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統合失調症患者の認知機能低下への関連因子は

 カナダ・Institut Universitaire en Sante Mentale de MontrealのStephane Potvin氏らは、統合失調症にみられる認知機能低下に関わる因子について検討を行った。その結果、陰性症状および年齢や性別などの社会人口統計学的特徴が認知パフォーマンスと関連していること、抗精神病薬に誘発されるパーキンソニズムが作業記憶に関連していることを報告した。European Archives of Psychiatry and Clinical Neuroscience誌オンライン版2014年6月13日号の掲載報告。 統合失調症における著しい認知機能低下、およびそれが患者の社会的・職業的機能に及ぼす影響、そして抗精神病薬に誘発される錐体外路症状が統合失調症の認知機能に及ぼす影響については十分に理解されていない。本研究では、統合失調症患者の認知能力を予測する臨床的、社会人口統計学的および神経学的因子を特定するため、検討を行った。統合失調症スペクトラム(DSM-IV分類)の外来患者82例を登録し、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)、統合失調症に関するカルガリーうつ病尺度(CDSS)により精神症状を評価した。また、錐体外路症状評価尺度(ESRS)により錐体外路症状を、ケンブリッジ神経心理学テスト(CANTAB)により空間作業記憶、プランニング能力、視覚的対連合学習を評価し、ストループ検査も実施。多変量階層線形回帰解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・統合失調症の陰性症状は、認知的柔軟性、プランニング、視覚的学習および作業記憶と関連していた。・年齢、性別、入院回数および抗精神病薬の種類も有意な予測因子であった。・さらに、抗精神病薬に誘発されるパーキンソニズムと作業記憶が有意に関連していた。・統合失調症の陰性症状と社会人口統計学的特徴が認知パフォーマンスを予測するという事実は、過去の文献と一致していた。・結果を踏まえて著者は「作業記憶障害は統合失調症の中間表現型と考えられており、患者の社会的および職業的機能を損なうことが知られているため、パーキンソニズムと作業記憶との関連は臨床的意義のある知見と思われる」とまとめている。・また今回の結果については「より大規模な患者集団を用いた長期研究により、追試する必要がある」と指摘している。関連医療ニュース 統合失調症の認知機能改善に抗認知症薬は有用か 統合失調症の寛解に認知機能はどの程度影響するか:大阪大学 統合失調症では前頭葉の血流低下による認知障害が起きている:東京大学

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隔年マンモグラフィ検診導入後、乳がん死は約3割減/BMJ

 マンモグラフィ検診導入前後の乳がん死亡率比を検討した結果、導入後は乳がん死が約28%減少したことが、ノルウェー科学技術大学のHarald Weedon-Fekjaer氏らによる住民前向き追跡コホート研究から報告された。1970~80年代に行われた無作為化試験でマンモグラフィ検診は、乳がん死を予防可能であることが示され、ノルウェーでは1995~2005年に順次検診プログラムが導入されている。しかしその後、初期に行われた試験の方法論に問題があることが指摘され、結果の妥当性に疑念が及ぶこととなった。研究グループは、検診導入効果を検討する新たな試験を行うことは非現実的であるとして、今回観察研究のアップデートにより検診群と非検診群の比較を行い検討した。BMJ誌オンライン版2014年6月17日号掲載の報告より。 1986~2009年に全ノルウェー女性を前向きに追跡 前向きコホート研究は、1986~2009年に全ノルウェー女性を追跡して行われた。その間1995~2005年に、50~69歳の女性を対象に全国的なマンモグラフィ検診が隔年で行われた。 ポアソン重回帰分析により推算した乳がん死亡率比で、検診招待群vs. 非検診招待群(検診招待効果を評価)を評価し、また、乳がんが診断されたケースの初回検診招待前(検診効果が期待できなかった)vs. 初回検診招待後(同効果が期待できた)の検討で明確な差を評価した。分析ではさらなる追跡で他の原因で死亡した女性は除外した。 また、2009年のノルウェーにおける全死因死亡および乳がん特異的死亡の複合で観察された死亡率の低下をベースとし、CISNET(Cancer Intervention and Surveillance Modeling Network)Stanfordシミュレーションモデルを用いて、50~69歳の女性が生涯、隔年で何回マンモグラフィ検診に招待される必要があるか(必要検診招待数)を推算した。 検診招待368例につき乳がん死1例予防 1986~2009年に観察された1,519万3,034人年のうち、乳がん死は初回検診招待後に診断された女性では1,175例、招待されることなく診断された女性では8,996例だった。 年齢、出生コホート、居住地、全国的な乳がん死の傾向で補正後、検診招待の死亡率比は0.72(95%信頼区間[CI]:0.64~0.79)であった。すなわち、検診に招待された女性は招待されなかった女性と比べて、乳がん死リスクが28%減少したことが示された。 検診招待終了後(70歳時)も、乳がん死亡率に対する有益性が持続することが認められた。ただし有益性は時間とともに低下する可能性も認められ、招待終了5~10年後の補正後死亡率は、0.79(95%CI:0.57~1.01)となっていた。 必要検診招待数の検討では、乳がん死を1例予防するために、女性368例を検診に招待する必要があることが示された。 さらに、実際に検診を受けた女性(招待された女性の約76%)のマンモグラフィ効果については、乳がん死亡率は37%減少、乳がん死1例予防のための必要検診受診数は280例であると推算されている。

