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膠芽腫へのベバシズマブ上乗せ、無増悪生存は改善したが/NEJM

 新たに診断された膠芽腫患者の治療において、標準治療のテモゾロミド(商品名:テモダール)+放射線療法に、ベバシズマブ(同:アバスチン)を追加しても、生存期間は延長しないことが、フランス・エクス=マルセイユ大学のOlivier L. Chinot氏らによる第3相無作為化プラセボ対照試験の結果、示された。テモゾロミドに放射線療法を追加する現在の標準治療は2005年に導入されたが、予後のさらなる改善は報告されていなかった。研究グループは、第1/2相試験において、再発例および新規診断例に対するベバシズマブの上乗せ効果が期待できる結果が得られたことから、今回、新規診断例に対するプラセボとの比較による第3相試験を行った。NEJM誌2014年2月20日号掲載の報告。無作為化試験で無増悪生存と全生存を評価 試験は、テント上膠芽腫の患者を対象に行われた。患者は、ベバシズマブ静注(10mg/kg体重、2週ごと)群またはプラセボ群に無作為に割り付けられ、放射線療法(2Gyを週5日、最大60Gy)+経口テモゾロミド(75mg/m2体表面積/日)との併用治療を6週間にわたって受けた。28日間の治療中断後、テモゾロミド(150~200mg/m2/日、5日間)+ベバシズマブ静注(10mg/kg体重、2週ごと)またはプラセボの併用による維持療法を6サイクル(1サイクル4週間)受けた。その後、増悪もしくは忍容できない毒性作用発現まで、ベバシズマブ静注単独療法(15mg/kg体重、3週ごと)またはプラセボの投与が続けられた。 主要エンドポイントは2つで、試験担当医評価による無増悪生存と全生存だった。 2009年6月~2011年3月の間に23ヵ国120施設で921例の患者が登録され、458例がベバシズマブ群に、463例がプラセボ群に割り付けられた。ベースライン時の両群の患者背景はバランスがとれていた。無増悪生存期間は改善するも、全生存は改善せず、有害事象の頻度も高い 結果、無増悪生存期間の中央値は、ベバシズマブ群がプラセボ群より長かった(10.6ヵ月vs. 6.2ヵ月、増悪または死亡の層別化ハザード比[HR]:0.64、95%信頼区間[CI]:0.55~0.74、p<0.001)。無増悪生存に関するベネフィットは、サブグループ全体(メチル化・非メチル化MGMT別などを含む)で観察された。 一方、全生存は、両群で有意差がみられなかった(死亡の層別化HR:0.88、95%CI:0.76~1.02、p=0.10)。ベバシズマブ群とプラセボ群それぞれの全生存率は、1年時点72.4%と66.3%(p=0.049)、2年時点33.9%と30.1%(p=0.24)であった。 ベースライン時の健康関連QOLおよびパフォーマンスステータスは、ベバシズマブ群のほうがより長期間維持した。また、糖質コルチコイドを必要とした患者が、より少なかった。 有害事象に関して、grade 3以上の発現患者がベバシズマブ群のほうが多く(66.8%vs. 51.3%)、grade 3以上の有害事象はベバシズマブと関連している頻度が高かった(32.5%vs. 15.8%)。

