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再発性ディフィシル感染症に対する糞便移植-経口カプセル投与は有効か-(解説:小金丸博氏)-788

 クロストリジウム・ディフィシルは抗菌薬関連下痢症の原因となる主要な細菌である。クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)は、治療によりいったん改善しても約20%で再発し、再入院や医療費増加の原因となることが知られている。また1度再発した患者のうち、40~65%がさらなる再発を経験する。再発を繰り返すCDIの治療アルゴリズムはまだ確立していないが、近年、糞便移植の有効性が数多く報告され注目を集めている。 本研究は、再発性CDI患者を対象に、便細菌叢の投与経路による有効性の違いを検討した非盲検ランダム化非劣性試験である。少なくとも3回以上CDIを繰り返した18~90歳の患者を対象とし、経口カプセルで投与する群と大腸内視鏡で投与する群に分けて、治療効果、有害事象発生率、患者不快感などを評価した。慢性下痢症、炎症性腸疾患、がんで治療中の患者などは対象から除外された。1回の糞便移植で12週後にCDI再発を予防できたのは、経口カプセル投与群、大腸内視鏡投与群ともに96.2%であり、経口カプセル投与群の大腸内視鏡投与群に対する非劣性が示された(群間差:0%、片側95%信頼区間:-6.1%~無限大、p<0.001)。また、経口カプセル投与群では「まったく不快でない」と回答した人の割合が、大腸内視鏡投与群と比較し有意に高率だった。 糞便移植とは、健常者の便に含まれる腸内細菌叢を患者に投与することで正常な腸内環境を復元し、腸炎の治癒を図る治療法である。本研究では、再発性CDIに対する治療法として、経口カプセルによる糞便移植が大腸内視鏡投与と同等の高い有効率を示した。カプセル製剤にすることで経口投与が可能となり、患者の心理的、肉体的負担を軽減できるのは大きなメリットである。再発性CDIに対する糞便移植の有効性については評価が定まりつつあるが、投与経路、長期安全性、ドナーの選定方法など未解決な部分も存在するため、今後のさらなる研究が待たれる。 CDIに対する糞便移植は、日本ではまだ一般的でなく、保険適用にもなっていない。しかしながら、再発性CDIに対する高い有効性は魅力的であり、利便性や安全性が高まれば、治療方法の1つとして日本でも広がる可能性が十分あると考える。■「糞便移植」関連記事糞便移植は潰瘍性大腸炎の新たな治療となるか/Lancet

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侍オンコロジスト奮闘記~Dr.白井 in USA~ 第50回

第50回:免疫チェックポイント阻害薬はアジュバントに使えるか?キーワード非小細胞肺がんdurvalumabメラノーマニボルマブイピリムマブ動画書き起こしはこちら こんにちは。ダートマス大学腫瘍内科の白井 敬祐です。僕が担当している肺がんとメラノーマの領域で最近話題になったのはスペインのマドリードで行われた欧州臨床腫瘍学会ESMOですね。肺がんでは2つ、メラノーマでも同じように大きな話題がありました。PACIFIC trial。StageIIIの肺がん…縦郭リンパ節が陽性になると自動的にStageIIIになるのですが…は、現在5年生存率が15~25%。良くても25%程度で、根治は望めるけれど頻度が非常に低いという病期なのですが、そこでchemo-radiationが終わったあとに、効果があった患者さん、あるいはSDの患者さんに対し、アストラゼネカの抗PD-L1抗体durvalumabを2週間おきに12ヵ月使った群とプラセボ群を使った結果が発表されました。そこではPFSが16ヵ月以上と6ヵ月程度とほぼ3倍に延びたという結果でした。StageIIIの肺がんというのは、いろいろな抗がん剤を使ったり、chemo-radiationが終わった後にドセタキセルなどをconsolidationとして使ったり、エルロチニブを使ったり、あるいは放射線の照射の量や仕方を変えるなど工夫されたものの、ぱっとした結果が出ていなかったなか、ここ20年で初めてStageIIIの肺がん治療が大きく変わる可能性があるという結果が発表されました。なかには「コントロールアームのPFSが5.6ヵ月と非常に悪い」と、言う人もいますが、これはランダマイズドの、しかもプラセボコントロールの試験なので、やはり陽性なのでしょうね。早いことに、NCCNのガイドラインには既にdurvalumabのことが載っています。FDAにはまだ認可されていないのですが、僕も2人ほどchemo-radiationが終わった患者さんがいて、その患者さんに、こういう治療があるので、保険会社がオーケーしてくれるかどうか申請してみましょうかと、申請を始めたばかりです。ちょっと下世話な話になるのですが、MYSTIC試験…StageIVの肺がんで同じアストラゼネカの抗CTLA-4抗体tremelimumabとdurvalumabを組み合わせてどうなるかというPhaseIII試験…が残念ながらネガテイブな結果だったんですね。アメリカの医者の中に、ブログでその時に株価が一気に下がったと言うことを書いている人がいました。株価が下がってから、ESMOでポジティブな結果の2つの臨床試験が発表されて、株価がどうなったか書いているんです。本当にいろいろなことを、いろいろな観点から発信する人がいるんだな、と思いながら面白く読んでいました。彼によると、「アストラゼネカの株価自体はMYSTICで下がる前のレベルには戻っていないが、回復しています」ということです。臨床試験が株価に反映される。Conflict of Interest、COIとはもう離れられない世界であることは確実ですね。それ以外には、僕が担当しているメラノーマの領域でイピリムマブとニボルマブをStageIIIB、StageIIIC、resected StageIVのアジュバントの患者さんに使った試験の結果が発表されました。それもNew England of Journalに載りましたが、ニボルマブを使ったほうがイピリムマブを使うよりもRelapse Free Survivalが有意に改善しました。StageIIIのchemo-radiation後の肺がん患者さんと同じように、アジュバントで使うというのは、この患者さんのがんが残っているか残ってないかわからない状況で、がん抗原の発現がはっきりしない時にimmune checkpointを使うということで、意味があるのが非常に議論の対象になっていました。面白いことに今回、2つのstudyのどちらもアジュバントで再発生存期間を伸ばしたということが報告されたのは、臨床的にあるいはscienceとしても面白いことだと思います。実際そういう治療後の患者さんで、circulating tumor cellあるいはがん抗原がどのように、どういう場所で発現しているか、というのは非常に興味のあるところです。Antonia SJ, et al.Durvalumab after Chemoradiotherapy in Stage III Non–Small-Cell Lung Cancer.N Engl J Med.2017;377:1919-1929.durvalumab維持療法、Stage III肺がんのPFSを有意に改善(PACIFIC)/ESMO2017J Weber, et al. Adjuvant Nivolumab versus Ipilimumab in Resected Stage III or IV MelanomaN Engl J Med.2017; 377:1824-1835.

