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ピロリ感染に対する1次除菌治療におけるビスマス4剤併用療法、非ビスマス4剤併用療法および3剤併用療法の有用性―非盲検無作為化試験(解説:上村 直実 氏)-610

 ピロリ菌に対する除菌治療において、標準的レジメとして使用されている3剤(プロトンポンプ阻害薬:PPI+アモキシシリン:AMPC+クラリスロマイシン:CAM)併用療法(PAC療法)の除菌率が、著明に低下していることが世界的に問題となっている。 今回の台湾からの報告では、ピロリ感染者に対する1次除菌治療として、標準的なPAC療法14日間、ビスマス併用4剤療法(ビスマス+PPI+メトロニダゾール:MNZ+テトラサイクリン:TC)および非ビスマス4剤療法(PPI+AMPC+CAM+MNZ)の3群で無作為化比較試験を行った結果、ビスマス併用4剤療法の除菌率がPAC療法に比べて有意に高いことが示されている。 除菌治療の有効性ないしは除菌率は、地域のCAMおよびMNZに対する耐性菌率により大きな影響を受ける。わが国の保険診療では、ピロリ感染に対する1次除菌治療としてPAC療法が承認されており、この1次治療における除菌失敗例に対する2次除菌治療として、CAMをMNZに置換したPAM療法が承認・使用されている。本邦でもCAM耐性率が30%を超え、PAC療法の除菌率が60%台に低下しているが、2次治療法であるPAM療法の除菌成功率が意外にも90%以上に保たれている。さらに、新たなPPIを用いたレジメの1次除菌率が90%以上であると報告されており、医療保険でカバーされない3次除菌治療を必要とする症例は非常に少ないのが現状である。したがって、CAM耐性による影響が世界中で危惧されているものの、わが国の臨床現場における新たな1次除菌法や2次除菌法の除菌成功率は90%以上と満足すべきものであり、さらにビスマスやTCを除菌治療に使用することは薬事承認されていない日本の医療現場に、今回の台湾からの研究結果が影響を与えることはないと思われる。

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80歳と盛り上がった!【Dr. 中島の 新・徒然草】(145)

百四十五の段 80歳と盛り上がった!娘さんに付き添われて外来にやってきた高齢女性、御年80歳!御主人が亡くなってからは、1人で映画鑑賞するのが唯一の趣味なのだとか。中島「最近どんな映画を観たのですか?」患者「『シン・ゴジラ』かな」中島「面白かったですか?」患者「うーん、ちょっとね」私と同じような感想です。中島「『ハドソン川の奇跡』は面白かったですよ」患者「私も観ました!」中島「サレンバーガー機長が凄かったですね」患者「そうそう」やはり面白いと思う映画は、誰でも同じなのでしょうか。中島「日本映画でも頑張っているのもあるようですね」患者「あれね。私も観なくちゃいけないと思っているのよ」娘さん「何という映画なの、お母さん」患者、中島「『君の名は。』!」娘さんをほったらかしにして、80歳と盛り上がってどないするねん!というわけで「君の名は。」かつて一世を風靡した、1953年の映画「君の名は」と似たタイトルですが、リメイクではありません。東京の男子高校生(タキ)と岐阜の糸守町の女子高生(ミツハ)の体が、寝ている間に入れ替わってしまうというところからストーリーが始まります。やがて糸守町に隕石が落ちるということを知ったタキは、仲間とともに何とか町の人々を安全な場所に避難させようと奮闘します。しかし、誰も耳を貸してくれないうちに落下の時刻はどんどん迫ってきました。(以下、省略)ネットではいろいろな評判のある映画「君の名は。」ですが、やはり自分の目で見なくてはコメントできません。というわけで、ある休日の昼間に観てきました。「100回でも観たい!」という人もおられるようですが、私には1回で十分でした。突っ込みたくなるところは沢山ありますが、まだ観ていない人のために、良かったところだけ挙げておきます。1. 絵が凝っている何気ない日常の風景をこんなに綺麗に描写できるのか、と感心しました。これこそ、新海誠監督作品の真骨頂ですね。2. 滅びゆくものの美しさそもそも何らかの形で災害や滅亡に触れている日本映画は多いように思います。あのシン・ゴジラも例外ではありません。今回の「君の名は。」も、恋愛よりも滅亡のほうがテーマとして相応しいという気がします。滅びゆくものに美しさを見出すのが、われわれ日本人なのでしょう。3. 薄れゆく記憶寝ている間の夢の中で、男女の意識が入れ替わるという設定なのですが、本物の夢と同じように、目が覚めてからその記憶が徐々に消えていきます。いろいろな出来事がどんどん薄らいでいき、ついには大切な人の名前まで思い出せなくなる、というのが「君の名は。」というタイトルであり、ここは「うまい!」と思わされました。まだ当分は上映していそうなので、興味ある方はぜひ、御自分の目で見て下さい。最後に1句薄れゆく 記憶の中で 君の名は

