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服の着脱におけるアドバイス

認知症患者さんのご家族へのアドバイス衣服の着脱着脱の失敗は「考えれば着方がわかるかもしれないが、やってみてもできない失行という症状」である。多くのことを並列して指示するとわからなくなるので、1つ1つ直列方式で指示することが望ましい。「複雑なことを先に、簡単なことは後で」が基本。中等度以上になると、声かけしながら動作を押し出すことが望まれる。「左右」「上下」は言っても混乱させる。手渡すなら向かい合わず、横並びで目の前に正方向で置いてあげる。監修:筑波大学 医学医療系臨床医学域精神医学 教授Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.朝田 隆氏

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腰椎変性疾患への手術、従来法 vs ナビシステムTLIF

 近年、最小侵襲経椎間孔腰椎椎体間固定術(MIS-TLIF)が普及してきているが、ナビゲーションシステムの使用によりさらに手術が容易になってきている。中国・清華大学のWei Tian氏らは、腰椎変性疾患に対する単椎間TLIFについて、ナビゲーションシステムを用いた方法(CAMISS-TLIF)と従来法(open-TLIF)の臨床予後をレトロスペクティブに比較。CAMISS-TLIFのほうが優れていることを報告した。CAMISS-TLIFはopen-TLIFより手術時間が長くなるものの、術中出血、術後ドレーンおよび疼痛が少なく入院期間が短縮されるなどの利点が認められたという。Journal of Spinal Disorders & Techniques誌オンライン版2014年8月1日号の掲載報告。 試験対象は、単椎間TLIFを施行した61例(CAMISS-TLIF 30例、open-TLIF 31例)であった。 患者背景、手術成績、疼痛(視覚的アナログ尺度による)および機能(Oswestry disability index:ODIによる)などを調査するとともに、CTを用いてスクリュー挿入を評価した。また、術後2年時に骨癒合を独立した研究者によって評価した。 主な結果は以下のとおり。・CAMISS-TLIF群はopen-TLIF群より、出血量、術後ドレーン、輸血の必要性および術後初期の腰痛が有意に少なく、リハビリテーションの開始時期が早く、入院期間が短かったが、手術時間は長かった。・術後3ヵ月、1年、2年における疼痛および機能は両群で差はなかった。・挿入したスクリューのうちCAMISS-TLIF群で93.33%、open-TLIF群で73.39%は椎弓根穿孔が認められなかった(p=0.016)。・骨癒合率は両群で同程度であった(p=0.787)。

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就寝時、部屋は暗くしたほうがよいのか:奈良医大

 奈良県立医科大学の大林 賢史氏らは、住民ベースのコホート研究「平城京スタディ」により、夜間光曝露が高齢者の主観的・客観的な睡眠の質と有意に関連していることを明らかにした。実験室での検討で、夜間光はメラトニン分泌を抑制し、体内生体リズムに遅延を生じさせ眠気を抑制することが示されていた。研究グループは、実生活における夜間光曝露が、サーカディアンリズムの乱れと不眠症を引き起こす可能性があるとして両者の関連について評価を行った。Chronobiology International誌オンライン版2014年7月15日号の掲載報告。 平城京スタディは、断面調査にて高齢者を対象に行われた。寝室の照明の強度を照度計で測定し、睡眠の質をピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)とアクチグラフを用いて主観的・客観的に測定した。尿中6-スルファトキシメラトニン値も測定した。 主な結果は以下のとおり。・被験者は857例で、平均年齢は72.2歳であった。・多変量モデル(年齢、性別、BMI、日中身体活動度、尿中6-スルファトキシメラトニン値、就寝時間、起床時間、日照時間で補正)解析の結果、夜間光強度の四分位範囲の最低値群と比較して最高値群は、主観的な不眠症オッズ比(OR)が有意に高かった(OR:1.61、95%信頼区間:1.05~2.45、p=0.029)。・また、主観的不眠症オッズ比が高値であるほど、夜間光強度の四分位値は有意に高かった(傾向のp=0.043)。・同様に、夜間光強度の四分位値増大とアクチグラフ結果の低下(睡眠効率の低下、睡眠開始の遅れ、睡眠開始後の覚醒、総睡眠時間の短縮、睡眠時間帯のずれなど)について有意な相関傾向が観察された(前述の共変量補正後の多変量モデルで、すべての傾向のp<0.001)。関連医療ニュース 不眠の薬物療法を減らすには 認知症の不眠にはメラトニンが有用 睡眠薬、長期使用でも効果は持続するのか  担当者へのご意見箱はこちら

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メタ解析アウトカム、選択論文でばらつき大/JAMA

 メタ解析で得られる推定アウトカムは、解析対象に含む試験の選択基準の違いにより、異なる結果が得られることが示された。すべての対象試験を組み込んでメタ解析を行った場合、最も正確に行われた単一試験と比べて、推定治療アウトカムは大きくなることがわかった。フランス・オテル=デュー病院のAgnes Dechartres氏らが、160件超のメタ解析論文について調べ明らかにした。JAMA誌2014年8月13日号掲載の報告より。主観的アウトカム92論文、客観的アウトカム71論文を調査 研究グループは、影響力の大きい医療雑誌(2008~2010年)や、システマティック・レビューのコクラン・データベース(2011年から2013年)で発表された、163件のメタ解析論文について調査を行った。対象論文のうち、アウトカムが主観的だったのは92論文、客観的だったのは71論文で、それぞれについて分析を行った。 各試験の治療アウトカムの推定値については、オッズ比で評価した。すべてのメタ解析について、全試験について解析、信頼区間が最小の最も正確な試験についてのみ解析、大規模の試験についてのみ解析など、解析戦略の違いによるアウトカムへの影響を調べ、オッズ比比率で比較した。全試験を対象にしたメタ解析で、推定アウトカムが大きい可能性 その結果、すべての試験を対象に行ったメタ解析が、単一の最も正確な試験結果に比べて、推定治療アウトカムが大きいことが示された(主観的アウトカムのオッズ比比率:1.13、95%信頼区間:1.07~1.19/客観的アウトカムのオッズ比比率:1.03、同:1.01~1.05)。 解析戦略に基づく推定アウトカム値が30%超と大きかったのは、主観的アウトカム92件のうち47件(51%)、および客観的アウトカム71件のうち28件(39%)だった。 全試験について行った場合の推定アウトカムを、大規模試験25%のみについて行った場合の推定アウトカムと比較した場合のオッズ比比率は、主観的アウトカムが1.08(同:1.04~1.13)、客観的アウトカムが1.03(同:1.00~1.06)だった。 また、全試験を対象にした解析の推定アウトカムを、よりバイアスの小さい試験についてのみ解析した推定アウトカムと比較した場合、オッズ比比率はそれぞれ、0.94(同:0.86~1.04)、1.03(同:1.00~1.06)だった。

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周術期心房細動、術後脳卒中リスクを1.3~2倍に/JAMA

