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抗精神病薬誘発性遅発性ジスキネジアのためのコリン作動薬

 遅発性ジスキネジア(TD)は、従来型の抗精神病薬による薬物療法における副作用である。TDは、中枢のコリン作動性欠損によるものであるといわれており、TDの治療には、コリン作動薬が使用される。フィンランド・Helsinki City HospitalのIrina Tammenmaa-Aho氏らは、統合失調症または他の慢性的な精神疾患患者における抗精神病薬誘発性TD治療のためのコリン作動薬の効果について検討を行った。The Cochrane database of systematic reviews誌オンライン版2018年3月19日号の報告。 2015年7月16日~2017年4月にコクラン統合失調症グループ研究ベースレジストリより研究を検索した。このレジストリは、多くの電子データベース、治験レジストリ、会議の議事録や論文のランダム化比較試験(RCT)のために構成されている。抽出されたすべての研究の参考文献を検索し、さらなる試験引用を行った。コリン作動薬またはプラセボまたは非介入のいずれかにランダム化された、抗精神病薬誘発性TDおよび慢性的な精神疾患患者を対象とした対照研究かを調査したうえで、報告に含めた。試験の方法論的質は、2人のレビューアーが独立して評価した。2人のレビューアーがデータを抽出し、95%信頼区間(CI)で推定リスク比(RR)、平均差(MD)を可能な限り算出した。早期に離脱した患者は、改善がなかったと判断し、治療の意図(intention-to-treat)に基づきデータを分析した。バイアスリスクを評価し、GRADEを用いて調査結果の概要テーブルを作成した。 主な結果は以下のとおり。・1976~2014年に発表されたコリン作動薬のプラセボ比較試験14研究を抽出した。・すべての研究の参加者は、少数(5~60例)であった。・このアップデートにおいて、TD治療のための新規コリン作動性アルツハイマー病治療薬に関する3件の研究が初めて含まれた。・全体として、抽出された研究のバイアスリスクは不明であった。主に報告が不十分で、割り付けの隠蔽は記載されておらず、順番の生成(割り付けの制限)は明白ではなかった。研究は、明確に盲検化がなされておらず、データが不完全であるかどうかは不明で、不十分または選択的な報告であった。・プラセボと比較し、TD症状の臨床的な改善に対する新旧コリン作動薬の効果については不明であり、エビデンスの質は非常に低かった(RR:0.89、95%CI:0.65~1.23、27例、4RCT)。・8試験において、コリン作動薬がTD症状の悪化に対し、ほとんどまたはまったく差がないことが確認された。しかし、エビデンスの質は低かった(RR:1.11、95%CI:0.55~2.24、147例)。・精神症状(RR:0.50、95%CI:0.10~2.61、77例、5RCT)、有害事象(RR:0.56、95%CI:0.15~2.14、106例、4RCT)、研究からの早期離脱(RR:1.09、95%CI:0.56~2.10、288例、12RCT)への影響についても、非常にエビデンスの質は低いため、不確実であった。・社会的な信頼、社会的インクルージョン、社会的ネットワーク、個人のQOLに関する研究は報告されていなかった。 著者らは「TDは、公衆衛生上の主要な問題である。アルツハイマー病の治療薬として使用されている新旧コリン作動薬の臨床効果は不明であり、あまりにも少数の研究のため、疑問点が解決されていない。臨床医にとって、コリン作動薬は興味深い薬剤であるべきだが、臨床研究はあまり行われていない。しかし、現在アルツハイマー病の治療に使用されている新規コリン作動薬の登場により、より有用な臨床研究が行われる余地がある。これらの新規コリン作動薬によるTD患者治療のための調査を行う際には、よくデザインされた大規模なランダム化試験を実施し、その効果を報告することが求められる」としている。■関連記事薬剤誘発遅発性ジスキネジアを有する統合失調症患者へのアリピプラゾール切り替え遅発性ジスキネジア治療に期待される薬剤は統合失調症患者の抗コリン薬中止、その影響は

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ペムブロリズマブ、PD-L1発現肺がんの1次治療に単剤でOS改善(KEYNOTE-042)

 メルク社は2018年4月9日、非扁平上皮、扁平上皮を含む非小細胞肺がん(NSCLC)に対する、ペムブロリズマブ単剤での1次治療を評価する第III相試験KEYNOTE-042試験で、主要評価項目である全生存期間(OS)を達成したと発表。独立データモニタリング委員会(DMC)による中間解析で、PD-L発現1%以上の患者において、ペムブロリズマブの単剤治療が、プラチナベースの化学療法(カルボプラチン+パクリタキセルまたはカルボプラチン+ペメトレキセド)と比べ、OSの有意な改善を示した。この試験におけるペムブロリズマブの安全性プロファイルは、進行NSCLC患者の単独療法試験で以前に報告されたものと一致していた。 KEYNOTE-042は、局所進行または転移性のPD-L1陽性(TPS≧1%)のNSCLC患者における標準治療のプラチナベース化学療法に対し、ペムブロリズマブ単独療法を評価する国際無作為化オープンラベル第III相試験。主要評価項目はOSで、TPS50%以上、20%以上、および1%以上で順次評価される。副次評価項目は、PFSおよび奏効率(ORR)。1,274例の患者が、ペムブロリズマブの単独療法または治験担当医の裁量で選択されたプラチナベース化学療法に1:1で無作為化された。DMCの勧告に基づき、副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)の評価も継続する。※TPS:Tumor Proportion Score 腫瘍細胞のうちPD-L1発現陽性細胞の割合 メルク社のニュースリリースのなかで、香港中文大学のTony Mok氏は、「OSの改善は、進行肺がんの治療における究極の目的である。KEYNOTE-042は、PD-L1陽性NSCLCの1次治療に対し免疫療法単剤で、OSを主要評価項目とし、さらに有意な効果を示した、初めての無作為化第III相試験である」と述べている。 メルク社のプレスリリースでは、具体的な数値は明らかにされておらず、今後の医学学会で発表される予定だという。■参考KEYNOTE-042試験(Clinical Trials.gov)

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乳幼児突然死症候群に変異遺伝子が関与か?/Lancet

 英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのRoope Mannikko氏らは、機能破壊的なSCN4A変異が、乳幼児突然死症候群(SIDS)で死亡した乳幼児に多く認められるとの仮説を検証した症例対照研究の結果を報告した。SIDSは、高所得国における生後4週以降の乳幼児死亡の主な原因で、呼吸中枢の障害が一因と思われる。呼吸筋の収縮を引き起こす刺激は、SCN4A遺伝子にコードされているナトリウム(Na)チャネルNaV1.4によってコントロールされており、骨格筋の興奮性を直接変えるNaV1.4の変異は、筋強直、周期性四肢麻痺、先天性ミオパチー、筋無力症候群を引き起こす可能性が示唆されていた。SCN4A変異は、致死性無呼吸や喉頭痙攣の乳幼児でも確認されていた。Lancet誌オンライン版2018年3月28日号掲載の報告。SIDS症例約300例と対照約700例でSCN4A遺伝子変異の頻度を比較 研究グループは、2つの連続コホートを含む欧州系のSIDS症例278例、ならびに民族をマッチさせた心血管・呼吸器・神経疾患の既往がない対照成人729例について、両群におけるSCN4Aのまれな変異(Exome Aggregation Consortiumのマイナー対立遺伝子頻度<0.00005)の頻度を比較するとともに、異種発現系を用いて変異チャネルの生物物理学的な特徴を評価した。SIDS症例の1.4%にSCN4A遺伝子変異を認めた SIDSコホートの乳幼児278例中4例(1.4%)が機能破壊的なSCN4A遺伝子変異を有していたが、民族をマッチさせた対照729例では認められなかった(p=0.0057)。 この結果を受けて著者は、「NaチャネルNaV1.4の機能異常をもたらすまれなSCN4A遺伝子変異が、SIDSで死亡した乳幼児で認められた」としたうえで、「SCN4A遺伝子変異は、筋膜興奮性を有意に変化させ、呼吸および喉頭機能を障害する可能性がある。乳幼児突然死のサブセット集団において、筋肉Naチャネルの機能障害は修正可能な危険因子であることが示唆された」と述べている。 なお著者は研究の限界として、欧州の白人のみに限定してSCN4A変異が評価されたこと、利用可能なデータが少なく、他の家族メンバーは検証できていないことなどを挙げ、今後の課題として、「類似する集団や他の民族集団で再検証すべきである」とも述べている。

