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アルツハイマー病とがん死亡リスクの関連~前向き研究(NEDICES)より

 これまでの研究で、アルツハイマー病とがんリスク低下との関連が示されているが、ほとんどの研究は診断未確定の認知症例を除外している。スペイン・12 de Octubre大学病院のJuan Pablo Romero氏らは、高齢者5,278人を含む集団ベースの前向き研究(NEDICES)で、まず検証がなされている方法で認知症の症状がある人々を選別したうえで、認知症が疑われる患者を臨床検査で確認するという2段階の調査方法を用いて、がんによる死亡とアルツハイマー病およびそれ以外の認知症との関連を検討した。Journal of Alzheimer's disease誌オンライン版2014年1月21日号に掲載。 著者らは、地域在住の認知症患者および認知症ではない被験者を同定、12.5年間(中央値)追跡し、その後、死亡した被験者の死亡診断書を調査した。 主な結果は以下のとおり。・合計1,976人(47.1%)が死亡し、そのうち、アルツハイマー病と推定される患者(possible/ probable AD)は277人、アルツハイマー病以外の認知症患者は126人であった。・アルツハイマー病と推定される患者(5.8%)やアルツハイマー病以外の認知症患者(6.3%)では、認知症ではない人(26.5%)より、がん死亡が有意に少なかった。・未調整のCoxモデルにおいて、非認知症者と比べたがん死亡の相対リスク(RR)は、アルツハイマー病患者で0.45(p=0.002)、アルツハイマー病以外の認知症患者で0.62(p=0.179)であった。・さまざまな人口統計学的要因と併存疾患を調整したCoxモデルにおいて、がん死亡の相対リスクは、アルツハイマー病患者で0.50(p=0.028)、アルツハイマー病以外の認知症患者で0.97(p=0.942)であった。

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禁煙補助療法、バレニクリンとブプロピオンの併用は有用か/JAMA

 禁煙補助療法について、バレニクリン(商品名:チャンピックス)単独投与とバレニクリン+ブプロピオン(国内未承認)併用投与を検討した結果、治療開始12週と26週時点での長期禁煙率は併用投与のほうが有意に高かったが、治療開始52週後では、長期禁煙率および7日間禁煙率ともに両群間に有意差はなかったことが報告された。米国・メイヨークリニックのJon O. Ebbert氏らが、500例超の喫煙者を対象に行ったプラセボ対照無作為化二重盲検試験の結果、明らかにした。JAMA誌2014年1月8日号掲載の報告より。主要アウトカムは12週目の長期・7日間禁煙率 研究グループは、2009年10月~2013年4月にかけて、米国3ヵ所の医療機関で、18歳以上の喫煙者506例を対象に試験を行った。バレニクリン単独投与と、ブプロピオンとの併用投与の禁煙効果を比較した。被験者は、1日10本以上のタバコを6ヵ月以上喫煙していた。 被験者を無作為に2群に分け、一方にはバレニクリンのみを、もう一方にはバレニクリンとブプロピオンを、それぞれ12週間投与した。追跡は、52週まで行った。 主要アウトカムは、12週時点での長期禁煙率(禁煙目標日2週間後から12週までの禁煙)と7日間禁煙率だった。副次アウトカムは、26週、52週時点での長期・時点禁煙率だった。12週・26週の長期禁煙率は併用投与群で高率 被験者のうち、試験を終了したのは315例(62%)だった。 12週時点の長期禁煙率は、併用投与群が53.0%、単独投与群が43.2%であり、併用投与群で有意に高かった(オッズ比[OR]:1.49、95%信頼区間[CI]:1.05~2.12、p=0.03)。ただし12週時点の7日間禁煙率は、それぞれ56.2%、48.6%で有意差はなかった(同:1.36、0.95~1.93、p=0.09)。 26週時点の長期禁煙率は、併用投与群36.6%、単独投与群27.6%と併用投与群で有意に高かった(同:1.52、1.04~2.22、p=0.03)。7日間禁煙率は、それぞれ38.2%、31.9%で、有意差はなかった(同:1.32、0.91~1.91、p=0.14)。 52週時点の長期禁煙率と7日間禁煙率はいずれも、両群で有意差はなかった。同時点各群の長期禁煙率は30.9%、24.5%(OR:1.39、95%CI:0.93~2.07、p=0.11)、7日間禁煙率は36.6%、29.2%(同:1.40、0.96~2.05、p=0.08)だった。 なお、併用投与群では不安の発生率が7.2%と、単独投与群の3.1%に対して有意に多く、うつ症状も3.6%、0.8%と併用投与群で有意に高率だった(それぞれp=0.04、p=0.03)。 著者は、「バレニクリン+ブプロピオン併用投与はバレニクリン単独投与、12週、26週時点の長期禁煙率を有意に増大したが7日間禁煙率の増大は有意ではなかった。また、52週時点ではいずれの禁煙率も有意差はみられなかった」とまとめ、「禁煙補助療法の併用投与の役割を明らかにするためにさらなる検討が必要である」と指摘している。

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良質な有害事象報告は、システマティックレビューといえども半分程度/BMJ

 システマティックレビューの有害事象報告の質は不十分であると、カナダ・アルバータ大学のLiliane Zorzela氏らが報告した。309本の有害事象を評価していたシステマティックレビューまたはメタ解析論文をシステマティックレビューした結果、その多くで有害事象の定義が不明瞭であったり、介入の有害事象を評価する際にリスク因子や追跡期間を考慮していないものがみられ、良好と呼べるレビュー論文は約半数であったという。BMJ誌オンライン版2014年1月8日号掲載の報告より。主要アウトカムに有害事象を含むシステマティックレビュー論文を評価 研究グループは本検討において、システマティックレビューにおける有害事象報告の質を調べ、有害性レビュー報告に関するガイドラインの必要性を確定することを目的とした。 Cochrane Database of Systematic Reviews(CDSR)、Database of Abstracts of Reviews of Effects (DARE)をソースに、2008年1月~2011年4月に発表された、主要アウトカムに有害事象を含むシステマティックレビュー論文を検索した。 有害事象の定義は、あらゆる医療介入と関連した有害反応、危害、または合併症などとした。なお、介入の安全性プロファイルの調査を主要目的に含んでいた論文も検討対象とした。 各レビュー論文の有害事象報告の質を測定するために、37項目のリストを開発して評価を行った。良質なレビュー論文の割合は0.56 4,644本のレビュー論文が検索され、そのうち309本のシステマティックレビューまたはメタ解析論文が有害事象を主要評価に含んでいた。CDSRから選定された論文が13本、DAREからの論文が296本だった。 2008年から2010-11年の間の報告の質の差は、短期間の評価であるが有意な差はみられなかった(p=0.079)。 タイトルで有害事象に言及しているレビュー論文は半数に満たなかった(言及レビュー論文が占める割合:0.46、95%信頼区間[CI]:0.40~0.52)。 DAREからの選定レビュー論文のうち、約3分の1(0.26、95%CI:0.22~0.31)は有害事象の定義が明確でなく、方法論を含む試験デザイン選択の指定がなされていなかった。 約半数のレビュー論文(170本)が、介入の有害事象を評価する際に、患者のリスク因子や追跡期間を考慮していなかった。手術・手技などに関連した合併症のレビュー論文は67本あったが、介入者の有資格を報告していたのは4本のみであった。 全体として、良質なレビュー論文の割合は0.56(95%CI:0.55~0.57)であった。各年でみると、2008年0.55(同:0.53~0.57)、2009年0.55(0.54~0.57)、2010-11年0.57(0.55~0.58)だった。 これらの結果を踏まえて著者は、「システマティックレビューの有害事象報告を改善することは、介入をバランスよく評価するためのステップとして重要である」と述べている。