 周術期に新規心房細動が認められると、術後長期の虚血性脳卒中リスクは1.3~2倍に増大することが判明した。同関連は、心臓手術よりも非心臓手術で大きいという。米国・ワイルコーネル大学医学部のGino Gialdini氏らが、約173万例について行った後ろ向きコホート試験で明らかにした。心房細動は虚血性脳卒中リスクを増大することが知られている。一方で、周術期心房細動は生理的ストレスへの過渡反応とみなされており、また発症後の長期脳卒中リスクについては不明であった。JAMA誌2014年8月13日号掲載の報告より。病院の入院管理データを基に後ろ向きに調査 研究グループは2007~2011年にかけて、カリフォルニア州内の非連邦政府系急性期病院の入院管理データを基に検討した。手術を受けるために入院し退院時に生存が確認された人で、脳血管障害や心房細動の既往歴がない172万9,360例を対象に、周術期に新たに診断された心房細動と、長期脳卒中リスクについて分析した。なお、心臓手術を行った人と、それ以外の手術を行った人については、別々に分析した。 主要評価項目は退院後の虚血性脳卒中で、救急救命室での受診や、心房細動の診断記録のある入院記録から追跡を行った。非心臓手術で周術期心房細動があると、術後虚血性脳卒中リスクは2倍に 結果、調査対象の入院時に、周術期心房細動が新たに見つかった人は2万4,711例で、全体の1.43%(95%信頼区間[CI]:1.41~1.45)だった。退院後に脳卒中を発症したのは1万3,952例で、全体の0.81%(同:0.79~0.82)だった。 Cox比例ハザード分析により、周術期心房細動は、非心臓手術・心臓手術ともに、術後虚血性脳卒中リスクの増大に関与していた。具体的に非心臓手術群では、術後1年の虚血性脳卒中発生率は、周術期心房細動が認められない人では0.36%(95%CI:0.35~0.37)だったのに対し、認められた人は1.47%(同:1.24~1.75)だった(ハザード比:2.0、同:1.7~2.3)。一方、心臓手術群では、術後1年の虚血性脳卒中発生率は、周術期心房細動が認められない人は0.83%(同:0.76~0.91)だったのに対し、認められた人は0.99%(同:0.81~1.20)だった(ハザード比:1.3、同:1.1~1.6)。 周術期心房細動と術後虚血性脳卒中リスクの関連は、非心臓手術者のほうが心臓手術者に比べ、有意に大きかった(交互作用検定p<0.001)。

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野菜摂取増で肝細胞がんリスク低下

 野菜の摂取量を1日当たり100g増やすことで肝細胞がん(HCC)の発症リスクが8%低下することが、中国・浙江がん病院のYang Yang氏らのメタ解析によって明らかとなった。果物では同様の結果は認められなかった。著者らは、今回の知見について、検証アンケートや交絡因子を厳密にコントロールしたさらなる研究によって確認されるべきとしている。Gastroenterology誌オンライン版8月12日号掲載の報告。 これまで、野菜や果物の抗がん作用については広く調査されてきたが、野菜や果物の摂取量とHCC発症との関係については、定量化されていない。この関連性を明らかにするために、観察研究のメタ解析を行った。 1956年から2014年5月31日までに投稿された論文をPubMed、Web of Science、EMBASEを用いて検索し、適格な研究を同定した。ランダム効果モデルを用いて要約相対リスク(RRs)を算出し、用量反応解析により関連性を定量的に評価した。各研究間のばらつきは、コクランのQとI2統計量を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・本メタ解析には、19件の研究に129万45例の参加者と3,912例のHCC患者が含まれていた。・野菜の低摂取群と比較した、野菜高摂取群のHCC要約RRは0.72(95%信頼区間[CI]:0.63~0.83)であった。また、1日当たりの野菜摂取量が100g増えるとリスクは8%低下した(要約RR 0.92、95%CI:0.88~0.95)。・サブグループ解析では、この逆相関の関連性が、肝炎の既往歴、飲酒、喫煙、エネルギー摂取量にかかわらず変化しないことが示された。・果物の低摂取群と比較し、果物高摂取群におけるHCCの要約RRは0.93(95%CI:0.80~1.09)であり、1日当たりの果物摂取量が100g増えることによる要約RRは0.99(95%CI:0.94~1.05)であった。

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マイカー通勤をやめて肥満を予防/BMJ

 公共交通機関利用通勤者やアクティブ通勤者(徒歩や自転車を通勤の全部または一部に利用)は、自家用車通勤者と比べてBMIや体脂肪率が有意に低いことが明らかにされた。英国・ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のEllen Flint氏らが、英国住民ベースの断面調査の結果、報告した。BMJ誌オンライン版2014年8月19日号掲載の報告より。英国住民の自家用車vs. 公共交通機関vs. 徒歩・自転車とBMI、体脂肪率を調査 研究グループは、アクティブ通勤が肥満の客観的な評価マーカーとなるかについて評価することで、アクティブな移動手段の推奨が肥満予防の有効な戦略となるのかを検討した。 英国世帯経時的研究(UKHLS)のwave2健康評価サブ検体データ(代表的検体1万5,777例)のうち、BMIデータについて7,534例、体脂肪データについて7,424例を分析した。 BMI分析検体(男性3,409例、女性4,125例)は、平均年齢男性44歳、女性43歳、男性の76%、女性の72%が自家用車通勤(大半が車)で、公共交通機関利用者は男性10%、女性11%、徒歩または自転車通勤者は14%、17%だった。 全体の平均BMI値は男性28、女性27。平均体脂肪率はそれぞれ23%、36%だった。男性の63%、女性の60%が職場の身体的活動度は非常に/かなり活発だと自己申告していた。また78%が、都市部の居住者だった。公共交通機関またはアクティブ通勤者は、男女ともBMI値が有意に低い 多変量線形回帰分析の結果、自家用車通勤と比較して、公共交通機関利用またはアクティブ通勤は、男女ともに低BMI値の有意かつ独立した予測因子であることが示された。 完全補正後モデルにおいて、男性のBMI値は自家用車通勤者と比べて、公共交通機関利用通勤者では1.10(95%信頼区間[CI]:0.53~1.67)ポイント、アクティブ通勤者では0.97(同:0.40~1.55)ポイントそれぞれ低かった。また女性ではそれぞれ0.72(同:0.06~1.37)ポイント、0.87(同:0.36~0.87)ポイント低かった。 体脂肪率についても、効果の大きさ、有意性、傾向ともに同様の結果が示された。 またこれらの関連性は、移動手段と肥満との関連について仮定した交絡因子(年齢、持病、所得など)で補正後も減弱しなかった。以上の結果を踏まえて著者は、「さらなる長期追跡研究を行い、要因について調べる必要がある」とまとめている。

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結婚できない男【空気を読まない】[改訂版]