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鼻炎患者のPADリスク、4.63倍

 イタリア・ヴェローナ大学のM. Ferrari氏らによる成人1,174例を対象とした住民ベースの多症例コントロール研究の分析から、鼻炎が、将来の脳・心血管イベントを予測する末梢動脈疾患(PAD)と関連していることが示された。対象者は呼吸器疾患サーベイの参加者で、呼吸器疾患と間欠跛行との関連を調べた結果、鼻炎と間欠跛行の有意な関連がアトピー性皮膚炎とは独立してみられたという。喘息のみ患者や、喘息と鼻炎の併発患者では関連は有意ではなかったことも示されている。Allergy誌オンライン版2014年1月21日号の掲載報告。 先行研究において、慢性の炎症性気道疾患は心臓や脳の血管系疾患と関連していることが報告されたが、PADとの関連は検討されていなかった。そこで研究グループは、喘息や鼻炎と、PADの典型的症状である間欠跛行との関連を調べた。 住民ベースの多症例コントロール研究であった呼吸器疾患サーベイから、遺伝子‐環境因子を連関してデータを集め分析した。被験者は、面談、皮膚プリックテスト、肺機能検査を受けていた。 呼吸器疾患と間欠跛行(歩行中に痛みを感じ、休むと10分以内に消えるなど)の関連を、多項ロジスティック回帰モデルによる相対リスク比(RRR)により推定した。 主な結果は以下のとおり。・1,174例(20~64歳、女性52%)が臨床検査を受け、喘息のみ群(81例)、喘息と鼻炎の併発群(292例)、鼻炎のみ群(299例)、対照群(345例)の4グループに分類された。・各群の間欠跛行有病率は、喘息のみ群2.5%、喘息‐鼻炎群3.4%、鼻炎のみ群6.4%、対照群2.3%であった。・喫煙習慣、複数の血管リスク因子(確立された潜在因子)で補正後、鼻炎のみと間欠跛行との関連がみられた(RRR:4.63、95%信頼区間[CI]:1.72~12.5)。一方で、喘息のみ(同:1.45、0.27~7.76)、喘息‐鼻炎(同:2.89、0.91~9.18)では有意な関連がみられなかった。・鼻炎と間欠跛行の関連は、アトピー性皮膚炎を考慮しても変わらなかった。・鼻炎は、将来的な脳血管・心血管疾患を予測するPADと関連していることが示され、その関連はアトピー性皮膚炎の存在とは独立したものであった。

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アトピー性皮膚炎のかゆみの評価に期待される「ひっかき音検出システム」

 三重大学大学院工学研究科物理工学科准教授・野呂雄一氏、同医学系研究科皮膚科学教授・水谷仁氏らは、アトピー性皮膚炎など、かゆみ(そう痒)の定量的な分析法について、腕時計型の機器を用いて夜間に数分間記録するだけで評価が可能な、「ひっかき音検出システム」を開発した。ADやかゆみの治療法開発において、新たな客観的評価ツールになりうるという。Journal of Dermatology誌オンライン版2014年2月10日号の掲載報告。 ADを含む皮膚そう痒症患者において、かゆみの定量的分析は、疾患活動性や治療反応を評価するために不可欠なものである。しかし、現状のかゆみの客観的評価システムは限定的なものである。 研究グループは、腕時計型音声検出による、新たな客観的・定量的ひっかき行動検出システムを開発した。 主な開発に関する報告は以下のとおり。・新たに開発したシステムは、手首上で検出したひっかき音を、特異的装置でフィルタリングし、雑音を低減化したのちPCへと記録するものである。・記録された音声データはその後自動的に、周期性とエネルギーをベースとした特異的ソフトウェアで、ひっかき行動について処理・判定されるというものである。・このシステムについて、健常ボランティアとAD患者計24例を対象に、同時に記録したビデオ分析評価システムとの比較を行った。・結果、両者で比較した睡眠時のひっかき行動の割合は、ほぼ同一であった。・健常被験者のひっかき行動は、6時間中約2分間であった。一方、AD患者は24分間であった。・これらの結果を踏まえて著者は、「ビデオ分析システムは時間がかかるが、対照的にわれわれの開発したシステムは夜間記録について数分で処理が可能である。かゆみの新たな客観的評価ツールとして、ADやかゆみ治療の開発に役立つことが期待できる」とまとめている。

