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統合失調症患者の再発リスクを低下させるためには

 統合失調症患者でも抗精神病薬の効果が続く長時間作用型治療(LAT)による治療を行っているにもかかわらず、再発することが少なくない。米国・セントルイス大学のLarry Alphs氏らは、LATによりアドヒアランスが確保されているにもかかわらず再発する要因を検討した。International clinical psychopharmacology誌オンライン版2016年3月11日号の報告。 著者らは、安定期統合失調症または統合失調感情障害患者323例に対し、リスペリドン長時間作用型注射剤を1年間使用した研究の事後分析を行った。対象患者は、抗精神病薬の経口剤を中止し、52週間のリスペリドン長時間作用型注射剤50mg(163例)または25mg(161例)の隔週投与に割り付けられた。再発の要因の推定にはCox比例ハザード回帰モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・323例中59例(18.3%)は、持続的なLATにもかかわらず12ヵ月間で再発が認められた。・再発リスクと関連した要因は、罹病期間(年6%増加、p=0.0003)と調査国(カナダ対米国で4.7倍リスク増加、p=0.0008)であった。・罹病期間を、5年以下、6~10年、10年超で分類した場合、10年超対5年以下で再発リスクが最も高かった(4.4倍リスク増加、p=0.0181)。 著者らは「罹病期間が長い慢性化した患者では、アドヒアランスを維持したにもかかわらず再発リスクが高いため、早期の介入が必要である」としている。関連医療ニュース 統合失調症の再発予防プログラムを日本人で検証:千葉大学 統合失調症“再発”の危険因子は 統合失調症再発予防、遠隔医療に改善の余地あり

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勃起不全患者の心血管イベント予測に有用なマーカー

 勃起不全(ED)患者において、「血管年齢と実年齢の差」は、心血管疾患発症リスクが低い群(若年齢、メタボリックシンドロームなし、心血管疾患の家族歴なし)において主要な心血管イベントの発症と関連することが、フィレンツェ大学のGiulia Rastrelli氏らによる研究で明らかになった。血管年齢と実年齢の差による心血管イベントの予測は、超音波カラードップラー検査のパラメータを含む他の危険因子と独立しており、費用もかからないため、陰茎の血管損傷の安全な代理マーカーとして有用性が高いと考えられる。The journal of sexual medicine誌2016年2月号の報告。 EDは、心血管疾患のリスク因子の1つである。また、EDは現在、内皮機能不全やアテローム性動脈硬化症によって複合的に発現する症状のうちの1つと考えられている。 超音波カラードップラー検査は、とくに低リスクでの男性において主要心血管イベントを予測することができるが、日常的な臨床健診では推奨されていない。そのため、本研究では、ED患者において、欧州の冠動脈疾患リスク層別化チャート「SCORE※」のアルゴリズムに従って評価した「血管年齢と実年齢の差」が、超音波カラードップラー検査のパラメータを含む他の危険因子から独立した主要心血管イベントリスクの予測因子となるかを検討した。 EDを主訴に初めて外来受診した連続1,687例のうち、SCOREアルゴリズムに従って各種パラメータを算出し、心血管イベントの既往がない739例について、レトロスペクティブに検討した。 血管年齢と実年齢の差は、SCOREアルゴリズムから算出した。主要心血管イベントの情報は、the City of Florence Registry Officeより得た。主要心血管イベントは、国際疾病分類に基づき、虚血性心疾患(コード:410-414)、その他の心疾患(コード:420-429)、心疾患による突然死(コード:798-799)、脳血管疾患(コード:430-434 、436-438)、末梢動脈疾患(コード:440)と定義された。 主な結果は以下のとおり。・血管年齢は、主要心血管イベント発症との関連が認められた。・年齢中央値(56歳)、心血管疾患の家族歴、メタボリックシンドロームの有無に応じて対象を層別化すると、「血管年齢と実年齢の差」と主要心血管イベントとの関連は、低リスク群のみで認められた。超音波カラードップラー検査のパラメータを含む交絡因子を調整した後でも、56歳未満:HR=1.09(1.03~1.16)、心血管疾患の家族歴なし:HR=1.05(1.01~1.10)、メタボリックシンドロームなし:HR=1.08(1.01~1.16)と同様の結果が得られた(それぞれp<0.05)。※SCORE:Systematic Coronary Risk Evaluation欧州の各国で実施されたコホート研究データをプールし、欧州の実情に合うよう作成された冠動脈疾患リスク評価チャート。ベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、イタリア、ノルウェー、ロシア、スコットランド、スペイン、スウェーデン、英国の総計21万6527人分のデータに基づいて作成された。

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ピロリ菌で好酸球性食道炎のリスクが低下?

 Helicobacter pylori(以下、H. pylori)感染は、好酸球性食道炎(EoE)の発症リスク低下と関連していることが、ドイツ・オットー・フォン・ゲーリケ大学のU. von Arnim氏らにより報告された。Alimentary Pharmacology & Therapeutics誌2016年4月号の掲載報告。 EoEは、病因学上いまだ不明な点もあるが、食道における慢性の免疫抗原介在性アレルギー性疾患であり、環境曝露が病因に関与している可能性が考えられている。一方、H. pylori感染は、アトピー性皮膚炎や喘息、アレルギー性鼻炎といったアレルギー性疾患と逆相関の関連性がみられる。このことから、アレルギー性疾患においてH. pyloriは、保護的な役割をする可能性があるが、EoEとH. pyloriの関係については、ほとんどわかっていない。そこで著者らは、H. pylori感染がEoEの発症リスク低下と関係しているかどうかを調査するため、ケースコントロールスタディを行った。 臨床的・組織学的にEoEであると診断された患者58例[女性11例(19%)、男性47例(81%)、平均年齢36.5歳(20~72歳)]において、血清学的検査によりH. pyloriの感染を評価した。年齢・性別をマッチさせた116例(症例1例につき対照2例)をコントロール群とした。H. pyloriに対する抗体は、ELISA法により同定し、H. pylori特異的IgG≥30 EIUである場合に、ピロリ菌陽性と分類した。 主な結果は以下のとおり。・EoE患者58例中3例(5.2%)が、現在ピロリ菌に感染していることが血清学的に確認された。加えて、58例中5例(8.6%)が、過去にH. pyloriの除菌治療を受けていたことを報告した。・コントロール群は、EoEの患者と比較して、血清H. pylori陽性率が有意に高かった(37.9%、p<0.0001)。・EoEは、H. pylori感染と逆相関していた(OR:0.24、95%CI:0.11~0.50)。

