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遺伝性ジストニア〔Dystonia〕

1 疾患概要■ 概念・定義ジストニアは、捻転性・反復性のパターンを持った異常な筋収縮により姿勢や動作が障害される病態と定義されているが、その本態は姿勢や自動運動など意識せずに遂行できる運動のプログラム単位の異常ということができる。(1)動作(または姿勢)特異性、(2)一定のパターンを持った動作である、(3)感覚トリックを有する(たとえば軽く健側の手で患側の手を触れることで症状が軽減するなど)という3点がそろう不随意運動である。過去には心因性疾患の1つとして捉えられることも多かったが、現在では基底核疾患の1つとされている。ジストニアを主徴として遺伝性を示す疾患には(1次性)遺伝性ジストニアと遺伝性神経変性疾患、遺伝性代謝疾患がある。遺伝性ジストニアは浸透率の低いものが多く、孤発性とみなされているものも多い。また、同じ遺伝子による病態であっても発症年齢などによる修飾が大きく同じ疾患と診断できない場合も多いとされている。■ 疫学難治性疾患研究の「ジストニアの病態と疫学に関する研究」研究班での調査によると、ジストニアの頻度は人口10万人あたり15~20例とされ、その中で遺伝性ジストニアの頻度は人口10万人あたり0.3例とされている。わが国における遺伝性ジストニアではDYT5ジストニア(瀬川病)の頻度が最も高く、次いでDYT1ジストニアが多いとされている。確定診断は遺伝子診断で行うが、「神経疾患の遺伝子診断ガイドライン2009」(日本神経学会)に示された手順に準じて行う必要がある。■ 病因ジストニアの発症メカニズムとしては、特定の姿勢や自動運動に際して不必要な筋の活動が見られ、基底核運動ループの筋を収縮させる直接路とその周辺の筋を抑制する間接路のバランスの破綻が想定されている。同じ基底核疾患であるパーキンソン病が、ドパミンの相対的な欠乏によって運動が遅く、小さくなるのと逆であるといえる。ジストニアにおいて、遺伝性ジストニアと孤発性ジストニアの原因がどう異なっているかは、まだ解明されていない。よって、両者の区分も実際は非常に難しく、遺伝性の判別が比較的容易であった発症年齢の若いタイプのジストニアから順に抽出され、定義され、遺伝性ジストニアというカテゴリーが確立されてきたといえる。よって、いまだ見出されていないタイプの遺伝性ジストニアが存在する可能性が示唆され、孤発性として分類されているものがあると予想される。■ 症状遺伝性ジストニアにおいて、DYTシリーズでは現在1~20まで分類があり、本稿では比較的頻度が高く、治療法の報告がある群を中心に症状を述べる。DYT1ジストニアは、全身性捻転性ジストニアで10歳前後の発症の場合に考慮すべきジストニアである。ジストニアが下肢か腕から始まり、全身に広がる。下肢発症の症例のほうが、より若年発症で全身に広がる頻度が高いといえる。進行により罹患部位の変形を来す。瀬川病(DYT5)は、わが国で発見されたドーパ反応性の遺伝性ジストニアで、常染色体優性遺伝形式をとるが不完全浸透で女性優位(4:1またはそれ以上)に発症する。家系により遺伝子変異部位は異なる。発症年齢は10歳以下が多く、下肢ジストニアで発症し、歩行障害を示す。体幹捻転の要素はない。尖足、内反尖足などの足の変形が多い。著明な日内変動を示し、昼から夕方にかけて症状が悪化し、睡眠によって改善する。固縮、姿勢時振戦があり低用量のL-dopaにより著明に改善する。DYT8ジストニア(発作性非運動誘発性ジスキネジア1)は、不完全浸透の常染色体優性遺伝であり、小児期に発症する。非運動誘発性の発作性のジストニア、舞踏アテトーゼが症状で、一側の上下肢に生じることが多いが、両側のことも体幹や顔面を含むこともある。アルコール・カフェイン摂取、緊張感、疲労などが誘因になるとされる。DYT10ジストニアは、反復発作性運動誘発性ジスキネジアであり、常染色体優性で小児期から成人期に発症する。急激な随意運動に伴って発作性のジストニアを一側の上下肢に生じ転倒する。両側のこともある。10~30秒で5分を超えない発作を1日に数十回~数日に1回の頻度で繰り返すとされる。DYT11ジストニアは、不完全浸透の常染色体優性遺伝で、小児期~青年期にミオクローヌスとジストニアを来す。ミオクローヌスは頸部、上肢に見られ、ジストニアは捻転ジストニア、頸部ジストニア、書痙などである。アルコールで著明に改善するとされており、精神科的異常を伴うことが多いとされる。DYT12ジストニアは、不完全浸透の常染色体優性遺伝であり、14~45歳に急性に発症し、数分~1ヵ月で症状は完成し、症状が固定するとされる。顔面口部に強いジストニアを呈する。肉体的あるいは心理的なストレスの後に発症する傾向がある。DYT18ジストニアは、小児期に発症する。運動練習、持続的な運動、とくに歩行の後でジストニア、舞踏アテトーゼ、バリスムなどの不随意運動を生じる。てんかん発作を伴うものが多い。頭部MRI検査で多系統萎縮症様の被殻尾側の異常所見やFDG-PET検査で異常側視床の取り込み低下を認める。■ 分類遺伝性ジストニアは、遺伝様式、ジストニアの発症年齢、全身性か局所性か、持続性か発作性かで分類される(表)。表 遺伝性ジストニアの分類I 1次性捻転ジストニア1)全身性ジストニアDYT1ジストニア、DYT2ジストニア、 DYT17ジストニア2)局所性・分節性ジストニアDYT4ジストニア、DYT6ジストニア、 DYT7ジストニア、DYT13ジストニアII ジストニア-パーキンソニズム1)ドパ反応性ジストニアDYT5ジストニア・DYT12ジストニア・DYT16ジストニア2)ミオクローヌスジストニアDYT11ジストニア・DYT15ジストニアIII 発作性ジストニアDYT8ジストニア・DYT9ジストニア・DYT10ジストニア・DYT18ジストニア・DYT19ジストニア・DYT20ジストニアIV 2次性ジストニア1)神経変性疾患(遺伝性神経変性疾患、遺伝性代謝性疾患に伴うジストニア)で頻度の高い疾患DYT3ジストニア・SCA1、2、3、17、PARK2、6、15、家族性痙性対麻痺、PANK(pantothenate kinase associated neurodegeneration)、有棘赤血球舞踏病、ハンチントン病、レーバー病、GM1ガングリオシドーシス、GM2ガングリオシドーシス(テイ・サックス病)、ニーマン・ピック病C型、レット症候群2)代謝性疾患ウィルソン病■ 予後ジストニア自体で生命が脅かされることはない。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)先述のように、「神経疾患の遺伝子診断ガイドライン2009」(日本神経学会)に示された手順に準じて、確定診断は遺伝子診断で行う必要がある。DYT1は、常染色体優性遺伝で原因遺伝子は9q34の150kbの領域に位置しており、TorsinA遺伝子のアミノ酸コード領域中のCAG欠失が見出された。この変異がDYT1の原因である。DYT5は、日本の瀬川 昌也氏らによってはじめて報告された。常染色体優性遺伝をとるが不完全浸透で女性に多い。GCH1遺伝子上の機能喪失型変異によって引き起こされることがわかっている。GCH1遺伝子は、ドパミン合成速度を制御する機能を持つ。GCH1遺伝子の機能喪失型変異による酵素活性の不足は、黒質線条体のドパミン作用性ニューロンにおけるドパミン減少を導き、このようなドパミン減少によってジストニア症状が引き起こされていると推測されている。これまでGCH1遺伝子には60以上の異なった変異が報告されている。このような高い変異率が実現されるメカニズムはいまだ不明である。DYT8は、不完全浸透型の常染色体優性遺伝形式を示し、原因遺伝子はMR-1(MIM609023)である。DYT10の原因遺伝子はPRRT2(proline-rich transmembrane protein 2)である。DYT11は、不完全浸透型の常染色体優性遺伝形式を示し、病因遺伝子産物はSGCE(ε-sarcoglycan)で平滑筋、神経系に分布する。DYT12は不完全浸透型の常染色体優性遺伝形式を示し、原因遺伝子はATP1A3である。DYT18は常染色体優性遺伝形式を示し、原因遺伝子はSLC2A1である。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)局所性ジストニアの場合は、ボツリヌス治療が第1選択となる。とくに眼瞼痙攣と痙性斜頸に対するボツリヌス治療は高いエビデンスがある。ボツリヌス治療以外の薬物治療としては、眼瞼痙攣などの顔面ジストニアに対しては塩酸トリヘキシフェニジル(商品名:アーテン、トレミン)などの抗コリン薬、クロナゼパム(同:リボトリール、ランドセン)、ジアゼパム(同:ダイアップ)などのベンゾジアゼピンの効果が報告されている。痙性斜頸に対しては抗コリン薬、クロナゼパムやジアゼパムなどのベンゾジアゼピン、バクロフェン(同:ギャバロン、リオレサール)などが使われる。重症例では脳深部刺激療法(DBS)も考慮される。書頸などの上肢ジストニアにおいても、他の局所ジストニアと同様の内服治療を行う以外に、神経ブロックなどが効果的な場合もあるが、有効性は低いといわれている。全身性ジストニアにおいても、特定部位の筋弛緩が生活の質の改善または合併症の進行予防にボツリヌス治療は有効である。また、DYT1は淡蒼球のDBSが著効を呈する。DYT5などのドパ反応性ジストニアは少量のL-dopa(同:ドパストン、ドパゾール)が劇的に奏効する。ボツリヌス毒素の筋肉注射治療は、大量反復投与では毒素に対する抗体産生が作用を無効化するため問題になる。なお、使用に当たっては講習会出席により得られる資格が必要である。4 今後の展望ジストニアに対するボツリヌス治療単独では、治療困難な例も多く、そのような治療抵抗性のジストニアに対しては薬物治療の併用がすすめられる。ゾルピデム(商品名:マイスリーほか)は不眠症などの治療に用いられるが、50~70mg/日という高濃度のゾルピデム治療が視床や視床下核のGABAA受容体に結合し、また淡蒼球にもなんらかの影響を及ぼす結果、大脳基底核-視床-大脳皮質運動野の経路を直接的に、あるいは間接的に改善することでジストニアの治療につながっている可能性があり、治療抵抗性のジストニアに対し、ゾルピデムによる治療も新たな治療方法として期待できる。5 主たる診療科神経内科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報難病情報センター 遺伝性ジストニア(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)1)梶龍兒ほか. 臨床神経. 2008;48:844-847.2)田宮元. Brain Nerve. 2005;57:935-944.3)長谷川一子. ジストニア. 中外医学社;2012.p.20-52.4)梶龍兒 編集. ジストニアのすべて―最新の治療指針. 診断と治療社;2013.p.93-94.公開履歴初回2018年06月26日

