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19)ブリーズヘラー(オンブレス、シーブリ、ウルティブロ)【解説編】【吸入薬使い方ガイド】

※上の画像をクリックすると別のウィンドウにて「環境再生保全機構」の動画ページが開きます。■今回の内容今回は、ブリーズヘラー(オンブレス、シーブリ、ウルティブロ)吸入の手順を説明します。手順としては、赤い矢印を自分側に本体を持ち、キャップを外す→上部の吸入口を後ろに倒す→アルミシートからカプセルを1つ取り出す→カプセルを本体の穴にセットして、吸入口を閉じる(カチッと音がする)→青いボタンを親指と人差し指で、両側からカチッと音がするまで1回押す→本体下部の矢印部分を持つ→呼吸を整え、ゆっくり十分に息を吐く→吸入口をしっかりくわえる→下を向かず、背筋を伸ばし、勢いよく深く吸う(そのとき舌を下げて喉の奥を広げる)→カラカラとカプセルの音が鳴る→吸入器をはずし、口を閉じ3~5秒間息を止め、薬剤を定着させる→鼻からゆっくり息を吐く→吸入口を開け、粉薬が残っていないか確認する(残っている場合はなくなるまで吸入を繰り返す)→カプセルを直接ゴミ箱に捨てる(手に持たない)→カバーを閉め、キャップをする→うがいをする(口中3回、喉の奥3回)。※注意するポイント吸った時に少し甘みを感じても、問題はありませんカプセルは飲み薬ではありません1日1回定期的に吸入します針で穴を開けないで吸入している場合があるので、青いボタンは必ず1回だけ押します(複数回押すとカプセルが破損する恐れがあります)指を青いボタンから離して吸入します吸入時に音がしない場合は、容器を軽くたたいてから再度吸入しましょう本体は水洗いできないので、1ヵ月を目安に取り換えましょう●主な製剤(2015年3月時点のデータ)ブリーズヘラー(オンブレス、シーブリ、ウルティブロ)

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第6回 医師家系の一例【宮本研のメディア×ドクターの視座】

第6回 医師家系の一例近所の人たちに「将来は、お医者さんになるの?」と聞かれていた先生は少なくないと思います。私も幼稚園の頃、「オイシャサン」が何だか分からないものの、病院官舎へヨレヨレの白衣姿で戻ってくる父が、その人だとぼんやり認識していました。当時、某県の子ども病院へ医局派遣されていた父は、小児心臓外科の立ち上げのため、ICUに泊まり込むハードな日々を送っていたそうです。ほとんど家へ帰らない日々で、古い官舎へ戻ってくるのは着替えなど、ごく限られた時間でした。「どこかにパパがいる」と時々、病院の食堂で昼食を食べつつ、五感で学んでいました。おおらかな時代だったのか、入院中の小児患者さんたちと並んで食事ができる病院で、「ずいぶん元気そうなお子さんなのに、病気だなんてかわいそう…」と、母は周囲から何度も声をかけられたそうです。病院入口のスロープでは、小児患者の車椅子を一生懸命に押していた記憶もあります。祖父もまた胸部外科医であったことも、医療環境に幼くして馴染んだ理由かもしれません。曾祖父も内科の開業医でした。医師家系の場合、このように幼い頃から医師のリアルな姿に馴染みがあり、周囲からも跡継ぎを期待されて…という状況が珍しくないと思います。科や勤務形態は違っても、親・兄弟に医師が多くいたり、医師どうしが結婚して義理の両親も医師、という場合もあります。結婚式がまるで2つの医局の顔合わせ状態に、というのも“医師あるある”ではないでしょうか。どちらの教授から祝辞を述べてもらうか、仲人を立てるべきか、お車代はいくらにしようか、と悩んだ事例も少なくないでしょう。つまり、大人どうしの自然な恋愛で医師カップルが誕生する一方で、医師家系の継承という大前提が、相手選びに制限をもたらすことも起こりやすい。それらのメリットやデメリットを論じるのは難しいものの、“純粋な医療貢献を目指す人たち”という見方だけでは、医師家系の理解は難しいでしょう。職業が特殊であることは、キャリアも競争もごく限られたメンバー間で勝負していくことにつながります。高学歴者の集団ですから、医師業界の上位争いはとても厳しい。でも国家資格それ自体が、社会の信用を得る有効なツールであり続けます。多くの先人が築いてきた医療行為や研究成果によって、現在の私たちが社会の信認を受けていると言えるでしょう。さらに医師は富裕層の代表格として、いつもメディアで取り上げられる職業です。「社会的地位も名声もあり、稼ぎも良い。不景気でも失業しない」というイメージで、医学部人気が上昇するのは避けられず、偏差値が高止まりしている現状が、この職業の期待値をさらに高めていきます。「子供たちも医師になって欲しい」という親は、教育熱心にならざるを得ません。医師免許を取得できれば何とかなる、といった安易な風潮には懸念を持たざるを得ませんが、継承案件がある場合は切実です。「同族で継いでほしい」という気持ちから、「医師免許を取らせたい」という親なりの熱意が生まれやすくなります。昨今の医療は過去の医師たちが経験した事例とは、かなり異質な方向に発展を遂げています。WEBを中心に加速度的な進歩を遂げ、人工知能の活用やリアルワールドデータを用いた医療行為の品質改善など、数年後の状況すら現役医師が正確に予測できない事態です。世界に冠たる国民皆保険や診療報酬制度があるから大丈夫、という認識も揺るぎはじめ、既存の医業継承が将来可能なのか、見通しにくい経営環境となっています。「お子さんもお医者さんに?」と質問されたとき、医師という職業の将来を正確に予測できない点を、どのように相手へ伝えればよいのでしょうか? 余計なことは言わず、「はい、そのつもりです」と笑顔で答えれば問題ないのでしょうか? 私も子どもたちの将来を考えるとき、曾祖父以来100年以上続く医師家系を、いつどのように事実として伝えるべきか、しばし考えてしまいます。ちなみに100年以上前の医療の状況は、日本内科学会誌のアーカイブから閲覧できます。この1913年の第1巻には、巻頭で「腎臓炎」の論説が掲載されており、腎臓内科医の1人として、思わず読みふけってしまう底知れぬ魅力があります。保険診療を行う上で根拠となっている医学的な根拠は、こうして膨大な年数を経ながら、果てしない試行錯誤を先駆者たちが築いていった結果であり、今もそのアップデート中と実感できます。未知への家族的な挑戦が、医業の継承につながっている側面もあるのでしょう。私は医師家系を賞賛するわけでも否定するわけでもありませんが、実際にその一員として人生を過ごしていると、無視せずに当事者が考える複雑な意義があるとも思います。実は、古くて新しいテーマなのです。