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乳児期に抗菌薬投与すると幼児期に太るのか/JAMA

 生後6ヵ月以内の抗菌薬使用は、7歳までの体重増と統計的に有意な関連はみられないことが、米国・フィラデルフィア小児病院のJeffrey S. Gerber氏らが行った後ろ向き縦断研究の結果、示された。マウスを用いた動物実験では、誕生後早期の抗菌薬使用は、腸内細菌叢を乱し炭水化物・脂質の代謝を変化させ肥満と関連することが示されている。一方、ヒトの乳児期抗菌薬使用と幼少期体重増との関連を検討した研究では、相反する報告が寄せられている。JAMA誌2016年3月22・29日号掲載の報告。6ヵ月以内の抗菌薬使用と、6ヵ月齢~7歳までの体重変化の関連を主要評価 研究グループは、ペンシルベニア州、ニュージャージー州、デラウェア州にわたる30の小児プライマリケア診療所のネットワークから、人種や社会経済的背景が多様な20万例超の小児を集めて、後ろ向きに、単生児縦断研究および適合双生児による縦断研究を行った。 被験者は、2001年11月1日~11年12月31日に、在胎期間35週以上で、出生時体重2,000g以上または在胎期間基準体重の5パーセンタイル以上で誕生し、生後14日以内に予防接種・健康診査を受け1歳までにさらに少なくとも2回受診している小児であった。複合的慢性症状がある児、長期に抗菌薬を投与もしくは複数の全身性コルチコステロイド処方を受ける児は除外した。 検討には、単生児3万8,522例と、抗菌薬使用が不一致の双生児92例(46組)を包含。フォローアップの最終データ日は12年12月31日であった。 主要アウトカムは、生後6ヵ月間で全身性抗菌薬を使用した児の、月齢6ヵ月から7歳までの予防接種・健診時に測定した体重とした。乳児期抗菌薬使用と幼少期体重変化に有意な関連なし 単生児群は女児が50%、平均出生時体重は3.4kgであり、生後6ヵ月間の抗菌薬使用例は5,287例(14%)であった。使用時の平均年齢は4.3ヵ月であった。使用例の24%が広域スペクトラム抗菌薬、5%がマクロライド系抗菌薬の投与で、大半(79%)が1コースのみの投与であった。また、あらゆる抗菌薬の使用は、月齢24ヵ月では67%に増加しており、52%が広域スペクトラム、19%がマクロライド系であった。 解析の結果、生後6ヵ月の抗菌薬使用は体重変化率と、統計的に有意な関連はなかった(0.7%、95%信頼区間[CI]:-0.1~1.5、p=0.07)。2~5歳の体重変化率に相当する推定体重増は0.05kg(95%CI:-0.004~0.11)であった。サブ解析で、抗菌薬の投与コース数の違い(1、2、≧3コース)や種類別(狭域スペクトラム、広域スペクトラム、マクロライド系)にみた場合も、使用と体重変化に有意な関連はみられなかった。 双生児は女児38%、平均出生時体重2.8kgで、抗菌薬使用時の平均年齢は4.5ヵ月であった。 解析の結果、生後6ヵ月の抗菌薬使用と、体重変化の差と関連はみられなかった(使用双生児群と非使用双生児群の年当たりの差:-0.09kg、95%CI:-0.26~0.08、p=0.30)。 著者は、「低年齢の健康児では、抗菌薬使用を制限する多くの理由があるが、その1つに体重増は該当しないようだ」と述べている。

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「処方箋を書く」医師の行為は「将棋」か「チェス」か?(解説:後藤 信哉 氏)-511

 医師の処方は、重要な治療行為である。「処方箋」が必要ということは、専門家が正確な知識に基づいて使用しなければ「危険」という意味もある。処方箋を書くときには、患者と危険を共有する勇気が必要である。 筆者の専門とする抗血栓薬では、薬剤使用のメリットとリスクが明確である。少量アスピリンでも年間0.2%程度は消化管、頭蓋内などの重篤な出血イベントを惹起する。ワルファリンでもPT-INRのコントロールに相応して重篤な出血が起こるし、いわゆるNOACsによる重篤な出血イベントリスクは、アスピリンの10倍である。 筆者は、自らの「処方」選択は、過去の世界の経験を踏まえた高速スパコンと情報技術に負けない「質」であると自信を持っている。しかし、今回の論文は、英国のGPのNSAIDs、アスピリンの処方は、コンピュータより「質」が低い可能性を示した。「将棋」において名人に常勝するコンピュータを聞かない。しかし、チェスではコンピュータに常勝できる名人はいなくなった。専門家としての医師の「処方選択」には「将棋」の複雑性があるか? 今回の研究は、NSAIDsとアスピリンの選択において、コンピュータの能力が標準的な医師を超える可能性を示した。 われわれはEvidence Based Medicineによる「標準治療」向上を選択して以来、個別患者を診る専門家としての長所を失ってきた。医師にしか捉えることのできない「個別患者の特性」に基づいて、「個別化医療」を実践していると主張し続ければ、われわれがコンピュータに負けることはなかった。対象とする個別患者は1人しかおらず、ランダム化比較試験による有効性、安全性の科学的検証は患者集団においてのみ可能であることが理由である。 しかし、われわれはEBMを志向した。行政、患者、企業にも専門的行為である「医療」の「質」の客観的評価が可能となった。過去の情報に基づいて未来を決めるEBMの世界では、過去の膨大な情報を一気に扱えるコンピュータは、個別医師の頭脳よりも有利である。個別のコンピュータも高速化したが、webを用いればコンピュータの情報ハンドル能力は一気に加速する。本研究では「薬剤師」が医師を教育し、医師には年収の0.6%に相当する「お小遣い」をくれるかわりに、医師の処方の妥当性がwebにより評価される。医師よりコンピュータがNSAIDs、アスピリンの処方が効率的であることを示しても、年収の0.6%に相当する「お小遣い」をもらえば損ではないと、試験の参加医師は考えたのかもしれない。 電子カルテにアクセスして、NSAIDs、アスピリンを処方した過去8週間の症例のうち、出血リスクの高い症例に「危険フラグ」を立てる。「危険フラグ」はEBMに基づいて科学的に立てられる。EBMの世界では、「この患者にはNSAIDs、アスピリンが危険な匂いがする」といっても価値はない。過去の文献をサーチして、高齢、2次予防群などをhigh risk群としてコンピュータが同定すれば、個別の医師には対抗する論理がない。 「危険フラグ」を消すためには、(1)医師が処方の理由を明確に記載する、(2)処方を中止する、(3)PPI、H2拮抗薬を処方する、などの対応が必要となる。このような「処方への介入」により、危険処方が3.7%から2.2%に減少した。また、消化管などの出血による入院率も、55.7/1万人年から37.0/1万人年へ減少した。医師に対して多少インセンティブを与えても、システムに基づく教育を導入することにより危険処方が減少し、全体としての医療費が削減されるとなれば、今回の方法は、他の領域にも積極的に導入されると予想している。 NSAIDsやアスピリンなどは、米国ではスーパーで売っている。薬局のパソコンとweb、スマホに自分の情報を入力し、low riskであれば販売許可票が出る仕組みを作ることは困難ではない。GPの教育者が本試験では「薬剤師」であることを考えると、情報端末の教育対象はGPでなく、薬剤師でなく、直接患者でもよいかもしれない。正確な知識に基づいて使用しなければ「危険」とされる薬剤の一部では、「危険」の判断はコンピュータができる。医師が患者と共に「危険」を共有する必要がある薬剤は、ワルファリンなどの「難しい薬剤」に限局される時代は近い。 エビデンスに基づいて「医療を標準化」すれば、コンピュータ医師がヒト医師を超える時代は必ず来る。医師が「自らは専門家である」と専門性を主張できる分野は、コンピュータ、人工頭脳が取って代わることのできない職人的領域に限局される。IT革命の影響が医学、医療に及ぶ時代が来た。専門職としての「ヒトの医師」には「コンピュータの医師」に取って代わることのできない役割があると筆者は信じたいが…。関連コメント高リスク処方回避の具体的方策が必要(解説:木村 健二郎 氏)診療所における高リスク処方を減らすための方策が立証された(解説:折笠 秀樹 氏)ステップウェッジ法による危険な処方を減らす多角的介入の効果測定(解説:名郷 直樹 氏)診療の現場における安全な処方に必要なものは何か…(解説:吉岡 成人 氏)