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装置での処方薬交付がOK! 「ピックアップターミナル」って何?【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第3回

薬局の開局時間外の患者さん対応は、悩ましい問題の1つです。患者さんの不安や不便を解消してあげたい気持ちはあるけれど、従業員の勤務時間や業務量など、さまざまな問題が絡んでいるのが現状です。そんな時間外対応について、行政から新たな見解が示されました。経済産業省は11日までに、調剤薬局の営業時間外に、調剤済み医薬品を薬剤師や従業員ではなく専用の「装置」で患者に渡す新たなサービスについて、薬局管理者の義務を定めた医薬品医療機器法第8条の「規定に抵触しない」とする厚生労働省の見解を公表した。企業が実施したい事業が違法であるかどうかなどを個々に確認する「グレーゾーン解消制度」を通じ、事業者(非公表)から照会を受けていた。(RISFAX 2018年6月12日付)この「グレーゾーン解消制度」とは、事業者が新規事業を計画したけれど既存の規制に抵触するか不明確な場合に、事業が発展するという目的があれば、事業所管省庁を窓口として照会し、関連省庁に確認してもらえる制度です。今回の照会内容は、「薬剤師があらかじめ処方内容を監査、対面での服薬指導を実施した後、薬剤を自動搬入・払出装置に保管してピックアップターミナルを介して交付するサービスが医薬品医療機器等法第8条に抵触するかどうか」でした。つまり、対面ではなく装置を介した薬剤の交付の可否を確認しています。「直接の授与と同視」できる方法なら規制に抵触しない前もって処方監査や服薬指導をしているという点と、ピックアップターミナルという装置を介して患者さんに薬を交付するという点がポイントのように思います。まず、薬剤師は薬剤の調製前に残薬や他剤の使用状況の確認、監査を行い、必要があれば疑義照会します。そして対面で服薬指導して、問題がないことを確認し、あとは薬を調剤して交付するだけの状態にします。次に、調剤した薬剤を調剤室内の自動搬入・払出装置に保管します。患者さんはこの自動搬入・払出装置とつながっているピックアップターミナルから薬を受け取ります。ピックアップターミナルはいわば「薬の取り出し口」で、患者さん本人へ確実に交付される仕組みです。待合室内や薬局の外への設置が想定されていて、すでに米国では実施されています。イメージとしては、調剤室とつながっている宅配ボックスのようなものでしょうか。今回の厚生労働省の見解により、「ピックアップターミナルは薬剤師による患者への直接の授与と同視しうる程度に、当該薬剤の品質の保持や、患者本人への確実な授与を確保するとしていることから、医薬品医療機器等法第8条の規定に抵触しない」とされました。温度管理はどう担保されているのか、本人確認はどうするのか、装置の値段はいくらか、本当に外に置いてもいいのか―など、気になることも多々ありますが、開局時間外対応のバリエーションは増えそうです。「調剤室は閉めるけど、その近くまで患者さんが立ち入りできる所」が考えられるので、まずはショッピングモールや駅ビルなどの薬局でしょうか。薬局のサービスに関する照会はこれまでにもありました。2017年には「薬剤師が患者に薬剤の調製前に服薬指導を行い、その後、調剤した薬剤の郵送などを行うサービス」が規制に抵触しないことが明らかになり、実際にそのサービスを展開している薬局もあります。薬局や薬剤師の業務が法律で規定されているため、サービス拡大は簡単ではありませんが、患者さんへの薬の交付が「直接の授与と同視しうる程度」の質を確保することによって、サービスを広げられる可能性がありそうです。