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サン・アントニオ2017レポート-1

レポーター紹介2017年SABCSは、12月5〜9日の5日間で開催された。新しい会場になってから2年目であり、以前の会場の一部は既に取り壊されていた。テキサスは初日から雨で寒い日が続いた。中日の夜には雪も降ったが、逆に翌日には晴天となった。天候の変化が著しく、それだけでも体調をくずす方がいそうである。今回は臨床的な話題としてはいろいろあったが、直ちに臨床を変えるような話題はほとんどなかったように思う。しかし愛知県がんセンターの岩田広治先生がPIとなって進行中の臨床試験NEOSの第1報があり、重要な知見を提供してくれた。術前内分泌療法に反応したHR+閉経後乳がんにおける術後化学療法の意義 −NEOS日本からの大規模な臨床試験(NEOS)の結果が岩田広治先生より報告された(第一報)。HR+閉経後乳がんに対して術前にANAを6ヵ月行い、PD(43例)には術後化学療法を、CR(16例)/PR(421例)/SD(400例)には術後化学療法施行群と非施行群を無作為化割付した。今回は両群を合わせた術前治療効果別の5年DFSが示され、CRで100%、PRで95%、SDで92%と予後良好であったのに対して、PDでは化学療法施行にも関わらず89%と低かった。PR/SDでは化学療法施行の有無別のDFSを知りたいところだが、その結果が出るのはまだ先になりそうである。しかし化学療法を施行しなくても、CR/PR/SDではかなり予後のよいことが予想される。さらに別報もあり、NEOSにおいて、針生検標本におけるオンコタイプDX(ODX)のリスクスコア(RS)と術前ANAの効果との関係が明らかとなった(n=294)。RS<18(低リスク)ではCR/PR54%、SD45%、PD1%であったのに対して、RS18~30(中間リスク)では42%、55%、4%であり、RS>31(高リスク)になると22%、61%、17%となりCR/PR率が著明に低下した。逆に高リスクとなるのはCR/PRの2%、SDの22%、PDの46%であり、AIの術前効果がODX検査適応選択や化学療法そのものの適応選択に大きな指標になることが示された。閉経後乳がんにおける術前内分泌療法は術後の化学療法を考えるうえで今後より重要なオプションとなろう。EBCTCGメタアナリシス−dose-dense化学療法の意義最初の話題は、EBCTCGのメタアナリシスで、術後補助化学療法において投与間隔の短縮が再発と乳がん死亡率を減少させる、というものである。Dose intensityの試験としては、2週対3週が12試験、逐次(3週)対同時(3週)が6試験、逐次(2週)対同時(3週)が6試験、が選択されていた。2週対3週では、2週の方がより再発と乳がん死亡率を減らしていた。逐次(3週)対同時(3週)、逐次(2週)対同時(3週)ともに逐次の方が再発と乳がん死亡率を減らしていた。これらはERの有無に関わらなかった。これらのことから、dose denseがよいと結論している。まだ論文化されていないため、どの臨床試験が選択されたのか不明である。この結果をもとに2週のdose denseを標準と考えるのは早計である。SABCS2014のレポートでまとめたが、FEC(600/60/600) 6サイクルを2週毎と3週毎で比較しても生存率にまったく差がない(Venturini M,et al. J Natl Cancer Inst. 2005; 97: 1724-1733.)ことが示されており、Paclitaxelも今では標準でない3週投与が、2週投与に対して比較されている。そもそも毎週投与が現在の標準であり、よりdose denseでG-CSFも使う必要がないことから、標準はあくまでAC(3週)-PTX(毎週)であろう。2週投与のdose-denseのメリットは投与期間の短縮のみであり、高額なG-CSFの使用が必須であったり、遅発性のニューモシスチス肺炎も含めた有害事象も増えることから、2週投与のdose-denseはあくまでオプションの1つに過ぎない。HER2-lowにおいてtrastuzumabは予後を改善しない−NSABP B-47NSABP B-47は、AC→wPTX 対 TCx6 +/-trastuzumabの比較試験であるが、HER2-lowにおけるtrastuzumabの意義について検討された。結果はtrastuzumabの有無で生存率にまったく差がなかったのであるが、面白かったのは本題でない背景で紹介された部分であった。NSABP B-31試験では、各施設でHER2陽性だが中央判定で陰性とされたサブセットにおいて、trastuzumab使用群の方がDFSが良好であったことである。