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ベンゾジアゼピン系薬とアルツハイマー病リスク/BMJ

 アルツハイマー病リスクの増大に、ベンゾジアゼピン系薬の使用が関連していることが、フランス・ボルドー大学のSophie Billioti de Gage氏らによるケースコントロール試験の結果、示された。ベンゾジアゼピン系薬は先進諸国では使用の頻度が高く、勧告にもかかわらず高齢者では慢性的に投与されている。ベンゾジアゼピン系薬使用者での認知症リスクの増大は確認されているが、因果関係については明らかになっていない。著者は今回の結果を踏まえて、「保証のないベンゾジアゼピン系薬の長期使用については、公衆衛生問題として検討するべきである」と指摘し、「高齢者におけるベンゾジアゼピン系薬の処方は、診療ガイドラインに準じるべきである(半減期が短い薬を優先して短期的に用いる)」とまとめている。BMJ誌オンライン版2014年9月9日号掲載の報告より。最低5年服用者とアルツハイマー病リスクとの関連をケースコントロール試験 研究グループは、アルツハイマー病リスクとベンゾジアゼピン系薬を最低5年間服用していたこととの関連について調べた。検討では、用量反応性と、治療に関連している可能性がある前駆症状(不安、うつ病、不眠症)についても考慮に入れた。 カナダのケベック州健康保険プログラムのデータベース(RAMQ)から、初めてアルツハイマー病と診断された1,796例(ケース群)を特定して6年間追跡し、性別、年齢群、追跡期間で適合した7,184例(対照群)と比較検討した。両群の被験者とも、2000~2009年に同地に居住していた66歳超の高齢者から無作為にサンプリングされた。 主要評価項目は、アルツハイマー病と、診断の最短5年前からベンゾジアゼピン系薬を服用していたこととの関連で、多変量条件付きロジスティック回帰分析法を用いて評価した。ベンゾジアゼピン系薬の使用について、これまでの曝露を検討し、次いで、処方投与量(1~90日、91~180日、180日超)でみた累積用量および薬物半減期で層別化し評価を行った。使用者の発病リスクは1.5倍、累積用量が多いほどリスクは増大 結果、ベンゾジアゼピン系薬の使用は、アルツハイマー病のリスク増大と関連していた。補正後オッズ比は1.51(95%信頼区間[CI]:1.36~1.69)で、さらに不安・うつ病・不眠症で補正後も、同関連は変わらなかった(補正後オッズ比:1.43、95%CI:1.28~1.60)。 ベンゾジアゼピン系薬使用との関連について、累積用量が処方91日未満では認められなかったが、91~180日(1.32、1.01~1.74)、180日超(1.84、1.62~2.08)と、累積用量が多くなるほど関連は増大することが示された。また、短時間作用薬では1.43(1.27~1.61)、長時間作用薬は1.70(1.46~1.98)で、薬物半減期との関連もみられた。

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統合失調症のQOLに及ぼす副作用の影響度は

 統合失調症における効用値(utility)に治療薬が及ぼす影響を検討した研究の大半は、疾患のさまざまな過程に焦点を当てたものであった。フランス・Creativ-Ceutical社のA Millier氏らは、観察研究のデータを用いて、統合失調症患者の効用値に及ぼす治療関連副作用の影響について評価、定量化した。その結果、統合失調症治療では、抗精神病薬に関連する主な副作用である、錐体外路症状(EPS)、鎮静、体重増加、性機能不全などが、効用値に有意な影響を及ぼしており、とくにEPSの影響が最も大きいことが明らかにされた。2年間にわたる、フランス、英国およびドイツの多施設コホート研究の結果、報告されたもの。Journal of medical economics誌オンライン版2014年9月11日号の掲載報告。 検討には2年間にわたる、フランス、英国およびドイツの多施設コホート研究であるEuropean Schizophrenia Cohort(EuroSC)のデータを使用した。被験者には、6ヵ月ごとにSubjective Side Effect Rating ScaleとEQ-5D質問票に記入してもらい、抗精神病薬の副作用としてEPS、体重増加、鎮静および性機能不全を評価した。解析は、最初に二変量解析を実施し、副作用の有無別に効用値を評価した。次に、効用値のランダム効果回帰解析を実施し、ランダム効果は同一人物の反復測定の結果を交絡因子で調整した。最後に、得られた結果を既報と比較した。 主な結果は以下のとおり。・統合失調症患者1,208例を対象に検討を行った。・ベースラインライン時、最も多く報告された副作用はEPS(患者の約60%)で、続いて鎮静、体重増加(それぞれ患者の50%)、性機能不全(患者の約30%)であった。・症状の重症度、機能的能力と効用値との間に、有意な関連がみられた。・副作用の訴えがなかった患者のEQ-5D indexスコアは0.81で、EPS(0.70)、性機能不全(0.67)、鎮静(0.70)または体重増加(0.72)を訴えた患者と比較して高値であった。・ランダム効果モデルにより、EPSでは効用値が0.042減少、体重増加では0.022、性機能不全では0.022、鎮静では0.019の減少がみられた。・今回得られた結果は、試験方法が多岐にわたることや、副作用の定義がさまざまであったこと、また体重増加、鎮静、性機能不全のデータが少なかったことから外的妥当性の検討は困難であったが、既報の結果と異なる点はほぼないと思われた。関連医療ニュース 統合失調症の陰性症状改善は何と相関するか 統合失調症の妄想低減へ、新たな介入方法 日本人統合失調症患者の自殺、そのリスク因子は:札幌医大  担当者へのご意見箱はこちら