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世界的に今後の認知症研究はどう進んでいくか

 2015年3月、WHO加盟国80ヵ国と4つの国連機関を含む160人の代表が集まり、認知症に対する世界的アクションに関する第1回WHO大臣級会合が開かれた。そのなかで、さらなる研究に向けて総力結集を後押しし、認知症の世界的な負担を軽減するためのアクションの呼びかけ(Call for Action)が発表された。米国・コロンビア大学のHiral Shah氏らは、この取り組みを促進するために、Child Health and Nutrition Research Initiative法の改良バージョンを用いて、世界の代表的研究の優先順位付けを行った。The Lancet Neurology誌2016年11月号の報告。 201人の参加者から863件の研究質問を収集し、59テーマの研究手段に統合した。39ヵ国、162人の研究者、利害関係者により、5つの基準に従って匿名により採点した。 主な結果は以下のとおり。・トップ10の研究優先順位のうち6件は予防に重点が置かれていた。その他、鑑別、認知症リスク低下、デリバリー、認知症者と介護者のためのケア品質であった。・診断に関する他の優先順位は、バイオマーカー、治療法の開発、疾患メカニズムの基礎研究、一般市民の意識、認知症への理解であった。・このシステマティックな国際法により識別された研究の優先順位は、世界的な認知症研究状況との重要なギャップを特定するためにマッピングする必要がある。そのうえで、通知し、政策立案者や資金提供者に動機を与え、研究者をサポートし、認知症の世界的な負担を軽減するための研究を行う必要がある。・Global Dementia Observatoryなどの国際プラットホームを介した継続的な研究への投資と進捗状況の監理するために、WHO、WHO加盟国、一般市民社会といったすべてのステークホルダーの努力が必要である。関連医療ニュース 認知症のための学部医療教育強化 認知症の世界的トレンドはどうなっているか 認知症に進行しやすい体型は

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小児の弱視治療にiPadゲーム療法は有効か

 近年、不同視弱視や斜視弱視の治療について両眼アプローチが提唱され、小規模試験で有望との結果が示されている。それを受けて米国・メイヨークリニックのJonathan M. Holmes氏らは、大規模無作為化試験により、弱視小児の視力改善について、両眼アプローチとしてiPadを用いたゲーム療法と、従来の定時的なアイパッチ療法を比較する検討を行った。その結果、弱視眼の視力改善はいずれの療法でもみられ、とくに弱視治療歴のない年少児(5~7歳未満)で認められた。しかし主要非劣性解析の結果は、割付治療のアドヒアランスの問題などもあり、確定には至らなかった。また、事後解析では、両眼iPad治療は1日2時間のアイパッチ療法ほど弱視眼の視力改善は良好ではないことが示唆されている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2016年11月3日号掲載の報告。 研究グループは、2014年9月16日~2015年8月28日にコミュニティクリニックで、多施設共同非劣性無作為化試験を行った。試験には、斜視または不同視、もしくは両者により弱視(20/40~20/200、平均20/63)を有する5~13歳未満の小児385例が参加した。 385例は、1日1時間の両眼iPadゲーム療法を行う群(両眼群190例)、または1日2時間の両眼アイパッチ療法を行う群(パッチ群195例)に無作為に割り付けられ、それぞれ16週間治療を受けた。 主要評価項目は、ベースラインから16週時点までの弱視眼の視力の変化であった。試験期間中、4、8、12、16週時にフォローアップ受診の予定が組まれ、16週間の試験治療を完了した被験者を組み込んで修正intent-to-treat解析を行い、評価した。 主な結果は以下のとおり。・被験者385例の特性は、女児187例(48.6%)、平均年齢(SD)8.5(1.9)歳であった。・16週時点で、弱視眼視力の平均改善値は、両眼群1.05 lines(0.105 logMAR)(両側95%信頼区間[CI]:0.85~1.24)、パッチ群1.35 lines(同:1.17~1.54)であった。・補正後両群差は0.31 linesで、パッチ群を支持する結果であった。片側95%CIの上限値は0.53 linesであり、事前規定の非劣性の制限値0.5 linesを上回った。・しかしながら、両眼群に無作為化されログファイルデータが入手できたのは39/176例(22.2%)のみであり、それら被験者の両眼療法の実行率は75%超(中央値46%、四分位範囲:20~72%)であった。・より年少(5~7歳未満)で、弱視治療歴のない小児では、弱視眼の視力改善の平均値(SD)は、両眼群で2.5(1.5)lines、パッチ群2.8(0.8)linesであった。・有害事象(複眼など)はまれであり、発現頻度は両群で同程度であった。

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HIVの広域中和抗体VRC01のウイルス抑制効果/NEJM

 HIV患者に対し、HIV CD4結合部位を標的にする広域中和抗体(bNAb)「VRC01」を、抗レトロウイルス療法(ART)の中断前後に投与し受動免疫を試みた結果、中断後の血清ウイルスが再び増殖する(viral rebound)までの経過時間をわずかだが遅らせることができるが、その効果は8週時までは継続しないことが示された。米国・ペンシルベニア大学のKatharine J. Bar氏らが、患者24例を対象に2つの試験を行い明らかにした。HIVの中和抗体の発見は、HIV感染症の予防および治療における受動免疫戦略を可能とするものである。研究グループは、VRC01が安全にウイルス・リバウンドを防止または遅延できるかを調べた。NEJM誌オンライン版2016年11月9日号掲載の報告。VRC01の安全性や抗ウイルス活性などを検証 研究グループは、HIV患者24例を対象に、2つの非盲検試験「A5340」と「NIH 15-I-0140」を行った。ARTを計画的に中断し、その前後にVRC01を投与して、投与の安全性、副作用、薬物動態特性、抗ウイルス活性について検証した。ART中断4週間時点でのウイルス抑制率は有意に高率 結果、ウイルスのリバウンドは、血清VRC01濃度が50μg/mL超でも発生が認められた。ART中断からリバウンドまでの経過時間の中央値は、A5340群が4週間、NIH群が5.6週間だった。 両試験の被験者は、従来療法対照群に比べ、ART中断4週間時点でのウイルス抑制率が高かった。A5340試験では、VRC01群38% vs.対照群13%(フィッシャー正確両側検定のp=0.04)、NIH試験では80% vs.13%(同p<0.001)だった。しかし、その後ART中断8週間時点の評価では、A5340試験、NIH試験共に対照群との有意差は認められなかった。 ART実施前、ART中断前後のウイルス集団分析では、VRC01がウイルスのリバウンドを抑制し、ウイルス再発を抑制し、既存または新たな中和抵抗性ウイルス抗体の選別を促したことがわかった。 なお、被験者のうち1人が、アルコール関連の重篤な有害事象を発症したが、著者は被験者が少数であり、安全性の懸念をVRC01による受動免疫と関連づけることはできないとしている。