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脂質代謝遺伝子の発現を調節する高脂血症治療薬「パルモディア錠0.1mg」【下平博士のDIノート】第4回

脂質代謝遺伝子の発現を調節する高脂血症治療薬「パルモディア錠0.1mg」今回は、「ペマフィブラート錠0.1mg(商品名:パルモディア)」を紹介します。本剤は、フィブラート系薬に分類される高脂血症治療薬で、核内受容体であるペルオキシソーム増殖因子活性化受容体PPARαに選択的に結合し、脂質代謝遺伝子の発現を調節することで、血中の中性脂肪(トリグリセライド:TG)を低下させるとともにHDL-コレステロール(HDL-C)を増加させる作用を有します。<効能・効果>高脂血症(家族性を含む)の適応で、2017年7月3日に承認され、2018年6月1日より販売されています。本剤は、選択的にPPARαに結合した後、PPARαの立体構造変化をもたらすことで、主に肝臓の脂質代謝に関わる遺伝子群の発現を選択的にモジュレート(調節)して、脂質代謝を改善します。なお、本剤をLDL-コレステロール(LDL-C)のみが高い高脂血症治療の第1選択薬として用いることはできません。<用法・用量>通常、成人にはペマフィブラートとして1回0.1mgを1日2回朝夕に経口投与します。年齢・症状に応じて適宜増減可能ですが、最大用量は1回0.2mgを1日2回までです。<禁忌>次の患者には投与しないこと重篤な肝障害、Child-Pugh分類B/Cの肝硬変のある患者あるいは胆道閉塞のある患者(肝障害の悪化、または本剤の血中濃度が上昇する恐れがある)胆石のある患者(胆石形成が報告されている)妊娠または妊娠している可能性のある患者シクロスポリン、リファンピシンを投与中の患者(併用により、本剤の血中濃度が著しく上昇する恐れがある)<臨床効果>第III相臨床試験であるフェノフィブラートとの比較検証試験において、TG高値かつHDL-C低値を示す脂質異常症患者223例に、本剤0.2mg/日または0.4mg/日を1日2回朝夕食後、もしくはフェノフィブラート錠106.6mg/日を1日1回朝食後で24週間投与しました。その結果、空腹時血清TGのベースラインからの変化率は、フェノフィブラート群が-39.685±1.942%であったのに対し、本剤0.2mg群は-46.226±1.977%、0.4mg群は-45.850±1.942%であり、本剤のフェノフィブラート群に対する非劣性が認められています(p≦0.01)。なお、TG高値を示す脂質異常症患者、2型糖尿病を合併した脂質異常症患者を対象とした長期投与試験において、52週にわたり空腹時血清TGの改善が維持されました。<副作用>承認時までに実施された臨床試験において、1,418例中206例(14.5%)に副作用が認められています。主な副作用は、胆石症20例(1.4%)、糖尿病(悪化を含む)20例(1.4%)、CK上昇12例(0.8%)でした。<患者さんへの指導例>1.中性脂肪を低下させ、善玉コレステロールを増やす薬です。2.足のしびれ・痙攣、力が入らない、覚えのない筋肉痛など、いつもと違う症状が現れたらすぐに連絡してください。3.禁煙・運動・食生活など、生活習慣の改善も併せて行いましょう。<Shimo's eyes>既存のフィブラート系薬は腎排泄型の薬剤であり、安全性の観点から腎機能障害患者、肝機能障害患者、スタチン系薬を服用中の患者では使用が制限されてきました。ペマフィブラートは、腎機能障害(eGFR:60mL/分/1.73m2未満)を有する高TG血症患者に1日0.4mgまで投与した場合であっても、正常腎機能被験者と比較して発現頻度が明らかに上昇するような有害事象は現時点では認められていません。また、本剤と各種スタチン系薬との相互作用が検討された臨床試験においても、併用による双方の薬剤の血中濃度には変化がなく、有害事象の発現頻度は上昇しなかったことが確認されています。これらのことから、本剤を腎機能障害患者が服用したり、スタチン系薬と併用したりすることによる横紋筋融解症の発現リスクは、ほかのフィブラート系薬と比較して低いことが予想されます。そのため、2022年10月に高度腎障害のある患者への禁忌が解除され、慎重投与に変更されました。本剤は胆汁排泄型の薬剤であるため、肝機能障害には注意が必要ですが、申請時資料において、フェノフィブラートに比べて肝機能障害の有害事象が少ないという可能性が示唆されるデータがあります。しかし、ペマフィブラートは、日本で開発された薬剤であり、海外では臨床試験が実施されているものの、まだ承認されていません。十分な臨床での使用経験がないため、今後の副作用報告に注視する必要があるでしょう。※2022年10月、添付文書改訂により一部内容の修正を行いました。