N9831試験でも同様の傾向であった。HER2判定に関しては各施設の評価も大切にした方がよいということであり、HER2の状況がIHCで3+またはFISH陽性のいずれかなら、積極的にHER2標的剤は使用すべきということを示している。IHCとFISHの両者を測定していると時々いずれか陽性ということがあり、どちらか一方だけの検索では、HER標的剤の恩恵にあずかる方が一定数見逃されてしまうリスクがあろう。CDK4/6阻害剤ribociclibはPFSを改善する−MONALEESA-7MONALEESA-7はHR+HER2-閉経前乳がんにおけるribociclibの有用性を検証した第III相試験である。治療効果は本邦でようやく承認されたpalbociclibとほぼ同等であろうと思われる。TAMまたはAI+LHRHaにribociclibをon/offしたものであり、PFSでは有意にribociclib群で良好であった。TAM、AIとも効果は同等であった。血液毒性は好中球減少、貧血、血小板減少ともにribociclib群で多かった。非血液毒性はQT延長が6.9%(vs.1.2%)と多く、G3の倦怠感と下痢もribociclib群でわずかに多かった以外はほぼ同等であった。QOLは(EORTC QLQ-30)ribociclib群の方が有意に良好であった。3つのAI剤がそうであったように、今後複数のCDK4/6阻害剤の使い分けが問題になりそうである。化学療法中のLHRHaは卵巣機能保護に有効である−メタ解析化学療法における卵巣機能障害の問題は、近年妊孕性の面からとくに注目されている話題の1つである。化学療法中のLHRHaの卵巣保護効果について、今回は5つの臨床試験のプール解析(メタ解析)が報告された。主要評価項目は卵巣機能不全、副評価項目は無月経である。卵巣機能不全はLHRHa使用群と未使用群で14.1%対30.9%であり、明らかにLHRHa使用群で良好であった。2年での無月経率もそれぞれ18.2%対30.0%と同様であった。さらに妊娠率も10.3%対5.5%であったことより、LHRHaによる妊孕性温存の効果は明らかであると考えられる。LHRHa使用の有無での予後もみているが、ER+/-に関わらず、DFS、OSともにまったく差がなかった。したがって、化学療法を受ける予定で妊孕性温存を希望する方に対しては、LHRHaによる卵巣保護を十分に考慮するという立場は変わらない。TAM+OFSとEXE+OFSで予後は同等である−TEXT+SOFT結合試験TEXT+SOFT結合試験のデータがアップデートされた。閉経前HR+乳がんにおいて、TAM+OFSとEXE+OFSを比較したものである。初回はASCO2014で報告されたが、結果はその時と大きく変わっていない。8年のDFSはEXE+OFSで有意に良好であった(86.8% vs.82.8%、p=0.0006)。しかしOSではまったく差がなく、EXEの方が有害事象のために治療を中止する患者が多かった。このことからEXE+OFSはかなりのハイリスクに限られるべきであろう。絶対死亡数が少ないため、さらに経過観察される予定である。TAM+OFSはTAMと比較しわずかに予後を改善する−SOFT試験SOFT試験におけるTAM+OFSとTAMを比較したデータもアップデートされた。初回中間解析の結果はSABCS2014で報告した。やはり8年のDFSはTAM+OFSで有意に良好であった。8年のOSもHR0.67(0.48~0.92)とわずかにTAM+OFSが上回っていた。化学療法の有無でみてみると無し群ではまったく差がないが、有り群ではHR0.59(0.42~0.84)でTAM+OFSが良好であった。絶対差は4.3%と小さく、TAM+OFSの適応はやはり以前と変わらない。すなわち40歳未満あるいは40代前半で化学療法を行うようなハイリスクに対して、OFSの上乗せを提案するというスタンスでよいであろう。40代後半では、化学療法によりほぼ閉経状態となり、TAM単独でも問題ないだろう。鍼はAI関連関節症状に有効であるAI剤による関節痛は厄介な副作用であり、多くの閉経後乳がん患者が生活上の影響を受けている。鍼はAIによる関節痛を軽減する方法としての1つとして期待されており、本試験は真の鍼、偽の鍼(効果をおよぼさない部位)、何もしないグループの3群を比較したRCTである。6週間後の最も強い痛みの改善度は明らかに真の鍼群で高かった。6週間から24週での効果は一定していて、やはり真の鍼>偽の鍼>無しであった。他のQOL評価でも真の鍼で良好であった。有害事象としては真の鍼であざの割合が多かった(47%、いずれもGrade1)。非薬剤性のオプションとしてAI関連関節症状に鍼を積極的に活用する価値がありそうであるが、十分なトレーニングを受けた医療者が鍼を行う必要はあろう。