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FAAH阻害薬、第I相で発現した重度神経障害/NEJM

 可逆的経口脂肪酸アミド加水分解酵素(FAAH)阻害薬「BIA 10-2474」の第I相臨床試験で1日50mg、5~6日投与した結果、脳死状態を含む急性重度神経障害の発現が報告された。フランス・レンヌ大学病院のAnne Kerbrat氏らによる試験の結果で、NEJM誌2016年11月3日号で発表した。FAAH阻害薬は、動物試験では鎮痛作用や抗炎症作用が報告されており、第I相・II相の臨床試験もいくつか行われているが、有効性の検出力が低く、第III相試験には至っていなかった。BIA10-2474を、累積250~300mg投与 研究グループは、健常ボランティア84例を対象に、BIA10-2474を単回投与(0.25~100mg)と反復投与(2.5~20mgを10日間)をそれぞれ投与する連続コホート試験を行った。その結果、重度の有害事象の報告はなかった。 同グループはまた、別のコホート試験の被験者を、プラセボ(2例)またはBIA10-2474(50mg/日、連続5~6日投与、6例)に割り付け、それぞれ投与した。このうちBIA10-2474群の4例について、臨床・放射線画像データの公表に関する同意を得た。脳死状態、記憶障害、小脳症候群が残る その結果、投与開始後5日目から、BIA10-2474群の4例中3例で、急性・急速進行性の中枢神経系障害が発現した。 主な臨床的特徴は、頭痛、小脳症候群、記憶障害、意識障害だった。 MRI検査で主に橋と海馬に微小出血や、また脳髄液信号抑制反転回復(FLAIR)法や拡散強調画像シーケンスによって、両側対称性の脳病変が認められた。 3例のうち1例は、脳死状態となった。残りの2例は、その後症状が改善したが、1例は記憶障害の症状が残り、もう1例は小脳症候群が残った。 なお、残りの1例では、いずれの症状も発現しなかった。 研究グループは、この有害な脳症候群の発生機序は不明だとしている。

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セリチニブALK陽性肺がんのPFS延長:ESMO 2016

 クリゾチニブ(商品名:ザーコリ)治療歴のあるALK変異陽性非小細胞肺がん(非小細胞肺がん以下、NSCLC)患者において、ALK阻害薬セリチニブ(商品名:ジカディア)が化学療法に比べ無増悪生存期間(PFS)を延長した。ASCEND-5試験の結果として欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2016)で発表された。 ASCEND-5試験は非盲検無作為化試験。クリゾチニブ治療歴のある患者231例が、セリチニブ群または化学療法群(ペメトレキセドあるいはドセタキセル)に1:1に割り付けられた。病勢進行(PD)により化学療法が中止となった患者は、セリチニブへのクロスオーバーが許可された。 結果、PFS中央値はセリチニブ群で化学療法群に比べ有意に改善された(5.4ヵ月 vs.1.6ヵ月、p<0.001)。客観的奏効率(ORR)も、セリチニブ群で化学療法群に比べ高かった(39.1% vs.6.9%)。また、PDとなり化学療法が中止となった患者のうち、75例がセリチニブにクロスオーバーした。 セリチニブ投与患者の有害事象は第I、II相試験と同様であった。頻度が高かったGrade3/4の有害事象は悪心(7.8%)、嘔吐 (7.8%)、下痢(4.3%)であった。化学療法では好中球減少(15.0%)、疲労感(4.4%)、悪心(1.8%)であった。また、セリチニブ群では肺がん特異的症状および全般的健康状態などの患者報告アウトカムを有意に改善した(p<0.05)。※患者背景:年齢中央値 54歳、治療期間(セリチニブ群 30.3週、化学療法群 6.3週)、追跡期間中央値 16.5ヵ月(ケアネット 細田 雅之)参考ESMO:プレスリリースASCEND-5試験(ClinicalTrials.gov)

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CDK4/6阻害薬―パルボシクリブに加えribociclibも有効性証明(解説:矢形 寛 氏)-609

 CDK4/6阻害薬は、ホルモン受容体陽性乳がんにおいてしばしば活性化されているCDK4/6をブロックすることによって、G1→Sへの移行を止め、細胞増殖を抑制する。内分泌療法耐性を克服するものとして最も注目されている分子標的薬である。 パルボシクリブは、PALOMA試験において先行してその効果が証明されているが、ribociclibも同様に有効であることが示された。好中球減少が最も頻度の高い有害事象であるが、好中球減少性発熱は非常に少なく(1.5%)、感染率もプラセボ群とほぼ同等であった。 体で感じる重篤な有害事象がプラセボと大きく変わらないことは患者にとっても朗報であり、その点で使いやすい薬剤であろうと想像される。注意すべきは、頻度は低いもののQT延長を示す例があり、突然死のリスクが懸念されるため、使用中は十分なモニタリングが要求される。 パルボシクリブと同様に、現在はまだ無増悪生存期間の延長が示されたのみであり、全生存期間を延長するかどうかについてはさらなる観察が必要である。

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1分でわかる家庭医療のパール ~翻訳プロジェクトより 第33回