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家族性乳がんとPALB2遺伝子変異(解説:藤原 康弘 氏)-251

PALB2(Partner And Localizer of BRCA2)遺伝子はBRCAやPTENなどの次に高い乳がんリスク因子であることはすでに知られている(乳がんの遺伝子異常を俯瞰している最近の優れた総説はScience 2014年3月28日号を参照されるとよい)。 本論文では英連邦を中心とする世界14施設のデータを元に、PALB2の機能喪失型変異と乳がん(男性乳がんも含む)発症の生涯リスクが明らかにされた。 本論文で推定されているリスクは、一般集団の中でのPALB2遺伝子変異の頻度とPALB2遺伝子変異以外の理由による家族性リスク(遺伝、環境、生活習慣)の程度によって変わってくるため、日本人でのPALB2遺伝子変異の十分なデータがない現状では、結果をそのまま日本人集団へ適用できるとは限らない。その点に注意が必要である。 さらに、BRCA1、2遺伝子変異の診断に基づく医療と同様、日本の国民皆保険制度のもと、遺伝子変異に基づき乳がん発症の予防介入(抗エストロゲン剤の内服や、予防的乳房切除や卵巣・付属器切除)を積極的に実践するまでには、大規模コホートでのデータ集積、遺伝情報に基づく保険加入や就労を巡る差別禁止の法令整備、遺伝子検査の質確保など多くの障害をクリアする必要がある。

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SIGNIFY試験:サブ解析結果は必ずしも真実ならず(解説:桑島 巌 氏)-252

ivabradineは、洞結節のペースメーカーIfチャンネルを阻害することで、心機能や血圧に影響することなく心拍数のみを抑制する薬剤であり、欧州ではすでに冠動脈疾患や心不全の治療薬として発売されている。 そもそも本薬剤が臨床的に注目されたのは、2008年に発表されたBEAUTIFUL試験1)からである。BEAUTIFUL試験は、冠動脈疾患と心機能低下を合併した症例での本薬剤の心血管予後を検討した試験であり、結果としてはプラセボとの間に心血管死に有意差を認めなかったが、サブ解析で心拍数70/分以上の症例に限っては心血管予後を改善できる可能性が示された。 SIGNIFY試験は、心拍数70/分以上の症例のみに限り、例数も約1万9,000人と増やすことでivabradineの有効性を確認した試験である。しかし、残念ながら有効性は確認できず、むしろ否定された。 これまでのサブ解析や二次エンドポイントの結果を一次エンドポイントに設定し直して確認したことで、否定的な結果に終わった臨床試験は、アムロジピンの非虚血性心不全に対する有用性が否定されたPRAISE2試験、老年者心不全に対するロサルタンの死亡リスク低減効果がカプトプリルよりも優れていないことが明らかになったELITE2試験2)、バルサルタンの心房細動発作予防効果が否定されたGISS-AF試験3)など、少なくない。まさにSIGNIFY試験は同様の結果となり、やはりサブ解析や二次エンドポイントの結果は参考に過ぎないことが、あらためて証明された形だ。 しかし、ivabradineは、心拍数が比較的速い(70/分以上)症候性心不全患者では一次エンドポイントである心血管死、心不全による入院を18%も抑制することがSHIFT試験4)で確認されており、心不全治療薬の選択肢の1つとして有望な薬剤であり、現在わが国でも開発治験が進められている。 SIGNIFY試験では、労作時に胸痛が出現するようなCCSクラスII以上の狭心症例では、むしろ予後は悪化するとの成績も示されているが、高度狭心症合併例では慎重な対応が必要であることを示唆するデータである。もっとも、わが国ではこのような狭心症例では即、ステント挿入となっていることが多く、海外とは事情が異なることも念頭に入れる必要があるかもしれない。

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早期治療が大事

【関節リウマチ】まずは 早期発見・早期治療 をメモ症状が進んで骨の破壊が始まる前に治療開始を。・関節リウマチの診断は難しい。疑わしいと思ったら専門医に受診を。・近所のかかりつけの先生に紹介状を書いてもらうことも一つの方法。監修:慶應義塾大学医学部リウマチ内科 金子祐子氏Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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関節が破壊される疾患