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APOC3遺伝子の突然変異、冠動脈疾患リスクの低下と関連/NEJM

 血漿トリグリセライド(TG)値の低下に、アポリポ蛋白C3(APOC3)をコードする遺伝子(APOC3遺伝子)の機能欠失型変異が関与しており、この突然変異のキャリアでは冠動脈疾患のリスクが低いことが明らかにされた。米国・マサチューセッツ総合病院のSekar Kathiresan氏らThe TG and HDL Working Group of the Exome Sequencing Project(米国立心臓・肺・血液研究所による)が報告した。これまでにTG値は遺伝性のもので、冠動脈疾患リスクと関連していることは判明していた。NEJM誌オンライン版2014年6月18日号掲載の報告より。3,734人、1万8,666個の遺伝子を解析 研究グループは、Exome Sequencing Projectの参加者でヨーロッパ系またはアフリカ系の3,734人、1万8,666個の遺伝子領域の蛋白コードを解析し、表現型に多大な影響を有するまれな突然変異の存在の特定と、その突然変異が血漿TG値に関与しているかを調べた。 また同関連が、冠動脈疾患リスクと関連しているかについて、11万970人を対象とした評価も行った。変異キャリアはノンキャリアと比べて冠動脈疾患リスクは40%低下APOC3 結果、APOC3遺伝子エンコードにおけるまれな突然変異の集積が、血中TG値の低下と関連していることが判明した。突然変異は4つが特定された。3つは機能欠失型変異で、1つはナンセンス変異(R19X)であり、残る2つはスプライス部位突然変異(IVS2+1G→AとIVS3+1G→T)であった。なおもう1つの突然変異は、ミスセンス変異(A43T)であった。 また、約150人に1人の割合で4つのうちの1つの突然変異を有するヘテロ接合キャリアが存在することが明らかになった。 キャリアのTG値は、ノンキャリアの人と比べて39%低く(p<1×10-20)、同様にAPOC3値は46%低かった(p=8×10-10)。 すべてのAPOC3変異キャリア(498人)は、ノンキャリア(11万472人)と比べて、冠動脈疾患リスクは40%低かった(オッズ比:0.60、95%信頼区間:0.47~0.75、p=4×10-6)。

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唐辛子は胃がんのリスク?【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第22回

唐辛子は胃がんのリスク? 写真注:ハラペーニョ(Wikipediaより引用)唐辛子の辛味成分は、カプサイシンが主であることはよく知られています。大量のカプサイシンを食べると、カプサイシン感受性神経の機能が障害され、胃潰瘍を引き起こすとされています。では、唐辛子をたくさん食べると胃がんになりやすいのでしょうか?Lopez-Carrillo L, et al.Capsaicin consumption, Helicobacter pylori positivity and gastric cancer in Mexico.Int J Cancer. 2003;106:277-282.この研究は唐辛子の摂取量と発がん率を調べたもので、胃がんを有する234人とコントロール患者として468人が登録されました。唐辛子を大量に摂取している人(1日あたりハラペーニョ9~25本相当)は、低摂取の人(ハラペーニョ0~3本相当)と比較して、胃がんを発症するリスクが有意に高いことがわかりました(オッズ比 1.71、95%信頼区間:0.76~3.88、p=0.026)。ハラペーニョで換算するあたり、まさにメキシコの研究といった感じですね(それにしてもハラペーニョを1日10本、20本と食べる人が本当にいるのでしょうか)。また、唐辛子の摂取量とヘリコバクター・ピロリの感染の有無が胃がんの発症リスクに与える影響には関連性はみられず、メキシコにおける唐辛子の摂取は胃がん発症の独立危険因子であると考えられました。そのため、この研究ではハラペーニョなどの唐辛子の食べ過ぎには注意が必要であると警告されています。韓国のキムチも辛い料理として有名ですが、これも胃がんのリスクではないかと論じられた研究があります(World J Gastroenterol. 2005;11:3175-3181.)。余談ですが、キムチは英語表記でkimchiと書きます。kimuchiと書かれることもありますが、1996年3月に国際食品規格委員会(CODEX)のアジア部会で正式にkimchiの英語表記が認められました。

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診療よろず相談TV シーズンII

ケアネットでは、スペシャリストドクターを回答者に迎えたQ&Aコーナーを開始します。毎月テーマを決めてCareNet会員医師からの質問を募り、CareNeTV、CareNet.comでおなじみのスペシャリストドクターが回答する、その名も「診療よろず相談TV」。臨床上のQ&Aは、白黒をつけられないものも多く、活字でニュアンスを伝えるのは困難でした。そこで当コーナーでは回答者の生の声を収録し、回答のニュアンスまでお伝えします。

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炎症性腸疾患へのTNF-α阻害薬、がんリスクは増大せず/JAMA