第33回:アルコール使用障害のある患者への薬物療法監修:吉本 尚(よしもと ひさし)氏 筑波大学附属病院 総合診療科 タバコの害は国民全員が知るようになりつつありますが、アルコールの害は日本文化の中で過小評価されている印象があります。ニコチン依存症が1,800万人1) 、アルコール使用障害が593万人2) 、ギャンブル依存症が536万人3) と推定されています。 嗜好に対する行き過ぎた行為にどのように関わるか、人々の日常生活にも密接に関わっている医師にとっても大きな課題だと考えます。最近の枠組みの変化として、DSM5ではアルコール乱用とアルコール依存の区別をなくしてアルコール使用障害として統合を行い、軽度、中等度、重度という表現に変更しています4) (日本でのアルコール医療はICD-10を主に用いており、飲酒量や心身の有害性に応じて危険な飲酒、有害な飲酒、アルコール依存症の診断に分かれています)。 問診でアルコール量が多いなと感じた患者には、積極的にAUDIT(The Alcohol Use Disorders Identification Test)やCAGE(Cut down,Annoyed,Guilty feeling,Eye-opener)を用いていきたいですね。 以下、American Family Physician 3月 15 日号より5) よりUSPSTF(The U.S. Preventive Services Task Force)は、すべての成人に対してアルコール使用障害のスクリーニングと、リスクの高い人や危険な飲み方をする人に対して、アルコール摂取を減らすための簡単なカウンセリングをすることを勧めている。しかし現状は、ハイリスクなアルコール使用障害の一部の大人しか治療を受けていない。FDAに認可を受けた3つの薬は、アルコール使用障害を改善することが証明された:アカンプロサート(商品名:レグテクト:通常用量 333mg6錠分3)、ナルトレキソン(国内未承認)、ジスルフィラム(同:ノックビン:通常用量0.1~0.5g分1~3、アルコールを含む食品を含め併用禁忌)である。アカンプロサートとナルトレキソンはアルコールの消費量を減らして、断酒率を上げるが、効果は中等度である。またジスルフィラムは数十年来販売されているが、効果を裏付けるエビデンスは十分でない。ほかにアルコール使用障害を改善するのに有効かもしれない薬もある。トピラマート(同:トピラ)やガバペンチン(同:ガバペン)などの抗てんかん薬もアルコール摂取を減らすが、長期の研究がない。気分障害がある場合は抗うつ薬もよく、セルトラリン(同:ジェイゾロフト)やフルオキセチン(日本未承認)はうつ病患者のアルコール消費量を減らすかもしれない。オンダンセトロン(同:ゾフラン)は一部の人にとっては、アルコールの消費を減らすかもしれない。さらに、遺伝子を標的とした治療や、必要に応じてすぐ受けられる治療法に対する研究も進められている。※本内容にはプライマリ・ケアに関わる筆者の個人的な見解が含まれており、詳細に関しては原著を参照されることを推奨いたします。 1) 厚生労働省研究費補助金・第3次対がん総合戦略事業 2) Osaki Y, et al. Alcohol Alcohol. 2016; 51: 465-473. 3) 厚生労働省の研究班(研究代表者=樋口進・久里浜医療センター院長) 4) DMS-5 Substance Related and Addictive Disorders(物質関連および嗜癖の障害) 5) Winslow BT, et al. Am Fam Physician. 2016;93:457-465.

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小児に対する抗精神病薬使用、治療継続性を解析

 小児および青年に対する第2世代抗精神病薬の実際の有用性は、まだよくわかっていない。このような患者は長期にわたり治療を受けているため、重要な研究領域である。イタリア・Scientific Institute IRCCS Eugenio MedeaのMarco Pozzi氏らは、小児外来患者を対象に第2世代抗精神病薬の治療継続性を比較した。The Journal of clinical psychiatry誌オンライン版2016年10月25日号の報告。 リスペリドン、アリピプラゾール、オランザピン、クエチアピン治療を行った小児外来患者の非選択的集団において、24ヵ月(2012年3月~2014年3月)の観察研究を行った。(1)使用薬剤の抽出、(2)特定の原因による中止率、用量調節は、薬剤間のカプランマイヤー分析により事後比較、(3)これらアウトカムに影響を及ぼす予測因子をCox多変量モデルにより解析した。 主な結果は以下のとおり。・小児患者184例のうち、処方率はリスペリドン77%、アリピプラゾール18%であった。・オランザピン、クエチアピンの使用率は低かったため、分析対象外とした。・リスペリドンは破壊的行動障害を有する若者男性で処方され、アリピプラゾールはチック障害を有する患者で処方されていた。・全体として、処方後6ヵ月間における中止が多く、24ヵ月時点における中止率は、リスペリドン41.5%、アリピプラゾール39.4%で、同様であった。・単変量解析では、投与量の減少はアリピプラゾール群で高かった(p=0.033)。・多変量解析では、以下の予測因子が抽出された。 全原因による中止:ベースラインの重症度(HR:1.48、p=0.001)、用量増加(HR:3.55、p=0.001)。 患者決定による中止:用量増加(HR:6.43、p=0.004)、用量減少(HR:7.89、p=0.049)、併用薬あり(HR:4.03、p=0.034)、自閉症患者決定による中止は少ない(HR:0.23、p=0.050)。 副作用に伴う医師決定による中止:ベースラインの重症度(HR:1.96、p=0.005)、用量増加(HR:5.09、p=0.016)。 効果不十分に伴う医師決定による中止:ベースラインの重症度(HR:2.88、p0.014)、アリピプラゾール使用(HR:5.55、p=0.013)。 用量増加:なし。 用量減少:副作用発生(HR:4.74、p=0.046)、用量減少は自閉症患者では少ない(HR:0.22、p=0.042)。関連医療ニュース 第2世代抗精神病薬、小児患者の至適治療域を模索 自閉症とADHD症状併発患者に対する非定型抗精神病薬の比較 アスペルガー障害、高機能自閉症への第二世代抗精神病薬は有用か