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変性椎間板の有病率、50歳以上で90%超:Wakayama Spine Study

 これまで、一般地域住民を対象に全脊柱レベルでMRIを撮像し変性椎間板の分布や有病率などについて調べた報告はなかった。和歌山県立医科大学の寺口 真年氏、同講師・橋爪 洋氏、同主任教授・吉田 宗人氏らは、初めてこの課題に取り組み、その結果、変性椎間板の有病率は非常に高く、頚椎、胸椎および腰椎の各部位で椎間板変性はそれぞれC5/6、T6/7およびL4/5に最も多く分布していることを明らかにした。今回の知見は、椎間板変性の原因やメカニズムを解明するうえで有益な情報になると考えられる。Osteoarthritis and Cartilage誌2014年1月号(オンライン版2013年12月5日号)の掲載報告。 研究グループは、MRIを用い全脊柱における変性椎間板の分布と有病率、ならびにその関連因子などについて調べた。 対象は、Wakayama Spine Studyに参加した21~97歳の一般住民975例(男性:324例、平均67.2歳/女性:651例、平均66.6歳)である。 MRIのT2強調矢状断面像をPfirrmann分類に従って評価し、グレード4および5を「椎間板変性あり」として、頚椎、胸椎、腰椎および全脊柱における変性椎間板の有病率を算出するとともに、症状ならびに関連因子について解析した。 主な結果は以下のとおり。・全脊柱における変性椎間板有病率は、50歳未満で男性71%、女性77%、50歳以上では男女ともに90%超であった。・各部位における変性椎間板の有病率は 、頚椎ではC5/6(男性:51.5%、女性:46%)、胸椎ではT6/7(男性:32.4%、女性:37.7%)、腰椎ではL4/5(男性:69.1% 、女性:75.8%)が最も高かった。・すべての部位で、年齢および肥満が変性椎間板の存在と関連していた。・腰痛は、腰椎において変性椎間板の存在と関連していた。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」・腰痛診療の変化を考える~腰痛診療ガイドライン発行一年を経て~・知っておいて損はない運動器慢性痛の知識・身体の痛みは心の痛みで増幅される。知っておいて損はない痛みの知識