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勤務時間が柔軟でも内科研修プログラムには影響しない/NEJM

 勤務時間が柔軟でない研修プログラムは、医師の育成に悪影響を及ぼすのではないかという懸念があるが、研修医が患者の治療や教育に費やす時間の割合は、柔軟な勤務時間の研修プログラムと標準的な勤務時間の研修プログラムとで差はないことが示された。また、前者の柔軟な研修プログラムを受けた研修医は、後者の研修医と比較して教育経験にあまり満足していなかったが、プログラムの責任者は満足していたことも示された。米国・ジョンズ・ホプキンズ大学のSanjay V. Desai氏らが、米国の内科研修プログラムを検証した全米クラスター無作為化試験「iCOMPARE研究」の結果を報告した。NEJM誌オンライン版2018年3月20日号掲載の報告。勤務期間が標準または柔軟な研修プログラムを比較 iCOMPARE研究は、内科研修プログラムにおける患者の安全性、研修医(インターンとレジデント)の教育およびインターンの睡眠と覚醒について、米国卒後医学教育認定評議会(ACGME)が2011年に定めた勤務時間方針と、柔軟性のある勤務時間方針とで比較するもので、本論では、研修医の教育経験ならびにプログラム責任者や指導にあたる医師(ファカルティ)の認識について報告された。 研究グループは、米国の63の内科研修プログラムを、2011年にACGMEが規定した標準勤務時間方針によって管理する標準群と、勤務時間や病棟交代勤務間の義務的な休みに制限を設けない柔軟な勤務時間方針によって管理する柔軟群に、無作為に割り付けた。 インターン(卒後研修1年目)の活動の観察、研修医(インターンとレジデント)およびファカルティの調査、およびインターンの試験(American College of Physicians In-Training Examination)スコアなどから教育経験を評価した。患者の治療や教育に費やした時間に差はないが、満足度には差 インターンが患者を直接診療した時間や訓練に費やした平均時間、臨床で要求されることと訓練との間の適正なバランスに関する研修医の認識(主要評価項目:研修医の訓練に対する満足度、回答率91%)、あるいは研修医の仕事量が彼らの能力を超えているかどうかに関するプログラム責任者およびファカルティの評価(主要評価項目:訓練に対するファカルティの満足度、回答率90%)において、柔軟群と標準群とで有意差は確認されなかった。 他のインターンの調査(回答率49%)では、柔軟群のほうが、教育の質(オッズ比[OR]:1.67、95%信頼区間[CI]:1.02~2.73)や、幸福感(well-being)(OR:2.47、95%CI:1.67~3.65)など、研修の複数の側面に対する不満を報告する傾向にあることが示された。 一方で柔軟群のプログラム責任者は、臨床実習の時間など複数の教育課程に対する不満の報告が少ない傾向にあった(回答率:98%、OR:0.13、95%CI:0.03~0.49)。試験の平均スコア(正答率)は柔軟群68.9%、標準群69.4%で、群間差は-0.43(95%CI:-2.38~1.52、非劣性のp=0.06)と非劣性マージン(2ポイント)を満たさなかった。 著者は研究の限界として、研修医の回答率が45%にとどまったこと、実際に勤務した時間を評価していないこと、研修医およびプログラム責任者はプログラムの割り付けを知っていたことなどを挙げている。

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汗だく対応、再び【Dr. 中島の 新・徒然草】(216)

二百十六の段 汗だく対応、再び前回は中国人相手に筆談で頑張った話でした。今回は英語をしゃべる人たち相手の苦労話。とにかく外国人が続きます。看護師「発熱の外国人ですけど通訳も一緒なんで大丈夫ですよね」中島「今日は研修医も一緒やし、ちょうどええがな(えらいことになってもた! )」ということで、日本人の通訳を含む女性4人組が診察室にやってきました。通訳「あの、私は専門用語とか全然分からないですから(泣)」中島「とにかく力を合わせて頑張りましょう」通訳「よ、よろしくお願いします」患者さんは50歳代の黒人女性です。日本を旅行している途中に熱が出たとか。中島「私はドクター・ナカジーマです」患者「ハ~イ」中島「こちらは研修医で、私はそのメンターです」一同「おおーっ」私は研修医が一緒の時は必ず患者さんに紹介するようにしています。でも、メンターってのは「師匠」とかそんな意味なので、言い過ぎだったかも。中島「おっとメンターじゃなくてトレーナーです」一同「おおーっ」中島「・・・(ほんまに通じているのかな? )」患者さんの友人らしき白人女性が説明を始めます。友人「熱が出たから薬を飲んだのよ」中島「ほう、何という名前の薬ですか? 」友人「ただの over-the-counter よ。タイレノールみたいな」中島「なるほど」後で聞いたところによると、この人はナースだそうです。患者「ちょっと待って。この薬よ、お見せするわ」そう言いながら彼女がバッグから探り出したのは薬ではなくチョコバーでした。中島「何だこれは! 」患者「ああーっ! 間違えた」中島「こんなモンが出てくるとは、さてはアメリカ人だな」患者「ギャハハ、当たりっ! 」中島「アメリカのどこ? 」患者「テキサスよ」友人「私はカリフォルニア」こんな賑やかな人たちは英語圏の中でもアメリカ人しかあり得ません。中島「まあアメリカ人にとってはチョコバーこそ薬だな」一同「アハハ、そりゃそうだ! 」いろいろ病歴を尋ねると、どうやら尿路感染のようでした。CVA叩打痛もあるので甘く見るわけにはいきません。中島「ともかく、培養検体をとってから」通訳「culture? 何ですか、それ」彼女は慌ててスマホで調べ始めます。中島「抗菌薬を使います」友人 「何使うの? 」中島「ペニシリンかな」友人 「合格よ! 」何とか落第せずに済んだみたいです。患者「何でペニシリン? 」中島「尿路感染の原因で多いのは大腸菌と腸球菌だからね。両方に効かせようとするとペニシリンが無難なわけ」患者「大腸菌? 腸球菌? 」さすがに医学用語は分からないみたいなので、紙に書いてあげました。中島「入院してもらうのが1番いいのだけど」一同 「ダメダメ、これから東京に行くし、その後は帰国するから」中島「あらら」患者 「ねっ、一緒に写真撮っていい? 」中島「いいけど」患者 「先生も入ってよ」研修医「私もですか」患者 「そうそう」病院に来るというのも観光の一環なのでしょうか。通訳「皆さん、仏教徒なんです」中島「そうだったんですか! 」彼女は日本を本拠地とする宗教団体の名前をあげました。年齢も人種もバラバラな人達だけど、宗教が結びつけていたというわけです。そう言われれば、あまりスレていない気もします。そんなこんなで、外来で抗菌薬を点滴してから経口薬を処方しました。中島「普通は処方箋を出して調剤薬局に行ってもらうのですけど、大変そうだから院内で薬を受け取れるようにしときましょうか? 」通訳「ぜひお願いします! 」患者「アメリカも日本みたいに洗練されたシステムだったらいいのになあ。職員は皆さん親切だし」苦労はしたものの何とか日本に好印象を持ってもらうことに成功しました。でも、外国人相手だとすべての医療行為に説明を求められるし、言葉の壁はあるし、汗だくです。いつの間にか研修医を放置してしまっていました。ここはなんとか指導らしいことをしなくてはなりません。中島「英語がうまくなる方法を伝授しようか? 」研修医「ぜひ教えてください」中島「まず、外国人相手に苦労する」研修医「は? 」中島「こんなことではだめだ! と思って必死に努力する」研修医「なるほど」中島「2ヵ月もしたらモチベーションが落ちる」研修医「はい」中島「再び外国人相手に恥をかいてモチベーションをあげる」研修医「はあ」中島「要するに2ヵ月ごとに恥をかくのが大切なんや」できもせんのに何を偉そうに、と自分でもあきれてしまいます。ま、指導なんてものは自分のことを棚に上げるところから始まるものなんでしょうね。ということで最後に1句恥かけば 英語上達 待ったなし