リウマチは痛いだけでなく、【関節リウマチ】関節が破壊 される疾患右手親指メモ診断時2年後4年後関節リウマチはきちんと治療しないと関節が破壊されていく。・関節は発症早期から徐々に破壊されるので、早期からきちんと治療することが⼤切。・痛みがないからといって治療を⽌めてはいけない。監修:慶應義塾大学医学部リウマチ内科 ⾦⼦祐⼦⽒Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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継続的な診察が必要

【関節リウマチ】継続的な診察 で全身 に起こる変化をチェックすることが⼤切メモ関節リウマチは全身に病変があらわれるため、経過を注意深くチェックし、ケアしていくことが⼤切。・目の結膜や肺などにも影響することがある。・合併症の早期発⾒のためにも、継続的な診察が必要。監修:慶應義塾大学医学部リウマチ内科 ⾦⼦祐⼦⽒Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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画像診断が有効

【関節リウマチ】画像診断 で関節の変化をチェック!メモ関節の変化をいち早く⾒つけるためにX線検査が有効。・関節破壊の進み具合も画像でチェックできる。・MR検査やエコー検査によって、細かな診断が可能に。監修:慶應義塾大学医学部リウマチ内科 ⾦⼦祐⼦⽒Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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【GET!ザ・トレンド】心臓再生医療 覆される常識

心筋細胞は再生せず、新しい細胞で補われることはない。これが医学の常識として強く信じられてきた。しかし、近年になり医学界の定説を覆す発見がもたらされた。心臓にも他の組織と同じく幹細胞、“心臓幹細胞”が存在し、古い細胞が順次新しい細胞で補われている、というものである。今回は、心臓幹細胞医療に携わる東海大学創造科学技術研究機構 細田徹氏から最新の知見を聞いた。心臓細胞は再生する!先生の研究について、まず心臓幹細胞について教えていただけますか?皮膚、骨髄など多くの組織には、各々の臓器を形作る基となる細胞“組織幹細胞”が存在しますが心臓ではその存在が認められていませんでした。ところが、2000年代に入り、哺乳類やヒトの心臓にも組織幹細胞“心臓幹細胞”が存在することがわかりました。すなわち、心臓においても組織が再生しているという従来の常識を覆す事実が現れたのです。in vitro:心臓幹細胞とその増殖・分化の様子が観察できる(細田徹氏解説:1’30”)心臓幹細胞は、“心臓ニッチ”という成熟した心筋細胞の隙間に存在します。心臓幹細胞の膜表面にはc-kitというタンパクが発現しています。心臓ニッチ内を観察すると、c-kitを発現している未分化な心臓幹細胞からc-kitが消失し心筋となった細胞まで、さまざまな分化過程の細胞が存在します。このように分化した心臓幹細胞は、ニッチを抜け出し、古くなった心筋細胞や血管などを再生して心臓の恒常性を維持しています。心臓ニッチに存在する心臓幹細胞の様子が観察できる(細田徹氏解説:1’30”)実際に再生している様子をご紹介いただけますか?心臓幹細胞が動物心筋梗塞モデルで、組織を再生し、心機能を改善する様子をご紹介します。ラットおよびマウスの急性心筋梗塞モデル、陳旧性心筋梗塞モデルで実験を行っています。いずれのモデルとも実験動物に人工的に心筋梗塞を発生させ、ヒト心臓幹細胞を注入しています。その結果、いずれのモデルでも梗塞部にヒト心筋細胞が再生し、死滅した細胞と置き換わっていることが確認できました。また、平滑筋細胞や血管細胞に分化していることも確認できます。そして、心室壁の動きも再生されています。心筋梗塞では、心筋と血管の両者が再生される必要がありますが、心臓幹細胞治療は、まさにこの条件を満たしているといえます。動物実験:心臓幹細胞注入により心筋や血管が再生している様子が観察できる(細田徹氏解説:2’09”)次回へ続く(聞き手 ケアネット 細田 雅之)

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デンマークの医療安全学会報告 その2【Dr. 中島の 新・徒然草】(035)