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ASCO2018レポート 乳がん-1

レポーター紹介2018年ASCOのテーマは、”Deliverling Discoveries:Expanding the Reach of Precision Medicine”であった。その言葉どおり、プレシジョンメディスンの言葉が随所に散りばめられていた。まさに遺伝子解析から治療を選択する時代に突入している。がん種によらず腫瘍の遺伝学的特徴から治療を決めることは当たり前の状況になっていくであろう。それに伴い、胚細胞遺伝子変異、すなわち、遺伝性腫瘍との関わりも重要視されてきており、先駆けて臨床遺伝専門医制度の指導医まで獲得しておいて良かったと思うと同時に、日本家族性腫瘍学会において家族性腫瘍専門医制度が開始されたことも時代の要請だろう。免疫療法の話題も増加している。すでにFDAが複数のがん種においてペムブロリズマブやニボルマブを認可しており、一般病院への影響についてのレクチャーもあったくらいである。乳がんというくくりでは、まだ第III相試験が行われている段階ではある。TAILORx試験最初はなんといってもプレナリーセッションからである。TAILORxは、ER+/HER2-リンパ節転移陰性乳がんに対してOncotype Dxでの中間リスクを、化学療法を追加する群としない群に分けて予後をみた大規模無作為化比較試験である。発表と同時に論文化されている(Sparano JA, et al. N Engl J Med. 2018Jun 3. [Epub ahead of print])。それ以前に低リスクでは、化学療法の追加の意義はなく、内分泌療法だけで良いことが示されている。本研究での中間リスクはリスクスコア11~25としていて、メーカーが設定しているスコアとは範囲が異なることは注意する必要がある。非劣性試験であり、全6,711名の患者が割り付けられた。化学療法はTCが56%でアントラサイクリン含むレジメンは36%であった。63%は腫瘍径1~2cm、57%は腫瘍グレードが中間であった。結果は主要評価項目である浸潤DFS、副次評価項目である遠隔RFIともまったく差はなく、非劣性が証明された。もちろんRFI、OSも非劣性である。発表の中では、探索的分析が行われており、年齢50歳以下では、リスクスコア16~25で2群間の差は浸潤DFS 9%、遠隔再発2%、21~25で浸潤DFS 6%であった。結論として、リスクスコア16~25では50歳以下で化学療法のベネフィットがあるかもしれないと要約している。しかしこれは後付けの解析であることから、さまざまな因子のサブ解析の中で、たまたま年齢だけ差が出た可能性もあり、あくまで参考程度にみておくのが良いだろう。また、化学療法群で18.4%が化学療法を受けておらず、非化学療法群で5.4%が化学療法を受けていたところが気にはなる。ASTRRA試験ASTRRA試験は化学療法後に卵巣機能が残っている方に対して、タモキシフェン(5年)に卵巣機能抑制(2年)を追加することの効果をみたもので、韓国からの報告である。化学療法後2年のうちに卵巣機能が回復したり、生理がある方をそれぞれ無作為に割り付けしている。症例数の蓄積に時間がかかったようで登録期間は2年から5年に延長された。計1,293名が割り付けされた。年齢中央値は40歳で、50%以上がn+であった。またHER2陽性が10%以上存在した。化学療法はAC-Taxaneが50%以上であった。5年DFSは有意に卵巣機能抑制群で優っていた(HR=0.686、0.483~0.972、p=0.033)。サブ解析でも一定の傾向はみられなかった。OSも卵巣機能抑制群で有意に優れていた(HR=0.310、0.102~0.941、p=0.029)。SOFT試験と比較するというより、SOFT試験と組み合わせて治療方針を練ると、卵巣機能抑制の適応をより選択的に決めることであろう。すなわち、化学療法により卵巣機能が抑制されなかった、あるいは抑制されていても2年のうちに回復したハイリスク患者に対してLHRHaを用いる価値があるものと思われる。しかし、問題点はタモキシフェンを使用していると卵巣機能の回復がわかりにくいことであるが、本試験ではFSH<30U/mLを卵巣機能ありとしている。BRCA変異を有する早期乳がん患者における術前タラゾパリブタラゾパリブはPARP阻害剤であり、第III相試験であるEMBRACA試験において、医師選択の化学療法と比較して有意にPFSを延長したことが報告されている。また初期のfeasibility試験においてタラゾパリブは腫瘍量を2ヵ月で88%減少させていた。今回は術前治療としてタラゾパリブを6ヵ月内服し、手術を行った結果が報告された。BRCA1変異が17名、BRCA2が3名であり、TNBCが15例であった。pCRは53%であり、pCRまたはほぼpCRは63%であった。BRCA1か2かにかかわらず、またTNBCかHR+かにかかわらず良い効果を示していた。安全性に関しては貧血、好中球減少が主なもので、非血液毒性はほぼ軽微であった。輸血例も8例いた。9例で減量を要していた。かなり高いnear pCR率であり、早期乳がんの補助療法におけるPARP阻害剤の役割が今後注目を集めていくであろう。本剤の至適使用期間も課題である。PERSEPHONE試験PERSEPHONE試験はHER2陽性乳がんに対して術前術後補助療法としてのトラスツズマブ6ヵ月と12ヵ月を比較する、サンプルサイズ4千例の大規模な非劣性試験である。4年DFSが12ヵ月のトラスツズマブで80%と評価され、非劣性として3%を下回らないことが条件である。片側有意差5%、検出力85%である。実際に4,089例がリクルートされ、4,088例が解析された。ER陽性が69%と高くアントラサイクリンベースが41~42%、アントラサイクリン-タキサンベースが48~49%であった。トラスツズマブのタイミングは同時が47%、逐次投与が53%であった。また、58~60%がリンパ節転移陰性であった。結果は中央値5.4年でDFSが非劣性であった(HR=1.07、0.93~1.24)。予定されていたサブ解析では目立つものはなかったが、タキサンベースまたはトラスツズマブ同時投与で12ヵ月投与が良好であった。もちろんOSも完全に非劣性である。心毒性のためにトラスツズマブを中止したのは6ヵ月投与で4%、12ヵ月投与で8%であった。今まで複数のトラスツズマブ投与期間に関する試験の結果が明らかとなっており、はじめて非劣性が証明された。しかし、今回のPERSEPHONE試験の結果をもって診療が変わるわけではない。ASCO2017の報告でトラスツズマブ1年投与の適応について詳しく述べており、またSABCS2017の報告でメタアナリシスとSOLD試験の結果をまとめているので参照してほしい。

