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心血管疾患既往のない糖尿病患者の適切な降圧目標は?/BMJ

 2型糖尿病患者において、現行の推奨値よりも低値の収縮期血圧値は、心血管イベントの有意なリスク低下と関連することが、スウェーデン・イエーテボリ大学のSamuel Adamsson Eryd氏らによる国民ベースのコホート試験の結果、示された。この所見は、心血管疾患既往のない2型糖尿病患者についてみられたもので、著者は「先行研究で示された血圧低値と死亡増大の関連は、降圧治療というよりも合併症によるものと思われる」と述べている。最近の高血圧ガイドラインにおいて、2型糖尿病患者の降圧目標は、130mmHg以下から140mmHg以下へと緩和された。背景には、低値目標を支持する決定的な無作為化試験がないこと、および観察研究で血圧値と合併症にJカーブの関連を認めることが示唆されたためであった。BMJ誌オンライン版2016年8月4日号掲載の報告より。心血管疾患既往のない18万7,106例について分析 研究グループは、2型糖尿病で心血管疾患既往のない患者における、現行の収縮期血圧推奨値(140mmHg以下)のリスクと、血圧低値のリスクを比較することを目的とし、2006~12年の全国的な臨床レジストリを用いた集団ベースコホート試験を行った。平均追跡期間は5.0年。試験には、スウェーデンのプライマリケア施設および病院外来クリニック861施設が関与し、スウェーデン糖尿病レジスタに登録された2型糖尿病歴1年以上、75歳以下で、心血管疾患またはその他重大疾患の既往がない18万7,106例が参加した。 臨床イベントを病院退院および死亡レジスタから入手。急性心筋梗塞・脳卒中・急性心筋梗塞/脳卒中の複合(心血管疾患)、冠動脈疾患、心不全に関する臨床イベント、および全死亡について評価した。共変量(臨床的特性および薬物処方データ)を踏まえて、ベースライン収縮期血圧値群ごとに(110~119、120~129、130~139、140~149、150~159、≧160mmHg)ハザード比(HR)を算出して行った。脳卒中、心筋梗塞、冠動脈疾患のJカーブの関連見られず 収縮期血圧最小値(110~119mmHg)群は、同参照値(130~139mmHg)群との比較において、非致死的急性心筋梗塞(補正後HR:0.76、95%信頼区間[CI]:0.64~0.91、p=0.003)、全急性心筋梗塞(同:0.85、0.72~0.99、p=0.04)、非致死的心血管疾患(0.82、0.72~0.93、p=0.002)、全心血管疾患(0.88、0.79~0.99、p=0.04)、非致死的冠動脈疾患(0.88、0.78~0.99、p=0.03)のリスクはいずれも有意に低かった。 心不全と全死亡を除き、収縮期血圧値と各エンドポイントとの間にJカーブの関連は認められなかった。 上記を踏まえて著者は、「心血管疾患既往の除外で、収縮期血圧値と脳卒中、心筋梗塞、冠動脈疾患のJカーブの関連はみられなくなった。血圧低値と死亡増大との関連は、降圧治療によるものではなく合併症に起因するものと思われる」とまとめている。【訂正のお知らせ】本文内に誤解を招く表現があったため、一部訂正いたしました(2016年8月30日)。

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早産児に対する7つの人工換気療法を比較/JAMA

 早産児に対する非侵襲的人工換気療法について7つの戦略を比較した結果、非侵襲的サーファクタント投与(less invasive surfactant administration:LISA)戦略が最良であることが示された。カナダ・マックマスター大学のTetsuya Isayama氏らによるシステマティックレビューとメタ解析の結果、月経後年齢36週時点の複合アウトカム(死亡と気管支肺異形成[BPD])の尤度が同戦略で最も低かったという。ただし結果について著者は、「全体的にエビデンスの質が低く、質の高い試験での裏付けに乏しく、所見は限定的なものである」と述べている。JAMA誌2016年8月9日号掲載の報告。7つの戦略の比較検討をシステマティックレビューとメタ解析で 研究グループは、早産児に対する最良の非侵襲的人工換気戦略を明らかにするシステマティックレビューとメタ解析を行った。比較検討したのは7つの戦略で、(1)経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)、(2)挿管・サーファクタント投与の直後に抜管(INSURE)、(3)LISA、(4)非侵襲的間欠的陽圧換気(IPPV)、(5)ネブライザーによるサーファクタント投与、(6)ラリンゲアルマスクエアウェイでのサーファクタント投与、そして(7)機械的人工換気であった。 MEDLINE、EMBASE、CINAHL、Cochrane CENTRALを創刊から2016年6月まで検索。在胎期間33週未満、誕生24時間以内、無作為化前の挿管なしの条件を満たす新生児で、換気戦略の比較が行われていた無作為化試験を選択した。2人の独立レビュワーがデータを抽出し、ベイジアン・ランダム効果ネットワークメタ解析法で統合し評価した。 主要アウトカムは、月経後年齢36週時点の死亡またはBPDの複合であった。主な副次アウトカムとして、死亡、BPD、重症脳室内出血、エアリーク(退院前の気胸または間質性肺気腫を含む)を評価した。LISAの主要アウトカムの発生オッズ比が最も低値 検索により、30試験5,598例が解析に組み込まれた。主要アウトカムの発生は、33%(1,665/4,987例、死亡:505例、BPD:1,160例)。副次アウトカムは、6%(エアリーク、314/5,587例)から26%(BPD、1,160/4,455例)の範囲にわたった。 機械的人工換気(対照)との比較において、LISAの主要アウトカムの発生オッズ比が最も低値であった(オッズ比[OR]:0.49、95%信用区間[Crl]:0.30~0.79)。1,000新生児当たり164例(95%Crl:57~253)減少の絶対リスク差(RD)が認められた(エビデンスの質は中等度)。BPD(OR:0.53[同:0.27~0.96]、絶対RD:133例[同:9~234]減少、エビデンスの質は中等度)、重症脳室内出血(OR:0.44[同:0.19~0.99]、絶対RD:58例[同:1~86]減少、エビデンスの質は中等度)も低値が認められた。死亡(OR:0.52)、エアリーク(OR:0.34)は、エビデンスの質が低かった。 経鼻的CPAP単独(対照)との比較においても、LISAの主要アウトカムのオッズ比が最も低値であった(OR:0.58[同:0.35~0.93]、絶対RD:112例(同:16~190)減少、エビデンスの質は中等度)。エアリークのORは0.24(同:0.05~0.96)、絶対RDは47例(同:2~59)減少であったが、エビデンスの質は非常に低かった。BPD(OR:0.61)、死亡(同:0.61)もエビデンスの質が低く、重症脳室内出血(同:0.43)のエビデンスの質は非常に低かった。 ランキング確率の解析の結果、SUCRA(surface under the cumulative ranking curve)値が0.85~0.94でLISAが最良の戦略であることが示された。ただし、質の高いエビデンスが限定的で、死亡については確固としたことはいえないとしている。

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ラムシルマブは肺がん治療に新たな可能性をもたらすか?