三十五の段 デンマークの医療安全学会報告 その2出席者の半分は医師など病院関係者、あとの半分は産業安全の専門家でしたが、なかには市民活動家というか、単なる60代カナダ人のおばちゃんも入っていました。この方は所属を independent としており、口演だけでは足りないのか自作のポスターを持ってきて壁に貼っていました。何でも御主人が病院で手術を受けたときに、順調な術後経過の中で突然に亡くなってしまったということでした。あとで医療行為の1つ1つを調べてみたのですが、どの時点でも最善の診療が行われていたとしかいえなかったそうです。でも、このおばちゃんは、残りの人生をかけて「なぜ夫は死んだのか」ということを理解したいために、医療安全の分野を独学で勉強し、最終的に RHCN に辿り着いたのだとか。確かに1つ1つの医療行為は間違っていないのに理屈どおりにいかず、結果が悪く出てしまうことは現実にあります。私がかかわった医療事故調査の中でも似たような事案をいくつか経験しました。ちょうど株式の暴落とかバブルの崩壊のように予測困難であり、評論家の後知恵で関係者たちが色々批判されるところまでそっくりです。ともあれ、このおばちゃんの発表、ポスターとも scientific paper として遜色のないものでした。誰かが休憩時間に「あんた素人と違うやろ?」と尋ねたのですが、最後まで「私はただのおばちゃんよ」と口を割らなかったそうです。出席者に共通してみられる傾向として、因果関係をかなり否定的に考えていることがありました。たとえば、「ここの部分はすみません、出席者の多くが嫌っているであろう RCA (root cause analysis) を使ったのですが」という言い訳を聞かされたりしたので、RCA は旧い考え方、もしくは全体のごく一部を説明できるに過ぎない考え方、と皆が思っているのだろうな、と感じたわけです。また、リーン生産方式(いわゆるトヨタ方式)が世界中のかなり多くの医療機関に取り入れられたのだけれども、なかなか上手く行っていない、というのも出席者たちの印象でした。「なるべく在庫を減らして just in time でツインルーメンカテーテルが時刻通りに来るっていってもね、現場は時刻通りに動いていないんだから無意味よ! だから私たちは病棟にツインルーメンカテーテルを隠しておいて、いつでも使えるようにしてあるの」とアメリカ人の女性医師が発言していましたが、混乱ぶりが目に浮かぶようです。とはいえ、リーン生産方式がうまくいっているというデータも、うまくいっていないというデータも、双方ともに不足しているので、「こんなものはやめちまおう」とはなかなかならないそうです。他の日本人出席者と話をしてみると、その先生も私と同じように、「いつまでこんな原理原則の議論を続けとるねん。さっさとどうやって現場に応用するかに入らんかい」と感じる一方で、「いやいやここは西洋医学の本家本元。この禅問答のような議論にも何か深淵な意味あるはず」とも感じておられたようです。私なんかは4日間その2つの気持ちの間で揺れ動いていました。で、度胆を抜かれたのが途中の午後を費やして行われたデンマークの病院見学です。3つの病院のうちの1つを選んでバスに乗って見学に行ったのですが、これが驚くべきものでした。私が行ったのは500床ほどのがん専門病院で、そのうちICUが8床なのでほぼ大阪医療センターと同規模ということになります。ICUの平均在室期間が2日ちょっと、病院全体の平均在院日数が3日余りってアァタ、どうやったらそんな芸当ができるのか教えて欲しいです。ICU は2人1組の個室で、日本でも見たことのないハイテクの最新式のモニターが据え付けてありましたが、スタッフはさほど忙しそうにしているわけでもなさそうでした。むしろ「ICUまで北欧デザインかよ」とツッコミを入れたくなるほど美しい病室でした。「医療安全についての当院の取り組みを紹介します」ということで、15人ほどの見学者に対してICU担当医、検査担当医(臨床検査技師さんかもしれん)、外科部長の3人からプレゼンがありました。特に面白かったのが50歳前後の外科部長で、「どうも責任者になってから手術室にいるより、オフィスにいる時間が長くなってしまった。これからわれわれのやっている術後管理の試みを説明するが、私は決して医療安全の専門家ではないので、もし皆さんから何かあればぜひアドバイスをしてほしい」という挨拶から始まったプレゼンが圧巻でした。この病院では数年前に続けて術後合併症で患者さんが亡くなるということがあったそうです。それは患者側だけでなく、医療側にとっても受け入れがたい(unacceptable)な出来事だったので、何とかそのような事態を避けるために安全のための努力が始まったのだそうです。その1つは全入院患者について毎日アセスメントを行い、グリーン、イエロー、レッドの3つに分けるようにしたということです。たとえば予定通りに手術が終わればグリーンですが、予想以上に出血量が多かった場合、術直後に外科医と麻酔科医とで話し合ってイエローにしたりするそうです。この情報は全スタッフが共有しており、たとえば「一昨日手術したミスター〇〇だが、本日のアセスメントでイエローになった。再手術も考えているので、一度見に来てくれないか」と、麻酔科とも共通言語で話ができるということです。これに対していくつかの質問が見学者からありました。見学「そのアセスメントは毎日やるのか?」外科「原則として毎日だ」見学「アセスメントの結果は患者にも知らせるのか?」外科「そうだ」見学「グリーンからイエローになったりしたら、患者はいい気がしないだろう」外科「それは逆だ。『ミスター〇〇。本日のわれわれのアセスメントの結果、貴方のアラートレベルを上げることにした。申し訳ないが、これからは今までよりも頻繁な身体チェックをさせてもらう』と説明した場合、むしろ患者は『キチンとアセスメントしてくれてありがとう!』と感謝してくれるのが普通だ」といったやりとりでした。この辺の医師患者関係というものは世界中変わらないものだと感心しました。一連のプレゼンテーションのスライドの中にさりげなくでてきたのが、「VAP(ventilator associated pneumonia)なし期間更新中! 現在 278 日」とか、「祝 CV(central venous)line 感染なし期間1年半達成!」という文言で、「すごい!」としか言いようがありません。数字はいい加減な記憶に基づくものですが、大体そんなものでした。在院期間といい、感染対策といい、その結果を数字にされると説得力があります。日本も先進国であり、医学・医療の分野においても世界をリードしていると思っていましたが、実際には単に人口が多く経済力があるというだけのことであり、医療の質といった分野ではまだまだなのかもしれません。デンマークのような小国からも、謙虚に学ぶべきところがたくさんあると思わされました。