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禁煙補助薬として抗うつ薬は有用なのか

 抗うつ薬は禁煙を助ける可能性があるといわれている。米国・バーモント大学のJohn R Hughes氏らは、抗うつ薬が禁煙を補助するかどうかを検討するため、Cochrane Tobacco Addiction Group Specialised Registerを用いてレビューを行った。その結果、ブプロピオン(国内未承認)とノルトリプチリンは長期的に禁煙を補助する可能性があること、一方でSSRIやモノアミン酸化酵素(MAO)阻害薬は禁煙を助けないことを報告した。Cochrane Database Systematic Reviewsオンライン版2014年1月8日号の掲載報告。ブプロピオンほか抗うつ薬治療による長期禁煙を助ける効果の安全性を評価 抗うつ薬が禁煙を助ける可能性があるとされる背景には、少なくとも3つの理由がある。第1に、ニコチン離脱によりうつ症状が引き起こされる、あるいは大うつ病エピソードが促される可能性があるため、抗うつ薬がこれらを軽減する可能性がある。第2に、ニコチンは抗うつ作用を有している可能性があり、それが喫煙の継続につながっていると考えられる。このため、抗うつ薬がニコチンの作用を代替しうるという理由である。3つ目の理由として、いくつかの抗うつ薬は、ニコチン依存の背景に存在する神経経路に対するMAO阻害や、受容体に対するニコチン性アセチルコリン受容体阻害など、特異的な作用を示す可能性が挙げられる。 本レビューでは、長期禁煙を助けるための抗うつ薬治療の効果と安全性を評価した。Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)、MEDLINE、EMBASE、PsycINFOにおける試験の報告、および2013年7月におけるその他のレビュー、会議録を含むCochrane Tobacco Addiction Group Specialised Registerを検索した。禁煙について抗うつ薬とプラセボまたは代替の薬物療法を比較した無作為化試験を適格とし、再発予防、禁煙再開または喫煙量の軽減を図る薬物療法の用量比較試験も含めた。追跡期間が6ヵ月未満の試験は除外した。検討した抗うつ薬はブプロピオン、イミプラミン、ノルトリプチリン、パロキセチン、セレギリン、セルトラリン、ドキセピン(以下、国内未承認)、フルオキセチン、ラザベミド、モクロベミド、S-アデノシル-L-メチオニン [SAMe]、セントジョーンズワート、トリプトファン、ベンラファキシン、ジメリジンであった。データを抽出し、Cochrane Collaborationによる標準的手法でバイアスを評価した。主要アウトカムは、ベースライン時における喫煙者の追跡6ヵ月以降の禁煙とし、リスク比(RR)を算出した。禁煙については各試験で適用可能な最も厳格な定義を用い、可能であれば生化学的妥当性の割合を算出した。適切と考えられる場合は固定効果モデルを用いてメタ解析を行った。ブプロピオンとノルトリプチリンの作用機序はニコチン置換において有効 ブプロピオンほか抗うつ薬治療による長期禁煙を助ける効果の主な評価結果は以下のとおり。・2009年以降にアップデートされた24件の新しい試験が特定され、計90件の試験を検索した。このうちブプロピオンに関する試験が65件、ノルトリプチリンに関する試験が10件あり、大半はバイアスリスクが低いか不明であった。・単剤療法で質の高いエビデンスが認められた。ブプロピオンは長期禁煙を有意に延長させた(44試験、1万3,728例、RR:1.62、95%信頼区間[CI]:1.49~1.76)。・試験の数と被験者数が少ないため、中等度の質のエビデンスは限られていた。ノルトリプチリンは単剤療法において、長期禁煙を有意に延長した(6試験、975例、RR:2.03、95%CI:1.48~2.78)。・ニコチン置換療法(NRT)へのブプロピオン追加(12試験、3,487例、RR:1.9、95%CI:0.94~1.51)またはノルトリプチリン追加(4試験、1,644例、RR:1.21、95%CI:0.94~1.55)による長期的ベネフィットの追加について、十分なエビデンスは示されなかった。・直接比較のデータは限られていたが、ブプロピオンとノルトリプチリンの効果は同等で、NRTへの影響は同程度であった(ブプロピオン対ノルトリプチリン 3試験、417例、RR:1.30、95%CI:0.93~1.82/ ブプロピオン対NRT 8試験、4,096例、RR:0.96、95%CI:0.85~1.09/ ノルトリプチリンとNRTの直接比較試験はなし)。・ブプロピオンとバレニクリンを比較した4試験のプール分析から、ブプロピオンはバレニクリンと比較して有意に中断が少なかった(1,810例、RR:0.68、95%CI:0.56~0.83)。・メタ解析により、ブプロピオン服用者における重篤な有害事象の発現率について、有意な増加は検出されなかった。信頼区間が狭く有意差は出ていなかった(33試験、9,631例、RR:1.30、95%CI:1.00~1.69)。・ブプロピオン使用に際し、約1,000人に1人で痙攣のリスクがあることが示唆されていた。また、ブプロピオンには自殺のリスクもあるが、因果関係は明らかではない。・ノルトリプチリンは重篤な副作用を示す可能性があるが、禁煙に関する少数の小規模試験では重篤な副作用はみられなかった。・SSRIそのものによる有意な影響はみられなかった[RR:0.93、95%CI:0.71~1.22、1,594例、2試験はフルオキセチン、1試験はパロキセチン、1試験はセルトラリン]。また、NRTへの追加に関しても有意な影響はみられなかった (3試験フルオキセチン、466例、RR:0.70、95%CI:0.64~1.82)。・MAO阻害薬[RR:1.29、95%CI:0.93~1.79、827例、1試験はモクロベミド、5試験はセレギリン]、非定型抗うつ薬ベンラファキシン(1試験、147例、RR:1.22、95%CI:0.64~2.32)、セントジョーンズワートによるハーブ療法(ヒペリカム)(2試験、261例、RR:0.81、95%CI:0.26~2.53)、または栄養サプリメントSAMe(1試験、120例、RR:0.70、95%CI:0.24~2.07)において、有意な影響はみられなかった。・以上のように、抗うつ薬のブプロピオンとノルトリプチリンは長期禁煙を助け、両薬剤とも治療中断に至る重篤な有害事象はほとんどないことが判明した。ブプロピオンとノルトリプチリンの作用機序はその抗うつ作用に依存せず、ニコチン置換において同程度の有効性を示すことが示唆された。なお、ブプロピオンはバレニクリンと比較して有効性が低かったが、この知見を確認するためにはさらなる研究が求められる。

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ビタミンD不足の成人、アトピー性皮膚炎罹患が1.5倍

 韓国の一般成人において、ビタミンD不足の人にはアトピー性皮膚炎が多くみられる傾向が判明した。ビタミンD値が十分な人と比較して約1.5倍であった。同関連は、喘息やアレルギー性鼻炎、IgE感作とのあいだではみられなかった。オーストラリア・ロイヤル・パース病院のHui Mei Cheng氏らが報告した。アレルギー性疾患におけるビタミンDの影響は明らかではなく、とくに成人アジア人について大規模住民ベースで検討された研究はなかったという。Journal of Allergy and Clinical Immunology誌オンライン版2013年12月30日号の掲載報告。 韓国の一般成人におけるビタミンDとアレルギー性疾患との関連の評価は、断面調査にて行われた。具体的には、2008~2010年に国民健康栄養調査に参加した19歳以上の1万5,212人のデータを分析した。 交絡因子補正後血清25-ヒドロキシビタミンD[25(OH)D]値とアレルギー性疾患(アトピー性皮膚炎、喘息、アレルギー性鼻炎と、増大した総血清IgEおよびアレルゲン特異的血清IgE値を含む)との関連を、重回帰分析法を用いて比較した。 血清25(OH)D値が十分、不十分、不足であるかを、交絡因子補正後の多重ロジスティック回帰分析を用いた推定オッズ比(OR)を算出して評価した。 主な結果は以下のとおり。・交絡因子補正後、平均血清25(OH)D値は、アトピー性皮膚炎と診断されている被験者が同診断をされていない被験者よりも、有意に低値であった(平均±SE値:18.58±0.29ng/mL対19.20±0.15ng/mL、p=0.02)。・ビタミンD値が十分であった被験者と比較して、アトピー性皮膚炎の補正後ORは、不十分であった被験者(12~19.99ng/mL、OR:1.50、95%CI:1.10~2.06)、不足していた被験者(<12 ng/mL、同:1.48、1.04~2.12)で有意に高値であった(いずれもp=0.02)。・これらの関連は、他のアレルギー性疾患を有する被験者ではみられなかった。