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1分でわかる家庭医療のパール ~翻訳プロジェクトより 第28回

第28回:子供の発疹の見分け方監修:吉本 尚(よしもと ひさし)氏 筑波大学附属病院 総合診療科 小児科医、皮膚科医でなくとも、子供の風邪やワクチン接種の時などに、保護者から皮膚トラブルの相談をされることがあると思います。1回の診察で診断・治療まで至らないことがあっても、助言ぐらいはしてあげたいと思うのは私だけではないと思います。文章だけでははっきりしないことも多いため、一度、皮膚科のアトラスなどで写真を見ていただくことをお勧めします。 以下、American Family Physician 2015年8月1日号1) より子供の発疹は見た目だけでは鑑別することが難しいので、臨床経過を考慮することが大切である。発疹の外観と部位、臨床経過、症状を含め考慮する。発熱は、突発性発疹、伝染性紅斑、猩紅熱に起こりやすい。掻痒はアトピー性皮膚炎やばら色粃糠疹、伝染性紅斑、伝染性軟属腫、白癬菌により起こりやすい。突発性発疹のキーポイントは高熱が引いた後の発疹の出現である。体幹から末梢へと広がり1~2日で発疹は消える。ばら色粃糠疹における鑑別は、Herald Patch(2~10cmの環状に鱗屑を伴った境界明瞭な楕円形で長軸が皮膚割線に沿った紅斑)やクリスマスツリー様の両側対称的な発疹であり、比較的若い成人にも起こる。大抵は積極的な治療をしなくても2~12週間のうちに自然治癒するが、白癬菌との鑑別を要する場合もある。上気道症状が先行することが多く、HSV6.7が関与しているとも言われている。猩紅熱の発疹は大抵、上半身体幹から全身へ広がるが、手掌や足底には広がらない。膿痂疹は表皮の細菌感染であり、子供では顔や四肢に出やすい。自然治癒する疾患でもあるが、合併症や広がりを防ぐために抗菌薬使用が一般的である。伝染性紅斑は、微熱や倦怠感、咽頭痛、頭痛の数日後にSlapped Cheekという顔の発疹が特徴的である(筆者注:この皮疹の形状から、日本ではりんご病と呼ばれる)。中心臍窩のある肌色、もしくは真珠のようなつやのある白色の丘疹は伝染性軟属腫に起こる。接触による感染力が強いが、治療せずに大抵は治癒する。白癬菌は一般的な真菌皮膚感染症で、頭皮や体、足の付け根や足元、手、爪に出る。アトピー性皮膚炎は慢性で再燃しやすい炎症状態にある皮膚で、いろいろな状態を呈する。皮膚が乾燥することを防ぐエモリエント剤(白色ワセリンなど)が推奨される。もし一般的治療に反応がなく、感染が考えられるのであれば組織診や細菌培養もすべきであるが、感染の証拠なしに抗菌薬内服は勧められない。※本内容にはプライマリ・ケアに関わる筆者の個人的な見解が含まれており、詳細に関しては原著を参照されることを推奨いたします。 1) Allmon A, et al. Am Fam Physician. 2015;92:211-216.

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121)塩分は少ないと思っていたのに…【高血圧患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 医師どんな風に減塩をされていますか? 患者しょう油をなるべく使わないようにしています。 医師それはいいですね。味付けは、どうされていますか?(味付けの確認) 患者ポン酢を使うようにしています。 医師そうですか。どんなポン酢ですか?(ポン酢の種類も確認) 患者普通に売っている、○○というポン酢を使っています。 医師なるほど。じつはポン酢は大きく分けると3種類あるんですが。種類によって含まれている塩分量が全然違うんです。 患者えっ、そうなんですか!(驚きの声) 医師Aさんが使っている味付けポン酢は、薄口醤油より塩分量は少ないのですが、減塩醤油と同じくらいの塩分量です(大さじ1杯で1.4g)。 患者ポン酢は酢だから、塩分はないと思っていました。これからは気を付けます。●ポイントポン酢には3種類ある。そして、味付けポン酢だからといって、使いすぎないようにアドバイス●資料 大さじ1杯の塩分量 薄口しょうゆ  2.9g 濃口しょうゆ  2.6g 減塩しょうゆ  1.4g 味付けポン酢  1.4g ポン酢        0g ポン酢の種類 (1)ポン酢(かんきつ果汁に醸造酢を加えたもの) (2)味付けポン酢(かんきつ果汁に醸造酢としょう油を加えたもの) (3)ダシ入り味付けぽん酢(かんきつ果汁に醸造酢としょう油、昆布や鰹のだしを加えたもの)

