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エビデンスが本の中で踊っている【Dr.倉原の“俺の本棚”】第1回

【第1回】エビデンスが本の中で踊っている書評ってカタいイメージがあると思うんですけど、ここではその書評のイメージをぶっ壊してみます。医学書は楽しんで読もうぜ、みんな!『内科病棟・ER トラブルシューティング』高岸 勝繁/著 上田 剛士/監修. 金芳堂. 2017これは私がほうぼうで言っていることですが、医学書を買うときの一番大事なモチベーションは「焦燥感」です。とくに若手の場合はこれが大事。「なんだこの医学書、全部知ってること書いてんじゃん」と思いながら、数千円する医学書を買う必要なんてどこにもありゃしません。私がよかったと思う医学書は、「ああヤバイ」と読んで自分が焦る本です。膨大な情報量と著者の勉強量を目の当たりにし、医師としての自分の知識や能力に焦りを覚える本。『内科病棟・ER トラブルシューティング』の著者、高岸 勝繁先生は、そういう本を連発するバケモノです。モンスターです。いや、いくらなんでもアンタそんな言い方したら失礼だろ、と思われるかもしれませんが、実は彼と私は同じ研修医時代を過ごした戦友なのです(しかしこの言い訳が通じるのもそろそろ限界かッ…!)。ご存じの方も多いと思いますが、彼と監修の上田 剛士先生は、総合診療・救急の分野でめちゃめちゃキレる医師として名をはせています。いや、別に、すぐに怒るという意味じゃないですよ、頭の回転がスゴイということです。高岸先生は超がつくほどの勉強家で、ナニコレどこから集めたの?と言わんばかりの膨大なデータをブログでも公開しています。恐ろしいのは、それを臨床に還元できているということです。頭でっかちな論文大好きドクターではなく、得た論文のデータを臨床に体現できているんですよ。これって、やろうと思ってもなかなかできるもんじゃありません。本書は、その壮絶な勉強量から紡ぎだされたものです。内容はどちらかといえばクリティカルなテーマが多く、心肺停止から電解質異常までさまざまです。合計340ページあまりで、手に持つとかなりズッシリきます。驚くべきは、一つひとつの文章にエビデンスが息づいているということです。ナニコレ、「エビデンスが本の中で踊っている!」と思いながら読み進めていました。彦摩呂風に書くと、「エビデンスのブレイクダンスや~」です。……い、いかん、スベった!私の専門分野の肺エコーのところなんて、「肺エコー所見を肺CT所見に脳内で変換する」とサラっと書いてあって、おいおい、脳内で変換できる呼吸器内科医なんて全体の1%もいねぇよ!とツッコみながら読んでいました。また、恥ずかしながら、「肋間神経痛だね」と今までごまかされてきた胸痛の中にLower rib pain症候群があることを知りました。読んだ後、「もっと勉強しなきゃダメだ!」と焦燥感に奮い立つこと間違いありません。『内科病棟・ER トラブルシューティング』高岸 勝繁/著 上田 剛士/監修出版社名金芳堂定価本体5,200円+税頁数 縦342P 26cm刊行年月2017年12月

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高血糖はがん死亡に関連するが、非がん死亡とは関連せず

 高血糖はがん全体および特定のがんの発症率と関連し、糖尿病によるリスクとは異なる。フランスの大規模なプライマリケア集団(IPCコホート)において、これらの関連を全死因死亡や非がん死亡と比較し分析したところ、高血糖ががん死亡と有意に関連(とくに消化器がんと白血病)していたが、非がん死亡とは関連していなかった。またこの関連は、長期アスピリン治療を含む交絡因子を考慮しても維持された。Diabetologia誌オンライン版2018年1月5日号に掲載。 1991年1月~2008年12月に、16~95歳(平均±SD:男性44.8±12.0歳、女性45.1±14.2歳)の30万1,948人(男性19万3,221人、女性10万8,727人)がCenter Ipc Parisで健康診断を受けた。健康診断中に標準状態で収集したすべてのデータを統計分析に使用した。血糖測定を含むすべての検査は絶食条件下で行った。糖尿病を有する参加者(9%未満)は分析から除外した。参加者は、血糖値により五分位に分類され、全死因死亡、がん死亡、非がん死亡を評価するために、最大17年間(平均±SD:9.2±4.7年)追跡された。 主な結果は以下のとおり。・年齢と性別を調整後、がん死亡率と血糖の五分位の間に非線形の関係がみられた。・最も血糖値が高い群とがん関連死亡の間に有意な関連があった(多変量Coxモデル、ハザード比:1.17、95%CI:1.03~1.34)が、正常血糖群はがん死亡と関連はなかった。・血糖値と全死因死亡率または非がん死亡率との間に関連はみられなかった。・消化器がんと白血病において、最も血糖値が高い五分位で死亡の過剰リスクがみられ、糖尿病やアスピリン使用について調整した後も結果は変わらなかった。しかし、この過剰リスクは血糖降下薬使用で消失した(ハザード比:1.03、95%CI:0.74~1.43)。

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うつ病患者に対する地中海スタイルの食事介入に関するランダム化比較試験