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統合失調症の殺人再犯率は公表データよりも低い

 オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のAndrei Golenkov氏らは、統合失調症を有する殺人者の殺人再犯率を推定することを目的とした、システマティックレビューとメタ解析を行った。その結果、公表されている報告が示唆するよりも統合失調症殺人者の殺人再犯性は低いことが示唆されたという。BMC Psychiatry誌オンライン版2014年2月18日号の掲載報告。 本検討は、Medline、PsychINFO、Embaseをソースとして、1960~2013年11月に発表された殺人と統合失調症の関連研究についてシステマティックレビューとメタ解析を行った。分析では公表データに、論文執筆者から入手した未公表データを加え、ランダムエフェクトメタ解析にて、殺人再犯率のプール推定値を算出した。 主な結果は以下のとおり。・統合失調症を有する殺人者の早期殺人再犯率を報告していた研究は3件で、それぞれ4.3%、4.5%、10.7%であったと報告していた。・未公表のデータは11件の研究各著者から入手できた。11件は、1980~2013年に英語で発表された統合失調症を有する殺人者に関する研究であった。そのうち2件は再度の殺人を犯した1例をそれぞれ報告しており、9件では報告はなかった。・試験間の殺人再犯率のバラツキは大きかった(I-square=79)。・統合失調症を有する殺人者の早期殺人再犯率(いずれの試験でも図示はされていなかった)のプール推定値は、2.3%(95%信頼区間[CI]:0.07~7.2%)であった。・公表データからの殺人再犯率のプール推定値は8.6%(95%CI:5.7~12.9%)であったが、個別に提供されたデータからのプール推定値は0.06%(同:0.02~1.8%)で、前者の推定値との間に10倍以上の開きがあった。・以上から著者は、「司法権が及ぶ大半の区域において、統合失調症を有する人の殺人の再犯性は、公表されているほど一般的ではない」と結論している。また、研究間の殺人再犯率のバラツキの理由は不明であるが、「大半の区域で、釈放後の長期にわたるきちんとした治療と監督が殺人の再犯防止に効果を発揮していると思われた」と述べ、「前向きな大規模集団または複数地域での長期にわたる研究を行うことで、統合失調症の人による殺人の再犯リスクをより正確に推定できると思われる」とまとめている。関連医療ニュース 統合失調症患者を発症前に特定できるか:国立精神・神経医療研究センター 若年発症統合失調症への第二世代抗精神病薬治療で留意すべき点 精神疾患患者は、何を知りたがっているのか

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チオトロピウム、軽症から重症までの喘息に対する有効性示す~2014年度米国アレルギー・喘息・免疫学会議(AAAAI2014)~

※チオトロピウム レスピマットは、現在喘息の治療薬として承認されていないのでご留意ください。 2014年3月1日、米国サンディエゴで開催された2014年度米国アレルギー・喘息・免疫学会議(AAAAI)で、チオトロピウムの新たな第3相試験結果第3相試験GraziaTinA-asthmaの結果が発表され、低用量の吸入ステロイド薬による維持療法を受けてもなお、コントロールが不十分な喘息患者において、チオトロピウムレスピマットが肺機能を改善し、忍容性も良好であったことが示された。 GraziaTinA-asthma試験の筆頭著者であるピサ大学呼吸器内科准教授Prof. Pierluigi Paggiaro氏は、現在の治療選択肢をもってしてもなお、喘息患者の少なくとも40%がコントロール不十分で、喘息増悪リスクが高まることがあるため、あらゆる重症度の喘息患者において、新しい治療選択肢の安全性と有効性を検討することが重要であると述べた。 同学会では、GraziaTinA-asthma以外のチオトロピウムの気管支喘息についての大規模試験結果も報告されている。中等症を対象とした第3相試験MezzoTinA-asthmaの新たなサブ解析結果からは、中用量の吸入ステロイド薬による維持療法を受けてもコントロールが不十分な喘息患者において、チオトロピウムの1日1回の追加投与は、アレルギーの有無に関わらず、気道の閉塞を抑制することが示された。 重症例を対象とした第3相試験PrimoTinA-asthmaのサブ解析結果からは、吸入ステロイド薬/長時間作用性β刺激薬の併用治療を受けてもなお、コントロールが不十分な喘息患者において、チオトロピウムの1日1回の追加投与が、ロイコトリエン受容体拮抗薬の併用の有無に関わらず、肺機能を改善することが示された。 これらの試験結果から、ベーリンガーインゲルハイムは、チオトロピウムレスピマットがあらゆる重症度の喘息において、有効かつ忍容性が良好であることが示されたと発表した。ベーリンガーインゲルハイムのプレスリリースはこちら

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The long and winding road(コメンテーター:岡村 毅 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(180)より-