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複雑な薬物療法レジメン、認知症介護者の負担増加

 高齢者や認知症患者の介護を担うインフォーマル介護者(公的機関や専門職によるサービスや支援以外の介護を行う者、以下:家族介護者)が世界的に増加している。家族介護者による良好な服薬管理は、健康アウトカムの改善と、介護を受ける人々の施設入所数減少に寄与する。しかしながら、このような介護領域の実情はほとんど知られていない。オーストラリア・ウーロンゴン大学のRobyn Gillespie氏らは、高齢者や認知症患者の服薬管理を行っている家族介護者の役割について文献レビューを行った。その結果、薬物療法レジメンの複雑化などを背景に家族介護者による服薬管理がしばしば困難な状況に陥っていることを明らかにし、十分な情報提供やトレーニング、サポートの重要性を示唆した。Journal of Clinical Nursing誌オンライン版2013年12月20日号の掲載報告。 本研究では、地域において高齢者や認知症患者の服薬管理を行っている家族介護者の役割について言及している文献についてナラティブレビューを行った。代表的な研究論文を特定するため、2000年1月から2013年4月までに英語で発表された文献を適格とし、オンラインデータベースを基に複数のキーワードを用いて検索し、参考リストおよび主な引用論文およびインターネット検索を行った。 得られた主な知見は以下のとおり。・家族介護者の役割は複雑化しており、とくに認知症患者の介護は、(1)薬物療法レジメンの複雑化、(2)介護者と介護を受ける人との関係性、(3)保険制度、(4)情報やスキル習得機会の欠如、などの理由からいっそう困難であることが示された。・地域において、高齢者や認知症患者の服薬管理は、家族介護者に委ねられている頻度が高かった。・家族介護者には、より多くの情報源が必要であるとともに、服薬マネジメントの特別なスキルと知識が求められることが判明した。また、介護を受ける者の認知機能が低下している場合には、服薬マネジメントはいっそう複雑なものとなっていた。・認知機能障害者を含む高齢者においては、家族介護者の安全かつ効果的な服薬管理が大きく期待される。・看護師は、地域の高齢者や認知症患者の家族と接する機会が多く、重要な情報源になるとともに、介護者のトレーニングならびにサポートのソースとなる可能性が示唆された。関連医療ニュース 認知症患者のニーズを引き出すのに有効なツール:神奈川県立保健福祉大学 高齢者介護ロボット、認知症対応でも効果を発揮できる? 認知症高齢者5人に1人が抗コリン薬を使用

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休日診療と保育園【Dr. 中島の 新・徒然草】(002)

二の段 休日診療と保育園前回は昨年の暮れ、2013年12月23日、天皇誕生日の祝日に病院を通常診療とし、外来や手術を普通に行ったというお話をしました。今回は年が明けて2014年1月13日、成人の日という祝日に再び通常診療を行ったというお話です。気のせいか、12月23日よりも1月13日のほうが外来患者数は多かったような気がします。手術室のほうはフル稼働でした。ただし院内保育園のキャパに制限があり、とくに子持ちの多い外来看護師さんの出勤には差し支えがあったとのこと。確かに脳外科外来の担当もいつもの看護師さんではありませんでした。やはり一家の主婦たるもの、家族のためにも休日は働きたくないのかもしれません。と勝手に納得していたら、案外そうでもなかったようです。看護師「休日に家にいたら、結局、旦那と子供の世話でバタバタするんですよ」中 島「それでいいんやないの?」看護師「まさか。休日に大手をふって働き、平日に代休を取って子供を保育園に預けたら自分の時間ができるので、私はそっちのほうがいいです」中 島「そんなもんかいな。意外やなあ」看護師「そんなもんですよ、主婦っていうのは」休日診療も実際にやってみると、いろんなことがわかって面白いですね。病院の経営収支的な数字については、まだ正式な発表はありませんが、うわさでは予想外に良かったとのことです。ちなみに私自身は土曜と日曜に私用でバタバタしていたので、月曜の朝の出勤が少し辛かったです。でも道路が混んでいなかったので、通勤ストレスはありませんでした。休日に働いた分、平日に代休を取る予定にしています。ほかの医師たちも徐々に休みの取り方がうまくなり、それぞれに調整をしています。もちろん休日通常診療といっても、外来や手術のない医師は休んでいました。ということで、2回にわたって試みた休日通常診療ですが、案外スムーズにいきました。もっともこれは働く側からだけの感想にすぎません。もし患者さんからの評判などがわかりましたら、あらためて報告させていただきます。

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思春期の精神障害、多くは20代前半で消失/Lancet

 若年精神障害者の多くは、思春期に症状の発現がみられるが、発現が短期間であったり、とくに10代に限られている場合は、概して20代後半には症状の寛解がみられることが示された。オーストラリア・メルボルン大学のGeorge C Patton氏らが、ランダム抽出した中学生1,943例を14年間前向きに追跡したコホート試験の結果、明らかにした。Lancet誌オンライン版2014年1月15日号掲載の報告より。1,943例を15.5歳~29.1歳の期間追跡 一般的な精神障害を有する成人の多くが、24歳前に最初の症状発現を報告する。思春期の不安やうつ症状は頻度が高いが、症状が成人期に継続するのか、あるいはそれより前に消失するのかは明らかになっていない。研究グループは、継続パターンや予測因子を明らかにするため、前向きコホート試験を行った。 オーストラリア・ビクトリア州の中学校44校から1,943例をランダムに抽出して層別化登録した。1992年8月~2008年1月(15.5歳~29.1歳)に、思春期に5回、若年成人期に3回、一般的な精神障害について評価した。思春期の評価はRevised Clinical Interview Schedule(CIS-R)を用いて行い、かかりつけ医(family doctor)の判断でスコアが12以上の場合を症状発現と定義した。また、18以上は重篤な精神障害と評価した。思春期症状が6ヵ月未満1エピソードの場合は、若年成人期への継続は半減 解析には1,750例(男性821例、女性929例)が組み込まれた。思春期に1回以上、CSI-Rで高スコア(12以上)が報告されたのは、男性236例・29%(95%信頼区間[CI]:25~32%)、女性498例・54%(同:51~57%)だった。 それら症状発現を報告した男女のうち約60%(434/734例)が、若年成人期にもエピソードを報告した。一方で、思春期に報告された症状が、6ヵ月未満の1エピソードである場合は、若年成人期に一般的な精神障害を呈する人は半数でしかなかった。 思春期の一般的な精神障害が長期であることは、若年成人期の精神障害の明確で強力な予測因子であった(noneと比較したオッズ比[OR]:3.16、95%CI:1.86~5.37)。 同様に若年成人期への精神障害継続の傾向は、女子(OR:2.12、95%CI:1.29~3.48)、両親が死別・離婚した背景をもつ若者(同:1.62、1.03~2.53)で高かった。 思春期発症の精神障害の割合は、20代後半までに激減し(OR:0.57、95%CI:0.45~0.73)、多くが20代前半の早い時期まで持続していた症状が消失していた。 著者は、「思春期の精神障害の大半が消失したことは、エピソードを短期に終わらせる介入が将来的な罹患回避を可能にするという楽観的な見方を与えるものだ」とコメントしている。

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慢性C型肝炎のIFNフリー療法―リバビリンレジメン/NEJM

