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事例46 ウルソデオキシコール酸(商品名: ウルソ)錠 100mgの査定【斬らレセプト】

解説事例では、ウルソデオキシコール酸(ウルソ®)錠100mg 6錠をアルコール性肝硬変であって、慢性肝不全の患者に投与したところ、B事由(医学的に過剰・重複と認められるものをさす)として100mg 3錠に査定となった。査定事由の検討のために同剤の添付文書を確認してみた。1日量600mgの摘要は、「原発性胆汁性肝硬変(PBC)又はC型慢性肝疾患における肝機能の改善」と記載されている。他には慢性肝疾患における肝機能の改善などが認められており、1日量150mgを標準に年齢、症状により増減すると設定されている。したがって、傷病名欄にPBCとC型慢性肝炎の記載がないことを理由に査定となったと考えられる。また、事例のアルコール性肝硬変は、PBCまたはC型慢性肝疾患に相当せずに添付文書上の慢性肝疾患の区分に分類される。必要とした場合に適宜の増減が定められているものの、1日量600mgの投与は通常量の4倍であり、PBCまたはC型慢性肝疾患に対する投与量と同じ量となるため過剰であると判断されたものであろう。通常量の倍量投与が認められたのは、肝不全があるためと考えられる。投与量によって適用傷病名が異なる場合は、傷病名との整合性をご確認いただきたい。

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慢性創傷には遠隔医療による専門家のアドバイスが有用

 慢性創傷の管理はますます大きな問題となってきており、遠隔医療が効果的なアプローチとして広く認められている。これまで創傷管理における遠隔医療の臨床効果に関するエビデンスはなかったが、デンマーク・コペンハーゲン大学のKian Zarchi氏らは、前向き集団無作為化試験を行い、慢性創傷の管理の改善には、訪問看護師を創傷の専門家チームとつなげる遠隔医療の使用が有用であることを報告した。Journal of Investigative Dermatology誌2015年3月号(オンライン版2014年10月7日号)の掲載報告。 選択基準を満たした在宅ケアの慢性創傷患者90例を遠隔医療群50例、従来治療群40例に分け、1年間追跡した。褥瘡、手術創およびがん創傷の患者は除外された。 主な結果は以下のとおり。・1年後において、完全創傷治癒は遠隔医療群で35例(70%)に認められたのに対し、従来治療群は18例(45%)であった。・遠隔医療を介して創傷治癒に関するアドバイスを提供することは、従来治療と比較して治癒の有意な増加と関連した。・遠隔医療 vs 従来治療の調整済みハザード比は2.19(95%信頼区間:1.15~4.17、p=0.017)であった。

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慢性脳卒中に期待、神経幹細胞治療

 2015年3月19日、日本再生医療学会総会にて、米国・スタンフォード大学 脳神経外科 教授であるGary Steinberg氏が「Stem cell therapy for stroke(脳卒中の幹細胞治療)」と題して講演した。注目される脳卒中の神経幹細胞治療 脳卒中は世界の死因の第2位である。脳卒中は身体機能障害の主な原因であり、脳卒中による機能欠損には治療法がない。そのようななか、新たな治療法として神経幹細胞治療が注目を浴びている。神経幹細胞は多くの脳卒中の動物モデルの実験が行われ、栄養因子や成長因子、その他のタンパク質や分子を分泌し、生来からある脳の回復機能の強化により神経機能の再生に作用することが確認されている。多くの試験が行われており、ClinicalTrials.govによると現在17の幹細胞による虚血性脳卒中治療の臨床試験が進行中である。これらの試験では、種々の細胞由来の幹細胞が用いられ、さまざまな臨床ステージで行われている。投与経路も静脈、動脈、頭蓋内、クモ膜下(腔)内など多彩である。良好な結果を残した慢性脳卒中の臨床試験 Steinberg氏が紹介した臨床試験の中から、間葉系細胞由来の細胞医薬SB623の臨床試験の結果を紹介する。SB623はヒト間葉系細胞にNotch1遺伝子を導入した神経再生細胞である。脳卒中動物モデルでの神経再生作用と安全性が認められ、米国食品医薬品局(FDA)から治験を許可され、昨年試験を完了している。ちなみに、動物実験でシクロスポリンを使用せずに効果が認められたことから、臨床試験での免疫抑制薬の使用が除外されている。 このPhase I/IIa臨床試験はスタンフォード大学とピッツバーグ大学の共同で行われた。被験者は18~75歳の脳卒中患者18人。NIH脳卒中リスクスコア7以上。脳卒中発症後6ヵ月~36ヵ月経過し身体機能障害を有する。1次評価項目は安全性と神経学的機能改善効果で、投与6ヵ月から2年間評価される。投与は1回、局所麻酔下で随腔内の卒中部位の周囲に直接注入される。 有害事象の結果をみると、頭痛など軽度のものが多くを占めた。重度は硬膜下血腫、TIA(16ヵ月後)など4件。硬膜下血腫は移植の外科的手技によるもので、それ以外は細胞由来のものはみられなかった。サイトカイン(TNF-α、IL-6、IFN-γ)および細胞ドナーのHLA抗原に対する抗体レベルにも変化はみられなかった。 神経学的機能改善効果をみると、ESS(欧州脳卒中スコア)がベースラインに比べ、移植1ヵ月後で有意に改善(p=0.0024)、その後も改善は続き1年後も有意な改善を示していた(p=0.0012)。2年後の現在もその状況は続いている。その他、NIH脳卒中スコア、Fugl-Meyerスコアなどの神経機能評価指標も同様の結果を示している。 また、Steinberg氏は統計的な結果に加え、2人の有効例について患者のビデオを交え紹介した。2人とも重度な身体機能障害が2年以上続いていた症例だが、SB623投与1日目に上肢の運動がみられるなど運動機能に変化がみられる。その改善効果は1年後も持続してみられ、現在も改善は続いている。長年にわたり脳卒中に携わっている同氏も信じられないほどの驚きだったという。 治療前後の被験者の脳MRI画像をみると、1週間後に脳卒中所見ではないFLAIRシグナルが前運動野にみられる。シグナルは一過性で2ヵ月後には消失するが、この治療初期のFLAIRシグナルのサイズと神経学的改善が有意に相関することが明らかになった(p=0.016)。加えて、投与後に損傷部位の反対側の感覚運動皮質に出現するFDG PETの活性上昇が、NIH脳卒中スコアの改善と有意に相関していた(p=0.043)。「この試験の結果から、骨髄由来の間質細胞SB623による慢性脳卒中の治療は安全で実現可能な治療であろう」と同氏は述べた。脳卒中における神経幹細胞治療の今後 脳卒中における幹細胞治療はまだ初期段階であり、解決すべき多くの課題もある。しかし、将来期待できる治療法であり、今後は対照群を置いた臨床試験がより重要になるであろう。