すでにご承知とは思うが、アルツハイマー型認知症とは認知症の原因疾患の中で最も多くを占める代表的認知症疾患である。脳内にアミロイドβ蛋白が蓄積し、そののちにリン酸化タウ蛋白が蓄積することが病態生理の中心とされている。これはアミロイドカスケード仮説などと呼ばれる。私達がすでに使っているドネペジルなどの認知症治療薬は、この病態仮説とはあまり関係がない「対症療法薬」にすぎない。 そこで現在、このアミロイドカスケードの病態の本丸に作用する薬が開発されている・・・というのが、これまで患者さんや家族にしていた大体の説明である。これからは「しかし、それは完全に失敗している」と付け加えなければならないかもしれない。このBapineuzumabに関しては、APOEの有無を考慮し2つのフェーズ3トライアルを施行したものの、いずれも認知機能に差が出ないという完全なる敗北である。ADNI研究が明らかにしたように、前駆期にすでにアミロイドの病理は完成しており、発症以降の介入は無理があるのかもしれない。絶望的なまでに大きな課題が残された。 よく言われることだが、認知症はこれから私達の社会が直面する最重要の課題である。経済負担も膨大である。病院中心から地域包括ケアへ、急性期から慢性期へ、生命維持から質を考慮した終末期医療へ、などの医療体制の大転換も必要そうだ。 つまり、私たちの社会の総力戦なのである。その中で私達の精鋭部隊(神経学や薬学の優秀な研究者の皆さん)を投入したアミロイド戦線は大いに異状ありということだ(私は平和主義者であるが、わかりやすくするための比喩としてこのような表現を許していただきたい)。今後は根本治療薬の開発の揚げ足を取るような動きもあるかもしれない。しかし、私は「世界中の薬学・神経学者の皆さん、雑音に惑わされず、頑張って!」と声を大にして応援したい。未来の患者さんたちの幸福のために日夜自己犠牲をいとわず働いている研究者の方が意気消沈してしまうことを危惧する。根本治療薬は、すでに30代半ばの私にはおそらく恩恵のない話であるが、私の子供の世代の認知症予防にはきっと役立つだろう。 私は認知症ケアや社会的排除の研究者の端くれであるが、今回のBapineuzumabの敗戦を見て、薬学・神経学の戦友たちに心からのエールを送りたい。社会的支援に関しては、例えばホームレス支援団体が斬新なモデルで高齢者地域支援を始めるなど、イノベーションがおきつつある。しかし創薬を疎かにしてはならない。(くどいようだが)総力戦なのである。嵐の夜もあるかも知れないが、根本治療薬という長く困難な道は、きっと患者さんの幸福に辿り着く道である。

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ベジタリアンの食事パターンが血圧降下と関連~39報のメタ解析

 これまで、ベジタリアンの食事パターンが血圧降下と関連していることがいくつかの研究で示唆されているが、逆の研究結果も報告されており、関係は十分に確立されていない。今回、国立循環器病研究センター予防医学・疫学情報部の西村 邦宏氏らの研究チームは、ベジタリアンの食事パターンと血圧との関連を検討した介入研究と観察研究を系統的に検索し、メタ解析を実施した。その結果、肉類の摂取を制限し、野菜、大豆を中心とした豆類、豆腐、精製していない全粒穀物などの植物性の食品を中心とするベジタリアン型の食事摂取と血圧降下とが関連していることが明らかになった。このことより、高血圧に対する非薬物療法のひとつとして、ベジタリアンの食事パターンが有効である可能性が示唆された。JAMA Internal Medicine誌オンライン版2014年2月24日号に掲載。 研究チームでは、MedlineおよびWeb of Scienceにそれぞれ1946年~2013年10月、1900年~2013年11月に掲載された英文論文を系統的・網羅的に検索した。得られた258論文のうち、参入・除外基準を満たした介入研究7報と観察研究32報から、研究デザイン、対象集団のベースラインの特性、食事データ、結果を含むデータを収集し、ランダム効果モデルを用いてプール、メタ解析を実施した。 主な結果は以下のとおり。・介入研究7報(合計311人、平均年齢44.5歳)の解析の結果、ベジタリアンの食事パターン群はコントロール群と比較し、平均収縮期血圧で4.8 mmHg(95%CI:-6.6~-3.1、p<0.001、I2=0、異質性のp=0.45)、平均拡張期血圧で2.2 mmHg(95%CI:-3.5~-1.0、p<0.001、 I2=0、異質性のp=0.43)低く、ともに血圧降下と関連していた。・観察研究32報(合計2万1,604人、平均年齢46.6歳)の解析においても、ベジタリアンの食事パターン群はコントロール群と比較し、平均収縮期血圧で6.9 mmHg(95%CI:-9.1~-4.7、p<0.001、I2=91.4、異質性のp<0.001)、平均拡張期血圧で4.7 mmHg(95%CI:-6.3~-3.1、p<0.001、I2=92.6、異質性のp<0.001)低く、ともに血圧降下と関連していた。

