サイト内検索|page:1138

検索結果 合計:36084件 表示位置:22741 - 22760

22741.

留学体験その3【Dr. 中島の 新・徒然草】(192)

百九十二の段 留学体験その3前回、前々回は渡米するにあたっての周囲からのアドバイスと、実際はどうだったのかということについて述べました。今回もその続きで、「留学している間が1番研究に専念できるぞ」という3つめのアドバイスについて、実体験に触れたいと思います。留学中が最も研究に専念できるというのもその通りでした。まず、忙しいかといえば忙しかったです。週のうち3~4日は、朝7時半頃にラボに出かけて夜の10時までいました。土日も半分くらいは出勤していたように思います。自宅が病院の向かいにあり、歩いて5分もかからなかったのも理由だったのかもしれません。一方、暇だといえば暇でした。平日の夕方に現地の日本人の知り合いが訪ねて来ることもあり、そんな時は午後3時頃に帰宅することもありました。日の高いうちに誰かがやってくるなんて、まるで小学生みたいな生活です。また、家で論文を書いているとボスから電話がかかってきて、「シン、大切なお客さんが来た。ちょっと出てきてデモをしてくれ!」ということもありました。そうすると、またラボに出かけて自分たちの研究の概要を紹介するわけです。大切なお客さんというのはスポンサーになって出資してくれそうな人達のことです。医療関係者ばかりでなく、どこから連れてきたのか中東の航空会社の人たちもいました。われわれの行っていたのは3次元コンピュータグラフィックスを用いた手術計画とナビゲーションだったので、デモをすると別の業界関係者にも大いにアピールすることができ、ボスも御満悦でした。研究を進める一方で論文を書くというのも重要な仕事ですが、当然のことながら在米中はすべて英語論文です。ところが私のいたラボは4分の3が外国人(非アメリカ人)だったので、正確な英語を書ける人が限られていました。そもそも2人いたボスもハンガリーとスイスの出身です。ということで、私が論文作成を手伝ってもらっていたのがデイビッドという髭モジャの大学院学生です。彼は数学専攻ですが、なぜか我々のラボに出入りしていました。数学者に医学の論文が指導できるのか、と誰もが思うことでしょうが、実はできるのです。論文というのは新しい発見や発明を論理的な文章で人に説明するものです。ということは、素人が読んでスッと理解できるような論文なら玄人にも受けがいいはず。その点、デイビッドには医学的知識が皆無だったので、ひたすら彼にも理解できるように論文を書きました。実際、われわれのしていた会話はこんな感じです。デイビッド「シン、この nasion とか inion とかいうのは何かね?」中島「nasion というのは鼻根点のことで、inion というのは後頭部の出っ張りや」デイビッド「そうするとワシら全員が1つずつ持っているもんか?」中島「そ、そや」デイビッド「それなら定冠詞をつけるべきだな」そんなわけで論文を書いてはジャーナルに投稿し、査読者のコメントが返ってきたら修正する、ということを2人で繰り返していたのです。そこに乱入してきたのがハンガリー人のチャールズでした。チャールズ「ちょっと見せてみろ。何を査読者に反論しとるんじゃ、アホか」デイビッド「いや、俺は査読者のコメントには反対だな」チャールズ「デイビッド、お前の意見なんかどうでもエエんや。査読者がこうしろと言ったら『まことに貴重な御意見ありがとうございます』と、その通りに書き直せ」デイビッド「でもなあ」チャールズ「こんなモンはな、糞リーガルペーパーと一緒や。誰も真実なんか追求しとらん!」中島「そこまで言わんでもええがな」チャールズはイギリス生まれのハンガリー人で、6ヵ国語をあやつります。なんせ自己主張が強いので、ラボでは敬遠されがちでした。チャールズ「おや? 共著者の中にデイビッドの名前が見当たらないぞ」デイビッド「そういや、そうだな」中島「ホンマや」チャールズ「シン。お前、これだけデイビッドの世話になっているんやから、こいつの名前も入れたれよ」デイビッド「確かに俺の名前があってもいいよな」初めてチャールズとデイビッドの意見が一致した瞬間です。中島「すまん、すまん。単に忘れとっただけや。つけ加えとくわ」チャールズ & デイビッド「それでエエんや」私が「つけ加えとく」と言った途端、2人とも上機嫌になりました。このあたり外国人はあっさりしていて、「なんで忘れたんだ?」みたいなことを言われないので気が楽です。というわけで留学期間中はほとんど雑用がなく、どんどんデータをとっては論文を書くということに集中できたので、大いに捗りました。「留学している間が1番研究に専念できるぞ」というアドバイスも私にとっては全くその通りでした。次回は留学中に最も苦しんだ言葉の壁について述べたいと思います。最後に1句異国では 1つの事に 没頭だ

22743.

肺動脈圧ガイドにおける左心室収縮能が低下した心不全のマネジメント

 ガイドラインに準じた薬物療法が増えているにも関わらず、左心室の駆出率が低下した心不全(heart failure and reduced ejection fraction:HFrEF)患者の一部は入院、および死亡率が依然高い。そこで、米国Brigham and Women’s HospitalのMichael M Givertz氏ら研究グループが、肺動脈圧の遠隔モニターにより薬物療法の最適化と予後を改善につながる情報を臨床医に提供しうるか検証した。Journal of the American College of Cardiology誌2017年10月10日号に掲載。CHAMPION試験:LVEFが低下した患者に対するサブ解析 CHAMPION(CardioMEMS Heart Sensor Allows Monitoring of Pressure to Improve Outcomes in NYHA Class III Heart Failure Patients trial)試験では、550例の慢性心不全患者を左室駆出率に関わらず登録し、事前に決められたサブグループ解析で、左室駆出率が低下(LVEF≦40%)した心不全患者の入院と死亡率について、治療群とコントロール群とで比較した。ガイドラインに準じた薬物療法の使用が可能なケースについては、事後解析が行われた。入院と死亡率の解析には、Andersen-GillとCox比例ハザードモデルが使われた。ガイドラインに準じた薬物療法が行われている場合、心不全入院33%、死亡率47%低下 HFrEF患者456例のうち、心不全での入院率は治療群でコントロール群に比べて28%低く(ハザード比[HR]:0.72、 95%信頼区間[CI]: 0.59~0.88、 p= 0.0013)、統計学的な有意差には至らなかったが、死亡率が32%低下する傾向が認められた(HR:0.68、95% CI:0.45~1.02、p=0.06)。試験開始時にガイドラインに準じた薬物療法(ACEI、ARBもしくはβ遮断薬)を少なくとも1種類内服している患者が445例おり、これらの患者では心不全の入院率が33%低下し(HR:0.67、95%CI、0.54~0.82、p=0.0002)、死亡率は47%低かった(HR:0.63、95%CI:0.41~0.96、p=0.0293)。コントロール群と比較して、ガイドラインに準じた薬物療法を2種類とも内服している群(337例)では、心不全の入院が43%低下し(HR:0.57、95%CI:0.45~0.74、p<0.0001)、死亡率は57%低下した(HR:0.43、95%CI:0.24~0.76、p=0.0026)。検証の結果、肺動脈圧を使用した心不全のマネジメントは、心不全の悪化と死亡率を低下させるとともに、血行動態と神経ホルモンの双方を改善するという相乗効果の重要性を明らかにした。CardioMEMS(カリフォルニア大学アーバイン校 循環器内科 河田 宏)関連コンテンツ循環器内科 米国臨床留学記

22744.