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高齢者へのZ薬と転倒・骨折リスクに関するメタ解析

 Z薬として知られるゾルピデム、ゾピクロン、エスゾピクロン、zaleplonは、不眠症治療に用いられるベンゾジアゼピン(BZD)の代替薬として一般的に使用されている。Z薬は、しばしばBZDよりも安全であると認識されている。イスラエル・ヘブライ大学のNir Treves氏らは、Z薬と骨折、転倒、傷害との関連性を評価するため、システマティックレビューとメタ解析を行った。Age and ageing誌オンライン版2017年10月25日号の報告。 MEDLINE、EMBASE、ClinicalTrials.govを用いて、システマティックレビューを行った。該当する95%信頼区間(CI)を有する固定効果モデルおよびランダム効果モデルで、Z薬使用患者と未使用患者を比較した、プールされたエフェクトサイズを算出した。 主な結果は以下のとおり。・Z薬と骨折、転倒、傷害との関連性について報告された研究を14件抽出した。・Z薬は、統計学的に有意な骨折リスク増加と関連していたが、著しい異質性のエビデンスを有していた(OR:1.63、95%CI:1.42~1.87、I2=90%、83万877例)。・同様に、転倒に関するオッズにおいて2倍の増加を示唆する傾向であったが、統計学的に有意な差は認められず、著しい異質性のエビデンスを有していた(OR:2.40、95%CI:0.92~6.27、I2=95%、1万9,505例)。・ゾルピデム投与後の傷害リスクを評価する分析では、異質性のエビデンスは認められず、統計学的に有意な傷害リスクが認められた(OR:2.05、95%CI:1.95~2.15、I2=0、16万502例)。・高品質の研究、不眠症に罹患した対照群を有する研究、特定のZ薬による研究に限定した分析を含む感度分析においても、同様の結果であった。 著者らは「Z薬は、骨折リスク増加と関連性が認められ、転倒や傷害リスクも増加させる可能性が示唆された。しかし、抽出された研究は観察研究であり、交絡しやすいと考えられる。臨床医は、高齢者に対しZ薬を投与する際には、これらの潜在的なリスクを考慮する必要がある」としている。■関連記事不眠症患者におけるスポレキサントの覚醒状態軽減効果に関する分析不眠症になりやすい食事の傾向新規不眠症治療薬は安全に使用できるか

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“電子タバコで禁煙”にネガティブな結果?

 電子タバコ(e-cigarettes)は禁煙を促進するという研究結果がある一方、喫煙開始のきっかけになるリスクを懸念する意見もある。その評価を確認すべく米国では、若年の非喫煙者の電子タバコ使用と、それに続くタバコの喫煙開始との関連性評価を目的としたコホート研究が行われた。The American journal of medicine誌オンライン版2017年12月10日号に掲載。 試験概要・前向きコホート試験。ベースライン時(2013年3月)と追跡時(2014年10月)を比較。・対象:米国人の97%を代表する18~30歳の若年成人の非喫煙者のサンプリングフレームを使用・主要評価項目:電子タバコ使用者(ベースライン時)と非使用者の18ヵ月後の従来タバコ喫煙の開始頻度 主な結果・ベースラインの非喫煙者1,506人のうち915人(60.8%)で追跡を完了。・ベースライン時に電子タバコを使用した非喫煙者は2.5%(3,204万393人中8万10人)であった。・従来タバコの喫煙開始頻度は、電子タバコ使用者の47.7%に対し、非利用者では10.2%(p=0.001)であった。・ベースライン時の電子タバコ使用は、18ヵ月時の喫煙開始の独立した関連因子であった(調整オッズ比: 6.8、95%CI:1.7~28.3)。 本邦では、ニコチン含有の製品は認可されていないため状況は異なるが、筆者らは、この結果は、非喫煙者において電子タバコの使用を減少させる政策および教育的介入を支持するものだとしている。■参考全米たばこ調査による分析結果非燃焼・加熱式タバコや電子タバコに対する日本呼吸器学会の見解■関連記事“新型タバコ”でタバコの害なくせますか?新型タバコでニコチン依存解消せず

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オートバイ死亡事故は満月の夜に増大/BMJ

 満月はオートバイでの事故死のリスク増大と関連することを、カナダ・Sunnybrook Health Science CentreのDonald A. Redelmeier氏らが、地域住民を対象とした横断分析の結果で報告した。近年、オートバイの死亡事故が増加しており、米国では交通事故死の7分の1を占めている。死亡事故を招いた主な原因は一瞬の気の緩みで、死亡に至ったオートバイ衝突事故における原因の大半でもある。研究グループは、「人は自然と満月に気が引かれるもので、それがオートバイの衝突事故を招いているのではないか」と仮説を立て検証を行った。結果について著者は、「交絡因子の影響は除外できていないものの、このリスクに関心を持つことで、満月の夜のオートバイ運転には注意するよう喚起し、一瞬の気の緩みの危険性を認識するのに役立つだろう」と述べている。BMJ誌2017年12月11日号掲載のクリスマス特集での報告。夜間のオートバイ死亡事故、約1万3,000件について解析 研究グループは、満月がオートバイ事故死の一因となるかを調べる目的で、1975~2014年の40年間に米国で発生した夜間(午後4時~午前8時)のオートバイ死亡事故について解析した。主要解析には二項検定を用い、また同様の解析を英国、カナダ、オーストラリアでも行った。 夜間(1,482日)のオートバイ死亡事故は、計1万3,029件発生していた。死亡事故の背景としては、正面衝突、ヘルメット未着用、排気量の大きなストリートバイク、事故の発生場所が地方、ライダーに中年男性(平均年齢32歳)が多いことが特徴であった。とくにスーパームーンの夜に増加 死亡事故の発生は、満月の夜494日において4,494件(1夜当たり9.10件)、満月ではない夜988日において8,535件(1夜当たり8.64件)であった。満月ではない夜に対する満月の夜の相対リスクは1.05(95%信頼区間[CI]:1.02~1.09、p=0.005)、条件付きオッズ比は1.26(95%CI:1.17~1.37、p<0.001)であった。 満月ではない夜と比べて満月の夜の死亡事故は、40年間に絶対数で226件増加し、この増加は、幅広いタイプのライダー、バイク、事故でみられたが、とくにスーパームーンの夜で増加が目立った。 英国、カナダ、オーストラリアでの解析でも、同様の結果が得られた。 なお著者は、自動車については解析していないこと、臨床上の詳細、天気や月の可視性などは不明であったことなどを研究の限界として挙げている。