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左冠動脈主幹部病変、PCIよりCABGが予後良好/Lancet

 左冠動脈主幹部病変の治療では、冠動脈バイパス術(CABG)が経皮的冠動脈インターベンション(PCI)よりも良好な予後をもたらす可能性があることが、フィンランド・オウル大学病院のTimo Makikallio氏らが行ったNOBLE試験で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2016年10月31日号に掲載された。欧州では、従来、非保護左主幹部病変の標準的な血行再建術はCABGであるが、最近はPCIの使用が急増している。欧州心臓病学会(ESC)の現行ガイドラインでは、左主幹部病変や非複雑病変、非びまん性病変にはPCIが推奨されているが、その論拠とされる試験は症例数が少なく、最良の治療を決めるには検出力が十分でないという。約1,200例が参加したPCIの非劣性試験 NOBLEは、非保護左主幹部病変を有する患者において、薬剤溶出ステントを用いたPCIのCABGに対する非劣性を検証する非盲検無作為化試験(デンマーク・オーフス大学病院などの助成による)。 対象は、冠動脈造影で視覚的な狭窄度≧50%または冠動脈の入口部、midshaft、分岐部の冠血流予備量比≦0.80の病変を有する安定狭心症、不安定狭心症、非ST上昇型心筋梗塞の患者であった。 主要評価項目は、主要な心脳血管有害事象(MACCE)の複合エンドポイント(全死因死亡、手技に伴わない心筋梗塞、再血行再建術、脳卒中)であった。非劣性マージンは1.35とした。 2008年12月9日~2015年1月21日までに、欧州9ヵ国36施設に1,201例が登録され、PCI群に598例、CABG群には603例が割り付けられた。両群とも592例ずつがITT解析の対象となった。全死因死亡に差はないが、5年MACCE発生率が高い ベースラインの平均年齢は、PCI群が66.2歳(SD 9.9)、CABG群は66.2歳(9.4)で、女性がそれぞれ20%、24%(p=0.0902)を占め、糖尿病を有する患者が両群とも15%含まれた。logistic EUROSCOREは両群とも2(IQR:2~4)、SYNTAXスコアはそれぞれ22.4(SD 7.8)、22.3(7.4)であった。 Kaplan-Meier法による5年MACCE発生率は、PCI群が29%(121イベント)、CABG群は19%(81イベント)で、HRは1.48(95%CI:1.11~1.96)であり、CABG群のPCI群に対する優越性が確認された(p=0.0066)。 全死因死亡の5年発生率には有意な差はなかった(PCI群:12% vs.CABG群:9%、HR:1.07、0.67~1.72、p=0.77)が、手技に伴わない心筋梗塞(7 vs.2%、2.88、1.40~5.90、p=0.0040)および血行再建術(16 vs.10%、1.50、1.04~2.17、p=0.032)はPCI群で有意に多く、脳卒中(5 vs.2%、2.25、0.93~5.48、p=0.073)はPCI群で多い傾向がみられた。 1年MACCE発生率は、2つの群で同じであり(7 vs.7%、リスク差:0.0、95%CI:-2.9~2.9、p=1.00)、両群間の差は1年以降に生じていた。1年時の全死因死亡(p=0.11)、手技に伴わない心筋梗塞(p=0.49)、血行再建術(p=0.27)、脳卒中(p=0.16)にも差は認めなかった。 著者は、「これらの知見は、SYNTAX試験の左主幹部病変例とPRECOMBAT試験のメタ解析の結果(5年MACCE発生率、PCI群:28.3% vs. CABG群:23.0%、p=0.045)を追認するものである」としている。

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コーヒー1日3杯以上で脳腫瘍リスク低下~JPHC研究

 わが国の多目的コホート研究(JPHC研究)で、コーヒーや緑茶を飲む頻度で脳腫瘍のリスクを比較したところ、コーヒーを1日3杯以上飲むグループでリスクの低下がみられ、日本人ではコーヒー摂取が神経膠腫(グリオーマ)を含む脳腫瘍のリスクを減らす可能性が示唆された。International Journal of Cancer誌2016年12月号に掲載。 海外の疫学研究のメタアナリシスでは、コーヒーは予防的に作用しないと報告され、緑茶と脳腫瘍との関連は明らかにされていない。緑茶をよく飲むアジアにおいても、緑茶やコーヒーと脳腫瘍との関連もよくわかっていない。今回、JPHC研究で、日本人におけるコーヒーと緑茶の摂取量と脳腫瘍リスクとの関連が調査された。 本研究は、JPHC研究における10万6,324人(男性5万438人、女性5万5,886人)を調査し、コホートIでは1990年から、コホートIIでは1993年から、2012年12月31日まで追跡調査した。コーヒーと緑茶を飲む頻度を「週に4日以下」「1日1~2杯」「1日3杯以上」の3つのグループに分け、脳腫瘍のリスクを比較した。コーヒーや緑茶の摂取量と脳腫瘍リスクとの関連について、Cox比例ハザード回帰モデルを用いてハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を評価した。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中に157人(男性70人、女性87人)が新規に脳腫瘍と診断された。・コーヒー摂取量と脳腫瘍リスクとの間には、男女すべて(1日3杯以上でHR:0.47、95%CI:0.22~0.98)および女性(1日3杯以上でHR:0.24、95%CI:0.06~0.99)において、有意な逆相関が認められた(ただし、本研究では1日3杯以上のグループにおける脳腫瘍は8例と少なかった)。・神経膠腫においても、コーヒー摂取量が多いとリスクの低下傾向が認められた(1日3杯以上でHR:0.54、95%CI:0.16~1.80)。・緑茶摂取と脳腫瘍リスクとの間には明らかな関連は認められなかった。

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糖尿病患者の喫煙の恐さ

糖尿病患者がタバコを吸っていると死亡リスクが1.6倍に【対象】糖尿病患者113万2,700例禁煙すればリスクは下がる! 死亡する確率1.551.191.00非喫煙者喫煙者元喫煙者(禁煙した人)糖尿病患者と死亡リスクを研究した89研究の統合相対リスクPan A, et al. Circulation. 2015;132:1795-804.より作図Copyright © 2016 CareNet,Inc. All rights reserved.