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維持期統合失調症治療、抗精神病薬の中止は可能か

 南アフリカ共和国・ステレンボッシュ大学のRobin Emsley氏らは、抗精神病薬による維持療法の長所と短所に関する最近の文献をレビューし、推奨事項をまとめた。Current opinion in psychiatry誌2016年5月号の報告。 最近の主な知見は以下のとおり。・単一エピソード後でさえ、抗精神病薬治療を中止した場合の再発率はきわめて高い。再発の確実な予測因子はなく、再発は重篤な心理社会的および生物学的結果に結び付く。・一方で、よく認識されている抗精神病薬の副作用の負担に加えて、最近の文献では、抗精神病薬治療の曝露の多さと長期転帰の不良との関連性が示唆されている。・抗精神病薬を中止した患者と比較し、維持した患者のほうが有効であるというエビデンスの報告は多い。・統合失調症単一エピソード後の維持療法に関して確実な回答を得るために、より多くの、より良い研究が緊急に必要である。・現状では、臨床医はとくに初期段階では、抗精神病薬治療の継続するよう促すことで、再発防止を優先する必要がある。そのうえで、可能な限り低用量かつ最も適した忍容性の高い抗精神病薬を選択することで、副作用を回避する必要がある。関連医療ニュース 統合失調症に対し抗精神病薬を中止することは可能か ベンゾジアゼピン系薬の中止戦略、ベストな方法は 統合失調症患者の抗コリン薬中止、その影響は

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化学放射線療法適応の頭頸部がん、PET-CT監視の効果は/NEJM

 化学放射線療法が適応の頭頸部がん患者の頸部リンパ節転移の治療において、PET-CTによる注意深い監視(PET-CT-guided surveillance:PET-CT監視)は、事前に予定された頸部郭清術(planned neck dissection:planned ND)に比べ予後は劣らないことが、英国・バーミンガム大学のHisham Mehanna氏らPET-NECK Trial Management Groupの検討で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2016年3月23日号に掲載された。頸部リンパ節転移の管理では、前向き無作為化試験が行われていないため、種々の対処法が採られているという。planned NDは、予後の改善効果が示唆されているが、不要な手術や合併症のリスクを伴う。PET-CTは、メタ解析で良好な陰性予測値(94.5~96.0%)が報告されており、不要な手術の適応を抑制し、合併症を回避できる可能性がある。PET-CT監視の有用性を無作為化非劣性試験で評価 研究グループは、化学放射線療法適応の頭頸部がんの頸部リンパ節転移に対する治療において、PET-CT監視とplanned NDを比較する前向き無作為化非劣性試験を行った(英国国立健康研究機構[NIHR]医療技術評価プログラムなどの助成による)。 対象は、年齢18歳以上、Stage N2/N3のリンパ節転移を有する中咽頭、下咽頭、喉頭、口腔、原発巣不明の頭頸部の扁平上皮がんで、化学放射線療法の適応と判定された患者であった。 被験者は、化学放射線療法施行後にPET-CT監視を12週行う群、またはplanned NDの前後のいずれかに化学放射線療法を実施する群に無作為に割り付けられた。PET-CT監視群のうち、PET-CTで完全奏効が確証されないか、境界的と判定された患者には4週以内にplanned NDが行われた。 主要評価項目は、全生存期間(OS)であった。 2007年10月~12年8月までに、英国の37施設に564例が登録され、PET-CT監視群に282例、planned ND群にも282例が割り付けられた。約80%で頸部郭清術が不要に、費用対効果も優れる 平均年齢はPET-CT監視群が57.6±7.5歳、planned ND群は58.2±8.1歳で、男性がそれぞれ79.1%、84.0%を占めた。全体の84%が中咽頭がんで、79%がN2a/N2bであり、74%が喫煙者/元喫煙者であった。また、75%が、がんの原因がヒトパピローマウイルス(HPV)であることの指標であるp16蛋白が陽性であった。 頸部郭清術は、PET-CT監視群が54例に行われたのに対し、planned ND群は221例に施行された。合併症の発生率は、それぞれ42%、38%とほぼ同等であった。 2年OSは、PET-CT監視群が84.9%(95%信頼区間[CI]:80.7~89.1)、planned ND群は81.5%(同:76.9~86.3)であった。死亡のハザード比(HR)は0.92(同:0.65~1.32)とPET-CT監視群でわずかに良好であり、planned ND群に対する非劣性が示された(95%CIの上限値<1.50、p=0.004)。 疾患特異的死亡率や他の原因による死亡率も両群間に有意な差はみられなかった(それぞれ、p=0.80、p=0.41)。また、p16陽性例(HR:0.74、95%CI:0.40~1.37)および陰性例(同:0.98、0.58~1.66)のいずれにおいても、両群間にOSの差は認めなかった。 重篤な有害事象は、PET-CT監視群が113例、planned ND群は169例に発現した。また、EORTC QLQ-C30による全般的健康状態(global health status)スコアは、6ヵ月時はPET-CT監視群のほうが良好であった(p=0.03)が、この差は12ヵ月時には小さくなり(p=0.09)、24ヵ月時には消失した(p=0.85)。 試験期間中の1例当たりの医療費は、PET-CT監視群がplanned ND群よりも1,492ポンド(約2,190米ドル)安価であった。 著者は、「両群のOSはほぼ同等であったが、PET-CT監視群では約80%の患者で頸部郭清術が不要となり、郭清術の遅延による不利益もなく、費用対効果が優れていた。HPV陽性例と陰性例の効果は同じであった」としている。