 2016年8月4日、イーライリリー主催のプレスセミナー「肺がんに新たな治療選択肢『サイラムザ』登場」が開催された。そのなかで、神奈川県立がんセンター 呼吸器内科医長の加藤 晃史氏は「進行・再発非小細胞肺がん治療におけるサイラムザの位置づけ」と題し、ラムシルマブ(商品名:サイラムザ)の肺がんに対する新たな知見を紹介した。 ラムシルマブは、血管内皮細胞増殖因子受容体2(VEGFR-2)に作用する血管新生阻害薬で、胃がん、結腸・直腸がんに続いて2016年6月に非小細胞肺がんに対する適応を取得した。海外第III相試験であるREVEL試験では、肺がん2次治療におけるラムシルマブとドセタキセルの併用療法とドセタキセル単独(プラセボ+ドセタキセル)療法を比較した。結果、全生存期間(OS)は併用群10.5ヵ月、タキセル単独群9.1ヵ月(HR:0.86、95%CI:0.75~0.99、p=0.024)、無増悪生存期間(PFS)はそれぞれ4.5ヵ月、3.0ヵ月(HR:0.76、95%CI:0.68~0.86、p<0.0001)と、共に併用群で有意に延長した。また、本邦で行われたJVCG試験においてもREVEL試験と同様の結果が認められ、OS中央値はラムシルマブ・ドセタキセル併用群で15.15ヵ月、ドセタキセル単独群で14.65ヵ月(HR:0.86、95%CI:0.56~1.32)、PFS中央値はそれぞれ5.22ヵ月、4.21ヵ月(HR:0.83、95%CI:0.59~1.16)といずれも併用群で優れていた。有害事象については、両試験とも併用群で血液毒性が多く認められたが、それらは管理可能であった。 加藤氏はまた、既存の治療薬を踏まえたラムシルマブの可能性について述べた。扁平上皮がんは非扁平上皮がんに比べて治療選択肢が少ない。そこに扁平上皮がんにも有効性を示す免疫チェックポイント阻害薬「ニボルマブ」が加わった。しかしながら、ニボルマブで有効性が確認できるのは投与患者のうち20~30%である。ラムシルマブの有効性は扁平上皮がんも含めた成績であることから、治療選択肢が少ないこの領域にも新たな可能性をもたらすことになる。 選択肢の広がる非小細胞肺がんの薬物療法において、ラムシルマブはどのような可能性をもたらすのだろうか。今後の動向に注目したい。

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糖尿病治療薬が心不全治療薬となりうるのか? 瓢箪から駒が出続けるのか?(解説:絹川 弘一郎 氏)-579

 チアゾリジン薬の衝撃は、FDAをしてその後の糖尿病治療薬すべての認可の際に、心血管イベントをエンドポイントとしたプラセボ対照臨床試験を義務付けた。このことにより、図らずも循環器内科医にとっては糖尿病薬に関する勉強をする機会となり、DPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害薬などの糖尿病薬と心血管イベントの関連について知識が増えてきた。 DPP-4阻害薬の1つサキサグリプチンは、SAVOR-TIMI 53試験で心不全の発症増加ありとされたものの、その後のEXAMINE試験とTECOS試験で、ほかのDPP-4阻害薬は心不全発症に差がなかったことで、SAVOR-TIMI 53試験の結果は偶然であったという結論になっているようである。一方で、インクレチン関連という意味で体内動態には共通項が多いGLP-1受容体作動薬リラグルチドは、LEADER試験において心血管イベントを有意に減らした。 最近、世を騒がせているEMPA-REG OUTCOME試験は、LEADER試験と同じような心血管疾患の背景を有する患者を対象としており、糖尿病薬が血糖降下作用以外で心血管イベントを抑制する可能性が示唆されてきている点で興味深いが、しかしながら、その機序はまったく明らかでなく、そもそもFDAの勧告に従って、非劣性ならよしとした試験であるから、瓢箪から駒といわれても仕方がない。ネガティブに出たSAVOR-TIMI 53試験を偶然であったというなら、ポジティブに出たこれらの結果もまた慎重に受け止める姿勢があってもよいと思われる。この点、ESCの心不全ガイドラインの2016年アップデートにおいて、エンパグリフロジンを心不全の予防という観点でクラスIIa、レベルBで推奨しているのは勇み足ではないか。 ところで、本題である。このFIGHT試験は、収縮不全(LVEF<40%)の症例の中で、とくに最近2週間以内に(ガイドライン遵守の薬物治療中にもかかわらず)再入院した症例またはフロセミドの用量が1日40mg以上という症例をピックアップして、比較的重症度の高い症例に対してリラグルチドの効果があるかどうかを検討したものである。試験デザインはプラセボ対照、無作為化二重盲検であり、エンドポイントは死亡や心不全入院までの時間と180日間のNT-proBNPレベルの時間平均の複合スコアである。全部で300例がエントリーされ、実薬群154例、プラセボ群146例でそれぞれITT解析された。 結論からいうと、統計学的にはイベント発症など両者に差はなかった。ただし、シスタチンCはリラグルチド群で増加しており、腎機能障害をもたらす可能性がある。また、有意ではないものの(p=0.05)、死亡や心不全再入院はむしろリラグルチド群で多い傾向にあり、カプランマイヤー曲線をみても、リラグルチドが死亡や心不全入院を増加させる傾向は(とくに糖尿病合併例で)明らかであり、患者数を増やして検討すれば有意に出てしまいそうである。先のLEADER試験やEMPA-REG OUTCOME試験は、心不全のある症例は10%程度しか含まれておらず、このFIGHT試験にエントリーされた重症な心不全とは背景が異なるものの、この試験結果によればリラグルチドは心不全増悪に傾いている感じである。 このように糖尿病薬と心血管イベントの関係は最近入り乱れてまったく混乱の極みにある。そもそも、メカニズムの理解が先行しないところで、効いた効かないということを統計的に解析するのみで解釈は後回しという体勢は、再考すべき時に来ているのではないか。

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スポーツ選手へ最も処方される精神科薬物は?

 アスリートに精神科薬物を処方する場合、副作用や安全上の懸念、そしてアンチドーピングポリシーをとくに考慮することが重要であるものの、アスリートと連携した精神科医の処方設定を解説しているのは2000年の1報だけである。米国・ウィスコンシン・スクール・オブ・メディスン・アンド・パブリック・ヘルス大学のClaudia L Reardon氏らは、アスリートと連携したプライマリケア医、精神科医、その他の臨床医の処方を扶助するため、前述の報告をアップデートした。The Physician and sportsmedicine誌オンライン版2016年8月2日号の報告。 2016年に国際スポーツ精神医学会(ISSP)の医師会員に対し、さまざまな精神状態のアスリートと連携した精神科薬物の処方選択について、匿名のWebベース調査をメールで依頼した。 主な結果は以下のとおり。・ISSP医師会員の40%(40/100人)が調査を完了した。・アスリートに使用されたカテゴリ別トップ薬剤は以下のとおり。 不安や双極スペクトラム障害のないうつ病:bupropion 全般性不安障害:エスシタロプラム 不眠症:メラトニン ADHD:アトモキセチン 双極スペクトラム障害:ラモトリギン 精神症状:アリピプラゾール・アスリートに処方された精神科薬物は、比較的活力的であり、沈静、体重増加、心臓系副作用、振戦を起こす可能性が低い薬剤が好まれる傾向にあった。・アスリートへの処方は、一般患者への処方傾向とは逸脱しており、さまざまな要因が考慮されている。関連医療ニュース トップアスリートは、うつ病の頻度が高い アスリートが経験する脳震盪はうつ病リスクを増加 ADHD児に対するスポーツプログラム