 炎症性腸疾患(IBD)患者に対するTNF-α阻害薬投与は、がんリスク増大と関連していないことが、デンマーク・血清研究所(Statens Serum Institut)のNynne Nyboe Andersen氏らによる同国レジストリ患者対象コホート研究の結果、報告された。追跡期間中央値3.7年で、TNF-α阻害薬曝露群と非曝露群の補正後がん発症率比は1.07であったという。TNF-α阻害薬治療後のがんリスクを含む有害事象の検討については、コクランレビューとネットワークメタ解析の結果、全国レジストリの大規模データベースに基づく評価が適切であるとの結論が示されていた。JAMA誌2014年6月18日号掲載の報告より。デンマークIBD患者5万6,146例を対象にTNF-α阻害薬曝露群と非曝露群を比較 被験者は、1999~2012年のデンマーク全国レジストリで15歳以上のIBD患者であると特定された5万6,146例だった。TNF-α阻害薬曝露群は4,553例(8.1%)であった。同曝露群のIBDサブタイプはクローン病54%、潰瘍性大腸炎46%。診断時年齢は33.7歳だった。 がん症例については、デンマークがんレジストリで特定した。 主要評価項目は、TNF-α阻害薬曝露群と非曝露群を比較したがん発症率比(RR)で、ポアソン回帰分析を用いて、年齢、暦年、罹患期間、傾向スコア、その他のIBD薬使用について補正後に評価した。追跡期間中央値3.7年、曝露群の発症率比は1.07 総計48万9,433人年(追跡期間中央値9.3年、四分位範囲[IQR]:4.2~14.0年)において、がんを発症したのは、曝露群81/4,553例(1.8%)(追跡期間中央値3.7年、IQR:1.8~6.0年)、非曝露群3,465/5万1,593例(6.7%)で、補正後RRは1.07(95%信頼区間[CI]:0.85~1.36)だった。 がんリスクは、初回TNF-α阻害薬曝露以降の時間経過により分析した結果においても有意な増大は認められなかった。すなわち、1年未満1.10(95%CI:0.67~1.81、1~2年未満1.22(同:0.77~1.93)、2~5年未満0.82(同:0.54~1.24)、5年以上1.33(同:0.88~2.03)だった。 また、TNF-α阻害薬投与量別の解析でも有意なリスク増大はみられなかった。RRは1~3剤1.02(95%CI:0.71~1.47)、4~7剤0.89(同:0.55~1.42)、8剤以上1.29(同:0.90~1.85)だった。 完全補正後モデルの分析の結果、特定部位のがんが有意に多いということも認められなかった。 なお研究グループは、「今回の追跡期間中央値3.7年の検討においては、TNF-α阻害薬の使用とがんリスクの増大の関連はみられなかったが、より長期間の曝露とリスク増大との関連を除外することはできない」とまとめている。

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肺塞栓症への血栓溶解療法、全死因死亡は減少、大出血は増大/JAMA

 肺塞栓症に対する血栓溶解療法について、全死因死亡は減少するが、大出血および頭蓋内出血(ICH)は増大することが、メタ解析の結果、明らかにされた。米国・マウントサイナイヘルスシステムの聖ルーク-ルーズベルトがん病院のSaurav Chatterjee氏らが、16試験2,115例のデータを分析し報告した。一部の肺塞栓症患者に対して血栓溶解療法は有益である可能性が示されていたが、これまで行われた従来抗凝固療法と比較した生存の改善に関する解析は、統計的検出力が不十分で関連性は確認されていなかった。JAMA誌2014年6月18日号掲載の報告より。16試験2,115例について血栓溶解療法vs. 抗凝固療法を評価 研究グループは、急性肺塞栓症患者を対象に、抗凝固療法と比較した血栓溶解療法の死亡率における有益性および出血リスクを調べた。被験者には、中リスクの肺塞栓症(右室不全を有するが血行動態安定)患者も対象に含めた。 血栓溶解療法と抗凝固療法を比較した無作為化試験を適格条件に、PubMed、Cochrane Library、EMBASE、EBSCO、Web of Science、CINAHLの各データベースを検索(各発刊~2014年4月10日まで)。16試験2,115例を特定した。そのうち8試験1,775例は中リスク肺塞栓症(血行動態安定で右室不全を有する)患者だった。 2名のレビュワーがそれぞれ試験データから患者数、患者特性、追跡期間、アウトカムのデータを抽出し検討した。 主要アウトカムは、全死因死亡と大出血で、副次アウトカムは、肺塞栓症再発およびICHのリスクとした。固定効果モデルを用いて、Peto法によりオッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)を求め関連を評価した。血栓溶解療法、全死因死亡は減少、大出血は増大 結果、血栓溶解療法は、全死因死亡を有意に減少した。血栓溶解療法群の全死因死亡率は2.17%(23/1,061例)、抗凝固療法群は3.89%(41/1,054例)で、ORは0.53(95%CI:0.32~0.88)、治療必要数(NNT)は59例であった。 一方で大出血リスクは、血栓溶解療法群での有意な上昇が認められた。同群の大出血発生率は9.24%(98/1,061例)、抗凝固療法群は3.42%(36/1,054例)で、ORは2.73(95%CI:1.91~3.91)、有害必要数(NNH)は18例だった。ただし大出血リスクは、65歳以下の患者では有意な増大はみられなかった(OR:1.25、95%CI:0.50~3.14)。 また、血栓溶解療法群ではICH増大との有意な関連が認められた。発生率は1.46%(15/1,024例)vs. 0.19%(2/1,019例)、ORは4.63(95%CI:1.78~12.04)、NNHは78例だった。 肺塞栓症の再発は、血栓溶解療法群において有意な減少が認められた。1.17%(12/1,024例)vs. 3.04%(31/1,019例)、ORは0.40(95%CI:0.22~0.74)、NNTは54例だった。 中リスク肺塞栓患者の分析においても、全死因死亡は減少(OR:0.48、95%CI:0.25~0.92)、一方で大出血イベントについては増大が認められた(同:3.19、2.07~4.92)。 なお著者は今回の結果について、右室不全を有さない血行動態安定の肺塞栓症患者には適用できない可能性があるとしている。