今回のキーワードこだわり(想像力の障害)発達障害(自閉症スペクトラム障害)共感性職人気質パターン認識構造化「なんで空気を読まないの?」みなさんがかかわる患者さんやいっしょに仕事をするスタッフたちの中で、「なんで空気を読まないの?」と思わず驚きの声を上げそうになったことはありませんか? 世の中にはいろんな人がいます。できることなら誰とでもうまくやっていきたいですよね。でも、うまくいかなくなった時、どう考えたらいいのでしょうか? どうしたらいいのでしょうか?今回、2006年に放映されたドラマ「結婚できない男」を取り上げます。これは、今までにない異色の恋愛ドラマで、みなさんの中にも覚えている人が多いかと思います。婚活が社会現象となって久しく、結婚したくてもなかなかできない男女が増えた今の世の中を絶妙に映し出しています。主人公はなぜ結婚できないのでしょうか? 世の中はなぜ結婚しづらくなったのでしょうか? これらの疑問も踏まえて、これからストーリーを追って見ていきましょう。空気を読まない主人公の信介は、ルックス良く、建築家として成功し、経済的にも恵まれている39歳の独身男性です。高身長、高学歴、高収入で一時もてはやされた3高も満たしています。一見して女性を引き付けるものを持ってはいます。しかし、出会った女性はことごとく彼にうんざりし、すぐに彼の元を去っていきます。なぜでしょうか?いくつか分かりやすいシーンがあります。信介がパーティ会場で初対面の女性に接するシーンが印象的です。雨でずぶ濡れの地味な上着で登場します。部下の英治に営業をするよう頼まれていたのにもかかわらず、「(営業の相手は)キッチンの重要性を理解していない。議論にならん」と言い放ちます。女性から建築家になった理由を聞かれると、「神のお告げがありまして」と分かりにくい冗談を言います。すかさず「今のギャグです」と英治にフォローされて、何とか場が保たれています。自分の好きな映画の話を一方的に始める信介に対して、女性は苦し紛れに「そのうち見ます」と言うと、信介は「そのうちなんて言って、見たやつはいませんよ」と返します。女性は、何とか場を和ませようとして「このスパゲティおいしいですよ」と差し出すと、信介は「ちょっと冷めてる」「これちょっと細いから、厳密にはスパゲッティーニ、つまりあなたはほんとは『スパゲッティーニおいしいよ』と僕に言うべきなんです」と答えるのです。最終的に、女性はうんざりして逃げてしまいますが、信介は英治に「構わん」と言い放ちます。このように、信介は、相手の話も聞かず、一方的に話し、思ったことをそのまま口走り、うんちくをこね、そしてこりないのです。別のシーンでは、マンションの隣人であるみちるがお金に困り、水商売をやり始めた姿を見て、何とか助けたい思いからお金を貸そうとします。信介は「困ってんの見たくないから」と言いつつ、受け取るのにとまどっている彼女を見て「客も我慢している」「もっと若くて女子大生みたいなのがいいのに」ともっともらしく言い放ってしまいます。また、バスツアー参加では、バスガイドの話に割り込み、より詳しいうんちくを得意がって披露し、バスガイドを泣かせてしまいます。年下の女性とのデートの時に相手が水族館で「魚、大好き」と言うと、信介は「魚より肉が好きだな」と答えます。長年の仕事パートナー沢崎がヘッドハントされるシーンでは、引き留めようとして出た信介の言葉は「便利で都合のいいやつはお前しかいない」との本音でした。急に近付いたり、顔を近づけて話すなどの特徴もあります。どうやら、彼には「空気が読めない」「空気を読まない」という言葉が当てはまりそうです。こだわりでは、なぜ信介は「空気を読まない」のでしょうか?さらに、別のシーンをいくつか見てみましょう。人生ゲームに凝っていて1人で復刻版の人生ゲームをやります。お好み焼きはマニュアル通りに作らないと気が済みません。模型のプラモデルの部品が1つ足りないだけでもう1セット購入します。そして、花は大嫌いで、視界に入るだけでも体調を悪くしてしまいます。猫背でぎこちない歩き方も相変わらずです。これらは、全て彼の「こだわり」と言えます。さらに、「空気を読まない」のも彼のこだわりの裏返しであり、延長であると言えそうです。つまり、彼はこだわりがとても強いのです。そして、メンタルヘルスの現場では、このような「こだわり」があまりにも強過ぎて、日常生活や社会生活がうまくいかない場合、ある障害が浮かび上がってきます。それは、発達障害(自閉症スペクトラム障害)です。ただ、信介にこの診断が下り、治療が必要というほどでは全くありません。そのわけは、メンタルヘルスにおける診断や治療は、あくまで本人や周りがひどく困ってしまうことが大前提だからです。ただ、その人を取り巻く環境や周りとの相性によって困り具合が変わるので、線引きが難しいことがよくあります。ここで言えることは、信介には発達障害の傾向があり、困ってしまいやすいということです。そして、信介や周りの人が、この傾向と上手に付き合っていくためのヒントをみなさんといっしょに考えることができるのではないかということです。想像力―「硬さ」「狭さ」「独特さ」強いこだわりは、発達障害の要素の1つである想像力の「硬さ」「狭さ」「独特さ」です(想像力の障害)。つまり、想像力に柔軟性がなく、しかも想像力の広がりが狭いために、相手が何を思っているか、何を感じているかを想像すること(心の理論)にとても鈍感なのです。だからこそ、自分のことばかり考えてしまい、結果的に、対人関係においては、「空気を読まない」「不器用」な人になってしまいます。しかし、こだわりは、裏を返せば、自分にとって何が特別か悟っている「ひたむきさ」「一途さ」「才能」でもあります。実際に、信介は、自分の興味のある建築という仕事においては、とことん追求し、良い仕事をしており、「一芸」に秀でています。つまり、こだわりには二面性があるのです。その人の良さでもあり、その人らしさ、個性とも言えます。表:こだわりの二面性マイナス面プラス面こだわり融通が利かない空気を読まない(読めない)頑固、偏屈、無愛想ひたむき、一途ブレない、流されない正直、真面目、勤勉、律儀図太い、一芸に秀でるなぜ信介のような人は今の世の中で目立つのか?それでは、なぜ信介のような人は、今の世の中で目立つようになったのでしょうか? その答えは、コミュニケーション能力、つまりは気回しが求められる社会構造に変化してしまったからです。かつての士農工商の封建社会では、身分制度により仕事も結婚相手も生まれる前からほぼ決められていました。農業や工業などの製造業が主流で、この社会において求められる価値観は、「正直」「真面目」「勤勉」「律儀」です。分かりやすいイメージとしては、頑固で人付き合いは悪いけど腕は良い職人です。この職人気質は、まさに建築家の信介に当てはまります。この価値観はこだわりの特性と相性が良いのです。多少の「偏屈」は問題にされず目立たなかったのです。この特性を持った人々がその能力を発揮し、その時代に活躍しました。しかし、その後、時代は大きく変わりました。産業革命、情報革命を経て、サービス業中心の世の中になってきました。情報化し複雑化したコミュニケーション重視の新しい社会の仕組みの中、かつてなくコミュニケーション能力、「空気を読む」という気回しの能力が求められる時代に変わってきたのです。信介のような人たちは本来の居場所、行き場である製造業の仕事からあぶれてしまい、サービス業に流れていきました。しかし、こだわりは受け入れられず、ただその「偏屈さ」が目立つ結果となったのでした。実際に、建築の営業をするパートナーの沢崎が不在の時に、信介は彼女に代わって営業を全うすることはできませんでした。逆に言えば、その特性を見抜いて、向いている職種を見出すこともできます。対人的な職種は、対象が人の心そのもので「生もの」であるため、常に空気を読んで、臨機応変に動かなければならないので、信介には負担が大きいです。一方、対物的な職種は、空気を読むことそのものを対象にしないため、決められた手順通りに取り組むことができるので、才能や技術のある信介のような人には合っています。