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クライオバルーン vs. 高周波、アブレーション比較の2次解析

 今年発表されたFIRE AND ICE試験によって、クライオバルーンアブレーションが高周波(RF)アブレーションと比べて安全性と有効性の面で劣らないことが示された。今回、報告者らは同試験の2次解析によって、日々の患者管理の重要な指標となるアブレーションの再施行、再入院および生活の質(QOL)を評価した。European Heart Journal誌オンライン版2016年7月5日号に掲載の報告。アブレーション再施行、電気的除細動の施行、再入院を評価 FIRE AND ICE試験は、薬剤抵抗性かつ症候性の発作性心房細動に対するクライオバルーンアブレーションとRFアブレーションを比較した無作為化試験である。2次解析では、アブレーション後の再入院(心房性頻拍に伴うアブレーション再施行のための入院を含む)、心疾患および非心疾患による再入院、電気的除細動の施行などの2次評価項目と臨床的に重要な項目に焦点を当てた。このほか、30ヵ月の追跡期間中の精神的および肉体的なQOLを評価した。クライオバルーン法、評価項目に有意差あり 374例のクライオバルーンアブレーション群と376例のRFアブレーション群を修正intention-to-treatを用いて解析した。アブレーションからの平均追跡期間は1.54±0.8年であった。アブレーション実施後1,000日時点のLog-rankを用いた生存曲線解析の結果、アブレーションの再施行率(クライオバルーン:11.8% vs. RF:17.6%、p=0.03)、電気的除細動の施行(クライオバルーン:3.2% vs. RF:6.4%、p=0.04)、原因を問わない再入院(クライオバルーン:32.6% vs. RF:41.5%、p=0.01)および心疾患に伴う再入院(クライオバルーン:23.8% vs. RF:35.9%、p<0.01)の観点で、クライオバルーンアブレーションがRFよりも優れていたことが明らかになった。両群のQOLが改善 QOLの調査では、両群に有意差はみられなかった。アブレーションから6ヵ月後、両群の精神的および肉体的なQOLに改善がみられ、30ヵ月まで持続した。報告者らは、この解析に用いた評価項目は、患者の視点からみたアブレーションの成功および医療システム上の疾患の負荷という点で非常に重要なものである、と報告を締めくくっている。関連コンテンツ循環器内科 米国臨床留学記

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子宮頸部上皮内腫瘍の治療が産科アウトカムに及ぼす影響/BMJ

 子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)に対する治療は、早産などの産科アウトカムを悪化させる可能性があることが、英国・インペリアルカレッジのMaria Kyrgiou氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌オンライン版2016年7月28日号に掲載された。子宮頸部の局所治療は早産や周産期合併症、死亡のリスクを増加させるが、円錐切除術の深さとの関連の可能性が示唆されている。治療が早産のリスクに及ぼす影響の検討結果には乖離が存在し、交絡因子としてCINが関与している可能性があるという。産科アウトカムへのCIN治療の影響をメタ解析で評価 研究グループは、産科アウトカムに及ぼすCINの治療の影響を評価し、子宮頸部円錐切除術の深さとの関連を検証するために文献を系統的にレビューし、メタ解析を行った(英国国立健康研究所[NIHR]生物医学研究センターなどの助成による)。 CENTRAL、Medline、Embaseを検索し、1948年~2016年4月までに発表された子宮頸部の局所治療歴の有無別に産科アウトカムを評価した試験の論文を選出した。 独立のレビューワーがデータを抽出し、Newcastle-Ottawa基準で試験の質を判定した。試験はその方法や産科エンドポイントで分類した。ランダム効果モデルと逆分散法を用いて統合リスク比を算出し、試験間の異質性はI2統計量で評価した。 産科アウトカムには、早産(自然早産、切迫早産を含む)、前期破水、絨毛膜羊膜炎、分娩様式、陣痛時間、陣痛誘発、オキシトシンの使用、出血、無痛処置、頸管縫縮術、頸管狭窄が含まれた。 71試験に参加した633万8,982例(治療群:6万5,082例、非治療群:629万2,563例)のデータを解析した。切除部位が深いほど早産のリスク増大 CIN治療により妊娠期間37週未満の早産のリスクが有意に増加した(治療群:10.7% vs.非治療群:5.4%、相対リスク:1.78、95%信頼区間[CI]:1.60~1.98)。<32~34週の早産(3.5 vs.1.4%、2.40、1.92~2.99)および<28~30週の早産(1.0 vs.0.3%、2.54、1.77~3.63)のリスクも、治療によって増大した。 子宮頸部円錐切除術は、組織の除去やアブレーションの量が多い手技ほどアウトカムが悪化した。37週未満の早産の相対リスクは、コールドナイフによる円錐切除術が2.70(95%CI:2.14~3.40)、レーザー円錐切除術が2.11(1.26~3.54)、手技を特定しない切除術が2.02(1.60~2.55)、LLETZ(large loop excision of the transformation zone)が1.56(1.36~1.79)、手技を特定しないアブレーションは1.46(1.27~1.66)であった。 複数の治療を受けた女性の早産のリスクは、治療を受けなかった女性よりも高く(13.2 vs.4.1%、相対リスク:3.78、95%CI:2.65~5.39)、切除部位が深いほどリスクが増大した(≦10~12mm:7.1 vs.3.4%、1.54、1.09~2.18/≧10~12mm:9.8 vs.3.4%、1.93、1.62~2.31/≧15~17mm:10.1 vs.3.4%、2.77、1.95~3.93/≧20mm:10.2 vs.3.4%、4.91、2.06~11.68)。 また、CIN未治療の女性や治療前に妊娠していた女性は、一般集団に比べ早産のリスクが高かった(5.9 vs.5.6%、相対リスク:1.24、95%CI:1.14~1.35)。 自然早産、前期破水、絨毛膜羊膜炎、低出生時体重、新生児集中治療室への入室、周産期死亡率もCIN治療後に有意に増加した。 著者は、「CINを有する女性はベースラインの早産リスクが高く、切除術やアブレーションにより、リスクがさらに増加した。有害な続発症の頻度や重症度は、切除術のほうがアブレーションよりも高かった」としている。