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今だから聞きたいバイオシミラーの基礎

 2018年6月20日、ファイザー株式会社は、「バイオ医薬品・バイオシミラーの基礎と医療制度を取り巻く環境について」をテーマに、第1回バイオシミラー勉強会を都内で開催した。 バイオ医薬品は、遺伝子組み換え技術や細胞培養技術を用いて製造される医薬品であり、「生物学的製剤」とも呼ばれる。2000年頃から医薬品市場に登場して以来、関節リウマチの寛解率やがん患者の生存率を改善するなど、医療の質を大きく向上させた。近年、売上高は右肩上がりで大幅に推移しており、今後も重要な治療選択肢となりうる。バイオシミラーはバイオ医薬品と同等の品質管理体制 バイオ医薬品の特性の1つとして、不均一性がある。微生物や細胞を用いて製造するため、製品に含まれる薬効成分は、わずかに構造がばらついた分子の混合物と考えられている。しかし、この不均一性に対しては、あらかじめ許容域が定められており、各種の試験結果が許容範囲内に収まる製品のみが市場に出ている。 バイオシミラーとは、国内ですでに承認されたバイオ医薬品(先行品)の後続品である。バイオシミラーの開発ガイドラインは、バイオ医薬品の製造工程変更に関する国際的なガイドライン(ICH Q5E)に基づいて策定されており、先行品と「同等/同質」の品質、安全性、有効性を有する医薬品として、バイオシミラーが開発・承認される。同等/同質とは、まったく同一ということではなく、品質特性において類似性が高く、安全性・有効性に有害な影響を及ぼさないことを示している。 つまり、バイオシミラーの開発では、臨床的に同等/同質であることを検証する必要があり、品質特性解析に重点が置かれ、非臨床試験、臨床薬理試験、臨床試験と段階的に試験が行われる。また、承認・販売後は、免疫原性の問題などに留意し、製造販売後調査の実施も求められる。バイオシミラー市場の拡大で、医療費の負担軽減へ 本セミナーでは、益山 光一氏(東京薬科大学 薬学部 薬事関係法規研究室 教授)が、講演を行った。同氏は、バイオ医薬品について「生命を脅かす重篤な疾患や慢性疾患の治療薬として、多大な恩恵をもたらした」とたたえたが、同時に、2017年における世界の医薬品売り上げで、トップ3をバイオ医薬品が占めることなど、医療費にかかる負担を指摘した。わが国の国民医療費は、2013年以降40兆円を超えているが、バイオ医薬品の市場が今後も拡大していくことを考えると、医療費が下がるとは考えにくい。そこで、平等な医療制度を継続していくためにも、バイオシミラーの存在が重要になるという。 売り上げ上位のバイオ医薬品における特許期間は、2020年までに続々と終了していく見込みであり、国の支援方針としては、「経済財政運営と改革の基本方針2017」(骨太方針)に、「2020年度末までに、バイオシミラーの品目数倍増(成分数ベース)を目指す」と明記されている。しかし、安かろう悪かろうと思われてしまうとバイオシミラー使用率の向上は難しいため、国民への認知推進とともに、医療者が、有効性だけでなく、免疫原性など安全性についての情報も、収集・提供していくことが重要である。 益山氏は、厚生労働省で勤務していた頃を振り返り、「ジェネリック医薬品の使用推進には20年かかった。バイオシミラーではもう少し早く達成できるように発信していきたい。バイオシミラーについて、まず医療に携わる者が正しい知識を身に付け、新規バイオ医薬品とバイオシミラーを適切に選択し、バイオ医療の発展による治療アウトカムのいっそうの向上を期待する」と、講演を締めくくった。 同社によるバイオシミラー勉強会は、8月に第2回、9月に第3回が開催予定(全3回)。■参考ファイザー株式会社 医薬開発部門の取り組み