表:こだわりタイプと気回しタイプがそれぞれ向いている職種 こだわりタイプ(職人気質)気回しタイプ(商人器質)モデル信介部下の英治ライバル建築家の金田職種対物的な職種対人的な職種例一般職製造業、職人専門職(研究者、学者)、事務職サービス業(営業、接客、窓口)管理職医療職急性疾患、救命救急、手術室慢性疾患、精神疾患、リハビリテーション今の世の中の結婚に求められるものは?ヒロインとして登場する女医の夏美は、ある種の強さを持った現代的な女性で、ドラマの中で彼女が見合い結婚に嫌気が差し、恋愛結婚に憧れるのも納得がいきます。そんな夏美の診察室に、信介は、「胃がシクシクと・・・」と言い、しょっちゅう訪れます。彼は、夏美の感情の変化を読み取ることができず、たびたび怒らせてしまいます。と同時に、実は、彼はストレス性の胃炎になるくらい自分自身の感情の変化にも気付きにくいのです。端的に言うと、相手の心だけでなく、自分の心を察するのも鈍いのです。そして、自分がストレスを抱え込んでいることに気付かず、無理をしてしまいやすいです。やがて、彼は夏美に好意を寄せていきますが、その自分自身の気持ちに気付かず、噛み合わないもどかしさが私たちにも伝わってきます。実は、今の社会の仕組みは結婚にも影響を与えています。情報化され自由化された新しい恋愛結婚のシステムでは、選択肢、判断基準が増え個々人の違いが重視されるようになりました。そこで特に求められるのは相手の気持ちを推し量ること、つまりは気回しや思いやりです(共感性)。部下の英治やホスト風のライバル建築家の金田は、信介とは対照的に人当たりのいいキャラとして描かれており、信介の特性を際立たせています。逆に、ドラマでみちるを狙うストーカーが登場しましたが、相手の気持ちを全く考えない一方的な恋愛であるストーカー行為は、まさにこだわりの負の産物と言えます。信介のような人はどうすればいいのか?信介のような人たちはどうすればいいのでしょうか? それは、本人がパターン認識をして学習することです。信介は、何が悪いか分からないけれどパターン認識をして彼なりに周りとうまくやって行こうとする姿勢が見受けられます。例えば、信介に皮肉を言われたと思った夏美は激怒し立ち去るシーンがありますが、わけが分からず追いかけた信介は悪気なく尋ねます。「悪いんでしょ?」と。しかし、夏美が許してくれないので「すみません」ととりあえず謝っています。何が悪かったのかのフィードバックがなければ、同じ過ちを繰り返していきますが、ストーリーが進むにつれて、信介は夏美に「また、説教ですか?」と言いながらも、夏美の「説教」に耳を傾けていくようになっていき、いつの間にか惹かれていきます。周りの人たちはどうすればいいのか?周りの人たちはどうすればいいのでしょうか? 実は、その答えはドラマの中に散りばめられています。ドラマの回を重ねて見るうちに私たちは気付かされます。それは、、本人に悪気がないことを周りが理解することです。これは、信介のような人たちを理解する上でとても大切なことです。ドラマで夏美が言います。「言い方とかムカつくけど、悪い人ではないと思う」「心で思っていることと表に出すことが違っている場合が多い」と。彼の個性ゆえに独特の言い回しをしてしまい本心がうまく相手に伝わらないことが多いのです。時には、信介の一生懸命さやもどかしさが私たちにも伝わってきます。現に、頼まれれば、命懸けでベランダをつたい、慣れない犬の世話をし、迷子の犬探しに必死に協力します。出会って間もない女性の新しい恋人のフリをすることを承諾します。みちるのボディガードを務め、ストーカーを撃退します。もともとお金の貸し借りをしたことがなかったのに、困っているみちるに自らお金を貸そうともしました。秘密を漏らすなと言われたら絶対に漏らしません。これは信介の良さであり、さきほどの「正直」「真面目」「勤勉」「律儀」などの二面性を併せ持っていることが理解できます。「俺は自分の気持ちに正直でいたいから」という信介の言葉がそれを裏付けています。信介の良き理解者である沢崎は、その特性を見抜きうまく手なずけ仕事をやらせていました。実直であるがゆえに乗せられやすい面も見えてきます。時には、「今の(信介の発言)を翻訳すると」などと沢崎はフォローも入れます。周りが汲み取るその人らしさまた、夏美は沢崎のアドバイスを受けながら、ちょっとずつ信介を理解していきます。ある時、結婚相手に理想ばかり追い求めるみちるに「男性に求めるものは?」と聞かれて、夏美は答えます。「その人が何を考えているかちゃんと理解できること」と。発想の転換です。求めるのは、相手にではなく自分であることを悟るのです。夏美の成長ぶりが伺えます。その後、夏美はあえて信介のテレビ出演でカットされた発言の話を引き出し聞いてあげるなどして、「説教」だけではない支持的なかかわりを通して信介に歩み寄ります。そして、最後には信介に告白します。「(今までの)私たちの会話ってキャッチボールじゃなくてドッジボールばっかりだった気がします」「(これから)私はキャッチボールがしてみたいです、あなたと」と。その告白を受けて、後日、信介は夏美の診察室に訪れます。「キャッチボールしようと思って」と。関わる相手がキャッチボールできるうまい球をまず投げてあげることが大事であることも描かれています。また、信介が通うコンビニの女性店員でさえ、対応を変えてきます。いつもレジで「スプーン要りますか?」「ポイントカードありますか?」と聞くと、信介は間髪入れずに無愛想に「要りません」「ありません」と言うので、やがて「スプーン要りませんし、ポイントカードもありませんよね。」と聞くようになります。コミュニケーションのコツラストシーンで、夏美を家に誘いたい信介は、誘いの言葉を素直に言い出せず、逆に夏美に「もしかしてうちに来いって言ってますか」と言い当てられてしまい、いつもの口癖で「あなたがどうしてもとおっしゃるなら」と言ってしまいます。うわての夏美は、「あなたがどうしてもって言うなら」と切り返します。すると、最後についに、いつもはあまのじゃくな信介が素直に答えます。「じゃあ来てください。どうしても」と。このシーンは、夏美のかかわりにより信介が少しずつ変わってきていることを窺わせます。と同時に、夏美の信介へのかかわりが大きく変わったことも描かれています。とてもほのぼのとするエンディングです。もちろん、トレンディドラマにありがちなハッピーエンドではなく、これからの2人の関係も波乱に満ちたものを予感させます。実際に、主人公に共感し、自分と重ね合わせてハッとした未婚男性の視聴者はいるのではないでしょうか? 反面教師としても主人公の視点を通して、自分のあり方、生き方を客観的に見つめ直すことができます。もちろん、周りの人たちにとっても、信介のような人たちへの理解が深まり、コミュニケーションのコツが分かってきます。そのコツとは、細かく具体的で丁寧な指示を出して(視覚化)、レールを敷いて枠組みを作り(構造化)、一つ一つのパターン認識やパターン学習を手助けしてあげることなのです。また、こだわりが強ければ、急な予定の変更(新奇場面)にストレスを感じやすくなります。その対策として、予定の変更をあらかじめ伝えることも肝心です(予定告知)。ドラマはセラピーの効果このドラマは、信介のような人たちが信介を自分と重ね合わせ、同時に彼らの周りの人たちが信介をその人に重ね合わせ、どうしたらいいかを気付かせてくれるセラピーの役割を果たしています。社会が信介のような人たちの特性をもっと知り、その個性的で良い面を高く買ってあげて、口下手でコミュニケーションが苦手な面は大目に見て微笑ましく見守ってあげることができたら、世の中はきっと彼らにとっても私たちにとっても、もっと居心地の良い場所になるのではないでしょうか。今、世の中に求められているのは、彼らを理解し、彼らと「キャッチボール」をして、お互いに少しずつ成長していけるような、より心の広いコミュニケーション社会なのではないでしょうか?1)尾崎将也:結婚できない男、扶桑社、20062)吉田友子:高機能自閉症・アスペルガー症候群、「その子らしさ」を生かす子育て、中央法規出版、2009