初回抗うつ薬治療無効患者、増量療法に意味はあるか

 多くのうつ病患者は、最初の抗うつ薬単独療法に十分反応しない。そのため、次の治療手段として、投与されている抗うつ薬の増量(漸増、高用量)がしばしば行われる。オーストリア・ウィーン医科大学のMarkus Dold氏らは、うつ病への抗うつ薬の増量について二重盲検無作為化比較試験のメタ解析を行った。Psychotherapy and psychosomatics誌2017年号の報告。 メタ解析には、標準用量の抗うつ薬で治療反応が不良であったうつ病患者を対象としている、抗うつ薬増量療法と標準用量継続療法を直接比較したすべての二重盲検無作為化比較試験(RCT)が含まれた。主要アウトカムは、HAM-D総スコアの平均変化とした。副次的アウトカムは、治療反応率、全原因による治療中断、無効、副作用とした。Hedges gとリスク比は、エフェクトサイズとして計算した。 主な結果は以下のとおり。・7つの二重盲検RCT(8アーム)より、1,208例が抽出された。・内訳は、fluoxetine 2件(448例)、セルトラリン2件(272例)、パロキセチン2件(146例)、デュロキセチン1件(255例)、マプロチリン1件(87例)であった。・抗うつ薬増量療法は、標準用量継続療法よりもHAM-D総スコア低下において有効ではないことが、プールされた抗うつ薬群(7件、999例、Hedges g:-0.04、95%CI:-0.20~0.12、p=0.63)と個々の抗うつ薬群のどちらでも認められた。・治療反応率、全原因による治療中断、無効による脱落について、差は認められなかった。・抗うつ薬増量療法の患者では、標準用量継続療法の患者よりも、副作用による脱落が有意に多かった。・メタ回帰分析では、ベースラインの症状重症度やエフェクトサイズに対する用量増加の影響は示されなかった。 著者らは「メタ解析の結果から、初回の抗うつ薬治療において標準用量で治療反応が認められない患者への抗うつ薬増量療法は、うつ病に対する一般的なエビデンスベースの治療選択肢としてみなされない」としている。■関連記事治療抵抗性うつ病、抗うつ薬併用 vs.抗精神病薬増強たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能うつ病の薬物治療、死亡リスクの高い薬剤は

22745.

70%の人は痛みを我慢している

 ファイザー株式会社は、全国の慢性疼痛を抱える20代以上の男女約9,000人を対象にインターネット調査を実施した。 調査の概要は次のとおり。調査期間:2017年6月2日~19日調査対象:47都道府県8,924人スクリーニング条件:(1)週2回以上の頻度で「痛み」が起こる(2)3ヵ月以上「痛み」が続いている(3)疼痛の11段階の痛みスケールで、4以上の強さの痛み方法:インターネットアンケート調査痛みがあっても我慢する人は66.6% 「痛みがあってもある程度、我慢するべきだと思っていますか」という質問では、「非常にそう思う」(10.5%)と「ややそう思う」(56.1%)を合わせると66.6%となり、「痛み」があっても我慢をすると考えている人が7割近くにのぼった(参考:2012年調査では合わせて74.3%)。 また、「痛いということを、簡単に他人に言うべきではないと思いますか」に対しては、「非常にそう思う」(9.7%)と「ややそう思う」(44.5%)が54.1%となり、依然として「痛み」を自分だけで抱えている人が半数以上を占める結果だった(参考:2012年調査では合わせて55.7%)。 次に、「長く続く痛みに対して、痛みが治ることを諦めていますか」では、「非常にそう思う」(19.9%)、「ややそう思う」(49.2%)で69.1%となり、約7割の回答者が痛みの治療を諦めていることが判明した。 続く質問、「あなたは『長く続く痛み』の治療のため、通院したことがありますか?」には32.8%が「いいえ」と回答し、3人に1人がそもそも医療機関に受診しない現実が明らかとなった。そして、「いいえ」と回答した人に「なぜ通院していないのですか」と質問したところ、複数回答で「通院するほどでもないと思ったから」(36.6%)、「通院しても治らない気がするから」(33.8%)、「通院する費用がかかるから」(31.9%)の順に多かった。 さらに、「あなたが、今まで(5年以内)に行ったことのある、『長く続く痛みに対する対処法』はどのようなものがありますか」への複数回答では、「病院・医院で処方された薬」(52.0%)、「(柔軟体操、マッサージ、患部の温冷などで)自己対処している」(32.6%)、「整体、鍼灸、接骨院、マッサージなどで治療を受けている」(27.3%)という順で多かった。 「長く続く痛みの治療について、どのようなきっかけがあると医療機関を受診しようと思いますか」という質問では、複数回答で「日常生活に大きな支障が出たとき」(62.2%)が一番多く、「あまりにも症状がつらいと感じたとき」(56.3%)、「具体的な疾患の可能性があるとわかったとき」(27.7%)という順で多かった。栃木県、愛媛県の人は我慢強い!? 次に「あなたは長く続く痛みを感じた際に我慢しますか」で、「必ず我慢する」「だいたい我慢する」の回答を地域別にみると、栃木県(81.6%)、愛媛県(78.8%)、和歌山県(78.1%)の順で多く、一方、少ない地域は、神奈川県(68.3%)、静岡県(69.7%)、埼玉県(69.8%)の順であった。 また、「長く続く痛みがあってもある程度、我慢するべきだと思っていますか」に「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答したのは、栃木県(74.7%)、千葉県(71.8%)、島根県(71.7%)の順で多く、少ない地域は順に、秋田県(60.2%)、広島県と山梨県が同順位(61.1%)、大阪府(61.2%)だった。 「長く続く痛みに対して、痛みが治ることを諦めていますか」では、「非常にそう思う」「ややそう思う」の回答が、愛知県(75.7%)、鹿児島県(74.6%)、千葉県(74.5%)の順で多く、沖縄県(60.6%)、大分県(61.9%)、徳島県(62.1%)の順で少なかった。痛みと向き合って早期治療への取り組みを 本調査について、中村 雅也氏(慶應義塾大学 医学部整形外科 教授)は、「運動器の痛みが長期化することでQOLにも大きな影響を及ぼすことがすでに報告されており、痛みの種類に応じた早期の診断と適切な治療を行う必要がある」と指摘する。また、「実際に医療機関を受診するきっかけは『日常生活に大きな支障が出たとき』が最も多く、日常生活に大きな影響が出るまで、放置してしまう傾向がうかがえる」と分析。「痛みの治療を諦めずに自身の痛みを正確に把握し、適切な治療を行うために、医療機関を受診することが重要。痛みを我慢して放置するのではなく、痛みと向き合って早期治療に取り組んでもらいたい」とコメントを寄せている。■参考ファイザー株式会社 47都道府県 長く続く痛みに関する実態 2012年vs 2017年比較調査■関連記事その痛み、神経障害性疼痛かも?長引く腰痛、その裏に迫る!