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男性更年期障害、うつ病との関連は

 男性更年期は、中年期の男性における身体的、精神的、情緒的健康の変化を経験する状態である。しかし、男性更年期とうつ病などの精神症状との関連はまだ明らかになっていない。イラン・テヘラン大学のShahla Khosravi氏らは、男性更年期の症状(AMSスケールで評価)とうつ病との関連を検討した。Aging clinical and experimental research誌オンライン版2015年3月12日号の報告。 521人の高齢男性を対象とした横断的研究。データ収集にあたり、うつ病のスクリーニングのためAMS(Aging Males Symptoms Scale)と患者健康質問票(PHQ-2、PHQ-9)を使用し、さらに背景と生殖能力に関する質問を行った。重回帰分析により、男性更年期症状とうつ病との関連性を評価した。 主な結果は以下のとおり。・本結果とAMSスコアより、対象の51.5%はアンドロゲンによる臨床症状を有しており、3.7%は重度の症状を有していた。・AMSスコアとうつ病には強い相関が認められた。・人口統計や身体測定、喫煙、疾患を変数とした多変量モデルで調整後も、うつ病、糖尿病、喫煙、配偶者の年齢は、有意な関連を示していた。・正の予測因子として、うつ病はAMSと最も強い関連が認められた。 以上、AMSスコアの増加はうつ病の重症度と関連しており、更年期障害の症状とうつ病との間には直接的な関連性が認められた。このことからも、男性更年期の症状を評価するにあたり、うつ病スクリーニングの必要性が示唆された。関連医療ニュース うつ病急性期治療、どの抗うつ薬でも差はない うつ病患者の疲労感を評価する新ツール うつになったら、休むべきか働き続けるべきか  担当者へのご意見箱はこちら

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チカグレロル、心筋梗塞後1年超での効果は?/NEJM

 心筋梗塞の既往歴(1~3年前)を有する患者について、P2Y12受容体拮抗薬チカグレロル(国内未承認)の有効性と安全性を検討したPEGASUS-TIMI 54試験の結果、心血管系死亡、心筋梗塞、脳卒中のリスクを有意に低下し、重大出血リスクは増大することが示された。米国・ブリガム&ウィメンズ病院のMarc P. Bonaca氏らが報告した。これまでに、P2Y12受容体拮抗薬の心筋梗塞後1年間超の長期にわたる2次予防効果については明らかにされていなかった。NEJM誌オンライン版2015年3月14日号掲載の報告より。1~3年前に発症した患者2万1,162例について無作為化プラセボ対照試験 試験は、1~3年前に心筋梗塞を発症した2万1,162例を、チカグレロル90mgの1日2回投与群(7,050例)、同60mgの1日2回投与群(7,045例)、プラセボ投与群(7,067例)の3群に、二重盲検下で無作為に割り付けて行った。無作為化は2010年10月~2013年5月に行われ、心筋梗塞発症から無作為化までの期間中央値は1.7年であった。 被験者は全員、低用量アスピリン投与を受けていた。追跡期間は中央値33ヵ月間であった。 主要有効性エンドポイントは、心血管死、心筋梗塞、脳卒中の複合。主要安全性エンドポイントは、TIMI基準に基づく重大出血の発生であった。チカグレロル投与90mgまたは60mg群、いずれも有意にリスクを低下 結果、チカグレロル投与群は両者とも、プラセボ群と比較して有意に主要エンドポイントの発生が低下した。Kaplan-Meier分析による3年時点の発生率は、90mg群7.85%、60mg群7.77%に対し、プラセボ群は9.04%で、90mg群の対プラセボ群のハザード比は0.85(95%信頼区間[CI]:0.75~0.96、p=0.008)、60mg群は同0.84(同:0.74~0.95、p=0.004)であった。 一方、安全性に関するTIMI重大出血の発生は、プラセボ群(1.06%)と比較してチカグレロル群で有意に高率(90mg群2.60%、60mg群2.30%、それぞれの対プラセボp<0.001)であった。なお、頭蓋内出血または致死的出血の発生率は、プラセボ群0.60%、チカグレロル90mg群0.63%、同60mg群0.71%で、有意差はみられなかった(対プラセボ群の90mg群のp=0.43、同60mg群のp=0.47)。

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PROMISE試験:冠動脈疾患に対する解剖的評価と機能評価検査の予後比較(解説:近森 大志郎 氏)-328