 魚油を補充した地中海スタイルの食事が、うつ病成人患者のメンタルヘルスを改善できるかについて、南オーストラリア大学のNatalie Parletta氏らが、検討を行った。Nutritional neuroscience誌オンライン版2017年12月7日号の報告。 自己報告のうつ病成人患者を、2週間に1回の食料提供・3ヵ月間の地中海スタイル食の調理ワークショップ参加・6ヵ月間の魚油補充を実施した群(地中海食介入群)と対照群にランダムに割り付けた。メンタルヘルス、QOL、食物アンケート、赤血球脂肪酸分析のための血液サンプルの評価を、ベースラインおよび3ヵ月、6ヵ月の時点に実施した。 主な結果は以下のとおり。・対象は18~65歳の152例(地中海食介入群:75例、対照群77例)。・対象患者のうち、3ヵ月の評価では95例(地中海食介入群:54例、対照群41例)、6ヵ月での評価は85例(地中海食介入群:47例、対照群38例)が試験を完了した。・3ヵ月の時点で、地中海食介入群は以下の結果であった。●地中海食スコアが高い(t=3.95、p<0.01)●野菜の消費が多い(t=3.95、p<0.01)●フルーツの消費が多い(t=2.10、p=0.04)●ナッツの消費が多い(t=2.29、p=0.02)●マメ科植物の消費が多い(t=2.41、p=0.02)●全粒粉の消費が多い(t=2.63、p=0.01)●野菜が多様である(t=3.27、p<0.01)●スナック菓子の消費が少ない(t=-2.10、p=0.04)●赤身・鶏肉の消費が少ない(t=-2.13、p=0.04)●うつ病スコアの減少(t=-2.24、p=0.03)●メンタルヘルスQOLスコアの改善(t=2.10、p=0.04)・改善された食事とメンタルヘルスは、6ヵ月間持続した。・うつ病の減少は、地中海食スコア(r=-0.298、p=0.01)、ナッツの消費(r=-0.264、p=0.01)、野菜の多様性(r=-0.303、p=0.01)との相関が認められた。・他のメンタルヘルスの改善においても、同様な相関が認められ、野菜の多様性とマメ科植物消費の増加において最も顕著であった。・ω3脂肪酸の増加、ω6脂肪酸の減少、メンタルヘルス改善との間には、いくつかの相関が認められた。 著者らは「本試験は、健康的な食事へ変更することは達成可能であること、および魚油の補充はうつ病患者のメンタルヘルスを改善できることを示す、最初のランダム化比較試験の1つである」としている。■関連記事うつ病リスクが低下する日本人に適切な魚類の摂取量は魚をよく食べるほど、うつ病予防に:日医大うつ病予防に「脂肪酸」摂取が有効?

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ペットは老化の進行を抑制する?/BMJ

 動物との交遊は、老化の修正可能な特性である可能性があるが、高齢者がペットを飼うことと老化のバイオマーカーとの関連はほとんど知られていない。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのG. David Batty氏らは、約8,800例の高齢者を調査し、ペットの飼育は老化のバイオマーカーに影響を及ぼさないことを示した。研究の成果は、BMJ誌2017年12月13日号に掲載された。英国では高齢者の半数がペットを飼っており、オーストラリアの調査では高齢者の12%が「動物は交遊の主要形態」と答えているという。ペットの有無で11のバイオマーカーを比較 研究グループは高齢者を対象に、動物を飼うことと老化のバイオマーカーの関連を前向きに評価するコホート研究を行った(米国国立老化研究所と、英国経済社会研究会議が組織した政府機関の助成による)。 英国で進行中の全国的なコホート研究であるEnglish Longitudinal Study of Ageing(ELSA試験)へ2010~11年に登録された8,785例(平均年齢67歳[SD 9]、女性55%)を、約2年間フォローアップした(平均年齢69歳[SD 8])。 ペット(イヌ、ネコ、その他)の有無別に、老化との関連が確立されている11項目のバイオマーカー(身体機能、免疫学的機能、心理学的機能)との関連を評価した。すべてのバイオマーカーが、ペットの飼育と強い関連なし ベースライン時に対象者の約3分の1がペットを飼っており(イヌ1,619例[18%]、ネコ1,077例[12%]、その他274例[3%])、5,815例は飼っていなかった。ペットを飼っている高齢者は飼っていない高齢者に比べ、年齢が4~5歳若く、あまり運動しない者の割合がわずかに低く、喫煙者は多い傾向がみられた。イヌの飼い主は、孤独感が強く、健康状態が劣る傾向があった。 多変量で補正した解析では、ペットを飼っていることと、歩行速度、肺機能(1秒量)、椅子からの立ち上がり時間、握力、レッグレイズ(足上げ)、身体バランス、3つの全身性炎症のマーカー(C反応性蛋白、白血球数、フィブリノゲン)、記憶、うつ症状には関連がなかった。 イヌの飼い主はペットを飼っていない高齢者に比べ、歩行速度がわずかに遅く、椅子から立ち上がる時間が長かったが、肺機能はわずかに高かった。ネコの飼い主はその他のペットの飼い主に比べ、レッグレイズ検査に失敗する傾向がみられた。 著者は、「大小を問わず、動物と交遊することは、標準的な身体的、心理学的な老化のバイオマーカーとは基本的に関連しないことが示された」と結論している。