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新たな点眼薬、アデノウイルス結膜炎に効果

 急性アデノウイルス結膜炎に対する、ポビドンヨード(PVP-I)0.6%/デキサメタゾン0.1%懸濁性点眼液の有効性および安全性を評価する多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験(第II相臨床試験)が行われ、米国・セントルイス・ワシントン大学のJay S. Pepose氏らが結果を報告した。PVP-I/デキサメタゾンは安全性および忍容性が良好で、プラセボと比較し臨床的寛解率およびアデノウイルス除去率を有意に改善することが認められたという。American Journal of Ophthalmology誌2018年オンライン版5月19日号掲載の報告。 研究グループは、Rapid Pathogen Screening Adeno-Detector Plus testで急性アデノウイルス結膜炎に陽性の成人患者を、PVP-I 0.6%/デキサメタゾン0.1%群、PVP-I 0.6%群または溶媒(プラセボ)群に、1対1対1の割合で無作為に割り付け、両眼に1日4回、5日間投与し、3日目、6日目および12日目に評価した(+1-day window)。 有効性の評価項目は、臨床的寛解(試験眼の結膜炎による水溶性眼脂と眼球結膜充血がそれぞれ消失)およびアデノウイルス除去の複合エンドポイントであった。 主な結果は以下のとおり。・有効性解析の対象症例は144例であった(PVP-I/デキサメタゾン群48例、PVP-I群50例、プラセボ群46例)。・LOCF解析に基づく6日目の臨床的寛解率は、PVP-I/デキサメタゾン群31.3%、PVP-I群18.0%(有意差なし)、プラセボ群10.9%(p=0.0158)で、PVP-I/デキサメタゾン群がプラセボ群より有意に高かった。・アデノウイルス除去率(LOCF法にて、試験眼の培養細胞が免疫蛍光法で陰性となる患者の割合を解析)は、PVP-I/デキサメタゾン群がプラセボ群より、3日目(35.4% vs.8.7%、p=0.0019)および6日目(79.2% vs.56.5%、p=0.0186)ともに有意に高かった。・PVP-I群のアデノウイルス除去率は、3日目32.0%、6日目62.0%で、いずれもPVP-I/デキサメタゾン群と有意差はなかった。・治療下で発現した有害事象(AE)は、PVP-I/デキサメタゾン群で53.4%、PVP-I群で62.7%、プラセボ群で69.0%にみられた。・AEによる中止は37例(PVP-I/デキサメタゾン群9例、PVP-I群12例、プラセボ群16例)であった。

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医薬教育倫理協会(AMEE)が提案する新時代の医師継続教育

 医薬教育倫理協会(AMEE: Association of Medical Education and Ethics)が「AMEE医学継続教育プログラム」と銘打ったネット番組の配信を開始した。AMEEは2016年7月に設立された一般社団法人で、設立の目的は、医療倫理に基づき、高度な医学・薬学の継続教育を医師・薬剤師に提供することを通じて、医療の向上と国民の健康増進に寄与すること。AMEEの代表理事を務める、帝京大学臨床研究センター センター長 寺本 民生氏に、AMEEが推進する新しい医師継続教育について話を聞いた。―新しい医師継続教育の仕組みを立ち上げた経緯は? 私たち医師は生涯学びを続けなければならない存在です。しかしながら、多忙な日々を送る私たちが「学びの時間」を確保することはきわめて大変なことです。自分の専門領域に関連する学術集会に参加することでも、金銭的・時間的な負担はかなりのものです。日常診療で遭遇するご自分の専門外の疾患を学習する機会を得ることは、大変な困難だと思います。 「多忙な医師に限られた時間の中で、より効果的な医師継続教育を提供」することができないかと思案し、設立したのがAMEEなのです。―AMEEの医師継続教育が目指すものは? AMEEの医師継続教育サービスの構想の参考になったのが米国のCME(continuing medical education)制度です。 米国では医師免許更新制度があり、免許更新に必要な単位を取得できる生涯学習はCME制度の下で広く行われております。国土の広い米国では、インターネットを活用したe-learningの形式で多くのCME活動が行われています。その仕組みを日本版にアレンジしたのが、AMEEの医師継続教育サービスです。 e-learningの仕組みを活用し、受講した医師のコンピテンシーを向上させることで日本の医療に貢献する。それがAMEEの目指していることです。―なぜ名称に「倫理」という言葉が入っているのでしょうか? 広く医師継続教育サービスを展開していくうえで、やはり資金が必要となります。米国のCME制度では、医療に関連する企業などから教育資金の拠出を受け、それを原資に継続教育を行うことが認められています。その際に、資金を拠出する企業と医師との利益相反が課題となります。 そこで、米国ではACCME(Accreditation Council for Continuing Medical Education)という団体が「企業による資金提供の基準」を明確に定めており、CME制度参加者はこの基準に従って、制作過程の独立性を担保しながら資金を得て活動を続けています。AMEEも、このACCMEの基準に準拠した独立性基準を策定し、企業や団体などから資金の拠出を受け、事業を運営しています。 AMEEに倫理という言葉を盛り込んだのは、倫理感を持って適切に医師継続教育を行っていく決意でもあるわけです。―具体的な活動を教えてください 現時点で、AMEEの医師継続教育サービスでは、3本のプログラムが受講可能です。多くの医師に受講いただくために、ケアネットと提携して、医師へのプログラム案内をお願いしています。受講は無料です。ケアネット医師会員であれば、ケアネットのID/パスワードにて受講可能です。https://cme.amee.or.jp/rpv/openid/auth_request.aspx 現在配信されているのは、「心房細動による脳卒中予防」、「免疫チェックポイント阻害剤によるがん治療」、「家族性高コレステロール血症」の3本です。いずれのプログラムも日本のおけるそれぞれの第一人者が、「わかりやすく」、「臨床医目線」で熱のこもった講義をしています。ご興味をお持ちの先生方はぜひ一度受講してみてください。 中でも私の専門でもある家族性高コレステロール血症は日本における診断率が1%と、ほとんどが見逃されている疾患です。このプログラムを通じ、一人でも多くの先生方がこの疾患に向き合っていただければと思います。―今後の展望をお聞かせください 企業との独立性を保ちながら教育プログラムを提供するという考え方が普及するには、もう少し時間が必要かもしれません。しかし、医師本位の教育的な内容であれば、たとえ企業の資金提供があったとしても、多くの先生方に受け入れていただけるものと考えています。AMEEは、各種学術団体や企業などへの理解を広げ、この新しい教育提供の方法を提案していきます。また、各種学術団体とのコラボレーションも企画していきます。 たとえば、インターネットで共催プログラムを視聴することで、学会の単位が獲得できれば、多忙な医師にとっては福音ではないしょうか? 今回の「家族性高コレステロール血症」のプログラムは、日本動脈硬化学会とAMEEの共催となっており、AMEEのプログラムを見ていただくことで動脈硬化専門医の単位が付与されます。AMEEの共催事業の第一歩です。今後のAMEEの活動にご期待ください。

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アルコール使用障害患者の認知症発症予防のためのチアミン療法