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S状結腸鏡での大腸がん検診、発症・死亡を抑制/JAMA

 1回のS状結腸鏡検査、または+便潜血検査を行うスクリーニングは、大腸がんの発生および死亡を抑制したことが示された。ノルウェー・Sorlandet病院のOyvind Holme氏らが50~64歳の一般集団レベルを対象に、スクリーニングをしない集団と比べた無作為化試験の結果、報告した。JAMA誌2014年8月13日号掲載の報告より。ノルウェーで約10万例を対象に無作為化試験 無作為化試験は、ノルウェーのオスロ市とテレマルク県の住民から特定した50~64歳の10万210例を対象に行われた。スクリーニングを1999~2000年(55~64歳群)と2001年(50~54歳群)に行い、2011年12月31日まで追跡した。特定対象者のうち1,415例は、大腸がん、移住、死亡のため除外され、3例は集団レジストリにおいて追跡ができなかった。 スクリーニング群に割り付けられ、受診を促された被験者は、1対1の割合で、1回限りのS状結腸鏡検査を受ける群、または1回限りのS状結腸鏡検査+便潜血検査を受ける群に無作為化された。 スクリーニングで陽性であった被験者(がん、腺腫、10mm以上ポリープ、または便潜血陽性)には大腸内視鏡検査が行われた。対照群には何も介入が行われなかった。 主要評価項目は、大腸がんの発生率および死亡率であった。中央値10.9年後、発生率、死亡率ともにスクリーニング実施群が低値 解析には9万8,792例が組み込まれた。そのうち対照群は7万8,220例、スクリーニング群は2万572例(S状結腸鏡検査群1万283例、S状結腸鏡検査+便潜血検査群1万289例)であった。スクリーニングの受診アドヒアランスは63%だった。 中央値10.9年後、大腸がん死亡例は、スクリーニング群71例に対し対照群330例で、死亡率は10万人年当たり31.4例vs. 43.1例、絶対率差は11.7(95%信頼区間[CI]:3.0~20.4)、ハザード比(HR)0.73(95%CI:0.56~0.94)だった。 大腸がんと診断されたのは、スクリーニング群253例、対照群1,086例だった(10万人年当たり112.6例vs. 141.0例、絶対率差:28.4、95%CI:12.1~44.7、HR:0.80、95%CI:0.70~0.92)。 大腸がんの発生率は、50~54歳群(HR:0.68、95%CI:0.49~0.94)、55~64歳群(同:0.83、0.71~0.96)ともに低下が認められた。また、S状結腸鏡検査単回実施のみ群と、合わせて便潜血検査を行った群で差はみられなかった。

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Na摂取増による血圧上昇、高血圧・高齢者で大/NEJM

 ナトリウム・カリウム摂取量と血圧とには、非線形の相関がみられ、それらは高塩分食摂取者や、高血圧症、高齢者で顕著であることが、カナダ・マックマスター大学のAndrew Mente氏らPURE研究グループによる検討の結果、明らかにされた。ナトリウム摂取量が高値であるほど血圧値が高値である相関性は報告されている。しかし同関連が、ナトリウムまたはカリウム摂取量の違いや集団の違いで異なるのかについては、これまで検討されていなかった。NEJM誌2014年8月14日号掲載の報告より。18ヵ国10万2,216人の成人について分析 PURE(Prospective Urban Rural Epidemiology)研究グループは、18ヵ国10万2,216人の成人について、電解質排泄量と血圧との関連を評価する検討を行った。 単回採取の早朝空腹時尿検体から24時間尿中ナトリウム・カリウム排泄量を推定し、ナトリウム・カリウムの摂取量の代替指標として用いた。血圧の測定は自動血圧計で行った。 被験者は、年齢51.0±9.7歳、女性は57.2%、低位中所得国者が53.6%(うち中国が42.1%)、高位中所得国25.1%、高所得国14.2%、またBMI値26.1±5.1、糖尿病7.1%、自己申告の高血圧症または≧140/90mmHgの人は42.0%などの特性を有していた。平均ナトリウム摂取量は4.93±1.73g、カリウムは2.12±0.60gと推定され、女性よりも男性で摂取量が多い傾向がみられた(いずれもp<0.001)。相関の傾きは、ナトリウム高摂取、高血圧症、高齢者ほど急に 回帰分析の結果、推定ナトリウム排泄量が1g増加するごとに、収縮期血圧は2.11mmHg、拡張期血圧は0.78mmHgの上昇が示された。この相関の傾きは、ナトリウム摂取量が多いほど急であり、ナトリウム排泄量が5g/日超において収縮期血圧は2.58mmHg/g、同3~5g/日では1.74mmHg/g、3g/日未満では0.74mmHg/gの上昇が示された(交互作用についてp<0.001)。 また相関の傾きは、高血圧症者(2.49mmHg/g)のほうが非高血圧症者(1.30mmHg/g)よりも急であり(交互作用p<0.001)、年齢が高いほど大きくなった。すなわち55歳超では2.97mmHg/g、45~55歳では2.43mmHg/g、45歳未満では1.96mmHg/g(交互作用p<0.001)だった。 一方、カリウム排泄量と収縮期血圧とには、負の相関が認められた。相関の傾きは高血圧症者のほうが非高血圧症者よりも急であり(p<0.001)、年齢が高いほど大きかった(p<0.001)。