 安定した胸部症状を主訴とする患者に対する診断アプローチとして、まず非侵襲的検査によって冠動脈疾患を鑑別することが重要である。従来は運動負荷心電図が日常診療で用いられてきたが、その後、負荷心筋シンチグラフィ(SPECT)検査、負荷心エコー図検査が臨床に応用され、近年では冠動脈CT(CTCA)も広く実施されるようになっている。しかしながら、これらの検査の中でいずれを用いればよいか、という検査アプローチを実証する大規模臨床試験は実施されてはいなかった。 今回、San Diegoで開催された米国心臓病学会(ACC.15)のLate-Breaking Clinical Trialsの先頭を切って、上記に関するPROMISE試験が報告され、同時にNew England Journal of Medicine誌の電子版に掲載された。なお、ACCで発表される大規模臨床試験の質の高さには定評があり、NEJM誌に掲載される比率では同じ循環器分野のAHA、ESCを凌いでいる。 Duke大学のPamela Douglas氏らは、従来の生理機能を評価する運動負荷心電図・負荷心筋SPECT・負荷心エコー図に対して、冠動脈の解剖学的評価法であるCTCAの有効性を比較するために、有症状で冠動脈疾患が疑われる10,003例を無作為に2群(CTCA群対機能評価群)に割り付けた。試験のエンドポイントは従来のほとんどの研究で用いられた冠動脈疾患の診断精度ではなく、全死亡・心筋梗塞・不安定狭心症による入院・検査による重大合併症からなる、複合エンドポイントとしての心血管事故が設定されている。対象症例の平均年齢は61歳で、女性が52~53%と多く、高血圧65%、糖尿病21%、脂質異常症67%という冠危険因子の頻度であった。なお、症状として胸痛を訴えてはいるが、狭心症としては非典型的胸痛が78%と高率であることは銘記すべきであろう。 実際に機能評価群で実施された非侵襲的検査については、負荷心筋SPECT検査67.5%、負荷心エコー図22.4%、運動負荷心電図10.2%、と核医学検査の比率が高かった。また、負荷心電図以外での負荷方法については、薬剤負荷が29.4%と低率であった。そして、これらの検査法に基づいて冠動脈疾患が陽性と診断されたのは、CTCA群で10.7%、生理機能評価群では11.7%であった。3ヵ月以内に侵襲的心臓カテーテル検査が実施されたのはCTCA群で12.2%、生理機能検査群では8.1%であった。この中で、有意狭窄病変を認めなかったのはCTCA群で27.9%、生理機能検査群で52.5%であったため、全体からの比率では3.4%対4.3%となりCTCA群で偽陽性率が低いといえる(p=0.02)。なお、3ヵ月以内に冠血行再建術が実施されたのはCTCA群で6.2%と、生理機能検査群の3.2%よりも有意に高率であった(p<0.001)。 1次エンドポイントである予後に影響する内科的治療ついては、β遮断薬が25%の症例で使用されており、RAS系阻害薬・スタチン・アスピリンについても各々約45%の症例で投与されていた。そして、中央値25ヵ月の経過観察中の心血管事故発生率についてはCTCA群で3.3%、生理機能評価群では3.0%と有意差を認めなかった。 本研究は循環器疾患の治療法ではなく、冠動脈疾患に対する検査アプローチが予後に及ぼす影響から検査法の妥当性を評価するという、従来の臨床試験ではあまり用いられていない斬新な研究デザインを用いている。そして、1万例に及ぶ大規模な臨床試験データを収集することによって、日常臨床に直結する重要な結果を示したという意味で特筆に値する。 しかしながら、基本的にはnegative dataである研究結果の受け止め方については、同じDuke大学の研究チームでも異なっていた。ACCの発表に際してDouglas氏は、PROMISE試験の結果に基づき、狭心症が疑われる患者に対して、CTCAはクラスIの適応となるようにガイドラインが修正されるエビデンスであることを主張していた。これに対して、PROMISE試験の経済的評価を発表したDaniel Mark氏は、イギリスの伝説である「アーサー王物語」を引き合いに出して、CTCAは長年探し求めていたHoly Grail(聖杯)ではなかった、と落胆を隠さなかった。 循環器の臨床において、対象とする患者の冠動脈病変の情報があれば、最適な医療が実施できるという考え方は根強い。しかし、PROMISE試験が準備された時期には、狭心症の生理機能として重要な心筋虚血が、予後改善の指標として重要であることを実証したFAME試験が報告されている。その後、FAME 2試験においても同様の結果が報告されている。さらに、重症心筋虚血患者に対する介入治療の有無により予後の改善が実証されるか否かについて、ISCHEMIA試験という大規模試験が進行中である。今後はこれらの大規模試験の結果を評価することによって、冠動脈疾患の治療目標は「解剖か、虚血か」という議論に決着がつくかもしれない。それまでは、日常臨床において狭心症が疑われる患者に対しては、まず本試験の対象群の特徴を十分に把握したうえで、CTCAあるいは生理機能検査を実施する必要があると思われる。

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アリスミアのツボ Q24

Q24 抗凝固療法、抗血小板薬2剤の併用(triple therapy)は大丈夫? 「混ぜるな、危険」が基本ですが…… ヒトは太古の昔から出血と闘ってきました。今でこそ血栓症が死因の多くを占めますが、つい江戸時代までは斬る、斬られるで、大出血や感染症が死因の多くを占めていたと考えられます。 そして、この大出血を防ぐための生体のシステムが、血小板と凝固カスケードです。と考えれば、抗凝固療法で凝固カスケードをブロックし、抗血小板薬2剤併用で二方向から血小板機能をブロックすれば、大出血を防ぐためのシステムがなくなり……その結果すべての出血が大出血へと変化してしまいます。“The more, the better”は、そもそもこの領域には当てはまらないのです。 なので、抗血栓薬は「混ぜるな、危険」が基本です。ただ、人間の行動には慣性モーメントが働いています。これまで動脈血栓予防には抗血小板薬を、静脈血栓予防には抗凝固薬をと身に染みつくくらい習ってきたので、両方のリスクがあるなら抗血栓薬を重ねるという慣性モーメントが働いてしまいます。 まだ、この分野には十分なエビデンスがなく、最低限これだけで大丈夫とはいえないのですが(具体的な処方はまだ確定していません)、できるだけ抗血栓薬は少なくできないかを考える機会を持つことが重要でしょう。そのとき、 (1)ステントを用いていない場合は、抗凝固療法は抗血小板薬を兼ねる (2)ステントが入っている場合でも、ステントの改良で抗血小板薬2剤の併用が必要となる期間は短縮している という2つの知識が生かされると思います。長い間お楽しみいただいた「Dr山下のアリスミアのツボ」は、今回で最終回となります。ご愛読ありがとうございました。