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【JSMO見どころまとめ(2)】小児がん患者のサバイバーシップ

 2014年7月17日(木)から福岡国際会議場ほかにて開催される、第12回日本臨床腫瘍学会学術集会に先立ち、先月27日、東京都中央区にて日本臨床腫瘍学会(JSMO)主催のプレスセミナーが開催された。そこで行われた、石井 榮一氏(愛媛大学大学院医学系研究科 小児科学講座)による講演「小児がん患者のサバイバーシップについて」を簡潔にまとめる。【まとめ】・小児がんの予後は、化学療法の進歩や、造血幹細胞移植の導入、分子標的薬の登場などにより飛躍的に改善した。・小児がんサバイバーは、成長とともにさまざまな晩期合併症を来すだけでなく、保険加入や就労の問題など、社会的な偏見も多く残っている。・小児がんサバイバーを長期的にサポートするシステム作りと、小児科から成人診療科へのシームレスな移行が必要である。 本学術集会では、日本小児血液・がん学会との合同シンポジウムを通し、小児がん経験者を社会全体で支援する体制作りについて議論していく。< 小児がんに関する注目演題 >・Presidential Symposium / 会長シンポジウム  第12回学術集会長/日本小児血液・がん学会 合同シンポジウムテーマ:“小児がんサバイバーシップ” 日時:2014年7月18日 15:50~17:50   会場:Room 3(福岡国際会議場3F「メインホール」)【第12回日本臨床腫瘍学会学術集会】■会期:2014年7月17日(木)~19日(土)■会場:福岡国際会議場、福岡サンパレス、福岡国際センター■会長:田村 和夫氏(福岡大学医学部腫瘍・血液・感染症内科学 教授)■テーマ:包括的にがん医療を考える~橋渡し研究、がん薬物療法からサバイバーシップまで~第12回日本臨床腫瘍学会学術集会ホームページ

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ホルモン療法未施行前立腺がん患者に対するエンザルタミドの効果

 エンザルタミドは、ドセタキセル投与後進行例の去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)に対して承認されている抗アンドロゲン受容体阻害剤である。この試験では、ホルモン療法未施行患者群に対する、エンザルタミド単独使用の効果と安全性の評価を目的としている。オープンラベル、シングルアームの第II相試験で、ヨーロッパの12施設で行われた。対象は、テストステロン未去勢レベル、PSA2ng/ml以上、PS=0のホルモン未治療の前立腺がん患者。これらの対象患者に、エンザルタミド160mg/日を連日投与し、25週におけるPSAが80%以上減少患者の割合をプライマリエンドポイントとしている。ベルギー ルーヴァン・カトリック大学Tombal氏らの研究。Lancet Oncology誌2014年5月号の報告。 主な結果は以下のとおり。・67例中62名92.5%(95%CI:86.2-98.8)で、25週における80%以上のPSA減少を認めた。・おもな有害事象として、女性化乳房24例、倦怠感23例、乳頭痛13例、ホットフラッシュ12例を認めた(いずれも軽度から中程度)。・Grade3以上の有害事象は、肺炎2例、高血圧4例(その他はいずれも1例)であった。 この試験の結果から、エンザルタミドはホルモン未治療の前立腺患者に対しても、一定程度の進行抑制と忍容性を有することが認められた。今後の非去勢前立腺に対する、さらなる研究が期待される。■「前立腺がんホルモン療法」関連記事ホルモン療法未治療の前立腺がん、ADTにアビラテロンの併用は?/NEJM

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にきび瘢痕の改善にニードリングデバイスが有効

 米国・ノースウェスタン大学のMurad Alam氏らは、にきび瘢痕に対するニードリングデバイス治療の有効性を評価する無作為化対照試験を行った。3回の治療後、対照群と比較して、にきび瘢痕の出現が改善したことを報告した。痛みの報告も最小限であった。ニードリングデバイスは、皮膚の表面を転がしながら用いるローラー状の針装置で、針がネオコラーゲン(neocollagenesis)に達することでにきび瘢痕の出現を減らすことが可能であるという。JAMA Dermatology誌オンライン版2014年6月11日号の掲載報告。 検討は都市部の大学施設にて2009年11月30日~2010年7月27日に、単施設評価者盲検化1対1のスプリットフェイスでのプラセボ対照並行群間無作為化試験にて行われた。 顔の左右ににきび瘢痕がある20例の健康成人(20~65歳)を登録した。被験者の顔の片側を無作為に、ニードリング治療を行うよう割り付け、2週間ごとに3回、治療を行った。 主要評価項目は、2名の盲検化された皮膚科医が別々に評価した患者のにきび瘢痕であった。評価は、ベースライン時、追跡3ヵ月、6ヵ月時点に撮影された標準デジタル写真を入手し、定量的な総合瘢痕等級分類システムに基づき行った。 主な結果は以下のとおり。・20例のうち15例が本試験を完了した。有害事象で中断した被験者はいなかった。・追跡6ヵ月時点で、ベースライン時と比べて治療群は、平均にきび瘢痕数が有意に減少した(平均差:3.4、95%信頼区間[CI]、0.2~6.5、p=0.03)。・3ヵ月時点では、はっきりとした有意差は認められていなかった(同:2.4、-0.01~4.8、p=0.052)。・一方、対照群では3ヵ月時点(同:1.0、-1.4~3.4、p=0.96)、6ヵ月時点(同:0.4、-2.3~3.5、p>0.99)ともに有意な変化は認められなかった。・ニードリングデバイスについて、とくに痛みは報告されなかった。平均的な疼痛評価は10等級のうち1.08であった。・被験者のうち、治療を受けた側の瘢痕出現について全体的な改善が41%で認められた。・有害事象は報告されなかった。