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日本初“外用”爪白癬治療剤の特徴と有用性

 2014年9月2日(火)、爪白癬治療剤エフィナコナゾール(商品名:クレナフィン爪外用液10%)が発売された。本剤は、日本初の外用爪白癬治療剤で、科研製薬が創製した新規トリアゾール系化合物エフィナコナゾールを有効成分とする。 本剤の発売によって治療選択肢が増えた爪白癬治療。その現状および課題、新薬への期待について紹介する。爪白癬とは 爪白癬とは、皮膚糸状菌(白癬菌)が爪および爪の下の皮膚(爪床)に入って生じた感染症で、日本の有病者は1,100万人ともいわれている。 爪白癬はかゆみなどの症状はなく、主に爪の混濁、肥厚、変形などの外見上の変化を来す。病態が進行すると、肥厚した爪が靴で押さえられて痛くなったり、歩きづらくなったりすることもある。 また、身体の他部位や家族などへ感染が広がることもあるので、速やかに治療する必要がある。これまでの爪白癬治療と課題 これまで、日本国内で爪白癬に適応のある治療薬は、経口抗真菌薬のみであった。経口抗真菌薬のメリットとして、血流に乗って爪床で抗真菌作用を示すこと、他部位の白癬菌感染にも効果が期待できるといったことが挙げられる。 しかし、肝障害などの副作用や他剤との薬物相互作用が生じることがあるため、高齢者や合併症によって複数の薬剤を服用している患者さんでは、注意が必要となる。 経口抗真菌薬を服用できない場合は、適応外とはなるが、爪を削ったうえで外用抗真菌薬が塗布されることもあった。これまでの外用抗真菌薬は、爪床まで浸透しにくく、爪白癬には効果が期待できないためである。爪床まで浸透する外用抗真菌剤特徴 エフィナコナゾールは、エルゴステロールの生合成を阻害することで、抗真菌活性を発揮する。ケラチン親和性が低いため、爪の表面に塗るだけで爪床まで浸透し、爪白癬に効果が期待できる薬剤である。 なお、処方の際は、直接鏡検または培養などにより確定診断を行い、他疾患と鑑別する必要がある。有効性 日本人を含む国際共同第III相試験および海外第III相試験で、感染面積が20~50%(中等度)の爪白癬患者を対象とし、基剤群との二重盲検比較を行った。 エフィナコナゾールまたは基剤を48週間投与し、投与開始後52週目の完全治癒率、真菌学的治癒率、臨床的有効率などを評価した。その結果、エフィナコナゾール群は基剤群に比べて、有意な差が認められた。 なお、52週目の真菌学的治癒率(KOH直接鏡検と真菌培養検査がともに陰性の割合)は55.2%であった。安全性 上記の2試験における臨床検査値異常を含む副作用発現は、安全性評価対象例1,227例中78例(6.4%)であった。頻度の高いものは皮膚炎、水疱、紅斑、そう痒などで、主に適用部位にみられた。 血中移行性は低いため、経口抗真菌薬で問題となる全身性の副作用や薬物相互作用を回避できるという点でも期待が高い。使用方法 1日1回、罹患爪全体に塗布する。爪がひどく濡れている状態での塗布は避け、清潔な状態での塗布が望ましい。 爪の表面全体および皮膚との境界部まで塗布するが、皮膚に付着すると刺激を感じることがあるため、周囲の皮膚に付着した薬剤は拭き取る。完全に治癒するまで継続使用が大切 本剤は、爪の白癬菌に作用するもので、すでに変化した爪の外観を改善するものではない。爪が生え変わるまでは白癬菌が爪の中に残っていることもあるため、健康な爪に生え変わるまで継続して治療を続ける必要がある。 完全に治癒する前に自己判断で中断すると、再発・悪化、他部位や他者へ感染するおそれがある。また、すでに家族が罹患している場合は、白癬菌の移し合いにならないように全員で治癒を目指したい。早期治療、継続治療のために 最後に、クレナフィン爪外用液について、科研製薬株式会社の製品担当者に話を聞いた。「これまで、日本では外用の爪白癬治療剤はなく、経口抗真菌薬ではカバーしきれない症例も多くみられた。本剤の登場により、より安全・簡便に有効性が期待できるため、新たな選択肢として先生方や患者さんのお役に立てるのではないかと考えている」としたうえで、「爪白癬の症状は外見の変化が主で、痛みやかゆみが少ないので、病気と認識していない患者さんも少なくない。早期治療、継続治療の必要性を説明するため、情報を提供していきたい」と語った。 新たな治療選択肢であるクレナフィン爪外用液によって、患者さんのQOLおよび全身性副作用や薬物相互作用への懸念が少ない爪白癬治療の実現につながるものと考えられる。また、外用剤という利便性から良好なアドヒアランスが見込まれ、治療の継続につながることが期待される。