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世界貿易センターテロ事件後、アジア系アメリカ人において予想されるPTSDに関連する要因

 2001年9月11日に起こった世界貿易センターでのテロ事件では、チャイナタウンや南アジア人が多く働くセンター周辺の施設も被害にあった。しかし、アジア人を対象とした、テロ事件のメンタルヘルスへの影響に焦点を当てた研究は行われていなかった。米国・フォーダム大学のWinnie W. Kung氏らは、テロ被害を受けたアジア人を対象に、その後のPTSD(心的外傷後ストレス障害)の有病率、リスク、保護因子に関する調査を行った。Journal of urban health誌オンライン版2018年2月15日号の報告。 世界貿易センター健康レジストリより収集されたテロ事件から2~3年後のアジア人4,721例を対象に、直接攻撃にさらされたアジア系アメリカ人におけるPTSDの有病率、リスク、保護因子に関するベースライン調査を実施し、非ヒスパニック系白人4万2,862例との比較を行った。 主な結果は以下のとおり。・アジア人のPTSD有病率(14.6%)は、白人(11.7%)と比較し高かった。・多変量解析におけるPTSDに有意に関連する人種特異的要因は、社会人口統計学において以下の点が認められた。 ●高等教育は、白人において保護因子であったが、アジア人ではリスク因子であった。 ●雇用は、白人において保護因子であったが、アジア人では影響が認められなかった。 ●移民であることは、白人においてリスク因子であったが、アジア人では影響が認められなかった。 ●収入は、白人、アジア人ともに保護因子であった。・災害曝露やPTSDのオッズ比を3.6~3.9倍に増加させる低呼吸器症状を含む、ほかの普遍的要因は、PTSD症状のオッズ比を有意に増加させたが、人種差は認められなかった。 著者らは「アジア人がメンタルヘルスサービスを十分に活用していないという歴史的背景を考えると、アジア人のための予防とフォローアップ治療は不可欠である」としている。■関連記事震災と精神症状、求められる「レジリエンス」の改善東日本大震災、深刻な精神状態の現状:福島医大テロ襲撃後のPTSDやうつ病、2年前のバルド国立博物館襲撃事件より

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迷ったら接種したい肺炎球菌ワクチン

 2018年4月3日、MSD株式会社は、肺炎予防に関するメディアセミナーを都内で開催した。セミナーでは、高齢者の肺炎の概要、ワクチン接種の動向などが語られた。肺炎死亡者の97.3%が65歳以上 セミナーでは、内藤 俊夫氏(順天堂大学医学部 総合診療科 教授)を講師に迎え、「超高齢社会における[まさか]に備えた肺炎予防~インフルエンザパンデミック、東日本大震災との関連から考察する~」をテーマに解説が行われた。 わが国の死因は、悪性新生物、心疾患に次いで、2010年頃より肺炎が第3位となり推移している。とくに肺炎による死亡者の97.3%が65歳以上ということから、今後もこの傾向は変わっていかないと予想されている(厚生労働省 人口動態統計[確定数]2016年より)。 肺炎は、主に細菌やウイルスが肺に侵入し起こる肺の炎症だが、高齢者や糖尿病などのリスクのある患者では、免疫力が弱いことから、重症化すれば死に至る疾患である。 肺炎を起こす主要な細菌は肺炎球菌で、「ウイルスか細菌感染かの鑑別は、臨床医の腕の見せどころであり、丁寧に診療してほしい」と内藤氏は語る。また、肺炎予防では、一般的に「マスク着用、手洗い、うがい」が行われているが、「歯磨きや誤嚥の防止など、口腔ケアも高齢者には大事だ」と指摘。さらに、規則正しい生活や禁煙、基礎疾患の治療のほか、「肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンのダブル接種が、肺炎予防には重要」と提案する。その理由として、インフルエンザに罹患し抵抗力が落ちた肺に、肺炎球菌が侵入することで肺炎を起こしやすくなり、予後を悪化させる、と説明する。接種率は20%から65%へ上昇 65歳以上の高齢者での肺炎球菌ワクチン接種率は、以前は20%程度だった(米国では63.6%[2015年NHIS調査])。理由としては、ワクチンへの無関心や接種へのアクセスの悪さが指摘されていた。そこで、2014年10月から国の施策により、65歳以上の高齢者への肺炎球菌ワクチンの定期予防接種が始まった。「これら公費の助成とワクチン接種率には密接な関係があり、ワクチン接種の普及に公費助成は重要な役割を果たした」と、同氏は語る。公費助成導入後の23価肺炎球菌ワクチンの推定全国接種率は、2018年3月末時点で約65%に上昇し、接種率の向上は実現した1,2)(総務省統計局政府統計[2012年10月1日現在]およびMSD社社内データより推定)。 そして、本年度が、定期接種の経過措置(65歳、70歳、75歳…と5歳刻みの年齢が接種対象者)の最終年度となり、2019年4月からは、65歳のみが定期接種の対象となる予定である。現行の制度は対象者にわかりにくく、接種を受けていない高齢者も多い。また、最初の時期に接種を受けた人は、あと1年で5年が経とうとしている。23価肺炎球菌ワクチンの免疫原性の効果は5年経つと弱まるとされ、来年以降、再接種を受ける必要性も専門家の間で示唆されているという。外来での働きかけが再接種成功の秘訣 「肺炎球菌ワクチンは、65歳を過ぎたら(糖尿病などのリスクの高い患者も含め)接種歴の有無にかかわらず、なるべく受けることをお勧めする」と同氏は語る。そのため医療者側でも接種の有無を外来で必ず聞いたり、電子カルテに記録の項目を設置したりすることが重要だという。また、「(患者へは)1年を通じていつでも接種できることを伝え、(1)定期接種の案内が来た時、(2)初診時、(3)健康診断時、(4)退院時、(5)インフルエンザワクチン接種時など、5つのタイミングで医師などに相談するように指導することが必要」と提案する。 最後に同氏は、「肺炎球菌ワクチンは特別なものではなく、普段からの接種が大事。医療者には対象者を、早く接種するように促し、接種する気になるようにして指導してもらいたい」と要望を語り、レクチャーを終えた。■参考文献1)Naito T, et al. J Infect Chemother. 2014;20:450-453.2)Naito T, et al. J Infect Chemother. 2018 Feb 1. [Epub ahead of print]■参考厚生労働省 肺炎球菌感染症(高齢者):定期接種のお知らせ肺炎予防.JP