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避難所で発症した消化性潰瘍、約9割が出血性―東日本大震災後の症例対照研究

 避難所生活は、大規模災害後における出血性潰瘍の強力なリスク因子であることが、東北大学大学院の菅野 武氏らによる研究で明らかになった。著者らは「大規模災害時には、酸抑制薬を使用するなど、ストレス誘発性消化性潰瘍を減少させることが重要である」と結論づけている。Journal of gastroenterology誌オンライン版2014年2月15日号の報告。 著者らは以前、東日本大震災後の消化性潰瘍の症例数が前年に比べ1.5倍、出血性潰瘍の症例数が2.2倍に増加したことを報告した。本研究では、東日本大震災後の出血性潰瘍のリスク因子について検討した。 被災地の主要7病院において、震災後3ヵ月間で内視鏡的に消化性潰瘍と診断されたすべての患者のカルテをレトロスペクティブに検討した。対象を内視鏡的所見および検査所見に基づいて、出血性潰瘍の227例と出血性ではない102例に分けた。出血性潰瘍の一般的なリスク因子に加え、地震後特有の交絡因子として避難所生活についても分析に含めた。潜在的な交絡因子を調整するため、多重ロジスティック回帰分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・消化性潰瘍患者329例のうち、87例(27%)が避難所生活を送っていたことが明らかになった。・避難所で発症した消化性潰瘍の大多数(87例中76例)は、出血性であった。・多変量回帰分析の結果、避難所生活は出血性潰瘍の強力なリスク因子であった(オッズ比[95%CI]:4.4[2.1~9.6]、p<0.0001)が、潰瘍疾患の進行度とは独立していた。

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慢性疼痛の新規発症に性別や職業が関与?:慶應義塾大学

 2010年にわが国で行われた疫学調査において、筋骨格系慢性疼痛の有症者の多くは1年以上の治療歴があるにもかかわらず治療効果は不十分で、日常生活の質に悪影響を及ぼしている実態が明らかとなった。この結果を受けて慶応義塾大学医学部整形外科の准教授・中村雅也氏らは、2011年に再調査を行い、慢性疼痛の新規発症には性別や職業などが関与しており、腰痛は疼痛継続の危険因子であることなどを示した。疼痛継続者の治療に対する満足度は低く、高リスク者への対策が必要とまとめている。Journal of Orthopaedic Science誌オンライン版2014年2月7日付の報告。 研究グループは、わが国における筋骨格系慢性疼痛の新規発症率や継続率と、これらに関わる因子について検討する目的で、2010年に実施した疫学調査の対象者(全国から無作為に抽出した18歳以上の1万1,507例)に、再度、質問票を郵送し、慢性疼痛の有無や治療の状況などを調査した。 2010年の調査で慢性疼痛があると回答した1,717例中85%、慢性疼痛がないと回答した6,283例中76%から回答を得た。 主な結果は以下のとおり。・筋骨格系慢性疼痛の新規発症率は、11.1%であった。・新規発症に関与する因子は、女性、職業(専門職、管理職、事務/技術職)、BMI 25以上、飲酒者・喫煙者、高学歴者であった。・慢性疼痛の継続率は、45.2%であった。・疼痛継続に関与する因子は、疼痛強度の強さ(VASスコアが7以上)、5年以上の疼痛継続、腰痛であった。・慢性疼痛継続者の80%以上で治療歴があり、調査時点で約30%がまだ治療を受けていたが、残りの50%は疼痛があるにもかかわらず治療を中止していた。