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心室頻拍にカテーテルを使わないアブレーション/NEJM

 難治性心室頻拍に対する、電気生理学的ガイド下での非侵襲的心臓放射線照射によるアブレーション治療は、心室頻拍の負担を顕著に減少する可能性が確認された。米国・ワシントン大学のPhillip S. Cuculich氏らが、難治性心室頻拍患者5例を対象に、非侵襲的マッピング(心電位画像化技術)と非侵襲的アブレーション(体幹部定位放射線治療:SBRT)を組み合わせたカテーテルを使用しない新しい治療法について検討し、結果を報告した。カテーテルアブレーションは、難治性心室頻拍患者における最先端治療であるが、施術に伴う合併症や死亡リスクの上昇などがみられる。SBRTはこれらの課題を克服する可能性があるとして検討が行われた。NEJM誌2017年12月14日号掲載の報告。電気生理学的ガイド下の非侵襲的心臓放射線照射によるアブレーションを実施 研究グループは、植込み型除細動器(ICD)によって誘発された心室頻拍中に、解剖学的画像と非侵襲的心電位画像を組み合わせ、不整脈原性瘢痕領域を標的化し、標準的な技術を用いてSBRTのシミュレーション・計画・治療を行った。患者は、覚醒下において25Gyの単回照射で治療された。 有効性は、ICDによって記録された心室頻拍エピソード数によって、安全性は心臓および胸部の連続イメージングで評価した。非侵襲的アブレーションの平均時間14分、心室頻拍エピソード数が減少 2015年4月~11月の期間で、ハイリスクの難治性心室頻拍患者5例が治療を受けた。非侵襲的アブレーションの平均時間は14分(範囲:11~18)であった。 全例の心室頻拍エピソードは、治療前3ヵ月間が計6,577回であったが、アブレーション後6週間(blanking period:アブレーション後の炎症により不整脈が発生する可能性がある期間)が680回であった。また、blanking period後はベースラインから99.9%減少し、46患者月で4回と、5例全例で顕著な心室頻拍エピソードの減少が確認された。 治療による平均左室駆出率の低下は認められなかった。3ヵ月時点で、隣接する肺に軽度の炎症性変化と合致する陰影を認めたが、1年後までに消失した。 著者は研究の限界として、非侵襲的アブレーションは新しい方法であるため、傷害を与える可能性や、症例数が少ないことを挙げ、「今後の研究結果が出るまで、今回の方法が臨床使用に適していると考えられるべきではない」と述べている。なお研究グループはすでに、SBRTの安全性と有効性を評価するための前向き第1/2相試験(ENCORE-VT)を開始している。

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大阪人の習性を利用する【Dr. 中島の 新・徒然草】(201)

二百一の段 大阪人の習性を利用するそもそも人と言うのは、「自覚しよう」とか「マナーを守ろう」などと言っても動きません。何かさせようとするなら、自然にそういう行動をとるような仕組みを作るのが得策です。とくに大阪人の行動原理は善悪ではなく損得なので、このようなシステムがなおさら有効に働きます。その良い見本が伊丹空港の降車専用レーンです。というのも朝の伊丹空港は、送迎の自家用車や、バス、タクシーなどが入り乱れて停車したり発車したりの阿鼻叫喚。私なんか、よく女房を伊丹空港に送るので大変です。左右から迫ってくる車を掻き分けて停車し、女房を降ろして再び発進する、この間、約30秒。まるでF1のピット・ストップです。ところがある日のこと、伊丹空港に画期的なシステムが導入されました。自家用車のための降車専用レーン。北ターミナルと南ターミナルに、それぞれ6台ほどの停車スペースが設けられたのです。このレーンに入ってきた車は、入口で自動的にナンバーを読み取られ、バーが上がったら停車スペースまで進んで停めます。人を降ろすだけなので、せいぜい1分か2分もあれば用事が済みます。それから発進して出口に至り、再度ナンバーが自動的に読み取られ、バーが上がります。この降車専用レーンの料金ですが、5分以内の停車だと無料です。5分から10分の間は400円、10分から15分間は600円と、どんどん高くなります。1時間停車すると2,400円にもなってしまいます。一方、正式の駐車場のほうは、30分以内が無料、30分から60分だと210円、60分から90分だと310円です。ですから、5分以上停める場合は、降車専用レーンより駐車場のほうがはるかに安く済みます。さて、新しくできた降車専用レーンですが、朝は多くの車が利用しています。混み合いそうですが、入った車は5分以内にどんどん出ていくので、今のところはうまく捌かれているといっていいでしょう。5分以上停めたら損する、という大阪人の気質をうまく利用していると感心させられます。ドライバーの自覚とかマナーに訴えかけるよりも、このように損得で誘導するほうがずっと効果的だというお話でした。我々も、職場や日常生活の色々なところにこのような仕組みが応用できそうですね。 最後に1句人間の 習性使って はいこちら