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ジェネリック希少の医薬品、米国で価格高騰/BMJ

 米国において特許期限切れだがジェネリック承認薬がない処方薬のうち、半数超は米国外で少なくとも1社が承認を受けており、半数弱は4社以上が承認製造していた。米国・ジョンズ・ホプキンス大学のRavi Gupta氏らが、1939~2017年に米国食品医薬品局(FDA)で承認を受け、その後特許期限が切れた薬剤などを対象に行った観察試験で明らかにしたもので、BMJ誌2018年3月19日号で発表した。米国では、特許期限の切れた処方薬の一部が、競合会社が少ないために急激に価格が高騰し、入手が困難になるといった問題が生じている。今回の結果を受けて著者は、「それらの処方薬について、米国外からの輸入販売規制などを緩和化することで、適正な市場競争が促され、価格低下や患者への安定的な供給につながるだろう」とまとめている。ジェネリックが3種以下の薬剤を対象に調査 研究グループは、1939年以降に米国FDAの承認を受けた新規処方薬(錠剤またはカプセル)で、特許期限が切れるなど市場独占権を失っており、そのジェネリック製品が3種以下と市場での競争力が低い薬剤を対象に、2017年4月まで観察試験を行った。 対象の処方薬について、米国と同等な承認基準を設けている欧州、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、スイス、南アフリカ、イスラエルの7つの規制機関から承認を受けた製造業者の数について調査を行った。また、それら処方薬の特性と、米国における希少疾病用医薬品の指定、世界保健機関(WHO)必須医薬品、治療分野、製造工程の複雑さ(生物学的同等性の保持や製造が困難)、2015年のメディケイド総支出などとの関連についても調べた。米国でジェネリックのない薬剤、半数超が米国外で承認 特許期限が切れるなど市場独占権がなく、米国内でジェネリックを販売する企業が3社以下だった処方薬は、170種だった。そのうち109種(64%)は、米国外で少なくとも1社の製造業者が承認を受けていた。また32種(19%)は、4社以上が承認を受けていた。 米国FDAがジェネリック製品を承認していなかった44種(26%)において、21種(48%)は米国外で少なくとも1社が製造承認を受けていた。2種(5%)は4社以上が製造承認を受けていた。 また、調査対象となった170種のうち66種(39%)が、米国も合わせ4社以上の製造業者が製造していた。 少なくとも米国外の1ヵ国以上で承認を受けた109種のうち、希少疾病用医薬品は12種(11%)、WHO必須医薬品は29種(27%)だった。製造工程が複雑で米国への輸入に困難を伴う可能性があった医薬品は12種(11%)のみであった。 処方薬の数が最も多かったのは心血管系疾患・糖尿病・脂質異常症(高脂血症)の治療薬(19種、17%)、精神病治療薬(16種、15%)、感染症治療薬(15種、14%)だった。米国で適正な競争が行われていないジェネリック薬に対するメディケイドからの支出は、2015年で約7億ドルに上っていた。

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慢性肝疾患リスクを低減する遺伝要因が明らかに/NEJM

 HSD17B13のスプライス変異体rs72613567:TAが、脂肪肝や脂肪性肝炎への進展リスク低下と関連することが、米国・Regeneron Genetics CenterのNoura S. Abul-Husn氏らによる検討で明らかになった。約4万7,000例を対象にした「DiscovEHRヒト遺伝学試験」のエクソーム解析データに加え、複数のコホート試験などを基にした検証結果で、NEJM誌2018年3月22日号で発表された。慢性肝疾患の基礎を成す遺伝要因は、新たな治療ターゲットを明らかにできる可能性があることから、解明への期待が寄せられていた。ALT・AST値に関連の遺伝子変異体を特定 研究グループは、DiscovEHRヒト遺伝学試験の被験者4万6,544例のエクソーム解析データと電子保健医療記録(EHR)を基に、血清アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)値と血清アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)値に関連する遺伝子変異体を特定した。 特定した変異体について、他の3つのコホート(被験者数1万2,527例)で再現性を確認した。そのうえで、DiscovEHR試験と2つの独立コホート(被験者数3万7,173例)で、慢性肝疾患の臨床的診断との関連性を評価した。さらに2,391例のヒト肝臓検体において、肝疾患の病理組織学的重症度との関連についても評価を行った。アルコール性肝硬変、rs72613567:TAでリスク低下 肝脂肪滴蛋白17β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素13をコードする「HSD17B13」のスプライス変異体(rs72613567:TA)が、ALT低下(p=4.2×10-12)とAST低下(p=6.2×10-10)と関連していることが確認された。 DiscovEHR試験の被験者について調べたところ、同変異体はアルコール性肝障害のリスク低下や(ヘテロ接合では42%低下[95%信頼区間[CI]:20~58]、ホモ接合では53%低下[95%CI:3~77])、非アルコール性肝障害のリスク低下(それぞれ、17%[95%CI:8~25]と30%[同:13~43]の低下)と関連が認められた。 また同変異体は、アルコール性肝硬変のリスク低下や(それぞれ42%[95%CI:14~61]と73%[同:15~91]の低下)、非アルコール性肝硬変のリスク低下(それぞれ26%[95%CI:7~40]と49%[同:15~69]の低下)と関連した。こうしたリスク低下との関連性については、2つの独立コホートでも確認された。 ヒト肝臓検体による評価では、rs72613567:TAは非アルコール性脂肪性肝炎のリスク低下と関連していたものの、脂肪肝のリスク低下とは関連がなかった。 rs72613567:TAは、肝損傷リスクを増加するPNPLA3 p.I148Mアレルによる肝損傷を軽減し、不安定で正常より短い蛋白となり、酵素活性が低下した。

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PSA検診への逆風は続くのか?過去最大級の比較対照試験(解説:榎本裕氏)-838

 「前立腺がんの早期発見にPSA検査が必須である」ということに異論の余地はない。ただし、「一般男性を対象としたPSAスクリーニングが有用である」のかどうかについては以前より議論が尽きないところである。 この議論に火をつけたのは、2012年に発表された2つの比較対照試験PLCO1)、ERSPC2)の結果が相反するものであったためである。米国で約7万7,000例を対象に行われたPLCO試験ではPSAスクリーニングによる前立腺がん死亡の低下が認められなかったのに対し、ヨーロッパで約18万2,000例を対象に行われたERSPC試験では11年間のフォローアップで前立腺がん死を21%減少させたのである。この報告以降、それぞれの試験の問題点の指摘や、追加解析が行われたものの、PSAスクリーニングの問題に最終決着はついていない。 本報告は40万例以上が参加した過去最大のクラスター比較対照試験である。PLCO試験で問題とされた対照群のコンタミネーション(対照群がPSA検査を受けること)は10年間で10~15%程度と比較的低いレベルと推定された。一方、介入群のうち実際にクリニックを受診したのは40%、PSA検査を受けたのは36%であった。今回、介入群全体と対照群の比較で前立腺がん死亡に有意差がみられなかったことで、単回PSA検査を支持しないという結論になっているが、果たしてそうであろうか。 検診が有効であるためには十分な検診受診頻度が必要であり、PSA検診でも前立腺がん死亡の低下のためには50%程度の検診受診率が必要ともいわれている。実際、本研究でもPSAクリニックを受診した参加者では進行がんの頻度が低かったのに対し、クリニック非受診者では対照群と同様に進行がんの頻度が高かった。「PSA検診の案内を1回送付する」という方法論の妥当性を議論することなく、PSA単回検診の有用性を否定することはできないし、ましてや継続的なPSA検診の有用性の議論に影響を与えるものであってはならないだろう。

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不動産投資を成功へ導く6ステップ【医師のためのお金の話】第7回