22746.

多発性硬化症にクレマスチンフマル酸塩は有望/Lancet

 多発性硬化症(MS)における慢性脱髄性損傷の治療として、ミエリンの修復をターゲットとする薬剤の安全性と有効性を検討した初の無作為化比較試験「ReBUILD試験」の結果が報告された。米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のAri J. Green氏らが、慢性脱髄性視神経症を呈するMS患者を対象に、クレマスチンフマル酸塩について行った検討で、安全性と有効性が認められたという。MSは、ミエリンの免疫メディエーターの破壊と進行性の神経軸索損失で特徴づけられる中枢神経系(CNS)の炎症性変性疾患である。CNSのミエリンは、オリゴデンドロサイト細胞膜の伸長によるもので、クレマスチンフマル酸塩がオリゴデンドロサイトの分化を刺激する可能性が、in vitro、動物モデル、ヒト細胞の試験で示唆されていた。Lancet誌オンライン版2017年10月10日号掲載の報告。 クレマスチンフマル酸塩の有効性と安全性の分析のためクロスオーバー試験を150日間実施 ReBUILD試験は、MS患者の治療薬としてのクレマスチンフマル酸塩の有効性と安全性を分析するため、単施設プラセボ対照無作為化二重盲検クロスオーバーにて行われた。被験者は、安定的免疫抑制療法を受ける慢性脱髄性視神経症を伴う再発MS患者50例で、国際的パネル基準により診断を受けてから15年未満だった。 研究グループは、2014年1月~2015年4月にかけて被験者を無作為に2群に分け、一方には当初90日間にわたりクレマスチンフマル酸塩(5.36mg 1日2回)を投与し、その後60日間はプラセボを投与した。もう一方の群には、プラセボを90日間投与し、その後クレマスチンフマル酸塩(5.36mg 1日2回)を60日間投与した。 主要アウトカムは、全視野図形反転刺激視覚誘発電位によるP100レイテンシー延長の短縮だった。クレマスチンフマル酸塩の投与は長期的損傷後もミエリン修復の可能性を示唆 被験者全例が試験を完了した。クロスオーバー試験として分析した結果、クレマスチンフマル酸塩投与により、レイテンシー延長は1.7ミリ秒/眼(95%信頼区間:0.5~2.9、p=0.0048)の短縮が認められ、主要有効性エンドポイントの達成が認められた。 なお、クレマスチンフマル酸塩の投与は倦怠感と関連していたものの、重篤な有害事象は報告されなかった。 同研究グループは試験結果を受けて、「ミエリンの修復は、長期にわたる損傷後も可能であることが示唆された」とまとめている。

22747.

重度CKDのHCV感染患者、グレカプレビル+ピブレンタスビルが有益/NEJM

 C型肝炎ウイルス(HCV)に感染しステージ4または5の慢性腎臓病(CKD)を有する患者に対し、NS3/4Aプロテアーゼ阻害薬グレカプレビル+NS5A阻害薬ピブレンタスビル(商品名:マヴィレット配合錠)の12週間投与により、98%と高いウイルス学的著効(SVR)が得られることが示された。ニュージーランド・オークランド市立病院のEdward Gane氏らが、患者104例を対象に行った第III相多施設共同非盲検試験の結果で、NEJM誌2017年10月12日号で発表した。1日グレカプレビル300mg+ピブレンタスビル120mgを12週間投与 研究グループは、HCV遺伝型1、2、3、4、5、6型のいずれかに感染し、肝硬変の有無を問わず代償性肝疾患を有し、重度腎機能障害または透析依存、あるいは両状態が認められる成人患者104例を対象に試験を行った。 被験者に対し、グレカプレビル(100mg)+ピブレンタスビル(40mg)の配合薬を1日3錠、12週間投与し、その有効性と安全性を評価した。 被験者は、ステージ4または5のCKDを有し、HCV感染に対する治療歴がない、またはインターフェロン、ペグインターフェロン、リバビリン、ソホスブビルのいずれかまたは併用による治療歴があった。 主要エンドポイントは、治療終了後12週時点のSVR率だった。104例中102例で治療後12週時点のSVR達成 被験者のHCV遺伝型1、2、3、4、5、6型への感染率は、それぞれ52%、16%、11%、19%、2%、2%だった。 主要エンドポイントのSVRが認められたのは、104例中102例(98%、95%信頼区間[CI]:95~100)だった。治療中にウイルス学的失敗を来した患者、治療終了後にウイルス学的再発を来した患者はいなかった。 有害事象のうち、被験者の10%以上で報告されたのは、かゆみ、倦怠感、悪心だった。重篤な有害事象の発現は24%。また、4例が有害事象のため試験治療を早期に中止したが、そのうち3例ではSVRが得られていた。

22748.

非小細胞肺がんへのatezolizumab、OAK試験の日本人解析/日本肺学会

 2017年10月14日、第58回日本肺学会学術集会で、岡山大学病院の久保 寿夫氏が、国際共同第III相臨床試験OAK試験の日本人集団の解析結果を発表した。OAK試験は、プラチナ製剤を含む化学療法中または後に増悪した局所進行・転移性非小細胞肺がん(NSCLC)患者1,225例を対象に、抗PD-L1抗体atezolizumabの有効性と安全性をドセタキセルと比較検討したオープンラベル無作為化試験。主要評価項目は、全患者およびPD-L1で選別されたサブグループ患者の全生存期間(OS)、副次評価項目は客観的奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)、安全性などである。すでに発表されている全集団における解析では、ドセタキセル群と比較してOSを4.2ヵ月延長し(OS中央値:13.8ヵ月 vs.9.6ヵ月、ハザード比[HR]:0.73、95%信頼区間[CI]:0.62~0.87)、良好な安全性が示されている。 日本人集団(OS解析対象の64例)のOS中央値はatezolizumab群で21.3ヵ月、ドセタキセル群で17.0ヵ月、ハザード比は0.80(95%CI:0.41~1.57)であり、全集団同様PD-L1の発現状態にかかわらず、atezolizumab群で改善が認められた。 有害事象については日本人101例を対象に解析され、Grade 3 以上の有害事象の発現率はatezolizumab群が26.8%、ドセタキセル群が91.1%とatezolizumab群で低かったが、免疫関連有害事象を含む投与中止に至った有害事象についてはatezolizumab群で多かった(17.9% vs.6.7%)。外国人集団との比較においては、Grade 3 以上の有害事象は日本人集団で少なかった(26.8% vs.40.1%)。日本人集団で多くみられたのは発熱(35.7%)、鼻咽頭炎(19.6%)などであった。 なお、atezolizumabはOAK試験ならびに第II相無作為化臨床試験であるPOPLAR試験の結果に基づき、上記患者に対して2016年10月に米国食品医薬品局(FDA)、2017年9月に欧州委員会(EC)により承認されている。■参考OAK試験(Clinical Trials.gov)中外製薬のプレスリリース■関連記事抗PD-L1抗体atezolizumab、非小細胞肺がんのOSを延長/Lancet抗PD-L1抗体atezolizumab、肺がんに承認:FDA

22749.