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83)ダンベルの正しい使い方の指導と運動のすすめ【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話医師運動の方はいかがですか?患者それが、暑くて運動ができなくて……。医師なるほど。家にダンベルなど運動器具を持っていますか?患者はい。ダンベル体操が流行ったときに、すぐにダンベルを買って、持っています。医師なるほど。今は、どこにありますか?患者漬物石の代わりにしています。医師ダンベルは持っているだけではだめで、手に持たないといけませんよ。患者ハハハ。確かにそうですね。これからは手に持つようにします。(動機づけの言葉)●ポイントユーモアを交えて、ダンベルを用いた筋トレについて説明します

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統合失調症へのECT、アジア諸国での実態調査

 2001~2009年のアジア人統合失調症患者に対する電気痙攣療法(ECT)の使用について、中国・澳門大学のYu-Tao Xiang氏らは調査を行った。その結果、過去10年間で中国において使用が増大していた一方、その他アジアの国および地域では低調に推移していた実態を報告した。結果について著者は、「アジアにおけるこの使用のばらつきの原因について、さらなる調査を行う必要がある」とまとめている。Psychiatry and Clinical Neurosciences誌オンライン版2015年2月23日号の掲載報告。 アジア人統合失調症入院患者に対するECTの使用については、ほとんど明らかになっていない。研究グループは、2001~2009年間における使用の傾向と、人口統計学的および臨床的な相関があるか調べた。調査はアジアの9つの国と地域から、1ヵ月間のインタビューもしくはカルテレビューによって6,761例の統合失調症入院患者のデータを集めて行われた。患者の社会-人口統計学的および臨床的特性、処方されていた向精神薬、ECT使用について、標準化プロトコルおよびデータ収集法により記録して分析した。 主な結果は以下のとおり。・ECT使用率は、全サンプル中3.3%であった。・2001年は1.8%、2004年は3.3%、2009年は4.9%と有意に増大していた(p<0.0001)。・しかし、そうした増大傾向は、もっぱら中国におけるECT使用頻度の有意な増大(p<0.0001)と2009年時にサーベイに含まれたインドの使用頻度データの影響によるものであった。・国家間のばらつきが大きく、たとえば2001年は香港0%から中国5.9%、2004年はシンガポール0%から中国11.1%、2009年は香港0%に対し、インド13.8%、中国15.2%であった。・全サンプルの多変量ロジスティックス回帰分析の結果、ECTを受けた患者は非ECT患者と比べて、35~64歳群では少ないこと、直近の入院期間が短く陰性症状が少ないこと、第2世代抗精神病薬治療を受けている人が多い傾向が判明した(R2=0.264、p<0.001)。関連医療ニュース ECTが適応となる統合失調症患者は? 電気けいれん療法での麻酔薬使用、残された課題は? うつ病治療に対する、電気けいれん療法 vs 磁気けいれん療法  担当者へのご意見箱はこちら

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心房細動へのジゴキシン、死亡増大/Lancet

 心房細動(AF)患者へのジゴキシン(商品名:ジゴシンほか)治療は、全死因死亡、血管系による死亡、および突然死の有意な増大と関係していることが、Jeffrey B Washam氏らが行ったROCKET AF被験者データの後ろ向き分析で示された。関連は、他の予後因子とは独立しており、著者は「残余交絡の影響の可能性も示唆されたが、ジゴキシンの影響の可能性が示された。心不全あり・なしのAF患者で、ジゴキシン治療の無作為化試験を行う必要がある」と報告している。ジゴキシンは、無作為化試験のデータが不足しているにもかかわらずAF患者に広く使われている。Lancet誌オンライン版2015年3月5日号掲載の報告。ROCKET AF被験者データを後ろ向きに分析 ROCKET AF試験は、AF患者の脳卒中および血栓塞栓症の予防についてリバーロキサバン(商品名:イグザレルト)vs. ビタミンK拮抗薬を検討した多施設共同無作為化試験であった。被験者は45ヵ国で登録され、AF歴およびそのリスク因子相当の中等度~重度の脳卒中リスクを有していた。心不全の有無は問わなかった。 研究グループは、ベースラインおよび試験中のジゴキシン使用状況で患者を包含・層別化し、ジゴキシン使用と有害心血管アウトカムの関連を調べた。 Cox比例ハザード回帰モデルを用いて、ベースライン特性、使用薬剤で補正後、ジゴキシンと全死因死亡、血管系による死亡、突然死との関連を調べた。使用患者は全死因死亡、血管系死亡、突然死が有意に増大 無作為化を受けた1万4,171例のうち、ベースラインでジゴキシン使用が認められたのは5,239例(37%)であった。 分析の結果、ジゴキシン使用患者は、女性が多く(42% vs. 38%)、また心不全(73% vs. 56%)、糖尿病(43% vs. 38%)、持続性AF(88% vs. 77%)既往者が多い傾向がみられた(それぞれ比較のp<0.0001)。 補正後、ジゴキシンと、全死因死亡の増大(100患者年当たり発生5.41例vs. 4.30例、ハザード比[HR]:1.17、95%信頼区間[CI]:1.04~1.32、p=0.0093)、血管系による死亡の増大(同:3.55例vs. 2.69例、1.19、1.03~1.39、p=0.0201)、突然死の増大(同:1.68例vs. 1.12例、1.36、1.08~1.70、p=0.0076)が認められた。

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ざ瘡へのスピロノラクトン 高カリウム血症は心配なし?