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SSRIはむしろ心血管リスクを低下させる?/BMJ

 プライマリケア受診のうつ病患者約24万例のデータを用いたコホート研究で、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、心血管リスクの増加と関連しないことが示された。英国・ノッティンガム大学のCarol Coupland氏らによる検討で、BMJ誌オンライン版2016年3月22日号で発表された。先行研究で指摘されていたシタロプラムの不整脈リスク増加のエビデンスも認められなかった。分析の結果、むしろSSRIに心筋梗塞リスクを低下する効能がある可能性が示され、とくにfluoxetineで有意な低下がみられたという。リスク増加が示されたのは、三環系抗うつ薬のロフェプラミンであったと報告している。プライマリケア受診のうつ病患者23万8,963例のデータを分析 検討は、英国一般医が関与するQReseachプライマリケアデータベースを用いて行われた。2000年1月1日~11年7月31日の間に、初発のうつ病と診断された20~64歳、23万8,963例のデータを包含し、処方された抗うつ薬の種類(三環系抗うつ薬、SSRI、その他抗うつ薬)、用量、投与期間、また各薬剤の別に、3つの心血管アウトカム(心筋梗塞、脳卒中/一過性脳虚血発作(TIA)、不整脈)との関連について分析した。 主要評価項目は、追跡期間5年間の心筋梗塞、脳卒中/TIA、不整脈の初発の診断とした。Cox比例ハザードモデルを用いて、潜在的交絡因子を補正後、ハザード比(HR)を推算し評価した。不整脈・心筋梗塞・脳卒中/TIAのリスク増加と関連するエビデンス見つからず 5年間の初発診断例は、心筋梗塞772例、脳卒中/TIAは1,106例、不整脈は1,452例であった。 5年の追跡期間中、抗うつ薬の種類ベースで、心筋梗塞との有意な関連はみられなかった。 追跡1年目において、SSRI治療患者で抗うつ薬未治療患者と比較して、心筋梗塞リスクの有意な低下がみられた(補正後HR:0.58、95%信頼区間[CI]:0.42~0.79)。薬剤別にみると、同リスクの低下が顕著であったのはfluoxetineであり(同:0.44、0.27~0.72)、一方でロフェプラミンのリスク増大が顕著であった(同:3.07、1.50~6.26)。 脳卒中/TIAとの有意な関連は、抗うつ薬の種類ベースおよび薬剤別においてみられなかった。 不整脈との有意な関連は、5年の追跡期間中、抗うつ薬の種類ベースではみられなかった。ただし、三環系抗うつ薬について治療開始28日間における同リスクの有意な増加がみられた(補正後HR:1.99、95%CI:1.27~3.13)。fluoxetineは5年の間、不整脈リスク低下との有意な関連がみられた(同:0.74、0.59~0.92)。シタロプラムは、高用量の投与であっても不整脈リスクの有意な増加は認められなかった(用量40mg/日以上での補正後HR:1.11、95%CI:0.72~1.71)。 以上を踏まえて著者は、「今回の大規模観察研究で、うつ病と診断された20~64歳の集団において、SSRIが不整脈・心筋梗塞・脳卒中/TIAのリスク増加と関連するというエビデンスは見つからなかった。むしろ心筋梗塞や不整脈リスクを低下する関連が、とくにfluoxetineで示された。シタロプラムが不整脈リスクを増加するとのエビデンスは、CI値は広域にわたっていたが、高用量の場合でも見つからなかった」と述べ、「今回の結果は、最近のSSRIの安全性に関する懸念を払拭するものである」とまとめている。

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前立腺がん骨転移治療に進展、塩化ラジウム223「ゾーフィゴ」が前立腺がんの承認取得

 2016年3月28日、バイエル薬品株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:カーステン・ブルン)は、骨転移のある去勢抵抗性前立腺の効能・効果で、塩化ラジウム223(商品名:ゾーフィゴ静注、以下、ゾーフィゴ)の製造販売承認を取得したと発表。ゾーフィゴは、日本で初めてのアルファ線を放出する放射性医薬品。 今回の承認は、国際共同第III相試験ALSYMPCA(ALpharadin in SYMptomatic Prostate CAncer)試験のデータ、および日本人の患者を対象に塩化ラジウム223の安全性と有効性を評価した試験のデータに基づいている。ALSYMPCA試験は、症候性の骨転移を有する去勢抵抗性前立腺(CRPC)の患者を、標準的治療下で、塩化ラジウム223投与群とプラセボを投与群に無作為に割り付けた二重盲検プラセボ対照国際共同第III相臨床試験。中間解析では、塩化ラジウム223投与群のOS中央値14.0ヵ月に対し、プラセボ投与群11.1ヵ月と、塩化ラジウム223投与群が有意に延長した(HR:0.681、95%CI:0.542-0.857、p=0.00096)。盲検解除後に実施した2回目の解析では、塩化ラジウム223群14.9ヵ月と、プラセボ群の11.3ヵ月に比べ、OS中央値のさらなる延長が認められた(HR:0.691、95% CI:0.578-0.827)。 ALSYMPCA試験において、塩化ラジウム223群で発現頻度の高かった有害事象(25%以上で発現)は、骨痛(塩化ラジウム群 51.7%、プラセボ群 63.5%)、悪心(35.5% vs. 33.9%)、貧血(31.2% vs. 30.6%)、疲労(26.5% vs. 25.9%)、下痢(25.7% vs. 15.0%)であった。発現頻度の高かった血液学的事象は、貧血(31.2% vs. 30.6%)、好中球減少症(5.0% vs. 1.0%)、汎血球減少症(2.0% vs. 0%)、血小板減少症(11.5%vs. 5.6%)、白血球減少症(4.2% vs. 0.3%)、リンパ球減少症(0.8% vs. 0.3%)であった。 ゾーフィゴは、2013年にEUおよび米国で発売以来、世界40カ国以上で使用されている。有効成分であるラジウム223は、アルファ線を放出する放射性同位元素。骨塩(ヒドロキシアパタイト)複合体を形成することにより、骨、とくに骨転移巣を選択的に標的とする。高LET(線エネルギー付与)放射線であるアルファ線は、腫瘍細胞に対して高頻度でDNA二本鎖切断を誘発し、強力な殺細胞効果をもたらす。また、アルファ線の飛程は 100 µm未満であるため、周辺正常組織へのダメージを最小限に抑えるという。バイエル薬品株式会社のプレスリリースはこちら