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心臓デバイス装着例へのMRI検査の安全性/NEJM

 米国では、心臓ペースメーカーや植え込み型除細動器(ICD)を使用中の患者は、デバイスが米国食品医薬品局(FDA)の規定する基準を満たさない限り、安全上の懸念からMRI検査を受けられないことが多く、FDA基準を満たすデバイスは「MRI-conditional(条件付きでMRI可能)」と呼ばれる。米国・ペンシルベニア大学のSaman Nazarian氏らは、このような条件を満たさず、FDAによりMRI禁忌とされる従来の心臓デバイス(レガシー・デバイス)の装着例で、MRI検査を受けた患者を前向きに調査し、臨床的に問題となる有害事象は発現していないと明らかにした。NEJM誌2017年12月28日号掲載の報告。有害事象、デバイスのパラメータの変化を検討 研究グループは、従来の心臓ペースメーカーまたはICD(レガシー・デバイス)を装着した患者におけるMRI検査の安全性を評価するプロスペクティブな非無作為化試験を行った(ジョンズ・ホプキンス大学と米国国立衛生研究所[NIH]の助成による)。 対象は、心臓ペースメーカーまたはICDを装着し、プライマリケア医および専門医によってMRI検査(1.5テスラ)が必要と判定され、2003年2月~2015年1月に試験に登録された患者であった。ペーシング・モードは、ペーシング依存の患者は非同期モードとし、それ以外の患者はデマンド・モードとした。頻脈性不整脈の治療機能は無効に設定した。 アウトカムは有害事象およびデバイスのパラメータの変動とした。MRI検査の直後に評価した有害事象には、ジェネレータの故障、パワーオン・リセット(バックアップ・モードへの自動的なリセット)、システムの更新やプログラミングの変更を要するペーシング閾値やセンシングの変化、バッテリーの消耗、心不整脈などが含まれた。デバイス・パラメータは、P波アンプリチュード(振幅)、右室および左室のR波アンプリチュード、心房および右室、左室のリード・インピーダンスなどであった。 1,509例が解析の対象となった。年齢中央値は69.3歳(IQR:57.7~78.1)で、女性が36%を占めた。心臓ペースメーカー装着が880例(58%)、ICD装着は629例(42%)であった。137例(9%)がペーシング依存だった。8件で一過性のリセットが発生、パラメータ変化は低頻度 全体の駆出率中央値は50%(IQR:30~60)で、冠動脈疾患が33%に認められた。冠動脈バイパス術が15%、大動脈弁置換術が4%、僧帽弁置換術が2%に施行されており、心臓再同期療法は11%に行われていた。 デバイス装着の理由は、症候性徐脈が31%、突然死の1次予防が26%、完全房室ブロックが11%、突然死の2次予防が9%、頻脈・徐脈症候群が7%であった。ジェネレータ埋め込み後の経過期間中央値は29ヵ月(IQR:12~52)だった。 MRI検査は2,103件行われ、このうち2回が320例(15%)、3回以上は274例(13%)であった。撮像領域は頭頸部が52%、腹部/骨盤が27%、胸部が12%、腕/脚が9%だった。 臨床的に意義のある有害事象の報告はなかった。9件(0.4%、95%信頼区間[CI]:0.2~0.7)のMRI検査時に、患者(8例)のデバイスがバックアップ・モードにリセットされた。このうち8件は、リセットが一過性であった。1例では、バッテリー残量が1ヵ月未満で、心室感知抑制ペーシングにリセットされ、再プログラムはできないため、その後デバイスの交換が行われた。 MRI検査直後にみられた最も頻度の高いデバイス・パラメータの顕著な変化(ベースラインから50%以上)は、P波アンプリチュードの減少であり、1%(13/1,347件)に認められた。 長期フォローアップ(期間中央値1年、IQR:0.5~1.7)が行われた958例(63%)の1,327件(63%)のMRI検査では、ベースラインからの変化が顕著なデバイス・パラメータのうち頻度の高いものとして、P波アンプリチュードの減少(患者の4%)、心房捕捉の閾値の上昇(4%)、右心室捕捉の閾値の上昇(4%)、左心室捕捉の閾値の上昇(3%)が認められた。 観察されたリード・パラメータの変化には、臨床的な意義はなく、デバイスの交換や再プログラミングを要することはなかった。

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大気汚染による高齢者への深刻な健康被害に警鐘を鳴らす!(解説:島田俊夫氏)-798

 大気汚染が大きな社会問題としてこれまでも論議されてきたことは周知の事実である。大気中の汚染微粒子状物質への暴露による冠動脈疾患への影響に関してもすでに多くの報告がみられる1,2)。わが国も大気汚染による健康被害の先進国としてこの問題に取り組んできた経緯がある。今日、急激に工業発展を遂げている地球の工場と化している中国の大気汚染は地球環境の崩壊につながりかねない深刻な問題である。Lancet誌のオンライン版2017年12月5日号に掲載された英国国立心臓・肺研究所のRudy Sinharay氏らにより報告された無作為化クロスオーバー試験は大気汚染による健康被害に警鐘を鳴らす、高齢者に的を絞った時宜を反映した興味深い論文であり私見をコメントする。 これまでの研究によれば大気汚染による長期暴露がCOPD患者の肺機能を悪化させ、短期であっても高汚染度大気への暴露は虚血性心疾患、COPDによる死亡を増加させることはすでに報告されている3)。本研究の要約 60歳以上の血管造影を受けた対象者中、安定虚血性心疾患と診断された患者またはGOLD基準ステージ2で6ヵ月間病態が安定なCOPD患者と年齢をマッチさせた健康ボランティアをコントロールとして無作為クロスオーバー試験を行った。12ヵ月以上禁煙継続中で、かかりつけ医師の指導下で投薬は継続された。被験者をロンドン中心部の商業地域(オックスフォード・ストリート:大気高汚染地域)と都市公園内(ハイドパーク:大気低汚染地域)の2群に無作為に振り分け2時間ずつ同様のウォーキングを実施。黒色炭素、微小および超微小粒子状物質、二酸化窒素を測定した。 COPD患者では咳が2倍、喘鳴が4倍に増加した。被験者はCOPD患者40例、虚血性心疾患39例、健康ボランティア40例で、黒色炭素、二酸化窒素、PM10、 PM2.5、超微粒子らの濃度は大気高汚染地域で低汚染地域に比べいずれも高値を示した。COPD患者では大気高汚染地域のウォーキング後、低汚染地域に比べ各オッズ比は咳:1.95(p<0.1)、 喀痰:3.15(p<0.05)、息切れ:1.86(p<0.1)、呼気性喘鳴:4.00(p<0.05)と増加した。 疾患の有無を問わず被験者全員で大気高汚染地域よりも低汚染地域のウォーキングで肺機能(1秒量、努力肺活量)の改善を認め、脈波伝播速度(PWV)、増大係数(AI)の減少が最大26時間にわたり持続した。 一方、大気高汚染地域のウォーキングではCOPD患者で1秒量、努力肺活量の増加がともに低汚染地域と比べ低下し、5Hzでの呼吸抵抗(R5)、20Hzでの呼吸抵抗(R20)の増加も低下し、ウォーキング中の二酸化窒素、超微粒子、PM2.5の濃度上昇との関連を認めた。PWV、AIの増加も二酸化窒素や超微粒子の濃度上昇と関連していた。コメント 大気汚染による影響は病人に限らず、健康人にさえ健康被害をもたらすことが明らかになり、大気汚染が万人の健康被害の原因となることが判明した。本論文は地球の大気汚染問題は真剣に取り組まなければ人類存亡の危機につながりかねない大問題に発展する可能性を秘めた内容であり、人類の責任において大気の浄化に専念することの重要性を強調している。言い換えれば、大気汚染、環境汚染は悪性腫瘍、血管障害などにより人類滅亡の危機を招く重大原因となり得る可能性に警告を発しているとも理解できる。