 ホルモン作用に起因するざ瘡に対して、スピロノラクトンを健康な若年女性に投与したところ、高カリウム血症は増加しなかったことが、米国ハーバード大学ブリガム&ウィメンズ病院のMolly Plovanich氏らにより報告された。JAMA Dermatology誌2015年3月22日号の掲載報告。 スピロノラクトンは、ホルモン作用に起因するざ瘡の治療オプションとして用いられている(本邦適応外)。本剤投与による高カリウム血症の可能性が示唆されているが、これまで健康な若年女性において、ざ瘡治療を目的としたスピロノラクトンによる高カリウム血症の有病率は不明であった。そこでPlovanich氏らは、ざ瘡またはざ瘡を伴う内分泌異常を有する健康な若年女性において、スピロノラクトン服用による高カリウム血症の有病率を明らかにするため、調査を行った。 本試験は、2000年12月1日~2014年3月31日の臨床データリポジトリをレトロスペクティブに解析した。外来患者のデータは2ヵ所の3次医療機関より収集された。ざ瘡のためスピロノラクトンを服用している健康な若年女性974例を分析した。さらに、1,165例のスピロノラクトンを服用・未服用の健康な若年女性の集団データから、ベースライン時の高カリウム血症の有病率を求めた。除外基準は、心血管疾患、腎不全、RAA系(レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系)に影響を与える薬剤の服用であった。 主要評価項目は、ざ瘡でスピロノラクトンを服用している健康な若年女性における高カリウム血症の有病率であった。副次的評価項目には、スピロノラクトンの患者プロファイルとカリウムモニタリングを含んだ。 主な結果は以下のとおり。・スピロノラクトンを服用している女性1,802例中13例で血清カリウム値の異常が認められ、高カリウム血症の有病率は0.72%であった。・これは、集団ベースにおけるベースライン時の高カリウム血症有病率0.76%と同等であった。・再検査の結果、13例中6例が正常値を示した。残りの7例の患者では特段の対応は取られなかった。 ざ瘡でスピロノラクトンを服用している健康な若年女性における高カリウム血症の有病率は、集団ベースの有病率と同等であった。著者らは以上の結果から、これらの患者に対して、日常的なカリウムモニタリングは必要ないと結論付けた。

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末期腎不全の臨床転帰の世界的メタ解析(解説:浦 信行 氏)-327

 わが国では末期腎不全の結果、透析導入に至る例が毎年3.8万例あり、昨年末の時点で約32万例が維持透析を受けている。この数はわが国ではここ数年頭打ち傾向となっているが、世界的に見れば大きく増加している。透析と腎移植を合わせたRRT(renal replacement therapy)を、123ヵ国+台湾と香港で検討し、世界人口の93%を包括したメタ解析の結果がLancetに報告された。 世界的には2010年で261.8万例がRRTを受けているが、RRTが必要な例は490.2万例であり、導入率の高い日本、アメリカ、台湾とシンガポール4ヵ国の導入数から試算すると970.1万例にもなると推定される。したがって、少なく見積もっても、228.4万例がRRTを受けずに死亡している可能性が示された。そのギャップが大きいのは低所得国、とりわけアジア(190.7万例)、アフリカ(43.2万例)である。 また、RRTを受ける例は、少なくとも2030年まではアジアとアフリカを中心に直線的に増加して543.9万例にもなると推測される。現状でRRTを受けている例数とほぼ同程度の例がRRTを受けることができないという厳しい現実だが、各種再生医療が注目される中、2030年までにその恩恵を受けることが可能になったとしても、どれだけの例がその成果を享受できるだろうか。 対策として求められることは、1次予防として、末期腎不全に至る腎疾患の発症予防に関わる環境因子などの整備、末期腎不全にまで至らせない早期発見、早期治療としての2次予防、そして、RRTが必要になった場合のスムーズな導入による生命予後改善をもたらす3次予防の、いずれにも対策を講じなければならない。 すでに、某企業では、従来の血液透析費用の10分の1で済むような装置を開発しているとの情報もあり、このような方面での医療のグローバル戦略に期待したい。

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多面的な介入、認知機能改善や維持に有効/Lancet

 認知症リスクが高い高齢者に対して、食事や運動などの生活習慣および血管リスクモニタリングといった多面的な介入を行うことで、認知機能の改善あるいは維持が可能であることが実証された。フィンランド国立健康福祉センターのTiia Ngandu氏らが、同国一般市民を対象とした二重盲検無作為化対照比較試験FINGERの結果、報告した。Lancet誌オンライン版2015年3月11日号掲載の報告より。認知症リスクが高い一般高齢者を対象に概念実証無作為化試験 FINGER(Finnish Geriatric Intervention Study to Prevent Cognitive Impairment and Disability)は、リスクの高い高齢者への多面的アプローチの認知機能低下予防について評価することを目的とした概念実証無作為化試験であった。 研究グループは、既存の全国サーベイから60~77歳の高齢者を登録し、CAIDE (Cardiovascular Risk Factors, Aging and Dementia)認知症リスクスコア(範囲0~15ポイント)で6ポイント以上であり、認知機能が年齢相当の平均レベルよりもやや劣る人を包含。1対1の割合で、2年間の多面的介入(食事、運動、認知訓練、血管リスクモニタリング)を行う群または対照群(一般的な健康アドバイス)に無作為に割り付けた。被験者は全員、スクリーニング時、ベースライン時、無作為化後6、12、24ヵ月時点で試験看護師と対面し、血圧測定、体重、BMI、腰囲、腹囲の測定を受けた。またスクリーニング時と24ヵ月時点で試験医師と対面し、病歴調査と身体検査を受けた。 主要アウトカムは、神経心理学的検査バッテリー(neuropsychological test battery:NTB)で測定した認知能の変化で、総合Zスコア(14テストの結果に基づく複合スコア)で判定した。評価はベースライン、12、24ヵ月時点で行われた。なお、途中脱落者も24ヵ月時の最終評価を受けるよう呼びかけが行われた。食事・運動・認知訓練・血管リスクモニタリング、認知機能低下を有意に抑制 2009年9月7日~2011年11月24日に2,654例がスクリーニングを受け、1,260例を介入群(631例)または対照群(629例)に無作為に割り付けた。 介入群591例(94%)、対照群599例(95%)が、試験開始後1回以上の評価を受けており、これら被験者を修正intention-to-treat解析に組み込み分析した。 2年時点で評価したNTB総Zスコアの推定平均変化値は、介入群0.20(SE:0.02、SD:0.51)、対照群0.16(同:0.01、0.51)であった。両群間の1年当たりのNTB総スコアの差は、0.022(95%信頼区間[CI]:0.002~0.042、p=0.030)で有意差が認められた。 途中脱落者は全体で153例(12%)(介入群87例[14%]、対照群(66例[11%])であり、群間に有意差はなかった(p=0.07)。 有害事象の発生は、介入群46例(7%)に対し対照群6例(1%)であったが、最も発現頻度が高かったのは、筋骨格痛(介入群32例[5%] vs. 対照群なし)であった。