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GABAA受容体修正にアリール・ピラゾール誘導体

 イタリア・チッタデッラ大学のMaria Paola Mascia氏らは、異なる分子構造(柔軟vs.制約的)で特徴づけられ、リモナバントやAM251と化学的結びつきのある複数のアリール・ピラゾール誘導体について、GABAA受容体機能の修正能力を調べた。結果、その構造特性により、GABAA受容体で異なる活性を示すことが明らかにされた。2014年6月15日号(オンライン版2014年4月1日号)の掲載報告。 研究グループはアフリカツメガエルの卵母細胞を用いて、複数のアリール・ピラゾール誘導体の組換え型α1β2γ2LGABAA受容体機能を修正する能力を調べた。2電極電圧クランプ法を用いて、6Bio-R、14Bio-R、NESS 0327、GP1aとGP2a(0.3~30μM)の影響について評価が行われた。 主な結果は以下のとおり。・6Bio-R、14Bio-Rは、GABA誘発Cl-電流を強化した。・NESS 0327、GP1aとGP2aは、GABAA受容体機能に影響を及ぼさなかったが、6Bio-Rに対して拮抗作用を有した。さらにNESS 0327は、リモナバントによって引き起こされるGABAA受容体機能の強化を阻害した。・ベンゾジアゼピン結合部は、これら合成物の活性に関与するように思われた。・たとえば、フルマゼニルは6Bio-Rによって引き起こされるGABAA受容体機能の強化を拮抗させた。NESS 0327はロラゼパム、ゾルピデムの活性を低下させたが、その一方で、“典型的”なGABA作動性修飾物質(プロパノール、麻酔薬、バルビツール、ステロイド)の活性を拮抗させなかった。・α1β2受容体において6Bio-RはGABA作動性機能を強化したが、フルマゼニルは、6Bio-Rにより引き起こされる活性を拮抗することが可能であった。・GABAA受容体でのアリール・ピラゾール誘導体の活性は、それらの分子構造に依存する。これらの合成物は、αβγ結合部位、γサブユニットを伴わないα/β部位の両部位に結合しており、抗けいれん効果を有する可能性がある薬剤構造の提供につながる可能性がある。関連医療ニュース 統合失調症の病因に関連する新たな候補遺伝子を示唆:名古屋大学 抗認知症薬の神経新生促進メカニズムに迫る:大阪大学 統合失調症、双極性障害で新たに注目される「アデノシン作用」  担当者へのご意見箱はこちら

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脳卒中対応救急車はt-PAの治療開始時間を短縮し、実施率を高めた。(解説:内山 真一郎 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(221)より-

CT、簡易迅速血液検査、電子画像転送システムを装備した脳卒中対応救急車(STEMO)の効果を検討するPHANTOM-S研究がドイツのベルリン地区で行われ、発症からt-PA治療開始までの時間の有意な短縮効果とt-PA治療実施率の有意な改善効果が示された。 このようなシステムの構築には多額な経費が必要であり、企業との産学共同が必須である。公的資金を投入するのであれば費用対効果の検証が不可欠になるが、脳卒中救急診療の先進的な試みとして注目される。 日本では、電子画像転送システムによる脳卒中救急診療体制(tele-medicineまたはtele-stroke)の全国的なネットワークの構築さえ整備されておらず、このままではドイツにさらに差をつけられそうである。 画像機器やITの普及はドイツに決して劣っていないと思われるが、日本でも先進医療を脳卒中救急診療に導入するにはアカデミアと企業との協力体制の構築が急務である。

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豊富で質の高いコミュニケーションを交わす文化が医療の現場を変える