 アルコール使用障害は、認知症に寄与する最も重要な因子の1つである。台湾・高雄医学大学のWei-Po Chou氏らは、台湾の全国データベースを用いて、アルコール使用障害患者に対するチアミン療法の認知症発症予防効果について調査を行った。Clinical nutrition誌オンライン版2018年5月21日号の報告。 1995~2000年の縦断的健康保険データベースを検索し、レトロスペクティブコホート研究を実施した。アルコール使用障害の診断後にチアミン投与を受けた患者をチアミン療法(TT)群とし、年齢、性別、インデックスイヤーにマッチしたTTを行わないアルコール使用障害患者を対照(NTT)群として無作為に割り付けた。患者背景、併存疾患、向精神薬使用について評価を行った。累積の規定1日用量(DDD)を分析し、用量効果を検証した。 主な結果は以下のとおり。・各群の患者数は、5,059例であった。・TT群は、NTT群よりも、認知症のハザード比が低かった(0.76、95%CI:0.60~0.96)。・患者背景、併存疾患、向精神薬使用で調整した後、調整ハザード比は0.54(95%CI:0.43~0.69)であった。・23超の累積DDDを有するTT群において、有意な差が認められた。・カプランマイヤー分析では、NTT群よりもTT群において、認知症の累積発症率が低いことが示された。 著者らは「チアミン療法は、アルコール使用障害患者における認知症発症の予防因子であることが示唆された。アルコール使用障害患者の認知症の発症および進行を予防するための治療計画、保健政策において、チアミン療法は重要である」としている。■関連記事認知症発症に対するアルコール使用障害の影響に関するコホート研究ベンゾジアゼピン耐性アルコール離脱症状に対するケタミン補助療法アルコール依存症患者における不眠症に関するメタ解析

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前立腺全摘除術で知っておきたい合併症

 2018年6月13日、ボストン・サイエンティフィック ジャパン株式会社は、「男性の尿漏れに対する先進的な治療法 尿漏れ手術『人工尿道括約筋植込術』~前立腺がん治療後の尿漏れ患者約10,000人のQOLに貢献~」をテーマに、3名の演者(国立がん研究センター 増田 均氏/東北医科薬科大学 海法 康裕氏/原三信病院 武井 実根雄氏)を迎え、都内でセミナーを開催した。本稿では、その概要を紹介する。前立腺全摘後の尿失禁は半数以上の患者が経験する 前立腺がんは、50代以降で急激に罹患率が増加する疾患で、前立腺と精嚢を摘出し、膀胱と尿道をつなぐ前立腺全摘除術(手術療法)が標準的治療法の1つとなっている。わが国では、年間2万例もの全摘除が施行されるが、術後、多くの患者が合併症である尿失禁を経験するという。症状はほとんどの場合、術後6ヵ月までに急速に改善するが、18~24ヵ月を超えてさらに改善することはほぼない。尿失禁に対する治療として、最低1年間までは、内服治療、骨盤底筋体操などが行われ、重症の場合(尿とりパッド3~4枚/日以上もしくはQOLの著しい低下例など)は、人工尿道括約筋植込・置換術が保険適用となる。重症尿失禁の発生率は、前立腺全摘除術が行われたうちの2~3%ほどだが、人工尿道括約筋による治療件数は1%ほどに留まっている。 前立腺全摘除術は、75歳以下の前立腺がん患者が主な対象で、手術以前はほとんどの人が普通の生活を送っているため、尿失禁などの術後合併症によるQOLの著しい低下は深刻な問題である。尿失禁への適切な対応が遅れる原因として、主治医側は術後尿失禁に対する十分な知識・情報や治療経験を持っていないことなど、患者側の問題としては、尿失禁の症状を主治医になかなか言い出せないこと、他人に相談しづらく、十分な情報が手に入らないことなどが考えられる。人工尿道括約筋の操作はボタンを押すだけ 本セミナーで紹介された人工尿道括約筋(AMS-800)は、人工尿道括約筋植込・置換術により体内に埋め込まれるため、外からは見えない。生理食塩水が充填され、尿道に巻かれたカフが括約筋代わりとなり、尿禁制状態が保たれる。排尿する際は、陰嚢に留置されたコントロールボタンを数回押し、生理食塩水をバルーンに移動させることでカフがしぼみ、排尿が可能となる。排尿後は自然にカフが膨らみ、元に戻る。この手術により、患者のQOLは大きく改善され、高い患者満足度を示すという。 患者への術前説明時の注意点として、「尿失禁がまったくゼロにはならないこと(軽度の腹圧性尿失禁や、排尿後の尿滴下が残存することが多い)」「作動不良、感染、尿道萎縮に伴う再発などで抜去・置換が必要な場合があること」などの説明をしっかり行うことが挙げられた。海外データの解析によると、術後5年でおよそ20~25%に抜去・置換の必要が生じるという。しかし、尿失禁で苦しんでいる患者の選択肢の1つとして、医療者・患者は知っておきたい方法だ。

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世界初、大動脈プラーク破綻の撮影に成功

 動脈硬化病変である“プラーク”は、破綻により血栓を形成し、心筋梗塞などの致命的な虚血性疾患の原因となりうる。今回、大阪暁明館病院 心臓血管病センターの小松 誠氏らは、血管内視鏡を用いて、大動脈で破綻したプラークの発生、性状、大きさを調べることを目的に研究を行った。 結果として、大動脈プラークの自然破綻の様子が血管内視鏡の使用により初めて明らかにされ、コレステロール結晶の多彩な形状が実証された。本結果は、論文としてJournal of the American College of Cardiology誌2018年6月26日号に掲載。 本研究では、冠動脈疾患患者あるいは冠動脈疾患が疑われる患者324例に、血流維持型血管内視鏡を使用した大動脈内部の観察が行われた。その過程で、破綻したプラークの断片を採取し、偏光顕微鏡を用いて微小結晶状物質を分類し、大きさを測定した。 主な結果は以下のとおり。・324例中、262例(80.9%)の患者で、自然破綻した大動脈プラークが見つかった。そのうち120例は、横隔膜より下位で破綻していた。・96例から482個のサンプルが採取され、アテローム性物質237個(49.1%)、フィブリン244個(50.6%)、マクロファージ111個(23.0%)、石灰化127個(26.3%)が観察された。・サンプルとして得られたプラーク断片の長さの中央値は254μm、幅の中央値は148μmであった。・アテローム性物質に含まれるコレステロール結晶は、数層~数十層に折り重なって血中に遊離・飛散する“重層タイプ”と、1枚単位で遊離・飛散する“単層タイプ”があることがわかった。・アテローム性物質から分離されたコレステロール結晶の大きさは、40μm×30μmであり、ゴースト像の86μm×13μmと比較して、小さい傾向にあった。 この結果に対し、日本血管映像化研究機構は以下のように解釈している。 本研究では、プラーク破綻に伴い、大動脈中に飛散する微小コレステロール結晶の性状を、世界で初めて生体内で確認することに成功した。これまで、病理標本のゴースト像(標本を有機溶媒で洗浄した後に観察される、無数の細かい穴)としてしか認識されていなかったコレステロール結晶の、多彩な形状が実証された。 この遊離コレステロール結晶は、動脈血中のみに存在し、静脈血ではほとんど観察されないことから、末梢組織で濾過され、全身臓器中の毛細血管の塞栓子となっている可能性がある。すなわち、認知症やサルコペニア、慢性腎臓病などにおける虚血性細胞死の起因物質とも考えられ、今後の研究によっては、疾患概念を変える発見になるかもしれない。■参考NPO法人 日本血管映像化研究機構