不動産投資を成功へ導く6ステップこんにちは、自由気ままな整形外科医です。前回は、不動産は資産の王様であり、経済的に自由な状況へ到達するためには避けて通れないことをお話ししました。しかし、不動産は高額であるため、事前に不動産投資手法をしっかり勉強する必要があることを忘れてはいけません。不動産投資でOJTは禁忌!医療という職業柄、医師は業務を通して行う「教育訓練(On-The-Job Training:OJT)」を好む傾向にあります。ご存知のように、医療には理論と実際の臨床との間に、少なからず乖離があります。そのため、教科書だけ勉強しても、実際の臨床現場で使える知識を習得できるとは限りません。この点に関しては不動産投資も医療と同様で、書籍だけでは得ることのできない知識があります。医療においては、業務を通して行う教育訓練(OJT)が一般的ですが、これをそのまま不動産に当てはめると大変なことになります。何といっても不動産は高額であるため、最初の方向性を間違えると取り返しのつかないことになるからです。では、どうすればスムーズに不動産投資を開始できるのでしょうか?不動産のおススメ勉強法私が不動産投資を開始したのは2004年です。当時はまだ不動産投資が一般的ではなく、今のように手軽に学べる不動産投資の書籍や不動産コミュニティーは存在しませんでした。このため、失敗を積み重ねながら、独学で不動産投資手法を習得せざるを得ませんでした。このような経験を踏まえたうえで、私が今から初心者の立場に立ったとして、不動産投資の勉強を開始するのであれば、どのように勉強するのが良いでしょうか?最も効率が良いと私が思う勉強方法は次の6ステップです。1)『不動産投資の正体』(猪俣 淳/著. 住宅新報社. 2014)を一読する2)不動産投資の書籍を50冊ほど購入3)これらの書籍を1ヵ月以内に完全読破4)何度も『不動産投資の正体』を熟読5)地元の不動産大家の会に参加6)物件情報収集と物件調査を繰り返す『不動産投資の正体』は、不動産投資コンサルタント兼実践投資家である猪俣 淳氏による渾身の力作です。ページ数はさほど多くないものの、理路整然としていながら非常に難解です。この書籍では、不動産投資の基本を学ぶことができます。『不動産投資の正体』を一読した後は、いろいろな考え方に触れるために、ジャンルを問わずに不動産投資本を50冊ほど読みます。さまざまな書籍を読破することで、不動産投資に対するイメージが頭の中でぼんやりと形作られていきます。その後『不動産投資の正体』を何度も熟読して、不動産投資の考え方を確実に理解しましょう。このようにして不動産投資の基本を押さえた後に、評判の良い地元の不動産大家の会に入会します。大家の会では、たくさんの先輩投資家やメンターを見つけることができます。そして、不動産投資の理論と実際の乖離を埋めるために、いよいよ物件情報収集と物件調査を何度も繰り返します。まずは100件の物件調査を目標にしましょう。不動産投資をなめてはいけませんこれくらいの下準備をして、ようやく不動産投資のスタートラインに立つことができます。何でもそうですが、おいしい話が向こうから勝手にやってくることはありません。不動産業者さんからもらった「30年間借上げなので安心!」とうたっている物件資料だけで購入を決めてしまうなどあり得ません。しかし、実際にはこのような物件をつかんでしまう人が後を絶ちません。くれぐれもご注意を!

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米国の長期介護における向精神薬を使用した認知症ケア改善に関する研究

 養護老人施設における認知症ケア改善のための、メディケアおよびメディケイド・サービスセンター(CMS)国家パートナーシップ(以下、パートナーシップ)は、抗精神病薬の処方の割合を測定し、認知症者のケアの質を向上させるために設立された。米国・ミシガン大学のDonovan T. Maust氏らは、長期介護を受ける高齢者への抗精神病薬および他の向精神薬の処方傾向とパートナーシップとの関連について検討を行った。JAMA internal medicine誌オンライン版2018年3月17日号の報告。 2009年1月~2014年12月までのメディケアサンプル20%の断続的な時系列分析を、パートD(処方箋薬剤給付保険)を有する長期介護のメディケア受給者63万7,426例を対象に実施した。データ分析は、2017年5月1日~2018年1月9日に行われた。主要アウトカムは、抗精神病薬と他の向精神薬(抗うつ薬、気分安定薬[バルプロ酸、カルバマゼピンなど]、ベンゾジアゼピン、他の抗不安薬、催眠鎮静薬)の四半期における使用率とした。 主な結果は以下のとおり。・対象者63万7,426例のうち、女性は44万6,538例、男性は19万888例で、養護老人施設入所時の平均年齢は79.3±12.1歳であった。・対象者における向精神薬使用は、気分安定薬を除き、パートナーシップ開始前に減少していた。・2009年の第1四半期において、14万5,841例中3万1,056例(21.3%)に抗精神病薬が処方されており、これはパートナーシップ開始まで四半期ごとに-0.53%減少していた(95%CI:-0.63~-0.44%、p<0.001)。・その時点での、四半期ごとの減少率は-0.29%であり(95%CI:-0.39~-0.20%、p<0.001)、パートナーシップ後の四半期ごとの減少率は0.24%と減速していた(95%CI:0.09~0.39%、p=0.003)。・気分安定薬の使用は、パートナーシップ開始前に増加し続けており(率:0.22%、95%CI:0.18~0.25%、p<0.001)、開始後にはそれが加速し(変化率:0.14%、95%CI:0.10~0.18%、p<0.001)、2014年の最終四半期までに35万5,716例中7万1,492例(20.1%)まで達した。・抗うつ薬は全体として最も頻繁に処方された薬剤であり、2009年初めには14万5,841例中7万5,841例(52.0%)に処方されていた。・抗精神病薬と同様に、抗うつ薬の使用は、パートナーシップ開始前後どちらでも減少していたが、減少率は減速していた(変化率:0.34%、95%CI:0.18~0.50%、p<0.001)。・認知症者に限定した場合でも、同様な結果が得られた。 著者らは「長期介護において向精神薬の処方は減少していたが、パートナーシップでこの減少は加速しなかった。パートナーシップ開始後に、長期介護者や認知症者に対する気分安定薬の使用が増加し、それが加速したことは、抗精神病薬の代替品として使用されたためであると考えられる。抗精神病薬のみの使用を評価することは、ケアの質の面では不十分であり、リスクとベネフィットのバランスが良くない代替品への処方変更に寄与している可能性がある」としている。■関連記事警告後、認知症への抗精神病薬処方は減少したのか認知症者への抗精神病薬投与の現状は日本では認知症への抗精神病薬使用が増加

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早産児の動脈管開存症には高用量経口イブプロフェンが有効/JAMA