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長期介護施設でのMRSA感染を減らす新規プログラム

 薬剤耐性菌は長期介護施設(LTCF)における課題である。米国・シカゴ大学のLance R Peterson氏らは、日常生活動作や社交を妨げない新規の低侵襲的なプログラムで、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)疾患を減らせるかどうかを、前向きクラスター無作為化非盲検試験で検討した。その結果、ターゲットを絞った除菌を伴う現地でのMRSAサーベイランスにより、LTCF居住者における臨床的MRSA感染を有意に減少させた。American journal of infection control誌オンライン版2016年8月1日号に掲載。 著者らは、LTCF 3施設において、1年目に、介護の種類によってユニットを層別化し、介入もしくはコントロールに無作為に割り付けた。2年目にはすべてのユニットで、介入期間の開始時に2回の鼻腔内ムピロシン塗布およびクロルヘキシジン浴(1ヵ月間隔で除菌-浴を2サイクル)で全例除菌する介入に変更した。続いて、初回の除菌後、現地ですべての入所者をリアルタイムPCRでスクリーニングし、MRSA陽性者を除菌したが、隔離はしなかった。ユニットでは毎年、手指衛生について教育を行った。漂白剤による平坦面の拭き取り掃除を4ヵ月ごとに実施した。 主な結果は以下のとおり。・1万6,773件の検査が実施された。・MRSA感染率は、ベースライン(36万5,809患者・日で44件の感染)に比べて、2年目で65%減少し(28万7,847患者・日で12件の感染、p<0.001)、各々のLTCFで有意な減少が認められた(p<0.03)。

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大人のADHD、自覚の次に必要なのは…

 少しずつではあるが、認識が広まりつつある大人のADHD(注意欠如・多動性障害)。8月5日、都内で日本イーライリリー株式会社がプレスセミナーを開催し、専門医によるADHDをめぐる診療の現状についての講演と、ADHD当事者およびその自覚のある著名人を招いたディスカッションを実施した。ディスカッションには、経済評論家の勝間 和代氏と書道家の武田 双雲氏が登壇。診断こそ受けてはいないものの、日常生活に関連してADHDとみられる特徴を自覚しているという両氏は、仲間のサポートの重要性を強調し、そのためには自身の自覚と共に、周囲への説明と理解を促す努力が不可欠であると訴えた。ADHDとASD、診断の難しさ依然 はじめに「Know Yourself, Know ADHD~成人期のADHDについて」と題して行われた講演では、岩波 明氏(昭和大学医学部精神医学講座 主任教授)が臨床の立場からADHDの概論と診断をテーマに話をした。この中で岩波氏は、ADHDの診断を難しくしている要因の1つとしてASD(自閉症スペクトラム障害)を挙げた。ASDは、広汎性発達障害(PDD)とほぼ同義であり、アスペルガー障害や自閉性障害なども含む。ADHDとASDは、いずれも発達障害の中の分類であるが、両者の症状として現れる特徴はかなり類似しており、臨床的に区別が難しいケースも多いという。岩波氏によると、ADHDの有病率はASDの実に5~10倍にも上るとみられるとのことだが、ADHDは投薬による症状改善の可能性が見込める点でASDと異なるため、両者の正確な診断は非常に重要である。「空気が読めない人」「変わり者」は特性か、症状か? さらに、発達障害をめぐる根強い誤解もADHDの診断を難しくさせている。小児期に症状が顕在化していなかったために確定診断を受けていなくても、成人期になって就職などの場面で社会不適応を自覚して受診した結果、ADHDであると診断されることも実際には少なくないという。 また、発達障害には知的障害を伴うという“思い込み”が鑑別の妨げになっているケースもあり、最近の受診者の多くは正常以上の知的能力を持つ人も少ないという。そのような傾向から、本来はADHDの症状であっても、疾患の発現ではなく単なる「特性」として済まされがちであることも、昨今のADHDをめぐる社会の実情であると岩波氏は述べた。「最も向いていない職業に就いてしまった」(勝間氏)「会社員時代の不適応、今の仕事ではすべてプラスに」(武田氏) 続いて行われたディスカッションでは、岩波氏を進行役に、NPO法人DDAC(発達障害をもつ大人の会)代表の広野 ゆい氏とNPO法人えじそんくらぶ代表の高山 恵子氏、前述の勝間氏と武田氏の5人が登壇し、ADHD当事者およびその特徴を自覚していることで日常的に困っていることや、その克服法などについて意見を交わした。 経済評論家としてメディアに頻繁に登場する勝間氏は、ADHDの症状の1つである「不注意」について強い自覚があり、日々のスケジュール管理や乗車券の管理などを自身だけでは一切行えないことを告白。19歳で公認会計士試験の2次試験に合格し、金融畑で輝かしいキャリアを積んだものの、本人曰く「ミスが許されない数字を扱うという、最も向いていない職業に就いてしまったという自覚があった」という。 一方、書道家として活躍する武田氏は、大学卒業後に通信会社の営業マンとして働いた後に書道家への転身を果たした異色の経歴。武田氏もまた、ADHDに特徴的な「衝動性」を強く自覚しており、営業マン時代はする事なす事に対し、徹底して叱られ否定される日々だったという。ところが、書道家としてクリエイティブの場に身を置いたことが大きな転機となり、「会社員時代の不適応が、同じ特性を持っていても、今の仕事ではすべてプラスに転化している」と語った。 両氏に共通しているのは、ADHD特有の「不注意」や「多動・衝動性」という特性を持ちながらも、彼らを強力にサポートしてくれる周囲の理解者の存在である。メディアで活躍する彼らには、公私共に支援者が多いため、ADHDに悩む一般の人と同様には考えられないだろう。しかし、支援者の協力や理解を得る前段にある「自身の特性を認め、自覚した」ことと、「困っていることを率直に周囲に打ち明け、理解を促す努力をした」という点については、大いに参考になりうるのではないだろうか。

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好酸球性筋膜炎〔eosinophilic fasciitis〕