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慢性腰痛、背側枝神経根切断術は安全かつ有効

 椎間関節に由来する慢性腰痛に対する神経根切断術の有効性を、中国・人民解放軍総合病院第一付属病院のZhen-Zhou Li氏らが検討した。その結果、内視鏡下の背側枝神経根切断術は安全かつ有効であり、保存的治療よりも優れていると示唆されたことを報告した。Clinical Neurology and Neurosurgery誌オンライン版2014年8月18日号の掲載報告。 2011年4月~11月に、腰椎椎間関節に由来する慢性腰痛と診断された後、腰椎内側枝ブロック(MBB)で80%超の疼痛軽減が得られた58例を対象に検討を行った。 45例には内視鏡下で背側枝神経根切断を行い(手術群)、13例には保存的治療を行った(保存的治療群)。 術前および術後の、疼痛強度(視覚的アナログスケール[ VAS ]による)、疼痛改善率およびMacNabスコアを分析するとともに、解剖学的変化などを記録した。 主な内容は以下のとおり。・手術群では、術後の任意の時点における疼痛(腰および腰に起因する)のVASスコアがMBB前より有意に低かったが(p<0.05)、MBB後とは差がなかった。・保存的治療群では、同様に保存的治療後のVASスコアがMBB前より有意に低く(p<0.05)、MBB後より有意に高かった(p<0.05)。・手術群の術後の任意の時点における疼痛改善率は保存的治療群より有意に高かった(p<0.01)。・手術群における1年間の追跡調査において、MacNabスコアは、保存的治療群より高かった。・手術群では、内側枝に4ヵ所の解剖学的変化が観察された。

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統合失調症と強迫性障害の関連が明らかに

 統合失調症と強迫症/強迫性障害(OCD)が併存していることは少なくないが、これまで両障害の臨床的および病因学的な関連性はほとんど解明されていなかった。統合失調症と強迫性障害が共有する病因学的因子を調べることは、臨床医、研究者および患者に有用な情報の提供に結びつく可能性がある。デンマーク・オーフス大学のSandra M. Meier氏らは、統合失調症のリスク因子としての強迫性障害について、全国的な調査を行い、同国の強迫性障害の診断が統合失調症および統合失調症スペクトラム障害との関連性が高いことを報告した。著者は、「観察されたリスクの増大は、強迫性障害、統合失調症、統合失調症スペクトラム障害がおそらく共通の原因パスウェイ上に位置することを示すものである」と述べている。JAMA Psychiatry誌オンライン版2014年9月3日号の掲載報告。強迫性障害の既往歴が統合失調症のリスク増大と関連 著者らは、強迫性障害患者は統合失調症および統合失調症スペクトラム障害の発症リスクが強いのかを評価し、また、強迫性障害の家族歴が統合失調症と統合失調症スペクトラム障害のリスク因子であるかを調べた。デンマーク全国レジスターからの個人データを追跡し、総計4,500万人年を対象とした前向きコホート研究を行った。全生存解析は、性別、年齢、暦年、両親の年齢、出生地で補正して行った。主要アウトカムは、強迫性障害の既往歴、統合失調症および統合失調症スペクトラム障害の最初の診断(病院、外来クリニック、緊急医療部門での精神科による)のリスクで、発生率比(IRR)と95%信頼区間(CI)を算出して相対リスクを評価した。 統合失調症のリスク因子としての強迫性障害についての調査の主な結果は以下のとおり。・検討は、1955年1月1日~2006年11月30日に生まれた総計300万人を対象に行われ、1995年1月1日~2012年12月31日まで追跡した。・同期間中に、統合失調症または統合失調症スペクトラム障害の発症は、3万556例であった。・強迫性障害の既往歴は、後年の統合失調症(IRR:6.90、95%CI:6.25~7.60)、統合失調症スペクトラム障害(同:5.77、5.33~6.22)の発症リスク増大と関連していた。・同様に、両親に強迫性障害の診断歴があることは、統合失調症(同:4.31、2.72~6.43)、統合失調症スペクトラム障害(同:3.10、2.17~4.27)のリスク増大と関連していた。・これらの結果は、精神疾患の家族歴や本人の病歴で補正後も変わらなかった。