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満月の夜には死亡事故が多い(解説:折笠秀樹氏)-799

 Redelmeierらは1万3,000件ものオートバイによる死亡事故について、それは満月の夜に起こりやすいかどうかを調査した。満月の夜には1晩当たり9.10件の死亡事故が観察されたが、そうでない夜には1晩当たり8.64件にすぎなかった。わずか1.05倍という危険度だが、その差は偶然とは思えない、統計学的に有意な結果であった(p=0.005)。死亡事故の原因と目されている雨天・ヘルメット着用・性別・年齢などでは、両群に違いはなかった。つまり、他の交絡因子では説明できないということだ。 では、どうして満月の夜に死亡事故が多いのだろうか。運転中に満月の月光に気をとられて、事故を起こすとみられている。確かに、夜間のヘッドライトのまぶしさに危険を感じることはある。都市部より郊外で危険度が高いことから、まぶしさゆえかもしれない。スーパームーンでは、その危険度は1.32倍と高いことからもうなずける。 月をめぐってはいろんな逸話がある。満月の夜に変身する狼男、同じく月へ帰還するかぐや姫、月の引力で起きる満潮や干潮、月には神秘的な何かを感じる。経済学者のケインズが月を貨幣に例えたように、月は地球に住む人間にとって大切な存在でもある。お月見という牧歌的イメージがあると同時に、何か不気味なイメージもある。国別でも同じ結果になっているが、他の研究結果を待ちたいところだ。

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BiTE抗体ブリナツモマブ、B細胞性ALLに国内申請

 アステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社(本社:東京、代表取締役社長:スティーブ スギノ)とアステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長:畑中 好彦)は、アステラス・アムジェン・バイオファーマがCD19とCD3に二重特異性を有するT細胞誘導抗体製剤ブリナツモマブについて、日本で、再発又は難治性のB細胞性急性リンパ性白血病(ALL)の治療薬として製造販売承認申請を行ったと発表した。 同社のプレスリリースによれば、日本での製造販売承認申請は、海外第III相ランダム化試験(TOWER試験)を含む複数の海外試験および国内第Ib/II相試験結果に基づき行われた。ブリナツモマブはPh- B前駆細胞性成人ALL患者を対象にブリナツモマブと標準化学療法の有効性を検討した第III相無作為化試験TOWER試験で、成人の再発又は難治性のALL患者において、標準化学療法に対する全生存期間の延長が検証されている。 なお、ブリナツモマブは、2017年9月29日付で厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けている。

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医療勤務環境改善マネジメントシステム普及促進TOPセミナー開催のお知らせ

 長時間労働や当直、夜勤・交代制勤務などにより厳しい労務環境に置かれている医療従事者。働き方改革の機運が高まる中、医療現場にもより健康で安心して働くことのできる環境整備が求められている。厚生労働省は、「医療勤務環境改善マネジメントシステム」を活用した取り組みを推進するため、昨年より、医療機関の経営者や管理者を対象にしたセミナーを実施してきたが、その締めくくりとなるTOPセミナーが2月に東京で開催される。 セミナーでは、日本病院会会長で相澤病院最高経営責任者の相澤 孝夫氏や、厚労省「医師の働き方改革に関する検討会」の構成員などを務める裵 英洙氏(ハイズ株式会社代表取締役社長、慶應義塾大学特任教授)が登壇し、働き方改革をテーマにした講演などが予定されている。概要は以下の通り。<医療勤務環境改善マネジメントシステム普及促進TOPセミナー>日時:2018年2月3日(土) 13:30~16:45会場:AP浜松町 B1階F(東京都港区芝公園2-4-1芝パークビルB館地下1階)定員:200名申込期限:開催日の1週間前、もしくは定員に達した時点で受け付け終了参加のお申込みはこちらからお問い合わせ先:株式会社日本能率協会総合研究所(厚生労働省委託事業実施機関)本件担当:医療勤務環境改善マネジメントシステム普及促進セミナー事務局     河野(カワノ)TEL:フリーダイヤル0120-676-715 (平日10:00~17:00)