複合血管スクリーニングで死亡リスク7%低下:VIVA試験(解説:中澤達氏)-747

 デンマークの中央ユラン地域に在住する65~74歳のすべての男性約5万例を対象とした無作為化比較試験「VIVA試験(Vibrog Vascular trial)」で腹部大動脈瘤、末梢動脈疾患および高血圧に関する複合血管スクリーニングは、5年全死因死亡率を7%有意に低下させることが明らかになった(ハザード比:0.93[95%信頼区間:0.88~0.98、p=0.01])。これまで地域住民を対象とした集団スクリーニングに関する文献で死亡リスクの低下が確認されたことはない。特筆すべきことは、糖尿病、脳内出血、腎不全、がんの発症、または心血管外科手術後30日死亡が両群で有意差は確認されず、喫煙者を除外した事後解析でも結果はほぼ同じで薬物療法開始の効果と推測されることである。 日本の大動脈瘤や末梢閉塞性動脈疾患ガイドラインではスクリーニングするべき患者群は明記されていない。末梢閉塞性動脈疾患ガイドラインはTASC IIを参照しており、TASC IIでリスクファクターに関係なくすべての患者を末梢閉塞性動脈疾患スクリーニングの対象とするのは70歳以上となっている。この複合血管スクリーニングにより全死亡率を低下させたのは65~74歳男性の集団であったことに納得性は高い。多くの臨床家が実践している診療の裏付けとなったが、日本人にも当てはまるかは検討を要する。

22750.

BPSDに対するイチョウ葉エキスの効果~メタ解析

 イチョウ葉抽出エキスであるEGb761が認知症のBPSD(認知症の行動と心理症状)治療に有効であることが、無作為化比較試験で報告されている。スイス・チューリッヒ大学のEgemen Savaskan氏らは、これらの無作為化試験についてメタ解析を行った。International psychogeriatrics誌オンライン版2017年9月21日号の報告。 特定のBPSDに対するEGb761の効果を評価するため、臨床的に有意なBPSD(NPI総スコア6以上)が認められる(アルツハイマー病[AD]が疑われる、脳血管性認知症もしくは脳血管疾患を有するADが疑われる)認知症患者を対象とした、20週以上の無作為化プラセボ対照試験を抽出した。データをプールし、NPI single item compositeおよびcaregiver distressスコアの共同解析を、固定効果モデルのメタ解析により実施した。 主な結果は以下のとおり。・4つの研究より1,628例(EGb761群:814例、プラセボ群:814例)が抽出された。治療期間は、22~24週であった。EGb761の1日用量は、すべての研究において240mgであった。・すべての研究の全分析セットのデータを含むプールされた分析(EGb761群:796例、プラセボ群:802例)では、EGb761群はプラセボ群よりも合計スコア、10の単一症状スコアで有意な優越性が示された。・caregiver distressスコアに関しては、EGb761群はプラセボ群よりも妄想、幻覚、多幸を除くすべての症状において有意な改善が認められた。・EGb761のベネフィットは、主にベースライン時の症状改善であるが、いくつかの症状において発症率の低下が認められた。 著者らは「イチョウ葉抽出エキスEGb761を用いた22~24週の治療は、統合失調症様症状を除くBPSDと、それらの症状によって引き起こされる介護者の苦痛も改善した」としている。■関連記事BPSD治療にベンゾジアゼピン系薬物治療は支持されるか認知症になりにくい性格はなぜ、フィンランドの認知症死亡率は世界一高いのか

22751.

NOAC併用で大出血リスクが増大する薬/JAMA

 非弁膜症性心房細動で非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)を服用する患者において、アミオダロン、フルコナゾール、リファンピシン、フェニトインの併用は、NOAC単独と比較して、大出血リスクの増大と関連する。台湾・桃園長庚紀念医院のShang-Hung Chang氏らが、台湾の全民健康保険データベースを用いて非弁膜症性心房細動患者計9万1,330例について後ろ向きに分析した結果を報告した。NOACは、代謝経路を共有する薬物と併用して処方される頻度が高く、大出血リスクを高める可能性がある。今回の結果を踏まえて著者は、「NOACを処方する臨床医は、他剤との併用によるリスクの可能性を考慮しなければならない」とまとめている。JAMA誌2017年10月3日号掲載の報告。台湾の非弁膜症性心房細動患者9万1,330例について分析 研究グループは、台湾の全民健康保険データベースを用いて、2012年1月1日~2016年12月31日(最終フォローアップ)の間に、ダビガトラン、リバーロキサバン、アピキサバンのNOAC処方を1種以上受けた非弁膜症性心房細動患者9万1,330例を対象に、後ろ向きコホート研究を行った。被験者は、NOAC単独または併用(アトルバスタチン、ジゴキシン、ベラパミル、ジルチアゼム、アミオダロン、フルコナゾール、ケトコナゾール、イトラコナゾール、ボリコナゾール、posaconazole、シクロスポリン、エリスロマイシンまたはクラリスロマイシン、dronedarone、リファンピシン、フェニトイン)投与を受けていた。 主要アウトカムは大出血で、頭蓋内出血、消化管、泌尿器またはその他部位での出血と診断を受けて入院または緊急部門を受診した症例と定義した。 NOAC単独または他剤併用のperson-quarter(暦年の各四半期における各被験者の曝露時間)における大出血の補正後発生率の差を、Poisson回帰分析を用いた推算で評価。また、傾向スコアを用いて治療重み付けの逆数を算出し評価した。アミオダロン、フルコナゾール、リファンピシン、フェニトイン併用で有意に増大 対象の9万1,330例は、平均年齢74.7歳(SD 10.8)、男性55.8%、NOACの処方内訳は、ダビガトラン4万5,347例、リバーロキサバン5万4,006例、アピキサバン1万2,886例であった。 大出血を呈したのは、NOAC処方44万7,037 person-quarterにつき4,770件であった。全person-quarterにおいて、最も併用が多かったのはアトルバスタチン(27.6%)で、ジルチアゼム(22.7%)、ジゴキシン(22.5%)、アミオダロン(21.1%)と続いた。 NOACとアミオダロン、フルコナゾール、リファンピシン、フェニトインとの併用は、NOAC単独と比較し、大出血の補正後発生率比(1,000人年当たり)が有意に増大した。NOAC単独38.09 vs.アミオダロン併用52.04(差:13.94[99%信頼区間[CI]:9.76~18.13])、NOAC単独102.77 vs.フルコナゾール併用241.92(138.46[80.96~195.97])、NOAC単独65.66 vs.リファンピシン併用103.14(36.90[1.59~72.22])、NOAC単独56.07 vs.フェニトイン併用108.52(52.31[32.18~72.44])であった(すべての比較のp<0.01)。 大出血の補正後発生率比は、NOAC単独と比較して、アトルバスタチン(差:-14.38[99%CI:-17.76~-10.99])、ジゴキシン(-4.46[-8.45~-0.47])、エリスロマイシンまたはクラリスロマイシン(-39.78[-50.59~-28.97])の併用群では有意に低下した。 ベラパミル、ジルチアゼム、シクロスポリン、ケトコナゾール、イトラコナゾール、ボリコナゾール、posaconazole、dronedaroneの併用群では有意な差は認められなかった。