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全国の薬学生が「20年後の医療」を議論

 昨年厚生労働省より発表された20年後を見据えた保健医療政策ビジョン「保健医療2035」。この提言を受けて、一般社団法人日本薬学生連盟(会長:慶應義塾大学薬学部4年 飯塚 千亜希氏)は3月20日にパネルディスカッション「薬学2035」を同団体の年会(会場:星薬科大学)にて開催した。 保健医療2035策定懇談会メンバーである厚生労働省 大臣官房総務課企画官の岡本 利久氏をはじめ、星薬科大学 実務教育研究部門講師の鳥越 一宏氏、国際薬学生連盟 アジア太平洋支部長のJanet Mirzaei氏(オーストラリア)および6年制課程と4年制課程の薬学生代表らがパネリストとして登壇し、全国から160人の薬学生が参加した。 ディスカッションに先立ち、岡本氏より「保健医療2035」策定の経緯や基本理念が概説された。とくに薬学と関連する点として、本提言発表後に厚生労働省より示された「患者のための薬局のビジョン」における「健康サポート機能」、「かかりつけ機能」、「高度薬学管理機能」などの役割や、本提言記載の「レギュラトリーサイエンスイニシアチブ」を挙げ、医薬品開発の国際規制の調和を推進することで、良い薬を必要な人がより早く利用できるように薬学部出身者が貢献していくことに期待を寄せた。 これに対し、Mirzaei氏は、高齢社会においては、多職種連携がカギであり、学生のうちから積極的に協働すべきであると述べた。また、オーストラリアでは、地域の健康促進において薬剤師が活躍していることに触れ、「予防医療や疾病スクリーニングの分野に薬剤師をもっと活用していくことで、低コストで健康を確保できる。同提言の内容を実行していくための具体的な計画が、政府や職能団体により作成される必要がある」と訴えた。 登壇者らの意見を受けて、参加した薬学生らは、20年後に向けた抱負を語った。慶應義塾大学4年の秤谷 隼世氏は、「地域で面白い活動をしている人や他分野の人を巻き込んで、薬学研究者として慢性疾患の改善、健康長寿社会の実現に向けて取り組みたい」と述べ、東京薬科大学3年の北澤 裕矢氏は、「薬局が地域における健康相談のファーストアクセスポイントとして機能することで、薬剤師は住民が病気になる前から関わることができる。生活習慣の改善や受診勧奨など、同提言で重要視されている予防の分野でもっと役に立ち、地域全体を良くしていくためにモデルとなるような薬局をつくっていきたい」と語った。 最後に、星薬科大学 学長の田中 隆治氏は、「世界に先駆けて高齢社会に推移している日本において、安全かつ安心、納得していただける医療を提供するためのこれからの薬局や薬剤師の在り方を考えていってほしい。また、レギュラトリーサイエンスの国際協調は難しい課題ではあるが、若い世代がブレークスルーしていき、日本や世界の人々のために活躍する人材へとなっていっていただきたい」と学生らを激励した。

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心血管疾患と悪性腫瘍の相同性(解説:後藤 信哉 氏)-509

オリジナルニュース長期アスピリン使用によるがん予防効果~13万6千人の前向き研究 動脈硬化は血管の老化とされる。また、動脈壁の慢性炎症変化ともいわれる。老化した細胞では、がん化のリスクも増加する。慢性炎症は発がんとも関連する。これらの事実を踏まえて考えると、心筋梗塞発症予防効果を有する薬剤に「がん化」予防効果があることは論理的必然ともいえる。 歴史的に心筋梗塞発症予防効果が明確に確認されている薬剤は、アスピリンとスタチンである。アスピリンのほうが使用歴が長いので、長期間の観察データの蓄積がある。以前から、英国の長期間の観察研究では、アスピリン服用例のがんの転移と初発が少ないことが以前から報告されていた。 今回の研究では、13万5 ,965例にも及ぶ看護師および医療関連職の前向きコホートを用いた観察研究にて、アスピリン常用者において、悪性腫瘍の発症が低かったこと(RR:0.97、95%CI:0.94~0.99)、消化管の悪性腫瘍(RR:0.85、95%CI:0.80~0.91)、とくに、大腸がんが少なかったこと(RR:0.81、95%CI:0.75~0.88)が示された。英国の長期観察データに引き続き、米国の長期観察データでも、アスピリン常用者において消化器の悪性腫瘍発症が低率であったことは興味深い。 ピロリ菌感染と同様に、アスピリンは日本における上部消化管粘膜障害の主要な原因である。ピロリ菌発症が、胃がんと関連するのに比較して粘膜障害を惹起しても、アスピリンと胃がんの関係は報告されていない。粘膜障害は、NSAIDsとしてのアスピリンが共有する副作用であるが、心筋梗塞発症予防効果はアスピリンに限局される。アスピリンは古い薬剤であるが、奥の深い薬剤である。大腸がん予防効果が科学的事実と認定されれば、日本でも多くの人がアスピリンの服用を希望すると想定される。特許が切れ、価格の安い薬なので、メーカーは新規の適応追加試験の施行に積極的になれないと推定される。日本には膨大な検診データがあるので、前向き観察研究を行い、英国、米国と同様の傾向が確認され、医師主導の大規模仮説検証ランダム化比較試験を実施することができれば、医学的インパクトはきわめて大きいと想定される。

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妊娠高血圧症候群は、周産期を過ぎても心筋症の発症リスクである(解説:神谷 千津子 氏)-510

 周産期(産褥性)心筋症は、「心疾患既往のない女性が、妊娠中から産後5ないし6ヵ月以内に、原因不明の心機能低下と心不全を発症する」と定義される、2次性心筋症の1つである。周産期心筋症患者の4割が、妊娠高血圧症候群を発症した後に心筋症を診断されているため、妊娠高血圧症候群は周産期心筋症の最大危険因子といえる。しかしながら、妊娠高血圧症候群が、周産期を過ぎた後にも心筋症の危険因子となりうるかについては、これまでまったく知られていなかった。今回Behrens氏らは、デンマークの全国コホート研究から、妊娠高血圧症候群が周産期を過ぎても心筋症の発症リスクであると、JAMA誌2016年3月8日号に初めて報告した。 対象は、デンマークで1978~2012年に最低1回は分娩した107万5,763人(既存の心疾患や糖尿病、母体死亡症例や周産期心筋症の患者などを除外)、206万7,633妊娠である。The National Patient Register、the Medical Birth Register、Causes of Death Register with cardiomyopathyから対象者・病名などを抽出し、妊娠高血圧症候群の有無と産後6ヵ月以降の心筋症診断率を検討した。 206万7,633妊娠中、7万6,108妊娠が妊娠高血圧症候群を合併しており、その内訳は、重症妊娠高血圧腎症1万2,974妊娠、軽症妊娠高血圧腎症4万4,711妊娠、妊娠高血圧症1万8,423妊娠であった。妊娠高血圧症候群のなかった女性における産後6ヵ月以降の心筋症診断率は7.7/10万person-yearsであったのに対し、重症妊娠高血圧腎症では15.6/10万person-years、軽症妊娠高血圧腎症では14.6/10万person-years、妊娠高血圧症では17.3/10万person-yearsの診断率であった。妊娠高血圧症候群のない群をreferenceにし、母体年齢・母体出生年・経産回数・多胎妊娠や死産の有無で補正した後のハザード比はそれぞれ2.20、1.89、2.06倍であった。 また、産後5年以降に限定した心筋症診断率の検討において、妊娠高血圧症候群のなかった女性では10.9/10万person-years、重症妊娠高血圧腎症では22.5/10万person-years、軽症妊娠高血圧腎症では19.9/10万person-years、妊娠高血圧症では26.1/10万person-yearsの診断率(各ハザード比2.22、1.86、2.25倍)であり、妊娠高血圧症候群は産後5年以降も心筋症の発症リスクであった。 心筋症の中でも拡張型心筋症に限定した診断率や、虚血性心疾患を合併した女性を除外し、糖尿病で補正した心筋症診断率においても、同様に妊娠高血圧症候群は発症リスクであった。 以上から、妊娠高血圧症候群を発症した女性において、周産期以降に心筋症を発症する率は、決して高くはないが、有意差をもって非発症女性よりも増加していることが判明した。妊娠高血圧症候群と周産期心筋症においては、血管新生障害や血管内皮障害や炎症、循環動態変動の関与が示唆されている。今回明らかになった、妊娠高血圧症候群と周産期以降の心筋症の関連については、今後さらなる研究が期待される。