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勉強をすると認知症にならないって本当?(解説:岡村毅氏)-797

 メンデル無作為化試験により高い学歴が認知症発症の保護因子になることを示した論文である。かねてより認知予備能が高いと認知症になりにくいと言われていたので、遺伝子多型も含めた解析で改めて追認された形だ。 余談であるが、筆者の外来にも元大学教授などの患者さんが受診されることが多い。約束忘れや、時に迷子もみられるのに、「3つの言葉を覚えて、後で思い出す」(遅延再生)課題を何とかこなす方もいる。「えっ、できないと思っていた」という顔をすると、頼んでもいないのに「最初の文字を3つ唱えていたんですよ。計算している間もね。ボクは科学者だからそんなことは簡単なのさ」などと教えていただき、再びびっくりしたこともある。 テストは本能的にできるのである。でも生活能力は確実に、それなりに低下している。こういうとき、どのように評価すべきか、悩ましい。自分も将来若い医師に外来で嬉々として語っているのだろうな…とも思う。いずれにしても勉強(学問、研究)は、実社会では役に立たないなどとあまりバカにするべきではなくて、確実に私たちの脳を強靭化しているようだ! 水を差すようだが、本研究は詳細に読むと解析対象の全例がオートプシーで病理を確認されているわけではない。認知機能テストの影響を大きく受ける臨床診断では上記余談のごとく一筋縄ではいかないという臨床的限界を知ったうえで、本論文を堪能すべきであろう。 最後に、臨床家としては目の前の患者さん一人ひとりにとっての実存が重要だ。最高の学歴、頭脳の人でも、認知症になるときにはスパっとなるものだ。認知症になりたくないから、ドリルを嫌々する、その結果つまらない人生になる、という悪循環は避けるべきであろう。この論文の著者だってそういうことは一切言っていないはずなのだが、外来では、認知症を恐れてびくびくしながら生きている人、怪しげなマスコミ報道に踊らされているかわいそうな人が多いので、蛇足ながら書いた。「どうせ100年後には私もあなたもみんな死んでいるのである」(私の外来での決め台詞)、くらいに構えているほうが楽なのではないか。

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貧血と認知症の関係:韓国国民健康スクリーニング研究

 貧血が高齢者における認知症発症と関連しているか、韓国・ソウル大学のSu-Min Jeong氏らが調査を行った。Alzheimer's research & therapy誌2017年12月6日号の報告。 認知症および脳卒中でない66歳の高齢者3万7,900例を、NHIS-HEALS(韓国国民健康保険サービス-国民健康スクリーニングコホート)のデータベースを用いて抽出した。貧血(ヘモグロビン濃度:女性12g/dL未満、男性13g/dL未満)および貧血の重症度(軽度、中等度、重度)は、WHO(世界保健機構)の基準で定義した。認知症の発症は、ICD-10(国際疾病分類 第10版)の認知症診断コード(F00、F01、F02、F03、G30)で確認され、抗認知症薬を処方された患者とした。貧血による認知症発症のハザード比(HR)は、Cox比例ハザード回帰モデルを用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・性別、ベースラインの認知機能状態、BMI、喫煙、世帯収入、障害、うつ病、高血圧、糖尿病、脂質異常症で調整した後、貧血と認知症との間に有意な関連が認められた(調整HR:1.24、95%CI:1.02~1.51)。・貧血の重症度に応じた認知症発症率の調整HRは、軽度の場合1.19(95%CI:0.98~1.45)、中等度の場合1.47(95%CI:0.97~2.21)、重度の場合5.72(95%CI:1.84~17.81)であり、有意なp for trendが認められた(p=0.003)。 著者らは「貧血は、認知症発症の独立したリスク因子であり、重度においては顕著なリスク増加を伴うと考えられる」としている。■関連記事婚姻と認知症リスクに関するシステマティックレビューアルツハイマー病に対する新規ベンゾジアゼピン使用に関連する死亡リスクのコホート研究認知症発症への血圧の影響、ポイントは血圧変動:九州大

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VATS後の肺合併症の長期的影響

 肺がんは、中国におけるがん死亡の主要な原因であるが、同国における肺葉切除術後の肺合併症(pulmonary complicaions、以下PC)の発生率は15~37%にのぼる。さらに、PCが肺がん患者の長期生存に及ぼす影響の研究は少ない。中国Peking University Hospitalでは、術後NSCLC患者のPC発症、重症肺合併症(major pulmonary complicaions、以下MPC)の長期的影響などの特定を試みた。Journal of Thoracic Disease誌2017年12月号の掲載。 Peking University People’s Hospitalで2007年1月~2015年12月に胸腔鏡補助下手術(video-assisted thoracic surgery、VATS)を受けたNSCLC患者コホートのPCを後ろ向きに分析した。・対象患者:術前StageI~IIのNSCLC 828例(年齢18歳以上、ECOG PS0~1、術前補助化学療法施行患者・放射線療法患者などは除外)・評価項目: Kaplan-Meier法を用いたPCの長期予後への影響の解析。多変量ロジスティック回帰分析を用いたMPCの危険因子の解析。 主な結果は以下のとおり。・828例中139例(16.8%)でPCを発症、そのうち66例(8%)がMPC(air leakの遷延、胸腔穿刺を要する胸水貯留、重症肺炎など)であった。・PC発症患者は非発症者に比べ、ドレナージ期間および入院期間が長く(ドレナージ期間:9日対5日、p<0.001、入院期間:12日対6日、p<0.001)、周術期死亡率高かった(4.3%対0.4%、p=0.001)。・MPC発症患者の無病生存期間(DFS)は非発症者に比べて短く、3年DFS率は68.2%対 78.7%、5年DFS率は44.7%対 70.3%であった(p=0.001)。・MPC発症患者の全生存期間(OS)は非発症者に比べて短く、3年OS率は81.8%対88.6%、5年OS率は66.6%対80.9%であった(p=0.023)。・MPCは肺がん患者の独立した予後因子であった。・MPCの独立危険因子は年齢(HR:1.05、p=0.007)、男性(HR:3.33、p=0.001)、およびASA(アメリカ麻酔学会)グレード(ASA2[HR:4.29、p=0.001]、ASA3[HR:6.84、p=0.002])であった。■参考Shaodong Wang, et a;. J Thorac Dis. 2017 Dec.