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心臓手術周術期のコルヒチンは有用か?/JAMA

 イタリア・Maria Vittoria病院のMassimo Imazio氏らが、360例について行った試験の結果、心臓手術周術期のコルヒチン投与は、術後3ヵ月の心膜切開後症候群の発生リスクを10%減少することが示された。一方で、術後心房細動や術後心膜炎または胸膜滲出の発生リスク減少は認められず、またコルヒチン投与による胃腸障害発症リスク増大が示され、著者は「胃腸障害発症リスク増大でベネフィットは減少した」とまとめている。JAMA誌2014年9月10日号掲載の報告より。コルヒチン0.5mgを周術期に1日1~2回投与 研究グループは、2012年3月~2014年3月にかけて、イタリアの11医療機関を通じて、心臓手術が予定されている360例について無作為化プラセボ対照二重盲検試験を行った。周術期コルヒチン投与の、心膜切開後症候群や術後心房細動、術後心膜炎または胸膜滲出の予防効果について分析した。 被験者を無作為に2群に割り付け、一方の群(180例)にはコルヒチン0.5mg(体重70kg以上は1日2回、体重70kg未満は1日1回)を術前48~72時間に投与を開始し、術後1ヵ月間継続した。もう一方の群(180例)にはプラセボを投与した。 主要評価項目は、術後3ヵ月以内の心膜切開後症候群の発生だった。副次評価項目は、術後心房細動と術後心膜炎または胸膜滲出の発生とした。コルヒチン投与の心膜切開後症候群予防に関する治療必要数は10 試験開始時点での被験者の平均年齢は67.5歳、男性は68.9%だった。 結果、術後3ヵ月以内における心膜切開後症候群の発生は、プラセボ群が53例(29.4%)に対し、コルヒチン群は35例(19.4%)だった(絶対差:10.0%、95%信頼区間[CI]:1.1~18.7%、治療必要数[NNT]:10)。 一方、術後心房細動の発生はプラセボ群が75例(41.7%)に対し、コルヒチン群が61例(33.9%)で、両群で有意な差はなかった。また、術後心膜炎または胸膜滲出のいずれかの発生についても、コルヒチン群103例(57.2%)、プラセボ群106例(58.9%)で有意差はなかった。 有害事象の発生については、プラセボ群21例(11.7%)に対し、コルヒチン群は36例(20.0%)だった(絶対差:8.3%、同:0.76~15.9%、有害必要数[NNH]:12)。両群差の主な要因は胃腸障害がコルヒチン群で増大したことで、プラセボ群12例(6.7%)に対し、コルヒチン群は26例(14.4%)だった(同:7.7%、1.4~14.3%、13)。重大有害事象は報告されなかった。

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結核へのモキシフロキサシンレジメン、非劣性示されず/NEJM

 薬剤感受性結核に対し、モキシフロキサシン(商品名:アベロックス)ベースレジメンの短期4ヵ月投与について検討した試験の結果、対照レジメンと比較し治療効果の非劣性は示されなかったことが報告された。英国セント・アンドルーズ大学医学部のStephen H. Gillespie氏らが行った、第III相無作為化試験の結果、明らかにされた。これまでに行われた初期フェーズおよび前臨床試験の結果、モキシフロキサシンベースのレジメンは4ヵ月治療について検討可能であることが示唆されていた。NEJM誌オンライン版2014年9月7日号掲載の報告より。モキシフロキサシンベースのレジメン2種を従来レジメンと比較 Gillespie氏らは、先行試験で検討可能な対象として示唆されていた、合併症のない薬剤感受性塗抹陽性肺結核で未治療の18歳以上患者1,931例を対象に、第III相の無作為化二重盲検プラセボ対照試験を行った。モキシフロキサシンベースのレジメン2種について対照レジメンに対する非劣性を評価した。 第1グループ(対照群)には、イソニアジド、リファンピン、ピラジナミド、エタンブトールを8週間投与し、その後イソニアジドとリファンピンを18週間投与した。第2グループ(イソニアジド群)には、対照群レジメンのエタンブトールの代わりにモキシフロキサシンとしたレジメンを17週間投与し、その後9週間はプラセボを投与した。第3グループ(エタンブトール群)には、対照群レジメンのイソニアジドをモキシフロキサシンに代えて17週間投与し、その後9週間はプラセボを投与した。 主要エンドポイントは、無作為化後18ヵ月以内の治療不成功または再発とした。モキシフロキサシンレジメン、従来レジメンより良好なアウトカムは低率 per-protocol解析の結果、良好な治療結果が得られたのは、イソニアジド群では85%、エタンブトール群では80%と、対照群の92%より低率だった。対照群との差は、イソニアジド群が6.1ポイント(97.5%信頼区間:1.7~10.5ポイント)、エタンブトール群が11.4ポイント(同:6.7~16.1ポイント)だった。 結果は、修正intention-to-treat解析、全感度解析でも一貫してみられた。 一方、培養陰性までの所要日数は、対照群に比べイソニアジド群とエタンブトール群で有意に短縮していた。 またグレード3または4の有害事象の発生率は、イソニアジド群19%、エタンブトール群17%、対照群19%であり、有意差はみられなかった。

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小児BCG接種、結核菌への感染を2割予防-(解説:吉田 敦 氏)-249