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統合失調症への補助療法、その影響は:昭和大

 統合失調症患者における非薬理学的介入(NPI)と末梢脳由来神経栄養因子(BDNF)との関係を調査した研究はいくつかある。昭和大学の真田 健史氏らは、統合失調症(統合失調感情障害を含む)患者を対象に末梢血清および血漿BDNFにおいてNPIの有効性を確認するため、システマティックレビュー、メタ解析を行った。International journal of molecular sciences誌2016年10月24日号の報告。 研究には、289例を含む6件のランダム化比較試験を用いた。メタ解析では、NPI群と対照群間の標準化平均差(SMD)を用いて血中BDNFレベルにおけるNPIの効果を調べた。 主な結果は以下のとおり。・6件の研究のうち、5件は運動、身体的トレーニング、ダイエット製品を使用し、1件は認知トレーニングを使用していた。・NPI群の末梢BDNFレベルは、対照群と比較し増加していた(SMD:0.95、95%CI:0.07~1.83、p=0.03)。・サブグループ分析では、末梢BDNFレベルにおいて非運動介入の有益な効果が示された(SMD:0.41、95%CI:0.08~0.74、p=0.01)。・メタ回帰分析では、完了率にSMDの変数が影響することが示唆された(p=0.01)。 著者らは「不十分なエビデンスであるとしながらも、統合失調症患者に対する補助療法としてのNPI(とくに非運動介入)は、血清または血漿BDNFに良い影響を及ぼすことが示唆された」としている。関連医療ニュース 統合失調症の病態生理とBDNFの関連:産業医科大 統合失調症患者への健康増進介入はやはり難しい 抗精神病薬誘発性高プロラクチン血症にアリピプラゾール補助療法

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生体吸収性スキャフォールド、3年で血管運動は回復したのか/Lancet

 冠動脈狭窄患者の治療において、エベロリムス溶出生体吸収性スキャフォールド(Absorb)はエベロリムス溶出金属ステント(Xience)と比較して、力学特性の指標である、血管運動の回復の結果としての内腔径の増加に寄与しないことが、英国インペリアル・カレッジ・ロンドンのPatrick W Serruys氏らが進めるABSORB II試験の中期的な検討で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2016年10月30日号に掲載された。循環器インターベンション医にとって、務めを終えたら消え去る一過性のスキャフォールドは、長い間の夢だという。生理学的には、固い金属製のケージがなければ、血管運動の堅調さや適応性のあるずり応力、遠隔期の内腔拡張などの回復が促進される可能性がある。約500例の3年時の解析結果 ABSORB IIは、生体吸収性スキャフォールドの導入を支持するエビデンスに基づくデータを生成することで、この技術の付加的な価値を評価する単盲検実対照比較試験(Abbott Vascular社の助成による)。今回は、3年時の中期的な解析の結果が発表された。 対象は、年齢18~85歳、心筋虚血および異なる心外膜血管に1または2個の新たな自然病変が確認された患者であった。被験者は、AbsorbまたはXienceを留置する群に2対1の割合で無作為に割り付けられた。 複合主要エンドポイントは、3年時の硝酸塩の冠動脈内投与後の冠動脈造影による血管運動反応性(投与前後の平均内腔径の変化)の優越性と、冠動脈造影による遠隔期損失径の非劣性(非劣性マージン:0.14mm)であった。 2011年11月28日~2013年6月4日までに、欧州とニュージーランドの46施設に501例が登録され、Absorb群に335例(364病変)、Xience群には166例(182病変)が割り付けられた。抗血小板薬2剤併用の長期投与が今後の研究トピックに ベースラインの平均年齢は、Absorb群が61.5歳(SD 10.0)、Xience群は60.9歳(10.0)、女性がそれぞれ24%、20%含まれた。糖尿病は両群とも24%にみられ、安定狭心症は両群とも64%、不安定狭心症はそれぞれ20%、22%であり、一枝病変が83%、85%を占めた。 3年時の血管運動反応性は両群間に有意な差を認めず(Absorb群:0.047mm[SD 0.109] vs.Xience群:0.056mm[0.117]、優越性検定p=0.49)、遠隔期損失径はAbsorb群のほうが大きい(0.37mm[0.45] vs.0.25mm[0.25]、非劣性検定p=0.78)という結果であり、複合主要エンドポイントは達成されなかった。この内腔径の差は、最小血管面積の血管内エコー検査で確定された(4.32mm2[SD 1.48] vs.5.38 mm2[1.51]、p<0.0001)。 患者志向の副次エンドポイントであるシアトル狭心症質問票(狭心症の頻度・安定性、身体機能制限、QOL、治療満足度)に「狭心症なしの患者数」を加えた指標、および運動負荷試験は、両群間に有意な差を認めなかった。 一方、デバイス志向の複合エンドポイント(心臓死、標的血管心筋梗塞、臨床的に標的領域の血行再建を要する場合)はAbsorb群で有意に高頻度であり(10% vs.5%、ハザード比[HR]:2.17、95%信頼区間[CI]:1.01~4.69、log-rank検定p=0.0425)、この差には主に周術期心筋梗塞(4 vs.1%、p=0.16)を含む標的血管心筋梗塞(6 vs.1%、p=0.0108)が寄与していた。 著者は、「今後の研究では、デバイスのサイズの決定やスキャフォールド留置術の最適化における血管内画像法の臨床的インパクトを検討すべきであり、留置後の長期の抗血小板薬2剤併用療法のベネフィットと必要性の検討もトピックとなるだろう」と指摘している。