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ブレクスピプラゾールとアリピプラゾールの体重変化への影響

 統合失調症に対する単独療法および大うつ病(MDD)に対する補助療法として、ブレクスピプラゾールとアリピプラゾールを使用した際の体重への影響について、米国・大塚ファーマシューティカルD&C Inc.のCatherine Weiss氏らは、短期研究(4、6週)および長期研究(52週以下)により検討を行った。International clinical psychopharmacology誌オンライン版2018年6月6日号の報告。 体重データは、統合失調症およびMDDの補助療法におけるブレクスピプラゾールとアリピプラゾールの臨床研究より抽出した。データをプールし、分析を行い、各薬剤の使用による平均体重の変化を評価した。また、ベースラインからの各薬剤による臨床的に関連する体重変化(7%以上の体重の増減)を評価した。 主な結果は以下のとおり。・短期および長期の統合失調症およびMDDの補助療法における、ブレクスピプラゾールとアリピプラゾールによる体重増加プロファイルは、全体的に類似していた。・短期の統合失調症の研究における平均体重は、ブレクスピプラゾールで+1.2kgアリピプラゾール+0.6kgであった。・短期のMDDの研究における平均体重は、ブレクスピプラゾールで+1.5kgアリピプラゾール+1.6kgであった。・長期の統合失調症の研究における平均体重(52週時)は、ブレクスピプラゾールで+2.1kgアリピプラゾール+3.0kgであった。・長期のMDDの研究における平均体重(52週時)は、ブレクスピプラゾールで+3.2kgアリピプラゾール+4.0kgであった。・臨床的に関連する体重の増減についても、ブレクスピプラゾールとアリピプラゾールは同様であった。 著者らは「総合的にみて、統合失調症に対する単独療法およびMDDに対する補助療法としてのブレクスピプラゾールとアリピプラゾール治療は、1年間にわたって体重への影響が同様である」としている。■関連記事オランザピンおよびリスペリドンの体重増加に関するメタ解析抗精神病薬の体重増加リスクランキング抗精神病薬誘発性体重増加に対するトピラマート治療のメタ解析

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偶発腫の検出頻度が高い画像検査は?悪性の割合は?/BMJ

 偶発腫(incidentalomas)は、急速に現代の医療危機の1つになりつつあるという。英国・オックスフォード大学のJack W. O'Sullivan氏らは、偶発腫の検出頻度が高い画像検査は、胸部CT、大腸CT、心臓MRIであり、偶発腫が悪性腫瘍である可能性が高い臓器は乳房、卵巣、甲状腺であるとの研究結果を、BMJ誌2018年6月18日号で報告した。画像検査の需要が急速に増大するとともに、画像の解像度の改善が進み、偶発腫に遭遇する機会が急上昇しているが、その有病率やアウトカムの評価にはばらつきがあることが知られている。20件の系統的レビューを包括的にレビュー 研究グループは、偶発的画像所見(incidental imaging finding)として見つかった“偶発腫”の有病率とそのアウトカムの全体像を知るために、240試験(62万7,073例)に関する20件の系統的レビューについて、包括的レビュー(umbrella review)を行った(特定の研究助成は受けていない)。 2017年8月までに医学データベースに登録された論文を検索し、入手した論文の引用文献も調査した。偶発的異常(incidental abnormality)=“偶発腫”の有病率に関する観察研究の系統的レビューおよびメタ解析を対象とした。 偶発的画像所見は、健常者、無症状の患者における画像上の異常、および有症状患者における症状とは明確な関連がない画像上の異常と定義した。感度分析には、悪性腫瘍の既往歴のある患者における偶発腫の有病率を評価した試験も含めた。6種の画像法と、データが得られた10の臓器について解析した。有病率、アウトカムとも各データ間に大きな異質性 解析の対象となった20件の系統的レビューのうち、15件は偶発腫の有病率を定量的に評価し、18件は偶発腫のアウトカムを定量的に評価した研究であった(13試験は両方)。 偶発腫の有病率は、画像法によって実質的にばらつきが認められた。胸部CTによる偶発的な肺塞栓症の有病率は2%であった。X線および超音波による偶発腫の有病率を検討した系統的レビューおよびメタ解析はなかった。 偶発腫の有病率が最も低い画像法は全身PET/PET-CTの2%(甲状腺、大腸)であった。これに対し、偶発腫の有病率が最も高い画像法は、胸部CTの45%(胸部、腹部、脊椎、心臓)であり、次いで大腸CTが38%(大腸外)、心臓MRIが34%(心臓外)の順であり、3分の1を超えていた。脊椎MRIの偶発腫の有病率は22%(脊椎)、脳MRIも22%(脳)だった。 偶発腫のアウトカムについては、臓器によって悪性腫瘍が占める割合に大きなばらつきがみられた。悪性腫瘍の有病率は、脳が0%、副腎が0.0007%、耳下腺が5%と低く、大腸外が14%、前立腺が11%、大腸は17%であった。これに対し、腎臓は25%、甲状腺は28%、卵巣は28%といずれも約4分の1を占め、最も悪性腫瘍の割合が高かったのは乳房の42%であった。 研究データ間には高い異質性が認められ、20件のメタ解析のうち15件がI2>50%であった。一貫性があり、異質性のないエビデンスと大規模データを持つメタ解析はほとんどなかった。 著者は、「これらの知見は、画像検査を要請する際に、医師と患者がその長所と短所を勘案する一助となり、偶発腫診断後の管理の決定に役立つと考えられる。今回の結果は、これらの決定を支援するガイドラインの策定を支持するものである」と指摘している。

