結果は以下のとおり。主分析では、SU薬併用患者は3万3,983例、DPP-4阻害薬併用患者は7,864例であった。全死亡に関して、SU薬併用患者の調整ハザード比(aHR)は 1.36(95%CI:1.076~1.710、p=0.010)とDPP-4阻害薬併用患者に比較して増加した。現在、NICE(The National Institute for Health and Clinical Excellence)では、メトホルミンで効果不十分な場合にSU薬併用が推奨されている。Currie氏は、「メトホルミン服用患者において併用療法を始める場合は、これらのデータが考慮されるべきであり、さらに長期のコホート研究を実施したうえで、とくに総死亡に関しては治療選択による差を明らかにしていく必要がある」と述べた。

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GLP-1受容体作動薬「Albiglutide」、BG薬への上乗せ効果

長時間作用型GLP-1受容体作動薬であるAlbiglutideの長期有効性と安全性を検討した試験HARMONY3について、グラクソ・スミスクラインのM.Stewart氏らにより報告された。本試験は、メトホルミン単剤で血糖管理不十分な2型糖尿病患者にAlbiglutideを3年間投与する第III相二重盲検ランダム化比較試験。米国と欧州で実施されており、今回は2年間までの中間報告である。プラセボ群(104例、週1回)、シタグリプチン群(313例、100mg/日)、グリメピリド群(317例、2mg/日~4mg/日まで漸増)、Albiglutide群(315例、30mg/週~50mg/週まで漸増)の約1,000例が対象となっている。結果は以下のとおり。各群のベースラインから104週後のHbA1c変化量は、プラセボ群に比較していずれの実薬3群においても、低下が認められたが、Albiglutide群での低下作用が最も大きかった。プラセボ群(n=100):2.95(95%CI:0.55~5.47)シタグリプチン群(n=300):-3.06(同:-4.48~-1.64)グリメピリド群(n=302):-3.94(同:-5.36~-2.62)Albiglutide群(n=297):-6.89(同:-8.31~-5.57)また、体重ではAlbiglutide群は、プラセボ群より-0.2kg[95%CI:-1.1~0.7]、およびシタグリプチン群より-0.4kg[同:-1.0~0.3]と同等の体重減少が確認され、グリメピリド群との比較において-2.4kg[同:-3.0~-1.7]と有意な減少が示された。要救助高血糖状態の発生率は、プラセボ群59%、シタグリプチン群36%、グリメピリド群33%、Albiglutide群26%と、Albiglutide群において最も低頻度であった。その他、Albiglutide群での主な有害事象は、上気道感染症、下痢、吐き気などGLP-1受容体作動薬として既知の内容であった。以上のことから、Albiglutideの週1回投与は、シタグリプチンおよびグリメピリドよりもHbA1c低下効果に優れており、また同剤の高い忍容性も示唆された。

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シンポジウム「最小侵襲脊椎安定術MISt」第20回記念 日本脊椎・脊髄神経手術手技学会より

2013年9月6~8日、名古屋市にて第20回記念 日本脊椎・脊髄神経手術手技学会が行われた。学会中、今大会の会長である名古屋第二赤十字病院 整形外科・脊椎脊髄外科の佐藤公治氏が企画したシンポジウム「最小侵襲脊椎安定術MISt」が開催された(座長:慶応大学 石井賢氏、関西医科大学 齋藤貴徳氏)。シンポジウムでは世界のオピニオンリーダー10名による講演が行われ、 平日にも関わらず450名を超える参加者が日本およびアジアから集まり、 MIStについての熱い議論が交わされた。 ※最小侵襲脊椎安定術(MISt:Minimally Invasive Spine Stabilization)とは、低侵襲に脊椎固定するだけでなく制動や安定化も含めた手技の総称です。Limitation of MIS in Complex Deformity and Revision SurgeryJeffery S. Roh氏(Division of Proliance Surgeon, ProOrtho, Seattle Minimally Invasive Spine Center)The use of Minimally Stabilization(MISt) in Management of Advanced Metastatic Spinal DiseaseMun Keong Kwan氏(Department of Orthopaedic Surgery, Faculty of Medicine, University of Malaya)MIS-PLIFのアプローチによる低侵襲性向上の限界有薗 剛氏(公立学校共済組合九州中央病院 整形外科)腰椎変性側弯症に対する多椎間MIS-TLIF中野 恵介氏(高岡整志会病院 整形外科)転移性脊椎腫瘍に対する低侵襲脊椎安定術(MISt)の応用中西 一夫氏(川崎医科大学 脊椎・災害整形外科)骨粗鬆症椎体骨折に対する骨切りを併用したMIStによる治療経験富田 卓氏(青森市民病院 整形外科)PLIFに併用したCBTScrewの工夫~術後1年の短期成績より~大和田 哲雄氏(関西労災病院 整形外科)内視鏡支援下のXLIF手術稲葉 弘彦氏(岩井整形外科内科病院 整形外科)経皮的頚椎椎弓根スクリューを用いた低侵襲頚椎後方固定の工夫と限界染谷 幸男氏(国保小見川総合病院 整形外科・脊椎脊髄センター)化膿性脊椎炎に対する経皮的挿入椎弓根スクリューを用いた固定術の有用性男澤 朝行氏(帝京大学ちば総合医療センター 整形外科)総合討論※ 所属・施設等は、制作当時のものです。