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禁煙開始4週前からのニコチンパッチ、長期的効果は?/BMJ

 英国では、喫煙を中止した日以降は禁煙を補助する薬物療法が推奨されるが、喫煙中止日前の薬物療法(preloading)の長期的なベネフィットのエビデンスは明確ではないという。英国・オックスフォード大学のPaul Aveyard氏らは、ルーチンの診療における禁煙開始前のニコチン投与について検討した。その結果、明らかな長期的有効性は認めなかったものの、ニコチン前投与により禁煙開始後のバレニクリンの使用が減少し、これによってニコチンの効果がマスクされた可能性があると報告した。研究の成果は、BMJ誌2018年6月13日号に掲載された。禁煙前4週投与の長期的有効性を評価 研究グループ(Preloading Investigators)は、長期的な禁煙の達成における禁煙開始前4週間のニコチンパッチ使用の有効性を評価する非盲検無作為化対照比較試験を行った(英国国立健康研究所[NIHR]医療技術評価プログラムの助成による)。 対象は、ニコチン依存がみられる毎日喫煙者(daily smoker)であった。被験者は、前投与群または対照群にランダムに割り付けられた。前投与群は喫煙を中止する前に21mgニコチンパッチ(1日1回)を4週間使用し、対照群は通常治療と行動支援を受けた。 主要アウトカムは、6ヵ月時の生化学的に確定された禁煙とし、副次アウトカムは、4週および12ヵ月時の禁煙であった。 2012年8月~2015年3月の期間に、イングランドのプライマリケア施設および禁煙クリニックに1,792例が登録され、前投与群に899例、対照群には893例が割り付けられた。バレニクリン使用で補正すると有意な効果 ベースラインの全体の平均年齢は48.9(SD 13.4)歳、男性が52.6%であった。既製タバコの使用者が68.2%、手巻きタバコの使用者が31.0%であり、平均1日喫煙本数は18.9(SD 9.3)本、過去6ヵ月以内に禁煙支援を受けた者は32.5%であった。 6ヵ月時の生化学的に確定された禁煙の達成率は、前投与群が17.5%(157/899例)、対照群は14.4%(129/893例)であった(群間差:3.0%、95%信頼区間[CI]:-0.4~6.4%、オッズ比[OR]:1.25、95%CI:0.97~1.62、p=0.08)。 両群間で、禁煙開始後の治療における禁煙補助薬バレニクリンの使用のバランスがとれておらず、対照群で多く用いられていた(22.1 vs.29.5%)。事前に計画された補正を行うと、ニコチン前投与の効果のORは1.34(95%CI:1.03~1.73、p=0.03、群間差:3.8%、95%CI:0.4~7.2)となり、有意な差が認められた。 4週時におけるバレニクリン使用で未補正の禁煙効果のORは1.21(95%CI:1.00~1.48)、群間差は4.3%(0.0~8.7%、p=0.05)であり、補正後のORは1.32(1.08~1.62、p=0.007)であった。また、12ヵ月時の未補正のORは1.28(0.97~1.69)、群間差は2.7%(-0.4~5.8、p=0.09)であり、補正後のORは1.36(1.02~1.80、p=0.04)であった。 前投与群の5.9%が不耐のためニコチンパッチを中止した。消化器症状(主に悪心)は、前投与群のほうに高い頻度(4.0%)で認められた。重篤な有害事象は前投与群が8例、対照群も8例にみられた(OR:0.99、95%CI:0.36~2.75)。 著者は、「21mgニコチンパッチによるニコチンの禁煙開始前4週投与は、長期の禁煙において期待された効果を発揮し、安全で耐用可能と考えられるが、最も効果の高い禁煙補助薬であるバレニクリンの使用を抑制する可能性がある」とし、「この非意図的な結果を克服できれば、前投与は長期的な禁煙達成の増加に、価値のある効果をもたらす可能性がある」と指摘している。

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PBCに対するベザフィブラートの有用性がフランスで証明された(解説:上村直実氏)-876

 原発性胆汁性胆管炎(PBC)は、原因不明の胆管に対する自己免疫疾患で国の特定疾患に指定されており、現在、日本における患者数は5〜6万人で軽症の症例が増加している。男女比は約1:7であり、50~60歳の中年以降の女性に最も多くみられる疾患である。 PBCに対する根治的な治療法は確立しておらず、薬物療法が奏効せずに顕著な黄疸を伴う肝硬変へと進展して肝不全状態に至った場合に肝移植が考慮される。薬物療法に関しては1980年代から使用されているウルソデオキシコール酸(UDCA)が肝硬変への進展を遅くする成績を有して一定の評価を得ているが、UDCAが無効な患者に対して有効な薬剤に関するエビデンスはなかった。 今回NEJM誌に掲載された論文では、UDCAで効果不十分な患者100例を対象としてフランスで施行されたRCTの結果、ベザフィブラート併用群はプラセボと比較して、生化学的完全奏効(総ビリルビン、ALP、AST、アルブミンがいずれも正常値かつプロトロンビン指数が正常値を示す場合)が有意に高率であった。すなわち、24ヵ月後の完全奏効率はプラセボ群では皆無であったのに対して併用群31%であり、患者さんに勇気を与えるものである。なお、リスクに関しては有害事象として腎機能に対する悪影響が懸念されると考察されている。 高脂血症に使用されているベザフィブラートがPBCに対して有用である可能性については20年以上前に日本から報告1,2)されていた。PBC診療ガイドラインの2017年改定版では、UDCA無効例に対してベザフィブラートの使用を検討する旨が明記されている。すなわち、古くからある薬剤の意外な有用性に関して日本から発信された治療法がフランスで施行されたRCTにより証明されたものである。PBCは長期経過が重要な疾患であるので、今後、長期的な有用性と安全性に関するエビデンスはなんとしても日本から発信してもらいたいものである。さらにベザフィブラートが有効である患者を抽出可能な宿主因子を探求することも重要である3)。

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医療従事者へのインフル予防接種の効果は

 インフルエンザ予防接種は、医療従事者におけるインフルエンザ感染予防、スタッフや患者へ伝染防止のための一般的な介入である。長崎大学の今井 智里氏らは、医療従事者間の季節性インフルエンザ予防接種の疫学的および経済的な有効性の最新のエビデンスを統合するため、系統的レビューとプール解析を行った。その結果、インフルエンザワクチンが感染症発症減少と欠勤期間短縮に効果があることが示された。PLOS ONE誌2018年6月7日号に掲載。 著者らは、MEDLINE/PubMed、Scopus、Cochrane Central Register for Controlled Trialsにおける1980~2018年の論文を系統的に調査し、ワクチン接種群と非接種群(プラセボまたは非介入)を比較したすべての研究を抽出した。ただし、患者関連アウトカムのみ、インフルエンザA(H1N1)pdm09ワクチンにフォーカスした研究は除外した。2名のレビュアーが独立して論文を選択しデータを抽出し、検査で確定したインフルエンザ、インフルエンザ様疾患(ILI)、欠勤を含む罹患のアウトカムについて、プール解析を行った。また、経済学的研究は「方法」と「結果」の特性について要約した。 主な結果は以下のとおり。・13報の論文が適格基準を満たしていた(3報は無作為化比較研究、10報はコホート研究)。・プール解析では、検査で確定したインフルエンザの罹患率に有意な効果が認められたが、ILIでは有意ではなかった。・欠勤の発生率は予防接種によって変化しなかったが、ILIによる欠勤は有意に減少した。・欠勤期間も予防接種により短縮した。・公表された経済的評価はすべて、予防接種で回避された欠勤の粗推定値により、医療従事者の予防接種が費用節減となることを一貫して示した。しかしながら、健康アウトカムとワクチン接種プログラムの費用の両方を包括的に評価し費用対効果を調べた研究はなかった。