22752.

原因は何?食欲不振から始まる「負の連鎖」

 食欲の秋と形容されるこの季節。食べたいと思えるのは、味覚や嗅覚で「おいしい」と感じられてこそだが、その味覚に異常を来す原因の1つが亜鉛の不足によるもの。今月4日、都内で開催されたセミナー「食欲の秋に考える、味覚異常や食欲不振からおこる負の連鎖―亜鉛不足からはじまるフレイルへの道―」(ノーベルファーマ株式会社主催)では、この点に着目して、2人の専門家が講演を行った。このうち、味覚異常に特化した外来診療に携わる任 智美氏(兵庫医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科)は、「高齢者においては、薬剤性の味覚障害が多いのが特徴。患者さんが最も自覚しやすい不調であり、亜鉛補充で好転するケースも多いので、丁寧に訴えを聞いて、解決に導いてほしい」と述べた。亜鉛摂取が難しい現代日本の食事情 セミナーでは始めに、更年期の患者を中心とした診療に当たる平澤 精一氏(マイシティクリニック院長)が、現代人が陥る栄養不足、なかでも亜鉛不足が引き起こす不定愁訴などについて解説した。 亜鉛は、人体に必要な5大栄養素の1つであるミネラルの一種で、細胞代謝を促すため、小児の発育はもとより、皮膚や毛髪、爪の健康維持、アルコール分解促進、肝機能保護などに欠かせないのは周知のことだろう。こうしたさまざまな作用の1つに、味覚の維持が含まれている。昔ながらのベーシックな日本食には亜鉛が豊富な食品が多く使われていたため、取り立てて亜鉛不足が指摘されることはなかったが、加工食品の摂取頻度が高く、土壌の質的変化による食材自体の貧弱化が進む現代においては、食生活次第で容易に亜鉛不足に陥るという。 厚生労働省が示す「日本人の食事摂取基準 2015年版」において、亜鉛の1日の必要量として推奨されているのは、成人男性10mg、成人女性8mg、妊婦10mg、授乳婦11mgであるが、例えば、亜鉛が豊富に含まれている食材として挙げられる牡蠣でも5粒(60g)で亜鉛含有量7.9mgであり、日常的に食卓に上がる白米(茶碗1杯)や木綿豆腐(半丁)で0.9mg、納豆(1パック)で0.8mg程度なので、推奨量を達成するにはかなり意識的な心がけが必要だ。一方で、不足栄養素を市販のサプリメントで補う人も多いが、過度の摂取は逆に慢性的亜鉛過剰症を引き起こし、貧血や免疫障害のほか、過剰症によってもやはり味覚・嗅覚低下といった症状を来すのだという。こうした観点から、「安易なセルフメディケーションが危険なこともある」と平澤氏は指摘する。「味覚異常は日々の食事で自覚しやすい不調のサイン」 続いて登壇した任氏は、味覚外来を訪れる患者の中でも割合の多い高齢者に焦点を当て、さまざまな症例を挙げながら味覚障害の原因分析などについて解説した。この中で、65歳以上の高齢者における味覚障害の原因を分類したところ、もっとも多いのが「特発性・亜鉛欠乏症」で、次いで「心因性」なのはほかの世代と同じ傾向だが、ほかの世代と異なるのは「薬剤性」の多さである。この薬剤性味覚障害の機序として挙げられるのは、(1)唾液分泌能の低下、(2)口内炎による粘膜障害性、(3)神経毒性、(4)味細胞障害、(5)薬物自体、または代謝物の唾液分泌、(6)亜鉛キレート作用による亜鉛排泄亢進、である。任氏によると、亜鉛製剤による補充療法や補中益気湯などの漢方による治療により、味覚外来を訪れる患者の7割以上が治癒に至るものの、「原因薬剤については、添付文書に掲載されていても原因とは限らず、また記載がないから原因ではないとも言えないので注意が必要である」と指摘する。 本セミナーで両氏が詳説した味覚障害は、それ自体が生命に直結するものではないが、健康的な生活の根幹にかかわる食事を十分に楽しめないことは、食事にまつわる生活習慣の変調(個食や孤食が増えるなど)のみならず、鬱傾向や筋力低下、フレイル、さらには要介護へとつながる悪循環の発端になりうる点は見逃せない。一方で、日々の食事で自覚できる自身の不調のサインが味覚異常である。任氏は、「家庭にある砂糖や食塩など、はっきりと甘い・辛いが認識できる調味料を舐めてみるだけでも確かめられる。患者自身で不調を自覚してもらい、それをかかりつけ医が丁寧にすくい上げてほしい」と述べた。

22753.