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小細胞肺がんへのペムブロリズマブ単独投与、PD-L1陽性例でより高い効果(KEYNOTE-158)/ASCO2018

 ペムブロリズマブは、PD-L1陽性固形がんに対するマルチコホート第Ib相試験KEYNOTE-028で、化学療法歴のある小細胞肺がん(SCLC)に対する有効性と高い忍容性が認められている。このKEYNOTE-028に続く試験として、SCLCを含む10種類とMSI-Hの固形がんを対象としたマルチコホート第II相試験KEYNOTE-158が行われた。そのSCLCの解析結果を、韓国・延世大学医学部延世がんセンターのHyun Cheol Chung氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2018)で発表した。 試験に登録されたSCLC患者は107例。患者は、3週ごとにペムブロリズマブ200mgを最大2年間投与された。追跡期間中央値は9.3ヵ月(0.5~22.3ヵ月)。前治療歴は1次治療が42%、2次治療が34%、3次治療以上が23%。PD-L1陽性は39%、陰性が47%、不明が14%であった。主要評価項目は客観的奏効率(ORR)、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、奏効期間(DOR)、安全性。 主要評価項目のORRは18.7%(95% CI:11.8~27.4%)。PD-L1発現状況別ORRは、陽性が35.7%(21.6~52.0%)、陰性が6.0%(1.3~16.5%)、MSI-H以外が91%を占めた。 副次評価項目は、全症例でのPFS中央値が2.0ヵ月(1.9~2.1ヵ月)。PD-L1発現状況別では陽性が2.1ヵ月(2.0~8.1ヵ月)、陰性が1.9ヵ月(1.6~2.0ヵ月)。また、全体のOS中央値8.7ヵ月(5.6~12.0ヵ月)、PD-L1陽性では14.9ヵ月(5.6ヵ月~未達成)、陰性が5.9ヵ月(3.3~10.1ヵ月)。DORは未達成。 治療関連有害事象の発現率は60%で、発現率10%以上のものは疲労感(14%)、皮膚掻痒(12%)、甲状腺機能低下症(12%)、食欲不振(10%)、悪心(10%)。Grade3~4の有害事象発現率は12%で、頻度が多かったものは急性膵炎(2%)だった。 ■参考ASCO2018Abstract※医師限定ASCO2018最新情報ピックアップDoctors’Picksはこちら

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第1回 炎症疾患疑いの検査/頓服薬の期間算定/腫瘍マーカーの検査/皮膚科特定疾患指導管理料【レセプト査定の回避術 】

事例1 炎症疾患疑いの検査慢性疾患で通院している患者に対し、炎症疾患を疑いCRPを実施した。●査定点レセプト請求では、炎症疾患疑いを病名に追記しなかったため査定された。解説を見る●解説病名漏れに対するCRP査定(16点)ですが、同時に免疫学的検査判断料(144点)も査定されるので、CRPを実施したときは、必ず、炎症疾患疑いを病名追記するようにしてください。事例2 頓服薬の期間算定頓服薬として、30日分を請求した。●査定点20日間が査定された。解説を見る●解説10日以上の頓服薬は査定の対象になります。電子カルテの普及に伴い、内服薬の用法を間違えて、頓服薬として30日分、60日分などで請求してしまうことがあります。これは、「医療機関側のミス」となるので、医師の入力ミス防止策の検討、医事課の点検を強化する必要があります。事例3 腫瘍マーカーの検査慢性疾患で通院している患者が、4月にα-フェトプロテイン(107点)を施行した。6月に肝がんが確定し胎児性抗原(CEA)(105点)とCA19-9(130点)を施行し、悪性腫瘍特異物質治療管理(360点)+初回月加算(150点)を算定した。●査定点初回月加算(150点)が査定された。解説を見る●解説初回月加算の条件に、「悪性腫瘍特異物質治療管理料を算定する当該初回月の前月において、区分番号「D009」腫瘍マーカーを算定している場合は、当該初回月加算は算定できない」と通知されています。この前月とは、「事例3 腫瘍マーカーの検査」でいうと5月にあたるので、6月の初回月加算(150点)は算定できます。事例4 皮膚科特定疾患指導管理料アトピー性皮膚炎で、先月処方した外用薬を使用するよう患者に指導し、皮膚科特定疾患指導管理料(II)を算定した。●査定点皮膚科特定疾患指導管理料(II)が査定された。解説を見る●解説アトピー性皮膚炎で、皮膚科特定疾患指導管理料(II)を算定するには、「外用療法を必要とする場合に限り算定できる」となっています。先月、処方した外用薬の使用範囲が少なくなり、今月も先月処方した外用薬を継続使用することになりましたが、レセプトに外用薬または院外処方箋が算定されていないため、外用療法をしていないと審査され、査定されました。レセプトに、簡単なコメント、たとえば「薬剤は先月分の薬剤を継続使用しています」と記載することが望まれます。