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若年男性のうつ病予防、抗酸化物質が豊富な食事を取るべき

 男子大学生を対象としたケースコントロール研究の結果、うつ病の学生は果物、マメ科植物、ナッツ・種子類、ビタミンC、βカロテン、ルテインなど抗酸化物質を含む食事の摂取が、健常人と比較して少ないことが明らかになったという。イラン・Jundishapur University of Medical SciencesのMohammad Prohan氏らが、うつ病患者にみられる酸化ストレスや炎症の亢進が食事に起因しているか否かを明らかにすることを目的に検討を行い報告した。Redox Report誌オンライン版2014年2月14日号の掲載報告。 うつ病症例における食事と血清中の抗酸化状態との関連を評価することを目的としたケースコントロール研究は、男子大学生60例(うつ病と診断された30例とマッチさせた健常対照30例)を対象に行われた。ベックうつ病自己評価尺度II(BDI-II)を用いて大うつ病性障害(MDD)の診断を行い、食事の状況については、半定量的食物摂取頻度調査票と2日間24時間の食事内容を思い出してもらうことで評価した。さらに、血清総抗酸化能(TAC)および高感度C反応性蛋白(hs-CRP)濃度を測定した。 主な結果は以下のとおり。・MDD群は対照群に比べ、果物(p<0.05)、マメ科植物(p<0.001)、ナッツ・種子類(p=0.003)、ビタミンC(p=0.005)、βカロテン(p<0.001)、ルテインおよびゼアキサンチン(p=0.006)の摂取が少なかった。・うつ病群は対照群に比べ、血清TAC濃度が低かった(p<0.05)。・血清hs-CRP濃度および食事中TACレベルに、2群間で有意差は認められなかった。・うつ病の学生は抗酸化物質を含む食事の摂取が有意に少なかったが、食事中TACおよび血清hs-CRP濃度においては健常人と有意な差は認められなかった。抗酸化物質を豊富に含む食事の摂取が、男子学生に奨励される。■関連記事日本人のうつ病予防に期待、葉酸の摂取量を増やすべき1日1杯のワインがうつ病を予防少し歩くだけでもうつ病は予防できる

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膠芽腫の1次治療、ベバシズマブの上乗せ効果示せず/NEJM

 新たに診断された膠芽腫患者の治療において、標準治療にベバシズマブ(商品名:アバスチン)を追加しても、全生存期間(OS)の延長は得られないことが、米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのMark R Gilbert氏らの検討で示された。現在、北米における膠芽腫の新規診断例に対する標準治療は、テモゾロミド(同:テモダール)+放射線療法の同時併用療法後にテモゾロミドによる維持療法を行うアプローチである。ベバシズマブは血管内皮細胞増殖因子A(VEGF-A)に対するヒト化モノクローナル抗体で、再発膠芽腫の治療薬として承認されているが、新規診断例の標準治療への上乗せ効果は明らかにされていなかった。NEJM誌2014年2月20日号掲載の報告。ベバシズマブの上乗せ効果を無作為化試験で評価 研究グループは、膠芽腫の1次治療におけるベバシズマブの上乗せ効果を検討する二重盲検プラセボ対照無作為化試験を実施した。対象は、年齢18歳以上、新規に診断され中央判定で確定診断がなされた膠芽腫(WHO分類Grade IVの星状細胞腫)で、全身状態が良好(Karnofskyスコア≧70)な患者とした。 全患者に標準治療として放射線療法(60Gy)+テモゾロミド(連日投与)が施行された。放射線療法の4週目にベバシズマブ(10mg/kg、2週ごと)またはプラセボの投与を開始する群に無作為に割り付け、最大12サイクルの維持療法中も投与を継続した。病態が増悪した時点で、患者と担当医に割り付けられた治療を知らせ、ベバシズマブ治療の開始または継続を可能とした(クロスオーバー)。 2つの複合主要エンドポイント(ベバシズマブ追加による死亡リスクの25%の低下、増悪または死亡リスクの30%の低下)について評価を行った。PFSは有意に延長したが、リスクの30%低下には達せず 2009年4月~2011年5月までに登録された978例のうち637例が無作為割り付けの対象となり、ベバシズマブ群に320例が、プラセボ群には317例が割り付けられた。患者背景は両群間でバランスがとれていた。 OS中央値は、ベバシズマブ群が15.7ヵ月、プラセボ群は16.1ヵ月であり、両群間に有意な差は認めなかった(ベバシズマブ群の死亡のハザード比[HR]:1.13、95%信頼区間[CI]:0.93~1.37、p=0.21)。 無増悪生存期間(PFS)中央値は、ベバシズマブ群が10.7ヵ月とプラセボ群の7.3ヵ月に比べ有意に21%延長した(ベバシズマブ群の増悪または死亡のHR:0.79、95%CI:0.66~0.94、p=0.007)が、エンドポイントである30%には達しなかった。 ベバシズマブ群では、プラセボ群に比べ化学放射線療法中の高血圧、血栓塞栓イベント、消化管穿孔の発生率、好中球の減少率がわずかながら上昇した。また、臨床ベネフィットの評価では、ベバシズマブ群で症状の負荷の増大、QOL低下、神経認知機能低下の頻度が経時的に上昇した。 これらの結果を踏まえ、著者は「膠芽腫の新規診断例に対する1次治療において、標準治療にベバシズマブを追加してもOSは改善せず、PFSは延長したものの事前に規定された目標値には達しなかった」とまとめている。