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家族性高コレステロール血症患者は2型糖尿病の有病率が低い/JAMA

 家族性高コレステロール血症を有する患者のほうが、有さない患者よりも2型糖尿病の有病率が有意に低いことが、オランダ・アムステルダム大学メディカルセンター(AMC)のJoost Besseling氏らによる検討の結果、明らかにされた。同国6万3,320例を対象とした横断研究による結果で、遺伝子変異のタイプによっても有意に異なることが判明し、著者は、「今回の知見が縦断研究でも確認されれば、2型糖尿病発症の原因として、LDL受容体を介する膜内外コレステロール輸送が関連している可能性が高まるだろう」と指摘している。JAMA誌2015年3月10日号掲載の報告より。家族性高コレステロール血症と2型糖尿病発症の関連を断面研究 本検討は、家族性高コレステロール血症は、肝臓や膵臓など末梢細胞でのコレステロール取り込み障害によって特徴付けられること、対照的に、スタチン治療は細胞コレステロール取り込みを増大し、2型糖尿病発症リスクの増大と関連している知見が示されていたことを踏まえて行われた。これらの知見から研究グループは、膜内外コレステロール輸送が、2型糖尿病の発症に結び付くとの仮説を立て、2型糖尿病と家族性高コレステロール血症の関連を調べた。 検討は、断面研究にて、1994~2014年のオランダ全国スクリーニングプログラムに参加し、家族性高コレステロールのDNA検査を受けた6万3,320例を対象に行われた。 家族性高コレステロール血症遺伝子変異の有害性および非有害性は、文献や検査室機能検査に基づき評価した。また、LDL受容体(LDLR)遺伝子変異はアポリポ蛋白B(APOB)遺伝子変異よりも重大であるとみなし、LDLR変異型のうち受容体陰性タイプが受容体欠損タイプよりも重大であるとみなし、2型糖尿病の有病率を主要評価項目として各関連を評価した。家族性高コレステロール血症患者で2型糖尿病有病率が有意に低い 結果、2型糖尿病有病率は、家族性高コレステロール血症(FH)患者群は1.75%(440/2万5,137例)に対し、非FH患者群は2.93%(1,119/3万8,183例)で、FH患者群のほうが有意に低かった(オッズ比[OR]:0.62、95%信頼区間[CI]:0.55~0.69、p<0.001)。多変量回帰モデルを用いたFH群の補正後2型糖尿病有病率は1.44%で、両群差は1.49%、ORは0.49(95%CI:0.41~0.58)であった(p<0.001)。 また、APOB遺伝子変異群、LDLR遺伝子変異群の補正後2型糖尿病はそれぞれ1.91%、1.33%で、非FH群と比較したORは、それぞれ0.65、0.45(いずれもp<0.001)であった。 さらにLDLR変異型別にみた2型糖尿病有病率は、受容体欠損タイプ群1.44%、受容体陰性タイプ群1.12%で、非FH群と比較したORは、それぞれ0.49、0.38(いずれもp<0.001)であった。

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腰痛は患者の心身を悪化させ医療費を増やす:日本発エビデンス

 世界の疾病負担研究(Global Burden of Diseases)によれば、腰痛は世界的に障害の主な原因となっている。米国・ファイザー社のAlesia B Sadosky氏らはNational Health and Wellness Survey(NHWS)を行い、日本人において腰痛の重症度は健康状態の悪化と有意に関連していることを明らかにした。臨床との関連のみならず、間接および直接経費との関連も示されている。Journal of Pain Research誌2015年2月25日の掲載報告。 2013年に日本で実施されたNational Health and Wellness Survey(NHWS)のデータ(3万例)を基に解析し、腰痛あり群と対照群(腰痛なしの中から傾向スコアマッチング法を用いて選出)とで重症度別に、健康状態(SF-36 v2の精神的側面ならびに身体的側面のQOLサマリースコア、健康効用値)、労働生産性(仕事の生産性および活動障害に関する質問票の健康全般スコア)、医療資源の利用および1人当たりの年間経費を比較した。 主な結果は以下のとおり。・腰痛群(過去1ヵ月間に腰痛ありと回答)は1,897例(6.32%)であった。そのうち軽度が52.45%、中等度が32.79%、重度が14.76%であった。・重症度が高くなるほど各評価項目のスコアは有意に低下した(いずれの項目もp<0.05)。 精神的側面のスコア…対照群48.10、腰痛群;軽度群46.99、中等度群42.93、重度群40.58 身体的側面のスコア…それぞれ52.93、50.29、46.74、43.94 健康効用(health utilities)のスコア…それぞれ0.76、0.72、0.66、0.62・間接費は、中等度腰痛群(169万円)および重度腰痛群(188万円)が、対照群(95万円)との比較において有意に高かった(どちらもp<0.05)。・直接費は、重度腰痛群(133万円)のみ対照群(54万円)より高い傾向がみられた(p=0.05)。