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食後血糖値と全身性掻痒症の関連が明らかに

 食後血糖値と全身性掻痒症には正の関連性があり、糖尿病患者では良好な食後の血糖コントロールが、全身性掻痒症を軽減することに有益性をもたらす可能性があることが、台湾国立大学病院のMei-Ju Ko氏らによる検討の結果、明らかになった。これまで、糖尿病患者において掻痒は頻度の高い症状にもかかわらず、血糖コントロールとの関連についてはほとんど明らかにされていなかったという。European Journal of Dermatology誌オンライン版2013年9月3日号の掲載報告。 本検討において研究グループは、2型糖尿病患者における全身性掻痒症と血糖コントロールとの関連を明らかにすることを目的とした。被験者は、糖尿病ケアシステムに登録されており、台湾の教育病院の皮膚科で検査を受けた385例であった。 被験者に対し、視覚アナログスケールなどを用いて詳細な面談調査を行い、さまざまなかゆみの特徴や強度を調べ、多変量ロジスティック回帰分析にて、全身性掻痒症と食後血糖、食前血糖、HbA1cとの関連を評価した。 主な結果は以下のとおり。・被験者385例のうち、全身性掻痒症を訴える患者は27.5%であった。・かゆみにより、24.5%が入眠困難を、15.1%は睡眠妨害を訴え、9.5%は睡眠薬を要した。・2型糖尿病患者において、食後血糖値が高い人ほど、全身性掻痒症を有する患者の割合が高率であった(OR:1.41、95%CI:1.05~1.90、p=0.002)。

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日本の統合失調症入院患者は低栄養状態:新潟大学

 欧米では、健常者と比較して、抗精神病薬治療を受けている統合失調症患者における肥満やメタボリック症候群の有病率が高い。しかし日本では、そもそも一般集団の過体重および肥満の有病率が、欧米と比較してかなり低い。新潟大学の鈴木雄太郎氏らは、日本の統合失調症入院患者について調査を行い、低体重の患者の割合が一般集団と比較して高いことを明らかにした。結果を受けて著者は「入院患者の身体的健康について、診療でより考慮する必要がある」と報告している。Psychiatry and Clinical Neurosciences(PCN)誌オンライン版2013年9月2日号の掲載報告。 研究グループは、日本の統合失調症入院患者における、低体重および過体重/肥満の有病率について調査した。被験者は統合失調症入院患者と、年齢・性で適合した健常ボランティア対照であった。BMI 値25以上を過体重/肥満、18.5~25未満を標準体重、18.5未満を低体重と定義した。 主な結果は以下のとおり。・統合失調症入院患者333例、健常対照191例について調べた。・両群間において、3つの体重定義の有病率に有意差が認められた(p<0.001)。・低体重の有病率は、統合失調症患者群が対照群と比べて有意に高率であった(p<0.001)。・また、統合失調症患者群のほうが対照群よりも、低タンパク血症(p<0.001)、低コレステロール血症(p<0.001)の有病率が有意に高率であった。・さらに統合失調症患者群において、低体重群における低トリグリセリド血症の有病率が、標準体重群および過体重/肥満群よりも有意に高率であった(各々 p=0.003、p<0.001)。・以上の結果を踏まえて著者は、「日本の統合失調症入院患者における低体重の有病率は、一般集団より高率の可能性がある。したがって、臨床診療において入院患者の身体的健康について、より慎重に考慮する必要がある」と結論している。関連医療ニュース 統合失調症患者、合併症別の死亡率を調査 この25年間で統合失調症患者の治療や生活環境はどう変わったのか? 精神疾患患者は、何を知りたがっているのか