1 疾患概要■ 概念・定義1974年にSchulman氏は、強皮症様の皮膚硬化を呈し、組織学的に筋膜炎を主体とした2例をdiffuse fasciitis with eosinophiliaとして報告した。1975年にRodnan氏らは同様の皮膚硬化を呈し、組織学的に好酸球浸潤を伴う筋膜炎がみられた6例を報告し、eosinophilic fasciitisと命名した。その後、同様の症例が数多く報告され、現在は独立した疾患と考えられている。好酸球増多を伴わない例も多くあり、diffuse fasciitis with or without eosinophiliaとも呼ばれる。また、Shulman症候群と呼ばれることもある。主に四肢に対称性に急速な皮膚硬化と関節の運動制限を生じる疾患である。病理組織学的に筋膜の肥厚、リンパ球、好酸球、形質細胞を主体とした炎症細胞浸潤がみられる。激しい運動、労作や外傷によって生じることが多い。末梢血好酸球増加や組織学的に好酸球浸潤がみられない症例もある。■ 疫学わが国での報告例は100例程度と少ないが、実際の症例はもっと多い。好発年齢は20~60歳の青壮年者で、まれに小児や80歳を越える高齢者にもみられることもある。男女比は1.5:1でやや男性に多い。■ 病因病因は不明であるが、過度な運動や労作が発症の誘因になると考えられており、筋膜の障害、急性炎症によって何らかの自己免疫反応が惹起される可能性が示唆されている。高ガンマグロブリン血症や自己免疫性疾患との合併からも、何らかの自己免疫的機序の関与が想定されている。Eosinophilic cationic protein(ECP)などの好酸球の誘導に関与する因子や血清IL-5の増加などが病態に関与していることが報告されている。L-トリプトファンの過剰摂取、有機溶媒との接触、ボレリア感染によっても類似の症状を呈することが報告されている。■ 症状主に、四肢遠位部の対称性の皮膚のつっぱり感、びまん性皮膚腫脹、硬化がみられる(図1)。進行すると四肢関節の可動域制限を伴う。画像を拡大する発症の1~2週間以内に激しい運動や労作、外傷、打撲の既往があることが多いが、何ら誘因がみられない例も少なくない。急性に発症する症例と、徐々に皮膚硬化を生じる症例がある。初期には発赤や疼痛を伴い、発熱や全身倦怠感を伴うこともある。病変が拡大すると四肢近位部、体幹にも皮膚硬化が及ぶこともある。しかし、手指、手背、足趾、足背や顔面は侵されないことが特徴である(図1)。筋膜が肥厚し皮下脂肪織と癒着すると関節可動活域の低下、関節拘縮を呈する(図2)。画像を拡大するしたがって、手指は関節拘縮を呈するが、皮膚の硬化はみられない。正中神経の圧迫による手根管症候群もみられる。浮腫が硬化を始めると、皮膚表面の毛穴がはっきりとみられるようになり、「オレンジの皮様(orange peel appearance)」と呼ばれている(図3)。画像を拡大するまた、真皮深層の硬化は血管周囲を避けて起こるため、板状硬化の中で血管部のみが柔らかく溝のようにみられる。これを“groove sign”と呼ぶ(図4)。腕や足を挙上させると明らかになる。画像を拡大する2 診断 (検査・鑑別診断も含む)1,000/mm3以上の著明な末梢好酸球数増加を呈する症例は、約60%でみられる。好酸球性筋膜炎は、初期に診断することが難しいため、検査を行うまでに時間がかかり、初期の好酸球増加を捉えられないことも多い。そのため、末梢好酸球数増加がみられなかった症例の中には、前述のように初期の好酸球増加を捉えられていない症例も含まれている可能性も考えられる。病勢と末梢好酸球数は一致するといわれており、治療効果の判定、病勢の評価に重要である。また、赤沈の亢進やIgGやIgA値の上昇を伴う高ガンマグロブリン血症を伴うこともある。抗核抗体やリウマトイド因子の陽性率は約10%である。アルドラーゼは上昇し、病勢に一致して変動するため、病勢の評価に有用であるとの報告がある1)。MRIは非侵襲的な検査であり、T2強調脂肪吸収画像で、筋膜の肥厚部位が同定でき、病勢の評価、治療効果判定を行うことができる有用な検査である。また、生検部位の選択にも有用である。本疾患は、組織学的に筋膜の炎症、肥厚を検索する必要があるため、生検する際は、表皮から筋膜まで一塊として採取する必要がある。生検時に筋膜をメスで切るが、その際には筋膜の肥厚を感じることができる。病理組織学的に、リンパ球、形質細胞を主体とした炎症細胞浸潤、筋膜の肥厚がみられる。好酸球の浸潤は病期によってみられないことも多い。また、膠原線維の増加(線維化)は、筋膜から脂肪組織、真皮上層にわたって生じるが、真皮の浅層は侵されない。したがって、筋膜・筋肉表層まで含めたen bloc生検で十分な深さまで採取することが重要である。好酸球性筋膜炎に合併する疾患として、自己免疫性甲状腺炎、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス、関節リウマチなどの自己免疫性疾患の報告が散見される。欧米では、固形がんや血液腫瘍との合併例が散見され、悪性腫瘍のparaneoplastic syndromeと提唱している報告もある。ステロイド治療に難渋する症例では悪性腫瘍の検索を積極的に行うべきとの意見もある2)。鑑別診断としては、同じく皮膚硬化を呈する全身性強皮症が挙げられる。好酸球性筋膜炎では、前腕部において手指の筋膜が肥厚し、皮下脂肪織と癒着すると手指の関節可動活域の低下、関節拘縮を呈する(図2)。全身性強皮症においても同じく手指の関節拘縮がみられるため鑑別に注意を要する。強皮症に伴う手指関節拘縮は、皮膚硬化によるものであり原因が異なる。好酸球性筋膜炎では、全身性強皮症でみられるレイノー現象、爪上皮延長、後爪郭部毛細血管拡張、指尖部潰瘍、手指の皮膚硬化といった手指の病変(皮膚硬化、末梢循環障害)がみられないことが鑑別のポイントである。また、全身性強皮症では、間質性肺炎や肺高血圧症などの内蔵病変の合併がみられるが、好酸球性筋膜炎ではみられない。また、限局性強皮症も鑑別すべき疾患の1つに挙げられる。限局性強皮症は境界明瞭な皮膚硬化が斑状ないし線状にみられ、全身どこにでも出現する。限局性強皮症が本症の20~30%に合併するとの報告もある3)。また、全身性強皮症や限局性強皮症の皮膚硬化に比べて、好酸球性筋膜炎の皮膚硬化はより深部に生じることも鑑別のポイントである。以上より、鑑別のポイントとしては、皮膚硬化が左右対称性か、手指、足趾に皮膚硬化がみられるか、皮膚硬化の深さはどうかといった点が挙げられる。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)副腎皮質ホルモンの内服が第1選択である。通常、プレドニゾロン0.5~0.7mg/kg/日から開始し、症状の推移に合わせて増減する。急速な減量によって症状の再燃がみられることがあり、皮膚硬化、関節拘縮を観察し、アルドラーゼなどを参考にして減量を行うことが望ましい。生命予後は良好であるが、進行した皮膚硬化、関節拘縮は難治性で非可逆的のこともあり、早期に治療を開始することが重要である。Lebeaux氏らはステロイドパルス療法を早期に行うことによって、皮膚硬化がより改善したと報告しており、皮膚硬化が高度な場合は、早期からのステロイドパルス療法を考慮すべきである4)。免疫抑制剤(シクロスポリンやメソトレキセート)の有効性も報告されており、ステロイド治療にて難治な症例には考慮すべきである4、 5)。光線療法(PUVA療法やUVA1療法)によって皮膚硬化が改善した報告があり、治療の選択肢の1つとして考慮する。4 今後の展望好酸球性筋膜炎の原因、病態はいまだ不明であり、今後の症例の蓄積、基礎研究の発展が望まれる。5 主たる診療科皮膚科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報難病情報センター 好酸球性筋膜炎(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)1)Fujimoto M, et al. J Rheumatol.1995;22:563-565.2)Naschitz JE, et al. Cancer.1994;73:231-235.3)Nindl M, et al. 皮膚臨床.1996;38:2013-2017.4)Lebeaux D, et al. Rheumatology.2012;51:557-561.5)Endo Y, et al. Clin Rheumatol.2007;26:1445-1451.公開履歴初回2015年03月26日更新2016年08月16日