 動脈管開存症(PDA)の早産児への薬物療法による動脈管閉鎖の効果では、高用量の経口イブプロフェンが、標準用量の静脈内イブプロフェンや静脈内インドメタシンに比べて良好であることが、カナダ・ダルハウジー大学のSouvik Mitra氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌2018年3月27日号に掲載された。早産児のPDAでは保存的管理が重視されるようになっているが、血行動態的に重要なPDAを発症した患児への薬物療法による介入では、さまざまな治療法が行われているという。一般的な薬剤の効果をネットワークメタ解析で評価 研究グループは、血行動態的に重要なPDAを発症した早産児において、一般的に使用されている薬剤を用いた介入による、動脈管閉鎖の相対的な可能性を評価し、有害事象の発現率を比較するために、文献を系統的にレビューし、メタ解析を行った。 2015年8月15日までに3つの医学データベースに登録された文献を検索し、2017年12月31日にアップデートを行うとともに、2017年12月までに発行された学会プロシーディングを調べた。心エコー検査で臨床的に、血行動態的に重要なPDAと診断された在胎期間37週未満の早産児を対象に、静脈内または経口インドメタシン、イブプロフェン、アセトアミノフェン投与と、他の薬剤、プラセボ、無治療を比較した無作為化臨床試験を対象とした。 6人のレビュワーが2人1組で、それぞれデータの抽出を行った。ランダム効果を用いたベイジアン・ネットワークメタ解析によりデータを統合した。主要アウトカムは血行動態的に重要なPDAの閉鎖であり、副次アウトカムには外科的閉鎖、死亡、壊死性腸炎、脳室内出血などが含まれた。死亡、壊死性腸炎、脳室内出血は、プラセボや無治療と差がない 68件の無作為化試験に参加した4,802例の患児が、解析の対象となった。これらの論文は1980~2017年に発表され、インドメタシン、イブプロフェン、アセトアミノフェンは、投与経路、用量、期間、投与法の違いによる14種類の方法で使用されていた。67.4%(2,867/4,256例)で、治療によりPDAが閉鎖し、そのうち38%はプラセボ群または無治療群だった。 PDA閉鎖のオッズは、高用量経口イブプロフェンが、標準用量静脈内イブプロフェン(オッズ比[OR]:3.59、95%確信区間[CrI]:1.64~8.17、絶対リスク差:199/1,000例以上、95%CrI:95~258)および標準用量静脈内インドメタシン(2.35、1.08~5.31、124/1,000例以上、14~188)に比べ有意に高かった。 順位統計値に基づくと、高用量経口イブプロフェンはPDA閉鎖に関する最も優れた薬物療法の選択肢であり(SUCRA曲線:0.89[SD 0.12])、外科的PDA結紮(SUCRA曲線:0.98[SD 0.08])の低減にも有用と考えられた。 死亡、壊死性腸炎、脳室内出血のオッズは、プラセボおよび無治療が、これ以外の治療法と比較して有意な差を認めなかった。 著者は、「高用量および標準用量の経口イブプロフェンと、経口アセトアミノフェンは、全体としてアウトカム全般が高順位であることから、現在使用されている静脈内イブプロフェンや静脈内インドメタシンの標準的なレジメンに代わる有効な治療法となる可能性がある」とし、「このネットワークメタ解析の結果の妥当性を確証または反証するには、これらの薬剤の有効性と安全性に関して、臨床的に重要な差の検出に十分なサンプルサイズを有し、適切にデザインされた無作為化臨床試験が求められる」と指摘している。

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30歳未満で原発不明の悪性黒色腫が増加

 原発不明悪性黒色腫(MUP)の疫学はよくわかっていない。米国・ケース・ウェスタン・リザーブ大学附属病院のJeffrey F. Scott氏らは、米国の地域がん登録を用いて解析を行い、StageIV MUPの発生率が増加しており、その予後因子は年齢や外科治療など、原発既知のStageIV悪性黒色腫(MKP)と類似していることを明らかにした。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2018年3月23日号掲載の報告。 研究グループは、住民ベースのがん登録においてStageIV MUPの特徴を明らかにするため解析を行った。Surveillance, Epidemiology, and End Results(SEER)プログラムのSEER-18(1973~2014年)を用い、StageIV MUP例を確認するための新しい検索アルゴリズムを開発し、StageIV MUPとStageIV MKPについて、年齢標準化発生率、人口統計学的特性、補正後疾患特異的生存率(DSS)およびハザード比などを算出した。 主な結果は以下のとおり。・SEER-18で1973~2014年の間に、StageIV MUP患者322例、StageIV MKP患者1万2,796例が確認された。・StageIV MUPの発生率は、とくに30歳未満で増加していた。・多変量解析の結果、StageIV MUPの負の予後因子として、50歳以上、外科治療なしが示された。・MKPと比較しStageIV MUPでは、相対生存率は高かった。しかし、5年補正後DSSについては、その高さは示されなかった。

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非喫煙者の非扁平上皮肺がん、遺伝的寄与が大

 肺がんの発症には環境的因子や遺伝的因子の影響が強いが、組織型別の遺伝的寄与は不明である。メリーランド大学のShamus R. Carr氏らが喫煙者と非喫煙者における組織型への寄与を調査したところ、非喫煙者の非扁平上皮がんの発症における遺伝的素質を支持する結果が得られた。Journal of thoracic oncology誌オンライン版2018年4月4日号に掲載。 著者らは、喫煙者(1,751例)と非喫煙者(818例)における肺がんの組織型への遺伝的寄与を評価するために、州のがんレジストリの肺がん症例(5,408例)にリンクした、集団ベースのコンピューター化された家系図リソースを分析した。肺がん症例における有意な過剰の関連性を調べるために統計的手法を用いた。 主な結果は以下のとおり。・小細胞肺がんのサブセット(p=0.213)を除いて、分析したすべての肺がんの組織型によるサブグループで有意な過剰の関連性がみられた。・肺がんの喫煙者および非喫煙者の組織型によるサブセットを検討すると、過剰な関連性は、非喫煙者の非小細胞肺がんでみられ(653例、p=0.026)、とくに、非喫煙者の非扁平上皮がんでみられた(561例、p=0.036)。・非喫煙者の非扁平上皮がんの有意な過剰リスクを示した61家系が同定され、これらの高リスク家系の症例は女性のほうが多かった。

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突然やってくる!? 外国人患者さん対応エピソード集 番外編

番外編 全国初、県医師会主導で電話通訳事業を進めるねらいとは最終回となる今回は、番外編として、医師会主導では全国初の取り組みとなる「外国人向け電話医療通訳を活用した実証事業」を開始した石川県医師会の近藤会長に、地域レベルで本事業を開始した背景と、今後の展望についてお話を伺いました。本事業はJIGH運営の遠隔医療通訳サービス「メディフォン」が提供する計12言語の電話通訳サービスを参加医療機関が1年間利用できるもので、2017年10月から県内の37医療機関において開始されています。対談相手石川県医師会会長 近藤 邦夫 氏澤田:まず、石川県医師会として、本事業の実施を決めた背景について、教えていただけますか。近藤:北陸新幹線の開通で訪日外国人旅行者が増加していることから、医療現場において言葉が通じず、困ることが増えたという声が上がるようになりました。また、事務の方でも医療費請求にあたっての説明が不十分なことによる医療費未払いが発生するようになり、しっかりと医療を提供するためのツールとして、電話医療通訳の提供を開始することにしました。どういった手法を用いるかについては、継続性があるか、使い勝手は良いか、コスト面で効率的か、などさまざまな視点で検討する必要があります。まず日本医師会の代議委員会で代表質問をし、各地域ではどのように対応しているか、現状について情報を収集しました。大病院については国として体制整備を補助していく方向性であることを厚生労働省から聞いたものの、県内の病院で国からの補助を受けて体制整備している病院は多くないようでした。一方で、愛知県のように独自の体制を構築している地域があることを知り、石川県でも県独自の取り組みとして電話による医療通訳実証事業を始めてみることにしたのです。澤田:全国初の取り組みとして、ほかの地域からも注目を集めているのではないでしょうか。近藤:先ほど言及した愛知県のように、大都市圏では進んでいるところもあるものの、北陸地区では体制整備をしている地域はないようでしたので、石川で良いモデルを作ることができれば、より広域で同様の取り組みも出てくると思います。そのためには、実績データをしっかり発信していく必要があると思っています。また、使い勝手が良いかどうかも大事です。成功事例を見せていく必要があります。澤田:実証事業前後での参画機関の反応はいかがですか。近藤:ありがたいという声が届いています。ただ、言葉だけでは十分でなく、体制をしっかり整備していく必要があるとは思っています。医療者側は応召義務があるのでどのような状況でも医療を届けるわけですが、受け入れ体制を整備しておかないと、医療安全に関わるトラブルを生む可能性もありますので。澤田:医療者と患者さんの双方の安全のためにも体制整備は重要だと思います。それでは最後に、どのように医療機関が変わっていくと外国人患者さんの受け入れ体制が整ったといえるようになりますか。近藤会長のお考えを伺うことができればと思います。近藤:本事業はスタートしたところです。まずは電話医療通訳というツールがある、ということを医療側に知っていただく、利用していただくことが重要です。まだまだ広報が足りていないと思います。今後訪日外国人数がもっと増えるのであれば、地域の中で対応するという自覚を持つことが求められるでしょう。また、訪日外国人数の増加は、我が国の政策そのものであり、訪日外国人の医療対応も、国として取り組むべきと考えます。国として財源を確保し、公的な施設を作るなり民間に任せるなり、必要性を考え、判断する必要があると思います。その判断のためにはデータが必要となるので、石川県としてはそれを提供できればと思っています。今後ICT化がよりいっそう進めば、アプリや画像での対応などさまざまな他の選択肢が出てくるでしょう。今は過渡期です。石川県としてベストかどうかはわからないがベターであると判断し、電話医療通訳をツールとして選定し、その有用性などについて検証しているところです。澤田:石川モデルが全国に広がることを願っています。本日はお忙しい中、本当にありがとうございました。<本事例からの学び>現状の選択肢の中から最適なモデル構築を! 収集したデータを検証し、成功事例として発信