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全年齢で注意!「熱中症」の怖さ…死亡や後遺症も高率

 2000~16年に発表された熱中症関連文献のレビューによると、熱中症90例のうち、約2割が死亡、約2割が長期の神経学的後遺症を患っていたことが、オーストラリア・Royal Adelaide HospitalのEmily M. Lawton氏らによる調査で明らかになった。また、神経学的障害のある患者の7割以上が長期の小脳機能障害を有しており、小脳構造が熱に弱いことが示唆された。さらに、永久的神経学的障害を認めた症例の多くが若くて健康だったことから、著者らは、「年齢や合併症に関係なく、熱中症の予防および治療に積極的な介入が必要である」と強調した。Emergency medicine Australasia誌オンライン版2018年5月31日号の報告。熱中症の23.3%が長期の神経学的後遺症を患っていた 地球温暖化の影響で、気温が上昇している。暑さが熱中症などの有害な健康被害をもたらすことはよく知られているが、熱中症による後遺症などの長期的な影響についての報告は少ない。 そのため、本研究では、2000~16年に発表された熱中症関連の医学文献(症例報告)をOvid MedlineおよびEmbaseで検索し、熱中症の神経学的な転帰について調査した。 熱中症による後遺症などの長期的な影響を調査した主な結果は以下のとおり。・関連性が高いと判断された論文が71件あり、90例について検討を行った。・急性神経症状を呈した症例が100%、非神経学的症状を呈した症例が87.8%であった。・44.4%が完全回復、23.3%が死亡、23.3%が長期の神経学的後遺症を患っていた。8.9%は長期のフォローアップができなかった。・死亡および神経学的後遺症を有する患者の57.1%は、合併症がなかった。・神経学的障害には、運動機能障害66.7%、認知障害9.5%、運動・認知障害19%、その他4.7%が含まれていた。・神経学的障害のある患者の71.4%が長期の小脳機能障害を有していた。・神経学的障害のある患者で転帰が判明している生存者のうち、永久的神経学的障害を認めたのは34.4%で、その多くは若くて健康な症例であった。

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抗精神病薬治療6週間以上の統合失調症患者における灰白質の変化と臨床的改善との関係

 横断的および縦断的研究により、統合失調症における、広範な灰白質量(GMV)の減少(とくに前頭葉)が報告されている。中国・北京大学第6病院のXiao Zhang氏らは、統合失調症患者における灰白質の変化と臨床的改善との関連について検討を行った。Neuroscience bulletin誌オンライン版2018年5月19日号の報告。 対象は、統合失調症患者40例と、年齢、性別、教育をマッチさせた健康な対照31例。ベースラインおよび6週間後に、MRIスキャン、臨床評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・6週間のフォローアップ期間中に、患者群において内側前頭皮質吻側(rMFC、前帯状皮質を含む)における進行性GMV減少を確認した。・rMFCにおけるベースラインGMVが高いほど、PANSSの陽性症状尺度の良好な改善が予測され、これは実際のモニタリングにおける改善と関連している可能性がある。・さらに、後側rMFCにおけるベースラインGMVが高いほど、全般症状の良好な寛解が予測され、この領域におけるGMV低下が少ないことは陰性症状のより良い寛解と相関しており、おそらくは改善された自己参照処理や社会的認知と関連している。・また、より短い罹病期間および高い教育水準は、PANSSの総合精神病理評価尺度のより良い改善に寄与し、家族歴はPANSSの陰性症状尺度および総スコアと負の関連が認められた。 著者らは「これらの現象は、統合失調症の症状の根底にある神経病理学的メカニズムを理解し、臨床決定を行ううえで重要であると考えられる」としている。■関連記事統合失調症、大脳皮質下領域の新発見:東京大学統合失調症患者の脳活性、リスペリドン vs. アリピプラゾール統合失調症と自閉スペクトラム症における白質代謝率の増加

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JAK1阻害薬upadacitinibが関節リウマチ再発例の症状改善/Lancet

 疾患活動性が中等度~重度の関節リウマチ再発例の治療において、選択的JAK1阻害薬upadacitinibの12週、1日1回経口投与により、症状が著明に改善することが、米国・スタンフォード大学のMark C. Genovese氏らが行った「SELECT-BEYOND試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2018年6月13日号に掲載された。upadacitinibは、他のJAKファミリーのメンバーに比べJAK1に高い選択性を持つように遺伝子改変されたJAK阻害薬であり、第II相試験でメトトレキサートやTNF阻害薬の効果が不十分な患者の関節リウマチ徴候や症状を改善することが報告されている。26ヵ国153施設に499例を登録 SELECT-BEYONDは、26ヵ国153施設が参加した国際的な二重盲検無作為化対照比較試験である(AbbVieの助成による)。 対象は、年齢18歳以上、活動性の関節リウマチを発症し、生物学的製剤(bDMARD)の効果が不十分または不耐となり、同時に従来型抗リウマチ薬(csDMARD)の投与も受けている患者であった。 被験者は、upadacitinib徐放薬15mgまたは30mgまたはそれぞれのプラセボを12週間、1日1回経口投与した後、同薬15mgまたは30mgをさらに12週間投与する群に2対2対1対1の割合でランダムに割り付けられた。 主要エンドポイントは、以下の2つとした。1)12週時に、米国リウマチ学会(ACR)基準で20%の改善を達成した患者の割合(ACR20)、2)12週時に、C反応性蛋白(CRP)で評価した28関節の疾患活動性スコア(DAS28[CRP])≦3.2点を達成した患者の割合。有効性と安全性の解析は、修正intention-to-treat集団(試験薬の投与を1回以上受けた患者)で行った。 2016年3月15日~2017年1月10日の期間に、499例(upadacitinib 15mg群:165例、同30mg群:165例、プラセボ→同15mg群:85例、プラセボ→同30mg群:84例)が登録され、15mg群の1例が治療開始前に脱落した。12週時ACR20達成率は約2倍、DAS28(CRP)≦3.2点達成率は約3倍に 全体の平均罹患期間は13.2(SD 9.5)年で、bDMARDの投与歴は1剤が47%(235/498例)、2剤が28%(137例)、3剤以上が25%(125例)であり、12週の治療を完遂したのが91%(451例)、24週の治療の完遂例は84%(419例)であった。平均年齢はupadacitinib 15mg群(164例)が56.3(SD 11.3)歳、同30mg群(165例)が57.3(SD 11.6)歳、プラセボ群(169例)は57.6(SD 11.4)歳であり、女性がそれぞれ84%、84%、85%だった。 12週時のACR20達成率は、15mg群が65%(106/164例)、30mg群は56%(93/165例)であり、プラセボ群の28%(48/169例)に比し、いずれの用量群も有意に高かった(いずれもp<0.0001)。DAS28(CRP)≦3.2点の達成率は、15mg群が43%(71/164例)、30mg群は42%(70/165例)と、プラセボ群の14%(24/169例)に比べ、いずれの用量群も有意に優れた(いずれもp<0.0001)。 12週時の有害事象の発生率は、15mg群が55%(91/164例)、プラセボ群は56%(95/169例)と類似したが、これに比べ30mg群は67%(111/165例)と頻度が高かった。最も高頻度の有害事象は、上気道感染症(15mg群:8%[13例]、30mg群:6%[10例]、プラセボ群:8%[13例])、鼻咽頭炎(4%[7例]、5%[9例]、7%[11例])、尿路感染症(9%[15例]、5%[9例]、6%[10例])、関節リウマチの増悪(2%[4例]、4%[6例]、6%[10例])であった。 重篤な有害事象は、15mg群の5%(8例)に比べ30mgは7%(12例)と、多い傾向がみられ、プラセボ群では発現を認めなかった。重篤な感染症、帯状疱疹、治療中止の原因となった有害事象も、15mg群やプラセボ群よりも30mg群で多かった。プラセボ対照期間中に、upadacitinib投与例で肺塞栓症が1例、悪性腫瘍が3例、主要有害心血管イベントが1例、死亡が1例にみられた。 著者は、「これらのデータは、再発例におけるJAK阻害薬治療のエビデンスを拡張し、upadacitinibによる治療は臨床的、機能的なアウトカムや患者報告アウトカムを大幅に、かつ迅速に改善する可能性を示すもの」としている。