血尿よ、お前もか!-抗血栓薬は慎重に(解説:桑島巖氏)-748

 最近、循環器領域の疾患では、直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)や抗血小板薬を処方する傾向が顕著になっている。確かに脳卒中や心筋梗塞予防効果はあることはあるが、そのウラ側にある有害事象のことも考えてほしいというのが本研究のメッセージである。抗血栓薬処方の爆発的な増加には企業の激しい宣伝合戦も影響しているかもしれないが、ここで一歩立ち止まって考える必要がありそうだ。言うまでもないことではあるが、抗血栓薬は血栓を予防して梗塞性イベントを防ぐ一方で、大出血という重大な有害事象を発生することも、あらためて認識する必要がある。 すでに、JAMA誌(Gaist D, et al. JAMA. 2017;317:836-846.)では、抗血栓薬で明らかに硬膜下血腫リスクが増大しているというデータを示しているが、今回の本論文は血尿である。 カナダ・オンタリオ州における66歳以上の一般住民の追跡調査であるが、抗凝固薬や抗血小板薬などの抗血栓薬服用者の肉眼的血尿発現率は、123.95イベント/1,000人年であり、これは非服用者の80.17人年に比べて1.44倍高かったという。この調査での血尿は、入院と救急外来受診者に限定され、一般診療での血尿は含まれておらず、一般臨床での血尿を含めるとさらに多くなると思われる。 本研究はあくまでも一般住民での追跡調査成績であり、いくつかのlimitationはあるとしても、抗血栓薬の安易な処方傾向に一石を投じる報告である。 抗血栓薬服用者では、泌尿器科処置に伴う合併症や、入院、救急外来受診率などの頻度も、非服用者に比していずれも有意に高かった。これらは医療行為による医師の負担を増大させ、医療経済の点から言ってもマイナスの要因であろう。 抗血栓薬処方の裏では、消化管出血、血尿、硬膜下血腫などの副作用で、消化器科医師、泌尿器科医師、脳外科医師がその後始末に四苦八苦している事情も知っておくべきである。 近年では、脳卒中の急性期治療の進歩により、脳卒中死は著しく減少したが、消化管出血、硬膜下血腫などは死亡に直結する有害事象であることは、あらためて認識する必要がある。とくにDOACは効果のマーカーがないだけに、高齢者では慎重な処方が必要である。

22754.

アカントアメーバ角膜炎、共焦点顕微鏡併用で迅速診断

 アカントアメーバ角膜炎(AK)は重篤な視力障害をもたらす疾患である。ベルギー・AZ Sint-Jan病院のSophie De Craene氏らは、共焦点顕微鏡によるアカントアメーバ角膜炎の診断についてin vivoにて評価し、同法がとくに、PCR検査の遅延時や陰性または実施不可のときの診断に役立つことを示した。共焦点顕微鏡は、AKの標的像および栄養体像を特徴的に捉えることができ、高輝度物体クラスタも非常に特異的に捉える。しかしAKの特徴に対する全体的な感度は低いという。著者は、「臨床的特徴、微生物学的試験(角膜病巣を掻爬して得た検体の直接検鏡と培養)およびPCRに加え、共焦点顕微鏡を用いることで、より迅速な診断と治療の開始が可能となり、予後の改善につながるものと思われる」とまとめている。Ophthalmology誌オンライン版2017年9月28日掲載の報告。 研究グループは、参照診断技術としてPCRを用い、アカントアメーバ角膜炎を診断するための共焦点顕微鏡診断基準を確定する後ろ向き症例対照研究を行った。 PCRでAK陽性患者50例(患者群)と、同AK陰性だが細菌性、真菌性、ウイルス性または免疫性角膜炎患者50例(対照群)を登録し、角膜炎急性期に共焦点顕微鏡を用いて観察を行ってデータを前向きに記録した後、後ろ向きに分析した。 主要評価項目は、AKを示唆する共焦点顕微鏡像で、多変量ロジスティック回帰分析にて顕微鏡像のタイプとPCRでのAK陽性との関連について評価した。 主な結果は以下のとおり。・次の4つの顕微鏡像が、PCRでのAK陽性と有意に関連した(p<0.05)。  輝点(円形あるいは卵形の二重壁のない高輝度物体、直径<30μm)  標的像(低反射ハローのある高輝度物体、直径<30μm)  高輝度物体クラスタ(直径<30μm)  栄養体像(直径>30μm)・特異度は、標的像と栄養体像が100%、高輝度物体クラスタは98.2%、輝点は48.2%であった。・AKの診断を、標的像、高輝度物体クラスタまたは栄養体像(3つの特徴のうちの1つ以上を認めた場合とする)で行った際の、共焦点顕微鏡の陽性適中率は87.5%、陰性適中率は58.5%であった。

22755.

オシメルチニブ、FLAURA試験の日本人サブグループ解析/日本肺学会

 EGFR変異陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療において、第3世代EGFR-TKIオシメルチニブ(商品名:タグリッソ)が、第1世代EGFR-TKIによる標準治療と比較し病勢増悪および死亡のリスクを減少させたことが、欧州臨床腫瘍学会(ESMO2017)で発表されたFLAURA試験の初回解析結果から明らかとなっている。同試験の日本人サブグループ解析結果が、2017年10月14日、第58回日本肺学会学術集会で国立がん研究センター中央病院の大江裕一郎氏により発表された。 FLAURA試験は、Del19またはL858RのEGFR遺伝子変異を有する未治療の局所進行または転移性NSCLC患者556例を対象に、オシメルチニブと、ゲフィチニブまたはエルロチニブによる標準治療の効果を比較した第III相二重盲検無作為化試験。主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として全生存期間(OS)、奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)、安全性などが検討された。 日本人患者120例を対象としたサブグループ解析では、PFS中央値はオシメルチニブ群で19.1ヵ月(95%信頼区間[CI]:12.6~23.5)、標準治療群(日本人は全例ゲフィチニブ)で13.8ヵ月(95%CI:8.3~16.6)であり、ハザード比0.61(95%CI:0.38~0.99、p=0.0456)と全体解析での結果と同様、PFSの延長傾向が認められた。 ORRはオシメルチニブ群が75%、標準治療群が76%(オッズ比:0.98)であった。DOR中央値はオシメルチニブ群18.4ヵ月、標準治療群9.5ヵ月と、オシメルチニブ群で約2倍近く延長している。また、オシメルチニブ群2例で完全奏効(CR)がみられている。OSについては、イベント発現割合がオシメルチニブ群で14%、標準治療群で18%とまだ十分なイベントが発現しておらず、今後の解析が待たれる。 主なグレード 3 以上の有害事象の発現率は、オシメルチニブ群が28%、標準治療群が49%とオシメルチニブ群で低かったが、間質性肺疾患(オシメルチニブ群で12%)およびQT延長(オシメルチニブ群で22%)については、オシメルチニブ群で多く発現している。また全体での結果と比較すると、日本人サブグループで両群の毒性が強い傾向がみられた。■参考FLAURA試験(Clinical Trials.gov)■関連記事HR0.46、オシメルチニブが1次治療で標準治療を上回る(FLAURA)/ESMO2017オシメルチニブ、肺がんFLAURA試験の主要評価項目を達成

22756.