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フェニトインの皮膚有害反応を起こす遺伝子を特定

 抗てんかん薬フェニトイン(商品名:アレビアチン、ヒダントールほか)に関連するスティーブンス・ジョンソン症候群など重度の皮膚有害反応について、特定の遺伝子が関与していることが明らかになった。台湾・林口長庚紀念醫院のWen-Hung Chung氏、日本の国立医薬品食品衛生研究所の鹿庭 なほ子氏ら国際共同研究チームが報告した。JAMA誌2014年8月6日号の掲載報告。 フェニトインは皮膚有害反応を引き起こすことが知られ、症状は斑点状丘疹から、好酸球増加、全身性症状、スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症などの重度例までにわたる。 研究グループは、これらの遺伝的素因を明らかにすることを目的にケースコントロール試験を行った。 台湾、日本、マレーシアから2002~2014年にフェニトイン関連の重度皮膚有害反応を呈した105例(スティーブンス・ジョンソン症候群/中毒性表皮壊死症61例、好酸球増加および全身性症状44例)、斑点状丘疹例78例、フェニトイン耐容の対照130例および一般対照3,655例を試験に組み込んだ。 台湾からのサンプルでゲノムワイド関連解析(GWAS)、関連遺伝子座のシーケンス分析、複製分析を実施。まず、台湾からのフェニトイン関連重度皮膚有害反応例60例と一般対照412例でGWASが行われた。検証には、(1)台湾からフェニトイン関連重度皮膚有害反応例30例、フェニトイン耐容対照130例、(2)日本からスティーブンス・ジョンソン症候群/中毒性表皮壊死症9例、一般対照2,869例、(3)マレーシアから6例と一般対照374例が参加した。 主要評価項目は、フェニトイン関連重度皮膚有害反応の特定遺伝要因とした。 主な結果は以下のとおり。・GWASにより、10q23.33のCYP2C遺伝子で16個の一塩基遺伝子多型の一群を発見した。・CYP2Cの直接シーケンスで、rs1057910(CYP2C9*3)でミスセンス異型を特定した。それらは、フェニトイン関連重度皮膚有害反応と有意な関連を示した(オッズ比[OR]:12、95%信頼区間[CI]:6.6~20、p=1.1×10(-17))。・CYP2C9*3とフェニトイン関連重度皮膚有害反応の統計的に有意な関連は、台湾、日本、マレーシアいずれの追加サンプルにおいても観察された。・3ヵ国集団データを用いたメタ解析の結果、CYP2C9*3とフェニトイン関連重度皮膚有害反応の関連性について、全体ORは11(95%CI:6.2~18、z=8.58、p<0.00001)だった。・血中フェニトインの遅延クリアランスが、重度皮膚有害反応を呈した、とくにCYP2C9*3キャリア患者で検出された。

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日本血管病理研究会 第19回学術集会開催のお知らせ

 血管障害に関わる疾患の中で「血管炎」とは、病理学的に「血管壁の壊死と炎症細胞の浸潤」と定義される。民族や国・地域によって、疾患の頻度やその臨床症状が異なるために、臨床現場で血管炎の診療は難しく、専門的な知識と経験が必要となる。そのため、血管炎は古今東西の難しい学問・臨床分野の1つであると考えられ、年月を経ても理解に至らない疑問が数多く存在する。 血管炎診療の歴史は病理医と臨床医の共同作業であり、新しい発見が繰り返され、マイナー領域にもかかわらず、全身に及ぶ疾患ゆえに広い範囲の分野の医師が診療に携わっている。 今回開催される第19回日本血管病理研究会は、さまざまな診療分野の医師に血管炎を広く・深く理解してもらい、患者との密な医療連携に役立つ内容となっている。 詳しい開催概要は次のとおり。■概要会期  平成26年10月4日(土) 9:30~18:00(予定)会場  国際ファッションセンター(KFC) 2階 ホール セカンド    東京都墨田区横網1-6-1参加費 3,000円(当日登録のみ)    ※学生および研修医は無料(要学生証提示) ■プログラム・特別講演1 「血管炎の期待される新規治療について」 八田 和大 先生 天理よろづ相談所病院 総合内科 部長・膠原病センター長・特別講演2 「難治性血管炎の診断・治療に有用な新規マーカー遺伝子の同定」 野島 博 先生 大阪大学 微生物病研究所・分子遺伝研究分野(感染症DNAチップ開発センター)教授・シンポジウム 「ANCA関連血管炎と好中球細胞外トラップ(Neutrophil extracellular traps: NETs)を正しく理解する」詳細情報はこちら。※お問い合わせやお申し込みは事務局(順天堂大学医学部附属 順天堂越谷病院 内科)まで

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統合失調症の妄想低減へ、新たな介入方法

 統合失調症患者に対する認知療法としてのメタ認知トレーニング(MCT)は、抗精神病薬治療の効果を上回る妄想減少の持続的効果があることが示された。ドイツ・ハンブルク・エッペンドルフ大学医療センターのSteffen Moritz氏らが無作為化試験の結果、報告した。MCTは妄想に関する認知バイアスをターゲットとする介入だが、さらに3年時点では自尊心やQOL改善といった、予期しない“スリーパー”効果などもみられたという。JAMA Psychiatry誌オンライン版2014年8月6日号の掲載報告。 研究グループは、統合失調症へのMCT介入の長期効果を調べるため、2施設での無作為化対照並行群間比較試験を行った。試験は、評価者については盲検化された。DSM-IVに基づく統合失調症スペクトラムと診断され、抗精神病薬の処方を受けていた入院・外来患者(150例)を登録し、MCT(介入群)vs. 神経心理トレーニング(COGPACK、対照群)について最大16セッションの介入を行い検討した。被験者は、介入後も3年にわたりフォローアップ評価を受けた。主要評価項目は、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)で測定した妄想スコアとした。副次評価項目には、PANSSの陽性スコア、総スコア、Psychotic Symptom Rating Scales(PSYRATS)、結論判断バイアス、自尊心、QOLなどを含んだ。 主な結果は以下のとおり。・3年時点でのintention-to-treat解析の結果、MCT介入群は対照群と比べて、PANSS妄想スコアが有意に大きく低下した(η2partial=0.037、p=0.05)。・副次評価においても、intention-to-treat解析の結果、MCT介入群は対照群と比べて、PANSSの陽性スコア(η2partial=0.055、p=0.02)、PSYRATS妄想スコア(η2partial=0.109、p=0.001)で有意に大きなスコアの低下がみられた。・なお、注意スコアの改善は、介入群と同様にCOGPACK(対照群)でも認められた。・結論判断バイアスの改善はみられなかったが、自尊心と安寧に対する効果が認められた。関連医療ニュース 抑うつ症状改善に“手紙による介入”は効果的か?:京都大学で試験開始 統合失調症治療、家族への介入に効果はあるか 境界性パーソナリティ障害でみられる幻覚の正体は  担当者へのご意見箱はこちら

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1分でわかる家庭医療のパール ~翻訳プロジェクトより 第11回