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小児の双極性障害I型または統合失調症に対するアセナピン治療のレビュー

 1日2回の舌下錠として用いられるアセナピンは、小児・青年期10~17歳における双極性障害I型の躁病および混合エピソードの急性期治療に単独療法として、二重盲検プラセボ対照試験(推奨用量:2.5~10mg、1日2回)の結果に基づき承認されている。小児統合失調症についてもアセナピンの研究が行われているが、まだ承認はされていない。また、米国以外の主要な国々において、アセナピンは、小児の双極性障害I型または統合失調症に対し承認されていない。米国・ジョンズ・ホプキンス大学のEkaterina Stepanova氏らは、小児精神疾患患者に対するアセナピン治療に関して、神経薬理学、薬物動態、臨床試験、臨床使用の観点より要約した。Paediatric drugs誌オンライン版2017年11月23日号の報告。 主な要約は以下のとおり。・小児患者において、アセナピン舌下錠は口腔粘膜を介して急速に吸収された後、成人患者と同様の薬物動態プロファイルを示し、成人での推奨投与量を小児の投与量に調整する必要性が低いことが示された。・投与後10分間は、食物や水の摂取は避けるべきである。・臨床試験において、小児の双極性障害I型および統合失調症に対するアセナピンは、一般的に安全であり、忍容性が良好であった。・重篤な有害事象は、根底にある精神症状の悪化に関連していた。・最も一般的な臨床試験治療下で発現した有害事象(TEAE:treatment-emergent adverse event)は、両疾患ともに鎮静と傾眠であった。・他の第2世代抗精神病薬と同様に、体重増加やいくつかの代謝パラメータの変化が認められた。・舌下投与に関連する知覚鈍麻、味覚障害、感覚異常などの口腔関連の異常は、一般的に治療中止をもたらさず、一時的であった。・TEAEにおける錐体外路症状は、双極性障害I型と統合失調症の急性期および長期研究において、アセナピン治療患者の5%以上で認められた。■関連記事統合失調症治療に用いられる抗精神病薬12種における代謝系副作用の分析小児攻撃性に対する抗精神病薬の効果~メタ解析小児に対する抗精神病薬処方、診断と使用薬剤の現状は

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WHOの安全出産コーチング、その効果は?/NEJM

 世界保健機関(WHO)の安全出産チェックリスト(Safe Childbirth Checklist)について、実施促進のためのコーチングプログラムの導入効果を検討するクラスター無作為化試験が、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のKatherine E. A. Semrau氏らにより、インドの保健施設で行われた。非導入施設と比べて、導入施設は出産介助者の必須実施項目のアドヒアランスは向上したが、出産後7日以内の複合アウトカム(周産期死亡・母体死亡・母体の重度合併症)について有意差は認められなかった。資源が乏しい環境での施設出産率は過去20年間で劇的に増加したが、ケアの質は依然として差があり、死亡率は高いままだという。安全出産チェックリストは、質を改善するためのツールで、出産アウトカムの改善に関連する行為への系統的アドヒアランスを改善するとされていた。NEJM誌2017年12月14日号掲載の報告。60組の施設ペアについて比較試験を実施 研究グループは、インドのウッタル・プラデーシュ州の24地域にある施設を対象に、2施設を1組とした計60組について、マッチドペア比較でクラスター無作為化試験を行った。WHOの安全出産チェックリスト実施を促進するための、8ヵ月間のコーチングプログラム「BetterBirth」の効果を検証した。 出産後7日以内の周産期死亡・母体死亡・母体の重度合併症の複合アウトカムを評価した。出産後8~42日後に評価を行い、クラスタリングとマッチングで補正後、プログラムを導入した施設(介入)群と導入しなかった施設(対照)群で比較した。 また、マッチングさせた15組の施設ペアを対象に、出産の介助者が必ず実行すべき18項目のアドヒアランスを、コーチングの介入開始2ヵ月後と12ヵ月後(コーチングのセッション終了後4ヵ月時点)で比較した。出産介助者の必須実施項目アドヒアランス、介入群では6~7割 被験者として適格だった女性16万1,107例を登録し、15万7,689例(97.9%)を対象に試験を開始。15万7,145組(99.7%)の母親と新生児について、出産から7日間のアウトカムを評価した。 観察された4,888件の出産では、出産介助者の実施項目の平均アドヒアランスは、介入開始2ヵ月の評価時点では対照群41.7%に対し介入群72.8%、介入開始12ヵ月の時点ではそれぞれ43.9%、61.7%と、いずれも介入群で有意に高かった(いずれの比較もp<0.001)。 しかし、複合アウトカム発生率は、対照群15.3%、介入群15.1%と、両群で同等だった(相対リスク:0.99、95%信頼区間:0.83~1.18、p=0.90)。また、母体・周産期の副次有害アウトカムについても、両群で有意差は認められなかった。

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がん患者のVTE治療、エドキサバンはダルテパリンに非劣性/NEJM