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受胎期の父親の抗うつ薬使用、子供への影響は?/BMJ

 スウェーデン・カロリンスカ研究所のAlexander Viktorin氏らによる前向きコホート研究で、受胎前後での父親の抗うつ薬使用は、生まれてくる子供の4つの主要有害アウトカム(未熟児出産、先天異常、自閉症、知的障害)に関して安全であることが示された。これまで、妊娠中の母親の抗うつ薬使用については大規模に調査が行われている。その結果、抗うつ薬治療が精子に悪影響を及ぼす可能性を示唆する研究があったが、受胎時の父親の抗うつ薬治療についてはほとんど注目されていなかった。BMJ誌2018年6月8日号掲載の報告。受胎期に服用、妊娠期以後に服用、非服用を比較 研究グループは、回帰分析を用いた陰性対照と比較した観察的な前向きコホート研究で、受胎時期の父親の抗うつ薬使用と、生まれてくる子供の有害アウトカムとの関連を調べた。スウェーデン全国から2005年7月29日以降に妊娠、2006~07年に生まれた小児17万508例を対象とした。 同対象のうち父親が受胎期(受胎前4週~受胎後4週)に抗うつ薬治療を受けていたのは3,983例で、同治療を受けていない(非曝露)群は16万4,492例、父親が受胎期間中抗うつ薬を服用していないが妊娠期(受胎後4週~出産)に同治療を開始(陰性対照比較)群は2,033例であった。 主要評価項目は、未熟児出産、誕生時に先天異常と診断、自閉症スペクトラム障害の診断、知的障害の診断であった。未熟児出産、先天異常、自閉症、知的障害との関連はみられず ロジスティック回帰分析を用いた非曝露群との比較検討で、受胎時期の父親の抗うつ薬使用は、未熟児出産(補正後オッズ比:0.91、95%信頼区間[CI]:0.79~1.04)や先天異常(同:1.06、0.90~1.26)と関連性は認められなかった。また、Cox回帰分析を用いた検討で、受胎時期の父親の抗うつ薬使用は自閉症(補正後ハザード比:1.13、95%CI:0.84~1.53)や知的障害(0.82、0.51~1.31)と関連性はなかった。 妊娠期に抗うつ薬治療を開始した父親の子供についても、知的障害以外のアウトカムは類似していた。知的障害については補正後ハザード比の上昇がみられた(1.66、1.06~2.59)。 受胎期に抗うつ薬を使用した父親の子供3,983例は、妊娠期に抗うつ薬治療を開始した父親の子供2,033例と比較して、未熟児出産(1.09、0.86~1.37)、先天異常(0.98、0.70~1.20)、自閉症(0.79、0.50~1.27)について差はみられなかったが、知的障害についてはリスクの減少がみられた(0.49、0.26~0.93)。 著者は、「今回の結果は、公衆衛生業務をアシストし、患者や医師に計画的な妊娠における抗うつ薬使用の有無についての意思決定の助けとなり、受胎期の抗うつ薬服用を予定している父親の懸念を軽減することになるだろう」と述べている。一方で、今回のトピックに関する研究は限定的で、因果関係は明らかになっておらず、すべての個人や集団に普遍化できるとは限らないとしている。

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ProACT試験-プロカルシトニン値を指標とした抗菌薬使用(解説:小金丸博氏)-877

 抗菌薬の過剰な使用は、医療費の増加や薬剤耐性菌の出現に関連する公衆衛生上の問題である。プロカルシトニンは、ウイルス感染よりも細菌感染で上昇しやすいペプチドであり、上昇の程度は感染の重症度と相関し、感染の改善とともに経時的に低下する。いくつかの欧州の試験において、抗菌薬を投与するかどうかをプロカルシトニンの結果に基づいて決定することで抗菌薬の使用を抑制できることが示されており、2017年、米国食品医薬品局(FDA)は下気道感染症が疑われる場合に抗菌薬の開始または中止の指標としてプロカルシトニンを測定することを承認した。しかしながら、プロカルシトニン値を日常臨床へ適用できるかは明らかでなかった。 本研究は、プロカルシトニン値に基づく抗菌薬処方ガイドラインを用いて抗菌薬の投与を決定することで、抗菌薬の使用を減らすことができるかどうかを検討したランダム化比較試験である。下気道感染症疑いで受診し、抗菌薬を投与すべきかどうかはっきりしない患者を対象とし、プロカルシトニン使用群と通常治療群に無作為に割り付けた。プロカルシトニン使用群の診療医には、プロカルシトニンの測定値に応じた推奨治療が記載された抗菌薬使用ガイドラインが提供された。その結果、intention-to-treat(ITT)解析では、30日までの平均抗菌薬投与日数はプロカルシトニン使用群が4.2日、通常治療群が4.3日であり、両群間に有意差を認めなかった(差:-0.05日、95%信頼区間[CI]:-0.6~0.5、p=0.87)。また、ITT解析による有害なアウトカムを発症した患者の割合は11.7%と13.1%であり、両群間に有意差を認めなかった(差:-1.5ポイント、95%CI:-4.6~1.7、非劣性:p<0.001)。 本試験の結果は過去の研究と異なり、下気道感染症疑いの患者に対してプロカルシトニン値を指標として抗菌薬投与の適応を決定しても、指標としない群と比較して抗菌薬の使用を抑制できなかった。その理由として、通常治療群の臨床医はプロカルシトニン値の結果を知らないにもかかわらず、プロカルシトニン高値例に比べ、低値例での抗菌薬処方が少なかった点が挙げられている。プロカルシトニン値が低い患者では感染症の臨床症状を呈することが少なく、通常の臨床判断で十分抗菌薬の適応を決定できたと考えられる。 プロカルシトニンは抗菌薬を投与すべきかどうか判断するのに有用な指標となりうるが、プロカルシトニンの値だけで治療方針を決定できるわけではない。まずは注意深い問診と診察から正しく臨床情報を整理することが重要であり、そのうえでプロカルシトニン値を用いることが適切な抗菌薬使用につながると考える。