東北の医療の拠点、東北大学病院は約200年近い歴史を誇る。「患者さんに優しい医療と先進医療との調和を目指した病院」を理念に、今日も人口100万の仙台圏を中心に東北地方の命を守っている。同院でのコーチングの取り組みについて、齋木佳克氏(心臓血管外科 教授)ならびに岡本智子氏(診療技術部副部長・栄養管理室 室長)に話を聞いた。■コミュニケーションのハブ人材の育成が導入のきっかけ--メディカル・コーチング導入の経緯についてお聞かせください齋木氏当院は、高度先進医療を行う大学病院ということで、院内はかなり細分化、専門化しています。新しい治療法の導入や病院全体での取り組みを行う際、複数の部署と連携する必要があるのですが、部署間のコミュニケーションが不足している傾向があります。大学病院という、誰もが時間に追われている環境の中では、1つのことを決定するのに、さまざまな部門と調整をする必要があり、時間と労力を非常に要します。会議ひとつをとっても、いわゆる話し合いをする場ではなく、資料を見る場となってしまい、本質的な議論をすることができない場になってしまいがちです。日頃からのコミュニケーション不足が、そういったところに影響しているのかなと感じていました。岡本氏多職種で構成されるチーム医療が必要とされる医療の現場において、いろいろな職種が集まりさえすれば、チーム医療が実践できるのかといえば、そうではないのが現実です。チームがその役割を果たすためには、メンバーひとり一人のパフォーマンスを最大化できるリーダーの存在が必要で、このようなスキルを備える良い方法はないものかと模索していました。そんな時にコミュニケーションのハブとなる人材の育成を行うことを目的に、文部科学省大学教育改革支援事業の1つである2011年度「チーム医療促進のための大学病院職員の人材養成システムの確立」に申請し、選定されたのが、コーチング導入のきっかけとなりました。実は、これ以前に「医療安全」を目的にコーチングを部分的に院内に導入したことがあり、部署間のコミュニケーション改善にも効果があることが予想できていました。■コーチングは「院内のコミュニケーションを活性化させる」--導入準備やその時の苦労についてお聞かせください岡本氏院内でコーチング導入の提案・申請をした出江紳一氏(東北大学大学院医工学研究科教授)の研究室に、私が偶然所属していたので、コーチング・プロジェクトに参加する医療者向けに、導入の目的や内容を説明したり、ステークホルダー(コーチングを受ける人)を探したりということを率先して行いました。参加する医師については、出江先生が中心となり、「病院をより良い組織に変えたいと思っている人」「部下に主体的に仕事に取り組んで欲しいと思っている人」に声をかけてもらい、齋木先生はその1期生として参加されました。齋木氏正直、1期生に選ばれた時は、ちょっと困ったなと思いました。当時も自分の仕事の持ち時間を目いっぱい使って動いていたので、これ以上何かアクションが増えるのは厳しいなと。ただ興味もあり、今後チーム医療をさらに良くしたいという思いと自分もコーチングというコミュニケーション手法を身につけ、診療科にプラスになればいいと思い参加しました。コーチングの効果が最も具体的に表れたのは、手術の時です。当科は診療の内容上、臨時手術、緊急手術が多い。予定していなかった手術がいったん入ると、その瞬間から後の予定はすべてキャンセルになります。そういう時にコーチングで学んだこと、例えば岐路に立った時にどう考えればよいか、ポジティブになるような自問をどうすればできるかを自分が身につけ、その考え方を部下にも広げることで、いつでも気持ちの上で主体的に手術に入れるようになりました。岡本氏コーチングを学んでいくうちにわかったことは、学んだことを実践できるようになると、自分も周りも主体的に行動を起こすようになり、今までと同じ行動でも、考え方や気持ちのあり方が変わってくるということです。時間に追われるのではなく、自分たちの意志で時間を動かしていくんだという気持ちの切り替えができるようになり、業務効率の向上につながったのではないでしょうか。そういった点が、心臓血管外科ではうまく機能したのだと思います。--受講中の苦労、院内の動き、効果などをお聞かせください齋木氏コーチングのプロジェクトでは、5人のステークホルダーを選定し、それぞれの目標を明確にして面談し、その進捗状況や結果について自分につくプロのコーチと電話で相談します。当科では診療内容の性質上、1週間に2コマのトレーニング時間を確保するのが難しくて、なかなか進みませんでした。その都度電話でコーチに励まされて、積み重ねていったことが思い出されます。岡本氏当院独自の取組みとして、受講者がそれぞれ自分の活動について報告する1回30分の「グループコーチング」を実施しました。部署を率いるリーダーの立場の方々の苦労話や成功談を聞くことで横のつながりができ、日常の業務連携でも役立ったことを覚えています。よくコーチングを導入すると豊富で質の高いコミュニケーションを交わす文化が醸成するといわれますが、当院も日常会話の中でコーチング専門の用語が飛び交うようになるなど、院内でも確実にコーチングの認知度があがっていると感じます。こんなこともありました。ある部署の責任者が、私が参加しているある業務のワーキンググループが面白いと言ってきてくれたんです。理由を聞くと、「意見が出て、侃侃諤諤するけれども、最後にはきちんと決定がなされて、前進するから会議に出た充実感がある」と答えてくれました。コーチングを学んだことで、会議のマネジメントができるようになり、目標に向かって進むスピードが加速する。これは大きな成果だと思いました。■情報伝達がスピーディーに、震災時に真価を発揮--導入後どのような変化がありましたか。特に東日本大震災の時のエピソードなどお聞かせください岡本氏コーチングを導入して私が一番強く感じていることは、リーダーが部下の能力を最大限引き出すことができるようになったということです。また、リーダーは、リーダー同士の横のつながりを保ち、部下を成長させつつ、自分の力も見極めることができる。その結果、より良いチーム医療が行われつつあると実感しています。コーチングは、あらゆる場面で活用できると思いますが、各々のリーダーが所属する組織(部署)のゴールを目指す時に、特に有効かと思われます。医療機関であれば「より良い医療を患者さんに提供する」という大きなゴールを、スタッフは皆持っていると思います。各部署の小さなゴールを各リーダーが達成しつつ、大きなゴールにつなげていくことができれば、病院全体が1つのチームとしてすごい力を発揮できると考えています。例えば、東日本大震災の時は、すべきことがたくさんある中で、栄養管理室でさまざまな情報が下から上がってくるという仕組みができていたので、情報の収集とコミュニケーションでは本当に助かりました。私は、入ってくる情報を聞いて判断して、次の行動にすぐ移すことができました。部下に相談しても、きちんと次の動きを考えた意見や提案が上がってきたので、素早く判断することができました。おかげで震災の時、栄養管理室は、患者さんの食事を1食も欠かすことなく出すことができましたし、3,000人に上る職員への支援物資配分をスムーズに行うことができたのは、コミュニケーションをトレーニングしていたおかげだと思います。齋木氏トレーニングを進めていくにしたがって、360度フィードバックで自分の別の側面を見ることができたり、具体的な目標が対話を通じて明確に固まったりと、医局のマネジメントに非常に役に立ちました。今では当科の大学院生を育てる1つのコミュニケーション手法にもコーチングを活用しています。内勤や外勤先での診療や自分の研究で忙しい中、予定していた研究が何かの理由で中断された時でも、大学院生が主体的な気持ちで行動できるように、早朝に時間を見つけては1対1のコーチング面談を行っています。コーチング導入後は、大学院生の表情が変わっていくのが感じられました。今後は自分が学んだコーチングの簡易版を医局員にトレーニングすることで、主体的に動ける医局員を育てていきたいと思います。--今後コーチングを導入される医療機関へアドバイスなどお聞かせください岡本氏コーチングの手法を使ってマネジメントを展開させていく時は、お互いの成果を承認しあい、目標を皆で決めて、そこに向っていきます。その時、定期的な振り返りを行い、現状を把握した上で先々を予想し、戦略性を持って臨んでいくことが大事だと思います。小さな歯車がさまざまなところで回れば、大きな歯車も回っていくのだと実感しています。齋木氏コーチングを導入される場合、全体の核となる人を見つけることが大事だと思います。コーチングの魅力を感じたとしても、続けていくことは簡単なことではないので、全体を引っ張っていく、当院でいえば岡本さんのような人がいることが、成功のカギになると考えます。●病院概要名称東北大学病院病院長下瀬川徹診療科目57科病床数1,262床  看護基準 7対1職員数2,242名(常勤)その他特定機能病院、がん診療連携拠点病院、救急指定病院(救命救急センター設置)、臨床研究中核病院、臨床研修指定病院などインデックスページへ戻る