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禁煙なんて、もっと先の話!?

禁煙なんて、もっと先の話!? あなたがタバコを吸い始めたきっかけは、単なる“好奇心”や“反抗心”など、ごく軽い気持ちからではなかったでしょうか。そして20年後… そんなきっかけでも、いったん習慣になってしまえば、タバコの持つ中毒性により、いずれ止めたいと思っても、簡単には止められなくなるのです。 そうなる前に、思い切って今、禁煙を始めてみませんか?「若者にとってタバコを吸い始めるという行為は、象徴的な意味もあります。すなわち『オレはもうおふくろべったりのガキじゃねえ。タフで、命知らずで、イケてる…』といった具合です。いずれにせよ、こうした心理的な動機づけが薄れていったとしても、今度はタバコの薬理学的な作用が働くようになり、禁煙は困難になるわけです。」(日経BP社刊『悪魔のマーケティング タバコ産業が語った真実』より引用)社会医療法人敬愛会 ちばなクリニックCopyright © 2016 CareNet,Inc. All rights reserved.清水 隆裕氏

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テレビに殺された子供【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第64回

テレビに殺された子供 >FREEIMAGESより使用 「この子を殺した犯人は、そのテレビだ!」なんて指をビシっと差す名探偵がいたら、アタマ大丈夫ですか? と言われそうなもの。しかし、医学論文の世界には、テレビに殺されたと思われる子供の症例報告が存在します。 Kodikara S, et al. Fatal pediatric head injury due to toppled television: does the injury pattern overlap with abusive head trauma? Leg Med (Tokyo). 2012;14:197-200. 小児における頭部外傷は、事故であったり虐待であったり、いろいろな理由があるとされています。昔ながらのブラウン管テレビは、その重さゆえ致死的な頭部外傷を起こす可能性が示唆されています。この症例報告の主人公は、2歳の女児です。彼女は、自宅で心肺停止の状態で倒れているところを発見されました。迅速な心肺蘇生が行われましたが、残念ながら心拍が戻ることはありませんでした。状況から考えて、27インチのブラウン管テレビが原因であることは明白だったようです。彼女の兄弟は、事故の現場を目撃していました。テレビスタンドの上にある大きなテレビの上に乗ろうとしたところ、テレビもろとも床に落ちたというのです。その際、致死的な頭部外傷を呈し、くも膜下出血を起こしました。今回のように目撃情報があるケースは別として、小児の頭部外傷は、法医学的に虐待なのか事故死なのか、判断が難しいとされています。隠された虐待を見逃さないようにしたいものですが、まれな事故死の可能性も考えておかねばならないのですね。なお、テレビ外傷は1~3歳児に最も多いとされています。軽い液晶テレビが普及してきた近年では、ブラウン管テレビよりも落下しやすいという側面から、液晶テレビによる外傷の頻度が増えているそうです1)。参考文献1)De Roo AC, et al. Pediatrics. 2013;132:267-274.インデックスページへ戻る

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うつ病患者にみられる認知機能の変化は

 うつ病の青年には、実行機能、注意、記憶の欠損が見られる。神経認知機能の変化は寛解期ではなく急性期に見られるものもあるという事実にもかかわらず、縦断的研究も不足している。米国・ニューヨーク市立大学クイーンズ校のAl Amira Safa Shehab氏らは、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)による急性期治療中のうつ病青年の神経認知機能の変化を調査した。Journal of child and adolescent psychopharmacology誌オンライン版2016年3月14日号の報告。うつ病青年を治療する際に認知症状についてもチェックする必要 うつ病青年24人と健康対照者24人を対象に、ベースライン時および6、12週にケンブリッジ神経心理学テスト(CANTAB)のサブテストおよび臨床スケールを評価した。うつ病青年には、ベースライン評価後、fluoxetineを投与した。 うつ病青年の神経認知機能の変化を調査した主な結果は以下のとおり。・うつ病青年では、抑うつ症状の著しい改善にもかかわらず、健康対照者と比較して、視覚的記憶の継続的な欠損が認められた(p=0.001)。・持続的な注意および抑制の課題は、健康対照者では12週までより良い状態であったが、うつ病青年では持続的注意欠損が残存していた。・実行機能(計画)課題は、健康対照者では課題を学習し、12週にわたり改善したにもかかわらず、うつ病青年のパフォーマンスでは有意な変化がみられなかった(p=0.04)。 結果を踏まえ、著者らは「うつ病青年を治療する際に、臨床医は気分症状の改善後にみられる認知症状についてもチェックする必要がある」としている。