 未治療またはペグインターフェロン(商品名:ペガシス)+リバビリン(RBV、商品名:コペガスほか)による前治療が無効であった遺伝子型1型感染患者に対し、経口投与のみの直接作用型抗ウイルス薬(2種または3種)+RBVレジメンが、いずれの患者にも有効であることが示された。米国・バージニア・メイソン・メディカル・センターのKris V. Kowdley氏らが、第2b相非盲検無作為化試験にて9レジメン(14サブ治療群)を設けて検討した結果、治療終了後24週時点のSVR(持続性ウイルス学的著効)は、83~100%であったことを報告した。NEJM誌2014年1月16日号掲載の報告より。571例を14の直接作用型抗ウイルス薬+RBVレジメンに割り付けて検討 試験は2011年10月~2012年4月に9ヵ国97施設で1,013例がスクリーニングを受け、肝硬変を伴わない未治療または前治療無効のHCV遺伝子型1型感染患者571例を無作為に14群に割り付けて行われた。 検討された経口抗ウイルス薬は、プロテアーゼ阻害薬ABT-450+リトナビル(同:ノービア)(ABT-450/r:ABT-450投与量100、150、200mg設定)、非ヌクレオシド系ポリメラーゼ阻害薬ABT-333、およびNS5A阻害薬ABT-267。前者の2種は、予備試験でインターフェロンを用いないRBV併用レジメンとして有効性が示されており、ABT-267は、とくに治療困難な患者において有効性が改善する可能性が示唆されていた。 571例を2種または3種複合の8週、12週、24週投与の14の治療群(9群1治療群を除きRBV併用)を設定し検討した。 主要エンドポイントは、治療終了後24週時点のSVRであった。SVRは83~100% 主要有効性解析では、未治療患者への3種複合[ABT-450/r(150mg)+ABT-333+ABT-267]+RBVの8週治療群と、同12週治療群を比較した。結果、治療終了後24週時点のSVRは、8週治療群88%、12週治療群95%であった(両群差:-7ポイント:95%信頼区間[CI]:-19~5、p=0.24)。 すべての治療群のSVRは、83%[未治療、ABT-450/r(150mg)+ABT-333+RBV]から100%にわたった。 最も頻度が高かった有害事象は、疲労、頭痛、悪心、不眠であった。有害事象により試験を中止したのは8例(1%)だった。

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日本人多発性硬化症患者における認知機能障害の関連要因は:北海道医療センター

 多発性硬化症(MS)患者では認知機能障害がQOLに影響を及ぼしていること、また認知機能は抑うつや疲労感などと相関している可能性が示唆されていた。国立病院機構北海道医療センター臨床部長の新野 正明氏らは、日本人MS患者の認知機能障害について調べ、認知機能と無気力、疲労感、抑うつとの関連について評価を行った。その結果、同患者ではとくに情報処理速度の障害がみられ、認知機能障害が無気力や抑うつと関連していることなどを明らかにした。BMC Neurology誌2014年1月6日号の掲載報告。 患者184例と健康対照(年齢、性、教育レベルで適合)163例について、Brief Repeatable Battery of Neuropsychological(BRB-N)テストを行い、また、Apathy Scale(AS)、Fatigue Questionnaire(FQ)、ベックうつ病評価尺度第2版(BDI-II)を用いて評価を行った。両群の比較にはt検定を用いた。ピアソン相関分析にて2因子間の相関性を検討し、重回帰分析にて各因子がBRB-Nスコアに及ぼす影響を評価した。 主な結果は以下のとおり。・患者184例(うち女性135例)は、全国18施設から登録され、平均年齢は39.3歳(SD 10.1歳)、罹病期間は平均9.3年(SD 7.2年)、神経症状評価尺度(EDSS)は2.38(SD 2.04)であった。・BRB-Nテストは9項目について行ったが、そのすべてにおいて、MS患者群のほうが対照群よりも得点が有意に低く認知機能障害が大きかった。9項目の中では、Symbol Digit Modalities Test(SDMT)の得点差が最も大きかった。・AS(p<0.001)、FQ(p<0.0001)、BDI-II(p<0.0001)のスコアは、いずれもMS患者群で有意に高かった。・MS患者では、BRB-Nテストの大半のスコアと、ASおよびBDI-IIのスコアに相関が認められた。一方でFQのスコアとは相関がみられなかった。・以上のように、日本人MS患者では、認知機能の障害、とくに情報処理速度の障害がみられ、認知機能の低下と無気力、抑うつとが関連していた。ただし認知機能は、無気力/抑うつによる影響以上の低下がみられた。一方で、主観的疲労感と認知障害には関連がみられなかった。・これらの結果を踏まえて著者は、「MS患者の主観的疲労感や認知機能を改善しQOL向上を図るためには、それぞれ異なる治療アプローチが必要であることが示唆された」とまとめている。関連医療ニュース てんかん合併アルツハイマー病患者、より若年で認知機能が低下 多発性硬化症とてんかんの併発は偶然ではない!? −大規模人口ベースの記録照合研究より 統合失調症の寛解に認知機能はどの程度影響するか:大阪大学

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手首骨折直後の激しい痛みは複合性局所疼痛症候群発症のレッドフラッグか?

 複合性局所疼痛症候群(CRPS)は手首骨折後にみられることがあるが、その発生頻度等は報告によって大きく異なっている。南オーストラリア大学のG. Lorimer Moseley氏らは大規模な前向きコホート研究を行い、手首を骨折し非手術療法で管理された患者の26例に1例がCRPSを発症し、骨折後早期の疼痛が強いとCRPSの発症リスクが増大することを明らかにした。同氏は、骨折後2日間の疼痛が平均してどのくらいかを患者に質問し、0~10の数値化スケールで5以上の場合はCRPSの警告ととらえるべき、とまとめている。Journal of Pain誌2014年1月号(オンライン版2013年11月21日号)の掲載報告。 研究グループは、骨折クリニック3施設を受診した手首骨折受傷患者計1,549例を1施設にて非手術療法により管理し、骨折後1週間以内と、4ヵ月後に評価した。 疼痛強度には0~10の数値的評価スケール(NRS)を、CRPSの診断には既存の基準を用いた。 主な結果は以下のとおり。・手首骨折4ヵ月後におけるCRPSの発生率は3.8%(95%信頼区間:2.9~4.8%)であった。・4つの臨床評価(pain、reaction time、dysynchiria、swelling)に基づいた予測モデルは、骨折後にCRPSを発症するであろう患者(C index:0.99)と、発症しないであろう患者を明確に識別した。・疼痛強度のみの評価でも、ほぼ同程度に識別可能であった(C index:0.98)。・非手術療法で管理された手首骨折患者26例に1例が、CRPSを呈した。・骨折後2日間の疼痛スケールが5/10以上の場合は、CRPSのレッドフラッグと考えるべきである。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」・腰痛診療の変化を考える~腰痛診療ガイドライン発行一年を経て~・知っておいて損はない運動器慢性痛の知識・身体の痛みは心の痛みで増幅される。知っておいて損はない痛みの知識