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メトホルミンへの追加薬、インスリンはSU薬よりも予後が不良/JAMA

 メトホルミン単剤で治療を開始した糖尿病患者にインスリン製剤を追加投与すると、スルホニル尿素(SU)薬を追加した場合に比べ、非致死的心血管疾患や全死因死亡のリスクが高いことが、米国・ヴァンダービルト大学のChristianne L Roumie氏らの検討で示された。糖尿病治療では、メトホルミンのみではHbA1c≦7%の達成が難しく、追加薬を要することが多いが、適切な薬剤選択のエビデンスは少ない。医師は、良好な血糖コントロールや膵β細胞保護作用への期待から早期にインスリン製剤を導入する傾向が高まっているが、患者は体重増加や低血糖への懸念から導入を遅らせたがることが多いという。なお、同氏らはインスリン製剤のほうがリスクが低いとの仮説のもとで本研究を開始している。JAMA誌2014年6月11日号掲載の報告。追加薬の違いによる転帰の差を後ろ向きに解析 研究グループは、メトホルミンで治療を開始し無効となった糖尿病患者において、追加薬剤としてインスリン製剤を導入した場合とSU薬を使用した場合の転帰をレトロスペクティブに評価した。 退役軍人健康庁(VHA)、メディケア、国民死亡記録(NDI)のデータベースを使用し、2001~2008年の糖尿病患者のデータを抽出した。患者の背景因子に基づく傾向スコアマッチング法を用い、メトホルミン+インスリン群とメトホルミン+SU薬群に1対5の割合でマッチングした。 Cox比例ハザード周辺構造モデルを用いて、治療群間の複合転帰(非致死的急性心筋梗塞[AMI]、脳卒中による入院、全死因死亡)のリスクを比較した。AMIと脳卒中の頻度は同等、全死因死亡に大きな差 2001~2008年に17万8,341例がメトホルミンで治療を開始し、そのうち2,948例がインスリン製剤を、3万9,990例がSU薬を追加していた。傾向スコアマッチング法でメトホルミン+インスリン群の2,436例とメトホルミン+SU薬群の1万2,180例がマッチングされた。 両群ともに、薬剤追加時の年齢中央値は60歳、男性が95%であり、メトホルミン単剤の投与期間中央値は14ヵ月、HbA1c中央値は8.1%であった。薬剤追加後のフォローアップ期間中央値は14ヵ月。 イベント発生数は、メトホルミン+インスリン群が172件、メトホルミン+SU薬群は634件で、1,000人年当たりの頻度はそれぞれ42.7件、32.8件であり、インスリンを追加したほうが転帰が不良であった(補正ハザード比[aHR]:1.30、95%信頼区間[CI]:1.07~1.58、p=0.009)。 AMIと脳卒中の頻度は両群間で同等であったのに対し、全死因死亡がインスリン追加群で高頻度に発生していた。すなわち、AMI+脳卒中のイベント発生数はそれぞれ41件、229件で、1,000人年当たり10.2件、11.9件(aHR:0.88、95%CI:0.59~1.30、p=0.52)、全死因死亡はそれぞれ137件、444件で、1,000人年当たり33.7件、22.7件(aHR:1.44、95%CI:1.15~1.79、p=0.001)であった。 副次評価項目であるAMI、脳卒中による入院、心血管死の複合転帰のイベント発生数は、メトホルミン+インスリン群が54件、メトホルミン+SU薬群は258件で、1,000人年当たりの頻度はそれぞれ22.8件、22.5件と両群で同等だった(aHR:0.98、95%CI:0.71~1.34、p=0.87)。 著者は、「インスリン製剤の使用に関連するリスクの原因を解明するためにさらなる検討を要する」とし、「この知見は、経口投与が可能な患者ではインスリン製剤とSU薬の効果は同等とする勧告に疑問を投げかけるもの」と指摘している。