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全身性エリテマトーデス〔SLE:Systemic Lupus Erythematosus〕

1 疾患概要■ 概念・定義全身性エリテマトーデス(Systemic Lupus Erythematosus:SLE)は、自己免疫異常を基盤として発症し、多彩な自己抗体の産生により多臓器に障害を来す全身性炎症性疾患で、再燃と寛解を繰り返しながら病像が完成される。全身に多彩な病変を呈しうるが、個々人によって障害臓器やその程度が異なるため、それぞれに応じた管理と治療が必要となる。■ 疫学本疾患は指定難病に指定されており、令和元年(2019年)度末の特定医療費(指定難病)受給者証所持者数は6万1,835件であり、計算上の有病率は10万人中50人である。男女比は1対9で女性に多く、発症年齢は10~30代で大半を占める。■ 病因発症要因として、遺伝的背景要因に加えて、感染症や紫外線などの環境要因が引き金となり、発症することが考えられているが、不明点が多い。その病態は、抗dsDNA抗体を主体とする多彩な自己抗体の出現に加え、多岐にわたる免疫異常によって形成される。自然免疫と獲得免疫それぞれの段階で異常が指摘されており、樹状細胞・マクロファージを含めた貪食能を持つ抗原提示細胞、各種T細胞、B細胞、サイトカインなどの異常が病態に関与している。体内の細胞は常に破壊と産生を繰り返しているが、前述の引き金などを契機に体内の核酸物質が蓄積することで、異常な免疫反応が惹起され、自己抗体が産生され免疫複合体が形成される。そして、それらが各臓器に蓄積し、さらなる炎症・自己免疫を引き起こし、病態が形成されていく。■ 症状障害臓器に応じた症状が、同時もしくは経過中に異なる時期に出現しうる。初発症状として最も頻度が高いものは、発熱、関節症状、皮膚粘膜症状である。全身倦怠感やリンパ節腫脹を伴う。関節痛(関節炎)は通常骨破壊を伴わない。皮膚粘膜症状として、日光過敏症や露光部に一致した頬部紅斑のほかに、手指や四肢体幹部に多彩な皮疹を呈し、脱毛、口腔内潰瘍などを呈する。その他、レイノー現象、腎炎に関連した浮腫、肺病変や血管病変と関連した労作時呼吸困難、肺胞出血に伴う血痰、漿膜炎と関連した胸痛・腹痛、神経精神症状など、さまざまな症状を呈しうる。■ 分類SLEは障害臓器と重症度により治療内容が異なる。とくに重要臓器として、腎臓、中枢神経、肺を侵すものが挙げられ、生命および機能予後が著しく障害される可能性が高い障害である。ループス腎炎は組織学的に分類されており、International Society of Nephrology/Renal Pathology Society(ISN/RPS)分類が用いられている。神経精神ループス(Neuropsychiatric SLE:NPSLE)では大きく中枢神経病変と末梢神経病変に分類され、それぞれの中でさらに詳細な臨床分類がなされる。■ 予後生命予後は、1950年代は5年生存率がおよそ50%であったが、2007年のわが国の報告では10年生存率がおよそ90%、20年生存率はおよそ75%である1)。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)検査所見として、抗核抗体、抗(ds)DNA抗体、抗Sm抗体、抗リン脂質抗体(ループスアンチコアグラント、抗カルジオリピン抗体、β2GPⅠ依存性抗カルジオリピン抗体など)が陽性となる。また、血清補体低値、免疫複合体高値、白血球減少(リンパ球減少)、血小板減少、溶血性貧血、直接クームス陽性を呈する。ループス腎炎合併の場合はeGFR低下、蛋白尿、赤血球尿、白血球尿、細胞性円柱が出現しうる。SLEの診断では1997年の米国リウマチ学会分類基準2)および2012年のSystemic Lupus International Collaborating Clinics(SLICC)分類基準3)を参考に、他疾患との鑑別を行い、総合的に判断する(表1、2)。2019年に欧州リウマチ学会と米国リウマチ学会が合同で作成した新しい分類基準4)が提唱された。今後はわが国においても本基準の検証を元に診療に用いられることが考えられる。画像を拡大する表2 Systemic Lupus International Collaborating Clinics 2012分類基準画像を拡大するループス腎炎が疑われる場合は、積極的に腎生検を行い、ISN/RPS分類による病型分類を行う。50~60%のNPSLEはSLE診断時か1年以内に発症する。感染症、代謝性疾患、薬剤性を除外する必要がある。髄液細胞数、蛋白の増加、糖の低下、髄液IL-6濃度高値であることがある。MRI、脳血流シンチ、脳波で鑑別を進める。貧血の進行を伴う呼吸困難、両側肺びまん性浸潤影あるいは斑状陰影を認めた場合は肺胞出血を考慮する。全身症状、リンパ節腫脹、関節炎を呈する鑑別疾患は、パルボウイルス、EBV、HIVを含むウイルス感染症、結核、悪性リンパ腫、血管炎症候群、他の膠原病および類縁疾患が挙がるが、感染症を契機に発症や再燃をすることや、他の膠原病を合併することもしばしばある。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)SLEの基本的な治療薬はステロイド、免疫抑制薬、抗マラリア薬であるが、近年は生物学的製剤が承認され、複数の分子標的治療が世界的に試みられている。ステロイドおよび免疫抑制薬の選択と使用量については、障害臓器の種類と重症度(疾患活動性)、病型分類、合併症の有無によって異なる。治療の際には、(1)SLEのどの障害臓器を標的として治療をするのか、(2)何を治療指標として経過をみるのか、(3)出現しうる合併症は何かを明確にしながら進めていくことが重要である。SLEの治療選択については、『全身性エリテマトーデス診療ガイドライン2019』の記載にある通り、重要臓器障害があり、生命や機能的予後を脅かす場合は、ステロイド大量投与に加えて免疫抑制薬の併用が基本となる5)(図)。ステロイドは強力かつ有効な免疫抑制薬でありSLE治療の中心となっているが、免疫抑制薬と併用することで予後が改善される。ステロイドの使用量は治療標的臓器と重症度による。ステロイドパルス療法とは、メチルプレドニゾロン(商品名:ソル・メドロール)250~1,000mg/日を3日間点滴投与、大量ステロイドとはプレドニゾロン換算で30~100mg/日を点滴もしくは経口投与、中等量とは同じく7.5~30mg/日、少量とは7.5mg/日以下が目安となるが、体重により異なる6)(表3)。ステロイドの副作用はさまざまなものがあり、投与量と投与期間に依存して必発である。したがって、副作用予防と管理を適切に行う必要がある。また、大量のステロイドを長期に投与することは副作用の観点から行わず、再燃に注意しながら漸減する必要がある。画像を拡大する画像を拡大する寛解導入療法として用いられる免疫抑制薬は、シクロホスファミド(同:エンドキサン)とミコフェノール酸モフェチル(同:セルセプト)が主体となる(ループス腎炎の治療については別項参照)。治療抵抗性の場合、免疫抑制薬を変更するなど治療標的を変更しながら進めていく。病態や障害臓器の程度により、カルシニューリン阻害薬のシクロスポリン(同:サンディミュン、ネオーラル)、タクロリムス(同:プログラフ)やアザチオプリン(同:イムラン、アザニン)も用いられる。症例に応じてそれぞれの有効性と副作用の特徴を考慮しながら選択する(表4)。画像を拡大するリツキシマブは、米国リウマチ学会(American College of Rheumatology:ACR)および欧州リウマチ学会(European League Against Rheumatism:EULAR)/欧州腎臓学会-欧州透析移植学会(European Renal Association – European Dialysis and Transplant Association:ERA-EDTA)の推奨7,8)においては、既存の治療に抵抗性の場合に選択肢となりうるが、重症感染症や進行性多巣性白質脳症の注意は必要と考えられる。わが国ではネフローゼ症候群に対しては保険承認されているが、SLEそのものに対する保険適用はない。可溶型Bリンパ球刺激因子(B Lymphocyte Stimulator:BLyS)を中和する完全ヒト型モノクローナル抗体であるベリムマブ(同:ベンリスタ)は、既存治療で効果不十分のSLEに対する治療薬として、2017年にわが国で保険承認され、治療選択肢の1つとなっている9)。本稿執筆時点では、筋骨格系や皮膚病変にとくに有効であり、ステロイド減量効果、再燃抑制、障害蓄積の抑制に有効と考えられている。ループス腎炎に対しては一定の有効性を示す報告10)が出てきており、適切な症例選択が望まれる。NPSLEでの有効性はわかっていない。ヒドロキシクロロキン(同:プラケニル)は海外では古くから使用されていたが、わが国では2015年7月に適用承認された。全身症状、皮疹、関節炎などにとくに有効であり、SLEの予後改善、腎炎の再燃予防を示唆する報告がある。短期的には薬疹、長期的には網膜症などの副作用に注意を要し、治療開始前と開始後の定期的な眼科受診が必要である。アニフロルマブ(同:サフネロー)はSLE病態に関与しているI型インターフェロンα受容体のサブユニット1に対する抗体製剤であり、2021年9月にわが国でSLEの適応が承認された。臨床症状の改善、ステロイド減量効果が示された。一方で、アニフロルマブはウイルス感染制御に関与するインターフェロンシグナル伝達を阻害するため、感染症の発現リスクが増加する可能性が考えられている。執筆時点では全例市販後調査が行われており、日本リウマチ学会より適正使用の手引きが公開されている。実臨床での有効性と安全性が今後検証される。SLEの病態は複雑であり、臨床所見も多岐にわたるため、複数の診療科との連携を図りながら各々の臓器障害に対する治療および合併症に対して、妊娠や出産、授乳に対する配慮を含めて、個々に応じた管理が必要である。4 今後の展望本稿執筆時点では、世界でおよそ30種類もの新規治療薬の第II/III相臨床試験が進行中である。とくにB細胞、T細胞、共刺激経路、サイトカイン、細胞内シグナル伝達経路を標的とした分子標的治療薬が評価中である。また、異なる作用機序の薬剤を組み合わせる試みもなされている。SLEは集団としてヘテロであることから、適切な評価のためのアウトカムの設定方法や薬剤ごとのバイオマーカーの探索が同時に行われている。5 主たる診療科リウマチ・膠原病内科、皮膚科、腎臓内科、その他、障害臓器や治療合併症に応じて多くの診療科との連携が必要となる。※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報難病情報センター 全身性エリテマトーデス(公費対象)(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)患者会情報全国膠原病友の会(膠原病患者とその家族の会)1)Funauchi M, et al. Rheumatol Int. 2007;27:243-249.2)Hochberg MC, et al. Arthritis Rheum. 1997;40:1725.3)Petri M, et al. Arthritis Rheum. 2012;64:2677-2686.4)Aringer M, et al. Ann Rheum Dis. 2019;78:1151-1159.5)厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業 自己免疫疾患に関する調査研究(自己免疫班),日本リウマチ学会(編):全身性エリテマトーデス診療ガイドライン2019.南山堂,2019.6)Buttgereit F, et al. Ann Rheum Dis. 2002;61:718-722.7)Hahn BH, et al. Arthritis Care Res (Hoboken). 2012;64:797-808.8)Bertsias GK, et al. Ann Rheum Dis. 2012;71:1771-1782.9)Furie R, et al. Arthritis Rheum. 2011;63:3918-3930.10)Furie R, et al. N Engl J Med. 2020;383:1117-1128.公開履歴初回2018年04月10日更新2022年02月25日