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卵の食べ過ぎ、がん死亡率と関連~日本人女性

 NIPPON DATA80のデータ(14年間追跡)では、日本人女性において、卵の摂取量が年齢調整後の血清総コレステロール(aTCH)および全死亡と関連し、男性では関連しなかったことが報告されている。今回、これらの関連について、別の日本人女性のコホート(NIPPON DATA90)で再評価した結果、卵の摂取量とがん死亡・全死亡との関連が示された。この結果から、卵の摂取量を減らすことが、少なくとも日本人女性にとっていくつかの明確な健康ベネフィットとなる可能性が示唆された。European journal of clinical nutrition誌オンライン版2017年12月29日号に掲載。※NIPPON DATA:国が実施した全国調査である循環器疾患基礎調査対象者の長期追跡研究(コホート研究)で、1980年循環器疾患基礎調査の追跡研究がNIPPON DATA80、1990年循環器疾患基礎調査の追跡研究がNIPPON DATA90卵週1~2個群のがん死亡は卵1日1個群よりも有意に低かった NIPPON DATA90研究グループでは、卵の摂取量とaTCH、原因別および全死亡との関連を、NIPPON DATA90データを用いて分析した。栄養調査は1990年のベースライン時に食物摂取頻度調査および秤量法食事記録を用いて実施された。脳卒中・心筋梗塞の既往のない30歳以上の女性4,686人(平均年齢52.8歳)を15年間追跡した。 卵の摂取量と死亡原因の関連を分析した主な結果は以下のとおり。・参加者を卵の摂取量で5群(週1個未満、週1~2個、2日に1個、1日1個、1日2個以上)に分け、それぞれ203人、1,462人、1,594人、1,387人、40人であった。・卵の摂取量はaTCHに関連していなかった(p=0.886)。・追跡期間中、心血管疾患死亡183例、がん死亡210例、全死亡599例が報告された。・背景因子を調整したCox分析で、卵の摂取量は全死亡とがん死亡に直接関連していた(1日1個群に対する1日2個以上群のハザード比:全死亡では2.05[95%CI:1.20~3.52]、がん死亡では3.20[95%CI:1.51~6.76])。・週1~2個群のがん死亡は1日1個群よりも有意に低かった(ハザード比:0.68、95%CI:0.47~0.97)。・卵の摂取量は心血管疾患死亡と関連していなかった。

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高齢者の大気汚染物質への曝露、基準値以下・短期でも死亡リスク増/JAMA

 微小粒子状物質(PM2.5)や暖候期オゾンへの曝露について、現行の米国環境大気質基準(National Ambient Air Quality Standards:NAAQS)よりも低濃度かつ短期間であっても、死亡リスクの上昇と有意に関連していることが明らかとなった。米国・ハーバード大学公衆衛生大学院のQian Di氏らが、メディケア受給者を対象としたケース・クロスオーバー研究の結果を報告した。米国環境保護局は5年ごとにNAAQSを再検証しているが、非監視地域や感受性が高い集団における、現在のNAAQS基準を下回るレベルの大気汚染での死亡リスクに関するエビデンスは不足していた。結果を踏まえて著者は、「現行のNAAQS基準を見直す必要があるだろう」と提言している。JAMA誌2017年12月26日号掲載の報告。メディケア受給高齢者を対象にケース・クロスオーバー研究を実施 研究グループは、2000年1月1日~2012年12月31日に郵便番号数で計3万9,182の地区に居住する全メディケア受給者を対象に、ケース・クロスオーバーデザインおよび条件付きロジスティック回帰分析により、2汚染物質モデルにおいて、PM2.5とオゾンの短期曝露量(死亡日および死亡前日の1日平均曝露量)と死亡率との関連を評価した。PM2.5とオゾンの1日平均曝露量は、すでに公表され検証済みの大気汚染予測モデルを用いて推定した1km2あたりの曝露量から、居住地の郵便番号に基づいて算出した。暖候期オゾンは、毎年4~9月の期間とした。 主要評価項目は、2000~2012年における全メディケア受給者の全死因死亡率であった。PM2.5が10μg/m3、オゾンが10ppb増えるごとに死亡率が上昇 研究期間中の症例日(死亡)は約2,200万日(2,243万3,862例)、対照日は約7,600万日(7,614万3,209例)であった。 全症例日および対照日のうち、PM2.5が25μg/m3未満であったのは93.6%で、この期間中に死亡の95.2%(2,135万3,817/2,243万3,862例)が発生した。また、オゾン濃度が60ppb(ppbは10億分の1)未満であったのは91.1%で、この期間中に死亡の93.4%(2,095万5,387/2,243万3,862例)が発生した。ベースライン日の1日死亡率(/100万人)は、年間では137.33、暖候期では129.44であった。1日死亡率は、短期のPM2.5曝露量(オゾンで補正)が10μg/m3増加するごとに1.05%(95%信頼区間[CI]:0.95~1.15)、暖候期オゾン曝露量(PM2.5で補正)が10ppb増加するごとに0.51%(95%CI:0.41~0.61)、いずれも有意に増加した。1日死亡率(/100万人)の絶対リスク差は、それぞれ1.42(95%CI:1.29~1.56)および0.66(95%CI:0.53~0.78)であった。曝露-反応関係における閾値のエビデンスは認められなかった。 なお、著者は、メディケア受給者の大半が65歳以上で、死因については検討しておらず、実際に死亡した場所は不明であり、利用したデータは5年近く前のものであるなどの点で、今回の研究には限界があると述べている。