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慢性腰痛に気功は本当に有効か?

 慢性腰痛の治療における気功の有効性は不明である。ドイツ・シャリテ医科大学のSusanne Blodt氏らは運動療法を対照に無作為化比較試験を行った。結果、気功が運動療法に比べ“劣っていない”ことは証明されなかった。著者は、「慢性腰痛の予防における気功の役割についてはさらなる研究が必要のようだ」とまとめている。European Journal of Pain誌オンライン版2014年6月5日号の掲載報告。 研究グループは、慢性腰痛の治療において運動療法に対する気功療法の非劣性を検証する無作為化比較試験を行った。 対象は慢性腰痛の外来患者127例(年齢46.7±10.4歳)で、気功療法群(64例)と運動療法群(63例)に無作為に割り付けて検討した。 気功療法は1回90分、運動療法は1回60分の治療を週1回、3ヵ月間(計12回)行い、視覚的アナログスケール(VAS)を用いて疼痛強度を評価した。 主要評価項目は、3ヵ月後の最後の1週間における疼痛強度の平均値であった。 主な結果は以下のとおり。・3ヵ月後の、補正後疼痛強度の平均値は、気功療法群34.8mm(95%信頼区間[CI]:29.5~40.2)、運動療法群33.1mm(同:27.7~38.4)であり、気功療法群の非劣性は示されなかった(p=0.204)。・両群で計10例に有害事象が疑われる報告(筋肉痛、めまい、疼痛など)があった。発生総件数は両群でほぼ同程度であった(気功療法群40件、運動療法群44件)。

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【JSMO見どころまとめ(1)】トランスレーショナルリサーチ

 2014年7月17日(木)から3日間にわたり、福岡国際会議場ほかにて、第12回日本臨床腫瘍学会学術集会が開催される。これに先立ち、先月27日、東京都中央区にて日本臨床腫瘍学会(JSMO)主催のプレスセミナーが開催された。そこで行われた、後藤 功一氏(国立がん研究センター東病院 呼吸器内科)による講演「トランスレーショナルリサーチ」について簡潔にまとめる。【まとめ】・近年、非小細胞肺がんにおいてEGFR遺伝子をはじめ、さまざまなドライバー遺伝子が同定されているが、EGFR遺伝子変異を除く多くのドライバー遺伝子の頻度は5%未満であり、これら希少肺がんに対する治療薬開発は困難となっている。・トランスレーショナルリサーチとは、新薬を開発し、臨床での試用経験から、その有効性・安全性を確認して日常診療へ応用していくまでの一連の研究過程をいい、橋渡し研究ともいう。・日本は、トランスレーショナルリサーチが遅く、弱点となっている。これは、研究機関だけの問題ではなく、産官学が一体となって取り組んでいく必要がある。・後藤氏らは、厚生労働科学研究費を基に、わが国初となる全国規模の遺伝子診断ネットワーク(LC-SCRUM-Japan)を組織し、2013年2月より希少肺がんの遺伝子スクリーニングを開始している。 本学術集会では、LC-SCRUM-Japanの詳細情報や、欧州臨床腫瘍学会(ESMO)との合同シンポジウムを通し、日本と欧州における肺がんを中心としたトランスレーショナルリサーチの現状について議論していく。〈 トランスレーショナルリサーチに関する注目演題 〉・ESMO/JSMO Joint Symposium テーマ:“Translational Research” 日時:2014年7月17日(木)13:20~15:20  会場:Room 3(福岡国際会議場3F「メインホール」)・日本臨床腫瘍学会/ 日本がん分子標的治療学会/ 抗悪性腫瘍フォーラム/ 日本製薬医学会合同シンポジウム2 テーマ:“創薬における必要な橋渡し研究” 日時:2014年7月17日(木)15:20~17:20  会場:Room 3(福岡国際会議場3F「メインホール」)【第12回日本臨床腫瘍学会学術集会】■会期:2014年7月17日(木)~19日(土)■会場:福岡国際会議場、福岡サンパレス、福岡国際センター■会長:田村 和夫氏(福岡大学医学部腫瘍・血液・感染症内科学 教授)■テーマ:包括的にがん医療を考える~橋渡し研究、がん薬物療法からサバイバーシップまで~第12回日本臨床腫瘍学会学術集会ホームページ

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