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安すぎる名著【Dr.倉原の“俺の本棚”】第4回

【第4回】安すぎる名著こんにちは倉原です。チャラ書評、ウザ書評という新しい分野を開拓している最近です。「倉原先生、 “この先生の本だったら読んでみたい!”っていうドクターいませんか?」と聞かれて、一時期「萩野先生ですね」とルーチンで返していた時期があります。そんな私の迷惑発言と関係しているのかどうかは不明ですが、Dr.ハギーこと萩野 昇先生の本が刊行されました。ちなみに萩野先生の名前を“荻”野先生と間違うと、漏れなくFacebookにアップされるのでみなさん注意してください。『ロジックで進めるリウマチ・膠原病診療』萩野 昇/著. 医学書院. 2018通読した感想を述べましょう。あまりにも、安すぎる。何考えてんだ、医学書院! (←冗談なので怒らないでくださいね)この本は、リウマトロジストのための専門書というよりも、広く内科を診る医師向けに書かれたものです。しかし、その内容は恐ろしいほど濃厚です。内科医にとっては、「ステロイドの使い方」は必読の章。プレドニゾロンが増量されるに連れ、どういう作用が台頭してくるのか、なぜステロイドパルス療法がメチルプレドニゾロンなのか、などが解説されています。この本を読んで、ちょっと自身のプラクティスを見直そうかと思いました。私は「勉強になったなぁ」と思うところに蛍光ペンでマーカーを付けるのですが、1ページの半分以上がマーカーになってしまっていることに気付き、この本のヤバさに気が付きました。このままでは、この本だけで蛍光ペンのインクがなくなってしまう!この本の至る所に注釈が加えられているですが、その多くは「Huggy’s Memo」というミニコラムです。1つだけ紹介しましょう。プロフェッショナルのリウマトロジストが書いた、こんなよもやま話がほぼ全ページにびっしり書き込まれているんですよ。Huggy’s Memo※“palpable purpura”を「Lは舌先を硬口蓋につけて、Rは舌先を歯根部に近づけるが接しない」ことを意識して発音すると、舌が痙攣しそうになる。私、研修医のときpalpable purpuraの症例をローレンス・ティアニー先生の前で発表したことがあるのですが、関根 勤さんのジャイアント馬場のモノマネみたいな発音を20回くらい修正されたのを思い出します。萩野先生には、お互い仮面ライダービルドファンとしてFacebookで絡んでいただいているのですが、毎度毎度、選ぶ言葉のセンスに心動かされています。あの先生が医学書を書いたら、とんでもない出来になるんだろうなぁと思っていたら、予想を超える逸品が出てきました。膠原病の分野は、出版医学書が多くありません。そのため、その初動に悩んでいる医師も多くいると思います。この本、2倍の値段の7,600円でも買いですよ。『ロジックで進めるリウマチ・膠原病診療』萩野 昇/著出版社名医学書院定価本体3,800円+税サイズB5版刊行年2018年 関連番組のご紹介( CareNeTV )Dr.ハギーの関節リウマチ手とり足とり~まずは触ってみる~早期介入編Dr.ハギーの関節リウマチ 手とり足とり~もっと工夫してみる~ 長期罹患編※視聴には有料の会員登録が必要です。

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