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スポーツ医学普及に「サッカードクターネットワーク」キックオフ

 2013年9月28日(土)、「サッカードクターネットワーク」のキックオフイベントがNPO法人医桜主催、株式会社東芝およびインテル株式会社の協賛、学会放送株式会社の協力のもと都内で開催された。 サッカードクターネットワークは、Windows8アプリと東芝の携帯端末を用いてスポーツ医学に特化した情報共有を行う本邦初の取り組み。登録した医師間での写真・動画の投稿、閲覧を実現し、選手の傷病予防や治療・リハビリ等の情報を医師同士で知見を共有するとともに、経験豊かなスポーツドクターからのアドバイスを遠隔で受けることが可能になるというもの。 今回は、「スポーツ医療とICT」をテーマに、サッカードクターネットワークの機能紹介と、佐藤 俊介氏(佐藤病院院長 栃木県サッカー協会医事委員会委員長)、大場 俊二氏(大場整形外科院長、日本サッカー協会評議会)、寛田 司氏(寛田クリニック院長、サンフレッチェ広島チーフチームドクター)、宮川 一郎氏(習志野整形外科内科院長)の4名のパネリストによる講演とパネルディスカッションが行われた。 発起人である佐藤氏は、「画像診断、関節鏡手術の技術向上など日本のスポーツ医学は近年急速な進歩を遂げているものの、それがスポーツ現場にフィードバックされているとはいえない。進んだスポーツ医学の恩恵にあずかることができるのは一部のトップアスリートのみであり、とくに地方の草の根レベルの子どもたちに対してのフィードバックは不十分だといえる。チームドクター活動やスポーツ指導者への啓発活動など、地域におけるスポーツ医学の普及に長年努力しているものの、現在でもけがや故障に悩まされているサッカー少年は数多くいる。この現状を打破するべく全国のサッカードクターが知恵を出し合い、スポーツ現場で生かせる医学知識や健康管理法を標準化・平準化させ、それをコンテンツとしてITを活用し全国のスポーツ現場で利用できるようなシステムを構築したいと考え、東芝とインテルの協力を得て、この会を立ち上げた」と述べた。 また、腰痛で受診する子供の4分の1が疲労骨折であるが、レントゲンで異常が認められず放置され腰椎分離症に移行してしまうことも少なくない。腰椎分離症は進行すると癒合できない(大場氏)。そのような事態を防ぐためにも、スポーツ現場で医療機関受診の必要性を判断できることが重要である。しかし、スポーツ指導者の医療の知識はまだ不十分であり、また研修会などの啓発イベントを催しても練習や試合で忙しく出席できない。そこで大場氏は、チーム内でのメディカルマネージャー設置の必要性を強調。自ら大分サッカー協会の専務理事となり、大分県内のU—15サッカーリーグでのメディカルマネージャー登録を義務化するに至った。一方、アスリートに障害を起こすリスクのある誤ったトレーニング方法も数多く流れている、と寛田氏は警鐘を鳴らす。このようなことを防ぐためにも、スポーツ指導者を含む関係者への適切な情報提供は欠かせないといえよう。 さらに、受け皿となる診療側の問題も残っている。こうした適切な医療を草の根で提供するためにも、全国のクリニックレベルの活動が必要になる。しかし、一般診療における適正なスポーツ医学の啓発は十分とはいえない。それは整形外科領域においても、例外ではない。寛田氏は、「スポーツ整形で有名なのは手術するところ。本来は保存的治療、外傷防止をできるところが良い医療機関である。ヨーロッパでは徒手医学として理学療法も含めた医学が普及しており、手術主体の日本の医学とは一線を画している」と言う。 最後に、このアプリの実現による、医療者の知識レベルの底上げ、試合中の事故など緊急時のオンラインによるカンファレンスの可能性など、多くの期待が述べられた。佐藤氏は、「まずは地方で活用していき全国に展開、ゆくゆくは日本サッカー協会公認取得を目指す。将来的には医師だけではなく、サッカー協会に加入すると、適切なスポーツ医学情報が指導者、選手、家族にも伝達される。こういったことが実現できるようにしたい」と抱負を述べた。