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わかる統計教室 第4回 ギモンを解決! 一問一答 質問3

インデックスページへ戻る第4回 ギモンを解決! 一問一答質問1 質問2質問3 標準偏差と標準誤差の違いは何か?■標準偏差と標準誤差仮説検定で最初にすることは、標準誤差(standard error:SE)を求めることです。よく似た統計用語に標準偏差(standard deviation:SD)があります。標準誤差(SE)とは、標準偏差(SD)を√nで割った値です。注)標準誤差と標準偏差とは類似しているので、混乱を避けるため本文では「標準誤差」を「標準誤差(SE)」あるいは「SE」と表します。標準偏差と標準誤差の違いは何か? との問いのとおり、この標準誤差(SE)とはいったい何なのかが気になりますね。この式の中にある標準偏差(SD)はおわかりだと思います。データの散らばりの程度を示す値です。SDが大きいと、外れ値があったり、解熱剤でいえば解熱の効果が患者によって異なったりするという傾向が大きいということです。したがって、SDは小さいほうが良いわけです。では、サンプルサイズnの大小関係については、どう考えればよいでしょうか。母集団のことを知るためには、サンプルサイズnは大きいほうが良いですね。標準誤差(SE)の式をみてください。SD、nがどのような場合、SEは小さくなるでしょうか?SDが小さく、nが大きいときにSEが小さくなります。つまり、データの散らばり程度とサンプルサイズnの大きさを考慮して求められたSEは、母集団のことを知るためのバロメーターとなるのです。ですから、SEは重要だということです。下記のTopicsようにSEは標本平均のSDであるという考えに基づき、仮説検定の公式が作られています。●Topics標準誤差(SE)について、興味深いお話をしておきましょう。少し難しいかもしれません。ある母集団について調査を行い、調査データの平均と散らばり程度を求めました。調査データの平均を標本平均、散らばり程度を標本標準偏差といいます。推測統計学の目的は、標本平均や標本標準偏差を用いて母平均や母標準偏差を推計することです。調査の実施は通常1回ですが、多数回(たとえば1,000回)実施したとします。各調査の標本平均をx1、x2、…、x1,000とします。1,000個の標本平均の平均を期待値といいます。期待値は母平均とほぼ一致します。期待値を、母平均をm、とすると、=m1,000個の標本平均の散らばり程度を標準誤差(SE)といいます。標準誤差(SE)は母標準偏差を√nで割った値とほぼ一致します。標準誤差をSE、母標準偏差をσとすると、nが十分に大きな値のときは、1回の調査の標本標準偏差sは母集団の標準偏差σにほぼ等しくなります。これにより、SEは次の式でも示せます。調査より求められた標準誤差(SE)は、実際には実施していない多数回(1,000回)の調査の標本平均の散らばり程度(標準偏差)を示しているということになります。この法則を「中心極限定理」といいます。1730年代にフランスの数学者シモン・ラプラス(Pierre-Simon de Laplace)は、中心極限定理の法則を見出しました。最終的に1930年代フィンランドのリンデベルグ(Jarl Waldemar Lindeberg)とフランスのレヴィ(Paul Pierre Levy)が、中心極限定理が成立することを証明しました。標準偏差については、『わかる統計教室 第3回 セクション3 データのバラツキを調べる標準偏差』をご参照ください。今回のポイント1)データの散らばり具合を表す「標準偏差(SD)」、数値が大きいほど散らばりが大きい!2)標準偏差(SD)が小さく、サンプルサイズnが大きいときに標準誤差(SE)は小さくなる!3)データの散らばり程度、サンプルサイズnの大きさを考慮して求められたSEは、母集団のことを知るためのバロメーター!4)標準誤差(SE)は標本平均の分布の標準偏差(SD)!インデックスページへ戻る

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145)血圧測定では、話さず、動かず、静粛に!【高血圧患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 医師それでは、血圧を測定しますね。 患者はい。ちょっと急いできたから、血圧が上がっているかもしれません。 医師(カフを巻きながら)そうですか。 患者先生、昨日、食べ過ぎたので…血圧が上がっているかも…。 医師……(血圧を徐々に上げる)。 患者それに、最近、運動していないし…(話し続ける)。 医師Aさん、喋ると血圧は高めに出ますよ(身振り・手振りを加えながら)。 患者えっ、そうなんですか。黙ってます(驚いた顔)。●ポイント静かな環境で、会話をせずに血圧を測定することの必要性を説明します参考資料1)『高血圧治療ガイドライン2014』(Minds ガイドラインセンター)