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急性期病院での認知症看護、その課題は:愛媛大

 認知症は公衆衛生上の大きな問題であり、ますます多くの認知症患者が合併症治療のために急性期病院へ入院している。一方で、急性期病院における認知症患者の看護に関する問題は、明らかにされてこなかった。愛媛大学の福田 里砂氏らはフォーカスグループインタビュー(FGI)を用いた質的研究を行い、主な問題として、さまざまな問題や困難が相互に作用して悪循環に陥っていること、看護師は矛盾を感じながらもそのような状況に対応するため最善を尽くしていることの2点を示した。International Journal of Qualitative Studies on Health and Well-being誌オンライン版2015年2月24日号の掲載報告。 研究グループは、2008年2月~12月に西日本の急性期病院6施設においてFGIを実施した。対象はICUを除いた外科および内科病棟の看護師で、看護師歴3年未満、最近配属された病棟で認知症患者の看護の経験がない看護師および看護師長は除外された。インタビュー時間は1~1.5時間であった。 主な結果は以下のとおり。・参加者は計50人で、平均経験年数は9.8年であった。・8つのフォーカスグループが得られ、急性期病院における認知症患者の看護に関する問題は7つのグループに分類された。・そのうち3つのグループ[問題となる患者の行動、問題が繰り返し起こること、問題が多くの人々(家族や同室の患者)にも及ぶこと]は相互に作用し、悪循環となっていることが判明した。・看護師の経験不足や病院の体制が整っていないことが、この悪循環をさらに悪化させていると思われた。・この悪循環に対処するため、看護師は自分たち自身あるいは病院のために対策を講じていた。関連医療ニュース 精神疾患患者、救急受診の現状は 複雑な薬物療法レジメン、認知症介護者の負担増加 救急搬送患者に対する抗精神病薬の使用状況は  担当者へのご意見箱はこちら

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山中伸弥氏が語るiPS細胞研究の発展と課題

 2015年3月19日、日本再生医療学会にて、京都大学 iPS細胞研究所(Center for iPS Cell Research and Application, Kyoto University、以下CiRA)の山中 伸弥氏が「iPS細胞研究の現状と医療応用に向けた取り組み」と題して講演した。進むiPS細胞再生医療 理化学研究所などのiPS細胞を使った加齢黄斑変性患者を対象とした臨床研究が承認され、iPS細胞研究の医療応用に向けて大きな一歩を踏み出した。CiRAでもいくつもの研究が進んでいる。パーキンソン病:ドパミン産生神経細胞の高純度の作製に成功し、現在サルのパーキンソン病モデルを用いて効果と安全性を検証中である。良好な結果であることから、年内に臨床研究の申請へと進める予定である。iPS細胞による輸血:血小板の元である巨核球、赤血球前駆細胞作製に成功。とくに血小板は大量培養のシステムを確立している。早い段階で臨床研究に入ると予想される。血小板も赤血球も放射線を当てることができ、増殖性の残っている細胞はすべて殺せるため安全性を確保できるという。本邦は急速な高齢化により今後10年以内に献血だけでは輸血が補えなくなると予想される。このように献血を補うアプローチは喫緊の課題だ。糖尿病:2次元カルチャーと3次元カルチャーでアプローチしている。2次元カルチャーでは、すでにiPS細胞からインスリン産生細胞の作製に成功している。マウスへの移植で血中のヒトC-ペプチドが増加することも確認されている。将来糖尿病の再生医療を実現。また3次元カルチャーでは、iPS細胞から膵臓を丸ごとつくることを目指す。現在、膵臓のオルガノイド作製に成功しており、今後の発展に期待がかかる。心筋再生治療:大阪大学では、すでに骨格筋芽細胞シートで重症心不全に対する良好な成績をあげているが、iPS細胞由来の心筋細胞シートについても大阪大学との共同研究で、作製に成功。動物での改善が示されている。さらに、心筋細胞シートに加え、心筋、内皮細胞、血管壁細胞で構成された心臓細胞シートの作製に成功。こちらも動物モデルで有意な心機能の改善が確認されている。心臓移植の待機中に亡くなる方も少なくない。そのような患者の延命につながると期待される。関節疾患:関節軟部疾患に対する再生医療アプローチを行っており、ヒトiPS細胞からの軟骨細胞作製に成功している。iPS細胞由来の軟骨細胞の移植により外傷等比較的欠損が小さい症例への治療に期待がかかる。筋ジストロフィー:筋ジストロフィー患者由来のiPS細胞から骨格筋幹細胞を作製し、この細胞を筋ジストロフィーモデルの免疫不全マウスへ移植することで病態の再現に成功。今後臨床応用を目指す。iPS細胞によるがん免疫の若返り:T細胞などの免疫細胞はがん細胞を攻撃するが、加齢に伴い免疫細胞は疲弊し、がん細胞の増殖転移が進む。そこで、がん細胞を攻撃する特定のT細胞を採取し、その細胞からiPS細胞を誘導・増殖させ、攻撃特性を持ったT細胞を再び作製することに成功している。がんに対する将来の治療として期待される。再生医療用iPS細胞ストック 倫理問題、費用、時間など多くの面で自家移植には限界がある。iPS細胞による再生医療を実現するためには、他家移植が主流となる。CiRAではiPS細胞をストックする計画を進めている。京大病院のiPS外来では患者の診察とともにiPS細胞ドナー候補ボランティアから献血を行っている。採取した血液はCiRA内のCPCに持ち込まれ、iPS細胞の樹立を行っている。  しかしながら、拒絶反応を減らすためにはHLAの一致が必要。HLAは膨大なバリエーションがあり、一致する確率はきわめて低い。効率よく一致させるためには、HLAホモドナーからの細胞作製が必須だ。日本人で最頻度のHLAタイプのホモドナー1人からiPS細胞をつくると、日本人の20%をカバーできる。違うホモで作製すると80%、140人で95%がカバーできる。最初の目標は日本人の50%のカバーだという。とはいえ、数十人のホモドナーを見つけるには数十万人を調べる必要がある。そのため、臍帯血バンク、日本赤十字社、骨髄バンクといったHLAの情報を管理している外部との連携を進めている。医療応用に必要な人材の確保 iPS細胞の研究には研究者だけでなく、優秀な技術員、規制専門家、契約専門家、知財専門家、広報専門家、事務職員など多くの人材が必要である。一方、国立大学の定員ポストは研究員のみである。実際のCiRAでは300人以上が雇用されているが、無期雇用は1割で、残りの9割は有期雇用である。これは国立大学の研究機関に共通する課題であり、安定雇用に活用できる運営費交付金の割合を増やすよう要望している。 とはいえ、米国では州からの援助は予算の5%。残りの95%はトップがさまざまなスポンサーから集め、安定的な雇用を確保している。そのため、CiRAもiPS細胞基金を立ち上げ、山中氏自ら活動し、研究者の長期雇用、研究環境改善、若手研究者教育に資金を募っているという。iPS細胞研究基金HP