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がん患者における婚姻状況と生存率の関連

 婚姻状況(配偶者の有無)によって、がん診断時のステージや根治的治療の実施、がんによる死亡率に違いはあるのだろうか。 ハーバード大学のAyal A. Aizer氏らが、米国のがん登録システムであるSurveillance, Epidemiology and End Results(SEER)programを用いて、死亡数の多いがんについて調査したところ、配偶者のいないがん患者では、診断時における転移、治療の不足、がんによる死亡のリスクが有意に高いことが示された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2013年9月23日号に掲載。 著者らは、SEERデータベースを用い、2004年~2008年に肺がん、大腸がん、乳がん、膵臓がん、前立腺がん、肝臓がん/肝内胆管がん、非ホジキンリンパ腫、頭頸部がん、卵巣がん、食道がんと診断された126万898例の患者を同定した。そのなかから、臨床情報およびフォローアップ情報のある73万4,889例について、多変量ロジスティック回帰分析およびCox回帰分析を用いて検討した。 主な結果は以下のとおり。・配偶者がいる患者は、いない患者(別居、離婚、死別を含む)より、転移を伴って診断されることが少なく(補正オッズ比[OR]:0.83、95%信頼区間[CI]:0.82~0.84、p<0.001)、根治的治療を受けることが多く(補正OR:1.53、95%CI:1.51~1.56、p<0.001)、人口統計学的特性・ステージ・治療に関する因子で調整後のがん関連死亡が少ない(調整ハザード比:0.80、95%CI:0.79~0.81、p<0.001)ことが示された。・これらの関係は各がんにおいて分析した場合も有意であった(各がんのすべてのエンドポイントでp<0.05)。・配偶者がいることに関連付けられるメリットは、女性より男性のほうがすべてのアウトカムで大きかった(すべての場合でp<0.001)・前立腺がん、乳がん、大腸がん、食道がん、頭頸部がんでは、配偶者がいることに関連付けられる延命効果が、化学療法で報告されている延命効果よりも大きかった。

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薬物療法専門薬剤師に期待するもの -がん薬物療法専門医の立場から-

東北大学の加藤俊介氏は9月21日、宮城県仙台市で開催された日本医療薬学会のなかで「がん薬物療法専門医の立場から見た薬物療法専門薬剤師に期待するもの」をテーマに講演した。近年の医療の高度化、多様化は薬剤師の職務にも影響しており、薬剤師はチーム医療の一員としてより専門的な知識が求められている。専門薬剤師認定制度は、日本病院薬剤師会および日本医療薬学会が定める専門薬剤師の認定制度であり、資格取得を通じて生涯学習と自己研鑽を促し、さまざまな分野で専門的な知識を持った薬剤師を育成するものである。専門薬剤師認定制度が誕生したことで、わが国の医師不足の現状に対する医師の業務負担を分散し、軽減化する効果も期待されている。薬物療法専門薬剤師は、日本医療薬学会が認定する三番目の専門薬剤師認定資格として、昨年新たに追加された。薬物療法専門薬剤師は、分野を問わず幅広い知識を持ち、各領域の専門薬剤師(がん専門薬剤師や妊婦・授乳婦専門薬剤師など)同士をつなぐスーパージェネラリストとしての役割が期待されている。とくにがん治療におけるチーム医療では、がん進行度による治療の担い手とその役割が多種多様であり、薬物療法を行ううえでは副作用や治療に伴う周辺症状をケアする支持療法が欠かせない。近年では分子標的薬を投与する機会が増え、骨髄抑制に留まらず全身にさまざまな副作用が引き起こされる可能性がある。そのため、特定の臓器や疾患に限定することなく幅広い視野で患者を診ることができる医師・薬剤師が求められている。すでに医師には、「総合診療医」という専門医を育成する新制度が整いつつあるが、薬物療法専門薬剤師認定制度はその制度に似た位置付けとなるだろう。加藤俊介氏は最後に「現在、専門医・専門薬剤師の確立により疾患ごとのチーム医療は構築されつつある。薬物療法専門薬剤師は複数のチーム医療の下支え的な役割を担ってもらいたい。チーム医療間での密な連携ができれば、より良い医療を提供することにつながるだろう」と述べた。(ケアネット 岸田有希子)