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20歳前後のBMIで、乳がんリスク4倍以上の差

 BMIと乳がんリスクの間には、閉経前女性では逆相関、閉経後女性では正相関がみられる。今回、閉経前女性のBMIと乳がんリスクの逆相関がこれまで報告されていたよりも強く、成人初期(18~24歳)で最も強く関連することが、米国・国立がん研究所コホートコンソーシアムが推進するPremenopausal Breast Cancer Collaborative Groupの研究で示唆された。JAMA oncology誌オンライン版2018年6月21日号に掲載。 本研究では、BMIと閉経前乳がんリスクの逆相関について年代ごとに調査し、現在の年齢、乳がんリスク因子、ホルモン受容体の状態についても検討した。研究グループは、19件の前向きコホートにおける閉経前女性75万8,592人の個々のデータをプールし、18~24歳、25~34歳、35~44歳、45~54歳でのBMIについて閉経前乳がんのハザード比(HR)を、Cox比例ハザード回帰分析を用いて推定した。追跡期間中央値は9.3年(四分位範囲:4.9~13.5年)、1万3,082例で浸潤性もしくは非浸潤性乳がんが発症した。参加者のリクルートは1963年1月1日~2013年12月31日、分析は2013年9月1日~2017年12月31日に実施した。 主な結果は以下のとおり。・75万8,592人の閉経前女性(年齢中央値:40.6歳、四分位範囲:35.2~45.5歳)のデータを分析したところ、BMIと乳がんリスクとの線形の逆相関は、45~54歳のBMI(5kg/m2当たりのHR:0.88、95%CI:0.86~0.91)に比べ、18~24歳のBMI(同:0.77、95%CI:0.73~0.80)で強かった。・この逆相関は、過体重ではない女性でも観察された。・18~24歳において、BMIが最低(17.0未満)の群では最高(35.0以上)の群に比べ、乳がんリスクが4.2倍であった(HR:0.24、95%CI:0.14~0.40)。・現在の年齢や他の乳がんリスク因子の群間で、HRに大きな差はなかった。・ホルモン受容体陰性乳がんよりも、エストロゲン受容体(ER)陽性および/またはプロゲステロン受容体(PR)陽性乳がんのほうが、すべての年齢層でBMIと強い相関を示した。たとえば、18~24歳のBMIについて5kg/m2当たりのHRは、ER陽性およびPR陽性乳がんでは0.76(95%CI:0.70~0.81)、ホルモン受容体陰性乳がんでは0.85(95%CI:0.76~0.95)であった。・25~54歳でのBMIは、トリプルネガティブまたはホルモン受容体陰性の乳がんと関連はみられなかった。

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喘息など難治化の仕組み解明/千葉大学

 千葉大学大学院医学研究院の森本 侑樹特任助教、平原 潔准教授、中山 俊憲教授らのグループは、同大学医学研究院の耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学 岡本 美孝 教授のグループと共同で、重症アレルギー疾患における組織線維化を誘導する新たな細胞集団を同定し、組織線維化の新規メカニズムを明らかにした。 喘息などのアレルギー疾患の治療には、吸入ステロイドによる対症療法が一般的だが、一度起きてしまった組織の線維化にはステロイドは無効であり、新たな治療法が求められている。 本研究グループは、タンパク質Amphiregulinを特異的に産生する病原性記憶T細胞を同定した。Amphiregulinは、上皮成長因子(EGF)受容体を介して炎症性好酸球を誘導し、炎症性好酸球は、細胞外基質Osteopontinを多量に産生し、組織の線維化を直接誘導することを見出した。線維化を引き起こしたマウスへEGF受容体阻害薬を投与したところ、組織の線維化が改善することがわかった。 近年日本で増加しており、国の難病指定を受けている好酸球性慢性副鼻腔炎(ECRS)患者の鼻ポリープ中に、Amphiregulin産生病原性記憶T細胞およびOsteopontin産生好酸球が多数確認され、同記憶型病原性T細胞がヒト好酸球性疾患の線維化を誘導する可能性があることが示された。以上のことから、Amphiregulin-Osteopontin経路は重症アレルギー疾患の組織線維化において画期的な治療薬のターゲットになると期待される。■参考千葉大学プレスリリース