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高齢者のCaやビタミンD補給、骨折を予防せず/JAMA

 自宅で生活する高齢者について、カルシウム、ビタミンD、またはその両方を含むサプリメントの使用は、プラセボや無治療と比較して骨折リスクの低下と関連しないことが、中国・天津病院のJia-Guo Zhao氏らによるシステマティックレビューとメタ解析の結果で明らかにされた。骨粗鬆症関連の骨折による社会的および経済的負荷が世界的に増加しており、骨折を予防することは公衆衛生上の大きな目標であるが、カルシウム、ビタミンDまたはそれらの併用と、高齢者における骨折の発生との関連性については、これまで一貫した結果が得られていなかった。著者は、「施設外で暮らす一般地域住民である高齢者に対し、こうしたサプリメントの定期的な使用は支持されない」と結論付けている。JAMA誌2017年12月26日号掲載の報告。カルシウム/ビタミンDとプラセボ/無治療を比較した無作為化試験についてメタ解析 研究グループは、PubMed、Cochrane Library、Embaseを用い、「カルシウム」「ビタミンD」「骨折」のキーワードで2016年12月24日までに発表された論文を系統的に検索し、システマティックレビューおよびメタ解析を行った。 組み込まれた研究は、50歳以上の地域在住高齢者を対象とした、カルシウム・ビタミンD・カルシウム+ビタミンD併用サプリメントとプラセボまたは無治療とで骨折の発生を比較した無作為化臨床試験。なお、新たに公表された無作為化試験の追加検索を、2012年7月16日~2017年7月16日の期間で実施した。 2人の独立した研究者がデータを抽出し、研究の質を評価した。メタ解析では、ランダム効果モデルを用いてリスク比(RR)、絶対リスク差(ARD)、95%信頼区間(CI)を算出した。 主要評価項目は股関節骨折で、副次評価項目は非脊椎骨折、脊椎骨折および全骨折であった。カルシウム、ビタミンD、またはその併用は、骨折リスクと関連なし 33件の無作為化試験(計5万1,145例)が、基準を満たし組み入れられた。プラセボ/無治療と比較し、カルシウム/ビタミンD使用と股関節骨折リスクとの有意な関連は認められなかった。カルシウム使用群のRR:1.53(95%CI:0.97~2.42)、ARD:0.01(95%CI:0.00~0.01)、ビタミンD使用群のRR:1.21(95%CI:0.99~1.47)、ARD:0.00(95%CI:-0.00~0.01)。 同様に、カルシウム+ビタミンD併用群も股関節骨折リスクと関連していなかった(RR:1.09[95%CI:0.85~1.39]、ARD:0.00[95%CI:-0.00~0.00])。また、カルシウム、ビタミンD、またはカルシウム+ビタミンD併用は、非脊椎骨折、脊椎骨折または全骨折の発生とも有意な関連は確認されなかった。 サブグループ解析の結果、これらの結果は、カルシウム/ビタミンDの用量、性別、骨折歴、食事からのカルシウム摂取量、ベースライン時の血清25-ヒドロキシビタミンD濃度にかかわらず一貫していることが示された。

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カナキヌマブ投与によるCRP低下と心血管イベントの関連:CANTOS無作為化比較試験の2次解析(解説:今井 靖 氏)-796