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医師個人への特別報酬が降圧治療の質を改善させた/JAMA

 高血圧治療について、特別報酬を医師個人、診療所あるいは両者の、いずれにつけると質的改善の効果があるのかを検討した結果、医師個人へつけることのみ、良好な血圧コントロール達成もしくは努力への有意な増大がみられたことが示された。また特別報酬をいずれにつけても、つけなかった対照群と比較して、ガイドラインで推奨されている薬物療法の使用が有意に増大することはなく、低血圧症の発症も増大しなかったという。米国・マイケル E. デバキー退役軍人(VA)医療センターのLaura A. Petersen氏らが無作為化試験を行った結果、報告した。JAMA誌2013年9月11日号掲載の報告より。特別報酬の効果を、医師個人vs.診療所vs.両者の支払先別で検証 研究グループは、ガイドライン推奨の高血圧治療実施に対して特別報酬を支払うことの効果について検討する、VA外来専門クリニック12施設を対象としたクラスター無作為化試験を行った。試験は、5つの特別報酬対象期間とその後12ヵ月の非介入期間からなり、83人のプライマリ・ケア医と42人の非医師(看護師、薬剤師など)が参加した。 試験では、特別報酬の支払いについて、医師個人レベル(19例)、診療所レベル(20例)、または両者に支払う(19例)という支払い群と、対照群として支払いなし群(19例)を設定した。特別報酬は4ヵ月ごとに支払われた。 試験は2007年2月に、まず参加者に対して特別報酬支払いおよび割り付け情報を含めた本試験概略の説明・講習が行われ、同年8~11月をベースライン期間とし、その後2008年4月から介入(4ヵ月を1期間とする)が開始された。2010年4月に最後のフィードバックが行われ、その後12ヵ月間を非介入期間として治療の継続性について評価した。 主要評価項目は、ガイドライン推奨の血圧閾値を達成した患者数、あるいは血圧コントロール不良に対して適切な治療を受けている患者数、またはガイドライン推奨薬物療法の処方を受けている患者数、および低血圧症を発症した患者数とした。血圧コントロール達成・努力への変化、医師個人群でのみ有意に変化 本試験期間中に支払われた特別報酬の平均総額(SD)は、医師個人群2,672(153)ドル、診療所群1,648(248)ドル、複合群に対しては4,270(459)ドルであった。 血圧コントロールおよび適切治療に関するベースラインからの変化値(達成患者・適切治療中患者数の変化を%で評価)は、対照群(86%→86%、0.47%増大)と比較して、医師個人群でのみ、有意な増大がみられた(75%→84%、8.84%増大、対照群との変化の格差は8.36%、同格差のp=0.005)。診療所群の変化値は3.70%(80%→85%、同格差のp=0.26)、複合群は同5.54%(79%→88%、同格差のp=0.09)で有意差はみられなかった。 一方で、ガイドライン推奨薬物療法の利用については、対照群(63%→72%、4.35%増大)と比較していずれの群も増大はしていたが、有意差はみられなかった。医師個人群は9.07%増大(61%→73%、格差のp=0.09)、診療所群4.98%増大(56%→65%、格差のp=0.81)、複合群7.26%増大(65%→80%、格差のp=0.30)だった。 また、低血圧症の発生についても有意な増大はみられなかった(介入群対対照群の発生比1.2%vs. 1.4%、p=0.18)。 なお特別報酬の効果は、非介入期間後は継続性がみられなかった。 著者は、今回得られた所見に関与する因子について、さらなる検討にて調べることが必要だとまとめている。

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ストレス潰瘍予防目的のPPI、術後肺炎リスクを増大/BMJ