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難治性統合失調症患者に対する治療戦略:千葉大

 抗精神病薬治療に起因するドパミン過感受性精神病(DSP)は、治療抵抗性統合失調症(TRS)と関連しているが、その治療法はまだ確立されていない。リスペリドン長時間作用型注射剤(RLAI)によりドパミンD2受容体の安定的な占有の維持は、治療のための1つの戦略と考えられる。千葉大学の木村 大氏らは、治療抵抗性統合失調症患者に対するRLAI補助療法の効果を検討した。Journal of psychopharmacology誌8月号(オンライン版2016年7月1日号)の報告。 RLAIは、経口抗精神病薬から部分的に切り替え、補助薬として用いた。RLAIを用いた治療抵抗性統合失調症患者108例を対象に、1年間のフォローアップを含む2年間の研究を行った。DSP歴を有するDSP群72例とDSP歴のない非DSP群36例について効果の比較を行った。 主な結果は以下のとおり。・両群ともに、フォローアップ期間中のBPRSスコアの有意な改善を示したが、非DSP群よりも、DSP群においてより大きな改善が認められた。・高用量(クロルプロマジン換算850mg超)では、両群ともに研究期間中の有意な変化は認められなかったが、DSP群のみで、遅発性ジスキネジアを含む錐体外路系副作用の有意な改善が認められた。 著者らは「とくにDSP歴を有する難治性統合失調症患者に対し、RLAIへの部分的切り替えは効果的であることが示された」としている。関連医療ニュース 治療抵抗性統合失調症へ進展する重要な要因とは:千葉県精神科医療C 治療抵抗性統合失調症、ビタミンDとの関連を検証 治療抵抗性統合失調症は、クロザピンに期待するしかないのか

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敗血症性ショックへのバソプレシンの腎不全改善効果は?/JAMA

 敗血症性ショック患者に対する昇圧薬の1次治療では、バソプレシンの腎不全の改善効果はノルエピネフリンを上回らないことが、英国インペリアル・カレッジ・ロンドンのAnthony C Gordon氏らが実施したVANISH試験で示された。研究の成果は、JAMA誌2016年8月2日号に掲載された。敗血症性ショックには感染症治療に加え輸液および昇圧薬の投与が行われる。米国では昇圧薬の1次治療はノルエピネフリンが推奨されているが、バソプレシンは糸球体濾過量の維持や、クレアチニンクリアランスの改善の効果がより高いことが示唆されている。腎不全への効果を無作為化要因(2×2)試験で評価 VANISH試験は、敗血症性ショック患者において、バソプレシンとノルエピネフリンの早期投与による腎不全への有効性を比較する二重盲検無作為化要因(2×2)試験(英国国立健康研究所[NIHR]の助成による)。 対象は、年齢16歳以上、発症後6時間以内に初期蘇生輸液を行ったものの昇圧薬の投与を要する病態を呈する敗血症性ショックの患者であった。 被験者は、バソプレシン(最大0.06U/分まで漸増)+ヒドロコルチゾン、バソプレシン+プラセボ、ノルエピネフリン(最大12μg/分まで漸増)+ヒドロコルチゾン、ノルエピネフリン+プラセボを投与する4つの群に無作為に割り付けられた。目標平均動脈圧(MAP)は65~75mmHgが推奨された。 主要評価項目は、割り付け後28日間の腎不全(AKIN基準ステージ3)のない日とし、(1)腎不全が発現しない患者の割合、および(2)死亡、腎不全あるいはその双方が発現した患者の生存または腎不全のない日数(中央値)の評価を行った。より大規模な試験で検証を 2013年2月~2015年5月までに、英国の18の集中治療室(ICU)に409例が登録された。全体の年齢中央値は66歳、男性が58.2%を占め、ショックの診断から昇圧薬の投与までの期間中央値は3.5時間だった。 腎不全がみられない生存者の割合は、バソプレシン群が57.0%(94/165例)ノルエピネフリン群は59.2%(93/157例)であり、両群間に有意な差を認めなかった(群間差:-2.3%、95%信頼区間[CI]:-13.0~8.5%)。 死亡、腎不全あるいはその双方が発現した患者における腎不全のない日数中央値は、バソプレシン群が9日(IQR:1~24)、ノルエピネフリン群は13日(IQR:1~25)であり、有意な差はみられなかった(群間差:-4日、95%CI:-11~5日)。 腎代替療法の導入率は、バソプレシン群が25.4%と、ノルエピネフリン群の35.3%に比べ有意に低かった(群間差:-9.9%、95%CI:-19.3~−0.6%)。 28日死亡率は、バソプレシン群が30.9%(63/204例)、ノルエピネフリン群は27.5(56/204例)であり、有意な差はなかった(群間差:3.4%、95%CI:-5.4~12.3%)。 また、重篤な有害事象の発現率は、バソプレシン群が10.7%(22/205例)、ノルエピネフリン群は8.3%(17/204例)であり、有意差はなかった(群間差:2.5%、95%CI:-3.3~8.2%)。 著者は、「これらの知見は、ノルエピネフリンの代替としてバソプレシンを使用することを支持しないが、95%CIの範囲はバソプレシンが臨床的に意味のあるベネフィットをもたらす可能性を含んでおり、より大規模な試験での検証を要すると考えられる」と指摘している。

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Amazonレビューから日焼け止め製品の人気と購入傾向を調査

 日焼け止め製品は、皮膚がんリスクの低下、日焼け回避、光老化の緩和、また光線過敏症の治療に役立つ。米国・ノースウェスタン大学のShuai Xu氏らは、皮膚科医が適切な日焼け予防を指導するのに役立つ情報を提供するため、Amazon通販サイトの情報を解析し、消費者の購入傾向、人気の製品の特色などを調べた。結果、販売製品総数は6,500に上ること、平均評価が星4つ以上だった65製品を調べたところ米国皮膚科学会(AAD)ガイドラインに準拠しない製品が4割を占め、価格のばらつきは30倍、カスタマーレビューでは美容性(cosmetic elegance)を評価するコメントが最も多い、などが明らかになったという。結果を踏まえて著者は、「皮膚科医はレコメンデーションの際に、美容性、価格、AADガイドラインの重要性をバランスよく行うことが必要である」とまとめている。JAMA Dermatology誌2016年8月1日号の掲載報告。 研究グループは、消費者が高評価する日焼け止め製品の特徴、最もよくみられた肯定的または否定的なコメントの特色を調べる検討を行った。2015年12月時点でAmazon.com上の日焼け止め製品でトップ1パーセンタイルに該当するもの(カスタマーレビューで平均評価が星4つ以上、書き込み多数)を選び、各製品のデータを製品ページおよび製造者アピールから集めた。また、星5つの評価を付けていたレビューを解析し、合意に基づく質的コーディングシェーマによってコード化し、肯定的・否定的記述をカスタマーコメントに従って6つの大カテゴリ(入手のしやすさ、美容性、独立した評価、製品成分、製品機能、皮膚タイプの適合性)に分類した。 Kruskal-Wallis検定によって各製品の特徴(AAD基準、SPF、媒材など)がオンス当たり価格を予測しうるかどうかを調べた。また、大テーマおよびサブテーマによる分類ごとのコメント数(%)を調べ、実際のコメント例も集約した。 主な結果は以下のとおり。・Amazon.comのオンラインカタログ上で、日焼け止めに分類された製品は6,500あった。・評価した65製品のうち、オンス当たり価格の中央値は3.32ドル(範囲:0.68~23.47ドル)であった。価格のばらつきは3,000%超で、製品に関するばらつきで最も顕著な要因であった。・40%(26/65製品)が、AADガイドライン(広域スペクトル、SPF≧30、耐水性)に準拠していなかった。とくに耐水性が基準に満たないものが多くを占めた。・媒材、AAD、日焼け止めタイプは、オンス当たりの高価格を予測した。・肯定的特徴として最も列記されていたコメントは美容性についてで(61%、198/325コメント)、次いで製品機能(45%、146/325コメント)、皮膚タイプの適合性(24%、78/325コメント)であった。