第11回:アジスロマイシン(AZM)とレボフロキサシン(LVFX)は死亡・不整脈リスクを増加する監修:吉本 尚(よしもと ひさし)氏 筑波大学附属病院 総合診療科 臨床ではさまざまな抗菌薬が使われており、耐性菌の増加が指摘されています。それに加え、抗菌薬による副作用についても十分注意する必要があります。とくにマクロライド系抗生物質は、QT時間延長、torsades de pointes、および多形性心室頻拍を含む心臓不整脈リスクを増加させることが知られています1) 2) 3)。今回新たに発表された論文をご紹介します。 以下、本文 Annals of Family Medicine 3-4月号4)より1.目的AZMの使用はハイリスク患者の死亡リスク増大に関連があるが、若年~中年成人での関連ははっきりしない。食品医薬品安全庁(FDA)は「AZMにはLVFXに類似したリスクがある」という声明を含む公的な警鐘を行った。今回、AZMまたはLVFXを服用した場合、ABPCの服用と比較して心血管死および不整脈のリスクを増大するという仮説を検証するため、米国の退役軍人に後ろ向きコホート研究を実施した。2.方法1999年9月~2012年4月までの期間、退役軍人局で AMPC(AMPC/CVA含む)、AZM、またはLVFXを投与された米国退役軍人の外来患者をカルテから抽出。後ろ向きに調べたコホート研究。ABPC使用者は97万9,380例、AZM使用者は59万4,792例、LVFX使用者は20万1,798例。AZMはおおむね5日間、ABPCとLVFXはおおむね10日間以上投与された。3.結果既往歴、患者背景はほぼ同様であり、抗菌薬が投与されたのは耳鼻咽喉感染症、呼吸器感染症に多かったが、とくに泌尿生殖器感染症にはLVFXが使用されている傾向があった。ABPCを投与された患者と比較して、AZM投与の患者では内服開始1~5日間で死亡リスクが1.48倍(95%CI、1.05~2.09)、重症不整脈のリスクが1.77倍(95% CI、1.20~2.62)と有意にリスクが増大した。内服開始後6~10日間における統計学的有意差は認めなかった。同様にABPCを投与された患者と比較して、LVFX投与の患者は内服開始1~5日間で死亡リスクが2.49倍(95% CI、1.7~3.64)、深刻な不整脈のリスクが2.43倍(95% CI、1.56~3.79)と大きく、内服開始後6~10日間でも死亡リスク1.95倍(95% CI、 1.32~2.88)、不整脈リスクが1.75倍(95% CI、1.09~2.82)と有意差があった。4.結論ABPCと比較してAZMは内服開始1~5日間で統計学的に有意な死亡、不整脈の増加をもたらしたが、内服開始後6~10日では有意差がなかった。LVFXは10日間を通してリスクの増大があった。処方決定の際には抗菌薬のリスクと利益が十分考慮されるべきで、AZM、LVFX以外の抗菌薬の選択肢もありうる。※本内容は、プライマリ・ケアに関わる筆者の個人的な見解が含まれており、詳細に関しては原著を参照されることを推奨いたします。 1) Mosholder AD et al. N Engl J Med. 2013; 368:1665-1668. 2) Svanström H et al. N Engl J Med. 2013; 368:1704-1712. 3) WA Ray et al. N Engl J Med. 2012; 366: 1881-1890. 4) GA Rao. et al. Ann Fam Med. 2014; 12: 121-127.

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塩分過剰による心血管死、世界で年間165万人/NEJM

 全世界の平均ナトリウム摂取量は、基準値のおよそ2倍で、ナトリウム過剰摂取に起因する心血管疾患死は、年間165万人に上ることが明らかになった。米国・ハーバード公衆衛生大学院のDariush Mozaffarian氏らが、世界の成人の約74%について行った調査で明らかにした。ナトリウム摂取が心血管死亡率に与える影響について、世界レベルの検討はこれまで行われていなかった。NEJM誌2014年8月14日号掲載の報告より。世界66ヵ国に住む人のナトリウム摂取量を調査 研究グループは、世界66ヵ国に住む人の、尿中排泄量と食事内容から得られたナトリウム摂取量の調査結果を集計し、年齢、性別、国別のナトリウム摂取量を推定した。調査対象は、世界の成人74.1%に該当した。 ナトリウムが血圧に及ぼす影響について、年齢、人種、高血圧症の有無の別に、107の無作為化試験について行ったメタ解析のデータを基に割り出した。また、高血圧が心血管死に与える年齢別の影響については、2つの大規模コホート試験のメタ解析から算出した。原因別死亡は、2010年の世界疾病負担研究(Global Burden of Disease Study)に基づいた。 比較リスク評価を用いて、1日ナトリウム摂取量の基準値2.0gと比べ、現状のナトリウム摂取量が心血管に与える影響について、年齢、性別、国別に分析した。死亡10件中1件がナトリウム過剰摂取に起因する心血管死 結果、2010年の世界の1人当たりナトリウム摂取量の推定値は、1日平均3.95gで、地域別では2.18~5.51g/日と幅があった。 世界中で基準値を超えるナトリウム摂取に起因する心血管死は、年間165万人(95%不確実区間[信頼区間]:110万~222万人)に上った。同死亡のうち男性の割合は61.9%、女性は38.1%だった。 ナトリウム過剰摂取に起因する心血管死の割合は、死亡10件に1件(9.5%)で、なかでも低~中所得国では死亡5件に4件(84.3%)と高率だった。こうした死亡の5件に2件(40.4%)は、年齢が70歳未満だった。 同死亡率が最高だったのはグルジアで、最低だったのはケニアだった。