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インクレチン関連薬の心不全リスクを検証/NEJM

 インクレチン関連薬は、一般的な経口糖尿病治療薬の併用療法と比較して、心不全による入院リスクを増大しないことが示された。カナダ・ジューイッシュ総合病院のKristian B. Filion氏らが、国際多施設共同コホート研究Canadian Network for Observational Drug Effect Studies(CNODES)の一環としてデータを解析し明らかにした。インクレチン関連薬(DPP-4阻害薬、GLP-1受動体作動薬など)は、安全性に関して心不全リスクが増大する可能性が示唆されているが、現在進行中の臨床試験でこの問題を検証するには規模が不十分とされていた。NEJM誌2016年3月24日号掲載の報告。カナダ・米国・英国の約150万例でコホート内症例対照研究を実施 研究グループは、カナダ(アルバータ州、マニトバ州、オンタリオ州、サスカチワン州)、米国、英国の6施設からの糖尿病患者の医療データを用い、コホート内症例対照研究を行った(2014年6月30日まで)。コホート全体で149万9,650例が解析対象となった。 心不全により入院した患者1例に対し、同一コホートから性別、年齢、コホート登録日、糖尿病の治療期間、追跡調査期間をマッチさせた最大20例の対照を設定。条件付きロジスティック回帰分析により、経口糖尿病治療薬併用療法と比較したインクレチン関連薬の、心不全入院リスクのハザード比をコホートごとに推算し、ランダム効果モデルを用いてコホート全体を統合した。インクレチン関連薬の使用で心不全入院リスクは増大しない 全体で心不全による入院が2万9,741件認められた(発生率:9.2件/1,000人年)。経口糖尿病治療薬併用療法と比較したインクレチン関連薬の心不全入院リスクは、心不全の既往歴がある患者(ハザード比[HR]:0.86、95%信頼区間[CI]:0.62~1.19)、心不全の既往歴がない患者(同:0.82、0.67~1.00)いずれにおいても増加はみられなかった。 DPP-4阻害薬(HR:0.84、95%CI:0.69~1.02)、GLP-1受容体作動薬(HR:0.95、95%CI:0.83~1.10)の別にみても結果は同様であった。 著者は、「これまでの臨床試験の対象集団と比較して、本コホートの糖尿病患者の多くは罹病期間が短く(心不全既往歴なし:0.7年、心不全既往歴あり:1.8年)、そのため心不全リスクが低くなった可能性があるが、一方で2次解析により、インクレチン関連薬による心不全リスクは、糖尿病治療期間による違いはないことが示された」と述べている。

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良性胆管狭窄へのステント治療、金属 vs.プラスチック/JAMA

 胆管径6mm以上の良性胆管狭窄で留置する金属ステントが胆嚢管に重なる可能性がない患者に対し、フルカバー自己拡張型金属ステント(fully covered self-expandable metallic stents:cSEMS)留置のプラスチックステント留置に対する、治療12ヵ月時点の開存達成の非劣性が示された。米国・サウスカロライナ医科大学のGregory A. Cote氏らが、非盲検多施設共同無作為化試験の結果、報告した。良性胆管狭窄に対しては内視鏡的治療が第1選択で、これまではプラスチックステント留置による治療が行われてきたが、複数本留置を要する症例がほとんどで、複数回の内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)を必要とする。近年、cSEMSが用いられるようになり、ERCPの必要数が減少する可能性が示唆されていた。JAMA誌2016年3月22・29日号掲載の報告より。cSEMSとプラスチックステントを比較する無作為化非劣性試験を実施 研究グループは、米・英国の内視鏡治療専門施設8施設において、同所性肝移植(73例)、慢性膵炎(35例)および術後外傷(4例)による未治療の良性胆管狭窄患者(計112例)を対象に、非盲検無作為化並行群間比較試験を実施した。 患者は2011年4月~14年9月に登録され、15年10月まで追跡調査が行われた。総胆管の直径が6mm未満、および留置するcSEMSが胆嚢管に重なる可能性のある患者は除外された。 対象患者を狭窄の原因で層別化し、プラスチックステント複数留置術群(プラスチック群)とcSEMS 1本留置術群(cSEMS群)に無作為化し、ステント留置後12ヵ月間、プラスチック群は3ヵ月ごと、cSEMS群は6ヵ月ごとに内視鏡的に開存を再評価した。 主要評価項目は、内視鏡的治療後12ヵ月時点での開存達成の割合とした。開存達成はcSEMS群92.6%、プラスチックステント群85.4%で、非劣性が証明 プラスチック群は55例(年齢[平均±SD]57±11歳、女性17例:31%)、cSEMS群57例(年齢55±10歳、女性19例:33%)であった。 開存達成を認めたのは、プラスチック群85.4%(41/48例)、cSEMS群92.6%(50/54例)で、群間差は7.2%であった(片側95%信頼区間[CI]:-3.0%~∞、p<0.001)。事前に定めた非劣性マージンは片側95%CIの下限が-15%以上であり、cSEMS群のプラスチック群に対する非劣性が認められた。 開存達成に至るまでのERCP平均回数は、cSEMS群がプラスチック群より有意に少なかった(2.14 vs.3.24、群間差:1.10、95%CI:0.74~1.46、p<0.001)。 著者は、「治療後12ヵ月という追跡調査期間は、狭窄再発を評価するには不十分であり、今後さらなる検討が必要である」と指摘したうえで、「金属ステントは良性胆管狭窄患者に対する治療選択肢の1つと考えられるべきである」とまとめている。

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血圧や不安がアロマフットマッサージで改善?

 自分でアロマフットマッサージを行うことで、平均収縮期血圧(SBP)および平均拡張期血圧(DBP)、状態不安スコアが有意に減少し、精神的健康に関連するQOLスコアも改善傾向がみられたことを岡山大学の江口依里氏らが報告した。アロマフットマッサージが、メンタルヘルスや血圧の改善に簡単かつ効果的な方法となるかもしれないという。PLoS One誌2016年3月24日号に掲載。 著者らは、日本の地域在住の男女における、血圧、不安、健康関連QOLに対するアロマフットマッサージの効果を、クロスオーバー無作為化比較試験により検討した。27~72歳の57人の適格参加者(男性5人、女性52人)についてランダムに2群(A群29人、B群28人)に分け、4週間でアロマフットマッサージを12回(週3回)実施する介入を交互に実施した。SBP、DBP、心拍数、状態不安(STAI日本語版で評価)、健康関連QOL(SF-8で評価)について、ベースライン時、4週および8週のフォローアップ時に測定した。これらの因子と、不安のある参加者の割合に対するアロマフットマッサージの介入効果を、参加者・期間の影響を調整したクロスオーバーデザインにおける線形混合効果モデルを用いて分析した。さらに、不安が解消された参加者におけるSBPの変化と状態不安との関係について、線形回帰モデルを用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・アロマフットマッサージにより、平均SBP(p=0.02)、平均DBP(p=0.006)、状態不安(p=0.003)、不安のある参加者の割合(p=0.003)が有意に減少した。精神的健康関連QOLのスコアも、有意ではないが(p=0.088)増加した。・不安が解消された参加者において、SBPの変化は状態不安の変化と有意な正の相関を示した(p=0.01)。

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