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第1回 日本がんサポーティブケア学会学術集会【開催のご案内】

 一般社団法人 日本がんサポーティブケア学会は、2016年9月3日(土)~4日(日)に「第1回 日本がんサポーティブケア学会学術集会」を開催する。テーマは「副作用を制するものはがん治療を制する 医はいたわりの心から始まる~学と術と道~」。多職種・多領域の参加者のもと、がん治療の副作用マネジメントのみならず、原病や治療の合併症、後遺症、サイコオンコロジー、リハビリテーション、がんサバイバー・就労支援など、多方面にわたる演題が発表される予定となっている。【会期】2016年9月3日(土)~4日(日)【会場】東京慈恵会医科大学 大学1号館東京都港区西新橋3丁目25番8号※詳細は「交通案内」「会場案内」をご参照ください。http://jascc.jp/jascc2016_congress/access.html【テーマ】副作用を制するものは、がん治療を制する医はいたわりの心から始まる~学と術と道~【会長】東京慈恵会医科大学 腫瘍・血液内科教授 相羽 惠介氏【参加方法】参加登録は当日のみとなります。受付にて参加費をお支払いのうえ、参加証(領収書兼)をお受け取りください。【参加費】会員:5,000円非会員:7,000円学生:1,000円※学生の方は学生証をご提示ください。※お支払いは現金のみとなります。クレジットカードでのお支払いはできませんのでご了承ください。【お問い合わせ】日本がんサポーティブケア学会 運営事務局株式会社 インタープラン・コーポレーション(担当:笠原・星野)〒150-0046 東京都渋谷区松濤1丁目28番4号(Tel:03-5489-4910/Fax:03-3461-8181)【主催】一般社団法人 日本がんサポーティブケア学会http://jascc.jp/index.html「第1回 日本がんサポーティブケア学会学術集会」詳細はこちら。

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138)血圧測定で気を付けたい姿勢のこと【高血圧患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 医師家では、どんな風に血圧を測定されていますか? 患者朝と寝る前に測定しています。 医師それは良いですね。どんな姿勢で測定されていますか? 患者えっと…椅子に座って、左手にカフを巻いて、心臓の高さにして…。 医師なるほど。どんな椅子で測定されていますか? 患者背もたれつきの椅子です。 医師結構です。足は組んでおられますか? 患者たまに、足を組むことがありますね。ダメでしたか? 医師足を組むと血圧が上がると言われています。正座やあぐらも禁物ですね。 患者よくわかりました(納得した顔)。●ポイント家庭での血圧測定時の姿勢や足の組み方についてわかりやすく説明します1)『高血圧治療ガイドライン2014』(Minds ガイドラインセンター)

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てんかん患者の喫煙率は

 てんかん患者における喫煙率に関するデータはあまり存在しない。スイス・ジュネーブ医科大学のOmar Torriani氏らは、フランス語圏のスイスに在住する成人てんかん患者を対象に調査を行った。Journal of neurology誌オンライン版2016年7月14日号の報告。 対象は、フランス語圏のスイスに在住する成人てんかん患者429例。過去6ヵ月間で少なくても1日1本のタバコの利用を現在喫煙者として定義した。てんかんタイプやタバコの消費量に関する質問が含まれたアンケートは、信頼性の高い診断を確実にするため、神経内科医付き添いのもとプロスペクティブに調査した。調査データは、毎年異なる言語地域におけるスイス人のタバコ利用習慣に関する詳細な情報を調査した「Tabakmonitoring」のデータ収集と比較した。 主な結果は以下のとおり。・てんかん患者の現在喫煙率は、32.1%であった(女性:28.8%、男性:35%)。また、同期間におけるフランス語圏スイス人の一般的な喫煙率は19.0%であった(OR:2.0、CI:1.6~2.5、p<0.001)。・特発性(素因性)全般てんかん患者の喫煙率は44.3%で最も高かった(その他のてんかん患者:27.8%、p=0.03)。・てんかん患者の喫煙率は、有意に高かった。・てんかんとニコチン中毒に共通する遺伝的感受性、てんかんに関連付けられるストレスやうつ病を介する間接的な併存疾患、てんかんに対するニコチンの有益な効果などの因果関係は不明なままであり、さらなる研究が求められる。関連医療ニュース 統合失調症患者は、なぜ過度に喫煙するのか 成人てんかんに対するガイドライン準拠状況は てんかん患者の性的問題の現状

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冠動脈CT-FFR、安定狭心症の管理を改善するか

 胸痛患者の評価方法にはさまざまな選択肢があり、最適な評価に関して議論が分かれる。そのうえ、冠動脈造影を実施しても、冠動脈狭窄が認められないという結果に終わることが多い。 CT血管造影(CTA)を用いた血流予備量比(FFR)の測定(FFRCT)は、冠動脈造影の際に実施する侵襲的なFFRに対して感度・特異度ともに高く、有用性が指摘されている。PLATFORM(Prospective Longitudinal Trial of FFRCT: Outcome and Resource Impacts)試験では、FFRCTを前向きに適応した結果、冠動脈造影が予定されていた患者群で、予定されていた冠動脈造影の60%をキャンセルすることができた。また、冠動脈造影で狭窄の認められなかった症例の割合が73%から12%に減少し(無駄な冠動脈造影が減少した)、冠動脈造影予定群の90日間の費用が有意に低かった。 Duke University School of MedicineのPamela S. Douglas氏らは、PLATFORM試験の12ヵ月までの追跡結果をまとめ、FFRCTを用いた場合の1年後の臨床的、経済的転帰およびQOLを評価した。欧州11施設が参加した前向き連続コホート研究で、Journal of the American College of Cardiology誌2016年8月号に発表された。584例の新規発症狭心症患者を連続して登録 584例の患者を担当医の評価によって冠動脈造影予定群と非侵襲的検査予定群に割り付けた後、さらに各群を予定された検査(侵襲的冠動脈造影または非侵襲的検査)とCTAに割り付けた。CTAに割り付けた場合、冠動脈造影予定群では全員、非侵襲的検査予定群ではCTAで30%以上の狭窄が認められた場合、予定された検査の前にFFRCTを実施した。 584例中581例(99.5%)が1年間の追跡を完了した。評価項目を主要心イベント(MACE:死亡、心筋梗塞、予定外の再灌流療法)、総医療費およびQOLとした。冠動脈造影予定群では、FFRCT群の医療費が33%安い 平均年齢は61歳、検査前の冠動脈疾患保有の確率は平均で49%であった。1年後の時点でMACEの発生はまれであり、冠動脈造影予定群の従来ケア群、FFRCT群で各2例、非侵襲的検査予定群では従来ケア群の1例でMACEが発生した。冠動脈造影予定群では、FFRCT群の平均医療費が従来ケア群と比べて33%安かった(FFRCT:8,127ドル vs. 従来ケア:1万2,145ドル、p<0.0001)。非侵襲的検査予定群では、FFRCTの費用をゼロとした場合の平均医療費に差がみられなかったが(FFRCT:3,049ドル vs. 従来ケア:2,579ドル、p=0.82)、FFR CTとCTAの費用を同等とするとFFRCT群が高かった。CTAとFFRCTに基づく治療、臨床成績とQOLが同等でコスト安 安定狭心症で冠動脈造影を予定している患者に対するCTAと選択的FFRCTに基づく治療は、1年後のフォローアップ時、結果として冠動脈に狭窄が認められない冠動脈造影を有意に減らし、臨床成績、QOLも同等でかつ医療費も安いという結果が示された。報告者らはその一方で、非侵襲的検査が予定された患者では臨床での心イベントの頻度が低いため、医療費やQOLの比較が難しく、大規模な試験が必要であるという結論を示している。