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根絶戦略の成果は?日本のH.pylori除菌率10年推移

 ファーストラインとして施行されたアモキシシリンとクラリスロマイシンの併用療法によるヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)の年間累積除菌率は65.3%で、徐々にではあるが、10年にわたり除菌率は有意に低下したことが、順天堂大学の佐々木 仁氏らによる研究で明らかになった。また、セカンドラインとして施行されたアモキシシリンとメトロニダゾールの併用療法の年間累積H.pylori除菌率は84.0%で、年ごとの除菌率に変化は認めなかった。著者は、「ファーストラインの除菌率は徐々に低下したものの、“日本の根絶戦略”は十分H.pylori除菌に貢献した」と結論づけた。Digestion誌オンライン版2013年12月12日号の報告。 日本では、H.pyloriの体系的な根絶戦略が構築されており、ファーストラインとして、プロトンポンプ阻害薬(PPI)のアモキシシリンとクラリスロマイシンの併用療法、セカンドラインとして、アモキシシリンとメトロニダゾールの併用療法が施行されている。しかし、H.pyloriの累積除菌率は、いまだ報告されていない。そのため、本研究では“日本のH.pylori撲滅戦略”の有効性を検証するために、年間および累積除菌率を調査した。 2000~2009年に、ファーストラインとしてアモキシシリンとクラリスロマイシンの併用療法を受けた患者(必要に応じてセカンドラインのアモキシシリンとメトロニダゾールの併用療法を施行)をレトロスペクティブに分析し、年間累積除菌率を算出した。データは、intention–to-treat(ITT)解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・ファーストラインとしてアモキシシリンとクラリスロマイシンの併用療法を施行されたのは、1,973例[男性1,162例、女性811例;平均55.8歳(15~87歳)]であった。・セカンドラインとしてアモキシシリンとメトロニダゾールの併用療法を施行されたのは、250例であった。・アモキシシリンとクラリスロマイシンの併用療法による除菌率は65.3%で、徐々にではあるが、10年にわたり除菌率は有意に低下していた(p<0.05)。・アモキシシリンとメトロニダゾールの併用療法による除菌率は84.0%で、年ごとの除菌率に変化は認めなかった。・ITT解析による累積除菌率は76.0%、per protocol解析による累積除菌率は98.4%であり、有効性を損なうことなく、毎年一定の除菌率を保っていた。

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【新発売】乳房再建に保険適用となるアナトミカル型ゲル充填人工乳房

 アラガン・ジャパン株式会社は1月8日、乳房再建に保険適用となるアナトミカル型ゲル充填人工乳房「ナトレル410(フォーテン)ブレスト・インプラント」を発売した。これに伴い、1月21日に東京都中央区で発表記者会見を開催した。 わが国では、年間約6万人が新たに罹患している乳がん。その患者のうち約4割が乳房全摘出術を受けている。近年の診断技術の発達により、乳房温存可能症例が増えた一方で、再発リスクを考慮した全摘出術を選択するケースも多く、今後もその割合は変わらないとみられている。 手術による乳房の喪失は患者さんのQOLを下げるため、全摘出術後に乳房再建術を受ける患者さんが徐々に増えてきている。乳房再建には、自家組織による再建と人工乳房による再建の2つの方法がある。自家組織による再建は、人工物の移植による副作用の心配がなく、順応性が高いことがメリットとして挙げられるが、術者の高いスキルが求められ、侵襲性も高い方法である。一方で、人工乳房による再建は自家組織による再建に比べ侵襲が少なく、手術部位を広げる必要がないため、現在約7割の患者が人工乳房再建術を選択している。 今回、新発売された「ナトレル410ブレスト・インプラント」は、アナトミカル型(しずく型)の人工乳房で、患者さんの胸部の形状とゲルの素材により204種類から選択可能となっている。昨年7月に保険適用となったラウンド型の人工乳房と合わせれば、選択肢は346種類にものぼる。 同社は、より患者さんの体型・ニーズに合わせることが可能になったことで、乳房再建術施行患者は年間約3,400人から、2020年には約6,000人に増えると見込んでいる。 乳がんは、乳房切除により長期予後が期待できるとはいえ、患者さんのQOLは少なからず低下してしまう。新たな人工乳房の登場により、女性がより女性らしく生きる選択肢が増えることにつながるのではないだろうか。アラガン・ジャパン株式会社