第11回 知っておきたい! レセプト制度の予想される流れと影響【医師が知っておきたいレセプトの話】

いよいよ本連載も今回を含め、残すところ、あと2回となりました。これまではレセプト制度や現状を一緒に学んできましたが、今回はレセプトに関する最新の“流れ”について確認していきます。3つの大きな変化の流れがありますので、その流れに飲み込まれないように、しっかりとつかんでおきましょう(図)。図 支払基金業務効率化・高度化計画 工程表引用:厚生労働省「国民の健康確保のためのビッグデータ活用推進に関するデータヘルス改革推進計画・工程表」及び「支払基金業務効率化・高度化計画・工程表」について支払基金業務効率化・高度化計画・工程表の概要(PDF)審査業務の効率化、高度化の流れ1つ目は、レセプト審査を行っている審査支払基金の業務効率化、高度化の流れです。第9回で紹介しましたように、現在、審査基準が明確ではなく、各都道府県の支部ごとに査定の傾向や査定率に差異があります。今後はこの地域格差をなくすべく、コンピューターのチェックルールや審査基準の統一を順次行っていくことが決定されています。チェックルールが統一化されると、先生方が都道府県を越えて勤務されても、「同じ診療をしているのにこちらの地域では査定された!」といった苦労が減ることが期待されます。また、効率化やIT技術の活用により、審査支払基金の人員体制も見直される予定となっています。審査にかかる費用も医療費の一部ですので、医療費の削減も期待されています。患者情報のさらなる活用の流れ2つ目は、レセプト情報の活用に向けた流れです。2017年9月に開催された中央社会保険医療協議会(中医協)では、レセプト様式に患者さんの郵便番号を追加する方向で議論が行われています。すでにDPCのデータ情報では患者さんの住所情報が提出されていますが、通常のレセプトでも同様に提出されることになり、レセプト情報と患者さんの住所情報がリンクされることになります。このリンクによってこれまで以上に地域の医療ニーズが明確化され、今後の地域医療体制の構築・検討などに活用されることが期待されます。レセプト作成の負担軽減の流れ3つ目は、レセプト作成に関する負担軽減に向けた流れです。とくに先生方には、この影響が大きいかもしれません。現在、レセプト請求の際に「摘要欄への記載」や「症状詳記の添付」を必要とする項目が複数ありますが、業務負担を軽減するために記載要領の見直し、記載必要事項の簡素化などが議論されています。具体的に進められているのは次の2点です。(1)フリーテキスト形式での記載から選択式記載への変更(2)症状詳記の添付からレセプト摘要欄記載への変更たとえば、「両室ペーシング機能付き植込型除細動器」のケースで見てみましょう。現在は算定した際に症状詳記の添付が求められていますが、見直し案では「患者状態」や「検査所見等」の決められた項目に関してのみ、レセプトの摘要欄に記載することで算定が可能になります。これにより、医療事務員や医師の負担軽減も図られ、場合によっては医療事務員がカルテに記載されている内容から必要事項を読み取り、先生方が最終確認するだけでレセプト提出が可能となるケースも増えてくるのではないでしょうか。これらの取り組みは早いものでは、平成30年の診療報酬改定のタイミングで実施される予定となっています。レセプト事務作業を簡略化することができれば、診療に集中できる環境が作られ、先生方にとっても患者さんにとってもWin-Winになると思われます。診療報酬改定同様、今後の動向から目が離せませんね。参考資料厚生労働省「国民の健康確保のためのビッグデータ活用推進に関するデータヘルス改革推進計画・工程表」及び「支払基金業務効率化・高度化計画・工程表」について1)支払基金業務効率化・高度化計画 工程表の概要(PDF)2)支払基金業務効率化・高度化計画(PDF)3)中央社会保険医療協議会 総会(第361回) 議事次第

22757.

02)エアゾール製剤【手順編】【吸入薬使い方ガイド】

※上の画像をクリックすると別のウィンドウにて「環境再生保全機構」の動画ページが開きます。■今回の内容今回は、エアゾール製剤の吸入手順を説明します。手順としては、吸入器をよく振る→十分に息を吐く→吸入器を軽く噛んで、普通の呼吸で深く吸入する→3~5秒息を止める→鼻からゆっくり息を吐く→うがいをする(口中3回、喉の奥3回)吸入でのポイントは、舌を下げて、のどの奥を広げる感じで吸う、と薬剤が気管にとどきます。●主な製剤(2015年3月時点のデータ)フルティフォーム、アドエア、フルタイド、オルベスコ、キュバール、など。

22758.

妊娠中の飲酒、子供の認知機能に及ぼす影響

 妊娠中のアルコール摂取は、子供の発育の危険因子であると考えられている。子宮内アルコール曝露の子供におけるバイオマーカーについては、ほとんど研究されていない。ドイツ・フリードリヒ・アレクサンダー大学エアランゲン・ニュルンベルクのAnna Eichler氏らは、胎便中のアルコール代謝物(エチルグルクロニド:EtG)が、小学校就学年齢の子供における認知機能の発達、ADHD関連行動、注意および執行制御の神経生理学的マーカーと関連しているかを調査した。Journal of child psychology and psychiatry, and allied disciplines誌オンライン版2017年9月11日号の報告。 母親は、妊娠第3期にアルコール摂取に関する自己アンケートを提出した。胎便のサンプルは、出生時に収集した。検出限界(10ng/g以上)を上回る胎便中EtGを有する44例と、そうではない対照群44例の比較を行った。検出量の影響を調査するため、第2の閾値(154ng/g以上)を設定した。子供が小学校就学年齢に達した際、母親はADHD関連行動を評価し、子供の認知機能の発達はIQテストバッテリーを用いて測定され、イベント関連の可能性の測定にはgo/nogoタスクを用いた。 主な結果は以下のとおり。・両方のEtG陽性群は、対照群と比較しgo/nogoタスクに対する注意力リソースが少なかった(goタスクにおけるP3が減少)。・胎便中EtGが154ng/g以上の群は、他の群よりもIQが6ポイント低かった。・EtG 154ng/g以上の群は、EtG値とADHD関連行動との間に正の相関が認められた。・これらの有意な影響は、母親の自己報告データでは観察されなかった。 著者らは「EtGと認知機能障害、注意力リソース能力、ADHD関連行動との関連は、部分的に検出量に依存的な影響が認められた。母親の自己報告に加え、この子宮内アルコール曝露のバイオマーカーは、子供の発達の予測因子と考えられる」としている。■関連記事ADHD発症しやすい家庭の傾向妊娠中の抗うつ薬治療、注意すべきは母親の体格がADHD、自閉症リスクと関連か

22759.