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臨床開発中止で患者2万超例分のデータが未公表/BMJ

 カナダ・マギル大学のAmanda Hakala氏らは、臨床開発中止となった薬物(stalled drugs)の試験報告へのアクセシビリティについて、登録試験を系統的に評価して定量化を行った。その結果、開発に成功し承認された薬物(licensed drugs)の試験公表率は75%に対し、開発が中止となった薬物については37%で、公表について両者に大きな差があることを明らかにした。著者は、「開発が遅れている薬物試験で収集された情報の大半が、研究や臨床に生かされてない」と述べ、「臨床研究における透明性、倫理性、説明責任を促進するポリシー改善を行うべきことが実証された」とまとめている。BMJ誌オンライン版2015年3月9日号掲載の報告。がん、心血管疾患または神経障害領域の登録試験の公表率を定量化 検討は、clinicaltrials.gov、Google Scholar、PubMed、Embaseなどを検索して、がん、心血管疾患、神経障害領域の「承認薬」と「臨床開発中止薬」の登録試験を調べ、公表状況を評価した。評価に組み込んだ「承認薬」の試験は、2005~2009年にFDAの承認を受けた薬物の試験で、「臨床開発中止薬」の試験は、2009年までに1つ以上の第III相試験が完了し2009年12月31日以降の臨床試験実施のエビデンスがないものを適格とした。 公表の適格基準は、2006年1月1日~2008年12月31日の間に1人以上の被験者を登録し主要アウトカムを報告していた、clinicaltrials.govへ登録されていた第II、IIIまたはIV相試験とした。公表率は承認薬試験75%に対し臨床開発中止となった薬の試験は37% 承認薬の登録試験の補正前公表率は75%(72/96例)に対し、臨床開発中止薬の試験は37%(30/81例)であった。公表率は、承認薬試験のほうが2.7倍良好であった(ハザード比:2.7、95%信頼区間[CI]:1.7~4.3)。 承認薬試験では、疾患タイプ、スポンサーシップ、試験フェーズ、試験地にかかわらず公表率が高かった。 承認薬試験との比較において、臨床開発中止薬試験の未公表率は、登録が完了していなかった試験で有意に高かった。 臨床開発中止薬試験に参加していた患者、総計2万135例分のデータが未公表であることが判明した。

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生データによるメタアナリシスの診療ガイドラインへの引用割合(解説:折笠 秀樹 氏)-325

 診療ガイドライン策定に当たり、系統的レビューやメタアナリシスがよく引用されるのは周知のとおりである。メタアナリシスとは複数の研究結果を統合する解析法のことであるが、通常は研究論文中に掲載されている数値を基にして結果を併合する。一方、生データを取り寄せ、それらに基づき統合するメタアナリシスも存在する。この方法をIPDメタアナリシス(今後、IPD-MAと略す)と呼んでいる。ちなみに、IPDはIndividual Participant Dataの頭文字を取った。本論文では、診療ガイドラインにIPD-MAがどれくらい引用されているかを調査した。 精選された医療情報を収集し、それらをメタアナリシスで統合し、世の中へ提供しているグループがある。それはコクラン共同計画(Cochrane Collaboration)という団体である。このコクラン共同計画の中に、IPD-MA Methods Groupという専門部会がある。そこが所有するIPD-MAデータベースから33件のIPD-MAが調査された。ちなみに、本論文の著者はこの専門部会のメンバーである。これら33件のIPD-MAの内容に合致した診療ガイドラインとして177件が選ばれた。そして、診療ガイドラインでの引用率をIPD-MAごとに算出した。まったく引用されていないIPD-MAが8件(8/33=24%)もあった。その一方で、88%(14/16)も引用されたIPD-MAがあった。それはATT(Antithrombotic Trialists’ Collaboration)である。コクラン共同計画が主導したIPD-MAであり、アスピリンなどの抗血栓薬の有効性を示した。また、スタチンなどの脂質改善薬に関するIPD-MAであるCTT (Cholesterol Treatment Trialists’ Collaboration)でも43%(6/14)引用されていた。平均的には37%の引用率のようであった。 IPD-MAにもピンキリがあり、コクラン共同計画や主要学会が主導する立派なものから、一部の研究者が主導する低質のものまで存在する。前者は診療ガイドラインにかなり引用されているので、一概にIPD-MAが診療ガイドラインへ引用されないともいい切れないだろう。それよりも、質の高いIPD-MAをもっと行うべきではないかと思う。IPD-MAでは生データが必要となるが、昨今の研究データの公開化が進めばやりやすくなることだろう。

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