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脳梗塞を正中神経麻痺と誤診したケース

整形外科最終判決判例時報 1631号100-109頁概要右手のだるさ、右手関節の背屈困難を主訴に整形外科を受診し、右正中神経麻痺と診断された47歳男性。約3ヵ月間にわたってビタミン剤投与、低周波刺激による理学療法を受けたが目立った効果はなく、やがて右顔面のしびれも顕著となったため患者は別の総合病院内科を受診した。諸検査の結果、脳梗塞と診断されたが、右手の症状は改善されずに高度の障害が残存した。詳細な経過患者情報とくに既往症のない47歳男性経過1991年11月頃右手が少しだるく感じるようになる。12月12日近所の接骨院を受診、マッサージおよび電気治療を受ける。しかし右手のだるさは改善せず、やがて右手を伸ばすことができなくなり、右手第3-第5指も動かなくなったため整形外科受診を勧められる。1992年1月6日某病院整形外科受診。症状が右手に限局していたため、正中神経麻痺と診断してビタミン剤の注射および内服を指示した。連日の通院により右手が少し動くようになり、痛みも減少したが、依然として右手のだるさ、動かしにくさは残存した。1月21日第1指、第3指の屈曲は可能であったが、伸展は不完全であり、内転もできないことが確認されたので、ビタミン剤に加えて低周波刺激による理学療法が追加された。2月右上腕から前腕にかけてしびれ感、痛みが生じる。3月6日右握力13kg、左握力41kg3月16日右顔面にしびれ感が生じ医師に申告したが、診断・治療内容に変更なし。4月8日なかなか症状が改善されないため、別の総合病院内科を受診。諸検査の結果脳梗塞が疑われたため、入院を勧められる。4月9日この時はじめて担当の整形外科担当医師は、末梢神経系の異常のみならず中枢神経系の異常を疑って頭部CTスキャンを施行。その結果、左側頭葉に脳梗塞を確認し、入院治療を勧めた。しかし前日に別の総合病院からも入院の必要性を説明されていたので患者は入院を拒否。4月14日総合病院内科に入院。右手の握力低下、右頬のしびれ、右上腕の突っ張る感じは脳梗塞(左後側頭葉)の後遺症であり、すでに慢性期となっていたのでこれ以上の改善は期待できず、抗血小板抑制剤などを内服しながら自宅でのリハビリを指示された。また、入院中に頸椎の後縦靱帯骨化症を指摘されたが、部分的なもので占拠率は低く、症候的ではないと判断された。さらに頸部MRIでは第5-第6頸椎椎間板ヘルニアを指摘されたが、手術は不要と判断された。4月24日さらに別病院に入院して脳血管撮影施行。左頸動脈の一部に狭窄が確認された。6月13日脳梗塞による右手手指の機能の著しい障害に対し、身体障害者4級の認定を受けた。当事者の主張患者側(原告)の主張初診当初から脳血管障害を疑うべき中枢性運動障害があったのに、右手のしびれ、手指のIP関節、MP関節の局所症状を正中神経麻痺と誤診したため、脳梗塞に対する早期の内科的、外科的治療のチャンスを失い、脳梗塞が治癒せずに後遺障害が残った病院側(被告)の主張当初は右手関節の背屈不能、しびれ感を主訴に受診したため正中神経麻痺と診断した。その後次第に改善傾向にあり、4月9日になってはじめて「口がしびれる」と訴えたため頭部CTスキャンを施行し脳梗塞が確認されたので、診断の遅延はない(なおカルテには3月16日に顔面のしびれが出現と記載)画像所見の脳梗塞(後側頭葉大脳皮質1.3×3.0cm三角形の病変)は、運動領野と知覚領野にまたがるほど広範囲ではないため、上肢と顔面に障害が及ぶとは考えにくい中枢性運動障害(錐体路障害)では手指のIP関節、MP関節に限局した局所症状は起こり得ない大脳皮質の脳梗塞では疼痛は起こり得ないため、顔面のしびれを訴え始める前の原告の症状(右上肢のしびれや疼痛、運動障害)は後縦靱帯骨化症もしくは椎間板ヘルニアに起因する症状である裁判所の判断各病院のカルテ記載、原告の申告内容から判断して、右上肢の障害発症は平成3年11月ないし12月であり、初診当初から中枢性運動障害であって脳血管障害を疑うべき状態であった画像所見で問題となった左後側頭葉以外に、左内包後脚にも低吸収域を疑う病変がある(患者側鑑定人の意見を採用)。各病院で撮影したMRI上左内包後脚に病変を指摘できないからといって、本件の脳梗塞が左後側頭葉の大脳皮質に生じた小さなものと即断できない。MRIの読影には読影者の経験・技量によるものが大きい中枢性運動障害(錐体路障害)によって手指のIP関節、MP関節に限局した局所症状は起こり得ないとは限らない原告が訴えた右上肢の疼痛は、脳血管障害に起因する運動障害により四肢を動かさないことによる拘縮の痛みである可能性がある以上から、たとえ被告の専門が神経内科ではなく整形外科であったとしても、脳梗塞であったことに3ヵ月も気付かず正中神経麻痺の診断ならびに治療を継続したことは、医師として軽率であったとの誹りを逃れることはできない。原告側合計6,000万円の請求に対し3,999万円の判決考察本件では(1)発症時の年齢が47歳と脳梗塞のケースとしてはやや若年齢であったこと(2)初診時の症状が右上肢だけに限局し、それも手指のIP関節、MP関節の局所症状であり正中神経麻痺でも説明可能と思われるなど、脳梗塞としては非典型的であり、診断が困難なケースであったと思います。しかし、初診から約3ヵ月もビタミン剤を投与し続けてあまり効果が得られなかったことに加えて、右顔面のしびれという新たな症状を申告したにもかかわらず担当医師は取り合わなかったことは、注意義務違反とされても仕方がないと思います。裁判でもその点に注目していて、「カルテには日付および診察した医師名以外何も記載されていないことが多く、仮に記載されていたとしてもきわめて簡潔にしか記載されていない場合が多いので、原告が訴える症状が忠実にカルテに記載されていたかどうか疑問である」とされました。つまり、カルテの記載がお粗末な点をみて「きちんと患者を診ていないではないか」という判断が優先したような印象です。ことにこの病院では5名の医師が代わる代わる診察に当たっていて、一貫して症状を追跡していた医師がいなかったことも問題を複雑にしています。この5名の医師のなかにはアルバイトの先生も含まれていたでしょうから、そのような医師にとっては、いったん「正中神経麻痺」という診断がついて毎日のようにビタミン剤の注射や理学療法を受けている患者に対し、改めて検査を追加したり症状を細かくみるといったことは省略されやすいと思います。したがって、病院側の対応が遅れたという点に関しては同情する面もありますが、やはり患者の申告にはなるべく耳を傾けるようにしないと、予期せぬ事態を招くことになると思います。一方で、裁判官の判断にも疑問点がいくつかあります。1. この患者さんは脳梗塞にもっと早く気付いていたら本当に回復の可能性があったのでしょうか?本件では左後側頭葉大脳皮質に発生した3cm程度の「脳血栓」であり、脳血管撮影では(詳細な部位は不明ですが)左頸動脈に狭窄病変が確認されたとのことです。しかも発症は急激ではなく、初診の約2ヵ月前から「少し右手がだるい」という症状で始まりました。裁判所は脳梗塞の教科書的な説明を引用して、「脳梗塞の患者は発症初期から入院させ精神的かつ身体的安静を与え、脳梗塞とそれによる脳浮腫を軽減させるための薬物療法を行うとともにリハビリを開始し、慢性期には運動療法および脳循環代謝改善薬の投与などを行わなければ運動障害などの後遺症を回避することは困難である」ため、早く脳梗塞に気付かなかったのは病院側が悪い、残った後遺障害はすべて医者の責任だ、と短絡しています。脳梗塞を数多く診察されている先生ならばすでにお気づきのことと思いますが、脳梗塞はいったん発症すると完全に元に戻るような治療法はなく、むしろ再発予防のほうに主眼がおかれると思います。本件では発症が緩徐であったために初診時にはすでに1ヵ月以上経過していたため、裁判所のいうような「脳浮腫」は初診時にはほとんど問題にはなっていなかった可能性が高いと思います。つまり、最初から脳梗塞と診断されていたとしても結果はあまり変わらなかった可能性のほうが高いということです。2. 病院側の主張を否認するためにかなり強引な論理展開をしている点たとえば、「患者が主張した「右上肢の疼痛」は脳梗塞ではおきないので、この時の症状には後縦靱帯骨化症もしくは頸椎椎間板ヘルニアによるものと考えるのが妥当である」という病院側の主張に対し、「右上肢の疼痛は、脳血管障害に起因する運動障害により四肢を動かさないことによる拘縮による痛みである」と判断しています。もちろん、脳梗塞によって高度の片麻痺が生じた患者さんであれば、拘縮による疼痛がみられることもしばしば経験されます。しかし、本件ではあくまでも「軽度の運動障害、軽度の握力低下」を来した症例ですので、関節が拘縮して救急車を呼ばなければならないような痛みが出現するとは、とても思えません(痛みに対しては心因的な要素も疑われます)。また、「画像所見の脳梗塞は運動領野と知覚領野にまたがるほど広範囲ではないため、上肢と顔面に障害が及ぶとは考えにくい」という病院側の主張を、「MRIの読影には読影者の経験・技量によるものが大きい」ことを理由に退けているのはかなり恣意的な判断といわざるを得ません。このような納得のいかない判決に対しては、医学的に反論する余地も十分にあるとは思うのですが、カルテ記載などがお粗末で患者をよくみていない点をことさら取り上げられてしまうと、「医者が悪い」という結論を覆すのは相当難しいのではないかと思います(本件は第1審で確定)。整形外科