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早期の緩和療法、進行がん患者の終末期の満足度を改善/Lancet

 進行がん患者に対する早期の緩和療法による介入は、がん治療のみの場合に比べ全般的にQOLや患者満足度を改善する傾向がみられることが、カナダ・トロント大学のCamilla Zimmermann氏らの検討で示された。進行がん患者はQOLが低下し、終末期に向かって増悪する傾向がみられる。従来のがん緩和医療の観点からは、がん治療と緩和治療の共同介入は最終末期に限定されていたが、最近は早期の総合的な介入によりQOLや患者満足度の改善がもたらされる可能性が示唆されている。Lancet誌オンライン版2014年2月19日号掲載の報告。早期介入が患者QOLに及ぼす影響をクラスター無作為化で評価 本研究は、進行がん患者のQOLに及ぼす有効性を評価するクラスター無作為化対照比較試験であり、2006年12月1日~2011年2月28日にカナダ・トロント市のプリンセス・マーガレットがんセンターの研究グループによって実施された。 24の腫瘍内科クリニックが、その規模および腫瘍部位(肺、消化管、泌尿生殖器、乳房、婦人科)で層別化のうえ、標準的ながん治療に加え緩和治療チームによる月1回以上のコンサルテーションとフォローアップを行う群(介入群)または標準的ながん治療のみを行う群(対照群)に1対1の割合で割り付けられた。対象は、全身状態(PS ECOG)が0~2で、6~24ヵ月の臨床予後が期待される進行固形がんの外来患者であった。 主要評価項目は、ベースラインから3ヵ月後までの慢性疾患療法機能評価の精神的満足度(FACIT-Sp、スコアが高いほど良好)スケールの変化とした。副次評価項目は、4ヵ月後のFACIT-Spおよび3、4ヵ月後の終末期QOL(QUAL-E、スコアが高いほど良好)、症状の重症度(ESAS、スコアが高いほど不良)、治療満足度(FAMCARE-P16、スコアが高いほど良好)、患者-医療者間の相互関係の問題(CARES-MIS、スコアが高いほど不良)などであった。QUAL-EとFAMCARE-P16は、3、4ヵ月後にいずれも有意に改善 各群に12施設ずつが割り付けられ、461例(介入群228例、対照群233例)が登録された。患者背景は、介入群が平均年齢61.2歳、女性59.6%、積極的化学療法を受けていたのは76.3%で、対照群はそれぞれ60.2歳、53.6%、78.1%であり、対照群で泌尿生殖器がんが多かった(11.8 vs 21.9%)以外は両群間に差はなかった。このうち393例(192例、201例)が評価可能であった。 3ヵ月後の両群間のFACIT-Spスコアの変化の差は3.56ポイント(95%信頼区間[CI]:-0.27~7.40、p=0.07)であり、有意差は認めなかった。3ヵ月後のQUAL-Eスコアの差は2.25ポイント(同:0.01~4.49、p=0.05)、FAMCARE-P16スコアの差は3.79ポイント(同:1.74~5.85、p=0.0003)で、いずれも介入群で有意に良好であったが、ESAS(群間差:-1.70、95%CI:-5.26~1.87、p=0.33)およびCARES-MIS(同:-0.66、-2.25~0.94、p=0.40)には差はみられなかった。 4ヵ月後は、FACIT-Sp(スコアの変化の群間差:6.44ポイント、95%CI:2.13~10.76、p=0.006)、QUAL-E(同:3.51ポイント、1.33~5.68、p=0.003)、ESAS(同:-4.41ポイント、-8.76~-0.06、p=0.05)、FAMCARE-P16(同:6.00ポイント、3.94~8.05、p<0.0001)はいずれも介入群で有意に優れており、CARES-MIS(同:-0.84ポイント、-1.91~0.22、p=0.11)は介入群で良好な傾向を認めたものの有意差はなかった。 著者は、「主要評価項目である3ヵ月後のFACIT-Spスコアに基づくQOLには有意な改善効果はみられなかったものの、全般的に進行がん患者に対する早期緩和療法の有効性を支持する有望な知見が得られた。現在、コスト解析を進めており、医療経済的側面からの意義も確立されるだろう」としている。