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うつ病や身体活動と精液の質との関連

 行動および心理社会的要因は、精液の質の低下と関連している。しかし、うつ病や身体活動と精液の質との関連については、よくわかっていない。中国・第3軍医大学のPeng Zou氏らは、中国人大学生におけるうつ病および身体活動と精液の質との関連について検討を行った。Psychosomatic medicine誌オンライン版2018年5月24日号の報告。 2013年6月に中国人男子大学生587例よりデータを収集した。参加者に対し、ライフスタイル因子、Zung自己評価式抑うつ尺度(SDS)、身体活動に関する3項目を評価するため、アンケートを実施した。参加者は、身体検査を受け、生殖ホルモン(テストステロン、エストロゲン、プロゲステロン、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、プロラクチン)を確認するための精液サンプルおよび血液サンプルを提供した。 主な結果は以下のとおり。・高いうつ病スコアを有する男性(63例、10.7%)は、非うつ病男性よりも精子濃度が低く(66.9±74.5 vs.72.6±56.9[10/mL]、p=0.043)、精子総数が少なかった(241.6±299.7 vs.257.0±204.0[10/mL]、p=0.024)。・身体活動レベルの低い男性(99例、16.9%)は、活動レベルの高い男性よりも精子総数が少なかった(204.4±153.7 vs.265.8±225.8[10/mL]、p=0.017)。・潜在的な交絡因子で調整した後、うつ病男性は、非うつ病男性よりも精子濃度が18.90%(95%CI:1.14~33.47%)低く、精子総数が21.84%(95%CI:3.39~36.90%)少なかった。・身体活動レベルの低い男性は、活動レベルの高い男性よりも精子総数が23.03%(95%CI:2.80~46.89%)少なかった。・うつ病と身体活動との間に、精子濃度の相互作用効果が検出された(p=0.033)。・うつ病や身体活動と生殖ホルモンとの間に、有意な関連は認められなかった(p>0.05)。 著者らは「うつ病や低レベルの身体活動は、精液の質の低下と関連しており、リプロダクティブヘルス(生殖に関する健康)に影響を及ぼす可能性がある」としている。■関連記事米国の生殖可能年齢の女性におけるうつ病有病率少し歩くだけでもうつ病は予防できる女子学生の摂食障害への有効な対処法

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食事の速度や欠損歯の数、歯周病の重症度が肥満に影響する

 食事の速度と欠損歯の数、歯周病の重症度はそれぞれ独立に腹囲の増加に影響することが、長崎大学大学院医歯薬学総合研究科の園田 央亙氏らによる研究から明らかになった。Obesity Facts誌2018年4月18日号に掲載。 今回の研究では、海上自衛隊の男性863人を対象に食事の速度に関するアンケート調査を行い、食事の速度と欠損歯数や歯周病の程度が肥満とどのように関連しているかを調査した。 主な結果は以下のとおり。・食事の速度が「とても速い」群では、「遅い、とても遅い」群と比べて、腹囲が90cmを超えるリスクが5.22倍(95%CI:1.81~15.06)となった。・欠損歯が多い人、重度な歯周病に罹患している人では、腹囲が90cmを超えるリスクがそれぞれ1.14倍(95%CI:1.01~1.28)、2.74倍(95%CI:1.46~5.13)となった。

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dacomitinib、EGFR変異肺がん1次治療でOS延長(ARCHER1050)/ASCO2018

 EGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療で、第2世代EGFR-TKI dacomitinibとゲフィチニブを比較した、第III相無作為化オープンラベル試験ARCHER1050最終成績を、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2018)で、香港中文大学のTony Mok氏が発表した。ASCO2017で発表された同試験の無増悪生存期間(PFS)解析では、dacomitinib群14.7ヵ月に対し、ゲフィチニブ群9.2ヵ月と、dacomitinib群で有意に良好な結果を示した(HR:0.59、p<0.0001)。ASCO2018では、全生存期間(OS)結果の発表で、追跡期間中央値は31.3ヵ月。・対象患者:EGFR変異陽性のStage IIIB/IV再発またはNSCLC患者(CNS転移患者は除外)・試験薬:dacomitinib 45mg/日(D群)・対照薬:ゲフィチニブ250mg/日(G群)・主要評価項目は、独立評価委員会(IRC)による無増悪生存期間(PFS)。副次評価項目は、OS、治験担当医師によるPFS、奏効率、奏効期間、治療成功期間、安全性、患者報告アウトカム。 主な結果は以下のとおり。・452例が登録され、D群227例とG群225例で解析が行われた。・OSは、D群34.1ヵ月に対しG群26.8ヵ月と、有意にD群で良好だった(HR:0.582、95%CI:0.582~0.993、p=0.0428)。・アジア人サブグループのOSは、34.2ヵ月対29.1ヵ月と、D群で有意であった(HR:0.812 、p=0.1819)。・有害事象は、下痢、爪周囲炎、ざ瘡様皮疹がD群で多くみられた。■参考ASCO2018 AbstractARCHER1050試験(Clinical Trials.gov)ARCHER1050試験(JCO)■関連記事dacomitinibによるEGFR変異肺がん1次治療のサブグループ解析:ARCHER1050/WCLC2017dacomitinib、EGFR変異陽性肺がん1次治療の成績発表:ARCHER1050試験/ASCO2017

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50歳での収縮期血圧が認知症リスクと関連

 50歳での収縮期血圧(SBP)が130 mmHg以上だと認知症リスクが高く、この過剰リスクは心血管疾患(CVD)に関わらないことが、フランス国立保健医学研究機構(INSERM)のJessica G. Abell氏らによるコホート研究で示唆された。なお、60歳や70歳でのSBPとの関連はみられなかった。European Heart Journal誌オンライン版2018年6月12日号に掲載。 著者らは、Whitehall IIコホート研究において、1985年、1991年、1997年、2003年に、8,639人(女性32.5%)のSBPおよび拡張期血圧(DBP)を測定。50歳、60歳、70歳におけるSBPおよびDBPと認知症発症率との関連を調査した。さらに、フォローアップ中のCVDがその関連に介在するかどうかを調べた。認知症発症率は、2017年までの電子健康記録で確認した。 主な結果は以下のとおり。・計8,639例中、385例で認知症が発症した。・継続的な血圧測定を使用した3次スプラインにより、50歳でのSBPが130mmHg以上だと認知症リスクが高いことが示唆され、社会人口学的因子・健康行動・時間的に変化する慢性症状について調整したCox回帰分析により確認された(ハザード比[HR]:1.38、95%信頼区間[CI]:1.11~1.70)。60歳時および70歳時のSBPは関連しなかった。・DBPは認知症に関連していなかった。・平均年齢45歳と61歳の間に、より長期間、高血圧(SBP≧130mmHg)であった参加者は、高血圧ではない、もしくは高血圧が短期間だった参加者に比べて認知症リスクが高かった(HR:1.29、95%CI:1.00~1.66)。・フォローアップ期間中にCVDではなかった参加者において、50歳時にSBPが130mmHg以上だと認知症リスクが高い(HR:1.47、95%CI:1.15~1.87)ことが、多状態モデルで示唆された。

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