これまで小児へのBCG接種が、重症結核なかでも髄膜炎に対して60~80%の予防効果を有することが判明していたが、肺結核に対する効果は不定で、さらに既感染患者での発症予防にも効果がないと考えられていた。 今回英国・イングランド公衆衛生局(PHE)のA. Roy氏らは、インターフェロン-γ遊離試験(IGRA)を用いた検討のメタアナリシスを行い、これらの課題について新たな結論を導いた。BMJ誌2014年8月5日号掲載の報告より。IGRAで結核菌感染の有無をスクリーニング 研究グループは、Medlineなどの文献データベースをもとに、1950~2013年11月に発表された、肺結核患者からの曝露を受けた16歳未満の小児に関する検討を抽出し、BCG接種と結核菌感染予防の効果について、システマティックレビューとメタアナリシスを試みた。なおIGRAはBCG接種の影響を受けないため、BCG接種とIGRAによって判断した結核菌感染の有無を解析した試験に絞った。接種群は、感染後の発症も58%予防 結果として3,855例を含む14試験が該当した。BCG接種群の結核菌感染に関する推定リスク比は、非接種群に対し0.81(95%信頼区間[CI]:0.71~0.92)であった。つまり小児へのBCG接種は、非接種の場合に比べ、肺結核患者からの曝露による感染を19%低下させることが判明した。こうした予防効果は、IGRAの2法(エリスポット法、クォンティフェロン法)において同程度であった。 また、1,745例の6試験を対象に、結核菌感染が確認された被験者が活動性結核を発症するかどうかについて、接種の効果を調べた。感染の予防効果は27%(リスク比は0.73)、活動性結核発症の予防効果は71%(リスク比0.29)であり、BCG接種が感染から発症に至るのを予防する効果は、58%(リスク比:0.42、95%CI:0.23~0.77)であった。より好ましい成績が得られたのか? IGRAはツベルクリン反応よりも結核の感染状態をよく反映するため、より精確な検討や比較が可能になった。このため今回のように、BCG接種による発症予防効果のみならず、感染予防効果の検討も容易になっている。一方、今回の検討は、地域、母集団、基礎疾患、流行状況に違いのある先行研究を、著者に元々のデータの提出を依頼しながら解析したものであり、含まれるデータの質には十分な配慮がされているといってよい。 これまで不確実な結論に終わっていた、BCGによる曝露後予防と発症予防に関し、より精確で定量的な解釈を与えた点で、本検討の価値は大きいと考える。

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生物学的年齢であるテロメア長は冠動脈疾患リスクと関係する(解説:原田 和昌 氏)-250

暦年齢は心血管疾患のリスクとなるが、内皮障害など生物学的年齢と関係するバイオマーカーが探索されてきた。その候補のひとつ、テロメア長が組織の種類により異なり加齢で短縮すること、組織により短縮速度が異なること、テロメア長に個人差が大きいことを2002年に田久保らは報告した。 一方、WOSCOPS試験が、白血球のテロメア長が冠動脈疾患の予測因子になることを2007年のLancetに報告したことから、白血球のテロメア長が注目を集めるようになった。 テロメア長は有力な老化のマーカーのひとつではあるが、論文により試験デザインの差、測定方法、交絡因子の処理、統計手法、有疾患患者のコホートか一般人のコホートかなどの違いがあり、さらに、個人差が大きいこともあって、これまで心血管疾患との関連におけるエビデンスには相反する結果が報告されていた。 本論文は、白血球テロメア長が従来血管リスク因子とは独立した冠動脈疾患のリスク因子であり、テロメア長が短いと冠動脈疾患との関連が強いことをシステマティックレビューとメタ解析により示した。しかし、脳血管疾患と確実な関連性は得られなかった。 そもそもテロメアは、染色体の末端に単純な塩基配列の繰り返しとして存在し、一定の長さを維持することで、染色体内の遺伝子の恒常性の維持に関与する。体細胞においてテロメアは増殖のたびに長さを短縮し、生存するための限界の長さにまで短縮すると分裂限界に至り細胞死を迎える。または、老化細胞となり細胞増殖が停止する。 一方、無限の細胞分裂を必要とする生殖細胞や血液幹細胞にはテロメアを伸長させる逆転写酵素の1種であるテロメレースが存在し、テロメアの進展、維持が図られている。 冠動脈疾患と白血球テロメア長との関係については、老化細胞がプラークにたまり、炎症や内皮障害を惹起するとか、平滑筋の分裂ができなくなってfibrous capが薄くなるといった仮説が出されている。これらが事実ならば、将来テロメレースを局所導入することで治療が可能になるかもしれない。 すでに2010年には、テロメア長を測る企業が設立されている。がんにおけるテロメア長測定の意義は確立していない。しかし、加齢に加え、糖尿病合併や酸化ストレスを増強するリスク因子の集積によりテロメア長はより短縮すること、冠動脈疾患患者の子孫の生来のテロメア長はすでに短縮していることが報告されている。生まれた時のテロメア長を測って生物学的年齢が高ければ、生活習慣に介入して冠動脈疾患を予防するといった使い方が今後できるかもしれない。

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