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肥満で10がん腫の発症増加/Lancet

 過体重や肥満は、子宮体がんや胆嚢がんなど10のがん種の発症増加に寄与していることが、英国・ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のKrishnan Bhaskaran氏らの検討で示された。前立腺がんと閉経前乳がんは肥満者では少ないこともわかった。BMIが高いと特定のがんに罹患しやすくなることが、いくつかのコホート試験やメタ解析で示されている。しかし、がんのリスクパターンの特性を、可能性のある交絡因子を補正したうえで、大規模かつ詳細に検討した試験はこれまでなかったという。Lancet誌オンライン版2014年8月14日号掲載の報告。約524万人のプライマリ・ケア患者データを解析 研究グループは、BMIと頻度の高い22のがん種の関連を評価する地域住民ベースの前向きコホート試験を実施した。解析には、英国のプライマリ・ケアの診療記録が登録されたClinical Practice Research Datalink(CPRD)のデータを使用した。線形および非線形モデルを用い、がんの発症に及ぼす性別、閉経状態、喫煙、年齢の影響を考慮した検討を行った。 524万3,978人が解析の対象となった。このうちBMI<18.5が16万5,530人、18.5~25が257万1,573人、≧25が250万6,875人だった。全体の年齢中央値は37.9歳、女性が54.6%であり、喫煙者は35.5%、軽度飲酒者は57.2%、中等度飲酒者は10.2%、重度飲酒者は2.6%で、糖尿病既往歴ありは3.6%であった。 16万6,955人が、対象となったがんを発症した。BMIは22種のがんのうち17種と有意な関連を示したが、影響の程度はがん種によってばらつきがみられた。BMI 1上昇でがん患者が年間3,790人増加 BMIが5増加するごとに発症率が有意に上昇したがん種は、子宮体がん(ハザード比[HR]:1.62、99%信頼区間[CI]:1.56~1.69、p<0.0001)、胆嚢がん(1.31、1.12~1.52、p<0.0001)、腎がん(1.25、1.17~1.33、p<0.0001)、子宮頸がん(1.10、1.03~1.17、p=0.00035)、甲状腺がん(1.09、1.00~1.19、p=0.0088)、白血病(1.09、1.05~1.13、p≦0.0001)であった。 BMIは、全体として肝がん(HR:1.19、99%CI:1.12~1.27)、結腸がん(1.10、1.07~1.13)、卵巣がん(1.09、1.04~1.14)、閉経後乳がん(1.05、1.03~1.07)の発症と正の相関を示した(p<0.0001)が、これらの関連にはBMIや他の背景因子の程度でばらつきが認められた。 BMIと前立腺がん、閉経前乳がんのリスクは全体(それぞれ、HR:0.98、99%CI:0.95~1.00、0.89、0.86~0.92)および生涯非喫煙者(それぞれ、0.96、0.93~0.99、0.89、0.85~0.94)の双方で逆相関を示した。これに対し、BMIと肺がん、口腔がんのリスクには生涯非喫煙者では関連はなかったものの(それぞれ、0.99、0.93~1.05、1.07、0.91~1.26)、いずれのがんも喫煙者と元喫煙者では逆相関の関係が認められ、交絡因子としての喫煙の影響が推察された。 一方、BMIと正相関する10のがん種に占める過体重や肥満に起因するがんの割合は、子宮体がんが40.8%、胆嚢がんが20.3%、腎がんが16.6%、肝がんが15.6%、結腸がんが11.1%、子宮頸がんが7.5%、卵巣がんが7.3%、白血病が6.3%、閉経後乳がんが5.1%、甲状腺がんは1.9%であった。 また、英国の一般人口では、BMIの1の上昇により、上記のBMIと正相関する10のがん種のうち1つを発症する患者が年間3,790人増加すると推定された。 著者は、「一般人口レベルでBMIは実質的にがんのリスクと関連することがわかった」とし、「BMIが正常範囲内であっても、高めであればリスクが増大するがんもある。また、英国ではこの12年間にBMIがほぼ1上昇しており、この傾向に歯止めをかける戦略を検討すべき」と指摘している。

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COPD増悪患者の換気法 口or鼻?

 オープンマウスピース換気法は、従来型の鼻マスクによる換気法と同様に、軽症から中等症アシドーシスのCOPD患者のガス交換において、さらなる悪化を防ぐ可能性があることを、イタリアのセストリ・レヴァンテ病院のAntonello Nicolini氏らが明らかにした。RESPIRATORY CARE誌オンライン版2014年8月19日号の掲載報告。 オープンマウスピース換気法は神経筋の疾患を有する患者に対して、効果的であることがわかっている。そこで今回、軽症から中等症のアシドーシスでCOPD増悪を起こしている患者に、この換気法を実施した。 本研究は、2つの呼吸モニタリング・ケアユニットにより実施された。対象は、COPD増悪があり、呼吸数>25回/分、PaCO2 >45mmHg、pHが7.25~7.30、Kelly scale ≤ 2の患者とした。50例の患者が鼻マスク経由の非侵襲性の換気群とマウスピース換気群の2群に割り当てられた。プライマリエンドポイントは動脈血ガスの改善であった。動脈血ガスと呼吸数は、登録2時間後に測定し、その後は12時間後、24時間後、48時間後にそれぞれ測定した。非侵襲性の換気時間、入院期間、鼻マスクとマウスピースの満足度(リッカート尺度により)を調べた。 主な結果は以下のとおり。・両群ともガス交換は悪化せず、動脈血ガスと呼吸数は同様の傾向を示した。・非侵襲性の換気時間、入院期間に有意差は認められなかった。・満足度については、マウスピース換気法のほうが有意に高かった(p<0.01)。■「COPD増悪」関連記事COPD増悪抑制、3剤併用と2剤併用を比較/Lancet

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不眠の解消が高齢OA患者の疼痛の改善に

 不眠症を有する変形性関節症(OA)の高齢患者において、不眠の短期的な改善は長期的な転帰にどのような影響を及ぼすのだろうか。米国・ワシントン大学のMichael V. Vitiello氏らは、プライマリ・ケアを受診している同患者集団を対象とした認知行動療法の無作為化比較試験の2次解析から、短期的な不眠の改善が長期的な不眠、疼痛および疲労の改善をもたらす可能性があることを明らかにした。Pain誌2014年8月号(オンライン版2014年5月1日号)の掲載報告。 研究グループは、疼痛と不眠に対する認知行動療法の有用性を調べるため、疼痛に対する認知行動療法またはOAに対する患者教育とを比較する無作為化試験を行った。対象は、OAと不眠症を有する60歳以上の高齢患者367例であった。 今回の検討では、同被験者について、治療群とは無関係に睡眠改善群(不眠症重症度質問票[ISI]スコアがベースラインから2ヵ月後に30%以上減少)と非改善群に分類し、睡眠の短期改善と長期にわたる睡眠、疼痛および疲労の転帰との関係を評価した。 主な結果は以下のとおり。・治療群と潜在的な交絡因子を調整後、睡眠改善群は非改善群と比較して、疼痛重症度(p<0.001、調整後平均差:-0.51、95%信頼区間[CI]:-0.80~-0.21)、関節炎症状(p<0.001、同:0.63、0.26~1.00)、および恐怖回避(p=0.009、同:-2.27、-3.95~-0.58)が、18ヵ月間にわたって有意かつ持続的に改善することが認められた。・一方、破局的思考およびうつの改善はみられなかった。・改善群はさらに、ISI(p<0.001、同:-3.03、-3.74~-2.32)、ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)合計スコア(p<0.001、同:-1.45、-1.97~-0.93)、一般的な睡眠の質のスコア(p<0.001、同:-0.28、-0.39~-0.16)、フリンダース疲労尺度(p<0.001、同:-1.99、-3.01~-0.98)、および睡眠に対する機能障害性信念尺度(Dysfunctional Beliefs About Sleep Scale、p=0.037、同:-2.44、-4.74~-0.15)の有意かつ持続的な改善を示した。・睡眠の機能的転帰に関する質問票(FOSQ)およびエプワース眠気尺度(ESS)の改善はみられなかった。・睡眠の短期改善(2ヵ月後)が長期(9ヵ月、18ヵ月後)の睡眠、疼痛および疲労に関する複数の評価項目の改善を予測した。・これらの改善は、精神的健康(うつの改善など)に関する非特異的な恩恵によるものではなかった。

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