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高血圧は認知症の原因に

Dr.桑島の高血圧をわかりやすく説明できるスライド認知症 にも高血圧は大きく関係!メモ高血圧はアルツハイマーと並んで、認知症の2大原因です。高血圧によって脳の血管が詰まると(脳卒中)、脳血管性の認知症が起きやすくなります。監修:東京都健康長寿医療センター顧問 桑島 巌 氏Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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家庭血圧を測定することが大切

Dr.桑島の高血圧をわかりやすく説明できるスライド血圧は、寿命 占いメモ血圧が高くなるにつれて、死亡率が増えていくことが知られています。命占いの当たる確率は、家庭血圧が一番高く、次に診察室で医師が測る血圧の順番です。家庭で普段の血圧を測ることが、自分の命を守る秘訣です。監修:東京都健康長寿医療センター顧問 桑島 巌 氏Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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同じ時間帯での家庭血圧がより正確

Dr.桑島の高血圧をわかりやすく説明できるスライド血圧は、正しく測って一件落着!メモ血圧は、病院で測ってもらうのが一番良いというわけでありません。毎日の生活の中で時間帯を決めて、家庭の血圧計でリラックスして測るほうが、より正しい血圧を知ることができます。監修:東京都健康長寿医療センター顧問 桑島 巌 氏Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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家庭血圧の正しい測り方

Dr.桑島の高血圧をわかりやすく説明できるスライド家庭血圧計 の正しい使い方をマスターしよう!メモ家庭血圧計は誤差の少ない「上腕型」がおすすめ。上腕の心臓と同じ高さで測りましょう。ワイシャツやブラウスの上からでもOK。シワには注意。毎朝、起きて30分~1時間の間に測るのがベスト。腕を入れてから2~3分後に2回測定し、2回目を記録しましょう。監修:東京都健康長寿医療センター顧問 桑島 巌 氏Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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30~50代の女性に多いリウマチ

【関節リウマチ】発症のピークは30~50代女性に多く、男女比は「1:4」メモ日本では300人に1人が発症。患者数は70万~100万人。女性に多い理由は不明だが、女性ホルモンや免疫のしくみが関与していると考えられている。監修:慶應義塾大学医学部リウマチ内科 金子祐子氏Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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リウマチの原因

【関節リウマチ】決定的な原因は、いまだ不明メモ関節リウマチの原因はいまだ明確になっていない。複数のリスク因子がからみ合って異常な免疫反応が起こり、発病にいたる。主なリスク因子は、遺伝、ウイルス感染、女性ホルモン、化学物質、ストレスなど。監修:慶應義塾大学医学部リウマチ内科 金子祐子氏Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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リウマチの初期症状

【関節リウマチ】関節リウマチの初期症状は感冒や疲労と誤解されることがあるメモ関節リウマチのごく初期の症状は、「だるい」、「熱っぽい」、「なんとなく節々が痛む」など、疲労や感冒と誤解されることがある。初期の自覚症状として気づきやすいのは、起床時の手足の「こわばり」や「はれ」である。監修:慶應義塾大学医学部リウマチ内科 金子祐子氏Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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