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09)体重増加を気づかせる説明法【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者最近、ベルトの穴が増えて、まずいなと思っています。医師すこし体重のことについて、教えてもらっていいですか?患者はい。医師20歳から体重は、何kgくらい増えましたか?患者20歳からですか・・・10kgぐらい増えました。医師10kgですね。10kgというと、どんな物を思い浮かべられますか?患者そうですね。お米ですかね。医師そうですね。他にもペットボトルなら5本分、赤ちゃんなら3人分というところでしょうか。患者そんなに体脂肪がついたのですね。医師日本人の年齢に伴う、体重増加の平均は男性は5kg、女性なら7kgぐらいだそうです。患者えっ、それなら、私は倍、増えていますね。少し体重を減らした方がいいですね。医師そうですね。ダイエット作戦を一緒に考えましょう。●ポイント身近なもので増えた体重を実感してもらうと、危機感がつのります

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夜間血圧は慢性腎臓病の発症に関連~大迫研究

 自由行動下血圧は標的臓器障害との関連が報告されているが、慢性腎臓病(CKD)発症の予測に意味を持つかどうかは確認されていない。仙台社会保険病院の菅野 厚博氏らは、大迫研究(Ohasama Study)において、一般の日本人843人のベースライン時の自由行動下血圧とCKDの発症率との関連を検討した。その結果、夜間血圧がCKD発症の予測因子として日中の血圧より優れており、CKDへの進行リスクの評価には自由行動下血圧測定が有用と考えられることを報告した。Journal of hypertension誌2013年12月号に掲載。 著者らは、ベースライン時にCKDを発症していなかった一般の日本人843人について、自由行動下血圧を測定し、その後のCKD[尿蛋白陽性もしくは推算糸球体濾過量(eGFR)60mL/分/1.73m2未満]の発症率を調べた。ベースライン時の自由行動下血圧とCKD発症率との関連について、性別、年齢、BMI、習慣的な喫煙、習慣的な飲酒、糖尿病、高コレステロール血症、心血管疾患の既往、降圧薬の服用、ベースライン時のeGFR、フォローアップ検査回数、ベースライン検査の年について調整したCox比例ハザード回帰モデルを用いて解析した。 主な結果は以下のとおり。・参加者の平均年齢は62.9±8.1歳で、71.3%が女性、23.7%が降圧薬を服用していた。・追跡期間中央値は8.3年で、その間に220人がCKDを発症した。・日中および夜間の収縮期血圧の1標準偏差増加によるCKDの調整ハザード比は、それぞれ、1.13(95%CI:0.97~1.30)、1.21(95%CI:1.04~1.39)であった。・日中と夜間の血圧を同じモデルに相互に調整した場合、夜間血圧のみがCKDの独立した予測因子のままであった。

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慢性C型肝炎のIFNフリー療法/NEJM

 慢性C型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型1型、2型または3型の患者について、ダクラタスビル(承認申請中)+ソホスブビル(国内未承認)の1日1回経口併用療法が、高率のSVR(持続性ウイルス学的著効)を達成したことが報告された。米国・ジョンズ・ホプキンス大学のMark S. Sulkowski氏らが行った、211例の患者(前治療無効例を含む)を対象としたオープンラベル試験の結果で、治療終了後12週時点のSVRは各遺伝子型患者群で89~98%であったという。NEJM誌2014年1月16日号掲載の報告より。1日1回経口ダクラタスビル(60mg)+ソホスブビル(400mg)投与について検討 試験は、慢性HCV遺伝子型1型で未治療(126例)または前治療[テラプレビル(商品名:テラビック)もしくはボセプレビル(国内未承認)]無効(41例)、および未治療の遺伝子型2型(26例)または3型(18例)の計211例の患者を非盲検下に無作為に10投与群に割り付けて行われた。 検討されたのはダクラタスビル(1日1回経口60mg、DCV)+ソホスブビル(1日1回経口400mg、SOF)の12週投与または24週投与であった。12週投与の検討は、未治療の遺伝子型1型患者82例を対象に、リバビリン(商品名:コペガスほか、RBV)の有無別に無作為化して行われた(2投与群)。残りの患者は、24週DCV+SOF(未治療・前治療無効患者対象、3投与群)、24週DCV+SOF+RBV(同、3投与群)、1週SOF投与後に23週DCV+SOF(未治療患者のみ、2投与群)に無作為に割り付けられ評価を受けた。 主要エンドポイントは、治療終了後12週時点でのSVR(HCV RNA値<25 IU/mLと定義)だった。治療終了後12週時点でいずれも高いSVR 試験薬治療後12週時点のSVRは、遺伝子型1型のうち未治療例98%、同前治療無効例98%、また遺伝子型2型の患者では92%、同3では89%であった。 なかでも、サブタイプ1a(98%)、1b(100%)、IL28B遺伝子型CC(93%)、同非CC(98%)で高いSVRが認められた。 RBV投与の有無別では、投与を受けた人(計90例)のSVRは94%、受けなかった人(計121例)は同98%だった。 有害イベントで最も頻度が高かったのは、疲労、頭痛、悪心だった。

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