濾胞性リンパ腫治療、新規抗体薬vsリツキシマブ/NEJM

 濾胞性リンパ腫の1次治療において、obinutuzumabをベースとする免疫化学療法と維持療法は、リツキシマブをベースとする同様の治療に比べ、無増悪生存(PFS)期間を有意に延長することが、英国・キングス・カレッジ病院のRobert Marcus氏らが行ったGALLIUM試験で示された。研究の成果は、NEJM誌2017年10月5日号に掲載された。抗CD20モノクローナル抗体リツキシマブと化学療法の併用は、新規に診断された濾胞性リンパ腫の転帰を改善し、導入療法後のリツキシマブによる維持療法は良好なPFSおよび全生存(OS)をもたらすが、最終的に多くの患者が再発する。obinutuzumabは糖鎖改変型タイプII抗CD20モノクローナル抗体であり、補体依存性細胞傷害活性はリツキシマブよりも低いが、抗体依存性の細胞傷害活性や食作用活性が高く、直接的なB細胞の除去作用が強いことが示されている。濾胞性リンパ腫の治療法を無作為化試験で比較 GALLIUM試験は、未治療の進行期低悪性度非ホジキンリンパ腫(濾胞性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫)の治療において、obinutuzumab+化学療法またはリツキシマブ+化学療法による導入療法を施行後に、それぞれ同じ抗体医薬による維持療法(最長2年)を行うアプローチの有効性と安全性を比較する、非盲検無作為化第III相試験である(F. Hoffmann-La Roche社の助成による)。今回は、濾胞性リンパ腫の解析結果が報告された。 対象は、年齢18歳以上、前治療歴がなく、組織学的に診断が確定され、進行病変(Stage III/IVまたはbulk病変[最大径≧7cmの腫瘍]を伴うStage II)を有するCD20陽性の濾胞性リンパ腫(Grade 1~3a)で、全身状態(ECOG PS)が0~2の患者であった。 被験者は、導入療法として、obinutuzumab(1,000mg)を1サイクル目の第1、8、15日、2サイクル目以降は第1日に点滴静注する群、またはリツキシマブ(375mg/m2)を各サイクルの第1日に点滴静注する群に、1対1の割合でランダムに割り付けられ、6または8サイクルの治療が行われた。化学療法レジメンは、各施設がCHOP(シクロホスファミド+ドキソルビシン+ビンクリスチン+プレドニゾン)、CVP(シクロホスファミド+ビンクリスチン+プレドニゾン)、ベンダムスチンの中から1つを選び、個々の施設の患者はすべて同じレジメンの投与を受けた。 導入療法終了時に完全寛解(CR)または部分寛解(PR)を達成した患者は、導入療法と同じ抗体医薬による維持療法を2ヵ月ごとに2年間、または病勢進行か患者が同意を撤回するまで行われた。治療のクロスオーバーは許容されなかった。 主要評価項目は、担当医判定によるPFSであった。濾胞性リンパ腫の病勢進行/再発/死亡のリスクが34%低減 2011年7月6日~2014年2月4日に日本人患者を含む1,202例が登録され、obinutuzumab群に601例、リツキシマブ群にも601例が割り付けられた(ITT集団)。それぞれ557例、551例が導入療法を、361例、341例が維持療法を完遂し、カットオフ日に60例、54例が維持療法を継続していた。ベースラインのITT集団の年齢中央値は59歳、女性が53.2%を占めた。化学療法レジメンは、ベンダムスチンが57.1%、CHOPが33.1%、CVPは9.8%だった。 フォローアップ期間中央値34.5ヵ月(範囲:0~54.5)における計画された中間解析では、担当医判定による推定3年PFS率はobinutuzumab群が80.0%と、リツキシマブ群の73.3%に比べ有意に良好であった(ハザード比[HR]:0.66、95%信頼区間[CI]:0.51~0.85、層別log-rank検定p=0.001)。独立評価委員会判定による推定3年PFS率は、それぞれ81.9%、77.9%であり、obinutuzumab群が有意に優れた(HR:0.71、95%CI:0.54~0.93、p=0.01) 推定3年OS率は、obinutuzumab群が94.0%、リツキシマブ群は92.1%であり、両群間に差を認めなかった(HR:0.75、95%CI:0.49~1.17、p=0.21)。また、導入療法終了時の寛解率(CR+PR)はそれぞれ88.5%、86.9%(p=0.33)、CR率は19.5%、23.8%(p=0.07)であり、いずれも有意差はなかった。事後解析では、女性でobinutuzumabのPFSが有意に良好であった(HR:0.49、95%CI:0.33~0.74)のに対し、男性では有意差を認めなかった(HR:0.82、95%CI:0.59~1.15)(性別と治療の交互作用:p=0.06)。 Grade 3~5の有害事象(74.6 vs.67.8%)および重篤な有害事象(46.1 vs.39.9%)の頻度はobinutuzumab群のほうが高かったが、死亡の原因となった有害事象の発現率は両群で同等であった(4.0 vs. 3.4%)。担当医判定による最も頻度の高い有害事象は注入関連イベントであり、obinutuzumab群の59.3%、リツキシマブ群の48.9%に発現した(p<0.001)。次いで、悪心(46.9 vs.46.6%)および好中球減少(48.6 vs.43.6%)の頻度が高かった。obinutuzumab群の35例(5.8%)、リツキシマブ群の46例(7.7%)が死亡した。 著者は、「最近のデータでは、比較的強度が高くない化学療法と併用しても、obinutuzumabはリツキシマブに比べ高い効果を有することが示唆されており、フレイルが高度なためベンダムスチンやCHOPの適応が困難な患者で有用となる可能性もある」と指摘している。

22760.

低用量のアスピリンを中止することによる心血管リスクの上昇

 大手術や出血がないにもかかわらず、アスピリンを中止することに伴うリスクへの懸念が高まっている。そこでスウェーデンの研究グループが、長期の低用量アスピリンを中止および治療の中断に伴う心臓血管リスクの増加に関して検証を行った。Circulation誌2017年9月26日号に掲載。スウェーデンの処方データを用いて60万人以上を解析 研究はスウェーデンの処方データを用いて行われ、2005~09年、低用量アスピリンを1次もしくは2次予防として内服する40歳以上で、悪性腫瘍の既往がなく、観察期間の最初の1年で80%以上内服を順守していた60万1,527例が対象。心血管イベントはスウェーデンの入院および死亡原因のデータベースを使って同定された。大出血もしくは外科的処置から3ヵ月間は、イベント発生のリスク期間から除外された。アスピリンの中断で心血管イベントが30%以上も上昇 3年間(中央値)のフォローアップ期間で、6万2,690件の心血管イベントが発生した。アスピリンを中止した患者では、継続した患者に比べて高い確率で心血管イベントが発生した(多変量解析調整後のハザード比:1.37、95%信頼区間:1.34~1.41)。これは、アスピリンを中止すると毎年74例に1例の割合で、さらなる心血管イベントが起こるという計算となる。また、心血管イベントのリスクは、内服中止後すぐに上昇し、その後も改善しなかった。 低用量のアスピリンを長期間使用している患者にとって、大手術や出血などがないにもかかわらず内服を中止することは、心血管イベントが30%以上増加することがわかった。検証の結果、大手術や出血がない患者において、低用量アスピリン内服の順守は重要な目標であるといえる。(カリフォルニア大学アーバイン校 循環器内科 河田 宏)関連コンテンツ循環器内科 米国臨床留学記

検索結果 合計:36084件 表示位置:22741 - 22760