 冠動脈バイパス術(CABG)を受ける患者に対してストレス潰瘍の予防目的でしばしば投与される胃酸分泌抑制薬について、プロトンポンプ阻害薬(PPI)のほうがH2ブロッカーよりも、術後肺炎リスクが1.19倍とやや高いことが示された。米国・ブリガム&ウィメンズ病院のBrian T Bateman氏らが、全米約500病院からの患者データが集積されているPremier Research Databaseを用いた後ろ向きコホート研究の結果、報告した。BMJ誌オンライン版2013年9月19日号掲載の報告より。CABG患者2万例超についてPPI対H2ブロッカーの術後肺炎発生を調査 術後肺炎は、心臓手術後によくみられる(2~10%)死亡リスクの高い(20~50%)合併症である。これまでPPIおよびH2ブロッカーの院内肺炎リスクとの関連を比較検討した報告はあるものの相反する結果が示されてきた。また心臓手術後患者を対象とした検討については、単施設対象の後ろ向き研究で、PPIのほうが2.7倍高かったという報告があるが、その一報にとどまっていたという。 今回研究グループが検討したPremier Research Databaseには、2004~2010年にCABGを受けた2万1,214例が登録されていた。 そのうち9,830例(46.3%)がPPIを、1万1,384例(53.7%)がH2ブロッカーを、術後間もなく投与開始されていた。 主要評価項目は、診断コードが付いた術後肺炎の発生とした。PPI群の相対リスク1.19、1,000患者当たり8.2例増大 入院期間中の術後肺炎の発生は、PPI群5.0%(492/9,830例)、H2ブロッカー群4.3%(487/1万1,384例)であった。 傾向スコア(患者特性)補正後も、PPI群の術後肺炎発生リスクはH2ブロッカー群よりも高率のままだった(相対リスク:1.19、95%信頼区間[CI]:1.03~1.38)。 また、操作変数(病院がどちらの薬を好んでいるか)について補正解析後、PPI使用はH2ブロッカー使用と比べて、1,000患者当たり8.2例(95%CI:0.5~15.9)の術後肺炎リスク増大と関連していた。 著者は、「ストレス潰瘍予防目的のPPI使用は、H2ブロッカー使用と比べて術後肺炎リスクがやや高い。同リスクは、さまざまな方法による交絡因子で補正後も変わらなかった」とまとめている。

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統合失調症の再入院、救急受診を減らすには

 統合失調症の再発を繰り返す患者について、経口抗精神病薬(経口AP)から非定型持効性注射薬(非定型LAT)に切り替えた結果、再入院率および緊急救命室(ER)受診率が減少したことが、後ろ向きデータベース解析の結果から示された。カナダ・Groupe d’analyse社のMarie-Helene Lafeuille氏らがPremier Hospitalの過去5年間の電子カルテデータを解析して報告した。先行研究において非定型LATの有用性は示されているが、大半が再入院にのみ着目し入院やER受診については考慮されていなかった。BMC Psychiatry誌オンライン版2013年9月10日号の掲載報告。 解析に用いられたのは、2006~2010年のPremier Hospitalデータベースの電子カルテデータであった。統合失調症関連の入院中に経口APを服用していた成人患者について、再発例(統合失調症による再入院)を特定し、また(a)非定型LATに切り替えた患者、(b)経口APを継続した患者、に階層化して評価した。評価は傾向スコアモデルを用いて、非定型LAT患者と経口AP患者を1対3の割合で適合させて行った。Andersen-Gill Cox比例ハザードモデルを用いて、時間経過に伴う複数回再発における全要因再入院率とER受診率への非定型LATの影響を評価した。多重性に関する調整は行われなかった。 主な結果は以下のとおり。・非定型LAT患者1,032例と適合した経口AP患者2,796例が評価に組み込まれた。両群の患者は、人口統計学的に釣り合いがとれており(平均年齢:42.1歳対42.4歳、p=0.5622/ 女性患者比:43.6%対44.6%、p=0.5345)、臨床的および入院先の病院特性も同様であった。・全体の追跡期間は平均30ヵ月間であった。その間に、非定型LAT群のほうが経口AP群と比較して、再入院(平均回数:1.25対1.61、p<0.0001)、ER受診(平均回数:2.33対2.67、p=0.0158)が有意に少なかった。同様に、入院日数も有意に少なかった(平均日数:13.46対15.69、p=0.0081)。・再入院率(HR:0.81、95%CI:0.76~0.87、p<0.0001)、ER受診率(同:0.88、0.87~0.93、p<0.0001)は、非定型LAT群のほうが経口AP群よりも有意に低下した。関連医療ニュース 統合失調症の急性増悪期、抗精神病薬の使用状況は?:国立精神・神経医療研究センター 統合失調症、双極性障害の急性期治療に期待!アリピプラゾール筋注製剤 非定型抗精神病薬のLAIを臨床使用するためには