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アーミッシュの生活環境が喘息リスクの低下に関与/NEJM

 アーミッシュとフッタライト(いずれもキリスト教の一派で、伝統的な生活様式で農業を営むコミュニティ集団)の子供たちは、生活様式や遺伝的系統が類似しているにもかかわらず喘息有病率が大きく異なっていた。その背景には自然免疫反応の形成や誘導の違いがあり、アーミッシュの生活環境は喘息に対して予防的に働くことが示唆されたという。米国・シカゴ大学のMichelle M. Stein氏らが、ヒトとマウスの研究から明らかにした。アーミッシュは畑仕事や移動に馬を使用するなど伝統的な農業を行っており、フッタライトは工業化された農業技術を用いるという点で、とくに違いがみられる。以前の研究でこの両集団の喘息発症率に顕著な違いがあることが示唆されていたが、その違いに関与する免疫反応については不明であった。NEJM誌2016年8月4日号掲載の報告。アーミッシュとフッタライトで子供の血液とハウスダストを分析 研究グループは、アーミッシュ(インディアナ州)とフッタライト(サウスダコタ州)の小児計60人(各30人、7~14歳)を対象に、環境曝露、遺伝的系統、免疫プロファイルを調査し、アレルゲンおよびエンドトキシンを測定するとともにハウスダストの微生物叢を評価した。 全血を採取して血清IgE値、サイトカイン反応および遺伝子発現を測定し、フローサイトメトリーを用いて末梢血白血球の表現型を解析した。さらに、両集団の住居から採取したハウスダストの免疫および気道反応に対する影響を、アレルギー性喘息マウスモデルで評価した。両者で喘息有病率と免疫プロファイルに大きな差、環境要因の影響をマウスで確認 両集団の遺伝的系統は類似していたが、喘息有病率はアーミッシュが0、フッタライトが20%(6例)で、アーミッシュが低かった。また、一般的なアレルゲン(イヌ、ネコ、チリダニ、ゴキブリ)に対する血清IgE高値(>3.5kUA/L)の小児も、アーミッシュ2例、フッタライト9例と、アーミッシュで少なかった。 一方、ハウスダストのエンドトキシン濃度中央値は、アーミッシュがフッタライトより6.8倍高値であった。両集団のハウスダストでは、微生物叢の違いも観察された。さらに、末梢血白血球については、単球の割合は両集団で類似していたが、アーミッシュはフッタライトと比較して好中球の割合が多く好酸球は少なかった。同様に、自然免疫細胞の表現型や機能についても両集団で大きな差が確認された。 ハウスダストの抽出液をアレルギー喘息マウスに鼻腔内滴下した結果、アーミッシュの住居から採取したハウスダストで気道過敏性、好酸球増加や特異的IgE値増加が有意に抑制された。自然免疫シグナリングに重要な分子であるMyD88およびTrifの両方が欠損しているマウスでは、これらの予防効果は消失した。 なお、著者は、症例数が少なく対象の年齢が7歳以上であったことや、微生物叢の評価に研究の限界があるとしている。

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慢性期脳梗塞に対するヒト神経幹細胞療法の安全性/Lancet

 ヒト神経幹細胞(hNSC)製剤であるCTX-DPの単回脳内投与(hNSC2,000万個まで)は、有害事象を発現することなく神経学的機能の改善をもたらすことが認められた。英国・グラスゴー大学のDheeraj Kalladka氏らが、CTX-DPの第I相first in man試験であるPilot Investigation of Stem Cells in Stroke(PISCES)試験の結果、報告した。CTX-DPは、ヒト胎児の大脳皮質神経上皮細胞に由来する不死化hNSC株であるCTX0E03から同種細胞療法のために開発された製剤で、先行研究においてラットに中大脳動脈梗塞後4週後にCTX-DPを投与した結果、用量依存的な感覚運動機能の改善が確認され、脳卒中患者におけるCTX-DP治療の安全性や忍容性の評価が望まれていた。著者は今回の結果を受け、「虚血性脳卒中患者に対するこの新たな細胞療法は実現可能かつ安全であり、今後、大規模な第II相試験が行われるだろう」とまとめている。Lancet誌オンライン版2016年8月3日号掲載の報告。60歳以上の慢性期脳梗塞男性患者においてCTX-DP脳内投与の安全性を評価 PISCES試験は、安定期虚血性脳卒中(脳梗塞)患者におけるCTX-DP脳内移植の安全性を評価する非盲検単用量漸増試験。 研究グループは、脳梗塞発症後6~60ヵ月で障害が安定している60歳以上の男性(脳卒中重症度評価スケール[NIHSS]≧6、修正Rankinスケール[mRS]スコア2~4)を対象に、脳定位手術により同側被殻へCTX-DP(hNSC 200万、500万、1,000万および2,000万個)を単回注入し、臨床および脳画像データを2年間収集した。 臨床評価には、一般身体検査と血液検査、神経学的検査、筋緊張評価(modified Ashworth scale:MASスケール)等を用い、主要評価項目は有害事象と神経学的変化とした。有害事象はなく神経学的機能の改善を確認 2010年9月~2013年1月に13例が登録され、うち11例がCTX-DPの投与を受けた(平均年齢69歳、60~82歳)。投与前のNIHSSスコア中央値は7(四分位範囲[IQR]:6~8)、脳梗塞発症後平均経過時間は29(SD 14)ヵ月、平均追跡期間は44ヵ月であった。対象11例のうち、3例は皮質下梗塞のみ、7例は右脳半球梗塞であった。 有害事象は、すべて施術や共存疾患に関連したもので、CTX-DPの投与に起因する免疫学的または細胞に関連した有害事象は確認されなかった。全例で投与前後のHLAは陰性であった。 MRIでは、T2強調FRAIR画像で、注射部位周囲の高信号が5例で確認された。MRI変化と臨床変化との関連は認められなかった。NIHSSスコアの改善は、2年時点で0~5(中央値 2)ポイントであり、時間経過によるNIHSSスコア、MASスケール等の改善が認められた。 著者は、研究の限界として、症例数が少ないことと長期的な安全性は不明であることを挙げている。

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