 カナキヌマブは、インターロイキン-1β(IL1β)に対するモノクローナル抗体であるが、CANTOS試験(Canakinumab Anti-Inflammatory Thrombosis Outcomes Study)はこのカナキヌマブ(3用量[50mg、150mg、300mg])およびプラセボを割り付け3ヵ月に1回皮下注射を行う無作為化比較対照試験で、心筋梗塞の既往がある炎症性アテローム性動脈硬化症患者に、標準治療(脂質低下治療を含む)に加えて追加投与がなされた。その結果として、主要心血管イベント(MACE[Major Adverse Cardiovascular Event]:心血管死、非致死性心筋梗塞および非致死性脳卒中からなる複合エンドポイント)の発現リスクがプラセボ群に比べ有意に15%低下することが示され(150mg、300mg投与群で有効性が証明された)、昨年秋に大いに話題となった。またそのような心血管イベント抑制のみならず、事前に規定された盲検化での悪性腫瘍に関する安全性評価において、カナキヌマブ投与患者ではプラセボ群に比較し肺がんによる死亡率を77%、発症率を67%低下させたと報告されており、炎症低下抑制薬が動脈硬化性疾患、がん治療に導入される可能性・将来性を示した画期的な研究といえる。 今回はこのCANTOS試験の2次解析であるが、どのような患者群が治療に最も奏効するのか、また炎症マーカーである高感度CRPの低下が各々の患者の臨床効果と相関するのかを明らかにするために、事前に規定されていた研究を報告するものである。著者らは、カナキヌマブの主要心血管イベント、心血管死亡、全死亡率に対する効果について治療時における高感度CRPに基づいて評価した。また、到達した高感度CRP値に関連する背景因子を補正するために多変量解析モデルを用い、残存する交絡因子の大きさを確認するために多変量感受性解析を行った。追跡期間のメディアンは3.7年であった。患者の基礎背景に大きな相違は認められなかった。しかしながらカナキヌマブに割り付けられ、高感度CRPが2mg/L未満に到達した患者では主要心血管イベントが25%低下した(多変量解析における補正ハザード比=0.75、95%信頼区間:0.66~0.85、p<0.0001)。しかし、高感度CRPが2mg/L以上であった症例では明らかな有効性は示されなかった。同様に高感度CRPが2mg/L未満に到達した患者においては心血管死亡 (補正ハザード比=0.69、95%信頼区間:0.56~0.85、p=0.0004) 、全死亡 (補正ハザード比=0.69、0.58~0.81、p<0.0001)と低下し、両者とも31%のリスク比低下が得られているが、高感度CRPが2mg/L以上であるものでは効果が認められなかった。同様に、用量、交互作用等も考慮に入れた解析において、予定外の冠動脈血行再建を要する不安定狭心症による入院のような事前に規定されていた副次エンドポイント、高感度CRPのメディアン、高感度CRPの50%以上の低下(半減)、高感度CRPのメディアン%の低下においても臨床的有意差が確認された。 この研究から、カナキヌマブの単回投与による高感度CRPの低下度は、繰り返す治療から最大の効果が最も得られる患者を検出する、最もシンプルな方法といえる。また、カナキヌマブにより“炎症が低く抑えられれば抑えられるほどより良い”ということも示された点で意義深い。

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2018年を迎えて【Dr. 中島の 新・徒然草】(203)

二百三の段 2018年を迎えて皆さま、新年おめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。2018年というのは、なんと平成30年! 私のような世代にとっては、驚くべきことです。昭和の最後となった日、当時の小渕恵三官房長官が「平成」と書かれた額を掲げていたのもさほど昔だという気がしません。あれからバブル時代を経て「失われた20年」に突入し、失業率も一時は5%以上になってしまいました。最近になってようやく景気が回復しつつあり、失業率は2.8%にまで下がっています。3万人以上が続いていた日本の自殺者数もどんどん下がって、もうすぐ2万人を切りそうな状況です。このままいい方向に向かってもらいたいですね。身の回りで景気回復を実感するのは、クリスマスの人出の多さ。昨年の12月25日に病院から帰宅しようとすると、大阪市内中心部はどこもかしこも車だらけで回り道せざるを得ませんでした。また、事務方によれば、公務員人気にも陰りが出はじめているそうです。景気回復とともに公務員になりたい人が減り、メディアが各自治体の応募者獲得合戦を報じるのも頷けます。医療界は景気と関係なく慢性的な人手不足で、全員が走り回っているのはいつものこと。それでも世間一般の景気が良くなるのは喜ばしいことです。私自身、去年はこれといって目標を立てませんでした。何か達成したというわけではありませんが、大過なく過ごせたのは何よりです。明るく前向きに日々生きていくこと、それを第一に心がけたいと思います。ということで本年最初の1句朝空に 輝く1年 感じとり

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韓国人うつ病患者における3種類の抗うつ薬の6週間ランダム化比較試験

 韓国のうつ病患者におけるエスシタロプラム、パロキセチン、ベンラファキシンの有効性、安全性を比較するため、韓国・カトリック大学校のYoung Sup Woo氏らが、検討を行った。Clinical psychopharmacology and neuroscience誌2017年11月30日号の報告。 韓国人うつ病患者449例を対象として、エスシタロプラム、パロキセチン、ベンラファキシン治療にランダムに割り付けた、6週間のランダム化単盲検実薬対照試験を実施した。 主な結果は以下のとおり。・6週間のMADRS(モンゴメリ・アスベルグうつ病評価尺度)総スコアの平均差を比較すると、パロキセチンは、エスシタロプラムよりも有意に優れていた(-6.4±0.4 vs.-3.7±0.5)。・6週間のHDRS(ハミルトンうつ病評価尺度)総スコアの平均差を比較すると、パロキセチンは、エスシタロプラムよりも有意に優れていた(-5.4±0.4 vs.-3.1±0.4)。・ベンラファキシンのMADRS総スコア(-5.4±0.4)は、エスシタロプラムよりも有意に低かった。・ベースライン変数で調整した際、パロキセチン群のMADRSおよびHDRSスコアによる治療反応は、エスシタロプラム群よりも有意に大きかった(MADRS[OR:2.43、95%CI:1.42~4.16]、HDRS[OR:2.32、95%CI:1.35~3.97])。・また、パロキセチン群は、ベンラファキシン群との比較においても同様に、有意に大きい治療反応を示した(MADRS[OR:1.94、95%CI:1.17~3.21]、HDRS[OR:1.71、95%CI:1.03~2.83])。・各群の全体的な忍容性は高く、類似していたにもかかわらず、268例(59.7%)が早期に治療を中止していることが、本研究の主要な限界である。 著者らは「本研究の治療完了率が低く一般化可能性は制限されるものの、韓国のうつ病患者において、パロキセチンがエスシタロプラムよりも優れている可能性があることが示唆された。明確な結論を導くためには、さらなる研究が行われるべきである」としている。■関連記事うつ病の薬物治療、死亡リスクの高い薬剤は早期改善が最も期待できる抗うつ薬はたった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能

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