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高血圧・糖尿病患者のアドヒアランスは退職後に低下する

 日常生活の変化が、服薬アドヒアランスにどの程度影響するのかは不明である。ロンドン大学のMika Kivimaki氏らは、高血圧や2型糖尿病患者における服薬アドヒアランスの変化に退職が関連しているかどうかを調査した。その結果、高血圧では男女とも、2型糖尿病では男性において退職後の服薬アドヒアランスの低下が認められた。Canadian Medical Association Journal誌オンライン版2013年9月30日版に掲載。 著者らは、フィンランドにおけるFinnish Public Sector studyの参加者のデータを1994年~2011年の国内処方箋データと結び付け、高血圧患者3,468人と2型糖尿病患者412人について、退職前3年間と退職後4年間追跡した(平均追跡期間6.8年)。主要アウトカムは、服薬アドヒアランスの低い(治療日数の40%未満)患者の割合で、処方箋データを用いて調査した。 主な結果は以下のとおり。・退職前の低アドヒアランスの患者の割合は、高血圧の男性および女性で6%、2型糖尿病の男性で2%、2型糖尿病の女性で4%であった。・男性において、退職は、降圧薬(オッズ比[OR]:1.32、95%信頼区間[CI]:1.03~1.68)と糖尿病治療薬(OR:2.40、95%CI:1.37~4.20)の低アドヒアランスのリスク増加に関連していた。・女性では、低アドヒアランスのリスク増加は、降圧薬(OR:1.25、95%CI:1.07~1.46)のみでみられた。・この結果は、年齢層、社会経済的地位または合併症を問わず、差は認められなかった。・今回の知見が確証された場合、退職後のアドヒアランス低下を減じるための介入により、高血圧や糖尿病治療の臨床的アウトカムを改善するかどうかを検証する無作為化比較試験が必要である。

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さわやま流 音楽的聴診術

第3回「収縮期の雑音」第4回「拡張期・その他の雑音」 心音・心雑音のリズムや強弱を、楽譜のようにグラフィック化。目と耳で学べるので、聴診があまり得意でない方にも楽しんで理解して頂けます。下巻で取り上げるのは収縮期と拡張期の雑音です。駆出性雑音と逆流性雑音の伝播方向の違い、大動脈駆出音と肺動脈駆出音の見分け方、収縮期と拡張期を行き来するブランコ雑音の正体、機関車の走行音に聴こえる雑音など、ポイントを分かりやすく解説します。第3回「収縮期の雑音」収縮期駆出性雑音はなぜ漸増漸減型に聴かれ、収縮期逆流性雑音は平坦な音として聴かれるのか?駆出性雑音と逆流性雑音の伝播方向の違いとは?雑音を伴う過剰心音「大動脈駆出音」と「肺動脈駆出音」の見分け方は?収縮期逆流性雑音の左心側と右心側の違いは?などなど、心雑音を聴き分けるためのヒントを示し、あなたの心雑音についての疑問を次々と解消していきます。また恒例の"sound file"では、音楽的にしっかりと心雑音を把握し、心音と心雑音の関係を目で見て納得していただきます。心雑音の聴き分けは弁膜疾患や先天性の心臓病の診断に非常に有効です。第4回「拡張期・その他の雑音」 音楽的に心音・心雑音を学ぶシリーズ最終回。拡張期の雑音、収縮期と拡張期にまたがる雑音、不整脈を学習します。大動脈弁閉鎖不全が重症化すると雑音はどうなるのか?収縮期と拡張期を行き来するブランコ雑音の正体は何か?機関車の走行音に聴こえる雑音とは?不整脈時に駆出性雑音と逆流性雑音を見分ける方法とは?心雑音を聴き分けるためのヒントを示し、あなたの心雑音についての疑問を次々と解消していきます。最後に、カテーテル検査やエコー検査が幅を利かせる現在において「聴診が何故必要なのか?」を、沢山先生に熱く語っていただきます。本シリーズに登場した「sound file」は32種類。これを観れば(聴けば)、聴診への親しみ、理解度が深まることは間違いありません。「さわやま流聴診術」を是非自分のものにして下さい!

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