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大うつ病と自殺念慮に関する治療抵抗性うつ病研究グループの報告

 大うつ病性障害(MDD)の自殺念慮を解明するため、オーストリア・ウィーン医科大学のMarkus Dold氏らが、欧州多施設共同研究を実施した。これまでの調査において、MDD患者の自殺念慮の有病率は、50%以上であることが示唆されているが、社会人口統計学的、心理社会的、臨床的な特徴と自殺念慮との関連については、あまり知られていなかった。The international journal of neuropsychopharmacology誌2018年6月1日号の報告。 ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)の項目3(自殺傾向)の評価に基づき、うつ病患者1,410例を3群(0:自殺念慮なし、1~2:軽度~中等度の自殺念慮、3~4:重度の自殺念慮)に分類した。データ解析には、χ2検定、共分散分析、スピアマン相関分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・MDD患者の自殺念慮の有病率は、46.67%であった(HAM-D項目3のスコアが1以上)。・対象患者の重症度別の内訳は、自殺念慮なし群53.33%、軽度~中等度群38.44%、重度群8.23%であった。・自殺念慮のレベルに応じたMDD患者サンプルを層別化したところ、自殺念慮なし群と比較し、軽度~中等度群では、以下の社会人口統計学的、心理社会的、臨床的な因子が特定された。 ●抑うつ症状の重症度 ●治療抵抗性 ●精神病性特徴 ●一般的な併用薬・重度群のみで認められた因子は、以下のとおりであった。 ●入院治療 ●抗精神病薬およびベンゾジアゼピンによる増強療法 ●メランコリックな特徴 ●併存身体疾患 著者らは「軽度~中等度の自殺念慮でさえ、治療反応を達成できないことに関連しているため、実臨床においては、これらの因子を十分に考慮する必要がある」としている。■関連記事自殺念慮と自殺の関連が高い精神疾患は何か思春期の少年少女における自殺念慮の予測自殺予防の介入効果はどの程度あるのか

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重症代謝性アシドーシスに炭酸水素Naは有効か?/Lancet

 重症代謝性アシドーシスに対し、治療選択肢の1つと考えられている炭酸水素ナトリウム(重炭酸ナトリウム)投与の有効性について検討した結果が、フランス・Montpellier University HospitalのSamir Jaber氏らによる第III相多施設共同非盲検無作為化試験「BICAR-ICU試験」の結果、示された。主要複合アウトカム(28日以内の全死因死亡と7日以内の臓器不全)について、有意差は示されなかったが抑制効果がみられ、急性腎障害(AKI)を有した患者群では28日死亡率の有意な低下が認められたという。Lancet誌オンライン版2018年6月14日号掲載の報告。28日以内の全死因死亡と7日以内の1つ以上の臓器不全の発生を評価 試験は、フランスの26ヵ所のICUから患者を集めて行われた。各地の研究者がスクリーニングを行い、重症代謝性アシドーシス(pH:≦7.20、PaCO2:≦45mmHg、炭酸水素ナトリウム濃度:≦20mmol/L)を呈し、臓器不全評価(SOFA)総スコアが4以上または血中乳酸濃度2mmol/L以上で、ICUに入室後48時間以内の18歳以上の患者を適格とした。 被験者を層別無作為化法(限定的なウェブプラットフォームを使って最小化)により1対1の割合で、炭酸水素ナトリウム非投与(対照)群または4.2%炭酸水素ナトリウム静注でpH7.30超を維持する群に無作為に割り付けた。静注投与は、30分以内で125~250mLの範囲内とすること、包含後24時間以内で最大量1,000mLとすることを推奨値とした。 また無作為化では、事前に規定した3層(年齢、敗血症の状態、急性腎障害ネットワーク[AKIN]スコア)への層別化も行った。 主要アウトカムは、28日以内の全死因死亡と7日以内の1つ以上の臓器不全の複合であった。すべての解析はintention-to-treat(ITT)集団(無作為化を受けた全患者)のデータに基づき行われた。AKI患者では28日生存率に有意な差 2015年5月5日~2017年5月7日にITT集団として389例が登録された(対照群194例、炭酸水素ナトリウム群195例)。 主要複合アウトカムの発生は、対照群138/194例(71%)、炭酸水素ナトリウム群128/195例(66%)であった(推定絶対差:-5.5%、95%信頼区間[CI]:-15.2~4.2、p=0.24)。 Kaplan-Meier法による28日時点の推定生存率は、対照群と炭酸水素ナトリウム群で有意差はなかった(46%[95%CI:40~54] vs.55%[49~63]p=0.09)。事前規定のAKIN(スコア2または3)層別化患者においては、Kaplan-Meier法による28日時点の推定生存率は、対照群と炭酸水素ナトリウム群で有意差が認められた(63%[52~72] vs.46%[35~55]p=0.0283)。 代謝性アルカローシス、高ナトリウム血症、低カルシウム血症は、対照群より炭酸ナトリウム群でより多く観察された。命に関わる合併症の報告はなかった。

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