 がん患者の静脈血栓塞栓症(VTE)の治療で、経口エドキサバン(商品名:リクシアナ)はダルテパリン皮下注に対し、VTEの再発または大出血の複合アウトカムについて非劣性であることが、米国・オクラホマ大学健康科学センターのGary E.Raskob氏らが1,050例の患者を対象に行った非盲検無作為化非劣性試験の結果、示された。なおアウトカムを個別にみると、エドキサバン群でVTEの再発は低率だったが、大出血は高率だった。がん関連VTEの標準治療は低分子ヘパリンである。経口抗凝固薬が治療に果たす役割はこれまで明らかにされていなかった。NEJM誌オンライン版2017年12月12日号掲載の報告。投与後12ヵ月間のVTE再発または大出血リスクを比較 研究グループは、急性症候性または無症候性VTEを呈するがん患者1,050例を対象に試験を行った。被験者を無作為に2群に分け、一方には低分子ヘパリンを5日以上投与し、その後経口エドキサバン(1日60mg)を投与した(エドキサバン群)。もう一方の群には、ダルテパリン1日200 IU/kgを1ヵ月皮下投与し、その後1日150 IU/kgを投与した(ダルテパリン群)。治療期間は、最短6ヵ月、最長12ヵ月とした。 主要アウトカムは、12ヵ月間のVTE再発または大出血の複合とした。主要アウトカム発生率、エドキサバン群12.8%、ダルテパリン群は13.5% 無作為化を行った1,050例のうち1,046例を包含した修正intention-to-treatで解析を行った。 主要アウトカムのイベント発生率は、エドキサバン群12.8%(522例中67例)、ダルテパリン群は13.5%(524例中71例)と、エドキサバンの非劣性が示された(ハザード比:0.97、95%信頼区間[CI]:0.70~1.36、非劣性のp=0.006、優越性のp=0.87)。 VTEの再発は、エドキサバン群41例(7.9%)、ダルテパリン群59例(11.3%)で発生した(リスク差:-3.4%、95%CI:-7.0~0.2)。また、大出血は、それぞれ36例(6.9%)、21例(4.0%)で認められた(リスク差:2.9%、同:0.1~5.6)。■「リクシアナ」関連記事リクシアナ効能追加、静脈血栓症、心房細動に広がる治療選択肢

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データベース解析の方法論上の不備率は85%にも及んでいた(解説:折笠秀樹氏)-785

 米国のAHRQが作成した公的な大規模データベースであるNational Inpatient Sample (NIS)を用いた観察研究で、論文出版された120研究に関する方法論の調査結果である。AHRQとは米国厚生省(DHHS)の下部機関であり、ヘルスケアリサーチを推進している組織である。 2015年から2016年の間にNISを使って出版された研究論文は1,082研究にも及び、その中からランダムサンプリングで120研究が選定された。 調査内容はAHRQが推奨している3領域(データの解釈、研究デザイン、データ解析)であり、データ解釈は1項目、研究デザインは4項目、データ解析は2項目のチェック項目から成っていた。 全部で7個のチェック項目のうち、何らかの不備が見られた論文は85%にも及んでいた。全く不備のなかった論文の割合は15%ということになるが、インパクトファクター(IF)10以上の雑誌では33%、IF10未満の雑誌では10%と大きな開きがあった。特に、差異が有意であった項目は3つある。第一は、「入院中のイベントデータであることが正しく解釈されたか」である。その不備率は、42.7%(IF10未満)対16.7%(IF10以上)であった。第二は、「合併症を二次診断コードから適切に定義したか」である。不備率は、57.3%(IF10未満)対29.7%(IF10以上)であった。第三は、「クラスター・層構造・抽出重みをデータ解析で考慮したか」である。不備率は、71.9%(IF10未満)対41.7%(IF10以上)であった。 なお、データ解釈上の不備率は37.5%、研究デザイン上の不備率は2.5%~51.7%、データ解析上の不備率は65.8%~77.8%であった。 公的データベースを使った論文が、2年間で1,000件を超えることにまず驚いた。論文生産能率・効率の極めて高いことがわかる。データ利用の留意点が7項目とシンプルなことにも感心した。日本だと細かい条件が示されることが多いからだ。また、IFの高い雑誌では方法論上の査読も厳しいことがうかがわれた。とくにデータ解析の不備率が高いようなので、データベース解析では統計家と共同するほうが良いかもしれない。

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乳がんに初のCDK4/6阻害薬パルボシクリブ、国内発売

 ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:原田明久)は2017年12月15日、「手術不能又は再発乳」の効能・効果で、CDK4/6阻害薬パルボシクリブ(商品名:イブランスカプセル25mg/125mg)を発売した。 パルボシクリブは、サイクリン依存性キナーゼ4および6(CDK4/6)とサイクリンD複合体の活性を選択的に阻害する新しい作用機序を有する薬剤。CDK4/6を直接的に阻害するだけでなく、内分泌療法剤と併用することで、エストロゲン受容体の下流物質であるサイクリンDの発現抑制を介したCDK4/6の間接的阻害も加わり、抗腫瘍効果の増強が期待されている。 臨床試験において、HR陽性かつHER2陰性の進行・再発乳がん患者に対して高い有効性と忍容性が認められ、無増悪生存期間が標準治療と比較して約2倍延長することが示された。 パルボシクリブは、世界で初めて米国食品医薬品局(FDA)に承認されたCDK4/6阻害薬であり、米国をはじめ世界70ヵ国以上で承認され、70,000人以上の患者に使用されている。・効能・効果:手術不能又は再発乳・用法・用量:内分泌療法剤との併用において、通常、成人にはパルボシクリブとして1日1回125mgを3週間連続して食後に経口投与し、その後1週間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。・製造販売承認取得日:2017年9月27日・薬価収載日:2017年11月22日・発売日:2017年12月15日・製造販売元:ファイザー株式会社・薬価:25mg 5,576.40円、125mg:22,560.30円

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シェイクスピア答えてくれ!「IIb or not IIb, that is a question!」(中川義久 氏)-784