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震災による被害で認知症リスク増加

 これまで、震災前後における認知症リスク因子を考慮し、関連を調べた研究はなかった。米国・ハーバード大学公衆衛生大学院のHiroyuki Hikichi氏らは、将来を見据えて、2011年の東日本大震災と津波の影響による災害の経験が認知機能低下と関連しているかどうかを調査した。Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America誌オンライン版2016年10月24日号の報告。 地震と津波の7ヵ月前に震源地から80km西に住んでいた成人を対象に調査を行った。震災後約2.5年のフォローアップ調査により、3,594人(フォローアップ率:82.1%)の生存者から認知症の発症率だけでなく、個人的経験についての情報を収集した。主要アウトカムは、フォローアップ期間中の家庭内における認知症診断とした。 主な結果は以下のとおり。・分析対象者3,566人のうち、38.0%は災害により親戚や友人を失い、58.9%は物的損害があったと報告した。・Fixed-effects回帰では、重大な住宅ダメージ(認知症状レベルの回帰係数:0.12、95%CI:0.01~0.23)や家屋の崩壊(認知症状レベルの回帰係数:0.29、95%CI:0.17~0.40)は認知機能低下との関連が認められた。・家屋の崩壊のエフェクトサイズは、脳卒中発症の影響に匹敵していた(認知症状レベルの回帰係数:0.24、95%CI:0.11~0.36)。・住宅の損傷と認知機能低下との関連は、操作変数解析において統計学的に有意であった。・住宅被害は、自然災害による高齢者の認知機能低下の重要な危険因子であることが示唆された。関連医療ニュース 東日本大震災、深刻な精神状態の現状:福島医大 震災と精神症状、求められる「レジリエンス」の改善 認知症の世界的トレンドはどうなっているか

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レゴラフェニブの肝細胞がん2次治療、日米欧で承認申請:バイエル

 ドイツ・バイエル社は2016年11月7日、経口マルチキナーゼ阻害剤レゴラフェニブについて、適応を切除不能な肝細胞がんに対する2次治療の承認申請を米国、日本、欧州で行ったことを発表した。 本承認申請は、国際共同、多施設、プラセボ対照第III相臨床試験RESORCE(REgorafenib after SORafenib in patients with hepatoCEllular carcinoma)から得られたデータを根拠資料としている。 第III相臨床試験RESORCE(REgorafenib after SORafenib in patients with hepatoCEllular carcinoma)は、ソラフェニブ治療後に病勢進行が認められた573例を、レゴラフェニブとベストサポーティブケアの併用群(レゴラフェニブ群)またはプラセボとベストサポーティブケアの併用群(プラセボ群)に2対1に無作為に割付け実施された。主要評価項目は全生存期間、副次評価項目は無増悪期間、無増悪生存期間、奏効率および病勢コントロール率。HRQoLは、「FACT-Hep」と「EQ-5D」の質問票を用いて評価し、安全性と忍容性も継続的に観察された。本試験の結果、全生存期間の中央値は、レゴラフェニブ群で10.6ヵ月、プラセボ群で7.8ヵ月であり、レゴラフェニブ群で有意に延長した(HR:0.63、 95%CI:0.50~0.79、p<0.001)。安全性と忍容性はレゴラフェニブの既知プロファイルとおおむね一致し、健康関連QOL(HRQoL)の評価では、レゴラフェニブ群とプラセボ群との間に臨床的に意味のある差は認められなかった。バイエル薬品株式会社のニュースリリースはこちら(PDF)

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左冠動脈主幹部病変、エベロリムス溶出ステント vs.CABG/NEJM

 左冠動脈主幹部病変の治療について、SYNTAXスコアが低~中スコアの患者ではエベロリムス溶出ステント留置を伴う冠動脈インターベンション(PCI)が、冠動脈バイパス術(CABG)に対し非劣性であることが、米国・コロンビア大学のGregg W Stone氏らが行った大規模無作為化試験「EXCEL」の3年追跡評価の結果、示された。閉塞性の左冠動脈主幹部病変に対しては通常、CABGが行われるが、先行の無作為化試験で、選択的な患者でPCI/薬剤溶出ステント留置が、CABGに代わりうる可能性が示唆されていた。NEJM誌オンライン版2016年10月31日号掲載の報告より。SYNTAX低中スコア1,905例を対象に検討 EXCEL試験は国際非盲検多施設共同無作為化試験で、2010年9月29日~2014年3月6日に17ヵ国126施設で、左冠動脈主幹部病変を有し、解剖学的に病変の複雑性は低~中程度(各試験施設の評価でSYNTAXスコア[最低スコアが0で高値になるほど〈上限値なし〉複雑病変であることを示す]が32未満である者)の試験適格患者1,905例を集めて行われた。 被験者は、PCI/フルオロポリマーベースのエベロリムス溶出性コバルトクロムステント留置群(PCI群、948例)またはCABG群(957例)に無作為に割り付けられた。 主要エンドポイントは、3年時点の全死因死亡・脳卒中または心筋梗塞の発生率の複合であった。試験は、主要エンドポイントの非劣性マージン4.2ポイントを検証できるように進められた。 主な副次エンドポイントは、30日時点の全死因死亡・脳卒中または心筋梗塞の複合発生率、3年時点の死亡・脳卒中・心筋梗塞または虚血による血行再建術の複合発生率などであった。イベント発生率は、時間-初回イベント解析におけるKaplan-Meier推定法に基づくものであった。PCI群の非劣性が認められる 結果、3年時点で主要エンドポイントのイベント発生率は、PCI群15.4%、CABG群14.7%。両群差は0.7ポイント(97.5%信頼区間[CI]上限値:4.0ポイント、非劣性のp=0.02)で、PCI群の非劣性が示された。ハザード比は1.00(95%CI:0.79~1.26、優越性のp=0.98)であった。 副次エンドポイントのうち、30日時点の全死因死亡・脳卒中・心筋梗塞の複合発生率については、PCI群4.9%、CABG群7.9%であった(非劣性のp<0.001、優越性のp=0.008)。3年時点の死亡・脳卒中・心筋梗塞・血行再建術の複合発生率は、PCI群23.1%、CABG群19.1%であった(非劣性のp=0.01、優越性のp=0.10)。

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