 シェイクスピアの名文句と言えば「To be or not to be, that is a question !」です。この解釈をめぐっては議論があるようですが、一般的には「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ!」と訳されています。循環器領域でシェイクスピアの言葉通りの危機に直面しているのが、心原性ショックを伴う多枝病変AMI患者です。この最重症カテゴリーの患者706名に対して、責任病変のみにPCIを施行する責任病変単独PCI群(段階的に非責任病変の血行再建術も許容)と、責任病変と同時に非責任病変に対してもPCIを施行する多枝PCI群にランダマイズしたCULPLIT-SHOCK試験の結果が、米国のデンバーで開催されたTCT2017で報告され、同時にNEJM誌に掲載されました。 30日以内の死亡・腎不全(腎代替療法)と定義された主要エンドポイントは、責任病変単独PCI群344例中158例(45.9%)に対して多枝PCI群341例中189例(55.4%)に認められました(相対リスク:0.83、95%信頼区間[CI]:0.71~0.96、p=0.01)。要約すれば、責任病変単独PCI群で死亡・腎不全リスクが有意に17%減少していました。つまりは、「AMI急性期のPCIは責任病変だけにしろ!」という教えが正しいとされたわけです。 ST上昇型急性心筋梗塞(STEMI)患者において、梗塞の責任血管のみへのPCI施行に比べて、引き続いて責任血管以外の狭窄への予防的PCIを施行することによって、心血管イベントを有意に低下させるとPRAMI研究は報告しています。本論文に対して小生は、『「AMI急性期のPCIは責任病変だけにしろ!」と私は教えられました』とのタイトルでコメントさせていただきました。コメントの趣旨はPRAMI研究の結論が循環器内科医に受け継がれてきた常識とは異なる方向性を持っていることを表現したものです。 PRAMI試験に加えてDANAMI3-PRIMULTI試験、そしてCvLPRIT試験と多枝同時介入の有効性を示唆した試験結果が報告されました。米国では、これらの一連の報告を受けて2015年の ACC/AHA/SCAI のSTEMI治療のガイドラインでは、多枝同時介入について推奨の度合いをClass IIIからClass IIbにアップデートしています。Class IIIは「Harm: 有害」であり、Class IIbは「may be considered: 考慮可」です。今回のCULPLIT-SHOCK試験の結論は、この変更を揺り戻す内容といえます。このCULPLIT-SHOCK試験は常識的な治療方針を強調しているものでガイドラインの方向性としては、よりふさわしいのではないかと筆者は考えます。次回のACC/AHA/SCAI のSTEMI治療のガイドラインでは、どのような扱いになるのか興味深いところです。おそらくガイドライン執筆担当者はこのようにつぶやくことでしょう。 「IIb or not IIb, that is a question!」

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救急外来 診療の原則集―あたりまえのことをあたりまえに

教育への情熱で磨かれたキーフレーズ+解説身体診察の祭典、JPC2015で参加者の心をわしづかみにした救急医の坂本氏の最新刊が登場。「簡単なようで難しい、身に着ければ強い―それが『あたりまえのこと』」というコンセプトのもと、著者の臨床知見をあますことなく掲載。研修医向けの教育講習を重ね、ベストチューターを受賞した著者だからこそわかる、救急現場で知っておかなくてはいけない内容満載です。具体的には、消化管出血、敗血症、肺炎、尿路感染症など全21章に分け、101項目(病歴聴取、病状説明、救急診療で遭遇する頻度が高い疾患や症候)の解説を加えています。研修医だけでなく、普段救急から遠ざかっている医療従事者も知識の確認に使える1冊です。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。    救急外来 診療の原則集―あたりまえのことをあたりまえに定価4,200円 + 税判型A5判(21×14.8×1.3cm)頁数327頁発行2017年11月著者坂本 壮Amazonでご購入の場合はこちら

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初回エピソード統合失調症の灰白質に対するω-3脂肪酸の影響

 初回エピソード統合失調症患者に対する追加療法としての、n-3多価不飽和脂肪酸(PUFA)使用に関連する皮質厚の変化について、ポーランド・ウッチ医科大学のTomasz Pawelczyk氏らが評価を行った。Schizophrenia research誌オンライン版2017年10月24日号の報告。 イコサペント酸エチル(EPA)およびドコサヘキサエン酸エチル(DHA)、またはプラセボ(オリーブ油)2.2g/dを含む濃縮魚油で26週間の介入を行う、二重盲検ランダム化比較試験を実施した。皮質厚の変化を評価するため、介入前後にMRIスキャンを行った。各対象者のT1強調画像は、FreeSurferを用いて解析した。 主な結果は以下のとおり。・適切な品質のデータが得られた対象者は29例であった。・統合失調症への関連を示唆する機能不全である、左脳半球のブロードマン7野と19野の頭頂後頭領域において、群間に皮質厚減少の有意な差を認めた。・本結果は、高齢者および軽度認知障害を有する患者において実施されたこれまでの研究結果を支持し、とくに統合失調症のような神経変性疾患の初期段階にn-3PUFAが神経保護作用を有することが示唆された。 著者らは「本結果が再現されれば、n-3PUFAは、統合失調症の長期治療において抗精神病薬の有望な併用薬として、臨床医に推奨される可能性がある」としている。■関連記事統合失調症とω3脂肪酸:和歌山県立医大統合失調症患者の暴力行為が魚油摂取で改善初発統合失調症患者の脳変化を調査

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